説明

治療薬

本発明は、RAMP(レセプター活性を変調させるタンパク質)タンパク質の、カルシトニンレセプター様レセプター(SRLR)に対する効果を変調させる薬剤に関するものである。また、本発明には、そのような薬剤の方法及び使用、並びに、そのような薬剤を同定するためのアッセイ方法も包含される。本明細書において開示される薬剤は、例えば、ガン、肥満症、及び他の疾患の治療において使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、アドレノモジュリン仲介シグナル伝達に関連する細胞表面ポリペプチドに基づく治療薬及び治療薬を同定するスクリーニングアッセイに関する。
【0002】
背景技術
細胞シグナル伝達は生存にとって重要であり、それが無いと、物理的又は化学的に単離された細胞はアポトーシスを受ける。
【0003】
カルシトニン生物活性ペプチドは、カルシトニン、アミリン、2つのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRPl及びCGRP2)、及びアドレノメジュリン(AM)を含む。
【0004】
アドレノモジュリン(AM)は、52アミノ酸の降圧ペプチドである。それはCGRP及びアミリンと構造的な類似性を有している。
【0005】
カルシトニンファミリーのペプチドは、G-タンパク連結型膜レセプター(GPCRs)を介して作用する。カルシトニンレセプターの遺伝子はクローニングされている。
【0006】
唯一、CRLRは、AMに対する応答においてシグナルを変換できず、CRLRのリガンド特異性、結合及び活性化を誘発するためにRAMP(レセプター活性変調タンパク質)の存在が必要とされるからである。
【0007】
CRLRは、RAMPファミリー、RAMP1-3のどのメンバーが発現されるかによって、CGRPレセプター又はAMレセプターのいずれかとして作用しうることが示された。
【0008】
RAMPファミリーの3つのメンバー、RAMP l、2及び3は、CRLRの異なるリガンド特異性を生じさせる。即ち:
RAMP l + CRLR = CGRP レセプター
RAMP2 + CRLR = AM レセプター
RAMP3 + CRLR = AM レセプター
である。
【0009】
発明の概要
本発明の第一の態様では、(i)RAMP−3、(ii)RAMP−2及び(iii)RAMP−1タンパク質から選択される1又は複数のRAMPタンパク質(受容体活性調節タンパク質)のカルシトニン受容体様受容体(CRLR)と結合、及び/又は影響を調節することができる薬剤が提供される。
【0010】
一実施態様では、薬剤はRAMPタンパク質の細胞外ドメインと結合する。
【0011】
一実施態様では、本発明の薬剤は、
(a)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置1から位置31の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から31アミノ酸残基のペプチド部分、
(b)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置32から位置46の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から15アミノ酸残基のペプチド部分、及び
(c)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置47から位置99の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から53アミノ酸残基のペプチド部分、
から選択される少なくとも1つのリガンドと結合する。
【0012】
一実施態様では、薬剤は、
(a)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置1から位置32の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から32アミノ酸残基のペプチド部分、
(b)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置33から位置46の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から14アミノ酸残基のペプチド部分、及び
(c)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置47から位置99の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から53アミノ酸残基のペプチド部分、
から選択される少なくとも1つのリガンドと結合する。
【0013】
典型的には、ペプチド部分は5から15アミノ酸長の間である。
【0014】
ペプチド部分(b)は、推定CRLR結合ドメインの全部又は一部を含み得る。
【0015】
本発明の薬剤は、任意に、以下の2つの可能性のうち1又はそれ以上を持つ。
【0016】
本明細書に記載するデータは、一方はRAMP-3とCRLRとの間の相互作用、他方はTAMP-3/CRLR結合複合体とアドレノメデュリン等のリガンドとの間のいずれかの阻害剤がガン及び血管新生の防止に様とを有することを示す。
【0017】
本発明の一態様によると、カルシトニン受容体様受容体(CRLR)の機能に対するポリペプチドの影響を調節する薬剤であって、該ポリペプチドが、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド:
からなるのグループより選択される薬剤が提供される。
【0018】
本明細書で使用される「CRLR機能又は活性」とは、CRLRの全ての生物学的活性を指す。特異的な「機能」は、リガンドに対するCRLR活性化を含み、リガンドの例として、アデノメジュリン(AM)及びCGRPが含まれる。典型的には、AM又はCGRPに対するCRLR活性化は、cAMP発現及び他の第二のメッセンジャーシステムの活性化を含む。
【0019】
AM又はCGRP等のリガンドは本発明のポリペプチド、即ちRAMPタンパク質に結合するので、当該ポリペプチドがCRLRに結合したときのみ、本発明の薬剤を変調、例えばRAMPタンパク質のCRLRとの結合の阻害のために使用することができる。
【0020】
好ましい実施態様では、薬剤は抗体物質である。一実施態様では、抗体物質はRAMP-3と結合する。抗体は、RANP-3に特異的に結合してもよい。
本明細書の開示範囲には、医薬として使用するための薬剤が含まれる。
【0021】
本発明の更なる態様では、薬剤芽、例えば抗体物質又はタンパク質、例えば融合タンパク質である場合、本発明の薬剤の発現のために適合されたベクターが提供される。また本発明は、本明細書に記載されるベクターでトランスフォーム又はトランスフェクトされた細胞も提供する。
本発明の更なる態様では、本明細書に記載するような薬剤、例えば抗体の製造方法が提供される。
【0022】
幾つかの実施例の詳細な説明
本明細書では以下の用語及び略語が使用される。
定義
特に断らない限り、技術用語は従来の用途に従って使用される。分子生物学における共通の用語の定義は、例えば、Benjamin Lewin, Genes V, published by Oxford University Press, 1994 (ISBN 0-19- 854287-9); Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, published by Blackwell Science Ltd. ,1994 (ISBN 0-632-02182-9); 及びRobert A. Meyers (ed. ), Molecular Biology and Biotechnology : a Comprehensive Desk Reference, published by VCH Publishers, Inc., 1995 (ISBN 1-56081-569-8)に見出すことができる。免疫学の分野の当業者に知られた定義及び追加情報は、例えば、Fundamental Immunology, W. E. Paul, ed. , fourth edition, Lippincott-Raven Publishers, 1999に見出される。
【0023】
抗体断片(特異的抗原結合性を持つ断片):様々な抗体断片が同定されており、Fab、(Fab')2、Fv、dsFV、、一本鎖Fv (scFv)及びシングルドメイン抗体を含むドメイン抗体を含む。
【0024】
シングルドメイン抗体は、その相補性決定領域が一本鎖ドメインポリペプチドの一部である抗体である。
【0025】
dAB (ドメイン抗体)は、抗体の最小の機能的結合単位であり、ヒト抗体の重鎖(VH)又は軽鎖(VL)のいずれかの可変領域に相当する。
【0026】
細胞株/細胞培養:「細胞株」又は「細胞培養」は、インビトロで成長又は維持された、より高等な真核生物細胞である。
【0027】
相補性決定領域(CDR):CDRは、結合した抗体の三次元構造と相補的な抗原結合表面を形成する抗体分子の可変軽鎖(VL)及び可変重鎖(VH)領域のいずれかにある3つの超可変領域である。
【0028】
Kabat, E. A., et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, MD (1987) and (1991)からの番号付けスキームを参照する。
【0029】
CDR及びFR残基は、構造的定義に従っても決定される (Chothia and Lesk, J. MoI. Biol. 196:901-917 (1987)におけるように)。
【0030】
定常領域:エフェクター機能を持つ抗体分子の部分である。本明細書の開示では、使用する変異抗体は、ヒト免疫グロブリンから誘導された定常領域を含むことができる。
【0031】
エピトープ:アミノ酸配列の特異性によって決定した場合の、薬剤によって認識される抗体上の部位である。
【0032】
フレームワーク領域(FR):抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域内にある3つの高度に多様性の相補性決定領域(CDR)に隣接する比較的保存された配列である。
【0033】
阻害する:相互作用、例えば、(i)RAMPタンパク質とリガンドとの間の結合、又は(ii)RAMPタンパク質とCRLRとの間の結合、又は(iii)RAMP/CRLR複合体とリガンドとの結合、を妨害、ブロック、又は阻止する化学種は、相互作用を阻害すると考えられる。典型的には、阻害は100%のブロックをもたらさないが、相互作用の量及び/又は速度を減少させる。
【0034】
免疫原性:対象者に投与したとき、タンパク質、治療部位、又は免疫反応(体液性又は細胞性)を誘発するを薬剤をターゲティングする能力の尺度である。
【0035】
免疫グロブリン:免疫グロブリン(Ig)分子及びIg分子の免疫原的活性部分、例えば、抗原と特異的に結合(又は相互作用)する抗原結合部位を含む分子である。
【0036】
天然の抗体又は免疫グロブリン(例えば、IgG)は、ジスルフィド結合で相互に連結された4つのペプチド、即ち2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む。
【0037】
抗体の基本構造単位は、一般的に、2つの同一の免疫グロブリン鎖の対を含むテトラマーであり、各対は、1つの軽鎖及び1つの重鎖を有している。
【0038】
各鎖は異なる配列ドメインを含む。軽鎖は2つのドメイン、即ち可変ドメイン(VL)及び定常ドメイン(CL)を含む。重鎖は4つのドメイン、即ち可変ドメイン(VH)及び3つの定常ドメイン(CHl、CH2及びCH3、集合的にCHと呼ばれる)を含む。
【0039】
キメラ抗体は、その軽鎖及び重鎖遺伝子が、異なる種に属する免疫グロブリン可変及び定常領域遺伝子から、典型的には遺伝子加工により組み立てられた抗体である。
【0040】
「ヒト化」免疫グロブリン又は抗体は、ヒトのフレームワーク領域と、非ヒト(例えば、マウス、ラット又は合成)免疫グロブリンからの1又はそれ以上のCDRとを含む免疫グロブリンである。
【0041】
ヒト抗体は、軽鎖及び重鎖遺伝子がヒト由来である抗体のことである。ヒト抗体は、当該技術で知られた方法により製造することができる。
【0042】
抗体は、ファージディスプレー技術を用いて得ることもできる。ファージディスプレー技術は、当該技術で知られており、例えば、Marks et al J. MoI. Biol. 222: 581-597 及び Ckackson et al, Nature 352: 624-628を両方とも参考としてここに取り入れるものとする。
【0043】
アプタマー:本発明の薬剤はアプタマーであってもよい。アプタマーは、アミノ酸、薬物、タンパク質及び他の分子に対して生成され得る人工核酸リガンドと定義されている。それらは、吸着、回収及び再増幅の反復プロセスによって合成核酸の複合体ライブラリから単離される。
【0044】
RNAアプタマーは特定の標的分子に対する親和性を持つ核酸分子である。それらは、リガンド結合特性によっって抗体に結合している。
【0045】
従来技術から、結合、播種及び増幅の繰り返しサイクルによって、生成配列プールから単離する方法が知られている。そのような方法は、米国特許第5,475,096号、第5,270,163号及び欧州特許第0533 38号に記載されており、典型的にはSELEX (Systematic Evolution of Ligands by EX-ponential Enrichment)と呼ばれる。
【0046】
免疫反応性:薬剤、しばしば抗体が特異的抗原を認識及び結合する能力の尺度である。「特異的に結合する」とは、個々の薬剤又は抗体が抗原と特異的に免疫反応する能力を意味する。
【0047】
モノクローナル抗体:は、Bリンパ球の単一クローンにより、又は単一の抗体の軽鎖及び重鎖がトランスフェクトされた細胞により生産される。
【0048】
核酸:「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドの重合体であり、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、及び類似物を任意の組み合わせで含んでいる。
【0049】
ポリペプチド:用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書中で交換可能に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマーを意味する。
【0050】
アミノ酸置換は、或る領域、例えば可変領域の1又はそれ以上のアミノ酸の変化又は修飾から完全な再設計までの範囲である。
【0051】
本明細書で使用する「変異体」ポリペプチドは、1又はそれ以上の置換、付加、欠失、切断によりアミノ酸配列が相違しており、それらは任意に組み合わせてそんざいしてもよい。
【0052】
上記したように、本発明の第一の態様は、(i) RAMP-3、(ii)RAMP-2及び(iii)RAMP-1タンパク質から選択される1又はそれ以上のRAMPタンパク質(レセプター活性変調タンパク質)のカルシトニンレセプター様レセプター(CRLR)に結合できる及び/又はその効果を変調させることができる薬剤を提供する。
【0053】
一実施態様では、薬剤はRAMPタンパク質の細胞外ドメインに結合する。典型的には、薬剤はRAMP-3 とCRLPとの相互作用を変調させることができる。
【0054】
典型的には、薬剤は少なくとも12%まで増殖を阻害することができる。幾つかの実施態様では、薬剤は少なくとも20%、そして任意に少なくとも25%まで増殖を阻害できる。さらなる態様では、薬剤は少なくとも30%、さらに任意に少なくとも少なくとも40%まで増殖を阻害することができる。
【0055】
本明細書に開示される薬剤は、RAMPタンパク質の効果を変調させることとができ、RAMPタンパク質は、i)図1に示される核酸配列にコードされるポリペプチド、又はその変異体;ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、及びiii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチドであり、RAMP-2は、i)図2に示される核酸配列にコードされるポリペプチド、又はその変異体;ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、及びiii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチドであり、RAMP-3は、i)図3に示される核酸配列にコードされるポリペプチド、又はその変異体;ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、及びiii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチドである。
【0056】
本発明の更なる態様では、ポリペプチドのカルシトニンレセプター様レセプター(CRLR)機能に対する影響を変調させる薬剤が提供され、該ポリペプチドは図1、2又は3に示すアミノ酸配列を含む。
【0057】
さらに、本明細書の開示は、ここに記載するポリペプチド配列と少なくとも75%の同一性を有する配列、又はその断片及び機能的等価なポリペプチドを特徴とする。
【0058】
本明細書の開示は、図4、5又は6に示すアミノ酸配列又はその断片又は変異体を含むポリペプチドを含む。
【0059】
本明細書で使用される「図4、5又は6に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドの断片」とは、1から99アミノ酸を含む断片を包含する。
【0060】
一実施態様では、本開示の薬剤は、ポリペプチドである。
【0061】
一実施態様では、薬剤はポリペプチドに限られず、薬剤は検出可能なマーカーを含む。
【0062】
上記に詳細に記載したように、キメラ抗体は、マウス又はラット抗体のV領域の全てがヒト抗体C領域と結合した組み換え抗体である。
【0063】
一実施態様では、抗体製造物は、抗体断片であり、例えば、一本鎖抗体、一本鎖可変断片(scFv)、ドメイン抗体(dAb)又はナノボディである。
【0064】
上記に示したように、免疫グロブリン又は抗体の様々な断片が当該分野で知られている。
【0065】
単一の可変領域、いわゆる一本鎖抗体可変領域断片(scFV)を生成させることが可能である。
【0066】
本発明の更なる好ましい実施態様では、前記抗体はオプソニン抗体である。
【0067】
本発明の一実施態様では、前記抗体又は抗体断片は、治療薬と結合又は架橋していた。
【0068】
よって、本発明の薬剤は、例えば、抗体又は抗体断片、例えばFab断片である。
【0069】
抗体の単離方法は当該分野で知られている。例えば、Harlow and Lane (1988) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New Yorkを参照のこと。
【0070】
殆どの適用では、一般に、ポリペプチド、例えば抗体が、少なくとも部分的に他の細胞性成分から精製されろのが好ましい。
【0071】
また、本発明には、抗体製造物、例えば抗体又はここに記載した抗体断片の製造方法も含まれる。
【0072】
本発明の更なる態様では、本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株の調製方法が提供される。
【0073】
本発明の一実施態様では、(i)のポリペプチドは図7、8又は9に示すアミノ酸配列又はポリペプチド変異体を含み、前記変異体は、図7、8又は9に示すアミノ酸配列の少なくとも1つの残基の付加、欠失又は弛緩により修飾され、前記ポリペプチドはCRLR機能を変調させる。
【0074】
本発明の一実施態様では、前記核酸は小さなインターフェアリングRNAであり得る。小インターフェアリングRNAは、以下の(1)−(5)の配列からなる群から選択できる。
TGGCCCATCACCTCTTCATGA (1)
CTGGCTGCTCCTGGCCCATCA (2)
TCCTGGCCCATCACCTCTTCA (3)
CUAUGAGACAGCUGUCCAA (4)
GUUCUUCUCCAACUGCACC (5)
【0075】
遺伝子機能を特異的に除去する技術は、二本鎖RNAの導入を介する。
【0076】
本発明の他の態様では、単離された核酸が提供される。
【0077】
また、本発明は、薬剤をコードする核酸配列と少なくとも90%相同性を共有する核酸を含む。
【0078】
本発明の一態様では、本発明の薬剤が抗体、その断片又は融合タンパク質であるとき、前記薬剤をコードする核酸分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸が提供される。
【0079】
更なる態様において、本発明は、上記の核酸及び宿主中でタンパク質又はポリペプチドを発現するのに必要な結合した調節配列を含む発現ベクターを提供する。
【0080】
形質転換体又はトランスフォームした細胞により、本発明の薬剤、例えば融合タンパク質、抗体又は抗体断片は、細胞内又は培養媒体中で生成される。
【0081】
例えば、細胞は適切な媒体中で培養され、消費した媒体は抗体源として使用できる。
【0082】
本発明の更なる態様では、RAMP タンパク質の発現レベルのアッセイ法が提供される。
【0083】
本発明の一態様では、患者におけるガンを同定するための診断アッセイが提供される。
【0084】
本発明の更なる態様は、核酸分子によってコードされるRAMPタンパク質の活性を変調させる薬剤のスクリーニング方法を提供する。
【0085】
本開示は、CRLR機能を変調させる薬剤の同定におけるRAMPタンパク質の使用を提供する。
【0086】
本発明の更なる態様によれば、図1、2又は3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子と特異的に反応する結合剤を含むキットが提供される。
【0087】
本発明の代替的な好ましい実施態様では、前記キットは図1、2又は3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子と特異的に反応する抗体を含む。
【0088】
本発明の更なる態様によれば、核酸分子によってコードされるポリペプチドの活性を変調させる薬剤のスクリーニング方法が提供される。
【0089】
RAMP細胞外ドメイン(ECD)に相当する図4から6(図7から9を含む)に示すアミノ酸配列は、RAMPのCRLRへの結合の変調等を介してCRLR機能を変調する分子の構造ベースの設計に使用できる。
【0090】
上記したように、本発明は、或る実施態様において、ここに記載したポリペプチドから誘導される「ドメインネガティブ」ポリペプチド」も提供する。
【0091】
当業者は、本開示によるペプチド薬剤のアミノ酸配列の修飾が、標的配列に対するペプチドの結合性及び/又は安定性を向上させうる事を理解するであろう。
【0092】
更なる態様において、本発明は、CRLR機能を変調させる薬剤の同定におけるポリペプチドの使用を提供する。
【0093】
医薬的方法、製造物の使用
他の態様では、本発明は、前記した試薬の医薬としての使用を提供する。更なる態様では、前記の試薬を含有する医薬組成物を提供する。組成物は、少なくとも一つの付加的な製薬上許容される成分、例えば、賦形剤、希釈剤又は担体を含んでいてもよい。好ましくは、組成物は、非経口投与を意図するものである。特別な実施態様では、組成物は、抗体、例えばRAMP-3タンパク質に結合する抗体である試薬を含む。
【0094】
保護の範囲は、それらが実際にそのような試薬を含有するか否かに関わりなく、そしてそのような試薬が製薬上有効な量で含まれているか否かに関わりなく、本発明の試薬を含む又は含むことを意図した偽の又は不正な製造物を含む。従って、パッケージが本発明の化学種又は組成物を含むことを表示した記載又は指示を含むパッケージ、及びそのような組成物又は化学種である又は含む、あるいは含むことを意図した製造物は、保護の範囲に含まれる。
【0095】
本発明の更なる実施態様では、本発明の試薬を含有する医薬組成物が提供される。好ましい実施態様では、試薬は抗体、特にRAMP-3タンパク質に結合する抗体である。
【0096】
本明細書の開示には、図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、又はそれらの断片又は変異体ポリペプチドであって、前記変異体が図4、5又は6に示されるアミノ酸配列のアミノ酸残基の少なくとも1つの付加、欠失又は置換によって修飾され、前記変異体ポリペプチドがCRLR機能を変調させるものを含有する組成物が含まれる。
【0097】
本明細書で使用する「図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの断片」は、1〜50アミノ酸、例えば1〜30アミノ酸、例えば1〜30アミノ酸を含む断片を含む。図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの断片は、図7、8又は9に示されるアミノ酸配列又は変異体ポリペプチドであって、前記変異体が図7、8又は9に示されるアミノ酸配列のアミノ酸残基の少なくとも1つの付加、欠失又は置換によって修飾され、前記変異体ポリペプチドがCRLR機能を変調させるものを含んでいてもよい。
【0098】
また、本明細書の開示は、
i)図4、5又は6に示される核酸配列の全部又は一部を含む核酸分子;
ii)上記(i)の核酸分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、ポリペプチドをコードする核酸分子であって、そのポリペプチドがCRLR機能を変調させる核酸分子
からなる群から選択される、ワクチンとして使用するための核酸分子を含有する医薬組成物を含む。
【0099】
本明細書の開示は、図4、7、8又は9に示される核酸配列を含む核酸分子を含有する組成物も想定している。
本発明の好ましい実施態様では、前記組成物はアジュバント及び/又はキャリアを含む。
【0100】
アジュバントは、免疫細胞の活性を変調させることにより抗原に対する特異的な免疫反応を増強する物質又は手段である。アジュバントの例は、例示のみだが、フロイントアジュバント、ムラミールジペプチド、リポソームを含む。キャリアは、第二の分子に結合したときに、後者に対する免疫反応を増強する免疫原性分子である。幾つかの抗原は本来的に免疫原性ではなく、外来タンパク質分子、例えばキーホール-リンペットヘモシアニン又は破傷風トキソイドと結合したときに抗体反応を生じさせる。そのような抗原は、B細胞エピトープを含むがT細胞エピトープは含まない。そのような複合体のタンパク質部分(「キャリア」タンパク質)は、ヘルパーT細胞を刺激するT細胞エピトープを提供し、それは翻って抗原特異的B細胞のプラズマ細胞への分化を刺激して、抗原に対する抗体を産生する。ヘルパーT細胞は、他の免疫細胞、例えば細胞傷害性T細胞も刺激し、キャリアは細胞媒介免疫性並びに抗体の産生において類似の役割を果たし得る。
【0101】
本開示には、以下のパラグラフの内容も含まれる。
1. カルシトニン受容体様受容体(CRLR)の機能に対するポリペプチドの影響を調節する薬剤であって、該ポリペプチドが、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド:
からなるのグループより選択される薬剤 。
2.薬剤がアンタゴニストであるパラグラフ1に記載の薬剤。
3.薬剤がアゴニストであるパラグラフ1に記載の薬剤。
4.薬剤がポリペプチドであるパラグラフ1に記載の薬剤。
5.薬剤が図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、又はその断片又は変異体であるパラグラフ1に記載の薬剤。
6.図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの断片が、図4、5又は6に示されるアミノ酸配列のN末端の1から30アミノ酸を含む断片を包含する、パラグラフ5に記載の薬剤。
7.図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの断片が、図7、8又は9から選択されるアミノ酸配列からなる断片を包含する、パラグラフ5に記載の薬剤。
8.薬剤が検出可能マーカーと共に供給されるパラグラフ5に記載の薬剤。
9.薬剤が抗体又は抗体の活性な結合部分であるパラグラフ1に記載の薬剤。
10.抗体がモノクローナル抗体又はその活性な結合部分であるパラグラフ9に記載の薬剤。
11.抗体がキメラ抗体であるパラグラフ9に記載の薬剤
12.抗体が、該抗体の可変領域とヒト抗体の不変又は定常領域を含むように、組換え法によって生産されるヒト化抗体であるパラグラフ9に記載の薬剤。
13.抗体が抗体断片であるパラグラフ9に記載の薬剤。
14.抗体断片が一本鎖抗体可変領域断片であるパラグラフ14に記載の薬剤。
15.抗体が検出可能マーカーと共に供給されるパラグラフ9乃至14のいずれかに記載の薬剤。
16.抗体又は抗体断片が化学療法剤と結合又はクロスリンクするパラグラフ9乃至14のいずれかに記載の薬剤。
17.薬剤が核酸分子であるパラグラフ1に記載の薬剤。
18.核酸がアンチセンス核酸、アプタマー又は小分子干渉RNAであるパラグラフ17に記載の薬剤。
19.前記パラグラフのいずれかに記載の薬剤及びアジュバント又は薬剤的に許容な担体を含む医薬組成物。
20.i)図4、5又は6に表される核酸配列の全て又は一部を含む核酸分子;
ii)上記(i)核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節するポリペプチドをコードする核酸分子、
からなるグループより選択される核酸分子を含むワクチンとしての使用のための医薬組成物。
21.核酸分子が、図4、7、8又は9で表される核酸配列を含むパラグラフ20の組成物。
22.パラグラフ11のキメラ抗体又はパラグラフ12のヒト化抗体の発現に適合されるベクター。
23.パラグラフ22のベクターで形質転換又は形質移入される細胞。
24.パラグラフ11のキメラ抗体又はパラグラフ12のヒト化抗体の産生のための方法であって、
iii)ヒト化又はキメラ抗体をコードする核酸分子を含むベクターで形質転換又は形質移入される細胞を提供し、
iv)該抗体の製造を生じさせる条件下で該細胞を生育させ、
v)該細胞又はその生育環境から該抗体を精製する、
ことを含む方法。
25.パラグラフ10のモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞。
26.パラグラフ25のハイブリドーマ細胞株を使用してパラグラフ25のモノクローナル抗体を生産する方法。
27.i)免疫応答性の哺乳動物を図4、5又は6で表されるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は断片又はここで定義されるその変異体を含む抗原で免疫し、
ii)免疫した免疫応答性哺乳動物のリンパ球をハイブリドーマ細胞を形成させるためにミエローマと融合させ、
iii)ステップ(ii)のハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体を(i)のポリペプチドに対する結合活性によりスクリーニングし、
iv)生育及び/又は該モノクローナル抗体を分泌させるためにハイブリドーマ細胞を^培養し;及び
v)培養上清からモノクローナル抗体を回収する、
ステップを含む、パラグラフ10に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株の調製方法。
28.(i)のポリペプチドが図7、8又は9に示されるものから選択されるアミノ酸配列を含むパラグラフ27に記載の方法。
29.iii)単離された細胞サンプルを提供し、
iv)(i)のサンプルと図1、2又は3に表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、又はその断片又は変異体をコードする核酸分子、又は該核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、図1、2又は3に表されるアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドをコードする核酸分子と結合する結合薬剤と接触させ、
v)対応する正常サンプルと比較して、該サンプル中の該核酸分子の発現を決定する:
ステップを含む被検対象中の癌の判定のための診断アッセイ。
30.結合約合いがオリゴヌクレオチドプライマーであるパラグラフ29のアッセイ。
31.結合薬剤がオリゴヌクレオチドプライマーであるパラグラフ29のアッセイ。
32.結合薬剤が、図1、2又は3のアミノ酸配列で表される該ポリペプチドと特異的に結合する抗体であるパラグラフ29に記載の薬剤。
33.a)図1、2又は3に示される核酸配列からなる核酸分子;
b)上記(i)の核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節する核酸分子;
からなるグループより選択される核酸分子によってコードされるポリペプチドの活性を調節する薬剤のスクリーニングする方法であって、
i)ポリペプチド又はその配列変異体及び少なくとも1つの試験薬剤を含む調製物を作製し、
ii)該ポリペプチドの活性について該薬剤の活性を測定するスクリーニング方法。
34. CRLR機能を調節する薬剤の同定におけるポリペプチドの使用であって、該ポリペプチドが、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
からなるのグループより選択される使用 。
35. CRLRと、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含むポリペプチド、
からなるのグループより選択されるポリペプチドとの相互作用を調節する薬剤の同定におけるCRLRの使用 。
36.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤、又はパラグラフ21のいずれかの組成物の医薬のための使用。
37.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤の有効量を投与することを含む被検対象における癌の治療方法。
38.パラグラフ20又は21の組成物の有効量を投与することを含む癌について動物を免疫する方法。
39.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤の有効量を投与することを含む被検対象における骨粗鬆症の治療方法。
40.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤の有効量を投与することを含む被検対象における肥満の治療方法。
41.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤の有効量を投与することを含む被検対象における炎症性疾患の治療方法。
42.炎症性疾患が、アテローム性動脈硬化症、リウマチ様関節炎、変形性関節症及び多発性関節炎から選択されるパラグラフ41の方法。
43.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤の有効量を投与することを含む被検対象における創傷の治療方法。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】RAMP1のDNA配列(上)(配列番号:1)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:2)を示す図である。
【図2】RAMP2のDNA配列(上)(配列番号:3)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:4)を示す図である。
【図3】RAMP3のDNA配列(上)(配列番号:5)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:6)を示す図である。
【図4】RAMP1の細胞外ドメイン(ECD)領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:7)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:8)を示す図である。
【図5】RAMP2の細胞外ドメイン(ECD)領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:9)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:10)を示す図である。
【図6】RAMP3の細胞外ドメイン(ECD)領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:11)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:12)を示す図である。
【図7A】RAMP1の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:13、14、15、16、17、18、19及び20)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:21、22、23、24、25、26、27及び28)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図7B】RAMP1の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:13、14、15、16、17、18、19及び20)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:21、22、23、24、25、26、27及び28)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図7C】RAMP1の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:13、14、15、16、17、18、19及び20)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:21、22、23、24、25、26、27及び28)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図8A】RAMP2の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:29、30、31、32、33、34、35、36及び37)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:38、39、40、41、42、43、44、45、46及び47)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図8B】RAMP2の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:29、30、31、32、33、34、35、36及び37)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:38、39、40、41、42、43、44、45、46及び47)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図8C】RAMP2の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:29、30、31、32、33、34、35、36及び37)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:38、39、40、41、42、43、44、45、46及び47)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図9A】RAMP3の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:48、49、50、51、52、53、54及び55)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:56、57、58、59、60、61、62及び63)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図9B】RAMP3の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:48、49、50、51、52、53、54及び55)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:56、57、58、59、60、61、62及び63)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図10A】CRLRのDNA配列(上)(配列番号:64)及びアミノ酸配列(下)(配列番号:65)を示す図である。
【図10B】CRLRのDNA配列(上)(配列番号:64)及びアミノ酸配列(下)(配列番号:65)を示す図である。
【図11】マウス抗-RAMPポリクローナル抗体についてのELISAデータを示す図である。
【図12】ポリクローナル抗-RAMP-3抗体の、ヒトMG63骨肉腫細胞のおけるアデノメジュリンが環状AMPを増大させる効果を調節する能力を試験した結果を示すグラフである。全ての抗体がアデノメジュリンの効果を減少させた。
【図13】モノクローナル抗-RAMP-3抗体の、(増殖部位にマッピングされるミトコンドリアスクシネートデヒドロゲナーゼのMTTアッセイに基づいて)増殖阻害を油発する能力を試験した結果を示すグラフである。1:50の濃度は約50ngの最終濃度に等しい。
【図14】マウス1からのポリクローナル抗体のウエスタンブロットである。
【図15】マウス2からのポリクローナル抗体のウエスタンブロットである。
【図16】マウス3からのポリクローナル抗体のウエスタンブロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)RAMP−3、(ii)RAMP−2及び(iii)RAMP−1タンパク質から選択される1又は複数のRAMPタンパク質(受容体活性調節タンパク質)のカルシトニン受容体様受容体(CRLR)と結合、及び/又は影響を調節することができる薬剤。
【請求項2】
RAMPの細胞外ドメインと結合する請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
RAMP−3とCRLPとの相互作用を調節することができる請求項2に記載の薬剤。
【請求項4】
RAMP−3タンパク質の細胞外ドメインと特異的に結合する前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項5】
(a)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置1から位置31の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から31アミノ酸残基のペプチド部分、
(b)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置32から位置46の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から15アミノ酸残基のペプチド部分、及び
(c)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置47から位置99の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から53アミノ酸残基のペプチド部分、
から選択される少なくとも1つのリガンドと結合する前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項6】
(a)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置1から位置32の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から32アミノ酸残基のペプチド部分、
(b)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置33から位置46の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から14アミノ酸残基のペプチド部分、及び
(c)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置47から位置99の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から53アミノ酸残基のペプチド部分、
から選択される少なくとも1つのリガンドと結合する前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項7】
ペプチド部分が5から15アミノ酸長の間である請求項6又は7に記載の薬剤。
【請求項8】
ヒトRMAP−3の断片と結合し、外断片がヒトカスパーゼ−3及びヒトカルパイン−1を用いたRMAP−3の細胞外ドメインの酵素切断によって生産される、前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項9】
ヒトSW−13細胞の増殖を少なくとも10%阻害することができ、該阻害がMTT細胞増殖アッセイを用いて測定される、前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項10】
少なくとも12%増殖を阻害することができる請求項9に記載の薬剤。
【請求項11】
少なくとも20%、選択によっては少なくとも25%増殖を阻害することができる請求項9に記載の薬剤。
【請求項12】
少なくとも30%、選択によっては少なくとも40%増殖を阻害することができる請求項9に記載の薬剤。
【請求項13】
アドレノミデュリンで刺激した場合、ヒトMG63骨肉腫細胞中のcAMPの生産を少なくとも約15%減少又は阻害することができる前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項14】
少なくとも約20%cAMPの生産を阻害することができる請求項13に記載の薬剤。
【請求項15】
RAMP−1タンパク質が、
i)図1で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
から選択され、
RAMP−2タンパク質が、
i)図2で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
から選択され、
さらに、RAMP−3タンパク質が、
i)図3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
から選択される請求項1に記載の薬剤。
【請求項16】
カルシトニン受容体様受容体(CRLR)に対するポリペプチドの影響を調節し、該ポリペプチドが、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド。
からなるのグループより選択される薬剤 。
【請求項17】
前記薬剤がアンタゴニストであり、選択により、RAMPタンパク質とCRLR間の結合を干渉し、及び/又はCRLRに対するリガンド及び/又はRAMPタンパク質の結合を干渉する、前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項18】
前記 薬剤がアゴニストである請求項1乃至15のいずれかに記載の薬剤。
【請求項19】
抗体及び抗体断片から選択される抗体産物;タンパク質;ポリペプチド;融合タンパク質;アプタマー;及び化合物 である前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項20】
前記薬剤が抗体又は抗体の活性な結合部分である前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項21】
抗体産物がモノクローナル抗体又はその活性な結合部分である請求項20に記載の薬剤。
【請求項22】
抗体産物がキメラ抗体である請求項20又は21に記載の薬剤。
【請求項23】
抗体がヒト化抗体である請求項20又は請求項21に記載の薬剤。
【請求項24】
抗体産物が抗体断片である請求項20乃至23のいずれかに記載の薬剤。
【請求項25】
抗体断片が、一本鎖抗体、一本鎖可変断片(svFv)、ドメイン抗体(dAB)及びナノボディーから選択される請求項24に記載の薬剤。
【請求項26】
抗体産物が、例えば、PEG分子と結合した結合体である請求項20乃至25のいずれかに記載の薬剤。
【請求項27】
前記薬剤が化学療法剤と結合又はクロスリンクした前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項28】
前記薬剤が検出可能なマーカーを含む前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項29】
前記薬剤が核酸分子である請求項1乃至19のいずれかに記載の薬剤。
【請求項30】
前記核酸分子がアンチセンス核酸、アプタマー又は小分子干渉RNAである請求項29に記載の薬剤。
【請求項31】
医薬のために使用される前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項32】
前記請求項のいずれかに記載される薬剤、及び薬剤的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項33】
請求項19乃至25のいずれかに記載の抗体の発現に適合され、選択により、請求項21に記載のキメラ抗体又は請求項22に記載のヒト化抗体の発現に適合されたベクター。
【請求項34】
請求項33に記載のベクターで形質転換又は形質移入された細胞。
【請求項35】
請求項20乃至25のいずれかに記載の抗体又は抗体断片、及び選択により、請求項22に記載されるキメラ抗体又は請求項23に記載されるヒト化抗体の生産方法であって:
i)抗体又は抗体断片をコードする核酸分子を含むベクターで形質転換又は形質移入した細胞を生育させ、
ii)該細胞又はその生育環境から該抗体を精製する、生産方法。
【請求項36】
請求項20に記載 のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株。
【請求項37】
i)免疫応答性の哺乳動物を図4、5又は6で表されるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は断片又はここで定義されるその変異体を含む抗原で免疫し、
ii)免疫した免疫応答性哺乳動物のリンパ球をハイブリドーマ細胞を形成させるためにミエローマと融合させ、
iii)ステップ(ii)のハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体を(i)のポリペプチドに対する結合活性によりスクリーニングし、
iv)生育及び/又は該モノクローナル抗体を分泌させるためにハイブリドーマ細胞を^培養し;及び
v)培養上清からモノクローナル抗体を回収する、
ステップを含む、請求項21に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株の調製方法。
【請求項38】
(i)のポリペプチドが図7、8又は9に示されるものから選択されるアミノ酸配列を含む請求項36に記載の方法。
【請求項39】
図1、2又は3に示される配列のRAMPタンパク質、又はストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で該核酸分子とハイブリダイズし、図1、2又は3に表されるアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドをコードする核酸分子の発言レベルを決定するためのアッセイであって、その方法が、
i)単離した細胞サンプルをRAMPタンパク質をコードする核酸分子と結合する結合薬剤と接触させ、
ii)標準サンプルと該サンプル中の核酸分子の発現を比較する、
ステップを含むアッセイ。
【請求項40】
結合薬剤がオリゴヌクレオチドプラマー及び図1、2又は3のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと特異的に結合する抗体から選択される請求項39に記載のアッセイ。
【請求項41】
該アッセイがポリメラーゼ連鎖反応を含む請求項40に記載のアッセイ。
【請求項42】
a)図1、2又は3に示される核酸配列からなる核酸分子;
b)上記(i)の核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節する核酸分子:
からなるグループより選択される核酸分子によってコードされるRAMPタンパク質の活性を調節する薬剤をスクリーニングする方法であって;該方法が細胞表面上にRAMPタンパク質を発現する細胞と試験化合物とを接触させ、試験化合物のRAMPタンパク質の活性を調節する能力を決定することを含む方法。
【請求項43】
CRLR機能を調節する薬剤の同定におけるポリペプチドの使用であって、該ポリペプチドが、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
からなるのグループより選択される使用 。
【請求項44】
CRLRと、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
からなるのグループより選択されるポリペプチドとの相互作用を調節する薬剤の同定におけるCRLRの使用 。
【請求項45】
癌を治療する医薬の製造のための請求項1乃至30のいずれかに記載の薬剤又は請求項31に記載の医薬組成物の使用。
【請求項46】
骨粗鬆症を治療する医薬の製造のための請求項1乃至31のいずれかに記載の薬剤又は請求項32に記載の医薬組成物の使用。
【請求項47】
肥満を治療又は軽減する医薬の製造のための請求項1乃至31のいずれかに記載の薬剤又は請求項32に記載の医薬組成物の使用。
【請求項48】
炎症性疾患及び/又は炎症性応答を治療又は軽減する医薬の製造のための請求項1乃至31のいずれかに記載の薬剤又は請求項32に記載の医薬組成物の使用。
【請求項49】
前記炎症性疾患が、アテローム性動脈硬化症、リウマチ様関節炎、変形性関節症、敗血症及び多発性関節炎である請求項47に記載の方法。
【請求項50】
糖尿病性脈管障害、細小血管障害、大血管障害などの脈管障害を治療又は軽減する医薬の製造のための請求項1乃至31のいずれかに記載の薬剤又は請求項32に記載の医薬組成物の使用。
【請求項51】
心不全を治療する医薬の製造のための請求項1乃至31のいずれかに記載の薬剤又は請求項32に記載の医薬組成物の使用。
【請求項52】
創傷を治療する医薬の製造のための請求項1乃至31のいずれかに記載の薬剤又は請求項32に記載の医薬組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2009−515827(P2009−515827A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536134(P2008−536134)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【国際出願番号】PCT/GB2006/050338
【国際公開番号】WO2007/045927
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(598157421)ユニバーシティ・オブ・シェフィールド (2)
【氏名又は名称原語表記】University of Sheffield
【Fターム(参考)】