説明

波長多重通信ネットワークにおける波長パス設定方法および装置

【課題】波長多重通信ネットワークにおける波長利用効率の向上およびパケット処理負荷の軽減を達成することができる波長パス設定方法および装置を提供する。
【解決手段】各ノード装置が光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有する光波長多重ネットワークにおける波長パス設定装置は、各ノード装置が通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定し、ノード装置からの輻輳発生情報に基づいて、前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定し、前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光スイッチ部とパケットスイッチ部とが統合されたノード装置を複数個接続して構成される波長多重通信ネットワークに係り、特にその波長パス設定方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高精細映像サービスの進展などにより、通信トラヒックの急増とキャリアグレードIPルータの消費電力の増大が問題となっている。この問題を解決するために、トランスポート機能に関与しないルーティング処理をIPルータからオフロードする方式が検討されている。具体的には、MPLS(Multi Protocol Labeling Switch)、Ethernet(イーサネット;登録商標、以下同じ。)などの低レイヤのパケット転送機能やOTN(Optical Transport Network)フレーム、さらに波長多重通信ネットワークにおける波長パスがパケット転送処理を担う方式が検討され、その有効性が示されている。とりわけ波長パスへのパケット転送のオフロードは、中継ノードにおいて電気信号と光信号との間の変換(EO/OE:Electrical-to-Optical/Optical-to-Electrical)を行うことなく波長パスのままノードを通過する光カットスルーを実現することができる。これによってOE/EOおよびパケット・フレームスイッチの電気処理を排除できるので、消費電力の大幅な低減が可能となり、特に省電力化の観点で有力視されている。
【0003】
一方、波長多重通信ネットワークのノード装置として、波長制御可能な多重分離を行うROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexing)装置が国内外のフィールドに導入されている。大規模通信キャリアは、波長パスでネットワークを構成するROADM/WXC(WXC:Wavelength Crossconnect)機能とMPLS、Ethernetなどのパケット転送機能とを統合することで波長パスとパケット転送の密接な機能連携を実現し、設備・管理運用コストの低減を目指している。
【0004】
またデータセンタやHPC(High Performance Computing)の発展に見られるように、地理的広がりが比較的限定されたローカルネットワークでありながら、サーバ・コンピュータ間で極めて大容量のトラヒックをやり取りするネットワークが出現しており、このような適用領域においてもリンクあたりの容量を飛躍的に拡張するWDMおよび波長パスネットワークの導入の検討が行われている。
【0005】
上述したように、トランスポートの容量拡大に向けて、クライアントインターフェースでのパケット収容を前提としたパケット転送と波長パスADM/XCとをハイブリッド化したノード装置の実現が求められ、パケット転送の波長パスへの効率的なオフロードを実現するネットワーク、ノード装置、その制御方式の検討が盛んに行われている。
【0006】
たとえば、特許文献1には、処理負荷が集中したパケット処理装置を迂回するように光信号のカットスルーパスを設定することで電気的ルーティング処理を軽減しようとするノード装置およびカットスルーパス設定方法が開示されている。より詳しくは、OADM機能とパケット処理機能とを組み合わせた装置において、出力ポートにパケットが集中する主因となっている入力ポートを特定し、その入力ポートの光信号がパケット処理装置を迂回するようにカットスルーパスを設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−277941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示された光パス設定方法は、ポート単位でトラフィック量をモニタして光カットスルーパスの設定制御を行なっているために、いくつかの解決すべき課題がある。以下、図1に示すノードN1〜N5からなるネットワークを一例として主な課題点について説明する。
【0009】
図1(A)に示すように、ノードN2において、隣接上流ノードN3から受信する複数のパケットフローのうち自ノードをトランジット(Transit)するフローF1と自ノードでDropするフローF2とが混在する場合、ポート単位でトラフィック量をモニタして波長パスにマッピングしているためにトランジットするパケットフローだけをカットスルーさせることができない。したがって、フロー状況に応じて最も効率的なカットスルーパスの設定ができず、波長利用効率の向上およびパケット処理負荷の軽減を十分に達成できない。
【0010】
図1(B)に示すように、ポート単位で切替ノードを特定するために、ノードN2は隣接上流ノードN3からのトラフィック量が大きいと判断し、ノードN3とノードN1との間で光パスを設定してしまい波長利用効率が低下する。なぜならば、この場合、輻輳要因となっている帯域の大きいフローをオフロードするためにはノードN4とノードN1との間で光パスを設定すべきだからである。
【0011】
図1(C)に示すように、中継ノードに対するポート単位のトラヒック量モニタおよび光カットスルーを提供する手段しか提供されていないために、波長パスの帯域を越えたパケットフローの通信や隣接ノード間で波長パスの設定ができない。
【0012】
さらに、トラヒック量の閾値を超える新たなパケットフローの発生に対して、既に設定されている波長パスにマージする手段を有しないために、波長パスの波長利用効率が低下する。また、ポート単位で帯域(トラヒック量)をモニタし、トラヒック量が閾値を越えた受信ポートの隣接上流ノードにて波長パスマッピングを行なっているために、パケットスイッチのポート利用効率が低下する。
【0013】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、波長多重通信ネットワークにおける波長利用効率の向上およびパケット処理負荷の軽減を達成することができる波長パス設定方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による波長パス設定装置は、複数のノード装置が光伝送路により接続され、各ノード装置が光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有する光波長多重ネットワークにおける波長パス設定装置であって、各ノード装置が通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定する輻輳判定手段を有し、ノード装置からの輻輳発生情報に基づいて、前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定し、前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える制御手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明による波長パス設定方法は、複数のノード装置が光伝送路により接続され、各ノード装置が光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有する光波長多重ネットワークにおける波長パス設定方法であって、各ノード装置が通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定し、制御手段が、ノード装置からの輻輳発生情報に基づいて、前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定し、前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、波長多重通信ネットワークにおける波長利用効率の向上およびパケット処理負荷の軽減を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1(A)〜(C)は公知例によるカットスルーパス設定制御のいくつかの課題を説明するためのネットワーク図である。
【図2】図2は本発明の第1実施形態によるノード装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は本実施形態で使用されるパケットスイッチポート/光ポート対応テーブルの一例を示す図、図3(B)は本実施形態で使用されるパケット転送テーブル(FDB)の一例を示す図、図3(C)は本実施形態で使用されるパケットスイッチポート帯域モニタテーブルの一例を示す図、図3(D)は本実施形態によるノード装置の基本的動作を説明するための模式図である。
【図4】図4は、本実施形態によるノード装置を適用したネットワークの一例におけるパケットスイッチポートと光ポートとの対応関係を示すパケットスイッチポート/光ポート対応テーブルの一設定例を示す模式図である。
【図5】図5は本発明の第1実施例による波長多重通信ネットワークの概略的構成を示すブロック図である。
【図6】図6は図5に示すネットワークにおける輻輳検出時の各ノードのテーブルの一例を示す模式図である。
【図7】図7は図5に示すネットワークにおける各ノードの光パス設定動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は図5に示すネットワークにおける光パス設定時の各ノードのテーブルの一例を示す模式図である。
【図9】図9は図5に示すネットワークにおける光パス設定制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】図10(A)は本発明の第2実施例による波長多重通信ネットワークの第1例の概略的構成を示すブロック図、図10(B)は本発明の第2実施例による波長多重通信ネットワークの第2例の概略的構成を示すブロック図である。
【図11】図11は図10に示すネットワークにおける各ノードの光パス設定制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は図10に示すネットワークにおける光パス設定動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図13は本発明の第2実施形態によるノード装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図14】図14は図13に示すノード装置を用いたネットワークの一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によれば、複数のノード装置が接続された波長多重通信ネットワークにおいて、各ノード装置は光スイッチ部とパケットスイッチ部とが統合された構成を有し、各ノード装置は、通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタし、輻輳が生じたときに、輻輳が解消されるように波長パスを設定し、この波長パスに少なくとも1つのフローを切り替えることで、波長利用効率の向上およびパケット処理負荷の軽減を達成する。以下、本発明の実施形態および実施例によるノード装置およびネットワークシステムについて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
1.ノード装置
図2において、本発明の第1実施形態によるノード装置10は、光スイッチ機能を有するOADM/OXC部11と、パケットスイッチ機能を有するパケット・フレーム転送部12と、光スイッチ制御および波長制御とパケットスイッチ制御とを行なうノード制御部13と、を有するが、ノード制御部13に波長パスとパケットフローとの連携制御を行なう光パス設定制御部14を含んでもよい。なお、光パス設定制御部14をネットワークに配置して各ノード装置と制御信号を送受信することにより同様の機能を実現することもできる。以下、それぞれの機能構成部について詳述する。
【0020】
OADM/OXC部11は、N個の入力ポートIN#1〜IN#Nにそれぞれ接続された波長分離フィルタ101.1〜101.Nと、光スイッチ102.1〜102.Lと、N個の出力ポートOUT#1〜OUT#Nにそれぞれ接続された波長多重フィルタ103.1〜103.Nと、を有し、さらに光スイッチ102.1〜102.Lのそれぞれの1つの入力ポートに接続された光スイッチ104.1と、光スイッチ102.1〜102.Lのそれぞれ1つの出力ポートに接続された光スイッチ104.2と、パケット・フレーム転送部12との間で光信号と電気信号との間の変換を行なうM個のEO/OE部105.1〜105.Mと、を有する。光スイッチ104.1のM個の入力ポートはそれぞれEO/OE部105.1〜105.Mの出力に接続され、光スイッチ104.2のM個の出力ポートはそれぞれEO/OE部105.1〜105.Mの入力に接続されている。
【0021】
光ファイバ伝送路から入力ポートIN#1〜IN#Nをそれぞれ通して入力された波長多重信号は、波長分離フィルタ101.1〜101.Nによりそれぞれ波長分離され、波長分離された入力光信号および光スイッチ104.1から出力された光信号は、光スイッチ102.1〜102.Lにより任意の波長多重フィルタあるいは光スイッチ104.2に出力される。後述するように、当該ノード装置10をカットスルーする波長の光信号は、光スイッチ104.2へ転送されることなく、そのまま適切な出力ポートの波長多重フィルタへ転送される。当該ノード装置10でドロップする波長の光信号は光スイッチ104.2を通して適切なEO/OE部へ転送される。
【0022】
パケット・フレーム転送部12は、EO/OE部105.1〜105.Mにそれぞれ対応して設けられたM個のデータリンク・物理層(DL/PHY)処理部106.1〜106.Mと、PSWポート#1〜#MにDL/PHY処理部106.1〜106.Mがそれぞれ接続されたパケットスイッチ107と、を有する。DL/PHY処理部106は、パケット送受信に必要な物理層処理や必要に応じてフレームを構築してパケットをペイロードにマッピングしてOE/EO部に送出し、OE/EO部から受信したフレームのペイロードからパケットをデマッピングする機能を有する。パケットスイッチ107は、DL/PHY処理部106.1〜106.Mから受信したパケットの送信先アドレス、送信元アドレスなどのヘッダ情報をもとに送信ポートを決定して転送する。また、パケットスイッチ107は、送信先アドレス、送信元アドレスなどのパケットヘッダ情報に基づいて識別されるフローごとの入出力帯域をモニタする機能も有する。
【0023】
ノード制御部13は、パケットフローの制御・管理を行うパケットフロー制御管理部108と、OADM/OXC部11の光スイッチ制御およびOE/EO部の送信波長設定制御を行うOADM/OXC制御部109と、を有する。
【0024】
光パス設定制御部14は、パケットフロー制御管理部108から入力したフロー単位のトラヒック量情報に基づいて、パケットフロー制御管理部108およびOADM/OXC制御部109を制御し、波長パスの設定制御およびパケットフローの切替制御を連携して行なう。この連携制御は、次に述べる情報テーブルを用いて行われる。
【0025】
図3(A)に示すPSW/光ポート対応テーブル201は、パケットスイッチ107に割り振られているポート番号とノード装置10に割り振られている光ポート番号との対応関係を記憶する。ここでは、PSWポート#1と光ポート#1とが波長λ1の光信号について対応付けられ、PSWポート#2と光ポート#2とが波長λ1の光信号について対応付けられていることを示す。
【0026】
図3(B)に示すパケット転送テーブル(FDB)202は、送信先アドレス、送信元アドレスなどのパケットヘッダ情報に基づいて識別されるフローごとにそれらの入出力光ポート番号、帯域モニタ情報を管理するためのテーブルである。ここでは、パケットフロー#1が光ポートIN#1から入力し、そのフロー帯域幅がXであり、パケットフロー#2が同じく光ポートIN#1から入力し、光ポートOUT#2から出力し、そのフロー帯域幅がYであることを示している。なお、パケットスイッチ107のパケット転送機能に必要となるルックアップテーブル機能と共通化されてもよい。
【0027】
図3(C)に示すPSWポート帯域モニタテーブル203は、パケット転送テーブル202の情報に基づき、パケットスイッチ107の入出力ポートごとのトラヒック量の情報を管理するためのテーブルである。パケットフロー制御管理部108は、PSWポート帯域モニタテーブル203を参照することで、フローごとの帯域が所定の閾値を超えたか否かを判定することができる。なお、これらの情報テーブル201〜203は、ノード装置10内に配備されていればよく、配置場所に関して制約はない。
【0028】
図3(D)に示すように、上記図3(A)〜図3(C)に示すテーブル情報に対応する波長パスは波長λ1の波長パス301であり、パケットフロー#1および#2はそれぞれパケットフロー302および303である。たとえば、図2を参照すれば、パケットフロー302は、入力光ポートIN#1、波長分離フィルタ101.1、光スイッチ102.1、光スイッチ104.2、OE/EO部105.1、DL/PHY処理部106.1、および、パケットスイッチ107のPSWポート#1を通して宛先クライアントIFへ転送される。また、パケットフロー303は、入力光ポートIN#1、波長分離フィルタ101.1、光スイッチ102.1、光スイッチ104.2、OE/EO部105.1、DL/PHY処理部106.1、パケットスイッチ107のPSWポート#1、PSWポート#2、DL/PHY処理部106.2、OE/EO部105.2、光スイッチ104.1、光スイッチ102.1、波長多重フィルタ103.2、および、出力光ポートOUT#2を通して転送される。
【0029】
なお、図2に示すノード制御部13の機能は、ノード装置10に設けられたCPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御プロセッサ上でメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現することができる。また光パス設定制御部14の機能は、同じくノード装置のプログラム制御プロセッサ上でメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現してもよいし、ネットワークに設けられた光パス設定制御部14のプログラム制御プロセッサ上で同じくプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0030】
2.初期設定
以下、図2に示すノード装置10がリニアトポロジで光ファイバ伝送路を通して複数接続されたネットワークを一例として、本実施形態による光パス設定制御方法について詳細に説明する。ただし、リニアトポロジは一例であり、本発明はこのネットワーク構成に限定されるものではない。
【0031】
図4に示すように、ノードN1〜N5がリニアトポロジで構成されたネットワークにおいて、各ノードが図2に示すノード装置10と同じ構成を有するものとする。以下、同じ機能のブロックは同じ参照番号を用い、参照番号に続くノード記号により区別するものとする。
【0032】
まず、ネットワーク構築当初に、ネットワーク内の全てのノードN1〜N5におけるパケットスイッチが隣接ノードのパケットスイッチとの間で接続を確立するために、各ノードのPSW/光ポート対応テーブルが図4に示すように設定される。すなわち、ノードN5では、PSW/光ポート対応テーブル201(N5)によりパケットスイッチ107(N5)のPSWポート#2と出力光ポートOUT#2との対応が設定される。ノードN4では、PSW/光ポート対応テーブル201(N4)によりパケットスイッチ107(N4)のPSWポート#1と入力光ポートIN#1との対応が設定され、PSWポート#2と入力光ポートOUT#2との対応が設定される。他のノードN3およびN2もノード4と同様に設定される。ノードN1は、PSW/光ポート対応テーブル201(N1)によりパケットスイッチ107(N1)のPSWポート#1と入力光ポートIN#1との対応が設定される。こうして、ノードN5からノードN1までパケットスイッチ間の接続が確立される。
【0033】
3.第1実施例
図5に示すように、本発明の第1実施例によるネットワークは、ノードN1〜N5がリニアトポロジで構成され、各ノードが図2に示すノード装置10と同じ構成を有する。ただし、光パス設定制御部14は各ノードとは別個に設けられ、各ノードと制御信号を送受信することにより、後述する波長パスの設定およびパケットフローの波長パスへの切替を可能にする。以下、本実施例における光パス設定制御部14の参照番号を「14a」とする。なお、上述したように、図5に示すリニアトポロジは一例であり、本発明はこのネットワーク構成に限定されるものではない。
【0034】
3.1)輻輳検出
図6に示すように、送信元がノードN5、送信先がノードN1のパケットフロー#1、送信元がノードN4、送信先がノードN1のパケットフロー#2、送信元がノードN2、送信先がノードN1のパケットフロー#3がそれぞれ存在するものとする。この状態では、各ノードのPSW/光ポート対応テーブル201は図4と同じであるから、図6では、各ノードにおけるパケット転送テーブル(FDB)202およびPSWポート帯域モニタテーブル203が図示されている。
【0035】
ここで、ノードN4においてフロー#2のトラヒック量が増大したとすると、ノードN4のPSWポート帯域モニタ203(N4)は、PSWポート#2の出力モニタにおいてフロー#1の帯域Xとフロー#2の帯域Yの合計値X+Yが予め設定された閾値を超えたときに輻輳発生を検出する。輻輳発生は光パス設定制御部14aへ通知される。同様に、パケットフロー#1、#2がトランジットしているノードN3、N2の入出力、パケットフロー#1、#2が終端(Drop)されているノードN1の入力でも輻輳が検出され、光パス設定制御部14aへ通知される。
【0036】
このように輻輳が検出されると、光パス設定制御部14aは次に述べる手順で波長パスの設定およびフロー切替を制御する。以下、図7〜図9を参照しながら、波長パス設定動作およびフロー切替動作について詳細に説明する。
【0037】
3.2)波長パス設定およびフロー切替動作
図7に示すように、ノードN1−N4の各々は輻輳の有無を確認し、輻輳を検出すると、検出した輻輳情報および自ノードの空きリソース情報を光パス設定制御部14aへ通知する。さらに宛先ノードN1以外のノードでは、下流ノードの輻輳状態を光パス設定制御部14aに問い合わせて確認する。光パス設定制御部14aは、各ノードから輻輳情報および空き波長情報を収集し(ステップ401)、各ノードからの下流ノードの輻輳状態問い合わせに対する応答を行なう(ステップ402)。光パス設定制御部14aは、最初に輻輳を検出したノード(先頭ノード、ここではノードN4)から後端ノード(ここではノードN1)までの各ノードで共通に使用可能な波長(λ2)を決定する(ステップ403)。続いて、光パス設定制御部14aは、光ポート番号、使用波長λ2およびPSWポート番号の対応により設定すべき波長パスを決定し(ステップ404)、先頭ノード、後端ノードおよび中継ノードへ光パス設定通知を送信する(ステップ405)。
【0038】
図8に示すように、先頭ノードのノードN4は、光パス設定通知を受信すると、パケットフロー制御管理部108によりパケットフロー#1および#2に対するパケットスイッチ107の出力ポートをPSWポート#2からPSWポート#3に変更し、OADM/OXC制御部109によりEO/OE部105.3の出力波長をλ2に設定するとともに出力光ポートをOUT#2からOUT#3に変更するように光スイッチ104.1および102.1を制御する。さらに、パケット転送テーブル(FDB)203(N4)におけるパケットフロー#1および#2の出力光ポート番号を変更する。
【0039】
図8に示すように、中継ノードN3およびN2は、光パス設定通知を受信すると、OADM/OXC制御部109により光スイッチ102.2を制御して光ポートIN#3から光ポートOUT#4へカットスルー設定する。
【0040】
図8に示すように、後端ノードのノードN1は、光パス設定通知を受信すると、OADM/OXC制御部109により入力光ポートをIN#3、EO/OE部105.3の入力波長をλ2に設定し、パケットフロー制御管理部108によりパケットフロー#1および#2に対するパケットスイッチ107の入力ポートをPSWポート#3に設定する。
【0041】
次に、図9に示すフローチャートのステップに従って本実施例による波長パス設定制御およびフロー切替制御についてより詳細に説明する。まず、光パス設定制御部14aは、ノードから通知されたPSW出力ポートの輻輳の有無を確認し(ステップ501)、最初に輻輳を検出したノードをHead(先頭)ノードとして認識し、輻輳要因となる少なくとも1つのフローQを特定する(ステップ502)。
【0042】
続いて、光パス設定制御部14aは、Headノードから通知された空きリソース情報、すなわち新規波長パス設定のための光ポート、OE/EO部、光スイッチポート、パケットスイッチのポート(PSWポート)などが存在するか否かを確認する(ステップ503)。存在しない場合は(ステップ504の「なし」)、新規波長パス設定を行わず、動作を終了する。リソースが存在する場合は(ステップ504の「あり」)、輻輳要因となっているパケットフローQに関して下流ノードとの間の光ファイバ伝送路で使用可能な空き波長情報を取得し(ステップ505)、さらに下流ノードにおける当該パケットフローQの輻輳状態を確認する(ステップ506)。当該下流ノードでパケットフローQの輻輳状態が確認されると(ステップ507の「あり」)、当該下流ノードに関して上記ステップ503〜506を繰り返し、下流側のノードの輻輳確認を順次実行する。
【0043】
ある下流ノードで輻輳なしと判断されると(ステップ507の「なし」)、当該ノードがパケットフローQのTail(後端)ノードと認識され、当該Tailノードの光ポート、OE/EO部、光スイッチポート、パケットスイッチのポート(PSWポート)などのリソースが存在するか否かを確認する(ステップ508)。リソースが存在しない場合は(ステップ509の「なし」)、動作を終了し、存在する場合は(ステップ509の「あり」)、HeadノードからTailノードまでの全ての使用可能波長情報から新規波長パスとして設定すべき波長を決定する(ステップ510)。こうして輻輳が検出されるノード区間が特定され、その間で設定されるべき波長パスでの使用波長が決定される。
【0044】
新規波長パスの波長が決定すると、光パス設定制御部14aは、Tailノードにおいて新規波長パスを設定する光ポートと対応するPSWポートとの接続を設定し、新規送信波長でOE/EO部を設定する(ステップ511)。最後に、光パス設定制御部14aは、パケットフローQにおいて中継ノードの有無を判定し(ステップ512)、中継ノードがあれば(ステップ512の「あり」)、当該中継ノードに対して新規波長でカットスルー設定を行い(ステップ513)、続いてHeadノードに対して新規波長パス設定のための光ポートと対応するPSWポートとの接続を設定する(ステップ514)。こうしてHeadノードとTailノードとの間に新規波長パスが設定される。
【0045】
新規波長パスが確立された後、Headノードのパケット転送テーブルFDBのパケットフロー#1および#2の出力光ポート番号をポート#2からポート#3に書き換えることにより、Headノードにおいて新たに設定された出力光ポート#3とそれに対応する出力PSWポート#3にパケットフローを転送する(ステップ515)。
【0046】
なお、図示されていないが、対向で波長パス設定およびパケットフローを切り替える場合には、同様の動作を対向側の波長パス設定およびパケットフロー制御に関して適用すればよい。
【0047】
また、パケット転送テーブルFDBにおいて、パケットフローごとに出力光ポート番号を書き換えてパケットフローを波長パスへ転送する場合、必ずしも輻輳検出ポートに関与するすべてのフローを対象にする必要はない。合計帯域が適当な閾値以下となるように一部のパケットフローのみを波長パスに転送することもできる。
【0048】
さらに、図8に示すようなノードN4からノードN1までの波長パスが設定された後、ノードN4とノードN1とを通る新たなパケットフローが発生した場合、既設の波長パスの容量を超えない限り、この新たなパケットフローを当該波長パスにマージすることもできる。
【0049】
3.3)効果
上述したように、本発明の第1実施例によれば、各ノードからの輻輳の有無および空きリソース情報に基づいて、光パス設定制御部14aが輻輳を解消する波長パスを設定し、先頭ノードおよび後端ノードにおいて新規設定波長パスに少なくとも1つのフローを切り替えることで波長利用効率の向上およびパケット処理負荷の軽減を達成することができる。
【0050】
言い換えれば、本実施例によれば、ノード内でパケットフロー単位のトラヒック量をIngress/Egressについてモニタし、パケット転送テーブルの出力ポートの書き換えによりパケットフロー単位で単一または複数の波長パスにオフロードする手段を有することにより以下の効果を得ることができる。(1)波長パスの帯域を越えたパケットフローの通信や隣接ノード間で波長パスの設定ができる。(2)隣接上流ノードから受信する複数のパケットフローについて、自ノードをトランジットするフローと自ノードでドロップするフローとが混在する場合、受信パケットフローのトラヒック量が増大すると、波長パスを設定しトランジットフローを波長パスにオフロードすることができる。(3)パケットスイッチのポート利用効率を向上させることができる。
【0051】
さらに、ノード内でパケットフロー単位のトラヒック量をIngress/Egressについてモニタし、トラヒック量の閾値を超える新たなパケットフローが発生した場合、既に設定されている波長パスに収容可能であればパケットフロー単位でマージすることができるので、波長利用効率の向上およびパケット処理負荷の軽減を達成することができる。
【0052】
4.第2実施例
図5に示す第1実施例では、光パス設定制御部14が各ノードとは別個に設けられているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、各ノード装置に光パス設定制御部14が組み込まれていてもよい。すなわち、各ノードの光パス設定制御部14が相互に制御信号を通信することで第1実施例と同様の機能を実現することができる。以下、本発明の第2実施例によるノード装置およびそのネットワークのパス設定およびフロー切替制御について説明する。以下、本実施例における光パス設定制御部14の参照番号を「14b」とする。なお、本実施例においても、上述と同様にリニアトポロジのネットワークを例示するが、本発明はこのネットワーク構成に限定されるものではない。
【0053】
4.1)構成
図10(A)に示すように、各ノードの光パス設定制御部14bが相互に通信する手段にWDM信号を利用し、光ファイバ伝送路を介して相互接続することができる。また、別の例として、図10(B)に示すように、光パス制御部14bが相互にLAN(Local Area Network)などで直接接続されていてもよい。このように、光パス設定制御部14bを分散配備することにより、相互接続のための通信回線・ネットワークの設備・敷設作業の簡略化、集中処理のためのサーバ・計算機などの配備が不要となるため、設備コストが低減できる効果がある。
【0054】
4.2)動作
図11に示すように、本実施例によるノード装置およびネットワークにおける波長パス設定およびフロー切替動作は基本的には第1実施例と同様である。上述した第1実施例と異なる点は、分散配備された光パス設定制御部14bが他のノードから受信する通知信号に基づいて自ノードがHeadノード、中継ノードあるいはTailノードの何れであるかを判断し、それぞれ図12に示す手順で処理を実行する点である。そこで、図12を参照しながら各ノードにおける波長パス設定およびフロー切替動作について説明する。
【0055】
図12において、まず、各ノードの光パス設定制御部14bは、自ノードのPSW出力ポートの輻輳の有無を確認し、輻輳情報を下流ノードへ通知する(ステップ601)。一定時間上流ノードからの通知を待機し(ステップ602)、自ノードの輻輳の有無、上流からの通知の有無に従って、自ノードがHeadノード、中継ノードあるいはTailノードの何れであるかを判断する(ステップ603)。具体的には、「通知なし・輻輳あり」であればHeadノード、「通知あり・輻輳あり」であれば中継ノード、「通知あり・輻輳なし」であればTailノードと判定することで、輻輳発生ノード区間、すなわち波長パスの新規設定区間が決定される。
【0056】
自ノードがHeadノードであれば、自ノードの光パス設定制御部14bは、空きリソース情報、すなわち新規波長パス設定のための光ポート、OE/EO部、光スイッチポート、パケットスイッチのポート(PSWポート)などが存在するか否かを確認する(ステップ610)。存在しない場合は(ステップ610の「空きなし」)、新規波長パス設定を行わず、動作を終了する。リソースが存在する場合は(ステップ610の「空きあり」)、使用可能な空き波長情報を取得し(ステップ611)、さらに輻輳要因となっているフローQに関連する下流ノードの輻輳状態の確認および自ノードの空き波長情報の通知を行ない(ステップ612)、波長パス設定通知の受信を待機する(ステップ613)。波長パス設定通知を受信すると(ステップ614)、自ノードの光パス設定制御部14bは新規波長パス設定のための光ポートと対応するPSWポートとの接続を設定し(ステップ615)、HeadノードとTailノードとの間に新規波長パスを設定する。新規波長パスが設定されると、光パス設定制御部14bはパケット転送テーブルFDBのパケットフロー#1および#2の出力光ポート番号をポート#2からポート#3に書き換え(ステップ616)、Headノードにおいて新たに設定された出力光ポート#3とそれに対応する出力PSWポート#3にパケットフローを転送する(ステップ617)。
【0057】
自ノードが中継ノードであれば、自ノードの光パス設定制御部14bは、空きリソース情報、すなわち新規波長パス設定のための光ポート、OE/EO部、光スイッチポート、パケットスイッチのポート(PSWポート)などが存在するか否かを確認する(ステップ620)。存在しない場合は(ステップ620の「空きなし」)、新規波長パス設定を行わず、動作を終了する。リソースが存在する場合は(ステップ620の「空きあり」)、使用可能な空き波長情報を取得し(ステップ621)、さらに輻輳要因となっているフローQに関連する下流ノードの輻輳状態の確認および自ノードの空き波長情報の通知を行ない(ステップ622)、波長パス設定通知の受信を待機する(ステップ623)。波長パス設定通知を受信すると(ステップ624)、自ノードの光パス設定制御部14bは、自ノードのカットスルー設定を行なう(ステップ625)。
【0058】
自ノードがTailノードであれば、自ノードの光パス設定制御部14bは、空きリソース情報、すなわち新規波長パス設定のための光ポート、OE/EO部、光スイッチポート、パケットスイッチのポート(PSWポート)などが存在するか否かを確認する(ステップ630)。存在しない場合は(ステップ630の「空きなし」)、新規波長パス設定を行わず、動作を終了する。リソースが存在する場合(ステップ630の「空きあり」)、光パス設定制御部14bは、使用すべき空き波長を決定し(ステップ631)、新規波長パス設定のための光ポートと対応するPSWポートとの接続を設定する(ステップ632)。続いて、光パス設定制御部14bは、波長パス設定通知をHeadノードおよびTailノードへ送信する。
【0059】
なお、図示されていないが、対向で波長パス設定およびパケットフローを切り替える場合には、同様の動作を対向側の波長パス設定およびパケットフロー制御に関して適用すればよい。
【0060】
また、パケット転送テーブルFDBにおいて、パケットフローごとに出力光ポート番号を書き換えてパケットフローを波長パスへ転送する場合、必ずしも輻輳検出ポートに関与するすべてのフローを対象にする必要はない。合計帯域が適当な閾値以下となるようにいくつかのパケットフローのみを波長パスに転送することもできる。
【0061】
4.3)効果
上述したように、本発明の第2実施例によれば、第1実施例と同様に新規設定波長パスに少なくとも1つのフローを切り替えることで波長利用効率の向上およびパケット処理負荷の軽減を達成することができるとともに、光パス設定制御部14bを各ノードに分散配備することで相互接続のための通信回線・ネットワークの設備・敷設作業の簡略化、集中処理のためのサーバ・計算機などの配備が不要となり、設備コストを低減できる。
【0062】
5.第3実施例
上述した第1および第2実施例では、新規設定の波長パスは1つの場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。複数の波長パスを新規設定し、それらをIEEE802.3adで規定されるLAG(Link Aggregation)などの仮想リンク設定を行い、仮想的に単独波長パス以上の帯域を有するリンクとして設定することも可能である。
【0063】
この場合、仮想リンク設定に対応した情報テーブル(すなわち図3に示すPSW/光ポート対応テーブル201、パケット転送テーブル(FDB)202およびPSWポート帯域モニタテーブル203)とパケットスイッチ107とが必要となる。また動作フローを示す図6〜図9あるいは図11〜図12についても、仮想リンク設定に関する手順が必要となる。その他の構成、動作については、第1実施例あるいは第2実施例と同様である。
【0064】
このように、複数の波長パスを仮想リンク化することにより、単一の波長パスの帯域を越えるパケットフローに関して、波長パスにオフロードすることができる。
【0065】
6.第2実施形態
図2に示す本発明の第1実施形態によるノード装置10は、パケットスイッチ107にクライアントIFを接続するPSWポートを有しているが、パケットスイッチ107からクライアントIFおよびそれを接続するPSWポートを排除することもできる。
【0066】
図13に示すように、本発明の第2実施形態によるノード装置10aはパケットスイッチ107からクライアントIFおよびそれを接続するPSWポートが排除されており、その他の構成及び機能は第1実施形態と同様である。
【0067】
図14に示すように、Coreノード701および702とEdgeノード703〜705とからなるネットワークにおいて、クライアントを集約するEdgeノード703〜705とEdgeノードを集約するCoreノード701および702とに機能分担させる場合、Coreノードに図13に示すノード装置10aを、Edgeノードに図2に示すノード装置10をそれぞれ適用する。これによりOADM/OXC部11の構成やパケットスイッチ107のPSWポート帯域、さらにはスイッチファブリックの規模などの装置リソースを最適化することができる。
【0068】
本実施形態によれば、CoreノードおよびEdgeノードに最適化した装置リソー構成とすることができ、装置コストの低減および装置サイズの小型化を達成できる。
【0069】
7.付記
上述した実施形態の一部あるいは全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これらに限定されるものではない。
【0070】
(付記1)
複数のノード装置が光伝送路により接続され、各ノード装置が光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有する光波長多重ネットワークにおける波長パス設定装置であって、
各ノード装置が通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定する輻輳判定手段を有し、
ノード装置からの輻輳発生情報に基づいて、前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定し、前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える制御手段と、
を有することを特徴とする波長パス設定装置。
【0071】
(付記2)
前記制御手段は、前記輻輳発生情報に基づいて輻輳が発生している輻輳ノード区間を検出し、前記輻輳ノード区間にあるノード装置を制御して、前記少なくとも1つの波長パスを設定し前記少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える、ことを特徴とする付記1に記載の波長パス設定装置。
【0072】
(付記3)
前記ノード装置はパケットを転送するためのパケット転送テーブルを有し、前記制御手段は、前記少なくとも1つのパケットフローに対して、前記パケット転送テーブル内の出力ポートを前記波長パスで特定される出力ポートに書き換えることを特徴とする付記2に記載の波長パス設定装置。
【0073】
(付記4)
複数の波長パスを仮想リンク化により単一の波長パスの帯域を超える帯域に設定することを特徴とする付記1−3のいずれか1項に記載の波長パス設定装置。
【0074】
(付記5)
前記複数のノード装置とは別個に、各ノード装置と通信可能に接続されたことを特徴とする付記1−4のいずれか1項に記載の波長パス設定装置。
【0075】
(付記6)
前記複数のノード装置の各々に設けられ、他のノード装置の波長パス設定装置と通信可能に接続されたことを特徴とする付記1−4のいずれか1項に記載の波長パス設定装置。
【0076】
(付記7)
複数のノード装置が光伝送路により接続され、各ノード装置が光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有する光波長多重ネットワークにおける波長パス設定方法であって、
各ノード装置が通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定し、
制御手段が、ノード装置からの輻輳発生情報に基づいて、前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定し、前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える、
ことを特徴とする波長パス設定方法。
【0077】
(付記8)
前記制御手段は、前記輻輳発生情報に基づいて輻輳が発生している輻輳ノード区間を検出し、前記輻輳ノード区間にあるノード装置を制御して、前記少なくとも1つの波長パスを設定し前記少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える、ことを特徴とする付記7に記載の波長パス設定方法。
【0078】
(付記9)
前記ノード装置はパケットを転送するためのパケット転送テーブルを有し、前記制御手段は、前記少なくとも1つのパケットフローに対して、前記パケット転送テーブル内の出力ポートを前記波長パスで特定される出力ポートに書き換えることを特徴とする付記8に記載の波長パス設定方法。
【0079】
(付記10)
複数の波長パスを仮想リンク化により単一の波長パスの帯域を超える帯域に設定することを特徴とする付記7−9のいずれか1項に記載の波長パス設定方法。
【0080】
(付記11)
光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有する、光波長多重ネットワークにおけるノード装置であって、
通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定する輻輳判定手段と、
ノード装置からの輻輳発生情報に基づいて前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定するための波長パス設定装置との間で通信を行なう通信手段と、
前記波長パス設定装置からの波長パス設定通知に従って少なくとも1つの波長パスを設定し、前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える制御手段と、
を有することを特徴とするノード装置。
【0081】
(付記12)
光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有する、光波長多重ネットワークにおけるノード装置であって、
通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定する輻輳判定手段と、
他のノード装置との通信により、輻輳発生情報に基づいて前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定するための波長パス設定手段と、
前記波長パス設定手段からの波長パス設定通知に従って少なくとも1つの波長パスを設定し、前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える制御手段と、
を有することを特徴とするノード装置。
【0082】
(付記13)
複数のノード装置が光伝送路により接続された光波長多重ネットワークであって、
各ノード装置が光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有し、通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定し、
波長パス設定装置がノード装置からの輻輳発生情報に基づいて前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定する通知を前記ノード装置へ送信し、
前記ノード装置が前記波長パス設定通知に従って前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える、
ことを特徴とする光波長多重ネットワーク。
【0083】
(付記14)
前記波長パス設定装置は、前記輻輳発生情報に基づいて輻輳が発生している輻輳ノード区間を検出し、前記輻輳ノード区間にある前記ノード装置を制御することで、前記ノード装置が前記少なくとも1つの波長パスを設定し前記少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える、ことを特徴とする付記13に記載の光波長多重ネットワーク。
【0084】
(付記15)
前記ノード装置はパケットを転送するためのパケット転送テーブルを有し、前記少なくとも1つのパケットフローに対して、前記パケット転送テーブル内の出力ポートを前記波長パスで特定される出力ポートに書き換えることを特徴とする付記14に記載の光波長多重ネットワーク。
【0085】
(付記16)
複数の波長パスを仮想リンク化により単一の波長パスの帯域を超える帯域に設定することを特徴とする付記13−15のいずれか1項に記載の光波長多重ネットワーク。
【0086】
(付記17)
前記波長パス設定装置は、前記複数のノード装置とは別個に、各ノード装置と通信可能に接続されたことを特徴とする付記13−16のいずれか1項に記載の光波長多重ネットワーク。
【0087】
(付記18)
前記波長パス設定装置は、前記複数のノード装置の各々に設けられ、他のノード装置の波長パス設定装置と通信可能に接続されたことを特徴とする付記13−16のいずれか1項に記載の光波長多重ネットワーク。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は光WDMネットワークにおけるROADM/WXC機能とパケット転送機能とが統合されたノードに適用可能である。
【符号の説明】
【0089】
10、10a ノード装置
11 OADM/OXC部
12 パケット・フレーム転送部
13 ノード制御部
14、14a、14b 光パス設定制御部
101 波長分離フィルタ
102 光スイッチ
103 波長多重フィルタ
104 光スイッチ
105 EO/OE部
106 データリンク・物理層処理部
107 パケットスイッチ
108 パケットフロー制御管理部
109 OADM/OXC制御部
201 PSW/光ポート対応テーブル
202 パケット転送テーブル(FDB)
203 PSWポート帯域モニタテーブル
301 波長パス
302、303 パケットフロー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノード装置が光伝送路により接続され、各ノード装置が光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有する光波長多重ネットワークにおける波長パス設定装置であって、
各ノード装置が通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定する輻輳判定手段を有し、
ノード装置からの輻輳発生情報に基づいて、前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定し、前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える制御手段と、
を有することを特徴とする波長パス設定装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記輻輳発生情報に基づいて輻輳が発生している輻輳ノード区間を検出し、前記輻輳ノード区間にあるノード装置を制御して、前記少なくとも1つの波長パスを設定し前記少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える、ことを特徴とする請求項1に記載の波長パス設定装置。
【請求項3】
前記ノード装置はパケットを転送するためのパケット転送テーブルを有し、前記制御手段は、前記少なくとも1つのパケットフローに対して、前記パケット転送テーブル内の出力ポートを前記波長パスで特定される出力ポートに書き換えることを特徴とする請求項2に記載の波長パス設定装置。
【請求項4】
複数の波長パスを仮想リンク化により単一の波長パスの帯域を超える帯域に設定することを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の波長パス設定装置。
【請求項5】
前記複数のノード装置とは別個に、各ノード装置と通信可能に接続されたことを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の波長パス設定装置。
【請求項6】
前記複数のノード装置の各々に設けられ、他のノード装置の波長パス設定装置と通信可能に接続されたことを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の波長パス設定装置。
【請求項7】
複数のノード装置が光伝送路により接続され、各ノード装置が光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有する光波長多重ネットワークにおける波長パス設定方法であって、
各ノード装置が通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定し、
制御手段が、ノード装置からの輻輳発生情報に基づいて、前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定し、前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える、
ことを特徴とする波長パス設定方法。
【請求項8】
光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有する、光波長多重ネットワークにおけるノード装置であって、
通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定する輻輳判定手段と、
ノード装置からの輻輳発生情報に基づいて前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定するための波長パス設定装置との間で通信を行なう通信手段と、
前記波長パス設定装置からの波長パス設定通知に従って少なくとも1つの波長パスを設定し、前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える制御手段と、
を有することを特徴とするノード装置。
【請求項9】
光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有する、光波長多重ネットワークにおけるノード装置であって、
通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定する輻輳判定手段と、
他のノード装置との通信により、輻輳発生情報に基づいて前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定するための波長パス設定手段と、
前記波長パス設定手段からの波長パス設定通知に従って少なくとも1つの波長パスを設定し、前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える制御手段と、
を有することを特徴とするノード装置。
【請求項10】
複数のノード装置が光伝送路により接続された光波長多重ネットワークであって、
各ノード装置が光スイッチ部とパケットスイッチ部とを統合した構成を有し、通信パケットのフロー単位のトラヒック量をモニタすることで輻輳の有無を判定し、
波長パス設定装置がノード装置からの輻輳発生情報に基づいて前記輻輳を解消するための少なくとも1つの波長パスを設定する通知を前記ノード装置へ送信し、
前記ノード装置が前記波長パス設定通知に従って前記輻輳に関与している少なくとも1つのパケットフローを前記波長パスへ切り替える、
ことを特徴とする光波長多重ネットワーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−248925(P2012−248925A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116700(P2011−116700)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】