説明

注出具、容器及びガスバリア性フィルム

【課題】 ガスバリア性に優れ開封が容易である容器の注出具を提供すること。
【解決手段】 本発明は、プルオープン式の注出具10において、筒状の注出具本体14の内部を閉じる基盤18に接合されたガスバリア性フィルム26を、多数の微細孔32が形成された合成樹脂製のフィルムからなる基材28と、この基材の一方の面に積層されたガスバリア性材料からなるガスバリア層30とを備えることを特徴とする。この構成では、ガスバリア性フィルムの基材に多数の微細孔が形成されているため、せん断力を作用させると、その部位にて容易に引き裂くことができる。従って、基盤の一部を弱化線20に沿って除去した場合、基盤の除去部分22と共にガスバリア性フィルム26が容易に引き裂かれ、除去される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリア性に優れたフィルム、及び、そのようなガスバリア性フィルムを開口の閉鎖のために用いた容器或いは容器の注出具に関する。
【0002】
【従来の技術】醤油やドレッシング等の調味料、ジャム類、乳製品、ジュースや酒類等の飲料、その他の食品、或いは、シャンプー、リンス、入浴剤、洗剤、化学薬品等の非食品を収納する容器には、紙製容器やガラス製ボトル、合成樹脂製ボトル、バグ・イン・ボックス、容器内装袋、スパウト付きパウチ等、様々なものがある。これらの容器に用いられている、内容物(注出物)を注出するための注出具(スパウト)には、いわゆるプルオープン式と呼ばれる型式のものがある。プルオープン式の注出具は、その多くがポリエチレンを射出成形した筒状の注出具の本体(以下「注出具本体」という)からなり、開封前にあっては、注出具本体の内側開口は当該本体に一体成形された基盤により閉じられている。この基盤には、当該基盤内の任意の閉じた区画の輪郭をなす、溝からなる(すなわち、薄肉化した)弱化線が設けられており、弱化線の内側をプルリングにより引っ張ることで注出具本体から破断、除去することが可能となっている。
【0003】この弱化線の形態としては、実線、等間隔若しくは不等間隔の破線、等長さ若しくは不等長さの破線又はこれらの組み合わせを用いることができる。ここで、破線を、単にミシン目ともいう。また、弱化線は、連続若しくは不連続且つ等深さ若しくは不等深さの溝を用いることができる。
【0004】また、基盤内の任意の閉じた区画の輪郭をなす弱化線とは、円形、楕円又はこれら形状を一部に含む環状線を基本として、必要により前記環状線の内側若しくは外側に延長される線を含むことができる。
【0005】ところで、注出具の代表的な材料であるポリエチレンはガスバリア性が低く、特にプルオープン式の注出具では弱化線の部分に起因しては薄肉化した溝からなっているため、前記基盤からのガスの透過が多くなり、蓋の構造に起因しては蓋に用いる樹脂の厚さが薄いとガスの透過が多くなるので、酸化されやすい物や芳香成分を含む物を収容する容器の注出具としてポリエチレン製プルオープン式注出具を使用することには問題がある。
【0006】このため、従来においては、基盤の裏面(容器の内側となる面)に、アルミニウム箔の両面にポリエチレン等の薄膜を積層してなるガスバリア性フィルムを熱接着やインモールド射出成形等により接合し、ガスバリア性を持たせることが行われている(例えば特開昭57−77455号公報、特公平7−35166号公報)。アルミニウム箔を基材とするガスバリア性フィルムは破断しやすく、基盤を除去する妨げとはならず、この手段は有効なものとして広く採用されている。
【0007】ここで、前記ガスバリア性とは、酸素ガス、炭酸ガス、窒素ガス、ヘリウムガス、水蒸気、エチレンや酢酸蒸気等の無機揮発性ガス、有機酸蒸気や芳香性有機蒸気の有機揮発性ガス又はこれらの混合ガスの透過を抑える性状をいう。
【0008】また、ガスバリア性のある材料(ガスバリア性材料)とは、ガスバリア性合成樹脂、ガスバリア性無機酸化物又は蒸着アルミニウムからなる材料をいう。
【0009】前記ガスバリア性合成樹脂としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物(=エチレン・ビニルアルコール共重合体)、塩化ビニリデン系共重合体、脂肪族ポリケトン若しくはそのカルボニル基を水素で還元した水素添加脂肪族ポリケトン、ポリアルコールとポリカルボン酸を必須の成分とするガスバリア性樹脂(以下「GB」ともいう)又はこれらの混合物を好適に用いることができる。
【0010】前記ガスバリア性無機酸化物としては、化学記号SiOx(X=0.8〜2.0)で表記される酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム又はこれらの混合物等を好適に用いることができる。前記ガスバリア性無機酸化物を合成樹脂の基材に蒸着して、ガスバリア性蒸着フィルムとして用いることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、昨今の環境負荷低減、廃棄物の分別回収の観点より、アルミニウム箔は焼却後に燃えかすが残り、リサイクル時にも悪影響がある。また、内容物が揮発性の酸である場合、アルミニウム箔が侵されてピンホールが開き、アルミニウム箔のガスバリア性が低くなることがあり、時には酸化によりアルミニウム箔が脱離して異物混入の原因となることもある。
【0012】このため、注出具におけるガスバリア性フィルムのガスバリア層をアルミニウム箔以外の素材に置き換えることが検討されている。
【0013】その一つとして、ガスバリア層を金属酸化物からなる薄膜層とすることが提案されており、例えば特開平6−270936号公報には、合成樹脂製注出具の内側に直接、蒸着等の方法により金属酸化物からなる薄膜層を設ける手段が開示されている。金属酸化物による薄膜層は酸化の心配がなく、また蒸着により形成された場合、極めて微量であるため、焼却後に燃えかすが残るということもない。しかしながら、この方法では、注出具一個一個に処理することが必要であり、コストが高くなるという問題がある。
【0014】また、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等を基材とし、その上に酸化珪素や酸化アルミニウム等を蒸着してガスバリア性フィルムを形成し、これを注出具の基盤の裏面に接着するという手段も提案されている。このようなガスバリア性フィルムは、注出具に容易に接着することができるという利点があるが、PET等の基材は破断強度が大きく、プルオープン式注出具の基盤の裏面に接着した場合、弱化線により開口となるべき部分に一体化されるプルリングを引っ張っても開封できない、或いは開封に過大な力が必要となるという問題ある。
【0015】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、ガスバリア性に優れ開封が容易である容器ないしは容器の注出具を提供することにある。
【0016】また、本発明の別の目的は、弱化線により開口となるべき部分の破断が容易であるガスバリア性フィルムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、注出物の出る部分が弱化線により画されている基盤と、この基盤に接合されたガスバリア性フィルムとを具備する注出具において、ガスバリア性フィルムが、多数の微細孔が形成された合成樹脂製のフィルムからなる基材と、基材の一方の面に積層されたガスバリア性材料からなるガスバリア層とを備えることを特徴としている。
【0018】なお、微細孔は、基材の全面に形成されていることがよい。また、ガスバリア層は基材の両面に積層されてもよい。
【0019】このような構成においては、注出具の基盤にガスバリア性フィルムが接合されているので、基盤を透過しようとするガスを当該フィルムにて遮断することができる。また、ガスバリア性フィルムは、その基材に多数の微細孔が形成されているため、せん断力を作用させると、その部位にて容易に引き裂くことができる。従って、注出具の基盤の一部を弱化線に沿って除去した場合、基盤のその部分と共にガスバリア性フィルムが容易に引き裂かれ、除去される。また、基材自体は厚くすることできるので、そこに酸化珪素や酸化アルミニウム、アルミニウム等のガスバリア層を薄く積層することができ、焼却時の問題を回避することも可能となる。
【0020】また、前記注出具は、筒状の本体(注出具本体)を備え、基盤が注出具本体内を閉塞すべく該注出具本体に一体成形されていることが好適である。
【0021】ガスバリア性フィルムの基盤に対する接合手段としては、接着剤があり、また、ガスバリア性フィルムの表面に熱融着性合成樹脂からなる熱融着性樹脂層を更に積層した場合には、熱融着法やインモールド式射出成形法の適用が可能となる。
【0022】また、本発明の概念は、注出具に限定されず、弱化線により切断され開口となるべき部分が画されている開口予定部を有する容器本体と、開口予定部に接合されたガスバリア性フィルムとを具備する容器にも適用され、開口予定部に接合されるガスバリア性フィルムを、多数の微細孔が形成された合成樹脂製のフィルムからなる基材と、前記基材の一方の面に積層されたガスバリア性材料からなるガスバリア層とから構成することを特徴としている。
【0023】この場合も、注出具と同様に、開口予定部の一部を弱化線に沿って開口する際、同時にガスバリア性フィルムを容易に且つ弱化線に沿って切断することができる。
【0024】なお、ガスバリア性フィルムは容器本体の内面全体に接合されていても良いし、カップ麺容器のように開口予定部が蓋の場合、その蓋の裏面だけに接合されてもよい。
【0025】更に、本発明は、全面に多数の微細孔が形成された合成樹脂製のフィルムからなる基材と、基材の一方の面に積層されたガスバリア性材料からなるガスバリア層とを備えるガスバリア性フィルムから、袋状の容器本体を構成し、その容器本体の表面に、弱化線により切断され開口となるべき部分が画されている開口予定シートを接合してなる容器にも係るものである。
【0026】容器本体がガスバリア性フィルムから構成されているが、開口予定シートとガスバリア性フィルムとの間の関係は、上述の容器の開口予定部とそこに接合されたガスバリア性フィルムとの間の関係と同様であるため、上述と同等の効果が得られる。
【0027】更にまた、本発明は、多数の微細孔が形成された合成樹脂製のフィルムからなる基材と、前記基材の一方の面に積層されたガスバリア性材料からなるガスバリア層とを備えるガスバリア性フィルムを特徴とするもので、かかるガスバリア性フィルムを用いることで種々の容器への適用が可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図を通し、同一又は相当部分には同一符号を付することとする。
【0029】図1は、本発明の一実施形態に係る注出具を示す断面図である。この注出具10は、適当な合成樹脂や紙からなる容器12に熱融着又は接着剤、その他の手段により取り付けられて使用される。
【0030】注出具10は、ポリエチレン等の合成樹脂から射出成形等により製造された一体物であり、筒状の注出具本体14を備えている。この注出具本体14の一端には外向きのフランジ部16が形成されており、ここに容器12が取り付けられる。
【0031】また、注出具本体14の、フランジ部16が形成されている側の端部には、当該注出具本体14の内部を閉じる基盤18が一体的に形成されている。この基盤18には、環状に薄肉とされた弱化線20が形成されている。弱化線20で区画される内側部分(以下「内側基盤部分」という)22には、注出具本体14の他端側から指を差し入れて内側基盤部分22を引っ張り切除するためのプルリング24が設けられている。
【0032】このような構成の注出具10における基盤18の裏面(容器12の内部側となる面)にはガスバリア性フィルム26が接合されている。図示実施形態のガスバリア性フィルム26は、図2に概略的に示すように、合成樹脂製フィルムからなる基材28と、この基材28の一方の面に積層された、ガスバリア性の材料からなる薄いガスバリア層30とから構成されている。
【0033】基材28としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレン−2,6−ナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等のエステル系樹脂のフィルム、ナイロン等のポリアミド樹脂のフィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)等のオレフィン系樹脂のフィルム等が好適である。これらは強靱であり、耐熱性や耐薬品性が比較的高いからである。また、焼却処理にも適しているからである。
【0034】この基材28には、平均開口径が0.5〜100μm、より好ましくは5〜80μmの微細孔32が多数、好ましくは1000個/cm2以上の密度で形成されている。この多数の微細孔32は、ダイヤモンド粒子等の細かな刃を無数、表面に有するロールと、表面がウレタンで被覆された抑えローラとの間に基材を挟持した状態で通過させるいわゆるエンボス加工により、形成することができる。その他の微細孔形成方法としては、レーザによる表面エッチングや、サンドブラスト処理による粉体による表面処理、プラズマ照射によるエッチング等、種々考えられる。また、微細孔32は、円錐形状、半球状、角錐状等、いかなる形状でもよいが、可能な限り貫通孔とならないようにすることが望ましい。
【0035】基材28の上に薄いガスバリア層30を積層する。このガスバリア層30には、前記ガスバリア性材料を用いる。
【0036】前記GBとしては、ポリビニルアルコール(PVA)と(メタ)アクリル酸系ポリマーとの組み合わせ、糖類と(メタ)アクリル酸系ポリマーとの組み合わせ、PVAと(メタ)アクリル酸系ポリマーの部分中和物又は糖類と(メタ)アクリル酸系ポリマーの部分中和物との組み合わせを好適に用いることができる。
【0037】上記のPVAと(メタ)アクリル酸系ポリマーとの組み合わせにおいては、質量比PVA:(メタ)アクリル酸系ポリマーが95:5〜10:90の範囲内であることが好ましく、更には80:20〜20:80の範囲内であることが好ましい。
【0038】一方、上記の糖類と(メタ)アクリル酸系ポリマーとの組み合わせにおいては、質量比が糖類:(メタ)アクリル酸系ポリマーが80:20〜5:95の範囲内であることが好ましく、更には60:40〜10:90の範囲内であることが好ましい。
【0039】ここで、前記糖類としては、種々の単糖類の縮重合によって生体系で合成される生体高分子又はこの高分子を化学修飾してなる高分子がある。この糖類としては、例えば、単糖類、オリゴ糖類、糖アルコール及び多糖類があり、更に好ましくは、ソルビトール、デキストリン及び水溶性澱粉がある。
【0040】上記の糖類と(メタ)アクリル酸系ポリマーの部分中和物との組み合わせにおいては、上記の部分中和(ポリマーのカルボキシル基を部分的にカルボン酸塩の基とすること)は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウムの群から選ばれる少なくとも1を用いて行われることが好ましい。この中和度が0〜20%、更に好ましくは0〜18%である部分中和物が好適に用いられる。
【0041】これらのガスバリア性材料は、極めて薄い膜の状態で、酸素やその他のガスの透過を防ぐガスバリア性を有する。また、薄く積層した場合、これらの材料は焼却後の残渣の問題も殆どない。
【0042】ガスバリア層30の基材28に対する積層方法は、積層される膜の材料により適宜選択されるが、例えばアルミニウム等の金属膜、或いは、酸化珪素や酸化アルミニウム等の金属酸化膜については、真空蒸着法が好適な方法である。また、合成樹脂膜にあっては、コーティング法により基材28に積層することが好ましい。例えば、GBの層の場合、ポリアクリル酸と澱粉溶液(ポリアルコール)の混合物を基材28上にコーティングした後、乾燥及び熱処理を施すことで、極めて薄いGBのコーティング層を形成することが可能である。
【0043】ガスバリア層30は、基材28のいずれの側の面に形成してもよいが、基材28の平坦な面(微細孔32の開口が多く現れる面とは反対側の面)に形成することが好ましい。この側で積層することにより、ガスバリア層30を基材28の全面にわたり均等の厚さで均質に形成することができ、これによってガスバリア性フィルムの全面にわたり、より一様なガスバリア性を得ることができる。
【0044】なお、基材28の微細孔32の一部が貫通孔となっている場合、蒸着法ではその貫通孔を塞ぐことができないことが起こり得るため、そのような場合には、貫通孔を塞ぐことのできるコーティング法によりガスバリア層30を形成することが好適である。
【0045】また、上記説明では、ガスバリア性フィルム26に貫通孔が形成されないよう、基材28に微細孔32を形成した後に、ガスバリア層30を積層することとしているが、微細孔32を形成してもそれが貫通孔とならないならば、孔無しの基材28上にガスバリア層30を積層した後に、基材28の、ガスバリア層30とは逆の面に微細孔32を形成することとしてもよい。
【0046】このようにして形成されたガスバリア性フィルム26は、せん断力を作用させた場合、基材28に無数の微細孔が形成されており、且つ、その表面のガスバリア層30が極めて薄いため、せん断力を作用させた部位にて容易に引き裂くことができる。
【0047】なお、基材28の厚さは、易裂性、ガスバリア層30を積層するための強度、及び、基盤18への接合の際の取扱い容易性を確保することができるよう、材料に応じて適宜定められるが、5〜70μm程度が好適である。また、ガスバリア層30の厚さは、ガスバリア性が維持される範囲で、基材28の易裂性を維持することができるよう可能な限り薄いことが好ましい。例えば、GBのガスバリア層30の場合、1μm程度の厚さがあれば、十分なガスバリア性が得られ、基材28と共に容易に引き裂くことができる。
【0048】上述したようにして形成されたガスバリア性フィルム26は、少なくとも注出具18の内側基盤部分22よりも大きな形状、図示実施形態では注出具本体14の端部よりも大きな円形形状に裁断された後、注出具10の基盤18の裏面及びフランジ部16の内周部分の裏面に、適当な接着剤、例えばウレタン系接着剤を薄く塗布して接着される。
【0049】なお、ガスバリア性フィルム26の接着の際、基盤18とガスバリア性フィルム26との間に隙間が形成されることは好ましくないため、弱化線20は基盤18の表面側(容器12の外部となる側)に設けることが必要である。
【0050】また、基盤18に接着する側は、ガスバリア層30と基材28のいずれの側でもよいが、ガスバリア層30がアルミニウムからなり、容器12の内容物が酸性であるような場合等には、ガスバリア層30の酸化を防止するためにガスバリア層30が基盤18に接着されることになる。
【0051】このような注出具10の容器12への取付けは、前述したように、注出具本体14から突出したフランジ部16の表面に容器12を熱融着や接着等の手段により接合することで行われる。この状態においては、注出具10がポリエチレンのようにガス透過性のある材料から作られていても、ガスが透過し得る部分は、実質的に注出具本体14の内側の基盤18、特に弱化線20を施した部分が多く透過する。この部分については、基盤18の裏面全域にガスバリア性フィルム26が接着されているため、この部分からのガスの透過も防止される。従って、容器12の内容物の酸化等を防止することが可能となる。
【0052】注出具10を開封する場合には、プルリング24を指で持ち、引っ張ることで、プルリング24と共に内側基盤部分22が、基盤18のその他の部分から切除される。その結果、基盤18の中央部に円形の開口が形成され、内容物をこの開口を通して注出することが可能となる。本実施形態のガスバリア性フィルム26はせん断力を作用させた場合に、そのせん断力の作用部位に沿って容易に引き裂かれるため、この開封時、ガスバリア性フィルム26は内側基盤部分22の除去を妨げることとはならず、且つまた、弱化線20に沿って内側基盤部分22と共に除去される。従って、内側基盤部分22が除去された後、基盤18の開口からガスバリア性フィルム26の残りが内側に突出することがない。これは、容器内容物の注出を円滑に行うために有利な効果である。
【0053】以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0054】例えば、上記実施形態では、ガスバリア性フィルム26を接着剤により注出具10の基盤18に接合することとしているが、接合は他の手段、例えば熱融着法によってもよい。上記実施形態において接着剤を用いた理由は、ガスバリア性フィルム26がガスバリア層30にて基盤18に接合されるが、ガスバリア層30がたとえ熱融着性材料から形成されていたとしても、極めて薄いため、熱融着法には適さないからである。また、基材28も、上述したPET等の材料からなる場合には、熱融着性を有しないためである。従って、熱融着によってガスバリア性フィルム26を注出具10の基盤18に接合する場合には、ガスバリア性フィルム26に熱融着性を持たせる必要がある。具体的には、図2に示したガスバリア性フィルム26の少なくとも接合側の面、好ましくは図3に示す如く両面に低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体又はこれらの混合物の熱融着性合成樹脂を薄く積層したものを形成し、このガスバリア性フィルム26′の熱融着性樹脂層34を熱融着により基盤18に接合するのである。なお、この熱融着性樹脂層34がガスバリア性フィルム26′の易裂性を損なわないよう、その層厚は例えば40μm程度に抑えることが必要となる。
【0055】また、図3に示すように両面に熱融着性樹脂層34を有するガスバリア性フィルム26′の場合、インモールド式(絵付成形式)の射出成形法の適用も可能である。インモールド式射出成形法では、円板状に形成したガスバリア性フィルム26′を金型(図示しない)内に装着し、金型内の空洞に注出具の材料(ポリエチレン等)を射出することで、図4に示すようにガスバリア性フィルム26′が基盤18に埋設されフランジ部16の裏面と面一となった注出具10′や、図5に示すようにガスバリア性フィルム26′の下面にも注出具構成要素36が配置される比較的複雑な形状の注出具10″をも形成することができる。なお、図4の注出具10′には、キャップ38が注出具本体14に螺合し得るよう、注出具本体14の外周面にねじ山40が形成されている。また、図5の注出具10″は、ガラス瓶のような容器42の口部44に取り付けるためのものであり、符号46はスナップ式のキャップを示している。
【0056】更に、本発明は容器の開口部となる部位にも適用可能である。例えば、プルオープン式の注出口を容器本体と一体成形してなる容器においても、注出口の基盤に図2又は図3に示すような形でガスバリア性フィルムを接合することが可能である。
【0057】また、図6に示すような、空気との接触により変色し易い等の性質を有する紙や不織布等を収容する紙製の箱形容器50にも、本発明を好適に適用することができる。この実施形態に係る容器50においては、開封前の紙製容器本体52には、その前板部から天板部の後縁にかけて延びるミシン目(弱化線)54が設けられており、このミシン目54に沿って容器本体52の中央部分56を切断することで、内容物の取出し用開口部が形成されるようになっている。また、図7から理解される通り、容器本体52の内面には、本発明による易裂性のガスバリア性フィルム26″が接着剤で貼り付けられている。これにより、開封前における内容物と外気との接触が防止されている。なお、ガスバリア性フィルム26″としては、図7に示すように、図2と同様なガスバリア性フィルム26の基材28側表面に低密度ポリエチレン等の熱融着性樹脂層34が薄く、例えば40μm程度に積層されたものが用いられる。これによって、ガスバリア性フィルム26″同士の熱融着が可能となり、密閉空間を容器50内に形成することが可能となる。
【0058】このような容器50を開封する際、容器本体52の中央部分56をミシン目54に沿って引き上げると、ミシン目54に沿って作用するせん断力がガスバリア性フィルム26″にも作用し、ガスバリア性フィルム26″の、容器中央部分56の裏面に接着している部分が、容器中央部分56と一体となって他の部分から引き裂かれる。この際、ガスバリア性フィルム26″の易裂性により容器中央部分56を引っ張る力は少なくて済む。また、容器中央部分56と共に切除されたガスバリア性フィルム26″の輪郭は容器中央部分56の輪郭とほぼ一致し、他の部分が容器50の開口の内側に突出することがない。
【0059】なお、このような容器50において、容器50の内面全体に本発明による易裂性のガスバリア性フィルム26″を接合する必要はなく、ミシン目54に沿う部分(開口予定部)の裏面だけに接合し、その他の部分は、引裂きが困難なガスバリア性フィルムを用いてもよい。
【0060】更に、図6及び図7の構成は、図8に示す如きカップ麺容器60の紙蓋62にも同様に適用することができる。従来においては、カップ麺容器の紙蓋の裏面には、内容物である乾燥麺の酸化を防止するためにアルミニウム箔が貼着されていたが、前述したように、ゴミとなった時のアルミニウム箔の処理が問題となる。これに対して、本発明による易裂性のガスバリア性フィルム26,26′,26″を紙蓋62の裏面に貼着した場合には、アルミニウム箔の燃えかすという問題はない。しかも、紙蓋62にミシン目64を形成しておけば、開封を所望の形で確実に且つ容易に行わせることもできる、という効果を奏する。
【0061】更に、本発明によるガスバリア性フィルムを容器そのものとして構成することもできる。図9に示す容器70がその一例であり、ウェットティッシュ等を収容する袋状の容器本体72を、本発明による易裂性のガスバリア性フィルムから構成している。このガスバリア性フィルムは、図10から理解される通り、図7に示すガスバリア性フィルム26″と同等のものであり、その基材28側表面に低密度ポリエチレン等の熱融着性樹脂層34が薄く、例えば40μm程度に積層されたものである。この構成により、ガスバリア性フィルム26″同士の熱融着が可能となって、ガスバリア性に富む袋状体を作ることができる。また、容器本体72の表面には、略U状のミシン目等の弱化線(この場合、弱化線には連続した切断線も含む)74が形成された粘着シート(開口予定シート)76が接着されている。これにより、粘着シート76の中央部分78を弱化線74に沿って切断して引っ張ると、その中央部分78に接合しているガスバリア性フィルム26″(容器本体72)のみが切断されて、容器本体72に内容物の取出し用の開口が形成される。
【0062】図9及び図10に示す構成では、容器本体72にミシン目等の弱化線を形成する必要がないため、容器の製造が容易となるという効果がある。
【0063】なお、本発明の注出具の用途は特に限定されないが、例えば、ダイレクトブロー成形容器、2軸延伸ブロー成形容器、射出成形容器、真空圧空成形容器、圧縮成形容器、回転成形容器、プラグアシスト成形容器、形状が袋体の容器、スタンドアップパウチの容器、バグインボックスの内袋の容器、チューブ状の容器、外側が紙で内側が合成樹脂の複合容器等の容器に対して、螺条、打栓若しくは一体成形で本発明の注出具を組み付けることができる。
【0064】また、上記容器に充填する内容物としては、例えば、トマトケチャップ、トマトピューレ、トマトソース等の酢酸のような揮発性酸を含むトマト加工品類、マヨネーズ、ソース類、山葵や芥子等の香辛料のペースト、食用油、ドレッシング、醤油、味醂、酢、焼き肉のタレ等の食品、医薬品、化粧品等を例示することができる。
【0065】
【実施例】次に、本発明に従って試作したガスバリア性フィルムを用いて、その引裂き強度及び酸化透過率について評価した結果を、実施例1として説明する。
【0066】この実施例1では、PETフィルムを基材とし、その上にガスバリア層としてGBの層を形成した、図2に示すものに相当するガスバリア性フィルムを用いた。この実施例1で使用したガスバリア性フィルムは次のようにして形成されたものである。まず、基材としての厚さ12μmのPETフィルムにエンボス加工により一方の面に、平均開口径が10μmの微細孔を1000個/cm2の密度で形成した。なお、このエンボス加工直後にこの基材上に水を溜めて反対面からの漏れを調べたところ、水漏れはなかった。次いで、このPETフィルムの微細孔をつけた反対側の面に、ポリアクリル酸と澱粉溶液の70/30wt%混合物を塗布し、200℃で15分間、乾燥及び熱処理を行って、約1μmのガスバリア層を形成し、実施例1用のガスバリア性フィルムを得た。
【0067】また、厚さ12μmのPETフィルムの一方の面に、エンボス加工を行うことなく、ポリアクリル酸と澱粉溶液の70/30wt%混合物を塗布し、200℃で15分間、乾燥及び熱処理を行って、約1μmのガスバリア層を形成し、比較例1用のガスバリア性フィルムを得た。
【0068】これらのガスバリア性フィルムに対して、酸素透過度をMOCON社製の酸素透過率測定装置OX−TRAN2/20により測定し、また、東洋精機社製のエレメンドル引裂き強度試験器により、ノッチを入れない状態での引き裂き強度を測定した結果が、下の表1である。酸素透過率は、23℃、相対湿度80%の環境下で測定を行った。
【0069】
【表1】


【0070】表1から、実施例1及び比較例1のガスバリア性フィルムは共に酸素透過率が低く、エンボス加工がガスバリア性を低下させないことが分かる。また、酸素透過率は、200cm3/m2・day・MPa以下であれば、殺菌剤や酸化防止剤を添加していない食品に対しても、十分な酸素ガスバリア性を有していることになるが、その条件も満足していることが分かる。また、引裂き強度については、実施例1が比較例1に比して大幅に低く、実施例1のガスバリア性フィルムの易裂性が極めて優れていることも、表1から分かる。
【0071】なお、引裂き強度試験において、エンボス加工時のフィルム面内の流れ方向をMD、その流れ方向に直角な方向TDとする。
【0072】また、本発明に従って試作した注出具を用いて、実際にプルリングを引っ張り、弱化線での開封状態を開封性と開封後の開口の状態について評価した。
【0073】ここでは、実施例2として、低密度ポリエチレン(d=0.92)で図1に示す形状の注出具(注出具本体の内径19mm)を射出成形し、その基盤の裏面にウレタン系接着剤を約2μmの厚さで塗布し、そこに前記実施例1で試作したガスバリア性フィルムを接着したものを用いた。
【0074】また、実施例3として、前記実施例1で試作したガスバリア性フィルムの両面に20μmの厚さの低密度ポリエチレンフィルムを貼着したもの(図3のガスバリア性フィルムに相当)を、実施例2と同形の注出具の基盤に熱融着したものを用いた。
【0075】更に、実施例3で試作したガスバリア性フィルムを円板状に切り出し、その円板状フィルムをインモールド式射出成形機の金型に装着し、その後、金型内の空隙に低密度ポリエチレン(d=0.92)を注入することで、図4に示す形態の注出具を実施例4用として試作した。この注出具の注出具本体の内径は実施例2及び実施例3におけるものと同様、19mmである。
【0076】また、比較のために、比較例1で試作した微細孔のないガスバリア性フィルムを実施例2のガスバリア性フィルムに代えて接着した注出具を比較例2として用いた。
【0077】比較例3では、比較例1で試作したガスバリア性フィルムの両面に20μmの厚さの低密度ポリエチレンフィルムを貼着したものを、実施例3のガスバリア性フィルムに代えて熱融着した注出具を用いた。
【0078】更に、比較例4として、比較例3で用いたものと同様の注出具であるが、ガスバリア性フィルムの基材厚さを9μmに薄くしたものを用いた。
【0079】以上の実施例2〜4及び比較例2〜4で用いた注出具の開封状態の評価は次表の通りである。
【0080】
【表2】


【0081】表2から理解される通り、実施例2〜4のいずれも、開封性が良好であり、開口と同形にガスバリア性フィルムが切除され、開口よりも外側の基盤に残っているガスバリア性フィルムの一部が開口の内側に突出していなかった。また、本発明によるガスバリア性フルムを用いた場合、ガスバリア性フィルムの基盤への接合方法に拘わらず、良好な結果が得られることも分かった。
【0082】一方、比較例2及び3では開封が困難であり、開口の状態も悪いが、これは使用したガスバリア性フィルムの引裂き強度が高いためと考えられる。また、基材を単に薄くしただけでは、開封性及び開口の状態を十分に改善することができないと認められた。
【0083】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、基材とガスバリア層からなるガスバリア性フィルムに易裂性を持たせることができるため、このガスバリア性フィルムを用いた容器や注出具を容易に開封することができ、しかもガスバリア性フィルムの切断状態は良好となる。勿論、開封前にあっては、十分なガスバリア性が維持され、容器の内容物の保護に寄与する。
【0084】また、基材とガスバリア層の組み合わせによるフィルムであるため、ガスバリア層を極めて薄くすることができ、これによって、アルミニウム等のガスバリア性材料が焼却後に多量に燃えかすとして残るという問題も解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による注出具の一実施形態を概略的に示す断面図である。
【図2】図1の注出具に用いられる本発明によるガスバリア性フィルムを拡大して示す概略断面図である。
【図3】本発明によるガスバリア性フィルムの他の形態を示す概略断面図である。
【図4】図3のガスバリア性フィルムを使用した注出具の概略断面図である。
【図5】図3のガスバリア性フィルムを使用した注出具の別の形態を示す概略断面図である。
【図6】本発明による容器の一実施形態を示す斜視図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿っての概略断面図である。
【図8】本発明による容器の別の実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明による容器の更に別の実施形態を示す平面図である。
【図10】図9のX−X線に沿っての概略断面図である。
【符号の説明】
10,10′,10″…注出具、12…容器、14…注出具本体、16…フランジ部、18…基盤、20…弱化線、22…内側基盤部分、24…プルリング、26,26′,26″…ガスバリア性フィルム、28…基材、30…ガスバリア層、32…微細孔、34…熱融着樹脂層、50…箱形容器、52…容器本体、54…ミシン目(弱化線)、60…カップ麺容器、62…紙蓋、64…ミシン目(弱化線)、70…容器、72…容器本体、74…弱化線、76…粘着シート(開口予定シート)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 注出物の出る部分が弱化線により画されている基盤と、前記基盤に接合されたガスバリア性フィルムとを具備する注出具であって、前記ガスバリア性フィルムが、多数の微細孔が形成された合成樹脂製のフィルムからなる基材と、前記基材の一方の面に積層されたガスバリア性材料からなるガスバリア層とを備えることを特徴とする注出具。
【請求項2】 前記注出具の筒状の本体を備え、前記基盤が前記本体内を閉塞すべく該本体に一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の注出具。
【請求項3】 前記微細孔が、前記基材の全面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の注出具。
【請求項4】 前記ガスバリア層が前記基材の両面に積層されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の注出具。
【請求項5】 前記ガスバリア性フィルムが前記基盤に接着剤により接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の注出具
【請求項6】 前記ガスバリア性フィルムが、前記基材側の表面又は前記ガスバリア層側の表面の少なくとも一方に積層された熱融着性合成樹脂からなる熱融着性樹脂層を更に備え、前記ガスバリア性フィルムが、前記熱融着性樹脂層側にて前記基盤に熱融着により接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の注出具。
【請求項7】 前記ガスバリア性フィルムが、両面に積層された熱融着性合成樹脂からなる熱融着性樹脂層を更に備え、前記ガスバリア性フィルムがインモールド式射出成形により前記基盤に接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の注出具。
【請求項8】 切断され開口となるべき部分が弱化線により画されている開口予定部を有する容器本体と、前記開口予定部に接合されたガスバリア性フィルムとを具備し、前記ガスバリア性フィルムが、多数の微細孔が形成された合成樹脂製のフィルムからなる基材と、前記基材の一方の面に積層されたガスバリア性材料からなるガスバリア層とを備えることを特徴とする容器。
【請求項9】 前記微細孔が、前記基材の全面に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の容器。
【請求項10】 前記ガスバリア層が前記基材の両面に積層されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の容器。
【請求項11】 前記ガスバリア性フィルムが前記容器本体の内面全体に接合されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の容器。
【請求項12】 前記開口予定部が前記容器の蓋であり、ガスバリア性フィルムが前記蓋の裏面に接合されている請求項8〜10のいずれか1項に記載の容器。
【請求項13】 多数の微細孔が形成された合成樹脂製のフィルムからなる基材と、前記基材の一方の面に積層されたガスバリア性材料からなるガスバリア層とを備えるガスバリア性フィルムから構成された袋状の容器本体と、前記容器本体の表面に接合された、切断され開口となるべき部分が弱化線により画されている開口予定シートとを備える容器。
【請求項14】 前記微細孔が、前記基材の全面に形成されていることを特徴とする請求項13に記載の容器。
【請求項15】 前記ガスバリア層が前記基材の両面に積層されていることを特徴とする請求項13又は14に記載の容器。
【請求項16】 多数の微細孔が形成された合成樹脂製のフィルムからなる基材と、前記基材の一方の面に積層されたガスバリア性材料からなるガスバリア層とを備えるガスバリア性フィルム。
【請求項17】 前記微細孔が、前記基材の全面に形成されていることを特徴とする請求項16に記載のガスバリア性フィルム。
【請求項18】 前記ガスバリア層が前記基材の両面に積層されていることを特徴とする請求項16又は17に記載のガスバリア性フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2002−332054(P2002−332054A)
【公開日】平成14年11月22日(2002.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−138942(P2001−138942)
【出願日】平成13年5月9日(2001.5.9)
【出願人】(000001100)呉羽化学工業株式会社 (477)
【Fターム(参考)】