洗浄ユニット、これを有する処理液塗布装置及びこれを利用した洗浄方法
【課題】洗浄効率を向上させ、かつ、製造原価を節減させることができる洗浄ユニット、これを有する処理液塗布装置及びこれを利用した洗浄方法を提供する。
【解決手段】洗浄ユニットは、ブレード164と固定部材165、166とを具備する。ブレード164は、シーツ形状を有し、処理液を吐出するヘッドの処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する。固定部材165、166は、ブレード164と結合してブレード164の位置を固定させる。
【解決手段】洗浄ユニットは、ブレード164と固定部材165、166とを具備する。ブレード164は、シーツ形状を有し、処理液を吐出するヘッドの処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する。固定部材165、166は、ブレード164と結合してブレード164の位置を固定させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に薬液を塗布するインクジェット方式の処理液塗布装置に係り、より詳細には、処理液が吐出されるノズルを洗浄する洗浄ユニット、これを有する処理液塗布装置及びこれを利用した洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像を表示する液晶表示装置は、多様な薄膜が蒸着された2枚の基板と、該2枚の基板の間に介在された液晶層とからなる。一般的に、各基板に形成された薄膜は、多様な形状のパターンを有し、パターンの精密度のために蒸着工程及びフォトリソグラフィ工程を通じて形成される。このように、1つの薄膜を形成するためには、高価なマスクが使われるフォトリソグラフィ工程が利用されるので、製造原価が上昇し、製造工程時間が増加する。
【0003】
最近、このような薄膜形成方法として、インクジェットプリンティング方式が採用されている。インクジェットプリンティング方式は、基板の特定位置に薬液を塗布して薄膜を形成するので別途エッチング工程を要しない。このようなインクジェットプリンティング方式は、液晶表示装置のカラーフィルタまたは配向膜などを形成するのに使われる。一般的に、インクジェットプリント装置は、基板上に薬液を塗布するヘッドと、該ヘッドを洗浄する第1及び第2洗浄ユニットとを具備する。ヘッドは、薬液を吐出する複数のノズルを具備し、基板の特定位置に薬液を塗布する。一般的に、インクジェットプリント装置に使われる薬液は、粘性及び揮発性が高く、凝固され易い。特に、薬液塗布の後、ノズルの吐出口の周辺には薬液が残留する可能性があり、このような残留薬液は、吐出口の周辺に凝固されてノズルの吐出口を塞ぐ、または、以後の薬液塗布の時、基板に塗布されて不均一な膜を形成する原因となる。
【0004】
これを防止するため、第1及び第2洗浄ユニットは、複数のノズルを洗浄して製品の収率を向上させる。第1洗浄ユニットは、ヘッドの薬液吐出面に残存する薬液を掻き取って1次除去し、第2洗浄ユニットは、薬液吐出面を物理的に拭き取る薬液吐出面上の薬液を除去する。具体的には、第1洗浄ユニットは、ブレードを具備し、ブレードが薬液吐出面上の薬液を掻き取る。第2洗浄ユニットは、ワイパを具備し、ワイパは、薬液吐出面と接触して薬液を拭き取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−248102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に、上記ブレードは、薬液を掻き取る工程でノズルとの衝突する際にノズルの破損を防止するために軟質材料からなる。このような軟質材料は、表面摩擦係数が高くて、表面を平坦に加工し難い。また、第1洗浄ユニットによる1次洗浄の後にも薬液吐出面に多い薬液がついているので、2次洗浄の際、ワイパの使用量が増加する。更に、ブレードの上端部についている薬液がブレードの下端部に流れ難く、加工単価が上昇し、交換が難しい。
【0007】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、処理液を吐出するノズルの洗浄効率を向上させる洗浄ユニットを提供することを目的とする。また、本発明の目的は、上述の洗浄ユニットを具備する薬液塗布装置を提供することにある。更に、本発明の目的は、上述の洗浄ユニットを利用して薬液塗布装置のノズルを洗浄する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を実現するための第1の態様として、洗浄ユニットは、ブレードと固定部材とを具備する。ブレードは、シーツ形状を有し、処理液を吐出するヘッドの処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する。固定部材は、ブレードと結合して該ブレードの位置を固定させる。具体的には、固定部材は、第1及び第2固定部を含む。第1固定部は、ブレードの一面と向き合うように配置される。第2固定部は、ブレードを挟んで第1固定部と向き合うように設置され、第1固定部と結合してブレードを第1固定部に固定させる。一方、ブレードは、圧縮紙材質からなるベースシーツを含む。また、ブレードは、コーティング層をさらに含む。コーティング層は、ベースシーツの外面にコーティングされ、合成樹脂材質からなる。
【0009】
また、本発明の目的を実現するための第2に態様として、処理液塗布装置は、基板支持部材、少なくとも1つのヘッド、及び第1及び第2洗浄ユニットを具備する。基板支持部材には、対象物が載置される。ヘッドは、基板支持部材に載置された対象物に処理液を塗布する。第1洗浄ユニットは、ヘッドの処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する。第2洗浄ユニットは、処理液吐出面に残存する処理液を拭き取る。具体的には、第1洗浄ユニットは、ブレードを含む。ブレードは、シーツ形状を有し、処理液吐出面に残存する処理液を掻き取る。第1洗浄ユニットは、固定部材をさらに含む。固定部材は、ブレードと結合して該ブレードの位置を固定させる。
【0010】
また、本発明の目的を実現するための第3の態様として、薬液塗布装置の洗浄方法は、次の通りである。先ず、シーツ形状を有するブレードを固定部材により固定させる。次に、ブレードの上部に処理液を吐出するヘッドを配置する。次に、ブレードがヘッドの処理液吐出面に対して垂直に配置された状態で、処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、ブレードは、シーツ形状からなり、その形状変更が容易であるので、吐出面に残存する処理液との接触面積を最小化することができる。これによって、洗浄ユニットは、洗浄効率を向上させ、かつ、製造原価を節減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る薄膜形成装置を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示したインクジェットプリント部を示す斜視図である。
【図3】図2に示したインクジェットプリント部を示す平面図である。
【図4】図2に示した第1洗浄ユニットを示す部分分解斜視図である。
【図5】図4に示した第1洗浄ユニットを示す平面図である。
【図6】図5に示した固定部材及びブレードを示す部分分解斜視図である。
【図7】図6に示したブレードを示す平面図である。
【図8】図7の切断線I−I´に沿って切断した断面図である。
【図9】処理液の除去の際の、図6に示したブレードと第1ヘッドとの位置関係を示す側面図である。
【図10】図6に示したブレードの他の一例を示す図である。
【図11】処理液の除去の際の、図10に示したブレードと第1ヘッドとの位置関係を示す側面図である。
【図12】図6に示した第1固定部の他の一例を示す図である。
【図13】図2に示した第1洗浄ユニットが第1及び第2ヘッドアセンブリを洗浄する工程を示すフローチャートである。
【図14】処理液の除去の際の、図6に示したブレードと第1ヘッドとの配置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図を参照して、本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。以下では、処理液塗布装置として、液晶表示装置のカラーフィルタを形成するためのインクジェットプリント装置を一例として説明する。処理液塗布装置は、カラーフィルタ以外にも多様な薄膜を形成することができ、液晶表示装置以外の多様な装置の薄膜形成や、または、特定パターンの形成など、多様に使用可能である。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る薄膜形成装置を概略的に示す斜視図である。図1を参照すると、薄膜形成装置1000は、インクジェットプリント部100と、処理液供給部200と、ローダ部300と、アンローダ部400と、インデクサ部500と、ベーク部600と、メイン制御部700とを含む。
【0015】
インクジェットプリント部100は、基板上に処理液、例えば、RGBインクを塗布して基板上にカラーフィルタを形成する。この実施形態において、インクジェットプリント部100は、RGBインクを塗布してカラーフィルタを形成する。ただし、インクジェットプリント部100は、RGBインク以外に多様な種類の処理液を塗布することができ、これによって、処理液に対応する薄膜、例えば、配向膜など多様な薄膜を基板上に形成することができる。
【0016】
インクジェットプリント部100の一方の側に設置されたメイン制御部700は、インクジェットプリント部100の各処理工程を制御し、インクジェットプリント部100は、メイン制御部700の制御によって塗布工程を進行する。また、インクジェットプリント部100の一方の側には、処理液供給部200が設置される。処理液供給部200は、インクジェットプリント部100で基板に塗布する処理液を貯蔵し、処理液をインクジェットプリント部100に供給する。この実施形態において、処理液供給部200は、RGBインクが互いに混色されないように個別に貯蔵する。
【0017】
インクジェットプリント部100の他方の側には、外部から処理待機中の基板が搬送されて積載されるローダ部300と、薄膜形成装置1000で処理工程が完了した基板を積載するアンローダ部400とが並んで設置される。ローダ部300及びアンローダ部400は、インデクサ部500の一方の側に設置され、ローダ部300及びアンローダ部400は、インデクサ部500を挟んでインクジェットプリント部100と向き合う。インデクサ部500は、インクジェットプリント部100と、ローダ部300と、アンローダ部400と、ベーク部600とに連通され、インクジェットプリント部100、ローダ部300、アンローダ部400、及びベーク部600の間に基板を搬送する。
【0018】
具体的には、インデクサ部500は、基板を搬送する搬送ロボット(図示しない)を具備し、搬送ロボットは、ローダ部300から基板を取り出してインクジェットプリント部100に搬送する。インクジェットプリント部100にて基板のRGBインク塗布が完了した後、移送ロボットは、インクジェットプリント部100からカラーフィルタが形成された基板を取り出してベーク部600に搬送する。ベーク部600は、受け取った基板を加熱して基板に形成された薄膜、すなわち、カラーフィルタを硬化させ、これによって、薄膜形成装置1000による薄膜形成工程が完了する。搬送ロボットは、ベーク部600から処理が完了した基板を取り出した後、アンローダ部400に搬送する。アンローダ部400に積載した基板は、搬送装置によって外部に搬出される。
【0019】
以下、図面を参照して、インクジェットプリント部100について具体的に説明する。図2は、図1に示したインクジェットプリント部を示す斜視図であり、図3は、図2に示したインクジェットプリント部を示す平面図である。図2及び図3を参照すると、インクジェットプリント部100は、ステージ110と、基板支持部120と、ガントリ(Gantry)130と、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bと、第1及び第2ヘッド移動部151、152と、第1洗浄ユニット160と、第2洗浄ユニット170とを含む。
【0020】
ステージ110上には、処理液塗布のための設備、すなわち、基板支持部120、ガントリ(Gantry)130、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140b、第1及び第2ヘッド移動部151、152、第1洗浄ユニット160、及び第2洗浄ユニット170が設置される。ステージ110には、該ステージ110の一辺に沿って延長された中央レール111が設置され、該中央レール111には、基板支持部120が結合される。基板支持部120は、処理液が塗布される基板を支持し、中央レール111に沿って移動可能である。また、基板支持部120は、基板が載置される支持台を回転可能に設置し、処理液塗布工程において、基板を支持台に固定させる。
【0021】
一方、ステージ110は、中央レール111を挟んで互いに向き合うように設置される第1及び第2ガイドレール112a、112bを具備する。第1及び第2ガイドレール112a、112bの各々は、中央レール111と同一の第1方向D1に延長されて設置され、第1方向D1に延長されたステージ110の一辺と略同一の長さを有する。第1及び第2ガイドレール112a、112bには、ガントリ130が結合される。ガントリ130は、両端部が第1及び第2ガイドレール112a、112bに各々結合され、第1及び第2ガイドレール112a、112bに沿って水平移動可能である。ガントリ130には、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bが固定設置される。ガントリ130が水平移動すると、ガントリ130に設置された第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bが共に移動し、これによって、第1方向D1に第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの位置が変更する。
第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、処理液供給部200から処理液が供給され、基板支持台120に固定された基板に対して処理液を吐出する。この実施形態において、インクジェットプリント部100は、2つのヘッドアセンブリ140a、140bを具備するが、ヘッドアセンブリ140a、140bの個数は、工程効率及びヘッドアセンブリ140a、140bの大きさによって増加してもよいし、または、減少してもよい。第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、第1方向D1に並列に配置され、互いに離隔されて位置する。この実施形態において、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、互いに同一の構成を有する。よって、以下、第1ヘッドアセンブリ140aの構成に対して具体的に説明し、第2ヘッドアセンブリ140bに対する具体的な説明は省略する。
【0022】
第1ヘッドアセンブリ140aは、第1方向D1と水平方向とに直交する第2方向D2に並んで配置された第1、第2、及び第3ヘッド141a、142a、143aを具備し、第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aの各々は、処理液を吐出する多数のノズルを具備する。この実施形態において、第1ヘッドアセンブリ140aは、3つのヘッド141a、142a、143aを具備するが、ヘッド141a、142a、143aの個数は、工程効率及び処理液の種類によって増加してもよいし、または、減少してもよい。第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aは、互いに異なる色を有するインクを吐出して基板上にカラーフィルタを形成する。具体的には、第1ヘッド141aは、赤色を有するRインクを吐出し、第2ヘッド142aは、緑色を有するGインクを吐出し、更に、第3ヘッド143aは、青色を有するBインクを吐出する。ここで、第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aのインク配列は、カラーフィルタの色画素配列によって変更してもよい。各ヘッド141a、142a、143aは、各ヘッド141a、142a、143aの中心軸を基準として回転可能である。理液塗布工程において、第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aは、同時にインクを吐出することもでき、一度にいずれか1つのヘッドでのみインクを吐出することもできる。また、第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aは、それぞれ交互にインクを吐出することもできる。また、処理液塗布工程において、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、同時に駆動されて第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bからインクを同時に吐出することもでき、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、それぞれ交互にインクを吐出することもできる。また、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bのうちのいずれか1つのヘッドアセンブリを先ず駆動させてインクを塗布した後、該当のヘッドアセンブリに供給されたインクが全部消尽されれば、残りのヘッドアセンブリを駆動させてインクを塗布することもできる。
【0023】
一方、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、第1ヘッド移動部151に固定設置され、第1ヘッド移動部151には、第2方向D2に延長された第1移動レールが具備される。第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、互いに異なる第1移動レールに結合され、結合された第1移動レールに沿って第2方向D2に往復移動が可能である。ここで、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの各ヘッドは、結合された第1移動レールに沿って個別に移動が可能である。第1ヘッド移動部151は、第2ヘッド移動部152に固定設置され、第2ヘッド移動部152には、第2移動レール(図示しない)が設置される。第2移動レールは、第1及び第2方向D1、D2と垂直となる方向、すなわち、ステージ110の上面に対して垂直となる第3方向D3に延長される。第1ヘッド移動部151は、第2移動レールに結合され、第2移動レールに沿って上下方向D2に往復移動が可能である。第2ヘッド移動部152は、ガントリ130に固定設置される。ガントリ130には、第2方向D2に延長された第3移動レールが設置される。第2ヘッド移動部152は、第3移動レールに結合され、第3移動レールに沿って第2方向D2に往復移動が可能である。
【0024】
このように、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、14bは、ガントリ130と第1及び第2ヘッド移動部151、152によって第1乃至第3方向D1、D2、D3への移動が可能である。すなわち、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、ガントリ130の水平移動によって第1方向D1に移動可能であり、第2ヘッド移動部152の移動によって第2方向D2に移動可能であり、更に、第1ヘッド移動部151の移動によって第3方向D3に移動可能である。また、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの各ヘッドは、対応する第1移動レールに沿って第2方向D2に移動可能である。処理液塗布工程において、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、第1及び第2ヘッド移動部151、152及びガントリ130により移動しながら基板にインクを塗布することができる。また、基板支持台120は、中央レール111に沿って第1方向D1に移動し、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、第2及び第3方向D2、D3のみに移動してインクを塗布することもできる。
【0025】
一方、ステージ110の中央レール111と第2ガイドレール112bとの間に備えられた維持補修領域には、第1及び第2洗浄ユニット160、170が設置される。
第1洗浄ユニット160は、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bに残存するインクを掻き取って除去する。第1洗浄ユニット160の構成については、後述の図4乃至図12で具体的に説明する。
【0026】
第1洗浄ユニット160の一方の側には、第2洗浄ユニット170が設置される。ガントリ130がホーム位置に位置する時、第2洗浄ユニット170は、第1洗浄ユニット160を挟んでガントリ130と向き合う。第2洗浄ユニット170は、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの各ノズルについたインクを拭き取ることで、製品の収率を向上させる。ここで、第2洗浄ユニット170は、第1洗浄ユニット160によって1次洗浄されたノズルを2次洗浄することもでき、または、第1洗浄ユニット160によって洗浄されないノズルを洗浄することもできる。
【0027】
第2洗浄ユニット170は、供給ローラと、回収ローラと、ワイパ(wiper)とを含む。具体的には、供給ローラと回収ローラとは、ワイパを通じて連結される。ワイパは、テープ形状を有し、第1端部が供給ローラに固定され、第2端部が回収ローラに固定される。第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの洗浄の際、ワイパは、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの各ヘッドからインクが吐出される吐出面に接触して各ヘッドに残留するインクを拭き取る。ワイパは、供給ローラに巻き込まれた状態で供給され、ノズルの洗浄によって汚染した部分は、回収ローラに巻き込まれる。すなわち、供給ローラは、汚染しないワイパを提供し、回収ローラは汚染したワイパを回収する。
【0028】
以下、図面を参照して第1洗浄ユニット160の構成に対して具体的に説明する。図4は、図2に示した第1洗浄ユニット160を示す部分分解斜視図であり、図5は、図4に示した第1洗浄ユニット160を示す平面図である。図4及び図5を参照すると、第1洗浄ユニット160は、メインフレーム161と、パージタンク162と、上部フレーム163と、複数のブレード164と、複数の固定部材168とを含む。
【0029】
具体的には、メインフレーム161は、四角形状を有し、上面が開口されており、側面が一部分開口されている。メインフレーム161の内部には、パージタンク162が設置され、該パージタンク162は、ブレード164により除去されたインクを回収する。メインフレーム161とパージタンク162の上部には、上部フレーム163が設置される。上部フレーム163は、メインフレーム161の上端部に結合され、メインフレーム161のように四角形状を有し、上面と下面とが開口されている。
【0030】
複数のブレード164は、上部フレーム163の内部に均等な間隔で離隔されて設置され、各ヘッドの吐出面に残存する処理液、例えば、インクを掻き取って除去する。この実施形態において、第1洗浄ユニット160は、6個のブレード164を具備するが、ブレード164の個数は、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140b(図2参照)に具備されたヘッドの個数によって増加する。複数のブレード164は、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bのヘッドと1対1で対応するように設置され、その配置も、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bのヘッド配置と同一である。すなわち、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、互いに向き合うように並列に配置され、各ヘッドアセンブリ140a、140bのヘッドは、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの配置方向と直交する方向に配置される。同様に、ブレードは、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの配置方向に3個ずつ2列に配置される。この実施形態において、同一の列に位置するブレード間の離隔距離は、第1乃至第3ヘッド141a、142a、143a間の離隔距離によって設定され、複数のブレード164は、1つのヘッドアセンブリに具備された第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aを同時に洗浄することができる。複数のブレード164は、複数の固定部材168によって上部フレーム163に固定設置される。複数の固定部材168は、複数のブレード164と1対1で対応して設置され、対応するブレードと結合する。ブレード164及び固定部材168の各々の構成と、ブレード164と固定部材168との間の結合関係は、後述の図6乃至図12で説明する。
【0031】
第1洗浄ユニット160は、パージタンク162を洗浄する洗浄ノズル169をさらに含む。洗浄ノズル169は、パージタンク162の上端内側に並んで配置され、洗浄液供給ポート162aを通じて洗浄液が供給され、パージタンク162の内部を洗浄する。すなわち、洗浄ノズル169から噴射された洗浄液は、パージタンク162の内壁に沿って流れてパージタンク162の内壁に残存する異物、例えば、ブレード164からパージタンク162に流入されたインクが、外部に排出されるようにする。ここで、パージタンク162の下端部には、パージタンク162の内部に流入された異物を外部に排気する排気ポート162bを具備し、排気ポートに対して異物を吸入するための排気圧が提供される。
【0032】
以下、図面を参照して、ブレード164と前記固定部材168とについて具体的に説明する。図6は、図5に示した固定部材及びブレードを示す部分分解斜視図であり、図7は、図6に示したブレードを示す平面図であり、図8は図7の切断線I−I’に沿って切断した断面図である。図6乃至図8を参照すると、ブレード164は、シーツ形状を有し、対応するヘッドの吐出面に残存する処理液、例えば、インクを掻き取って除去する。この実施形態において、ブレード164は、四角形状を有するが、ブレード164の形状は、これに限定されず、多様な形状を有することができる。
【0033】
ブレード164は、ベースシーツ61と、該ベースシーツ61の表面にコーティングされてベースシーツ61を保護するコーティング層62とを含む。ベースシーツ61は、形状加工が容易であり、一定の形状を常に維持し、曲がることができる材質、例えば、圧縮紙材質からなる。このように、ブレード164は、安価の圧縮紙材質からなるので、原価を節減することができ、対応するヘッドの吐出面と衝突しても、対応するヘッドの損傷を最小化することができる。
【0034】
コーティング層62は、化学的に安定し、耐薬液性を有し、表面摩擦係数が圧縮紙より低い合成樹脂材質、例えば、ポリプロピレン(Polypropylene)、またはポリエチレン(Polyethylene)等からなる。これによって、ブレード164についたインクがブレード164に沿って下へ流れ易く、パージタンク162(図4参照)への流入が容易であるので、洗浄効率を向上させることができる。本発明の一例として、ブレード164は、約0.2乃至約1mmの厚さを有する。この実施形態において、ブレード164は、ベースシーツ61及びコーティング層62からなるが、ベースシーツ61のみでもよい。ブレード164がベースシーツ61のみからなる場合、ブレード164の厚さを、コーティング層62を具備する場合より減少させることができる。
【0035】
図9は、処理液除去の際の、図6に示したブレード164と第1ヘッドとの位置関係を示す側面図である。参照として、図9では、第1ヘッドアセンブリ140a(図2参照)の第1ヘッド141aと、これに対応するブレード164との間の位置関係のみを示すが、各ヘッドとこれに対応するブレードとの間の位置関係は、これと同一である。図9を参照すると、各ヘッドの吐出面に残存するインク除去の際、第1ヘッドアセンブリ140aの第1ヘッド141aは、ガントリ130(図2参照)の移動により対応するブレード164の上部に配置される。
【0036】
第1ヘッド141aの下面には、インクを吐出する複数のノズル41が設置され、ブレード164は、ノズル41の吐出面41aに対して垂直に配置される。吐出面41aのインク20除去の際、ブレード164の第1端部は、ブレード164による吐出面41aの損傷を防止するために、吐出面41aと離隔して位置し、吐出面41aに残存するインク20とは接する。すなわち、ブレード164は、吐出面41aとは接しない状態でインク20にのみ接触して吐出面41aのインク20を除去する。この実施形態において、ブレード164と吐出面41aとの間の離隔距離T1は、約0.3乃至約0.1mmである。
【0037】
また、この実施形態において、インク20と接触するブレード164の第1端部は、吐出面41aに対して垂直に配置される。ブレード164は、第1及び第2ガイド面64a、64b、及び除去面64cを含む。第1及び第2ガイド面64a、64bは、吐出面41aに対して垂直に配置され、互いに向き合う。除去面64cは、第1及び第2ガイド面64a、64bの間に位置し、第1及び第2ガイド面64a、64bに対して略垂直に形成され、平坦な面からなる。除去面64cは、ブレード164の第1端部に位置し、インク20の除去の際、吐出面41aのインク20と接触する。吐出面41aのインク20の除去の際、第1ヘッド141aは、インク20がブレード164の第1端部と接触した状態で水平移動し、表面張力によって吐出面41aのインク20がブレード164の第1端部に引っ張られて吐出面41aで除去される。この時、第1ヘッド141aの進行方向HDは、第1ガイド面64a側から第2ガイド面64b側に進行する方向である。ブレード164は、シーツ形状を有するので、インク20との接触面積を最小化することができる。これによって、ブレード164は、インク20の接触面積を最小化するために、除去面64cを傾斜面で加工する必要がなく、洗浄効率を向上することができる。
【0038】
図10は、図6に示したブレードの他の一例を示す図であり、図11は、処理液除去の際の、図10に示したブレードと第1ヘッドとの位置関係を示す側面図である。図10及び図11を参照すると、図10に示したブレード180は、ノズル41の洗浄の際、吐出面41aに残存するインク20と接触する第1端部182の形状を除いては、図6乃至図9に示したブレード164と同一の構成及び形状を有する。したがって、以下、ブレード180の具体的な説明において、図6に示したブレード164と重複する説明は省略する。
【0039】
ノズル41の洗浄の際、ブレード180は、吐出面41aに対して垂直に配置され、第1端部182がブレードの一面に向けて折られ、ブレード180の一面に対して傾くように設置される。この実施形態において、第1端部182及び第1端部182の折れ方向に第1端部182と接するブレード180の一面がなす角度CAは、90度より大きく、180度より小さい。吐出面41aのインク20の除去の際、第1ヘッド141aは、インク20がブレード180の第1端部182と接触した状態で水平移動し、表面張力によって吐出面41aのインク20が、ブレード180の第1端部182に引っ張られて吐出面41aから除去される。この時、ブレード180は、第1端部182の折れ方向が第1ヘッド141aの進行方向HDと反対方向になるように配置される。これによって、ノズル41の洗浄の際、第1端部182についたインク20が重力によってブレード180から分離してパージタンク162(図4参照)内に落下する。よって、ブレード180は、洗浄効率を向上させることができる。
【0040】
再び、図5及び図6を参照すると、ブレード164は、固定部材168に結合され、その位置が固定される。固定部材168は、上部フレーム163に固定設置され、第1及び第2固定部165、166を含む。第1固定部165は、プレート形状を有し、ブレード164と向き合うように配置され、上部フレーム163に固定設置される。この実施形態において、第1固定部165は、上部フレーム163に一体で設置されてもよく、分離可能に設置されてもよい。第2固定部166は、第1固定部165と向き合うように配置され、ブレード164を挟んで第1固定部165と結合して、ブレード164を第1固定部165に固定させる。固定部材168とブレード164と結合の際、ブレード164は、第1端部が第1及び第2固定部165、166の上端部より上に突き出されるように配置される。第2固定部166は、横方向に互いに向き合う両端部に、ガイドバー166aをさらに具備することができる。ガイドバー166aは、第2固定部166から突き出し、第1固定部165及びブレード164との結合位置をガイドする。この実施形態において、第2固定部166は、2つのガイドバー165aを具備するが、ガイドバー165aの個数は、固定部材168の大きさ及び結合効率によって増加してもよく、または減少してもよい。
【0041】
ブレード164には、ガイドバー166aが挿入される複数の貫通ホール164aが形成される。複数の貫通ホール164aは、垂直方向に互いに離隔されて配置され、ブレード164の第1端部と隣接した両端部に各々形成される。この実施形態において、ブレード164は、両端部に各々3つの貫通ホール164aが形成されるが、貫通ホール164aの個数は、固定部材168の大きさ及び結合効率によって増加してもよく、または減少してもよい。
【0042】
ガイドバー166aは、ブレード164の垂直に配列された貫通ホールのうちのいずれか1つの貫通ホールに挿入され、ガイドバー166aが挿入される貫通ホールの位置に、第1及び第2固定部165、166に対するブレード164の相対的な垂直位置が変更可能である。一方、第1固定部165には、ガイドバー166aが挿入される結合ホール165aが形成され、該結合ホール165aは、ガイドバー166aと1対1で対応するように形成される。ガイドバー166aは、複数の貫通ホール164aのうちのいずれか1つ、かつ、対応する結合ホール165aを順に貫通して、該当の貫通ホールと結合ホール165aとに挿入される。
【0043】
固定部材168は、ブレード164を第1固定部165に密着固定させる複数の結合部材167をさらに含む。この実施形態において、固定部材168は、2つの結合部材167を具備するが、結合部材167の個数は、結合効率によって増加してもよく、または減少してもよい。結合部材167は、第2固定部166に挿入されてブレード164の一面と接し、第2固定部166は、結合部材167と1対1で対応するように形成され、結合部材167が挿入される挿入ホール166bが形成される。
【0044】
具体的には、結合部材167は、支持ヘッド167aと、結合柱167bと、磁性部167cとを含む。支持ヘッド167aは、挿入ホール166aより大きいサイズを有し、結合柱167aは、支持ヘッド167aから延長されて挿入ホール166bに挿入される。磁性部167cは、結合柱167bの内部に挿入され、磁性を有し、一面がブレード164の一面と接する。磁性部167cは、第1固定部165との間に形成された磁力を利用してブレード164を第1固定部165に密着固定させる。この実施形態において、第1固定部165は、結合部材167との間に磁力を形成するために磁性に反応する材質、例えば、ステンレス材質からなる。このように、固定部材168は、結合部材167の磁性によって第1及び第2固定部165、166が互いに結合されるので、組み立てが容易である。結合柱167aの外面には、ねじ山が形成され、第2固定部166の挿入ホール166bを定義する面には、結合柱167aのねじ山に対応するねじ山が形成される。これによって、結合柱167aのねじ山と挿入ホール166bのねじ山とが互いにかみ合って結合する。
【0045】
図12は、図6に示した第1固定部の他の一例を示す図である。図6及び図12を参照すると、第1固定部190は、第2固定部166と結合する固定胴体191と、固定胴体191の一面に形成された金属層192とを含む。金属層192は、ブレード164と向き合い、磁性に反応する金属材質、例えば、ステンレス材質からなる。これによって、結合部材167の磁性部167cと金属層192との間に磁力が形成される。この実施形態において、金属層192は、固定胴体191の一面に形成されて外部に露出するが、固定胴体191に内蔵することもできる。
【0046】
以下、図面を参照して、第1洗浄ユニット160が第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの吐出面を洗浄する工程について具体的に説明する。図13は、図2に示した第1洗浄ユニットが第1及び第2ヘッドアセンブリを洗浄する工程を示すフローチャートであり、図14は、処理液除去の際の、図6に示したブレードと第1ヘッドとの配置関係を示す図である。
【0047】
図2、図5、図13及び図14を参照すると、先ず、固定部材168がブレード164を上部フレーム163内に固定設置する(ステップS110)。次に、第1洗浄ユニット160の上部に、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bを配置させる(ステップS120)。次に、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bが水平移動し、これと共に、ブレード164が対応するヘッドの吐出面に残存する薬液を掻き取って除去する(ステップS130)。この時、ブレード164は、図14に示すように、対応するヘッドの長さ方向に延長された任意の線に対して0度より大きく、90度より小さい角度に配置される。第1洗浄ユニット160による1次洗浄が完了した後、第2洗浄ユニット160にて第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bを洗浄する(ステップS140)。この実施形態において、第1洗浄ユニット160による洗浄は、1枚の基板にインク塗布が完了した後に行うこともでき、工程待機時間が長い場合に、各ノズルの内部に凝固されたインクを除去するために行うこともできる。一方、ブレード164は、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bに対する洗浄が予め設定された回数だけ繰り返されれば、吐出面の洗浄によって汚染した部分を除去した後に再利用する(ステップS150)。すなわち、ブレード164は、その形状変更が容易であり、汚染した部分の切断が容易であるので、このように汚染した部分を切断した後に再使用が可能である。汚染した部分を切断すれば、ブレード164の高さが低くなるので、ガイド部166aが挿入される貫通ホールを変更する。
【0048】
以上、実施形態を参照して説明したが、当該技術分野に精通した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更させることができる。
【符号の説明】
【0049】
100 インクジェットプリント部
160 第1洗浄ユニット
164 ブレード
165 第1固定部
166 第2固定部
168 固定部材
170 第2洗浄ユニット
1000 薄膜形成装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に薬液を塗布するインクジェット方式の処理液塗布装置に係り、より詳細には、処理液が吐出されるノズルを洗浄する洗浄ユニット、これを有する処理液塗布装置及びこれを利用した洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像を表示する液晶表示装置は、多様な薄膜が蒸着された2枚の基板と、該2枚の基板の間に介在された液晶層とからなる。一般的に、各基板に形成された薄膜は、多様な形状のパターンを有し、パターンの精密度のために蒸着工程及びフォトリソグラフィ工程を通じて形成される。このように、1つの薄膜を形成するためには、高価なマスクが使われるフォトリソグラフィ工程が利用されるので、製造原価が上昇し、製造工程時間が増加する。
【0003】
最近、このような薄膜形成方法として、インクジェットプリンティング方式が採用されている。インクジェットプリンティング方式は、基板の特定位置に薬液を塗布して薄膜を形成するので別途エッチング工程を要しない。このようなインクジェットプリンティング方式は、液晶表示装置のカラーフィルタまたは配向膜などを形成するのに使われる。一般的に、インクジェットプリント装置は、基板上に薬液を塗布するヘッドと、該ヘッドを洗浄する第1及び第2洗浄ユニットとを具備する。ヘッドは、薬液を吐出する複数のノズルを具備し、基板の特定位置に薬液を塗布する。一般的に、インクジェットプリント装置に使われる薬液は、粘性及び揮発性が高く、凝固され易い。特に、薬液塗布の後、ノズルの吐出口の周辺には薬液が残留する可能性があり、このような残留薬液は、吐出口の周辺に凝固されてノズルの吐出口を塞ぐ、または、以後の薬液塗布の時、基板に塗布されて不均一な膜を形成する原因となる。
【0004】
これを防止するため、第1及び第2洗浄ユニットは、複数のノズルを洗浄して製品の収率を向上させる。第1洗浄ユニットは、ヘッドの薬液吐出面に残存する薬液を掻き取って1次除去し、第2洗浄ユニットは、薬液吐出面を物理的に拭き取る薬液吐出面上の薬液を除去する。具体的には、第1洗浄ユニットは、ブレードを具備し、ブレードが薬液吐出面上の薬液を掻き取る。第2洗浄ユニットは、ワイパを具備し、ワイパは、薬液吐出面と接触して薬液を拭き取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−248102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に、上記ブレードは、薬液を掻き取る工程でノズルとの衝突する際にノズルの破損を防止するために軟質材料からなる。このような軟質材料は、表面摩擦係数が高くて、表面を平坦に加工し難い。また、第1洗浄ユニットによる1次洗浄の後にも薬液吐出面に多い薬液がついているので、2次洗浄の際、ワイパの使用量が増加する。更に、ブレードの上端部についている薬液がブレードの下端部に流れ難く、加工単価が上昇し、交換が難しい。
【0007】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、処理液を吐出するノズルの洗浄効率を向上させる洗浄ユニットを提供することを目的とする。また、本発明の目的は、上述の洗浄ユニットを具備する薬液塗布装置を提供することにある。更に、本発明の目的は、上述の洗浄ユニットを利用して薬液塗布装置のノズルを洗浄する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を実現するための第1の態様として、洗浄ユニットは、ブレードと固定部材とを具備する。ブレードは、シーツ形状を有し、処理液を吐出するヘッドの処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する。固定部材は、ブレードと結合して該ブレードの位置を固定させる。具体的には、固定部材は、第1及び第2固定部を含む。第1固定部は、ブレードの一面と向き合うように配置される。第2固定部は、ブレードを挟んで第1固定部と向き合うように設置され、第1固定部と結合してブレードを第1固定部に固定させる。一方、ブレードは、圧縮紙材質からなるベースシーツを含む。また、ブレードは、コーティング層をさらに含む。コーティング層は、ベースシーツの外面にコーティングされ、合成樹脂材質からなる。
【0009】
また、本発明の目的を実現するための第2に態様として、処理液塗布装置は、基板支持部材、少なくとも1つのヘッド、及び第1及び第2洗浄ユニットを具備する。基板支持部材には、対象物が載置される。ヘッドは、基板支持部材に載置された対象物に処理液を塗布する。第1洗浄ユニットは、ヘッドの処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する。第2洗浄ユニットは、処理液吐出面に残存する処理液を拭き取る。具体的には、第1洗浄ユニットは、ブレードを含む。ブレードは、シーツ形状を有し、処理液吐出面に残存する処理液を掻き取る。第1洗浄ユニットは、固定部材をさらに含む。固定部材は、ブレードと結合して該ブレードの位置を固定させる。
【0010】
また、本発明の目的を実現するための第3の態様として、薬液塗布装置の洗浄方法は、次の通りである。先ず、シーツ形状を有するブレードを固定部材により固定させる。次に、ブレードの上部に処理液を吐出するヘッドを配置する。次に、ブレードがヘッドの処理液吐出面に対して垂直に配置された状態で、処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、ブレードは、シーツ形状からなり、その形状変更が容易であるので、吐出面に残存する処理液との接触面積を最小化することができる。これによって、洗浄ユニットは、洗浄効率を向上させ、かつ、製造原価を節減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る薄膜形成装置を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示したインクジェットプリント部を示す斜視図である。
【図3】図2に示したインクジェットプリント部を示す平面図である。
【図4】図2に示した第1洗浄ユニットを示す部分分解斜視図である。
【図5】図4に示した第1洗浄ユニットを示す平面図である。
【図6】図5に示した固定部材及びブレードを示す部分分解斜視図である。
【図7】図6に示したブレードを示す平面図である。
【図8】図7の切断線I−I´に沿って切断した断面図である。
【図9】処理液の除去の際の、図6に示したブレードと第1ヘッドとの位置関係を示す側面図である。
【図10】図6に示したブレードの他の一例を示す図である。
【図11】処理液の除去の際の、図10に示したブレードと第1ヘッドとの位置関係を示す側面図である。
【図12】図6に示した第1固定部の他の一例を示す図である。
【図13】図2に示した第1洗浄ユニットが第1及び第2ヘッドアセンブリを洗浄する工程を示すフローチャートである。
【図14】処理液の除去の際の、図6に示したブレードと第1ヘッドとの配置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図を参照して、本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。以下では、処理液塗布装置として、液晶表示装置のカラーフィルタを形成するためのインクジェットプリント装置を一例として説明する。処理液塗布装置は、カラーフィルタ以外にも多様な薄膜を形成することができ、液晶表示装置以外の多様な装置の薄膜形成や、または、特定パターンの形成など、多様に使用可能である。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る薄膜形成装置を概略的に示す斜視図である。図1を参照すると、薄膜形成装置1000は、インクジェットプリント部100と、処理液供給部200と、ローダ部300と、アンローダ部400と、インデクサ部500と、ベーク部600と、メイン制御部700とを含む。
【0015】
インクジェットプリント部100は、基板上に処理液、例えば、RGBインクを塗布して基板上にカラーフィルタを形成する。この実施形態において、インクジェットプリント部100は、RGBインクを塗布してカラーフィルタを形成する。ただし、インクジェットプリント部100は、RGBインク以外に多様な種類の処理液を塗布することができ、これによって、処理液に対応する薄膜、例えば、配向膜など多様な薄膜を基板上に形成することができる。
【0016】
インクジェットプリント部100の一方の側に設置されたメイン制御部700は、インクジェットプリント部100の各処理工程を制御し、インクジェットプリント部100は、メイン制御部700の制御によって塗布工程を進行する。また、インクジェットプリント部100の一方の側には、処理液供給部200が設置される。処理液供給部200は、インクジェットプリント部100で基板に塗布する処理液を貯蔵し、処理液をインクジェットプリント部100に供給する。この実施形態において、処理液供給部200は、RGBインクが互いに混色されないように個別に貯蔵する。
【0017】
インクジェットプリント部100の他方の側には、外部から処理待機中の基板が搬送されて積載されるローダ部300と、薄膜形成装置1000で処理工程が完了した基板を積載するアンローダ部400とが並んで設置される。ローダ部300及びアンローダ部400は、インデクサ部500の一方の側に設置され、ローダ部300及びアンローダ部400は、インデクサ部500を挟んでインクジェットプリント部100と向き合う。インデクサ部500は、インクジェットプリント部100と、ローダ部300と、アンローダ部400と、ベーク部600とに連通され、インクジェットプリント部100、ローダ部300、アンローダ部400、及びベーク部600の間に基板を搬送する。
【0018】
具体的には、インデクサ部500は、基板を搬送する搬送ロボット(図示しない)を具備し、搬送ロボットは、ローダ部300から基板を取り出してインクジェットプリント部100に搬送する。インクジェットプリント部100にて基板のRGBインク塗布が完了した後、移送ロボットは、インクジェットプリント部100からカラーフィルタが形成された基板を取り出してベーク部600に搬送する。ベーク部600は、受け取った基板を加熱して基板に形成された薄膜、すなわち、カラーフィルタを硬化させ、これによって、薄膜形成装置1000による薄膜形成工程が完了する。搬送ロボットは、ベーク部600から処理が完了した基板を取り出した後、アンローダ部400に搬送する。アンローダ部400に積載した基板は、搬送装置によって外部に搬出される。
【0019】
以下、図面を参照して、インクジェットプリント部100について具体的に説明する。図2は、図1に示したインクジェットプリント部を示す斜視図であり、図3は、図2に示したインクジェットプリント部を示す平面図である。図2及び図3を参照すると、インクジェットプリント部100は、ステージ110と、基板支持部120と、ガントリ(Gantry)130と、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bと、第1及び第2ヘッド移動部151、152と、第1洗浄ユニット160と、第2洗浄ユニット170とを含む。
【0020】
ステージ110上には、処理液塗布のための設備、すなわち、基板支持部120、ガントリ(Gantry)130、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140b、第1及び第2ヘッド移動部151、152、第1洗浄ユニット160、及び第2洗浄ユニット170が設置される。ステージ110には、該ステージ110の一辺に沿って延長された中央レール111が設置され、該中央レール111には、基板支持部120が結合される。基板支持部120は、処理液が塗布される基板を支持し、中央レール111に沿って移動可能である。また、基板支持部120は、基板が載置される支持台を回転可能に設置し、処理液塗布工程において、基板を支持台に固定させる。
【0021】
一方、ステージ110は、中央レール111を挟んで互いに向き合うように設置される第1及び第2ガイドレール112a、112bを具備する。第1及び第2ガイドレール112a、112bの各々は、中央レール111と同一の第1方向D1に延長されて設置され、第1方向D1に延長されたステージ110の一辺と略同一の長さを有する。第1及び第2ガイドレール112a、112bには、ガントリ130が結合される。ガントリ130は、両端部が第1及び第2ガイドレール112a、112bに各々結合され、第1及び第2ガイドレール112a、112bに沿って水平移動可能である。ガントリ130には、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bが固定設置される。ガントリ130が水平移動すると、ガントリ130に設置された第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bが共に移動し、これによって、第1方向D1に第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの位置が変更する。
第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、処理液供給部200から処理液が供給され、基板支持台120に固定された基板に対して処理液を吐出する。この実施形態において、インクジェットプリント部100は、2つのヘッドアセンブリ140a、140bを具備するが、ヘッドアセンブリ140a、140bの個数は、工程効率及びヘッドアセンブリ140a、140bの大きさによって増加してもよいし、または、減少してもよい。第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、第1方向D1に並列に配置され、互いに離隔されて位置する。この実施形態において、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、互いに同一の構成を有する。よって、以下、第1ヘッドアセンブリ140aの構成に対して具体的に説明し、第2ヘッドアセンブリ140bに対する具体的な説明は省略する。
【0022】
第1ヘッドアセンブリ140aは、第1方向D1と水平方向とに直交する第2方向D2に並んで配置された第1、第2、及び第3ヘッド141a、142a、143aを具備し、第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aの各々は、処理液を吐出する多数のノズルを具備する。この実施形態において、第1ヘッドアセンブリ140aは、3つのヘッド141a、142a、143aを具備するが、ヘッド141a、142a、143aの個数は、工程効率及び処理液の種類によって増加してもよいし、または、減少してもよい。第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aは、互いに異なる色を有するインクを吐出して基板上にカラーフィルタを形成する。具体的には、第1ヘッド141aは、赤色を有するRインクを吐出し、第2ヘッド142aは、緑色を有するGインクを吐出し、更に、第3ヘッド143aは、青色を有するBインクを吐出する。ここで、第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aのインク配列は、カラーフィルタの色画素配列によって変更してもよい。各ヘッド141a、142a、143aは、各ヘッド141a、142a、143aの中心軸を基準として回転可能である。理液塗布工程において、第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aは、同時にインクを吐出することもでき、一度にいずれか1つのヘッドでのみインクを吐出することもできる。また、第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aは、それぞれ交互にインクを吐出することもできる。また、処理液塗布工程において、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、同時に駆動されて第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bからインクを同時に吐出することもでき、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、それぞれ交互にインクを吐出することもできる。また、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bのうちのいずれか1つのヘッドアセンブリを先ず駆動させてインクを塗布した後、該当のヘッドアセンブリに供給されたインクが全部消尽されれば、残りのヘッドアセンブリを駆動させてインクを塗布することもできる。
【0023】
一方、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、第1ヘッド移動部151に固定設置され、第1ヘッド移動部151には、第2方向D2に延長された第1移動レールが具備される。第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、互いに異なる第1移動レールに結合され、結合された第1移動レールに沿って第2方向D2に往復移動が可能である。ここで、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの各ヘッドは、結合された第1移動レールに沿って個別に移動が可能である。第1ヘッド移動部151は、第2ヘッド移動部152に固定設置され、第2ヘッド移動部152には、第2移動レール(図示しない)が設置される。第2移動レールは、第1及び第2方向D1、D2と垂直となる方向、すなわち、ステージ110の上面に対して垂直となる第3方向D3に延長される。第1ヘッド移動部151は、第2移動レールに結合され、第2移動レールに沿って上下方向D2に往復移動が可能である。第2ヘッド移動部152は、ガントリ130に固定設置される。ガントリ130には、第2方向D2に延長された第3移動レールが設置される。第2ヘッド移動部152は、第3移動レールに結合され、第3移動レールに沿って第2方向D2に往復移動が可能である。
【0024】
このように、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、14bは、ガントリ130と第1及び第2ヘッド移動部151、152によって第1乃至第3方向D1、D2、D3への移動が可能である。すなわち、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、ガントリ130の水平移動によって第1方向D1に移動可能であり、第2ヘッド移動部152の移動によって第2方向D2に移動可能であり、更に、第1ヘッド移動部151の移動によって第3方向D3に移動可能である。また、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの各ヘッドは、対応する第1移動レールに沿って第2方向D2に移動可能である。処理液塗布工程において、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、第1及び第2ヘッド移動部151、152及びガントリ130により移動しながら基板にインクを塗布することができる。また、基板支持台120は、中央レール111に沿って第1方向D1に移動し、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、第2及び第3方向D2、D3のみに移動してインクを塗布することもできる。
【0025】
一方、ステージ110の中央レール111と第2ガイドレール112bとの間に備えられた維持補修領域には、第1及び第2洗浄ユニット160、170が設置される。
第1洗浄ユニット160は、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bに残存するインクを掻き取って除去する。第1洗浄ユニット160の構成については、後述の図4乃至図12で具体的に説明する。
【0026】
第1洗浄ユニット160の一方の側には、第2洗浄ユニット170が設置される。ガントリ130がホーム位置に位置する時、第2洗浄ユニット170は、第1洗浄ユニット160を挟んでガントリ130と向き合う。第2洗浄ユニット170は、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの各ノズルについたインクを拭き取ることで、製品の収率を向上させる。ここで、第2洗浄ユニット170は、第1洗浄ユニット160によって1次洗浄されたノズルを2次洗浄することもでき、または、第1洗浄ユニット160によって洗浄されないノズルを洗浄することもできる。
【0027】
第2洗浄ユニット170は、供給ローラと、回収ローラと、ワイパ(wiper)とを含む。具体的には、供給ローラと回収ローラとは、ワイパを通じて連結される。ワイパは、テープ形状を有し、第1端部が供給ローラに固定され、第2端部が回収ローラに固定される。第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの洗浄の際、ワイパは、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの各ヘッドからインクが吐出される吐出面に接触して各ヘッドに残留するインクを拭き取る。ワイパは、供給ローラに巻き込まれた状態で供給され、ノズルの洗浄によって汚染した部分は、回収ローラに巻き込まれる。すなわち、供給ローラは、汚染しないワイパを提供し、回収ローラは汚染したワイパを回収する。
【0028】
以下、図面を参照して第1洗浄ユニット160の構成に対して具体的に説明する。図4は、図2に示した第1洗浄ユニット160を示す部分分解斜視図であり、図5は、図4に示した第1洗浄ユニット160を示す平面図である。図4及び図5を参照すると、第1洗浄ユニット160は、メインフレーム161と、パージタンク162と、上部フレーム163と、複数のブレード164と、複数の固定部材168とを含む。
【0029】
具体的には、メインフレーム161は、四角形状を有し、上面が開口されており、側面が一部分開口されている。メインフレーム161の内部には、パージタンク162が設置され、該パージタンク162は、ブレード164により除去されたインクを回収する。メインフレーム161とパージタンク162の上部には、上部フレーム163が設置される。上部フレーム163は、メインフレーム161の上端部に結合され、メインフレーム161のように四角形状を有し、上面と下面とが開口されている。
【0030】
複数のブレード164は、上部フレーム163の内部に均等な間隔で離隔されて設置され、各ヘッドの吐出面に残存する処理液、例えば、インクを掻き取って除去する。この実施形態において、第1洗浄ユニット160は、6個のブレード164を具備するが、ブレード164の個数は、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140b(図2参照)に具備されたヘッドの個数によって増加する。複数のブレード164は、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bのヘッドと1対1で対応するように設置され、その配置も、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bのヘッド配置と同一である。すなわち、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bは、互いに向き合うように並列に配置され、各ヘッドアセンブリ140a、140bのヘッドは、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの配置方向と直交する方向に配置される。同様に、ブレードは、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの配置方向に3個ずつ2列に配置される。この実施形態において、同一の列に位置するブレード間の離隔距離は、第1乃至第3ヘッド141a、142a、143a間の離隔距離によって設定され、複数のブレード164は、1つのヘッドアセンブリに具備された第1乃至第3ヘッド141a、142a、143aを同時に洗浄することができる。複数のブレード164は、複数の固定部材168によって上部フレーム163に固定設置される。複数の固定部材168は、複数のブレード164と1対1で対応して設置され、対応するブレードと結合する。ブレード164及び固定部材168の各々の構成と、ブレード164と固定部材168との間の結合関係は、後述の図6乃至図12で説明する。
【0031】
第1洗浄ユニット160は、パージタンク162を洗浄する洗浄ノズル169をさらに含む。洗浄ノズル169は、パージタンク162の上端内側に並んで配置され、洗浄液供給ポート162aを通じて洗浄液が供給され、パージタンク162の内部を洗浄する。すなわち、洗浄ノズル169から噴射された洗浄液は、パージタンク162の内壁に沿って流れてパージタンク162の内壁に残存する異物、例えば、ブレード164からパージタンク162に流入されたインクが、外部に排出されるようにする。ここで、パージタンク162の下端部には、パージタンク162の内部に流入された異物を外部に排気する排気ポート162bを具備し、排気ポートに対して異物を吸入するための排気圧が提供される。
【0032】
以下、図面を参照して、ブレード164と前記固定部材168とについて具体的に説明する。図6は、図5に示した固定部材及びブレードを示す部分分解斜視図であり、図7は、図6に示したブレードを示す平面図であり、図8は図7の切断線I−I’に沿って切断した断面図である。図6乃至図8を参照すると、ブレード164は、シーツ形状を有し、対応するヘッドの吐出面に残存する処理液、例えば、インクを掻き取って除去する。この実施形態において、ブレード164は、四角形状を有するが、ブレード164の形状は、これに限定されず、多様な形状を有することができる。
【0033】
ブレード164は、ベースシーツ61と、該ベースシーツ61の表面にコーティングされてベースシーツ61を保護するコーティング層62とを含む。ベースシーツ61は、形状加工が容易であり、一定の形状を常に維持し、曲がることができる材質、例えば、圧縮紙材質からなる。このように、ブレード164は、安価の圧縮紙材質からなるので、原価を節減することができ、対応するヘッドの吐出面と衝突しても、対応するヘッドの損傷を最小化することができる。
【0034】
コーティング層62は、化学的に安定し、耐薬液性を有し、表面摩擦係数が圧縮紙より低い合成樹脂材質、例えば、ポリプロピレン(Polypropylene)、またはポリエチレン(Polyethylene)等からなる。これによって、ブレード164についたインクがブレード164に沿って下へ流れ易く、パージタンク162(図4参照)への流入が容易であるので、洗浄効率を向上させることができる。本発明の一例として、ブレード164は、約0.2乃至約1mmの厚さを有する。この実施形態において、ブレード164は、ベースシーツ61及びコーティング層62からなるが、ベースシーツ61のみでもよい。ブレード164がベースシーツ61のみからなる場合、ブレード164の厚さを、コーティング層62を具備する場合より減少させることができる。
【0035】
図9は、処理液除去の際の、図6に示したブレード164と第1ヘッドとの位置関係を示す側面図である。参照として、図9では、第1ヘッドアセンブリ140a(図2参照)の第1ヘッド141aと、これに対応するブレード164との間の位置関係のみを示すが、各ヘッドとこれに対応するブレードとの間の位置関係は、これと同一である。図9を参照すると、各ヘッドの吐出面に残存するインク除去の際、第1ヘッドアセンブリ140aの第1ヘッド141aは、ガントリ130(図2参照)の移動により対応するブレード164の上部に配置される。
【0036】
第1ヘッド141aの下面には、インクを吐出する複数のノズル41が設置され、ブレード164は、ノズル41の吐出面41aに対して垂直に配置される。吐出面41aのインク20除去の際、ブレード164の第1端部は、ブレード164による吐出面41aの損傷を防止するために、吐出面41aと離隔して位置し、吐出面41aに残存するインク20とは接する。すなわち、ブレード164は、吐出面41aとは接しない状態でインク20にのみ接触して吐出面41aのインク20を除去する。この実施形態において、ブレード164と吐出面41aとの間の離隔距離T1は、約0.3乃至約0.1mmである。
【0037】
また、この実施形態において、インク20と接触するブレード164の第1端部は、吐出面41aに対して垂直に配置される。ブレード164は、第1及び第2ガイド面64a、64b、及び除去面64cを含む。第1及び第2ガイド面64a、64bは、吐出面41aに対して垂直に配置され、互いに向き合う。除去面64cは、第1及び第2ガイド面64a、64bの間に位置し、第1及び第2ガイド面64a、64bに対して略垂直に形成され、平坦な面からなる。除去面64cは、ブレード164の第1端部に位置し、インク20の除去の際、吐出面41aのインク20と接触する。吐出面41aのインク20の除去の際、第1ヘッド141aは、インク20がブレード164の第1端部と接触した状態で水平移動し、表面張力によって吐出面41aのインク20がブレード164の第1端部に引っ張られて吐出面41aで除去される。この時、第1ヘッド141aの進行方向HDは、第1ガイド面64a側から第2ガイド面64b側に進行する方向である。ブレード164は、シーツ形状を有するので、インク20との接触面積を最小化することができる。これによって、ブレード164は、インク20の接触面積を最小化するために、除去面64cを傾斜面で加工する必要がなく、洗浄効率を向上することができる。
【0038】
図10は、図6に示したブレードの他の一例を示す図であり、図11は、処理液除去の際の、図10に示したブレードと第1ヘッドとの位置関係を示す側面図である。図10及び図11を参照すると、図10に示したブレード180は、ノズル41の洗浄の際、吐出面41aに残存するインク20と接触する第1端部182の形状を除いては、図6乃至図9に示したブレード164と同一の構成及び形状を有する。したがって、以下、ブレード180の具体的な説明において、図6に示したブレード164と重複する説明は省略する。
【0039】
ノズル41の洗浄の際、ブレード180は、吐出面41aに対して垂直に配置され、第1端部182がブレードの一面に向けて折られ、ブレード180の一面に対して傾くように設置される。この実施形態において、第1端部182及び第1端部182の折れ方向に第1端部182と接するブレード180の一面がなす角度CAは、90度より大きく、180度より小さい。吐出面41aのインク20の除去の際、第1ヘッド141aは、インク20がブレード180の第1端部182と接触した状態で水平移動し、表面張力によって吐出面41aのインク20が、ブレード180の第1端部182に引っ張られて吐出面41aから除去される。この時、ブレード180は、第1端部182の折れ方向が第1ヘッド141aの進行方向HDと反対方向になるように配置される。これによって、ノズル41の洗浄の際、第1端部182についたインク20が重力によってブレード180から分離してパージタンク162(図4参照)内に落下する。よって、ブレード180は、洗浄効率を向上させることができる。
【0040】
再び、図5及び図6を参照すると、ブレード164は、固定部材168に結合され、その位置が固定される。固定部材168は、上部フレーム163に固定設置され、第1及び第2固定部165、166を含む。第1固定部165は、プレート形状を有し、ブレード164と向き合うように配置され、上部フレーム163に固定設置される。この実施形態において、第1固定部165は、上部フレーム163に一体で設置されてもよく、分離可能に設置されてもよい。第2固定部166は、第1固定部165と向き合うように配置され、ブレード164を挟んで第1固定部165と結合して、ブレード164を第1固定部165に固定させる。固定部材168とブレード164と結合の際、ブレード164は、第1端部が第1及び第2固定部165、166の上端部より上に突き出されるように配置される。第2固定部166は、横方向に互いに向き合う両端部に、ガイドバー166aをさらに具備することができる。ガイドバー166aは、第2固定部166から突き出し、第1固定部165及びブレード164との結合位置をガイドする。この実施形態において、第2固定部166は、2つのガイドバー165aを具備するが、ガイドバー165aの個数は、固定部材168の大きさ及び結合効率によって増加してもよく、または減少してもよい。
【0041】
ブレード164には、ガイドバー166aが挿入される複数の貫通ホール164aが形成される。複数の貫通ホール164aは、垂直方向に互いに離隔されて配置され、ブレード164の第1端部と隣接した両端部に各々形成される。この実施形態において、ブレード164は、両端部に各々3つの貫通ホール164aが形成されるが、貫通ホール164aの個数は、固定部材168の大きさ及び結合効率によって増加してもよく、または減少してもよい。
【0042】
ガイドバー166aは、ブレード164の垂直に配列された貫通ホールのうちのいずれか1つの貫通ホールに挿入され、ガイドバー166aが挿入される貫通ホールの位置に、第1及び第2固定部165、166に対するブレード164の相対的な垂直位置が変更可能である。一方、第1固定部165には、ガイドバー166aが挿入される結合ホール165aが形成され、該結合ホール165aは、ガイドバー166aと1対1で対応するように形成される。ガイドバー166aは、複数の貫通ホール164aのうちのいずれか1つ、かつ、対応する結合ホール165aを順に貫通して、該当の貫通ホールと結合ホール165aとに挿入される。
【0043】
固定部材168は、ブレード164を第1固定部165に密着固定させる複数の結合部材167をさらに含む。この実施形態において、固定部材168は、2つの結合部材167を具備するが、結合部材167の個数は、結合効率によって増加してもよく、または減少してもよい。結合部材167は、第2固定部166に挿入されてブレード164の一面と接し、第2固定部166は、結合部材167と1対1で対応するように形成され、結合部材167が挿入される挿入ホール166bが形成される。
【0044】
具体的には、結合部材167は、支持ヘッド167aと、結合柱167bと、磁性部167cとを含む。支持ヘッド167aは、挿入ホール166aより大きいサイズを有し、結合柱167aは、支持ヘッド167aから延長されて挿入ホール166bに挿入される。磁性部167cは、結合柱167bの内部に挿入され、磁性を有し、一面がブレード164の一面と接する。磁性部167cは、第1固定部165との間に形成された磁力を利用してブレード164を第1固定部165に密着固定させる。この実施形態において、第1固定部165は、結合部材167との間に磁力を形成するために磁性に反応する材質、例えば、ステンレス材質からなる。このように、固定部材168は、結合部材167の磁性によって第1及び第2固定部165、166が互いに結合されるので、組み立てが容易である。結合柱167aの外面には、ねじ山が形成され、第2固定部166の挿入ホール166bを定義する面には、結合柱167aのねじ山に対応するねじ山が形成される。これによって、結合柱167aのねじ山と挿入ホール166bのねじ山とが互いにかみ合って結合する。
【0045】
図12は、図6に示した第1固定部の他の一例を示す図である。図6及び図12を参照すると、第1固定部190は、第2固定部166と結合する固定胴体191と、固定胴体191の一面に形成された金属層192とを含む。金属層192は、ブレード164と向き合い、磁性に反応する金属材質、例えば、ステンレス材質からなる。これによって、結合部材167の磁性部167cと金属層192との間に磁力が形成される。この実施形態において、金属層192は、固定胴体191の一面に形成されて外部に露出するが、固定胴体191に内蔵することもできる。
【0046】
以下、図面を参照して、第1洗浄ユニット160が第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bの吐出面を洗浄する工程について具体的に説明する。図13は、図2に示した第1洗浄ユニットが第1及び第2ヘッドアセンブリを洗浄する工程を示すフローチャートであり、図14は、処理液除去の際の、図6に示したブレードと第1ヘッドとの配置関係を示す図である。
【0047】
図2、図5、図13及び図14を参照すると、先ず、固定部材168がブレード164を上部フレーム163内に固定設置する(ステップS110)。次に、第1洗浄ユニット160の上部に、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bを配置させる(ステップS120)。次に、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bが水平移動し、これと共に、ブレード164が対応するヘッドの吐出面に残存する薬液を掻き取って除去する(ステップS130)。この時、ブレード164は、図14に示すように、対応するヘッドの長さ方向に延長された任意の線に対して0度より大きく、90度より小さい角度に配置される。第1洗浄ユニット160による1次洗浄が完了した後、第2洗浄ユニット160にて第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bを洗浄する(ステップS140)。この実施形態において、第1洗浄ユニット160による洗浄は、1枚の基板にインク塗布が完了した後に行うこともでき、工程待機時間が長い場合に、各ノズルの内部に凝固されたインクを除去するために行うこともできる。一方、ブレード164は、第1及び第2ヘッドアセンブリ140a、140bに対する洗浄が予め設定された回数だけ繰り返されれば、吐出面の洗浄によって汚染した部分を除去した後に再利用する(ステップS150)。すなわち、ブレード164は、その形状変更が容易であり、汚染した部分の切断が容易であるので、このように汚染した部分を切断した後に再使用が可能である。汚染した部分を切断すれば、ブレード164の高さが低くなるので、ガイド部166aが挿入される貫通ホールを変更する。
【0048】
以上、実施形態を参照して説明したが、当該技術分野に精通した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更させることができる。
【符号の説明】
【0049】
100 インクジェットプリント部
160 第1洗浄ユニット
164 ブレード
165 第1固定部
166 第2固定部
168 固定部材
170 第2洗浄ユニット
1000 薄膜形成装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーツ形状を有し、処理液を吐出するヘッドの処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去するブレードと、
前記ブレードと結合して前記ブレードの位置を固定させる固定部材と、
を含むことを特徴とする洗浄ユニット。
【請求項2】
前記固定部材は、前記ブレードの一面と向き合うように配置された第1固定部と、前記ブレードを挟んで前記第1固定部と向き合うように設置され、前記第1固定部と結合して前記ブレードを前記第1固定部に固定させる第2固定部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の洗浄ユニット。
【請求項3】
前記固定部材は、前記第2固定部に挿入されて前記ブレードの一面と接し、前記ブレードを前記第1固定部に密着固定させる少なくとも1つの結合部材をさらに含み、
前記第2固定部は、前記結合部材と対応して形成され、前記結合部材が挿入される挿入ホールが形成されることを特徴とする請求項2に記載の洗浄ユニット。
【請求項4】
前記結合部材は、前記挿入ホールより大きいサイズを有する支持ヘッドと、該支持ヘッドから延長されて前記挿入ホールに挿入される結合柱を有する胴体と、前記結合柱の内部に挿入され、磁性を有し、一面が前記ブレードの一面と接し、前記第1固定部との間に形成された磁力を利用して前記ブレードを前記第1固定部に密着固定させる磁性部とを含むことを特徴とする請求項3に記載の洗浄ユニット。
【請求項5】
前記第1固定部は、前記磁性に反応する材質からなることを特徴とする請求項4に記載の洗浄ユニット。
【請求項6】
前記第1固定部は、前記第2固定部と結合する固定胴体と、該固定胴体に結合され、前記ブレードと向き合い、前記磁性に反応する金属材質からなる金属層とを含むことを特徴とする請求項4に記載の洗浄ユニット。
【請求項7】
前記結合柱は、ねじ山が形成された外面を有し、
前記挿入ホールを定義する面には、前記結合柱のねじ山に対応するねじ山が形成されることを特徴とする請求項4に記載の洗浄ユニット。
【請求項8】
前記ブレードは、少なくとも1つの貫通ホールを提供し、
前記第1固定部と前記第2固定部のうちの少なくともいずれか1つは、結合ホールを提供し、かつ、
前記第1固定部と前記第2固定部のうちの残りの1つは、一面から突き出し、前記貫通ホールと前記結合ホールとを順に貫通し、前記貫通ホールと前記結合ホールに挿入された少なくとも1つのガイド部を含むことを特徴とする請求項3に記載の洗浄ユニット。
【請求項9】
前記ブレードは、前記貫通ホールを複数提供し、
前記複数の貫通ホールは、垂直方向に互いに離隔されて配置されることを特徴とする請求項8に記載の洗浄ユニット。
【請求項10】
前記第1固定部が固定設置された上部フレームと、
前記上部フレームの垂直方向の下に設置され、前記ブレードによって除去された処理液を回収するパージタンクと、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の洗浄ユニット。
【請求項11】
前記ブレードは、前記ヘッドの長さ方向に延長された任意の線に対して0度より大きく、90度より小さい角度で傾くように配置されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄ユニット。
【請求項12】
前記ブレードは、前記ヘッドの処理液吐出面に対して垂直に配置され、互いに向き合う第1及び第2ガイド面と、該第1及び第2ガイド面との間で前記第1及び第2ガイド面に対して略垂直で、平坦な面からなり、前記処理液吐出面の処理液除去の際、前記処理液と接触する除去面を含むことを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項に記載の洗浄ユニット。
【請求項13】
前記ブレードは、前記処理液吐出面に残存する処理液を掻き取る一端部が前記ブレードの一面に向けて折られて、前記ブレードの一面に対して傾くように設置されることを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項に記載の洗浄ユニット。
【請求項14】
前記ブレードは、圧縮紙材質からなるベースシーツを含むことを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項に記載の洗浄ユニット。
【請求項15】
前記ブレードは、前記ベースシーツの外面にコーティングされ、合成樹脂材質からなるコーティング層をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の洗浄ユニット。
【請求項16】
前記合成樹脂材質は、ポリプロピレン、またはポリエチレンであることを特徴とする請求項15に記載の洗浄ユニット。
【請求項17】
対象物が載置される基板支持部材と、
前記基板支持部材に載置された対象物に処理液を塗布する少なくとも1つのヘッドと、
前記ヘッドの処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する第1洗浄ユニットと、
前記処理液吐出面に残存する処理液を拭き取る第2洗浄ユニットと、を含み、
前記第1洗浄ユニットは、シーツ形状を有し、前記処理液吐出面に残存する処理液を掻き取るブレードを含むことを特徴とする処理液塗布装置。
【請求項18】
前記第1洗浄ユニットは、前記ブレードと結合して前記ブレードの位置を固定させる固定部材をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の処理液塗布装置。
【請求項19】
前記固定部材は、前記ブレードの一面と向き合うように配置された第1固定部と、前記ブレードを挟んで前記第1固定部と向き合うように設置され、前記第1固定部と結合して前記ブレードを前記第1固定部に固定させる第2固定部とを含むことを特徴とする請求項18に記載の処理液塗布装置。
【請求項20】
前記固定部材は、前記第2固定部に挿入されて前記ブレードの一面と接し、磁性を有し、前記第1固定部との間に形成された磁力を利用して前記ブレードを前記第1固定部に密着固定させる少なくとも1つの結合部材をさらに含み、
前記第1固定部は、前記磁性に反応する物質を含み、
前記第2固定部は、前記結合部材と対応するように形成され、前記結合部材が挿入される挿入ホールが形成されることを特徴とする請求項19に記載の処理液塗布装置。
【請求項21】
前記ブレードは、圧縮紙材質からなるベースシーツを含むことを特徴とする請求項17から20までのいずれか1項に記載の処理液塗布装置。
【請求項22】
前記ブレードは、前記ベースシーツの外面にコーティングされ、合成樹脂材質からなるコーティング層をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の処理液塗布装置。
【請求項23】
シーツ形状を有するブレードを固定部材により固定させる工程と、
前記ブレードの上部に処理液を吐出するヘッドを配置する工程と、
前記ブレードが前記ヘッドの処理液吐出面に対して垂直に配置された状態で、前記処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する工程と、
を含むことを特徴とする処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項24】
前記ブレードを固定する工程は、位置固定された前記固定部材の第1固定部に前記ブレードを配置させた状態で、前記固定部材の第2固定部が前記ブレードを挟んで前記第1固定部と脱着可能に結合し、前記ブレードを前記第1固定部に固定させることを特徴とする請求項23に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項25】
前記ブレードには、貫通ホールが形成され、
前記第1固定部と第2固定部とのうちの少なくともいずれか1つには、結合ホールが形成され、かつ、
前記第1固定部と第2固定部のうちの残りの1つには、一面から突き出した少なくとも1つのガイド部が形成され、
前記ガイド部は、前記貫通ホールと前記結合ホールとを順に貫通して前記貫通ホールと前記結合ホールに挿入され、前記ブレードと前記第1及び第2固定部間の結合位置を調節することを特徴とする請求項24に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項26】
前記ブレードには、前記貫通ホールが複数形成され、
前記複数の貫通ホールは、垂直方向に互いに離隔されて配置され、
前記ブレードは、前記処理液吐出面を洗浄した汚染した部分を切断した後、除去して再利用が可能であり、
前記汚染した部分を切断した後、前記ブレードの再利用の際、前記ガイド部が挿入される貫通ホールを変更して、前記処理液吐出面と前記ブレードと間の適正離隔距離を維持させることを特徴とする請求項25に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項27】
前記ブレードは、前記処理液吐出面に残存する処理液を掻き取る第1端部が前記処理液吐出面に対して垂直に配置されることを特徴とする請求項23から26までのいずれか1項に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項28】
前記ブレードは、前記処理液吐出面に残存する処理液を掻き取る第1端部が前記ブレードの一面に向けて折られて、前記ブレードの一面に対して傾くように設置されることを特徴とする請求項23から26までのいずれか1項に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項29】
前記処理液除去の際、前記ヘッドは、前記ブレードの上部で水平移動し、
前記第1端部の折れ方向は、前記処理液除去の際、前記ヘッドの移動進行方向と反対方向であることを特徴とする請求項28に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項1】
シーツ形状を有し、処理液を吐出するヘッドの処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去するブレードと、
前記ブレードと結合して前記ブレードの位置を固定させる固定部材と、
を含むことを特徴とする洗浄ユニット。
【請求項2】
前記固定部材は、前記ブレードの一面と向き合うように配置された第1固定部と、前記ブレードを挟んで前記第1固定部と向き合うように設置され、前記第1固定部と結合して前記ブレードを前記第1固定部に固定させる第2固定部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の洗浄ユニット。
【請求項3】
前記固定部材は、前記第2固定部に挿入されて前記ブレードの一面と接し、前記ブレードを前記第1固定部に密着固定させる少なくとも1つの結合部材をさらに含み、
前記第2固定部は、前記結合部材と対応して形成され、前記結合部材が挿入される挿入ホールが形成されることを特徴とする請求項2に記載の洗浄ユニット。
【請求項4】
前記結合部材は、前記挿入ホールより大きいサイズを有する支持ヘッドと、該支持ヘッドから延長されて前記挿入ホールに挿入される結合柱を有する胴体と、前記結合柱の内部に挿入され、磁性を有し、一面が前記ブレードの一面と接し、前記第1固定部との間に形成された磁力を利用して前記ブレードを前記第1固定部に密着固定させる磁性部とを含むことを特徴とする請求項3に記載の洗浄ユニット。
【請求項5】
前記第1固定部は、前記磁性に反応する材質からなることを特徴とする請求項4に記載の洗浄ユニット。
【請求項6】
前記第1固定部は、前記第2固定部と結合する固定胴体と、該固定胴体に結合され、前記ブレードと向き合い、前記磁性に反応する金属材質からなる金属層とを含むことを特徴とする請求項4に記載の洗浄ユニット。
【請求項7】
前記結合柱は、ねじ山が形成された外面を有し、
前記挿入ホールを定義する面には、前記結合柱のねじ山に対応するねじ山が形成されることを特徴とする請求項4に記載の洗浄ユニット。
【請求項8】
前記ブレードは、少なくとも1つの貫通ホールを提供し、
前記第1固定部と前記第2固定部のうちの少なくともいずれか1つは、結合ホールを提供し、かつ、
前記第1固定部と前記第2固定部のうちの残りの1つは、一面から突き出し、前記貫通ホールと前記結合ホールとを順に貫通し、前記貫通ホールと前記結合ホールに挿入された少なくとも1つのガイド部を含むことを特徴とする請求項3に記載の洗浄ユニット。
【請求項9】
前記ブレードは、前記貫通ホールを複数提供し、
前記複数の貫通ホールは、垂直方向に互いに離隔されて配置されることを特徴とする請求項8に記載の洗浄ユニット。
【請求項10】
前記第1固定部が固定設置された上部フレームと、
前記上部フレームの垂直方向の下に設置され、前記ブレードによって除去された処理液を回収するパージタンクと、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の洗浄ユニット。
【請求項11】
前記ブレードは、前記ヘッドの長さ方向に延長された任意の線に対して0度より大きく、90度より小さい角度で傾くように配置されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄ユニット。
【請求項12】
前記ブレードは、前記ヘッドの処理液吐出面に対して垂直に配置され、互いに向き合う第1及び第2ガイド面と、該第1及び第2ガイド面との間で前記第1及び第2ガイド面に対して略垂直で、平坦な面からなり、前記処理液吐出面の処理液除去の際、前記処理液と接触する除去面を含むことを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項に記載の洗浄ユニット。
【請求項13】
前記ブレードは、前記処理液吐出面に残存する処理液を掻き取る一端部が前記ブレードの一面に向けて折られて、前記ブレードの一面に対して傾くように設置されることを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項に記載の洗浄ユニット。
【請求項14】
前記ブレードは、圧縮紙材質からなるベースシーツを含むことを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項に記載の洗浄ユニット。
【請求項15】
前記ブレードは、前記ベースシーツの外面にコーティングされ、合成樹脂材質からなるコーティング層をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の洗浄ユニット。
【請求項16】
前記合成樹脂材質は、ポリプロピレン、またはポリエチレンであることを特徴とする請求項15に記載の洗浄ユニット。
【請求項17】
対象物が載置される基板支持部材と、
前記基板支持部材に載置された対象物に処理液を塗布する少なくとも1つのヘッドと、
前記ヘッドの処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する第1洗浄ユニットと、
前記処理液吐出面に残存する処理液を拭き取る第2洗浄ユニットと、を含み、
前記第1洗浄ユニットは、シーツ形状を有し、前記処理液吐出面に残存する処理液を掻き取るブレードを含むことを特徴とする処理液塗布装置。
【請求項18】
前記第1洗浄ユニットは、前記ブレードと結合して前記ブレードの位置を固定させる固定部材をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の処理液塗布装置。
【請求項19】
前記固定部材は、前記ブレードの一面と向き合うように配置された第1固定部と、前記ブレードを挟んで前記第1固定部と向き合うように設置され、前記第1固定部と結合して前記ブレードを前記第1固定部に固定させる第2固定部とを含むことを特徴とする請求項18に記載の処理液塗布装置。
【請求項20】
前記固定部材は、前記第2固定部に挿入されて前記ブレードの一面と接し、磁性を有し、前記第1固定部との間に形成された磁力を利用して前記ブレードを前記第1固定部に密着固定させる少なくとも1つの結合部材をさらに含み、
前記第1固定部は、前記磁性に反応する物質を含み、
前記第2固定部は、前記結合部材と対応するように形成され、前記結合部材が挿入される挿入ホールが形成されることを特徴とする請求項19に記載の処理液塗布装置。
【請求項21】
前記ブレードは、圧縮紙材質からなるベースシーツを含むことを特徴とする請求項17から20までのいずれか1項に記載の処理液塗布装置。
【請求項22】
前記ブレードは、前記ベースシーツの外面にコーティングされ、合成樹脂材質からなるコーティング層をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の処理液塗布装置。
【請求項23】
シーツ形状を有するブレードを固定部材により固定させる工程と、
前記ブレードの上部に処理液を吐出するヘッドを配置する工程と、
前記ブレードが前記ヘッドの処理液吐出面に対して垂直に配置された状態で、前記処理液吐出面に残存する処理液を掻き取って除去する工程と、
を含むことを特徴とする処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項24】
前記ブレードを固定する工程は、位置固定された前記固定部材の第1固定部に前記ブレードを配置させた状態で、前記固定部材の第2固定部が前記ブレードを挟んで前記第1固定部と脱着可能に結合し、前記ブレードを前記第1固定部に固定させることを特徴とする請求項23に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項25】
前記ブレードには、貫通ホールが形成され、
前記第1固定部と第2固定部とのうちの少なくともいずれか1つには、結合ホールが形成され、かつ、
前記第1固定部と第2固定部のうちの残りの1つには、一面から突き出した少なくとも1つのガイド部が形成され、
前記ガイド部は、前記貫通ホールと前記結合ホールとを順に貫通して前記貫通ホールと前記結合ホールに挿入され、前記ブレードと前記第1及び第2固定部間の結合位置を調節することを特徴とする請求項24に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項26】
前記ブレードには、前記貫通ホールが複数形成され、
前記複数の貫通ホールは、垂直方向に互いに離隔されて配置され、
前記ブレードは、前記処理液吐出面を洗浄した汚染した部分を切断した後、除去して再利用が可能であり、
前記汚染した部分を切断した後、前記ブレードの再利用の際、前記ガイド部が挿入される貫通ホールを変更して、前記処理液吐出面と前記ブレードと間の適正離隔距離を維持させることを特徴とする請求項25に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項27】
前記ブレードは、前記処理液吐出面に残存する処理液を掻き取る第1端部が前記処理液吐出面に対して垂直に配置されることを特徴とする請求項23から26までのいずれか1項に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項28】
前記ブレードは、前記処理液吐出面に残存する処理液を掻き取る第1端部が前記ブレードの一面に向けて折られて、前記ブレードの一面に対して傾くように設置されることを特徴とする請求項23から26までのいずれか1項に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【請求項29】
前記処理液除去の際、前記ヘッドは、前記ブレードの上部で水平移動し、
前記第1端部の折れ方向は、前記処理液除去の際、前記ヘッドの移動進行方向と反対方向であることを特徴とする請求項28に記載の処理液塗布装置の洗浄方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−20117(P2011−20117A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157696(P2010−157696)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(500376449)セメス株式会社 (61)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(500376449)セメス株式会社 (61)
【Fターム(参考)】
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