説明

洗米機

【課題】表示部に対して一定方向に開閉される蓋とを有する炊飯器を複数並べた場合であっても米を投入出来るようにする。
【解決手段】機枠5に、複数台の炊飯器2が載置される載置台3と、この載置台3に沿って移動して複数台の炊飯器2に洗米した米を投入する洗米装置4とが設けられており、炊飯器2は表示部20とこの表示部20に対して一定方向に開閉される蓋21とを有し、載置台3には、1台の炊飯器2の載置位置を除く他の載置位置に、他の炊飯器2を、炊飯時に表示部20を前方側から確認可能とする炊飯姿勢から米投入時に洗米装置4の移動軌道外で蓋21を開放可能とする回避姿勢へと回転する回転テーブル25を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、載置台に載置された炊飯器に洗米した米を投入する洗米機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、米を洗米して炊飯器に洗米した米を投入する洗米機として、例えば、特許文献1に示すものがある。
この洗米機は、フレームと、フレームに移動自在に支持された洗米装置と、フレームの下側に並列される複数の炊飯装置(炊飯器)とを備えており、洗米装置を移動させながら洗米した米を洗米装置の下側に配置した各炊飯器へそれぞれ投入するものである。
【0003】
このような洗米機では、炊飯器は大型の業務用のものとされ、炊飯器の蓋が着脱できるものとしており、各炊飯器の蓋を当該炊飯器から取り外した後、洗米装置を炊飯器の上方へ順次移動しながらから炊飯器内へ洗米した米を投入していた。
【特許文献1】特開2000−152870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、炊飯器の胴廻りに表示部が設けられ、この表示部を手前にした状態で一方向に開閉する蓋(右開き)を備えた炊飯器(以降、片開き炊飯器とする)が数多く市販されている。市販されている片開き炊飯器では、蓋が当該炊飯器から着脱できない構造である。
このような片開きの炊飯器を従来の洗米機のフレームの下側に複数並べて、米を投入するために蓋を開いた状態にすると、開放した蓋が洗米装置の移動軌道上に位置して洗米装置の移動を妨げることから、従来の洗米機では複数の片開きの炊飯器に米を投入することが出来ないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、表示部に対して一定方向に開閉される蓋とを有する炊飯器を複数並べた場合であっても、炊飯器を回転させることにより米を投入することができる洗米機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
即ち、機枠に、複数台の炊飯器が載置される載置台と、この載置台に沿って移動して複数台の炊飯器に洗米した米を投入する洗米装置とが設けられており、前記炊飯器は表示部とこの表示部に対して一定方向に開閉される蓋とを有し、前記載置台には、1台の炊飯器の載置位置を除く他の載置位置に、他の炊飯器を、炊飯時に表示部を前方側から確認可能とする炊飯姿勢から米投入時に洗米装置の移動軌道外で蓋を開放可能とする回避姿勢へと回転する回転テーブルを有している点にある。
【0007】
これによれば、回転テーブルによって、炊飯時には炊飯器の表示部を前方側から確認できる位置にして炊飯を行い易くできると共に、米投入時には洗米装置の移動軌道外で蓋を開放できるようにしているため、炊飯器の蓋が洗米装置の移動を妨げることはなく、洗米装置を移動しながら炊飯器に米を投入することができる。
前記機枠に、前記載置台の長手方向に沿って配置されたレールと、前記洗米装置を支持し且つ前記レールに沿って移動する支持部材と、この支持部材の移動をレールに対して停止させるブレーキ装置とを設けている点にある。
【0008】
これによれば、洗米装置をスムーズに移動ができると共に、ブレーキ装置により洗米装置が不用意に移動してしまうことを防ぐことができる。特に、ブレーキ装置によって洗米装置が安定的に停止しているので安定した状態で炊飯器に米を投入することが可能となる。
前記載置台には、各位置に移動した洗米装置の排水ホースからの排水を受ける樋を設けている点にある。
【0009】
これによれば、洗米装置が移動した場合であっても洗米装置からの排水を確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示部に対して一定方向に開閉される蓋とを有する炊飯器を複数並べた場合であっても、炊飯器を回転させることで米を投入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図10に示すように、洗米機1は、米を洗米すると共に該米を水加減水と共に排出するまでを自動で行う自動洗米機であり、当該自動洗米機1は、パックに詰められた米を1袋分全部投入して洗米することを可能としたパック米対応機である。
図1に示すように、自動洗米機1は、複数台の炊飯器2が載置される載置台3と、載置台3に沿って移動して洗米した米を複数台の炊飯器2に投入する洗米装置4と、載置台3と洗米装置4とを支持する機枠5(フレーム)とを備えている。
【0012】
以下説明の便宜上、図1見て左手側を左側,右手側を右側をとし、図1の紙面貫通方向を前後方向とする。
図1〜4に示すように、機枠5は、載置台3の前側に位置していて左右方向に間隔をおいて配置された一対の前支柱10と、載置台3の後側に位置していて左右方向に間隔をおいて配置された一対の後支柱11と、前支柱10と後支柱11とを前後に連結する一対の前後連結部材12と、後支柱11の下部を左右に連結する左右連結部材13とから主構成されている。
【0013】
前後連結部材12の前後端部にはキャスタ14が設けられいてキャスタ14により移動することができるようになっている。後支柱11の間には上下一対のレール15U,15Dが配置され、それぞれのレール15U,15Dの両端部は後支柱11に連結されている。
左右各後支柱11には当該後支柱11から後方側へ突出するブラケット16が設けられており、このブラケット16間に排水用の樋17が設けられている。樋17の底部18は、左右方向一方(左側)から左右方向他方(右側)にいくに従って次第に下方に移行する傾斜状とされており、この底部18の左右方向右側には、樋17内の排水を外部へ排出する排出口19が形成されている。
【0014】
載置台3は平面視で矩形状に形成されており、その四隅が前記各支柱10,11に螺子又は溶接等によりそれぞれ取り付けられている。載置台3に載置される炊飯器2は、例えば、市販されている一般的なもので炊飯器2の炊飯状態等を表示する表示部20を前方側に向けたとき(表示部20が前方から見える状態)、炊飯器2に設けられた蓋21が右開きるように構成されている。言い換えれば、炊飯器2は、表示部20とこの表示部20に対して一定方向(右開き)に開閉される蓋21とを有しているもので、表示部20では浸し,点火,炊飯,蒸し等の炊飯状態を表示することができる。
【0015】
前記載置台3は載置した炊飯器2を回転させる回転テーブル25を有している。回転テーブル25は載置台3の左側で幅方向(前後方向)の略中央部に配置されており、回転テーブル25の炊飯器載置部26には、炊飯器2の脚部27が嵌り込んで係止する係止部28が設けられている。係止部28は平面視で略コの字形のアングルで構成されており、当該アングルに炊飯器2の脚部27を嵌め込むことで回転テーブル25上における炊飯器2の位置決めを行うことができる。
【0016】
図5,6に示すように、回転テーブル25の回転軸29は下方に向けられていて、回転軸29の突出側には回転テーブル25を所定の角度で回転させる回転機構30が設けられている。
回転機構30は、回転軸29を回転自在に支持するハウジング31と、このハウジング31が取り付けられる取付部材32と、取付部材32を載置台3に固定する固定部材33と、回転テーブル25の回転方向及び角度を切り換える切換部材34とを有している。
【0017】
固定部材33は左右一対のL形アングルで構成され、載置台3の上板35の裏側に間隔をおいて配置されている。このアングル33L,33Rの軸心は載置台3の幅方向(前後方向)に向けられていて、左右各アングル33L,33Rの上部36が上板35の裏側に固着されている。
取付部材32は上方開放型の箱状に形成され、左右各アングル33L,33Rの間に配置されている。取付部材32の側部37は左右各アングル33L,33Rの側部38に固着されている。取付部材32の底部にはハウジング31を挿通する挿通孔40が設けられている。
【0018】
ハウジング31は筒状に形成され、取付部材32の挿通孔40に挿通されている。ハウジング31にはその外周面から外方に突出するフランジ41が設けられ、このフランジ41は取付部材32の底部39に螺子等により着脱自在に取り付けられている。ハウジング31内には、回転軸29を回転自在に支持するベアリング42が設けられている。
切換部材34は、左アングル33Lに固定された固定バー45と、回転軸29廻りに移動自在となる移動バー46と、移動バー46と固定バー45とを連結する切換バネ47とを有している。
【0019】
固定バー45は軸心を上下方向に向けて左アングル33Lに固定され、移動バー46は軸心を上下に向けてその外周部から回転軸29へ向けて突出したアーム48を介して回転軸29に連結されている。移動バー46は右アングル33Rの下方に位置していて、固定バー45と移動バー46との直線距離が最大となる不安定切換ラインAを切換点とし、切換バネ47によって時計回り又は反時計回りに移動する。切換バネ47によって移動した移動バー46は右アングル33Rの側部38に設けたクッション49(ストッパ)に当たることでその移動が停止するようになっている。移動バー46の回転角度は回転軸29を中心として略90°に設定されている。
【0020】
この回転テーブル25に対しては、移動バー46の先端を不安定切換ラインAよりも前方となる前位置Bで停止させた状態で、炊飯器2の表示部20が前方側から確認できるように当該炊飯器2を置くこととなっている。表示部20が前方側から確認できる炊飯姿勢から当該炊飯器2を反時計回りに押すことで回転テーブル25と移動バー46とを反時計回りに回転移動させ、移動バー46の先端を不安定切換ラインAよりも後方側に超えさせると、切換バネ47のバネ力によって移動バー46の先端が不安定切換ラインAよりも後方となる後位置Cへ向けて移動し、当該移動バー46の先端が後位置Cで停止する。
【0021】
即ち、炊飯姿勢の炊飯器2を反時計回りに押すことで、炊飯器2を炊飯姿勢から略90°回転した回避姿勢に切り替えることができる。
炊飯器2が回避姿勢であるとき、炊飯器2の蓋21を開閉するヒンジ50部は平面視で洗米装置4の移動軌道外に位置しており、これにより、洗米装置4の移動軌道外で蓋21を開放状態にすることができる。
【0022】
図1,10に示すように、洗米装置4は載置台3の上方に配置されていて、支持部材55と、支持部材55の上部36に取付固定されたケース56と、該ケース56の下面側に取付固定された洗米槽57と、この洗米槽57内に水を供給する給水装置58と、洗米槽57内の米及び水を攪拌する撹拌装置59とを備えている。
図1,図7〜9に示すように、支持部材55は、左右方向に間隔をおいて配置された左右一対の支持脚60L,60Rと、左右支持脚60L,60Rの下端側同士を連結する下部連結部材61とから主構成されている。下部連結部材61の左右両端部には、当該下部連結部材61から左右方向に突出する弾性変形可能なストッパ72が設けられている。
【0023】
各支持脚60L,60Rは上下に延びる起立部62と、起立部62の上端から前方に向けて屈曲して前倒れ状に傾斜する傾斜部63とを有している。起立部62の上下中途部には、当該起立部62から左右に突出する左右一対の第1ブラケット64が設けられ、各第1ブラケット64に横軸65が設けられ、横軸65には回転自在な第1ローラ66が設けられている。また、各第1ブラケット64には縦軸67が設けられており、縦軸67には回転自在な第2ローラ68が設けられている。
【0024】
起立部62の下部には、当該起立部62から前方に突出する左右一対の第2ブラケット69が設けられている。各第2ブラケット69に縦軸70が設けられ、縦軸70には回転自在な第3ローラ71が設けられている。
各第1ローラ66は上レール15Uの後側面を転動可能に当該上レール15Uに当接していて、各第2ローラ68は上レール15Uの上面を転動可能に当該上レール15Uに当接している。また、各第3ローラ71は下レール15Dの前側面を転動可能に当該下レール15Dに当接している。
【0025】
したがって、各ローラ66,68,71を上下レール15Dに当接することで、起立部62が略垂直になるように上下レー15U,15Dに支持されると共に、洗米装置4が載置台3に沿って移動することができる。
右支持脚60Rには、上下レー15U,15Dに沿って移動する支持部材55を停止させるブレーキ装置75が設けられている。
【0026】
ブレーキ装置75は、右支持脚60Rに揺動自在に支持された操作ハンドル76と、操作ハンドル76の下部に設けられて上レール15Uに接触可能なブレーキパット77と、操作ハンドル76をブレーキ操作方向に付勢する付勢部材78とを有している。
操作ハンドル76の中途部にはブラケット79を介して横軸80が設けられ、この横軸80が右支持脚60Rに揺動自在に取り付けられている。
【0027】
前記ブレーキパット77は、弾性変形可能なゴム等から形成され、操作ハンドル76の下端(ブラケット79の下端)から前方に突出している。付勢部材78はスプリング等から構成され、操作ハンドル76の中途部と右支持脚60Rの起立部62との間に設けられ、操作ハンドル76をブレーキ操作方向に付勢している。
したがって、通常、操作ハンドル76はブレーキ操作方向に位置していてブレーキパット77と上レール15Uの後面とは接触してブレーキが掛かっている状態であり、この状態から操作ハンドル76の先端側を下に押し下げてブレーキ解除方向へと操作することにより、ブレーキパット77を上レール15Uから離して支持部材55(炊飯装置4)を移動させることができる。
【0028】
図10に示すように、洗米装置4のケース56は、底壁部83と、この底壁部83の上方に配置された駆動部K及び給水管路等を覆うカバー体84とから主構成されている。底壁部83は、その後部が左右各支持脚60L,60Rの傾斜部63の上端側に取付固定されている。
カバー体84は、左右の側面壁84aと上壁84bと前面壁84cと背面壁84dとから下端開放状に形成され、前記底壁部83に取付固定されている。このカバー体84の上面はパック米を載せるのに使用される米載置面85とされている。米載置面85は、前部が左右方向に亘って前後方向中途部に行くに従って下方に移行する傾斜面とされ、後部が左右方向に亘って前後方向中途部に行くに従って下方に移行する傾斜面とされており、米載置面85にパック米を載せた場合に、米載置面85の前部傾斜面85a及び後部傾斜面85bがストッパとなることにより該パック米を安定して載せることができる。
【0029】
洗米槽57は、米及び水を収容しこれらを攪拌することにより該米を洗米するための洗米槽本体90と、この洗米槽本体90の下端側に設けられていて洗米槽本体90の下端側から洗米水(研ぎ汁)を排水するための排水ジャケット91と、洗米槽本体90内の洗米水(研ぎ汁)の水面側の水や洗米水上に浮遊するゴミ等の不純物等を排水するためのオーバーフロー部92とを備えてなる。
【0030】
洗米槽本体90は上下端部が開口状とされており、該洗米槽本体90の下部は、下端開口に向けて先窄まりとされた円錐形に形成された円錐部93とされている。また、洗米槽本体90の上部は前方へ突出する膨出部94(図3参照)が形成されており、この膨出部94の上部側がパック米を洗米槽本体90内に投入する投入口95とされている。膨出部94には投入口95を覆う開閉カバー96が設けられている。
【0031】
排水ジャケット91は洗米槽本体90とは別部品で構成されていて、取付金具で洗米槽本体90の下端側に着脱自在に取り付けられている。この排水ジャケット91は上下方向の軸心を有する略円筒状に形成され、内部が上端開口を介して洗米槽本体90の下端開口と連通しており、下面側に、洗米された米を排出する排米口97が形成され、周壁部分には洗米槽本体90内の洗米水を排水するための排水口98が形成されている。
【0032】
オーバーフロー部92は洗米槽本体90と連通していて、このオーバーフロー部92と排水ジャケット91との間に排水ボックス99が配置されている。この排水ボックス99は左側の支持脚60Lに取り付けられたブラケット100に固定され、排水ジャケット91の排水口98からの排水とオーバーフロー部92からの排水とをまとめて側部に連結された排水ホース101から排出するように構成されている。
【0033】
排水ホース101は排水ボックスから右側の支持脚60Rに近づくように配管され、排水ホース101の先端側は右側の支持脚60Rに取り付けられたホース用ブラケット102に挿通されている。ホース用ブラケット102は角筒状に形成された角筒部103と、右側の支持脚60Rに取り付けられる取付部104とを有している。角筒部103は載置台3の後方側に位置する樋17の上方に位置しており、排水ホース101の先端を常に樋17の上側に案内している。
【0034】
したがって、洗米装置4が載置台3に沿って移動して洗米装置4の位置が変わった場合であっても洗米装置4からの排水を排水ホース101を介して樋17に流すことができる。
前記給水装置58は、ケース56の底壁部83に取り付けられた左右一対の散水部材105と、この散水部材105に水を供給する第1〜5の給水管路106〜110とから構成されている。
【0035】
散水部材105は、板材を下方に凸となる球面状に形成すると共に、多数の散水孔を貫通形成してなり、供給された水を洗米槽本体90内に上方からシャワー状(拡散状)に散水して供給する。
第1の給水管路106は載置台3の下側に配置され、右側端部が水道等の圧力水源に接続され、左側端部がフレキシブルチューブからなる第2の給水管路107に接続されている。
【0036】
第2の給水管路107は、第1の給水管路106と同様に載置台3の下側に配置されており、第1の給水管路106を接続した右側端部は載置台3の長手方向中央よりもやや右寄りに位置していて、当該右側端部は左右連結部材13に固定されている。第2の給水管路107の左側端部は下部連結部材61に固定されている。
したがって、第2の給水管路107は洗米装置4の移動に追随して載置台3の下側で左右方向に移動するようになっている。
【0037】
第3の給水管路108は、右側の支持脚60Rに沿うように上方に立ち上げられ、その一端は第2の給水管路107の左側端部に接続され、他端は手動の開閉弁111を有する第4の給水管路109に接続されている。
第4の給水管路109は、 第3の給水管路108に続いて右側の支持脚60Rに沿うように上方に立ち上げられると共にケース56の底壁部83を貫通してケース56内に挿入され、上部側で左方に向けて屈曲されている。第4の給水管路109に、流量計112と電磁開閉弁113等とが設けられている。
【0038】
第5の給水管路110は、第4の給水管路109の上部側の端部にホース等を介して接続される接続口112を有すると共にこの接続口112から分岐して左右の各散水部材105に水を供給する一対の供給管路を有する。
前記撹拌装置59は、洗米槽本体90内の中心上部に配置された回転軸115と、この回転軸115を駆動するモータ117と、回転することにより洗米槽本体90内の米及び水を攪拌する複数本の攪拌棒118とを有する。
【0039】
回転軸115は上下方向の軸心を有する筒軸によって構成され、洗米槽本体90の中心に配置され且つケース56の底壁部83に固定された軸受部材119の下側に配置されて該軸受部材119に上下方向の軸心回りに回転自在に支持されている。
前記軸受部材119の上側にはベベルギヤからなる従動ギヤ120が配置され、この従動ギヤ120は、軸受部材119に上下方向の軸心回りに回転自在に支持されていると共に回転軸に一体回転自在に連結されている。
【0040】
モータ117の出力軸には、前記従動ギヤ120に噛合するベベルギヤからなる駆動ギヤ121が取り付けられていて、モータ117の駆動力が駆動ギヤ121と従動ギヤ120によって回転軸115伝達され該回転軸115が回転駆動される。
各撹拌棒118は所定の間隔で回転軸115廻りに配置されており、回転軸115から径外方向に突出する横杆部123と、この横杆部123の端部から下方に屈曲する縦杆部124と、縦杆部124の端部から屈曲して傾斜する傾斜部125とを備えている。これら横杆部123、縦杆部124、傾斜部125は一体的に形成されている。
【0041】
したがって、ケース56の前壁部84cに設けたコントロールパネル126のスイッチを押すことで、洗米槽本体90内に水が給水されると共に撹拌装置59が駆動されて米が攪拌されて洗米され、洗米後、入力された米量に応じた量の水加減水が供給され、この水加減水と共に洗米槽本体90から米が排出され、洗米された米が載置台3に載置した炊飯器2に投入される。
【0042】
以下、自動洗米機1を用いて炊飯器2に投入して炊飯するまでの動作を説明する。
まず、洗米装置4を載置台3の左側に寄せた状態で、載置台3の右側載置位置Dに1台の炊飯器2を置く(以下、右側炊飯器2Rとする)と共に、載置台3の左側載置位置E(回転テーブル25)にもう1台の炊飯器2を置く(以下、左側炊飯器2Lとする)。
炊飯器2を置く際は、両炊飯器2L,2Rの表示部20が前方側から見えて炊飯姿勢となるように載置する。なお、左側炊飯器2Lを回転テーブル25に載置する場合は、移動バー46の先端を前位置Bにしておく。
【0043】
右側炊飯器2Rの蓋21を開き洗米装置4の移動軌道外で蓋21を開放した状態する。その後、洗米装置4の操作ハンドル76を手で下方側に引いてブレーキパット77状態を解除し、洗米装置4を右側に移動する。当該洗米装置4が右側炊飯器2Rの上方に位置して洗米した米を右側炊飯器2Rに投入できる位置で、操作ハンドル76を離してブレーキを掛け洗米装置4を停止させる。洗米装置4で洗米した米を右側炊飯器2Rに投入する。
【0044】
左側炊飯器2Lを回転テーブル25を介して反時計回りに回し炊飯姿勢から回避姿勢にする。回避姿勢となった左側炊飯器2Lの蓋21を開き、洗米装置4の移動軌道外で蓋21を開放した状態する。その後、右側にある洗米装置4を左側に移動する。当該洗米装置4が左側炊飯器2Lの上方に位置して洗米した米を左側炊飯器2Lに投入できる位置で、洗米装置4を停止させる。洗米装置4で洗米した米を左側炊飯器2Lに投入する。
【0045】
右側炊飯器2Rの蓋21を閉め、その後に再び洗米装置4を右側に移動し、左側炊飯器2Lの蓋21を閉め、左側炊飯器2Lを回転テーブル25を介して時計回りに回し回避姿勢から炊飯姿勢にする。炊飯姿勢となった左側炊飯器2Lのスイッチを入れて炊飯を行うと共に、右側炊飯器2Rのスイッチを入れて炊飯を開始する。
以上によれば、回転テーブル25によって左側炊飯器2Lを、炊飯時に表示部20を前方側から確認可能とする炊飯姿勢から米投入時に洗米装置4の移動軌道外で蓋21を開放可能とする回避姿勢へと回転させることができるため、左側炊飯器2Lの蓋21を開放してもその蓋21の位置は洗米装置4の移動軌道外となり、洗米装置4の移動を妨げることがない。しかも、炊飯時には回避姿勢にした左側炊飯器2Lを炊飯姿勢にできるため、左側炊飯器2Lの表示部20を確認しながら炊飯を行うことができる。
【0046】
本発明の自動洗米機1は上記の実施形態に限定されない。即ち、上記の実施の形態では、載置台3に載置される2台の炊飯器2のうち、左側炊飯器2Lを載置する左側載置位置Eに対して回転テーブル25を設けているが、炊飯器2が右開きの場合で炊飯器2を3台以上載置する載置台3にあっては、載置台3の右端となる1台の炊飯器2の載置位置(右端載置位置)を除く他の載置位置に対して回転テーブル25を設けるようにするのが良い。例えば、載置される炊飯器2が右開きで、5台の炊飯器2が載置可能な載置台3では、右端に置かれる炊飯器2の載置位置を除く4台の炊飯器2の載置位置に回転テーブル25を設けることとなる。
【0047】
炊飯器2は右開きとは逆の左開きのものであってもよく、左開きの炊飯器2を載置する載置台3にあっては、回転テーブル25の設ける位置が右開きの炊飯器2を載置するものと比べその位置が左右逆になる。
洗米槽57と載置台3との間、即ち、排米口97の下方側に炊飯器2からの熱や水蒸気等を遮る遮熱板を設けることが好ましい。具体的には、板状の遮熱板に洗米された米が通過する通過孔を形成した上で、排米口97の下方側に当該遮熱板を配置し、遮熱板の一端(左側)をブラケットを介して支持脚60Lに固定する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の洗米機の正面図である。
【図2】洗米機の概略平面図である。
【図3】洗米機の側面図である。
【図4】洗米機の正面拡大図である。
【図5】回転テーブルの断面図である。
【図6】回転テーブルの平面図である。
【図7】ブレーキ装置周辺の拡大正面図である。
【図8】ブレーキ装置周辺の拡大側面図である。
【図9】ブレーキ装置周辺の拡大平面図である。
【図10】洗米装置の内部図である。
【符号の説明】
【0049】
1 洗米機
2 炊飯器
3 載置台
4 洗米装置
5 機枠
20 表示部
21 蓋
25 回転テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機枠に、複数台の炊飯器が載置される載置台と、この載置台に沿って移動して複数台の炊飯器に洗米した米を投入する洗米装置とが設けられており、
前記炊飯器は表示部とこの表示部に対して一定方向に開閉される蓋とを有し、前記載置台には、1台の炊飯器の載置位置を除く他の載置位置に、他の炊飯器を、炊飯時に表示部を前方側から確認可能とする炊飯姿勢から米投入時に洗米装置の移動軌道外で蓋を開放可能とする回避姿勢へと回転する回転テーブルを有していることを特徴とする洗米機。
【請求項2】
前記機枠に、前記載置台の長手方向に沿って配置されたレールと、前記洗米装置を支持し且つ前記レールに沿って移動する支持部材と、この支持部材の移動をレールに対して停止させるブレーキ装置とを設けていること特徴とする請求項1に記載の洗米機。
【請求項3】
前記載置台には、各位置に移動した洗米装置の排水ホースからの排水を受ける樋を設けていることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗米機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−216105(P2007−216105A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37159(P2006−37159)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】