説明

活性成分としてサルビア・スクラレア種子由来の成分を含有する組成物

本発明は、サルビア・スクラレア(Salvia sclarea)種子、或いは細粉、油またはパルプ、或いは前記種子から得られる抽出物を含む食品サプリメントに関する。本発明は更に、活性成分としてサルビア・スクラレア種子、或いは細粉、油またはパルプ、或いは前記種子から得られる抽出物を含む栄養剤または化粧品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者中のω−レベルを上昇させるための食品サプリメント及び栄養剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
栄養剤の現在の研究で、ω−3脂肪酸が人の食事の必須成分であることが指摘されている。英国の科学文献Lancetに公表されている研究によれば、グリーンランドのエスキモー族で冠動脈疾患を含めた動脈硬化症(動脈の内壁に脂肪プラークが発生して、血流を塞ぐ)、慢性炎症性疾患及び糖尿病の発現率が低いのは主としてクジラ、アザラシ、海鳥及び魚類の肉からなる伝統的な民族食が寄与している。この食事は脂肪及びタンパク質を多く含み、炭水化物が少ないが、ω−3ポリ不飽和脂肪酸、特に2つのω−3脂肪酸、すなわちC22:6(DHA)及びC20:5(EPA)が特に非常に多い。
【0003】
最も重要なω−3脂肪酸はエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)及びα−リノレン酸(ALA)である。
【0004】
EPAは、血小板を低粘着性とし、よって血流を良くするのに直接関与するプロスタグランジンE3と称される重要な物質の直接源である。従って、EPAは存在すると循環を妨げる血塊を抑制するプロセスに関与している。この作用モードは心臓の小毛細管において特に重要である。
【0005】
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、EPAと殆ど同程度に重要なω−3脂肪酸である。DHAはヒトの脳及び目の網膜の大部分を構成する組織の大部分を占める。
【0006】
ω−3脂肪酸を多く摂取すると生ずる最も劇的な効果の幾つかは、高い血圧の低下、血清トリグリセリドレベルの低下及び凝固時間の延長であり、これらはいずれも心血管疾患の予防においてプラスである。こうしたω−3脂肪酸の有利な効果は臨床試験でも疫学研究でも注目されてきた。ω−3脂肪酸は、現代人において非常に多く見られる高コレステロール及びトリグリセリドレベルを正常化するのに十分に強力な非常に有用な天然物質であることが分かった。
【0007】
ω−3脂肪酸は、癌性腫瘍増殖を遅延または予防し、血管手術後血管が閉鎖するのを防ぎ、炎症性疾患(例えば、関節リウマチ)を改善し、乾せんの症状を緩解することも分かった。加えて、ω−3脂肪酸は新生児において適正な視力及び脳の発達に必須である。
【0008】
平均的な欧米人の食事では、EPA及びDHAを含有する新鮮な魚及び海産食物が少ない。一方、精製炭水化物及び飽和脂肪を多く含む。このような食事をとると、血流における適正な血小板機能にとって必要な原料がかなり不足する。
【0009】
リノレン酸は健康な皮膚状態を確保するのに必須である。更に、大量のω−3脂肪酸を含有する油は皮膚のしわを防ぐのに有効であることが分かった。この油を摂取すると、血液中のコレステロール含量が著しく低下する。α−リノレン酸は数種の植物中に存在する脂肪酸であり、体によりEPA及びDHAに変換され得る。α−リノレン酸の植物源には、クルミ及びクルミ油、アマ種子、菜種(カノラ油を調製するために使用)、大豆、ホウレンソウ、カラシナの葉及びスベリヒユが含まれる。
【0010】
α−リノレン酸は、数種の植物、主にアサ(最高23%のα−リノレン酸がアサの種から圧搾される)及びアマ(50%)中で大量に生成されている。これらの油は通常“不快”臭を有し、味及び臭いが悪いために食用油としてはめったに使用されていない。菜種油(カノラ)及び大豆油のような慣用の食用油はほんの少量しか(それぞれ11%及び7%)リノレン酸を含んでいない。
【0011】
研究者らは、1:1のω−6(ω−6は主にコーン油、サフラワー油またはヒマワリ油のような植物油中に存在する):ω−3比が心疾患の予防に重要であり得ると考えている。ω−3及びω−6は身体中での重要な生化学的反応のコントロールのために絶えず競争しているようである。ω−6部分がω−3部分よりも多いと、プロスタグランジン及びロイコトリエンと称されるホルモン様物質が過剰に産生され得る。大量のホルモン様物質は免疫系を乱し、動脈壁へのプラーク形成の蓄積を開始し、血塊を形成し、危険なほど不定期な心リズムを誘発し得る。
【0012】
現在、アメリカ人の食事中のω−6:ω−3の比は約10:1であり、数人の専門家はこの比はω−6脂肪酸を危険に過剰供給すると述べている。
【0013】
ω−3脂肪酸を含有する食物魚油は、その抗血栓効果及び脂肪低下(血液脂質を低下させる)効果のためにますます推奨されている(Phillipson,Rothrock,Connor,Harris及びIllingworthm, New England J.Med., 312:1210-16(1985))。前記魚油の別の効果は免疫学的効果及び戦闘アレルギーの改善である(Leaf及びWeber, New England J.Med., 318:549-557(1988))。
【0014】
植物油由来のω−3脂肪酸は、動物源由来の油の欠点を呈することなく上記した健康効果をすべて与えることができる。
【0015】
植物油の摂取中、コレステロールは全く取り込まれない。魚油はビタミンA及びDの主要源である。多くの海産油は、大量のEPA及びDHAファクターを与えることにより潜在的に毒性量のビタミンA及びDを供給する恐れがある。また、植物性ω−3油はさわやかな臭いを有し、味の悪い魚油とは対照的に味が良い。魚油は味及び臭いが悪いために、通常便宜上保存剤非含有ゼラチンカプセル中に収容されている。
【0016】
サルビア・スクラレアの花から誘導される芳香油(精油)は、今まで主にパフュームとして使用されてきた。この用途は古代ローマ時代から公知であった。この芳香油は他にタバコ業界において、感染と戦い、消化系を調整するための生薬治療において使用されてきた。植物の自然生育地はシリア、イタリア及び南フランスである。土壌含量の点でその生育要件は特殊でない。現在、旧ソビエト連邦、南アフリカ及びハンガリーがこの油の最大生産国であり、油1リッターあたり60〜90ドルの価格である。この植物は暑さに耐えることができ、年間降雨量が400mm以下の山岳地域で見られ得る。油を生産するためには花部分のみが使用されている。葉を含めると油の品質が落ちる。通常、花部分のみが収穫されている。時期尚早に収穫すると、この油はその品質を低下させる酢酸リノレン酸を大量に含むであろう。
【0017】
今まで、サルビア・スクラレア種子は使用されていない。今までの主にパフュームまたは精油としての用途では花に由来する植物材料が用いられていた。
【0018】
国際特許出願公開第99/62356号パンフレットは、サルビア・ヒスパニカ(Salvia hispanica)種子より得た油を用いたω−3含量が非常に高い人のための強化食品に関する。サルビア・ヒスパニカ(Chia)はシソ科に属する夏1年草である。西中央メキシコから南グアテマラに広がる山岳地域に生えている。中米及び南米の山岳地域にしか生育しておらず、よってその自然生育地が非常に特殊であり、生育要件が非常に特殊であるために植物から生育させた種子は経済的でないので、植物は広く普及せず、食物源として広く商業的に受け入れられていない。
【発明の開示】
【0019】
サルビア・スクラレア(シソ科)(“クラリーセージ”としても公知)の選択系統の種子油は平均25〜30%の油を含有している。
【0020】
今回、本発明者らは、この植物の種子がω−3−α−リノレン酸を多く(約55%)含有する源であることを知見した。この油の他の成分は2つの重要な脂肪酸、すなわち非常に高レベルで存在するオレイン酸(C18:1)及びリノレン酸(C18:2)である。いずれの酸も不飽和脂肪酸であり、人の食事において必須である。
【0021】
よって、本発明は、魚油のすべての健康効果を有するがその欠点(特に、まずい味及び独特の悪臭)を全く持たないサルビア・スクラレア種子から得た全種子、或いは油、細粉/粉末またはパルプを開示する。油または細粉/粉末は他の植物油に比して追加の上記効果を有し、ダイエタリーサプリメント用に、医薬及び化粧品組成物中の活性成分として、産業用に使用され得る。
【0022】
この植物油の別の重要な用途は、ポリ不飽和脂肪酸(すなわち、リンレン酸)の含量が高いことから塗装や潤滑用乾性油としての使用である。今まで、植物性乾性油はアマ種子やトン(Tong)樹のような作物から得られてきた。これらの作物はそれ自体機械を用いる収穫及び精選にかけられない。サルビア・スクラレア種子油は産業用に有用であり、比較的簡単に得られる。
【0023】
従来技術(国際特許出願公開第99/62356号パンフレット)は、サルビア・ヒスパニカから得たω−3に富む油を開示している。この植物は中米及び南米の高い山岳地域でしか生育していない固有植物である。本発明は、本発明の詳細説明の欄に記載するようにサルビアの別の種、すなわちサルビア・スクラレアから得た種子がサルビア・ヒスパニカから得た油または粉砕種子よりも高い栄養価を有しているという驚くべき知見に基づいている。
【0024】
本発明は更に、サルビア・スクラレアの油または粉砕した細粉/粉末がサルビア・ヒスパニカの油よりも高い栄養価を有しているのみならず、サルビア・スクラレア種の植物の生育がサルビア・ヒスパニカ種に比してより経済的であるとの認識に基づいている。サルビア・スクラレア植物は地中海性気候で、例えば中東、ヨーロッパ(イタリア、スペインや南フランスのような南ヨーロッパ諸国及びフィンランドやロシアのような南ヨーロッパ及び東ヨーロッパ諸国を含む)、南アフリカ、カリフォルニア及びオーストラリアで生育可能であり、土壌含量の点での生育要件は特殊でない。植物は暑さにも寒さにも(雪にさえも)耐えることができ、年間降雨量が400mm以下の山岳地域でも見られる。
【0025】
更に、本発明は、異なるサルビアの幾つかの種の中で本発明の特殊なサルビア・スクラレアが非常に高い栄養価を有するという驚くべき知見に基づいている。
【0026】
従って、本発明は、
a.サルビア・スクラレア種子、
b.本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油、
c.サルビア・スクラレア種子の抽出物、
d.サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して形成した細粉または粉末、及び
e.サルビア・スクラレア種子パルプ
から選択される構成物を活性成分として含む食品サプリメントとして使用するための組成物に関する。
【0027】
用語「構成物」は、特定の成分比を有する混合物として存在する複数の成分(脂肪酸、タンパク質、ミネラル、ビタミン、食物繊維)を指す。
【0028】
用語「サルビア・スクラレア種子」は、全植物から分離したままの本質的に未加工形態の全種子を指す。
【0029】
用語「本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油」は、種子から得た他の成分を本質的に含まない油を指す。この油は、栄養価を損なうことなく油を植物種子から分離するための公知の各種方法により得ることができる。
【0030】
油の分離方法の例には、
1)種子を粉砕し、圧搾することにより実施される“冷間圧搾”、上清中に存在する油性フラクションを集めるための圧搾種子の遠心、及び場合により当業界で公知の各種手段による(例えば、フィルターを用い、沈殿を集める等による)精製、
2)最初に油を溶解し、その後熱及び/または真空を加えることにより蒸発する揮発性疎水性溶媒の使用、
3)極低温での液体COまたは液体窒素の使用(“超臨界抽出”)
が含まれる。
【0031】
用語「サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して形成した細粉または粉末」は、種子をより細かい断片(例えば、細粉のかけらまたは粉末粒子)に壊すために当業界で公知の機械的微粉砕手段により種子を細かい粒子に粉砕または微粉砕することを指し、細粉/粉末形態では全種子形態よりも被験者は多くの栄養素を利用できる。
【0032】
用語「サルビア・スクラレア種子パルプ」は、実際「脱脂したサルビア・スクラレア種子細粉」を指す。これら2つの用語はいずれも油性フラクションを抽出した後の種子を指し、パルプは特に食物繊維、ミネラル、ビタミン及びタンパク質に富み、脂肪酸及びカロリーが低い。
【0033】
用語「サルビア・スクラレア種子の抽出物」は、種子から水性、アルコールまたは他の有機抽出剤を用いて抽出した化合物を指す。典型的には、抽出液が水の場合には殆ど繊維(食物繊維)を指す。
【0034】
本発明の好ましい実施態様によれば、食品サプリメントは、本質的に
a.サルビア・スクラレア種子、
b.本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油、
c.サルビア・スクラレア種子の抽出物、
d.サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して形成した細粉または粉末、及び
e.サルビア・スクラレア種子パルプ
から構成されている。
【0035】
本発明の好ましい実施態様によれば、構成物がサルビア・スクラレア油、或いはサルビア・スクラレア細粉または粉末であることが好ましい。
【0036】
本発明のより好ましい実施態様によれば、食品サプリメントは、
a.サルビア・スクラレア種子、
b.本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油、
c.サルビア・スクラレア種子の抽出物、
d.サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して形成した細粉または粉末、及び
e.サルビア・スクラレア種子パルプ
から構成されている。
【0037】
1実施態様によれば、食品サプリメントは更に食品中で消費するのに適した担体を含む。
【0038】
前記担体は、本発明の構成物の特殊タイプのための当業界で公知の担体として選択される。
【0039】
例えば、本発明の構成物が油のときには、担体は植物油、例えばオリーブ油、菜種油(カノラ油)、コーン油、大豆油、小麦胚芽油、ヤシ油、落花生油、ピーナッツ油、ゴマ油、パーム油、アーモンド油、ナッツ油、クルミ油等である。
【0040】
本発明の構成物が粉末または細粉のときには、担体は他のタイプの細粉/粉末、例えば小麦粉、大麦粉、トウモロコシ粉、大豆粉、オート麦粉、米粉、タピオカ、ライ麦粉であり得る。
【0041】
他の可能性として、食品サプリメントは担体を含むことなく上記した成分(a−e)の1つのみを含有する。
【0042】
本発明は更に、食品サプリメントを製造するための、
a.サルビア・スクラレア種子、
b.本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油、
c.サルビア・スクラレア種子の抽出物、
d.サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して形成した細粉または粉末、及び
e.サルビア・スクラレア種子パルプ
から選択される物質の使用に関する。
【0043】
上記した食品サプリメントは、好ましくは被験者における少なくとも1つのω−3脂肪酸のレベルを上昇させるためにヒトまたは非ヒトが消費するために使用され得る。
【0044】
非ヒト動物は飼育動物、例えば家畜類(雌ウシ、ヤギ及びヒツジ)、家禽類(雌鶏、カモ、七面鳥)、生け簀で養殖させた魚類(例えば、コイ、バス、テラピア、マス及び養殖サケ)であり得る。
【0045】
本発明の食品サプリメントは、非ヒト動物(雌ウシ、ヤギ、雌鶏、魚)の肉中の少なくとも1つのω−3脂肪酸のレベルを上昇させ、動物製品(例えば、乳及び卵)中の少なくとも1つのω−3脂肪酸のレベルを上昇させると予想される。
【0046】
従って、本発明は、被験者に対して本発明の食品サプリメントを有効量投与することを含む被験者における少なくとも1つのω−3脂肪酸のレベルの上昇方法に関する。
【0047】
被験者は上に定義した通りであり、ヒトまたは非ヒト動物であり得る。
【0048】
用語「有効量」は、本発明の食品サプリメントを摂取しなかった対照被験者に比して少なくとも1つのω−3脂肪酸のレベルを統計的に有意に上昇させる量である。
【0049】
動物における上昇は被験者の種類に応じて調節され得、所望レベル、例えば卵黄中の所望レベルは典型的には2〜10倍の上昇、好ましくは4倍以上の上昇、より好ましくは6倍以上の上昇である。
【0050】
別の態様によれば、本発明は、雌鶏に対して本発明の食品サプリメントを有効量投与することを含む卵黄中または雌鶏の肉中の少なくとも1つのω−3脂肪酸のレベルの上昇方法に関する。
【0051】
用語「有効量」は上に定義した通りである。
【0052】
本発明は更に、栄養剤的に許容され得る担体及び活性成分として
a.サルビア・スクラレア種子、
b.本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油、
c.サルビア・スクラレア種子の抽出物、
d.サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して形成した細粉または粉末、及び
e.サルビア・スクラレア種子パルプ
から選択される構成物を含む栄養剤組成物に関する。
【0053】
好ましくは、サルビア種子油は上記したように作成される。
【0054】
より好ましくは、栄養剤組成物は、本質的に
a.サルビア・スクラレア種子、
b.本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油、
c.サルビア・スクラレア種子の抽出物、
d.サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して形成した細粉または粉末、及び
e.サルビア・スクラレア種子パルプ
から選択される構成物から構成されている。
【0055】
用語「栄養剤組成物」は、食品または食品の一部であり、疾患または障害の予防または治療を含めた医学的または健康効果を与える物質を指す。
【0056】
更に、本発明は、治療上有益な効果が少なくとも1つのω−3脂肪酸のレベルの上昇により明白となり得る疾患または障害の治療のための上記栄養剤組成物に関する。
【0057】
用語「治療…治療上有益な効果」は、疾患の少なくとも1つの望ましくない影響の低下;疾患の悪化の抑制;疾患のない期間の延長;または疾患の全体的な予防の少なくとも1つを指し得る。
【0058】
典型的には、疾患または障害は、関節硬化症、冠動脈疾患、慢性炎症性疾患(例えば、関節リウマチ及びIBD)、糖尿病、ガン、血管手術後の血管の閉鎖の予防、乾せんの症状の軽減、皮膚のしわ、うつ病及び情緒異常症から選択される。
【0059】
疾患は、科学的に公知であるかまたは被験者における少なくとも1つのω−3脂肪酸のレベルの上昇から有益であると実験的に認められている疾患または状態であり得る。
【0060】
典型的には、栄養剤組成物は、例えば組成物の製造のために当業界で公知のように油含有ゲルカプセル、油含有液体調製物、細粉/粉末含有錠剤の形態で経口服用されるが、乾せんや他の皮膚状態(しわ、乾燥肌)のような幾つかの適応症に対しては油含有調製物(ゲル−カプセル、油)を局所適用してもよい。
【0061】
本発明は更に、化粧品上許容され得る担体及び活性成分として本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油を含む化粧品組成物に関する。
【0062】
典型的には、前記化粧品組成物は皮膚のしわを防ぐため及び/または皮膚の健康状態を確保するためのものである。
【0063】
用語「少なくとも1つのω−3脂肪酸」は、メチル末端から3番目の炭素に最初の二重結合を有する不飽和脂肪酸を指す。この脂肪酸は、例えば必須脂肪酸(例えば、α−リレレン酸(ALA))並びに非必須脂肪酸(例えば、ドコサヘキサエン酸(DHA)及びエイコサペンタエン酸(EPA))であり得る。
【0064】
本発明は更に、本発明の食品サプリメントを含む食品に関する。
【0065】
食品の例は、以下の通りである:
1.サルビア・スクラレアの全種子を含む食品:グラノーラ様シリアル、グラノーラ様スネークバー、雌鶏や雌ウシ用飼料。水に浸漬させた後全種子は全粒パン、ロールパン、クラッカー、ビスケット等に使用され得る;
2.サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して生成した細粉または粉末:グラノーラ様シリアル、グラノーラ様スネークバー、雌鶏や雌ウシ用飼料、全粒パン、ロールパン、クラッカー、ビスケット、パスタや他のベークド製品。細粉/粉末はグレービー、スープ、ディップ、ドレッシングや通常濃化剤として幾つかの種類の細粉を含む他の調製食品中に濃化剤として使用され得る;
3.サルビア・スクラレア油:オイリーペーストまたはディップ(テヒニ,フムス)中、油及びペースト(例えば、ゴマ油またはゴマペースト)中、他の植物油、マーガリンまたはマーガリン様スプレッド、サラダドレッシング、魚油、キャビア様製品等に配合される;
4.パルプ(脱脂種子細粉):繊維含量が高いので低カロリー(ダイエット)のベークド製品(食パン、ロールパン)を調製するため及び繊維、タンパク質及びミネラル含量の高いダイエット飲料及びシェークを調製するためにも適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
サルビア・スクラレアは種子中に平均25〜30%の油を含有し、油中の総脂肪酸中の最高60%がω−3−リノレン酸である。サルビア・スクラレア系統をヒト及び動物用のダイエタリーサプリメントのため、医薬及び化粧品組成物及び混合物中の活性成分としての使用のため及び産業用のための有力な新規油料作物として試験し、評価した。
【0067】
植物油由来のω−3脂肪酸は、動物源由来の油の欠点を呈することなく上記したすべての健康効果及び美容効果を与えることができる。
【0068】
この植物油の別の重要な面は、ポリ不飽和脂肪酸(すなわち、リノレン酸)の含量が高いために塗装や潤滑用の乾性油としてのその品質である。今まで、植物性乾性油は作物(例えば、アマ種子及びトン樹)から得られている。これらの作物は機械を用いる収穫及び清選に向いていない。
【0069】
サルビア・スクラレア及びサルビア・ヒスパニカの比較分析
【表1】

【0070】
表1から分かるように、サルビア・スクラレア種子のタンパク質及び食物繊維含量はサルビア・ヒスパニカに比して高い。
【表2】

【0071】
表2から分かるように、サルビア・スクラレア種子中のω3:ω6比はサルビア・ヒスパニカ種子中の比よりも高い。更に、サルビア・スクラレア種子中のオレイン酸含量はサルビア・ヒスパニカ種子中よりも有意に高い。
【表3】

【0072】
表3から分かるように、サルビア・スクラレア種子中のカルシウム、カリウム及びセレン含量はRDA推奨量に近い。
【表4】

【0073】
表4から分かるように、サルビア・スクラレア100g中のアミノ酸含量は米国RDA必須アミノ酸含量の50〜160%を供給する。
【実施例1】
【0074】
サルビア・スクラレア種子製品の雌鶏に対する影響
産卵雌鶏にダイエタリーサプリメントとして投与したときのサルビア・スクラレア種子油の毒性並びに雌鶏の体脂肪及び産んだ卵の卵黄中のω−3脂肪酸のレベルを調べるために実験を実施した。
【0075】
サルビア・スクラレア種子油(11kg)を粗粉に微粉砕し、一般的な雌鶏飼料に13.75%w/wの濃度で混合した。サルビア・スクラレア細粉の濃度は15〜17%が適当であるが、この実験にはその量を含めなかった。通常は雌鶏飼料は使用直前に作成するが、サルビア・スクラレア細粉を含有する飼料は実験中貯蔵し、使用した。
【0076】
20羽のヤーコン種雌鶏(8.5月齢)を選択した。実験終了時の雌鶏の数は18羽であった。これは一般的な死亡率と一致している。実験開始時の産卵能力は約80〜90%であった。各雌鶏が目で推定して約120〜130gの飼料を摂取するように雌鶏に1日1〜2回手で給餌した。
【0077】
最初の2日間、雌鶏は飼料を変えたときに見られる典型的な症状を示した。これらの症状はその後消えた。
【0078】
物理的に測定しなかったが、雌鶏が消費する飼料の量にも産卵度にも変化はみられなかった。卵の品質、その大きさ及び破損レベルは測定しなかったが、変化は目視では明らかでなかった。
【0079】
実験開始時(1日目)、10個の卵を選択し、4日間冷蔵した後、その卵黄をプールし、化学分析のために送った。分析を実施するまで卵黄を冷蔵した。卵黄プールの容量は30mlであった。脂肪酸含量、総脂肪及びコレステロールレベルを分析し、結果を下表1に示す。
【0080】
実験の14日目に、更に10個の卵を選択し、そのプールした卵黄を分析のために送った。
【0081】
実験の29日目に、10個の卵黄を再びプールし、分析し、10個の対照卵黄も同様にプールし、分析した。対照卵黄は同様の条件下で育てた雌鶏に属しているが、対照群にはサルビア・スクラレア細粉サプリメントを含有する飼料を与えなかった。
【0082】
実験は34日目に中止した。その後、2羽の雌鶏、すなわち1羽は実験群の雌鶏、もう一羽は対照群の雌鶏を選択した。これらの雌鶏をと殺し、その体脂肪含量を分析した。結果を下表1に示す。
【0083】
この実験では、サルビア・スクラレア種子それ自体の栄養価を考慮していないが、例えばサルビア・スクラレア細粉を含有する飼料は標準の飼料に比して高い油含量を有している。
【0084】
表5を参照すると、卵中に存在しているリノレン酸の含量は劇的に617%増加した。DHA含量も21%増加した。
【0085】
表6を参照すると、サルビア・スクラレア細粉を消費した雌鶏の体脂肪中に存在するリノレン酸含量は劇的に167%増加した。
【0086】
サルビア・スクラレア種子細粉の毒性は観察されなかった。
【0087】
これらの結果から、サルビア・スクラレア種子がω−3脂肪酸の生存源であること及びサルビア・スクラレア種子細粉の消費が消費者中のω−3脂肪酸レベルに対して直接的なプラスの効果を与えることが立証される。従って、サルビア・スクラレア種子細粉または油を含有するダイエタリーサプリメントは栄養的に推奨され、高レベルのω−3脂肪酸が有効であると分かっている動脈硬化症及び他の症状を予防または軽減させるのに使用できるであろう。
【表5】

【表6】

【0088】
分析の栄養−化学スペクトルに基づく一般的な結論は、サルビア・スクラレア種子は殆ど栄養的に完全な食料と見なされ得るとのことである。
【実施例2】
【0089】
ヒトが消費するための食品サプリメントとしてのサルビア・スクラレアに関する計算
上表1〜4に示した分析に従って、1日あたり100gのサルビア・スクラレア種子は、約50% ω−3 ALA、25% オレイン酸を含有し、ω3:ω6比が3.4:1の優れた脂肪酸プロフィールで、必須アミノ酸に関する米国RDAのすべて(ただし、非常に低量のメチオニンを除く)を含む所要タンパク質の約40〜50%及び油脂に関する1日推奨値の約40%(1日食あたり2000カロリーをベースとする)を供給する。
【0090】
1日あたり100gのサルビア・スクラレア種子は2000カロリー食に基づいて食物繊維に関する米国の1日推奨値の75%(英国の推奨値によれば100%)、多くのミネラル(Ca、Mg、Cu、Se、Mn)に関する米国RDAの100%、カリウム(K)及び鉄(Fe)に関する米国RDAの50%、亜鉛(Zn)に関する米国RDAの33%及び1.4mg/100gのホウ素(B)を供給する。
【0091】
サルビア・スクラレア種子はトランス−脂肪酸及びグルテンを含まず、水に自重の約8倍吸収されるので、この種子は低カロリー食、脂肪代替品及び水結合剤として理想的である。
【実施例3】
【0092】
サルビア・スクラレア細粉/粉末の作成
サルビア・スクラレアを細粉に粉砕し、油酸化(酸敗)を防止し且つ製品の貯蔵寿命を延長させるために天然酸化剤と混合し、その後ダイエット用の栄養的にバランスのとれた粉末ドリンクミックス、バー及び低カロリー/低炭水化物のベークド製品中に成分として配合する。
【実施例4】
【0093】
シリアルスネーク及びペーストの製造
サルビア・スクラレアを細粉に粉砕し、全種子と部分的に混合し、天然結合剤及び繊維と共に他の穀粉(例えば、小麦、大麦、大豆またはコーン)を配合し、調理用押出機により朝食シリアル用フレークやスナック用の他の形に押し出し、その後フレーバー及びスパイスを添加し、油をコートし、サルビア・スクラレアω−3に富む植物油と混合した油中で焼いた(または、揚げた)。
【0094】
“調理用押出機”により作成するために、サルビア細粉と他の成分の乾燥混合物を注入ポートを有するバレルの内側に設けた1軸または2軸同軸回転スクリューを用いて高圧下で調理する。調理及び混合プロセス中水及び/または他の液体をバレルに注入する。押し出した生成物を焼くかまたは風乾し、揚げて、その後フレーバーを加える。
【0095】
冷間押出したペースト生成物を調製するには、いろいろな形及び色を有する天然のω−3に富むペーストとする特殊な天然着色剤、生地改善剤、スパイス、フレーバー、繊維等が使用される。
【0096】
押出した生成物はそのまま(更に加工することなく)使用してもよく、または健康志向の乾燥または調理済みミール、朝食シリアル、グラノーラミックス等を調製するために他の成分と混合してもよい。冷間押出し系に対する最新の配合物を用いると、ω−3に富むペーストが(天然着色剤及び酸化防止剤を用いて)いろいろな形及び色で得られる。
【実施例5】
【0097】
低カロリーのベークド製品の調製
サルビア・スクラレア全種子を水、或いは他の適当な液体またはマリナードに浸すことにより予処理し、その後低カロリーの栄養的に強化したベークド製品に調製する。例えば、1実施態様では、一般的なパン100gあたり250カロリーのエネルギーを40%低減させてダイエットパン100gあたり150カロリーとする。同様に、丸パン、ロールパン、ビスケット、ベーグルでもカロリーは実質的に低減される。ω−3に富む低カロリーの強化ベークド製品はファーストフードチェーン(ホットドッグやハンバーバー用丸パン)、サンドイッチ等にも適している。
【0098】
サルビア・スクラレア種子を緩衝されているフレーバー及び天然着色剤を含む溶液中に所望により異なる時間マリネする。温度及びpHを調節する。
【0099】
マリネした種子及びサルビア・スクラレア細粉/粉末をパン生地及び他のパン製品に混合し、焼く。マリネした種子により該種子を含有する製品は低カロリー製品及び低炭水化物製品となる。なぜならば、結合した水マリナードがサルビア・スクラレア繊維と反応して、柔らかいゼリー状混合物を形成するからである。
【実施例6】
【0100】
油の調製
サルビア・スクラレア種子油を種子から抽出し、他の油、植物性タンパク質、水、天然乳化/安定化成分と混合し、その後ホモジナイザーにより均質化し、トランス脂肪酸を含まず、飽和脂肪が非常に少なく、ω−3及びオレイン脂肪酸を多く含むバター−マーガリン様フレーバー入りスプレッドに形成する。
【0101】
サルビア・スクラレア種子油を多段階プレス抽出機によりサルビア種子から抽出する。抽出前に、収率を最大とするために種子を軽く加熱し、湿らす。
【0102】
その後、デカント遠心により余分の水を除去する。ω−3及びオレイン酸に富む油を集め、天然酸化剤と混合し、そのまま瓶に詰めても、他の油(実施例8も参照)と混合してから瓶に詰めても、または他の成分(乳化剤、安定剤、水等)と混合してから真空下で均質化して、ω−3及びオレイン酸含量の高いバター様スプレッド、ベジタリアン用マヨネーズ等を調製する。
【実施例7】
【0103】
ペーストの調製
タンパク質、ω−3油及び可溶性繊維に富むサルビア・スクラレア種子をローストし、独占権を持つ装置により非常に細かいペーストに粉砕する。このペーストは、グレービー、スープ及び多くの東洋及びインド料理(例えば、肉またはベジタリアン用サテ、カレー、ホムス等)を濃化するために使用され得る高栄養価ベースとしてそのまま包装してもよい。
【0104】
別の用途は、ゴマペーストまたは油、水、ニンニク、レモンジュース、スパイス及びハーブと組み合わせて調製されるディップ(例えば、テヒニディップ)を調製することである。
【0105】
ゴマ/コーヒータイプのロースターは、サルビア・スクラレア種子をローストし、温度をコントロールしながら加熱するために使用される。前記種子はその後粉砕し、ω−3に富むテヒニタイプペーストに均質化される。
【実施例8】
【0106】
ω−3に富む油調製物の調製
サルビア・スクラレア全種子を洗浄し、塩、酸調節剤、天然酸化防止剤、天然フレーバー及び天然着色剤を含む水溶液中に浸漬する。浸漬時間は所望の調製物に応じて異なる。浸漬した種子から余分の溶液を十分に排水させる。
【0107】
処理し、排水させた種子を魚油及び天然マリネフレーバー、製品レシピに応じた所望比のω−3 EPA及びDHA脂肪酸と混合する。
【0108】
最終製品をガラス、プラスチックまたは金属パッケージ中に包装し、長い貯蔵寿命を有する貯蔵安定なまたはチルド製品とすべく加工する。これらの製品は実際、サルビア・スクラレア種子のすべての栄養ファクターに加えて植物または海洋源のω−3脂肪酸の全群(ALA、DHA及びEPA)を含む高い栄養価を有するベジタリアンキャビア(魚卵)様製品と言われている。
【0109】
この実施態様では、可変スピードミキサーの多段階装置を用いて浸漬することによりサルビア・スクラレア全種子を処理する。それぞれの浸漬溶液は浸透圧及び酸調節剤並びに天然酸化防止剤、天然フレーバー及び天然着色剤を含む。時間及び温度をコントロールし、溶液処理した種子を低速遠心により脱水する。記載されているように種子を混合した後、(製品のpHに応じて)低温殺菌/滅菌により処理して、貯蔵安定な製品を得る。
【実施例9】
【0110】
魚飼料調製物の調製
サルビア・スクラレア種子を微粉砕し、異なる比率で魚飼料調製物に混合する。
【0111】
この実施態様は、ω−3 α−リノレン酸、ω−6 リノレン酸及びオレイン酸に富むサルビア・スクラレア特殊油の幅広い栄養効果を有する真水または塩水魚を提供する。
【0112】
その後、魚調製物を給餌させる魚の種類に応じて浮きまたは沈みペレットに押し出す。
【0113】
育てた魚はその切り身中に比較的高濃度のω−3脂肪酸を含んでいるであろう。これらの脂肪酸は動物、家禽及び魚類の肉中にDHA(c22:6)の天然合成のための前駆体でもあるALA(c18:3)の濃度によりコントロールされ得る。
【0114】
これらの飼料調製物は典型的なすべての成分を含み、高価値のタンパク質、ミネラル及びω−3油を含有するサルビア(x)粗挽き粉が添加されている。
【実施例10】
【0115】
包装またはカプセル化油の調製
ω−3 ALAに富むサルビア・スクラレア種子油を種子から抽出する。この油をオリーブ油及びモノ不飽和脂肪酸及びω−6脂肪酸に富む他の植物油と混合し、油混合物を酸化から防止し、使用者に対して有効な酸化防止剤(例えば、ビタミンE、ビタミンC等)を与える天然の独占権を持つ酸化防止剤で栄養価を高める。
【0116】
モノ不飽和脂肪酸1/3、ポリ不飽和脂肪酸(ω−3脂肪酸:ω−6脂肪酸の比は1:1)1/3、及び植物または動物源(例えば、パーム油、ヤシ油、バター等)の飽和脂肪酸1/3という推奨される比率を維持するためにモノ不飽和脂肪酸:ω−3脂肪酸+ω−6脂肪酸の比は1:1/2と算出される。すべての脂肪及び油はトランスを含んではならない。
【0117】
1日あたりの全脂肪/油の使用量は60gまたは75g(すなわち、それぞれ2000カロリー/日または2500カロリー/日の食事の27%)と算出される。
【0118】
ω−3 PUFA、すなわちALA、EPA及びDHAの全部を毎日供給するために、1000mgのω−3 DHA、EPA PUFAを含有する魚油約2〜3mg/日を別々にパッケージに封入する。
【0119】
全脂肪酸/油の1日分が、コンパートメント1には流動油ブレンド(サラダ、調理等に使用される)、コンパートメント2にはスプレッド可能な飽和脂肪酸ミックス(クラッカー、パンスライス等にスプレッドして使用される)、コンパートメント3にはω−3 PUFAに富む魚油(サラダ、料理等、または適合するフレバーを有する他の食品と一緒に使用される)を含む3コンパートメントパッケージ中に包装される。
【0120】
魚油をカプセル化してもよい。
【0121】
天然草木性及び他の酸化防止剤を含み、ω−3及びオレイン酸に富む特殊な油を栄養的に推奨される比のω−6:ω−3、モノ不飽和ポリ不飽和及び飽和脂肪酸を与えるようにコンパウンドする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)サルビア・スクラレア(Salvia sclarea)種子、(b)本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油、(c)サルビア・スクラレア種子からの抽出物、(d)サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して形成した細粉または粉末、及び(e)サルビア・スクラレア種子パルプから選択される構成物を活性成分として含む食品サプリメントとして使用するための組成物。
【請求項2】
本質的に、(a)サルビア・スクラレア種子、(b)本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油、(c)サルビア・スクラレア種子からの抽出物、(d)サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して形成した細粉または粉末、及び(e)サルビア・スクラレア種子パルプから選択される構成物から構成される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
更に、消費するのに適した担体をも含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
本質的に純粋な油が(a)サルビア・スクラレア種子を粉砕し、圧搾し、(b)粉砕し、圧搾した種子の油性相を分離し、場合により(c)分離した油性相を精製することにより得られる請求項1(b)に記載の組成物。
【請求項5】
油性相が粉砕し、圧搾した種子を遠心し、上清を回収することにより分離される請求項4(b)に記載の組成物。
【請求項6】
油性相が揮発性溶媒で抽出し、その後溶媒を熱または真空または熱および真空の組み合わせを適用することにより蒸発させることにより分離される請求項4(b)に記載の組成物。
【請求項7】
油が液体COまたは液体窒素を用いて分離される請求項4(b)に記載の組成物。
【請求項8】
(a)サルビア・スクラレア種子、(b)本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油、(c)サルビア・スクラレア種子からの抽出物、(d)サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して形成した細粉または粉末、及び(e)サルビア・スクラレア種子パルプから選択される構成物の食品サプリメントの製造のための使用。
【請求項9】
栄養剤的に許容され得る担体及び活性成分として(a)サルビア・スクラレア種子、(b)本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油、(c)サルビア・スクラレア種子からの抽出物、(d)サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して形成した細粉または粉末、及び(e)サルビア・スクラレア種子パルプサルビア・スクラレア種子油の本質的に純粋な形態から選択される構成物を含む栄養剤組成物。
【請求項10】
治療上有益な効果が少なくとも1つのオメガ−3脂肪酸のレベルの上昇により明白となり得る疾患または障害を治療するための請求項9に記載の栄養剤組成物。
【請求項11】
疾患または障害が関節硬化症、冠動脈疾患、慢性炎症性疾患(例えば、関節リウマチ及びIBD)、糖尿病、ガン、血管手術後の血管の閉塞の予防、乾せんの症状の軽減、皮膚のしわ、うつ病及び情緒異常症から選択される請求項10に記載の栄養剤組成物。
【請求項12】
化粧品上許容され得る担体及び活性成分として本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油を含む化粧品組成物。
【請求項13】
化粧品組成物が皮膚のしわを防ぐためまたは皮膚の健康状態を確保するために設計されている請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
本質的に純粋な形態のサルビア・スクラレア種子油の栄養剤組成物の製造のための使用。
【請求項15】
薬物が治療上有益な効果が少なくとも1つのオメガ−3脂肪酸のレベルの上昇により明白となり得る疾患または障害を治療するためである請求項14に記載の使用。
【請求項16】
疾患または障害が関節硬化症(arthrosclerosis)、冠動脈疾患、慢性炎症性疾患(例えば、関節リウマチ及びIBD)、糖尿病、ガン、血管手術後の血管の閉鎖の予防、乾せんの症状の軽減、皮膚のしわ、うつ病及び情緒異常症から選択される請求項15に記載の使用。
【請求項17】
請求項1に記載の食品サプリメントを含む食品。
【請求項18】
サルビア・スクラレアの種子全体を含み、食品がグラノーラ様シリアル、グラノーラ様スネークバー、雌鳥用飼料、ウシ用飼料、全粒パン、ロールパン、クラッカー及びビスケットから選択される請求項17に記載の食品。
【請求項19】
サルビア・スクラレア種子を粉砕または微粉砕して生じた細粉/粉末を含み、食品がグラノーラ様シリアル、グラノーラ様スネークバー、雌鳥,雌牛または魚用飼料、全粒パン、ロールパン、クラッカー、ビスケット、パスタ及び他のベークド製品;グレービー、スープ、ディップ、ドレッシングや他の調製食品中の濃化剤から選択される請求項17に記載の食品。
【請求項20】
サルビア・スクラレア種子油を含み、食品がオイリーペーストまたはディップ、テヒニ、フムス、ゴマ油またはゴマペースト中の油及びペースト、マーガリン、マーガリン様スプレッド、サラダドレッシング、魚油、キャビア様製品から選択される請求項17に記載の食品。
【請求項21】
サルビア・スクラレアパルプを含み、食品が低カロリーのベークド製品、低カロリーのドリンク及び低カロリーのシェークから選択される請求項17に記載の食品。

【公表番号】特表2007−503827(P2007−503827A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525266(P2006−525266)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000804
【国際公開番号】WO2005/023019
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(500556650)ステート オブ イスラエル ミニストリー オブ アグリカルチャー アグリカルチャー リサーチ オーガニゼーション ザ ボルカニ センター (1)
【出願人】(304042504)ステート オブ イスラエル、ミニストリー オブ アグリカルチャー、 アグリカルチュラル リサーチ オーガナイゼイション (3)
【Fターム(参考)】