説明

流体力を補償する油圧制御システム

機械(10)用の油圧制御システム(28)を開示する。油圧制御システムは、流体を加圧するように構成されるポンプ(38)と、ポンプの押しのけ容積に影響を与えるように構成される押しのけ容積制御弁(58)と、ポンプから加圧流体を受け取り、加圧流体を油圧アクチュエータに選択的に向けるように構成されるツール制御弁(68)とを有することができる。油圧制御システムはまた、押しのけ容積制御弁と通信するコントローラ(34)も有することができる。コントローラを、所望の圧力勾配とは実質的に異なる、ツール制御弁の前後の圧力勾配を確定し、その圧力勾配に基づいて押しのけ容積制御弁の所望の条件を確定し、所望の条件に基づいて押しのけ容積制御弁に加えられる流体力を確定するように構成することができる。コントローラを、さらに、所望の条件および流体力に基づいて押しのけ容積制御弁に向けられるロードセンシング応答信号を生成するように構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、油圧制御システムに関し、特に、流体力を補償する油圧制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、機械アクチュエータに、たとえば可動機械ツールまたはリンク機構に関連するシリンダまたはモータに調整可能な流体流を提供するために、可変容量ポンプが使用される。アクチュエータの要求に基づいて、アクチュエータがツールおよび/またはリンク機構を予測された速度でかつ/または予測された力で移動させるように、ポンプの押しのけ容積を増大させるかまたは低減させる。従来、ポンプの押しのけ容積は、ポンプの押しのけ容積アクチュエータに連結されているロードセンシング、パイロット形の弁によって制御されてきた。
【0003】
状況によっては適切な場合もあるが、パイロット形弁は、応答が遅く不正確である可能性がある。すなわち、弁は、所望の圧力と弁に直接作用している実際の圧力との差により油圧によって移動するため、アクチュエータにおける実際の圧力は、まず、所望の圧力から著しい量低下し、ポンプの押しのけ容積制御弁のいかなる移動も開始する前のある期間、所望の圧力を下回ったままでなければならない。さらに、弁の移動は、おもに弁自体の前後の圧力差によって開始されるため、その弁の移動によって可変条件の下で(たとえば、可変温度および流体粘度の下で)一定の動作を提供することができない。さらに、パイロット形弁は、応答時間が低速であるために状況によっては不安定性を示す可能性があり、その不安定性によりポンプの押しのけ容積制御の精度が低下する。
【0004】
ポンプ押しのけ容積制御を改善しようという試みが、2002年4月23日にDuらに発行された(特許文献1)(‘722特許)に記載されている。特に、‘722特許は、可変容量油圧ポンプを制御する装置について記載している。その装置は、ポンプの斜板の角度を制御するように動作可能な制御サーボと、制御サーボに連結された電気油圧サーボ弁と、吐出圧力センサによって監視されるように、ポンプの吐出圧力に応じてサーボ弁を制御する手段とを有する。負のフィードバックループの原理に作用して、制御サーボは、その実際の位置を検知し、実際の位置を所望の吐出圧力に関連する意図された位置と比較することができる。制御サーボが、意図された位置と実際の位置との差を検出すると、サーボ弁は、意図された位置に達するまで制御サーボの位置を調整するように励磁される。このように、制御サーボの組み込まれた負のフィードバックループにより、斜板角の非常に精密な操作が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,374,722号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
‘722特許の装置は、ポンプ押しのけ容積の精密な調節を増大させるのに役立つことができるが、いくつかの不都合が依然として残っている可能性がある。たとえば、装置は、ポンプの動作中に弁に作用する流体力を考慮しない可能性がある。したがって、押しのけ容積精度および装置の応答時間が依然として所望のものに満たない可能性がある。
【0007】
開示する油圧制御システムは、上述した不都合および/または従来のシステムの他の問題のうちの1つまたは複数を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本開示は、油圧制御システムに関する。本油圧制御システムは、流体を加圧するように構成されるポンプと、ポンプの押しのけ容積に影響を与えるように構成される押しのけ容積制御弁と、ポンプから加圧流体を受け取り、加圧流体を油圧アクチュエータに選択的に向けるように構成されるツール制御弁とを有することができる。本油圧制御システムはまた、押しのけ容積制御弁と通信するコントローラも有することができる。コントローラを、所望の圧力勾配とは実質的に異なる、ツール制御弁の前後の圧力勾配を確定し、圧力勾配に基づいて押しのけ容積制御弁の所望の条件を確定し、所望の条件に基づいて押しのけ容積制御弁に加えられる流体力を確定するように構成することができる。コントローラを、さらに、所望の条件および流体力に基づいて押しのけ容積制御弁に向けられるロードセンシング応答信号を生成するように構成することができる。
【0009】
別の態様では、本開示は、ポンプからの流体流を制御する方法に関する。本方法は、油圧ツール作動からもたらされる望ましくない圧力勾配を検知するステップと、望ましくない圧力勾配に基づいてポンプの押しのけ容積の所望の変化の割合を確定するステップと、ポンプの押しのけ容積の所望の変化の割合の実現に影響を与える流体力を確定するステップとを含むことができる。本方法は、さらに、流体力に対応するポンプの押しのけ容積の所望の変化の割合を実現するようにロードセンシング応答信号を生成するステップを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】例示的な開示する機械の絵図である。
【図2】図1の機械で使用することができる例示的な開示する油圧制御システムの概略図である。
【図3】図2の油圧制御システムで使用することができる例示的な開示する制御弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に、機械10の例示的な実施形態を示す。機械10は、特定の産業に関連する動作を実行することができる可動機械または定置形機械であり得る。たとえば、機械10を、図1では、建設業で用いられるフロントローダとして構成されるように示す。しかしながら、機械10を、輸送、採鉱、農業、または当業者に既知である他の任意の産業等の他のさまざまな産業での多くの種々の応用に適応させることができることが考えられる。機械10は、作業ツール14を移動させるように構成される器具システム12と、器具システム12に動力を提供する動力源16と、器具システム12の手動および/または自動制御のためのオペレータステーション18とを有することができる。
【0012】
器具システム12は、1つまたは複数の流体アクチュエータが作業ツール14を移動させるために作用するリンク機構構造を有することができる。開示する例では、器具システム12は、1つまたは複数の油圧アクチュエータ26(図1には1つしか示さず)、たとえば1つまたは複数のシリンダおよび/またはモータによって、作業面23に対して水平軸22を中心に垂直に枢動するブーム部材20を有している。ブーム部材20を、油圧アクチュエータ26の起動(たとえば伸長および/または後退)が作業ツール14を所望の方法で移動させるように機能するように、作業ツール14に連結することができる。器具システム12は、望ましい場合、図1に示すものとは異なるかつ/または追加のリンク機構部材および/または油圧アクチュエータを有することができることが考えられる。
【0013】
作業ツール14は、たとえばバケット、フォーク、ドリル、牽引装置(たとえばホイール)、または当業者には明らかである他の任意の器具等、多種多様の種々の器具を有することができる。作業ツール14の移動に対し、オペレータステーション18から手動でかつ/または自動的に制御することができる油圧アクチュエータ26によって影響を及ぼすことができる。
【0014】
オペレータステーション18を、所望の作業ツールの移動を示す入力を機械オペレータから受け取るように構成することができる。特に、オペレータステーション18は、オペレータシートに近接して位置する単軸または多軸ジョイスティックとして具現化される、1つまたは複数のオペレータインタフェース装置24を有することができる。オペレータインタフェース装置24は、所望の作業ツール速度および/または力を示す作業ツール位置信号を生成することにより、作業ツール14を位置決めし、方向付けかつ/または起動するように構成される比例形コントローラであり得る。いくつかの例では、オペレータインタフェース装置24からの信号を用いて、油圧アクチュエータ26内の流体の流量、流れ方向および/または圧力を調節することができ、それにより、作業ツール14の速度、移動方向および/または力が制御される。たとえば、ホイール、ノブ、プッシュ・プル装置、スイッチ、ペダル、および当該技術分野において既知である他のオペレータインタフェース装置等、種々のオペレータインタフェース装置を、別法としてまたはさらにオペレータステーション18に含めることができることが考えられる。
【0015】
図2を参照すると、動力源16を、油圧アクチュエータ26の起動を調節する油圧制御システム28に関連付けることができる。動力源16を、シャフト30によって油圧制御システム28に実質的に一定の動力(トルクおよび/または回転速度)を提供するように構成することができる。別法として、動力源16を、ギア、ベルト、チェーン、電気回路等のさまざまな他の方法を用いて、または当該技術分野において既知である他の任意の方法により、油圧制御システム28に動力を供給するように連結することができる。
【0016】
油圧制御システム28は、油圧回路32と、油圧回路32を通る流体流を制御するように位置しているコントローラ34とを有することができる。油圧回路32を、それ自体、油圧制御システム28内において加圧流体流を方向付けるように用いられるさまざまな流体構成要素から構成することができる。たとえば、油圧回路32は、油圧流体の供給源36と、油圧流体を加圧するように動力源16によって駆動されるポンプ38と、加圧流体を利用して作業ツール14(図1を参照)を移動させる油圧アクチュエータ26とを有することができる。コントローラ34は、ポンプ38、油圧アクチュエータ26および/または動力源16と通信して、オペレータインタフェース装置24からの信号に従って作業ツール14を選択的に移動させることができる。
【0017】
ポンプ38は、概して、押しのけ容積制御装置40を有する可変容量ポンプを具現化することができる。一例では、ポンプ38は、通路42を介して供給源36から流体を引き出し、流体を供給通路44に上昇した圧力で吐出するようにすることができる複数のピストン(図示せず)を備えたアキシャルピストン型ポンプであり得る。この例では、押しのけ容積制御装置40を斜板とすることができ、その上をピストンが摺動する。ピストンが斜板に対して回転すると、斜板の傾斜角αによって、ピストンがそれらの内腔の中で往復運動し、上述した圧送作用をもたらすことができる。このように、押しのけ容積制御装置40の傾斜角αを、各ピストンの押しのけ容積量に、後にポンプ38の総押しのけ容積に直接関連付けることができる。
【0018】
傾斜角αに影響を与えるように、押しのけ容積制御装置40にチルトアクチュエータ46を関連付けることができる。一例では、チルトアクチュエータ46は、ピストンアセンブリ52によって第2チャンバ50から分離される第1チャンバ48を有する、油圧シリンダであり得る。第1チャンバ48を、第1チャンバ通路54を介して供給通路44の吐出圧力に連続的に連通させることができ、第2チャンバ50を、吐出圧力にかつ第2チャンバ通路56を介して供給源36のより低い圧力に選択的に連通させることができる。
【0019】
ピストンアセンブリ52を、押しのけ容積制御装置40に機械的に連結することにより、第1チャンバ48および第2チャンバ50内の流体圧力によってもたらされる、ピストンアセンブリ52の前後の力差に応じて、押しのけ容積制御装置40を移動させることができる。たとえば、第2チャンバ50から流体が排出される(すなわち、第2チャンバ50が供給源36のより低い圧力に流体連通する)際、ピストンアセンブリ52を後退させ、それにより傾斜角αを増大させることができる。対照的に、第2チャンバ50に加圧流体が充填される(すなわち、第2チャンバ50が供給通路44の吐出圧力に流体連通する)際、ピストンアセンブリ52を伸長させ、それにより傾斜角αを低減させることができる。この構造では、第2チャンバ50内の流体の量を、押しのけ容積制御装置40の位置に関連付けることができ、第2チャンバ50に入りかつそこから出る流体流の流量を、押しのけ容積制御装置40の速度に、したがってポンプ38の押しのけ容積変化の割合に関連付けることができる。ピストンアセンブリ52の後退および伸長に対する第1チャンバ48および第2チャンバ50の充填および排出の上記説明を、望ましい場合は逆にすることができることが考えられる。さらに、望ましい場合は、ピストンアセンブリ52および/または押しのけ容積制御装置40を、特定の押しのけ容積位置に向かって、たとえば最小または最大押しのけ容積位置に向かってばね付勢することができることが考えられる。
【0020】
第2チャンバ50へのかつそこからの流体流を制御するために、押しのけ容積制御弁58を、供給通路44に、第2チャンバ通路56に、かつ排出通路60を介して供給源36に連通するように位置付けることができる。押しのけ容積制御弁58は、たとえば比例形ソレノイド弁を含む種々のタイプの制御弁のうちの1つであり得る。図2および図3に示すように、押しのけ容積制御弁58は、弁要素62を有することができ、それは、本体63内に摺動可能に配置され、ソレノイド66により3つの別個の動作位置の間の任意の位置までばね64の付勢に抗して移動可能である。ソレノイド66を、コントローラ34により、弁要素62を任意の所望の位置まで移動させるように選択的に励磁することができる。
【0021】
図3に示す一実施形態では、弁要素62は、第1環状凹部67を第2環状凹部69から分離する少なくとも1つのランド部65を有するスプールであり得る。第1環状凹部67を、排出通路60と連続的に流体連通させることができ、第2環状凹部69は、供給通路44と連続的に流体連通させることができる。(図2に示す)第1位置では、ランド部65は、第2環状凹部69を介して供給通路44と第2チャンバ通路56との間で、かつ第1環状凹部67を介して第2チャンバ通路56と排出通路60との間で流体流を実質的に遮断することができる。第1位置では、傾斜角αのいかなる調整も行われる可能性がない(すなわち、ピストンアセンブリ52を、押しのけ容積制御装置40を移動させないように実質的に油圧式に係止することができる)。図2に示す第1位置から、ソレノイド66を、弁要素62を右に直線状に並進させて第2位置(図示せず)に到達させるように選択的に励磁することができる。第2位置では、弁要素62の第1環状凹部67は、第2チャンバ通路56を排出通路60に連結することができ、それにより、流体は、第2チャンバ50から供給源36まで流れることができ、第2チャンバ50を有効に減圧する。この位置で、第1チャンバ48内の高圧流体により、ピストンアセンブリ52を後退させ、それにより、押しのけ容積制御装置40の傾斜角αを増大させることができる。図2に示す第1位置から、ソレノイド66を、弁要素62を左に移動させて第3位置(図3に示す)に到達させるように選択的に励磁することができる。第3位置では、第2環状凹部69は、第2チャンバ通路56を供給通路44に連結することができ、それにより吐出流体がポンプ38から第2チャンバ50に流れることができ、第2チャンバ50を有効に加圧する。この位置で、第2チャンバ50内の高圧流体は、ピストンアセンブリ52上のより広い有効シリンダ面積と結合されて、ピストンアセンブリ52を伸長させ、それにより押しのけ容積制御装置40の傾斜角αを低減させることができる。弁要素62が、第1位置と第2位置との間の位置まで、または第1位置と第3位置との間の位置まで移動した時、ピストンアセンブリ52は、傾斜角αを増大または低減するように依然として移動することができるが、それを、弁要素62の位置に比例する速度で行うことができる。すなわち、第1環状凹部67および/または第2環状凹部69を流れる流体は、対応する環状凹部67、69の有効な弁面積Avalveに比例する速度で流れることができる。本明細書で使用するAvalveは、特に、流体が押しのけ容積制御弁58内で通過する最小面積を指すものとする。
【0022】
再び図2を参照すると、ポンプ38から吐出される加圧流体を、ツール制御弁68によって油圧アクチュエータ26を移動させるように選択的に向けることができる。特に、ツール制御弁68を、通路44内の油圧アクチュエータ26の上流に配置することができる。また、チルトアクチュエータ46と同様に、油圧アクチュエータ26は、各々、第1チャンバ70および第2チャンバ72を有することができる。一実施形態では、第1チャンバ70および第2チャンバ72を、ピストンアセンブリ74によって分離することができる。代替実施形態では、第1チャンバ70および第2チャンバ72を、インペラまたは他の既知の動力変換装置によって分離することができる。ピストンアセンブリ72(または異なる動力変換装置)の移動に影響を与えるように、ツール制御弁68により、選択的に、第1チャンバ70および第2チャンバ72に流体を供給するかまたはそこから流体を排出することができる。たとえば、第1チャンバ70に加圧流体が充填され、第2チャンバ72から流体が排出される場合、ピストンアセンブリ74を、ブーム部材20(図1を参照)を下降させるように後退させることができる。対照的に、第1チャンバ70から加圧流体が排出され、第2チャンバ72に加圧流体が充填される場合、ピストンアセンブリ74は、ブーム部材20を上昇させるように伸長することができる。第1チャンバ70および第2チャンバ72に対し充填および排出を行うために、ツール制御弁68は、第1チャンバ通路76および第2チャンバ通路78を、通路44を介してポンプ38の吐出口に、かつ排出通路80を介して供給源36に選択的に連結することができる。
【0023】
ツール制御弁68は、たとえば比例形ソレノイド弁を含む種々のタイプの制御弁のうちの1つであり得る。すなわち、ツール制御弁68は、ソレノイド86によって3つの別個の動作位置の間の任意の位置までばね84の付勢に抗して移動可能な弁要素82、たとえばスプールを有することができる。一実施形態では、ソレノイド86を、ばね88によって弁要素82に動作可能に連結することができ、コントローラ34により弁要素82を任意の所望の位置まで移動させるように選択的に励磁することができる。
【0024】
第1位置(図示せず)では、ツール制御弁68は、第1チャンバ70および第2チャンバ72に入るかまたはそこから出るすべての流体流を実質的に遮断することができる。第1位置では、ブーム部材20のいかなる移動も発生する可能性がない(すなわち、ピストンアセンブリ74を、ブーム部材20が移動しないように油圧により係止することができる)。第1位置から、ソレノイド86を、弁要素82を右に移動させて第2位置(図2に示す)に到達するように選択的に励磁することができる。第2位置では、ツール制御弁68は、第1チャンバ70を第1チャンバ通路76によって供給通路44に、かつ第2チャンバ72を第2チャンバ通路78および排出通路80によって供給源36に連結することができる。第2位置では、第1チャンバ70に、ポンプ38から吐出される加圧流体を充填することができ、一方で、流体は第2チャンバ72から供給源36に排出される。この同時の第1チャンバ70の充填および第2チャンバ72の排出により、ピストンアセンブリ74を後退させることができる。第1位置から、ソレノイド86を、弁要素82を左に移動させて第3位置(図示せず)に到達するように選択的に励磁することができる。第3位置では、ツール制御弁68は、第1チャンバ70を排出通路80に、かつ第2チャンバ72を供給通路44に連結することができる。第3位置では、第2チャンバ72にポンプ38から加圧流体を充填することができ、一方で流体は第1チャンバ70から排出される。この同時の第1チャンバ70の排出および第2チャンバ72の充填により、ピストンアセンブリ74を伸長させることができる。弁要素82が、第1位置と第2位置との間の位置まで、または第1位置と第3位置との間の位置まで移動する時、ピストンアセンブリ74は、依然としてブーム部材20を上昇させるかまたは下降させるように移動することができるが、それを、弁要素82の位置に比例する速度で行うことができる。弁要素82が第1位置、第2位置および第3位置の間で移動する際(かつ油圧アクチュエータ26が異なる速度および圧力で流体を消費する際)、ツール制御弁68の前後の圧力勾配ΔP68が変化する可能性がある。
【0025】
油圧アクチュエータ26およびチルトアクチュエータ46の移動に対する精密な制御を容易にするために、コントローラ34に1つまたは複数のセンサを関連付けることができる。特に、ポンプ38の吐出圧力、たとえば供給通路44内のツール制御弁68の上流における流体の圧力を監視するように、第1センサ90を配置することができる。第1チャンバ70内の流体の圧力、たとえば第1チャンバ通路76内の流体の圧力を監視するように、第2センサ92を配置することができる。第2チャンバ72内の流体の圧力、たとえば第2チャンバ通路78内の流体の圧力を監視するように第3センサ94を同様に配置することができる。センサ90〜94を、監視された圧力を示す信号を生成し、これら信号をコントローラ34に送出するように構成することができる。
【0026】
後により詳細に説明するように、センサ90〜94からかつ/またはオペレータインタフェース装置24からの入力に応じて、コントローラ34は、チルトアクチュエータ46および/または油圧アクチュエータ26の移動に影響を与えるように制御弁58および/または68の動作を調整することができる。コントローラ34は、油圧制御システム28の構成要素を制御しかつ作動させる手段を含む、単一のマイクロプロセッサまたは複数のマイクロプロセッサを具現化することができる。多数の市販のマイクロプロセッサを、コントローラ34の機能を実行するように構成することができる。コントローラ34は、多数の機械機能を制御することができる汎用マイクロプロセッサを容易に具現化することができることが理解されるべきである。コントローラ34は、メモリ、補助記憶装置、プロセッサ、およびアプリケーションを実行する他の任意のコンポーネントを有することができる。電源回路、信号調整回路、ソレノイドドライバ回路および他のタイプの回路等、さまざまな他の回路をコントローラ34に関連付けることができる。
【0027】
さまざまなシステムパラメータを関連付ける1つまたは複数のマップを、コントローラ34のメモリに格納することができる。これらマップの各々は、表、グラフ、式の形態および/または別の好適な形態でデータの集まりを含むことができる。マップを、コントローラ34が自動的にまたはオペレータが手動で、油圧制御システム28の動作に影響を与えるように選択しかつ/または変更することができる。
【0028】
コントローラ34は、センサ90〜94から受け取る信号に基づいて、押しのけ容積制御弁58の動作を調節して実質的に一定のΔP68を維持することができる。特に、コントローラ34は、圧力センサ90〜94から信号を受け取りそれらを比較することによりΔP68を確定する(すなわち、供給通路44内のポンプ吐出圧力と第1チャンバ通路76および第2チャンバ通路78内の圧力の高い方との圧力差を確定する)ことができる。また、コントローラ34は、ΔP68が所定値にほぼ等しくない(すなわち、所望の圧力勾配の大きさの範囲内でない)と確定した場合、ΔP68を補正するように機能する押しのけ容積制御弁58に向けられたロードセンシング応答信号を生成することができる。
【0029】
コントローラ34からのロードセンシング応答信号により、ソレノイド66を、弁要素62を所望の位置に移動させるように選択的に励磁することができ、それにより、チルトアクチュエータ46が押しのけ容積制御装置40の傾斜角αを調整する。たとえば、ΔP68が予測より低い場合、コントローラ34は、ソレノイド66に対し弁要素62を第2位置に向かって移動させるロードセンシング応答信号を発行する(すなわち命令を発行するかまたは電流を送出する)ことができ、それにより、チルトアクチュエータ46のピストンアセンブリ52を後退させ傾斜角αを増大させ、したがってポンプ38の押しのけ容積を増大させる。対照的に、ΔP68が予測より高い場合、コントローラ34は、ソレノイド66に対し弁要素62を第3位置に向かって移動させるロードセンシング応答信号を発行することができ、それにより、チルトアクチュエータ46のピストンアセンブリ52を伸長させて傾斜角αを低減させ、したがってポンプ38の押しのけ容積を低減させる。このように、実質的に一定のΔP68を維持することができ、それにより、油圧アクチュエータ26の安定しかつ応答性の高い動作をもたらすことができる。
【0030】
ロードセンシング応答信号を、コントローラ34が、メモリに格納されたマップを参照しかつセンサ90〜94からの入力に基づいて、計算し/確定し/推定することができる。特に、コントローラ34を、まず、ΔP68および所望の一定圧力勾配に基づいてポンプ38からの流体(すなわちポンプ38の押しのけ容積)の所望の変化の割合を確定するように構成することができる。一例では、ポンプ38の押しのけ容積の所望の変化の割合を、コントローラ34のメモリに格納されたマップに対して、ΔP68を直接参照することより、またはΔP68と所望の一定の圧力勾配との差を参照することより、確定することができる。別の例では、油圧制御システム28の特定の動作状態、たとえばポンプ38の回転速度をΔP68とともに用いることにより、ポンプ38の押しのけ容積の所望の変化の割合を確定することができる。
【0031】
既知の機械的連結および/または押しのけ容積制御装置40の移動とポンプ38内の個々のピストンの変位変化との関係により、かつチルトアクチュエータ46の移動と結果としての押しのけ容積制御装置40の傾斜角αとの既知の機械的連結および/または関係により、ポンプ38の押しのけ容積の所望の変化の割合を、チルトアクチュエータ46の所望の速度Vに直接関連付けることができる。また、当該技術分野において一般に既知であるように、(たとえばチルトアクチュエータ46)のシリンダの速度(すなわち伸長または後退速度)は、そのシリンダ内への流体の流量
【0032】
【数1】

【0033】
を、流体が作用する有効面積Acylによって除算した値にほぼ等しい可能性がある。さらに、上述したように、所望の速度を、コントローラ34のメモリ内に格納されたマップを参照して確定することができ、かつピストンアセンブリ52の有効面積を既知とすることができるため、所望の速度でチルトアクチュエータ46を移動させるために必要な(すなわち、ポンプ3の押しのけ容積の所望の変化の割合をもたらすために必要な)流体の流量を、以下の式1に従って計算することができる。
式1
【0034】
【数2】

【0035】
式中、
【0036】
【数3】

【0037】
は、チルトアクチュエータ46への流体の必要な流量であり、
Vは、コントローラ34のマップから確定されたピストンアセンブリ52の所望の速度であり、
cylは、ピストンアセンブリ52の既知の有効面積である。
【0038】
押しのけ容積制御弁58の第1環状凹部67および/または第2環状凹部69内を流れる流体は、対応する環状凹部の有効弁面積Avalveに比例する速度で流れることができると考えられる。したがって、ポンプ38に対し上記式1を介してΔP68に適切に応答させるように、チルトアクチュエータ46に入らなければならない流体の流量を確定して、コントローラ34を、その流量を提供するために押しのけ容積制御弁58をいかに動作させなければならないかを確定するように構成することができる。特に、コントローラ34を、一般に知られているオリフィス式、すなわち以下の式2に基づいて、押しのけ容積制御弁58に必要な有効面積Avalveを確定するように構成することができる。
式2
【0039】
【数4】

【0040】
式中、Avalveは、押しのけ容積制御弁58の有効面積であり、
【0041】
【数5】

【0042】
は、上記式1から確定された、チルトアクチュエータ46内に入りかつ押しのけ容積制御弁58を流れる流体の必要な流量であり、
dは吐出係数であり、
ρは押しのけ容積制御弁58を流れる流体の密度であり、
ΔP58は押しのけ容積制御弁58の前後の圧力勾配である。
【0043】
吐出係数Cdを用いて、流体流の適切な粘度および乱流効果を近似することができ、それは、約0.5〜0.9の範囲内であり、一実施形態では、より詳細には約0.62であり得る。吐出係数Cd、押しのけ容積制御弁58の前後の圧力勾配ΔP58および流体密度ρはすべて実質的に一定であり得るため、Avalveを容易に計算することができる。しかしながら、この例ではΔP58およびρを実質的に一定であると想定することができるため、望ましい場合は、測定値および/または変数値を利用して、弁制御精度を向上させることができることが考えられる。
【0044】
valveを計算すると、コントローラ34は、Avalveをもたらすために弁要素62をばね64の付勢に抗して距離xだけ移動させるためにソレノイド66が必要とする力fkを確定することができる。特に、コントローラ34は、メモリに、Avalveの既知の値をxに関連付けるマップ(たとえば押しのけ容積対面積曲線)を格納していることが可能である。また、周知のばね力の式、すなわち以下の式3に従って、コントローラ34を、fkを計算するように構成することができる。
式3
k=x・k
【0045】
式中、
kは、弁要素62をばね64の付勢に抗して距離xだけ移動させるためにソレノイド66が必要とする力であり、
xは、Avalveを生成するために必要な距離であり、
kはばね64のばね定数である。
【0046】
流体が押しのけ容積制御弁58内を移動する際、流体自体の慣性、乱流および/または粘度が弁要素62に力を加える可能性があり、Avalveに対する制御の精度を向上させるためにその力を考慮するべきである。弁要素62に作用している流体力を、以下に提供する式4を用いて推定することができる。
式4
f=2・Cd・Avalve・ΔP58・cos(φ)
【0047】
式中、
fは流体力であり、
dは吐出係数であり、
valveは押しのけ容積制御弁58の有効面積であり、
ΔP58は、押しのけ容積制御弁58の前後の圧力勾配であり、
φはAvalveからの流体流出角度である。
【0048】
流出角φは変化する可能性があるが、一例では、φを、研究室試験に基づいて一定であると想定することができ、それを用いて、Avalveから出る流体力の軌道を近似することができる。ΔP58、Avalve、φおよびCdは既知の値であり得るため、ffを計算し、後に押しのけ容積制御弁58の移動中に補償することができる。特に、ソレノイド66が提供しなければならない弁要素62に作用する力のすべてを、以下の式5に従って加算によって確定することができる。
式5
s=fk+ff
【0049】
式中、
sはソレノイド66に必要な全力であり、
kは、弁要素62をばね64の付勢に抗して距離xだけ移動させるためにソレノイド66が必要とする力であり、
fは流体力である。
【0050】
したがって、望ましくない値を有するΔP68に応じてコントローラ34からソレノイド66に向けられたロードセンシング応答信号は、Fsに関連する命令成分を含むことができる。一実施形態では、コントローラ34は、メモリに格納されたマップ(たとえばソレノイド66に対する力対電流曲線)に対する参照に基づいて、Fsをもたらすように十分にソレノイド66を励磁するために必要な電流を確定することができる。また、コントローラ34を、ΔP68に応じてソレノイド66にこの電流を向けるように構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
開示した油圧制御システムは、ポンプ出力のコストおよび精密な調節が考慮事項であるあらゆる機械で応用される可能性がある。開示した解決法は、特に、油圧ツールシステム、特に可動機械に搭載されて使用される油圧ツールシステムにおいて応用される。しかしながら、当業者は、開示した油圧制御システムを、油圧作動式ツールに関連してもしなくてもよい他の機械に関連して利用することができる。
【0052】
油圧制御システム28の動作中、機械オペレータは、オペレータインタフェース装置24(図1を参照)を操作して、作業ツール14の移動を命令することができる。機械オペレータがオペレータインタフェース装置24を操作すると、オペレータインタフェース装置24の変位位置に比例する信号を生成することができる。この信号を、コントローラ34が受け取ることができ、ツール制御弁68に向けられる1つまたは複数の応答命令に変換することができ、それら命令によって弁要素82がその3つの位置の間で移動する。
【0053】
加圧流体がツール制御弁68内を通りかつ第1チャンバ70および第2チャンバ72のうちの一方の中に流れ込む際、対応する第1チャンバ通路76および第2チャンバ通路78の圧力が変化する可能性がある。コントローラ34は、圧力センサ90〜94から受け取る信号を利用することにより、ツール制御弁68の前後の圧力勾配(ΔP68)を確定することができる。コントローラ34は、ΔP68を所定値と(すなわち所望の圧力勾配と)比較して、対応するロードセンシング応答信号を生成することができる。
【0054】
ロードセンシング応答信号により、出力を変更するためにポンプ38の押しのけ容積に対する必要な調整をもたらすことができる。たとえば、圧力勾配ΔP68が低すぎる場合、ロードセンシング応答信号により、ポンプ38の押しのけ容積を増大させることができる。逆に、圧力勾配ΔP68が高すぎると確定された場合、ロードセンシング応答信号により、ポンプ38の押しのけ容積を低減させることができる。
【0055】
上述したように、コントローラ34は、式1〜5に基づいてロードセンシング応答信号を計算し/推定し/確定し/生成することができる。特に、コントローラ34は、まずΔP68を、ポンプ38からの流体(すなわちポンプ38の押しのけ容積)の所望の変化の割合に関連付けることができる。そして、このポンプ押しのけ容積の所望の変化の割合をチルトアクチュエータ46の所望の速度(V)と関連付けることができ、そこから、押しのけ容積制御弁58を流れる流体の所望の流量
【0056】
【数6】

【0057】
を、式1に従って計算することができる。
【0058】
【数7】

【0059】
と押しのけ容積制御弁58の前後の想定された一定の圧力勾配(ΔP68)とに基づき、式2に従って、押しのけ容積制御弁58の対応する有効面積(Avalve)を計算することができる。Avalveを弁要素62の直線並進(x)に関連付けた後、x(fk)によってもたらされるばね64の付勢を打ち勝つためにソレノイド66が必要とする力を、式3に従って計算することができる。さらに、式4に従ってAvalve、ΔP68およびにAvalveおける流体の想定された一定の流出角(φ)に基づいて、押しのけ容積制御弁58を流れる流体流に関連する力に打ち勝つためにソレノイド66が必要とする力(ff)を計算することができる。そして、式5に従って、ソレノイド66が必要とする全力(Fs)を計算することができ、ロードセンシング応答信号の対応する命令成分を送出して、ソレノイド66を励磁することができる。
【0060】
明らかとなるように、説明した方法および装置は、移動している流体によってもたらされる流体力をすることにより、ポンプ押しのけ容積の制御における精度を提供することができる。流体力補償は、定圧油圧システムにおける反応性が高くかつ予測可能な作業ツールの作動を可能とするのに役立つことができる。さらに、流体力補償は、他のシステムで用いられる位置補正サーボ機構を不要とするのに役立つことができる。サーボ機構に対する必要を低減することにより、説明したシステムは、位置補正に関する誤りを低減し、ポンプ応答を向上させ、不安定性およびコストと低減することができる。
【0061】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示した油圧制御システムに対してさまざまな変更および変形を行うことができることが、当業者には明らかとなろう。開示した油圧制御システムの他の実施形態は、本明細書に開示した仕様および実施を考慮することにより、当業者には明らかとなろう。仕様および例は単に例示するものとして考慮されるべきであり、真の範囲は以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧制御システム(28)であって、
流体を加圧するように構成されるポンプ(38)と、
ポンプの押しのけ容積に影響を与えるように構成される押しのけ容積制御弁(58)と、
ポンプから加圧流体を受け取り、加圧流体を油圧アクチュエータに選択的に向けるように構成されるツール制御弁(68)と、
押しのけ容積制御弁と通信するコントローラ(34)であって、
所望の圧力勾配とは実質的に異なる、ツール制御弁の前後の圧力勾配を確定し、
圧力勾配に基づいて押しのけ容積制御弁の所望の条件を確定し、
所望の条件に基づいて押しのけ容積制御弁に加えられる流体力を確定し、
所望の条件および流体力に基づいて押しのけ容積制御弁に向けられるロードセンシング応答信号を生成する
ように構成されているコントローラ(34)と、
を具備する油圧制御システム。
【請求項2】
所望の条件が、押しのけ容積制御弁を流れる所望の流体流を提供する有効面積であり、流体力が、有効面積を流れる所望の流体流の結果である、請求項1に記載の油圧制御システム。
【請求項3】
押しのけ容積制御弁が、弁要素(62)と、弁要素を付勢するように構成されるばね(64)とを有し、
コントローラが、さらに、有効面積を提供する弁要素の直線並進を確定し、かつ直線並進の結果としてばねが弁要素に加える力を確定するように構成される、請求項2に記載の油圧制御システム。
【請求項4】
押しのけ容積制御弁が、弁要素を移動させるように構成されるソレノイド(66)をさらに有し、
ロードセンシング応答信号が、ばねによって加えられる力および流体力に打ち勝つためにソレノイドが必要とする力の大きさを示す、請求項3に記載の油圧制御システム。
【請求項5】
有効面積が、一定であると想定される、押しのけ容積制御弁の前後の圧力勾配に基づいて計算される、請求項2に記載の油圧制御システム。
【請求項6】
ツール制御弁の両端の圧量勾配を測定する、ツール制御弁に関連する、少なくとも1つの圧力センサ(90〜94)をさらに有する、請求項5に記載の油圧制御システム。
【請求項7】
ポンプの押しのけ容積を変化させるように移動可能な押しのけ容積制御装置(40)と、
押しのけ容積制御装置を移動させるように構成されるチルトアクチュエータ(46)と、
をさらに有し、
押しのけ容積制御弁が、チルトアクチュエータを起動するように流体連結され、所望の条件が、チルトアクチュエータの所望の速度をもたらす、押しのけ容積制御弁を流れる所望の流体流に関連する、請求項1に記載の油圧制御システム。
【請求項8】
ポンプ(38)からの流体流を制御する方法であって、
油圧ツール作動からもたらされる望ましくない圧力勾配を検知するステップと、
望ましくない圧力勾配に基づいてポンプの押しのけ容積の所望の変化の割合を確定するステップと、
ポンプの押しのけ容積の所望の変化の割合の実現に影響を与える流体力を確定するステップと、
流体力に対応するポンプの押しのけ容積の所望の変化の割合を実現するようにロードセンシング応答信号を生成するステップと、
を含む方法。
【請求項9】
ポンプの押しのけ容積の所望の変化の割合が、ポンプの押しのけ容積を調整するために所望の流体流を提供する有効弁面積に関連し、
流体力が、有効弁面積を流れる所望の流体流の結果であり、
流体力を確定するステップが、有効弁面積と、有効弁面積からの流体流出の角度とに基づいて流体力を確定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
機械(10)であって、
動力源(16)と、
ツール(14)と、
ツールを移動させるように構成される油圧アクチュエータ(26)と、
油圧アクチュエータを起動するために動力源によって駆動される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の油圧制御システム(28)と、
を具備する機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−513575(P2012−513575A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543602(P2011−543602)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/068749
【国際公開番号】WO2010/075216
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(391020193)キャタピラー インコーポレイテッド (296)
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
【Fターム(参考)】