説明

流体識別装置

【課題】熱式センサーを用いた流体識別の際に、外部振動等によって流体タンク内の被識別流体が揺れた場合であっても、誤差が生じず、精度良く流体識別することができる流体識別装置を提供する。
【解決手段】前記被識別流体と接触するセンシング部を有する流体識別センサーと、センシング部を囲繞するように包囲する内カバーと、内カバーを囲繞するように包囲する少なくとも1層の外カバーとを備え、内カバーには、内カバーの内部と外部において被識別流体の交換が可能となる流体流入出孔が少なくとも2箇所以上設けられているとともに、外カバーには、外カバーの内部と外部において被識別流体の交換が可能となる流体流入出孔が少なくとも2箇所以上設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油などの炭化水素系液体、エタノール、メタノールなどのアルコール系液体、尿素水溶液などの液体、気体、粉粒体などの流体の識別、例えば、被識別流体の流体種識別、濃度識別、流体の有無識別、流体の温度識別などを行う流体識別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の内燃エンジンは、使用する燃料を想定して、その燃料を使用した場合に最適に動作するように設計されている。例えば、ディーゼルエンジンであれば、軽油を燃料として最適動作するように設計されているが、軽油以外の燃料、例えば、灯油や重油などの様々な液体燃料を使用した場合であっても動作は可能である。
【0003】
このため、建機や重機などのディーゼルエンジンを動作させる際に、特に、灯油や重油などの軽油に比べ比較的安価な液体燃料をそのまま使用したり、軽油に混ぜて使用することが行われることがある。
【0004】
しかしながら、軽油に比べ潤滑性(粘性)の低い灯油を混ぜて使用した場合には、ディーゼルエンジンの一部を摩耗させてしまう原因となり、長期にわたって使用した場合にはエンジンの故障が発生してしまう。
【0005】
このため、従来から燃料タンク内の燃料の種別を識別するための手段が用いられている。例えば、特許文献1(特開2004−101385号公報)のように、燃料の動粘度の違いを、被識別燃料を加熱した際の自然対流の起こり方の違い、すなわち、伝熱の相違と対応させることによって液体の種別を判別する熱式のセンサーが用いられる。
【0006】
図11(A)は、従来の熱式センサーの概略構成図である。
この熱式センサー100では、センシング部122が被識別燃料に対して完全に露出した状態となっている。
【0007】
しかしながら、図11(A)に示すような熱式のセンサー100の場合、例えば、自動車の走行時の外部振動などによって、加熱により発生する自然対流に乱れが生じることで、図11(B)に示すように、センサー出力が45%程度低下し、識別精度が低下してしまうことになる。
【0008】
なお、図11(B)は、熱式センサー100によってタンクに貯留した軽油を測定している状態の測定時間とセンサー出力との関係を示すグラフであって、300秒〜650秒の350秒間にのみ、振幅50mm、毎秒1回の割合で振動を与えている。
【0009】
外部振動による影響を抑制し、識別精度を向上させるために、特許文献2(特開2005−43126号公報)や特許文献3(特開2005−84025号公報)、特許文献4(特開2007−10587号公報)では、センサーにカバーを施すことが開示されている。
【特許文献1】特開2004−101385号公報
【特許文献2】特開2005−43126号公報
【特許文献3】特開2005−84025号公報
【特許文献4】特開2007−10587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図12,13に示すように、センサー200のセンシング部222を囲繞するようにカバー部材210を取り付けた場合、センサー300に円筒形のカバー330を取り付けた場合のいずれであっても、カバーを取り付けない状態(図11)と比べて、振動によるセンサー出力の低下は抑制されているものの、やはり、20〜25%程度低下し、識別精度の低下が生じてしまっている。
【0011】
このため、軽油と灯油の閾値として1900mVとした場合には、振動期におけるセンサー出力がこの値を下回ってしまい、被識別流体を灯油と間違って識別してしまうことがあった。
【0012】
本発明は、熱式センサーを用いた流体識別の際に、外部振動等によって流体タンク内の被識別流体が揺れた場合であっても、誤差が生じず、精度良く流体識別することができる流体識別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上述したような従来技術における課題及び目的を達成するためになされた発明であって、本発明の流体識別装置は、被識別流体を識別するための流体識別装置であって、
前記被識別流体と接触するセンシング部を有する流体識別センサーと、
前記センシング部を囲繞するように包囲する内カバーと、
前記内カバーを囲繞するように包囲する少なくとも1層の外カバーとを備え、
前記内カバーには、内カバーの内部と外部において被識別流体の交換が可能となる流体流入出孔が少なくとも2箇所以上設けられているとともに、
前記外カバーには、外カバーの内部と外部において被識別流体の交換が可能となる流体流入出孔が少なくとも2箇所以上設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の流体識別装置は、前記外カバーに、外カバー内部の空気を外カバーの流体流入出孔に誘導するための空気誘導部が備えられていることを特徴とする。
また、本発明の流体識別装置は、前記外カバーの流体流入出孔が、鉛直方向上部に設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の流体識別装置は、前記外カバーの流体流入出孔が、外カバーの上面中心部に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の流体識別装置は、前記内カバーの流体流入出孔を平面視において結んだ仮想線と、前記外カバーの流体流入出孔を平面視において結んだ仮想線とが、平行となる位置関係に前記内カバー及び外カバーの流体流入出孔が設けられていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の流体識別装置は、前記内カバーの流体流入出孔を平面視において結んだ仮想線と、前記外カバーの流体流入出孔を平面視において結んだ仮想線とが、垂直となる位置関係に前記内カバー及び外カバーの流体流入出孔が設けられていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の流体識別装置は、前記外カバーの流体流入出孔の孔径が、10mm以下であることを特徴とする。
また、本発明の流体識別装置は、前記流体識別センサーが、熱式センサーであることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の流体識別装置は、前記熱式センサーが、発熱素子と感温素子とが同一の素子によって構成される自己発熱型センサーであることを特徴とする。
また、本発明の流体識別装置は、前記熱式センサーが、発熱素子と感温素子とが別体の素子として構成される傍熱型センサーであることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の流体識別装置は、前記流体識別センサーが、流体種識別、濃度識別、流体の有無識別、流体の温度識別のうち、少なくともいずれかの機能を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の流体識別装置は、前記被識別流体が、炭化水素系液体であることを特徴とする。
また、本発明の流体識別装置は、前記被識別流体が、軽油、灯油、重油のうち少なくとも1種以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、流体識別センサーのセンシング部を囲繞するように、内カバーと外カバーによって2重に包囲しているため、センシング部が接触する内カバー内部の被識別流体が、外部振動によっても揺れずに、正確な流体識別を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明による流体識別装置の第1の実施例を示す分解図、図2は、図1の流体識別装置の縦断面図、図3は、図1の流体識別装置を流体タンクに取り付けた状態を示す概略構成図である。
【0023】
図1に示すように、本発明の流体識別装置10は、流体識別センサー20と、内カバー30と、外カバー40とから構成されている。
流体識別センサー20は、図2に示すように、熱式センサーである流体識別センサー本体22と、流体識別のための演算を行うマイコンやセンサー出力の制御を行う回路等を備えた基板24とがリード端子23によって接続されている。流体識別センサー本体22の少なくとも一部が被識別流体と接触するセンシング部22a,22bとなっている。また、センサー出力はコネクタ端子27によって外部出力可能となっている。なお、符号26は、外部ケーブル(図示せず)と接続するためのコネクタである。
【0024】
なお、本明細書において熱式センサーとは、発熱素子と感温素子が同一素子(発熱感温素子)によって構成される自己発熱型のセンサーと、発熱素子と感温素子が別体素子として構成される傍熱型センサーの両方を含むものである。
【0025】
自己発熱型センサーとは、発熱感温素子が発熱することによって被識別流体が加熱され、その加熱量を発熱感温素子によって感温することによって流体の識別を行うものである。
【0026】
一方、傍熱型センサーとは、発熱素子と、該発熱素子の近傍に感温素子を設けた構成のセンサーであって、発熱素子が発熱することによって被識別流体が加熱され、その加熱量を感温素子によって感温することによって流体の識別を行うものであって、一般的には自己発熱型センサーと比べ誤差の少ないセンサーである。
【0027】
このように構成される流体識別装置10は、図3に示すように、流体タンク50の底面に、流体識別センサー本体22側がタンク内部に、コネクタ26がタンク外部になるように取り付けられている。
【0028】
流体識別装置10を流体タンク50の底面に取り付けることによって、流体タンク50内の被識別流体が排出されることによって被識別流体の量が減少した場合であっても、流体識別をすることができる。
【0029】
また、内カバー30及び外カバー40には、流体タンク50内の被識別流体がカバーの内部と外部において交換可能となるように、流体流入出孔32、34及び42、44が設けられている。
【0030】
なお、本実施例においては、流体流入出孔は内カバー30及び外カバー40にそれぞれ2箇所ずつ設けているが、それぞれ少なくとも2箇所以上の流体流入出孔を設けていればよく、3箇所以上流体流入出孔を設けても構わない。
【0031】
また、流体流入出孔は、内カバー30及び外カバー40の内部と外部における被識別流体を交換する際の交換効率を考慮すると、内カバー30及び外カバー40の側面部に少なくとも1箇所以上の流体流入出孔を設けるとともに、上面部に少なくとも1箇所以上の流体流入出孔を設けることが好ましい。
【0032】
このように、内カバー30及び外カバー40の側面部及び上面部に少なくとも1箇所以上の流体流入出孔を設けることによって、内カバー30及び外カバー40の内部と外部において被識別流体を効率よく交換することができる。
【0033】
また、流体流入出孔の孔径は、内カバー30及び外カバー40の大きさによって適宜決定されるものであるが、概ね直径10mm以下とすることが好ましい。流体流入出孔の孔径を10mmよりも大きくしてしまうと、外部振動を抑制する効果が小さくなってしまい、測定精度が低下することになってしまう。
【0034】
また、内カバー30の流体流入出孔32,34と、外カバー40の流体流入出孔42,44の位置関係としては、特に限定されるものではないが、例えば、図4(A)に示すように平面視において流体流入出孔32,34を結んだ仮想線と、流体流入出孔42,44を結んだ仮想線とが平行となるように形成しても良いし、図4(B)に示すように平面視において流体流入出孔32,34を結んだ仮想線と、流体流入出孔42,44を結んだ仮想線とが垂直となるように形成しても構わない。なお、ここで「平行」とは、仮想線同士が重なった状態をも含んでいる。
【0035】
また、内カバー30及び外カバー40を構成する素材としては、特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、真鍮、鉄などの金属や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、フェノール樹脂などの合成樹脂などを用いることができる。
【0036】
なお、被識別流体として例えば、ガソリンや灯油、軽油といった炭化水素系液体、硫酸や塩酸、硝酸といった強酸水溶液などの物質を化学的に変化させる特性を有する流体を識別する場合には、被識別流体の特性を考慮して内カバー30及び外カバー40の素材を選択することが好ましい。
【0037】
また、本実施例において、内カバー30及び外カバー40は略円筒形状となっているが、これに限定されるものではなく、例えば、略多角柱形状や略多角錐形状であってもよいし、略カップ形状であっても構わない。
【0038】
また、内カバー30及び外カバー40を流体識別センサー20に取り付ける方法として
は、特に限定されるものではなく、例えば、内カバー30及び外カバー40の形状を流体識別センサー20の形状に適合させて嵌合させてもよいし、接着剤などによって接着してもよい。
【0039】
なお、内カバー30及び外カバー40が破損した場合などに交換を簡単にするように、部品の汎用性を高めるためには、図5に示すように螺子溝が切られた組立冶具45を用いて螺子接合することできる。
【0040】
このように組立冶具45を用いることによって、流体識別センサー20、内カバー30、外カバー40のいずれかを交換する必要が生じた場合であっても容易に、かつ、迅速に交換することができる。
【0041】
また、本実施例においては、外カバー40は1層のみとなっているが、外カバー40の外側に更なる外カバーを備えて、複層の外カバーとすることもできる。
このように外カバーを複層とすることによって、外部振動を抑制する緩衝部が複数設けられることとなり、外部振動による影響を確実に抑制することができる。
【0042】
なお、符号48は、パッキンであり、流体識別センサー20と組立冶具45とを固定するとともに、流体識別センサー20と組立冶具45との隙間を埋めて防水の役割を担っている。
【0043】
図6は、本発明による流体識別装置の第2の実施例を示す分解図、図7は、図6の流体識別装置の縦断面図である。
本実施例の流体識別装置は、基本的には上述する第1の実施例の流体識別装置と同様であり、同一の構成部材には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0044】
この実施例の流体識別装置10では、図6及び図7に示すように、外カバー40に外カバー40内の空気を流体流入出孔44に誘導するための空気誘導部46が形成されている。
【0045】
このように、外カバー40内に入り込んでしまった空気を空気誘導部46によって流体流入出孔44に誘導することによって、外カバー40内部から効果的に空気を排出することができるので、空気が被識別流体の流体識別に影響を与えることがなく、識別精度を向上させることができる。
【0046】
このように空気誘導部46を形成する場合、外カバー40内部の空気を排出しやすいように、外カバー40の鉛直方向上部に流体流入出孔44を形成することが好ましい。さらに好ましくは、外カバー40の上面中心部に流体流入出孔44を形成することで、外カバー40内部の空気をより排出しやすくなる。
【0047】
なお、本実施例では空気誘導部46は略円錐形状となっており円錐の頂点部に流体流入出孔44を設ける構成となっているが、これに限定されるものではなく、流体流入出孔44に効率よく空気を誘導することができる形状であればどのような形状をしていてもよい。
【0048】
図8は、本発明による流体識別装置の第3の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の流体識別装置は、基本的には上述する第1の実施例の流体識別装置と同様であり、同一の構成部材には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0049】
この実施例の流体識別装置10は、流体タンク50の側面に、流体識別センサー本体2
2側がタンク内部に、コネクタ26がタンク外部になるように取り付けられている。
このように流体識別装置10を流体タンク50の側面に取り付ける場合には、流体タンク50内の被識別流体が排出されることによって被識別流体の量が減少した場合であっても流体識別を可能とするために、流体タンク50の下方部に取り付けることが好ましい。
【0050】
なお、本発明の流体識別装置10の流体の有無識別機能を利用して、流体レベル計として用いる場合には、流体タンク50の側面に、流体タンク50の高さ方向に所定間隔離間して複数の流体識別装置10を取り付けることができる。
【実施例】
【0051】
図9は本発明の流体識別装置10によって軽油を測定している状態で、所定時間だけ流体タンク50に外部振動を与えた場合の測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフである。
【0052】
なお、この実施例は、図11〜図13に示したグラフを測定した際と同じ条件により行っており、300秒〜650秒の350秒間にのみ、振幅50mm、毎秒1回の割合で流体タンク50に振動を与えている。
【0053】
図9に示すように、本発明の流体識別装置10を用いた場合には、流体タンク50に外部振動が加わった場合であっても、センサー出力は全く変化をしなかった。
本発明の流体識別装置10の様に、内カバー30及び外カバー40の2重のカバーを設けることによって、流体タンク50に外部振動が加わった場合であっても、流体識別センサー20が流体識別を行う被識別流体、すなわち、内カバー30内部の被識別流体は外部振動の影響を受けず、過熱により発生する自然対流のみが影響してセンサー出力が出力されることになる。
【0054】
図10A〜図10Dは本発明の流体識別装置10の外カバー40の流体流入出孔の孔径や、外カバー40と内カバー30の流体流入出孔の位置関係を変化させて、それぞれ軽油を測定した場合の、測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフである。なお、それぞれの測定条件は表1に示すとおりである。
【0055】
【表1】

なお、図10A(A)は、パターン1の測定結果、図10A(B)は、パターン2の測定結果、図10B(C)は、パターン3の測定結果、図10B(D)は、パターン4の測定結果、図10C(E)は、パターン5の測定結果、図10C(F)は、パターン6の測定結果、図10D(G)は、パターン7の測定結果にそれぞれ該当する。
【0056】
図10A〜図10Dから分かるように、流体流入出孔の孔径を10mmとした場合には、ややセンサー出力に変化が見られる。さらに、流体流入出孔の孔径を大きくし、15mm,20mmとした場合には、15%〜25%程度のセンサー出力の低下が見られ、正確な流体識別ができなくなる恐れがある。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、流体識別センサー本体22として熱式センサーではなく、光学センサーを用いることができる。光学センサーを用いた場合であっても、本発明のようにセンシング部を内カバー30及び外カバー40によって2重に包囲することによって、外部振動による被識別流体の揺れを抑制することができるので、精度よく識別することが可能となる。
【0058】
このように、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、本発明による流体識別装置の第1の実施例を示す分解図である。
【図2】図2は、図1の流体識別装置の縦断面図である。
【図3】図3は、図1の流体識別装置を流体タンクに取り付けた状態を示す概略構成図である。
【図4】図4は、内カバー及び外カバーに形成される流体流入出孔の位置関係を説明するための模式図である。
【図5】図5は、図1の流体識別装置において、流体識別センサーと外カバーとを組立冶具によって螺子接合する場合の分解図である。
【図6】図6は、本発明による流体識別装置の第2の実施例を示す分解図である。
【図7】図7は、図6の流体識別装置の縦断面図である。
【図8】図8は、本発明による流体識別装置の第3の実施例を示す概略構成図である。
【図9】図9は、本発明の流体識別装置10によって軽油を測定している状態で、所定時間だけ流体タンク50に外部振動を与えた場合の測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフである。
【図10−A】図10A(A)は、表1のパターン1の条件で、軽油を測定した場合の、測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフ、図10A(B)は表1のパターン2の条件で、軽油を測定した場合の、測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフである。
【図10−B】図10B(C)は、表1のパターン3の条件で、軽油を測定した場合の、測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフ、図10B(D)は表1のパターン4の条件で、軽油を測定した場合の、測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフである。
【図10−C】図10C(E)は、表1のパターン5の条件で、軽油を測定した場合の、測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフ、図10C(F)は表1のパターン6の条件で、軽油を測定した場合の、測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフである。
【図10−D】図10D(A)は、表1のパターン7の条件で、軽油を測定した場合の、測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフである。
【図11】図11(A)は、従来の流体識別装置の一例を示す概略構成図、図11(B)は、流体識別装置によって軽油を測定している状態で、所定時間だけ燃料タンクに外部振動を与えた場合の測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフである。
【図12】図12(A-1)は、従来の流体識別装置の一例を示す概略構成正面図、図12(A-2)は、図12(A-1)の流体識別装置の概略構成側面図、図12(B)は、流体識別装置によって軽油を測定している状態で、所定時間だけ燃料タンクに外部振動を与えた場合の測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフである。
【図13】図13(A)は、従来の流体識別装置の一例を示す概略構成図、図13(B)は、流体識別装置によって軽油を測定している状態で、所定時間だけ燃料タンクに外部振動を与えた場合の測定時間とセンサー出力の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0060】
10 流体識別装置
20 流体識別センサー
22 流体識別センサー本体
22a センシング部
22b センシング部
23 リード端子
24 基板
26 コネクタ
27 コネクタ端子
30 内カバー
32 流体流入出孔
34 流体流入出孔
40 外カバー
42 流体流入出孔
44 流体流入出孔
45 組立冶具
46 空気誘導部
48 パッキン
50 流体タンク
100 熱式センサー
122 センシング部
200 センサー
210 カバー部材
222 センシング部
300 センサー
330 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被識別流体を識別するための流体識別装置であって、
前記被識別流体と接触するセンシング部を有する流体識別センサーと、
前記センシング部を囲繞するように包囲する内カバーと、
前記内カバーを囲繞するように包囲する少なくとも1層の外カバーとを備え、
前記内カバーには、内カバーの内部と外部において被識別流体の交換が可能となる流体流入出孔が少なくとも2箇所以上設けられているとともに、
前記外カバーには、外カバーの内部と外部において被識別流体の交換が可能となる流体流入出孔が少なくとも2箇所以上設けられていることを特徴とする流体識別装置。
【請求項2】
前記外カバーに、外カバー内部の空気を外カバーの流体流入出孔に誘導するための空気誘導部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の流体識別装置。
【請求項3】
前記外カバーの流体流入出孔が、鉛直方向上部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の流体識別装置。
【請求項4】
前記外カバーの流体流入出孔が、外カバーの上面中心部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の流体識別装置。
【請求項5】
前記内カバーの流体流入出孔を平面視において結んだ仮想線と、前記外カバーの流体流入出孔を平面視において結んだ仮想線とが、平行となる位置関係に前記内カバー及び外カバーの流体流入出孔が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の流体識別装置。
【請求項6】
前記内カバーの流体流入出孔を平面視において結んだ仮想線と、前記外カバーの流体流入出孔を平面視において結んだ仮想線とが、垂直となる位置関係に前記内カバー及び外カバーの流体流入出孔が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の流体識別装置。
【請求項7】
前記外カバーの流体流入出孔の孔径が、10mm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の流体識別装置。
【請求項8】
前記流体識別センサーが、熱式センサーであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の流体識別装置。
【請求項9】
前記熱式センサーが、発熱素子と感温素子とが同一の素子によって構成される自己発熱型センサーであることを特徴とする請求項8に記載の流体識別装置。
【請求項10】
前記熱式センサーが、発熱素子と感温素子とが別体の素子として構成される傍熱型センサーであることを特徴とする請求項8に記載の流体識別装置。
【請求項11】
前記流体識別センサーが、流体種識別、濃度識別、流体の有無識別、流体の温度識別のうち、少なくともいずれかの機能を有することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の流体識別装置。
【請求項12】
前記被識別流体が、炭化水素系液体であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の流体識別装置。
【請求項13】
前記被識別流体が、軽油、灯油、重油のうち少なくとも1種以上であることを特徴とす
る請求項12に記載の流体識別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−A】
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【図10−B】
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【図10−C】
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【図10−D】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−122014(P2010−122014A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294845(P2008−294845)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】