説明

流体軸受装置と、それを用いたスピンドルモータ及び情報装置

【課題】本発明は、ハードディスクドライブ等の情報装置に搭載される流体軸受装置を用いたスピンドルモータに関し、固体潤滑剤を用いることなくラジアル軸受とスラスト軸受の直角度やスラスト軸受の面粗度を良好にすることで、信頼性が高い流体軸受装置を提供する。
【解決手段】スラスト軸受とラジアル軸受の直角度、およびスラスト軸受の面粗度を、シャフト9に一体で形成された大径外周部9aによって構成し、所望の精度が得られるので、固体潤滑剤などの表面処理が不要となる。これにより、固体潤滑剤が剥がれてラジアル軸受内部に入り込みシャフト9やスリーブ7が回転時に焼きついて回転不能となることを防止でき、信頼性の高い流体軸受装置1を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)等の情報装置に搭載されている流体軸受装置と、それを用いたスピンドルモータ及び情報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、HDDを搭載した各種情報装置は携帯に便利なように軽薄短小化が図られている。
その一方で小型ながら高記憶容量を維持、向上し、耐衝撃性を上げることも必要とされている。このようなHDDに使用されるスピンドルモータの軸受として、回転精度が高く耐衝撃性に優れた流体軸受装置が主に使用されている。
【0003】
流体軸受装置は、固定部と回転部の間に潤滑流体を充填させて、回転部が回転した時に軸受部に動圧を発生させて潤滑流体を介して回転部を支持する構成となっている。そして、軸受剛性を向上するためにロータハブとスリーブの隙間でスラスト軸受と潤滑流体のシール部を構成する技術が開示されている。(例えば、下記特許文献1参照)
【特許文献1】特開2004−181396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の流体軸受装置は、図7に示すようにロータハブ101とスリーブ102のスラスト軸受面101aとの隙間でスラスト軸受を構成している。ロータハブ101は、円筒状突出部101bなどがあり複雑な形状となっており、スラスト軸受面上101aは旋削加工でないと加工困難なために、スラスト軸受面101a表面の面粗度が悪くなる。また、ロータハブ101はシャフト103に圧入するときに圧入部(中央貫通孔)の全周で不均一な塑性変形を起こすのでスラスト軸受面上101aのシャフト103に対する直角度は精度が悪くなる。ラジアル軸受はシャフト103とスリーブ102のラジアル軸受面102aとの半径方向の隙間で構成しているので、ラジアル軸受とスラスト軸受の直角度やスラスト軸受の面粗度が悪いと、回転の起動停止時にスラスト軸受面が接触摺動することによって、スラスト軸受面が焼き付いてしまう。これを防止する為に、例えば、ロータハブ101のスラスト軸受面上101aに固体潤滑剤104を塗布して20μm程度の層を形成する。その後、10μm程度の層厚になるまで切削や研磨を行い精度良く仕上げ、ラジアル軸受とスラスト軸受の直角度やスラスト軸受の面粗度を確保している。なお、固体潤滑剤104の粒子径は1〜10μm程度であり熱硬化性樹脂の中に分散して埋め込まれており、切削がしやすく精度を出しやすくなっている。また、固体潤滑剤は初期の面粗度が悪くても磨耗することで面粗度をよくすることができる。
【0005】
しかしながら、固体潤滑剤104は粒子が熱硬化性樹脂の中に分散しているので、例えば、回転停止時に強い衝撃が加わるとスリーブ102の動圧溝と衝突して硬度の低い熱硬化性樹脂がダメージを受けクラックなどが発生し易い。また、回転の起動停止のときにスリーブ102の動圧溝によって固体潤滑剤104が擦られ固体潤滑剤が磨耗していく。そして、剥落した固体潤滑剤がラジアル隙間に入り込むと、噛み込みによりスリーブ102とシャフト104がモータロック(モータが回転不能になる現象)を引き起こし、信頼性が低いという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、固体潤滑剤を用いることなくラジアル軸受とスラスト軸受の直角度やスラスト軸受の面粗度を良好にすることで、信頼性が高い流体軸受装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために、本発明のスピンドルモータは、軸受孔を有するスリーブと、前記軸受孔に相対回転自在に挿入されるシャフトと、このシャフトの一端側に一体で設けられた前記軸受孔より径大の大径外周部と、前記シャフトの前記大径外周部に固定され、前記スリーブの軸方向一端側近傍の外周面に対して半径方向に隙間を介して対向する筒状部付き部材と、前記軸受孔内周面と前記シャフト外周面の間に形成されるラジアル軸受部と、前記大径外周部と前記スリーブの軸方向端面との間に形成されるスラスト軸受部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明によれば、ラジアル軸受とスラスト軸受を形成するシャフトの面を同時に、精度良く研磨加工することができるので、固体潤滑剤を用いなくてもラジアル軸受とスラスト軸受の直角度とスラスト軸受の面粗度を良好に確保でき、信頼性が高い流体軸受装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明に係る流体軸受装置と、それを用いたスピンドルモータおよび情報装置の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、便宜上、図面の上下方向を「軸方向上側」、「軸方向下側」などと表現するが、スピンドルモータの実際の使用状態を限定するものではない。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における流体軸受装置1を含むスピンドルモータ2が搭載されたHDD(情報装置)3を示すものである。
【0011】
[HDD3全体の構成]
本実施形態に係るHDD3は、図1に示すように、複数の記録再生ヘッド4aを含むヘッド部4と、スピンドルモータ2とを内部に搭載している。そして、それぞれの記録再生ヘッド4aによってディスク(記録媒体)5に対する情報の書き込み、あるいは既に書き込まれた情報の再生を行う。
【0012】
ヘッド部4は、複数の記録再生ヘッド4aを搭載しており、ディスク5の表裏面に近接するように配置される。
【0013】
ディスク5は、HDD3に取り付けられる直径が、例えば、0.85インチ、1.0インチ、1.8インチ、2.5インチ、または3.5インチ等の円板状の記録媒体である。
【0014】
ベース6は、例えば、アルミ系合金の鋳造品を加工して形成されており、表裏面は電着塗装を施して形成されて、スピンドルモータ2の静止側の部分を構成するとともに、HDD3の密閉筐体の一部を構成している。
【0015】
さらに、ベース6は、その中心部分付近に、流体軸受装置1のスリーブ7を接着固定している。
【0016】
また、流体軸受装置1の回転側には筒状部付き部材であるロータハブ8が取付けられている。
【0017】
ロータハブ8は、磁性を有するフェライト系ステンレス鋼(例えば、SUS430)によって略逆カップ状に形成されている。そして、流体軸受装置1の略T断面形状のシャフト9の大径外周部9aに嵌合され、接着や圧入などによって固定されてシャフト9と一体となって回転する。
【0018】
また、ロータハブ8は、シャフト9の大径外周部9aに嵌合される中央孔8aと、ロータマグネット10が取り付けられる円筒状垂下壁であるマグネット保持部8bと、円板状のディスク5が載置される円形段状のディスク載置面8cとを有している。
【0019】
複数のディスク5とスペーサ11は、略円盤状のディスククランプ12とディスク載置面8cの間に挟まれている。そして、ディスククランプ12の中央部に設けたネジ止め用孔を介してネジ13をシャフト9に設けたネジ部9bに締め付けることでディスク5をクランプ12によって押圧固定している。なお、ディスククランプ12の固定面12aがシャフト9の位置規制面9cと当接した状態で、ディスク5に対して所定の押圧力が加わるようにしている。
【0020】
そして、ベース6の表面上には、マグネット保持部8bに固定されたロータマグネット10と軸線方向に対向して、ロータマグネット10を吸引する薄板リング状の磁性板14が取り付けられている。
【0021】
また、スピンドルモータ2は、ディスク5を回転駆動するための回転駆動源となる装置であって、ロータマグネット10、ステータコア15、ステータコイル16および軸受部(流体軸受装置)1等を備えている。
【0022】
[スピンドルモータ2を構成する各部材の説明]
ロータマグネット10は、隣接する磁極がN極、S極と交互に配置された、円環状の部材であって、Nd−Fe−B系樹脂マグネット等によって形成されている。
【0023】
そして、ロータマグネット10は、ステータコア15と径方向に一定の隙間を介して、ロータハブ8のマグネット保持部8bに対して装着され、例えば、接着などによって固着されている。
【0024】
ステータコア15は、円周方向に沿ってほぼ等角度間隔で配置された複数の突極部を有しており、この突極部に対してそれぞれステータコイル16が巻回される。
【0025】
そして、ステータコア15は、ステータコイル16に電流を流すことで発生する磁場によって、ロータマグネット10に対して、回転力を付与する。
【0026】
流体軸受装置1は、スピンドルモータ2に含まれる流体軸受装置であって、スピンドルモータ2における中央部付近に配置されている。
【0027】
[流体軸受装置1を構成する各部材の説明]
流体軸受装置1は、図2に示すように、ベース6に固定された略円筒状のスリーブ7に対してシャフト9が回転するシャフト回転型の流体軸受装置である。
【0028】
シャフト9は、スリーブ7の内周7a(軸受孔)と隙間を介して対向する外周9dが形成されている。スリーブ7の内周7aもしくはシャフト9の外周9dにはヘリングボーン形状のラジアル動圧溝(図示せず。)が設けられ、ラジアル軸受を形成している。なお、例えば、スリーブ7の材料は、硬度Hv300のオーステナイト系ステンレス鋼であり、シャフト9の材料はマルテンサイト系ステンレス鋼を熱処理したもので硬度がHv550以上となっている。 (なお、ここで述べるHv硬度は100g荷重で測定したビッカース硬度であり以降の硬度はこの測定によるものである)。
【0029】
シャフトの軸方向上側には、シャフト外周9dから大径外周部9aに向けて径方向外側に広がり伸びるシャフトスラスト面9eを設けている。このシャフトスラスト面9eは所定の微小な隙間を介してスリーブスラスト面7bと対向している。
【0030】
また、スリーブスラスト面7bもしくはシャフトスラスト面9eの少なくともどちらか一方には、ヘリングボーン形状のスラスト動圧溝(図示せず)が設けられ、スラスト軸受を形成している。なお、ラジアル動圧溝およびスラスト動圧溝はヘリングボーン形状に限定されるものではなく、例えばスパイラル形状であっても良い。
【0031】
そして、シャフト9の軸方向下側には円板状の抜止め17が固定部9fに接着、カシメ、圧入、溶着などにより固定されている。
【0032】
スリーブ7は抜止め17とシャフトスラスト面9eとの間で所定の隙間を設けて保持されている。スリーブ7の軸方向下側は略平板状の封止部材18を接着固定することで潤滑流体19が漏れないように封止している。
【0033】
そして、シャフト9の大径外周部9aにロータハブ8の円形の中央部8aを、例えば、圧入接着することで固定している。中央孔8aの軸方向下側には円筒状突出形状であるシール部8d(筒状部)を設けており、このシール部8dはスリーブ7のテーパ部7cと対向している。潤滑流体19の大気との境界液面19aは毛細管力によりシール部8dとテーパ部7cの間に維持されて、潤滑流体19を軸受内部に保持している。
【0034】
ここで、テーパ部7cは、スリーブ7の軸方向上側、すなわち、スリーブスラスト面9e側の径方向の外周部に設けられ、軸方向下側に向かって縮径するテーパ形状となっている。なお、テーパ部7cはテーパ形状に限定されるものではなく軸方向下側に向かって縮径する階段状などであっても良く、テーパ形状と同様の効果を得ることができる。
【0035】
次に、シャフト9の製造工程について説明する。
【0036】
図3に示すように、ブランク加工工程S1として、最初にマルテンサイト系のステンレス鋼の棒材の切削加工を行う。この工程ではシャフトに図4に示すように大径外周部9a、ネジ部9b、位置規制面9c、シャフト外周9d、シャフトスラスト面9e、固定部9fを切削によって形成する。なお、この工程では、シャフト外周9dとシャフトスラスト面9eは研磨加工前の寸法(研磨しろを残した状態)に仕上げている。
【0037】
次に、熱処理工程S2によりシャフト9の硬度を上げるために熱処理を行う。熱処理の条件は、例えば、焼入れ温度1000℃で1.5時間行った後に110℃の環境で6時間の焼き戻しの熱処理を行なう。この熱処理により初期の硬度がHv300程度の硬度をHv550以上に高くすることが出来る。ここで、シャフト9と対向してラジアル軸受およびスラストしく受けを形成するスリーブ7の材料は、例えば、硬度がHv300程度のオーステナイト系のステンレス鋼なので、シャフト9との硬度差がHv100以上あり、直接シャフト9の軸受形成面がスリーブ7と接触、摺動しても硬度差があるので焼き付きが起こりにくくすることができる。
【0038】
なお、シャフト9の材料をスリーブ7との硬度差がHv200以上になるような材料とすれば、より焼き付きを起こりにくくできるので、好ましい。
【0039】
さらに、次工程として研磨加工工程S3を行う。
【0040】
図5(a)は研磨加工の加工状態をシャフトの径方向から見た図であり、図5(b)は、その加工状態を図5(a)のA方向(軸方向)から見た図を示している。図5に示すように、固定台20にシャフト外周9dを載せて、シャフト外周9dに矢印Gの方向に回転する調整車21を押し当てる。調整車21はラバー状の材質で出来ておりシャフト外周9dに対して0.5度〜10度の微小角度傾斜Hを持って接触しながら回転する。そのため、シャフト9はF方向に力を受けながら矢印Jの方向に回転する。そこで、矢印Kの方向に回転する砥石22を押し当てることで、シャフト9は調整車21と砥石22に巻き込まれるように固定台20側にも力を受ける。そのため、シャフト外周9dとシャフトスラスト面9eはそれぞれ砥石22のラジアル砥石面22aとスラスト砥石面22bと接触して所望の寸法が得られるまで研磨加工される。ここで、砥石のラジアル砥石面22aとスラスト砥石面22bは、例えば、ダイヤモンドで削り成形することで直角度を、例えば0.5μm程度の小さな値に仕上げている。そのため、研磨後のシャフト外周9dとシャフトスラスト面9の直角度は1μm以下に仕上げることが出来る。
【0041】
また、砥石の材料としては、例えば、平均砥粒の径が75μmのダイヤモンドやCBN(立方晶窒化ホウ素)などの超砥粒の砥石を用いている。これにより、面粗度も0.5μm以下の低い値を得ることが出来る。
【0042】
このように加工することにより、ラジアル軸受となるシャフト外周9dとスラスト軸受となるシャフトスラスト面9eの直角度と面粗度を良好に加工できる。その結果、固体潤滑剤などの表面処理は必要なくなる。
【0043】
以上のように、本実施形態によれば、スラスト軸受とラジアル軸受の直角度、およびスラスト軸受の面粗度を、シャフト9に一体で形成された大径外周部9aによって構成し、所望の精度が得られるので、固体潤滑剤などの表面処理が不要となる。これにより、固体潤滑剤が剥がれてラジアル軸受内部に入り込みシャフト9やスリーブ7が回転時に焼きついて回転不能となること(モーターロック)を防止でき、信頼性の高い流体軸受装置1を提供することができる。
【0044】
また、図1に示すようにロータハブ8をシャフト9の大径外周部9aで締結するので締結部の面積を大きくとることができ、締結強度を強くすることが出来る。これによりディスク5を取り付けたときのロータハブ8の変形が少ない流体軸受装置を提供できる。さらに、このような流体軸受装置を情報機器に用いることによってディスク5の変形を少なくしてディスク5の変形によって生じるリードライト時のエラーを防止した情報装置を提供することができる。
【0045】
(他の実施の形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0046】
(A)
上記実施形態では、図1に示すようにシャフト9の大径外周部9aにロータハブを圧入接着したが、これに限定されるものではない。
【0047】
図5のようにシャフト23に段差部23aを設けてロータハブ24を段差部23aと大径外周部23bで固定してもよい。
【0048】
この場合も実施の形態1と同様の効果も得ることが出来だけでなく、ロータハブ24の段部24aをディスククランプ25と段差部23aで挟み込むようになるので強い押圧力を加えてもロータハブ24がシャフト23から外れることがない。そのため、より強い押圧力でディスク26を取り付けることが可能となりディスク枚数が多く押圧力が必要な情報機器にはより適したものとなる。
【0049】
(B)
上記実施形態では、図1に示すスリーブ7の材料としてHv300程度のフェライト系ステンレス鋼を用いたが、これに限定されるものではない。
【0050】
例えば、Hv200〜400の硬度を持つSUS304などのオーステナイト系やSUS420J2などのマルテンサイト系のステンレス鋼であってもよい。
【0051】
この場合も熱処理を行なったシャフト9と比較してより硬度差があるので焼き付きが起こりにくく、実施の形態1と同様の効果を得ることが出来る。
【0052】
また、スリーブ7の材料が切削性の良い真鍮系の材料にニッケルメッキなどの表面処理をしたものでも良い。なお、この場合はニッケルメッキの表面は硬度Hv600以上となるので、シャフト7の材料としては熱処理をせずに硬度Hv400以下のステンレス鋼にするほうが好ましい。
【0053】
(C)
上記実施形態では、図1に示すシャフト9の材料としてマルテンサイト系ステンレス鋼を熱処理して用いたが、これに限定されるものではない。
【0054】
例えば、硬度Hv200〜400のステンレス鋼の表面に窒化処理をすることで表面硬度をHv550以上にしたものであってもよい。
【0055】
この場合もスリーブ7と硬度差があるので焼き付きが起こりにくく、実施の形態1と同様の効果を得ることが出来る。
【0056】
(D)
上記実施形態では、図1等に示すように、情報装置としてHDD装置に用いられるスピンドルモータの締結について、本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0057】
例えば本実施形態の流体軸受装置やスピンドルモータを搭載する装置としては、HDD以外にも、光磁気ディスク装置、光ディスク装置、フロッピー(登録商標)ディスク装置、レーザプリンタ装置、レーザスキャナ装置、ビデオカセットレコーダ装置、データストリーマ装置等に対して搭載することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係る流体軸受装置と、それを用いたスピンドルモータ及び情報装置は、固体潤滑剤などの表面処理を用いなくても、ラジアル軸受とスラスト軸受の直角度とスラスト軸受の面粗度を良好に確保でき、信頼性が高い流体軸受装置を提供できるので、ハードディスクドライブ装置等に代表される情報装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスピンドルモータの断面図
【図2】本発明の実施の形態1における流体軸受装置の断面図
【図3】本発明の実施の形態1におけるシャフトの製造工程を示す図
【図4】同シャフトの断面図
【図5】同シャフトの研磨工程を説明する図
【図6】本発明の他の実施の形態におけるスピンドルモータの断面図
【図7】従来のスピンドルモータの断面図
【符号の説明】
【0060】
1 流体軸受装置
6 ベース
7 スリーブ
7a 内周(軸受孔)
7b スリーブスラスト面
8 ロータハブ
8d シール部(筒状部)
9 シャフト
9a 大径外周部
9d 外周
9e シャフトスラスト面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受孔を有するスリーブと、
前記軸受孔に相対回転自在に挿入されるシャフトと、
このシャフトの一端側に一体で設けられた前記軸受孔より径大の大径外周部と、
前記シャフトの前記大径外周部側に固定され、前記スリーブの軸方向一端側近傍の外周面に対して半径方向に隙間を介して対向する筒状部付き部材と、
前記軸受孔内周面と前記シャフト外周面の間に形成されるラジアル軸受部と、
前記大径外周部と前記スリーブの軸方向端面との間に形成されるスラスト軸受部と、
を備える流体軸受装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流体軸受装置を備えたスピンドルモータ。
【請求項3】
請求項2に記載のスピンドルモータを備えた情報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−162240(P2009−162240A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339184(P2007−339184)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】