説明

流量制御弁

【課題】シール部材の寸法のばらつきを低減し、開弁時における規定の最大流量を長期的に維持することのできる流量制御弁を提供する。
【解決手段】流量制御弁は、ガス噴射孔(流体流出孔)47及び弁座40aを有するバルブシート36と、バルブシート36の弁座40aに対して弾性を有するシール部材58を介して着座及び離座する弁体50とを備える。バルブシート36が、支持側の第1のシート部材38と、その第1のシート部材38に組付けられかつガス噴射孔47及び弁座40aが設けられた第2のシート部材40とから構成される。開弁時における最大流量を、第2のシート部材40の弁座40aとシール部材58との間の間隙によって規定する。閉弁時における弁体50の全閉位置を、第1のシート部材38に設けられた座面38aに対する弁体50の当接によって規定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の流量制御弁としては、例えば同一出願人が先に提案した特許文献1(「従来例」という)がある。なお、図7は流量制御弁の要部を示す概略図である。
図7に示すように、特許文献1のものでは、流体流出孔102a及び弁座102bを有するバルブシート100と、バルブシート100の弁座102bに対して弾性を有するシール部材104を介して着座及び離座する弁体103とを備えている。バルブシート100が、支持側の第1のシート部材101と、その第1のシート部材101に組付けられかつ流体流出孔102a及び弁座102bが設けられた第2のシート部材102とから構成されている。そして、開弁時における最大流量が、第2のシート部材102の弁座102bとシール部材104との間の間隙Stによって規定される。また、閉弁時における弁体103の全閉位置が、第2のシート部材102の弁座102bに対する弁体103のシール部材104の当接によって規定される。
【0003】
【特許文献1】特開2007−303638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の流量制御弁では、開弁時における最大流量と閉弁時における弁体103の全閉位置とが同一部材間すなわち第2のシート部材102(詳しくは弁座102b)とシール部材104との間において規定されていた。このため、シール部材104のへたりによる寸法のばらつきが生じやすい。また、シール部材104の寸法がばらつくことにより、開弁時における規定の最大流量が変動するという問題点があった。
本発明が解決しようとする課題は、シール部材の寸法のばらつきを低減し、開弁時における規定の最大流量を長期的に維持することのできる流量制御弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、特許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とする流量制御弁により解決することができる。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1に記載された流量制御弁によると、開弁時における最大流量を第2のシート部材の弁座とシール部材との間の間隙によって規定し、また、閉弁時における弁体の全閉位置を第1のシート部材に設けられた座面に対する弁体の当接によって規定するものである。したがって、開弁時における最大流量と閉弁時における弁体の全閉位置とを異なる部材間においてそれぞれ規定することにより、シール部材のへたりを低減し、シール部材の寸法のばらつきを低減することができる。また、シール部材の寸法のばらつきの低減により、開弁時における規定の最大流量を長期的に維持することができる。
【0006】
また、特許請求の範囲の請求項2に記載された流量制御弁によると、第1のシート部材と固定側の部材との間に介在したシムの厚さにより弁体の全開位置を容易に調整することができる。
【0007】
また、特許請求の範囲の請求項3に記載された流量制御弁によると、第1のシート部材に対する第2のシート部材の圧入量により最大流量を容易に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
【実施例】
【0009】
本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。本実施例に係る流量制御弁は、燃料電池自動車に搭載されている燃料電池発電装置に水素ガスを供給する装置における流量制御弁として用いられるものである。なお、図1は流量制御弁を示す断面図である。また、説明の都合上、図1に示すように、水素ガスの供給側を上側とし、水素ガスの噴射側を下側として説明を行う。
【0010】
図1に示すように、流量制御弁10は、電磁駆動式で、磁性材からなる円筒状のバルブボディ12を備えている。バルブボディ12は、上下二分割構成をなしており、アッパボディ部材13とロアボディ部材14とを備えている。両ボディ部材13,14は、互いに嵌合された状態で溶接により接合されている。なお、バルブボディ12は、本明細書でいう「固定側の部材」に相当する。
また、アッパボディ部材13の中央部内には、磁性材からなる円筒状のコア16の下半部が配置されている。ロアボディ部材14とコア16との間には、非磁性材からなる鍔付リング18が配置されている。なお、図2はバルブシート及び弁体の周辺部を示す断面図である。
【0011】
図2に示すように、前記鍔付リング18内にはコア16の下端部が挿着されている。また、鍔付リング18の下端部の外周面に突出する鍔部18aは、ロアボディ部材14の上端部内に嵌合されている。ロアボディ部材14の内周面には、鍔付リング18の鍔部18aに対してその下側において重合状に当接するフランジ部14aが突出されている。また、ロアボディ部材14と鍔付リング18の鍔部18aとは、全周に亘る溶接(溶接部分に符号、19を付す)によって接合されており、両部材14,18間が封止されている。これにより、両部材14,18間からの水素ガスのガス洩れが防止されている。すなわち、溶接部分19がガス洩れ防止用の封止部となっている。
【0012】
図1に示すように、前記アッパボディ部材13と前記コア16との間には、合成樹脂等の電気絶縁材からなる円筒状のボビン21が配置されている。ボビン21には、ソレノイドコイル22が多層状に巻装されている。ソレノイドコイル22には、ターミナル23が電気的に接続されている。アッパボディ部材13及びロアボディ部材14の上端部は、モールド成形された樹脂部25により被覆されている。樹脂部25には、ターミナル23を取り囲むソケット型のコネクタ部26が形成されている。コネクタ部26には、図示しないプラグ型の給電用コネクタが接続される。ソレノイドコイル22に対する通電及びその解除は、電子制御装置(図示しない)により制御されるようになっている。また、ソレノイドコイル22の通電によって生ずる電磁力によって弁体50(後述する)が開弁される。なお、ボビン21及びソレノイドコイル22は、本明細書でいう「電磁力発生手段」を構成している。
【0013】
図2に示すように、前記ロアボディ部材14内には、ストッパ28、上側のシム30、板バネ32、下側のシム34、及び、バルブシート36が嵌合されている。ストッパ28は、磁性材によりリング状に形成されている。ストッパ28は、ロアボディ部材14のフランジ部14aに重合状に当接されている。また、上側のシム30は、例えばステンレス材によりリング状に形成されている。上側のシム30は、ストッパ28に当接されている。
【0014】
前記板バネ32は、例えば析出硬化系ステンレス板により環状に形成されている。板バネ32の外周部の上面は、前記上側のシム30に当接されている。また、前記下側のシム34は、例えばステンレス材によりリング状に形成されている。下側のシム34は、板バネ32の外周部の下面に当接されている。すなわち、上側のシム30と下側のシム34との間に板バネ32の外周部が挟持されている。なお、図6はシムの周辺部を示す断面図である。
【0015】
前記バルブシート36は、二重円筒構成をなしており、外筒側すなわち支持側の第1のシート部材38と、その第1のシート部材38内に挿着された内筒側の第2のシート部材40とを備えている。両シート部材38,40は、非磁性材あるいは非磁性の制振合金によって形成されている。第1のシート部材38の上半部は、前記ロアボディ部材14内に圧入されている。ロアボディ部材14内に対する第1のシート部材38の圧入によって、前記したストッパ28、上側のシム30、板バネ32、下側のシム34がロアボディ部材14のフランジ部14aに押付けられている。これにより、ロアボディ部材14と第1のシート部材38との間の各部材28,30,32,34が固定されている。
【0016】
前記ロアボディ部材14と第1のシート部材38とは、全周に亘る溶接(溶接部分に符号、42を付す)によって接合されており、両部材14,38間が封止されている。これにより、両部材14,38間からの水素ガスのガス洩れが防止されている。すなわち、溶接部分42がガス洩れ防止用の封止部となっている。また、第1のシート部材38の上端面は、流量制御弁10の軸線L(図6参照)に直交する平面からなる座面38aとなっている。
【0017】
前記第2のシート部材40は、前記第1のシート部材38内に挿入されている。なお、図5は第1のシート部材と第2のシート部材との組付関係を示す断面図である。
図5に示すように、第2のシート部材40の下端部の外周面には、外径を大きくする圧入部44が形成されている。この圧入部44が第1のシート部材38の下端部内に圧入されている。
【0018】
図2に示すように、両シート部材38,40は、全周に亘る溶接(溶接部分に符号、45を付す)によって接合されており、両部材38,40間が封止されている。これにより、両部材38,40間からの水素ガスのガス洩れが防止されている。すなわち、溶接部分45がガス洩れ防止用の封止部となっている。なお、図3は開弁状態の要部を示す断面図、図4は閉弁状態の要部を示す断面図である。
【0019】
図3に示すように、前記第2のシート部材40の上端面は、流量制御弁10の軸線L(図6参照)に直交する平面からなる弁座40aとなっている。また、第2のシート部材40の中空孔がガス噴射孔47となっている。ガス噴射孔47の上部には、水素ガスの噴流を整流化するために、口径を小さくする絞り部47aが形成されている(図2参照)。なお、ガス噴射孔47は、本明細書でいう「流体流出孔」に相当する。
【0020】
図2に示すように、前記板バネ32の中央孔には弁体50が装着されている。これにより、弁体50は、板バネ32によりフローティング状態で弾性的に支持されている。また、弁体50は、磁性材である電磁ステンレス材により形成されている。また、弁体50は、円筒状の主部51と、主部51の下端部の外周面に突出するフランジ部52と、主部51の下端面に同心状に突出する小径の有底円筒状のバルブ部53とを有している(図6参照)。
【0021】
図2に示すように、前記主部51は、前記コア16の下端面の内径及び外径とほぼ等しい内径及び外径を有しており、前記した鍔付リング18、ロアボディ部材14のフランジ部14a、ストッパ28内に対して遊嵌状に配置されている。また、前記フランジ部52は、前記上側のシム30に対して遊嵌状に配置されている。また、前記バルブ部53は、前記板バネ32の中央孔に挿着されている。また、図3に示すように、バルブ部53には、径方向に放射状に貫通する貫通孔54が形成されている。貫通孔54は主部51内の中空部(符号、55を付す)と連通されている。また、貫通孔54の外端部は、板バネ32より下側において開口されている。なお、弁体50の貫通孔54と中空部55とにより、弁体50のガス通路が構成されている。
【0022】
図3に示すように、前記バルブ部53の下端面は流量制御弁10の軸線L(図6参照)に直交する当接面56となっている。しかして、当接面56の中央部には、円形状の凹部57が形成されている。凹部57には、ゴム状弾性材からなる円板状のシール部材58が装着されている。シール部材58の下面の外周部には、当接面56より下方へ突出する環状の凸部58aが突出されている。凸部58aは、前記第2のシート部材40の弁座40aに対応しており、閉弁時において弁座40aに弾性的に接触可能となっている(図4参照)。また、シール部材58の周囲に位置するバルブ部53の当接面56は、前記第1のシート部材38の座面38aに対応しており、閉弁時において座面38aに当接可能となっている(図4参照)。
【0023】
前記弁体50の主部51及びフランジ部52は、前記ソレノイドコイル22の通電時において、アーマチュアとして機能する。また、ソレノイドコイル22の通電によって発生する電磁力によって、弁体50がガス噴射孔47を開く方向(図2において上方)へ移動すなわち開弁される。また、開弁時において、弁体50のフランジ部52がストッパ28と当接することにより、弁体50の全開位置が規定される(図6参照)。なお、ストッパ28は、本明細書でいう「全開位置規定部材」に相当する。
【0024】
図1に示すように、前記弁体50は、前記コア16内に配置されたコイルバネ61の弾性によってガス噴射孔47を閉じる方向すなわち下方へ付勢されている。コア16内には、コイルバネ61上に位置するバネ荷重調整用のパイプ63が圧入されている。パイプ63の圧入量によってコイルバネ61の付勢力が調整されている。なお、パイプ63は、コア16内に対して圧入に代えてねじ付けることもできる。この場合、パイプ63のねじ込み量によってコイルバネ61の付勢力を調整することができる。また、コア16の中空部すなわちガス通路65の上端開口部内には、異物を捕捉するストレーナ67が配置されている。なお、ガス通路65は、本明細書でいう「流体通路」に相当する。
【0025】
また、ソレノイドコイル22の通電が解除されているときは、弁体50がコイルバネ61の弾性によって閉弁状態に保持されるようになっている。また、板バネ32は、コイルバネ61の閉じ方向の付勢力に比べてはるかに小さくかつコイルバネ61による弁体50の閉弁動作を損なわない程度の開き方向の付勢力を有している。なお、コイルバネ61は、本明細書でいう「付勢部材」に相当する。
【0026】
次に、前記した流量制御弁10の作動について説明する。
ソレノイドコイル22の通電が解除されている閉弁時には、弁体50がコイルバネ61の付勢力によって閉弁状態におかれている(図2参照)。このとき、弁体50のバルブ部53の当接面56が第1のシート部材38の座面38aに当接することで、弁体50の全閉位置が規制されている(図4参照)。また、弁体50のシール部材58の凸部58aが第2のシート部材40の弁座40aに弾性的に当接している。このため、水素ガスは、コア16内のガス通路65(パイプ63内の中空部を含む)から弁体50のガス通路(中空部55及び貫通孔54)を介して、弁体50及びロアボディ部材14並びにバルブシート36により取り囲まれた空間部69(図2参照)に達しているものの、第2のシート部材40のガス噴射孔47へは流れない。
【0027】
また、電子制御装置の制御によるソレノイドコイル22の通電によって発生する電磁力による開弁時には、弁体50がコイルバネ61の付勢に抗して後退(図2において上動)される。このため、図3に示すように、弁体50のバルブ部53の当接面56が第1のシート部材38の座面38aから離れるいわゆる離座する。また、弁体50のシール部材58の凸部58aが第2のシート部材40の弁座40aから離れるいわゆる離座する。これにともない、弁体50のフランジ部52がバルブボディ12側のストッパ28に当接することで、弁体50の全開位置が規制される(図6参照)。これにより、前記空間部69に達している水素ガスが、第2のシート部材40のガス噴射孔47を通って噴射される。また、ソレノイドコイル22に対する通電が遮断されたときは、弁体50がコイルバネ61の付勢力で進出(図2において下動)されることで前記閉弁状態(図4参照)となる。
【0028】
次に、前記流量制御弁10に係る組付調整について説明する。
図3に示すように、開弁時における弁体50のバルブ部53の当接面56と第1のシート部材38の座面38aとの間隙をSt1とする。また、弁体50のシール部材58の凸部58aと第2のシート部材40の弁座40aとの間隙であって、開弁時における最大流量を規定する間隙をSt2とする。このとき、
St1≦St2
の関係を満たすように間隙St1,St2が調整される。なお、
St1>St2
では開弁時における最大流量が稼ぐことができない。
【0029】
また、弁体50のバルブ部53の当接面56に対するシール部材58の凸部58aの突出代をaとする。また、第2のシート部材40の弁座40aに対する第1のシート部材38の座面38aの段差量をbとする。このとき、
a>b
の関係を満たすようにa,bが設定される。これにより、全閉時のシールが可能である。なお、
a<b
では全閉時のシールが不可能であるためガス洩れが発生する。
【0030】
また、前記流量制御弁10の組付過程において、前記弁体50の全開位置は、前記バルブボディ12(詳しくはロアボディ部材14)と第1のシート部材38との間に介在された上側のシム30の厚さ30tと下側のシム34の厚さ34tとにより調整されている。また、開弁時におけるストッパ28の下面から弁体50の当接面56までの寸法をL1とする。また、板バネ32の厚さを32tとする。また、開弁時における弁体50のバルブ部53の当接面56と第1のシート部材38の座面38aとの間隙をSt1とする。このとき、上側のシム30の厚さ30tと下側のシム34の厚さ34tは、
30t+34t=L1+St1−32t
で求められる。
【0031】
また、前記開弁時における最大流量は、前記第1のシート部材38に対する前記第2のシート部材40の圧入量により調整されている。すなわち、第1のシート部材38に対する第2のシート部材40の圧入時(図5参照)において、最大流量を規定する間隙St2(図3参照)が所定値となるように、第1のシート部材38に対して第2のシート部材40を圧入する。詳しくは、弁体50をストッパ28にて規定される全開位置において、ガス噴射孔47を流れる水素ガスの流量すなわち弁体50の上流側と下流側との差圧に基づく流量を測定しながら、第1のシート部材38内に第2のシート部材40を徐々に圧入していき、間隙St2を徐々に変化(減少)させていくことにより調整される。これにより、最大流量のバラツキを低減することができる。その調整後、両シート部材38,40が全周に亘る溶接(符号、45参照)によって接合される(図2参照)。
【0032】
前記した流量制御弁10によると、開弁時における最大流量を第2のシート部材40の弁座40aとシール部材58(詳しくは凸部58a)との間の間隙St2によって規定し、また、閉弁時における弁体50の全閉位置を第1のシート部材38の座面38aに対する弁体50(詳しくは当接面56)の当接によって規定するものである。したがって、開弁時における最大流量と閉弁時における弁体50の全閉位置とを異なる部材間においてそれぞれ規定することにより、閉弁時におけるシール部材58の負担を軽減することができる。これにより、シール部材58のへたりを低減し、シール部材58の耐久性を向上するとともに、シール部材58の寸法のばらつきを低減することができる。また、シール部材58の寸法のばらつきの低減により、開弁時における規定の最大流量を長期的に維持することができる。また、閉弁時におけるシール部材58の負担を軽減することにより、シール部材58の凸部58aの突出代を大きくすることによってもシール部材58の耐久性を向上することができる。
【0033】
また、バルブボディ12(詳しくはロアボディ部材14)と第1のシート部材38との間に介在した上側のシム30の厚さ30t及び下側のシム34の厚さ34tにより、弁体50の全開位置を容易に調整することができる(図6参照)。なお、両シム30,34の厚さ30t,34tに限らず、少なくとも一方のシムの厚さにより弁体50の全開位置を調整してもよい。
【0034】
また、第1のシート部材38に対する第2のシート部材40の圧入量により最大流量を容易に調整することができる。
【0035】
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明の流量制御弁10は、水素ガスに限らず、例えば圧縮天然ガス(CNG)等の気体燃料、液体燃料、その他の燃料以外の流体を供給する装置における流量制御弁として用いることができる。また、前記実施例では、2つのシム30,34を用いたが、いずれか一方のシムを省略したり、あるいは3つ以上のシムを用いたりしてもよい。また、前記実施例では、弁体50の全開位置を規定するストッパ28と上側のシム30とを別部材としたが、これらを一体化した部材に代えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】一実施例に係る流量制御弁を示す断面図である。
【図2】バルブシート及び弁体の周辺部を示す断面図である。
【図3】開弁状態の要部を示す断面図である。
【図4】閉弁状態の要部を示す断面図である。
【図5】第1のシート部材と第2のシート部材との組付関係を示す断面図である。
【図6】シムの周辺部を示す断面図である。
【図7】従来例に係る流量制御弁の要部を示す概略図である。
【符号の説明】
【0037】
10 流量制御弁
12 バルブボディ(固定側の部材)
13 アッパボディ部材
14 ロアボディ部材
30 上側のシム
34 下側のシム
36 バルブシート
38 第1のシート部材
38a 座面
40 第2のシート部材
40a 弁座
47 ガス噴射孔(流体流出孔)
50 弁体
58 シール部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流出孔及び弁座を有するバルブシートと、
前記バルブシートの弁座に対して弾性を有するシール部材を介して着座及び離座する弁体と
を備える流量制御弁であって、
前記バルブシートが、支持側の第1のシート部材と、その第1のシート部材に組付けられかつ前記流体流出孔及び前記弁座が設けられた第2のシート部材とから構成され、
開弁時における最大流量を、前記第2のシート部材の弁座と前記シール部材との間の間隙によって規定し、
閉弁時における前記弁体の全閉位置を、前記第1のシート部材に設けられた座面に対する前記弁体の当接によって規定する構成とした
ことを特徴とする流量制御弁。
【請求項2】
請求項1に記載の流量制御弁であって、
前記第1のシート部材とそのシート部材の固定側の部材との間にシムを介在し、該シムの厚さにより前記弁体の全開位置を調整する構成としたことを特徴とする流量制御弁。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の流量制御弁であって、
前記第1のシート部材に前記第2のシート部材を圧入し、その圧入量により前記最大流量を調整する構成としたことを特徴とする流量制御弁。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−19362(P2010−19362A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−181318(P2008−181318)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
【Fターム(参考)】