説明

液体処理組成物

本発明により、付着補助剤及び色相染料、並びに好ましくは布地ケア有益剤を含む液体組成物、好ましくは水性組成物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付着補助剤及び織物色相染料を含む液体組成物、好ましくは水性組成物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
布地の処理に用いる組成物は、一般的に、布地の洗浄に使用する洗剤、布地の柔軟化及び一般的ケアに使用する柔軟剤又はコンディショナー、並びに布地の洗浄、柔軟化及びケアを目的とする柔軟/コンディショニング洗剤に特徴づけられる。本発明は、最後の種類の布地処理組成物に関する。
【0003】
洗剤組成物は一般に、布地から汚れや染みを浮かし、油状汚れを乳化する界面活性剤を含む。一方で、布地ケア有益剤は意図的に布地上に付着され、柔軟な感触を付与したり、皺防止、アイロンの容易さ、色の保護、毛玉/毛羽立ちの低減、摩擦防止、及び同種の利益を提供したりする。これら布地ケア有益剤の布地表面上への付着を促進するため、出願者らは、付着補助剤の使用が有益であることを見出した。
【0004】
しかし出願者らは、付着補助剤の存在により、実際に有益剤の布地上への付着が増加する一方で、洗浄水からの汚れ、特に負に帯電した汚れの布地上への再付着も増加することを見出している。このため出願者らは、布地ケアを改善しつつも、クリーニング性能への悪影響に注意を払っている。更に、このクリーニング性能の低減は、消費者の目を引くものであり、許容されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって出願者らは、本発明の目的を、良好なクリーニング性能及び改善された柔軟性能又はケア性能を有する洗剤組成物を提供することとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、付着補助剤及び織物色相染料を含む、布地の処理に好適な液体処理組成物が提供される。
【0007】
出願者らは、織物色相染料を付着補助剤を含む組成物に添加すると、組成物の清浄度に対する認識が改善されることを見出した。色相染料は、繰り返しの着用及び洗濯後の、望ましくない白色布地の黄変や、その他薄色布地の同様の変色を改善することが分かっている。色相染料、つまり青味づけ染料は、洗濯の洗浄及び/又はすすぎサイクル中に布地に付着し、布地に対し、消費者が清浄であると認識する青色の色相を与える。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の液体組成物は、洗濯処理組成物として使用するのに適している。用語、洗濯処理組成物は、洗浄及び柔軟加工又はコンディショニング組成物を包含する、洗濯処理に使用される全ての液体組成物を意味する。
【0009】
本発明の組成物は液体であるが、容器中に包装されてもよく、又はカプセル化されて、及び/又は単位化用量で包装されてよい。後者について以下により詳細に記述する。液体組成物は、水性又は非水性であってよい。組成物が水性の場合、それらは2%〜90%水、より好ましくは20%〜80%水、最も好ましくは25%〜65%水を含むことができる。非水性組成物は12%未満の水、好ましくは10%未満の水、最も好ましくは9.5%未満の水を含んでよい。水溶性フィルム内に包まれた液体組成物を含む単位化用量製品として使用される組成物は、非水性であると記載されることが多い。この用途ための本発明による組成物は、2%〜15%の水、より好ましくは2%〜10%の水、最も好ましくは4%〜9%の水を含む。
【0010】
本発明の組成物は好ましくは、20s−1及び21℃において、1〜1500mPa・s(1〜1500センチポアズ)、より好ましくは100〜1000mPa・s(100〜1000センチポアズ)、最も好ましくは200〜500mPa・s(200〜500センチポアズ)の粘度を有する。粘度は、従来の方法により決定できる。しかし、本発明に従う粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmで、平板鋼スピンドルを使用する、TAインスツルメント(TA instruments)からのAR 550レオメーターを使用して測定される。20s−1における高剪断粘度及び0.05−1における低剪断粘度は、21℃で3分における対数剪断速度掃引0.1−1〜25−1にて得られる。ここに記載される好ましいレオロジーは、内部に存在する構造剤を洗剤成分と共に使用することにより、又は外部レオロジー変性剤を採用することにより、得られる。より好ましくは、洗濯洗剤液体組成物は、約0.1Pa・s(100センチポアズ)〜1.5Pa・s(1500センチポアズ)、より好ましくは、0.1〜1Pa・s(100〜1000cps)の高剪断速度を有する。単位用量の洗濯洗剤液体組成物は、0.4〜1Pa・s(400〜1000cps)の高剪断速度を有する。洗濯柔軟組成物は、0.01〜1Pa・s(10〜1000)、より好ましくは0.01〜0.8Pa・s(10〜800cps)、最も好ましくは0.01〜0.5Pa・s(10〜500cps)の高剪断速度を有する。手洗い用食器洗い組成物は、0.3〜4Pa・s(300〜4000cps)、より好ましくは0.3〜1Pa・s(300〜1000cps)の高剪断速度を有する。
【0011】
本発明の液体は、脱塩水中1%の濃度に液体を溶解することにより測定するとき、好ましくは3〜10、より好ましくは5〜9、更により好ましくは6〜9、最も好ましくは7.1〜8.5のpHを有する。
【0012】
布地ケア有益剤
本明細書の組成物の好適な実施形態によると、布地ケア有益剤が含まれる。本明細書で使用するとき、「布地ケア有益剤」とは、衣類/布地上に十分な量の材料が存在するとき、衣類及び布地に対して、特に綿及び綿を多く含む衣類及び布地上において、布地柔軟化、色の保護、毛玉/毛羽立ちの低減、磨耗防止、皺防止等のような布地ケア効果を提供できる任意の材料を指す。布地ケア有益剤の非限定的な例として、カチオン性界面活性剤類、シリコーン類、ポリオレフィンワックス類、ラテックス類、油性糖誘導体類、カチオン性多糖類、ポリウレタン類、脂肪酸類、及びこれらの混合物が挙げられる。組成物中に存在する場合の布地ケア有益剤は、組成物の、少なくとも30重量%までの濃度が好適であり、より典型的には約1重量%〜約20重量%であり、特定の実施形態では好ましくは約2重量%〜約10重量%である。
【0013】
本発明の目的のため、シリコーン誘導体は、布地ケア効果を与えることができ、エマルション、ラテックス、分散物、懸濁剤等として液体処理組成物中に組み込むことができる、あらゆるシリコーン材料である。洗濯製品にはこれらは好適な界面活性剤と共に組み入れるのが最も一般的である。また、洗濯製品が、通常、乳化剤、分散剤、懸濁剤などと同様に作用して水不溶性シリコーン誘導体の乳化、分散、及び/又は懸濁を助けることのできる多種多様な界面活性剤を含有するので、洗濯製品に直接乳化又は分散させることのできる純シリコーン類も、本発明の対象である。これらのシリコーン誘導体類は、布地上に付着することによって、布地に、皺防止、色の保護、毛玉/毛羽立ちの低減、磨耗防止、布地の柔軟化などを含む1以上の布地ケア利益を提供することができる。本発明に有用なシリコーンの例は、「シリコーン−応用分野及び技術動向」オノ ヨシアキ、日本の信越シリコーン社、及びM.D.バーシオウム(Berthiaume)による化粧品及びパーソナルケアのポリマー科学の原理と技術(Principles of Polymer Science and Technology in Cosmetics and Personal Care)(1999)に記述される。
【0014】
好適なシリコーンとしては、ポリ(ジ)アルキルシロキサン、とりわけポリジメチルシロキサン及び環状シリコーンのようなシリコーン流体が挙げられる。ポリ(ジ)アルキルシロキサン類は以下の化学構造を有する分岐、部分架橋又は直鎖のものであってよい。
【化1】

式中、各々のRは、H、1〜20の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖及び環状のアルキル基、2〜20の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖、及び環状のアルケニル基、7〜20の炭素原子を有するアルキルアリール及びアリールアルケニル基、1〜20の炭素原子を有するアルコキシ基、ヒドロキシ基及びこれらの組み合わせから独立して選択され、wは3〜10から及びkは2〜10,000から選択される。
【0015】
本発明のポリジメチルシロキサン誘導体としては、有機官能性シリコーンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
官能性シリコーンの一実施形態は、米国特許第6,903,061(B2)号明細書、同第6,833,344号明細書、及び国際公開第02/018528号公報に開示されるABn型シリコーンである。これらのシリコーンの市販の例は、ワロ(Waro)及びシルソフト(Silsoft)843であり、共にGEシリコーン(GE Silicones)、(コネティカット州、ウィルトン(Wilton))から販売されている。
【0017】
別の実施形態の官能化シリコーンは一般式(I)を有するシリコーン群である。
【化2】

式中、
(a)各々のR”はR及び−X−Qから独立して選択され、ここで、
(i)Rは、C〜Cのアルキル又はアリール基、水素、C〜Cアルコキシ又はこれらの組み合わせから選択される基であり、
(b)Xはアルキレン基−(CH−、又は
−CH−CH(OH)−CH−、から選択される連結基であり、式中、
(i)pは2〜6であり、
(c)Qは−(O−CHR−CH−Zであり、式中、qは平均して約2〜約20であり、更に、式中、
(i)Rは、H、C〜Cのアルキルから選択される基であり、及び
(ii)Zは、−OR、−OC(O)R、−CO−R−COOH、−SO、−PO(OH)、から選択される基であり、
【化3】

式中、
は、H、C〜C26のアルキル又は置換アルキル、C〜C26のアリール又は置換アリール、C〜C26のアルキルアリール又は置換アルキルアリール、から選択される基であり、一部の実施形態ではRはH,メチル、エチルプロピル、又はベンジル基から選択される基であり、
は−CH−、又は−CHCH−、から選択される基であり、
はH、C〜Cのアルキル、
−(CH−NH、及び−X(−O−CHR−CH−Zから独立して選択される基であり、
(d)kは平均して約1〜約25,000、又は約3〜約12,000であり、及び
(e)mは平均して約4〜約50,000、又は約10〜約20,000である。
【0018】
本発明に包含される官能化シリコーンの例は、シリコーンポリエーテル、アルキルシリコーン、フェニルシリコーン、アミノシリコーン、シリコーン樹脂、シリコーンメルカプタン、カチオン性シリコーン等である。
【0019】
官能化シリコーン、又はアミノ、アルコキシ、アルキル、フェニル、ポリエーテル、アクリレート、水素化ケイ素、メルカプトプロピル(mercaptoproyl)、カルボン酸、四級化窒素のような1つ以上の異なる種類の官能基を持つコポリマーが適している。購入可能なシリコーンの非限定的な例には、GEシリコーンズから購入可能なSM2125、シルウエット(Silwet)7622、及びダウコーニングから購入可能なDC8822、PP−5495、及びDC−5562が挙げられる。他の例としては、共に信越シリコーン(Shin Etsu Silicones)、(オハイオ州、アクロン(Akron))から入手可能なKF−888、KF−889;全てノベオン社(Noveon Inc.)、(オハイオ州、クリーブランド(Cleveland))から入手可能なウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)SW−12、ウルトラシル(登録商標)DW−18、ウルトラシル(登録商標)DW−AV、ウルトラシル(登録商標)Q−プラス、ウルトラシル(登録商標)Ca−1、ウルトラシル(登録商標)CA−2、ウルトラシル(登録商標)SA−1及びウルトラシル(登録商標)PE−100が挙げられる。更なる非限定的な例としては、フェニックスケミカル社(Phoenix Chemical Inc.)(サマービル)から入手可能なペコシル(Pecosil)(登録商標)CA−20、ペコシル(登録商標)SM−40、ペコシル(登録商標)PAN−150が挙げられる。
【0020】
シリコーンエマルションに関して、粒径は約1nm〜100マイクロメートルの範囲にあることができ、好ましくは約10nm〜約10マイクロメートルであり、それにはミクロエマルション(150nm以下)、標準エマルション(約200nm〜約500nm)、及びマクロエマルション(約1マイクロメートル〜約20マイクロメートル)が含まれる。
【0021】
本発明において使用するのに適した油性糖誘導体は、国際公開第98/16538号公報に教示されている。本発明の文脈において、頭文字CPE又はRSEは、それぞれ、35%〜100%のヒドロキシル基がエステル化及び/又はエーテル化されている環状ポリオール又は還元糖に由来する、環状ポリオール誘導体又は還元された糖誘導体を表し、ここで、少なくとも2つ以上のエステル又はエーテル基が、C8〜C22のアルキル又はアルケニル鎖に独立して付着する。典型的にはCPE及びRSEは3つ以上のエステル又はエーテル基若しくはこれらの混合物を有する。CPE及びRSEの2つ以上のエステル又はエーテル基がC8〜C22のアルキル鎖又はアルケニル鎖に独立して結合されている場合が好適である。C8〜C22のアルキル鎖又はアルケニル鎖は直鎖又は分岐鎖であってよい。一実施形態では、ヒドロキシル基の40%〜100%がエステル化又はエーテル化される。別の実施形態ではヒドロキシル基の50%〜100%がエステル化又はエーテル化される。
【0022】
本発明に関連した場合、用語、環状ポリオールは糖の全ての形態を網羅する。とりわけ好ましいのは、単糖類及び二糖類からのCPE及びRSEである。単糖類の例としては、キシロース、アラビノース、ガラクトース、フルクトース、及びグルコースが挙げられる。還元糖の例はソルビタンである。二糖類の例は、スクロース、ラクトース、マルトース及びセロビオースである。スクロースがとりわけ好ましい。
【0023】
CPE又はRSEは4つ以上のエステル基又はエーテル基を有する場合が好適である。環状CPEが二糖類である場合、二糖類は3つ以上のエステル基又はエーテル基を有することが好ましい。特に好ましいのは、4以上のエステル基を持つスクロースエステルである。これらは、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter and Gamble Company)、(オハイオ州、シンシナティ(Cincinnati))から、商品名オレアン(Olean)として市販されている。環状ポリオールが還元糖である場合、CPEの環が1つのエーテル基を有し、好ましくはC1の位置に有する場合が有利である。残りの水酸基はアルキル基でエステル化される。
【0024】
布地ケア効果を提供する全ての分散性ポリオレフィンを、本発明による水不溶性布地ケア有益剤として使用することができる。当該ポリオレフィンは、ワックス、エマルション、分散液、又は懸濁液の形態であることができる。非限定例を以下に記載する。
【0025】
好ましくは、当該ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれらの混合物である。ポリオレフィンは、カルボキシル、アルキルアミド、スルホン酸又はアミド基のような様々な官能基を含有するように、少なくとも部分的に変性されていてもよい。より好ましくは、本発明で使用されるポリオレフィンは、少なくとも部分的にカルボキシル変性されており、換言すれば、酸化されている。特に、酸化又はカルボキシル変性ポリエチレンは、本発明の組成物に好ましい。
【0026】
配合を容易にするために、分散性ポリオレフィンは、好ましくは、乳化剤を用いて分散されたポリオレフィンの懸濁液又はエマルションとして導入される。ポリオレフィン懸濁液又はエマルションは、好ましくは約1重量%〜約60重量%、より好ましくは約10重量%〜約55重量%、最も好ましくは約20〜約50重量%のポリオレフィンを含む。ポリオレフィンは、好ましくは、約20〜170℃、より好ましくは約50〜140℃のワックス滴点(ASTM D3954−94、15.04巻−−−「ワックス類の滴点に関する標準試験方法(Standard Test Method for Dropping Point of Waxes)」参照、この方法を本明細書に参考として組み込む)を有する。好適なポリエチレンワックス類は、これだけに限定するものではないが、ハネウェル(Honeywell)(A−Cポリエチレン)、クラリアント(Clariant)(ベルストロール(Velustrol)エマルション)、及びBASF(ルーワックス(LUWAX))を含めた供給元から市販されている。
【0027】
エマルションが使用されるときには、乳化剤は、アニオン性、カチオン性、若しくは非イオン性の界面活性剤、又はこれらの混合物を含め、どの好適な乳化剤であってもよい。ほとんどのどの好適な界面活性剤も、本発明の乳化剤として使用してよい。分散性ポリオレフィンは乳化剤又は懸濁化剤を1:100〜約1:2の比率で用いることにより分散される。好ましくは比率は約1:50〜1:5の範囲である。
【0028】
ポリマーラテックスは、通常、1つ以上のモノマー、1つ以上の乳化剤、反応開始剤、及び当業者にはよく知られている他の構成成分を含むエマルション重合プロセスによって製造される。布地ケア効果を提供する全てのポリマーラテックスを、本発明の水不溶性布地ケア有益剤として使用することができる。好適なポリマーラテックスの非限定的実施例としては、国際公開第02/018451号公報(ローディア化学(Rhodia Chimie)の名で公開)に開示されるものが挙げられる。更なる非限定的な実施例としては、次のようなポリマーラテックスを製造する際に使用されるモノマーが挙げられる:
1)100%又は純ブチルアクリレート
2)少なくとも20重量%(モノマー比)のブチルアクリレートを有する、ブチルアクリレートとブタジエンとの混合物
3)ブチルアクリレートと、20重量%未満(モノマー比)のブタジエンを除いた他のモノマー
4)C6以上のアルキル炭素鎖を有するアルキルアクリレート
5)C6以上のアルキル炭素鎖を有するアルキルアクリレートと、50重量%未満(モノマー比)の他のモノマー
6)1)〜5)のモノマー系に添加される第3のモノマー(モノマー比で20重量%未満)。
【0029】
本発明において好適な布地ケア有益剤であるポリマーラテックス類には、ガラス転移温度が約−120℃〜約120℃、好ましくは約−80℃〜約60℃のものが含まれる。適した乳化剤類には、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤類が包含される。好適な反応開始剤には、ポリマーラテックス類のエマルション重合に適した全ての反応開始剤が含まれる。ポリマーラテックス類の粒径は、約1nm〜約10μmにすることができ、好ましくは約10nm〜約1μmである。
【0030】
カチオン性界面活性剤は本発明に有用なケア活性物質の別の部類である。下式を有するカチオン性界面活性剤の例が、
【化4】

米国特許出願公開第2005/0164905号に開示されている。式中、R及びRは、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(C2nO)H、からなる群から個々に選択され、xは2〜5の値を有し、nは1〜4の値を有し、Xはアニオンである。
【0031】
及びRは、それぞれC〜C22のアルキル又は(2)RがC〜C22のアルキルであり、及びRが、C〜C10のアルキル、C〜C10のヒドキシアルキル、ベンジル、−(C2nO)Hであり、ここでxは2〜5の値を有し、nは1〜4の値を有するもの、からなる群から選択される。
【0032】
別の好適な布地ケア有益剤は脂肪酸である。布地に付着するとき、脂肪酸又はその石鹸は、洗濯布地に布地ケア(柔軟性、形状保持)を提供するであろう。有用な脂肪酸(又は石鹸=脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルキルアンモニウム塩のようなアルカリ金属石鹸)は、約8〜約24の炭素原子、より好ましくは約12〜約18の炭素原子を含有する高級脂肪酸である。石鹸は、脂肪及び油の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸の中和によって製造することができる。特に有用であるのは、ココヤシ油及び獣脂から誘導される脂肪酸の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウム獣脂及びココヤシ石鹸である。脂肪酸は、天然又は合成源由来であることができ、直鎖又は分枝鎖を持つ飽和及び不飽和の両方である。
【0033】
付着補助剤
本明細書で使用する場合、「付着補助剤」は、洗濯中に布地ケア有益剤の布地への付着を顕著に高める、あらゆるカチオン性ポリマー又はカチオン性ポリマーの組み合わせを指す。
【0034】
有効な付着助剤は、好ましくは、ファンデルワールス力のような物理力、あるいは水素結合及び/又はイオン結合のような非共有化学結合を介した、水不溶性布地ケア有益剤との強い結合能力を有する。それは、好ましくは、天然の織物繊維、特に綿繊維に対して非常に強い親和力を有する。
【0035】
付着補助剤は水溶性であり、水不溶性の布地ケア有益剤の粒子表面を被覆するか、又はいくつかの粒子を結束させることができるように柔軟な分子構造を有する必要がある。したがって、分子の柔軟性を欠く傾向があるあるため、付着補助剤は架橋されないことが好ましく、網目構造を有さないことが好ましい。
【0036】
布地ケア有益剤を布地上に推進させるためには、付着補助剤の正味電荷は布地と布地ケア有益剤との間の反発に打ち勝つために好ましくは正であり、これは大抵の布地が水性の環境中でわずかに負電荷を有する織物繊維を含むからである。水中でわずかに負の電荷を示す繊維の例には、これだけに限定するものではないが、綿、レーヨン、絹、羊毛などが含まれる。
【0037】
好ましくは、付着助剤はカチオン性又は両性ポリマーである。本発明の両性ポリマーは、やはりカチオン性の正味電荷を有し、すなわち、これらのポリマー上にあるカチオン性電荷の合計が、アニオン性電荷の合計を上回る。ポリマーのカチオン電荷密度は、約0.05ミリ当量/g〜約6ミリ当量/gの範囲である。電荷密度は、繰り返し単位当たりの正味電荷数を、繰り返し単位の分子量で割ることにより計算される。一実施形態においては、電荷密度は、約0.1ミリ等量/g〜約3ミリ当量/gで変化する。正電荷は、ポリマーの主鎖又はポリマーの側鎖上に存在することができる。
【0038】
付着増強剤の非限定的例は、カチオン性多糖類、キトサン及びその誘導体、並びにカチオン性合成ポリマーである。
【0039】
a.カチオン性多糖類
カチオン性多糖類には、それらに限定されないが、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性グアーガム誘導体、キトサン及び誘導体、並びにカチオン性デンプンが挙げられる。カチオン性多糖類は約50,000〜約2,000,000の分子量を有し、それは好ましくは約100,000〜約1,000,000である。最も好ましくは、カチオン性セルロースは約200,000〜約800,000の分子量を有し、カチオン性グアーは約500,000〜1,500,000の分子量を有する。
【0040】
好適なカチオン性多糖類の一群はカチオン性セルロース誘導体であり、好ましくはカチオン性セルロースエーテル類である。これらのカチオン性物質は、以下の一般構造式Iに従う、置換型の無水グルコース反復単位を有する。
【化5】

構造式I
式中、R、R、Rは、それぞれ、独立して、H、CH、C8〜24のアルキル(直鎖又は分岐鎖)、
【化6】

又はこれらの混合物であり、nは約1〜約10であり、RxはH、CH、C8〜24のアルキル(直鎖又は分岐鎖)、
【化7】

又はこれらの混合物であり、Zは水溶性アニオン、好ましくは、塩素イオン及び/又は臭素イオンであり、Rは、H、CH、CHCH、又はこれらの混合物であり、Rは、CH、CHCH、フェニル基、C8〜24のアルキル基(直鎖又は分岐鎖)、又はこれらの混合物であり、更に
及びRはそれぞれ独立してCH、CHCH、フェニル、又はこれらの混合物であり、
は、H、
【化8】

又はこれらの混合物であり、式中、Pは、
【化9】

などのカチオン性モノマーのラジカル重合によって形成される付加ポリマーの繰り返し単位であり、式中、Z’は、水溶性アニオンであり、好ましくは、塩素イオン、臭素イオン又はこれらの混合物であり、qは約1〜約10である。
【0041】
ポリマーの無水グルコース環上のアルキル置換の範囲は、ポリマー物質のグルコース単位1つ当たり約0.01%〜5%、より好ましくはグルコース単位1つ当たり約0.05%〜2%である。
【0042】
構造式Iのカチオン性セルロースエーテル類には、同様に、市販のものが包含され、市販物質を従来式に化学修飾することによって調製できる物質が更に包含される。構造式I型の市販のセルロースエーテルとしては、JR 30M、JR 400、JR 125、LR 400及びLK 400ポリマー(これら全ては、アマコール社(Amerchol Corporation)(ニュージャージー州、エッジウォーター(Edgewater))から販売される)、並びにセルクアト(Celquat)H200及びセルクアトL−200(ブリッジウォーター(Bridgewater)(ニュージャージー州)のナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)から入手可能)が挙げられる。
【0043】
本発明に有用なカチオン性デンプンは、D.B.ソラレク(Solarek)による「加工デンプン、特性及び用途(Modified Starches, Properties and Uses)」(CRCプレス発行、1986年)に記載されている。カチオンデンプンは、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)からカトー(Cato)の商品名で市販されている。
【0044】
本発明に好適なカチオン性グアーは、
【化10】

であり、式中、Gはガラクトマンナン(glactaomanan)主鎖であり、RはCH、CHCH、フェニル基、C8〜24のアルキル基(直鎖又は分岐鎖)、又はこれらの混合物であり、R及びRは、それぞれ、独立して、CH、CHCH、フェニル、又はこれらの混合物であり、Zは適切なアニオンである。好適なグアー誘導体はグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドである。カチオン性グアーガムの例は、ニュージャージー州、クランベリー(Cranburry)のローディア社(Rhodia, Inc)から入手可能なジャガー(Jaguar)C13及びジャガーエクセル(Jaguar Excel)である。
【0045】
b.合成カチオン性ポリマー
一般にカチオン性ポリマー及びその製造方法は、文献において知られている。例えば、カチオン性ポリマーの詳細な説明は、「高分子科学−化学雑誌(Journal of Macromolecular Science-Chemistry)」A4巻6号、1327〜1417頁、1970年10月発行、のM.フレッド・フーバー(M. Fred Hoover)による記事に見ることができる。フーバー(Hoover)の記事で開示された全内容は、参照として本明細書に組み込まれる。その他の好適なカチオン性ポリマー類は、紙の製造で歩留まり向上剤として使用されるものである。これらのポリマーは、ジェームズ・ケーシー(James Casey)編集の「パルプ及び紙、化学及び化学技術第3巻(Pulp and Paper, Chemistry and Chemical Technology Volume III)」(1981年)に記載されている。これらのポリマーの分子量は2,000〜5,000,000の範囲内である。
【0046】
本発明の合成カチオン性ポリマーは、フーバー(Hoover)の論説、ケーシー(Casey)の書籍、本開示、及び本明細書の実施例に照らして読めばより良く理解されるであろう。合成ポリマーには、それらに限定されないが、一般的化学構造式:
【化11】

の合成付加重合体が挙げられ、式中、R、R、及びZは本明細書において以下に定義される。好ましくは線状ポリマーユニットは、直線的に重合するモノマーから形成される。線状重合モノマーは、本明細書において、標準的な重合条件下で線状ポリマー鎖を生じるモノマー、あるいは線状に重合を拡大するモノマーとして定義される。本発明の線状重合モノマーは、次の式を有する。
【化12】

【0047】
ただし、当業者であれば、多くの有用な線状モノマー単位、とりわけ、ビニルアミン単位、ビニルアルコール単位が、線状重合モノマーを介さずに、間接的に組み込まれることを理解するであろう。例えば、主鎖に一旦組み込まれた酢酸ビニルモノマーは、加水分解されてビニルアルコール単位を形成する。本発明の目的のために、線状ポリマー単位は直接的に(すなわち、線状重合単位を介して)組み込まれても、又は間接的に(すなわち、上記のビニルアルコールの場合は前駆体を介して)組み込まれてもよい。
【0048】
各Rは、独立して、水素、C〜Cのアルキル基、置換又は非置換フェニル基、置換又は非置換ベンジル基、炭素環式、複素環式、及びこれらの混合物である。Rは、好ましくは、水素、C〜Cのアルキル基、フェニル基、及びこれらの混合物であり、より好ましくは水素及びメチル基である。
【0049】
各Rは、独立して、水素、ハロゲン、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基、置換又は非置換フェニル基、置換又は非置換ベンジル基、炭素環式、複素環式、及びこれらの混合物である。好ましいRは、水素、C〜Cのアルキル基、及びこれらの混合物である。
【0050】
各々のZは、独立して水素;ヒドロキシ;ハロゲン;−(CHR、式中、Rは水素、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトリロ、−OR、−O(CHN(R、−O(CH(R、−C(O)O(CHN(R、−C(O)O(CH(R、−OCO(CHN(R、−OCO(CH(R、−C(O)NH−(CHN(R、−C(O)NH(CH(R、−(CHN(R、−(CH(R、四級アンモニウムイオンを含む非芳香族性の窒素複素環、N−オキシド部分を含む非芳香族性の窒素複素環、1つ以上の又は窒素原子が四級化されている窒素含有芳香族複素環、少なくとも1つの窒素がN−オキシドである窒素含有芳香族複素環;−NHCHO(ホルムアミド)、又はこれらの混合物;ここで各々のRは独立して、水素、C〜Cのアルキル、C〜Cのヒドロキシアルキル、及びこれらの混合物;Xは水溶性アニオンであり;添え字nは1〜6であり;炭素環式、複素環式、又はこれらの混合物;−(CHCOR’式中R’は−OR、−O(CHN(R、−O(CH(R、−NR(CHN(R、−NR(CH(R、−(CHN(R、−(CH(R、又はこれらの混合物、式中、R、X、及びnは上記で規定したのと同じである。好ましいZは、−O(CH(Rであり、式中添え字nは2〜4である。添え字mは0〜6であり、好ましくは0〜2、より好ましくは0である。
【0051】
複素環式Z単位を含む付加重合モノマーの非限定的な例としては、1−ビニル−2−ピロリジノン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニル−1,3−ジオキソラン、4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2−エポキシド、及び2−ビニルピリジンが挙げられる。
【0052】
本発明のポリマー類及びコポリマー類は、カチオン電荷を有するZ単位を含む、又はカチオン電荷をその場で形成する単位を生じるZ単位を含む。本発明のコポリマー類が、例えば、Z、Z、...Z単位の1を超えるZ単位を含む場合、コポリマー類を含むモノマーの少なくとも約1%はカチオン単位を含む。
【0053】
カチオン電荷をその場で形成するように作成可能なZ単位の非限定的な例としては、−NHCHO単位、ホルムアミドが挙げられる。配合者は、一部が次工程で加水分解されてビニルアミン等価物を形成するホルムアミド単位を含むポリマー又はコポリマーを調製できる。
【0054】
環状重合モノマーから誘導される環式ユニット
本発明のポリマー類又はコポリマー類は、環状重合モノマーから誘導された1以上の環状ポリマー単位を含有してもよい。環状重合モノマー類は、本明細書において、標準的な重合条件下で環状ポリマー残基を生じ、並びに線状に重合を拡大するのに役立つモノマーとして定義される。本発明の好ましい環状重合モノマー類は、次の式を有する。
【化13】

式中、各Rは、独立して、重合を拡大可能であり、更に隣接するR単位と環状残基を形成可能な単位を含むオレフィンであり、RはC〜C12の直鎖又は分枝鎖アルキル、ベンジル、置換ベンジル、及びこれらの混合物であり、Xは水溶性アニオンである。
【0055】
単位の非限定的な例としては、アリル及びアルキル置換アリル単位が挙げられる。形成される環状残基は、四級窒素原子を含む6員環であることが好ましい。
【0056】
は、好ましくはC〜Cのアルキルであり、好ましくはメチルである。
【0057】
環状重合モノマーの例は、次の式を有するジメチルジアリルアンモニウムである。
【化14】

この化合物は、次の式を有する単位を含むポリマー又はコポリマーを生じる。
【化15】

式中、好ましくは、添え字zは約10〜約50,000である。
【0058】
及びこれらの混合物
本発明に従う好ましいポリマーの非限定的な実施例としては、以下を含むコポリマーが挙げられる。
【0059】
a)N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、これらの四級化誘導体、ビニルアミン及びその誘導体、アリルアミン及びその誘導体、ビニルイミダゾール、四級化ビニルイミダゾール及びジアリルジアルキル塩化アンモニウムからなる群から選択されるカチオン性モノマー。
【0060】
b)第2モノマーであって、アクリルアミド(AM)、N,N−ジアルキルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、C1〜C12アルキルアクリレート、C1〜C12ヒドロキシアルキルアクリレート、C1〜C12ヒドロキシエーテルアルキルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12ヒドロキシアルキルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアルキルエーテル、ビニルブチレート、及びこれらの誘導体並びに混合物、からなる群から選択される。
【0061】
好適なカチオン性モノマーには、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAM)、[2−(メタクリロイルアミノ)エチル]トリ−メチルアンモニウムクロリド(QDMAM)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPA)、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、四級化ビニルイミダゾール、及びジアリルジメチルアンモニウムクロリド及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0062】
好適な第2のモノマーsnには、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、C1〜C4アルキルアクリレート、C1〜C4ヒドロキシアルキルアクリレート、ビニルホルムアミド、ビニルアセテート、及びビニルアルコールが挙げられる。最も好適な非イオン性モノマーは、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート及びその誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロピルメタンスルホン酸(AMPS)及びこれらの塩がある。
【0063】
ポリマーは任意で架橋されていてよい。架橋モノマーには、エチレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ブタジエンが挙げられるが、それらに限定されない。最も好ましいポリマーは、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート−コ−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)である。
【0064】
付着ポリマーが処方可能であり、組成物中で安定であるためには、ポリマーに組み入れられるモノマーがコポリマーを形成することが重要であり、大きく異なった反応性比を有するがモノマーが使用される場合には特に正しい。市販のコポリマーと異なって、本明細書の付着ポリマーは、モノマーの10重量%未満の遊離モノマー含量を有し、好ましくは5重量%未満である。付着ポリマーを含有し、遊離モノマー含量が低い反応生成物を製造するのに好適な合成条件は以下に記述される。
【0065】
付着支援ポリマーはランダム型、ブロック型、グラフト型で可能である。それらは線状又は分岐状であることができる。付着支援ポリマーは約1〜約60モル%、好ましくは約1〜約40モル%のカチオン性モノマー反復単位及び約98〜約40モル%、約60〜約95モル%の非イオン性モノマー反復単位を有する。
【0066】
付着支援ポリマーは、乾燥ポリマー中、約0.1〜5.0ミリ当量/g(meq/g)、好ましくは約0.1〜3meq/gの電荷密度を有する。これはポリマー自体の電荷密度を指し、原料モノマーのものとは異なることが多い。例えば、モノマー仕込み比が70:30のアクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドのコポリマーに対して、仕込みモノマーの電荷密度は約3.05meq/gである。しかし、ジアリルジメチル塩化アンモニウムの50%だけが重合した場合、ポリマーの電荷密度は約1.6meq/gだけである。ポリマー電荷密度は、透析膜によるポリマーの透析又はNMRによって測定される。アミンモノマーを用いたポリマーでは、電荷密度はキャリアのpHに依存する。これらのポリマーでは、電荷密度はpH7で測定される。
【0067】
通常、ポリマーの重量平均分子量は、RI検出器を用いて、ポリエチレンオキシド標準に相対的にサイズ排除クロマトグラフィーによって計測されるように、10,000〜5,000,000、好ましくは、100,000〜200,000、及び更に好ましくは、200,000〜1,500,000になるとされる。移動相は、0.4モルMEA、0.1モルNaNO、3%酢酸の20%メタノール溶液であり、ウォーターズ・リニア・ウルトラヒドロゲル(Waters Linear Ultrahdyrogel)カラムを2本直列接続して用いる。カラムと検出器は40℃保持した。流量設定は0.5mL/分である。
【0068】
その他の好適な助剤にはポリエチレンイミン及びその誘導体が挙げられる。これらはドイツ国ルートヴィヒシャーフェン(Ludwigschaefen)のBASF社から商品名ルパゾール(Lupasol)exとして市販されている。その他の好適な助剤には、ポリアルキレンポリアミンとポリカルボン酸との縮合生成物である、ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン(PAE)樹脂が挙げられる。最も一般的なPAE樹脂は、エピクロロヒドリンと後続反応される、ジエチレントリアミンとアジピン酸の縮合生成物である。これらはハーキュレス社(Hercules Inc.)(デラウェア州ウィルミントン(Wilmington))から商品名キメン(Kymene)として、又はBASF社(BASF AG)から商品名ルレジン(Luresin)として入手可能である。これらのポリマー類は、L.L.チャン(Chan)編集の「湿潤強度向上樹脂及びその用途(Wet Strength resins and their applications)」(タッピ・プレス(TAPPI Press)、1994年)に記載されている。
【0069】
織物色相染料
本発明の組成物は、その本質的な特徴として色相染料を含む。本洗剤組成物に包含される色相染料は、好ましくは少なくとも10の色相効率、及び約30%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す。こうした染料は、洗濯洗浄サイクル中好ましい着色効率を示し、洗濯後過度の望ましくない蓄積を示さないことがわかった。染料の色相効率は、染料を含有しない溶液中で洗浄された織物サンプルを、染料を含有する溶液中で洗浄された織物サンプルと比較することにより測定され、色相染料が望ましい色付け、例えば白くなること、を付与するのに有効かどうかを示す。具体的には、25cm×25cmの織物片が採用され、その例には、453.6g(16オンス)綿両面編みメリヤス生地(270g/平方メートル、ユビテックス(Uvitex)BNB蛍光増白剤で漂白され、テスト・ファブリックス社(Test Fabrics)(18643、ペンシルバニア州、ウエストン(Weston)、私書箱26)から得られる)が含まれてよい。白色綿材料を採用するのが好ましいが、他の織物サンプルを使用してもよい。表1に示されるようなAATCC標準重質液(HDL)試験用洗剤1.55gを含有する1リットルの蒸留水中で、サンプルを45分間室温で洗浄し、すすぐ。染料を含有しない(コントロール)洗剤及び30ppm洗浄濃度の染料を含有する洗剤を使用して、各サンプルを調製し、試験する。各織物サンプルをすすぎ・乾燥後、洗濯物の色相効率、DEeffを以下の式により評価する。
DEeff=((L−L+(a−a+(b−b1/2
(式中、添字c及びsは各々、コントロール、すなわち染料を有さない洗剤中で洗浄された布地サンプル、及び審査すべき染料を含有する洗剤中で洗浄された布地サンプルについて測定されたL、a及びb値を指す)。L、a及びb値の測定は、D65照度、10度観測器及び遮断UVフィルターを有するハンターカラークエスト(Hunter Colorquest)反射分光光度計を使用し行われる。本洗剤組成物において使用するのに好適な色相染料は、少なくとも10の色相効率を示す。より具体的な実施形態においては、色相染料は少なくとも15の色相効率を示す。
【0070】
洗浄除去値は、色相染料の織物への蓄積に対する耐性の表示であり、従って、色相染料が色付けには有効であるが、繰返し洗浄した後、望ましくない織物の青味づけを引き起こさないことを示している。洗浄除去値は、以下のように決定される:上記の色相効率試験で得られた15cm×5cmの大きさの織物サンプル片をランダロメーター(Launderometer)中で45分間49℃で表1に示されたHDL洗剤溶液150mLでAATCC試験法61−2003、試験2Aに従って洗浄する。洗剤濃度は、蒸留水中AATCC HDL処方の1.55g/リットルである。すすぎをして暗所で風乾後、残留着色の量を、以下の式で与えられるDEresを測定することにより評価する。
DEres=((L−L+(a−a+(b−b1/2
(式中、添字c及びsは各々、コントロール、すなわち最初に染料を有さない洗剤中で洗浄された布地サンプル、及び最初に審査すべき染料を含有する洗剤中で洗浄された布地サンプルについて測定されたL、a及びb値を指す)。次に、染料に対する洗浄除去値を式:除去(%)=100×(1−DEres/DEeff)に従って計算する。本洗剤組成物において使用するのに適した色相染料は、約30%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す。より具体的な実施形態においては、色相染料は、約40%〜約85%、あるいは約45%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す。
【表1】

処方pHを8.5に調整
ジエチレントリアミン五酢酸、五ナトリウム塩
【0071】
色相染料は洗濯洗剤組成物中に洗剤を包含する溶液中で洗浄される布地に着色効果を与えるのに十分な量が含まれる。一実施形態においては、洗剤組成物は、約0.0001重量%〜約0.1重量%、より具体的には約0.001重量%〜約0.05重量%の色相染料を含む。
【0072】
本発明による色相効率と洗浄除去値の組合せを示す代表的な染料としては表2に示されるようないくつかのトリアリールメタンブルー及びバイオレット塩基性染料、表3に示されるようなメチンブルー及びバイオレット塩基性染料、表4に示されるようなアントラキノン染料、アントラキノン染料塩基性ブルー35及び塩基性ブルー80、アゾ染料塩基性ブルー16、塩基性ブルー65、塩基性ブルー66、塩基性ブルー67、塩基性ブルー71、塩基性ブルー159、塩基性バイオレット19、塩基性バイオレット35、塩基性バイオレット38、塩基性バイオレット48、オキサジン染料塩基性ブルー3、塩基性ブルー75、塩基性ブルー95、塩基性ブルー122、塩基性ブルー124、塩基性ブルー141、ナイルブルー及びキサンテン染料塩基性バイオレット10、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【表2−6】

【表3】

【表4】

【0073】
本明細書に参考として組み込まれるミリケンリサーチ社(Milliken Research Corporation)の米国特許第3,157,663号明細書、同第3,927,044号明細書、同第4,113,721号明細書、同第4,400,320号明細書、同第4,601,725号明細書、同第4,871,371号明細書、同第5,766,268号明細書、同第5,770,552号明細書、同第5,770,557号明細書、同第5,773,405号明細書及び同第6,417,155号明細書は、極性溶媒に可溶のポリオキシアルキレンを含有する着色剤について記載している。なお他の好適な色相染料は、参照として本明細書に組み込まれる米国特許第4,137,243号明細書、同第5,591,833号明細書、及び同第6,458,193号明細書(ミリケンリサーチ社(Milliken Research Corporation))に見られる。米国特許第4,137,243号明細書は、ポリマー鎖を包含する、可変置換基を持つ3環アントラキノン発色団を包含する、アルコキシル化アントラキノン高分子着色剤を記載している。
【0074】
一実施形態においては、色相染料は、米国特許第4,871,371号明細書に記載されるもののようなアルコキシレートトリフェニルメタン高分子着色剤、及び/又は米国特許第4,601,725号明細書に記載されるもののようなアルコキシル化チオフェン系高分子着色剤である。
【0075】
得られる着色剤が少なくとも10の色相効率、及び約30%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示すとき、こうした材料を、本発明で使用することができる。
【0076】
発明の洗剤組成物の一実施形態において、非色相染料もまた、色相染料と組み合わせて使用される。非色相染料は、天然に非実在である可能性がある。色相染料と非色相染料を組み合わせると、製品の色及び織物の色合いの特注生産が可能となる。
【0077】
同様に、本明細書において使用するのに好適なものは、反応染料である。反応染料は、好適な染色条件下で、基材と共有結合を形成することが可能な染料の群である。化学構造の観点から、典型的な反応染料は、発色団、並びにセルロース、羊毛、絹、及びポリアミド繊維のような基材と反応することができる1つ以上の官能基、いわゆるアンカー基を含む。反応染料の典型的な発色団は、アゾ、アントラキノン、フタロシアニン、ホルマザン、及びトリフェンジオアキサジンである。反応染料の典型的なアンカー基は、トリクロロピリミジニル、モノクロロトリアジニル、ビニルスルホニル、ジクロロキノキサリニル、モノフルオロトラジニル、ジフルオロクロロピリミジニル、及びジクロロトリアジニルである。付加及び置換反応は、反応染料と織物繊維との間の2つの起こり得る反応機構である。しかし、こうした反応は、典型的に、染色浴中の多量の反応染料、30℃より高い温度、10〜12の染色浴のpH、並びに染色浴中の他の成分の共存のような、好適な染色条件下において生じる。洗浄条件は、染色条件よりも非常に穏やかであるので、本明細書の洗濯洗浄組成物中の反応染料は、その水溶液中で洗濯される織物と、実際に反応しないと考えられている。
【0078】
任意の組成物成分
本発明の液体組成物は以下に示す任意成分の列記から選択されるその他の成分を含んでよい。本明細書において以下に指定されない限り、特定の洗濯補助剤の「有効量」は、洗剤組成物の好ましくは0.01重量%から、より好ましくは0.1重量%から、更により好ましくは1重量%〜20重量%、より好ましくは15重量%まで、更により好ましくは10重量%まで、なお更により好ましくは7重量%まで、最も好ましくは5重量%までである。
【0079】
真珠光沢剤
真珠光沢剤は、本発明の組成物中に組み込まれてもよい。真珠光沢剤は、真珠光沢効果を生じるために光を反射及び屈折することが可能である結晶性又はガラス状固体、透明又は半透明化合物である。典型的に、真珠光沢剤は、それらが組み込まれる組成物に不溶な結晶性粒子である。好ましくは、真珠光沢剤は、薄板又は球体の形状を有する。本発明によると、球状物は一般的な球形と解釈される。粒径は、球体の最大直径を横切って測定される。板様粒子は、粒子の2つの寸法(長さ及び幅)が、3つ目の寸法(深さ又は厚さ)の少なくとも5倍である。立方体又は針又は他の結晶形状のような他の結晶形状は、真珠光沢効果を示さない。雲母のような多くの真珠光沢剤は単斜晶結晶体を有する天然鉱物である。形状は、剤の安定性に影響を及ぼすように見える。球形状の剤、更により好ましくは、板様の剤が最もうまく安定する。
【0080】
真珠光沢剤は、文献で知られているが、一般にシャンプー、コンディショナー、又はパーソナルクレンジング用途において使用される。それらは、組成物に真珠層の外観を与える材料として記載される。真珠光沢の機構は,R.L.クロンビー(Crombie)により、国際化粧品科学会誌(International Journal of Cosmetic Science)19巻、205〜214頁に記載される。理論に束縛されるものではないが、真珠光沢は、以下の図で示すような光の正反射によって生じると考えられている。真珠小板又は球体から反射した光は、組成物中の異なる水準において、互いに本質的に平行に位置するので、深さと艶の感覚を引き起こす。いくらかの光が、真珠光沢剤から反射され、残りは、剤を通過する。真珠光沢剤を通過する光は、直接通過する可能性があり、又は屈折する可能性がある。反射した、屈折した光は、異なる色、白色度及び艶を生じる。
[図1]

【0081】
真珠光沢剤は、好ましくは、50μm未満のD0.99(時々、D99と称される)体積粒径を有する。より好ましくは、真珠光沢剤は、40μm未満、最も好ましくは30μm未満のD0.99を有する。最も好ましくは、粒子は1μmを超える体積粒径を有する。最も好ましくは、真珠光沢剤は、0.1μm〜50μm、より好ましくは0.5μm〜25μm、及び最も好ましくは1μm〜20μmの粒径分布を有する。D0.99は、粒径分布に関する粒径の測定であり、この場合には、粒子の99%が50μm未満の体積粒径を有することを意味する。体積粒径及び粒径分布は、マルバーン・インスツルメント社(Malvern Instruments Ltd)から入手可能なヒドロ(Hydro)2000G装置を使用して測定される。粒径は、剤の安定化の役割を果たす。粒径及び分布が小さいほど、より容易に懸濁する。しかし、真珠光沢剤の粒径が減少すると、剤の有効性は減少する。
【0082】
理論に束縛されるものではないが、出願人は、真珠光沢剤とそれが懸濁する液体媒質との接合面における光の透過は、フレネル方程式によって支配される物理法則によって支配されると考える。真珠光沢剤と液体媒質の間の屈折率の差が増加すると、真珠光沢剤によって反射されるであろう光の割合は増加する。残りの光は、エネルギー保存によって屈折し、それが別の真珠光沢剤面に接触するまで、液体媒質を透過するであろう。確立されると、真珠光沢剤を含有する組成物に目に見える真珠光沢を与えるために、屈折する光の量に比例して、十分な光が反射されるように、屈折率の差は、十分に高くなければならないと考えられている。
【0083】
より少ない水とより多い有機溶媒を含有する液体組成物は、典型的に、より水性の組成物と比較して、屈折率がより高いであろう。したがって、出願人は、高屈折率を有するこうした組成物において、不十分な高屈折率を持つ真珠光沢剤は、組成物中に高濃度(典型的に3%を超える)に導入されても、十分な目に見える真珠光沢を与えないことを見出した。したがって、製剤中の顔料の濃度をかなり低い濃度に保つために、高屈折率を持つ真珠光沢顔料を使用することが好ましい。したがって、真珠光沢剤は、屈折率が好ましくは、1.41を超える、より好ましくは1.8を超える、更により好ましくは2.0を超えるように選択される。好ましくは、真珠光沢剤と、次に真珠光沢剤が添加される組成物又は媒質との間の屈折率の差は、少なくとも0.02である。好ましくは、真珠光沢剤と組成物との間の屈折率の差は、少なくとも0.2、より好ましくは少なくとも0.6である。出願人は、剤の屈折率が高いほど、剤はより有効に真珠光沢効果を生み出すことを見出した。しかし、この効果は、剤の屈折率と組成物の屈折率との差にも依存する。差が大きいほど、効果の認識は大きい。
【0084】
本発明の液体組成物は、好ましくは、組成物の0.01重量%〜2.0重量%の100%活性真珠光沢剤を含む。より好ましくは、液体組成物は、組成物の0.01重量%〜0.5重量%、より好ましくは0.01重量%〜0.35重量%、更により好ましくは0.01重量%〜0.2重量%の100%活性真珠光沢剤を含む。出願人は、上述の粒径と組成物の濃度にもかかわらず、良好で消費者に好まれる真珠光沢を液体組成物に供給することが可能であることを見出した。
【0085】
真珠光沢剤は、有機又は無機である可能性がある。
【0086】
有機真珠光沢剤:
好適な真珠光沢剤には、下式を有するアルキレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルが挙げられる。
【化16】

(式中、Rは直鎖又は分枝鎖のC12〜C22のアルキル基;
Rは直鎖又は分岐鎖のC2〜C4のアルキレン基である。
Pは、H、C1〜C4のアルキル、又は−CORから選択され、Rは、C4〜C22のアルキル、好ましくはC12〜C22のアルキルであり、及びn=1〜3である。
【0087】
本発明の一実施形態においては、長鎖脂肪酸エステルは上記の一般構造を有し、式中、Rは直鎖又は分枝鎖C16〜C22アルキル基であり、Rは−CH−CH−であり、Pは、H、又は−CORから選択され、ここで、RはC4〜C22のアルキル、好ましくはC12〜C22のアルキルである。
【0088】
典型的な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール又はテトラエチレングリコールと、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、及びこれらの混合物のような約6〜約22、好ましくは約12〜約18の炭素原子を含有する脂肪酸との、モノエステル及び/又はジエステルである。
【0089】
一実施形態においては、エチレングリコールモノステアレート(EGMS)及び/又はエチレングリコールジステアレート(EGDS)及び/又はポリエチレングリコールモノステアレート(PGMS)及び/又はポリエチレングリコールジステアレート(PGDS)は、本組成物において使用される真珠光沢剤である。これらの材料には、いくつかの商業的供給源が存在する。例えば、PEG6000MS(登録商標)はステパン(Stepan)から入手可能であり、エムピラン(Empilan)EGDS/A(登録商標)はアルブライト・アンド・ウイルソン(Albright & Wilson)から入手可能である。
【0090】
別の実施形態においては、真珠光沢剤は、エチレングリコールジエステル/エチレングリコールモノエステルの重量比約1:2〜約2:1の混合物を含む。別の実施形態では、EGDS/EGMSの重量比約60:40〜約50:50の混合物を含む真珠光沢剤は、水懸濁液中で特に安定であることが見出される。
【0091】
共結晶化剤
所望により、得られる製品中で真珠光沢粒子が生じるように、共結晶化剤は、有機真珠光沢剤の結晶化を強化するために使用される。好適な共結晶化剤としては、直鎖又は分枝鎖の、所望によりヒドロキシル置換された、約12〜約22、好ましくは約16〜約22、及びより好ましくは約18〜20の炭素原子を含有するアルキル基を有する脂肪酸及び/又は脂肪族アルコール、例えば、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、ベヘニル酸、セテアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
共結晶化剤が有機真珠光沢剤より高い融点を有するように選択されるとき、これらの共結晶化剤と上記の有機真珠光沢剤との溶融した混合物において、典型的に、共結晶化剤が、最初に凝固して、均一に分配された微粒子を形成し、これが、次に続く真珠光沢剤の結晶化のための核としての役目を果たすことが見出される。有機真珠光沢剤と共結晶化剤の比率を適切に選択することにより、得られる製品の真珠光沢外観を強化するために、得られる結晶サイズを制御することができる。あまりにたくさんの共結晶化剤を使用すると、得られる製品は、真珠光沢外観の魅力が低減した、より不透明な外観を示すことが見出される。
【0093】
共結晶化剤が存在する一実施形態においては、組成物は、1〜5重量%のC12〜C20の脂肪酸、C12〜C20の脂肪族アルコール、又はこれらの混合物を含む。
【0094】
別の実施形態においては、有機真珠光沢剤及び共結晶化剤の重量比は、約3:1〜約10:1、又は約5:1〜約20:1の範囲である。
【0095】
有機真珠光沢剤含有組成物を製造するために広く採用される方法の1つは、室温において固体である有機真珠光沢材料を使用する方法である。これらの材料は、それらの融点以上まで加熱され、組成物の調製品に添加され、冷却される際に、得られる組成物中に真珠光沢艶が現れる。しかし、この方法には、製造バッチ全体を、真珠光沢材料の融解温度と一致する温度まで加熱しなければならないという不都合が存在することがあり、製品中の均一な真珠光沢は、均質な溶融混合物を作り、よく制御された冷却及び攪拌条件を適用することによってのみ達成される。
【0096】
有機真珠光沢剤を組成物中に組み込むための代替となりかつ好ましい方法は、事前に結晶化された有機真珠光沢分散体を使用することである。この方法は、「コールドパール」として当業者に知られている。この代替方法においては、長鎖脂肪酸エステルは融解し、担体混合物と組み合わせられ、担体中で最適な粒径に再結晶化する。典型的に、担体混合物は、界面活性剤、好ましくは2〜50%の界面活性剤、並びに残部の水及び任意の補助剤を含む。規定されたサイズの真珠光沢結晶は、界面活性剤担体混合物、混合及び冷却条件の適当な選択によって得られる。コールドパールの製造工程は、米国特許第4,620,976号明細書、同第4,654,163号明細書(共にホーケスト(Hoechest)に譲渡された)及び国際公開第2004/028676号公報(ハンツマン・インターナショナル(Huntsman International)に譲渡された)に記載されている。多くのコールドパールが市販されている。これらとしては、ステパン・パール(Stepan Pearl)−2及びステパン・パール4(ステパン社(Stepan Company)、(イリノイ州、ノースフィールド(Northfield))により製造される)、マックパール(Mackpearl)202、マックパール15−DS、マックパールDR−104、マックパールDR−106(全てマックインタイレグループ(McIntyre Group)、(イリノイ州、シカゴ(Chicago))により製造される)、ユーパーラン(Euperlan)PK 900ベンズ(Benz)−W及びユーパーランPK 3000 AM(コグニス社(Cognis Corp)により製造される)のような商品名が挙げられる。
【0097】
有機真珠光沢剤を組み込む本発明の典型的な実施形態は、組成物の0.1重量%〜5重量%の有機真珠光沢剤;組成物の0.5重量%〜10重量%の分散界面活性剤;及び所望により、水と所望により1以上の有機溶媒とを含む溶媒系中の有効量の共結晶化剤;加えて、組成物の5重量%〜40重量%の洗浄性界面活性剤;及び組成物の少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも1重量%の香料、柔軟仕上げ剤、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、カップリング剤、又はこれらの組合せのような1以上の洗濯補助材料;を含む組成物である。
【0098】
共結晶化剤の「有効量」は、所与の設定処理(set processing)パラメータ下において、それは真珠光沢剤の望ましい結晶サイズ及びサイズ分布を生じるのに十分な量である。ある実施形態においては、共結晶化剤の量は、有機真珠光沢剤100重量部当たり5〜30部の範囲である。
【0099】
コールドパールのための好適な分散界面活性剤としては、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、及びこれらの混合物が挙げられ、ここでアルキル基は直鎖又は分枝鎖C12〜C14のアルキルである。典型的な例としては、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸アンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
本発明の一実施形態においては、組成物は、20〜65重量%の水;5〜25重量%のナトリウムアルキルサルフェートアルキルサルフェート又はアルキルエーテルサルフェート分散界面活性剤;及び0.5〜15重量%の重量比1:2〜2:1のエチレングリコールモノステアレート及びエチレングリコールジステアレートを含む。
【0101】
本発明の別の実施形態においては、組成物は、20〜65重量%の水;5〜30重量%のナトリウムアルキルサルフェート又はアルキルエーテルサルフェート分散界面活性剤;5〜30重量%の長鎖脂肪酸エステル、及び1〜5重量%のC12〜C22の脂肪族アルコール又は脂肪酸を含み、ここで長鎖脂肪酸エステルと脂肪族アルコール及び/又は脂肪酸との重量比は、約5:1〜約20:1、又は約3:1〜約10:1の範囲である。
【0102】
本発明の別の実施形態においては、組成物は、組成物の少なくとも約0.01重量%、好ましくは約0.01重量%〜約5重量%の真珠光沢剤、有効量の共結晶化剤、並びに、洗浄性界面活性剤;アニオン性染料用の固定剤;水及び有機溶媒を含む溶媒系以下の1つ以上を含む。この組成物は、他の洗濯及び布地ケア補助剤を更に含むことができる。
【0103】
有機真珠光沢剤を組み込むための製造方法:
コールドパールは2〜50%の界面活性剤、残りが水及びその他の補助剤からなるキャリアを、有機真珠光沢剤及び共結晶化剤の融点を超える温度、典型的には約60〜90℃、好ましくは約75〜80℃で加熱して製造される。有機真珠光沢剤及び共結晶化剤を混合物に添加し、約10分間〜約3時間混合する。所望により、次に温度を約80〜90℃に上げる。所望の真珠光沢剤の分散液滴直径を製造するために、高剪断ミル装置を使用してよい。
【0104】
混合物を、約0.5〜5℃/分の冷却速度で冷却する。あるいは、冷却は、2工程プロセスで実行され、これは、混合物を単一パス熱交換器に通すことによる瞬間冷却工程と、混合物を約0.5〜5℃/分の速度で冷却する徐冷却工程とを含む。温度が約50℃に達すると、長鎖脂肪酸エステルのような真珠光沢剤の結晶化が始まる;結晶化は、混合物の粘度の実質的な増加によって明らかとなる。混合物を約30℃に冷却し、攪拌を停止する。
【0105】
得られるコールドパール予備結晶化有機真珠光沢分散体は、攪拌して、いかなる外部からの熱も適用せずに、続いて液体組成物に組み込まれることができる。得られる製品は、魅力的な真珠光沢外観を有し、典型的な保存条件下において数ヶ月間安定である。換言すれば、得られる製品は、その真珠光沢外観を維持し、コールドパールは、数ヶ月間、組成物マトリックスから分離又は成層しない。
【0106】
無機真珠光沢剤:
無機真珠光沢剤としては、雲母、金属酸化物被覆雲母、シリカ被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ミリスチルミリステート、ガラス、金属酸化物被覆ガラス、グアニン、グリッター(glitter)(ポリエステル又は金属)及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0107】
好適な雲母としては、白雲母又はカリウムアルミニウム水酸化フッ化物が挙げられる。雲母の小板は、金属酸化物の薄層でコーティングされることが好ましい。好ましい金属酸化物は、ルチル、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化スズ、アルミナ及びこれらの混合物からなる群から選択される。結晶真珠光沢層は金属酸化物被覆雲母を約732℃で焼成して形成される。熱は、樹脂に不溶性で、安定した色を有し、以降の加工の熱応力に耐える、不活性顔料を作る。
【0108】
これらの真珠光沢剤における色は、金属酸化物層の上面及び底面から鏡面反射角で反射する光線の間の干渉を通して発現する。剤は、視角が非鏡面反射角に変わると色の強さを失い、真珠光沢外観を得る。
【0109】
より好ましくは無機真珠光沢剤は、雲母及びオキシ塩化ビスマス及びこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは無機真珠光沢剤は雲母である。市販の好適な無機真珠光沢剤は、メルク(Merck)から、商品名イリオジン(Iriodin)、ビロン(Biron)、キシロナ(Xirona)、チミロン・コロロナ(Timiron Colorona)、ジクロナ(Dichrona)、キャンデュリン(Candurin)、及びロナスター(Ronastar)として入手可能である。他の市販の無機真珠光沢剤は、BASF(エンゲルハルド,ミール(Engelhard,Mearl))から商品名ビジュ(Biju)、ビライト(Bi-Lite)、クロマライト(Chroma-Lite)、パールグロ(Pearl-Glo)、マーライト(Mearlite)として、並びにエッカート(Eckart)から商品名プレステージ・ソフト・シルバー(Prestige Soft Silver)及びプレステージ・シルク・シルバースター(Prestige Silk Silver Star)として入手可能である。
【0110】
エチレングリコールモノステアレート及びエチレングリコールジステアレートのような有機真珠光沢剤は、真珠光沢を提供するが、組成物が動いている時だけである。それ故に、組成物を注ぐ時だけ、組成物は真珠光沢を示すであろう。無機真珠光沢材料は、動的真珠光沢及び静的真珠光沢の両方を提供することが好ましい。動的真珠光沢とは、組成物が動いているときに、組成物が真珠光沢効果を示すことを意味する。静的真珠光沢とは、組成物が静止しているときに、組成物が真珠光沢効果を示すことを意味する。
【0111】
無機真珠光沢剤は、粉末として、又は適切な懸濁剤中の粉末のスラリーとして入手可能である。好適な懸濁剤としては、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、硬化ヒマシ油が挙げられる。粉末又は粉末のスラリーは、いかなる追加的な加工工程も必要とせずに、組成物に添加することができる。
【0112】
界面活性剤又は洗浄性界面活性剤
本発明の組成物は、約1重量%〜約80重量%の界面活性剤を含んでよい。好ましくは、このような組成物は、約5重量%〜50重量%の界面活性剤を含む。本発明の界面活性剤は、2つの方法で使用されうる。第一に、上記のコールドパール有機真珠光沢剤のための分散剤として使用される可能性がある。第二に、汚れの懸濁目的で洗浄性界面活性剤として使用される可能性がある。
【0113】
使用される洗浄性界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、双極性、両性、又はカチオン性の種類のものであることができ、あるいは、相容性のこれらの種類の界面活性剤の混合物を含むことができる。より好ましくは、界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、組成物は、実質的にベタイン界面活性剤を含まない。本明細書で有用な洗浄性界面活性剤は、米国特許第3,664,961号明細書(1972年5月23日発行、ノリス(Norris))、同第3,919,678号明細書(1975年12月30日発行、ラフリン(Laughlin)ら)、同第4,222,905号明細書(1980年9月16日発行、コックレル(Cockrell))、及び同第4,239,659号明細書(1980年12月16日発行、マーフィー(Murphy))に記載されている。アニオン性及び非イオン性の界面活性剤が好ましい。
【0114】
有用なアニオン性界面活性剤は、それら自体が、いくつか異なる種類の界面活性剤であることができる。例えば、高級脂肪酸の水溶性塩、すなわち「石鹸」は、本明細書の組成物において有用なアニオン性界面活性剤である。これは、約8〜約24の炭素原子、好ましくは約12〜約18の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルキルアンモニウム塩のような、アルカリ金属石鹸を包含する。石鹸は、脂肪及び油の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸の中和によって製造することができる。特に有用であるのは、ココヤシ油及び獣脂から誘導される脂肪酸の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウム獣脂及びココヤシ石鹸である。
【0115】
本明細書に用いるのに好適な、石鹸以外の更なるアニオン性界面活性剤には、その分子構造内に約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基とスルホン酸又は硫酸エステル基とを有する有機イオウ反応生成物の、水溶性塩、好ましくはアルカリ金属及びアンモニウム塩が含まれる。(用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる。)この群の合成界面活性剤の例は、a)アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキル硫酸アンモニウム、特に、獣脂又はココヤシ油のグリセリドの還元によって生成されるような高級アルコール(C〜C18炭素原子)の硫酸化によって得られるもの、b)アルキルポリエトキシレート硫酸ナトリウム、アルキルポリエトキシレート硫酸カリウム、及びアルキルポリエトキシレート硫酸アンモニウム、特に、アルキル基が10〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有し、ポリエトキシレート鎖が1〜15個、好ましくは1〜6個のエトキシレート部分を含有するもの、並びに、c)アルキル基が直鎖若しくは分枝鎖構造中に約9〜約15個の炭素原子を含有する、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホン酸カリウム、例えば、米国特許第2,220,099号明細書及び同第2,477,383号明細書に記載の種類のものである。とりわけ価値があるのは、アルキル基の平均炭素原子数が約11〜13個のC11〜C13LASと略される、直鎖アルキルベンゼンスルホネートである。
【0116】
好ましい非イオン性界面活性剤は、式R(OCOHのものであり、式中、RはC10〜C16のアルキル基又はC〜C12のアルキルフェニル基であり、nは3〜約80である。特に好ましいのは、アルコール1モル当り約5〜約20モルのエチレンオキシドを有するC12〜C15アルコールの縮合生成物であり、例えば、アルコール1モル当り約6.5モルのエチレンオキシドで縮合したC12〜C13アルコールが挙げられる。
【0117】
洗浄性酵素
本明細書で用いる好適な洗浄用酵素には、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ及びエンドグルカナーゼを含むカルボヒドラーゼ、並びにこれらの混合物が挙げられる。酵素は、その技術分野で教示される濃度、例えば、ノボ(Novo)及びジェネンコア(Genencor)のような供給元によって推奨される濃度で使用することができる。組成物中の典型的な量は、約0.0001%〜約5%である。酵素が存在するとき、本発明の特定の実施形態では、酵素を非常に低い濃度、例えば約0.001%以下で使用することができ、又は本発明に従う強力型の洗濯洗剤製剤では、酵素をより高濃度、例えば約0.1%以上で使用することができる。「非生物学的」洗剤を好む消費者もいるため、本発明は酵素含有の実施形態と、酵素フリーの実施形態の両方を包含する。
【0118】
レオロジー変性剤
本発明の好適な実施形態では、組成物はレオロジー変性剤を含む。レオロジー変性剤は、組成物の水性液体マトリックスにずり減粘特徴を付与する非高分子結晶性、ヒドロキシ官能性材料、高分子レオロジー変性剤からなる群から選択される。かかるレオロジー変性剤は、好ましくは水性液体組成物に、20秒−1、21℃で0.001〜1.5Pa・s(1〜1500cps)の高剪断粘度、及び低剪断力(21℃で0.05秒−1)で5Pa・s(5000cps)超過の粘度を付与する物質である。本発明に従う粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmで、平板鋼スピンドルを使用する、TAインスツルメント(TA instruments)からのAR 550レオメーターを使用して測定される。20秒−1での高剪断粘度及び0.5−1での低せん断粘度は、21℃で3分間の0.1−1〜25−1の対数せん断速度掃引で得られる。結晶性ヒドロキシ官能性材料は、その場でのマトリックス中の結晶化に際し、組成物のマトリックスの全体にわたって糸様構造系を形成するレオロジー変性剤である。高分子レオロジー変性剤は、好ましくは、ポリアクリレート、高分子ゴム、他の非ゴム多糖類、及びこれらの高分子材料の組合せから選択される。
【0119】
一般に、レオロジー変性剤は、本明細書における組成物の0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.05重量%〜0.75重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.5重量%を構成するであろう。
【0120】
本発明の組成物のレオロジー変性剤は、「ずり減粘」であるマトリックスを提供するために使用される。ずり減粘流体は、剪断力が流体に加わると低減する粘度を有するものである。したがって、液体洗剤製品の静止時、すなわち保存の間又は輸送の間に、組成物の液体マトリックスは、相対的に高い粘度を有するべきである。しかし、容器から組成物を注ぐ又は絞り出すような行為において、組成物に剪断力が加わると、マトリックスの粘度は、流体製品の分配が容易かつ直ちに達成されるほどまで低減されるべきである。
【0121】
水又は他の水性液体と組み合わされるとずり減粘流体を形成する材料は、一般に当該技術分野において既知である。こうした材料は、以上で記載されたレオロジー特性を有する水性液体マトリックスを形成するために使用できるものであれば、本明細書の組成物における使用のために選択できる。
【0122】
本発明の組成物に特に有用である1種類の構造剤は、その場でマトリックス中に結晶化されると、液体マトリックスの全体にわたって糸状構造系を形成することができる非高分子(従来のアルコキシル化を除く)結晶性ヒドロキシ官能材料を含む。こうした材料は、一般に、結晶性ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪ろうとして特徴付けできる。
【0123】
好ましい結晶性ヒドロキシル含有レオロジー変性剤の具体例としては、ヒマシ油及びその誘導体が挙げられる。特に好ましいものは、硬化ヒマシ油及び水素添加キャスター蝋等の硬化ヒマシ油誘導体である。市販の、ヒマシ油系結晶性ヒドロキシル含有レオロジー変性剤としては、レオックス社(Rheox, Inc.)(現在はエレメンチス(Elementis))からのTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。
【0124】
結晶性ヒドロキシル含有レオロジー変性剤として使用するのに適した代替の市販材料は、上式IIIのものである。この種類のレオロジー変性剤の例は、R,R、及びS,S形態、並びに任意の混合物、光学活性又は不活性の1,4−ジ−O−ベンジル−D−トレイトールである。
【0125】
これらの好ましい結晶性ヒドロキシル含有レオロジー変性剤、及び水性ずり減粘マトリックスへのこれらの組み込みは、米国特許第6,080,708号明細書及び国際公開第02/40627号公報に、より詳細に記載されている。
【0126】
好適な高分子レオロジー変性剤としては、ポリアクリレート、多糖類又は多糖類誘導体型のものが挙げられる。レオロジー変性剤として典型的に使用される多糖類誘導体は、高分子ゴム材料を含む。こうしたゴムとしては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム及びグアーガムが挙げられる。
【0127】
更なる代替の好適なレオロジー変性剤は、溶媒とポリカルボキシレートポリマーとの組合せである。より具体的には、溶媒は、好ましくはアルキレングリコールである。より好ましくは、溶媒は、ジプロピレンルグリコール(dipropy glycol)である。好ましくはポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物である。溶媒は、好ましくは組成物の0.5〜15%、好ましくは2〜9%の量で存在する。ポリカルボキシレートポリマーは、好ましくは組成物の0.1〜10%、より好ましくは2〜5%の濃度で存在する。溶媒構成要素は、好ましくは、ジプロピレングリコール及び1,2−プロパンジオールの混合物を含む。ジプロピレングリコールと1,2−プロパンジオールとの比は好ましくは3:1〜1:3であり、より好ましくは1:1である。ポリアクリレートは、好ましくは不飽和モノ−又はジ−炭酸と、(メタ)クリル酸の1〜30Cアルキルエステルとのコポリマーである。他の好ましい実施形態においては、レオロジー変性剤は、不飽和モノ−又はジ−炭酸のポリアクリレート及び(メタ)アクリル酸の1〜30Cアルキルエステルである。こうしたコポリマーは、ノベオン社(Noveon inc)から商品名カーボポールアクア(Carbopol Aqua)30として入手可能である。
【0128】
研磨剤
本発明の組成物は任意でビルダーを含んでもよい。好適な研磨剤を以下に記載する。好適なポリカルボキシレート研磨剤としては、環状化合物、特に米国特許第3,923,679号明細書、同第3,835,163号明細書、同第4,158,635号明細書、同第4,120,874号明細書及び同第4,102,903号明細書に記載されるもののような脂環式化合物が挙げられる。
【0129】
他の有用な洗剤性研磨剤としては、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸のエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の各種アルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換型アンモニウム塩、並びにメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性塩のようなポリカルボキシレートが挙げられる。
【0130】
シトレート研磨剤、例えば、クエン酸及びその可溶性の塩(特にナトリウム塩)は、その再生可能な資源からの可用性及びその生分解性のために、重質の液体洗剤配合物にとって特に重要なポリカルボキシレート研磨剤である。オキシジスクシネートはまたかかる組成物及び組み合わせにおいて特に有用である。
【0131】
また、米国特許第4,566,984号明細書(ブッシュ(Bush)、1986年1月28日発行)に開示の3,3−ジカルボキシ−4−オキサ−1,6−ヘキサンジオエート及び関連化合物も、本発明の液体組成物に好適である。有用なコハク酸研磨剤としては、C5〜C20のアルキル及びアルケニルコハク酸、並びにこれらの塩が挙げられる。この種類の特に好ましい化合物は、ドデセニルコハク酸(dodecenylsuccinic acid)である。スクシネートビルダーの具体例には、ラウリルスクシネート、ミリスチルスクシネート、パーミチルスクシネート、2−ドデセニルスクシネート(好ましい)、2−ペンタデセニルスクシネート等が挙げられる。ラウリルスクシネートは、この群の好ましいビルダーであり、欧州特許第0 200 263(A)号明細書(1986年11月5日発行)に記載されている。
【0132】
窒素を含有し、りん光体のないアミノカルボキシレートの具体的な例としては、エチレンジアミン二コハク酸及びその塩(エチレンジアミンジスクシネート、EDDS)、エチレンジアミン四酢酸及びその塩(エチレンジアミンテトラアセテート、EDTA)、並びにジエチレントリアミン五酢酸及びその塩(ジエチレントリアミンペンタアセテート、DTPA)が挙げられる。
【0133】
他の好適なポリカルボキシレートは、米国特許第4,144,226号明細書(クラッチフィールド(Crutchfield)ら、1979年3月13日発行)及び同第3,308,067号明細書(ディール(Diehl)、1967年3月7日発行)に開示されている。米国特許第3,723,322号明細書(ディール(Diehl))も参照のこと。こうした材料には、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、アコニット酸、シトラコン酸、及びメチレンマロン酸のような脂肪族カルボン酸の、ホモ−及びコポリマーの水溶性塩が挙げられる。
【0134】
漂白剤系
本明細書での使用に適した漂白剤系は1つ以上の漂白剤を含有する。好適な漂白剤の非限定的な実施例は、触媒作用の金属錯体、活性化過酸素供給源、漂白活性化剤、漂白ブースター、光漂白剤、漂白酵素、フリーラジカル反応開始剤、及びヒオハライト(hyohalite)漂白剤からなる群から選択される。
【0135】
好適な活性過酸素源としては、予め形成された過酸、漂白活性化剤と組み合わせた過酸化水素源、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な予め形成された過酸としては、ペルカルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、ペルイミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸並びに塩及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な過酸化水素供給源としては、過ホウ酸塩化合物、過炭酸塩化合物、過リン酸塩化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。活性過酸素源の好適な種類及び濃度は、米国特許第5,576,282号明細書、同第6,306,812号明細書、及び同第6,326,348号明細書に見出される。
【0136】
香料
香料が好ましくは、本発明の洗剤組成物に組み込まれる。本発明の洗剤組成物に添加する前に、香料成分をプレミックスして調和香料(perfume accord)を形成してよい。本明細書で使用するとき、用語「香料」は、個々の香料成分、並びに調和香料を網羅する。より好ましくは本発明の組成物は、香料マイクロカプセルを含む。香料マイクロカプセルは、尿素及びホルムアルデヒド、メラミン及びホルムアルデヒド、フェノール及びホルムアルデヒド、ゼラチン、ポリウレタン、ポリアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、ポリメタクリレート及びこれらの混合物からなる群から選択される材料から作製されるカプセル内に封入される香料原材料を含む。封入技術は、「マイクロ封入(Microencapsulation)」:ベニータ(Benita)及びサイモン(Simon)により編集された方法及び工業用途(マーセル・デッカー社(marcel Dekker Inc)、1996)に見出することができる。
【0137】
洗剤組成物中の調和香料の濃度は、典型的に洗剤組成物の約0.0001重量%〜約2重量%以上、例えば、約10重量%まで;好ましくは約0.0002重量%〜約0.8重量%、より好ましくは約0.003重量%〜約0.6重量%、最も好ましくは約0.005重量%〜約0.5重量%である。
【0138】
調和香料中の香料成分の濃度は、典型的に調和香料の約0.0001重量%(より好ましくは0.01重量%)〜約99重量%、好ましくは約0.01重量%〜約50重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約30重量%、更により好ましくは約1重量%〜約20重量%、最も好ましくは約2重量%〜約10重量%である。代表的な香料成分及び調和香料は、米国特許第5,445,747号明細書、同第5,500,138号明細書、同第5,531,910号明細書、同第6,491,840号明細書、及び同第6,903,061号明細書に開示されている。
【0139】
溶媒系
本発明の組成物における溶媒系は水だけ、又は有機溶媒と水の混合物を含有する溶媒系であることができる。好ましい有機溶媒としては、1,2−プロパンジオール、エタノール、グリセロール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオール及びこれらの混合物が挙げられる。他の低級アルコール、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンのようなC〜Cのアルカノールアミンも同様に使用してよい。溶媒系は、例えば、本発明の無水固体実施形態において存在しないこともあり得るが、より典型的には約0.1%〜約98%、好ましくは少なくとも約10%〜約95%、より通常は約25%〜約75%の範囲の量で存在する。
【0140】
布地直接染料
染料は従来、酸性染料、塩基性染料、反応染料、分散染料、直接(direct)染料、バット染料、硫黄染料、又は油溶性染料であると定義される。本発明の目的のためには、直接染料、酸性染料及び反応染料が好ましく、直接染料が最も好ましい。直接染料は、おそらく選択的な吸着に起因して、電解質を含有する水溶液から、繊維によって直接吸い上げられる水溶性染料の群である。色指数系において、直接染料とは、1つ以上のアニオン性スルホン酸基を含有する様々な平面的高度共役分子構造を指す。酸性染料は、酸性溶液から適用される水溶性アニオン性染料の群である。反応染料は、天然又は合成繊維の分子の特定部分と共有結合を形成することが可能な反応基を含有する染料の群である。化学構造の観点から、本明細書で有用な好適な布地直接染料は、アゾ化合物、スチルベン、オキサジン及びフタロシアニンであってもよい。
【0141】
本明細書に用いるのに好適な布地直接染料としては、直接バイオレット染料、直接ブルー染料、酸性バイオレット染料及び酸性ブルー染料として色指数に列記されるものが挙げられる。
【0142】
カプセル封入組成物
本発明の組成物は水溶性フィルムの中にカプセル化されてよい。水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール又は他の好適な変形物、カルボキシメチルセルロース、セルロース誘導体、デンプン、加工デンプン、糖、PEG、ワックス、又はこれらの組合せから作製されてよい。
【0143】
別の実施形態では、水溶性は、ビニルアルコールとカルボン酸のコポリマーのような他の補助剤を包含してよい。米国特許第7,022,656(B2)号明細書(モノソル(Monosol))は、こうしたフィルム組成物及びこれらの長所を記載している。これらのコポリマーの1つの利点は、洗剤との適合性がより良いために、小袋入り洗剤の貯蔵寿命が改善されることである。そのようなフィルムの別の利点はこれらの冷水(10℃未満)への良好な溶解性である。フィルム材中に存在するコポリマーの濃度は、フィルムの少なくとも60重量%である。ポリマーは、好ましくは1.7E−21g(1000ダルトン)〜1.7E−18g(1,000,000ダルトン)、より好ましくは1.7E−20g(10,000ダルトン)〜5.0E−19g(300,000ダルトン)、更により好ましくは2.5E−20g(15,000ダルトン)〜3.3E−19g(200,000ダルトン)、最も好ましくは3.3E−20g(20,000ダルトン)〜2.5E−19g(150,000ダルトン)のいずれかの重量平均分子量を有することができる。好ましくは、フィルム内に存在するコポリマーは、材料の溶解を改善させるために60%〜98%が加水分解され、より好ましくは80%〜95%が加水分解されている。極めて好ましい手法では、コポリマーは0.1モル%〜30モル%、好ましくは1モル%〜6モル%のカルボン酸を含む。
【0144】
本発明の水溶性フィルムは、追加のコモノマーを更に含んでよい。好適な追加のコモノマーとしては、スルホネート及びエトキシレートが挙げられる。好ましいスルホン酸の一例は、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)である。本発明の関連する用途に好適な水溶性フィルムは商品名M8630(商標)で米国インディアナ州モノソル社から購入可能である。本明細書の水溶性フィルムは、ポリマー又はポリマー材料以外の成分も含んでよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ソルビトール及びこれらの混合物、追加の水、崩壊助剤、充填剤、消泡剤、乳化/分散剤、並びに/又はブロッキング防止剤を加えることが有益であり得る。小袋又は水溶性フィルム自体が、洗浄水に供給されるべき洗剤添加物、例えば、有機ポリマー性の汚れ放出剤、分散剤、移染防止剤等を含むことが有用であり得る。所望により小袋のフィルム表面に微細粉末を散布して、摩擦係数を減少させてもよい。アルミノケイ酸ナトリウム、シリカ、タルク及びアミロースは、好適な微細粉末の例である。
【0145】
本発明の封入された小袋は、任意の従来の既知の技術を使用して製造できる。より好ましくは、小袋は、垂直形式充填技術(vertical form filling techniques)を使用して製造される。
【0146】
その他の補助剤
その他好適な洗浄補助剤の、非限定的な例には、トリメトキシ安息香酸又はこれらの塩(TMBA)のようなアルコキシル化安息香酸又はこれらの塩;酵素安定化系;アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、窒素非含有ホスホネート、及びリン及びカルボン酸塩非含有キレート剤を含むキレート剤;ゼオライトのような無機ビルダーを含む無機ビルダー及びポリアクリレート、アクリレート/マレエートコポリマーなどのような水溶性有機ビルダー、及びアニオン染料固着剤、アニオン性界面活性剤の錯化剤、及びこれらの混合剤を含むスカベンジング剤;過酸化水素及びカタラーゼを含む発泡性系;光学的光沢剤又は蛍光剤;汚れ放出ポリマー;分散剤;泡抑制剤;染料;着色剤;硫酸ナトリウムのような増量剤塩;トルエンスルホネート、キュメンスルホネート、及びナフタレンスルホネートのようなヒドロトロープ;光活性化剤;加水分解性界面活性剤;防腐剤;酸化防止剤;収縮防止剤;防皺剤;殺菌剤;殺真菌剤;色スペックル;着色ビーズ、球状物又は押出し品;日焼け止め剤;フッ素化化合物;粘土;発光剤又は化学発光剤;耐腐食及び/又は器具保護剤;アルカリ性供給源又は他のpH調節剤;可溶化剤;加工助剤;顔料;フリーラジカルスカベンジャー、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な物質には、米国特許第5,705,464号明細書、同第5,710,115号明細書、同第5,698,504号明細書、同第5,695,679号明細書、同第5,686,014号明細書及び同第5,646,101号明細書に記載のものが挙げられる。補助剤の混合物−上記構成要素の混合物は、任意の割合で製造できる。
【0147】
組成物の調製
本明細書の組成物は一般的に配合成分を共に混合し真珠光沢剤を添加することにより調製できる。しかし、レオロジー変性剤を使用する場合、プレミックスを最初に形成することが好ましく、この中で、レオロジー変性剤が、組成物を構成するために最終的に用いられる水の一部に分散される。このプレミックスは、構造化された液体を含むようにして形成される。
【0148】
次に、プレミックスが攪拌されている間、この構造化されたプレミックスに、水及び使用されるべきあらゆる任意の洗剤組成物補助剤と共に、界面活性剤及び必須の洗剤補助剤物質が添加されることができる。プレミックスへのこれらの物質の都合のよいいかなる添加順序、又は更に言えばこれらの組成物成分の同時添加も、実施することができる。構造化されたプレミックスと残りの組成物成分との得られる組み合わせが、水性液体マトリックスを形成し、真珠光沢剤がそれに添加される。
【0149】
結晶性ヒドロキシル含有構造剤が利用される特に好ましい実施形態において、構造剤を活性化するために以下の工程が使用できる。
1)プレミックスは、好ましくはプレミックスの約0.1重量%〜約5重量%の量の結晶性ヒドロキシル安定剤と、プレミックスの少なくとも20重量%を構成する水と、組成物に使用される1つ以上の界面活性剤と、及び所望により洗剤組成物に含まれるあらゆる塩類を組み合わせることにより形成される。
2)工程1)で形成されるプレミックスが、結晶性ヒドロキシル含有構造剤の融点を超えて加熱される。
3)工程2)で形成される加熱されたプレミックスを、混合物を攪拌しながら、糸状構造系がこの混合物内に形成されるように周囲温度に冷却する。
4)残りの洗剤組成物構成要素を、水の残部とともに、任意の順序で別個に混合し、それによって別個の混合物を形成する。
5)工程3の構造化されたプレミックス及び工程4の別個の混合物が、次に攪拌下で合わされて、構造化された水性液体マトリックスを形成し、これに目で識別されるビーズが組み込まれる。
【実施例】
【0150】
【表5】

【0151】
濃縮液体洗剤は、以下のように調製される:
【表6】

【表7】

1 C10〜C18のアルキルエトキシサルフェート
2 C〜C15直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩
3 C12〜C13エトキシル化(EO)アルコール
4 イリノイ州シカゴのアクゾ(Akzo)ケミカル社より供給される
5 ノースカロライナ州ノボザイム(Novozymes)より供給される
6 ノースカロライナ州ハイポイントのチバ(Ciba)スペシャリティケミカルズ社より供給される
7 米国特許第4,597,898号明細書に記載される
8 米国特許第5,565,145号明細書に記載される
9 BASF社から入手可能な商品名ルーテンシト(LUTENSIT)(登録商標)及び国際公開第01/05874号公報に記載のようなもの
10 ダウ・コーニング・コーポレーション(Dow Corning Corporation)(ミシガン州、ミッドランド(Midland))から供給される
11 信越シリコーン(Shin-Etsu Silicones)(オハイオ州、アクロン(Akron))から供給される
12 ナルコケミカルズ(Nalco Chemcials)(イリノイ州、ネーパービル(Naperville))から供給される
13 エクハード・アメリカ(Ekhard America)(ケンタッキー州、ルーイビル(Louisville))から供給される
14 デグサ社(Degussa Corporation)(バージニア州、ホープウェル(Hopewell))から供給される
15 ローディア化学(Rhodia Chemie)(フランス)により供給される
16 アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Greenbay))から供給される
17 ダウケミカルズ(Dow Chemicals)(ニュージャージー州、エッジウォーター(Edgewater))から供給される
18 シェルケミカルズ(Shell Chemicals)から供給される
【0152】
以下の比限定的な実施例は本発明を例証する。別途明記しない場合、百分率は重量によるものである。
【0153】
本明細書を通じて、所与のあらゆる最大数値限定は、そのようなより小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、より小さい全ての数値限定を含むと理解されるべきである。本明細書全体を通じて、所与のあらゆる最小数値限定は、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、より大きい全ての数値限定を含む。本明細書全体を通じて、所与のあらゆる数値範囲は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、そのようなより広い数値範囲内に入る、より狭い全ての数値範囲を含む。
【0154】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
付着補助剤と、織物色相染料と、を含む、布地の処理に好適な液体処理組成物。
【請求項2】
前記付着補助剤が、カチオン性多糖類、合成カチオン性ポリマー及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の液体処理組成物。
【請求項3】
前記付着補助剤が、カチオン性セルロースエーテル類、及び、
a)N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、これらの四級化誘導体、ビニルアミン及びその誘導体、アリルアミン及びその誘導体、ビニルイミダゾール、四級化ビニルイミダゾール並びにジアリルジアルキル塩化アンモニウムからなる群から選択されるカチオン性モノマーと、
b)アクリルアミド(AM)、N,N−ジアルキルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、C1〜C12アルキルアクリレート、C1〜C12ヒドロキシアルキルアクリレート、C1〜C12ヒドロキシエーテルアルキルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12ヒドロキシアルキルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアルキルエーテル、ビニルブチレート、並びにこれらの誘導体及び混合物からなる群から選択される第2のモノマーと、を含むコポリマーから選択される、請求項1〜2のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項4】
前記色相染料が、少なくとも10の色相効率、及び約30%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す色相染料からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項5】
前記色相染料が、少なくとも15の色相効率、及び約40%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項6】
重量で約0.0001%〜約0.1%の色相染料を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項7】
前記色相染料が、トリアリールメタンブルー塩基性染料、トリアリールメタンバイオレット塩基性染料、メチンブルー塩基性染料、メタンバイオレット塩基性染料、アントラキノンブルー塩基性染料、アントラキノンバイオレット塩基性染料、アゾ染料塩基性ブルー16、塩基性ブルー65、塩基性ブルー66、塩基性ブルー67、塩基性ブルー71、塩基性ブルー159、塩基性バイオレット19、塩基性バイオレット35、塩基性バイオレット38、若しくは塩基性バイオレット48、オキサジン染料塩基性ブルー3、塩基性ブルー75、塩基性ブルー95、塩基性ブルー122、塩基性ブルー124、塩基性ブルー141、若しくはナイルブルーA、キサンテン染料塩基性バイオレット10、アルコキシル化アントラキノン高分子着色剤、又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項8】
前記色相染料がメチン塩基性ブルー染料又はメチン塩基性バイオレット染料である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項9】
前記色相染料がアルコキシル化アントラキノン高分子着色剤である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項10】
前記色相染料がアルコキシル化トリフェニルメタン高分子着色剤である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項11】
前記色相染料がアルコキシル化チオフェン高分子着色剤である、請求項1〜10いずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項12】
布地柔軟化剤、色の保護、毛玉の低減、摩擦防止、皺防止剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される布地ケア有益剤を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項13】
前記布地ケア有益剤が、シリコーン誘導体、油性糖誘導体、分散性ポリオレフィン、ポリマーラテックス、カチオン性界面活性剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項14】
前記布地ケア有益剤が、シリコーン誘導体、カチオン性界面活性剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項15】
前記組成物が、水溶性フィルム内に包装された液体の形態である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項16】
非着色布地直接染料を更に含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項17】
好ましくはアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を更に含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項18】
洗浄性研磨剤類、酵素類、酵素安定剤類、泡抑制剤類、汚れ懸濁剤類、汚れ放出剤類、pH調整剤類、キレート化剤類、スメクタイト粘土類、溶媒類、向水性物質類、相安定剤類、構造剤類、染料移動防止剤類、蛍光増白剤類、及び香料類からなる群から選択される1つ以上の追加成分を更に含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の液体処理組成物。
【請求項19】
付着補助剤を含む組成物を用いて洗濯される布地の、清浄度に対する認識を改善させるための色相染料の使用方法。

【公表番号】特表2010−519365(P2010−519365A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550367(P2009−550367)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/IB2008/051052
【国際公開番号】WO2008/114226
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】