説明

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】吐出不良を防止できると共に各ノズルから吐出される液滴の吐出特性を均一化することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】ノズルプレート20に設けられる分流路部を構成する各細溝25の深さがその幅よりも深くなっており、且つキャビティ基板及びノズルプレート20の少なくとも何れか一方に、並設された各分流路部間に対応する領域に、キャビティ基板とノズルプレート20とを接着するための接着剤の逃げとなる溝部30を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、液滴としてインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド及び液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、プリンタ、ファクシミリ、複写装置等に用いられるインクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドでは、液滴を吐出させるためのメカニズムに応じて各種方式のものが知られている。例えば、発熱素子等によって液体を沸騰させ、そのときに生じる気泡圧で液滴を吐出させるものや、液滴が充填された圧力発生室の容積を、圧電素子の変位によって膨張又は収縮させることでノズルから液滴を吐出させるものがある。さらに、例えば、静電気力を利用して圧力発生室の容積を変化させることで、ノズルから液滴を吐出させるようにしたものもある。
【0003】
例えば、静電駆動方式のインクジェット式記録ヘッドとしては、シリコン単結晶基板からなり複数のノズルが形成されたノズルプレートと、シリコン単結晶基板からなりノズルに連通するインクキャビティ(圧力室)及びインクリザーバ(共通液室)が形成されたキャビティプレート(キャビティ基板)と、個別電極が配設されるガラス基板とが貼り付けられて構成され、上記インクキャビティとインクリザーバとが、ノズルプレートに形成されたインク供給路(供給口部)を介して連通させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、例えば、ノズルプレートは、シリコンウェハに複数一体的に形成され、最終的にこのシリコンウェハを分割することによって形成されている。すなわち、各ノズルプレートに対応する複数のノズル及びインク供給路が、シリコンウェハにエッチングにより形成された後、シリコンウェハを複数のノズルプレートに分割している。
【0005】
そして、このように複数のノズル及びインク供給路等をシリコンウェハにエッチングによって形成すると、シリコンウェハの面内で深さにばらつきが生じてしまい、上記のような構成のインクジェット式記録ヘッドとした際に、各ヘッドでインク吐出特性にばらつきが生じてしまうという問題がある。また、このような吐出特性のばらつきは比較的大きいため、歩留まりが低くなってしまうという問題もある。
【0006】
また、一般的に、ノズルプレートは、接着剤によってキャビティ基板に接合されている。例えば、表面に接着剤を塗布したノズルプレートをキャビティ基板上に加圧接着することで、両者を接合する。このため、余分な接着剤が、供給口部内などに流れ込んで流路の一部を塞ぎ、供給口部の流路抵抗が変化して、インク吐出特性のばらつきが生じてしまうという問題や、最悪の場合、供給口部が接着剤で塞がれてインク滴が吐出されないという問題もある。
【0007】
なお、このような問題は、勿論、インクジェット式記録ヘッドだけでなく、他の液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
【0008】
【特許文献1】特開平11−198386号公報(特許請求の範囲、第1図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような事情に鑑み、吐出不良を防止できると共に各ノズルから吐出される液滴の吐出特性を均一化することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、複数の圧力室とこれらの圧力室に共通する共通液室とが設けられるキャビティ基板と、前記圧力室に連通する複数のノズルと複数の細溝からなる分流路部を有し前記共通液室内の液体を前記圧力室に供給する供給口部とが各圧力室に対応して設けられるノズルプレートとを具備し、前記分流路部を構成する各細溝の深さがその幅よりも深くなっており、且つ前記キャビティ基板及び前記ノズルプレートの少なくとも何れか一方には、並設された各分流路部間に対応する領域に、前記キャビティ基板と前記ノズルプレートとを接着するための接着剤の逃げとなる溝部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第1の態様では、分流路部の深さのばらつき及びキャビティ基板とノズルプレートとを接合するための接着剤が分流路部に流れ込むことに伴う、供給口部の流路抵抗のばらつきが抑えられる。これにより、各ノズルから吐出される液滴の吐出特性を均一化することができ、またヘッド毎の吐出特性も均一化することができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、前記溝部が、前記ノズルプレートに設けられていることを特徴とする第1の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第2の態様では、溝部と分流路部との位置関係が確実に決まるため、分流路部への接着剤の流れ込みをより確実に防止することができる。
【0012】
本発明の第3の態様は、前記ノズルプレートがシリコン基板からなり、前記供給口部及び前記溝部がドライエッチングによって形成されていることを特徴とする第2の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第3の態様では、比較的深さのばらつきの生じやすいドライエッチングで供給口部を形成しても供給口部の流路抵抗のばらつきが抑えられると共に、溝部と供給口部とを同時に形成することが可能であるので、形成工程が簡素化できる。さらにドライエッチングではウェットエッチングのような結晶方向による規制がないので、溝部の形状、深さあるいは開口面積等を比較的自由に設定することができる。
【0013】
本発明の第4の態様は、前記細溝が、その幅の2倍以上の深さを有することを特徴とする第1〜3の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第4の態様では、細溝部を比較的深く形成することで、深さのばらつきの影響がより小さく抑えられる。
【0014】
本発明の第5の態様は、前記供給口部が、前記分流路部と当該分流路部の両端部側にそれぞれ設けられる単一流路部とで構成され前記分流路部の幅が前記単一流路部の幅よりも狭いことを特徴とする第1〜4の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第5の態様では、分流路部の隔壁の厚さが他の領域よりも厚くなるため、比較的開口面積の大きい溝部を形成でき、分流路部への接着剤の流れ込みをより確実に防止することができる。
【0015】
本発明の第6の態様は、前記溝部が、前記分流路部を構成する各細溝を区画する島部に対応する領域にも設けられていることを特徴とする第1〜5の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第6の態様では、島部上の接着剤が分流路部に流れ込むのを防止することができ、接着剤が分流路部に流れ込むことに伴う供給口部の流路抵抗のばらつきをより確実に防止することができる。
【0016】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第7の態様では、良好且つ均一な吐出特性を有し、信頼性に優れた液体噴射装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略斜視図であり、図2は、その断面図であり、図3は、ノズルプレートの概略平面図であり、図4は、図3のA−A′断面図である。図示したインクジェット式記録ヘッドは、いわゆる静電駆動方式のヘッドであり、キャビティ基板10と、このキャビティ基板10の両面にそれぞれ接合されるノズルプレート20及び電極基板40とで構成されている。
【0018】
キャビティ基板10は、例えば、面方位(100)又は(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方面側に開口する圧力室(キャビティ)11がその幅方向に複数並設されている。また、本実施形態では、図2に示すように、キャビティ基板10には、複数の圧力室11が並設された列が2列形成されている。さらに、キャビティ基板10には、各列の圧力室11に共通するインク室となる共通インク室12が形成されており、この共通インク室12は、後述するインク供給口部を介して各圧力室11に連通されている。また、共通インク室12の底壁には、共通インク室12にインクを供給するためのインク供給孔13が形成されている。また、キャビティ基板10には、共通インク室12の外側に、後述する個別電極に接続される個別端子部を露出させるための貫通孔14が形成されている。なお、この貫通孔14は、キャビティ基板10の共通インク室12とは反対側の端面まで連続的に形成されていてもよい。
【0019】
なお、各圧力室11の底壁は、圧力室11内に圧力変化を生じさせるための振動板15として機能し、且つこの振動板15を変位させる静電気力を発生させるための共通電極としての役割を兼ねている。そして、キャビティ基板10の貫通孔14近傍には、ノズルプレート20の後述する露出孔内に露出されて図示しない駆動配線が接続される共通端子部16が形成されている。
【0020】
ノズルプレート20は、キャビティ基板10と同様に、面方位(100)又は(110)のシリコン単結晶基板からなり、各圧力室11に連通する複数のノズル21が形成されている。そして、このノズルプレート20は、キャビティ基板10の開口面側に接着剤(図示なし)によって接合され、圧力室11及び共通インク室12の一方の面を形成している。また、ノズルプレート20のキャビティ基板10とは反対側の面には、ノズル21に対応する領域に亘って厚さ方向の一部を除去したノズル段差部22が形成されている。
【0021】
ここで、各ノズル21は、インク滴が吐出される側に設けられてノズル段差部22内に開口する略円形の小径部21aと、小径部21aよりも大きい径を有し小径部21aと圧力室11とを連通する大径部21bとからなる。そして、全てのノズル21(小径部21a)は、このノズル段差部22内に開口しており、本実施形態では、このノズル段差部22内のノズルプレート20の表面がノズル面となる。
【0022】
また、このノズルプレート20のキャビティ基板10との接合面には、圧力室11と共通インク室12との境界に対応する領域に、これら各圧力室11と共通インク室12とを連通するインク供給口部23が形成されている。このインク供給口部23の中央部、すなわち、圧力室11と共通インク室12との中間部には、図3に示すように複数の柱状突起である島部24が並設され、この島部24によって画成される複数の細溝25からなる分流路部26が形成されている。そして、本実施形態に係るインク供給口部23は、この分流路部26と、その両側の単一流路部27とで構成されている。
【0023】
ここで、このようなノズルプレート20の各細溝25は、流路抵抗が略均一になるように形成されている。本発明に係る各細溝25は、シリコン基板であるノズルプレート20をドライエッチングすることによって形成され、図4に示すように、その深さd1が幅w1よりも深くなっている。なお、各細溝25の深さw1は、幅d1よりも深くなっていればよいが、幅d1の2倍以上の深くなっていることが好ましい。
【0024】
これにより、分流路部26の流路抵抗のばらつきが抑えられ、各ノズル21から吐出されるインク滴の吐出特性が均一化される。またヘッド毎のインク吐出特性も均一化される。分流路部26を構成する各細溝25は、ドライエッチングによって形成されているため、各細溝25を所望の深さ(基準深さ)で形成しようとしても一定にはならず、ある程度のばらつきが生じてしまう。そして、この深さのばらつきに伴ってインク供給口部23(分流路部26)の流路抵抗にもばらつきが生じてしまう。しかしながら、深さd1が幅w1よりも深くなるように細溝25を形成することで、基準深さに対するばらつき量は相対的に小さくなり、各細溝25の深さのばらつきに伴うインク供給口部23の流路抵抗のばらつきも小さく抑えられる。
【0025】
また、このように細溝25は、深さが比較的深く形成され、幅は従来よりも狭く形成されている。このため、分流路部26全体の幅が単一流路部27の幅よりも狭くなっており、各インク供給口部23を区画する隔壁28の分流路部26間に対応する領域は、他の領域よりも幅の広い幅広部29となっている。そして、本発明では、この隔壁28の幅広部29に、キャビティ基板10とノズルプレート20とを接着するための接着剤の逃げとなる溝部30を設けている。また、本実施形態では、幅広部29と共に、並設されたインク供給口部23の列の両外側にも溝部30を設けている。すなわち、各インク供給口部の幅方向両側にそれぞれ溝部30が設けられているようにした。
【0026】
これにより、キャビティ基板10とノズルプレート20とを接着剤によって接着する際に、余分な接着剤が分流路部26内に流れ込むのを防止することができ、接着剤が分流路部26(細溝25)に流れ込むことによって流路抵抗が変化するのを防止することができる。また、上述のように細溝25の幅が従来よりも狭く形成されており、このことも接着剤の細溝25への流れ込みの抑制につながっている。そして、インク供給口部23(分流路部26)の流路抵抗の変化が防止されることで、各ノズル21から吐出されるインク滴の吐出特性をより確実に均一化することができ、またヘッド毎のインク吐出特性もより確実に均一化することができる。
【0027】
なお、溝部30は、余分な接着剤が確実に流れ込む大きさで形成されていれば、その形状、深さ及び開口面積等は特に限定されない。例えば、本実施形態では、この溝部30は、細溝25と同時にドライエッチングによって形成され、細溝25と略同一の深さとなっている。このように溝部30とインク供給口部23とを同時に形成することが可能であるので、形成工程が簡素化できる。さらに、ドライエッチングではウェットエッチングのような結晶方向による規制がないので、溝部の形状、深さあるいは開口面積等を比較的自由に設定することができる。
【0028】
また、溝部30の開口面積は、溝部30周囲の壁部28aの幅w2を考慮して決定するのが好ましい。例えば、本実施形態では、この壁部28aの幅が15μm程度となるように、溝部30の開口面積を規定している。これにより、壁部28aは、その幅w2が比較的広く確保され、接着剤によって確実にキャビティ基板10に接合される。そして、接着剤に気泡が含まれていた場合でも、この気泡によって壁部28aに対向する領域に空間(未接着部)が形成されてしまうのを防止することができる。すなわち、分流路部26に供給されたインクが溝部30に流れ込んでインク吐出特性が低下する等の問題の発生を防止することができる。
【0029】
また、本実施形態では、分流路部26間の隔壁28(幅広部29)に溝部30を設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、図5に示すように、インク供給口部23内に比較的表面積の広い島部24Aを設け、この島部24Aにも溝部30Aを設けるようにしてもよい。これにより、分流路部26(細溝25)への接着剤の流れ込みをさらに確実に防止することができる。
【0030】
またノズルプレート20には、共通インク室12の外側に対応する位置に、キャビティ基板10の貫通孔14に連通し、後述する個別端子部と共に共通端子部16を露出させる露出孔31が形成されている。この露出孔31は、貫通孔14と同様に、共通インク室12とは反対側の端面まで連続的に形成されていてもよい。
【0031】
このノズルプレート20の表面、本実施形態では、ノズル段差部22内には、例えば、フッ素含有シランカップリング化合物等からなる撥水撥油性材料からなる撥水撥油膜32が形成されている。これにより、ノズルプレート20の表面(ノズル面)へのインク滴の付着を抑えている。
【0032】
一方、電極基板40は、シリコン単結晶基板に近い熱膨張率を有する、例えば、ホウ珪酸ガラス等のガラス基板からなり、キャビティ基板10の振動板15側の面に接合されている。この電極基板40の振動板15に対向する領域には、各圧力室11に対応して凹部41が形成されている。また、電極基板40には、キャビティ基板10のインク供給孔13に対応する位置には、このインク供給孔13に連通するインク導入孔42が形成されている。そして、図示しないインクタンクからこのインク導入孔42及びインク供給孔13を介して共通インク室12にインクが充填されるようになっている。
【0033】
また、各凹部41には、振動板15を変位させる静電気力を発生させるための個別電極43が、振動板15との間に所定の間隔を確保した状態でそれぞれ配置されている。また、凹部41内には、キャビティ基板10の貫通孔14に対向する領域に、図示しない駆動配線が接続される個別端子部44が形成されており、この個別端子部44と各個別電極43とはリード電極45によって接続されている。なお、図示しないが、これら各個別電極43及びリード電極45は絶縁膜によって封止され、また個別端子部44と共通端子部16との間には、接続配線を介して駆動電圧パルスを印加するための発振回路が接続されている。
【0034】
そして、このようなインクジェット式記録ヘッドでは、発振回路によって個別電極43と振動板15(キャビティ基板10)との間に駆動電圧を印加すると、これら個別電極43と振動板15との隙間に発生する静電気力によって振動板15が個別電極43側に撓み変形して、圧力室11の容積が拡大し、駆動電圧の印加を解除すると、振動板15が元の状態に復帰し、圧力室11の容積が収縮する。そして、このとき発生する圧力室11内の圧力変化によって、圧力室11内のインクの一部が、ノズル21からインク滴として吐出される。
【0035】
以上本発明の一実施形態について説明したが、勿論、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、溝部をノズルプレートに設けた例を説明したが、この溝部は、キャビティ基板側に設けられていてもよい。すなわち、上述した幅広部、あるいは島部に対応する領域のキャビティ基板に溝部を設けるようにしてもよい。ただし、キャビティ基板に溝部を設けた場合、分流路部に対して溝部が所望の位置となるように、キャビティ基板とノズルプレートとを高精度に位置決めして接合する必要がある。
【0036】
また、本実施形態では、静電駆動方式のインクジェット式記録ヘッドを一例として本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、圧電素子の変位によってインク滴を吐出させる方式、あるいは、発熱素子等によってインクを加熱することでインク滴を吐出させる方式等、あらゆる方式のインクジェット式記録ヘッドに採用することができる。また、勿論、本発明は、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、他のあらゆる液滴を吐出する液体噴射ヘッドにも採用することができる。他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】一実施形態に係る記録ヘッドの概略斜視図である。
【図2】一実施形態に係る記録ヘッドの断面図である。
【図3】一実施形態に係るノズルプレートの概略を示す平面図である。
【図4】一実施形態に係るノズルプレートの要部を示す断面図である。
【図5】一実施形態に係るノズルプレートの変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 キャビティ基板、 11 圧力室、 12 共通インク室、 15 振動板、 20 ノズルプレート、 21 ノズル、 23 インク供給口部、 24 島部、 25 細溝、 26 分流路部、 27 単一流路部、 28 隔壁、 29 幅広部、 30 溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の圧力室とこれらの圧力室に共通する共通液室とが設けられるキャビティ基板と、前記圧力室に連通する複数のノズルと複数の細溝からなる分流路部を有し前記共通液室内の液体を前記圧力室に供給する供給口部とが各圧力室に対応して設けられるノズルプレートとを具備し、
前記分流路部を構成する各細溝の深さがその幅よりも深くなっており、且つ前記キャビティ基板及び前記ノズルプレートの少なくとも何れか一方には、並設された各分流路部間に対応する領域に、前記キャビティ基板と前記ノズルプレートとを接着するための接着剤の逃げとなる溝部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
前記溝部が、前記ノズルプレートに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項3】
前記ノズルプレートがシリコン基板からなり、前記供給口部及び前記溝部がドライエッチングによって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項4】
前記細溝が、その幅の2倍以上の深さを有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
【請求項5】
前記供給口部が、前記分流路部と当該分流路部の両端部側にそれぞれ設けられる単一流路部とで構成され前記分流路部の幅が前記単一流路部の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
【請求項6】
前記溝部が、前記分流路部を構成する各細溝を区画する島部に対応する領域にも設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−261214(P2007−261214A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92549(P2006−92549)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】