説明

液処理装置

【課題】処理物に対して処理液を均一に浸すことができる液処理装置を提供すること。
【解決手段】基板20上のカバーフィルム21に対して剥離液51を浸すことによって、このカバーフィルム21に化学反応処理を施す液処理装置において、基板20を搬送するローラー30と、剥離液51を噴出する第一シャワーヘッド50と、この第一シャワーヘッド50とローラー30との間に設けられ、剥離液51が基板20に直接噴射されるのを防止する邪魔板40とを有するフィルム膨潤剥離区間を備える。このため、第一シャワーヘッド50から噴射される剥離液51が基板20表面のカバーフィルム21に直接噴射されるのを防止することができるので、基板20表面の剥離液51の流れを抑制することができ、基板20表面全体に剥離液51を行き渡らせることができ、カバーフィルム21全体を膨潤剥離させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上の処理物に処理液を浸す液処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶ディスプレイパネルなどのディスプレイパネルの製造工程において、ガラス基板上に電極パターンを形成する際、例えばフォトリソグラフィ法などが用いられている。このフォトリソグラフィ法は、(A)薄膜形成工程、(B)現像処理工程、(C)エッチング処理工程および(D)レジスト剥離工程の4工程を順に経ることにより、基板上にパターンを形成する方法である。
【0003】
例えばフォトリソグラフィ法によりディスプレイパネルのガラス基板上に電極パターンを形成する場合、(A)薄膜形成工程では、ガラス基板上の全領域にパターニングしたい電極材料の薄膜をスパッタリングなどの方法により形成し、さらに感光性材料であるレジスト層を一様に形成する。(B)現像処理工程では、前工程で形成されたレジストに所望のパターンのUV光を照射・露光し、感光せずに硬化しないまま基板上に残ったレジストのみを現像液で除去することによって現像する。これらの現像されたレジストパターンは、水洗、乾燥した後、基板とレジストとの密着性を向上させるためにポストベーク処理が施される。さらに、(C)エッチング処理工程では、前工程で形成したレジストパターンをマスクとして、電極材料薄膜をエッチング処理液により除去する。レジストはこのエッチング処理液に対して耐性を有するため、電極材料薄膜のレジストパターンに被覆されていない部分のみが除去され、ガラス基板が剥き出しになる。水洗、乾燥後に、(D)レジスト剥離工程では、前工程で残されたレジストパターンがレジスト剥離液により除去され、水洗、乾燥処理が行われる。これにより、ガラス基板上には所望の電極材料のパターンのみが形成される。
【0004】
従来、上述した(D)のようなレジスト等のカバーフィルムを剥離する際に、槽に剥離液を満たし、その中にカバーフィルムに被膜された基板を浸すことにより、カバーフィルムと剥離液との間で化学反応を発生させて、カバーフィルムを剥離するという、いわゆるディップ式の剥離装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ディップ式の剥離装置は、例えばプラズマディスプレイパネル等のように製造物が大きい場合には、多量の剥離液を使用しなければならない点や、基板を槽内へ搬送する場合の搬送手段が複雑化するため好ましくない。
このような問題点を鑑みて、プラズマディスプレイパネルのような大きな製造物を製造する製造工程では、搬送手段により搬送される基板に対して、上側から剥離液をシャワーによって噴射する剥離装置が用いられている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平10−83946号
【特許文献2】特開2005−175091号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2のような剥離装置の場合、基板に剥離液を直接噴射するので、剥離液が基板上を均一に漂わなくなり、剥離液が部分的に基板上を流れる箇所が発生するため、ディップ式のように、基板が一様に剥離液に浸ることがない。剥離液が均一に漂わないとカバーフィルムが良好に化学反応する箇所と、そうでない箇所が発生する。すなわち、基板面内でムラが発生する。さらには、剥離装置の場合には、一旦剥離されたカバーフィルムが直後に噴射されたシャワーの圧力によって、基板に再付着してしまうという問題が一例として挙げられる。
【0007】
本発明は、処理物に対して処理液を均一に浸すことができる液処理装置を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、基板上の処理物に対して処理液を浸すことによって、この処理物に化学反応処理を施す液処理装置において、前記基板を搬送する搬送手段と、前記搬送手段の上側に設けられ前記処理液を前記処理物に噴出する処理液供給部と、前記処理液供給部と前記搬送手段との間に設けられ前記処理液供給部から噴出される前記処理液が前記搬送手段により搬送される前記基板に対して直接噴射されるのを防止する遮蔽板と、を有する第一のエリアを備えたことを特徴とする液処理装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
以下、本実施形態を図1から図6に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の剥離装置の模式図である。図2は、本実施形態の剥離装置の邪魔板の斜視図である。図3は、本実施形態の邪魔板を搬送ローラー受部に設置した状態を拡大した側面図である。図4は、本実施形態の邪魔板を搬送ローラー受部に設置した状態を拡大した正面図である。図5は、本実施形態の剥離装置のフィルム膨潤剥離区間の拡大図である。図6は、本実施形態の剥離装置のフィルム除去区間の拡大図である。
【0011】
〔本発明の実施形態の液処理装置の構成〕
図1に示したように、本実施形態の液処理装置1は、第一のエリアとしてのフィルム膨潤剥離区間Aと、第二のエリアとしてのフィルム除去区間Bとを備えている。
このフィルム膨潤剥離区間Aは、筐体10内で基板20を搬送する搬送手段としてのローラー30と、このローラー30の上方に設けられた処理液である剥離液51を基板20に向けて噴出する処理液供給部としての第一シャワーヘッド50と、剥離液51が基板20に直接噴射されるのを防止する遮蔽板としての邪魔板40とを備えている。また、第一シャワーヘッド50の先端は剥離液51が放射状に噴射される略円錐形状となっている。
フィルム除去区間Bは、基板20を搬送するローラー30と、このローラー30の上方に設けられた洗浄液61を基板20に向けて噴出する洗浄液供給部としての第二シャワーヘッド60とを備えている。この第二シャワーヘッド60の先端は、洗浄液61を線状に噴射する形状、例えば、外周が円錐状となっており、さらに基板20の搬送方向に対向する向きに設けられている。
なお、フィルム膨潤剥離区間Aは基板20の搬送方向の上流側に位置し、フィルム除去区間Bは基板20の搬送方向の下流側に位置している。
【0012】
図2に示したように、邪魔板40は、平面が長尺矩形状の板部41と、この板部41の同一平面上に垂直となるように設けられた第一固定手段としての2つの第一固定爪42と、これら第一固定爪42の間に位置する2つの第二固定爪43とを備えている。
そして、第一固定爪42は、2つの対となる矩形状突起部であり、かつ、この矩形状突起部の長辺と板部41の短辺とが平行になるように備えられ、第二固定爪43は、板部41と第一固定爪42とに垂直となるように備えられている。
また、邪魔板40は剥離液51による腐食等の劣化を防ぐために耐性のある材質としてステンレス材を用いている。
【0013】
図3、4に示したように、基板20はガラス基板22を有し、このガラス基板22を覆うカバーフィルム21を有する構造である。また、このガラス板22は前工程においてエッチング処理されることで削り取られた凹部Cを有している。
ローラー30は、搬送経路に沿って複数並列しており、基板20に当接して支持する径大部31と、この径大部31の両端に回転軸となる径小部32とを備えている。
また、ローラー受70は、径大部31の両端の径小部32を軸支する2個1対の構成となっており、ローラー30同様に搬送経路に沿って複数並列している。
そして、邪魔板40は、板部41が隣り合う2対のローラー受70により載置され、2つの第一固定爪42が搬送経路両端の外側からローラー受70を挟み込むように係合することでローラー30の回転軸方向へのずれを規制され、2つの第二固定爪43がそれぞれ隣接するローラー受70の間に差込まれることでローラー30の回転軸に垂直となる方向へのずれを規制されている。
【0014】
[本実施形態の液処理方法]
図5に示したように、液処理装置1のローラー30が回転することにより、ローラー30に載置される基板20は、フィルム膨潤剥離区間Aへと搬送される。この搬送された基板20は、第一シャワーヘッド50から噴出する剥離液51が基板20の表面に設けられたカバーフィルム21に滴下される。このとき、剥離液51は第一シャワーヘッド50から邪魔板40へと噴射され、邪魔板40の長辺両端側から流下するため、剥離液51がカバーフィルム21に均一に広がる。そして、カバーフィルム21は剥離液51によって化学反応を起こして膨潤し、ガラス板22から剥離する。
【0015】
その後、図6に示したように、ローラー30の回転によりカバーフィルム21が剥離した基板20はフィルム除去区間Bへと搬送され、第二シャワーヘッド60から噴出する洗浄液61が剥離したカバーフィルム21に直接噴射されるため、この洗浄液61の噴射圧力によりガラス板22からカバーフィルム21が除去される。また、このとき第二シャワーヘッド60は基板20の搬送方向と対向する方向へと洗浄液61を噴射するため、ガラス板22の表面に洗浄液の流れが発生してガラス板22からカバーフィルム21が除去され易くなっている。なお、洗浄液61は、剥離液51と同一液でもよいが、ガラス板22上の剥離したカバーフィルム21を除去し、ガラス板22上を洗浄することが目的であるため、洗浄液61は純水でも特に構わない。
【0016】
[本実施形態の液処理装置の作用効果]
上記のような構成の本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
【0017】
(1)本実施形態の液処理装置1のフィルム膨潤剥離区間Aには、ローラー30の上方に設けられた第一シャワーヘッド50とローラー30により搬送される基板20との間に邪魔板40が設けられている。
このため、第一シャワーヘッド50から噴射される剥離液51が基板20表面のカバーフィルム21に直接噴射されるのを防止することができるので、基板20表面の剥離液51の流れを抑制することができる。これにより、剥離液51が基板20表面を均一に漂わなくなり、剥離液51が部分的に基板20表面を流れることで、カバーフィルム21に化学反応を起こして膨潤して剥離する箇所と、そうでない箇所とが発生する、いわゆる剥離ムラを起こすおそれをなくすことができる。
従って、基板20表面全体に剥離液を行き渡らせることができ、カバーフィルム21全体を膨潤剥離させることができる。すなわち、擬似的にディップ式液処理装置と同様の状態を得ることができる。
(2)さらに、上記構成は、剥離液51を直接カバーフィルム21に噴射しないため、膨潤剥離したカバーフィルム21を剥離液51の噴射圧力によって再び付着させてしまうようなおそれをなくすことができる。
【0018】
(3)本実施形態の液処理装置1は、従来の液処理装置1の第一シャワーヘッド50とローラー30との間に邪魔板40を設けるだけの構成である。
このため、従来の液処理装置1のローラー受70に邪魔板40を取り付けるだけでよく、大規模若しくは複雑な改造を施す必要がなく、容易に実施することができる。
【0019】
(4)邪魔板40は、長尺矩形状の板部41と、この板部41の同一平面上に垂直となるように設けられた2つの矩形状突起部であり、かつ、この矩形状突起部の長辺と板部41の短辺とが平行になるように備えられた2つの第一固定爪42と、これら第一固定爪42の間に位置し、板部41と第一固定爪42とに垂直となるように備えられた2つの第二固定爪43とを備えている。
このため、邪魔板40は、板部41が2つのローラー受70に載置でき、第一固定爪42が2つのローラー受70を挟むようにローラー30の外側から係合するのでローラー30の回転軸方向へのずれを規制することができ、さらに2つの第二固定爪43がそれぞれ並列するローラー受70の間に差込まれることでローラー30の回転軸に垂直となる方向へのずれを規制することができる。
よって、邪魔板40は、従来の液処理装置1のローラー受70の所定の位置に載置するだけで簡単に設置することができ、なおかつ位置ずれを防いで液処理装置1に固定することができる。
【0020】
(5)このローラー30の上方に設けられ洗浄液61を噴出する第二シャワーヘッド60の先端は、洗浄液61を線状に噴射する形状となっており、さらに基板20の搬送方向に対向する向きに設けられている。
このため、第二シャワーヘッド60から噴出する線状の洗浄液61を剥離したカバーフィルム21に直接噴射することができるため、この洗浄液61の噴射圧力によりガラス板22からカバーフィルム21を効率よく除去することができる。また、第二シャワーヘッド60は基板20の搬送方向と対向する方向へと洗浄液61を噴射することができるため、ガラス板22上に洗浄液の流れを発生させることができるので、カバーフィルム21をガラス板22から確実に除去することができる。
【0021】
(6)邪魔板40の材質はステンレス材である。このため、邪魔板40は剥離液51によって、腐食等の劣化に対して耐性を有する。
従って、剥離液51による邪魔板40の劣化を防ぐことができ、長期間連続して液処理装置1を使用することができる。
【0022】
[本実施形態のガラス構造物の形成方法の変形例]
本実施形態では、液処理装置1は剥離装置として説明したが、それには限らない。すなわち、化学反応によって基板20上の不要な物質を除去する場合であって、処理液の塗布ムラによる化学反応の面内ムラが起因して、その除去に不具合が発生するといった以下に記載する各例に適応可能である。
【0023】
例えば、本実施形態の液処理装置1は現像装置にも適応可能であり、その作用効果として(1)、(3)〜(6)が得られる。なお、現像装置においても、本実施形態とほぼ同様の構成であるため、同一の構成についてはここでの説明を省略する。本実施形態と異なる構成は、処理液として剥離液51の代わりに現像液を用いることである。
現像装置の動作は、現像工程の前工程である露光工程にて露光された感光膜を被覆した基板20が区間Aに搬送され、本実施形態同様に邪魔板40を介して現像液が噴射される。これにより、露光工程にてパターン露光された感光膜のうち、パターンとして不要な部分が化学反応によりガラス板22から除去され、その後、区間Bにおいて洗浄液61によってガラス板22から不純物が除去される。
【0024】
例えば、本実施形態の液処理装置1はエッチング装置にも適応可能であり、その作用効果として(1)、(3)〜(6)が得られる。なお、エッチング装置においても、本実施形態とほぼ同様の構成であるため、同一の構成についてはここでの説明を省略する。本実施形態と異なる構成は、処理液として剥離液51の代わりにエッチング液を用いることである。
エッチング装置の動作は、前工程によってベタで成膜された構造物の材料層(例えば、電極材層)、及びこのベタ層上に形成され、パターニングされたカバーフィルムが被覆された基板20が区間Aに搬送され、本実施形態同様に邪魔板40を介してエッチング液が噴射される。これにより、カバーフィルムが被覆されていない部分のベタ層が、エッチング液によって化学反応を起こしてガラス板22から除去され、その後、区間Bにおいて洗浄液61によってガラス板22から不純物が除去される。
【0025】
例えば、本実施形態の液処理装置1は化学反応を用いて基板20上の不純物を洗浄する洗浄装置にも適応可能であり、その作用効果として(1)、(3)〜(6)が得られる。なお、洗浄装置においても、本実施形態とほぼ同様の構成であるため、同一の構成についてはここでの説明を省略する。本実施形態と異なる構成は、処理液として剥離液51の代わりに化学洗浄液を用いることである。
洗浄装置の動作は、不純物の付着した基板20が区間Aに搬送され、本実施形態同様に邪魔板40を介して化学洗浄液を噴射される。これにより、
ガラス板22上に付着した不純物が、化学洗浄液によって化学反応を起こしてガラス板22から除去され、その後、区間Bにおいて洗浄液61によってガラス板22から残留する不純物が除去される。なお、区間Aで十分に不純物を除去できる場合は、区間Bは省略しても構わない。
【0026】
[実施形態の作用効果]
上述したように、上記液処理装置1では、基板20上のカバーフィルム21に対して剥離液51を浸すことによって、このカバーフィルム21に化学反応処理を施す液処理装置1において、前記基板20を搬送するローラー30と、前記ローラー30の上側に設けられて前記剥離液51を噴出する第一シャワーヘッド50と、前記第一シャワーヘッド50と前記ローラー30との間に設けられて、前記第一シャワーヘッド50から噴出される前記剥離液51が前記ローラー30により搬送される前記基板20に対して直接噴射されるのを防止する邪魔板40と、を有する区間Aを備える。
このため、第一シャワーヘッド50から噴射される剥離液51が基板20表面のカバーフィルム21に直接噴射されるのを防止することができるので、基板20表面の剥離液51の流れを抑制することができる。これにより、剥離液51が基板20表面を均一に漂わなくなり、剥離液51が部分的に基板20表面を流れることで、カバーフィルム21に膨潤して剥離する箇所と、そうでない箇所とが発生する、いわゆる剥離ムラを起こすおそれをなくすことができる。
従って、基板20表面全体に剥離液を行き渡らせることができ、カバーフィルム21全体を膨潤剥離させることができる。すなわち、擬似的にディップ式液処理装置と同様の状態を得ることができる。
さらに、上記構成は、剥離液51を直接カバーフィルム21に噴射しないため、膨潤剥離したカバーフィルム21を剥離液51の噴射圧力によって再び付着させてしまうおそれをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態の剥離装置の模式図。
【図2】本実施形態の剥離装置の邪魔板の斜視図。
【図3】本実施形態の邪魔板を搬送ローラー受に設置した状態を拡大した側面図。
【図4】本実施形態の邪魔板を搬送ローラー受に設置した状態を拡大した正面図。
【図5】本実施形態の剥離装置のフィルム膨潤剥離区間の拡大図。
【図6】本実施形態の剥離装置のフィルム除去区間の拡大図。
【符号の説明】
【0028】
1…液処理装置
20…基板
21…カバーフィルム(処理物)
22…ガラス板
30…ローラー(搬送手段)
40…邪魔板(遮蔽板)
42…第一固定爪(第一固定手段)
43…第二固定爪(第二固定手段)
50…第一シャワーヘッド(処理液供給部)
51…剥離液(処理液)
60…第二シャワーヘッド(洗浄液供給部)
61…洗浄液
70…ローラー受(保持手段)
A…フィルム膨潤剥離区間
B…フィルム除去区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の処理物に対して処理液を浸すことによって、この処理物に化学反応処理を施す液処理装置において、
前記基板を搬送する搬送手段と、前記搬送手段の上側に設けられ前記処理液を前記処理物に噴出する処理液供給部と、前記処理液供給部と前記搬送手段との間に設けられ前記処理液供給部から噴出される前記処理液が前記搬送手段により搬送される前記基板に対して直接噴射されるのを防止する遮蔽板と、を有する第一のエリアを備えたことを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液処理装置であって、前記処理物は前記基板を覆うカバーフィルムであり、前記処理液は剥離液であり、第一のエリア内において前記化学反応処理により、前記カバーフィルムが前記剥離液と反応して前記基板から剥離することを特徴とする液処理装置。
【請求項3】
請求項1及び請求項2に記載の液処理装置であって、前記搬送手段は複数のローラーを有し、これらのローラーを前記基板の搬送経路の両側からローラー毎に保持する2個1対の保持手段を複数有し、前記搬送経路に沿って隣り合う2対の前記保持手段の上側に前記遮蔽板が載置され、前記遮蔽板には第一の固定手段及び第二の固定手段が設けられ、前記第一の固定手段が前記遮蔽板を載置する保持手段を前記搬送経路とは反対側から挟み込まれ、第二の固定手段が前記搬送経路に沿って隣り合う2対の前記保持手段との間に差込まれ、前記遮蔽板がこれらの保持手段上に固定されることを特徴とする液処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の液処理装置であって、前記第一のエリアの前記基板の搬送方向下流側には前記搬送手段を備えた第二のエリアが設けられ、この第二のエリアには前記搬送手段の上側に配送される洗浄液を前記処理物に噴出する洗浄液供給部が設けられ、この洗浄液供給部から噴出される前記洗浄液が前記搬送手段により搬送される前記基板に対して直接噴射されることを特徴とする液処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の液処理装置であって、前記処理物は露光後の感光膜であり、前記処理液は現像液であり、前記化学反応処理により、前記露光で形成された所望のパターン以外の感光膜が前記現像液と反応して前記基板から除去されることを特徴とする液処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の液処理装置であって、前記処理物は前記基板上に形成するべき構造物の層であり、前記処理液はエッチング液であり、前記化学反応処理により、カバーフィルムに被膜された以外の前記構造物の層が前記エッチング液と反応してエッチングされることを特徴とする液処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の液処理装置であって、前記処理液は洗浄液であり、前記化学反応処理により、前記基板に付着した不純物をこの基板上から取り除くことを特徴とする液処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−183840(P2009−183840A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25407(P2008−25407)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(398050283)パイオニア・ディスプレイ・プロダクツ株式会社 (18)
【Fターム(参考)】