説明

液晶モジュール

【課題】ドライバ素子が実装されるフレキシブル基板と液晶セルとの位置合わせの精度を低下させることなく、フレキシブル基板の面積を低減できる液晶モジュールを提供する。
【解決手段】液晶モジュールが備える液晶セル16とフレキシブル基板21とにはそれぞれアライメントマーク33、34が形成されている。基板側アライメントマーク34は、短冊状電極32aの配列方向に対して垂直な方向に延びる帯状部341と、帯状部341から配列方向Xに対して平行な方向に突出する突出部342とを有する。セル側アライメントマーク33は、配列方向Xに対して垂直な方向に一定の間隔をあけて設けられると共に、配列方向Xの両端部の位置が同一の位置となるように揃えられた2つの分離マーク331、332からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像等を表示するための表示素子として用いられる液晶モジュール(液晶表示素子)に関し、より詳細には、液晶セルを駆動するドライバ素子が実装されるフレキシブル基板を液晶セルに接合する構成を備える液晶モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薄型、軽量、低消費電力等の利点から画像等を表示する表示素子として液晶モジュール(液晶表示素子)が普及している。一般に、液晶モジュールには、例えば冷陰極管などから成るバックライト用光源が内蔵されており、この光源から発散される光が拡散板やプリズムシート等の光学シートを介して前方の液晶セル(液晶パネルとも呼ばれる)へと照射される。そして、照射された光の透過及び遮断が液晶セルによって制御され、表示面に所望の画像が表示される。
【0003】
このような液晶モジュールの中には、例えばCOF(Chip On Film)方式等によってドライバ素子が実装されたフレキシブル基板を液晶セルの端子部に接続して、液晶セルの駆動を制御する構成のものがある。ドライバ素子が実装されたフレキシブル基板の液晶セルへの接続方法としては、手動で液晶セルとフレキシブル基板の位置合わせを行い、接着樹脂を介して加熱圧着する方法が一般的である。そして、従来、液晶セルとフレキシブル基板との位置合わせを行うためにアライメントマークが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、アライメントマークを用いた、従来の液晶セルとフレキシブル基板の位置合わせ方法について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7に示すように、液晶セル100とフレキシブル基板200には、それぞれアライメントマーク101、201が形成されている。
【0005】
液晶セル100に設けられるセル側アライメントマーク101は、正方形状のマークとなっている。この正方形状のセル側アライメントマーク101は、2辺が液晶セル100の端面102のエッジライン102aと平行となり、残り2辺がエッジライン102aに対して垂直となっている。
【0006】
一方、フレキシブル基板200に設けられる基板側アライメントマーク201は、十字形状のマークとなっている。十字形状の基板側アライメントマーク201を形成する2つの矩形状の帯201a、201bのうち、第1の帯201aは、その長手方向がフレキシブル基板200の端面202のエッジライン202aと平行となり、第2の帯201bは、その長手方向がエッジライン202aに対して垂直となっている。2つの帯の201a、201bの長手方向の長さLは、いずれも正方形状に形成されるセル側アライメントマーク101の一辺の長さaと同一となっている。
【0007】
液晶セル100とフレキシブル基板200との位置合わせにあたっては、図8に示すように、基板側アライメントマーク201の十字形状がセル側アライメントマーク101の正方形からはみ出さないように位置合わせを行う。これにより、液晶セル100に形成される短冊状の電極群103と、フレキシブル基板200に形成される短冊状の電極群203(いずれも図7参照)が所望の対応関係で接続される。位置合わせ用のアライメントマークをこのように構成した場合、作業者が、液晶セル100とフレキシブル基板200の位置合わせができているか否かの判断を行い易いという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−188243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、近年において、液晶モジュールの製造に要するコストはできる限り低く抑えることが望まれている。このため、液晶セルの駆動を制御するために液晶セルの端子部に接合されるフレキシブル基板(上述のドライバ素子が実装された基板)の使用面積をなるべく低減するのが好ましい。
【0010】
この点、液晶セルとフレキシブル基板との位置合わせを行うために両者にアライメントマークを設けて位置合わせを行う構成の場合、フレキシブル基板上にアライメントマークを形成するため、その分だけ余分にフレキシブル基板の面積を大きくする必要がある。フレキシブル基板の面積をなるべく低減するために、単に、アライメントマークの形状はそのままでマークのサイズを小さくする対応も考えられる。しかし、この場合には、視認性の低下により、アライメントマークを用いた位置合わせの精度が悪くなるといった問題がある。
【0011】
以上の点を鑑みて、本発明の目的は、ドライバ素子が実装されるフレキシブル基板と液晶セルとの位置合わせの精度を低下させることなく、フレキシブル基板の面積を低減できる液晶モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、複数の短冊状電極を所定のピッチで並列的に配列してなる引出電極群が形成された端子部を有する液晶セルと、前記液晶セルを駆動するドライバ素子が実装されると共に、前記引出電極群に対応するように複数の短冊状電極を並列的に配列してなる接続電極群が形成されたフレキシブル基板と、を備え、前記引出電極群と前記接続電極群とが対向配置されて電気的に接続された液晶モジュールにおいて、前記液晶セルと前記フレキシブル基板とには、それぞれアライメントマークが形成されており、前記液晶セルに設けられるアライメントマークと前記フレキシブル基板に設けられるアライメントマークとは、一対になって使用されて前記液晶セルと前記フレキシブル基板との位置合わせを可能とするマークであり、前記一対をなすアライメントマークの一方である第1のアライメントマークは、前記短冊状電極の配列方向に対して垂直な方向に延びる帯状部と、前記帯状部から前記配列方向に対して平行な方向に突出する突出部とを有し、前記一対をなすアライメントマークの他方である第2のアライメントマークは、前記配列方向に対して垂直な方向に一定の間隔をあけて設けられると共に、前記配列方向の少なくとも一方の端部の位置が同一の位置となるように揃えられた2つの分離マークからなることを特徴としている。
【0013】
本構成によれば、液晶セルに設けられるアライメントマークと、フレキシブル基板に設けられるアライメントマークとを用いて位置合わせする際に、従来に比べて位置合わせに使用する領域を少ない領域とできる。このため、従来の液晶モジュールに比べて、フレキシブル基板の面積を低減でき、液晶モジュールの製造コストの抑制を図れる。
【0014】
上記構成の液晶モジュールにおいて、前記一定の間隔と前記突出部の前記配列方向に対して垂直な方向の最大幅とが同一であるのが好ましい。本構成によれば、上記構成の場合との比較でフレキシブル基板のサイズを大きくすることなく、位置合わせ時のチェック箇所を増やすことができ、液晶セルとフレキシブル基板との位置合わせの精度を向上できる。
【0015】
上記構成の液晶モジュールにおいて、前記液晶セル及び前記フレキシブル基板に設けられる前記アライメントマークは、いずれも前記引出電極群或いは前記接続電極群の両側に形成されているのが好ましい。これにより、液晶セルとフレキシブル基板との位置合わせの精度が向上する。
【0016】
上記構成の液晶モジュールにおいて、前記帯状部、前記突出部、及び前記2つの分離マークはいずれも矩形状に形成されていることとしてもよい。この場合において、前記2つの分離マークは、それぞれ2辺が前記配列方向に対して平行になっており、前記帯状部の前記配列方向に対して垂直な方向の長さが、前記2つの分離マークからなる前記第2のアライメントマークの前記配列方向に対して垂直な方向の幅と同一であるようにしてもよい。
【0017】
上記構成の液晶モジュールにおいて、前記第1のアライメントマークが前記フレキシブル基板に、前記第2のアライメントマークが前記液晶セルに形成されており、前記突出部は、少なくとも、前記接続電極群が設けられる側とは反対方向に突出しており、前記2つの分離マークは、少なくとも前記引出電極群側の前記端部の位置が同一の位置となるように揃えられていることとしてもよい。この場合において、前記帯状部の前記配列方向の長さが前記短冊状電極の電極幅と同一であることとしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ドライバ素子が実装されるフレキシブル基板と液晶セルとの位置合わせの精度を低下させることなく、フレキシブル基板の面積を低減できる液晶モジュールを提供できる。このため、液晶モジュールの製造コストの低下を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態の液晶モジュールの全体構成を示す分解斜視図
【図2】本実施形態の液晶モジュールが備える液晶セルとその周辺の構成を示す図
【図3】本実施形態の液晶モジュールにおける、液晶セルとフレキシブル基板の接合部分の詳細構成を説明するための概略平面図
【図4】本実施形態の液晶モジュールが備える液晶セル及びフレキシブル基板に形成されるアライメントマークの詳細を説明するための図
【図5】本実施形態の液晶モジュールにおいて、液晶セルとフレキシブル基板とが位置合わせされた状態を示す図
【図6】本実施形態の液晶モジュールの効果を説明するための図
【図7】アライメントマークが形成される従来の液晶セルとフレキシブル基板の構成を示す概略平面図
【図8】従来のアライメントマークにおいて、位置合わせができている状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の液晶モジュールの実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本実施形態の液晶モジュールの全体構成を示す分解斜視図である。図1を参照しながら、本実施形態の液晶モジュール1の全体構成について説明する。リアフレーム11は金属によって形成されており、一部が折曲げられて反射シート12とバックライト用光源13とを収容可能な構造となっている。リアフレーム11に載置される反射シート12は、バックライト用光源13から出射される光を反射するために備えられ、絶縁性の白色の合成樹脂板からなっている。
【0022】
バックライト用光源13は、冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)からなる線状光源13aが複数並べられて形成されている。線上光源13aの数は液晶モジュール1のサイズ等によって適宜変更されるものである。線状光源13aの一方の端部側は、図示しないランプホルダによって支持されている。また、線状光源13aの他方の端部側は、図示しないランプソケットに差し込まれ、このランプソケットを介して線状光源13aに電力が供給されるようになっている。
【0023】
拡散板14は、バックライト用光源13から出射された光(この光には、反射シート12によって反射された光が含まれる)を拡散させる機能を有する。また、光学シート15には、光を拡散させる拡散シートが含まれ、ここでも入射した光の拡散が行われ、輝度ムラの補正等が行われる。なお、拡散板14及び光学シート15はセルガイド17によってリアフレーム11に押さえつけられた状態で保持される。
【0024】
光学シート15の上側には液晶セル16が配置される。この液晶セル16は、セルガイド17によってその位置を規制され、上から被せられるベゼル18によって固定される。液晶セル16は、その詳細な構成は図示していないが、一対の偏光フィルタと、この偏光フィルタの間に設けられる一対のガラス基板と、このガラス基板の間に設けられる液晶、透明電極、カラーフィルタ等と、を備えた公知の構造を有している。
【0025】
図2は、本実施形態の液晶モジュールが備える液晶セルとその周辺の構成を示す図である。上述のように液晶セル16は一対のガラス基板を備えるが、図2に示すように、この一対のガラス基板161、162は、そのサイズが異なっている。図2では、上側ガラス基板161に比べて下側ガラス基板162の方が、サイズが大きくなっている。
【0026】
下側ガラス基板162の上面であって、上エッジ162a及び右エッジ162b近傍(これは上側ガラス基板161から突出した部分である)には、図示しない端子部が複数形成されている。そして、この端子部が形成される位置のそれぞれには、矩形状のフレキシブル基板21が上から重ねられるようにして接合されている。なお、端子部の数(換言すれば、端子部に接合されるフレキシブル基板21の数)は液晶モジュールのサイズによって適宜変更されるものである。
【0027】
各フレキシブル基板21には、液晶セル16を駆動するためのドライバ素子22が、例えばCOF(Chip ON Film)方式やTCP(Tape Carrier Package)方式等によって実装されている。詳細には、下側ガラス基板162の上エッジ162a側に接合されるフレキシブル基板21のドライバ素子22は、液晶セル16のガラス基板上に設けられた図示しない薄膜トランジスタ(TFT)のソースへ信号を与える機能を有する。また、下側ガラス基板162の右エッジ162b側に接合されるフレキシブル基板21に実装されるドライバ素子22は、前記薄膜トランジスタのゲートへ信号を与える機能を有する。
【0028】
なお、フレキシブル基板21は、液晶セル21と接合される側の端部とは反対側の端部が中継基板23に接合されている。また、この中継基板23は、例えばリアフレーム11の裏側等に配置されるコントローラ基板24にケーブルによって接合されている。これにより、各ドライバ素子22はコントローラ基板24によって制御されるようになっている。
【0029】
図3は、本実施形態の液晶モジュールにおける、液晶セルとフレキシブル基板の接合部分の詳細構成を説明するための概略平面図である。図3に示すように、液晶セル16のフレキシブル基板21が接合される部分には端子部30が設けられている。端子部30には、短冊状電極31aを所定のピッチで並列的に複数配列してなる引出電極群31が形成されている。また、引出電極群31の両端部近傍には、例えば銅箔等で形成されるセル側アライメントマーク33が引出電極群31の両端部を挟むように形成されている。セル側アライメントマーク33の詳細については後述する。
【0030】
また、図3に示すように、フレキシブル基板21には、液晶セル16の端子部30に形成される引出電極群31に対応するように(引出電極群31と同一のピッチで)、短冊状電極32aを並列的に複数配列してなる接続電極群32が形成されている。また、接続電極群32の両端部近傍には、例えば銅箔等で形成される基板側アライメントマーク34が接続電極群32の両端部を挟むように形成されている。基板側アライメントマーク34の詳細については後述する。なお、図3において、接続電極群32及び基板側アライメントマーク34はフレキシブル基板21の裏面側に設けられているものである。
【0031】
液晶セル16とフレキシブル基板21とを接合するにあたっては、引出電極群31と接続電極群32とが向かい合わせとされ、その間に図示しないACF(Anisotropic Conductive Film;異方性導電膜)を配して圧着する。手作業にて引出電極群31と接続電極群32との接続を容易且つ精度良く行えるように、液晶セル16とフレキシブル基板21とにはアライメントマーク33、34が形成されている。なお、このアライメントマークを用いた液晶セル16とフレキシブル基板21の位置合わせは、例えばカメラで撮像しながら行われる。
【0032】
図4は、本実施形態の液晶モジュールが備える液晶セル及びフレキシブル基板に形成されるアライメントマークの詳細を説明するための図である。図4に示すように、液晶セル16に設けられるセル側アライメントマーク33は、2つの分離した矩形状のマーク331、332(この矩形状のマークのことを本明細書では分離マークと表現する場合がある)からなる。なお、上述のように各端子部30にはセル側アライメントマーク33が2つ形成される(図3参照)が、この2つのセル側アライメントマークは同一の構成となっている。また、2つの分離マーク331、332からなるセル側アライメントマーク33は、本発明における第2のアライメントマークの実施形態である。
【0033】
セル側アライメントマーク33を構成する2つの分離マーク331、332は同一形状のマークであり、いずれも長手方向(の2辺)が引出電極群31を形成する短冊状電極31aの配列方向Xに対して平行となるように設けられている。また、2つの分離マーク331、332は、短冊状電極31aの配列方向Xに対して垂直な方向に一定の間隔dをあけて設けられると共に、配列方向Xの両端部(配列方向Xの両端にある2つの辺)の位置が同一の位置となるように揃えられている。
【0034】
また、図4に示すように、フレキシブル基板21側に設けられる基板側アライメントマーク34は、接続電極群32を形成する短冊状電極32aの配列方向Xに対して垂直な方向に延びる帯状部341と、帯状部341から配列方向Xに対して平行な方向に突出する突出部342とを有する。本実施形態においては、帯状部341及び突出部342は、いずれも矩形状となっている。突出部342の配列方向Xに対して垂直な方向の長さ(幅)は、セル側アライメントマーク33を構成する2つの分離マーク331、332間の間隔dと同一となっている。また、突出部342は、帯状部341の長手方向(配列方向Xに対して垂直な方向)の略中間部分から突出している。
【0035】
なお、上述のようにフレキシブル基板21には基板側アライメントマーク34が2つ形成される(図3参照)が、いずれも突出部342は接続電極群32が設けられる側とは反対方向にのみ突出する構成となっている。このために、フレキシブル基板21に設けられる2つの基板側アライメントマーク34は突出部342の突出方向が反対となっている。また、帯状部341と突出部342とを有する基板側アライメントマーク34は、本発明における第1のアライメントマークの実施形態である。
【0036】
液晶セル16とフレキシブル基板21とは、セル側アライメントマーク33と基板側アライメントマーク34とを一対として使用することにより、その位置合わせが可能となる。図5は、液晶セルとフレキシブル基板とが位置合わせされた状態を示す図である。図5に示すように、基板側アライメントマーク34における帯状部341の突出部342側の辺と、セル側アライメントマーク33(2つの分離マーク331、332)の電極群31側の辺との位置を合わせることで左右方向(配列方向Xと平行な方向)の位置合わせができた状態となる。また、図5に示すように、基板側アライメントマーク34における突出部342の配列方向Xと平行な2辺が、それぞれ、分離マーク331、332の配列方向Xと平行な2辺の一方の辺と位置合わせされることで上下方向(配列方向Xと垂直な方向)の位置合わせができた状態となる。
【0037】
なお、本実施形態では、各電極群31、32の両側に、セル側アライメントマーク33或いは基板側アライメントマーク34が設けられる構成となっており、2箇所で位置合わせが行われる。図5は、この2箇所のうちの一方側の位置合わせを説明するための図である。他方側の位置合わせにおいては、図5に示す状態を電極群31a、32aを基準に対称配置した状態が、位置合わせができた状態となる。
【0038】
図6は、本実施形態の液晶モジュールの効果を説明するための図である。図6において、上段は図7に示すアライメントマークを使用する従来の液晶モジュールの構成を示す図で、下段は本実施形態の液晶モジュール1の構成を示す図である。図6に示すように、本実施形態の液晶モジュール1の構成によれば、従来の構成に比べて、セル側アライメントマーク33と基板側アライメントマーク34とを用いて位置合わせする際に、位置合わせに使用するための領域が小さくて済む。このために、フレキシブル基板21の左右方向の幅を狭くすることが可能である。本実施形態の場合、フレキシブル基板21には2つのアライメントマーク34が形成される構成であるために、2×ΔTだけフレキシブル基板21の幅を狭くすることが可能である。すなわち、フレキシブル基板21のサイズの縮小化を図れ、液晶モジュール1の低コスト化が可能となる。
【0039】
また、本実施形態の液晶モジュール1においては、図4に示すように基板側アライメントマーク34の帯状部341の幅W1が短冊状電極32aの幅W2と同一とされている。このために、手作業で位置合わせを行う際に、視覚的に引出電極群31と接続電極群32とのずれ量が把握しやすくなっている。
【0040】
以上に示した実施形態は一例であり、本発明の液晶モジュールは以上に示した実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の目的を逸脱しない範囲で、以上に示した実施形態について種々の変更を行うことが可能である。
【0041】
例えば、液晶セルとフレキシブル基板とに設けるアライメントマークについて、本実施形態の場合と逆(液晶セルに第1のアライメントマーク、フレキシブル基板に第2のアライメントマークを形成する構成)としてもよい。この場合、帯状部と突出部とを有する第1のアライメントマークは、突出部が引出電極群側に突出する構成とするのが好ましい。そして、第2のアライメントマークを構成する2つの分離マークについて、配列方向X(図4参照)の両端部のうち、少なくとも接続電極群から遠い方の端部の位置について同一の位置となるように揃えるのが好ましい。
【0042】
また、液晶セル及びフレキシブル基板に設けられて、液晶セルとフレキシブル基板との位置合わせを可能とする一対のアライメントマーク(本実施形態では、セル側アライメントマーク33と基板側アライメントマーク34との対が該当)の形状について、本実施形態の構成に限定される趣旨ではない。例えば、本実施形態では、基板側アライメントマークの突出部の突出方向を電極群がある側のみとしたが、電極群がある側に加えて電極群がない側にも突出する構成(例えば、十字形状のマークとする)等としてもよい。また、セル側アライメントマークを構成する2つの分離マークの形状を矩形状ではなく円形状等としても構わない。更に、セル側アライメントマークの2つの分離マークについて、配列方向Xの両端部のうち、電極群側の端部のみが位置を揃えられていることとしてもよい。
【0043】
また、本実施形態の液晶モジュール1においては、フレキシブル基板21は液晶セル16のみならず中継基板23にも接合される。フレキシブル基板21と中継基板23との接合部分の構成について、フレキシブル基板21と液晶セル16との接合部分の構成と同様の構成としても構わない。
【0044】
また、本実施形態においては、基板側アライメントマーク34の帯状部341の配列方向Xに対して垂直な方向の長さLYが、2つの分離マーク331、332からなるセル側アライメントマーク33の配列方向Xに対して垂直な方向の幅WYと同一となる構成とした(図5参照)。しかし、この構成に限定されず、上記LYと上記WYとは異なる長さであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の液晶モジュールは、ドライバ素子が実装されるフレキシブル基板を液晶セルに接合する構成を有する液晶モジュールに有用である。
【符号の説明】
【0046】
1 液晶モジュール
16 液晶セル
21 フレキシブル基板
22 ドライバ素子
30 端子部
31 引出電極群
32 接続電極群
31a、32a 短冊状電極
33 セル側アライメントマーク(第2のアライメントマーク)
34 基板側アライメントマーク(第1のアライメントマーク)
331、332 分離マーク
341 帯状部
342 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の短冊状電極を所定のピッチで並列的に配列してなる引出電極群が形成された端子部を有する液晶セルと、
前記液晶セルを駆動するドライバ素子が実装されると共に、前記引出電極群に対応するように複数の短冊状電極を並列的に配列してなる接続電極群が形成されたフレキシブル基板と、を備え、
前記引出電極群と前記接続電極群とが対向配置されて電気的に接続された液晶モジュールにおいて、
前記液晶セルと前記フレキシブル基板とには、それぞれアライメントマークが形成されており、
前記液晶セルに設けられるアライメントマークと前記フレキシブル基板に設けられるアライメントマークとは、一対になって使用されて前記液晶セルと前記フレキシブル基板との位置合わせを可能とするマークであり、
前記一対をなすアライメントマークの一方である第1のアライメントマークは、前記短冊状電極の配列方向に対して垂直な方向に延びる帯状部と、前記帯状部から前記配列方向に対して平行な方向に突出する突出部とを有し、
前記一対をなすアライメントマークの他方である第2のアライメントマークは、前記配列方向に対して垂直な方向に一定の間隔をあけて設けられると共に、前記配列方向の少なくとも一方の端部の位置が同一の位置となるように揃えられた2つの分離マークからなることを特徴とする液晶モジュール。
【請求項2】
前記一定の間隔と前記突出部の前記配列方向に対して垂直な方向の最大幅とが同一であることを特徴とする請求項1に記載の液晶モジュール。
【請求項3】
前記液晶セル及び前記フレキシブル基板に設けられる前記アライメントマークは、いずれも前記引出電極群或いは前記接続電極群の両側に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶モジュール。
【請求項4】
前記帯状部、前記突出部、及び前記2つの分離マークはいずれも矩形状に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液晶モジュール。
【請求項5】
前記2つの分離マークは、それぞれ2辺が前記配列方向に対して平行になっており、
前記帯状部の前記配列方向に対して垂直な方向の長さが、前記2つの分離マークからなる前記第2のアライメントマークの前記配列方向に対して垂直な方向の幅と同一であることを特徴とする請求項4に記載の液晶モジュール。
【請求項6】
前記第1のアライメントマークが前記フレキシブル基板に、前記第2のアライメントマークが前記液晶セルに形成されており、
前記突出部は、少なくとも、前記接続電極群が設けられる側とは反対方向に突出しており、
前記2つの分離マークは、少なくとも前記引出電極群側の前記端部の位置が同一の位置となるように揃えられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液晶モジュール。
【請求項7】
前記帯状部の前記配列方向の長さが前記短冊状電極の電極幅と同一であることを特徴とする請求項6に記載の液晶モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−230808(P2010−230808A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76016(P2009−76016)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】