説明

液晶表示装置及びその駆動方法

【課題】画素の開口率を高く維持したまま、感知素子を一体化できる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】本発明による表示装置では、第1スイッチング素子がデータ線をデータ駆動部と感知信号生成部とのいずれかに選択的に接続する。第1スイッチング素子がデータ線を感知信号生成部に接続する期間では、感知信号生成部がデータ線を通して各画素の液晶キャパシタの静電容量の変化を感知して感知信号を生成する。感知信号生成部は好ましくはスイッチトキャパシタ増幅器を含む。第1スイッチング素子はデータ線をスイッチトキャパシタ増幅器の入力端に接続する。そのとき、液晶キャパシタの静電容量の変化に伴ってスイッチトキャパシタ増幅器の入力端の電圧が変化する。スイッチトキャパシタ増幅器はその入力端の電圧変化を増幅し、感知信号として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置及びその駆動方法に関し、特に、タッチパネルが一体化された液晶表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、画素電極と共通電極とを備えた二つの表示パネル、及び、それら二枚の表示パネルの間に入っている、誘電率異方性を示す液晶層を含む。液晶表示装置は、画素電極と共通電極との間に電圧を印加することによって液晶層に電場を生成する。この電場の強さに応じて液晶層を通過する光の透過率が変化する。従って、画素電極と共通電極との間の電圧を調節することによって各画素の輝度を調節できる。こうして、表示パネルに所望の画像が再現される。
【0003】
タッチパネルは、画面に表示された図形等に指、若しくはタッチペンなどで接触することにより、又は、画面上に指、若しくはタッチペンで文字を書き、若しくは絵を画くことにより、コンピュータなどの装置に所望の命令を入力するための装置である。タッチパネルは好ましくは液晶表示装置の画面上に接着され、画面に接触した使用者の指又はタッチペンなどの位置を検出し、その位置情報をコンピュータなどの装置に出力する。
【0004】
近年、液晶表示装置とタッチパネルとの一体化により、製造コストの更なる削減、製品の収率の更なる低減、液晶表示パネルの輝度の更なる向上、及び、製品の更なる薄型化が図られている。タッチパネル一体型の液晶表示装置では感知素子が液晶表示パネルに内蔵されている。感知素子は、使用者の指などが画面に加えた光又は圧力の変化を感知し、その変化を所定の信号に変換して出力する。感知素子からの出力信号に応じ、使用者の指などが画面に接触したか否か、更に、接触した場合はその位置が検出される。
【特許文献1】韓国特許出願公開第10−1986−0002044号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のタッチパネル一体型の液晶表示装置では、感知素子が画素の開口率の更なる向上を妨げている。感知素子はまた、製造コストや消費電力の更なる削減も困難にしている。
本発明の技術的課題は、画素の開口率を高く維持したまま、感知素子を一体化できる液晶表示装置、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による表示装置は、データ線、ゲート線、画素、データ駆動部、ゲート駆動部、感知信号生成部、及び、第1スイッチング素子を有する。画素はスイッチングトランジスタと液晶キャパシタとを含む。スイッチングトランジスタはデータ線とゲート線とに接続されている。液晶キャパシタはスイッチングトランジスタに接続され、そのスイッチングトランジスタを通じてデータ線から供給されるデータ電圧によって充電される。感知信号生成部はデータ線を通して液晶キャパシタの静電容量の変化を感知して感知信号を生成する。第1スイッチング素子はデータ線をデータ駆動部と感知信号生成部とのいずれかに選択的に接続する。
【0007】
感知信号生成部は好ましくはスイッチトキャパシタ増幅器を含む。そのスイッチトキャパシタ増幅器は、入力端、増幅器、第1キャパシタ、第2キャパシタ、第2スイッチング素子、及び第3スイッチング素子を含む。増幅器は、第1入力端子、第2入力端子、及び出力端子を有する。第1キャパシタはその増幅器の第1入力端子とスイッチトキャパシタ増幅器の入力端との間に接続されている。第2キャパシタはその増幅器の第1入力端子と出力端子との間に接続されている。第2スイッチング素子はスイッチトキャパシタ増幅器の入力端と所定の基準電源との間を選択的に接続する。第3スイッチング素子は上記の増幅器の第1入力端子と出力端子との間を選択的に接続する。好ましくは、第1スイッチング素子がデータ線を感知信号生成部に接続する期間では、第1スイッチング素子がそのデータ線をスイッチトキャパシタ増幅器の入力端に接続する。それにより、スイッチトキャパシタ増幅器が、液晶キャパシタの静電容量の変化に伴う入力端の電圧変化を増幅して感知信号として出力する。第1スイッチング素子はその期間とは異なる期間では、そのデータ線をデータ駆動部に接続する。
【0008】
本発明による液晶表示装置では好ましくは、画素がデータ線とゲート線との間にマトリックス状に配列されている。各データ線は画素のマトリックスの各列に接続され、各ゲート線は画素のマトリックスの各行に接続されている。好ましくは、ゲート駆動部が、画素のマトリックスの特定の行に接続されたゲート線に対してゲート信号を印加するとき、第1スイッチング素子がデータ線を感知信号生成部に接続する。
【0009】
本発明による上記の液晶表示装置は好ましくは次の順で駆動される:第1スイッチング素子により、データ線をデータ駆動部に接続する。画素に対してデータ駆動部からデータ線を通してデータ電圧を印加する。第1スイッチング素子により、データ線をデータ駆動部から感知信号生成部に接続し直す。感知信号生成部により、データ線を通して液晶キャパシタの静電容量の変化を感知して感知信号を生成する。
【0010】
感知信号生成部がスイッチトキャパシタ増幅器を含む場合、好ましくは、データ線を感知信号生成部に接続し直す段階が次の段階を含む。第1スイッチング素子によってデータ線をスイッチトキャパシタ増幅器の入力端に接続する。第2スイッチング素子によってスイッチトキャパシタ増幅器の入力端を基準電源から分離する。更に、第3スイッチング素子によって増幅器の第1入力端子と出力端子との間を短絡させる。それらの結果として、液晶キャパシタからデータ線を通して第1キャパシタに電荷を移動させる。
【0011】
感知信号生成部がスイッチトキャパシタ増幅器を含む場合、更に好ましくは、感知信号を生成する段階が次の段階を含む。第1スイッチング素子によってデータ線をスイッチトキャパシタ増幅器の入力端からデータ駆動部に接続し直す。第2スイッチング素子によってスイッチトキャパシタ増幅器の入力端を基準電源に接続する。更に、第3スイッチング素子を開放する。それらの結果として、第1キャパシタから第2キャパシタに電荷を移動させ、増幅器の出力端子の電圧変化を感知信号として出力する。
好ましくは、感知信号を生成する段階の後に、第3スイッチング素子によって増幅器の第1入力端子と出力端子との間を短絡させる。それにより、第2キャパシタを放電させて初期化する。
【発明の効果】
【0012】
本発明による表示装置では、液晶キャパシタが感知素子として利用可能である。それにより、画素の高い開口率を確保したまま、感知素子を表示装置に一体化できる。また、液晶キャパシタを感知素子として動作させる期間では、表示パネルにブラックの映像を表示させる。それにより、インパルス駆動の効果を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
添付した図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
以下、本発明による表示装置の一実施形態である液晶表示装置について、図1及び図2を参照しながら詳細に説明する。図1はその液晶表示装置のブロック図であり、図2はその液晶表示装置に含まれる一つの画素の模式図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、液晶表示パネルアセンブリ300、階調電圧生成部800、ゲート駆動部400、データ駆動部500、感知信号生成部700、感知信号読取部750、及び信号制御部600を含む。
【0014】
液晶表示パネルアセンブリ300は、図1に示されているように、複数の信号線G1〜Gn、D1〜Dmと、マトリックス状に配列された複数の画素PXとを含む。更に、図2に示されているように、液晶表示パネルアセンブリ300は、互いに対向する下部表示パネル100と上部表示パネル200、及びそれらの間に挟まれている液晶層3を含む。
【0015】
信号線は、図1に示されているように、ゲート信号(“走査信号”とも言う)を伝達するn本(n≧2)のゲート線G1〜Gnと、データ電圧を伝達するm本(m≧2)のデータ線D1〜Dmとを含む。ゲート線G1〜Gnは画素PXのマトリックスの間をほぼ行方向に延びている。データ線D1〜Dmは画素PXのマトリックスの間をほぼ列方向に延びている。
【0016】
各画素PXは、図2に示されているように、スイッチング素子Q、液晶キャパシタClc、及びストレージキャパシタCstを含む。尚、ストレージキャパシタCstは必要に応じて省略できる。
スイッチング素子Qは好ましくは、下部表示パネル100に備えられている薄膜トランジスタなどの三端子素子である。スイッチング素子Qの制御端子はi番目(i=1、2、…、n)のゲート線Giに接続され、入力端子はj番目(j=1、2、…、m)のデータ線Djに接続され、出力端子は液晶キャパシタClc及びストレージキャパシタCstに接続されている。薄膜トランジスタは好ましくは多結晶シリコンや非晶質シリコンを含む。
【0017】
液晶キャパシタClcは、下部表示パネル100に備えられている画素電極191と上部表示パネル200に備えられている共通電極270との間の寄生容量である。液晶キャパシタClcでは、画素電極191と共通電極270とが二つの端子として機能し、それら二つの電極191、270の間に挟まれた液晶層3の部分が誘電体として機能する。画素電極191は好ましくは、各画素PXに一つずつ設けられ、同じ画素PXのスイッチング素子Qの出力端子に接続されている。画素電極191はそのスイッチング素子Qを通してデータ線Djからデータ電圧を受ける。共通電極270は好ましくは上部表示パネル200の全面に形成され、外部から共通電圧Vcomを受ける。尚、図2とは異なり、共通電極270が下部表示パネル100に備えられても良い。その場合、二つの電極191、270のうち、少なくとも一つが線状又は棒状であっても良い。
【0018】
液晶キャパシタClcの静電容量は、使用者の指又はタッチペンなどの外部の物体が液晶表示パネルアセンブリ300の画面に接触するときに加えられる刺激に応じて変化する。この意味で、液晶キャパシタClcは可変キャパシタである。外部からの刺激としては外部の物体からの圧力が例に挙げられる。その圧力が液晶表示パネルアセンブリ300の画面の一部に加えられると、その部分では液晶キャパシタClcの二つの端子191、270の間の距離が変化する。その変化に応じ、その液晶キャパシタClcの静電容量が変化する。
【0019】
ストレージキャパシタCstは液晶キャパシタClcの容量を補う。ストレージキャパシタCstは好ましくは、下部表示パネル100に備えられた信号線(図示せず)と画素電極191とが絶縁体を隔てて重なった部分から形成されている。その信号線に対しては外部から、共通電圧Vcomなどの所定の電圧が印加される。ストレージキャパシタCstはその他に、画素電極191が絶縁体を隔てて前段のゲート線Gi−1に重なった部分から形成されていても良い。
【0020】
液晶表示パネルアセンブリ300による色表示方式には、各画素PXが個別に基本色の一つを表示する空間分割方式と、各画素PXが時間的に交互に基本色を表示する時間分割方式とがある。基本色の空間的分布又は時間的変化の割合に応じて所望の色相が表現される。基本色の例としては、赤色、緑色、及び青色の三原色がある。図2は空間分割方式の一例である。各画素PXでは、画素電極191に対向する上部表示パネル200の領域に、基本色の一つを示すカラーフィルタ230が備えられている。尚、図2とは異なり、カラーフィルタ230が下部表示パネル100の画素電極191の上又は下に備えられていても良い。
液晶表示パネルアセンブリ300の外面には更に偏光子(図示せず)が接着されている。
【0021】
階調電圧生成部800は好ましくは、二組の階調電圧群を生成する。その一組は共通電圧Vcomに対して正の値を有し、他の一組は負の値を有する。各階調電圧と共通電圧Vcomとの間の差が、各画素PXの透過率に対応づけられている。階調電圧生成部800はデータ駆動部500に接続され、生成された各階調電圧群をデータ駆動部500に提供する。
【0022】
ゲート駆動部400は液晶表示パネルアセンブリ300のゲート線G1〜Gnに接続されている。ゲート駆動部400は信号制御部600からのゲート制御信号CONT1に従い、ゲート信号を各ゲート線G1〜Gnに対して印加する。ゲート信号はゲートオン電圧Vonとゲートオフ電圧Voffとの組み合わせから成る。各画素PXでは、ゲート信号のレベルがゲートオン電圧Vonであるときにスイッチング素子Qがターンオンし、ゲート信号のレベルがゲートオフ電圧Voffであるときにスイッチング素子Qがターンオフする。
【0023】
データ駆動部500は液晶表示パネルアセンブリ300のデータ線D1〜Dmに接続されている。データ駆動部500は、信号制御部600からの映像信号DATに応じ、階調電圧生成部800から入力される階調電圧群の中から階調電圧を選択する。データ駆動部500は更に、信号制御部600からのデータ制御信号CONT2に従い、選択された階調電圧をデータ電圧として目標のデータ線D1〜Dmに対して印加する。
【0024】
感知信号生成部700は好ましくは、データ駆動部500と液晶表示パネルアセンブリ300との間に形成され、液晶表示パネルアセンブリ300のデータ線D1〜Dmに接続されている。感知信号生成部700は、各データ線D1〜Dmを通し、好ましくは外部からの圧力による液晶キャパシタClcの静電容量の変化を感知し、感知されたその変化を増幅して感知信号を生成する。感知信号は好ましくはアナログ信号である。感知信号生成部500は好ましくは、データ駆動部500と共に一つの装置に統合されている。感知信号生成部500はその他に、データ駆動部500とは別のチップに形成されていても良い。感知信号生成部700の構造の詳細については後述する。
【0025】
感知信号読取部750は感知信号生成部700に接続され、感知信号生成部700から感知信号を受ける。感知信号読取部750は更に、感知信号から、液晶表示パネルアセンブリ300の画面に外部の物体が接触しているか否かを判断し、更に、接触している場合はその位置を読み取る。感知信号読取部750は好ましくは信号制御部600に内蔵される。
【0026】
図8に感知信号読取部750のブロック図を示す。感知信号読取部750は好ましくは、アナログ−デジタル変換器751、第1制御部760、第2制御部753、レジスタ部754、メモリ752、及びインターフェース部755を含む。
アナログ−デジタル変換器751は、感知信号生成部700からアナログの感知信号を受信し、デジタルの感知信号に変換する。ここで、デジタルの感知信号は好ましくは、直前に受信されたアナログの感知信号と新たに受信されたアナログの感知信号との間でのレベルの差に基づいて生成される。
【0027】
第1制御部760は好ましくは、メモリ761、データ分類部762、及び接触状態チェック部763を含む。これらは更に好ましくはハードワイヤードロジックから成る。第1制御部760が、感知信号読取部750の初期動作を制御する初期化部(図示せず)を更に含んでいても良い。データ分類部762はアナログ−デジタル変換器751からデジタルの感知信号を読み取り、その感知信号を縦感知信号と横感知信号とに分離する。ここで、縦感知信号は、元の感知信号を、対応するデータ線の位置に対応づけたデータであり、横感知信号は、元の感知信号を、その生成時にゲート信号が印加されていたゲート線の位置に対応づけたデータである。データ分類部762は更に、縦感知信号と横感知信号とをメモリ761に格納する。接触状態チェック部763は、少なくとも縦感知信号と横感知信号とのいずれかに基づき、液晶表示パネルアセンブリ300の画面に外部の物体が接触しているか否かを判断する。更に、接触が判断された場合はその接触の位置を縦感知信号と横感知信号との両方から読み取る。
【0028】
第2制御部753は好ましくはプロセッサ、更に好ましくはARMである。第2制御部753は所定の制御プログラムに従い、第1制御部760の動作を制御する。
レジスタ部754は各装置の動作状態を示すフラグなどを記憶する。
メモリ752は好ましくはフラッシュメモリであり、第2制御部753により実行される制御プログラムなどを記憶している。
インターフェース部755は好ましくはSPI(serial peripheral interface)から成る。インターフェース部755は、第1制御部760から出力される外部の物体の接触に関する情報や所定の制御信号を外部の装置に送出する。インターフェース部755は更に、外部の装置からデータや制御信号を受ける。
【0029】
信号制御部600は、外部のグラフィックコントローラ(図示せず)から入力映像信号R、G、B、及び入力制御信号を受信する。入力映像信号R、G、Bは各画素PXの輝度情報を含む。輝度情報では各画素PXの輝度が所定数(例えば、1024(=210)、256(=28)、又は64(=26)個)の階調で表されている。入力制御信号の例としては、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、メインクロックMCLK、及びデータイネーブル信号DEなどがある。信号制御部600は入力映像信号R、G、Bを液晶表示パネルアセンブリ300の動作条件に合うように適切に処理し、映像信号DATに変換する。信号制御部600は更に、入力映像信号R、G、Bと入力制御信号とに基づき、ゲート制御信号CONT1及びデータ制御信号CONT2を生成する。信号制御部600はその後、ゲート制御信号CONT1をゲート駆動部400に送出し、データ制御信号CONT2と映像信号DATとをデータ駆動部500に送出する。ゲート制御信号CONT1は好ましくは、走査信号の出力開始を指示する走査開始信号と、ゲートオン電圧Vonの出力周期を示すクロック信号とを含む。ゲート制御信号CONT1がその他に、ゲートオン電圧Vonの持続時間を示す出力イネーブル信号を更に含んでも良い。データ制御信号CONT2は好ましくは、各行の画素PXに対する映像信号DATの伝送開始を知らせる水平同期開始信号、データ線D1〜Dmに対するデータ電圧の印加のタイミングを示すロード信号、及びデータクロック信号を含む。データ制御信号CONT2がその他に、共通電圧Vcomに対するデータ電圧の極性(以下、単に“データ電圧の極性”と言う。)を反転させるタイミングを示す反転信号を更に含んでも良い。
【0030】
信号制御部600は更に、感知制御信号CONT3を生成して感知信号生成部700に送出する。感知制御信号CONT3は好ましくは、第1〜第3スイッチング制御信号を含む。
信号制御部600は好ましくは、各駆動部400、500、700に対する制御動作を表示期間と感知期間とに分けて行う。表示期間では、信号制御部600はゲート駆動部400とデータ駆動部500とを制御し、液晶表示パネルアセンブリ300の画面に所定の映像を表示する。例えば、画面に、はい/いいえ等の選択肢を示す映像を表示する。一方、感知期間では、信号制御部600は感知信号生成部700を制御して感知信号を生成させる。感知信号読取部750はその感知信号に基づき、液晶表示パネルアセンブリ300の画面への外部の物体の接触を検知し、更にその接触の位置を検出する。特に、画面への接触によるデータの入力を使用者に促す場合、信号制御部600は表示期間と感知期間とを交互に設定し、又は幾つかの表示期間ごとに一回ずつ感知期間を設定する。
【0031】
各駆動部400、500、600、700、750、800は好ましくは、信号線G1〜Gn、D1〜Dm及びスイッチング素子Qなどと共に、液晶表示パネルアセンブリ300に集積化される。その他に、各駆動部400、500、600、700、750、800が少なくても一つの集積回路チップに組み込まれ、液晶表示パネルアセンブリ300の上に直接実装され、可撓性印刷回路膜を用いたTCPで液晶表示パネルアセンブリ300に接着され、又は、液晶表示パネルアセンブリ300とは別の印刷回路基板の上に実装されていても良い。各駆動部400、500、600、700、750、800は単一のチップに集積化されても良い。その場合、それらの少なくとも一つ、又はそれらの少なくとも一つの回路素子が、そのチップに外付けされていても良い。
【0032】
以下、感知信号生成部700の構造の詳細について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、感知信号生成部700を構成する回路の一つの単位と、それに接続されている画素との等価回路図である。図4は、図3に示されている回路を更に簡略化したものである。
感知信号生成部700は、図3に示す単位回路710を複数個含む。単位回路710は好ましくはスイッチトキャパシタ増幅器であり、入力スイッチング部S1、入力キャパシタC1、放電スイッチング素子S2、帰還キャパシタC2、帰還スイッチング素子S3、及び演算増幅器711を含む。
【0033】
入力スイッチング部S1は好ましくは、k個(k≧1)の入力スイッチング素子S11〜S1kを含む。各入力スイッチング素子S11〜S1kはk本のデータ線D1〜Dkの一つを、データ駆動部500のk個の出力端子Y1〜Ykの一つ、及び第1接点n1のいずれかに接続する。k個の入力スイッチング素子S11〜S1kは、感知制御信号CONT3に含まれる第1スイッチング制御信号に従って同時に切り換えられる。それにより、k本のデータ線D1〜Dkは同時にデータ駆動部500の出力端子Y1〜Ykに接続され、又は第1接点n1に接続される。
【0034】
入力キャパシタC1は、第1接点n1と演算増幅器711の反転入力端子との間に接続されている。放電スイッチング素子S2は第1接点n1と接地端子との間に接続され、感知制御信号CONT3に含まれる第2スイッチング制御信号に従って第1接点n1を接地する。それにより、入力キャパシタC1に蓄積された電荷が接地端子に放出される。帰還キャパシタC2は、演算増幅器711の出力端子である第2接点n2と演算増幅器711の反転入力端子との間に接続されている。帰還スイッチング素子S3は帰還キャパシタC2に並列に接続され、感知制御信号CONT3に含まれる第3スイッチング制御信号に従って帰還キャパシタC2の両端を短絡させ、帰還キャパシタC2を放電させる。演算増幅器711の非反転入力端子は接地されている。
以上の構成を利用し、演算増幅器711は、入力キャパシタC1を通して伝わる液晶キャパシタClcの静電容量の変化に伴う両端電圧の変化を増幅し、感知信号として第2接点n2から出力する。その増幅動作の詳細については後述する。
【0035】
図3に示されている、感知信号生成部700に含まれる一つの単位回路710に接続されている複数の画素PXは、図4に示されている一つの画素PX’で代表される。特に、図3に示されている複数の液晶キャパシタClcは、図4に示されている一つの液晶キャパシタClc’で代表される。ここで、図4に示されている液晶キャパシタClc’の静電容量は、図3に示されている複数の液晶キャパシタClcの静電容量の合計に等しい。また、図3に示されている複数のストレージキャパシタCstも、図4に示されている一つのストレージキャパシタCst’で代表され、図3に示されている複数のスイッチング素子Qも、図4に示されている一つのスイッチング素子Q’で代表される。更に、図3に示されているk本のデータ線D1〜Dkに接続されているk個の入力スイッチング素子S11〜S1kも、図4に示されている一つの入力スイッチング素子S1’で代表される。
【0036】
次に、上記の液晶表示装置の動作について詳細に説明する。
信号制御部600がまず、外部のグラフィックコントローラから入力映像信号R、G、B及び入力制御信号を受信する。信号制御部600はそのとき、入力映像信号R、G、Bを適切に処理して映像信号DATに変換する。信号制御部600は更に、入力映像信号R、G、Bと入力制御信号とに基づき、ゲート制御信号CONT1、データ制御信号CONT2、及び感知制御信号CONT3を生成する。信号制御部600はその後、表示期間では、ゲート制御信号CONT1をゲート駆動部400に送出し、データ制御信号CONT2と映像信号DATとをデータ駆動部500に送出する。信号制御部600はまた、感知期間では、感知制御信号CONT3を感知信号生成部700に送出する。
【0037】
表示期間では、信号制御部600からのデータ制御信号CONT2に従い、データ駆動部500が一つの行の画素PXに対する映像信号DATを受信する。データ駆動部500は更に、受信された映像信号DATの示す各画素PXの輝度に対応する階調電圧を選択する。それにより、デジタル信号である映像信号DATが、アナログ信号であるデータ電圧に変換される。データ駆動部500はその後、データ電圧を、目標の画素PXに対応づけられている出力端子Y1〜Ymに出力する。ここで、入力スイッチング素子S11〜S1kが、信号制御部600からの感知制御信号CONT3に含まれる第1スイッチング制御信号に従って出力端子Y1〜Ymとデータ線D1〜Dmとの間を接続している。従って、データ駆動部500から出力されたデータ電圧が各入力スイッチング素子S11〜S1kを通し、目標のデータ線D1〜Dmに対して印加される。
【0038】
表示期間では更に、ゲート駆動部400が、信号制御部600からのゲート制御信号CONT1に従い、ゲートオン電圧Vonをゲート線G1〜Gnに対して順番に印加する。それにより、各ゲート線G1〜Gnに接続された各画素PXのスイッチング素子Qがターンオンし、各データ線D1〜Dmに対して印加されたデータ電圧を、同じ画素PXの液晶キャパシタClcに伝達する。その画素PXに対して印加されたデータ電圧と共通電圧Vcomとの間の差が、その液晶キャパシタClcの両端電圧、つまり、画素電圧として現れる。その液晶キャパシタClcを構成する液晶層では、液晶分子の配列が画素電圧の大きさに応じて変化する。それにより、その液晶層3を通過する光の偏光方向が変化する。この偏光方向の変化は、液晶表示パネルアセンブリ300の外面に接着された偏光子によって光の透過率の変化として現れる。こうして各画素PXが映像信号DATの示す輝度で光る。
【0039】
水平周期(水平同期信号Hsync及びデータイネーブル信号DEの各一周期に等しい)ごとに上記のような動作が繰り返される。それにより、全てのゲート線G1〜Gnに対して順番にゲートオン電圧Vonが印加され、全ての画素PXに対してデータ電圧が印加される。こうして、一つのフレームの映像が液晶表示パネルアセンブリ300の画面に表示される。
一つのフレームが終了すれば、次のフレームが開始される。そのとき、好ましくは、各画素PXに対して印加されるデータ電圧の極性が直前のフレームにおける極性とは反対になるように、データ制御信号CONT1に含まれる反転信号の状態が制御される(“フレーム反転”)。更に好ましくは、各フレーム内でも反転信号の特性に応じ、同じデータ線を通じて伝達されるデータ電圧の極性が水平周期で反転し(例:行反転、点反転)、又は、同じ行の画素に対して印加されるデータ電圧の極性が画素ごとに反転する(例:列反転、点反転)。
【0040】
感知期間では、液晶表示装置が以下のように動作する。図5に、感知期間で用いられる多様な信号の波形図を示す。
感知期間では、データ駆動部500が所定の電圧(以下、感知データ電圧という。)Vsenを各出力端子Y1〜Ymに対して印加する。感知データ電圧Vsenは好ましくは、信号制御部600によって映像信号DATとは別個に生成された信号に応じ、データ駆動部500によって作られる。更に好ましくは、感知データ電圧Vsenがブラックに対応する階調電圧に等しい。その他に、感知データ電圧Vsenが、映像信号DATに応じてデータ駆動部500によって選択された階調電圧であっても良い。
【0041】
感知期間では更に、ゲート駆動部400がゲートオン電圧Vonを各ゲート線G1〜Gnに対して順番に印加する。それにより、各ゲート線G1〜Gnに接続されたスイッチング素子Qがターンオンする。
感知期間は好ましくは、図5に示されているように、その開始時点から順に4つの小期間T1〜T4に分けられている。
【0042】
第1期間T1では、図4に示されている入力スイッチング素子S1’が信号制御部600からの第1スイッチング制御信号CS1に従い、データ駆動部500の出力端子Y1’とデータ線Dj’との間を接続する。尚、図4、5の例では入力スイッチング素子S1’がデータ線Dj’を、第1スイッチング制御信号CS1のレベルが低い期間ではデータ駆動部500の出力端子Y1’に接続し、第1スイッチング制御信号CS1のレベルが高い期間では感知信号生成部700の第1接点n1に接続する。第1期間T1では、データ線Dj’に対して印加される感知データ電圧Vsenが、オン状態に維持されているスイッチング素子Q’を通じて同じ画素PX’の液晶キャパシタClc’及びストレージキャパシタCst’に対して印加される。従って、その画素PX’に対して印加された感知データ電圧Vsenと共通電圧Vcomとの間の差が、液晶キャパシタClc’の両端電圧、つまり、画素電圧Vpxとして現れる。第1期間T1では一般に、図5に示されているように、画素電圧Vpxが徐々に立ち上がる。
【0043】
第2期間T2では、入力スイッチング素子S1’が第1スイッチング制御信号CS1に従い、データ線Dj’を感知信号生成部700の第1接点n1に接続する。更に、放電スイッチング素子S2は第2スイッチング制御信号CS2に従ってオフ状態に維持される。尚、図4、5の例では、第2スイッチング制御信号CS2のレベルが低い期間では放電スイッチング素子S2がオフ状態に維持され、第2スイッチング制御信号CS2のレベルが高い期間では放電スイッチング素子S2がオン状態に示される。従って、液晶キャパシタClc’及びストレージキャパシタCst’のそれぞれが入力キャパシタC1に直列に接続される。一方、帰還スイッチング素子S3は第3スイッチング制御信号CS3に従ってターンオンする。それにより、帰還キャパシタC2が帰還スイッチング素子S3を通じて放電し、演算増幅器710側にある入力キャパシタC1の端子と演算増幅器710の反転入力端子とが帰還スイッチング素子S3を通じて第2接点n2に短絡する。尚、図4、5の例では、第3スイッチング制御信号CS3のレベルが低い期間では帰還スイッチング素子S3がオフ状態に維持され、第3スイッチング制御信号CS3のレベルが高い期間では帰還スイッチング素子S3がオン状態に示される。第2期間T2では第2接点n2の電圧Vn2が好ましくは、演算増幅器710の非反転入力端子と同様に接地電圧(更に好ましくは0V)に維持される。
【0044】
以上の結果、第2期間T2では、液晶キャパシタClc’及びストレージキャパシタCst’に蓄積されていた電荷の一部が入力キャパシタC1に移動する。3つのキャパシタClc’、Cst’、C1の間での電荷の再配置が平衡状態に達するとき、第1接点n1の電圧Vn1が決まる。特に、その時の第1接点n1の電圧Vn1は、3つのキャパシタClc’、Cst’、 C1での静電容量の合計に対する液晶キャパシタClc’とストレージキャパシタCst’との静電容量の和の比で決まる。
【0045】
第3期間T3では、入力スイッチング素子S1’が第1スイッチング制御信号CS1に従い、データ線Dj’を再びデータ駆動部500の出力端Y1’に接続する。更に、放電スイッチング素子S2が第2スイッチング制御信号CS2に従ってターンオンし、帰還スイッチング素子S3が第3スイッチング制御信号CS3に従ってターンオフする。そのとき、第1接点n1の電圧Vn1が接地電圧(好ましくはOV)に遷移するので、入力キャパシタC1の両端電圧がOVとなる。それにより、入力キャパシタC1に蓄積されていた電荷が帰還キャパシタC2に移動する。その結果、第2接点n2の電圧Vn2が次式で表される値に変化する。
【0046】
Vn2=Vn10×C1/C2。
【0047】
ここで、電圧Vn10は、第2期間T2における第1接点n1の電圧Vn1であり、係数C1は入力キャパシタC1の静電容量であり、係数C2は帰還キャパシタC2の静電容量である。この式で表されているとおり、第3期間T3では、第2期間T2での第1接点n1の電圧Vn1が、入力キャパシタC1と帰還キャパシタC2との間の静電容量の比だけ増幅され、第2接点n2から感知信号Vn2として感知信号読取部750に出力される。
【0048】
第4期間T4では、放電スイッチング素子S2が第2スイッチング制御信号CS2に従ってターンオフし、帰還スイッチング素子S3が第3スイッチング制御信号CS3に従ってターンオンする。それにより、帰還キャパシタC2が放電して初期化される。
以上に述べた第1期間T1〜第4期間T4の動作は全て、一つの画素PX’に対してゲートオン電圧Vonが印加される間、つまり、一水平期間内に行われる。このような高速駆動は、感知信号生成部700の単位回路710として、図3、4に示されているようなスイッチトキャパシタ増幅器を用いることによって初めて可能になる。
【0049】
使用者が指などによって液晶表示パネルアセンブリ300の画面に触れると、その接触部位では、指などからの圧力により、液晶表示パネルアセンブリ300の上部表示パネル200と下部表示パネル100との間隔が狭まる。特に、上部表示パネル200の共通電極270と下部表示パネル100の画素電極191との間隔が狭まる。従って、その接触部位では他の部位より、液晶キャパシタClc’の静電容量が大きくなる。
【0050】
第1期間T1中、入力スイッチング素子S1’がデータ線Dj’をデータ駆動部500の出力端Y1’に接続している状態では、液晶キャパシタClc’には感知データ電圧Vsenが続けて印加されている。従って、第1期間T1中に使用者の指などの物体が液晶表示パネルアセンブリ300の画面に接触した場合、その接触部位ではその物体からの圧力に伴う液晶キャパシタClc’の静電容量の増大が、第1期間T1中にその液晶キャパシタClc’に蓄積可能な電荷量を変化させる。この電荷量の変化は、第2期間T2で液晶キャパシタClc’と入力キャパシタC1とが平衡状態に達した時の第1接点n1の電圧Vn1を変化させる。特に液晶キャパシタClc’の静電容量が増加すれば、第1接点n1の電圧Vn1が高くなる。こうして、接触部位の液晶キャパシタClc’に接続された第1接点n1の電圧Vn1は、他の部位の液晶キャパシタClc’に接続された第1接点n1の電圧Vn1より高い。
【0051】
第2期間T2中、入力スイッチング素子S1’がデータ線Dj’を第1接点n1に接続している状態では、画素電極がフローティング状態であるので、3つのキャパシタClc’、Cst’、C1に蓄積された電荷量の総和が一定に維持されている。従って、第2期間T2中に使用者の指などの物体が液晶表示パネルアセンブリ300の画面に接触した場合、その接触部位ではその物体からの圧力に伴う液晶キャパシタClc’の静電容量の増大が、第2期間T2中に画素電圧Vpxを変化させる。この画素電圧Vpxの変化は、第2期間T2中に3つのキャパシタClc’、Cst’、C1の間で再配置される電荷量の割合を変化させる。その結果、液晶キャパシタClc’と入力キャパシタC1とが平衡状態に達した時の第1接点n1の電圧Vn1が変化する。特に液晶キャパシタClc’の静電容量が増加すれば、第1接点n1の電圧Vn1が高くなる。こうして、接触部位の液晶キャパシタClc’に接続された第1接点n1の電圧Vn1は、他の部位の液晶キャパシタClc’に接続された第1接点n1の電圧Vn1より高い。
【0052】
感知信号生成部700は図3に示されているとおり、k本のデータ線D1〜Dkの束ごとに第1接点n1の電圧Vn1を増幅し、感知信号Vn2として感知信号読取部750に出力する。感知信号読取部750(特に、図8に示されている接触状態チェック部763)はそれらの感知信号Vn2を比較する。外部の物体が液晶表示パネルアセンブリ300の画面に接触している位置の液晶キャパシタClcから得られる感知信号Vn2は、他の液晶キャパシタClcから得られる感知信号Vn2よりレベルが高い。従って、感知信号読取部750は、レベルの高い感知信号Vn2の有無から、液晶表示パネルアセンブリ300の画面に接触する外部の物体の有無を判断する。感知信号読取部750は更に、レベルの高い感知信号Vn2を送出した第2接点n2を同定することで、外部の物体が接触している画面上の位置をk本のデータ線D1〜Dkの幅の精度で検出する。
【0053】
こうして、本発明の上記の実施形態による液晶表示装置は、映像表示に利用されるデータ線、ゲート線、及び画素の構成をそのまま利用し、画面に接触する外部の物体からの圧力に起因する液晶キャパシタClc’の電荷量の変化、又は画素電圧Vpxの変化を感知する。それにより、画面に接触する物体の有無やその物体が接触した画面上の位置を検出できる。
【0054】
前述したように、感知データ電圧Vsenは好ましくは、ブラックに対応するデータ電圧に等しい。その場合、液晶表示パネルアセンブリ300は感知期間ではブラック画面を表示する。感知期間は表示期間と交互に設定されるので、実際の映像の間にブラック画面が挿入される。従って、インパルス駆動の効果が得られるので、動画像の画質が改善される。
【0055】
図6に、本発明の他の実施形態による液晶表示パネルアセンブリ300のブロック図を示す。図7は、図6に示されている液晶表示パネルアセンブリ300の駆動に利用される信号の波形図である。
図6に示されているように、本発明の他の実施形態による液晶表示パネルアセンブリ300では、複数の画素PXがl行(l≧1)ごとにx個(x≧2)の画素群PG1、PG2、…、PGxに分けられている。ここで、各画素群PG1、PG2、…、PGxの大きさ、つまり、行数lは、図3に示されているデータ線D1〜Dkの本数kと同様に、外部の物体が接触する画面上の位置の検出精度で決定される。
【0056】
図6に示されている液晶表示パネルアセンブリについては、ゲート駆動部400から各画素群PGi(i=1、2、…、x)に対してゲート信号Vg(i−1)l+1〜Vgilが印加される期間が、表示期間と感知期間とに分けられている。データ駆動部500は図7に示されているように、表示期間では映像信号DATに対応するデータ電圧Vdatをデータ電圧Vdとして出力し、感知期間では感知データ電圧Vsenをデータ電圧Vdとして出力する。図4に示されている入力スイッチング素子S1’はデータ線Dj’を、表示期間ではデータ駆動部500の出力端子Y1’に接続し、感知期間では感知信号生成部700の第1接点n1に接続する。
その場合、液晶表示装置の表示期間における動作は、図1に示されている液晶表示装置の動作と同一である。従って、その動作の詳細は上記の説明を援用する。
【0057】
感知期間においては、各画素群PG1、PG2、…、PGxに含まれる画素行の一部、例えば図7では各画素群PG1、PG2、…、PGxの最後の画素行に対してだけ、感知データ電圧Vsenが印加される。このように、特定の画素行のみを感知素子として利用することにより、画面に接触する外部の物体の検出に必要な消費電力を減らすことができる。尚、その場合でも感知データ電圧Vsenは好ましくは、ブラックを示すデータ電圧である。感知データ電圧Vsenはその他に、通常の映像信号DATに対応するデータ電圧であっても良い。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明した。しかし、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に限定されるわけではない。特許請求の範囲で定義されている本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も、本発明の技術的範囲に属すると解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態による液晶表示装置のブロック図
【図2】図1に示されている一つの画素の模式図
【図3】図1に示されている感知信号生成部の単位回路、及びそれに接続されている画素の等価回路図
【図4】図3に示されている感知信号生成部の単位回路及び画素の等価回路を簡略化した図
【図5】図1に示されている液晶表示装置の感知期間で利用される信号の波形図
【図6】本発明の他の実施形態による液晶表示パネルアセンブリのブロック図
【図7】図6に示されている液晶表示パネルアセンブリの駆動に利用される信号の波形図
【図8】図1に示されている感知信号読取部のブロック図
【符号の説明】
【0060】
3 液晶層
100 下部表示パネル
191 画素電極
200 上部表示パネル
230 カラーフィルタ
270 共通電極
300 液晶表示パネルアセンブリ
400 ゲート駆動部
500 データ駆動部
600 信号制御部
700 感知信号生成部
750 感知信号読取部
800 階調電圧生成部
G1〜Gn、D1〜Dm 信号線
C1 入力キャパシタ
C2 帰還キャパシタ
Clc、Clc’ 液晶キャパシタ
Cst、Cst’ ストレージキャパシタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ線、
ゲート線、
前記データ線と前記ゲート線とに接続されているスイッチングトランジスタ、及び、前記スイッチングトランジスタに接続され、前記スイッチングトランジスタを通じて前記データ線から供給されるデータ電圧によって充電される液晶キャパシタ、を含む画素、
前記データ線に対してデータ電圧を印加するデータ駆動部、
前記ゲート線に対してゲート信号を印加するゲート駆動部、
前記データ線を通して前記液晶キャパシタの静電容量の変化を感知して感知信号を生成する感知信号生成部、並びに、
前記データ線を前記データ駆動部と前記感知信号生成部とのいずれかに選択的に接続する第1スイッチング素子、
を有する液晶表示装置。
【請求項2】
前記感知信号生成部がスイッチトキャパシタ増幅器を含む、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記スイッチトキャパシタ増幅器が、
入力端、
第1入力端子、第2入力端子、及び出力端子を含む増幅器、
前記入力端と前記増幅器の第1入力端子との間に接続されている第1キャパシタ、
前記増幅器の第1入力端子と出力端子との間に接続されている第2キャパシタ、
前記入力端を所定の基準電源に選択的に接続する第2スイッチング素子、並びに、
前記増幅器の第1入力端子と出力端子との間を選択的に接続する第3スイッチング素子、
を含む、請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1スイッチング素子が前記データ線を前記感知信号生成部に接続する期間では、前記第1スイッチング素子が前記データ線を前記スイッチトキャパシタ増幅器の入力端に接続する、請求項3に記載の請求項液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1スイッチング素子が前記期間とは異なる期間では、前記データ線を前記データ駆動部に接続する、請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記スイッチトキャパシタ増幅器が、前記液晶キャパシタの静電容量の変化に伴う前記入力端の電圧変化を増幅して前記感知信号として出力する、請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1スイッチング素子が前記データ線を前記感知信号生成部に接続する期間が、一フレーム当たり複数回繰り返される、請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記画素が前記データ線と前記ゲート線との間にマトリックス状に配列され、
前記データ線のそれぞれが前記画素のマトリックスの各列に接続され、
前記ゲート線のそれぞれが前記画素のマトリックスの各行に接続され
前記ゲート駆動部が、前記ゲート線のうち、前記画素のマトリックスの特定の行に接続されたゲート線に対してゲート信号を印加するとき、前記第1スイッチング素子が前記データ線を前記感知信号生成部に接続する、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
第1スイッチング素子により、データ線をデータ駆動部に接続する段階、
液晶キャパシタを含む画素に対して前記データ駆動部から前記データ線を通してデータ電圧を印加する段階、
前記第1スイッチング素子により、前記データ線を前記データ駆動部から感知信号生成部に接続し直す段階、及び、
前記感知信号生成部により、前記データ線を通して前記液晶キャパシタの静電容量の変化を感知して感知信号を生成する段階、
を有する液晶表示装置の駆動方法。
【請求項10】
前記感知信号生成部がスイッチトキャパシタ増幅器を含み、
前記スイッチトキャパシタ増幅器が、
入力端、
第1入力端子、第2入力端子、及び出力端子を含む増幅器、
前記入力端と前記増幅器の第1入力端子との間に接続されている第1キャパシタ、
前記増幅器の第1入力端子と出力端子との間に接続されている第2キャパシタ、
前記入力端を所定の基準電源に選択的に接続する第2スイッチング素子、並びに、
前記増幅器の第1入力端子と出力端子との間を選択的に接続する第3スイッチング素子、
を含み、
前記データ線を前記感知信号生成部に接続し直す段階が、
前記第1スイッチング素子によって前記データ線を前記スイッチトキャパシタ増幅器の入力端に接続し、前記第2スイッチング素子によって前記入力端を前記基準電源から分離し、かつ、前記第3スイッチング素子によって前記増幅器の第1入力端子と出力端子との間を短絡させることで、前記液晶キャパシタから前記データ線を通して前記第1キャパシタに電荷を移動させる段階、
を含む、請求項9に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項11】
前記感知信号を生成する段階が、
前記第1スイッチング素子によって前記データ線を前記スイッチトキャパシタ増幅器の入力端から前記データ駆動部に接続し直し、前記第2スイッチング素子によって前記入力端を前記基準電源に接続し、かつ、前記第3スイッチング素子を開放することで、前記第1キャパシタから前記第2キャパシタに電荷を移動させ、前記増幅器の出力端子の電圧変化を前記感知信号として出力する段階、
を含む、請求項10に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項12】
前記感知信号を生成する段階の後に、前記第3スイッチング素子によって前記増幅器の第1入力端子と出力端子との間を短絡させることで、前記第2キャパシタを放電させて初期化する段階、を更に有する、請求項11に記載の液晶表示装置の駆動方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−334358(P2007−334358A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156106(P2007−156106)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】