説明

液晶表示装置及びその駆動方法

【課題】本発明は、混信現象を低減して、表示効果を高めることができる液晶表示装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、液晶パネルと、隣接する2つのフレーム表示信号又は間隔を置いた2つのフレーム表示信号を受信し、且つ前記2つのフレーム表示信号に対して比較分析を行う分析ユニットと、前記分析結果に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行い、且つ補償変調してから取得した共通電圧を前記液晶パネルに出力する共通電圧回路と、を備える液晶表示装置及びその駆動方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及び前記液晶表示装置の駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、軽量・薄型・低輻射・低消費電力・優れた携帯性などの特性を持ち、表示装置、テレビジョン、携帯電話、デジタル製品などのような現代化情報設備に広く利用されて注目を浴びている。通常、液晶表示装置は、各々の画素ユニット中の液晶分子が動かされることにより、光線の通過量を制御し、それによって画面を表示する。
【0003】
図1は、従来の液晶表示装置の構造を示す図である。液晶表示装置100は、液晶パネル101と、前記液晶パネル101を駆動することに用いられるゲートドライバー102と、ソースドライバー103と、前記ゲートドライバー102及びソースドライバー103を制御することに用いられるタイミングコントローラー104と、前記液晶パネル101に共通電圧を提供することに用いられる共通電圧回路105と、を備える。
【0004】
前記液晶パネル101は、互いに平行し且つ間隔を有する複数のゲートライン110と、互いに平行し且つ前記ゲートライン110と一つ置きに配置される複数の共通信号ライン130と、前記ゲートライン110に絶縁的に直交する複数のデータライン120と、前記複数のゲートライン110及び前記複数のデータライン120が仕切って定義する複数の画素ユニット140と、を備える。前記ゲートライン110は、前記ゲートドライバー102に接続され、前記データライン120は、前記ソースドライバー103に接続され、前記共通信号ライン130は、前記共通電圧回路105に接続される。
【0005】
前記画素ユニット140は、薄膜トランジスター141と、画素電極142と、共通電極143と、を備える。前記薄膜トランジスター141のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極は、別々に対応するゲートライン110、データライン120及び画素電極142に電気的に接続される。前記画素電極142と、前記共通電極143及びその間に配置される液晶層は、液晶容量147を構成し、前記画素電極142と、前記共通信号ライン130及びその間に配置する絶縁層(図示せず)は、蓄積容量148を構成する。
【0006】
前記液晶表示装置100が第Nフレーム画面を表示する時に、前記共通電圧回路105が共通電圧を出力して、前記共通電極143及び前記共通信号ライン130に印加する。前記ゲートドライバー102は、前記タイミングコントローラー104からのタイミング信号に基づいて、複数の走査信号を出力すると共に、前記ゲートライン110に順番に印加して、前記ゲートライン110に接続された1列の薄膜トランジスター141をオンさせる。前記ソースドライバー103は、タイミング信号に基づいて、データ信号を対応するデータライン120に印加し、且つ前記薄膜トランジスター141を介して前記データ信号を前記画素電極142に印加すると共に、前記液晶容量147及び前記蓄積容量148に対して充電を行う。充電が終わると、前記第Nフレーム画面において、前記共通電極143と前記画素電極142との間では、第N+1フレームの走査信号が来るまでに1つの階調電圧を維持する。前記階調電圧が生成する電界の作用によって、前記共通電極143と前記画素電極142との間に配置された液晶分子が動かされて、光線の通過量を制御し、それによって画面を表示する。
【0007】
しかしながら、前記画素ユニット140は、容量構造を利用して、前記第Nフレーム画面で前記階調電圧を維持し、且つ前記液晶表示装置100の中に大量の寄生の蓄積容量が存在するため、例えば、前記薄膜トランジスター141のゲート電極とソース電極との間に存在する寄生の蓄積容量Cgs、ゲート電極とドレイン電極との間に存在する寄生の蓄積容量Cgd、ソース電極とドレイン電極との間に存在する寄生の蓄積容量Csd等であって、前記画素ユニット140の表示する画面が第Nフレームから第N+1フレームに変化する場合、上述の容量カップリング信号の影響を受けて、前記共通電極143の電位が偏移し易い。
【0008】
図2は、図1に示す液晶表示装置の画素ユニットを駆動する駆動信号の波形図である。曲線201は、理想状態における前記共通電極143の電圧Vcom1を表示し、曲線202は、前記画素電極142が受信するデータ電圧Vdataを表示し、曲線203は、前記共通電極143の実際電圧Vcomを表示する。図2に示すように、前記画素ユニット140は、隣接する2つのフレーム画面において、もし前のフレーム画面の階調電圧が後のフレーム画面の階調電圧より大きければ、容量を充放電することに一定の時間を必要とするため、其の両端の電圧は、すぐには変化することができず、従って、前記共通電極143が前記容量カップリング信号の影響を受けてその電位が降下し、もし前のフレーム画面の階調電圧が後のフレーム画面の階調電圧より小さければ、前記共通電極143の電位は増大する。且つ、前記液晶表示装置100において、隣接する各画素ユニット140及び前記複数の画素ユニット140から構成される各々の表示区域が前記容量カップリング信号の影響を受ける程度が異なるため、前記共通電極143の電位の偏移程度も異なって、従って前記液晶表示装置100に混信(Crosstalk)現象が発生し易く、画面の表示効果に影響する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第一の目的は、前記課題を解決し、混信現象を低減して、表示効果を高めることができる液晶表示装置を提供することである。
【0010】
本発明の第二の目的は、前記課題を解決し、混信現象を低減して、表示効果を高めることができる液晶表示装置の駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記第一の目的を達成するため、本発明は、液晶パネルと、隣接する2つのフレーム表示信号又は間隔を置いた2つのフレーム表示信号を受信し、且つ前記2つのフレーム表示信号に対して比較分析を行う分析ユニットと、前記分析結果に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行い、且つ補償変調してから取得した共通電圧を前記液晶パネルに出力する共通電圧回路と、を備える液晶表示装置を提供する。
【0012】
前記第二の目的を達成するため、本発明は、第Nフレームの表示信号を受信するステップと、第N−k(k=±1,±2,±3,±4,…)フレームの表示信号を受信するステップと、前記第Nフレーム表示信号と前記第N−kフレーム表示信号とに対して比較分析を行うステップと、分析結果に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行うステップと、変調してから取得した共通電圧を出力するステップと、を備える液晶表示装置の駆動方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の液晶表示装置は、分析ユニットを介して隣接する2つのフレームの表示信号又は間隔を置いた2つのフレームの表示信号に対して比較分析を行い、且つ前記分析結果に基づいて、前記共通電圧回路を介して共通電圧に補償変調を行い、即ち前記液晶表示装置の共通電極電位が容量カップリング信号の影響を受けて高電位へ引かれる時に、前記液晶表示装置は、前記共通電圧を低側に引き下げ、逆に、前記共通電極電位が低電位へ引かれる時に、前記液晶表示装置は、前記共通電圧を高側に引き上げることにより、共通電極が容量カップリング信号の影響を受けて生じる電位偏移を補償し、前記液晶表示装置の混信現象を効果的に低減して、液晶表示装置の表示効果を高める。
【0014】
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、第Nフレームの表示信号と第N−kフレームの表示信号とに対して比較分析を行い、且つ前記分析結果に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行い、即ち前記液晶表示装置の共通電極電位が容量カップリング信号の影響を受けて高電位へ引かれる時に、前記液晶表示装置は、前記共通電圧を低側に引き下げ、逆に、前記共通電極電位が低電位へ引かれる時に、前記液晶表示装置は、前記共通電圧を高側に引き上げることにより、共通電極が容量カップリング信号の影響を受けて生じる電位偏移を補償し、前記液晶表示装置の混信現象を効果的に低減して、液晶表示装置の表示効果を高める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図3は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。前記液晶表示装置300は、液晶パネル301と、ゲートドライバー302と、ソースドライバー303と、タイミングコントローラー304と、共通電圧回路305と、蓄積器306と、を備える。
【0016】
前記タイミングコントローラー304は、第一端子381と、第二端子382と、第三端子383と、分析ユニット(Analyzing Unit)384と、ルックアップテーブル385と、を備える。前記第一端子381は、外部からの表示信号を受信することに用いられる。前記第二端子382は、前記ゲートドライバー302に電気的に接続されて、前記タイミングコントローラー304からのタイミング信号を前記ゲートドライバー302に出力する。前記第三端子383は、前記ソースドライバー303に電気的に接続されて、前記タイミング信号をソースドライバー303に出力する。前記分析ユニット384は、前記蓄積器306に接続されると共に、前記ルックアップテーブル385の一端に接続され、前記ルックアップテーブル385の他の一端は、前記共通電圧回路305に接続される。
【0017】
前記共通電圧回路305は、共通電圧産生器371及び変調回路372を備える。前記変調回路372は、2つの入力端及び1つの出力端を備え、1つの入力端は、前記共通電圧産生器371に接続され、他の1つの入力端は、前記ルックアップテーブル385に接続され、前記出力端は、前記液晶パネル301に接続されて、共通電圧を前記液晶パネル301に出力する。
【0018】
前記ゲートドライバー302及びソースドライバー303は、前記タイミングコントローラー304からのタイミング信号に基づいて、走査信号及びデータ信号を別々に前記液晶パネル301に印加する。
【0019】
前記液晶パネル301は、互いに平行し且つ間隔を有する複数のゲートライン310と、互いに平行し且つ前記ゲートライン310と一つ置きに配置される複数の共通信号ライン330と、前記ゲートライン310に絶縁的に直交するデータライン320と、前記複数のゲートライン310及び前記複数のデータライン320が仕切って定義する複数の画素ユニット340と、を備える。前記ゲートライン310は、前記ゲートドライバー302に接続されて、前記ゲートドライバー302からの走査信号を受信する。前記データライン320は、前記ソースドライバー303に接続されて、前記ソースドライバー303からのデータ信号を受信する。前記複数の共通信号ライン330の末端は、互いに接続されると共に前記共通電圧回路305に接続されて、前記共通電圧回路305からの共通電圧を受信する。
【0020】
前記画素ユニット340は、薄膜トランジスター341と、画素電極342と、共通電極343と、を備える。前記薄膜トランジスター341のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極は、別々に対応するゲートライン310、データライン320及び画素電極342に接続される。前記画素電極342、前記共通電極343及びその間に配置する液晶層(図示せず)は、液晶容量347を構成する。前記画素電極342、共通信号ライン330及びその間に配置する絶縁層(図示せず)は、蓄積容量348を構成する。
【0021】
前記液晶表示装置300は、以下の動作原理で動作する。
【0022】
前記液晶表示装置300が第Nフレームの画面を表示する時、前記タイミングコントローラー304がタイミング信号を出力して、前記ゲートドライバー302及びソースドライバー303に別々に印加する。
【0023】
前記ゲートドライバー302は、前記タイミング信号の作用によって、複数の走査信号を出力すると共に前記複数のゲートライン310に順番に印加する。前記走査信号が第X行のゲートライン310に印加する時、前記ゲートライン310に接続された第X列の薄膜トランジスター341がオンされる。
【0024】
前記タイミングコントローラー304は、その第一端子381を介して第X列の画素ユニット340が前記第Nフレーム画面を表示する時の表示信号を受信し、即ち第Nフレーム表示信号Dnを受信して、これを前記分析ユニット384に送信すると共に、前記蓄積器306に出力する一方、これを前記ソースドライバー302に出力する。通常、前記表示信号Dnは、8ビットのデジタル信号であって、前記8ビットのデジタル信号は、256階調に対応し、第0階調(00000000)は、暗状態を表示し、第255階調(111111111)は、明状態を表示する。
【0025】
前記ソースドライバー303は、前記表示信号Dnを対応するデータ電圧Vdnに変換し、且つ前記タイミング信号の作用によって、前記データ電圧Vdnを前記第X列の画素ユニット340の対応する画素電極342に出力する。
【0026】
同時に、前記分析ユニット384は、前記蓄積器306から前記第X列画素ユニット340が前記第N−1フレーム画面を表示するための表示信号を読み取り、即ち、第N−1フレーム表示信号Dn−1を読み取り、且つ前記第Nフレーム表示信号Dnと比べながら分析する。
【0027】
前記外部表示信号は、デジタル信号であって、前記画素ユニット340が画面を表示するために用いられる階調電圧と一対一に対応する。したがって、何れの画素ユニット340の第Nフレーム表示信号Dnと第N−1フレーム表示信号Dn−1との大きさを比べて得られた結果△Dは、前記共通電極343の電位が容量カップリング信号の影響を受けて生成した偏移量△Vと対応する。且つ、前記第X列の画素ユニット340の共通電極343が容量カップリング信号の影響を受けて生成した総偏移量△Vは、前記第X列の画素ユニット340の第Nフレーム表示信号と第N−1フレーム表示信号との大きさを比べて得られた結果の総和△Dに対応し、即ち△D=Σ(Dkn−Dkn−1)である。
【0028】
前記タイミングコントローラー304は、前記分析ユニット384の分析結果△Dに基づいて、前記ルックアップテーブル385から対応する補償値Dcpを探し、且つ前記変調回路372に出力する。前記補償値Dcpは、補償電圧値Vcp及び補償時間値tcpを備える。前記ルックアップテーブル385内部の補償値Dcp毎と分析結果△D毎との間は、一対一の対応関係であって、前記ルックアップテーブル385は、前記分析ユニット384から1つの分析する結果△Dを受信するたびに、前記変調回路372に前記分析結果△Dと対応する補償値Dcpを出力する。
【0029】
前記変調回路372は、前記共通電圧産生器371からの共通電圧を同時に受信し、且つ受信した補償電圧値Vcp及び補償時間値tcpに基づいて、前記共通電圧に対して補償を行う。
【0030】
詳しく説明すると、前記画素ユニット340が位置する列の共通電極343の偏移量総和△V<0である時、即ち前記画素ユニット340が位置する列のあらゆる画素ユニットにおいて、第Nフレームと第N−1フレームとの対応表示信号の比較結果の総和△D<0であって、前記共通電極343の電位が容量カップリング信号の影響を受けて降下し、この時、前記ルックアップテーブル385が出力する補償電圧値Vcp>0である。前記共通電圧回路305は、それの内部で生成する共通電圧の上に持続時間がtcp、振幅がVcpである正インパルスを重ねて、共通電圧に対して変調補償を行い、且つ変調してから取得した共通電圧が、前記共通電圧回路305の出力端を介して前記共通電極343及び共通信号ライン330に出力される。前記画素ユニット340が位置する列の共通電極の偏移量総和△V>0である時、即ち前記画素ユニット340が位置する列のあらゆる画素ユニットにおいて、第Nフレームと第N−1フレームとの対応表示信号の比較結果の総和△D>0であって、前記共通電極343の電位が容量カップリング信号の影響を受けて増大し、この時、前記ルックアップテーブル385が出力する補償電圧値Vcp<0である。前記共通電圧回路305は、それの内部に生成する共通電圧の上に持続時間がtcp、振幅がVcpである負インパルスを重ねて、共通電圧に対して変調補償を行い、且つ変調してから取得した共通電圧が、前記共通電圧回路305の出力端を介して前記共通電極343及び共通信号ライン330に出力される。
【0031】
前記変調回路372は、最終に補償してから取得した共通電圧を前記共通電極343及び共通信号ライン330に出力する。前記画素ユニット340において、前記画素電極342と共通電極343との間に1つの階調電圧V(V=Vdn−Vcom)を形成し、前記階調電圧Vが生成する電界の作用によって、前記画素電極342と共通電極343との間に位置する液晶分子が動かされて、光線の通過量を制御することにより、画面を表示する。
【0032】
本発明の液晶表示装置300は、分析ユニット384を介して隣接する2つのフレームの表示信号を比べて分析し、且つ前記分析結果に基づいて、前記ルックアップテーブル385から対応する共通電圧補償値を検索し、最終に前記補償値に基づいて、前記共通電圧回路305を介して共通電圧に対して補償変調を行って、共通電極が容量カップリング信号の影響を受けて生成した電位偏移を補償し、前記液晶表示装置300の混信現象を効果的に低減して、液晶表示装置300の表示効果を高める。前記分析ユニット384及び前記ルックアップテーブル385は、前記タイミングコントローラー304の内部に設置され、共通電圧を補償することは、前記液晶表示装置300のハードウェアーを複雑化しなくてもよく、したがって、本発明の液晶表示装置300において、共通電圧を補償変調する機能を実現することは、容易である。
【0033】
なお、本発明の液晶表示装置300は、上述の実施形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、前記液晶表示装置300が静止画面を表示する時、前記分析ユニット384は、前記第Nフレーム表示信号とそれに間隔を置いたフレームの表示信号(第N−k(k=±2,±3,±4,…)フレーム表示信号)とを比べて分析することができ、分析結果に基づいて、前記ルックアップテーブル385から対応する補償値を検索する。また例えば、前記分析ユニット384は、他の機能ユニットを更に備えることができ、且つ前記分析ユニット384は、前記機能ユニットを利用して、前記第Nフレーム表示信号Dknを第Nフレーム表示信号Dknを備える第一信号D’knに変調し、且つ前記第N−1フレーム表示信号Dkn−1を第N−1フレーム表示信号Dkn−1を備える第二信号D’kn−1に変調し、それから第一信号D’knと第二信号D’kn−1とを比べて分析し、且つ分析結果△D’=Σ(D’kn−D’kn−1)に基づいて、前記ルックアップテーブル385から対応する補償値D’cpを検索する。もし前記液晶表示装置300がスマートインテグレーションパネル(Smart Integration Panel,SIP)を採用する時、そのタイミングコントローラー304は、計数回路(Scaler)の内部に一体化され、即ちこの時前記液晶表示装置300は、前記分析ユニット384及び前記ルックアップテーブル385を計数回路の内部に設置することができる。前記共通電圧回路305は、また可調共通電圧産生器を採用してその性能を実現することができる。前記蓄積器306を前記タイミングコントローラー304の内部に一体化することができる。
【0034】
図4は、本発明の液晶表示装置300の駆動方法を示すフローチャートである。前記駆動方法は、以下のステップを備える。
【0035】
ステップ501において、第Nフレーム表示信号を受信すると共に蓄積する。
【0036】
前記タイミングコントローラー304は、前記第一端子381を介して前記液晶表示装置300の第X列の画素ユニット340が前記第Nフレームでの表示信号Dnを受信し、且つ前記第Nフレーム表示信号Dnを前記分析ユニット384に送信すると共に、前記蓄積器306に送信して蓄積する。
【0037】
ステップ502において、第N−1フレーム表示信号Dn−1を読み取り、且つそれを前記第Nフレーム表示信号と比べて分析する。
【0038】
前記タイミングコントローラー304は、前記蓄積器306から前記第X列の画素ユニット340が前記第N−1フレームにおける表示信号Dn−1を読み取り、且つ前記分析ユニット384を介して前記第N−1フレーム表示信号Dn−1と前記第Nフレーム表示信号Dnとの大きさを比べて分析し、即ち前記第X列の画素ユニット340毎が第Nフレームにおける表示信号Dnと第N−1フレームにおける表示信号Dn−1との大きさを比べて、且つ各々の画素ユニット340の比較結果を累加して、分析結果△Dを得る。
【0039】
ステップ503において、前記分析結果に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行う。
【0040】
先ず、分析結果に基づいて、対応する補償値を探す。前記タイミングコントローラー304は、前記分析ユニット384の分析結果△Dに基づいて、前記ルックアップテーブル385から前記分析結果△Dに対応する補償電圧値Vcp及び補償時間値tcpを探し、且つ前記補償電圧値Vcp及び補償時間値tcpを前記共通電圧回路305に出力する。且つ前記ルックアップテーブル385内部の補償電圧値Vcp毎及び補償時間値tcpと分析結果△D毎との間は、一対一の対応関係であって、前記ルックアップテーブル385は、前記分析ユニット384から1つの分析結果△Dを受信するたびに、前記共通電圧回路305に前記分析結果△Dに対応する補償電圧値Vcp及び補償時間値tpを出力する。
【0041】
次に、前記補償値に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行う。
【0042】
前記共通電圧回路305は、前記タイミングコントローラー304が出力する補償電圧値Vcp及び補償時間値tpによって、前記共通電圧を補償変調する。其の補償変調方法を詳しく説明すると、比較分析結果△D<0である場合、前記補償電圧値Vcp>0であって、前記変調回路372は、前記共通電圧の上に持続時間がtcp、振幅がVcpである正インパルスを重ね、比較分析結果△D>0である場合、前記補償電圧値Vcp<0であって、前記変調回路372は、前記共通電圧の上に持続時間がtcp、振幅がVcpである負インパルスを重ねる。
【0043】
ステップ504において、変調してから取得した共通電圧を出力する。
【0044】
前記共通電圧回路305は、変調してから取得した共通電圧Vcomを前記共通電極343及び共通信号ライン330に出力する。従って前記画素電極342と共通電極343との間に1つの電界が形成されて、前記画素電極342と共通電極343との間に位置した液晶分子は、前記電界の作用によって動かされて、光線の通過量を制御して、画面を表示する。
【0045】
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、前記分析ユニット384を介して隣接する2つのフレームの表示信号を比べて分析し、且つ前記分析結果に基づいて、前記ルックアップテーブル385から対応する共通電圧補償値を探し、最終に前記補償値に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行うことにより、前記共通電極343が容量カップリング信号の影響を受けて生成される電位偏移を補償して、前記液晶表示装置300の混信現象を効果的にに低減して、液晶表示装置の表示効果を高める。
【0046】
本発明の液晶表示装置300の駆動方法は、上述の実施形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、前記駆動方法は、監視ユニットを更に提供することにより、前記液晶表示装置300が静止画面を表示しているかどうかを監視し、静止画面を表示する時、前記第Nフレーム表示信号とそれに間隔を置いたフレーム表示信号(第N−k(k=±2,±3,±4,…)フレーム表示信号)とを比べて分析し、且つ分析結果に基づいて、共通電圧を補償変調する。また例えば、前記駆動方法において、前記第Nフレーム表示信号Dknを受信してから、前記第Nフレーム表示信号Dknを第Nフレーム表示信号Dknを備える第一信号D’knに変調し、且つ第N−1フレーム表示信号Dkn−1を読み出してから、前記第N−1フレーム表示信号Dkn−1を第N−1フレーム表示信号Dkn−1を備える第二信号D’kn−1に変調し、前記第一信号と第二信号とを比べて分析し、且つ分析結果△D’に基づいて共通電圧に対して補償変調を行う。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来の液晶表示装置の構造を示す図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置の駆動波形図である。
【図3】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図4】図3に示す液晶表示装置の駆動方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
300 液晶表示装置
301 液晶パネル
302 ゲートドライバー
303 ソースドライバー
304 タイミングコントローラー
305 共通電圧回路
306 蓄積器
310 ゲートライン
320 データライン
330 共通信号ライン
340 画素ユニット
341 薄膜トランジスター
342 画素電極
343 共通電極
347 液晶容量
348 蓄積容量
371 共通電圧産生器
372 変調回路
381 第一端子
382 第二端子
383 第三端子
384 分析ユニット
385 ルックアップテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに電気的に接続された液晶パネル及び共通電圧回路を備える液晶表示装置であって、
隣接する2つの表示信号または間隔を置いた2つの表示信号を受信し、且つ前記2つの表示信号に対して比較分析を行う分析ユニットを更に備え、
前記共通電圧回路は、分析結果に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行い、且つ変調してから取得した共通電圧を前記液晶パネルに出力することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記液晶表示装置は、ルックアップテーブルを更に備え、
前記分析ユニットと一緒に、前記共通電圧回路に電気的に接続され、且つ内部に前記分析結果と一対一に対応する複数の組の補償値が設置されるルックアップテーブルを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
タイミングコントローラーを更に備え、
前記ルックアップテーブル及び前記分析ユニットは、前記タイミングコントローラーの内部に配置されることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
第Nフレーム表示信号を受信するステップと、
k=±2,±3,±4,…である時、第N−kフレーム表示信号を受信するステップと、
前記第Nフレーム表示信号と第N−kフレーム表示信号とを比べて分析するステップと、
分析結果に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行うステップと、
変調してから取得した共通電圧を出力するステップと、
を備えることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項5】
前記第Nフレーム表示信号を受信するステップは、
1つの分析ユニットを提供するステップと、
前記分析ユニットを介して第Nフレーム表示信号を受信するステップと、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項6】
前記第Nフレーム表示信号と第N−kフレーム表示信号とを比べて分析するステップは、
前記分析ユニットを介して前記第Nフレーム表示信号と第N−kフレーム表示信号とに対して比較分析を行って、分析結果を得ることであることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項7】
分析結果に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行うステップは、
分析結果に基づいて、対応する補償値を探すステップと、
前記補償値に基づいて、前記共通電圧に対して補償変調を行うステップと、
を備えることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項8】
分析結果に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行うステップは、
複数の組の補償値が設置してあるルックアップテーブルを提供するステップと、
前記分析結果に基づいて、前記ルックアップテーブルから対応する補償値を探すステップと、
前記ルックアップテーブルが、前記補償値を出力するステップと、
を備えることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項9】
分析結果に基づいて、共通電圧に対して補償変調を行うステップは、
1つの共通電圧回路を提供するステップと、
前記共通電圧回路が前記補償値を受信するステップと、
前記共通電圧回路が、前記補償値に基づいて、生じた共通電圧に対して補償変調を行うステップと、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項10】
前記共通電圧回路が、前記補償値に基づいて、生じた共通電圧に対して補償変調を行うステップは、
前記共通電圧回路が、自身が生成した共通電圧に前記補償値に対応するパルスを重ねるステップを備えることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−282018(P2008−282018A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123880(P2008−123880)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(505227076)群康科技(深▲セン▼)有限公司 (27)
【出願人】(504244298)群創光電股▲ふん▼有限公司 (28)
【Fターム(参考)】