説明

液晶表示装置

【課題】透過率の高い高画質の液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】液晶層中に、下記式1で表される化合物を少なくとも1種類以上含有することを特徴とする液晶表示装置。〔式1〕


Xは、トリフルオロメチル基等、P1からP6までは、水素原子もしくはF原子等、また、Rは、アルキル基等を表す。さらにAは−COO−等の連結基を表す。nは、0もしくは1を表す。また、六員環Zは、シクロヘキサン環、及びベンゼン環のいずれかであり、シクロヘキサン環の場合は、P5、及びP6は水素原子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶テレビやパソコン用モニタ、携帯電話やデジタルカメラなど、各種電子機器の表示部に広く用いられており、薄型、軽量、低消費電力といった特徴を有する。
【0003】
この液晶表示装置には多くの表示方式があるが、広視野角を達成できる代表的な液晶表示方式としてIPS(In Plane Switching)方式やVA(Vertical Alignment)が知られている。IPS方式は、液晶分子が基板面内方向で回転することで、実効的な光軸を面内で回転させ、透過率を制御する液晶駆動方式である。IPS方式で液晶分子を基板面内で回転させるための電界を印加する方法として、様々な方法が提案されている。最も一般的な方法は、くし歯状の画素電極と共通電極を同一基板に形成する方法である。くし歯電極による電界印加は、画素電極と共通電極を両方ともくし歯状にする方法と、画素電極と共通電極のどちらか一方をくし歯状にし、もう一方の電極を平板状とし、絶縁層を介して配置する方法などある(特許文献1)。
【0004】
一方、VA方式は、基板面に対して垂直に配向させた液晶を電界により駆動させる方式である。このVA方式では、視野角を拡大するために、基板上に突起構造を設けたり、電極にスリットを設ける方法が提案されている(特許文献2)。
【0005】
液晶を電界により駆動する場合、一様な電界で液晶を駆動することが、高画質化のためには望ましい。しかしながら、電極端部や基板上の突起部分においては、電界が不均一となり配向変形が発生し、画質劣化につながる。例えば、IPS方式においてくし歯電極を用いた場合、電極端部付近などで、少なからず基板法線方向の電界成分が発生する。そのため電極端部付近では液晶分子が面内方向でのみ回転するのではなく、基板法線方向へも回転してしまう。その結果、電界印加によって液晶にスプレイ変形やベンド変形などの配向変形が誘起される。ネマティック液晶を用いた場合、このような配向変形は、フレクソエレクトリック効果による分極を導くことが、非特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2001−56476号公報
【特許文献2】特開平11−242225号公報
【非特許文献1】1999年日本液晶学会討論会講演予稿集514頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
くし歯電極を用いるIPS方式の場合、電圧を印加すると液晶の配向変形が誘起され、そのフレクソエレクトリック効果により分極が誘起されることになる。この結果、液晶配向の均一性が悪くなり、透過率が減少する課題がある。
【0007】
また、VA方式においても、基板上に設けた突起周辺や、電極スリット部の電極端部において、同様に液晶の配向変形が誘起され、それに伴うフレクソエレクトリック効果による分極がもたらされる。その結果として、透過率の低下や、フリッカといった表示品質の低下をもたらす。
【0008】
そこで、本発明の目的は、良好な画質の液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の液晶表示装置は、第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、第一の基板と第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、画素電極及び共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、液晶層中に、下記式1で表される化合物を少なくとも1種類以上含有することを特徴とする。
【0010】
〔式1〕

ここで、Xは、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基を表す。P1からP6までは、それぞれ独立に水素原子もしくはフッ素原子を表し、P1、及びP2のいずれか一方は水素原子である。また、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基を表す。さらにA、及びBはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-、あるいは単結合を表す。nは、0もしくは1を表す。また、六員環Zは、シクロヘキサン環、及びベンゼン環のいずれかであり、シクロヘキサン環の場合は、P5、及びP6は水素原子である。
【0011】
また、本発明の液晶表示装置は、第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、第一の基板と第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、画素電極及び共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、液晶層中に、式2で表される化合物を含有することを特徴とする。
【0012】
〔式2〕
1−R−Z2
ここで、式中、Z1、Z2は環状構造を有する有機基で、ハロゲン基、ハロゲン含有基、シアノ基によって置換されている。Rはアルキレン基、アルキレングリコキシ基、アルケニレン基、アルケニレングリコキシ基のいずれかを表す。
【0013】
また、本発明の液晶表示装置は、第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、第一の基板と第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、画素電極及び共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、液晶層中に、式3及び式4のいずれかで表される化合物を含有することを特徴とする。
【0014】
〔式3〕

〔式4〕

ここで、式中、X1、X2はフッ素、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、もしくはシアノ基を示す。P1からP12はそれぞれ独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。六員環Zは、シクロヘキサン環、ベンゼン環のいずれかであり、六員環Zがシクロヘキサン環の場合は、P5、P6、P11、P12は水素原子である。Rはアルキレン基、アルキレングリコキシ基、アルケニレン基、アルケニレングリコキシ基のいずれかを表す。A、Bはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-あるいは単結合を表す。m、nは、0もしくは1を表す。
【0015】
また、本発明の液晶表示装置は、第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、第一の基板と第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、画素電極及び共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、液晶層中に下記式5で表される化合物を含有することを特徴とする。
【0016】
〔式5〕
1−Z−R2
ここで、式中、Zは環状構造を有する有機基で、ハロゲン基、ハロゲン含有基、シアノ基によって置換されている。R1、R2はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基のいずれかを表す。
【0017】
また、本発明の液晶表示装置は、第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、第一の基板と第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、画素電極及び共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、液晶層中に、式6及び式7のいずれかで表される化合物を含有することを特徴とする。
【0018】
〔式6〕

〔式7〕

ここで、式中、P1からP12はそれぞれ独立に水素原子もしくはフッ素原子を表し、少なくとも一つはフッ素原子である。六員環Zは、シクロヘキサン環、ベンゼン環のいずれかであり、六員間Zがシクロヘキサン環の場合は、P5〜P8、P9〜P12、は水素原子である。さらに、P1、P2、P5、P6、P9、P10のいずれかと、P3、P4、P7、P8、P11、P12のいずれかは、同時にフッ素原子ではない。またR1、R2は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基のいずれかを表す。さらにA、Bはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-あるいは単結合を表す。m、nは、0もしくは1を表す。
【0019】
また、本発明の液晶表示装置は、第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、第一の基板と第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、画素電極及び共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、液晶層中に、式8で表される化合物を含有することを特徴とする。
【0020】
〔式8〕

ここで、式中、Xは水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、もしくはシアノ基を示し、R1は直鎖状アルキル基、R2からR4はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基のいずれかを表す。さらにA、Bはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-、-NN-、-CHN-あるいは単結合を表す。mは、0もしくは1を表す。また六員環Zは、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環のいずれかである。
【0021】
また、本発明の液晶表示装置は、第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、第一の基板と第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、画素電極及び共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、液晶層中に、式9で表される化合物を含有することを特徴とする。
【0022】
〔式9〕

ここで、式中、X1、X2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、もしくはシアノ基を示し、R1、R2は水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基のいずれかを表す。さらにA、Bはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-、-NN-、-CHN-、シクロヘキサン環、ベンゼン環あるいは単結合を表す。また六員環Zは、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環のいずれかである。
【発明の効果】
【0023】
透過率の高い高画質の液晶表示装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を説明する。
【0025】
まず、本発明の液晶表示装置について説明する。本発明の液晶表示装置の1画素の断面を、図1と図2に模式的に示す。図1と図2の切断面は、液晶表示装置の1画素の平面図である図3に記載してある。すなわち、図1の切断面は後述する画素電極のストライプ構造に対して平行であり、図2の切断面は、これを横断する方向である。液晶表示装置は、主に第一の基板と第二の基板と液晶層からなり、第一の基板と第二の基板は、液晶層を狭持する。第一の基板と第二の基板は、液晶層に近接する面上に液晶層の配向状態を安定化するための配向膜をそなえる。また、第二の基板の液晶層に近接する面上には、液晶層に電圧を印加するための手段を備える。
【0026】
第一の基板は透明性と平坦性に優れ、かつイオン性不純物の含有が少ないホウケイサンガラス製であり、厚さは約0.4mmである。第一の基板は液晶層に近接する側より第一の配向膜、平坦化膜、カラーフィルタ、ブラックマトリクスが順次積層されている。第一の配向膜はポリイミド系の有機高分子膜であり、ラビング法により配向処理されており、近接する液晶層に約1度のプレチルト角を付与する所謂水平配向膜である。プレチルト角を最小限の角度としたことにより、暗表示における視角特性を良好にできる。平坦化膜は、アクリル系樹脂であり、透明性に優れ、下地の凹凸を平坦化し、かつ溶剤の浸透を防ぐ機能を有する。カラーフィルタは、赤色、緑色、及び青色を呈するストライプ状の各部分が繰り返し配列された平面構造を有する。ブラックマトリクスは黒色顔料を含むレジストからなり、画素境界部に対応するように格子状の平面分布構造を有する。
【0027】
第二の基板は、第一の基板と同様にホウケイサンガラス製であり、厚さは約0.4mmである。第二の基板は液晶層に近接する側より順に、主に第二の配向膜、画素電極、層間絶縁膜、共通電極、アクティブ素子、走査配線、信号配線を備える。第二の配向膜は、第一の配向膜と同様にポリイミド系の有機高分子膜からなる水平配向膜である。画素電極と共通電極は、いずれも透明性と導電性に優れたITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)であり、層厚は80nmである。両者は窒化珪素(SiN)製の層間絶縁膜によって隔たれており、層間絶縁膜の層厚は300nmである。画素電極の平面形状は櫛歯状であるのに対し、共通電極は後述する共通電極空孔部を有するものの、各画素のほぼ全面に渡って分布している。
【0028】
以上のように、画素電極と共通電極をそれぞれストライプ状、ベタ平面状の平面分布とし、両者を層間絶縁膜で隔てたIPS(In-Plane-Switching)Pro(Provectus)構造とし、かつ、層間絶縁膜の膜厚を十分に薄くすることにより、画素電極と共通電極の間にアーチ状の電気力線が形成される。この時、電気力線は層間絶縁膜を貫いて主に液晶層中に分布し、なおかつ、基板平面に対して平行な成分を有する所謂横電界を形成する。これにより、電圧印加時において液晶配向方向が主に層平面内で回転するように変化する、IPS方式に特有の配向変化が実現される。VA(Vertically Aligned)方式やECB(Electrically Controlled Birefringence)方式に比較して、電圧印加時の液晶配向方向のチルト角増大が少ないため、電圧印加に伴うΔndの変化も小さい。これにより、IPS方式液晶表示装置では、視角方向での階調表示特性に優れた表示が得られる。また、図2に示したIPS−Pro構造の断面図では、画素電極と共通電極が層間絶縁膜を介して重畳する部分が多数存在するが、この部分は液晶層に対して並列に結合しているため、保持期間中に液晶層に印加される電圧値を一定に保つ保持容量として機能する。また、前記重畳部は透明であるため、IPS−Pro構造では開口率を低下させることなく電圧保持特性を向上できる。
【0029】
図3に示したように、IPS−Pro構造では画素電極と共通電極のうち前者のみが、スリット構造を多数有するストライプ状の平面構造である。これに対して、もう一つのIPS方式であるAS(Advanced Super)−IPS構造では、画素電極と共通電極の両方がストライプ状の平面構造を有する。図7に、その平面構造の一例を示したように、ストライプ構造を横断する方向で見れば、画素電極と共通電極が交互に分布する。AS−IPS構造の場合にも、電圧印加時には画素電極と共通電極の間に、アーチ状の電気力線が形成される。ストライプ構造を横断する方向において、電極とスリット構造を各一つ含む部分をストライプ構造の一周期とすると、図8に示したように、AS−IPS構造ではストライプ構造の一周期内に一つのアーチ状の電気力線が形成される。このため、AS−IPS構造では、電圧印加時に共通電極並びに画素電極上の液晶層が比較的動きにくく、透過率が低下する場合があった。これに対して、IPS−Pro構造では、図5(a)に示したようにストライプ構造の一周期内に二つのアーチ状の電気力線が形成される。IPS−Pro構造では、電圧印加時に画素電極上の液晶層が動き易く、より高透過率が得られるという利点がある。
【0030】
なお、図3において、スリット構造の方向は画素内において一様であり、走査配線方向を0度とし、方位角を反時計回りに定義すると、各ストライプ構造の方向は90度であり、液晶配向方向は82.5度である。図4は、これとは異なるスリット構造の例を示しており、スリット構造の方向の角度が7.5度である領域と、−7.5度である領域が画素内にほぼ一対一の面積比で存在する。2領域では電圧印加時における液晶配向方向の回転方向が互いに異なり、すなわち一方において時計回りであれば、他方において反時計回りである。各領域は黄色い着色を示す視角方向と、水色の着色を示す視角方向とをそれぞれ有するが、両者が重なって観察されることにより、視角方向での着色が低減される効果が得られる。その結果、視角方向においてより無着色の表示が得られ、かつより広い色再現範囲が確保される。
【0031】
IPS−Pro構造において、上述のような2領域を形成する画素構造の例を図4に示す。図4において、液晶配向方向は水平方向である。図4(a)では、スリットの形状が「く」の字型であり、「く」の字の屈曲部が液晶配向方向の回転方向が異なる2領域の境界になり、2領域の境界が画素長辺方向に対して平行に形成される。図4(b)では、長方形の画素の上半分と下半分で液晶配向方向の回転方向が異なり、2領域の境界がアクティブ素子やスルーホールがある画素中央において、画素短辺方向に対して平行に形成される。
【0032】
図3に示した様に、信号配線と走査配線は互いに交差しており、交差部の近傍にはそれぞれアクティブ素子を有し、画素電極と1対1に対応している。アクティブ素子は、図3において画素電極よりも下層に位置するため、図3では、そのチャネル部を破線で記載した。画素電極には、アクティブ素子を介して信号配線より画像信号に対応した電位が付与される。また、アクティブ素子の動作は、走査配線の走査信号により制御される。アクティブ素子は薄膜トランジスタであり、そのチャネル部は、電子移動度の比較的高いポリシリコン層から成る。ポリシリコン層は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成したアモルファスシリコン層をレーザー光線で加熱溶融して形成される。各画素電極は、長方形状で互いに独立に制御され、かつ、第二の基板上に格子状に配置されている。画素電極は、スルーホール部においてアクティブ素子に接続している。スルーホールは、共通電極を貫くが、スルーホール周辺の共通電極には、スルーホールよりも一回り大きい空孔部を配置して、共通電極と画素電極との短絡を防いでいる。
【0033】
液晶層には、室温を含む広い温度範囲でネマチック相を示し、液晶配向方向の誘電率がその垂直方向よりも大きい正の誘電率異方性を示す液晶材料を用いる。このような正の誘電異方性を示す液晶材料は、トリフルオロフェニルやジフルオロフェニル、4−シアノ−3−フルオロフェニル、4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニル構造を分子端に有する液晶化合物を含有する。正の誘電率異方性の液晶材料は、負の誘電率異方性の液晶材料に比較して低粘度であり、より良好な応答特性を示す。また、ネマチック相を示す温度範囲がより広く、高抵抗であるという特長を有する。このうち後者により、アクティブ素子がオフとなる保持期間中における電圧低下が十分に少ないという効果が得られる。
【0034】
第一の配向膜と第二の配向膜にラビング法で配向処理を施した後、第一の基板と第二の基板を組み立て、液晶材料を真空封入して前述の液晶層とする。第一の配向膜と第二の配向膜の配向処理方向を反平行としたことにより、液晶層を配向状態が安定なホモジニアス配向とする。その配向方向は、走査配線に対して82.5度を成す。電圧印加時の電界方向と配向方向のなす角度が82.5度と大きいため、電圧印加時において充分に大きな液晶層の配向変化が得られる。なおかつ、横電界印加時における液晶層の配向変化方向、即ち液晶層の回転方向が基板法線方向から観察して時計回りか、若しくは反時計回りかが一義的に定まるため、電圧印加時の配向変化が安定化する。
【0035】
第一の基板と第二の基板の外側には、第一の偏光板と第二の偏光板を配置しており、第一の偏光板と第二の偏光板はヨウ素系色素を含み、ヨウ素は偏光板内で多量体を形成して配向している。その2色性により、偏光板は入射した自然光を偏光度が十分に高い直線偏光に変換する。ヨウ素系色素の多量体の配向方向が吸収軸であり、第一の偏光板と第二の偏光板の吸収軸はその平面法線方向から観察して互いに直交しており、かつ第一の偏光板の吸収軸は液晶配向方向に平行である。
【0036】
IPS−Pro構造の電圧印加時における液晶層配向状態を、図5においてより詳細に検討する。図5(a)は図2と同じ切断面であり、2つの画素電極を含む部分を拡大して示しており、かつ液晶層に近接する構成のみを記載してある。また、図5(a)では、簡単のため液晶分子を棒状の形状で記載してあるが、後述する楔形でも以下に述べることは同様の結果になる。電圧印加時には、第二の基板近傍の液晶層には、アーチ状の電気力線が形成される。液晶層に正の誘電率異方性の液晶材料を用いた場合には、電気力線近傍の液晶層において配向方向を電気力線に近づけるような配向変化が生じる。これに対して、第二の配向膜との界面では、第二の配向膜の配向規制力により液晶層の配向方向を配向処理方向に固定するような力が働く。このように第二の基板近傍の液晶層では相反する2つの効果が競合するため、第二の配向膜界面から電界の存在する部分に向けて急激な配向変化が生じる。より具体的には、図5(a)に示したように、アーチ状の電気力線の右半分と左半分において、それぞれ逆向きのスプレー変形が生じる。
【0037】
また、図5(a)から明らかなように、液晶層中央付近から第一の配向膜との界面間においてもスプレー変形が生じている。しかし、このスプレー変形は配向変形が比較的緩やかであり、なおかつ電界が集中している第二の基板からより離れている。第二の基板近傍のスプレー変形に比較して重要ではないので、これ以降はこれを考慮しないことにする。
【0038】
個々の液晶分子は、構成する原子の電気陰性度の違いにより何らかの分極を有する。液晶分子の集合体においては、分極を相殺するように配向した方が安定であり、なおかつ、ネマチック相では配向方向に対して液晶分子の前後の区別がないため、液晶層全体において分極は現れない。しかしながら、急激な配向変化が生じた場合には分極が相殺されずに顕在化することがある。このような配向変化に起因する分極はフレクソ分極と呼ばれており、その詳細については、例えばチャンドラセカール著、吉岡書店刊の「液晶の物理学」に記載されている。なお、「液晶の物理学」ではflexoelectricityを撓電性と訳しているが、本発明では、今日においてより一般的な、フレクソ分極という名称を用いることにした。
【0039】
フレクソ分極が生じる例としては、液晶分子の形状が楔形であり、楔形の先端を尾、その反対側を頭とすると、分極方向が尾または頭の一方である場合が挙げられる。図6は、分極が尾を向いている場合を示している。配向変形が生じていない場合には、図6(a)に示したように、頭と尾がそれぞれ同じ割合で配向方向(図6(a)では水平方向)を向いており、個々の液晶分子の分極は相殺されて巨視的な分極は現れない。これに対して、配向変形が生じた場合には、個々の液晶分子の形状の非対称性とその排除体積効果により、配向方向を向く頭と尾の割合が異なるようになる。図6(b)は、右側から左側に向けて扇形に広がる急峻なスプレー変形が生じた場合の液晶分子の配向状態を示している。その結果、分極は相殺されずに顕在化し、スプレー変形が生じている部分の配向方向に巨視的な分極が現れる。図6(b)では、配向方向が水平方向に対して傾いている液晶分子も存在するが、分極の水平方向成分に着目すれば、右水平方向の分極がより多い。そのため、右水平方向に分極が発生することになる。IPS方式において発生するフレクソ分極を図5(a)中に白抜きの矢印で併記した。
【0040】
フレクソ分極が生じた際には、フレクソ分極自体が電界に応答して配向変化を引き起こし、誘電率異方性による配向変形に重畳する。フレクソ分極による配向変化を回転する矢印を用いて図5(b)に示す。図5(b)は、図5(a)の上面図であり、簡単のため画素電極と電界方向とフレクソ分極のみを記載している。
【0041】
また、図5(b)では、誘電率異方性による配向変形とフレクソ分極による配向変形を分離することにより、後者の効果を明らかにすることを試みている。そのため、図5(b)に示したフレクソ分極は、誘電率異方性による配向変形のみを考慮した配向状態におけるフレクソ分極としており、フレクソ分極自身の電界応答を考慮していない状態のものである。電圧印加時における液晶配向方向の変化は、フレクソ分極を考慮しない場合には、図5(b)において時計回りの回転で表される。また、IPS−Pro構造では画素構造や駆動条件を最適化することにより、現状においても最適値にほぼ近い回転角が実現されていると思われる。これに対して、フレクソ分極による配向変化は、フレクソ分極が電界方向に対して平行となる状態に近づくような回転で表される。その結果、時計回りの回転が生じる部分と、反時計回りの回転が生じる部分が交互に現れる。図5(b)では、スリット構造において反時計回りの回転が生じている。この場合には、電圧無印加時の状態に半ば戻るような配向変化となるため、透過率が低下する。画素電極上では、時計回りの回転が生じているが、フレクソ分極が生じない場合において最適な回転角が実現されているならば、これより更に回転するため透過率の低下が生じる可能性がある。
【0042】
なお、電界が図5(a)、図5(b)とは逆極性になった場合には、スリット構造で時計回りの回転が生じ、画素電極上で反時計回りの回転が生じる。この場合にもフレクソ分極の電界応答により前述と同様にして透過率の低下が生じる。従って、極性反転駆動を行った場合、その何れの周期においても透過率の低下が生じることになる。
【0043】
以上をまとめると、IPS−Pro構造では電圧印加に伴い急峻なスプレー変形が発生するので、例えば分子形状が楔形でその頭または尾の方向に分極を示す液晶分子を液晶層に含む場合などにはフレクソ分極が発生する。フレクソ分極が発生すると、フレクソ分極自体が電界に応答して、電圧無印加時の状態に半ば戻るような配向変化を引き起こし、その結果として透過率が低下する。
【0044】
もう一つのIPS方式であるAS−IPS構造では、図8に示したように一周期内に形成される電気力線が一つである。そのため、電気力線の傾きもより小さく、液晶層のスプレー変形もより小さい。従って、AS−IPS構造ではフレクソ分極が小さく、これによる透過率低下の影響も小さい。別の見方をすると、AS−IPS構造とIPS−Pro構造を同じ加工精度で作成した場合、すなわち両者のストライプ構造の周期を同一とした場合、フレクソ分極の影響はIPS−Pro構造においてより顕著である。
【0045】
次に、本発明の液晶表示装置に用いる液晶材料について、より詳細に説明する。本発明の液晶表示装置に用いる液晶材料は、フレクソ分極を低減して透過率を向上するため、前述したトリフルオロフェニルやジフルオロフェニル、4−シアノ−3−フルオロフェニル、4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニル構造を分子端に有する化合物を含有する、正の誘電異方性を有する液晶組成物に対して、〔式1〕に規定される化合物を添加する。この一例として構造群1、及び構造群2に主立った化合物の構造を示すが、本発明は〔式1〕に規定される構造である限りは、これらの構造式のみに限定されるものではない。
【0046】
〔式1〕

〔構造群1〕




〔構造群2〕



ここで、Xは、トリフルオロメチル基、あトリフルオロメトキシ基を表す。P1からP6はそれぞれ独立に水素原子もしくはフッ素原子を表すが、電子吸引性のハロゲン原子、シアノ基、チオシアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基でもよく、P1、P2のいずれか一方は水素原子である。またRは、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基を表す。さらにA,Bはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-あるいは単結合を表す。nは、0もしくは1を表す。また六員環Zは、シクロヘキサン環、ベンゼン環のいずれかであり、シクロヘキサン環の場合は、P5、P6は水素原子である。
【0047】
これらの化合物の化学構造は、トリフルオロフェニルやジフルオロフェニル、4−シアノ−3−フルオロフェニル、4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニル構造を分子端に有する化合物のような、フレクソ分極を誘起する楔形の分子形状ではなく、より棒状の化学構造を有している。そのため、図6(b)に示すようなスプレー変形が生じにくく、結果として、フレクソ分極が発生しにくい。
【0048】
また、従来は低電圧化のために、誘電率異方性が大きい材料として、トリフルオロフェニルやジフルオロフェニル、4−シアノ−3−フルオロフェニル、4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニル構造を分子端に有する化合物を用いていた。構造群1、2に記載の化合物は、分子末端に、フッ素原子よりも分極率が大きい、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基を有することを特徴としている。これにより、本発明に係る材料では、3,5位をジフルオロすることなく、誘電率異方性を高めることができ、低駆動電圧化にも有効である。
【0049】
さらに、本発明の液晶表示装置に用いる液晶材料は、フレクソ分極を低減して透過率を向上するため、前述したトリフルオロフェニルやジフルオロフェニル、4−シアノ−3−フルオロフェニル、4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニル構造を分子端に有する化合物を含有する、正の誘電異方性を有する液晶組成物に対して、前記式2〜7に記載の化合物を含有する。式中Rがアルキレン基、アルキレングリコキシ基、アルケニレン基、アルケニレングリコキシ基であるが、これらは直鎖状もしくは分枝上であることができ、好ましくは2、3、4、5、6、7個の炭素原子を有する直鎖状である。従ってRがアルキレン基もしくはアルキレングリコキシ基の場合は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、エチレングリコキシ、プロピレングリコキシ、ブチレングリコキシ、ペンチレングリコキシ、ヘキシレングリコキシ、ヘプチレングリコキシを表す。またRがアルケニレン基、アルケニレングリコキシ基の場合は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、エチレングリコキシ、プロピレングリコキシ、ブチレングリコキシ、ペンチレングリコキシ、ヘキシレングリコキシ、ヘプチレングリコキシ中の−CH2CH2-基が、−CH=CH-によって置き換えられた基を表す。R1、R2は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基であるが、これらも同様に直鎖状もしくは分枝上であることができ、好ましくは2、3、4、5、6、7個の炭素原子を有する直鎖状である。従ってR1、R2がアルキル基、アルコキシ基の場合は、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシを表す。またR1、R2がアルケニル基、アルケニルオキシ基の場合は、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ−CH2CH2-基が、−CH=CH-によって置き換えられた基を表す。構造群3、4に化合物の一例を示すが、本発明はこれらの構造式限定されるものではない。
【0050】
〔構造群3〕

〔構造群4〕

図9を用いて、これら化合物を添加した場合の作用について説明する。〔構造群3〕に示す化合物は、前述したトリフルオロフェニルやジフルオロフェニル、4−シアノ−3−フルオロフェニル、4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、4−フルオロメチル−3−フルオロフェニル等の極性基によって置換された六員環を有する基を、アルキレン基、アルキレングリコキシ基、アルケニレン基、アルケニレングリコキシ基のようなスペーサで結合した化学構造を有しており、楔形の分子を先端の尾の部分で結合させた形状をしている。そのため、図9(a)に示すように、図6(b)のようなスプレー変形が生じにくい。さらに、〔構造群4〕に示す化合物は、楔形ではなく、菱形の分子形状である。そのため、図9(b)に示すように、スプレイ変形が生じても分極の向きは必ずしも一方が過多になることはなく、結果としてフレクソ分極を低減することができる。
【0051】
また、本発明の液晶表示装置に用いる液晶材料は、フレクソ分極を低減して透過率を向上するため、図10に示すように、楔形の分子形状に対してその分極方向が頭から尾に向かっている〔構造群5〕の化合物を含むことを特徴とする。本発明は、楔形の分子形状に対してその分極方向が尾から頭に向かっている〔構造群6〕の化合物を含むとき、より有効に作用する。以下に〔構造群5〕の化合物および〔構造群6〕の化合物を例示する。
【0052】
〔構造群5〕




〔構造群6〕

式中R1は炭素数1から10の直鎖状アルキル基であり、−CnH2n+1で示したアルキル基のnは1から12を示し、直鎖状だけでなく分枝状であっても良い。式中のベンゼン環はベンゼン環だけに限定されるものではなく、六員環であれば例えばシクロヘキサン環、ピリジン環、ピリミジン環であっても良いがシクロヘキサン環よりもベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環の方がより好ましい。式中のフッ素原子はフッ素原子だけに限定されるものではなく、電子吸引性の置換基であれば、例えばトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基などでも良い。
【0053】
トリフルオロフェニルやジフルオロフェニル、4−シアノ−3−フルオロフェニル、4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニル構造を分子端に有する化合物は〔構造群6〕に属するような、楔形の分子形状に対してその分極方向が頭から尾に向かっている材料であり、本発明では〔構造群5〕に属する化合物を添加することを特徴とする。このとき、図11に示すようにスプレー変形が生じた場合でも、フレクソ分極を打ち消しあうことができるため、結果としてフレクソ分極が発生しにくく、透過率向上に有効である。
【0054】
本発明では、使用する液晶材料の分子形状、フレクソ分極方向に応じて、それとは異なる構造群の化合物を添加することを特徴とする。その際、両構造群のモル比が等量になるように添加することにより、本発明が有効に作用する。
【0055】
液晶表示装置に用いられる液晶組成物の等方相転移温度は70℃以上であることが望ましいが、本発明による〔化合物群5〕および〔化合物群6〕に示す化合物を液晶材料に添加すると、液晶材料の等方相転移温度が低下することがある。そのため、本発明による〔化合物群5〕および〔化合物群6〕に示す化合物を添加する液晶材料としては、等方相転移温度が高く、六員環が3つ以上含まれている液晶化合物を含有していることが好ましい。
【0056】
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0057】
〔実施例1〕
図1は、本発明の第1実施例を示す液晶表示素子の断面構成を、図3は、画素部分の平面構成を示す図である。その製法は、本発明の骨子には関係しないので詳細は省略するが、以下、記述にしたがって表示装置を作成した。
【0058】
第二の基板SU2上に、薄膜トランジスタTFT、信号配線SL,走査配線GLを形成した。
【0059】
画素の表示領域においては、第二の基板SU2上層にベタ状の電極CEを、ITO(インジウムチンオキサイド)からなる透明導電層として形成し、さらにその上層に窒化シリコンもしくは有機物からなる絶縁層PCILを形成した。本実施例では、ITOからなるベタ状の電極CEおよび絶縁層PCILの膜厚は、それぞれ77nmおよび500nmとした。
【0060】
次に、図2のように、絶縁層PCILの上に櫛歯状の電極PEを膜厚77nmのITO電極層として形成した。この櫛歯状の電極PEの電極幅、及び電極間隔は共に5μmである。
【0061】
この櫛歯状の電極PEの上に、ポリアミック酸ワニスを印刷により塗布した後に、200℃で焼成し、配向膜AL2を形成した。この配向膜AL2はラビング法により配向制御を施した。
【0062】
第一の基板SU1には、図示されていないが、カラーフィルタなどを形成した後、第二の基板SU2と同様に、配向膜AL1を形成、さらに、ラビング法により配向制御を施した。これらの2枚の基板を、スペーサーと周辺部のシール剤とを介在させかつ、第一の配向膜AL1及び第二の配向膜AL2の配向方向が平行をなすようにセルを組み立てた。
【0063】
さらにこのセルに後述の液晶組成物を真空で封入し、紫外線硬化型樹脂からなる封止剤で封止して液晶パネルを製作した。
【0064】
この時、液晶層LCLの厚み(ギャップ)は、上記のスペーサーにより、液晶封入状態で3.0μmとなるように調節した。
【0065】
次に、このパネルを第一の偏光板PL1及び第二の偏光板PL2(日東電工社製SEG1224DU)で挟み、一方の偏光板の偏光透過軸を他方のそれに直交させるように配置した。この時,一方の偏光板の偏光透過軸は、第一の配向膜AL1及び第二の配向膜AL2の配向方向に平行をなす方向とした。
【0066】
次に、上記ベタ状の電極CE及び櫛歯状の電極PEに交流駆動電圧ACVが加わるように駆動回路を接続、その後、バックライトなどを接続したモジュール化し、液晶表示装置を得た。
【0067】
前記液晶表示装置の液晶層LCLには、母体液晶組成物ZLI−1565(メルク社製)に〔化1〕に示す構造の化合物を10重量%添加し調整した液晶組成物を用いた。
【0068】
〔化1〕に示す構造の化合物は、市販品でないため合成して得たものを使用した。この合成方法は、本発明の骨子および実施の形態には関係しないので詳細は省略するが、以下の手順に従うことにより得た。4‘−ペンチル−ビフェニル−4−カルボン酸(アルドリッチ社製)をクロロホルム中にて塩化チオニルを用いて、酸塩化物とした。これを濃縮乾固させたものを、トリフルオロメチルフェノール(アルドリッチ社製)と反応させ目的物を抽出した。
【0069】
このZLI−1565と〔化1〕に示す化合物を含む液晶組成物を用いた液晶表示装置は、フリッカの発生および透過率の低下がなく、良好な表示を実現することができた。
【0070】
〔化1〕

本実施例では、構造群1に示される化合物の代表として〔化1〕を使用したが、その他の構造でも効果が確認できた。
【0071】
〔実施例2〕
前記液晶表示装置の液晶層LCLとして、母体液晶組成物ZLI−1565(メルク社製)に〔化2〕に示す構造の化合物を10重量%添加し調整した液晶組成物を用いた。なお〔化2〕に示す構造の化合物も、市販品でないため合成して得たものを使用した。この合成方法は、本発明の骨子には関係しないので詳細は省略するが、実施例1に記載の方法においてトリフルオロメチルフェノールの代わりにトリフルオロメトキシフェノールを用いる以外は、ほぼ同様にして得た。
【0072】
このZLI−1565と〔化2〕に示す化合物を含む液晶組成物を用いた液晶表示装置は、フリッカの発生および透過率の低下がなく、良好な表示を実現することができた。
【0073】
〔化2〕

〔実施例3〕
前記液晶表示装置の液晶層LCLとして、母体液晶組成物ZLI−1565(メルク社製)に〔化3〕に示す構造の化合物を10重量%添加し調整した液晶組成物を用いた。なお〔化3〕に示す構造の化合物も、市販品でないため合成して得たものを使用した。この合成方法は、本発明の骨子には関係しないので詳細は省略するが、まず、1−エチニル−3,5−ジフルオロベンゼン(アルドリッチ社製)をパラジウム-炭素触媒により、1−エチル−3,5−ジフルオロベンゼンとした。これをトルエン溶媒化でn−ブチルリチウム、ジブロモジフルオロエタン(いずれもアルドリッチ社製)と−70℃にて反応させ、ここで得られる反応物とトリフルオロメトキシフェノールを反応させることにより〔化3〕に示す化合物を得た。
【0074】
このZLI−1565と〔化3〕に示す化合物を含む液晶組成物を用いた液晶表示装置は、フリッカの発生および透過率の低下がなく、良好な表示を実現することができた。
【0075】
〔化3〕

実施例2,3では、構造群2に示される化合物の代表として〔化3〕を使用したが、その他の構造でも同様に効果を確認できた。
【0076】
〔比較例1〕
前記液晶表示装置の液晶層LCLとして、母体液晶組成物ZLI−1565(メルク社製)に〔化4〕に示す構造の化合物を10重量%添加し調整した液晶組成物を用いた。なお〔化4〕に示す構造の化合物も、市販品でないため合成して得たものを使用した。この合成方法は、本発明の骨子には関係しないので詳細は省略するが、実施例1に記載の方法においてトリフルオロメチルフェノールの代わりにトリフルオロフェノールを用いる以外は、ほぼ同様にして得た。
【0077】
このZLI−1565と〔化4〕に示す化合物を含む液晶組成物を用いた液晶表示装置ではフリッカが発生し、この結果、透過率が低下した。
【0078】
〔化4〕

〔実施例4〕
前記液晶表示装置の液晶層LCLとして、母体液晶組成物ZLI−1565(メルク社製)に〔化1〕および〔化2〕に示す構造の化合物をそれぞれ20重量%、総含有量として40重量%添加した液晶組成物を用いた。この液晶組成物を用いた液晶表示装置は、フリッカの発生および透過率の低下がなく、良好な表示を実現することが出来た。また長期にわたって使用したが、表示不良なく使用することができた。
【0079】
〔比較例2〕
前記液晶表示装置の液晶層LCLとして、母体液晶組成物物ZLI−1565(メルク社製)に〔化1〕および〔化2〕に示す構造の化合物をそれぞれ25重量%、総含有量として50重量%添加した液晶組成物を用いた。この液晶組成物は、調整した段階で液晶材料の結晶が析出し、〔化1〕および〔化2〕を均一に溶解させることができなかった。
【0080】
〔実施例5〕
本実施例では、比較例1のフリッカが発生し、透過率が低下した液晶表示装置の液晶組成物中に、〔化101〕に示す構造の化合物を添加した。
【0081】
〔化101〕

〔化101〕に示す構造の化合物は、市販品でないため、合成して得たものを使用した。この合成方法は、本発明の骨子、及び実施の形態には関係しないので詳細は省略するが、以下の手順に従うことにより得た。4-フルオロ-4’-ヒドロキシビフェニルと炭酸カリウム存在下で、1,4-ジブロモ-2-ブテンと反応させて、目的の〔化101〕に示す化合物を得た。この〔化101〕の化合物を、比較例1に記載の液晶組成物中に添加した液晶組成物を用いて、実施例1に記載の方法と同様の方法で液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、比較例1に記載の液晶表示装置と比較し、あきらかにフリッカの発生が抑制され、透過率が向上した。
【0082】
〔実施例6〕
本実施例では、比較例1のフリッカが発生し、透過率が低下した液晶表示装置の液晶組成物中に、〔化102〕に示す構造の化合物を添加した。
【0083】
〔化102〕

〔化102〕に示す構造の化合物は、市販品でないため、合成して得たものを使用した。この合成方法は、本発明の骨子および実施の形態には関係しないので詳細は省略するが、以下の手順に従うことにより得た。3,4,5-トリフルオロフェノールと炭酸カリウム存在下で、1,5-ジブロモペンタンと反応させて、目的の〔化102〕に示す化合物を得た。この〔化102〕の化合物を、比較例1に記載の液晶組成物中に添加した液晶組成物を用いて、実施例1に記載の方法と同様の方法で液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、比較例1に記載の液晶表示装置と比較し、あきらかにフリッカの発生が抑制され、透過率が向上した。
【0084】
実施例5、及び6では、構造群3に示される化合物の代表として〔化101〕、〔化102〕を使用したが、その他の構造でも効果が確認できた。
【0085】
〔実施例7〕
本実施例では、比較例1のフリッカが発生し、透過率が低下した液晶表示装置の液晶組成物中に、〔化103〕に示す構造の化合物を添加した。
【0086】
〔化103〕

〔化103〕に示す構造の化合物は、市販品でないため、合成して得たものを使用した。この合成方法は、本発明の骨子および実施の形態には関係しないので詳細は省略するが、以下の手順に従うことにより得た。公知の方法により合成した、2,6-ジフルオロ-4-(4-ペンチルシクロヘキシル)-フェノールと炭酸カリウム存在下で、1-ブロモペンタンと反応させて、目的の〔化103〕に示す化合物を得た。この〔化103〕の化合物を、比較例1に記載の液晶組成物中に添加した液晶組成物を用いて、実施例1に記載の方法と同様の方法で液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、比較例1に記載の液晶表示装置と比較し、あきらかにフリッカの発生が抑制され、透過率が向上した。
【0087】
本実施例では、構造群4に示される化合物の代表として〔化103〕を使用したが、その他の構造でも効果が確認できた。
【0088】
〔実施例8〕
本実施例では、〔比較例1〕のフリッカが発生し、透過率が低下した液晶表示装置の液晶組成物中に〔化201〕に示す構造の化合物を添加し、液晶表示装置を作製した。
【0089】
〔化201〕

この液晶表示装置の表示特性を評価したところ、フリッカの発生および透過率の低下がなく、良好な表示を実現することができた。
【0090】
本実施例では、構造群5に示される化合物の代表として〔化201〕を使用したが、その他の構造でも効果が確認できた。
【0091】
〔実施例9〕
本実施例では、〔比較例1〕のフリッカが発生し、透過率が低下した液晶表示装置の液晶組成物中に〔化202〕に示す構造の化合物を添加し、液晶表示装置を作製した。
【0092】
〔化202〕

この液晶表示装置の表示特性を評価したところ、フリッカの発生および透過率の低下がなく、良好な表示を実現することができた。
【0093】
本実施例では、構造群5に示される化合物の代表として〔化202〕を使用したが、その他の構造でも効果が確認できた。
【0094】
〔実施例10〕
本実施例では、〔比較例1〕のフリッカが発生し、透過率が低下した液晶表示装置の液晶組成物中に〔化203〕に示す構造の化合物を添加し、液晶表示装置を作製した。
【0095】
〔化203〕

この液晶表示装置の表示特性を評価したところ、フリッカの発生および透過率の低下がなく、良好な表示を実現することができた。
【0096】
本実施例では、構造群5に示される化合物の代表として〔化203〕を使用したが、その他の構造でも効果が確認できた。
【0097】
なお、本発明は、表示領域内に電極端部を有する液晶表示装置であれば、IPS方式やVA方式のみならず、例えばTN(Twisted Nematic)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式などの他の表示方式にも適用することが可能である。
【0098】
ここで、表示領域内に電極端部を有する電極とは、くし歯状に形成した電極、もしくはスリットを形成した電極、あるいは、表示領域内の電極面内任意の箇所に電極を除去して得られる孔を形成した電極か、同じく電極面内任意の箇所に突起物を形成した電極のいずれかの構成である。このいずれかの構成を取る液晶表示装置であれば、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の液晶表示装置の画素構造を示す断面図である。
【図2】本発明の液晶表示装置の画素構造を示す断面図である。
【図3】本発明の液晶表示装置の画素構造を示す平面図である。
【図4】本発明の液晶表示装置の画素構造を示す平面図である。
【図5】IPS−Pro構造における液晶層の電界応答を示す図である。
【図6】フレクソ分極の発生機構を示す図である。
【図7】AS−IPS構造の画素構造を示す平面図である。
【図8】AS−IPS構造における液晶層の電界応答を示す図である。
【図9】本発明の実施の効果を示す図である。
【図10】本発明の実施の効果を示す図である。
【図11】本発明の実施の効果を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
PL1…………第一の偏光板
PL2…………第二の偏光板
SUB1………第一の基板
SUB2………第二の基板
LL……………平坦化層
AL1…………第一の配向膜、
LCL…………液晶層
AL2…………第二の配向膜、
GL……………走査配線
CF……………カラーフィルタ
BM……………ブラックマトリクス
PCIL………層間絶縁膜
CE……………共通電極
CEIL………共通電極絶縁膜
GIL…………走査配線絶縁膜
PE……………画素電極
CH……………コンタクトホール
SE……………ソース配線
SL……………信号配線
TFT…………アクティブ素子
EF……………電気力線
FP……………フレクソ分極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、
前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、
前記画素電極及び前記共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、
前記液晶層中に、下記式1で表される化合物を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶表示装置。
〔式1〕

Xは、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基を表す。P1からP6までは、それぞれ独立に水素原子もしくはフッ素原子を表し、P1、及びP2のいずれか一方は水素原子である。また、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基を表す。さらにA、及びBはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-、あるいは単結合を表す。nは、0もしくは1を表す。また、六員環Zは、シクロヘキサン環、及びベンゼン環のいずれかであり、シクロヘキサン環の場合は、P5、及びP6は水素原子である。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記液晶層における前記式1で表される化合物の総含有量は、40重量%以下であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、
前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、
前記画素電極及び前記共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、
前記液晶層中に、下記式2で表される化合物を含有することを特徴とする液晶表示装置。
〔式2〕 Z1−R−Z2
式中、Z1、Z2は環状構造を有する有機基で、ハロゲン基、ハロゲン含有基、シアノ基によって置換されている。Rはアルキレン基、アルキレングリコキシ基、アルケニレン基、アルケニレングリコキシ基のいずれかを表す。
【請求項4】
第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、
前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、
前記画素電極及び前記共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、
前記液晶層中に、下記式3及び下記式4のいずれかで表される化合物を含有することを特徴とする液晶表示装置。
〔式3〕

〔式4〕

式中、X1、X2はフッ素、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、もしくはシアノ基を示す。P1からP12はそれぞれ独立に水素原子もしくはフッ素原子を表す。六員環Zは、シクロヘキサン環、ベンゼン環のいずれかであり、六員環Zがシクロヘキサン環の場合は、P5、P6、P11、P12は水素原子である。Rはアルキレン基、アルキレングリコキシ基、アルケニレン基、アルケニレングリコキシ基のいずれかを表す。A、Bはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-あるいは単結合を表す。m、nは、0もしくは1を表す。
【請求項5】
第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、
前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、
前記画素電極及び前記共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、
前記液晶層中に下記式5で表される化合物を含有することを特徴とする液晶表示装置。
〔式5〕 R1−Z−R2
式中、Zは環状構造を有する有機基で、ハロゲン基、ハロゲン含有基、シアノ基によって置換されている。R1、R2はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基のいずれかを表す。
【請求項6】
第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、
前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、
前記画素電極及び前記共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、
前記液晶層中に、下記式6及び下記式7のいずれかで表される化合物を含有することを特徴とする液晶表示装置。
〔式6〕

〔式7〕

式中、P1からP12はそれぞれ独立に水素原子もしくはフッ素原子を表し、少なくとも一つはフッ素原子である。六員環Zは、シクロヘキサン環、ベンゼン環のいずれかであり、六員間Zがシクロヘキサン環の場合は、P5〜P8、P9〜P12、は水素原子である。さらに、P1、P2、P5、P6、P9、P10のいずれかと、P3、P4、P7、P8、P11、P12のいずれかは、同時にフッ素原子ではない。またR1、R2は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基のいずれかを表す。さらにA、Bはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-あるいは単結合を表す。m、nは、0もしくは1を表す。
【請求項7】
第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、
前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、
前記画素電極及び前記共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、
前記液晶層中に、下記式8で表される化合物を含有することを特徴とする液晶表示装置。
〔式8〕

式中、Xは水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、もしくはシアノ基を示し、R1は直鎖状アルキル基、R2からR4はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基のいずれかを表す。さらにA、Bはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-、-NN-、-CHN-あるいは単結合を表す。mは、0もしくは1を表す。また六員環Zは、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環のいずれかである。
【請求項8】
第一の基板と第二の基板の間に挟持された液晶層と、
前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置された画素電極及び共通電極とを有し、
前記画素電極及び前記共通電極のうち少なくとも一方の電極は、表示領域内に電極端部を有し、
前記液晶層中に、下記式9で表される化合物を含有することを特徴とする液晶表示装置。
〔式9〕

式中、X1、X2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、もしくはシアノ基を示し、R1、R2は水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基のいずれかを表す。さらにA、Bはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-、-NN-、-CHN-、シクロヘキサン環、ベンゼン環あるいは単結合を表す。また六員環Zは、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環のいずれかである。
【請求項9】
請求項7または8に記載の液晶表示装置において、
前記液晶層中に、下記式10で表される化合物を含有することを特徴とする液晶表示装置。
〔式10〕

式中、Xは少なくとも一つはフッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基であり、その他は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基である。さらにA、Bはそれぞれ独立に、-COO-、-CHCH-、-CC-、-CH2CH2-、-CH2O-、-CF2O-、-NN-、-CHN-あるいは単結合を表す。mは、0もしくは1を表す。また六員環Zは、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環のいずれかである。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の液晶表示装置において、
前記画素電極及び前記共通電極は、前期第二の基板と前記液晶層との間に配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の液晶表示装置において、
前記画素電極及び前記共通電極のうち少なくとも一方の電極は、櫛歯状に形成されたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項12】
請求項1乃至9のいずれかに記載の液晶表示装置において、
前記画素電極及び前記共通電極のうちどちらか一方の電極は、前期第二の基板と前記液晶層との間に配置され、
他方の電極は、前期第一の基板と前記液晶層との間に配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項13】
請求項12に記載の液晶表示装置において、
前記画素電極及び前記共通電極のうち少なくとも一方の電極は、櫛歯状に形成されたことを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−203426(P2009−203426A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49830(P2008−49830)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】