説明

液晶装置および電子機器、液晶装置の製造方法

【課題】位相差層の外周部における光漏れが低減された見映えのよい半透過反射型の液晶装置、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】本適用例の液晶装置100は、素子基板10と対向基板20との間に挟持された液晶層50と、反射表示領域R及び透過表示領域Tを含む複数のサブ画素SGと、対向基板20の反射表示領域Rに形成された位相差層26とを有し、位相差層26の端部が傾斜領域を有し、当該傾斜領域と平面的に重なるように遮光部としての隔壁部61が設けられ、位相差層26の断面において端部の傾斜角度を、対向基板20の位相差層形成面に対して60°以下とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半透過反射型の液晶装置および電子機器、液晶装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半透過反射型の液晶装置としては、液晶層と、該液晶層を挟持する第1の基板および第2の基板とからなり、一画素内に反射表示部と透過表示部とを有し、反射表示部における液晶層のリタデーションが4分の1波長であり、位相差板のリタデーションが2分の1波長である液晶表示装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
上記液晶表示装置は、所謂半透過型IPS方式を採用しており、上記光学設計とすることにより、透過型IPS方式と同等な広視野角を実現できるとしている。
【0004】
上記液晶表示装置では、液晶層に面する側に位相差膜(位相差板)が形成されている。このような内蔵型の位相差膜の形成方法として、特許文献1では、高分子液晶ポリマーと感光性樹脂との混合物を基板上に塗布して写真食刻法によりパターニングする例が挙げられている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−338256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の位相差膜の形成方法では、写真食刻法によりパターニングすると、位相差膜の外周部において、層厚が変化することがあった。これにより、層厚変化に起因する位相差値の変化が発生して、実際の表示において、光漏れによるコントラストの低下を招くおそれがあった。
【0007】
また、液晶分子を所定の方向に配向させるために配向膜をラビングにより配向処理すると、位相差膜の外周部において、位相差膜の剥れなどのラビング不良が発生し易いという課題があった。このラビング不良は、同様にコントラストの低下を招くおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]本適用例の液晶装置は、一対の基板間に挟持された液晶層と、反射表示領域及び透過表示領域を含む複数の画素と、前記一対の基板のうち一方の基板の前記反射表示領域に形成された位相差層と、を有する液晶装置であって、前記位相差層の端部は傾斜領域を有し、前記傾斜領域と平面的に重なるように遮光部が設けられ、前記位相差層の断面において前記端部の傾斜角度は、前記基板の位相差層形成面に対して60°以下であることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、位相差層の端部が60°以下の傾斜角度で傾斜しているので、ラビング不良が発生し難い。また、位相差層の端部の傾斜領域が遮光部と平面的に重なっているので、光漏れが発生してもコントラスト低下を招くことを防止することができる。すなわち、所望の光学特性が得られる半透過反射型の液晶装置を提供することができる。
【0011】
[適用例2]上記適用例の液晶装置において、前記端部の傾斜角度は、前記基板の位相差層形成面に対して30°以下であることが好ましい。
これによれば、位相差層の端部におけるラビング不良をより低減することができる。
【0012】
[適用例3]上記適用例の液晶装置において、前記位相差層は、複数の前記反射表示領域に亘って延在するように設けられ、前記端部の前記傾斜領域は、前記複数の画素外に設けられた前記遮光部と平面的に重なっているとしてもよい。
これによれば、位相差層の延在方向において当該端部の数が減る。したがって、よりコントラスト低下が起き難い半透過反射型の液晶装置を提供することができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例の液晶装置において、前記位相差層を覆う液晶層厚調整層をさらに備え、前記液晶層厚調整層の端部が前記傾斜領域を有しているとしてもよい。
これによれば、液晶層厚調整層を位相差層を覆うように設けることにより、位相差層を保護すると共に、適正な反射表示が可能な光学設計を実現することができる。
【0014】
[適用例5]本適用例の電子機器は、上記適用例の液晶装置を備えることを特徴とする。この構成によれば、優れた表示品質を有する電子機器を提供することができる。
【0015】
[適用例6]本適用例の液晶装置の製造方法は、一対の基板間に挟持された液晶層と、反射表示領域及び透過表示領域を含む複数の画素と、前記複数の画素を囲むと共に前記画素内において前記反射表示領域と前記透過表示領域とを仕切る遮光部と、位相差層と、を有する液晶装置の製造方法であって、前記一対の基板のうち一方の基板の前記反射表示領域に前記位相差層を形成する位相差層形成工程を備え、前記位相差層形成工程は、前記遮光部が形成された領域に前記位相差層の端部が前記基板の位相差層形成面に対して60°以下に傾斜する傾斜領域を有するように成形する成形工程を含むことを特徴とする。
【0016】
この方法によれば、成形工程では、位相差層の端部が60°以下の傾斜角度で傾斜するように成形するので、ラビング不良が発生し難い。また、位相差層の端部の傾斜領域が画素内に設けられた遮光部と平面的に重なっているので、光漏れが発生してもコントラスト低下を招くことを防止することができる。すなわち、所望の光学特性が得られる半透過反射型の液晶装置を歩留りよく製造することができる。
【0017】
[適用例7]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記成形工程は、前記位相差層の端部が前記基板の位相差層形成面に対して30°以下に傾斜する傾斜領域を有するように成形することが好ましい。
この方法によれば、位相差層の端部におけるラビング不良をより低減することができる。すなわち、より高い歩留りで液晶装置を製造することができる。
【0018】
[適用例8]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記位相差層形成工程は、複数の前記反射表示領域に亘って延在するように前記位相差層を形成すると共に、前記位相差層の端部の傾斜領域が前記複数の画素外に設けられた前記遮光部と平面的に重なるように形成することが好ましい。
この方法によれば、位相差層の延在方向において当該端部の数が減る。したがって、よりコントラスト低下が起き難い半透過反射型の液晶装置を製造することができる。
【0019】
[適用例9]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記成形工程は、前記位相差層を加熱する加熱工程であることを特徴とする。
この方法によれば、位相差層に熱を加えることにより、その端部の傾斜を緩やかにすることができる。また、加熱条件を調整することにより傾斜角度を調整可能である。
【0020】
[適用例10]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記位相差層形成工程は、位相差層形成材料を含む液状体を塗布する塗布工程と、塗布された液状体を乾燥して前記位相差層を形成する乾燥工程とを含み、前記乾燥工程は、前記加熱工程を兼ねるとしてもよい。
この方法によれば、塗布された液状体の表面張力と界面張力とにより、塗布領域の周辺すなわち位相差層の端部を容易に傾斜させることができる。また、乾燥工程における乾燥条件を調整することにより、傾斜角度を調整することができる。
【0021】
[適用例11]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記位相差層を覆い、前記反射表示領域における前記液晶層の厚みを調整する液晶層厚調整層を形成する工程をさらに備えてもよい。
この方法によれば、位相差層を覆う液晶層厚調整層を形成することにより、液晶層厚調整層の端部も傾斜させることができる。すなわち、適正な反射表示が可能であると共に、コントラスト低下を招き難い半透過反射型の液晶装置を製造することができる。
【0022】
[適用例12]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記一対の基板のうちいずれか一方の基板の前記複数の画素を区画すると共に、前記反射表示領域と前記透過表示領域とを仕切るように前記遮光部としての隔壁部を形成する隔壁部形成工程と、前記隔壁部で区画された前記複数の画素に少なくとも3色の着色層を形成するカラーフィルタ形成工程と、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、フォトリソグラフィ法に比べて複数の画素に着色層を効率よく形成し、安定したコントラストが得られカラー表示が可能な半透過反射型の液晶装置を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。
【0024】
(実施形態1)
<液晶装置>
まず、本実施形態の液晶装置について図1〜図4を参照して説明する。図1は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の液晶装置100は、複数のサブ画素SGを有している。各サブ画素SGは、画素電極9と、共通電極19と、画素電極9をスイッチング制御するためのTFT(Thin Film Transistor)30とを有している。画素電極9と共通電極19との間には液晶層50が介在している。共通電極19は走査線駆動回路90から延びる共通線3bと電気的に接続されており、各サブ画素SGにおいて共通の電位に保持されるようになっている。
【0026】
データ線駆動回路70から延びるデータ線6aがTFT30のソースと電気的に接続されている。データ線駆動回路70は、画像信号S1,S2,…,Snを、データ線6aを介して各サブ画素SGに供給する。画像信号S1〜Snはこの順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループごとに供給するようにしてもよい。
【0027】
また、TFT30のゲートには、走査線駆動回路90から延びる走査線3aが電気的に接続されている。走査線駆動回路90から所定のタイミングで走査線3aにパルス的に供給される走査信号G1,G2,…,Gmが、この順に線順次でTFT30のゲートに印加されるようになっている。画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されている。
【0028】
スイッチング素子であるTFT30が走査信号G1,G2,…,Gmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号S1,S2,…,Snが所定のタイミングで画素電極9に書き込まれるようになっている。画素電極9を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号S1,S2,…,Snは、画素電極9と液晶層50を介して対向する共通電極19との間で一定期間保持される。
【0029】
図2は、画素の構造を示す概略平面図である。図2に示すように、液晶装置100は、R(赤)、G(緑)、B(青)、3色のカラーフィルタ22(フィルタエレメントとしての着色層22R,22G,22B)に対応する3つのサブ画素SGにより構成された複数の画素を有している。各サブ画素SGには、略梯子状に形成された複数のスリット(隙間)29を有する矩形の画素電極9が設けられている。画素電極9の外周を取り囲むようにして、走査線3aと共通線3bと複数のデータ線6aとが配置されている。
走査線3aとデータ線6aとの交差部近傍にTFT30が形成されており、TFT30はデータ線6aおよび画素電極9と電気的に接続されている。また、画素電極9と平面視でほぼ重なる位置に矩形状の共通電極19が形成されている。
【0030】
画素電極9は、ITOなどの透明導電材料からなる導電膜である。1つのサブ画素SGの画素電極9に17本のスリット29が形成されている。各スリット29は、走査線3aおよびデータ線6aの双方と交差する方向(図中斜め方向)に延びて、Y軸方向において等間隔に配列するように形成されている。各スリット29は略同一の幅に形成され、互いに平行である。これにより、画素電極9は、複数本(図示では16本)の帯状電極部9cを有することになる。スリット29が一定の幅を有して等間隔で配列していることから、帯状電極部9cも一定の幅を有して等間隔で配列している。本実施形態では、スリット29の幅と帯状電極部9cの幅はいずれも4μmである。
【0031】
共通電極19は、ITOなどの透明導電材料からなる平面視ほぼ矩形状の透明共通電極19tと、アルミニウムや銀などの光反射性を有する金属材料からなる平面視ほぼ矩形状の反射共通電極19rとからなる。透明共通電極19tと反射共通電極19rとは、互いの辺端部において電気的に接続されている。
反射共通電極19rは、走査線3aと平行に延びる共通線3bと一体に形成されている。したがって、透明共通電極19tと反射共通電極19rとからなる共通電極19は共通線3bと電気的に接続されている。
反射共通電極19rの形成領域が当該サブ画素SGの反射表示領域Rを構成しており、透明共通電極19tの形成領域が透過表示領域Tを構成している。すなわち、液晶装置100は、反射共通電極19rが反射層として機能し、各サブ画素SG内に反射表示領域Rおよび透過表示領域Tを備えている。
【0032】
なお、共通線3bと反射共通電極19rとを別々の導電膜を用いて形成し、これらを電気的に接続してもよい。その方法としては、反射共通電極19rと共通線3bとを層間絶縁膜を介して異なる配線層に形成し、層間絶縁膜に開口したコンタクトホールを介して両者を接続する方法が挙げられる。また、透明共通電極19tが反射共通電極19rを覆って形成されていてもよい。
【0033】
TFT30は、走査線3a上に部分的に形成された島状のアモルファスシリコン膜からなる半導体層35と、データ線6aを分岐して半導体層35上に延出されたソース電極31と、半導体層35上から画素電極9の形成領域に延びる矩形状のドレイン電極32とを備えている。
走査線3aは、半導体層35と対向する位置でTFT30のゲート電極として機能する。ドレイン電極32と画素電極9とは、両者が平面的に重なる位置に形成された画素コンタクトホール47を介して電気的に接続されている。
なお、図示のサブ画素SGにおいて、画素電極9と共通電極19とが平面視で重なる領域が、当該サブ画素SGの容量として機能するので、画像信号を保持するために別途保持容量をサブ画素SGの形成領域内に設ける必要が無く、高い開口率を得ることができる。
【0034】
図3を参照して、液晶装置100の構造をさらに詳しく説明する。図3は、液晶装置の構造を示す概略断面図である。詳しくは、同図(a)は、図2のA−A'線で切った断面図、同図(b)は、図2のB−B'線で切った断面図である。
【0035】
図3(a)に示すように、液晶装置100は、一対の基板である対向基板20と、画素電極9および共通電極19を有する素子基板10とにより、液晶層50を挟持している。対向基板20は、カラーフィルタ22と、カラーフィルタ22(着色層22G)をサブ画素SGごと(色ごと)に区画する遮光部としての隔壁部61とを備えている。
隔壁部61は、サブ画素SG内において反射表示領域Rと透過表示領域Tとを仕切る位置にも設けられている。
カラーフィルタ22上(液晶層50側)には、反射表示領域Rに対応して位相差層26(26G)と液晶層厚調整層27(27G)とが選択的に形成されている。したがって、透過表示領域Tの液晶層50の厚みdに対して反射表示領域Rにおける液晶層50の厚みが薄くなっており、本実施形態では、およそd/2、すなわち、半分となっている。
【0036】
このように反射表示を行う液晶装置100では、光学設計上、反射黒表示を行う際に反射共通電極19rに到達する外光がすべての可視波長域で略円偏光である必要がある。反射共通電極19rに到達した外光が楕円偏光であると黒表示に色付きが生じ、高コントラストな反射表示を得ることが困難になるからである。
そこで本実施形態では、反射表示領域Rに選択的に位相差層26と液晶層厚調整層27とを平面視で隔壁部61(遮光領域60)にこれらの端部が重なるように形成し、且つ反射表示領域Rにおけるセル厚が透過表示領域Tに比して薄くなるように構成している。これにより、上偏光板24と位相差層26と反射表示領域R内の液晶層50とで広帯域円偏光を作り出せるようにして反射共通電極19rに到達する外光をすべての可視波長域で円偏光に近づけている。
【0037】
透明なガラスなどからなる素子基板10上には、走査線3a、共通電極19および共通線3bが形成されている。これらの走査線3a、共通電極19および共通線3bを覆って、シリコン酸化物膜などからなる絶縁薄膜11が形成されている。絶縁薄膜11上には、TFT30を構成する島状の半導体層35と、半導体層35と一部が重なるようにソース電極31(データ線6a)と、ドレイン電極32とが形成されている。これらの半導体層35、ソース電極31およびドレイン電極32を覆って、シリコン酸化物膜や樹脂膜からなる層間絶縁膜12が形成されている。層間絶縁膜12上には、画素電極9が形成され、層間絶縁膜12を貫通してドレイン電極32に達する画素コンタクトホール47を介して、画素電極9とドレイン電極32とが電気的に接続されている。共通電極19における透明共通電極19tと反射共通電極19rの境界は、反射表示領域Rと透過表示領域Tとを仕切る隔壁部61の直下に位置している。
【0038】
画素電極9を覆って、ポリイミドなどからなる配向膜18が形成されている。配向膜18は、ラビング処理などの配向処理が施され、液晶を所定方向に配向させている。本実施形態では、配向膜18による配向規制方向は、走査線3aの延在方向と平行であり、画素電極9のスリット29(図2参照)の延在方向とは交差する方向である。
【0039】
素子基板10と同じく、透明なガラスなどからなる対向基板20上には、液晶層50側に向かってカラーフィルタ22(着色層22G)と、カラーフィルタ22を区画する隔壁部61と、配向膜23と、位相差層26(26G)と、液晶層厚調整層27(27G)と、配向膜28とが形成されている。また、対向基板20の表面(液晶層50側に対して反対側の表面)には、上偏光板24が貼り付けられている。上偏光板24および素子基板10側の下偏光板14の光学的な配置は、クロスニコルとなっている。
【0040】
隔壁部61は、ブラックマトリクス(BM)と呼ばれるものである。その形成方法は、例えば、対向基板20の表面に遮光性材料として黒色顔料などを含む樹脂材料を、オフセットなどの印刷法でパターニングする方法が挙げられる。また、上記樹脂材料として感光性を有するものを選択すれば、全面に塗布された上記樹脂材料をフォトリソグラフィ法でパターニングすることも可能である。本実施形態では、隔壁部61をカラーフィルタ22(着色層22G)を区画するように、その高さを調整する。また、透過表示領域Tと反射表示領域Rとを仕切る隔壁部61のY軸方向における長さ(言い換えれば幅)は、当該隔壁部61の直下に透明共通電極19tと反射共通電極19rの境界が位置するように、素子基板10と対向基板20との組立時のY軸方向の位置精度を考慮して決定することが好ましい。また、位相差層26やこれを覆う液晶層厚調整層27の端部は傾斜領域を有しており、当該傾斜領域がY軸方向において隔壁部61からはみ出さないようにその長さを決定する。言い換えれば、隔壁部61からはみ出さないように当該端部の傾斜角度を管理して、位相差層26および液晶層厚調整層27を形成する。
【0041】
カラーフィルタ22は、各色の着色層形成材料(着色材料)を含む樹脂材料を、上記隔壁部61の開口部を埋めるように形成する。形成方法としては、上記樹脂材料を含む液状体を液滴吐出法(インクジェット法)を用いて塗布し、塗布された液状体を乾燥させてカラーフィルタ22を形成する方法が挙げられる。このような液滴吐出法を用いれば、フォトリソグラフィ法を用いて形成する場合に比べて、隔壁部61によって区画されたサブ画素領域に必要量の上記液状体を無駄なく塗布することが可能である。また、フォトマスクを必要とせず、露光・現像などの製造工程を省くこともできる。
【0042】
位相差層26は、サブ画素SGごとの反射表示領域Rに対応してカラーフィルタ22上に選択的に形成されている。位相差層26は、位相差層26を透過する光に対して略1/2波長(λ/2)の位相差(リタデーション)を付与するものであり、一対の基板により液晶層50を狭持したセルの内面側に設けられた所謂内蔵位相差膜である。
係る位相差層26は、位相差層形成材料としての重合性液晶化合物を含む液状体(有機溶液)を液滴吐出法(インクジェット法)を用いて、反射表示領域Rの配向膜23上に塗布し、所定方向に配向させた状態で固化する方法により形成する。詳しくは、後述する液晶装置の製造方法にて説明する。
なお、重合性液晶化合物の配向方向(位相差層26の遅相軸の方向)を規制する配向膜23は、液晶層50に面する配向膜18,28と同じ膜材料を用いることができる。その場合には、配向膜23の表面をラビングして、配向方向(遅相軸の方向)を定める。
また、配向膜23に限らず、カラーフィルタ22の表面に、シリコン酸化物などを斜め蒸着する方法や、感光性配向膜材料を塗布して、偏光紫外線を照射することにより、光配向させる方法などがある。
【0043】
位相差層26を透過する光に対して付与する位相差の値(以降、位相差値と呼ぶ)は、その構成材料である重合性液晶化合物の種類や、位相差層26の層厚によって調整することができる。本実施形態では、位相差層26のねらいの位相差値は、透過表示領域Tにおける液晶層50の位相差値(λ/2)と同等となっている。なお、波長λは550nmを基準としており、液晶層50の位相差値は、液晶分子の複屈折率Δnにセル厚dを乗ずることにより求められる。よって、反射表示領域Rの液晶層50の位相差値は、λ/4となる。
【0044】
図3(b)に示すように、位相差層26および液晶層厚調整層27は、3色(R,G,B)のカラーフィルタ22に対応する各サブ画素SGの反射表示領域Rに設けられている。
【0045】
カラーフィルタ22における各色の着色層22R,22G,22Bの層厚は、ほぼ同一である。なお、着色層22R,22G,22Bごとに形成された位相差層26の層厚を、色ごとに異ならせてもよい。具体的には、位相差層26R>位相差層26G>位相差層26Bの順とする。これは、着色層22R,22G,22Bごとの吸収波長を考慮して、最適な位相差値が与えられるように、位相差層26の層厚を色ごとに異ならせる。これにより、カラー表示における色純度を改善することができる。
【0046】
また、位相差層26の層厚を色ごとに異ならせた場合には、前述したように反射表示領域Rにおけるセル厚をd/2とするため、液晶層厚調整層27の層厚を色ごとに異ならせる必要がある。具体的には、液晶層厚調整層27の層厚は、液晶層厚調整層27B>液晶層厚調整層27G>液晶層厚調整層27Rの順とする。このような位相差層26、液晶層厚調整層27の厚みの調整は、少なくとも1色(表示色)の着色層に対して行えば、相当の効果を奏する。
【0047】
液晶層厚調整層27は、光透過性かつ等方性を有する樹脂材料が好ましく。位相差層26を覆う保護層として物理的な強度を有することが望ましい。例えば、アクリル系の樹脂材料が好適に用いられる。本実施形態では、サブ画素SGごとの反射表示領域Rに液晶層厚調整層27を選択的に形成するので、やはり液滴吐出法を採用することが好ましい。その場合には、液晶層厚調整層形成材料としての上記樹脂材料を含む液状体を用いる。
【0048】
次に上記液晶装置100について、光学設計の条件をまとめて説明する。図4は、液晶装置の光学設計条件の1例を示す概略図である。図4に示すように液晶装置100の光学設計条件は、上偏光板24の偏光軸と下偏光板14の偏光軸とが直交している。反射表示領域Rに設けられた位相差層26の遅相軸は、上偏光板24の偏光軸に対して22.5度の角度で交差している。遅相軸は、画素電極9に設けられたスリット29(図2参照)に対して45度の角度で交差するように設定されている。液晶層50における液晶分子の遅相軸の配向方向は、画素電極9と共通電極19との間に所定の駆動電圧が印加されないOFF状態では、下偏光板14の偏光軸に対して平行な状態となっている。画素電極9と共通電極19との間に所定の駆動電圧が印加されたON状態では、上偏光板24の偏光軸に対して45度の角度で交差することになる。これにより、OFF状態では、下偏光板14を透過して偏光された透過光(直線偏光)は、液晶層50でλ/2の位相が与えられ、透過光の振動方向が上偏光板24の偏光軸と直交する方向に変換される(吸収軸と平行となる)ので遮光される。一方で反射表示領域Rにおいて上偏光板24を透過して偏光した入射光(直線偏光)は、位相差層26と液晶層50とによりそれぞれλ/2とλ/4の位相が与えられ、可視波長のほぼ全域において略円偏光となって反射共通電極19rに入射する。反射共通電極19rで反射した反射光は、再び上偏光板24に入射する際に上偏光板24の偏光軸に対して垂直な偏光に変換されるため、光が透過しない。したがって、所謂黒表示状態(ノーマリーブラック)となる。ON状態では、液晶分子の遅相軸の配向方向が上偏光板24および下偏光板14それぞれに対して45度となるため、カラーフィルタ22を透過した透過光および反射光の振動方向は上偏光板24の偏光軸と平行となり上偏光板24を透過する。よって、着色層22R,22G,22Bの色に対応したカラー表示状態となる。
【0049】
上記光学設計に基づいて液晶分子の遅相軸の配向方向を所定の方向とするため、前述したように配向膜18,28をそれぞれラビング処理している。ラビング処理方法としては、ラビング用に植毛されたラビング布を円筒状のローラに巻きつけ、ローラを回転させながらラビング布と配向膜18,28とを接触させる回転ラビング法が挙げられる。
【0050】
回転ラビング法では、植毛された毛の長さに応じてラビング布を配向膜18,28に押し付けるようにしてローラを回転させる。このときに発生する摩擦や静電気などによって、配向膜18,28や液晶層厚調整層27、位相差層26が損傷を受けてはいけない。このような損傷が生ずると、配向不良、セル厚ムラ、位相差値の変化となり、惹いてはコントラスト低下に結びつく。したがって、ラビング処理される表面は、凹凸が少なく平坦であることが望ましい。
【0051】
本実施形態の液晶装置100は、反射表示領域Rに選択的に形成された位相差層26および液晶層厚調整層27の端部において傾斜領域を有しているため、ラビング処理による上記損傷が生じ難い。具体的には、上記端部の傾斜角度は対向基板20の位相差層形成面に対して60°以下となっている。表1は、上記端部の傾斜角度と光漏れとの関係を調べた結果を示すものである。
【0052】
【表1】

【0053】
表1によれば、傾斜角度が60°以下ならば光漏れが視認できず、配向不良などを考慮すれば、30°以下とすることがより好ましい。
なお、傾斜角度は、上記端部の傾斜領域における層厚を計測し、層厚が変化している傾斜領域の長さと層厚との関係から求めた。層厚の計測方法としては、触針式により表面の凹凸を計測する方法、レーザ光を用いた測長などが挙げられる。
【0054】
以上、本実施形態の液晶装置100は、サブ画素SGごとに透過表示領域Tと反射表示領域Rとを有し、反射表示領域Rに対応してセル内に位相差層26を有する所謂FFS(Fringe Field Switching)方式と呼ばれるものである。光学設計が最適化され、反射表示領域Rに位相差層26が選択的に形成されている。また、位相差層26の端部が傾斜すると共に、平面視で隔壁部61(遮光領域60)に重なるように形成されている。したがって、位相差層26の外周部における配向不良、セル厚ムラ、位相差値の変化が表示に影響し難い。よって、黒表示時における光漏れによるコントラスト低下が防止され、優れた表示品位の透過表示および反射表示を実現している。
【0055】
<液晶装置の製造方法>
次に、本実施形態の液晶装置の製造方法について説明する。図5は液晶装置の製造方法を示すフローチャート、図6(a)〜(f)および図7(g)〜(j)は液晶装置の製造方法を示す概略断面図である。
【0056】
図5に示すように、本実施形態の液晶装置100の製造方法は、遮光部としての隔壁部61を形成する隔壁部形成工程(ステップS1)と、隔壁部61で区画された領域にカラーフィルタ22を形成するカラーフィルタ形成工程(ステップS2)とを備えている。第1配向膜としての配向膜23を形成する第1配向膜形成工程(ステップS3)と、位相差層形成材料を含む液状体を塗布する塗布工程および塗布された液状体を乾燥させて位相差層26を形成する乾燥工程を含む位相差層形成工程(ステップS4)とを備えている。また、形成された位相差層26上に液晶層厚調整層27を形成する液晶層厚調整層形成工程(ステップS5)と、第2配向膜としての配向膜28を形成する第2配向膜形成工程(ステップS6)と、素子基板10と対向基板20との間に液晶を充填して組み立てる液晶充填組立工程(ステップS7)とを備えている。
【0057】
図5のステップS1は、隔壁部形成工程である。ステップS1では、図6(a)に示すように、複数の開口部61aを有する隔壁部61を形成する。具体的には、対向基板20の表面に、遮光性を有する隔壁部形成材料をオフセットなどの印刷法を用いて塗布、パターニングする方法、感光性を有する隔壁部形成材料を所定の膜厚で塗布して、露光・現像することによって隔壁部61をパターニングする方法などが挙げられる。隔壁部61は、前述のサブ画素SGを区画して開口すると共に、反射表示領域Rと透過表示領域Tとを仕切るように形成する(図3参照)。隔壁部61の膜厚すなわち高さは、後に形成されるカラーフィルタ22の各着色層22R,22G,22Bを区画可能な高さとなるように調整する。そして、ステップS2へ進む。
【0058】
図5のステップS2は、カラーフィルタ形成工程である。ステップS2では、まず、図6(b)に示すように、着色層形成材料を含む3色の液状体4R,4G,4Bをそれぞれ所望の開口部61a(言い換えればサブ画素領域)に塗布する。本実施形態では、3色の液状体4R,4G,4Bをそれぞれ異なる吐出ヘッド1R,1G,1Bに充填し、各吐出ヘッド1R,1G,1Bと対向基板20とを相対的に走査することにより、各吐出ヘッド1R,1G,1Bに設けられた複数のノズル2から液滴として吐出する。3色の液状体4R,4G,4Bをほぼ同時に吐出してもよいし、個々に吐出してもよい。吐出ヘッド1R,1G,1Bとして例えばインクジェットヘッドを用いれば、必要量の液状体4R,4G,4Bをそれぞれ精度よく、かつ無駄なく所望の開口部61aに塗布することができる。
【0059】
なお、液状体4R,4G,4Bを塗布する前に、隔壁部61が形成された対向基板20の塗布面を親液処理し、隔壁部61を撥液処理することが好ましい。親液処理の方法としては、酸素ガスを処理ガスとするプラズマ処理が挙げられる。また、撥液処理の方法としては、CF4を処理ガスとするプラズマ処理が挙げられる。このような表面処理を施すことにより、ムラなく液状体4R,4G,4Bを開口部61a内に塗布することができる。
【0060】
次に、塗布された液状体4R,4G,4Bを乾燥させ、溶媒成分を除去することにより、図6(c)に示すように赤(R)に対応した着色層22R、緑(G)に対応した着色層22G、青(B)に対応した着色層22Bを、それぞれ所定の層厚(およそ1.5〜2μm)で形成することができる。そして、ステップS3へ進む。
【0061】
図5のステップS3は、第1配向膜形成工程である。ステップS3では、図6(d)に示すように、カラーフィルタ22および隔壁部61を覆うように配向膜23を形成する。配向膜23の形成方法としては、配向膜材料としてのポリイミドやポリアミック酸を含む有機溶液を塗布して、溶媒成分を除去する乾燥・焼成を行うことにより成膜化する。塗布方法としては、スピンコート、スリットコートなどの方法や、オフセットなどの印刷法、液滴吐出法が挙げられる。成膜化した配向膜23は、その表面を一定の方向にラビング処理する。そして、ステップS4へ進む。
【0062】
図5のステップS4は、位相差層形成工程である。ステップS4では、まず、図6(e)に示すように、位相差層形成材料を含む液状体5を反射表示領域Rに塗布する(塗布工程)。この場合も液滴吐出法(インクジェット法)を用い、上記液状体5を吐出ヘッド1に充填し、吐出ヘッド1と対向基板20とを相対的に走査することにより、吐出ヘッド1に設けられた複数のノズル2から液滴として吐出する。なお、配向膜23の表面が液状体5に対して撥液性を示すことが考えられるので、前述したような親液処理を施すことが好ましい。
【0063】
上記液滴吐出法を用いれば、所望の領域に所望の量の液状体5を液滴として吐出可能である。
【0064】
次に、図6(f)に示すように、塗布された液状体5を乾燥させ、固化することにより、各位相差層26R,26G,26Bを形成する(成形工程)。この場合、層厚(塗布量)は、位相差層26Gの位相差値を基準として設定されている。位相差層26Gの層厚は、およそ1.5〜2μmであり、位相差値は、およそ265〜275nmである。なお、層厚の設定は、位相差層形成材料の選択によって左右されることは言うまでもない。
【0065】
位相差層形成材料として重合性液晶化合物を用いる場合の例としては、BASF社製のPaliocolor LC242などが挙げられる。LC242は、光重合タイプの材料である。以下、液状体5の組成について上記LC242を用いた実施例を説明する。
【0066】
(実施例)
位相差層形成材料;LC242、濃度30wt%。
光重合開始剤;2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、具体的には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア907、LC242に対する添加量は3wt%。
溶媒;PGMEA;2−アセトキシ−1−メトキシプロパン、濃度70wt%。
【0067】
溶質としてのLC242は、溶媒であるPGMEAに対して、室温では溶解し難い。そこで、およそ70℃に加温した溶媒に溶質を加えて攪拌し溶解させた。
【0068】
このような液状体5を用い、1滴あたりの吐出量をおよそ10ngとして吐出した。そして、液状体5が塗布された対向基板20を加熱して、液状体5を乾燥させた。乾燥方法としては、加熱したホットプレート上に対向基板20を放置する方法や、乾燥炉を用いる方法が挙げられる。例えば、70℃に加熱したホットプレート上に放置した場合には、数十秒で乾燥させることができる。
【0069】
乾燥して得られた薄膜に、主たる波長が365nmの紫外線を400mJ/cm2の条件で照射することにより、光重合が起こり位相差層26を成膜することができた。なお、紫外線照射を行う際には、窒素(N2)雰囲気下で行うことが望ましい。これにより、大気中の酸素(O2)の影響により光重合が阻害されることを低減することができる。
【0070】
さらに、成膜した位相差層26をおよそ180〜200℃に加熱するポストベーク(加熱処理)を行う。加熱時間は、層厚にも寄るが30分〜1時間である。
【0071】
光重合開始剤は、これに限定されるものではない。紫外線の波長によって、光重合開始剤の紫外線吸収特性が異なるので、紫外線照射装置の波長特性を考慮して光重合開始剤を選ぶと共に、位相差層形成材料に対する添加量を調整することが望ましい。当然ながら位相差層形成材料の化学的な構造を考慮して光重合開始剤を選ぶことは言うまでもない。
【0072】
位相差層形成材料は、上記光重合タイプの重合性液晶化合物に限定されるものではない。例えば、熱重合タイプを採用してもよい。熱重合タイプの場合、所謂フォトリソグラフィ法で位相差層26を形成する場合に比べて、着色し易い感光基を有する感光性材料を用いなくて済むので、成膜後により透明な位相差層26を形成することが可能である。一方、熱重合させるため、加熱によって層厚にばらつきが生ずることを考慮して、加熱条件を設定することが望ましい。そして、ステップS5へ進む。
【0073】
図5のステップS5は、液晶層厚調整層形成工程である。ステップS5では、まず、図7(g)に示すように、液晶層厚調整層形成材料を含む液状体7を反射表示領域Rに塗布する。この場合も液滴吐出法(インクジェット法)を用い、上記液状体7を吐出ヘッド1に充填し、吐出ヘッド1と対向基板20とを相対的に走査することにより、吐出ヘッド1に設けられた複数のノズル2から液滴として吐出する。
【0074】
液晶層厚調整層形成材料としては、前述したように光硬化型のアクリル系樹脂材料を用いる。
【0075】
次に、図7(h)に示すように、紫外線を照射して硬化させ、液晶層厚調整層27R,27G,27Bをそれぞれ形成する。なお、液晶層厚調整層27の厚みは、セル組み立て後の反射表示領域Rにおけるセル厚が、透過表示領域Tのセル厚dの半分となるように設定する。そして、ステップS6へ進む。
【0076】
図5のステップS6は、第2配向膜形成工程である。ステップS6では、図7(i)に示すように、液晶層厚調整層27R,27G,27Bが形成された表面を覆うように第2配向膜としての配向膜28を形成する。配向膜28の形成方法は、ステップS3の配向膜23の形成方法と同様であるため説明を省く。成膜化した配向膜28は、その表面を一定の方向にラビング処理する。そして、ステップS7へ進む。
【0077】
図5のステップS7は、液晶充填組立工程である。ステップS7では、図7(j)に示すように、画素構成要素(画素電極9、共通電極19など)が形成された素子基板10と、対向基板20とを所定の位置で対向させ、シール材を介して接合する。素子基板10と対向基板20との間に液晶を充填して、液晶層50とする。液晶を充填する方法としては、一対の基板の一方に印刷法や吐出法で額縁状にシール材を形成する。これを受け皿に見たてて液晶を真空中で必要量滴下した後に、他方の基板と接合する方法が挙げられる。シール材としては、例えば、熱硬化型のエポキシ系接着剤が好適に用いられる。なお、液晶層50の厚みは、セル組み立て後の反射表示領域Rにおける液晶層50の厚みが、透過表示領域Tの液晶層50の厚みdの半分となるように設定される。
【0078】
このようにしてできたセルの表裏面に上偏光板24と下偏光板14とを貼り付けることにより液晶装置100ができあがる。なお、液晶装置100は、これを駆動する駆動回路と接続され、これを照明するための照明装置を素子基板10の背面側に備えて用いられる。照明装置は、光源としてのLEDや冷陰極管、光源からの光を液晶装置100に導く導光板などを備える。
【0079】
図8は、位相差層の端部を示す概略断面図である。上記液晶装置100の製造工程において、ステップS4の位相差層形成工程では、紫外線照射により成膜した位相差層26をさらにポストベークした。これにより、図8に示すように反射表示領域Rと透過表示領域Tとを仕切る隔壁部61の部位では、位相差層26の端部に傾斜面26aが形成される。傾斜面26aと配向膜面23aとがなす傾斜角度θは、この場合30°以下である。
上記傾斜角度θは、ポストベーク前と比較すると小さくなっている。これは、位相差層26の内部応力が加熱を受けることにより変化したと考えられる。
また、位相差層形成工程では、液状体5を液滴として反射表示領域Rに吐出し、塗布された液状体5を急速に乾燥することにより、位相差層26を形成している。したがって、塗布された液状体5の表面張力と界面張力の作用により、ポストベーク前の傾斜角度θを90°以下の比較的緩やかな角度にすることができる。
【0080】
塗布された液状体5をゆっくり乾燥させると、液状体5中の溶質が塗布領域の外周部に移動し、乾燥後の外周部において層厚が厚くなり易い。そのため、位相差層26の端部において緩やかな傾斜領域を形成することが難しいので、本実施形態では急速に乾燥させている。
【0081】
液晶層厚調整層27は位相差層26を覆うように、また配向膜28は液晶層厚調整層27を覆うように形成する。したがって、位相差層26の傾斜面26aとほぼ同等な傾斜角度θを有する傾斜面27aが液晶層厚調整層27の端部に形成される。同様に位相差層26の傾斜面26aとほぼ同等な傾斜角度θを有する傾斜面28aが配向膜28の端部に形成される。ゆえに、傾斜領域は、配向膜28の端部を含み、30°以下の傾斜となっているため、傾斜角度θが例えば90°以上となっている場合に比べて、ラビング処理による配向不良などの不具合が発生し難い。
【0082】
上記液晶装置100の製造方法によれば、カラーフィルタ形成工程(ステップS2)、位相差層形成工程(ステップS4)、液晶層厚調整層形成工程(ステップS5)が少なくとも液滴吐出法を用いて製造されている。したがって、これらの工程においてフォトリソグラフィ法を用いる場合に比べて、製造工程を簡略化できる。また、各液状体4,5,7をそれぞれ無駄なく使用して、所望の薄膜を形成することができる。さらには、位相差層26の端部が平面視で遮光性を有する隔壁部61(遮光領域60)に重なるように位相差層26が形成されているため、位相差層26の外周部における位相差値が変化しても光漏れが生じ難い。また、当該光漏れが透過表示領域Tに漏れることを防止している。ゆえに、見映えのよい液晶装置100を製造することができる。
【0083】
(実施形態2)
<他の液晶装置>
次に、本実施形態の他の液晶装置について図9を参照して説明する。図9(a)は実施形態2の液晶装置における位相差層の配置を示す概略平面図、同図(b)は概略断面図である。なお、実施形態1の液晶装置100と同じ構成要素は、同じ符号を用いて説明する。
【0084】
図9(a)に示すように、本実施形態の液晶装置200は、複数の反射表示領域Rに亘って形成された位相差層86を有している。言い換えれば、複数のサブ画素SGに亘って帯状に位相差層86が形成されている。表示領域Eは複数のサブ画素SGを有し、これを囲むように遮光部81が設けられている。当該遮光部81からなる遮光領域80は所謂見切り部として機能する。位相差層86は、遮光領域80まで延設されており、その端部86a,86bがそれぞれ遮光領域80内に位置している。
【0085】
図9(b)に示すように、液晶装置200の基本的な構造は、上記実施形態1の液晶装置100と同様であり、対向基板20は、遮光部81と、カラーフィルタ22と、配向膜23と、位相差層86と、液晶層厚調整層87と、配向膜28とを有している。
【0086】
画素電極9および共通電極19を有する素子基板10と対向基板20とはシール材40を介して接合され、当該一対の基板により液晶層50を挟持している。反射表示領域Rにおける液晶層50の厚みは、透過表示領域Tの半分のd/2である。したがって、光学設計も液晶装置100と同じである。
【0087】
遮光部81は、前述したように表示領域Eを囲むように設けられると共に、各サブ画素SGを取り囲むように設けられている。また、図示しないが反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界にも設けられている。
【0088】
遮光部81は、遮光性の金属または金属酸化物からなるブラックマトリクス(BM)である。
【0089】
カラーフィルタ22は、各着色層22R,22G,22Bがサブ画素SGの領域を埋めると共に、各着色層22R,22G,22Bの一部が遮光部81に重畳するように設けられている。
【0090】
位相差層86は複数のサブ画素SGに亘って設けられ、液晶層厚調整層87が位相差層86を覆うように設けられている。配向膜28も液晶層厚調整層87を覆うように設けられている。
【0091】
位相差層86の一方の端部86aは、傾斜面を有しており、その傾斜角度は、配向膜23の形成面に対して60°以下となっている。他方の端部86bも同様である。
【0092】
<他の液晶装置の製造方法>
次に、本実施形態の液晶装置200の製造方法について説明する。
【0093】
遮光部81の形成方法は、対向基板20の表面に金属材料からなる薄膜を形成し、これをフォトリソグラフィ法でパターニングして、サブ画素SGおよび表示領域Eに対応する開口部を形成する。代表的な金属材料としてはCrが挙げられる。遮光部81の膜厚はおよそ0.1〜0.2μmである。
【0094】
カラーフィルタ22の形成方法は、遮光部81が形成された対向基板20の表面に、着色層形成材料を含む感光性樹脂材料を塗布して、同じくフォトリソグラフィ法により各着色層22R,22G,22Bを形成する。塗布方法としてはスピンコート法などが挙げられる。
【0095】
配向膜23の形成方法および配向処理方法は、上記実施形態1のステップS3と同じであるため、説明を省略する。
【0096】
位相差層86の形成方法は、配向処理が施された配向膜23の表面に、例えば、前述したような光重合タイプの重合性液晶化合物を塗布する。塗布方法としてはスピンコート法などが挙げられる。そして、フォトリソグラフィ法で露光・現像することにより、複数のサブ画素SGに亘って帯状にパターニングする。さらに、パターニングされた位相差層86をポストベークする。ポストベークの条件は、温度が180〜200℃、時間が30分から1時間である。これにより、図9(b)に示すように傾斜面を有する一方の端部86aが成形される。他方の端部86bも同様である。
【0097】
液晶層厚調整層87の形成方法は、複数の位相差層86を覆うように、例えば、感光性のアクリル系樹脂材料をスピンコート法を用いて塗布する。そして、フォトリソグラフィ法により、位相差層86と同様に帯状にパターニングする。
【0098】
配向膜28の形成方法および配向処理方法は、上記実施形態1のステップS6と同じであるため、説明を省略する。以下、液晶充填組立工程も同様である。
【0099】
このような液晶装置200および液晶装置200の製造方法によれば、位相差層86は複数の反射表示領域Rに亘って帯状に形成される。したがって、上記実施形態1に比べて、位相差層86の延在方向における端部の数が減少し、配向処理面の凹凸が少なくなるので、ラビング処理による配向不良や位相差層86の損傷をより低減することができる。すなわち、黒表示時における光漏れを低減して、コントラスト低下を防ぎ、見映えのよい半透過反射型の液晶装置200を提供または製造することができる。
【0100】
(実施形態3)
<電子機器>
次に、本実施形態の電子機器としての携帯型電話機について説明する。図10は、携帯型電話機を示す概略斜視図である。
【0101】
図10に示すように、本実施形態の携帯型電話機300は、操作用の入力部と表示部301とを備えた本体を有する。表示部301には、上記液晶装置100または上記液晶装置200とこれを照明する照明装置とが組み込まれている。したがって、照明装置からの透過光を利用した透過表示と、外光などの入射光を利用した反射表示とにより、表示された情報を確認することが可能である。すなわち、屋外など十分な明るさの環境下では、照明装置を駆動せず、反射表示モードにより情報を確認することができる。すなわち、省電力化を実現し、長い電池寿命を有する携帯型電話機300を実現している。
【0102】
携帯型電話機300は、上記実施形態1の液晶装置100または上記実施形態2の液晶装置200を搭載している。したがって、見映えのよい表示品質を有し、コストパフォーマンスに優れた携帯型電話機300を提供することができる。
【0103】
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
【0104】
(変形例1)上記実施形態1の液晶装置100の製造方法または上記実施形態2の液晶装置の製造方法において、位相差層26,86の端部に60°以下の傾斜角度の傾斜面を成形する方法は、ポストベーク(加熱工程)に限定されない。例えば、成膜された位相差層26,86の表面をわずかにエッチングする方法も採用することができる。
また、光重合タイプの重合性液晶化合物を用いた場合には、紫外線照射時に上記端部に相当する領域において、紫外線の照射条件(照射量、照射強度など)を変えて照射する方法も採用することができる。
【0105】
(変形例2)上記実施形態1の液晶装置100において、隔壁部61、位相差層26、液晶層厚調整層27の配置は、これに限定されない。例えば、図3(a)および(b)において、対向基板20側に隔壁部61、カラーフィルタ22を設け、素子基板10側に、位相差層26、液晶層厚調整層27を配置してもよい。このような構成としても同様な効果が得られる。また、対向基板20側の構成が簡素になるので、カラーフィルタ22を備えた原材料基板として、外部メーカーから調達が可能となる。さらには、液晶層厚調整層27は必須ではなく、透過表示領域Tにおける液晶層50の厚みdに対して、反射表示領域Rの厚みがd/2となるように、λ/2の位相差値を与える位相差層26の層厚を調整すればよい。
【0106】
(変形例3)上記実施形態1の液晶装置100において、反射表示領域Rを実現するサブ画素SGの構成は、光反射性を有する反射共通電極19rに限定されない。例えば、透明共通電極19tを平面視で画素電極9と同じ大きさで設け、透明共通電極19tの下層に光反射性を有する反射層を形成してもよい。反射層の形成方法は、例えば複数の凹凸を有する樹脂層上にAl、Agなどの金属薄膜を成膜する方法が挙げられる。このような反射層は反射表示領域Rに対応して形成する。これによれば、反射層で反射した光の指向性を低減してより明るい反射表示を実現できる。
【0107】
(変形例4)上記実施形態2の液晶装置200において、帯状の位相差層86の配置は、これに限定されない。図11(a)および(b)は、帯状の位相差層の配置を示す概略平面図である。帯状の位相差層としては、図11(a)に示すように、Y軸方向に隣接するサブ画素SGの反射表示領域Rに跨るようにX軸方向に延在する位相差層としてもよい。これによれば、図9(a)に示した構成に比べて、Y軸方向に隣接するサブ画素SG間に位相差層86の端部が配置されない。すなわち、Y軸方向に隣接する反射表示領域R間での液晶層50の厚み変化を回避することができる。また、図11(b)に示すように、X軸方向に隣接するサブ画素SGの反射表示領域Rに跨るようにY軸方向に延在する位相差層としてもよい。すなわち、X軸方向に隣接する反射表示領域R間での液晶層50の厚み変化を回避することができる。このように、位相差層を図面上において、横方向(X軸方向)、または縦方向(Y軸方向)のいずれに配置するかは、サブ画素SGの形状により効果的な反射表示領域Rの配置を考慮して、決定すればよい。
【0108】
(変形例5)上記実施形態1の液晶装置100において、3色の着色層22R,22G,22Bの配置は、ストライプ方式に限定されない。図12はカラーフィルタにおける着色層の配置を示す概略平面図である。例えば、図12(a)に示すようなモザイク方式の配置、同図(b)に示すようなデルタ方式の配置においても、上記実施形態1の位相差層26の構成を適用することができる。なお、カラーフィルタ22は、3色に限定されず、R,G,B以外の色を加えた多色構成としてもよい。また、カラーフィルタ22を設けず、所謂白黒表示のみの半透過反射型の液晶パネルにおいても適用可能である。
【0109】
また、上記実施形態2の液晶装置200において、上記デルタ方式のカラーフィルタの配置を適用する場合、図12(b)に示すように位相差層を図面上で縦方向に配置する方法が挙げられる。
【0110】
(変形例6)上記実施形態2の液晶装置200およびその製造方法において、位相差層86を有する対向基板20の構成は、これに限定されない。例えば、遮光部81とカラーフィルタ22とを覆う透明な平坦化層を設け、当該平坦化層上に位相差層86を設ける構成としてもよい。これによれば、図9(b)に示した構造に比べて、表示領域Eの外周部におけるカラーフィルタ22と遮光部81との段差が小さくなるので、この部分に形成される位相差層86の端部の傾斜をより緩やかな構造とすることができる。平坦化層の形成方法としては、液晶層厚調整層87の形成方法と同様な方法が採用可能である。
【0111】
(変形例7)上記実施形態1の液晶装置100および上記実施形態2の液晶装置200は、FFS方式の半透過反射型に限定されない。例えば、IPS方式、VA(Vertical Alignment)方式の半透過反射型の液晶装置にも適用可能である。また、スイッチング素子は、TFT30に限らず、TFD(Thin Film Diode)素子でもよい。さらには、スイッチング素子を備えたアクティブ方式に限定されず、単純マトリクス方式の液晶装置にも適用可能である。
【0112】
(変形例8)上記実施形態3において、液晶装置100または液晶装置200を備えた電子機器は、携帯型電話機300に限定されない。例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、電子手帳、映像情報を表示するビューワーやDVDプレーヤ、携帯型情報端末などの電子機器に搭載すれば、好適である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】実施形態1の液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。
【図2】画素の構造を示す概略平面図。
【図3】(a)は図2のA−A'線で切った液晶装置の構造を示す断面図、(b)は、図2のB−B'線で切った液晶装置の構造を示す断面図。
【図4】液晶装置の光学設計条件の1例を示す概略図。
【図5】液晶装置の製造方法を示すフローチャート。
【図6】(a)〜(f)は液晶装置の製造方法を示す概略断面図。
【図7】(g)〜(j)は液晶装置の製造方法を示す概略断面図。
【図8】位相差層の端部を示す概略断面図。
【図9】(a)は実施形態2の液晶装置の構成を示す概略平面図、(b)は実施形態2の液晶装置の構造を示す概略断面図。
【図10】電子機器としての携帯型電話機を示す概略斜視図。
【図11】(a)および(b)は、帯状の位相差層の配置を示す概略平面図。
【図12】カラーフィルタにおける着色層の配置を示す概略平面図。
【符号の説明】
【0114】
4R,4G,4B…着色層形成材料を含む液状体、5…位相差層形成材料を含む液状体、7…液晶層厚調整層形成材料を含む液状体、20…一方の基板としての対向基板、22…カラーフィルタ、22R,22G,22B…着色層、26,26R,26G,26B…位相差層、27,27R,27G,27B…液晶層厚調整層、50…液晶層、61…遮光部としての隔壁部、81…遮光部、86…位相差層、87…液晶層厚調整層、100…液晶装置、200…液晶装置、300…電子機器としての携帯型電話機、R…反射表示領域、SG…サブ画素、T…透過表示領域、θ…傾斜角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の基板間に挟持された液晶層と、反射表示領域及び透過表示領域を含む複数の画素と、前記一対の基板のうち一方の基板の前記反射表示領域に形成された位相差層と、を有する液晶装置であって、
前記位相差層の端部は傾斜領域を有し、
前記傾斜領域と平面的に重なるように遮光部が設けられ、
前記位相差層の断面において前記端部の傾斜角度は、前記基板の位相差層形成面に対して60°以下であることを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶装置であって、
前記端部の傾斜角度は、前記基板の位相差層形成面に対して30°以下であることを特徴とする液晶装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液晶装置であって、
前記位相差層は、複数の前記反射表示領域に亘って延在するように設けられ、
前記端部の前記傾斜領域は、前記複数の画素外に設けられた前記遮光部と平面的に重なっていることを特徴とする液晶装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶装置であって、
前記位相差層を覆う液晶層厚調整層をさらに備え、
前記液晶層厚調整層の端部が前記傾斜領域を有していることを特徴とする液晶装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の液晶装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
一対の基板間に挟持された液晶層と、反射表示領域及び透過表示領域を含む複数の画素と、前記複数の画素を囲むと共に前記画素内において前記反射表示領域と前記透過表示領域とを仕切る遮光部と、位相差層と、を有する液晶装置の製造方法であって、
前記一対の基板のうち一方の基板の前記反射表示領域に前記位相差層を形成する位相差層形成工程を備え、
前記位相差層形成工程は、前記遮光部が形成された領域に前記位相差層の端部が前記基板の位相差層形成面に対して60°以下に傾斜する傾斜領域を有するように成形する成形工程を含むことを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の液晶装置の製造方法であって、
前記成形工程は、前記位相差層の端部が前記基板の位相差層形成面に対して30°以下に傾斜する傾斜領域を有するように成形することを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の液晶装置の製造方法であって、
前記位相差層形成工程は、複数の前記反射表示領域に亘って延在するように前記位相差層を形成すると共に、前記位相差層の端部の傾斜領域が前記複数の画素外に設けられた前記遮光部と平面的に重なるように形成することを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法であって、
前記成形工程は、前記位相差層を加熱する加熱工程であることを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の液晶装置の製造方法であって、
前記位相差層形成工程は、位相差層形成材料を含む液状体を塗布する塗布工程と、
塗布された液状体を乾燥して前記位相差層を形成する乾燥工程とを含み。
前記乾燥工程は、前記加熱工程を兼ねることを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法であって、
前記位相差層を覆い、前記反射表示領域における前記液晶層の厚みを調整する液晶層厚調整層を形成する工程をさらに備えたことを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項12】
請求項6乃至11のいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法であって、
前記一対の基板のうちいずれか一方の基板の前記複数の画素を区画すると共に、前記反射表示領域と前記透過表示領域とを仕切るように前記遮光部としての隔壁部を形成する隔壁部形成工程と、
前記隔壁部で区画された前記複数の画素に少なくとも3色の着色層を形成するカラーフィルタ形成工程と、を備えたことを特徴とする液晶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−168885(P2009−168885A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4040(P2008−4040)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】