説明

液滴吐出装置

【課題】液状材料を所望の粘度に安定的に低粘度化し、高精度な液滴吐出を実現することができる液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】本発明の液滴吐出装置は、液状材料Lを液滴として吐出するノズル411を備える液滴吐出ヘッド40と、液滴吐出ヘッド40に接続され、液滴吐出ヘッド40に液状材料Lを供給する管体81と、管体81の内周側に設けられ、通電により発熱する発熱体821と、発熱体821に通電する通電手段84とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液滴吐出装置は、液状材料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを備えている(例えば、特許文献1参照)。一般に、液滴吐出ヘッドは、液状材料を貯留するタンクに、供給管を介して接続されており、タンクから供給管を介して液状材料が供給される。
このような液滴吐出装置は、インクジェットプリンターのように民生用として用いられるだけでなく、産業用としても用いられている。産業用の液滴吐出装置では、例えば、液晶表示装置におけるカラーフィルタや有機EL装置等を製造したり、基板上に金属配線等の導体層や絶縁膜を形成したりするのに使用される。
【0003】
特に産業用の液滴吐出装置では、液状材料として高粘度のものを用いる場合がある。
このような高粘度の液状材料を安定的に液滴として吐出することを実現するために、従来、特許文献1に開示されているように、供給管のインク流路の近傍に、供給管内のインクを加熱するための液体を循環させる液体流路を設けた構成の液滴吐出装置が知られている。
【0004】
このような液滴吐出装置では、高粘度のインクを用いた場合であっても、供給管内のインクを加熱することにより低粘度化を図り、液滴吐出ヘッドから液状材料を液滴として吐出することができる。
しかしながら、特許文献1に係る液滴吐出装置では、供給管内のインクの温度を高精度に制御することが難しい。その結果、供給管内のインクの粘度が変動し、吐出不良を生じたり、吐出される液滴の径にバラツキが生じ、高精度な描画を行うことができなかったりする場合ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−314346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高粘度の液状材料を用いた場合であっても、高精度な液滴吐出を実現することができる液滴吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液滴吐出装置は、液状材料を液滴として吐出するノズルを備える液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドに接続され、前記液滴吐出ヘッドに前記液状材料を供給する管体と、
前記管体の内周側に設けられ、通電により発熱する発熱体と、
前記発熱体に通電する通電手段とを有することを特徴とする。
【0008】
これにより、管体内の液状材料を加熱することで低粘度化することができる。また、通電手段の通電量を調整することで発熱体の発熱量を迅速かつ正確に制御することができるので、管体内の液状材料の温度変動を抑えることができる。このようなことから、液滴吐出ヘッドに供給される液状材料を所望の粘度に安定的に(粘度変動を抑えつつ)低粘度化することができる。その結果、本発明の液滴吐出装置は、高精度な液滴吐出を実現することができる。
【0009】
本発明の液滴吐出装置では、前記発熱体の発熱量を調整することで、前記管体から前記液滴吐出ヘッドに供給される前記液状材料の温度を所定温度範囲以内に維持するように構成されていることが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドに供給される液状材料の粘度変動をより確実に抑えることができる。
【0010】
本発明の液滴吐出装置では、前記管体と前記液滴吐出ヘッドとの接続部付近の前記液状材料の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサの検出温度に基づいて、前記通電手段の作動を制御する制御手段とを有することが好ましい。
これにより、管体から液滴吐出ヘッドに供給される液状材料の温度を所望の温度範囲以内に維持することができる。
【0011】
本発明の液滴吐出装置では、前記管体を介して前記液滴吐出ヘッドに接続され、前記液状材料を貯留する貯留部を有し、前記貯留部に貯留された前記液状材料を加熱し所定温度範囲内に維持するように構成されていることが好ましい。
これにより、管体内の液状材料の温度変動をより確実かつ簡単に抑えることができる。
本発明の液滴吐出装置では、前記液滴吐出ヘッドの単位時間当たりの液滴吐出量に基づいて、前記通電手段の作動を制御するように構成されていることが好ましい。
これにより、管体内の液状材料の流速の変化に応じて、発熱体の発熱量を調整することができる。そのため、管体内の液状材料の流速が変化しても、管体内の液状材料の温度変動を抑えることができる。
【0012】
本発明の液滴吐出装置では、前記発熱体は、自己温度調整機能を有する材料で構成されていることが好ましい。
これにより、温度センサや複雑な制御装置を用いなくても、発熱体の発熱量を所定範囲内に維持することができる。その結果、液滴吐出装置の構成を簡単化することができる。また、発熱体の過昇温を防止し、その結果、液状材料の劣化、管体の損傷等を防止することができる。
【0013】
本発明の液滴吐出装置では、前記発熱体は、前記管体の長手方向における少なくとも前記液滴吐出ヘッド側の端部に設けられていることが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドに供給される液状材料の粘度変動をより確実に抑えることができる。
本発明の液滴吐出装置では、前記発熱体は、前記管体の内表面を覆うように層状をなしていることが好ましい。
これにより、管体内の液状材料を均一に加熱することができる。
【0014】
本発明の液滴吐出装置では、前記発熱体は、遮光性を有することが好ましい。
これにより、発熱体を遮光層として機能させることができる。そのため、液状材料が光硬化性を有する場合、管体内の液状材料の不本意な硬化を防止することができる。
本発明の液滴吐出装置では、前記発熱体は、線状または帯状をなしていることが好ましい。
これにより、発熱体が管体の可撓性を阻害するのを防止することができる。
【0015】
本発明の液滴吐出装置では、前記発熱体の表面上には、耐熱性および絶縁性を有する被覆層が設けられていることが好ましい。
これにより、液状材料が導電性を有する場合等であっても、発熱体を効率よく発熱させることができる。また、発熱体から液状材料への通電による液状材料の変質、劣化を防止することができる。
【0016】
本発明の液滴吐出装置では、前記被覆層は、前記液状材料に対する耐性を有していることが好ましい。
これにより、液状材料による発熱体の劣化、およびこれに伴う液状材料の劣化を防止することができる。
本発明の液滴吐出装置では、前記管体の外周側を覆うように設けられ、断熱性を有する断熱層を有することが好ましい。
これにより、管体内の液状材料の温度変動をより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す液滴吐出装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】図1に示す液滴吐出装置の液状材料供給系を示す図である。
【図4】図3に示す液状材料供給系の液滴吐出ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。
【図5】図3に示す液状材料供給系の供給管の拡大横断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる供給管の拡大横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の液滴吐出装置の好適な実施形態について、添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態を説明する。なお、以下では、産業用の液滴吐出装置に本発明を適用した場合を一例として説明するが、本発明は、インクジェットプリンターのような民生用の液滴吐出装置にも適用可能である。
【0019】
図1は、本発明の第1実施形態にかかる液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図、図2は、図1に示す液滴吐出装置の制御系を示すブロック図、図3は、図1に示す液滴吐出装置の液状材料供給系を示す図、図4は、図3に示す液状材料供給系の液滴吐出ヘッドの概略構成を示す分解斜視図、図5は、図3に示す液状材料供給系の供給管の拡大横断面図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1において、上下方向(鉛直方向)を「Z方向」、Z方向に垂直な(水平な)一方向を「X方向」、Z方向およびX方向に直交する方向を「Y方向」と言う。
【0020】
(液滴吐出装置の概略構成)
図1に示すように、液滴吐出装置1は、装置本体10と、ワークWが載置されるステージ(テーブル)20と、装置本体10に対してステージ20をY方向に移動させる第1の移動機構30と、ワークWに向けて液状材料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド40と、装置本体10に対して液滴吐出ヘッド40をX方向に移動させる第2の移動機構50と、液滴吐出装置1の各部の駆動を制御する制御手段60とを有している。
【0021】
このような液滴吐出装置1では、第1の移動機構30および第2の移動機構50の作動により液滴吐出ヘッド40をワークWに対してX方向およびY方向に相対的に移動させながら、液滴吐出ヘッド40から液状材料を液滴として吐出し、その液滴をワークW上に付与(着弾)させる。
また、後に詳述するが、かかる液滴吐出装置1は、液状材料が貯留されたタンク70と、タンク70から液滴吐出ヘッド40へ液状材料を供給する供給管80とを備えている(図3参照)。
【0022】
以下、このような液滴吐出装置1を構成する各部を順次詳細に説明する。
装置本体10は、図1に示すように、基台11と、基台11上に設けられた1対の柱体12とを有している。
基台11上には、第1の移動機構30を介してステージ20が設けられている。
第1の移動機構30は、Y方向に沿って延在する1対のガイドレール31と、この1対のガイドレール31に沿って移動可能なスライダ32と、スライダ32を1対のガイドレール31に沿って移動させるリニアモーター等の駆動手段(図示せず)とを有している。
【0023】
スライダ32の上面には、調整機構33を介してステージ(載置部)20が取り付けられている。
調整機構33は、例えばモーターを含んで構成され、スライダ32に対するステージ20の位置および/または姿勢を調整し得るものである。より具体的には、調整機構33は、スライダ32に対してステージ20をθz方向に(Z方向に平行な軸線回りに)回転し得るものである。
【0024】
ステージ20は、液滴吐出(液滴付与)の対象となる基板等のワークWを設置・保持するものである。
このステージ20には、その上面(設置面)に開口する複数の穴21が形成されている。この各穴21には、図示しない吸引ポンプが接続されている。これにより、各穴21を負圧にすることで、ワークWをステージ20上に吸着させ、ワークWをステージ20上に所望の位置および姿勢で保持することができる。
なお、ステージ20上には、液滴吐出ヘッド40が液状材料を捨打ちまたは試し打ち(予備吐出)するための予備吐出エリアが設けられていてもよい。
【0025】
また、基台11上には、キャッピングユニット13と、クリーニングユニット14とが設けられている。
キャッピングユニット13は、後述する液滴吐出ヘッド40のノズルの乾燥を防止するため、液滴吐出装置1の待機時にノズルを覆うものである。
また、クリーニングユニット14は、液滴吐出ヘッド40のノズルの目詰まりを取り除くため、ノズルの内部を吸引するものである。
【0026】
一方、1対の柱体12の上端部には、第2の移動機構50を介して液滴吐出ヘッド40が設けられている(架設されている)。
第2の移動機構50は、X方向に沿って延在する1対のガイドレール51と、この1対のガイドレール51に沿って移動可能なスライダ52と、このスライダ52を1対のガイドレール51に沿って移動させるリニアモーター等の駆動手段(図示せず)とを有している。
【0027】
スライダ52には、調整機構53を介して液滴吐出ヘッド40が取り付けられている。
調整機構53は、例えば複数のモーターを含んで構成され、スライダ52に対する液滴吐出ヘッド40の位置および/または姿勢を調整し得るものである。より具体的には、調整機構53は、スライダ52に対して液滴吐出ヘッド40をZ方向に移動する機能と、スライダ52に対して液滴吐出ヘッド40をα方向(Z方向に平行な軸線回りに)回動させる機能と、スライダ52に対して液滴吐出ヘッド40をβ方向(Y方向に平行な軸線回りに)回動させる機能と、スライダ52に対して液滴吐出ヘッド40をγ方向(X方向に平行な軸線回りに)回動させる機能とを有するものである。
液滴吐出ヘッド40は、液状材料をワークWに向けて液滴として吐出するものである。なお、液滴吐出ヘッド40の構成については、後に詳述する。
【0028】
以上説明したような第1の移動機構30、第2の移動機構50および液滴吐出ヘッド40は、制御手段60により駆動制御される。また、制御手段60は、後述する供給管80およびタンク70の駆動を制御する機能をも有する。
このような制御手段60は、図2に示すように、入力バッファメモリ61と、記憶手段62と、処理部63と、走査駆動部64と、ヘッド駆動部65と、ヒータ駆動部66と、ヘッド位置検出手段67と、ステージ位置検出手段68とを備えている。
【0029】
入力バッファメモリ61と処理部63とは相互に通信可能に接続されている。処理部63と記憶手段62とは相互に通信可能に接続されている。処理部63と走査駆動部64とは相互に通信可能に接続されている。処理部63とヘッド駆動部65とは相互に通信可能に接続されている。また、走査駆動部64は、第1の移動機構30および第2の移動機構50と相互に通信可能に接続されている。また、ヘッド駆動部65は、複数の液滴吐出ヘッド40のそれぞれと相互に通信可能に接続されている。また、ヒータ駆動部66は、供給管80のヒータ82およびタンク70のヒータ72と相互に通信可能に接続されている。
【0030】
入力バッファメモリ61は、図示しない外部情報処理装置から、液状材料Lの液滴を吐出する位置に関するデータ、すなわち描画パターンデータを受け取る。入力バッファメモリ61は、この描画パターンデータを処理部63に入力し、処理部63は、描画パターンデータを記憶手段62に格納する。記憶手段62は、RAM、磁気記録媒体、光磁気記録媒体等で構成される。
【0031】
ヘッド位置検出手段67は、液滴吐出ヘッド40のX方向での位置(移動距離)を検出し、その検出信号を処理部63へ入力する。
ステージ位置検出手段68は、ステージ20(およびワークW)のY方向での位置(移動距離)を検出し、その検出信号を処理部63へ入力する。
ヘッド位置検出手段67およびステージ位置検出手段68は、それぞれ、例えばリニアエンコーダ、レーザー測長器等で構成される。
【0032】
処理部63は、ヘッド位置検出手段67およびステージ位置検出手段68の検出信号に基づき、走査駆動部64を介して、第1の移動機構30および第2の移動機構50の作動を制御(クローズドループ制御)する。これにより、液滴吐出ヘッド40とワークWとのX方向およびY方向での相対位置関係および相対移動速度を制御する。
また、処理部63は、上記の描画パターンデータに基づいて、後述する液滴吐出ヘッド40の各ノズル411に対応する所定時間間隔の吐出タイミング毎の液滴吐出のオン・オフを指定する選択信号をヘッド駆動部65へ与える。ヘッド駆動部65は、上記の選択信号に基づいて、液状材料Lの吐出に必要な吐出信号を液滴吐出ヘッド40に与える。この結果、液滴吐出ヘッド40における対応するノズル411から、液状材料Lが液滴として吐出される。
【0033】
また、処理部63は、後に詳述するように、液滴吐出ヘッド40に設けられた温度センサ46の検出結果(検出温度)に基づいて、ヒータ駆動部66が供給管80のヒータ82およびタンク70のヒータ72の駆動(供給する通電量)を制御する。これにより、供給管80内およびタンク70内の液状材料Lの温度を所望の温度に維持することができる。
制御手段60は、例えば、CPU、ROM、RAMを含んだコンピュータである。この場合には、前述したような制御手段60の機能は、コンピュータによって実行されるソフトウェアプログラムを用いることによって実現することができる。もちろん、制御手段60は、専用の回路(ハードウェア)であってもよい。
【0034】
(液滴吐出装置の液状材料供給系)
ここで、前述したような液滴吐出装置1の液状材料供給系について、詳述する。
図3に示すように、液滴吐出装置1は、液状材料が貯留されたタンク70と、タンク70から液滴吐出ヘッド40へ液状材料を供給する供給管80とを備えている。
【0035】
液滴吐出ヘッド40は、ピエゾ素子を用いたピエゾ方式を採用し、図4に示すように、ノズル基板41と、キャビティ基板42と、振動板43と、複数の圧電素子44と、カバー基板45とを有している。
ここで、ノズル基板41と振動板43とは、キャビティ基板42を介して接合されている。
【0036】
そして、キャビティ基板42には、厚さ方向に貫通する異形孔が形成され、これにより、ノズル基板41と振動板43との間には、複数のキャビティ421と、この複数のキャビティ421と連通するリザーバ422とが形成されている。
また、リザーバ422内には、温度センサ46が設けられている。この温度センサ46は、リザーバ422内(後述する管体81と液滴吐出ヘッド40との接続部付近)の液状材料Lの温度を検出するものである。
【0037】
温度センサ46としては、特に限定されず、例えば、熱電対、サーミスタ等を用いることができる。
なお、温度センサ46の設置箇所は、リザーバ422内(特に、後述する管体81と液滴吐出ヘッド40との接続部付近)の液状材料Lの温度を検出し得る箇所であれば、前述した箇所に限定されず、例えば、管体81内であってもよいし、液滴吐出ヘッド40のノズル基板41上(上面上または下面上)であってもよい。
また、ノズル基板41には、前述した複数のキャビティ421に対応して、複数のノズル(ノズル孔)411が形成されている。
【0038】
一方、振動板43のキャビティ基板42側とは反対側の面には、前述した複数のキャビティ421に対応して、複数の圧電素子44が接合されている。この各圧電素子44は、前述した制御手段60によって駆動制御される。
また、振動板43のキャビティ基板42側とは反対側の面には、カバー基板45が接合されている。このカバー基板45には、複数の圧電素子44を収納するように凹部が形成され、その縁部が振動板43に接合されている。また、カバー基板45には、前述したリザーバ422に連通する供給孔451が形成されている。
【0039】
このように構成された液滴吐出ヘッド40では、各圧電素子44を駆動することにより、駆動する圧電素子44に対応する振動板43の部分を変形(振動)させる。これにより、駆動する圧電素子44に対応するキャビティ421の容積(圧力)を変化させ、キャビティ421内からノズル411を通じて、液状材料Lが液滴Dとして吐出される(押し出される)。
【0040】
なお、液滴吐出ヘッド40は、ピエゾ方式のものに限定されず、例えば、液状材料を加熱して発生した泡(バブル)により液滴として吐出する方式、振動板43を静電引力により振動させる静電駆動方式等であってもよい。
このような液滴吐出ヘッド40の供給孔451には、図3に示すように、供給管80を介して、タンク70が接続されている。これにより、タンク70から供給管80を介して液滴吐出ヘッド40のリザーバ422に液状材料Lが供給される。
【0041】
タンク70は、液状材料Lを貯留する貯留部71と、貯留部71内の液状材料Lを加熱するヒータ72とを有している。
貯留部71は、後述する供給管80の管体81を介して液滴吐出ヘッド40に接続され、液状材料Lを貯留する。
液状材料Lとしては、液滴吐出装置1の用途等によって決定されるものであり、特に限定されず、有機材料を溶媒に溶解した各種溶液、有機材料や無機材料を分散質とし分散媒に分散した各種分散液を用いることができる。
【0042】
このようなタンク70は、通常、貯留部71の容量が比較的大きく、前述した装置本体10に対して固定的に設置される。なお、貯留部71の容量が比較的小さい場合には、液滴吐出ヘッド40とともにX方向に移動するように構成することも可能である。この場合、貯留部71に液状材料Lを供給する大型のタンクを別途設け、この大型のタンクを装置本体10に対して固定的に設置する。このように、タンク70は、液滴吐出ヘッド40と大型のタンクとの間に設置した小型の予備タンク(液溜まり)として用いることもできる。
【0043】
ヒータ72は、貯留部71の周囲を囲むように設けられ、貯留部71内の液状材料Lを加熱するものである。
このようなヒータ72は、電源回路等の通電手段73に電気的に接続され、通電手段73からの通電により発熱するようになっている。
また、通電手段73は、制御手段60に接続され、制御手段60によって駆動制御される。これにより、貯留部71内の液状材料Lの温度を所定温度範囲内に維持することができる。また、このように、貯留部71に貯留された液状材料Lを加熱し所定温度範囲内に維持するように構成されていると、管体81に導入される液状材料Lの温度変動を小さく抑えることができる。そのため、後述する供給管80の管体81内の液状材料Lの温度変動をより確実かつ簡単に抑えることができる。
【0044】
供給管80は、その一端がタンク70の貯留部71内にもたらされ、他端が液滴吐出ヘッド40の供給孔451に接続されている。
このような供給管80は、管体81と、この管体81の内側に設けられたヒータ82と、管体81の外周面を覆うように設けられた断熱層83とを有している。
管体81は、可撓性を有している。これにより、供給管80全体を可撓性を有するものとし、第2の移動機構50による液滴吐出ヘッド40の移動に伴って、供給管80全体を曲げ変形させることができる。そのため、第2の移動機構50によって液滴吐出ヘッド40が移動しても、タンク70から供給管80を介して液滴吐出ヘッド40に液状材料を供給することができる。
【0045】
このような管体81の構成材料としては、管体81が可撓性を有するとともにヒータ82からの熱に耐え得る耐熱性を有するものであれば、特に限定されず、樹脂材料、エラストマー材料、ゴム材料等を用いることができるが、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素系樹脂、ナイロン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドエーテル、ポリエーテルケトン、ポリベンゾオキサゾール等の樹脂材料が好適に用いられ、特に、フッ素系樹脂を用いるのが好ましい。
【0046】
なお、管体81の構成材料としては、用いる液状材料L(溶媒または分散媒)に対して耐性を有するのが好ましいが、管体81の構成材料自体が液状材料Lに対して耐性を有していなくても、管体81の内周面上に液状材料Lに対して耐性を有する発熱体を形成すればよい。また、管体81には、上記の樹脂材料以外の材料が含まれていてもよい。
ヒータ82は、前述した管体81内の液状材料Lを加熱するものである。ヒータ82により加熱された液状材料Lは、低粘度化される。
【0047】
このようなヒータ82は、発熱体821を有している。
発熱体821は、前述した管体81の内側に設けられている。また、発熱体821は、管体81の長手方向に沿って延在している。
本実施形態では、発熱体821は、管体81の長手方向でのほぼ全域に亘って設けられている。これにより、管体81の長手方向での全域に亘って均一に液状材料Lを加熱することができる。そのため、管体81の長手方向での全域に亘って液状材料Lの温度を均一化し、液滴吐出ヘッド40に供給される液状材料Lの粘度変動をより確実に抑えることができる。
【0048】
なお、発熱体821は、管体81の長手方向における一部に設けられていてもよい。この場合、発熱体821は、管体81の長手方向における少なくとも液滴吐出ヘッド40側の端部に設けられているのが好ましい。これにより、液滴吐出ヘッド40に供給される液状材料Lの粘度変動をより確実に抑えることができる。
また、発熱体821は、管体81の内表面を覆うように層状をなしている。これにより、管体81内の液状材料Lを均一に加熱することができる。
【0049】
このような発熱体821は、遮光性を有しているのが好ましい。これにより、発熱体821を遮光層として機能させることができる。そのため、液状材料Lが光硬化性を有する場合、管体81内の液状材料Lの不本意な硬化を防止することができる。
このような発熱体821の構成材料としては、発熱体821が通電により発熱することができれば、特に限定されないが、例えば、カーボン系材料、ニッケル、クロム、Fe−Cr−Al合金、Ni−Cr合金等が挙げられる。
【0050】
また、発熱体821の構成材料として、カーボン系材料等、自己温度調節機能(PTC)を有する材料を用いると、温度センサや複雑な制御手段を用いなくても、発熱体821の発熱量を所定範囲内に維持することができる。その結果、液滴吐出装置1の構成を簡単化することができる。
また、自己温度調節機能を有する材料は、電圧を印加すると、ジュール熱により、当該材料自体の温度が上昇するが、一旦所定温度に到達すると電気抵抗が急激に高くなり、すなわち、電流が抑えられ、所定温度を維持することができる。したがって、発熱体821の過昇温を防止し、その結果、液状材料Lの劣化、管体81の損傷等を防止することができる。
【0051】
また、このような層状の発熱体821の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、導体管を管体81に挿入(挿通)させる方法、ディッピング、無電解メッキ法等を用いることができ、特に、無電解メッキ法が好適に用いられる。無電解メッキ法を用いて発熱体821を形成すると、発熱体821を均一でかつ薄いものとすることができる。
また、発熱体821の厚さは、発熱体821の構成材料や発熱体821に必要な発熱量などによって適宜選択され、特に限定されないが、例えば、1〜500μmであるのが好ましい。これにより、発熱体821の発熱量を必要十分なものとしつつ、管体81の曲げ変形を可能とする。
【0052】
このような発熱体821の内周面(表面)上には、耐熱性および絶縁性を有する被覆層822が設けられている。これにより、液状材料Lが金属粒子などの導電性粒子や電解質を含んでいる場合のように、液状材料Lが導電性を有する場合等であっても、発熱体821を効率よく発熱させることができる。また、発熱体821から液状材料Lへの通電による液状材料Lの変質、劣化を防止することができる。
【0053】
また、被覆層822は、液状材料Lに対する耐性を有しているのが好ましい。これにより、液状材料Lによる発熱体821の劣化、およびこれに伴う液状材料Lの劣化を防止することができる。
このような被覆層822の構成材料としては、耐熱性および絶縁性を有していれば、特に限定されず、各種無機材料や各種有機材料を用いることができる。なお、被覆層822は、液状材料Lの種類、発熱体821の構成材料等によっては、省略してもよい。
【0054】
また、被覆層822の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、ディッピング法等を用いることができる。
また、被覆層822の厚さは、前述したような耐性を発揮することができれば、特に限定されないが、例えば、1〜1000μmであるのが好ましい。
また、管体81の外側には、断熱性を有する断熱層(断熱チューブ)83が設けられている。これにより、管体81内の液状材料Lの温度変動をより確実に抑制することができる。
【0055】
このような断熱層83の構成材料としては、断熱層83が断熱性を有するとともに発熱体821の発熱に耐え得る耐熱性を有するものであれば、特に限定されず、各種有機材料、各種無機材料を用いることができる。
また、断熱層83は、断熱性向上のため、微細な多数の空孔が形成された多孔質体で構成されてもよいし、断熱層83の内周面付近に熱反射性を有する金属薄膜が形成されていてもよい。また、断熱層83は、織物または編み物、あるいは、不織布のような形態をなすものであってもよく、この場合、樹脂材料またはゴム材料に含浸させてもよい。
【0056】
また、断熱層83の厚さは、前述したような断熱性を発揮することができれば、特に限定されないが、例えば、0.1〜3mmであるのが好ましい。
このようなヒータ82の発熱体821は、電源回路等の通電手段84に電気的に接続され、通電手段84からの通電により発熱するようになっている。より具体的には、通電手段84は、発熱体821の長手方向での両端部間に電圧を印加することで、発熱体821の長手方向でのほぼ全域に亘って発熱させるようになっている。
【0057】
また、通電手段84は、制御手段60に接続され、温度センサ46の検出温度に基づいて制御手段60によって駆動制御される。これにより、管体81から液滴吐出ヘッド40に供給される液状材料Lの温度を所望の温度範囲以内に維持することができる。
このように、発熱体821の発熱量を調整することで、管体81から液滴吐出ヘッド40に供給される液状材料Lの温度を所定温度範囲以内に維持することができるように構成されていると、液滴吐出ヘッド40に供給される液状材料Lの粘度変動をより確実に抑えることができる。
【0058】
また、制御手段60は、液滴吐出ヘッド40の単位時間当たりの液滴吐出量に基づいて、通電手段84の作動を制御するのが好ましい。例えば、制御手段60は、前述した記憶手段62に格納された描画パターンデータに基づいて、ベタ画像を形成する場合のような液滴吐出量が比較的多い場合には、通電手段84の通電量を増やし、線画や文字を形成する場合のような液滴吐出が比較的少ない場合には、通電手段84の通電量を少なくするのが好ましい。これにより、管体81内の液状材料Lの流速の変化に応じて、発熱体821の発熱量を調整することができる。そのため、管体81内の液状材料Lの流速が変化しても、管体81内の液状材料Lの温度変動を抑えることができる。
【0059】
以上説明したような第1実施形態にかかる液滴吐出装置1によれば、管体81内の液状材料Lを加熱することで低粘度化することができる。また、通電手段84の通電量を調整することで発熱体821の発熱量を迅速かつ正確に制御することができるので、管体81内の液状材料Lの温度変動を抑えることができる。このようなことから、液滴吐出ヘッド40に供給される液状材料Lを所望の粘度に安定的に(粘度変動を抑えつつ)低粘度化することができる。その結果、本発明に係る液滴吐出装置1は、高精度な液滴吐出を実現することができる。
特に、本実施形態では、発熱体821が遮光層を兼ねているので、液状材料Lが光硬化性を有する場合であっても、液状材料Lの不本意な硬化を防止することができる。また、発熱体821が管体81の内側に設けられているので、管体81内の液状材料を効率よく加熱することができ、管体81内の液状材料の粘度を高精度に制御することができる。
【0060】
<第2実施形態>
次に、本発明の液滴吐出装置の第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態にかかる供給管の拡大横断面図である。
本実施形態にかかる液滴吐出装置は、供給管の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる液滴吐出装置と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の液滴吐出装置に関し、第1実施形態の液滴吐出装置との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
【0061】
本実施形態の液滴吐出装置に備えられた供給管80Aは、図6に示すように、管体81と、管体81の内周側に設けられたヒータ82Aと、管体81の外周側に設けられた断熱層83とを有している。
ヒータ82Aは、管体81内の液状材料Lを加熱するものである。
このヒータ82Aは、発熱体821Aと、発熱体821Aの外表面を覆うように設けられた被覆層822Aとを有している。
【0062】
また、本実施形態では、発熱体821Aは、管体81の長手方向でのほぼ全域に亘って設けられている。これにより、管体81の長手方向での全域に亘って均一に液状材料Lを加熱することができる。
また、発熱体821Aは、管体81内に挿通され、線状をなしている。本実施形態では、発熱体821Aの横断面は、円形をなしている。
【0063】
発熱体821Aが線状をなしていると、発熱体821Aが管体81の可撓性を阻害するのを防止することができる。なお、発熱体821Aの横断面形状は、円形に限らず、楕円形、正方形、長方形等であってもよい。また、発熱体821Aは、帯状をなしていてもよい(横断面形状が扁平形状であってもよい)。
また、本実施形態では、発熱体821は、管体81に対して両端部を除き固定されていない。そのため、供給管80Aの可撓性は極めて良好なものとなる。
【0064】
なお、発熱体821Aは、管体81の内周面に対して固定されていてもよい。また、発熱体821Aと管体81の内周面との間に分散してスペーサが配置されてもよい。また、発熱体821Aを管体81の周方向での特定の位置側に偏在させてもよい。この場合、管体81の特定の方向での可撓性を向上させることができる。これにより、第2の移動機構50による液滴吐出ヘッド40の移動に伴って管体81が曲げ変形する際に、管体81の曲げ方向を特定の方向に限定することができる。そのため、例えば、供給管80と他の物体との不本意な接触を防止し、供給管80の損傷を防止することができる。
【0065】
このような発熱体821Aの構成材料としては、前述した第1実施形態における発熱体821と同様の材料を用いることができる。
また、発熱体821Aの直径は、発熱体821Aの構成材料や発熱体821Aに必要な発熱量などによって適宜選択され、特に限定されないが、例えば、10μm〜2mmであるのが好ましい。
【0066】
また、発熱体821Aの直径または横断面積は、発熱体821Aの長手方向での全域において一定であってもよいし、異なる部分を有していてもよい。発熱体821Aの直径または横断面積が発熱体821Aの長手方向での全域において一定である場合、ヒータ82Aをその長手方向全域に亘って均一に発熱させることができる。一方、発熱体821Aの直径または横断面積が発熱体821Aの長手方向での全域において異なる部分を有する場合、ヒータ82Aをその長手方向での特定部位の発熱量を高めたり低めたりすることができる。
【0067】
このような発熱体821の外表面上には、耐熱性および絶縁性を有する被覆層822Aが設けられている。
このような発熱体821A上に設けられた被覆層822Aは、前述した第1実施形態の被覆層822と同様の機能を有するものである。
このような被覆層822Aの構成材料としては、前述した第1実施形態の被覆層822と同様の材料を用いることができるが、特に、シリコーン樹脂等が好適に用いられる。なお、被覆層822Aは、発熱体821の構成材料、液状材料Lの種類等によっては、省略してもよい。
【0068】
また、断熱層83は、遮光性を有するのが好ましい。すなわち、断熱層83が、遮光性を有する遮光層を兼ねているのが好ましい。管体81の外周側を覆うように遮光性を有する遮光層が設けられていると、液状材料Lが光硬化性を有する場合、管体81内の液状材料Lの不本意な硬化を防止することができる。この場合、断熱層83の構成材料としては、液状材料Lが光硬化する光の波長に関し遮光性を有していれば、透明性を有していてもよい。
【0069】
以上説明したような第2実施形態にかかる液滴吐出装置によっても、前述した第1実施形態の液滴吐出装置1と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明の液滴吐出装置について、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明の液滴吐出装置では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、例えば、本発明の液滴吐出装置は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1……液滴吐出装置 10……装置本体 11……基台 12……柱体 13……キャッピングユニット 14……クリーニングユニット 20……ステージ 21…穴 30……第1の移動機構 31……ガイドレール 32……スライダ 33……調整機構 40……液滴吐出ヘッド 41……ノズル基板 411……ノズル 42……キャビティ基板 421……キャビティ 422……リザーバ 43……振動板 44……圧電素子 45……カバー基板 451……供給孔 46……温度センサ 50……第2の移動機構 51……ガイドレール 52……スライダ 53……調整機構 60……制御手段 61……入力バッファメモリ 62……記憶手段 63……処理部 64……走査駆動部 65……ヘッド駆動部 66……ヒータ駆動部 67……ヘッド位置検出手段 68……ステージ位置検出手段 70……タンク 71……貯留部 72……ヒータ 73……通電手段 80、80A……供給管 81……管体 82、82A……ヒータ 821、821A……発熱体 822、822A……被覆層 83……断熱層 84……通電手段 L……液状材料 D……液滴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状材料を液滴として吐出するノズルを備える液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドに接続され、前記液滴吐出ヘッドに前記液状材料を供給する管体と、
前記管体の内周側に設けられ、通電により発熱する発熱体と、
前記発熱体に通電する通電手段とを有することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
前記発熱体の発熱量を調整することで、前記管体から前記液滴吐出ヘッドに供給される前記液状材料の温度を所定温度範囲以内に維持するように構成されている請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記管体と前記液滴吐出ヘッドとの接続部付近の前記液状材料の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサの検出温度に基づいて、前記通電手段の作動を制御する制御手段とを有する請求項2に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
前記管体を介して前記液滴吐出ヘッドに接続され、前記液状材料を貯留する貯留部を有し、前記貯留部に貯留された前記液状材料を加熱し所定温度範囲内に維持するように構成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
前記液滴吐出ヘッドの単位時間当たりの液滴吐出量に基づいて、前記通電手段の作動を制御するように構成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
前記発熱体は、自己温度調整機能を有する材料で構成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項7】
前記発熱体は、前記管体の長手方向における少なくとも前記液滴吐出ヘッド側の端部に設けられている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項8】
前記発熱体は、前記管体の内表面を覆うように層状をなしている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項9】
前記発熱体は、遮光性を有する請求項8に記載の液滴吐出装置。
【請求項10】
前記発熱体は、線状または帯状をなしている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項11】
前記発熱体の表面上には、耐熱性および絶縁性を有する被覆層が設けられている請求項1ないし10のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項12】
前記被覆層は、前記液状材料に対する耐性を有している請求項11に記載の液滴吐出装置。
【請求項13】
前記管体の外周側を覆うように設けられ、断熱性を有する断熱層を有する請求項1ないし12のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−201298(P2010−201298A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47319(P2009−47319)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】