説明

液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法及び半導体装置の製造方法

【課題】COF方式又はSOF方式で組み立てられた半導体装置に対する液状封止樹脂組成物の流入挙動を観測する方法を提供すること。
【解決手段】耐熱性フィルム基板3上の回路と該回路上に搭載される半導体素子1又はその他の電子部品との接続部が2個以上存在し、前記接続部へ液状封止樹脂組成物5を流入及び硬化させて組み立てられる、COF(チップ・オン・フィルム)方式又はSOF(システム・オン・フィルム)方式の半導体装置において、前記接続部への液状封止樹脂組成物の流入挙動を観測する方法であって、半導体装置の耐熱性フィルム基板の下部に透明ヒーター4を配置し、前記透明ヒーターの下部より半導体装置下部越しに前記接続部を観測すると同時に前記接続部に液状封止樹脂組成物を供給することを特徴とする、液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、COF(チップ・オン・フィルム)方式あるいはSOF(システム・オン・フィルム)方式の半導体装置における、フィルム基板と半導体素子あるいはその他の電子部品との接続部への液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法、およびその観測方法を用いる半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭用テレビや携帯端末などを中心とする薄型表示体機器をはじめ、特に軽量かつコンパクト性を求められる情報処理機器などにおいて、COF(チップ・オン・フィルム)方式あるいはSOF(システム・オン・フィルム)方式で組み立てられた半導体装置が多用されるようになった。
【0003】
COF方式あるいはSOF方式とは、耐熱性フィルム上に形成された極めて微細な回路上に、半導体素子あるいはその他の電子部品を搭載する半導体装置の製造方式である。
この方式は、ロール形態で半導体装置を生産することも可能であることから、生産スペースの節約や生産性の向上が可能になり、さらに従来のような重くて硬い基板(例えば、ガラス/エポキシ基板)に代わって、軽くて軟らかいフィルム上に半導体装置を組み立てられることから、軽量化への寄与や多様な形状への対応性も高いという特徴がある。さらに、耐熱性フィルム上へ形成される回路は、近年では20μmピッチもの極微細なものも量産可能になってきたことから、上記方式で組み立てられた半導体装置の小型化や高集積化も可能になってきた。
【0004】
すなわちCOF方式あるいはSOF方式での半導体装置の組み立ては、軽量かつコンパクトな半導体装置を、高い生産性で効率良く製造することが出来る点で、従来の半導体装置の製造方式とは大きく異なっており、このような利点から応用分野も広がってきている。
さらに、COF方式あるいはSOF方式では、従来の方式に比べ更に回路を微細化できる可能性も高いことから、将来この方式で製造される半導体装置の高集積化が一層進むものと考えられている。
【0005】
このようなCOF方式あるいはSOF方式での半導体装置の組み立てにおいて、信頼性の向上のために半導体素子あるいはその他の電子部品との間に「アンダーフィル材」と呼ばれる液状封止樹脂組成物を充填していることが知られている(例えば、特許文献1)。すなわち、半導体素子あるいはその他の電子部品の接続部を熱的ストレスや湿気あるいは異物の進入などから保護している。
【0006】
従来の一般的な半導体装置の組み立てにおいても、上記と同じ理由でアンダーフィル材が用いられている(例えば、特許文献2〜7)。しかし、これらのアンダーフィル材をそのままCOF方式あるいはSOF方式での半導体装置の組み立てに用いた場合は、極めて微細な回路へ充填する際に、アンダーフィル材に含まれる無機充填材が詰まることによって、充填材の分離や未充填ボイドなどの問題が発生するため適用が困難であった。
【0007】
極めて微細な回路へ充填する際の上記のような問題を解消するものとして、回路のギャップサイズに対して無機充填材のサイズを規定するものも提案されている(例えば、特許文献8)。このものは、回路のギャップサイズに対して無機充填材のサイズを所定の条件下において規定することで、無機充填材の詰まり防止と充填速度との両立を図かったものである。しかし、COF方式あるいはSOF方式での半導体装置の組み立てにおいて大きな利点である微細化の進展に伴い、いっそうサイズの小さい無機充填材を適用する必要がある。その為、無機充填材の含有量を一定量とした場合には、アンダーフィル材の粘度上昇を避けることができず充填速度が低下するので、結果的にCOF方式あるいはSOF方式での半導体装置の組み立てにおける もう一つの大きな利点である高い生産性の維持が損なわれてゆく事になるという問題があった。
【0008】
一方、COF方式あるいはSOF方式での半導体装置の組み立てにも好適に適用可能なアンダーフィル材として、無機充填材含有量を10質量%以下と規定することで微細回路への充填を容易にするもの(例えば、特許文献9)や、ケチミン構造化合物を添加することで微細回路でのマイグレーション発生を抑え、信頼性を向上できるものも提案されている(例えば、特許文献10)。
【0009】
しかし、COF方式あるいはSOF方式での半導体装置の組み立てにおけるアンダーフィル材の充填工程において、ここまでに挙げられたどのアンダーフィル材であっても、そのアンダーフィル材に適した充填条件から逸脱した場合には、ボイドの発生や未充填の発生を避けることができず、信頼性に優れた半導体装置を得ることはできなかった。
このようなCOF方式あるいはSOF方式での半導体装置の組み立てにおけるアンダーフィル材の充填工程でのボイドの発生や未充填の発生を避けるため、適切な充填条件を定める事や、ボイドの発生や未充填が発生し難いアンダーフィル材を選定して用いる事は当然であり、従来はアンダーフィル材を充填・硬化した後の半導体装置の外観観察によってボイドの発生や未充填の発生の有無を確認するのが一般的であった。
【0010】
しかし、従来の方法では実際の半導体装置に対してアンダーフィル材がどのように流入してゆくのか、流入過程そのものを観測しているわけではないので、仮にボイドの発生や未充填部の発生が観測されたとしても、アンダーフィル材を流入する際に発生したものなのか、加熱硬化する時に発生したものなのか区別することはできなかった。
そればかりか、ボイドや未充填部が発生する位置を特定して半導体装置の形状改良やアンダーフィル材充填条件の改善にフィードバックすることや、決定された充填条件や選定されたアンダーフィル材を用いることが、半導体装置へ充填する際のボイド発生や未充填発生を十分に防止できているのかどうかを、実際に直視して確認することは不可能であった。
さらに従来の方法では、決定されたアンダーフィル材の充填条件が本当にマージンのある適切な条件なのかどうか、適切なアンダーフィルが選定できたのかどうかは、半導体装置を大量に製造して確認する必要があり、相応の工数やコストを要していた。
このような問題点を補完する評価方法として、半導体素子や基板をガラス板や石英板など本来の部材とは異なる透明な素材に置換えて評価する方法も知られており、半導体装置におけるアンダーフィル充填時の流動状態を推し量ることにも利用された。しかし、このような方法は実際の半導体装置を構成する部材を用いないので表面状態が変わってしまうことから、その結果と実際の流入状態とは差異が生じるので、前述された種々の問題を解決するには至らなかった。また実際の半導体装置を製造する際には、当然前記手法を用いることは出来なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−302534号公報
【特許文献2】特開平10−158366号公報
【特許文献3】特開平10−231351号公報
【特許文献4】特開平11−255864号公報
【特許文献5】特開2000−53844号公報
【特許文献6】特開2001−127215号公報
【特許文献7】特開2003−137529号公報
【特許文献8】特開2004−346232号公報
【特許文献9】国際公開第2007/061037号公報
【特許文献10】特開2008−248099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、前述のような従来技術では実現が困難であったCOF(チップ・オン・フィルム)方式あるいはSOF(システム・オン・フィルム)方式で組み立てられた半導体装置に対する液状封止樹脂組成物の流入挙動そのものを観測する方法の提供を可能にすることである。またその観測方法を用いてボイド発生や未充填部発生の無いことを確認できた液状封止樹脂組成物を使用することや、半導体装置への液状封止樹脂組成物の充填条件を決定することで、COF方式あるいはSOF方式で組み立てられた半導体装置の信頼性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は以下の通りである。
(1)耐熱性フィルム基板上の回路と該回路上に搭載される半導体素子又はその他の電子部品との接続部が2個以上存在し、前記接続部へ液状封止樹脂組成物を流入及び硬化させて組み立てられる、COF(チップ・オン・フィルム)方式又はSOF(システム・オン・フィルム)方式の半導体装置において、前記接続部への液状封止樹脂組成物の流入挙動を観測する方法であって、
半導体装置の耐熱性フィルム基板の下部に透明ヒーターを配置し、前記透明ヒーターの下部より半導体装置下部越しに前記接続部を観測すると同時に前記接続部に液状封止樹脂組成物を供給することを特徴とする、液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法。
(2)前記接続部において、耐熱性フィルムと半導体素子又はその他の電子部品との隙間が10μm以上50μm以下で、且つ隣接する接続部同士の間隔が5μm以上25μm以下の部位を有する半導体装置であることを特徴とする(1)に記載の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法。
(3)前記液状封止樹脂組成物が、少なくとも(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤とを含むものであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法。
(4)(1)〜(3)いずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法を用いて、半導体装置への液状封止樹脂組成物の流入挙動を観測する工程を有することを特徴とする、COF(チップ・オン・フィルム)方式あるいはSOF(システム・オン・フィルム)方式で組み立てられる半導体装置の製造方法。
(5)(1)〜(3)いずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法を用いて、半導体装置への液状封止樹脂組成物の充填条件を求める工程を有することを特徴とする、COF(チップ・オン・フィルム)方式あるいはSOF(システム・オン・フィルム)方式で組み立てられる半導体装置の製造方法。
(6)(1)〜(3)いずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法を用いて、液状封止樹脂組成物のボイド発生や未充填部発生を調べる液状封止樹脂組成物の試験方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、COF方式あるいはSOF方式で組み立てられた半導体装置に対する液状封止樹脂組成物の流入挙動そのものを観測する方法を得られる。また、その観測方法を用いて半導体装置を製造することや、ボイド発生や未充填部発生の無いことを確認できた液状封止樹脂組成物を使用すること、半導体装置への液状封止樹脂組成物の充填条件を決定すること、で信頼性に優れたCOF方式あるいはSOF方式で組み立てられた半導体装置を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法で未充填の発生を観測した一例を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のCOF方式あるいはSOF方式の半導体装置における、フィルム基板と半導体素子あるいはその他の電子部品との接続部への液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法、およびその観測方法を用いる半導体装置の製造方法について説明する。
【0017】
まず、本発明の半導体装置はCOF(チップ・オン・フィルム)方式あるいはSOF(システム・オン・フィルム)方式で組み立てられる半導体装置であって、フィルム基板と半導体素子あるいはその他の電子部品との接続部への液状封止樹脂組成物の流入挙動を観測する方法である。本発明では、図1に示すように半導体装置のフィルム基板3の下部に透明ヒーター4を配置し、その透明ヒーターの下部より半導体装置下部越しにフィルム基板と半導体素子1あるいはその他の電子部品との接続部2を観測すると同時に液状封止樹脂組成物5を供給する。
【0018】
本発明で用いられるCOF方式あるいはSOF方式で組み立てられる半導体装置は、耐熱性フィルム上の回路と、その回路上に搭載される半導体素子、あるいはその他の電子部品との接続部が2個以上存在するものであるが、透明ヒーター下部より半導体装置下部越しにフィルム基板と半導体素子あるいはその他の電子部品との接続部を観測するので、半導体装置に用いられる耐熱フィルムは観測可能な程度に透明性が必要である。
そのような耐熱フィルムとして、例えば一般的なポリイミドフィルムなどを用いることができ、観測可能な程度の透明性さえあれば、その色や色の濃淡、厚み、貼り合わせ加工の有無、フィラーの有無などに制限はない。
【0019】
本発明のCOF方式あるいはSOF方式で組み立てられる半導体装置の接続部は、耐熱性フィルムと半導体素子あるいはその他の電子部品との隙間が10μm以上50μm以下で、且つ隣接する接続部同士の間隔が5μm以上25μm以下の部位を有する半導体装置を、より好適に用いることができる。
耐熱性フィルムと半導体素子あるいはその他の電子部品との隙間が下限値未満では、流入しているアンダーフィル材の厚みが極めて薄くなるので観測が困難になる恐れがある。
一方、耐熱性フィルムと半導体素子あるいはその他の電子部品との隙間が上限値を超えるとフィルム基板の上表面と半導体素子あるいはその他の電子部品の下表面との距離が離れるので、例えば微小部を拡大機能付きカメラで観測する際に焦点が合わせ難くなり、アンダーフィル材の下層部と上層部とを分ける必要が出てくる。
隣接する接続部同士の間隔が下限値未満では、接続部と接続部との隙間の流動挙動を拡大機能付きカメラで観測する際、焦点が合わせ難くなるので観測が困難になる恐れがある。
一方、隣接する接続部同士の間隔が上限値を超えると、アンダーフィル材の接続部と接続部との隙間の通過速度が極めて高速になるため、詳細な観測が困難になってくる。
【0020】
本発明で用いられる透明ヒーターとは、例えばガラス板、石英板、ポリカーボネート板などの透明な板の表面に透明な酸化金属薄膜(例えば、スズをドープした酸化インジュウム)などを形成させ、その薄膜に通電することによって発熱するものや、ガラス板や石英板の周囲に電熱線や電熱シートを配置して、そこへ通電することで発生した熱をガラス板や石英板に伝えることで加熱するものなどである。その大きさや厚み、形状、材質などは半導体装置の形状や液状封止樹脂組成物の流入温度に適したものを用いることができる。
【0021】
さらに透明ヒーター下部あるいは半導体装置の上部に光源を設置して光を照射しながら観測することも可能であり、また光源に波長フィルターを設けるなどして特定波長の光を照射し、その特定波長の光を反射あるいは透過する成分だけの流動性を観測することも可能である。
【0022】
本発明では必要に応じて、透明ヒーター下部に拡大機能付きカメラや、動画撮影機能付きカメラなどを設置して撮影された映像を観測することも可能である。さらに、高速度撮影カメラなどを用いて得られた映像の再生速度を変更することで、より詳細な観測を試みることが可能である。
【0023】
アンダーフィル材である液状封止樹脂組成物の半導体装置への供給方法は、手動ディスペンスや加圧式簡易ディスペンサーの他、半導体装置組み立てにおいて通常使用されている設備を利用することができ、そのようなものとして例えばエアパルス式ディスペンサー、非接触ジェットディスペンサー、メカニカル式ディスペンサー、チューブ式ディスペンサー、スクリューディスペンサーなどを挙げることができる。さらに必要に応じて半導体への供給開始位置や供給量、複数回に分けて供給するなど、様々なディスペンスプロファイルを試すことも可能である。
【0024】
本発明に使用する液状封止樹脂組成物は、COF方式あるいはSOF方式で組み立てられる半導体装置に利用可能なものであれば特に制限はないが、硬化後の封止樹脂脂組成物が耐熱性、耐湿性、機械的強度に優れ、且つ半導体素子と基板とを強固に接着することができ、信頼性に優れた半導体装置を得ることができることから、エポキシ樹脂(A)を含むことが好ましい。
【0025】
前記エポキシ樹脂(A)としては、一分子中にエポキシ基を2個以上有するものであれば特に分子量や構造は限定されるものではないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミンなどの芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド、アリサイクリックジエポキシ−アジペイドなどの脂環式エポキシなどの脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。
【0026】
さらに本発明の場合、芳香族環にグリシジル構造またはグリシジルアミン構造が結合した構造を含むものが耐熱性、機械特性、耐湿性という観点からより好ましく、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂は信頼性、特に接着性という観点から使用する量を制限するほうがさらに好ましい。これらは単独でも2種以上混合して使用しても良い。本発明では液状封止樹脂組成物の態様のため、エポキシ樹脂(A)として最終的に常温(25℃)で液状であることが好ましいが、常温で固体のエポキシ樹脂であっても常温で液状のエポキシ樹脂に溶解させるなどして、結果的に常温で液状の状態であればよい。
【0027】
本発明に使用する液状封止樹脂組成物には、さらに硬化剤(B)を含むことが好ましい。これによりエポキシ樹脂(A)を硬化させることができる。エポキシ樹脂(A)を硬化させることができるものであればその種類に特に制限はないが、例えばアミン、フェノール類、酸無水物、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂などが挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。性状としては、熱硬化性液状封止樹脂組成物の流動性を確保するため液状の硬化剤が好ましく、例えばジアミノジエチルジフェニルメタンや液状ノボラック型フェノール樹脂などが挙げられる。これらは作業性の悪化が著しくならない限りにおいて、固形の硬化剤を溶解させて用いることもできる。
【0028】
さらに、硬化性の観点からイミダゾール類を単独あるいは前記硬化剤と併用して用いるのが好ましい。イミダゾール類としては例えば、1,2−ジメチルイミダゾールや1−ベンジル−2−メチルイミダゾールや1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1H−イミダゾール−1−プロパン酸−2−メチル−2−エチルヘキシルエステルなどが挙げられる。また、固形のイミダゾール類を溶解させて適用してもよい。固形のイミダゾール類としては、例えば2−メチルイミダゾールや2−ウンデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリフェニルフォスフィンやテトラフェニルフォスフィンの誘導体やその塩などが挙げられるが、液状樹脂組成物に溶解して用いることが好ましい。
【0029】
本発明に使用する液状封止樹脂組成物は、無機充填材を含むことも可能である。無機充填材の材質としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ粉末、溶融シリカ(溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ)、合成シリカ、結晶シリカなどのシリカ粉末などの酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素などの窒化物などを用いることができる。
【0030】
これらの無機充填材は、単独でも混合して使用しても良い。これらの中でも樹脂組成物の耐熱性、耐湿性、強度などを向上できることから溶融シリカ、結晶シリカ、又は合成シリカ粉末が好ましい。無機充填材の形状は、粘度や流動特性の観点から形状は球状であることが好ましい。
【0031】
さらに、本発明に使用する液状封止樹脂組成物には、前記エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)など以外に、必要に応じて希釈剤、顔料、難燃剤、レベリング剤、消泡剤などの添加剤を用いることができる。
【0032】
上記液状封止樹脂組成物は、上述した各成分、添加剤などをプラネタリーミキサー、三本ロール、二本熱ロール、ライカイ機などの装置を用いて分散混練したのち、真空下で脱泡処理して製造することができる。
【0033】
次に、半導体装置の製造方法について説明する。
本発明の半導体装置はCOF方式あるいはSOF方式で組み立てられる半導体装置であり、液状封止樹脂組成物を充填して製造される。
【0034】
例えば、ポリイミドフィルムなどの耐熱フィルム上のスズメッキを施した銅配線上に金バンプを有する半導体素子を共晶接合したCOF方式の半導体装置に対し、半導体素子と耐熱フィルムとの間隙に液状封止樹脂組成物を充填する。充填する方法としては、毛細管現象を利用する方法が一般的である。具体的には、半導体素子の一辺に液状封止樹脂組成物を塗布した後、半導体素子と耐熱フィルムとの間隙に毛細管現象で流し込む方法、半導体素子の2辺に液状封止樹脂組成物を塗布した後、半導体素子と耐熱フィルムとの間隙に毛細管現象で流し込む方法、半導体素子の中央部にスルーホールを開けておき、半導体素子の周囲に液状封止樹脂組成物を塗布した後、半導体素子と耐熱フィルムとの間隙に毛細管現象で流し込む方法などが挙げられる。また、一度に全量を塗布するのではなく、2度に分けて塗布する方法なども行われる。塗布する際十分な充填速度を得るために熱板上などで加熱しながら行うこともできるが、用いられる液状封止樹脂組成物及び充填条件は、製造しようとする半導体装置のフィルム基板下部に透明ヒーターを配置し、その透明ヒーター下部より半導体装置下部越しにフィルム基板と半導体素子あるいはその他の電子部品との接続部を観測すると同時に液状封止樹脂組成物を供給したとき、ボイド発生や未充填部発生の無いことを確認できている必要がある。
上記観測結果のうち、未充填の発生を観測した一例を図2に示す。
【0035】
液状封止樹脂組成物をボイド発生や未充填部発生無く充填完了後、硬化する。特に、リール状態での半導体装置の製造においては、第一段階での加熱によって液状封止樹脂組成物の硬化反応を一定以上進行させて、液ダレや付着、搬送や再巻取り工程での剥離を防止する必要が有り、さらに硬化反応を進行させて信頼性を確保するため、少なくとも二段階以上の加熱硬化工程を要するのが一般的であるが、第一段階の加熱硬化によって前述の不具合を防止し、且つ十分な信頼性を確保できる場合は、第一段の加熱硬化で済ませることも可能である。このようにして、半導体素子と耐熱フィルムとの間が、液状封止樹脂組成物の硬化物でボイド発生や未充填部発生無く封止され、信頼性に優れた半導体装置を得ることができる。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
(実施例1)
1.液状封止樹脂組成物の製造
エポキシ樹脂(A)として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 YDF−870GS)27重量%と芳香族アミン型エポキシ(ジャパンエポキシレジン(株)製 JER−630)27重量%、
硬化剤(B)として、1H−イミダゾール−1−プロパン酸−2−メチル−2−エチルヘキシルエステル((株)ADEKA製 アデカハードナーEH−2020)1.6重量%、
無機充填材として、球状シリカ(アドマテクス(株)製、アドマファインSE−2030 平均粒径0.5μm、最大粒径3μm)40重量%、
添加剤として、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製 KBM−573)0.1重量%、
着色剤として、C.I.ソルベントブラック7(オリヱント化学工業(株)製 NUBIAN BLACK PA−9803)0.1重量%、
密着助剤としてエポキシシランカップリング剤(信越化学(株)製 KBM−403E)4.2重量%を最終の配合量となるように、まずエポキシ樹脂(A)と着色剤とをミキサーにて混合した。
その後残りの成分を配合してさらにミキサーで混合した後、3本ロールで分散混練した。その混合物を真空脱泡して液状封止樹脂組成物Aを得た。
【0038】
2.液状封止樹脂組成物の流入挙動観測と半導体装置の製造
(COFパッケージA)
半導体素子として(株)日立超LSI製JTEG Phase6−25(保護膜=窒化珪素、金バンプ870個付き、サイズ=1.6mm×15mm×0.6mm厚)を、日立超LSI製JKIT COF TEG25−B フレキシブル回路基板(耐熱フィルム=カプトンEN、回路幅9μm(0.2μm厚Snメッキ付き銅箔)/回路間隔9μm)上へ、半導体素子と耐熱フィルムとの間隔が18μmmになるように共晶接合にて接合し、COFパッケージAを得た。
(フィルム基板と半導体素子との接続部への液状封止樹脂組成物の流入挙動観測)
得られたCOFパッケージAの半導体素子と耐熱フィルムとの隙間に上記液状封止樹脂組成物Aを充填する際、COFパッケージAの耐熱フィルム下部に100℃に加熱した透明ヒーター(ジオマティック(株)製 ガラス透明ヒーター 90mm×100mm×3mm厚)を設置し、さらにその透明ヒーター下部に拡大機能付きカメラ(キーエンス製デジタルスコープVHX−500)を設置した。そのうえで透明ヒーター下部より半導体装置下部越しにフィルム基板と半導体素子との接続部を撮影した映像をモニターに出力しながら、加圧式簡易ディスペンサーを用いて半導体素子の長辺(ディジーパット側)側へ液状封止樹脂組成物Aを供給し、フィルム基板と半導体素子との接続部への液状封止樹脂組成物の流入挙動を観測した。
(液状封止樹脂組成物の硬化)
上記により、異常なく液状封止樹脂組成物Aの充填が完了したCOFパッケージを熱版上へ移動し150℃で15分間予備加熱した後、150℃オーブン中で1時間硬化して半導体装置を得た
【0039】
(実施例2)
(COFパッケージB)
半導体素子として(株)日立超LSI製JTEG Phase6−40(保護膜=窒化珪素、金バンプ870個付き、サイズ=1.6mm×15mm×0.6mm厚)を、日立超LSI製JKIT COF TEG40−B フレキシブル回路基板(耐熱フィルム=カプトンEN、回路幅25μm(0.2μm厚Snメッキ付き銅箔)/回路間隔15μm)上へ、半導体素子と耐熱フィルムとの間隔が18μmになるように共晶接合にて接合し、COFパッケージBを得た。COFパッケージAに換えて、得られたCOFパッケージBを用いた以外は、実施例1と同様にして半導体装置を得た。
【0040】
(実施例3)
(COFパッケージC)
半導体素子として(株)日立超LSI製JTEG Phase6−50(保護膜=窒化珪素、金バンプ870個付き、サイズ=1.6mm×15mm×0.6mm厚)を、日立超LSI製JKIT COF TEG50−C フレキシブル回路基板(耐熱フィルム=エスパネックス、回路幅25μm(0.2μm厚Snメッキ付き銅箔)/回路間隔25μm)上へ、半導体素子と耐熱フィルムとの間隔が28μmになるように共晶接合にて接合し、COFパッケージCを得た。COFパッケージAに換えて、得られたCOFパッケージCを用いた以外は、実施例1と同様にして半導体装置を得た。
【0041】
(実施例4)
エポキシ樹脂(A)として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 YDF−870GS)36重量%と芳香族アミン型エポキシ(ジャパンエポキシレジン(株)製 JER−630)36重量%、
硬化剤(B)として、1H−イミダゾール−1−プロパン酸−2−メチル−2−エチルヘキシルエステル((株)ADEKA製 アデカハードナーEH−2020)2.2重量%、
無機充填材として、球状シリカ(アドマテクス(株)製、アドマファインSE−2030 平均粒径0.5μm、最大粒径3μm)20重量%、
添加剤(D)として、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製 KBM−573)0.1重量%、
着色剤として、C.I.ソルベントブラック7(オリヱント化学工業(株)製 NUBIAN BLACK PA−9803)0.1重量%、
密着助剤としてエポキシシランカップリング剤(信越化学(株)製 KBM−403E)5.6重量%を最終の配合量となるように、まずエポキシ樹脂(A)と着色剤とをミキサーにて混合した。
その後残りの成分を配合してさらにミキサーで混合した後、3本ロールで分散混練した。その混合物を真空脱泡して液状封止樹脂組成物Bを得た。
液状封止樹脂組成物Aに換えて、得られた液状封止樹脂組成物Bを用いた以外は実施例1と同様にして半導体装置を得た。
【0042】
(実施例5)
エポキシ樹脂(A)として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 YDF−870GS)18重量%と芳香族アミン型エポキシ(ジャパンエポキシレジン(株)製 JER−630)18重量%、
硬化剤(B)として、1H−イミダゾール−1−プロパン酸−2−メチル−2−エチルヘキシルエステル((株)ADEKA製 アデカハードナーEH−2020)1重量%、
無機充填材として、球状シリカ(アドマテクス(株)製、アドマファインSE−2030 平均粒径0.5μm、最大粒径3μm)60重量%、
添加剤として、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製 KBM−573)0.1重量%、
着色剤として、C.I.ソルベントブラック7(オリヱント化学工業(株)製 NUBIAN BLACK PA−9803)0.1重量%、
密着助剤としてエポキシシランカップリング剤(信越化学(株)製 KBM−403E)2.8重量%を最終の配合量となるように、まずエポキシ樹脂(A)と着色剤とをミキサーにて混合した。
その後残りの成分を配合してさらにミキサーで混合した後、3本ロールで分散混練した。その混合物を真空脱泡して液状封止樹脂組成物Cを得た。
液状封止樹脂組成物Aに換えて、得られた液状封止樹脂組成物Cを用いた以外は実施例1と同様にして半導体装置を得た。
【0043】
(実施例6)
半導体素子の長辺(孤立パット側)側へ液状封止樹脂組成物Aを供給した以外は実施例1と同様にして半導体装置を得た。
【0044】
(実施例7)
半導体素子の長辺(ディジーパット側)側へ液状封止樹脂組成物Aを供給し、10秒後に半導体素子のもう一方の長辺(孤立パット側)側へも液状封止樹脂組成物Aを供給した以外は実施例1と同様にして半導体装置を得た。
【0045】
(比較例1)
エポキシ樹脂(A)として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 YDF−870GS)6.7重量%と芳香族アミン型エポキシ(ジャパンエポキシレジン(株)製 JER−630)6.7重量%、
硬化剤(B)として、1H−イミダゾール−1−プロパン酸−2−メチル−2−エチルヘキシルエステル((株)ADEKA製 アデカハードナーEH−2020)0.4重量%、
無機充填材として、球状シリカ(アドマテクス(株)製、アドマファインSE−2030 平均粒径0.5μm、最大粒径3μm)85重量%、
添加剤として、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製 KBM−573)0.1重量%、
着色剤として、C.I.ソルベントブラック7(オリヱント化学工業(株)製 NUBIAN BLACK PA−9803)0.1重量%、密着助剤としてエポキシシランカップリング剤(信越化学(株)製 KBM−403E)1重量%を
まずエポキシ樹脂(A)と着色剤とをミキサーにて混合した。その後残りの成分を配合してさらにミキサーで混合した後、3本ロールで分散混練した。その混合物を真空脱泡して液状封止樹脂組成物Dを得た。
得られた液状封止樹脂組成物DをCOFパッケージAの半導体素子と耐熱フィルムとの隙間に、100℃熱板上で加圧式簡易ディスペンサーを用いて充填し、150℃で15分間予備加熱した後、150℃で1時間硬化して半導体装置を得た。
【0046】
(比較例2)
添加剤N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製 KBM−573)を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして液状封止樹脂組成物Eを得た。得られた液状封止樹脂組成物EをCOFパッケージAの半導体素子と耐熱フィルムとの隙間に、100℃熱板上で加圧式簡易ディスペンサーを用いて充填し、150℃で15分間予備加熱した後、150℃で1時間硬化して半導体装置を得た。
【0047】
[評価項目]
液状封止樹脂組成物の流入挙動を評価及び得られた半導体装置の外観・信頼性評価を下記のように実施し、得られた結果を表1に示す。
【0048】
1.流入挙動観測
上記実施例において流入挙動を観測した結果を、下記のように分類した。
なお、比較例においては流入挙動の観測を実施しなかった。
A:ボイドが発生。
B:未充填が発生。
C:色ムラが発生。
D:AとBの異常が同時に発生。
E:AとCの異常が同時に発生。
F:BとCの異常が同時に発生。
G:A〜Cの異常が同時に発生。
H:A〜Cの異常発生なし。
【0049】
2.半導体装置の外観評価
上記実施例および比較例により得られた半導体装置の下部耐熱フィルム越しにフィルム基板と半導体素子との接続部を観察した結果を、下記のように分類した。
A:ボイドが発生。
B:色ムラが発生。
C:AとBの異常が同時に発生。
F:AとBの異常は発生しない。
【0050】
3.信頼性
信頼性は、上記実施例および比較例により得られた半導体装置を熱衝撃処理(高温125℃、低温−45℃、繰り返し1000回)した後の導通抵抗を測定し、処理前の導通抵抗値との比率(導通抵抗上昇率)で評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:導通抵抗上昇率が、5%未満であったもの。
○:導通抵抗上昇率が、5%以上、10%未満であったもの。
△:導通抵抗上昇率が、10%以上、20%未満であったもの。
×:導通抵抗上昇率が、20%以上であったもの。
【0051】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、COF(チップ・オン・フィルム)方式あるいはSOF(システム・オン・フィルム)方式の半導体装置における、フィルム基板と半導体素子あるいはその他の電子部品との接続部への液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法、およびその観測方法を用いることで得られるボイドや未充填発生の無い半導体装置を得ることに利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 半導体素子
2 接続部
3 フィルム基板
4 透明ヒーター
5 液状封止樹脂組成物
6 観測方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱性フィルム基板上の回路と該回路上に搭載される半導体素子又はその他の電子部品との接続部が2個以上存在し、前記接続部へ液状封止樹脂組成物を流入及び硬化させて組み立てられる、COF(チップ・オン・フィルム)方式又はSOF(システム・オン・フィルム)方式の半導体装置において、前記接続部への液状封止樹脂組成物の流入挙動を観測する方法であって、
半導体装置の耐熱性フィルム基板の下部に透明ヒーターを配置し、前記透明ヒーターの下部より半導体装置下部越しに前記接続部を観測すると同時に前記接続部に液状封止樹脂組成物を供給することを特徴とする、液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法。
【請求項2】
前記接続部において、耐熱性フィルムと半導体素子又はその他の電子部品との隙間が10μm以上50μm以下で、且つ隣接する接続部同士の間隔が5μm以上25μm以下の部位を有する半導体装置であることを特徴とする請求項1に記載の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法。
【請求項3】
前記液状封止樹脂組成物が、少なくとも(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤とを含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法を用いて、半導体装置への液状封止樹脂組成物の流入挙動を観測する工程を有することを特徴とする、COF(チップ・オン・フィルム)方式あるいはSOF(システム・オン・フィルム)方式で組み立てられる半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜3いずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法を用いて、半導体装置への液状封止樹脂組成物の充填条件を求める工程を有することを特徴とする、COF(チップ・オン・フィルム)方式あるいはSOF(システム・オン・フィルム)方式で組み立てられる半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3いずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物の流入挙動観測方法を用いて、液状封止樹脂組成物のボイド発生や未充填部発生を調べる液状封止樹脂組成物の試験方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−204936(P2011−204936A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71251(P2010−71251)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】