説明

液相PCBの加熱分解装置

【課題】 化石燃料を使用することなく液相PCBを低コストで安全に加熱分解処理する。
【解決手段】 液相PCBの加熱分解過程をガス化炉20によるガス化過程と光学燃焼炉ユニット40による燃焼過程とに分担させ、各処理過程において必要な処理温度を達成する。焼却炉全体を高温とする必要はないことにより、温度維持コストが削減される。ガス化炉20の熱源には電熱を利用し、光学燃焼炉ユニット40の熱源には放電ランプ4Eの熱線光を利用する。放電ランプ4Eの熱線光は、光であることにより集光器4Tで収斂する方法で熱線密度を高めることができるので、ダイオキシン類を熱分解するのに必要とされる超高温を簡易な装置構成で実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に強電分野の電装機材や電気素子の絶縁および冷却目的等に使用されている液相PCBの加熱分解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイオキシン類による環境汚染が問題視されて既に久しいが、問題が解決された訳ではない。急性致死毒性が極めて強いということの他に、ダイオキシン類が発揮する毒性の最も恐れるべき点は、それが慢性的に生物の正常な世代交代機能を阻害し、正常な生命の引継ぎができなくなる点であるといえる。すなわち、毒性の性質が生命の根幹にかかわる毒性であることにある。
【0003】
落雷や火山活動等の特殊な条件による偶発的生成の可能性を除き、ダイオキシン類は、自然界において生成されることのない物質であることが知られている。自然界において生成されない物質であるということは、自然界においてこれを生分解する生物がいないということを意味する。また、ダイオキシンは、極めて安定な物質であり、生分解以外の偶発的化学分解も期待できない。したがって、環境内に排出されたダイオキシン類は、自然に減少することはなく蓄積の一途を辿る。ダイオキシン類が微量ずつでも排出され続けるならば、広大な大自然の希釈機能もいずれ限界情況を呈することとならざるを得ない。
【0004】
環境内に漏出するダイオキシン類は、大きく一般ごみおよび産業廃棄物の焼却炉由来のものと有機塩素系農薬由来のものとに分けられる。農薬由来のものについては、使用の規制という方向性で一応の成果を見せている。規制が難しいのは、各種の焼却炉由来のダイオキシン類である。焼却、すなわち酸化分解処理は、廃棄物等の最も有効な最終処理方法であり、その他の処理方法は、単に廃棄物を人目に触れないようにする、いわば、最終処理責任を将来に先送りする行為に過ぎない。最も、一般ごみについても産業廃棄物についても、分別処理の考え方の啓蒙によって往時に比べれば格段の改善が見られる。しかし、ダイオキシン類に限っては、その環境蓄積性に鑑みて、ゼロエミッションを目指すことが適切である。そして、この目的のためには、より一層の分別の厳密化と、分別した個々の廃棄物等の特性に応じた焼却技術の開発が求められる。
【0005】
このような考え方に基づいて分別したPCB廃棄物をダイオキシン類を発生させないように加熱分解することを目的とする焼却方法や焼却炉が提案されている。例えば、
【特許文献1】特開2005−324176号公報
【特許文献2】特開2005−77013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上掲特許文献に示される技術は、いずれも「超高温」という用語を技術的キーワードとしている。これは、有機塩素化合物であっても、800℃以上、好ましくは1000℃以上の温度環境下で分解処理すればダイオキシン類が発生しない、あるいは、焼却対象に含まれているダイオキシン類が分解されるということが判明しているからである。しかしながら、焼却炉内部を均一に1000℃以上に保持して焼却炉の運転を持続することには、数々の困難を伴う。例えば、炉体の温度限界や安定1000℃以上を維持するために投入することが必要とされる燃料コストの問題だけでも焼却炉の運営に行き詰まりを感じるであろう。これが、従来、このような超高温焼却炉が運営されていない原因の一部である。また、今日的な観点からは、多量の燃料の投入による資源の無駄遣いや多量のCOの排出も問題視されなければならない。
【0007】
PCB廃棄物を焼却処理するには、通常、特定の処理機能を分担する多数の装置を合体させた複雑な焼却プロセス設備を必要とする(特許文献1参照)。これは、上述したように常時流動する熱流体を扱う焼却炉においては、その内部全体を均一な温度とすることが技術的に困難であって、焼却炉の排出ガス中には、複数種類の反応未完成物質や反応中間生成物等が必然的に含まれ、これを除去するために複数種類の物質に対応する特定の処理機能を分担する装置を焼却炉に連鎖させることが必要となるのである。すなわち、PCB廃棄物は、簡易な焼却装置で加熱分解処理することは困難であった。
【0008】
一方、焼却炉にアフターバーナを連結することによって比較的簡易な構成でPCB廃棄物を加熱分解可能とする主張も存する(特許文献2参照)。これは、炉体内に燃料と空気とを吹き込む拡散型サイクロン燃焼炉の改良に係り、アフターバーナを追加している点に特徴を有するもの思われるが、アフターバーナ以前の従来の構成部分である炉本体においての温度設定が従来見られない非常に高温であることが注目される。炉体の温度限界が気になるところである。また、アフターバーナの構成部分においては、バーナの火炎が燃焼対象ガスを押しのけてしまうので、火炎の温度十分に高い場合であっても対象物がその温度で処理されることが保障されないという燃焼方式特有の問題を伴う。また、通常より大幅に高い温度設定により、大量の燃料を投入することが必要であろう。液相PCBの投入方式に関しては、炉体内に噴霧する方式である。
【0009】
一般に廃棄物の燃焼炉に関しては、炉内温度の偏在を避けることができない。上記の例示では、燃料や燃焼対象物を吹き込む部分における温度は、他の部分より極端に低温となる。また、炉内の火炎は渦を巻くように伝播するので、炉内における低温部と高温部の発生箇所は、常時移動する。このため、例えば、燃料コストを無視して炉内温度を1000℃に設定したとしても、殊に、燃焼対象物が難燃性である場合には、設定した予定処理温度で処理することが困難である。
【0010】
本発明のイメージを例えて言えば、直径5cmのレンズで集めた太陽光の熱エネルギが新聞紙を焼くというような事象を液相PCBの熱分解処理に応用した発明である。本発明は、COの削減を図るために化石燃料を使用することなく、設置コストを削減するために複雑なプラント構成を要することなく、運転コストを抑えるために少ない投入エネルギで、環境汚染を回避するためにダイオキシン類を発生させることなく液相PCBを熱分解処理することができる液相PCBの加熱分解装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するための手段として、本発明は、次のような構成を採用する。
【0012】
本発明の請求項1に記載の液相PCBの加熱分解装置は、液相PCBを空気遮断加熱してガス化するガス化炉と、ガス化炉によって生成されたガス化PCBに空気を混入して撹拌するエアミキシング装置と、エアミキシング装置を経たガス化PCBを高温に予熱したヒータエレメントに強制通過させて瞬時燃焼させる少なくとも1基の光学燃焼炉ユニットを備え、ガス化炉は、収容した液相PCBを電熱によって加熱する加熱槽と加熱槽を気密状態に取り囲むガス貯留槽とによって構成され、エアミキシング装置は、送込みポンプと撹拌器とから構成され、光学燃焼炉ユニットは、ヒータエレメントを内蔵する燃焼筒と燃焼筒の外部からヒータエレメントに熱線光を照射する光学熱源装置とによって構成されるとともに、光学熱源装置は、熱線光を発生させる放電ランプと放電ランプの熱線光を一方向性の収斂性光束に変換するに集光器とから構成され、液相PCBをガス化炉によってガス化PCBに相変化させ、相変化したガス化PCBをエアミキシング装置に通過させて空気を混ぜ込み、空気を混ぜ込んだガス化PCBを1200℃〜1600℃に予熱した光学燃焼炉ユニットのヒータエレメントに通過させて瞬時燃焼させることを特徴とする。
【0013】
上記構成に係る液相PCBの加熱分解装置においては、液相PCBの熱分解過程をガス化過程と燃焼過程とに分け、ガス化過程はガス化炉に、燃焼過程は光学燃焼炉ユニットに、それぞれ分担させている。したがって、ダイオキシン類を発生させないために必要とされる温度は、光学燃焼炉ユニットにおいてのみ達成されればよく、ガス化炉は、液相PCBのガス化に必要な比較的低温で運転することができる。また、光学燃焼炉ユニットは、熱線光を集光器でコントロールする方式であるため、これをピンポイント的に絞り込んでヒータエレメントに照射することによって、簡単に、いわゆる超高温を達成することができる。ガス化炉を経たガス化PCBには、エアミキシング装置によって空気が混ぜられ、酸化分解のための準備が完了する。次いで、ガス化PCBは、光学燃焼炉ユニットに送られ、1200℃〜1600℃に予熱されたヒータエレメントを通過することによってダイオキシン類を発生させることなく加熱分解される。
【0014】
本発明の請求項2に記載の液相PCBの加熱分解装置は、複数基の光学燃焼炉ユニットを備え、エアミキシング装置を経たガス化PCBを分岐して複数基の光学燃焼炉ユニットに供給することを特徴とする。
【0015】
上記構成を有する液相PCBの加熱分解装置は、局部的にしか高温部を形成できないという本発明の欠点を解消することができる。すなわち、ガス化炉を経たガス化PCBを2基以上の光学燃焼炉ユニットに並列的に処理することによって、液相PCBの処理能力を光学燃焼炉ユニットの台数に比例して高めることができる。
【0016】
本発明の請求項3に記載の液相PCBの加熱分解装置は、配管路を介して直列接続した複数基の光学燃焼炉ユニットを備え、複数基の光学燃焼炉ユニットにガス化PCBを順次通過させることを特徴とする。
【0017】
上記構成を有する液相PCBの加熱分解装置は、ダイオキシン類の誤排出等の事故に対して高い安全性を発揮することができる。2基以上の光学燃焼炉ユニットが直列接続されている場合は、ガス化PCBが複数回に及んで異なる光学燃焼炉ユニットを通過する。したがって、光学燃焼炉ユニットの1基が温度低下等の故障をしたような場合においても、ダイオキシン類が排出されるのを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の液相PCBの加熱分解装置は、液相PCBの加熱分解過程をガス化炉によるガス化過程と光学燃焼炉ユニットによる燃焼過程とに分担するので、従来のように焼却炉全体を高温とする必要はなく、各分解過程に必要な温度を達成すれば足りるとともに、高温を必要とする燃焼過程は、放電ランプの熱線光を集光器で収斂して必要な高温を実現する簡易な方式であるため、設置コストおよび運転コストが極めて少ない他、ガス化炉と光学燃焼炉ユニットは、電気エネルギを利用するので加熱分解対象である液相PCBの分解生成物としてのCO以上のCOを排出しないという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を引用しながら本発明の液相PCBの加熱分解装置の実施の形態を説明する。
【0020】
液相PCBの加熱分解装置は、貯留槽10、ガス化炉20、エアミキシング装置30、2基の光学燃焼炉ユニット40,40、スクラブ槽50を配管路61…65で接続してなる(図1)。
【0021】
貯留槽10は、処理対象である液相PCBを貯留する容器であって、容器本体11と、蓋板12とからなる。容器本体11の底面に、収容した液相PCBをガス化炉20へ送り出す排出ポート13を有する。
【0022】
ガス化炉20は、液相PCBを空気遮断加熱してガス化する機能を分担する。ガス化炉20は、ガス化炉は、液相PCBを電熱によって加熱する加熱槽21と、加熱槽21を気密状態に取り囲むガス貯留槽22とから構成されている。加熱槽21の実体は、焼結成型したアルミナ製の電気抵抗ルツボであり、多数の透孔を設けた蓋板23を備える。加熱槽21の支持部内には、底面に至る供給ポート24が形成されている。ガス貯留槽22は、加熱槽21を外部から遮断し、発生したガス化PCBを保持する機能を有し、所定の内圧に耐えることができる。ガス貯留槽22の上部には、フィルタ25付きの排出ポート26が設けられている。
【0023】
貯留槽10の排出ポート13と加熱槽21の供給ポート24とは、駆動モータM1によって駆動する液送ポンプP1と仕切り弁V1を介装した配管路61によって接続されている。仕切り弁V1は、液送ポンプP1と加熱槽21との間に介装されている。したがって、仕切り弁V1を開いて液送ポンプP1を作動させることによって、貯留槽10内の液相PCBをガス化炉20内の加熱槽21に送り込むことができる。
【0024】
エアミキシング装置30は、駆動モータM2を備える送込みポンプP2と撹拌器31とからなり、フィルタ32を通して外部の空気を取り込むことができる。撹拌器31は、可動部分を有しない静止型混合方式のものであり、熱の影響を殆ど受けない。ガス化炉20におけるガス貯留槽22の排出ポート26と撹拌器31とは、仕切り弁V2を介装した配管路62によって接続され、撹拌器31は、ガス化炉20から排出されるガス化PCBに対して送込みポンプP2から送込まれる空気を切り混ぜることができる。
【0025】
2基の光学燃焼炉ユニット40,40は、同一構造であり、各光学燃焼炉ユニット40は、燃焼筒41と光学熱源装置42とからなる(図2)。燃焼筒41は、タングステン合金からなるケーシング4Aと、ケーシング4Aに焼き嵌めするヒータエレメント4Cとスペーサ4Bとからなる。ヒータエレメント4Cおよびスペーサ4Bは、いずれもアルミナの焼結成型部材であり、1800℃の温度に余裕をもって耐えることができる。ケーシング4Aは、上下面開放の筒体であるが、ケーシング4Aの上部は、内曲げフランジ加工した状態で開放されている。
【0026】
ヒータエレメント4Cは、円柱状のコア4Kの周囲に、放射方向に多数のスリット4S…を形成した3段のフランジ4L…を突出させた構造を有し(図3)、コア4Kの上下の端面には、深い凹陥部4Hが形成されている。
【0027】
燃焼筒41における、ケーシング4Aの内部空間は、ヒータエレメント4Cを嵌め込むことによって上下の燃焼室4R,4Rに分割されている。ただし、上下の燃焼室4R,4Rは、ヒータエレメント4Cに形成した多数のスリット4S…を介して連通している。下側の燃焼室4Rには、さらに、スペーサ4Bがはめ込まれ(図2)、スペーサ4Bには、供給ポート4Pが設けられている。また、上側の燃焼室4Rには、排出ポート4Qが設けられている。
【0028】
光学燃焼炉ユニット40における光学熱源装置42は、熱線光を発生させる放電ランプ4Eと、放電ランプ4Eの熱線光を一方向性の収斂性光束LSに変換するに集光器4Tとから構成されている(図2)。放電ランプ4Eには、バルブ内にクセノンガスを封入してなるクセノン球が採用されている。次のような理由による。光線が奏する基本的作用としては、(a)光化学作用、(b)光熱作用、(c)光電子作用、(d)光化学作用(二光子反応)が知られている。本発明は、これらの作用のうちの(b)光熱作用を利用するものである。そして、光熱作用は、光成分のうちの近赤外領域から遠赤外領域に属する、いわゆる熱線成分による作用であるところ、各種のガス封入ランプを比較検討した結果、クセノンを封入したものにおいて、最も広範囲に熱線成分が含まれることが判明したためである。また、放電発光の方式を選択したのは、大出力のものが市場に提供されているという理由による。
【0029】
光学熱源装置42における集光器4Tは、放電ランプ4Eが不定方向に照射する熱線光を1方向性の収斂性光束LSに変換することを目的とし、鏡筒4D、有焦点反射鏡4M、必要に応じて用いるレンズL1(図2に二点差線で示す。)で構成されている。光学熱源装置42は、出力6kWのクセノン球を用いた場合、収斂性光束LSの焦点位置において照射対象物の表面を少なくとも1500℃に瞬時に昇温することができる。なお、収斂性光束LSは、各種の収差により焦点位置において点とはならず、スポット光状態となる。そして、光学熱源装置42と燃焼筒41とは、収斂性光束LSの焦点位置をヒータエレメント4Cのコア4Kの凹陥部4Hに一致させるように組み合わされている。この組み合わせによって、ヒータエレメント4C全体としては、1200℃〜1300℃の温度を維持することができる。
【0030】
2基の光学燃焼炉ユニット40,40における各燃焼筒41には、エアミキシング装置30の撹拌器31からの配管路を分岐した配管路63が下側の燃焼室4Rの供給ポート4Pに接続されている(図1)。ただし、一方の燃焼筒41の配管路63には、絞り弁V3が介装され、2基の光学燃焼炉ユニット40に供給されるガス化PCBの量的バランスを整えることができるように配慮されている。各燃焼筒41の下側の燃焼室4Rの送りこまれたガス化PCBは、ヒータエレメント4Cのフランジ4L…に設けたスリット4S…を3回通過することによって上側の燃焼室4Rに到達する。ガス化PCBがスリット4S…を通過する際には、他に、ガスの逃げ場がないことから、ガス化PCBは、強制的にヒータエレメント4Cに擦り付けられ、瞬時に燃焼完了することができる。
【0031】
スクラブ槽50は、水を満たした水槽51内に噴気ユニット52を備え、噴気ユニット52と各燃焼筒41の排出ポート4Qとが配管路64によって接続されている。スクラブ槽50は、燃焼筒41の排気を噴気ユニット52を介して水中に放出することによって、排気を洗浄する機能を有する。水中に放出された排気は、排出口52から大気中に放出される。なお、このスクラブ槽50は、燃焼筒41からの排気の状況によっては、他の方式のスクラブ装置を採用することができる他、省略することもできる。
【0032】
なお、スクラブ槽50と貯留槽10とは、駆動モータM3を備える液送ポンプP3を介装した配管路65によって接続され、水槽51内の水が何らかの原因で汚染した場合に、汚染した水を貯留槽10に帰還させて、液相PCBを処理するのと同じ要領で洗滌水を加熱焼却処理することができるように構成されている。一般の焼却炉においては、洗滌水の処理も困難な問題であるが、本発明の液相PCBの加熱分解装置においては、かように容易である。
【0033】
複数の光学燃焼炉ユニット40を使用する液相PCBの加熱分解装置においては、複数の光学燃焼炉ユニット40,40を配管路63Bを介して直列接続し、光学燃焼炉ユニット40,40にガス化PCBを順次通過させるように構成することもできる(図4)。これによって、不完全燃焼等によるダイオキシン類の排出危険性を激減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態を示す全体系統図である。
【図2】上記実施の形態における要部の断面図である。
【図3】上記実施の形態における要部の斜視図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す要部の系統図である。
【符号の説明】
【0035】
LS 収斂性光束
P2 送込みポンプ
20 ガス化炉
21 加熱槽
22 ガス貯留槽
30 エアミキシング装置
31 撹拌器
40 光学燃焼炉ユニット
41 燃焼筒
42 光学熱源装置
4C ヒータエレメント
4E 放電ランプ
4T 集光器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液相PCBを空気遮断加熱してガス化するガス化炉と、該ガス化炉によって生成されたガス化PCBに空気を混入して撹拌するエアミキシング装置と、前記エアミキシング装置を経たガス化PCBを高温に予熱したヒータエレメントに強制通過させて瞬時燃焼させる少なくとも1基の光学燃焼炉ユニットを備え、
前記ガス化炉は、収容した液相PCBを電熱によって加熱する加熱槽と該加熱槽を気密状態に取り囲むガス貯留槽とによって構成され、前記エアミキシング装置は、送込みポンプと撹拌器とから構成され、前記光学燃焼炉ユニットは、前記ヒータエレメントを内蔵する燃焼筒と該燃焼筒の外部から前記ヒータエレメントに熱線光を照射する光学熱源装置とによって構成されるとともに、該光学熱源装置は、熱線光を発生させる放電ランプと該放電ランプの熱線光を一方向性の収斂性光束に変換するに集光器とから構成され、
液相PCBを前記ガス化炉によってガス化PCBに相変化させ、相変化したガス化PCBを前記エアミキシング装置に通過させて空気を混ぜ込み、空気を混ぜ込んだガス化PCBを1200℃〜1600℃に予熱した前記光学燃焼炉ユニットのヒータエレメントに通過させて瞬時燃焼させることを特徴とする液相PCBの加熱分解装置。
【請求項2】
複数基の光学燃焼炉ユニットを備え、前記エアミキシング装置を経たガス化PCBを分岐して複数基の光学燃焼炉ユニットに供給することを特徴とする請求項1に記載の液相PCBの加熱分解装置。
【請求項3】
配管路を介して直列接続した複数基の前記光学燃焼炉ユニットを備え、複数基の光学燃焼炉ユニットにガス化PCBを順次通過させることを特徴とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液相PCBの加熱分解装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−275177(P2008−275177A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−178257(P2006−178257)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(392031620)
【出願人】(594079349)
【出願人】(305001917)有限会社アークコーポレーション (6)
【出願人】(501342366)株式会社サトカンパニー (5)
【Fターム(参考)】