説明

減圧弁

【課題】1次側に供給された流体の圧力変動に起因する2次側の流体圧力の変動域を所望の範囲に設定できる減圧弁を提供する。
【解決手段】1次圧をP、2次圧をP、ピストン35が圧力室51内の流体から受ける圧力の受圧面積をA、弁体26が連通路16内の流体から受ける圧力の受圧面積をA、弁体26が1次側流体通路内の流体から受ける圧力の受圧面積をA、弁体26の外圧受圧面34の面積をA、荷重スプリング45のバネ荷重をF、バルブスプリング33のバネ荷重をFとすると、次式が成り立つ。


上記式中、2次圧Pが1次圧Pによって影響を受ける因子は、P×(A−A)であるから、この因子を制御することにより、所望の2次圧特性を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1次側に供給された流体の圧力変動に起因する2次側の流体圧力の変動域を所望の範囲に設定することができる、減圧弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2003−104495号公報には、ガスボンベを有する一次側の圧力の変動が飲料容器を含む二次側に影響を与えることのないコンパクトな減圧弁が提案されている(同公報0011段落参照)。この減圧弁は、二次側回路の圧力を所定の圧力に維持するために、一次側回路から供給されるガスの量を制御する減圧弁であって、その一次側シリンダ(22)には、その内外を貫通する開放孔(36)が形成され、弁体(28)はこの開放孔(36)の内部に摺動可能に挿入され、この弁体(28)が一次側シリンダ(22)の外部雰囲気に接触するように構成されている(同公報0012段落参照)。
【0003】
この減圧弁によれば、ガス供給源と連通している一次側シリンダ(22)の内圧が弁体(28)だけでなく外部雰囲気側にも作用するため、弁体(28)に作用する一次側シリンダ(22)の内圧と、外部雰囲気に作用する差内圧とが相互に相殺されるから、ガス供給源から一次側シリンダ(22)までの一次側回路の圧力変動が二次側に影響することがなく、ディスペンサ(1,50)は、常に、安定した条件の下で飲料容器(2)に収容された飲料を抽出することができる(同公報0013段落参照)。
【0004】
そして、上記ディスペンサ(1,50)の減圧弁(20,66)において、開放孔(36)に挿入される弁体(28)の部分(30)が開放孔(36)内におけるその横断面積が連通路(26)の横断面積と同値になるように形成することで、弁体(28)に作用する一次側シリンダ(22)の内圧と、外部雰囲気側に作用する差内圧とを確実に相殺させることができる(同公報0014段落参照)。したがって、これら二つの横断面積に差異があるときには、前述の内圧と差内圧とは相殺されず、一次側の圧力変動が二次側に影響すると理解される。
【特許文献1】特開2003−104495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の出願人は、流体通路の1次側に供給された流体の圧力が弁体を弁座に密着させようとする力と、流体通路の1次側に供給された流体の圧力が弁体を弁座から離隔させようとする力とが互いに打ち消し合うように、弁体に流体通路の外部の圧力が作用する外圧受圧面を形成したことを特徴とする、圧力制御弁を提案した(特願2005−319520号)。しかしながら、圧力制御弁の使用目的によっては、これらの2方向の力が厳密に打ち消される必要がない場合がある。例えば、この圧力制御弁を、エア工具に圧縮空気を供給するために、空気圧縮機のエアタンクの吐出口に取り付けられる、減圧弁として使用する場合である。このような減圧弁では、1次側の流体圧力が変動したとき、2次側の流体圧力の変動域を所定の範囲に収めれば、エア工具の駆動に支障を生じない場合が多い。
【0006】
本発明の目的は、1次側に供給された流体の圧力変動に起因する2次側の流体圧力の変動域を所望の範囲に設定することができる減圧弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の減圧弁は、1次側に供給された流体を2次側に導く流体通路と、前記流体通路に形成された弁座と、前記流体通路の1次側に配置され、かつ、前記弁座と協働して前記流体通路の断面積の大きさを規制する、弁体と、前記弁体と前記弁座のシート圧力を規制するバルブスプリングと、前記流体通路の2次側に配置され、かつ、前記流体通路の2次側の圧力変動に応じて前記弁体を前記弁座に関して変位させる、弁体駆動部材と、前記弁体駆動部材を前記弁体に向けて付勢する荷重スプリングとを有し、前記流体通路の1次側に供給された流体を減圧して2次側に吐出する、減圧弁において、前記流体通路の1次側に供給された流体の圧力によって前記弁体が前記弁座に押し付けられる力を減殺するように、前記弁体に前記流体通路の外部の圧力が作用する外圧受圧面を形成し、これにより、前記1次側に供給された流体の圧力変動に起因する前記2次側の流体圧力の変動域を所定の範囲に規制したことを特徴とする。
【0008】
本発明の減圧弁は、また、前記1次側に供給された流体の圧力変動に起因する前記2次側の流体圧力の変動域を、前記弁体が前記弁座に密着したときに当該密着部の外縁によって画成される面積と前記外圧受圧面の面積との差によって規制することを特徴とする。
【0009】
本発明の減圧弁は、更に、前記荷重スプリングのバネ荷重を変化させる2次圧設定機構を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の減圧弁は、更に、前記荷重スプリングのバネ荷重を変化させる2次圧設定機構を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の減圧弁は、1次側に供給された流体の圧力変動に起因する2次側の流体圧力の変動域を所定の範囲に規制することができるから、汎用性の高い減圧弁を提供することができる。
【0012】
本発明の減圧弁は、閉弁時に弁体と弁座の密着部の外縁によって画成される面積と弁体の外圧受圧面の面積との差によって、1次側の流体圧力が弁体を弁座に関して相対変位させようとする力を制御するから、弁体が1次側の流体圧力によって受ける開弁方向又は閉弁方向の力を正確に設定することができる。よって、減圧弁の2次側の流体圧力の変動域を所望の範囲に正確に設定することができる。
【0013】
また、減圧弁の2次側の流体圧力は、弁体が1次側の流体圧力によって受ける開弁方向又は閉弁方向の力と、荷重スプリング及びバルブスプリングのバネ荷重とによって定めることができるから、これらの力のうち、弁体が1次側の流体圧力によって受ける力を正確に設定することができれば、荷重スプリング及びバルブスプリングのバネ荷重の設定が容易になる。これにより、減圧弁の2次側の流体圧力の変動域を正確にかつ容易に設定することができる。
【0014】
更に、本発明の減圧弁では、弁体と弁体駆動部材とを別体とし、弁体と弁体駆動部材とを互いに別個に変位可能に構成することができる。したがって、2次側の流体圧力が予め設定された2次圧の変動域よりも高圧になったときに、弁体駆動部材が弁体から離隔して単独で変位し、弁体駆動部材に形成されたリリーフ通路が開放して、2次側の流体通路を大気中に連通させるように構成すれば、減圧弁を使用する上での安全性を高めることができる。
【0015】
本発明のその他の特徴は、図を参照して記述された、以下の実施例の説明から明らかになる。
【実施例1】
【0016】
図1乃至4は、本発明の第一実施例の直動型減圧弁1を示す。
【0017】
図1及び2に示すように、減圧弁1の器体は、基底部材2、シリンダ部材3、弁体支持部材4及び荷重スプリング用ハウジング5を基本的な構成部材として組立てられている。
【0018】
基底部材2の中心部には軸線方向に延在する貫通孔6が形成され、基底部材2の側面には、流体供給源(図示せず。)に連結される1次側ポート7と、流体機器等(図示せず。)に連結される2次側ポート8が開口する。1次側ポート7は貫通孔6に連通し、2次側ポート8は、基底部材2の上面に形成された凹部9の底面に開口部を有する縦方向穴10に連通する。
【0019】
基底部材2の下面には、貫通孔6に螺合した弁体支持部材4が装着され、弁体支持部材4は貫通孔6の下端の開口部を閉塞する。弁体支持部材4の軸心に沿って弁体挿入孔11が形成され、弁体挿入孔11の軸心と貫通孔6の軸心とは一致する。弁体支持部材4は貫通孔6に螺合しているから、弁体支持部材4を回転させることにより、基底部材2に関し弁体支持部材4を軸心方向に相対的に変位させることができる。
【0020】
基底部材2の上面に形成された凹部9にはシリンダ部材3が嵌合する。このとき、シリンダ部材14の底部の中央部に形成された突起部12は、貫通孔6の上端の開口部に嵌合する。基底部材2とシリンダ部材3の間にはシールリング13、14が介装され、基底部材2とシリンダ部材3の間隙は気密状態に保持される。シリンダ部材3の内面にはシリンダ部15が形成されている。シリンダ部15の軸心は貫通孔6の軸心と一致する。突起部12の軸心に沿って連通孔16が形成され、連通孔16は貫通孔6とシリンダ部15の間に延在する。連通孔16の軸心は貫通孔6の軸心と一致する。シリンダ部15の底部には貫通路17が形成され、貫通路17は縦方向穴10に連通する。
【0021】
基底部材2の上面には荷重スプリング用ハウジング5が複数本のボルト18、19によって固定される。ハウジング5は、その下面に開口部20を有する中空体で構成される。ハウジング5の開口部20の周縁部にはフランジ部21が形成される。ハウジング5をボルト18、19で基底部材2に固定すると、フランジ部21の下面がシリンダ部材3の上面に係合し、これによってシリンダ部材3は基底部材2の凹部9の内部に固定される。ハウジング5の天井部21の中心部にはネジ孔22が形成される。ネジ孔22の軸線はハウジング5の軸線に一致すると共に連通孔16の軸線及び貫通孔6の軸線に一致する。ハウジング5の側面部23には、ハウジング5の内部空間24を大気中に連通させる大気連通孔25が形成される。
【0022】
図3に示すように、貫通孔6に弁体26を配置する。弁体26は弁頭部27と弁支持部28とによって構成され、弁頭部27は弁支持部28に固定される。弁頭部27は、減圧弁の使用目的に適合する材料によって構成され、シリンダ部材3の突起部12の下面に形成された弁座29に着座することができる。弁座29は、突起部12の下面から貫通路6の内部に向かって突出形成され、連通路16の貫通孔6の側の開口部を囲繞して、環状に延在する。弁頭部27の上面の中央部に凹部30が形成され、弁頭部27は凹部30の外周部で弁座29に着座する。弁体26の弁支持部28は貫通孔6の軸線に沿って延在する。弁支持部28の下方部位に摺動部31が形成され、摺動部31は弁体支持部材4の弁体挿入孔11に摺動自在に嵌合される。摺動部31の周面にはシールリング32が装着され、シールリング32によって、摺動部31と弁体挿入孔11の間隙は気密状態を保持する。弁体26の弁支持部28と弁体支持部材4の間にバルブスプリング33が介装され、弁体26は、バルブスプリング33の弾発力によって、弁頭部27が弁座29に着座する方向に常時付勢される。弁支持部28の摺動部31の下端面34は弁体挿入孔11から弁体支持部材4の外部に露出し、大気圧を受ける外圧受圧面を構成する。
【0023】
図1及び3に示すように、シリンダ部材3のシリンダ部15にはピストン35が摺動自在に嵌合する。ピストン35の周面にはシールリング36が装着され、シールリング36によって、ピストン35の周面とシリンダ部15の間隙は気密状態に保持される。ピストン35の前面37の中央部には突出部38が形成され、突出部38は、シリンダ部材3の連通孔16を通って、弁体26の弁頭部27まで延在する。ピストン35にはリリーフ通路39が形成される。リリーフ通路39はピストン35の軸心に沿って延在し、突出部38の先端面40とピストン35の背面41とに開口する。図1に示すように、ハウジング5の天井部21に形成されたネジ孔22にはボルト42が螺合し、ボルト42の先端部はハウジング5に収容されたバネ受け43の中央部に当接し、バネ受け43を支持する。ピストン35の背面41に装着されたワッシャ44とバネ受け43の間には、荷重スプリング45が介装され、荷重スプリング45の弾発力によってピストン35は弁体26の方向に常時付勢される。
【0024】
図1、2及び3に示すように、ハウジング5の天井部21の外面には、減圧弁1で利用可能な設定圧が記載された圧力指示板46が固定ネジ47で固定されている。図4(a)の圧力指示板46には0.0乃至1.0MPaの範囲の設定圧が0.1MPaごとに目盛られている。また、図4(b)の圧力指示板46には0.0乃至2.5MPaの範囲の設定圧が0.25MPaごとに目盛られている。圧力指示板46の上部には圧力設定つまみ47が配置され、圧力設定つまみ47は固定ネジ49によってボルト42に固定される。例えば、図4(a)の圧力指示板46が装着された減圧弁1において、圧力設定つまみ47を回転させ、圧力設定つまみ48の指示線50を圧力指示板46の0.4MPaに合わせると、圧力設定つまみ47の回転に伴ってボルト42が回転し、バネ受け43がハウジング5の内部で上下動し、荷重スプリング45の弾発力を変化させる。これにより、減圧弁1の設定圧は0.4MPaとなり、2次側ポート8から流出する流体の圧力は0.4MPaとなる。圧力指示板46に目盛られた他の圧力値についても同様である。圧力指示板46に記載された圧力値は2次側の目安値であり、2次側の流体圧力はこの目安値を含む変動域内で変動することができる。2次側の流体圧力の変動域は減圧弁毎に設定される。
【0025】
以下、図4(a)の圧力指示板46が装着された減圧弁1において、圧力設定つまみ48の指示線50を圧力指示板46の0.4MPaに合わせた場合について説明する。この状態において、減圧弁1のピストン35は荷重スプリング45の弾発力によって弁体26の方向に変位し、ピストン35の突出部38を弁体26に係合させている。すなわち、ピストン35の突出部38の先端面40は、弁体26の弁頭部27に形成された凹部30の底面に密着し、弁体26をバルブスプリング33の弾発力に抗して図3中の下方へ押し下げている。この結果、弁頭部27は弁座29から離隔し、1次側ポート7は連通孔16を介して2次側ポート8に連通すると共に、リリーフ通路39は弁頭部27によって閉鎖される。ここで、1次側ポート7を空気圧縮機等の流体供給源(図示せず。)に連結し、2次側ポート8をエア工具等の流体機器(図示せず。)に連結して、この流体機器を作動させると、1次側ポート7に流入した流体は、弁頭部27と弁座29の間隙を通って連通路16に流入し、次いで、ピストン35の前面37とシリンダ部15によって画成される圧力室51に流入する。圧力室51に流入した流体は、貫通路17及び縦方向穴10を通って2次側ポート8に供給され、2次側ポート8に連結された流体機器で使用される。
【0026】
このような流体機器の使用中に、又は、流体機器の停止及び再起動等により、圧力室51の流体圧力が設定圧である0.4MPaになると、ピストン35は荷重スプリング45の弾発力に抗して上方へ変位し、図1又は3に示すように、弁頭部27が弁座29に着座する。これによって、連通路16は閉鎖され、圧力室51の流体圧力の上昇は停止する。また、2次側ポート8の流体圧力が低下すると、ピストン35は荷重スプリング45の弾発力によって弁体26の方向に変位し、ピストン35の突出部38が弁頭部27を弁座29から離隔させ、連通路16を1次側ポート7に連通させる。これにより、圧力室51に流体が流入し、圧力室51の流体圧力が設定圧まで上昇する。この動作を繰り返すことにより、減圧弁1は、弁座29から2次側ポート8まで延在する2次側流体通路の流体圧力を現在の設定圧である0.4MPaを含む変動域内に保持しようとする。
【0027】
なお、弁体26の弁頭部27が弁座29に着座した状態で、圧力室51の流体圧力が予め設定された変動域よりも高圧になったときには、ピストン35が荷重スプリング45の弾発力に抗して後退し、ピストン35の突出部38の先端面40を弁頭部27から離隔させる。これにより、リリーフ通路39が開放し、圧力室51を大気連通孔25に連通させ、圧力室51の流体圧力を変動域内まで低下させる。
【0028】
弁座29から2次側ポート8まで延在する2次側流体通路の流体圧力(以下、2次圧という。)は、1次側ポート7から弁座29まで延在する1次側流体通路の流体圧力(以下、1次圧という。)の変動によって変化する。すなわち、1次圧をP、2次圧をP、ピストン35が圧力室51内の流体から受ける圧力の受圧面積をA、弁体26が連通路16内の流体から受ける圧力の受圧面積をA、弁体26が1次側流体通路内の流体から受ける圧力の受圧面積をA、弁体26の下端面(外圧受圧面)34の面積をA、荷重スプリング45のバネ荷重をF、バルブスプリング33のバネ荷重をFとする。また、図3に示すように、ピストン35の直径をD、連通路16の直径をD、ピストン35の突出部38の外周の直径をD、弁体26の弁頭部27が弁座29に密着したときの密着部の外縁の径をD、弁体26の下端面(外圧受圧面)34の直径をDとする。
【0029】
は次の数式で表される。
【数1】

【0030】
は次の数式で表される。
【数2】

【0031】
は次の数式で表される。
【数3】

【0032】
は次の数式で表される。
【数4】

【0033】
2次圧Pは次の数式で表される。
【数5】

【0034】
数式5から、2次圧Pが1次圧Pによって影響を受ける因子は、数式5中のP×(A−A)の項であることが解る。
【0035】
すなわち、2次圧Pが1次圧Pから無関係に定まるためには、弁体26の弁頭部27が弁座29に密着したときの密着部の外縁の径をDと、弁体26の下端面(外圧受圧面)34の直径Dとを同値にすれば達成される。
【0036】
同様に、1次圧Pと、弁体26の弁頭部27が弁座29に密着したときの密着部の外縁の径をDと、弁体26の下端面(外圧受圧面)34の直径Dとにより、数式5に従って、1次圧Pが2次圧Pに与える影響を正確に制御し、所望の2次圧特性を有する減圧弁1を提供することができる。
【0037】
なお、弁体支持部材4を基底部材2に関して回転させ、これによって、バルブスプリング33のバネ荷重を変化させることによって、弁体26と弁座29のシート圧力を設定することができる。
【実施例2】
【0038】
図5は、本発明の減圧弁の第2実施例を示す。この実施例の減圧弁100の特徴は、圧力設定つまみ52の形状を変更して、減圧弁100をより小型化すると共に、基底部材53にシリンダ部54を形成することにより、部品点数の減少を図ったことにある。圧力設定つまみ52の形状を変更したことにより、第1実施例の圧力指示板46を廃し、圧力指示板46に記載されていた目盛りは荷重スプリング用ハウジング55の外側面に記載される。その他の構成は、第1実施例の減圧弁1と同様であり、図5中、図1乃至4で使用された参照番号と同一の番号は、基本的に同一の機能を果たす構成要素を示す。
【実施例3】
【0039】
図6及び7は、本発明の減圧弁の第3実施例を示す。この実施例の減圧弁200の特徴は、回転式の圧力設定つまみの代わりにカム56を利用した圧力設定レバー57で構成すると共に、第1実施例の基底部材2とシリンダ部材3と荷重スプリング用ハウジング5を一体化した器体部材58を用いた点にある。図中の参照番号59は、圧力設定レバー57の回転軸を示す。このような構成を採ることにより、部品点数の更なる減少を図ることができると共に、製品の組立効率が大幅に増加する。その他の構成は、第1実施例の減圧弁1と同様であり、図6及び図7中、図1乃至4で使用された参照番号と同一の番号は、基本的に同一の機能を果たす構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の減圧弁の縦断面図である。(実施例1)
【図2】図1の減圧弁の正面図である。(実施例1)
【図3】図1の要部を拡大した断面図である。(実施例1)
【図4】図4(a)は図1の減圧弁の上面図であり、図4(b)は図1の減圧弁の変更例の上面図である。
【図5】本発明の減圧弁の他の実施例の縦断面図である。(実施例2)
【図6】本発明の減圧弁の更に他の実施例の縦断面図である。(実施例3)
【図7】図6の減圧弁の作用を示す縦断面図である。(実施例3)
【符号の説明】
【0041】
4 弁体支持部材
7 1次側ポート
8 2次側ポート
16 連通路
25 大気連通孔
26 弁体
27 弁頭部
28 弁支持部材
29 弁座
33 バルブスプリング
34 弁支持部材の下端面(外圧受圧面)
35 ピストン
39 リリーフ通路
42 ボルト
45 荷重スプリング
48 圧力設定つまみ
46 圧力指示板
51 圧力室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次側に供給された流体を2次側に導く流体通路と、前記流体通路に形成された弁座と、前記流体通路の1次側に配置され、かつ、前記弁座と協働して前記流体通路の断面積の大きさを規制する、弁体と、前記弁体と前記弁座のシート圧力を規制するバルブスプリングと、前記流体通路の2次側に配置され、かつ、前記流体通路の2次側の圧力変動に応じて前記弁体を前記弁座に関して変位させる、弁体駆動部材と、前記弁体駆動部材を前記弁体に向けて付勢する荷重スプリングとを有し、前記流体通路の1次側に供給された流体を減圧して2次側に吐出する、減圧弁において、前記流体通路の1次側に供給された流体の圧力によって前記弁体が前記弁座に押し付けられる力を減殺するように、前記弁体に前記流体通路の外部の圧力が作用する外圧受圧面を形成し、これにより、前記1次側に供給された流体の圧力変動に起因する前記2次側の流体圧力の変動域を所定の範囲に規制したことを特徴とする、減圧弁。
【請求項2】
請求項1に記載の減圧弁において、前記1次側に供給された流体の圧力変動に起因する前記2次側の流体圧力の変動域を、前記弁体が前記弁座に密着したときに当該密着部の外縁によって画成される面積と前記外圧受圧面の面積との差によって規制することを特徴とする、前記減圧弁。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の減圧弁において、前記減圧弁は、更に、前記荷重スプリングのバネ荷重を変化させる2次圧設定機構を有することを特徴とする、前記減圧弁。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の減圧弁において、前記減圧弁は、更に、前記バルブスプリングのバネ荷重を変化させるシート圧力設定機構を有することを特徴とする、前記減圧弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−282192(P2008−282192A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125383(P2007−125383)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(301036445)ダイセン株式会社 (6)
【Fターム(参考)】