説明

減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置

減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を連続的に且つ効率的に濾過して減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内の異物を濾過することができる減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置を提供する。外周面が減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過するフィルタ部12で構成される円筒形状の濾過部材11と、濾過部材11の内面に濾過部材11の内方に向かって突設され且つ濾過部材11の軸方向に沿って螺旋状に設けられる螺旋板31と、濾過部材11の軸方向両端部側をそれぞれ保持すると共に濾過部材11を軸中心に回転させる保持駆動部19とを有し、軸方向が略水平方向となるように配置された濾過部材11を保持駆動部19によって回転させた状態で濾過部材11の一端部側からその内部に前記減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を導入することにより、フィルタ部12を通過する減容化ゲル状ポリスチレン樹脂と、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在し且つ螺旋板31によって濾過部材11の他端部側まで搬送される異物とを連続的に分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過して異物を除去する減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置、特に、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂から液体(溶剤)及び樹脂を回収する際に好適に用いられる減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置に関する。
【背景技術】
最近になって、発泡ポリスチレンなどの樹脂廃材のように樹脂成分の実容積よりも見かけの容積が大きい樹脂廃材の処理方法として樹脂廃材を溶剤に接触させてゲル化させることによりその容積を実容積とほぼ同じ程度に減少させ、この後、樹脂と溶剤とを分離し、樹脂を燃料や樹脂原料として再利用し、又、溶剤を同じ処理に再使用する技術が開発されている(例えば、特開平2−1748号公報、特開平5−59212号公報、特開平7−113089号公報、特開平9−40802号公報、特開平9−157435号公報、特開2001−181439号公報など参照)。
この新規な技術分野において、固形物である樹脂と液体である溶剤とを分離する方法として、溶剤を蒸発させて固形物と分離し、その蒸気を凝縮させて回収するという操作が提案されている。すなわち、一般的には、樹脂廃材を溶剤に接触させてその容積を樹脂の実容積とほぼ同じ程度に減少させる処理は減容ゲル化処理、或いは単に減容処理と呼ばれ、餅のようになるまでゼリー状又はゲル状にゲル化された樹脂は減容化ゲル状ポリスチレン樹脂と言われている。
また、この減容化ゲル状ポリスチレン樹脂には、回収された樹脂廃材と共に、例えば、ガムテープ、ラベル等の異物が混入している。このため、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、樹脂と溶剤とを分離回収するまえに濾過してこれらの異物を除去しておく必要がある。この減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置としては、例えば、メッシュ状のフィルタを高温保温槽の上面及び下面に配置し、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂をこれらのフィルタを通過させることにより濾過する方法や、円筒状のフィルタ内に減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を投入し、この円筒状のフィルタを回転させることにより遠心力によって減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過する不純物除去装置がある(例えば、特開2001−164035号公報参照)。
このような不純物除去装置では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在する異物を比較的良好に除去することはできるが、異物が装置内に溜まってしまうため、こまめなメンテナンスが必要となり、処理効率が低いという問題や、処理コストが高くなってしまうという問題がある。
【発明の開示】
本発明は、このような事情に鑑み、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を連続的に且つ効率的に濾過して減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内の異物を濾過することができる減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、外周面が減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過するフィルタ部で構成される円筒形状の濾過部材と、該濾過部材の内面に当該濾過部材の内方に向かって突設され且つ当該濾過部材の軸方向に沿って螺旋状に設けられる螺旋板と、前記濾過部材の軸方向両端部側をそれぞれ保持すると共に当該濾過部材を軸中心に回転させる保持駆動部とを有し、軸方向が略水平方向となるように配置された前記濾過部材を前記保持駆動部によって回転させた状態で当該濾過部材の一端部側からその内部に前記減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を導入することにより、前記フィルタ部を通過する当該減容化ゲル状ポリスチレン樹脂と前記減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在し且つ前記螺旋板によって前記濾過部材の他端部側まで搬送される異物とを連続的に分離することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第1の態様では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を連続的に濾過することができ且つ異物を自動的に外部に排出することができる。したがって、定期的なメンテナンスを必要とせず、作業効率が向上すると共にコストを削減することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記フィルタ部が隔壁によって画成され前記円筒形状の濾過部材の円周方向に沿って設けられる細溝を有することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第2の態様では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が、その自重によってフィルタ部の細溝を通過することによって濾過され、且つ比較的大きい異物は細溝を通過することなく確実に除去される。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記濾過部材の軸方向の断面での前記細溝の両側の前記隔壁の内面側の高さの位置が異なり、前記フィルタ部の内面が前記軸方向に凹凸を有する凹凸面となっていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第3の態様では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に含まれる、例えば、シール等の異物のフィルタ部の内面への付着が防止される。
本発明の第4の態様は、第2又は3の態様において、前記細溝が、螺旋状に設けられていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第4の態様では、濾過部材を回転させることにより、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が螺旋状の細溝に沿って移動しながら濾過されるため、濾過効率が向上する。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記濾過部材の内面の一部に、前記軸方向に沿って設けられる凸部を有することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第5の態様では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内の異物が凸部によって濾過部材の内面から離され、濾過部材の内面への異物の付着が防止される。
本発明の第6の態様は、第2〜5の何れかの態様において、前記細溝が前記フィルタ部の内周面側に当該フィルタ部の径方向に形成される内溝と、前記フィルタ部の外周面側に当該フィルタ部の径方向に形成され前記内溝と当該内溝の幅よりも狭い幅で連通する外溝とからなることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第6の態様では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内の比較的細かい異物まで除去できる。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記フィルタ部が、厚さ方向に貫通して設けられ前記内溝を構成する第1の貫通溝を有する第1のフィルタと、厚さ方向に貫通して設けられて前記外溝を構成する第2の貫通溝を有する第2のフィルタとを有し、前記第1のフィルタと前記第2のフィルタとが、前記第1及び第2の貫通溝が前記軸方向で一致しないように且つ径方向に所定間隔で配置されて前記細溝が形成されていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第7の態様では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が、その自重によってフィルタ部の細溝を通過することによって濾過され、且つ比較的大きい異物は細溝を通過することなく確実に除去される。また、フィルタ部を比較的容易に形成することができる。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記第2のフィルタが、前記濾過部材の円周方向に沿って配置された複数の櫛歯状部材からなり、該櫛歯状部材は、前記濾過部材の回転方向先端側の一端部が前記第1のフィルタの外表面に固定されると共に後端側の他端部が自由端となっており該他端部と前記第1のフィルタとの間に所定の空間が確保されていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第8の態様では、第1の貫通孔を通過した異物が、第1のフィルタと第2のフィルタである櫛歯状部材との間から外部に排出され、フィルタ部に異物が詰まるのを防止することができる。
本発明の第9の態様は、第1〜8の何れかの態様において、前記濾過部材のフィルタ部よりもメッシュの細かい円筒形状の微細フィルタを有し該微細フィルタの内側に圧送された前記減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を外部に押し出して当該減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過する第2の濾過装置に、前記濾過部材のフィルタ部で濾過された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を供給することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第9の態様では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在する異物が、比較的細かいものまでほぼ完全に除去される。
本発明の第10の態様は、第9の態様において、前記第2の濾過装置が、前記微細フィルタと、この内部に嵌合するスクリュー部材を具備し、前記スクリュー部材が、その先端部を前記微細フィルタの内面に摺接させることによって前記微細フィルタの内面に付着した異物を掻き取るものであることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第10の態様では、微細フィルタによって減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が濾過されながら、スクリュー部材が回転することにより微細フィルタの内面に付着する異物が掻き取られるため、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を連続的に濾過することができる。
本発明の第11の態様は、第1〜10の何れかの態様において、前記フィルタ部の外周面に先端部が当接するように配置され、前記フィルタ部によって濾過されて排出される減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を掻き取るスクレイパを具備することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第11の態様では、フィルタ部から排出された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を効率的に回収することができ、作業効率が著しく向上する。
本発明の第12の態様は、第1〜11の何れかの態様において、前記濾過部材の外部から当該濾過部材の内部まで延設されて前記減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が供給される供給パイプをさらに具備することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第12の態様では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が濾過部材内に確実に供給される。
本発明の第13の態様は、第12の態様において、前記濾過部材の内部に配置された前記供給パイプの少なくとも一部が、その上部に開口を有する樋部となっていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第13の態様では、樋部から溢れた減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が濾過部材の広い範囲に供給されるため、濾過効率が向上する。
本発明の第14の態様は、第1〜13の何れかの態様において、前記濾過部材が、前記一端部側が上方となるように傾斜した状態で前記保持駆動部に保持されていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第14の態様では、濾過部材内に減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を効率的に導入することができる。
本発明の第15の態様は、第1〜14の何れかの態様において、前記濾過部材の外周を覆い且つ当該濾過部材とは非接触に設けられて当該濾過部材を加熱する加熱手段を有することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第15の態様では、濾過部材内で減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の流動性が低下するのを防止できるため、濾過効率が著しく向上する。
本発明の第16の態様は、第15の態様において、前記加熱手段が、内部に温水を循環させることにより前記濾過部材を加熱することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第16の態様では、濾過部材を比較的容易に所定温度に加熱することができる。
本発明の第17の態様は、第1〜16の何れかの態様において、前記減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を、所定温度に加熱すると共に超音波振動が付与された超音波フィルタを通過させることによって流動化させた後に前記濾過部材内に導入することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置にある。
かかる第17の態様では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を効率的に加熱して流動化させることができ、作業効率が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施形態に係る濾過装置の概略を示す図である。
第2図は、本発明の一実施形態に係る濾過装置の要部を示す斜視図である。
第3図は、本発明の一実施形態に係る濾過部材の断面図である。
第4図は、本発明の一実施形態に係る濾過部材の断面図である。
第5図は、本発明の一実施形態に係る濾過部材の断面図である。
第6図は、本発明の一実施形態に係る濾過部材の他の例を示す断面図である。
第7図は、本発明の一実施形態に係る螺旋板の概略を示す図である。
第8図は、本発明の一実施形態に係る加熱手段を示す斜視図である。
第9図は、本発明の一実施形態に係る濾過装置の全体構成を示す概略図である。
第10図は、本発明の一実施形態に係る貯留タンクの概略図である。
第11図は、本発明の一実施形態に係る濾過装置による濾過作業を説明する概略図である。
第12図は、本発明の一実施形態に係る濾過装置の他の例を示す斜視図である。
第13図は、供給パイプの他の例を示す側面図である。
第14図は、供給パイプの他の例を示す斜視図である。
第15図は、本発明の一実施形態に係る濾過装置の全体構成の他の例を示す概略図である。
第16図は、本発明の一実施形態に係る第2の濾過装置を示す概略図である。
本発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を一実施形態に基づいて詳細に説明する。
第1図は、一実施形態に係る減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置の構成を示す図であり、第2図は、その要部を示す斜視図である。
第1図及び第2図に示すように、本発明の減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置は、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過するため濾過部材11を有する複数の濾過部10で構成される。各濾過部材11は、円筒形状を有しその外周面は減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過するフィルタ部12で構成されている。そして、このような濾過部材11は複数連結され、その中心軸が略水平となるように配置されている。また、連結された濾過部材11の軸方向一端部側には、濾過部材11と略同一径の円筒形状を有しホッパ13に投入された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が供給パイプ14を介して供給される供給部材15が固定されている。そして、この供給部材15の下端部側は、保持駆動部材の一部を構成するローラ部材16によって支持されている。一方、濾過部材11の他端部側には、外周面の一部に排出口17を有する円筒形状の排出部材18が固定され、この排出部材18が保持駆動部材の一部を構成する保持部材19に固定されている。すなわち、濾過部材11、供給部材15及び排出部材18は、これら保持部材19及びローラ部材16によって軸中心に回転可能に保持されている。また、この保持部材19は、モータ等の駆動手段20が接続されており、この駆動手段20によって保持部材19を回転させることにより、保持部材19と共に、濾過部材11、供給部材15及び排出部材18が一体的に回転されるようになっている。
ここで、濾過部材11のフィルタ部12は、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂がその自重により濾過されるように形成されている。例えば、フィルタ部12は、第3図に示すように、隔壁21によって濾過部材11の円周方向に沿って画成される細溝22を有する。このような細溝22は、フィルタ部12の内周面側に設けられてフィルタ部12の径方向に延びる内溝23と、フィルタ部12の外周面側に設けられてフィルタ部12の径方向に延びる外溝24とを有する。そして、これら内溝23と外溝24とは、これら内溝23及び外溝24よりも細い幅で連通されている。
本実施形態のフィルタ部12は、第4図に示すように、厚さ方向に貫通して設けられて内溝23となる第1の貫通溝25を有する第1のフィルタ26と、厚さ方向に貫通して設けられる外溝24となる第2の貫通溝27を有する第2のフィルタ28とで構成されている。これら第1のフィルタ26と第2のフィルタ28とは、径方向に所定間隔、例えば、第1の貫通溝25の幅よりも狭い間隔で積層され且つ第1の貫通溝25と第2の貫通溝27とが軸方向で一致しないように配置されている。これにより、第1の貫通溝25と第2の貫通溝27とが、第1の貫通溝25よりも狭い幅で連通されている。例えば、本実施形態では、第1のフィルタ26に約10mm幅の第1の貫通溝25を約5mm間隔で形成すると共に、第2のフィルタ28に約11mm幅の第2の貫通溝27を約4mm間隔で形成した。そして、これら第1のフィルタ26と第2のフィルタ28とを、両者の間隔が3mm程度となるように配置することによってフィルタ部12を形成した。
また、このような細溝22は、フィルタ部12の軸方向に沿って螺旋状に設けられていることが好ましく、本実施形態では、細溝22を構成する第1の貫通溝25及び第2の貫通溝27をフィルタ部12の円周方向に対して約9°程度傾斜させて螺旋状に形成するようにした。また、第1のフィルタ26の内面は、濾過部材11の軸方向で凹凸を有する凹凸面となっている。すなわち、第1の貫通溝25の両側の隔壁21A,21Bが、第4図に示すような軸方向の断面においてそれぞれ異なる厚さとなるように形成され、これにより第1のフィルタ26の内面が凹凸面となっている。さらに、このような第1のフィルタ26の内面には、第5図に示すように、濾過部材11の軸方向に沿って形成される複数の凸部29が設けられている。
また、第1のフィルタ26の外周面に設けられる第2のフィルタ28は、本実施形態では、第5図に示すように、複数の櫛歯状部材28aで構成されている。これらの各櫛歯状部材28aは、濾過部材11の回転方向先端側の一端部が第1のフィルタ26の外周面に固定され、他端部は自由端となっている。そして、櫛歯状部材28aの他端部と第1のフィルタ26との間には、他の部分と同様に所定の間隔が確保されている。
なお、フィルタ部12の構造は、上述した構造に限定されず、例えば、第6図に示すように、細溝22Aが、フィルタ部12の内周面側に設けられてフィルタ部12の径方向に延びる内溝23Aと、フィルタ部12の外周面側に設けられてフィルタ部12の径方向に延びる外溝24Aと、これら内溝23Aと外溝24Aとを連通し両溝23A,24Aとは交差する方向に延びる連通溝30とで構成されていてもよい。また、このような構成とする場合、連通溝30は、内溝23A及び外溝24Aの深さ方向に対して略直交する方向で形成されていることが好ましい。また、連通溝30の幅W1は、内溝23Aの幅W2よりも狭いことが好ましい。
このような細溝を有する濾過部材11と供給部材15との内面には、第7図に示すように、内方に向かって突設され且つこれら濾過部材11と供給部材15との軸方向に沿って螺旋状に設けられる螺旋板31を有する。この螺旋板31は、濾過部材11の回転方向に沿って、供給部材15側から排出部材18側に向かって連続的に設けられている。そして、濾過部材11内に減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を導入して濾過部材11を回転させることにより、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂がこの螺旋板31に沿って供給部材15側から排出部材18側に誘導されるようになっている。なお、本実施形態では、濾過部材11内のみに螺旋板31を設けるようにしたが、これに限定されず、螺旋板31は、例えば、供給部材15内から濾過部材11内まで連続的に設けられていてもよい。
このような構成の濾過部材11によって減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過することにより、詳しくは後述するが、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂をその自重によって濾過でき、且つ減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在する比較的大きな異物を確実に除去できる。
また、このような濾過部材11のフィルタ部12の外周面には、板状のスクレイパ32の先端部が濾過部材11の軸方向に沿って当接されている。このスクレイパ32は、フィルタ部12によって濾過されてその外側に排出された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を掻き取るためのものである。
なお、濾過部材11の外側には、例えば、第8図に示すように、濾過部材11を所定温度に加熱するための加熱装置33を、濾過部材11とは非接触で且つ濾過部材11の外周面を覆うように設けるようにしてもよい。この加熱装置33は、濾過部材11を所定温度に加熱、すなわち、濾過部材11内の減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を所定温度に加熱できるものであれば、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、中空の加熱部材34内に温水を循環させることによって濾過部材11を加熱する加熱装置33を用いている。これにより、濾過部材11によって減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過する際に、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の流動性の低下を防止でき、作業効率が著しく向上する。
以上のような構成の減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置は、例えば、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を分離回収する際の前段階に用いられる。以下、このような濾過装置を用いた濾過手順について説明する。
ここで、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、例えば、ドラム缶などの回収容器に詰められた状態で回収される。また、ここで言う減容化ゲル状ポリスチレン樹脂とは、ポリスチレン樹脂や発泡ポリスチレンの樹脂廃材のように、樹脂成分の実容積よりも見かけの容積が大きい樹脂廃材の処理方法として樹脂廃材を溶剤に接触させてゲル化させたものであり、その種類は特に限定されないが、本実施形態では、引火点が40〜100℃程度、発火点が180℃〜350℃程度の溶剤にポリスチレン樹脂や発泡ポリスチレンの樹脂廃材を処理したものとする。なお、減容処理したポリスチレン樹脂や発泡ポリスチレンの樹脂廃材の元の用途は特に限定されず、すなわち、土木建材から食品トレイなど各種用途の樹脂廃材を制限無く回収したものとする。また、所定量の溶剤に対して処理した樹脂廃材の量も特に限定されず、比較的流動性を有しているものから、処理限度に近い樹脂廃材を処理して固体化したものまで対象とすることができる。
本発明の濾過装置では、このような減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過するが、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過部10によって濾過する前に、まず、回収した減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の流動性を向上させる。すなわち、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が回収容器に詰められて回収されると、まず回収容器内で、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の流動性を向上させる。例えば、本実施形態では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が密封された回収容器を、例えば、30〜100℃、好ましくは、30〜80℃前後に加温した温水中に所定時間保持することにより減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の流動性を向上させた。
なお、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の加温温度は、溶剤の引火点より低ければよいが、好ましくは引火点より5℃以上低い温度であるのが望ましい。樹脂の減容化に用いられる溶剤としては、例えば、引火点が40〜100℃程度であり、発火点が180〜350℃程度のものが用いられる。このため、本実施形態では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が保持された回収容器を30〜100℃程度の温水中に、1〜2時間保持するようにした。これにより、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は回収容器内で流動性が大幅に向上する。
そして、回収容器内で流動性を向上させた減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を、第9図に示す貯留タンク41に投入する。なお、本実施形態では、第10図に示すように、貯留タンク41の投入口に加熱手段として、例えば、内部に所定温度の温水が循環される熱媒体流通管42を配置すると共に、この熱媒体流通管42上に、例えば、5〜20メッシュ程度の比較的目の大きいフィルタ43を設けるようにした。これにより、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を貯留タンク41内に投入する際、フィルタ43によって、回収された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内の比較的大きな異物を除去すると共に、熱媒体流通管42に接触させて加熱することで流動性をさらに向上させている。
なお、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を貯留タンク41に投入する際、フィルタ43に超音波振動を付与するようにしてもよい。これにより、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂がフィルタ43をスムーズに通過し、処理効率が著しく向上する。また、フィルタ43に超音波振動を付与する条件によっては、このフィルタ43に付与されている超音波振動により濾過前の減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の流動性向上の条件を緩和することも可能である。
そして、流動性が向上した減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を、例えば、スクリューポンプ等の搬送手段44によって搬送して、各濾過部10のホッパ13に送り込む。なお、搬送手段44によって減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を搬送する搬送パイプ45の外周面を、例えば、断熱材で覆う、あるいはその外周面を加熱する等の方法により、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が搬送されている間に、その温度が低下して流動性が低下するのを防止しておくことが好ましい。
ホッパ13に投入された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、供給パイプ14を介して軸方向に回転している供給部材15内に投入される。ここで、本実施形態では、ホッパ13の底面部側に、上述した貯留タンク41と同様に、加熱手段である熱媒体流通管46を設けている。そして、ホッパ13に投入された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、この熱媒体流通管46と接触することによりさらに流動性が向上した状態で供給部材15内に供給されるようになっている。
供給部材15内に導入された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、内部に設けられた螺旋板31に沿って移動し、順次、濾過部材11内に導入される。このとき、濾過部材11は、例えば、毎分1回転以下の回転数で回転されている。そして、濾過部材11内に導入された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、濾過部材11と共に回転する螺旋板31によって排出部材18側に誘導されながら自重によってフィルタ部12を通過し外部に排出される。すなわち、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂はフィルタ部12によって徐々に濾過され、その容積を減少させながら、螺旋板31によって排出部材18側に誘導されていく。また、本実施形態では、細溝22が濾過部材11に螺旋状に形成されているため、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、この細溝22に沿って排出部材18側に比較的容易に移動する。
さらに、連結された濾過部材11、供給部材15及び排出部材18は、供給部材15側が上方となるように、若干傾斜させるようにしてもよい。これにより、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を供給部材15側から排出部材18側に向かってさらに容易に誘導することができる。
ここで、フィルタ部12は、上述したように、複数の細溝22で構成されている。そして、これらの細溝22が、第1のフィルタ26に設けられた第1の貫通溝25と第2のフィルタ28に設けられた第2の貫通溝27とで構成されている(第4図参照)。このため、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、自重によって細溝22を通過し連続的に濾過され、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在する異物は細溝22を通過することなく濾過部材11内に残留する。
このとき、例えば、シール等の比較的厚さの薄い異物が減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在していると、この異物が第1のフィルタ26の内面に付着して第1の貫通溝25が塞がれてしまう虞がある。しかしながら、本実施形態では、第1のフィルタ26の内面が凹凸面となっているため、異物の付着を効果的に防止することができる。さらに、本実施形態では、第1のフィルタ26の内面に凸部29が設けられているので、第1のフィルタ26の内面上を移動している異物がこの凸部29によって第1のフィルタ26の内面から離される。したがって、第1のフィルタ26の内面への異物の付着や、異物による細溝22の詰まり等をより確実に防止することができる。
そして、このような濾過部材11によって減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を連続的に濾過していくと、濾過部材11の排出部材18側の端部近傍では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂はフィルタ部12から全て外部に排出され、濾過部材11内には減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在していた異物のみが残る。濾過部材11内に残った異物は、螺旋板31によってさらに排出部材18の排出口17まで誘導されて減容化ゲル状ポリスチレン樹脂とは別に、外部に排出される。
一方、フィルタ部12から外部に排出された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、自重によって落下してゲル貯留槽50内に回収される。また、第11図に示すように、濾過部材11の外周面、すなわち、フィルタ部12の表面には、スクレイパ32の先端部が当接されている。このため、例えば、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂100の粘度が比較的高い場合であっても、このスクレイパ32で掻き取ることで減容化ゲル状ポリスチレン樹脂100を効率的に回収することができる。
なお、本実施形態では、スクレイパ32を濾過部材11の接線方向に配置し、濾過部材11が回転することにより、スクレイパ32がその基端部側から先端部側に向かってフィルタ部12の表面に摺接されるようにした。勿論、スクレイパ32を濾過部材11に摺接させる方向は、これに限定されず、例えば、スクレイパ32は、その先端部側から基端部側に向かってフィルタ部12の表面に摺接されるようにしてもよい。また、スクレイパ32を配置する方向も特に限定されず、例えば、スクレイパ32を濾過部材12の半径方向に配置するようにしてもよい。
また、このように減容化ゲル状ポリスチレン樹脂100をフィルタ部12によって濾過する際、比較的小さい異物は、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂100と共に細溝22を通過して外部に排出されるが、このとき異物が細溝22内に詰まる虞がある。しかしながら、本実施形態では、第2のフィルタ28が複数の櫛歯状部材28aで構成されているため、比較的大きい異物が第1の貫通溝25を通過した場合でも、異物は櫛歯状部材28aの自由端側から外部に排出される。
以上のように本発明の濾過装置では、濾過した減容化ゲル状ポリスチレン樹脂と、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在していた異物とを、それぞれ別々に且つ連続的に外部に排出することができる。これにより、濾過部材11内に溜まる異物の除去等のメンテナンスが不要となり、作業効率が著しく向上すると共に、人件費等のコストを大幅に削減することができる。
なお、本実施形態では、2つの濾過部材11を連結して用いるようにしたが、これに限定されず、例えば、第12図に示すように、3つの濾過部材11を連結して用いるようにしてもよい。これにより、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過効率をさらに向上することができる。さらに、本実施形態では、濾過部材11の強度を確保するために、複数の濾過部材11を連結するようにしたが、勿論、軸方向の長さを長くした1つの濾過部材を用いてもよいことは言うまでもない。このように、濾過部材11の長さを長くすることにより、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過する時間が長くなり、異物に付着している減容化ゲル状ポリスチレン樹脂まで完全に濾過することができる。
さらに、本実施形態では、供給パイプ14を介して供給部材15内に減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を供給するようにしたが、これに限定されず、例えば、第13図に示すように、供給パイプ14を濾過部材11内まで延設して供給パイプ14から濾過部材11内に減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を直接供給するようにしてもよい。また、この場合、第14図に示すように、濾過部材11内に配置された供給パイプ14の少なくとも一部に、その上部が開口する樋部14aを設けるようにしてもよい。この構造では、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を樋部14aから溢れさせることにより、同時に濾過部材の広い範囲に減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を供給することができ、濾過効率を大幅に向上することができる。
なお、このような濾過装置によって濾過された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が回収されるゲル貯留槽50の底面51は、一方の端部に向かって傾斜する傾斜面となっており、各濾過部10の濾過部材11から回収された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、ゲル貯留槽50の一端部側に流れて蓄積されるようになっている。そして、蓄積された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、例えば、供給ポンプ52によってゲル貯留槽50の側面に設けられる流通パイプ53を介して図示しない分離回収装置に導入する。
そして、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、分離回収装置で溶剤を蒸発回収することによって溶剤と樹脂とに分離され、樹脂は所定径の棒状部材に成形され、溶剤は液化されてそれぞれ回収される。
なお、本実施形態では、濾過部10によって濾過した減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を分離回収装置に導入するようにしているが、これに限定されず、濾過部10によって濾過した減容化ゲル状ポリスチレン樹脂をさらに濾過するようにしてもよい。例えば、第15図に示すように、流通パイプ52の途中に、濾過部10のフィルタ部12よりも細かい、例えば、50〜200メッシュ程度の微細フィルタを有する第2の濾過装置60をさらに設けるようにしてもよい。
すなわち、上述した本発明の濾過装置では、所定形状の細溝22を有するフィルタ部12によって減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過するようにしているため、比較的小さい異物まで除去することができる。このため、濾過部10によって濾過した減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を、比較的目の細かい微細フィルタを有する第2の濾過装置60に導入してさらに濾過することも可能となる。
この第2の濾過装置60は、例えば、第16図に示すように、装置本体61内に円筒形状の微細フィルタ62を有し、この微細フィルタ62内には、微細フィルタ62の内面に接触するように回転軸63にスクリュー板64が螺旋状に設けられたスクリュー部材65が回転可能に保持されている。また、装置本体61の上端部側には、微細フィルタ62内に減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を供給する供給口66を有し、下端部側には、微細フィルタ62によって濾過された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を排出する排出口67を有する。
そして、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、供給口66から微細フィルタ61内に圧送されると共に、回転するスクリュー部材65が回転することによって排出口67側に誘導される。これにより、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が微細フィルタ62によって濾過され、濾過された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂は、排出口67から排出されて図示しない分離回収装置に導入される。また、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在する異物は、微細フィルタ62の外側に排出されることはなく、スクリュー板64によって装置本体62の下端部まで誘導されて蓄積される。さらに、スクリュー部材65が回転してスクリュー板64の先端部が微細フィルタ62の内面に摺接されることで、微細フィルタ62の内面に付着した異物も掻き取られて装置本体62の下端部に蓄積される。そして、このように蓄積された異物は、装置本体61の下端部に設けられたコック68を開くことで外部に排出されるようになっている。
このように、濾過部10で濾過した減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を第2の濾過装置60でさらに濾過することにより、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在する比較的細かい異物までほぼ完全に除去することができる。また、このような第2の濾過装置60では、微細フィルタ62の内面に付着した異物がスクリュー部65のスクリュー板64によって掻き取られ常に良好な状態に保持されるため、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を効率的に連続して濾過することができる。
【産業上の利用可能性】
以上説明したように、本発明の濾過装置によれば、回収した減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を連続的に濾過できると共に、減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在していた異物を別途排出することができる。したがって、作業効率を大幅に向上できると共に、コストを大幅に削減することができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面が減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過するフィルタ部で構成される円筒形状の濾過部材と、該濾過部材の内面に当該濾過部材の内方に向かって突設され且つ当該濾過部材の軸方向に沿って螺旋状に設けられる螺旋板と、前記濾過部材の軸方向両端部側をそれぞれ保持すると共に当該濾過部材を軸中心に回転させる保持駆動部とを有し、軸方向が略水平方向となるように配置された前記濾過部材を前記保持駆動部によって回転させた状態で当該濾過部材の一端部側からその内部に前記減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を導入することにより、前記フィルタ部を通過する当該減容化ゲル状ポリスチレン樹脂と前記減容化ゲル状ポリスチレン樹脂内に混在し且つ前記螺旋板によって前記濾過部材の他端部側まで搬送される異物とを連続的に分離することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項2】
請求の範囲1において、前記フィルタ部が隔壁によって画成され前記円筒形状の濾過部材の円周方向に沿って設けられる細溝を有することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項3】
請求の範囲2において、前記濾過部材の軸方向の断面での前記細溝の両側の前記隔壁の内面側の高さの位置が異なり、前記フィルタ部の内面が前記軸方向に凹凸を有する凹凸面となっていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項4】
請求の範囲2又は3において、前記細溝が、螺旋状に設けられていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項5】
請求の範囲1〜4の何れかにおいて、前記濾過部材の内面の一部に、前記軸方向に沿って設けられる凸部を有することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項6】
請求の範囲2〜5の何れかにおいて、前記細溝が前記フィルタ部の内周面側に当該フィルタ部の径方向に形成される内溝と、前記フィルタ部の外周面側に当該フィルタ部の径方向に形成され前記内溝と当該内溝の幅よりも狭い幅で連通する外溝とからなることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項7】
請求の範囲6において、前記フィルタ部が、厚さ方向に貫通して設けられ前記内溝を構成する第1の貫通溝を有する第1のフィルタと、厚さ方向に貫通して設けられて前記外溝を構成する第2の貫通溝を有する第2のフィルタとを有し、前記第1のフィルタと前記第2のフィルタとが、前記第1及び第2の貫通溝が前記軸方向で一致しないように且つ径方向に所定間隔で配置されて前記細溝が形成されていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項8】
請求の範囲7において、前記第2のフィルタが、前記濾過部材の円周方向に沿って配置された複数の櫛歯状部材からなり、該櫛歯状部材は、前記濾過部材の回転方向先端側の一端部が前記第1のフィルタの外表面に固定されると共に後端側の他端部が自由端となっており該他端部と前記第1のフィルタとの間に所定の空間が確保されていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項9】
請求の範囲1〜8の何れかにおいて、前記濾過部材のフィルタ部よりもメッシュの細かい円筒形状の微細フィルタを有し該微細フィルタの内側に圧送された前記減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を外部に押し出して当該減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を濾過する第2の濾過装置に、前記濾過部材のフィルタ部で濾過された減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を供給することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項10】
請求の範囲9において、前記第2の濾過装置が、前記微細フィルタと、この内部に嵌合するスクリュー部材を具備し、前記スクリュー部材が、その先端部を前記微細フィルタの内面に摺接させることによって前記微細フィルタの内面に付着した異物を掻き取るものであることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項11】
請求の範囲1〜10の何れかにおいて、前記フィルタ部の外周面に先端部が当接するように配置され、前記フィルタ部によって濾過されて排出される減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を掻き取るスクレイパを具備することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項12】
請求の範囲1〜11の何れかにおいて、前記濾過部材の外部から当該濾過部材の内部まで延設されて前記減容化ゲル状ポリスチレン樹脂が供給される供給パイプをさらに具備することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項13】
請求の範囲12において、前記濾過部材の内部に配置された前記供給パイプの少なくとも一部が、その上部に開口を有する樋部となっていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項14】
請求の範囲1〜13の何れかにおいて、前記濾過部材が、前記一端部側が上方となるように傾斜した状態で前記保持駆動部に保持されていることを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項15】
請求の範囲1〜14の何れかにおいて、前記濾過部材の外周を覆い且つ当該濾過部材とは非接触に設けられて当該濾過部材を加熱する加熱手段を有することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項16】
請求の範囲15において、前記加熱手段が、内部に温水を循環させることにより前記濾過部材を加熱することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。
【請求項17】
請求の範囲1〜16の何れかにおいて、前記減容化ゲル状ポリスチレン樹脂を、所定温度に加熱すると共に超音波振動が付与された超音波フィルタを通過させることによって流動化させた後に前記濾過部材内に導入することを特徴とする減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置。

【国際公開番号】WO2004/092258
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【発行日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−505381(P2005−505381)
【国際出願番号】PCT/JP2004/005151
【国際出願日】平成16年4月9日(2004.4.9)
【出願人】(599145432)
【出願人】(595106512)明新工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】