説明

温風乾燥機

【課題】 被乾燥物が乾燥を受ける前から細かい粒状を成すものであっても、確実に撹拌させ、効率的に乾燥が行える、実機に特化した新規な温風乾燥機を提供する。
【解決手段】 本発明の温風乾燥機1は、乾燥室となる回転ドラム10の内側に掬い部35を具えた撹拌体34を設け、この撹拌体34によって回転ドラム10の下方に滞留しがちな被乾燥物Wを積極的に掬い取り、ドラム内の上方付近まで持ち上げた後、落下させて被乾燥物Wの撹拌を図るものであり、撹拌体34の掬い部35は、底部37から開放面36にかけて緩やかに拡開する椀状に形成されて成ることを特徴とする。また、撹拌体34は、主に被乾燥物Wの切りほぐし作用を担うストレートブレード31の間に設けられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品加工残渣等の食品廃棄物を、食品素材または飼料化する乾燥機に関するものであって、特に本出願人らが開発に関与し、既に特許出願に及んでいる特開2003−284509号「食品廃棄物の食品素材または飼料化方法及び装置」に開示された技術に基づき、特に実機に特化した改良を行った乾燥機に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、学校・病院等の給食施設、大規模小売店舗、レストラン、食品製造工場等の食品流通過程等から排出される食品加工残渣、調理残渣、混合残飯等の食品廃棄物は、そのほとんどが廃棄物として焼却もしくは埋立処分されており、乾燥して飼料や肥料等に再利用されるのは、ほんの極一部にとどまっていた。これは、食品廃棄物の含水率が約65〜90%と高いために腐敗しやすく、また夾雑物が多く、種類も多品目に及び、更に発生も少量分散的であるため、取り扱いに極めて手間が掛かり、乾燥も極めて困難であったことが要因となっている。もちろん、このような食品廃棄物を焼却する場合であっても、含有水分が多い場合には、焼却炉内の温度を上昇させることが難しく、ダイオキシンの発生も懸念されていた。
【0003】
このような状況下、本出願人は、食品廃棄物を回転ドラムの内部に投入し、ここに低い温度の温風(空気)を供給し、食品廃棄物を満遍なく乾燥し得る手法の開発を試み、特許出願に至っている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1では、食品廃棄物を焦がすことがないため、飼料原料として付加価値の高いものが得られ、高度な循環型社会の形成等に貢献できる点で相応の効果が得られるものの、実機としては以下のような点において、まだ改善・改良の余地があった。
【0004】
すなわち、回転ドラム10′には被乾燥物Wを満遍なく乾燥させるため、ドラム側面から内側(回転軸17′)に延びるブレード30′が形成されるものである。このブレード30′は、例えば図10(a)に示すように、細長い棒状のストレートブレード31′と、断面三角形の短冊状部材をドラムの長手方向に適宜の間隔で設けたリフターブレードLとを併用して形成されることがあった。ここでストレートブレード31′は、主に被乾燥物Wを切りほぐす作用を担い、リフターブレードLは、例えば図10(b)に示すように、乾燥室となるドラムの下方(底部)に滞留しがちな被乾燥物Wを上方にかき上げ、被乾燥物Wをドラム内で循環させる作用を担うものである。
【0005】
しかしながら、このような単なる短冊状のリフターブレードLでは、比較的粘性が高い被乾燥物Wや団塊状を成す被乾燥物W等については、充分なかき上げ効果が得られるものの、乾燥を受ける前から細かい粒状を成す被乾燥物W等にあっては、接近してくるリフターブレードLに対し、相対的に被乾燥物Wが、あたかもこれを迂回するように、避けて通過する場合があり、被乾燥物Wの撹拌が必ずしも充分に行えないことがあった。
【特許文献1】特開2003−284509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、前記特開2003−284509号に開示された乾燥機をベースにしながら、このものに対し実用上の技術的改良を随所に施し、より実機に特化した新規な乾燥機の開発を試みたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち請求項1記載の温風乾燥機は、内部を実質的な乾燥室とする回転ドラムを具え、この回転ドラムをほぼ横置き状態で回転させながら、ドラム内に収容した被乾燥物に温風を接触させて被乾燥物の乾燥を行う乾燥機であって、前記回転ドラムには、側面内側に掬い部を具えた撹拌体が設けられ、この撹拌体によって乾燥室下方に滞留しがちな被乾燥物を積極的に掬い取り、乾燥室であるドラム内の上方付近まで持ち上げた後、落下させて被乾燥物の撹拌を図るようにしたことを特徴として成るものである。
【0008】
また請求項2記載の温風乾燥機は、前記請求項1記載の要件に加え、前記撹拌体の掬い部は、底部から開放面にかけて緩やかに拡開する椀状に形成されて成ることを特徴とするものである。
【0009】
更にまた請求項3記載の温風乾燥機は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記回転ドラムには、主に被乾燥物の切りほぐし作用を担うストレートブレードが、側面から内側に突出するように複数設けられるとともに、前記撹拌体は、このストレートブレード間に固定されて成ることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項4記載の温風乾燥機は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記回転ドラムには、温風排気口のほぼ全面を覆うカバー体が取り付けられるとともに、このカバー体は、一部のみが開口されて成るものであり、このカバー体によって主に温風のみの吐き出しを許容し、排気口からの被乾燥物の流出防止を図るようにしたことを特徴として成るものである。
【0011】
また請求項5記載の温風乾燥機は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記回転ドラムには、乾燥を終えた被乾燥物を取り出す排出口が、ドラムの側面部分に形成されるとともに、この排出口の開閉を遠隔操作によって行うようにしたことを特徴として成るものである。
【0012】
また請求項6記載の温風乾燥機は、前記請求項5記載の要件に加え、前記回転ドラムは、ドラムの傾斜角度が適宜調整可能に支持されるものであり、乾燥運転中は、被乾燥物の投入側に対して被乾燥物の排出側が下り傾向を有するように、ドラムの傾斜勾配を設定するようにしたことを特徴として成るものである。
【0013】
また請求項7記載の温風乾燥機は、前記請求項1、2、3、4、5または6記載の要件に加え、前記回転ドラムは、側面外部にレールが形成されるとともに、このレールに嵌まるローラが架台に設けられ、回転ドラムを回転自在に支持するものであり、回転ドラムを回転させるにあたっては、このローラをモータによって直接駆動することによりドラムを回転させるようにしたことを特徴として成るものである。
【0014】
また請求項8記載の温風乾燥機は、前記請求項7記載の要件に加え、前記ローラとモータとの軸部は、ユニバーサルジョイントによって接続されて成ることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項9記載の温風乾燥機は、前記請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の要件に加え、前記回転ドラムに送り込まれる温風は、乾燥機が設置される工場等において別途、排出される温水を再利用して得られるものであることを特徴として成るものである。
【0016】
また請求項10記載の温風乾燥機は、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の要件に加え、前記乾燥機は、焼却炉の前段に組み込まれ、乾燥を終えた被乾燥物を焼却炉内において焼却するようにしたことを特徴として成るものである。
【発明の効果】
【0017】
これら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。すなわち請求項1記載の発明によれば、ドラムの内側に設けられる撹拌体が、被乾燥物を積極的に掬い上げるため、被乾燥物が乾燥を受ける前から細かい粒状を成すものであっても、滞留部分(ドラム下方)から確実に掬い上げ、ドラム内の上方まで運び上げてから落下させ、被乾燥物の持ち上げ撹拌を図ることができる。
【0018】
また請求項2記載の発明によれば、被乾燥物を汲み取る掬い部は、底部から開放面が緩やかに拡開する椀型に形成されるため、撹拌体がドラムの回転によって上方に至り、ここから被乾燥物を落下させる際に、少量ずつ徐々に分散落下させることができ、より一層、撹拌効果を高めることができる。
【0019】
更にまた請求項3記載の発明によれば、回転ドラムには、ドラム下方に滞留しがちな被乾燥物を持ち上げて撹拌する撹拌体と、被乾燥物を切りほぐすストレートブレードとが共に設けられるため、より一層能率的な乾燥が行える。
【0020】
また請求項4記載の発明によれば、一部分のみ開口されたカバー体が、温風出口(排気口)のほぼ全面を覆うように設けられるため、排気口から被乾燥物が排出されてしまうことを効果的に防止できる。特に、乾燥を受ける前から細かい粒状を成す被乾燥物の場合には、乾燥の進行に伴い、被乾燥物の比重がより一層小さくなるため、温風の風圧によって飛散し易くなり、排気口から排出されてしまうことが考えられるが、カバー体によってこれを効果的に阻止できる。
【0021】
また請求項5記載の発明によれば、製品となった被乾燥物を取り出す排出口を遠隔操作によって開閉できるようにするため、回転ドラムを回転させながら、被乾燥物(製品)を自動排出することができ、製品の取り出しを能率的に行うことができる。
【0022】
また請求項6記載の発明によれば、回転ドラムの傾斜角度が適宜変更可能であるため、比重や粘性あるいは含水率等、被乾燥物の性状に適した傾斜勾配が選択できる。また、同じ被乾燥物を乾燥している間でも、被乾燥物の乾燥状況に応じて、ドラムの傾斜状況を刻々と変更することができる。
なお運転中、製品排出口を投入側よりも低い位置に設定することで、乾燥を行いながら被乾燥物に、投入側から排出側への移送傾向を付与でき、被乾燥物の排出をより確実、且つ、より効率的に行うことができる。
【0023】
また請求項7記載の発明によれば、回転ドラムの回転が、チェーン等の伝達部材を介在させない直動方式であるため、ドラムの回転を確実且つスムーズに行うことができる。因みに従来は、駆動側のモータと従動側のドラムとの間にチェーンやベルト等を設けて、回転を伝達する伝動形態が多かったが、このような伝動系では、延びや歯飛び等が生じる場合があり、必ずしもドラムを円滑に回転させることができないことがあった。このため、本発明では、このような不都合を防止すべく直動方式とし、回転ドラムの駆動を円滑且つ確実に行うようにしたものである。
【0024】
また請求項8記載の発明によれば、回転ドラムを支持するローラの軸部と、モータの軸部とをユニバーサルジョイントによって接続するため、回転ドラムの傾斜角度を種々変更した場合でも、これに追従してローラの軸部とモータの軸部とがジョイント部分で折れ曲がり、回転を確実に伝達することができ、ドラムの回転をより安定化させることができる。
【0025】
また請求項9記載の発明によれば、別途排水される温水を乾燥用の温風の熱源の一部に再利用するため、温風を生成する際のコストを低減できる。なお、このように別途排出される温水を、乾燥用温風の熱源として有効に利用できるのは、温風の温度が比較的低いことが大きく寄与している。
【0026】
また請求項10記載の発明によれば、本乾燥機によって乾燥した後の被乾燥物(ゴミ)を焼却するため、焼却炉へ投入するゴミの水分が均一となり、焼却炉の温度を安定化させることができる。このためダイオキシンの発生要因を解消できる。また炉内温度が安定するためバーナー燃焼も安定して、燃費の向上が図れ、燃料代が低減できる。更に、温風乾燥機の温風熱源は、焼却炉で発生する温水を再利用できるため温風乾燥機のランニングコストをより一層削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の最良の形態は、以下の実施例に述べる通りである。
【実施例】
【0028】
本発明の温風乾燥機1は、横置き状態のドラム内に被乾燥物Wを受け入れて、ドラムの回転によって被乾燥物Wを流動させながら、一例として80℃以下の低い温風(乾燥用空気)と満遍なく接触させて、被乾燥物Wを均一に且つ能率的に乾燥するものである。このため本発明の温風乾燥機1は、実質的に乾燥室となる回転ドラム10を主要部材とするドラム部2と、回転ドラム10の支持やこのものの回転駆動を担う支持・駆動部3と、ドラム内に温風を供給する送風部4とを具えて成るものである。以下、各構成部について説明する。
なお以下の実施例では、乾燥対象となる被乾燥物Wとして、主に食品廃棄物を想定し、このものを家畜等の飼料あるいは肥料にリサイクルする乾燥形態を主に説明する。しかしながら、温風乾燥機1の適用形態としては、必ずしも食品廃棄物のリサイクルに限定されるものではなく、例えば最終的に焼却処分する食品廃棄物等を焼却の前段で乾燥する、言わば焼却炉原料を中間生成するために本温風乾燥機1を適用することも可能である。この場合、被乾燥物Wとしては、食品廃棄物を含め、焼却を目的としたゴミ全般となる。
【0029】
まずドラム部2について説明する。ドラム部2は、一例として図1、2に示すように、実質的な乾燥室となる回転ドラム10を主要部材とするものである。この回転ドラム10は、例えばほぼ角柱状の筒型に形成されて成り、図1(a)では八角形断面、図1(b)では六角形断面として図示している。そして回転ドラム10は、ほぼ角柱状筒型の辺に相当する部位(面と面との接合部位)が、比較的剛性の高い、例えば角パイプ材等の部材によって構成されるものである(これをフレームバー11とする)。すなわち回転ドラム10は、フレームバー11によって、ドラムの骨格部位である骨組みが形成されるものであり、ドラムの側面部分は、フレームバー11に対して取り付けられる側板12によって構成される。
【0030】
更に回転ドラム10の両方の端部13は、フレームバー11に対して取り付けられる端面板14によって構成され、ここに各々、乾燥用空気(以下、乾燥を終了した状態の空気も全て含め「温風F」とする)が送り込まれる送風口15と、乾燥作用を終えた温風Fが吐き出される排気口16とが開口される(図2参照)。ここで回転ドラム10の両端部13のうち、送風口15が形成される方を送風端部13Aとし、排気口16が形成される方を排気端部13Bとする。なお、ここでは排気端部13Bが幾分外方に突出するように形成されている。また回転ドラム10は、支持・駆動部3によって、ほぼ横置き状態に支持されるとともに回転を受けるものであり、このドラムの回転中心を回転軸17とする。なお、本実施例では回転ドラム10を外側から支持しながら回転させるため、部材としての回転軸17は実在しないものである。
【0031】
また回転ドラム10の送風端部13Aには、例えば図2に示すように、ホッパー20を有したスクリューコンベヤ21を設けるものであり、これによって回転ドラム10の内部に被乾燥物Wを投入するものである。なおスクリューコンベヤ21は、被乾燥物Wを少量ずつ徐々に投入することが可能であるため、主に連続式の乾燥処理に好適な投入形態と言える。
因みに乾燥後の被乾燥物Wの排出は、ドラムの側面に開口された排出口40からシュート42等で受け、ドラム外に排出するものである(これについては後述する)。
【0032】
また回転ドラム10の排気端部13Bには、一例として図2に併せ示すように、一部分のみ開口されたカバー体24が、排気口16のほぼ全面を覆うように設けられるものであり、これによって主に温風Fのみの排気を許容し、排気口16からの被乾燥物Wの流出防止を図っている。特に、被乾燥物Wが、乾燥を受ける前から細かい粒状を成すものの場合には、乾燥の進行に伴い、被乾燥物Wの比重がより一層小さくなるため、温風Fの風圧によって飛散し易くなり、排気口16から排出されてしまうことが考えられる。このため、本実施例では、排気口16のほぼ全面をカバー体24によって覆い、極力、被乾燥物Wが温風Fとともに排気口16から排出されないようにしている。
【0033】
このようなカバー体24は、一例として図2、3に示すように、排気口16を正面から覆うように設けられるカバー本体25と、このカバー本体25の上部を塞ぎながらドラムの内側に突出するように設けられるバイザー部26とを具えて成り、これらの接続部位となるバイザー部26の下方のみが開口され(ここを開口部27とする)、この開口部27によって回転ドラム10の内部と排気口16とが連通するように形成される。もちろん、この連通は、直接的なものではなく、カバー本体25が排気口16の正面に立ちはだかるように設けられるため、乾燥作用後の温風Fがドラム内部から排気口16に到達するまでには、図3に示すように、まずバイザー部26の傾斜に沿うように一旦上昇して開口部27に達し、ここを通過する間にカバー本体25内を潜り込むように下降して排気口16に至るものである。つまり温風Fは、開口部27を通過する際、上昇、下降というジグザグ状の流出経路を経ながら開口部27を乗り越え、排気口16へと到達するものである。
【0034】
なお、このようなカバー体24は、図3(b)に示すように、排気口16に固定状態に設けられ、ドラムが回転してもカバー体24そのものは回転しないように形成されるものである。従って、カバー体24(開口部27)はドラムの回転に関わらず、常に排気口16との位置関係が一定に保たれる。このように、本実施例では、カバー体24を単なる邪魔板として排気口16の正面に設けるだけでなく、排気口16に対する開口部27を常時一定の位置関係に保つことによって、温風Fが排気口16に至る経路を上述した経路にほぼ特定するものであり、これによって主に温風Fだけを排気口16から流出させ、乾燥によって軽く且つ細かくなった被乾燥物Wの通過は極力阻止するようにしている。
【0035】
また回転ドラム10には、一例として図1(b)、2、4等に示すように、被乾燥物Wを均一に乾燥させるためのブレード30が、ドラム内側に突出するように設けられる。このブレード30は、例えば細長い板状もしくは棒状のストレートブレード31が複数、列状に配置されて成り、主に被乾燥物Wを切りほぐし、被乾燥物Wを団塊状のまま乾燥させないためのものである。なお本実施例では、上述した各フレームバー11に八本ずつのストレートブレード31が取り付けられている。
【0036】
また本実施例では、このストレートブレード31の間に、掬い部35を具えた撹拌体34を固定状態に取り付ける。この撹拌体34は、掬い部35によって、乾燥室となるドラムの下方に滞留しがちな被乾燥物Wを積極的に掬い取るものである。そして、ストレートブレード31がドラムとともに回転するため、被乾燥物Wを掬い取った撹拌体34も、ドラムの回転に伴って徐々にドラム上方に移動し、ここから被乾燥物Wを落下させるものであり、これによって被乾燥物Wの撹拌(持ち上げ撹拌)を図るものである。特に被乾燥物Wが乾燥を受ける前から細かい粒状のものである場合には、上記図10に示した短冊状部材を間欠的に設けたリフターブレードLでも、被乾燥物Wを充分に撹拌することは難しいが、本実施例では、掬い部35を有した撹拌体34によって積極的に被乾燥物Wを掬い上げるため、被乾燥物Wをドラム内において効果的に循環流動させることができる。
なお、本実施例では、例えば図2、4に示すように、撹拌体34は、排気口16に近い部位から一つおきに設けられ(ストレートブレード31の間)、一つのフレームバー11に対して計三個取り付けられるが、撹拌体34を設置する部位(位置)や数は適宜変更可能であるし、また取り付け高さも適宜調節できるようにすることが好ましい。
【0037】
また、このような作用上、撹拌体34は、図1(b)、4に示すように、掬い部35をドラムの回転方向に向けた状態に固定設置されるものであり、ドラム内下方(図1(b)に示すP0の位置)から90度回転した位置(図1(b)に示すP1の位置)では、掬い部35の開放面36が、ほぼ上方を向いた状態となる。またP0の位置から180度回転したドラム最上方位置(図1(b)に示すP2の位置)では、掬い部35の開放面36がほぼ鉛直に向いた状態、すなわち撹拌体34としては、掬い部35を立てた状態となる。またP0の位置から270度回転した位置(図1(b)に示すP3の位置)では、掬い部35の開放面36が、ほぼ真下に向いた状態、すなわち撹拌体34としては掬い部35を伏せた状態となる。このため撹拌体34による被乾燥物Wの落下は、主にドラムの回転軌道の上側部分、すなわちP1の位置からP2を経てP3の位置までの範囲において、より現実的には、概ねP1の位置からP2を幾らか通過した位置において、実質的な落下が行われるものである。
【0038】
このように撹拌体34は、積極的に被乾燥物Wを掬い取り、これをドラムの上方から落下させて、被乾燥物Wの撹拌ないしは掻き回しを図るものであるから、掬い部35としては種々の形状が採り得るが、底部37から開放面36にかけて緩やかに拡開する椀状に形成されることが好ましい。これは、撹拌体34が、ドラムの回転によって徐々に開放面36の傾斜角度が変化して行くことに伴い、掬い部35が椀状に形成されていれば、被乾燥物Wの落下が少量ずつ分散的に行われ、被乾燥物Wをより効果的に拡散させ得るためである。これによって被乾燥物Wは、落下中、より一層、満遍なく温風Fと接触し、乾燥がより能率的且つ均一的に行えるものである。
【0039】
また回転ドラム10には、排気端部13B付近の側板12に開閉自在の排出口40を設けるものであり、ここから乾燥を終え、製品となった被乾燥物Wを取り出すものである。なお、この排出口40は、モータシリンダ41等によって開閉自在とする形態が好ましく、特に遠隔操作によってモータシリンダ41の摺動子41aを伸長または収縮させ得るようにすれば、回転ドラム10を回転させながら排出口40を開放し、製品となった被乾燥物Wの排出(取り出し)が能率的に行い得るものである。
【0040】
次に主として回転ドラム10の支持や駆動に関与する支持・駆動部3について説明する。支持・駆動部3は、架台50を基材とし、このものに対し回転ドラム10を横置き状態に支持するものである。具体的には、回転ドラム10の外側部にレール51を設け、これに嵌まるローラ52を架台50に設けるものである。また、このローラ52には軸部53が取り付けられ、これを回転させることにより、回転ドラム10を回転させるものである。
【0041】
なおローラ52を回転させるにあたっては、ローラ52の軸部53と、モータ54の軸部55とを直接連結して駆動する直動方式が好ましく、これは回転ドラム10を確実且つスムーズに回転させるためである。因みに従来は、駆動側のモータ54と従動側のドラム(ローラ52)との間にチェーンやベルト等を巻回し、回転を伝達する形態が多かったが、このような伝動形態では、延びや歯飛び等が生じる場合があり、必ずしもドラムを円滑に回転し得ないことがあったため、本実施例では直動方式を採用し、回転ドラム10の回転を安定化させるものである。
【0042】
また投入側(スクリューコンベヤ21側)に対して排出口40が低くなる傾斜状態で回転ドラム10を回転させれば、ドラム内の被乾燥物Wには、常に排出口40側への移動傾向が付与されるため、乾燥を終えた被乾燥物W(製品)の取り出しが一層容易になる。このため本実施例では、回転ドラム10を適宜の傾斜状態に設定できるようにしており、具体的には図2に示すように、架台50を支軸59によって回動自在に支持するとともに、リフター60の昇降動によって架台50つまり回転ドラム10の勾配を適宜調整できるようにしている。
なおドラムの傾斜角を固定せず、適宜調整できるようにするのは、一般に被乾燥物Wの質量がものによって異なるためであり、また同一の被乾燥物Wでも乾燥中、徐々に質量が変化するためである。
【0043】
また回転ドラム10を伴って架台50が傾斜することを考慮すると、先に述べたローラ52の軸部53と、モータ54の軸部55との接続には、例えば図2、5に示すように、ユニバーサルジョイント56を用いることが好ましい。すなわちユニバーサルジョイント56を介在させることによって、回転ドラム10を適宜傾斜させた場合、これに追従して双方の軸部53、55がジョイント部分で自在に折れ曲がり、モータ54側からローラ52(ドラム)側に確実に回転を伝達できるものである。
【0044】
なおユニバーサルジョイント56を含む駆動伝動系は、本来、回転ドラム10(架台50)の傾斜状況に追従して適宜屈曲し、回転を円滑に伝達するためのものであるが、この駆動伝動系によって、架台50に適宜の勾配を付ける(支軸59を中心として適宜回動させる)ことができ、且つ、この状態を維持できる場合には、上述したリフター60は省略することが可能である。
また図2中の符号63の部材は、架台50を含めドラム全体を被覆するボックスであり、これは回転ドラム10の保温効果を高め、より効率的に乾燥を行うために適宜設けられる部材である。
【0045】
次に回転ドラム10に温風Fを送り込む送風部4について説明する。送風部4は、回転ドラム10の送風口15に接続される送り込み用ダクト70と、排気口16に接続される排気用ダクト71とを主な構成部材として成るものである。
これらのダクト70、71は、回転ドラム10(架台50)を適宜の傾斜勾配に設定できるように、少なくとも接続部分が、蛇腹状もしくはフレキシブル状に形成されることが好ましい(図2参照)。また本実施例では、排気用ダクト71の吐出先端側にサイクロン72を接続し、塵化した被乾燥物Wと温風Fとの分離ないしは被乾燥物Wの捕集を図るようにしている。
【0046】
本発明の温風乾燥機1は、以上のような基本構造を有するものであり、以下、この乾燥機によって食品廃棄物等の被乾燥物Wを乾燥する態様について説明する。
(1)乾燥条件の設定
実質的な乾燥作業を開始するにあたり、主に被乾燥物Wの性状(例えば比重、粘性、含水率等)に応じて、回転ドラム10の傾斜角度や回転数(速度)、あるいは送風口15付近における温風Fの温度、風量、風速等の乾燥条件(環境)を設定する。もちろん、このような乾燥条件の設定は、被処理物Wの性状のみならず、温度や湿度、あるいは被処理物Wの乾燥を回分式または連続式のどちらの形態で行うのか等によっても変わり得るものである。
【0047】
なお、このような乾燥条件は、作業中必ずしも一定に維持する必要はなく、例えば乾燥の初期段階では、回転ドラム10の回転数を高めに設定しておき、乾燥の進行に伴い徐々に回転数を低くすることが可能であり、好ましい設定である。これは乾燥の初期段階では、ドラムを速く回転させることで、含水率や粘性が比較的高い被乾燥物Wの細断化を主に図る一方、被乾燥物Wが細かくなり、顆粒状に変わってきた段階で、ドラムを遅く回転させることで、素材を傷めない乾燥を図るためである。また、温風Fについても同様に、乾燥の初期段階では温風Fの温度を、例えば約100℃程度の高めに設定しておき、ある程度、乾燥が進んでから温風Fの温度を約90℃、より好ましくは80℃程度に下げて乾燥を行うと乾燥時間も短くなり効果的なことがある。
【0048】
なお回転ドラム10を適宜の角度に傾斜させるのは、ドラムの回転に伴い被乾燥物Wに排出口40側への移送傾向を付与するためであり、この際、回転ドラム10を適宜傾斜させても、本実施例では、駆動側のモータ54の軸部55と、従動側(ドラム側)のローラ52の軸部53とがユニバーサルジョイント56により接続されており、且つまたモータ54側からローラ52に直接駆動が伝達されるため、ドラムの回転は確実且つスムーズに行えるものである。
【0049】
(2)実質的な乾燥
上述した条件を適宜設定した後、実質的に被乾燥物Wの乾燥を行うものであり、以下、この乾燥態様について説明する。
まず回転ドラム10に投入された被乾燥物Wは、乾燥室となるドラムの下方に滞留する傾向を有するが、回転ドラム10とともにストレートブレード31や撹拌体34が回転するため、これらの作用を受ける。具体的にはストレートブレード31によって切りほぐしを受けながら、撹拌体34によってドラム下方から掬い取られ、ドラム内の上方から分散状態に少量ずつ落下される。以下、この撹拌について更に説明する。
【0050】
撹拌体34は、ストレートブレード31の間に設けられ、回転ドラム10とともに回転するため、掬い部35によって掬い取られた被乾燥物Wも、ドラムの回転に伴って徐々にドラムの上方に移送される。この際、撹拌体34は、図1(b)に示すP0→P1→P2→P3→P0の位置を順次通過するように循環するものであり、この動きとともに掬い部35(開放面36)の傾斜状態も刻々と変化する。特に撹拌体34がP1→P2に移動する間には、開放面36の傾斜が次第に増加して行くため、掬い部35内に収容されていた被乾燥物Wも、徐々に傾きを増す掬い部35に沿って少しずつ落下する。このように被乾燥物Wは、撹拌体34がドラム内を上昇移動することに伴い、少量ずつ分散状態に落とされるため、ドラム内で拡散状態にばらまかれるように落下し、この落下中に温風Fとほぼ満遍なく接触し、均一な乾燥が図られるものである。
【0051】
なお上記P2の位置において掬い部35の開放面36が、ほぼ鉛直状を呈するため、被乾燥物Wの落下は、P2の位置でほぼ終了するものと考えられるが、例えば掬い部35が底部37から開放面36にかけて、ほぼストレートのカップ状に形成された場合等には、P2の位置でも掬い部35内に被乾燥物Wが残留することが考えられる。もちろん、このようなストレートカップ状の場合であっても、上記P3の位置では、撹拌体34は掬い部35を伏せたような反転状態を呈するため、少なくともこのP3の位置に至るまでには、被乾燥物Wの落下が全て完了すると考えられる。
なお本実施例では撹拌体34の掬い部35は、底部37から開放面36にかけて緩やかに拡開する椀型状に形成されているため、掬い取った被乾燥物Wがより分散状態に落下し、優れた撹拌効果を奏するものである。
【0052】
また本実施例では、図2、3に示すように、回転ドラム10から温風Fを排出する排気口16の正面に、一部分のみ開口されたカバー体24が、この排気口16を覆うように設けられるため、排気口16からの被乾燥物Wの排出が効果的に防止できる。特に、乾燥を受ける前から細かい粒状を成す被乾燥物Wの場合には、乾燥の進行に伴い、より一層比重が小さくなるため、被乾燥物Wは温風Fの風圧によって飛散し易くなり、排気口16から温風Fとともに排出されてしまうことが考えられるが、本実施例では、これをカバー体24によって極力防止するようにしている。すなわち本実施例では、カバー体24を単なる邪魔板として排気口16の正面に設けるだけでなく、温風Fが排気口16に至る経路を図3(b)に示すように上側のみに、ほぼ限定するものであり、これによって主に温風Fだけを排気口16から流出させ、乾燥によって細かく且つ軽くなった被乾燥物Wの通過を阻むようにしている。
【0053】
また本実施例では、図1に示すように、乾燥を終え製品となった被乾燥物Wを取り出す排出口40が、回転ドラム10の側部(移送方向終端部)に形成されるとともに、この排出口40の開閉をモータシリンダ41等によって遠隔操作できるようにしている。このため回転ドラム10を回転させながら、乾燥を終えた被乾燥物Wを自動排出することができ、上述した乾燥に加え、製品の取り出しも能率良く行えるようにしている。
〔他の実施例〕
【0054】
本発明の温風乾燥機1は、以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が可能である。すなわち先に述べた実施例においては、回転ドラム10を多角形断面の筒状に形成したが、回転ドラム10の断面は必ずしも多角形である必要はなく、ごく一般的な円形状断面にすることも可能である。すなわち回転ドラム10としては、単なる円筒状のものでも何ら構わない。
また先に述べた基本の実施例では、回転ドラム10は、送風端部13Aと排気端部13Bとがほぼ同じ大きさの、いわゆるストレート状に形成されていたが、必ずしもストレートドラムである必要はなく、例えば図6に示すように、排気端部13Bの方を大径とするテーパ状ドラムであっても構わない。この場合、ドラムの回転軸17をほぼ水平に設定したままでも、投入側に対して排出口40側を低くする形態が必然的に採り得るが、ここでも回転ドラム10(回転軸17)を適宜の傾斜角度に調整できるようにすることが望ましい。
【0055】
更にまた、上述した基本の実施例では、被乾燥物Wを均一に乾燥するためのブレード30として、回転方向に沿って被乾燥物Wを切りほぐすストレートブレード31を主に適用したが、このようなブレード30としては、例えば図7に示すようなツイストブレード32を適用することも可能である。これは、被乾燥物Wをカットするブレード先端部に捩じれを形成したものであり、被乾燥物Wを回転方向に対して斜めに切りほぐすことにより、温風Fとの接触面を広く確保し、より一層効果的な乾燥を図るものである。なおこのようなツイストブレード32を設ける場合、複数のツイストブレード32の捩じり方向を交互に変更すれば、より一層、被乾燥物Wの切りほぐしが促進され、乾燥効率をより向上させ得るものである。因みにストレートブレード31は必ずしも長さを揃える必要はなく、例えば図7に併せて示すように、受入側のストレートブレード31を一本だけ短く形成する等、適宜長さを変更することが可能である。
【0056】
次に上述した温風乾燥機1を、実際の食品加工工場等において使用する場合の、より好ましい形態について説明する。
(1)温水再利用システム
本システムにおいては、一例として図8に示すように、上述した温風乾燥機1の前段に、温風Fを発生させるための温風ヒーターHを設けるものである。そして、密閉空間内に取り込んだフレッシュ空気Aを、この温風ヒーターHによって加熱した後、送風ファンVにより送り込み用ダクト70を介して、送風口15から回転ドラム10に送り込むものである。この際、温風乾燥機1を導入する工場(例えば食品加工工場や給食センター等)では、例えば食材を加熱等した後の温水HWを排水することが多いため、この温水HWを温風Fの熱源の一部として再利用し、温風Fを効率的に生成するのが、本温水再利用システムである。具体的には上記図8に示すように、蒸気管Jを通したヒーターH3の前段に、温水HWを通したヒーターを一基または複数基設け(ここでは二基のヒーターH1、H2を設置)、温水HWによって多少なりとも加熱した温風Fを、最終的に必要な温度になるまで蒸気によって再度加熱するものである。
【0057】
なお、このシステムは、温風乾燥機1を設置する工場等において、乾燥機とは別の場所から排出される温水HW(廃熱)を再利用して温風Fの事前加熱(予備加熱)を行うものであるため、蒸気生成に掛かるコスト(温風加温に要するコスト)を低減でき、トータルで設備コスト、ランニングコストを削減できるものである。なお温水を温風Fの熱源として再利用できるのは、温風Fの必要温度が一例として80℃程度と比較的低いことが大きく寄与している。
またサイクロン72に導入した作用済の温風Fがまだ余熱を有している場合には、作用済の温風FをヒーターH3によって再加熱し、新たな温風Fとして温風乾燥機1に送り込むことも可能であり、上記温水再利用システムと併用すれば、より一層、温風Fを効率的に生成できるものである。
【0058】
(2)焼却システム
次に、本発明の温風乾燥機1を焼却炉設備の一構成部として利用した形態について説明する。この形態は、一例として図9に示すように、焼却炉Bの前段に、本発明の温風乾燥機1を設置するものであり、温風乾燥機1によって乾燥した被乾燥物W(ゴミ)を焼却炉原料として焼却炉Bに投入するものである。従って、この形態は、被乾燥物W(食品廃棄物)のリサイクルを図った上記基本の実施例とは異なり、あくまでも被乾燥物W(ゴミ)の効率的処分や無害化処分を図るものである。
なお、ここでは、まず含水率約80%の家庭ゴミを粉砕機Gによって細かく砕いて、ほぼ一定の大きさにし、その後、この破砕ゴミを温風乾燥機1によって含水率約50%に乾燥してから、焼却炉Bに投入するものである。
また乾燥作用後の温風Fは、温風乾燥機1からサイクロン72に導かれた後、焼却炉Bの煙突Cを通して大気中に放出する形態を採り、これは家庭ゴミによっては温風Fに臭気を生じることがあるため、これを除去するための構成である。
【0059】
なお、温風乾燥機1を焼却炉Bの前段に設置する本システムの利点としては、以下の点が挙げられる。まず、焼却炉Bに投入するゴミは、通常、水分が均一でないため、焼却炉B内の温度を一定化させることが難しいが、焼却炉Bの前段に温風乾燥機1を組み込むことにより、ゴミの水分をほぼ一定にすることができ、炉内温度を安定化させることができる。このため、ダイオキシンを発生する心配がない。また焼却炉B内の温度が安定化することにより、バーナー燃焼が安定して、燃費が向上し、燃料代を安く抑えることができる。更に、温風乾燥機1の温風Fの熱源として、図9に併せて示すように、焼却炉Bで発生する温水を利用すれば、温風乾燥機1のランニングコストを更に低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の温風乾燥機を示す斜視図(a)、並びにこのものの内部構造を示す断面図(b)である。
【図2】本発明の温風乾燥機の全体構成を示す説明図である。
【図3】排気口を全体的に覆うカバー体の構造を示す斜視図(a)と断面図(b)である。
【図4】撹拌体の取り付け状態を示す斜視図である。
【図5】回転ドラムを回転させるにあたり、駆動側のモータと従動側のドラムとをユニバーサルジョイントを介して直接接続した状態を示す斜視図である。
【図6】送風端部と排気端部との大きさを異ならせ、回転ドラムをテーパ状に形成した他の実施例を示す骨格的説明図である。
【図7】ブレードとして適用し得るツイストブレードの正面図(a)と平面図(b)である。
【図8】温水再利用システムを示す説明図である。
【図9】焼却炉原料乾燥機フローを示す説明図である。
【図10】従来の回転ドラム式の乾燥機の改良点の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1 温風乾燥機
2 ドラム部
3 支持・駆動部
4 送風部
10 回転ドラム
11 フレームバー
12 側板
13 端部
13A 送風端部
13B 排気端部
14 端面板
15 送風口
16 排気口
17 回転軸
20 ホッパー
21 スクリューコンベヤ
24 カバー体
25 カバー本体
26 バイザー部
27 開口部
30 ブレード
31 ストレートブレード
32 ツイストブレード
34 撹拌体
35 掬い部
36 開放面
37 底部
40 排出口
41 モータシリンダ
41a 摺動子
42 シュート
50 架台
51 レール
52 ローラ
53 軸部
54 モータ
55 軸部
56 ユニバーサルジョイント
59 支軸
60 リフター
63 ボックス
70 送り込み用ダクト
71 排気用ダクト
72 サイクロン
A フレッシュ空気
B 焼却炉
C 煙突
F 温風(乾燥用空気)
G 粉砕機
H 温風ヒーター
H1 ヒーター
H2 ヒーター
H3 ヒーター
HW 温水
J 蒸気管
L リフターブレード
V 送風ファン
W 被乾燥物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を実質的な乾燥室とする回転ドラムを具え、
この回転ドラムをほぼ横置き状態で回転させながら、ドラム内に収容した被乾燥物に温風を接触させて被乾燥物の乾燥を行う乾燥機であって、
前記回転ドラムには、側面内側に掬い部を具えた撹拌体が設けられ、
この撹拌体によって乾燥室下方に滞留しがちな被乾燥物を積極的に掬い取り、乾燥室であるドラム内の上方付近まで持ち上げた後、落下させて被乾燥物の撹拌を図るようにしたことを特徴とする温風乾燥機。
【請求項2】
前記撹拌体の掬い部は、底部から開放面にかけて緩やかに拡開する椀状に形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の温風乾燥機。
【請求項3】
前記回転ドラムには、主に被乾燥物の切りほぐし作用を担うストレートブレードが、側面から内側に突出するように複数設けられるとともに、前記撹拌体は、このストレートブレード間に固定されて成ることを特徴とする請求項1または2記載の温風乾燥機。
【請求項4】
前記回転ドラムには、温風排気口のほぼ全面を覆うカバー体が取り付けられるとともに、このカバー体は、一部のみが開口されて成るものであり、
このカバー体によって主に温風のみの吐き出しを許容し、排気口からの被乾燥物の流出防止を図るようにしたことを特徴とする請求項1、2または3記載の温風乾燥機。
【請求項5】
前記回転ドラムには、乾燥を終えた被乾燥物を取り出す排出口が、ドラムの側面部分に形成されるとともに、この排出口の開閉を遠隔操作によって行うようにしたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の温風乾燥機。
【請求項6】
前記回転ドラムは、ドラムの傾斜角度が適宜調整可能に支持されるものであり、乾燥運転中は、被乾燥物の投入側に対して被乾燥物の排出側が下り傾向を有するように、ドラムの傾斜勾配を設定するようにしたことを特徴とする請求項5記載の温風乾燥機。
【請求項7】
前記回転ドラムは、側面外部にレールが形成されるとともに、このレールに嵌まるローラが架台に設けられ、回転ドラムを回転自在に支持するものであり、
回転ドラムを回転させるにあたっては、このローラをモータによって直接駆動することによりドラムを回転させるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の温風乾燥機。
【請求項8】
前記ローラとモータとの軸部は、ユニバーサルジョイントによって接続されて成ることを特徴とする請求項7記載の温風乾燥機。
【請求項9】
前記回転ドラムに送り込まれる温風は、乾燥機が設置される工場等において別途、排出される温水を再利用して得られるものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の温風乾燥機。
【請求項10】
前記乾燥機は、焼却炉の前段に組み込まれ、乾燥を終えた被乾燥物を焼却炉内において焼却するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の温風乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−322686(P2006−322686A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−148034(P2005−148034)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(595012121)株式会社加藤製缶鉄工所 (4)
【出願人】(590002389)静岡県 (173)
【Fターム(参考)】