測定装置および測定方法
【課題】
従来技術によるモアレ法は、モアレパターンから等高線を求めるために複雑な演算を行う必要があった。さらに、高低差のある物体の等高線を一度に求めるため、物体の高低差によって誤差が生じるという問題があった。
【解決手段】
本発明に係る測定装置は、第1の方向に光を送光する送光部と、前記第1の方向と略直交する前記被測定物の方向に前記光の方向を変換する変換部と、前記変換部で方向が変換された光のうち前記被測定物で反射した光を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記被測定物の形状を測定する形状測定部とを設けた。
従来技術によるモアレ法は、モアレパターンから等高線を求めるために複雑な演算を行う必要があった。さらに、高低差のある物体の等高線を一度に求めるため、物体の高低差によって誤差が生じるという問題があった。
【解決手段】
本発明に係る測定装置は、第1の方向に光を送光する送光部と、前記第1の方向と略直交する前記被測定物の方向に前記光の方向を変換する変換部と、前記変換部で方向が変換された光のうち前記被測定物で反射した光を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記被測定物の形状を測定する形状測定部とを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体状の物体の外側形状を測定する測定装置および測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、等高線を利用して物体の三次元形状を測定する方法として、モアレ法が知られている。モアレ法は、照明装置から縞パターンを物体に投影し、さらに別の縞パターンを介して観測されるモアレパターンから、物体形状に沿った等高線を求め、物体の三次元形状を得る方法である(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−206130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術によるモアレ法は、モアレパターンから等高線を求めるために複雑な演算を行う必要があった。さらに、高低差のある物体の等高線を一度に求めるため、物体の高低差によって誤差が生じるという問題があった。
本発明の目的は、簡易な構成で複雑な演算を行うことなく、誤差の少ない高精度な測定装置および測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る測定装置は、立体状の被測定物の形状を測定する測定装置であって、第1の方向に光を送光する送光部と、前記第1の方向と略直交する前記被測定物の方向に前記光の方向を変換する変換部と、前記変換部で方向が変換された光のうち前記被測定物で反射した光を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記被測定物の形状を測定する形状測定部とを備えることを特徴とする。
【0005】
また、前記被測定物と前記変換部とを前記第1の方向に相対移動させる移動部をさらに備え、前記形状測定部は、前記被測定物と前記変換部との相対位置を変化させた時の前記検出部の検出結果に基づいて、前記被測定物の三次元形状を測定することを特徴とする。
特に、前記変換部は前記送光部が送光する前記光を前記第1の方向と略直交する前記被測定物の中心軸方向に変換することを特徴とする。
【0006】
さらに、前記送光部は、前記光を発生する光源部と、前記光源部からの光を導き基準位置に焦点を有する第1の光学系と、前記焦点よりも前記光源側であり前記第1の光学系の前記焦点と共役な位置に配置され所定形状の開口を有する第1の光制限部材と、前記被測定物から戻ってきた光を結像させる第2の光学系とを備え、前記検出部は前記第2の光学系により前記基準位置にある被測定物の像が結像する結像面に配置され前記光源からの光を受光する受光部を備えることを特徴とする。
【0007】
或いは、前記送光部を前記第1の方向とは異なる方向から光を送光する位置に配置し、前記被測定物と前記第1の光制限部材との間にあって、前記送光部が送光する前記光を前記第1の方向に反射すると共に、前記被測定物からの戻ってくる光を前記受光部側に透過するハーフミラーを設けたことを特徴とする。
特に、前記変換部を逆円錐形状のミラーで構成したことを特徴とする。
【0008】
また、前記第1の光制限部材を円形スリットで構成したことを特徴とする。
或いは、前記第1の光制限部材を多重円形スリットで構成したことを特徴とする。
または、前記第1の光制限部材を径変更可能な円形スリットで構成したことを特徴とする。
また、本発明に係る測定方法は、立体状の被測定物の外側形状を測定する測定方法であって、送光部が第1の方向に送光する光の方向を変換部で前記第1の方向と略直交する前記被測定物の方向に変換して前記被測定物の外側に照射し、前記被測定物の外側で反射する光を検出部で検出した結果に基づいて、前記被測定物の外側形状を測定することを特徴とする。
【0009】
特に、前記被測定物と前記変換部とを前記第1の方向に相対移動させながら前記検出を行うことにより前記被測定物の三次元形状を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な構成で、複雑な演算を行うことなく被測定物の等高線を得ることができるので、誤差の少ない高精度な三次元形状測定装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について詳しく説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る三次元形状測定装置101のブロック図である。三次元形状測定装置101は、立体状の物体の所定の高さ毎に外側形状を測定して等高線を求め、求めた等高線を合成することによって物体の三次元形状を構築する装置で、光源102と、視野絞りに相当する円形スリット103と、照明レンズ104と、ハーフミラー105と、対物レンズ106と、逆円錐型ミラー107と、Z軸ステージ本体108および被測定物109を載せた移動ステージ110と、結像レンズ111と、撮像部112と、画像処理部113と、パソコン114とで構成される。
【0012】
図1(a)および(b)は、Z軸ステージ本体108と移動ステージ110を動作させた時の様子を示した図で、同図(a)は移動ステージ110を上げて被測定物109の低い位置の外側形状を測定する場合、同図(b)は移動ステージ110を下げて被測定物109の高い位置の外側形状を測定する場合をそれぞれ示している。
光源102から照射された光は、円形スリット103のスリット115を介して照明レンズ104に入射される。照明レンズ104は、入射した光をハーフミラー105側に送光する。尚、各レンズ(104,105,111)は、それぞれ屈折力を有しているが、理解を容易にするために屈折を省略している。
【0013】
ハーフミラー105は、照明レンズ104から入射する光の方向を変換して、対物レンズ106側に反射する。反射する光の方向を第1の方向と定義すると、ハーフミラー105で第1の方向に反射された光源102からの光は、照明レンズ104と対物レンズ106の作用により、第1の方向に平行な光束となり、逆円錐型ミラー107に送光され、逆円錐型ミラー107で第1の方向に略直交する方向へ変換され、被測定物109の全周方向から中心軸に向けて水平に照射される。
【0014】
被測定物109の外側から照射された光は、点線151で示すように、対物レンズ106およびハーフミラー105を介して結像レンズ111で撮像部112の受光面(不図示)に結像される。撮像部112の受光面に結像された光は画像信号に変換され、ケーブル116を介して画像処理部113に出力される。
ここで、撮像部112の受光面と、視野絞りを構成する円形スリット103と、被測定物109の設置エリアとは光学的に共役の位置にあり、これらの3ヶ所で焦点が合う状態になっている。尚、被測定物109の高さによって外形状の大きさが異なるので、場所によって焦点のずれが予測されるが、照明側のNA(Numerical Aperture:開口数)を小さくして焦点深度を深くすることで、被測定物109の大きさの変動範囲内で焦点のずれをなくすことができる。また、受光側のNAを大きくすることで、検出分解能を高めることができる。
【0015】
画像処理部113は、撮像部112の受光面に結像された画像データを受け取ると共に、ケーブル117を介して接続されているZ軸ステージ本体108に指令を送り、被測定物109を載せた移動ステージ110を撮像部112方向に所定ピッチで上下させる。つまり、被測定物109と逆円錐型ミラー107との相対位置を変化させる。そして、移動ステージ110の所定位置毎に撮像部112から画像データを入力し、入力した画像データを処理して、所定位置における被測定物に光が当たっている部分の外側形状を抽出する。
【0016】
ここで、円形スリット103の形状について、図2を用いて説明する。円形スリット103は視野絞りに相当し、光源102から照射される光を円形に透過するスリット115が設けられている。尚、円形スリット103は、例えば、液晶板を用いて円形に光を透過するようにすることで実現できる。或いは、ガラス板などに遮光部分を蒸着したり、透過部分をエッチングするなどの方法によっても構わない。
【0017】
次に、逆円錐型ミラー107の形状について、図3を用いて説明する。図3(a)は逆円錐型ミラー107の斜視図、同図(b)は上面図、同図(c)は側面図、同図(d)は同図(b)において切断線Aで切断した時の断面図をそれぞれ示している。光251は、光源102から円形スリット103およびハーフミラー105を介して第1の方向に照射される光を示し、逆円錐型ミラー107の内側のミラー部分110aで第1の方向と略直交する方向に反射され、反射された光251aは被測定物109の中心軸に向けて全周方向から水平に照射される。つまり、水平に照射される光251aは、被測定物109の等高位置を照射する。
【0018】
図4は、図1の三次元形状測定装置101の光学的な構成を描いた図で、図1と同符号のものは同じものを示している。図4(a)の部分は、光源102を含む送光部分で、121は照明のNAを決める開口絞り、122は光源102の光を集光するレンズ、123は受光側のNAを決める結像絞りをそれぞれ示している。尚、先に説明したように、撮像部112の受光面と、視野絞りを構成する円形スリット103と、被測定物109の設置エリアとは光学的に共役の位置にあり、これらの3ヶ所で焦点が合う状態になっていることがわかる。
【0019】
次に、三次元形状測定装置101の測定の流れについて、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS201)先ず、被測定物109を移動ステージ110にセットする。
(ステップS202)次に、移動ステージ110の測定レンジ(移動範囲)や測定ピッチ(移動ピッチ)などの測定仕様をパソコン114から入力する。パソコン114で入力された測定仕様は、ケーブル118を介して画像処理部113に出力され、画像処理部113はケーブル117を介してZ軸ステージ本体108に移動ステージ110を初期位置に移動するよう指令する。例えば、図1(b)に示すような最下点に移動ステージ110を移動する。
(ステップS203)移動ステージ110の現在位置で光源102から光を照射し、撮像部112で画像を撮影する。
(ステップS204)撮像部112で受光した画像をケーブル116を介して画像処理部113に出力する。
(ステップS205)測定仕様に従って、測定が完了したか否かを判断する。例えば、移動ステージ110が移動範囲の終了位置に達していない場合はステップS206に進み、終了位置に達している場合はステップS207に進む。
(ステップS206)移動ステージ110を設定された測定ピッチに従って、次の測定位置まで移動してステップS203に戻り、当該位置での測定を行う。
(ステップS207)移動ステージ110が移動範囲の終了位置に達して測定を終了した場合は、被測定物109の高さ毎の等高線を求め、これらの等高線を合成して三次元形状データを作成する。
【0020】
ここで、三次元形状データの作成方法について、図6を用いて説明する。同図(a)は移動ステージ110上に置かれた被測定物109の等高線g1,g2およびg3を示しており、移動ステージ110の上面から高さh1,h2およびh3の位置にある。例えば、移動ステージ110を上下させて、高さh1に逆円錐型ミラー107で反射した光が周囲から水平に当たるようにして撮像部112で撮影した画像は、図6(b)のような等高線g1になる。尚、実際には、撮像部112の受光部はマトリクス状に配置された画素で構成されるので、同図のように多数の点として得られる。同様に、高さh2に逆円錐型ミラー107によって全周方向から水平に光を当てて撮像部112で撮影した場合は、図6(c)のような等高線g2が得られる。さらに、高さh3に逆円錐型ミラー107によって全周方向から水平に光を当てて撮像部112で撮影した場合は、図6(d)のような等高線g3が得られる。これらの等高線g1,g2およびg3を合成すると図6(e)のようになり、さらに、高さh1,h2およびh3の高さ情報と合わせて三次元表示すると、図6(f)のような被測定物109の三次元形状データが得られる。尚、ここでは3つの等高線を用いて説明したが、実際には同図の点線のように測定ピッチの狭い多数の等高線を合成することによって、高精度な被測定物109の三次元形状109aを構築することができる。
【0021】
さて、図5のフローチャートに戻って説明を続ける。
(ステップS208)画像処理部113で作成された三次元形状データは、ケーブル118を介してパソコン114に出力され、パソコン114の画面に表示される。
(ステップS209)必要に応じて、パソコン114では、キーボードやマウスを操作して、画面に表示されている被測定物109の任意の位置を指定して、画像処理部113から受け取った被測定物109の三次元形状データから大きさや長さを求めて表示する。
(ステップS210)全ての計測を終了する。
【0022】
このようにして、所定ピッチで移動ステージ110を上下させながら被測定物に光が当たっている部分の外側形状を抽出し、これらを所定位置毎の等高線として合成することによって、被測定物109の三次元形状を測定することができる。測定した被測定物109の三次元形状データは、ケーブル118を介してパソコン114に送られ、パソコン114で被測定物109の三次元形状を表示することができる。
【0023】
尚、本実施形態では、画像処理を行う画像処理部113と、三次元形状測定装置101全体の操作や測定結果の表示を行うパソコン114とを別々に設けたが、パソコン114に画像処理部113のハードウェアおよびソフトウェアを内蔵するようにしても構わない。或いは、逆に画像処理部113に操作部や表示部を設けて、三次元形状測定装置101専用の制御部としても構わない。
【0024】
このように、本実施形態に係る三次元形状測定装置101は、立体状の物体の所定の高さ毎に外側形状を測定して等高線を求め、高さを可変しながら測定した所定位置毎の等高線を合成することによって物体の三次元形状を構築することができるので、簡易な構成で複雑な演算を行うことなく、誤差の少ない高精度な三次元形状測定装置および測定方法を提供することができる。特に、一度に全ての等高線を得るモアレ法は、物体の高低差によって誤差が大きくなるという問題があったが、本実施形態による三次元形状測定装置および測定方法では、等高線毎に画像を得ることができるので、物体の高低差に依らず高精度な測定が可能になる。
【0025】
尚、本実施形態では、ハーフミラー105を用いて、光源102および円形スリット103などは装置の側部に配置する構成にしたが、ハーフミラー105を用いなくても実現できる。例えば、逆円錐型ミラー107の上下を逆にして、被測定物109を挟んで撮像部112とは反対側に図4(a)の送光部分を配置し、ハーフミラー105の代わりに、送光部分が直接逆円錐型ミラー107が位置する第1の方向に送光するようにしても構わない。
【0026】
また、本実施形態では、移動ステージ110の高さを測定ピッチに従ってステップ移動させたが、測定範囲内で移動ステージ110を滑らかに連続移動させ、得られた動画像を処理することもできる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る三次元形状測定装置201について図7を用いて説明する。三次元形状測定装置201は、第1の実施形態の三次元形状測定装置101と基本的な構成は同じであるが、円形スリット103の代わりに、多重円形スリット202で構成される。尚、図7において図1と同符号のものは同じものを示す。また、第1の実施形態と同様に、撮像部112の受光面と、視野絞りを構成する多重円形スリット202と、被測定物109の設置エリアとは光学的に共役の位置にあり、これらの3ヶ所で焦点が合う状態になっている。
【0027】
以下、第1の実施形態と異なる部分について説明する。
多重円形スリット202は、図8に示すように、スリット203,スリット204およびスリット205の3つのスリットが設けられており、一度に3つの異なる径の光を被測定物109に照射することができる。尚、多重円形スリット202も第1の実施形態の円形スリット103と同様に液晶などで実現することができる。
【0028】
図7において、光源102をから照射された光は、多重円形スリット202を介して照明レンズ104に入射され、ハーフミラー105側に送光される。ハーフミラー105で、入射する光の方向を変換して対物レンズ106側に反射し、さらに逆円錐型ミラー107で直角に反射して被測定物109の全周方向から水平に照射される。
被測定物109の外側から照射された光は、対物レンズ106およびハーフミラー105を介して点線251,252および253で示すように結像レンズ111で撮像部112の受光面に結像される。撮像部112の受光面に結像された光は画像信号に変換され、ケーブル116を介して画像処理部206に出力される。
【0029】
ここで、多重円形スリット202を用いた場合に、撮像部112で受光される画像について説明する。多重円形スリット202は径の異なる3つの円形スリットを有しているので、図9(a)に示すように、それぞれの径に対応した3つの等高線261,262および263が得られる。これら3つの等高線から最適な等高線を求めることができる。例えば、切断位置Bで切断した時の各等高線の明るさを重み付けして、最適な等高線の位置を求める方法を同図(b)に示す。同図(b)は縦軸に明るさ横軸に切断方向を示し、曲線264は3つの等高線を中心とする画像の明るさの変化を示している。今、等高線261の切断位置Bでのピークを点261a、同様に等高線262のピークを点262a、等高線263のピークを点263aとした場合、ピーク点262aが一番高く、ピーク点263aが一番低いので、これら3つのピーク点および周波の波形データからピーク点を予測して求めると、曲線265のピーク点265aの位置に最適な等高線がくることがわかる。
【0030】
多重円形スリット202を用いた場合も、第1の実施形態で説明した図5のフローチャートは同じであるが、ステップS207において、被測定物109の高さ毎の等高線を求める際の画像処理部206の処理が画像処理部113とは異なり、図9で説明したように最適な等高線を求めてから、これらの等高線を合成して三次元形状データを作成することになる。
【0031】
このように、3つの等高線から最適な等高線を求めるので、第1の実施形態の効果に加えて、さらに測定精度を高めることができ、また測定時間を短縮することができる。尚、本実施形態では、多重円形スリット202は3つのスリットとして説明したが、複数のスリットであれば同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る三次元形状測定装置301について図10を用いて説明する。三次元形状測定装置301は、第1の実施形態の三次元形状測定装置101と基本的な構成は同じであるが、円形スリット103の代わりに、スリット径を可変できる可変円形スリット302で構成される。尚、図10において図1と同符号のものは同じものを示す。また、第1の実施形態と同様に、撮像部112の受光面と、視野絞りを構成する可変円形スリット302と、被測定物109の設置エリアとは光学的に共役の位置にあり、これらの3ヶ所で焦点が合う状態になっている。
【0032】
以下、第1の実施形態と異なる部分について説明する。
可変円形スリット302は、図10に示すように、スリット303およびスリット304の2つのスリットが設けられており、一度に2つの異なる径の光を被測定物109に照射することができる。可変円形スリット302は図11に示すように、スリット303とスリット304の間隔S1を可変することができる。尚、可変円形スリット302も第1の実施形態の円形スリット103と同様に液晶などで実現でき、スリット303とスリット304のいずれか一方を固定して他方を可変してもよいし、両方を可変するようにしても構わない。
【0033】
図10に示すように、可変円形スリット302の間隔S1を可変するスリット制御部305は、ケーブル307を介して画像処理部306に接続されており、画像処理部306からの指令に基づいて、スリット303とスリット304の間隔S1を可変する。
図10において、光源102をから照射された光は、可変円形スリット302を介して照明レンズ104に入射され、ハーフミラー105側に送光される。ハーフミラー105で、入射する光の方向を変換して対物レンズ106側に反射し、さらに逆円錐型ミラー107で直角に反射して被測定物109の全周方向から水平に照射される。
【0034】
被測定物109の外側から照射された光は、対物レンズ106およびハーフミラー105を介して点線351および352で示すように結像レンズ111で撮像部112の受光面に結像される。撮像部112の受光面に結像された光は画像信号に変換され、ケーブル116を介して画像処理部306に出力される。
ここで、可変円形スリット302を用いた場合に、撮像部112で受光される画像について説明する。可変円形スリット302は径の異なる2つの円形スリットを有しているので、第2の実施形態の図9(a)において、それぞれの径に対応した2つの等高線が得られることになる。ところが、可変円形スリット302はスリット径を自由に可変することができるので、複数回に分けて撮影することで、4つでも5つでも複数の等高線を同じ移動ステージ110の位置で得ることができる。この結果、これら複数の等高線から最適な等高線を求めることができる。
【0035】
可変円形スリット302を用いた場合も、第1の実施形態で説明した図5のフローチャートは同じであるが、画像処理部306の処理が画像処理部113とは異なり、ステップS203およびステップS204において、スリット制御部305を制御して複数回の画像の撮影が必要となる。また、ステップS207において、被測定物109の高さ毎の等高線を求める際の処理も異なり、図9で説明したように最適な等高線を求めてから、これらの等高線を合成して三次元形状データを作成することになる。
【0036】
このように、複数の等高線から最適な等高線を求めるので、第1および第2の実施形態の効果に加えて、さらに測定精度を高めることが可能となる。特に、第2の実施形態では等高線の数が固定であったが、移動ステージ110の位置毎に測定する等高線の数を変えることが可能となり、例えば、被測定物109の外側形状の変化が読み取りにくい位置においては、測定する等高線の数を増やすことによって測定誤差を少なくすることができると共に、測定に要する総時間を短縮することができる。
【0037】
また、2つの円形スリットではなく、1つの円形スリットの径を可変することもできる。この場合は、1つの円形スリットの径を連続的に変化させることで、移動ステージ110を上下に相対移動するのと同様な効果が得られる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る三次元形状測定装置401について図12を用いて説明する。三次元形状測定装置401は、第1の実施形態の三次元形状測定装置101と基本的な構成は同じであるが、逆円錐型ミラー107が移動ステージ110と同じ方向に上下するためのミラーステージ本体402とミラー移動ステージ403が設けられ、ミラー移動ステージ403に逆円錐型ミラー107が取り付けられている。
【0038】
ミラーステージ本体402はケーブル404を介して画像処理部405に接続されており、画像処理部405の指令によってミラー移動ステージ403を上下に動かすことができる。尚、図10において図1と同符号のものは同じものを示す。
以下、第1の実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態においても、第1の実施形態で説明した図5のフローチャートは基本的には同じであるが、画像処理部405の処理が画像処理部113とは異なり、ステップS203およびステップS204において、ミラーステージ本体402を制御して複数回画像を撮影する。つまり、移動ステージ110の同じ位置で、ミラー移動ステージ403を所定のピッチで上下させて、撮像部112で複数枚の画像を撮影する。ミラー移動ステージ403を小さく上下させることで、等高位置が少しずれた画像が得られ、これらの画像を重ね合わせることによって、第2の実施形態で説明した図9(a)のような複数の等高線を得ることができる。
【0039】
このように、本実施形態に係る三次元形状測定装置401は、複数の等高線から最適な等高線を求めるので、第1および第2の実施形態の効果に加えて、さらに測定精度を高めることが可能となる。特に、第2の実施形態では等高線の数が固定であったが、ミラー移動ステージ403の位置を制御することにより、移動ステージ110の位置毎に測定する等高線の数を変えることが可能となり、第3の実施形態と同様に、例えば、被測定物109の外側形状の変化が読み取りにくい位置においては、測定する等高線の数を増やすことによって測定誤差を少なくすることができる。
【0040】
また、ミラー移動ステージ403のストロークを大きくすれば、移動ステージ110を移動させる必要がなくなり、被測定物109が不安定な物であっても、移動ステージ110の移動に伴う振動などの影響を受けることを防ぐことができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について図13を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態の三次元形状測定装置101と基本的な構成は同じで、円形スリット103を工夫したものである。
【0041】
例えば、図13(a)は、第2の実施形態の多重円形スリット202に似ているが、色付スリット251は、スリット252,253および254の3つのスリットの色が異なっている。例えば、スリット252が赤色、スリット253が緑色、スリット254が青色とする。スリットに色を付けることによって、図9(b)のように隣接する等高線が密接していて、隣の等高線と分離しにくい場合でも判別することができる。例えば、赤色のフィルタ処理を行って赤色のみ抽出するようにすればスリット252の等高線だけを抽出することができ、同様に、緑色のみを抽出すればスリット253を、青色のみを抽出すればスリット254をそれぞれの等高線だけを容易に抽出することができる。
【0042】
このように、スリットを色付きにすることによって、等高線の分解能が高くなり、高精度な測定が可能になる。
また、その他の方法として、図13(b)に示すように、位相をシフトしたスリットを用いることで、移動ステージ110が同じ位置において得られる等高線の数を増やすことができる。位相スリット501は径の異なるスリットを半円毎に交互に配置してあり、位相スリット501を回転することによって、6本の円形スリットを設けるのと同じ効果が得られる。
【0043】
この結果、第2から第4の実施例と同様に、複数の等高線から最適な等高線を求めることになり、測定精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1の実施形態に係る三次元形状測定装置101の構成図である。
【図2】三次元形状測定装置101の円形スリット103の構成図である。
【図3】三次元形状測定装置101の逆円錐型ミラー107の構成図である。
【図4】三次元形状測定装置101の光学系を示す補助図である。
【図5】三次元形状測定装置101の測定手順を示すフローチャートである。
【図6】三次元形状の構築を説明するための補助図である。
【図7】第2の実施形態に係る三次元形状測定装置201の構成図である。
【図8】三次元形状測定装置201の多重円形スリット202の構成図である。
【図9】三次元形状測定装置201の等高線の求め方を説明するための補助図である。
【図10】第3の実施形態に係る三次元形状測定装置301の構成図である。
【図11】三次元形状測定装置301の可変円形スリット302の構成図である。
【図12】第4の実施形態に係る三次元形状測定装置401の構成図である。
【図13】第5の実施形態に係る色付スリット252および位相スリット501の構成図である。
【符号の説明】
【0045】
101,201,301,401・・・三次元形状測定装置;102・・・光源;103・・・円形スリット;104・・・照明レンズ;105・・・ハーフミラー;106・・・対物レンズ;107・・・逆円錐型ミラー;108・・・Z軸ステージ本体;109・・・被測定物;110・・・移動ステージ;111・・・結像レンズ;112・・・撮像部;113,206,306,405・・・画像処理部;114・・・パソコン;202・・・多重円形スリット;305・・・スリット制御部;302・・・可変円形スリット;402・・・ミラーステージ本体;403・・・ミラー移動ステージ;252・・・色付スリット;501・・・位相スリット
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体状の物体の外側形状を測定する測定装置および測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、等高線を利用して物体の三次元形状を測定する方法として、モアレ法が知られている。モアレ法は、照明装置から縞パターンを物体に投影し、さらに別の縞パターンを介して観測されるモアレパターンから、物体形状に沿った等高線を求め、物体の三次元形状を得る方法である(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−206130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術によるモアレ法は、モアレパターンから等高線を求めるために複雑な演算を行う必要があった。さらに、高低差のある物体の等高線を一度に求めるため、物体の高低差によって誤差が生じるという問題があった。
本発明の目的は、簡易な構成で複雑な演算を行うことなく、誤差の少ない高精度な測定装置および測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る測定装置は、立体状の被測定物の形状を測定する測定装置であって、第1の方向に光を送光する送光部と、前記第1の方向と略直交する前記被測定物の方向に前記光の方向を変換する変換部と、前記変換部で方向が変換された光のうち前記被測定物で反射した光を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記被測定物の形状を測定する形状測定部とを備えることを特徴とする。
【0005】
また、前記被測定物と前記変換部とを前記第1の方向に相対移動させる移動部をさらに備え、前記形状測定部は、前記被測定物と前記変換部との相対位置を変化させた時の前記検出部の検出結果に基づいて、前記被測定物の三次元形状を測定することを特徴とする。
特に、前記変換部は前記送光部が送光する前記光を前記第1の方向と略直交する前記被測定物の中心軸方向に変換することを特徴とする。
【0006】
さらに、前記送光部は、前記光を発生する光源部と、前記光源部からの光を導き基準位置に焦点を有する第1の光学系と、前記焦点よりも前記光源側であり前記第1の光学系の前記焦点と共役な位置に配置され所定形状の開口を有する第1の光制限部材と、前記被測定物から戻ってきた光を結像させる第2の光学系とを備え、前記検出部は前記第2の光学系により前記基準位置にある被測定物の像が結像する結像面に配置され前記光源からの光を受光する受光部を備えることを特徴とする。
【0007】
或いは、前記送光部を前記第1の方向とは異なる方向から光を送光する位置に配置し、前記被測定物と前記第1の光制限部材との間にあって、前記送光部が送光する前記光を前記第1の方向に反射すると共に、前記被測定物からの戻ってくる光を前記受光部側に透過するハーフミラーを設けたことを特徴とする。
特に、前記変換部を逆円錐形状のミラーで構成したことを特徴とする。
【0008】
また、前記第1の光制限部材を円形スリットで構成したことを特徴とする。
或いは、前記第1の光制限部材を多重円形スリットで構成したことを特徴とする。
または、前記第1の光制限部材を径変更可能な円形スリットで構成したことを特徴とする。
また、本発明に係る測定方法は、立体状の被測定物の外側形状を測定する測定方法であって、送光部が第1の方向に送光する光の方向を変換部で前記第1の方向と略直交する前記被測定物の方向に変換して前記被測定物の外側に照射し、前記被測定物の外側で反射する光を検出部で検出した結果に基づいて、前記被測定物の外側形状を測定することを特徴とする。
【0009】
特に、前記被測定物と前記変換部とを前記第1の方向に相対移動させながら前記検出を行うことにより前記被測定物の三次元形状を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な構成で、複雑な演算を行うことなく被測定物の等高線を得ることができるので、誤差の少ない高精度な三次元形状測定装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について詳しく説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る三次元形状測定装置101のブロック図である。三次元形状測定装置101は、立体状の物体の所定の高さ毎に外側形状を測定して等高線を求め、求めた等高線を合成することによって物体の三次元形状を構築する装置で、光源102と、視野絞りに相当する円形スリット103と、照明レンズ104と、ハーフミラー105と、対物レンズ106と、逆円錐型ミラー107と、Z軸ステージ本体108および被測定物109を載せた移動ステージ110と、結像レンズ111と、撮像部112と、画像処理部113と、パソコン114とで構成される。
【0012】
図1(a)および(b)は、Z軸ステージ本体108と移動ステージ110を動作させた時の様子を示した図で、同図(a)は移動ステージ110を上げて被測定物109の低い位置の外側形状を測定する場合、同図(b)は移動ステージ110を下げて被測定物109の高い位置の外側形状を測定する場合をそれぞれ示している。
光源102から照射された光は、円形スリット103のスリット115を介して照明レンズ104に入射される。照明レンズ104は、入射した光をハーフミラー105側に送光する。尚、各レンズ(104,105,111)は、それぞれ屈折力を有しているが、理解を容易にするために屈折を省略している。
【0013】
ハーフミラー105は、照明レンズ104から入射する光の方向を変換して、対物レンズ106側に反射する。反射する光の方向を第1の方向と定義すると、ハーフミラー105で第1の方向に反射された光源102からの光は、照明レンズ104と対物レンズ106の作用により、第1の方向に平行な光束となり、逆円錐型ミラー107に送光され、逆円錐型ミラー107で第1の方向に略直交する方向へ変換され、被測定物109の全周方向から中心軸に向けて水平に照射される。
【0014】
被測定物109の外側から照射された光は、点線151で示すように、対物レンズ106およびハーフミラー105を介して結像レンズ111で撮像部112の受光面(不図示)に結像される。撮像部112の受光面に結像された光は画像信号に変換され、ケーブル116を介して画像処理部113に出力される。
ここで、撮像部112の受光面と、視野絞りを構成する円形スリット103と、被測定物109の設置エリアとは光学的に共役の位置にあり、これらの3ヶ所で焦点が合う状態になっている。尚、被測定物109の高さによって外形状の大きさが異なるので、場所によって焦点のずれが予測されるが、照明側のNA(Numerical Aperture:開口数)を小さくして焦点深度を深くすることで、被測定物109の大きさの変動範囲内で焦点のずれをなくすことができる。また、受光側のNAを大きくすることで、検出分解能を高めることができる。
【0015】
画像処理部113は、撮像部112の受光面に結像された画像データを受け取ると共に、ケーブル117を介して接続されているZ軸ステージ本体108に指令を送り、被測定物109を載せた移動ステージ110を撮像部112方向に所定ピッチで上下させる。つまり、被測定物109と逆円錐型ミラー107との相対位置を変化させる。そして、移動ステージ110の所定位置毎に撮像部112から画像データを入力し、入力した画像データを処理して、所定位置における被測定物に光が当たっている部分の外側形状を抽出する。
【0016】
ここで、円形スリット103の形状について、図2を用いて説明する。円形スリット103は視野絞りに相当し、光源102から照射される光を円形に透過するスリット115が設けられている。尚、円形スリット103は、例えば、液晶板を用いて円形に光を透過するようにすることで実現できる。或いは、ガラス板などに遮光部分を蒸着したり、透過部分をエッチングするなどの方法によっても構わない。
【0017】
次に、逆円錐型ミラー107の形状について、図3を用いて説明する。図3(a)は逆円錐型ミラー107の斜視図、同図(b)は上面図、同図(c)は側面図、同図(d)は同図(b)において切断線Aで切断した時の断面図をそれぞれ示している。光251は、光源102から円形スリット103およびハーフミラー105を介して第1の方向に照射される光を示し、逆円錐型ミラー107の内側のミラー部分110aで第1の方向と略直交する方向に反射され、反射された光251aは被測定物109の中心軸に向けて全周方向から水平に照射される。つまり、水平に照射される光251aは、被測定物109の等高位置を照射する。
【0018】
図4は、図1の三次元形状測定装置101の光学的な構成を描いた図で、図1と同符号のものは同じものを示している。図4(a)の部分は、光源102を含む送光部分で、121は照明のNAを決める開口絞り、122は光源102の光を集光するレンズ、123は受光側のNAを決める結像絞りをそれぞれ示している。尚、先に説明したように、撮像部112の受光面と、視野絞りを構成する円形スリット103と、被測定物109の設置エリアとは光学的に共役の位置にあり、これらの3ヶ所で焦点が合う状態になっていることがわかる。
【0019】
次に、三次元形状測定装置101の測定の流れについて、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS201)先ず、被測定物109を移動ステージ110にセットする。
(ステップS202)次に、移動ステージ110の測定レンジ(移動範囲)や測定ピッチ(移動ピッチ)などの測定仕様をパソコン114から入力する。パソコン114で入力された測定仕様は、ケーブル118を介して画像処理部113に出力され、画像処理部113はケーブル117を介してZ軸ステージ本体108に移動ステージ110を初期位置に移動するよう指令する。例えば、図1(b)に示すような最下点に移動ステージ110を移動する。
(ステップS203)移動ステージ110の現在位置で光源102から光を照射し、撮像部112で画像を撮影する。
(ステップS204)撮像部112で受光した画像をケーブル116を介して画像処理部113に出力する。
(ステップS205)測定仕様に従って、測定が完了したか否かを判断する。例えば、移動ステージ110が移動範囲の終了位置に達していない場合はステップS206に進み、終了位置に達している場合はステップS207に進む。
(ステップS206)移動ステージ110を設定された測定ピッチに従って、次の測定位置まで移動してステップS203に戻り、当該位置での測定を行う。
(ステップS207)移動ステージ110が移動範囲の終了位置に達して測定を終了した場合は、被測定物109の高さ毎の等高線を求め、これらの等高線を合成して三次元形状データを作成する。
【0020】
ここで、三次元形状データの作成方法について、図6を用いて説明する。同図(a)は移動ステージ110上に置かれた被測定物109の等高線g1,g2およびg3を示しており、移動ステージ110の上面から高さh1,h2およびh3の位置にある。例えば、移動ステージ110を上下させて、高さh1に逆円錐型ミラー107で反射した光が周囲から水平に当たるようにして撮像部112で撮影した画像は、図6(b)のような等高線g1になる。尚、実際には、撮像部112の受光部はマトリクス状に配置された画素で構成されるので、同図のように多数の点として得られる。同様に、高さh2に逆円錐型ミラー107によって全周方向から水平に光を当てて撮像部112で撮影した場合は、図6(c)のような等高線g2が得られる。さらに、高さh3に逆円錐型ミラー107によって全周方向から水平に光を当てて撮像部112で撮影した場合は、図6(d)のような等高線g3が得られる。これらの等高線g1,g2およびg3を合成すると図6(e)のようになり、さらに、高さh1,h2およびh3の高さ情報と合わせて三次元表示すると、図6(f)のような被測定物109の三次元形状データが得られる。尚、ここでは3つの等高線を用いて説明したが、実際には同図の点線のように測定ピッチの狭い多数の等高線を合成することによって、高精度な被測定物109の三次元形状109aを構築することができる。
【0021】
さて、図5のフローチャートに戻って説明を続ける。
(ステップS208)画像処理部113で作成された三次元形状データは、ケーブル118を介してパソコン114に出力され、パソコン114の画面に表示される。
(ステップS209)必要に応じて、パソコン114では、キーボードやマウスを操作して、画面に表示されている被測定物109の任意の位置を指定して、画像処理部113から受け取った被測定物109の三次元形状データから大きさや長さを求めて表示する。
(ステップS210)全ての計測を終了する。
【0022】
このようにして、所定ピッチで移動ステージ110を上下させながら被測定物に光が当たっている部分の外側形状を抽出し、これらを所定位置毎の等高線として合成することによって、被測定物109の三次元形状を測定することができる。測定した被測定物109の三次元形状データは、ケーブル118を介してパソコン114に送られ、パソコン114で被測定物109の三次元形状を表示することができる。
【0023】
尚、本実施形態では、画像処理を行う画像処理部113と、三次元形状測定装置101全体の操作や測定結果の表示を行うパソコン114とを別々に設けたが、パソコン114に画像処理部113のハードウェアおよびソフトウェアを内蔵するようにしても構わない。或いは、逆に画像処理部113に操作部や表示部を設けて、三次元形状測定装置101専用の制御部としても構わない。
【0024】
このように、本実施形態に係る三次元形状測定装置101は、立体状の物体の所定の高さ毎に外側形状を測定して等高線を求め、高さを可変しながら測定した所定位置毎の等高線を合成することによって物体の三次元形状を構築することができるので、簡易な構成で複雑な演算を行うことなく、誤差の少ない高精度な三次元形状測定装置および測定方法を提供することができる。特に、一度に全ての等高線を得るモアレ法は、物体の高低差によって誤差が大きくなるという問題があったが、本実施形態による三次元形状測定装置および測定方法では、等高線毎に画像を得ることができるので、物体の高低差に依らず高精度な測定が可能になる。
【0025】
尚、本実施形態では、ハーフミラー105を用いて、光源102および円形スリット103などは装置の側部に配置する構成にしたが、ハーフミラー105を用いなくても実現できる。例えば、逆円錐型ミラー107の上下を逆にして、被測定物109を挟んで撮像部112とは反対側に図4(a)の送光部分を配置し、ハーフミラー105の代わりに、送光部分が直接逆円錐型ミラー107が位置する第1の方向に送光するようにしても構わない。
【0026】
また、本実施形態では、移動ステージ110の高さを測定ピッチに従ってステップ移動させたが、測定範囲内で移動ステージ110を滑らかに連続移動させ、得られた動画像を処理することもできる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る三次元形状測定装置201について図7を用いて説明する。三次元形状測定装置201は、第1の実施形態の三次元形状測定装置101と基本的な構成は同じであるが、円形スリット103の代わりに、多重円形スリット202で構成される。尚、図7において図1と同符号のものは同じものを示す。また、第1の実施形態と同様に、撮像部112の受光面と、視野絞りを構成する多重円形スリット202と、被測定物109の設置エリアとは光学的に共役の位置にあり、これらの3ヶ所で焦点が合う状態になっている。
【0027】
以下、第1の実施形態と異なる部分について説明する。
多重円形スリット202は、図8に示すように、スリット203,スリット204およびスリット205の3つのスリットが設けられており、一度に3つの異なる径の光を被測定物109に照射することができる。尚、多重円形スリット202も第1の実施形態の円形スリット103と同様に液晶などで実現することができる。
【0028】
図7において、光源102をから照射された光は、多重円形スリット202を介して照明レンズ104に入射され、ハーフミラー105側に送光される。ハーフミラー105で、入射する光の方向を変換して対物レンズ106側に反射し、さらに逆円錐型ミラー107で直角に反射して被測定物109の全周方向から水平に照射される。
被測定物109の外側から照射された光は、対物レンズ106およびハーフミラー105を介して点線251,252および253で示すように結像レンズ111で撮像部112の受光面に結像される。撮像部112の受光面に結像された光は画像信号に変換され、ケーブル116を介して画像処理部206に出力される。
【0029】
ここで、多重円形スリット202を用いた場合に、撮像部112で受光される画像について説明する。多重円形スリット202は径の異なる3つの円形スリットを有しているので、図9(a)に示すように、それぞれの径に対応した3つの等高線261,262および263が得られる。これら3つの等高線から最適な等高線を求めることができる。例えば、切断位置Bで切断した時の各等高線の明るさを重み付けして、最適な等高線の位置を求める方法を同図(b)に示す。同図(b)は縦軸に明るさ横軸に切断方向を示し、曲線264は3つの等高線を中心とする画像の明るさの変化を示している。今、等高線261の切断位置Bでのピークを点261a、同様に等高線262のピークを点262a、等高線263のピークを点263aとした場合、ピーク点262aが一番高く、ピーク点263aが一番低いので、これら3つのピーク点および周波の波形データからピーク点を予測して求めると、曲線265のピーク点265aの位置に最適な等高線がくることがわかる。
【0030】
多重円形スリット202を用いた場合も、第1の実施形態で説明した図5のフローチャートは同じであるが、ステップS207において、被測定物109の高さ毎の等高線を求める際の画像処理部206の処理が画像処理部113とは異なり、図9で説明したように最適な等高線を求めてから、これらの等高線を合成して三次元形状データを作成することになる。
【0031】
このように、3つの等高線から最適な等高線を求めるので、第1の実施形態の効果に加えて、さらに測定精度を高めることができ、また測定時間を短縮することができる。尚、本実施形態では、多重円形スリット202は3つのスリットとして説明したが、複数のスリットであれば同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る三次元形状測定装置301について図10を用いて説明する。三次元形状測定装置301は、第1の実施形態の三次元形状測定装置101と基本的な構成は同じであるが、円形スリット103の代わりに、スリット径を可変できる可変円形スリット302で構成される。尚、図10において図1と同符号のものは同じものを示す。また、第1の実施形態と同様に、撮像部112の受光面と、視野絞りを構成する可変円形スリット302と、被測定物109の設置エリアとは光学的に共役の位置にあり、これらの3ヶ所で焦点が合う状態になっている。
【0032】
以下、第1の実施形態と異なる部分について説明する。
可変円形スリット302は、図10に示すように、スリット303およびスリット304の2つのスリットが設けられており、一度に2つの異なる径の光を被測定物109に照射することができる。可変円形スリット302は図11に示すように、スリット303とスリット304の間隔S1を可変することができる。尚、可変円形スリット302も第1の実施形態の円形スリット103と同様に液晶などで実現でき、スリット303とスリット304のいずれか一方を固定して他方を可変してもよいし、両方を可変するようにしても構わない。
【0033】
図10に示すように、可変円形スリット302の間隔S1を可変するスリット制御部305は、ケーブル307を介して画像処理部306に接続されており、画像処理部306からの指令に基づいて、スリット303とスリット304の間隔S1を可変する。
図10において、光源102をから照射された光は、可変円形スリット302を介して照明レンズ104に入射され、ハーフミラー105側に送光される。ハーフミラー105で、入射する光の方向を変換して対物レンズ106側に反射し、さらに逆円錐型ミラー107で直角に反射して被測定物109の全周方向から水平に照射される。
【0034】
被測定物109の外側から照射された光は、対物レンズ106およびハーフミラー105を介して点線351および352で示すように結像レンズ111で撮像部112の受光面に結像される。撮像部112の受光面に結像された光は画像信号に変換され、ケーブル116を介して画像処理部306に出力される。
ここで、可変円形スリット302を用いた場合に、撮像部112で受光される画像について説明する。可変円形スリット302は径の異なる2つの円形スリットを有しているので、第2の実施形態の図9(a)において、それぞれの径に対応した2つの等高線が得られることになる。ところが、可変円形スリット302はスリット径を自由に可変することができるので、複数回に分けて撮影することで、4つでも5つでも複数の等高線を同じ移動ステージ110の位置で得ることができる。この結果、これら複数の等高線から最適な等高線を求めることができる。
【0035】
可変円形スリット302を用いた場合も、第1の実施形態で説明した図5のフローチャートは同じであるが、画像処理部306の処理が画像処理部113とは異なり、ステップS203およびステップS204において、スリット制御部305を制御して複数回の画像の撮影が必要となる。また、ステップS207において、被測定物109の高さ毎の等高線を求める際の処理も異なり、図9で説明したように最適な等高線を求めてから、これらの等高線を合成して三次元形状データを作成することになる。
【0036】
このように、複数の等高線から最適な等高線を求めるので、第1および第2の実施形態の効果に加えて、さらに測定精度を高めることが可能となる。特に、第2の実施形態では等高線の数が固定であったが、移動ステージ110の位置毎に測定する等高線の数を変えることが可能となり、例えば、被測定物109の外側形状の変化が読み取りにくい位置においては、測定する等高線の数を増やすことによって測定誤差を少なくすることができると共に、測定に要する総時間を短縮することができる。
【0037】
また、2つの円形スリットではなく、1つの円形スリットの径を可変することもできる。この場合は、1つの円形スリットの径を連続的に変化させることで、移動ステージ110を上下に相対移動するのと同様な効果が得られる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る三次元形状測定装置401について図12を用いて説明する。三次元形状測定装置401は、第1の実施形態の三次元形状測定装置101と基本的な構成は同じであるが、逆円錐型ミラー107が移動ステージ110と同じ方向に上下するためのミラーステージ本体402とミラー移動ステージ403が設けられ、ミラー移動ステージ403に逆円錐型ミラー107が取り付けられている。
【0038】
ミラーステージ本体402はケーブル404を介して画像処理部405に接続されており、画像処理部405の指令によってミラー移動ステージ403を上下に動かすことができる。尚、図10において図1と同符号のものは同じものを示す。
以下、第1の実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態においても、第1の実施形態で説明した図5のフローチャートは基本的には同じであるが、画像処理部405の処理が画像処理部113とは異なり、ステップS203およびステップS204において、ミラーステージ本体402を制御して複数回画像を撮影する。つまり、移動ステージ110の同じ位置で、ミラー移動ステージ403を所定のピッチで上下させて、撮像部112で複数枚の画像を撮影する。ミラー移動ステージ403を小さく上下させることで、等高位置が少しずれた画像が得られ、これらの画像を重ね合わせることによって、第2の実施形態で説明した図9(a)のような複数の等高線を得ることができる。
【0039】
このように、本実施形態に係る三次元形状測定装置401は、複数の等高線から最適な等高線を求めるので、第1および第2の実施形態の効果に加えて、さらに測定精度を高めることが可能となる。特に、第2の実施形態では等高線の数が固定であったが、ミラー移動ステージ403の位置を制御することにより、移動ステージ110の位置毎に測定する等高線の数を変えることが可能となり、第3の実施形態と同様に、例えば、被測定物109の外側形状の変化が読み取りにくい位置においては、測定する等高線の数を増やすことによって測定誤差を少なくすることができる。
【0040】
また、ミラー移動ステージ403のストロークを大きくすれば、移動ステージ110を移動させる必要がなくなり、被測定物109が不安定な物であっても、移動ステージ110の移動に伴う振動などの影響を受けることを防ぐことができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について図13を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態の三次元形状測定装置101と基本的な構成は同じで、円形スリット103を工夫したものである。
【0041】
例えば、図13(a)は、第2の実施形態の多重円形スリット202に似ているが、色付スリット251は、スリット252,253および254の3つのスリットの色が異なっている。例えば、スリット252が赤色、スリット253が緑色、スリット254が青色とする。スリットに色を付けることによって、図9(b)のように隣接する等高線が密接していて、隣の等高線と分離しにくい場合でも判別することができる。例えば、赤色のフィルタ処理を行って赤色のみ抽出するようにすればスリット252の等高線だけを抽出することができ、同様に、緑色のみを抽出すればスリット253を、青色のみを抽出すればスリット254をそれぞれの等高線だけを容易に抽出することができる。
【0042】
このように、スリットを色付きにすることによって、等高線の分解能が高くなり、高精度な測定が可能になる。
また、その他の方法として、図13(b)に示すように、位相をシフトしたスリットを用いることで、移動ステージ110が同じ位置において得られる等高線の数を増やすことができる。位相スリット501は径の異なるスリットを半円毎に交互に配置してあり、位相スリット501を回転することによって、6本の円形スリットを設けるのと同じ効果が得られる。
【0043】
この結果、第2から第4の実施例と同様に、複数の等高線から最適な等高線を求めることになり、測定精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1の実施形態に係る三次元形状測定装置101の構成図である。
【図2】三次元形状測定装置101の円形スリット103の構成図である。
【図3】三次元形状測定装置101の逆円錐型ミラー107の構成図である。
【図4】三次元形状測定装置101の光学系を示す補助図である。
【図5】三次元形状測定装置101の測定手順を示すフローチャートである。
【図6】三次元形状の構築を説明するための補助図である。
【図7】第2の実施形態に係る三次元形状測定装置201の構成図である。
【図8】三次元形状測定装置201の多重円形スリット202の構成図である。
【図9】三次元形状測定装置201の等高線の求め方を説明するための補助図である。
【図10】第3の実施形態に係る三次元形状測定装置301の構成図である。
【図11】三次元形状測定装置301の可変円形スリット302の構成図である。
【図12】第4の実施形態に係る三次元形状測定装置401の構成図である。
【図13】第5の実施形態に係る色付スリット252および位相スリット501の構成図である。
【符号の説明】
【0045】
101,201,301,401・・・三次元形状測定装置;102・・・光源;103・・・円形スリット;104・・・照明レンズ;105・・・ハーフミラー;106・・・対物レンズ;107・・・逆円錐型ミラー;108・・・Z軸ステージ本体;109・・・被測定物;110・・・移動ステージ;111・・・結像レンズ;112・・・撮像部;113,206,306,405・・・画像処理部;114・・・パソコン;202・・・多重円形スリット;305・・・スリット制御部;302・・・可変円形スリット;402・・・ミラーステージ本体;403・・・ミラー移動ステージ;252・・・色付スリット;501・・・位相スリット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体状の被測定物の形状を測定する測定装置であって、
第1の方向に光を送光する送光部と、
前記第1の方向と略直交する前記被測定物の方向に前記光の方向を変換する変換部と、
前記変換部で方向が変換された光のうち前記被測定物で反射した光を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記被測定物の形状を測定する形状測定部と
を備えることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置において、
前記被測定物と前記変換部とを前記第1の方向に相対移動させる移動部をさらに備え、
前記形状測定部は、前記被測定物と前記変換部との相対位置を変化させた時の前記検出部の検出結果に基づいて、前記被測定物の三次元形状を測定すること
を特徴とする測定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の測定装置において、
前記変換部は前記送光部が送光する前記光を前記第1の方向と略直交する前記被測定物の中心軸方向に変換すること
を特徴とする測定装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記送光部は、前記光を発生する光源部と、前記光源部からの光を導き基準位置に焦点を有する第1の光学系と、前記焦点よりも前記光源側であり前記第1の光学系の前記焦点と共役な位置に配置され所定形状の開口を有する第1の光制限部材と、
前記被測定物から戻ってきた光を結像させる第2の光学系と
を備え、
前記検出部は前記第2の光学系により前記基準位置にある被測定物の像が結像する結像面に配置され前記光源からの光を受光する受光部を備えること
を特徴とする測定装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記送光部を前記第1の方向とは異なる方向から光を送光する位置に配置し、
前記被測定物と前記第1の光制限部材との間にあって、前記送光部が送光する前記光を前記第1の方向に反射すると共に、前記被測定物からの戻ってくる光を前記受光部側に透過するハーフミラーを設けたこと
を特徴とする測定装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記変換部を逆円錐形状のミラーで構成したこと
を特徴とする測定装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記第1の光制限部材を円形スリットで構成したこと
を特徴とする測定装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記第1の光制限部材を多重円形スリットで構成したこと
を特徴とする測定装置。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記第1の光制限部材を径変更可能な円形スリットで構成したこと
を特徴とする測定装置。
【請求項10】
立体状の被測定物の外側形状を測定する測定方法であって、
送光部が第1の方向に送光する光の方向を変換部で前記第1の方向と略直交する前記被測定物の方向に変換して前記被測定物の外側に照射し、
前記被測定物の外側で反射する光を検出部で検出した結果に基づいて、前記被測定物の外側形状を測定すること
を特徴とする測定方法。
【請求項11】
請求項10に記載の測定方法において、
前記被測定物と前記変換部とを前記第1の方向に相対移動させながら前記検出を行うことにより前記被測定物の三次元形状を測定すること
を特徴とする測定方法。
【請求項1】
立体状の被測定物の形状を測定する測定装置であって、
第1の方向に光を送光する送光部と、
前記第1の方向と略直交する前記被測定物の方向に前記光の方向を変換する変換部と、
前記変換部で方向が変換された光のうち前記被測定物で反射した光を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記被測定物の形状を測定する形状測定部と
を備えることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置において、
前記被測定物と前記変換部とを前記第1の方向に相対移動させる移動部をさらに備え、
前記形状測定部は、前記被測定物と前記変換部との相対位置を変化させた時の前記検出部の検出結果に基づいて、前記被測定物の三次元形状を測定すること
を特徴とする測定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の測定装置において、
前記変換部は前記送光部が送光する前記光を前記第1の方向と略直交する前記被測定物の中心軸方向に変換すること
を特徴とする測定装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記送光部は、前記光を発生する光源部と、前記光源部からの光を導き基準位置に焦点を有する第1の光学系と、前記焦点よりも前記光源側であり前記第1の光学系の前記焦点と共役な位置に配置され所定形状の開口を有する第1の光制限部材と、
前記被測定物から戻ってきた光を結像させる第2の光学系と
を備え、
前記検出部は前記第2の光学系により前記基準位置にある被測定物の像が結像する結像面に配置され前記光源からの光を受光する受光部を備えること
を特徴とする測定装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記送光部を前記第1の方向とは異なる方向から光を送光する位置に配置し、
前記被測定物と前記第1の光制限部材との間にあって、前記送光部が送光する前記光を前記第1の方向に反射すると共に、前記被測定物からの戻ってくる光を前記受光部側に透過するハーフミラーを設けたこと
を特徴とする測定装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記変換部を逆円錐形状のミラーで構成したこと
を特徴とする測定装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記第1の光制限部材を円形スリットで構成したこと
を特徴とする測定装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記第1の光制限部材を多重円形スリットで構成したこと
を特徴とする測定装置。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記第1の光制限部材を径変更可能な円形スリットで構成したこと
を特徴とする測定装置。
【請求項10】
立体状の被測定物の外側形状を測定する測定方法であって、
送光部が第1の方向に送光する光の方向を変換部で前記第1の方向と略直交する前記被測定物の方向に変換して前記被測定物の外側に照射し、
前記被測定物の外側で反射する光を検出部で検出した結果に基づいて、前記被測定物の外側形状を測定すること
を特徴とする測定方法。
【請求項11】
請求項10に記載の測定方法において、
前記被測定物と前記変換部とを前記第1の方向に相対移動させながら前記検出を行うことにより前記被測定物の三次元形状を測定すること
を特徴とする測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−164572(P2008−164572A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−602(P2007−602)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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