説明

測色装置及びこれを備えた画像形成装置

【課題】鋭いピークを有する白色光源を照明装置として利用する場合でも、等色関数を用いて算出する三刺激値XYZ等の測色値の測定精度を高めることを課題とする。
【解決手段】等色関数のZ値がピークを示す波長近傍(460[nm]付近)に分光輝度分布のピークを有し、かつ、その半値幅が等色関数のZ値のピークについての半値幅よりも狭い第1白色LED光源(LED1)と、LED1の当該ピークに対し、これよりもピーク値が低く、かつ、等色関数半値幅に対応する波長帯域のうちLED1の分光輝度分布半値幅に対応する波長帯域が重複しない波長帯域部分(およそ425〜445[nm])が存在する側に波長がずれたピークを有する第2白色LED光源(LED2)とを用いて、被測定面を照明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CIE(国際照明委員会)が定める各種表色系の測色値などの測定対象物の色を示す測色値を測定する測色装置及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
印刷装置やプリンタ等の画像形成装置において色安定性や色再現性などの色調管理は重要な技術課題の1つであり、近年、測色装置である分光測色計を用いて画像形成装置の色調管理が行われるようになってきている(例えば特許文献1)。具体的には、例えば、出力画像(測定対象物)の拡散反射光を分光測色計で測定して分光反射率を求め、そこからCIEで定めるRGB表色系、XYZ表色系、L*a*b*表色系等に用いられる測色値を計算し、この結果を利用して出力画像の色調検査を行ったり、画像形成条件の調整を行ったりする。
【0003】
図8は、分光測色計の一例を説明するための説明図である。
この分光測色計は、測定対象物における被測定面1の法線方向から45°傾いた方向から照明装置2より照明する。被測定面からその法線方向へ反射する拡散反射光は、第1レンズ3を透過してスリット4に集光される。スリット4を通過した光束は、第2レンズ5で略平行光となり、分光手段である回折素子6に入射する。この回折素子6により回折して分光された各波長の光束は、第3レンズ7を透過し、受光手段である受光素子アレイ8上の互いに異なる受光領域に集光される。そして、各受光領域の受光素子により光電変換されて、各受光領域の受光量を示す出力信号が出力される。したがって、各受光領域で異なる波長帯の光強度信号を検出することができる。このような分光測色計を用いることで、例えば、波長400〜700[nm]を20[nm]ピッチで16チャンネルの出力信号を取得することができる。取得した出力信号は演算装置9に送られ、この演算装置9で、分光反射率分布や、XYZ表色系の三刺激値XYZ(測色値)、L*a*b*表色系のL*a*b*値(測色値)などが算出される。
【0004】
分光反射率は、検出された出力信号と、被測定面に完全拡散反射面を用いたときの出力信号(基準出力信号)との比である。通常は、完全拡散反射面として標準白色面(酸化マグネシウムの蒸着面など)を用い、これを測定して基準出力信号を記憶しておいた後、測定対象物について測定したときの出力信号をこの基準出力信号で除算したものを分光反射率として算出する。標準白色面は、可視波長域で反射率がほぼ99%であるから、測定値は光学系全体の分光特性である分光積とほぼ等しい。これを行列で考えると、分光反射率分布を格納する列ベクトルである分光反射率ベクトルrは、行列の対角に分光積の逆数が入った変換行列Gと、分光測色計の出力信号を格納した列ベクトルである出力信号ベクトルvとを用いて、下記の式(1)より求めることができる。
【数1】

【0005】
このようにして求まる分光反射率分布から、例えば測定対象物の色を示す三刺激値XYZ(XYZ表色系の測色値)を算出する場合、三刺激値XYZは、分光反射率分布と等色関数の畳み込み積分により求めることができる。この計算を行列で考えると、三刺激値XYZを格納する列ベクトルである測色値ベクトルTは、3つの等色関数を離散化して格納した等色関数行列Hと、分光反射率ベクトルrとを用いて、下記の式(2)より求めることができる。
【数2】

【0006】
したがって、上記式(1)及び(2)より、測定対象物の三刺激値XYZは、上記変換行列Gと等色関数行列Hとの積を重み行列とした積和で、下記の式(3)のようになる。
【数3】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
照明手段としてキセノンランプ等を用いる従来の分光測色計は、光利用効率が悪く、測定時間に1秒程度かかってしまう。そのため、印刷機などの画像形成装置に組み込んでインラインで印刷画像の測色調査を行えるほどの高速測定は難しかった。そこで、本発明者らは、高い安定性と高寿命性を兼ね備え、かつ、近年の高輝度化・高効率化が進んだ白色LED光源に着目し、白色LED光源を照明手段として高速な測定を実現できる測色装置の研究開発を行っている。一般的な白色LED光源は、例えば、青色LEDと、青色光を吸収して黄色に発光する蛍光体とを組み合わせた構成をもったものである。
【0008】
図9は、XYZ表色系における3つの等色関数と、白色LED光源の分光輝度分布とを重ねて示したグラフである。
この白色LED光源は、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせたものであり、その分光輝度分布を見ると、図9に示すように、比較的鋭い青色帯域のピーク(約460[nm])と、比較的なだらかな黄色帯域(約570[nm])のピークをもったものとなる。ここで、上記式(3)に示したように、測定対象物を分光測色計で測定したときの出力信号(出力信号ベクトルv)からその測定対象物の三刺激値XYZ(測色値ベクトルT)を算出する場合、分光積の逆数を格納した変換行列Gと等色関数行列Hとの積で求まる重み行列と、受光素子アレイの出力信号ベクトルvとの積和をとる。そのため、等色関数の値が大きい波長帯に対応する出力信号は、大きく増幅されることになる。そのため、等色関数の値が大きい波長帯に対応する出力信号のS/N比が小さいと、ノイズ成分の影響が大きくなり、算出される三刺激値XYZの誤差が大きくなる。逆に、等色関数の値が大きい波長帯でも、出力信号のS/N比が大きければ、ノイズ成分の影響は小さく、算出される三刺激値XYZの誤差は小さいものとなる。また、等色関数の値が小さい波長帯であれば、出力信号のS/N比が小さくても、ノイズ成分の影響は小さく、算出される三刺激値XYZの誤差は小さい。したがって、算出される三刺激値XYZの誤差を小さく抑えるには、等色関数の値が大きい波長帯についての出力信号のS/N比をなるべく大きくすることが重要となる。
【0009】
ここで、受光素子アレイの各受光素子の出力信号には、暗電流等の影響でランダム誤差(ランダムノイズ)が重畳する。また、誤差伝播の法則より、無相関なランダム誤差を持つ複数の信号の和の誤差は、2乗和の平方根になることが知られている。このような誤差(ノイズ)は、出力信号に含まれる信号成分の大きさと無関係なものである。そのため、出力信号に含まれる信号成分が十分に大きければ、このようなノイズが含まれていても、S/N比を十分に大きくとることができる。しかしながら、逆に、出力信号に含まれる信号成分が小さいと、S/N比が小さくなってしまう。
【0010】
出力信号に含まれる信号成分を大きくするには、照明手段から照射される光の輝度を大きくすることが有効である。例えば、図9に示した分光輝度分布を有する白色LED光源を照明手段として用いる場合、青色帯域のピーク近傍(440〜480[nm]付近)については、照明輝度が非常に大きいものとなる。この波長帯(440〜480[nm]付近)は、等色関数のZ値が大きい波長帯であるため、出力信号が大きく増幅される。よって、その出力信号に含まれるノイズも大きく増幅されることになる。しかしながら、その波長帯の照明輝度は十分に大きいので、その出力信号に含まれる信号成分を大きくとることができる。したがって、この波長帯(440〜480[nm]付近)については、等色関数のZ値が大きいけれどS/N比を十分に大きくとることができるので、算出される三刺激値XYZの誤差に与える影響は小さく抑えられる。
【0011】
ところが、図9を見ると、この白色LED光源は430[nm]付近の輝度が小さいので、この波長帯における出力信号のS/N比は小さいものとなる。この波長帯は、図9に示すように、等色関数のZ値が大きい波長帯である。そのため、この波長帯(430[nm]付近)は、等色関数のZ値が大きいのに出力信号のS/N比を大きくとることができない。そのため、この波長帯の出力信号は、算出される三刺激値XYZの誤差に与える影響が大きい。
【0012】
図10は、照明手段の分光輝度分布に対する各等色関数の比をとったグラフである。
照明手段の分光輝度分布に対する等色関数の比は、各波長帯における各等色関数の値に応じて照明輝度が足りているかどうかを示すものと言える。したがって、この比は、算出される三刺激値XYZの誤差に与える影響の大きさを示す指標値となる。図10を見ると、等色関数の値(Z値)が大きいのに照明輝度が不足している(すなわち出力信号のS/N比が小さい)波長帯である430[nm]付近において、その指標値が大きくなっている。これは、430[nm]付近の出力信号が、算出される三刺激値XYZの誤差に大きな影響を与えることを示している。
【0013】
図9に示した分光輝度分布を有する白色LED光源のように、等色関数が大きい波長帯の一部(430[nm]付近)で輝度が不足している照明手段を用いると、その波長帯の出力信号が、算出される三刺激値XYZの誤差に大きな影響を与えてしまい、三刺激値XYZの測定精度が低くなるという問題が生じる。この問題は、測色値として三刺激値XYZを測定する場合に限らず、受光素子アレイから出力される各出力信号と照明手段の分光輝度分布データと等色関数データとを用いて算出される測色値であれば、他の測色値を測定する場合でも同様に生じ得るものである。また、このような測色値を変換することで得られる他の測色値(例えばL*a*b*表色系のL*a*b*値)を測定する場合も、同様である。
【0014】
上記問題に対し、例えば、白色LED光源を構成する青色LEDとして、そのピーク波長が460[nm]よりも低波長側にシフトしたものを用いることが考えられる。この場合、430[nm]付近については、算出される三刺激値XYZの誤差に与える影響を小さくすることが可能である。しかしながら、青色LEDの分光輝度分布のピーク波形は狭いので、すなわち、青色LEDの分光輝度分布の半値幅は狭いので、代わりに、等色関数のZ値が大きい波長帯の高波長側(例えば470[nm]付近)において照明輝度が不足する事態を招く。その結果、今度は、この波長帯の出力信号が、算出される三刺激値XYZの誤差に大きな影響を及ぼし、結果的に、算出される三刺激値XYZの測定精度が低いものとなる。また、このように青色LEDのピーク波長をシフトさせて調整しようとすると、青色LEDの発光効率が落ちるので、青色LEDの全体輝度が低下し、全体のS/N比を悪化させたり、測定時間が長くなったりするなどの不具合を招く。
【0015】
なお、上記問題は、上述した白色LED光源を照明手段として用いる場合に限られない。具体的には、等色関数データがピークを示す波長近傍に分光輝度分布のピークを有し、かつ、その分光輝度分布の当該ピークについての半値幅(分光輝度分布半値幅)が等色関数データの当該ピークについての半値幅(等色関数半値幅)よりも狭い白色光源を用いる場合には、同様に生じ得る。このように白色光源の分光輝度分布半値幅が等色関数半値幅よりも狭いと、等色関数半値幅に対応する波長帯域のうち当該分光輝度分布半値幅に対応する波長帯域が重複しない波長帯域部分(白色光源輝度不足帯域)が生じ、そのような波長帯域部分において白色光源による照明輝度が不足し得るからである。
【0016】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、このような白色光源を用いる場合でも、等色関数を用いて算出する測色値の測定精度が高い測色装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、測定対象物を照明する照明手段と、測定対象物からの反射光束を分光する分光手段と、分光された光束をそれぞれ受光して各波長帯の受光量を示す出力信号を出力する受光手段と、上記受光手段から出力された各出力信号、上記照明手段により照明される光の分光輝度分布データ、及び、等色関数データを用いて、測定対象物の色を示す測色値を演算する演算手段とを備えた測色装置において、上記照明手段は、上記等色関数データがピークを示す波長近傍に分光輝度分布のピークを有し、かつ、該分光輝度分布の当該ピークについての半値幅である分光輝度分布半値幅が該等色関数データの当該ピークについての半値幅である等色関数半値幅よりも狭い白色光源と、該白色光源における該分光輝度分布の当該ピークに対し、これよりもピーク値が低く、かつ、該等色関数半値幅に対応する波長帯域のうち該分光輝度分布半値幅に対応する波長帯域が重複しない波長帯域部分が存在する側に波長がずれたピークを有する分光輝度分布をもった他の光源とを用いて、上記測定対象物を照明することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の測色装置において、上記白色光源は、当該分光輝度分布の上記ピークを示す波長を発光波長とした発光ダイオードを用いたものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の測色装置において、上記他の光源は、当該分光輝度分布の上記ピークを示す波長を発光波長とした発光ダイオードを用いたものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の測色装置において、上記演算手段は、上記測色値としてXYZ表色系の三刺激値を算出するものであり、上記白色光源及び上記他の光源は、いずれも、当該分光輝度分布の上記ピークを示す波長を発光波長とした発光ダイオードを用いたものであり、上記白色光源は、上記発光ダイオードとして、450[nm]以上470[nm]以下の発光波長で発光する第1青色発光ダイオードを用い、かつ、該第1青色発光ダイオードからの光を受けて発光する蛍光体を備えたものであり、上記他の光源は、上記発光ダイオードとして、430[nm]以上450[nm]以下であって上記第1青色発光ダイオードの発光波長から10[nm]以上離れた発光波長で発光する第2青色発光ダイオードを用いたものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の測色装置において、上記照明手段は、上記白色光源を構成する上記第1青色発光ダイオード及び上記蛍光体と上記第2青色発光ダイオードとを単一モジュール化したものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の測色装置において、上記受光手段からは3個〜15個の波長帯についての出力信号が出力されることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、画像担持媒体上に複数色で構成される画像を形成する画像形成装置において、画像担持媒体上に形成した上記画像の測色値を測定する測色装置と、該測色装置により測定した測色値に基づいて画像形成条件を調整する画像形成条件調整手段とを有し、上記測色装置として、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の測色装置を用いることを特徴とするものである。
【0018】
本発明における照明手段の白色光源によれば、等色関数データがピークを示す波長近傍に分光輝度分布のピークを有するので、等色関数の値が大きい波長帯域について高い輝度の照明を当てることが可能である。しかしながら、この白色光源の分光輝度分布半値幅は等色関数半値幅よりも狭いため、等色関数半値幅に対応する波長帯域のうち当該分光輝度分布半値幅に対応する波長帯域が重複しない波長帯域部分、すなわち、白色光源による照明輝度が不足する白色光源輝度不足帯域が生じる。
本発明においては、このような白色光源と、その白色光源の分光輝度分布の当該ピークに対して白色光源輝度不足帯域が存在する波長側にずれたピークを有する他の光源とを併用して、測定対象物を照明する。これにより、白色光源による照明輝度が不足する白色光源輝度不足帯域についての照明輝度を、上記他の光源により補うことができる。その結果、この白色光源単体で照明する場合よりも、その白色光源輝度不足帯域の出力信号のS/N比を大きくすることができる。よって、演算手段により演算される測色値の測定精度を高めることができる。
しかも、本発明では、白色光源輝度不足帯域の照明輝度不足を、他の光源を追加することで解消するため、白色光源としては、当該白色光源輝度不足帯域の照明輝度不足を考慮せずに発光効率の高いものを用いることができる。よって、白色光源輝度不足帯域を除く他の波長帯域については高いS/N比を維持できる。一方、他の光源は、白色光源輝度不足帯域の照明輝度不足を補うための補助的な光源なので、発光効率が低いものでも十分である。すなわち、他の光源には、白色光源のピーク値よりも低いピーク値をもつ分光輝度分布をもった光源で十分である。
【発明の効果】
【0019】
以上より、本発明によれば、上記のような白色光源を用いる場合でも、等色関数を用いて算出する測色値を高い精度で測定できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態における分光測色計の機能ブロック図である。
【図2】同分光測色計の概略構成を示す説明図である。
【図3】XYZ表色系における3つの等色関数と、同分光測色計の照明装置を構成する第1白色LED光源及び第2白色LED光源の分光輝度分布とを重ねて示したグラフである。
【図4】同照明装置の分光輝度分布に対する各等色関数の比をとったグラフである。
【図5】数値シミュレーションの結果を示すグラフである。
【図6】変形例1における照明装置を構成する光源の概略構成を示す説明図である。
【図7】同分光測色計を搭載した画像形成装置の一例を示す説明図である。
【図8】従来の分光測色計の一例を説明するための説明図である。
【図9】XYZ表色系における3つの等色関数と、従来の分光測色計の照明装置を構成する白色LED光源の分光輝度分布とを重ねて示したグラフである。
【図10】従来の分光測色計の照明装置の分光輝度分布に対する各等色関数の比をとったグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る測色装置としての分光測色計の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本分光測色計を用いた測色方法により測定対象物の測色値である三刺激値XYZを測定する流れに沿って、本分光測色計の構成及び動作について説明する。
【0022】
図1は、本実施形態における分光測色計の機能ブロック図である。
図2は、分光測色計の概略構成を示す説明図である。
本実施形態の分光測色計は、照明装置20で測定対象物の面(被測定面)1を照明し、その被測定面1で反射した拡散反射光を回折素子6によりm個の波長帯(波長帯)に分光する。そして、これにより得られる各波長帯の光強度信号(輝度信号)を各波長帯にそれぞれ対応した各受光領域(受光素子アレイ8上の1又は2以上の受光素子)で検出し、これらの光強度信号を出力信号として出力する。本実施形態における分光測色計の基本構成は、図8に示した従来の分光測色計と同様であるが、本実施形態では、後述するように、照明装置20が従来の照明装置2とは異なっている。受光素子アレイ8から出力される出力信号は、演算装置9により構成される分光反射率算出部102に入力される。
【0023】
分光反射率算出部102は、上記式(1)に従って、受光素子アレイ8から出力される出力信号に基づく出力信号ベクトルvと、変換行列記憶部103に記憶されている変換行列Gとの積を演算し、その演算結果を、測定対象物の分光反射率を示す分光反射率ベクトルrとして出力する。
【0024】
変換行列記憶部103は、分光反射率算出部102で用いる変換行列Gを記憶するものである。この変換行列Gの算出方法の一例について説明すると、既知の分光反射率を有する複数の色サンプルを用意し、それらの各分光反射率ベクトルr1〜rnを下記の式(4)に示すサンプル分光反射率行列Rとして記憶する。そして、これらの色サンプルを対象として受光素子アレイ8から出力信号(サンプル出力信号)を得る。その後、各色サンプルのサンプル出力信号に基づいて、サンプル出力信号ベクトルv1〜vnを生成する。このサンプル出力信号ベクトルv1〜vnの群を下記の式(5)に示すサンプル出力信号行列Vとする。そして、このサンプル拡張センサ応答行列Vと、記憶しておいたサンプル分光反射率行列Rとを用い、Moore−Penroseの一般化逆行列を利用して、下記の式(6)より、変換行列Gを算出する。このようにして算出された変換行列Gは、変換行列記憶部103にセットされる。ここで、上付き添え字「t」はベクトルや行列の転置を示し、上付き添え字「−1」は逆行列を示す。逆行列の算出には、一般に知られる特異値分解法などを用いることができる。
【数4】

【数5】

【数6】

【0025】
測色値算出部101は、上記式(2)に従って、分光反射率算出部102から出力される分光反射率ベクトルr、等色関数データ記憶部104に記憶されている等色関数行列Hとの積を演算し、その演算結果を、測定対象物の三刺激値XYZを格納する測色値ベクトルTとして出力する。
【0026】
次に、本発明の特徴部分である照明装置20の構成について説明する。
本実施形態の照明装置20は、中心波長(発光波長)が460[nm]の青色LEDと黄色蛍光体とから構成される第1白色LED光源21と、中心波長(発光波長)が440[nm]の青色LEDと黄色蛍光体とから構成される他の光源としての第2白色LED光源22と、これらの白色LED光源21,22から出射した白色光を略平行光束にするコリメートレンズ23とからなる。
【0027】
図3は、XYZ表色系における3つの等色関数と、第1白色LED光源21及び第2白色LED光源22の分光輝度分布とを重ねて示したグラフである。
第1白色LED光源21は、図9に示した分光輝度分布を有するものと同じである。すなわち、Z値の等色関数がピークを示す波長(約450[nm])近傍である460[nm]に青色ピークを有しているが、その青色ピークの半値幅(分光輝度分布半値幅)がZ値の等色関数の半値幅(等色関数半値幅)よりも狭いものである。そのため、これ単体で照明した場合には、上述したように、等色関数のZ値が大きい波長帯である430[nm]付近の輝度が小さくなり、この波長帯が白色光源輝度不足帯域となる。よって、この波長帯における出力信号のS/N比が小さく、算出される三刺激値XYZの誤差に与える影響が大きい。
【0028】
そこで、本実施形態の照明装置20では、この第1白色LED光源21と、上述した第2白色LED光源22とを併用して、被測定面1を照明する。第2白色LED光源22は、図3に示すように、第1白色LED光源21の青色ピーク(460[nm])に対し、これよりもピーク値が低く、かつ、Z値の等色関数半値幅に対応する波長帯域(およそ425〜475[nm])のうち分光輝度分布半値幅に対応する波長帯域(およそ445〜475[nm])が重複しない波長帯域部分(およそ425〜445[nm])が存在する側に波長がずれた青色ピーク(440[nm])を有するものである。本実施形態によれば、第1白色LED光源21による照明輝度が不足する白色光源輝度不足帯域についての照明輝度を、第2白色LED光源22により補うことができる。その結果、第1白色LED光源21だけで照明する場合よりも、その白色光源輝度不足帯域の出力信号のS/N比を大きくすることができ、算出される三刺激値XYZの測定精度を高めることができる。
【0029】
図4は、本実施形態における照明装置20の分光輝度分布に対する各等色関数の比をとったグラフである。
上述したとおり、この比は、算出される三刺激値XYZの誤差に与える影響の大きさを示す指標値となる。図4に示す本実施形態のグラフと、図10に示す従来のグラフ(第1白色LED光源21だけで照明した場合のグラフ)とを比較すると、本実施形態によれば、図10のグラフで現れていた430[nm]付近のピークが低減され、可視光波長域の全域にわたって当該指標値を低く抑えることができている。
【0030】
次に、本実施形態のように第1白色LED光源21に対して他の光源を追加することによる効果を確認するために行った数値シミュレーションについて説明する。
この数値シミュレーションでは、第1白色LED光源21と併用する他の光源として、ピーク値が第1白色LED光源21の青色ピークの半分で、かつ、中心波長が430[nm]、435[nm]、440[nm]、445[nm]、450[nm]、455[nm]である青色LEDをそれぞれ用いたときの測色精度を推定した。なお、比較のため、第1白色LED光源21だけで照明した従来光源についても同様のシミュレーションを行った。
【0031】
数値シミュレーションを行い前に、まず、色サンプルとしてX−Rite社製ColorCheckerの24色の色パッチを用い、これをX−Rite社製の反射分光濃度計(X−Rite 939)で測定し、分光反射率(波長400〜700[nm]で10[nm]ピッチの31チャンネル)を得た。このようにして得た各色パッチの分光反射率分布から基準となるL*a*b*値(基準L*a*b*値)を算出した。一方、数値シミュレーションでは、上記のようにして得た各色パッチの分光反射率分布に分光積を積算して擬似センサ信号を作成した後、擬似センサ信号の最大値の0.2[%]のランダムノイズを重畳した後、分光積で除算して擬似分光反射率測定結果を算出し、ここからL*a*b*値を算出した。分光センサ光学系の分光積には光源の分光放射輝度分布を用いた。この数値シミュレーションを10回行い、そのシミュレーション結果であるL*a*b*値と基準L*a*b*値との色差の標準偏差を算出し、24色の色パッチについての色差ΔE*abのばらつき(3σ)の平均値と最大値を求めた。
【0032】
図5は、上述した数値シミュレーションの結果を示すグラフである。
このグラフに示すように、ピーク波長が455[nm]である場合、従来光源と比較して色差ΔE*abのばらつき(3σ)の最大値がわずかながら減少しており、測色精度の改善がみられたが、そのピーク波長(455[nm])が第1白色LED光源の青色ピーク波長460[nm]に近接しているため、比較的効果が小さい。
一方、ピーク波長が450[nm]である場合から、他の光源のピーク波長が低波長側(すなわち第1白色LED光源の青色ピーク波長460[nm]から離れる側)へシフトするにつれて、徐々に効果が高まり、測定精度が高まった。そして、他の光源のピーク波長が435[nm]である場合には、従来光源と比べて、色差ΔE*abのばらつき(3σ)が、平均で約1/4、最大値で約1/5となった。
【0033】
本実施形態は、変換行列Gに等色関数行列Hをかけたものが、光源を含む光学系の三刺激値XYZに対する重みであるから、これに大きな偏りがなくなるように、補助的な第2光源としての第2白色LED光源22を追加して、照明装置20の分光分布を補強したものである。例えば、受光素子アレイ8の受光領域を6分割して6チャンネルの出力信号を得るようにした場合、1チャンネルあたりのスペクトル幅は約50[nm]である。図9に示した従来の照明装置(第1白色LED光源21のみで照明するもの)で照明した場合は、波長400〜450[nm]を担当する1つのチャンネルの三刺激値Zに対する重みが大きくなり、このノイズ成分が過剰に拡大されるので、十分な精度が得られないことがわかる。これに対し、本実施形態による照明装置であれば、このチャンネルの重みが小さくなり、重みの偏りが少なくなるので、特定のチャンネルのノイズが拡大されることがなく、高い精度が得られる。
また、マルチバンド分光では、チャンネル数を少なくできるので、1チャンネルあたりの受光量が増えるので、受光素子の露光時間を短くすることができ、より高速に色情報を取得する分光測色に好適である。
【0034】
なお、本発明者らの研究の結果、主となる白色光源(第1白色LED光源21)については、高い発光効率を実現可能な450〜470[nm]の範囲内に青色ピークを有するものが好ましく、これに対し、白色光源輝度不足帯域を補う補助的な光源(他の光源)としては、430〜450[nm]の範囲内に青色ピークを有し、かつ、主となる白色光源の青色ピークとの中心波長差が10[nm]以上離れたものが好ましい。
また、ここでは、説明の簡素化のため、主となる第1光源である第1青色LED31と、補助的な第2光源である第2青色LED32とを、それぞれ1個ずつ配置した場合について説明したが、これらの光源の数はそれぞれ2個以上としてもよく、その数は適宜設定される。
【0035】
〔変形例1〕
次に、上記実施形態の分光測色計における照明装置の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図6は、本変形例1における照明装置を構成する光源の概略構成を示す説明図である。
本変形例1の照明装置は、中心波長(発光波長)が460[nm]の第1青色LED31と、中心波長(発光波長)が440[nm]の第2青色LED32とを、黄色蛍光体を含む蛍光材34と一緒に、マルチチップモジュール化したものである。この光源は、発光波長が460[nm]である第1青色LED31と、波長440[nm]である第2青色LED32とが基板35上に実装され、これらの上を蛍光材34が被覆している。第1青色LED31及び第2青色LED32から照射された光束は、蛍光材34を透過するとともに、蛍光材34中の黄色蛍光体が青色光束を吸収して黄色の蛍光を発散する。
【0036】
このようなマルチチップモジュール化した光源を用いることで、2つの青色LED31,32を近接配置することが可能となる結果、照明位置による分光分布の差が小さくなり、一様な照明の実現を可能とする。
【0037】
〔変形例2〕
次に、上記実施形態の分光測色計における照明装置の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
本変形例2の照明装置は、中心波長(発光波長)が460[nm]の第1青色LED21と、中心波長(発光波長)が440[nm]の第2青色LED22と、黄色蛍光体とから構成される。ただし、現在、発光波長が440[nm]近傍の青色LEDは、発光波長が460[nm]近傍の青色LEDと比べて発光効率が悪く、同等の輝度を確保するのが難しい。そこで、本変形例2では、主となる第1光源である発光波長が440[nm]の青色LEDは、その青色光を黄色蛍光体に照射して黄色蛍光させるのに用いるが、補助的な第2電源は、黄色蛍光体に照射せずにそのまま被測定面1に照射されるように構成している。これにより、発光効率の悪い発光波長が440[nm]の青色LEDについては、黄色蛍光体を蛍光させることによる光量減がないため、補助的な第2電源についての輝度を確保することが容易になる。
【0038】
なお、本実施形態(各変形例を含む。以下同じ。)においては、16チャンネルの分光測色計について説明したが、例えば既知のマルチバンド分光技術を用いた3〜15チャンネルの分光器を利用したものでも、同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、主となる第1光源として、青色LEDと黄色蛍光体とからなる白色LED光源を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限ったものでなく、例えば、青色LEDと緑および赤色蛍光体を用いた白色LED光源など、他の構成を有する白色LED光源を用いても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、分光手段として回折素子を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限ったものでなく、例えば分光透過率の異なる複数の色フィルタを用いたものでも、同様の効果を得ることができる。
【0039】
以上説明した分光特性測定装置は、画像形成装置に搭載し、その分光特性測定手段により測定した出力画像の分光特性に基づいて画像形成条件を調整するなどの利用方法がある。以下、この例について、図7を参照しながら説明する。
図7に示すように、画像形成装置80は、符号60で示す上述した分光特性測定装置を備えている。この画像形成装置80は、そのほか、給紙カセット81a、給紙カセット81b、給紙ローラ82、コントローラ83、書込光学系84、感光体85、中間転写体86、定着ローラ87、排紙ローラ88なども備えている。符号90は、画像担持媒体(紙等)を示している。
【0040】
画像形成装置80において、画像データに基づいて書込光学系84により4つの感光体85が露光されると、各感光体85上には各色に対応した静電潜像が形成され、これらの静電潜像に対応する色のトナー等の色材を付着させることで現像処理を行う。この現像処理により各感光体85上に形成された各色トナー像は互いに重なり合うように中間転写体86上に転写される。その後、中間転写体86上のトナー像は、給紙カセット81a及び81bから図示しないガイド、給紙ローラ82により搬送された画像担持媒体90に転写される。このようにして画像担持媒体90上に転写されたトナー像は定着ローラ87により定着され、その画像担持媒体90は排紙ローラ88により排紙される。本実施形態において、分光特性測定装置60は、定着ローラ87の後段に設置されている。
【0041】
この画像形成装置においては、所定のタイミングで分光特性測定装置60により出力画像(測定対象)の分光特性(分光反射率等)を測定(推定)し、その測定結果をコントローラ83に送る。コントローラ83は、画像形成条件調整手段として機能し、その測定結果に基づいて画像形成条件を調整する。これにより、色の自動キャリブレーションを可能とすることから、色変動の少ない高品質な画像を継続的に提供することが可能となり、安定的に画像形成装置を稼動させることが可能となる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る測色装置は、測定対象物である被測定面1を照明する照明手段としての照明装置20と、被測定面1からの反射光束を分光する分光手段としての回折素子6と、分光された光束をそれぞれ受光して各波長帯の受光量を示す出力信号を出力する受光手段としての受光素子アレイ8と、受光素子アレイ8から出力された各出力信号(出力信号ベクトルv)、照明装置20により照明される光の分光輝度分布データ(変換行列G)、及び、等色関数データ(等色関数行列H)を用いて、被測定面1の色を示す測色値である三刺激値XYZを演算する演算手段としての演算装置9とを備えている。そして、照明装置20は、等色関数データがピークを示す波長近傍に分光輝度分布のピークを有し、かつ、その分光輝度分布の当該ピークについての半値幅(分光輝度分布半値幅)が等色関数データの当該ピークについての半値幅(等色関数半値幅)よりも狭い白色光源としての第1光源である第1白色LED光源21(上記変形例1では第1青色LED31と蛍光材34とで構成される光源部)と、第1光源における分光輝度分布の当該ピークに対し、これよりもピーク値が低く、かつ、等色関数半値幅に対応する波長帯域のうち分光輝度分布半値幅に対応する波長帯域が重複しない波長帯域部分が存在する側に波長がずれたピークを有する分光輝度分布をもった他の光源としての第2光源である第2白色LED光源22(上記変形例1では第2青色LED32と蛍光材34とで構成される光源部)とを用いて、被測定面1を照明する。このような構成により、第1光源による照明輝度が不足する白色光源輝度不足帯域についての照明輝度を、第2光源により補うことができる。その結果、第1光源(白色光源)単体で照明する場合よりも、その白色光源輝度不足帯域の出力信号のS/N比を大きくすることができる。よって、演算装置9により演算される三刺激値XYZの測定精度を高めることができる。
また、本実施形態における第1光源は、当該分光輝度分布の上記ピークを示す波長を発光波長としたLEDである青色LEDを用いたものであるので、一般に市販されている白色光源を第1光源として利用することができる。
また、本実施形態における第2光源は、当該分光輝度分布の上記ピークを示す波長を発光波長としたLEDである青色LEDを用いたものであるので、一般に市販されている青色LEDあるいは白色光源を第2光源として利用することができる。
また、本実施形態において、第1光源は、450[nm]以上470[nm]以下の発光波長で発光する第1青色LEDを用い、かつ、その第1青色LEDからの光を受けて発光する蛍光体を備えたものであり、第2光源は、430[nm]以上450[nm]以下であって上記第1青色LEDの発光波長から10[nm]以上離れた発光波長で発光する第2青色LEDを用いたものである。これにより、演算装置9により演算される三刺激値XYZの測定精度を、効果的に高めることができる。
また、上記変形例1における照明装置20は、第1光源を構成する第1青色LED31及び蛍光体である蛍光材34と第2青色LED32とを単一モジュール化したマルチチップモジュールであるので、第1光源と第2光源とを近接配置することが可能となり、照明位置による分光分布の差が小さくなって一様な照明の実現を可能とする。
また、上記実施形態で説明したように、受光素子アレイ8から3個〜15個の波長帯についての出力信号が出力される構成としてもよい。この場合、分光分布および輝度の異なる第1光源及び第2光源を用いる本実施形態の構成でも、位置による分光分布の偏りを減らすことができ、より高安定の分光測色装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0043】
1 被測定面
2,20 照明装置
3 第1レンズ
4 スリット
5 第2レンズ
6 回折素子
7 第3レンズ
8 受光素子アレイ
9 演算装置
21 第1白色LED光源(第1光源)
22 第2白色LED光源(第2光源)
23 コリメートレンズ
31 第1青色LED
32 第2青色LED
34 蛍光材
35 基板
60 分光特性測定装置
80 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2007−208708号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物を照明する照明手段と、
測定対象物からの反射光束を分光する分光手段と、
分光された光束をそれぞれ受光して各波長帯の受光量を示す出力信号を出力する受光手段と、
上記受光手段から出力された各出力信号、上記照明手段により照明される光の分光輝度分布データ、及び、等色関数データを用いて、測定対象物の色を示す測色値を演算する演算手段とを備えた測色装置において、
上記照明手段は、上記等色関数データがピークを示す波長近傍に分光輝度分布のピークを有し、かつ、該分光輝度分布の当該ピークについての半値幅である分光輝度分布半値幅が該等色関数データの当該ピークについての半値幅である等色関数半値幅よりも狭い白色光源と、該白色光源における該分光輝度分布の当該ピークに対し、これよりもピーク値が低く、かつ、該等色関数半値幅に対応する波長帯域のうち該分光輝度分布半値幅に対応する波長帯域が重複しない波長帯域部分が存在する側に波長がずれたピークを有する分光輝度分布をもった他の光源とを用いて、上記測定対象物を照明することを特徴とする測色装置。
【請求項2】
請求項1の測色装置において、
上記白色光源は、当該分光輝度分布の上記ピークを示す波長を発光波長とした発光ダイオードを用いたものであることを特徴とする測色装置。
【請求項3】
請求項1又は2の測色装置において、
上記他の光源は、当該分光輝度分布の上記ピークを示す波長を発光波長とした発光ダイオードを用いたものであることを特徴とする測色装置。
【請求項4】
請求項1の測色装置において、
上記演算手段は、上記測色値としてXYZ表色系の三刺激値を算出するものであり、
上記白色光源及び上記他の光源は、いずれも、当該分光輝度分布の上記ピークを示す波長を発光波長とした発光ダイオードを用いたものであり、
上記白色光源は、上記発光ダイオードとして、450[nm]以上470[nm]以下の発光波長で発光する第1青色発光ダイオードを用い、かつ、該第1青色発光ダイオードからの光を受けて発光する蛍光体を備えたものであり、
上記他の光源は、上記発光ダイオードとして、430[nm]以上450[nm]以下であって上記第1青色発光ダイオードの発光波長から10[nm]以上離れた発光波長で発光する第2青色発光ダイオードを用いたものであることを特徴とする測色装置。
【請求項5】
請求項4の測色装置において、
上記照明手段は、上記白色光源を構成する上記第1青色発光ダイオード及び上記蛍光体と上記第2青色発光ダイオードとを単一モジュール化したものであることを特徴とする測色装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の測色装置において、
上記受光手段からは3個〜15個の波長帯についての出力信号が出力されることを特徴とする測色装置。
【請求項7】
画像担持媒体上に複数色で構成される画像を形成する画像形成装置において、
画像担持媒体上に形成した上記画像の測色値を測定する測色装置と、
該測色装置により測定した測色値に基づいて画像形成条件を調整する画像形成条件調整手段とを有し、
上記測色装置として、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の測色装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−145372(P2012−145372A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2215(P2011−2215)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】