湿式空気スクラバー用の組成物ならびにそれを使用した湿式空気スクラバーの運転および清浄方法
空気スクラバーで使用するための組成物、特に空気スクラバーを清浄するための組成物が、それを使用して空気スクラバーを清浄する方法と共に提供される。組成物は、成分A、B、C、およびDのうちの少なくとも1つを含む。成分Aは、少なくとも1つの界面活性剤および少なくとも1つの酵素を含む。成分Bは少なくとも1つの界面活性剤を含む。成分Cは少なくとも1つのpH制御剤を含む。成分Dは少なくとも1つの消泡剤を含む。組成物を使用して、空気から揮発性有機化合物を除去することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年8月31日に出願された米国仮特許出願第61/238,624号、2009年9月2日に出願された米国仮特許出願第61/239,325号、および2010年3月8日に出願された米国仮特許出願第61/311,692号の優先権を主張するものであり、それらは参照により本明細書に全体として組み込まれる。
【0002】
本発明は、湿式空気スクラバー(wet air scrubber)の清浄および運転用の組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
序論
湿式空気スクラバーを化製場(rendering plant)で使用することができる。化製場では、例えば食肉加工場および屠殺場からの不要および不使用の動物の部位および組織が加工され、動物用飼料、燃料油、およびPharma Cos原料を含めて、有用な完成品に変換される。化製場設備を取り巻く空気は悪臭がすることがあり、揮発性有機化合物(VOC)を含むことがある。
【0004】
例えば、揮発性有機化合物を空気から除去することによって化製場における悪臭を低減またはなくすために、空気スクラバーを使用することができる。湿式空気スクラバーは、空気中のVOCが水中に拡散し、したがって環境に入り込まないという原則に基づいて作動するものである。空気スクラバーには、例えば水が塔頂部から塔底部に流れ、次いで水が再び塔頂部にリサイクルされる塔が備えられていることがある。化製場の空気が空気スクラバーを流れるにつれて、空気からVOCが除去され得る。水噴霧を利用して、空気/水の界面を形成し、精製する空気スクラバーもあれば、プラスチックメディアまたはステンレス鋼メディアを使用して、空気がスクラバーを上方へ流れるとき空気/水の表面積を増大させ、水流を低減させる空気スクラバーもある。空気スクラバー中の水が、酸性化漂白剤(acidified bleach)、二酸化塩素、オゾン、および/またはペルマンガナートを含めて、酸化剤または他の通常の処理溶液で処理されている場合、このメディアはしばしば不溶性高分子量タンパク質、油、グリース、および他の有機堆積物(organic debris)で汚染される。この汚染は、いくつかの問題を引き起こすことがある。第一に、メディアが汚染されると、空気流に有効な横断面が減少し、揮発性有機化合物除去の効率が低下する。第二に、有機堆積物は、特に水が再循環していない作業中止時間の後、工程温度変化のため作業中に再循環水の温度が一時的に上昇する場合、および/または処理用化学物質が供給されていない最中に、臭気の源として機能することがある。停止時の空気スクラバーでは、堆積物の下にある硫化水素生成嫌気性細菌が繁茂する恐れがある。
【0005】
本発明の他の態様は、詳細な説明および添付図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,111,855号
【特許文献2】米国特許第4,865,773号
【特許文献3】米国特許第3,717,630号
【特許文献4】米国特許第3,332,880号
【特許文献5】米国特許第4,284,435号
【特許文献6】米国特許第3,457,109号
【特許文献7】米国特許第3,222,201号
【特許文献8】米国特許第3,222,213号
【特許文献9】米国特許第4,259,217号
【特許文献10】米国特許第4,222,905号
【特許文献11】米国特許第4,260,529号
【特許文献12】米国特許第4,228,042号
【特許文献13】米国特許第4,228,044号
【特許文献14】米国特許第6,054,139号
【特許文献15】米国特許第6,547,063号
【特許文献16】米国特許第7,572,933号
【特許文献17】米国特許第6,599,948号
【特許文献18】米国特許第6,962,618号
【特許文献19】米国特許第5,299,175号
【特許文献20】米国特許第4,206,074号
【特許文献21】米国特許第4,780,237号
【特許文献22】欧州特許第1,682,643号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】McCutcheon’s Emulsifiers & Detergents(2009年、MC Publishing Company、Glen Rock,NJ)
【非特許文献2】Takesonoら、Journal of Chemical Technology & Biotechnology(2002年)78巻:48〜55頁
【非特許文献3】Deshpandeら、Chemical Engineering and Processing(2000年)39巻:207〜217頁
【発明の概要】
【0008】
いくつかの実施形態において、湿式空気スクラバーを運転する方法であって、(a)湿式空気スクラバーに、水と成分Aおよび成分Bの少なくとも一方とを含む組成物を添加すること、(b)pH制御剤を組成物に添加して、pH約6から約9を維持すること、および(c)水温を約50℃未満に維持することを含む方法を提供する。成分Aは、(1)両性界面活性剤および(2)酵素を含んでもよい。成分Bは、(1)洗浄性界面活性剤(detersive surfactant)および消泡剤;(2)キャッピングされたアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、脂肪アルコールアルコキシラート、エチレンオキシド(EO)含有非イオン性界面活性剤、アルコキシ化アミン、アミン界面活性剤、低曇り点非イオン性界面活性剤、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの低泡性界面活性剤(low−foam surfactant);および(3)(1)と(2)の組合せ、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】湿式空気スクラバーを示す略線図である。
【図2】実施例1による組成物および通常の清浄剤を用いて運転される空気スクラバーを用いた、空気からの汚染物質の除去を示すグラフである。
【図3】実施例1による組成物を用いた湿式空気スクラバーにおけるアンモニア低減をpHの関数として示すグラフである。
【図4】実施例1による組成物を用いた湿式空気スクラバーにおける硫化水素低減をpHの関数として示すグラフである。
【図5】様々な低泡性界面活性剤(low foaming surfactant)に関するA6汚れの除去(清浄%)を示すグラフである。
【図6】様々な低泡性界面活性剤およびReNew Aを含む組成物の30℃における泡高を示すグラフである。
【図7】様々な低泡性界面活性剤およびReNew Aを含む組成物の30℃における泡高を示すグラフである。
【図8】60ppmのTriton(商標)DF−12および170ppmのReNew Aを含む組成物の様々な温度における泡高を示すグラフである。
【図9】60ppmのPlurafac(登録商標)LF−403および170ppmのReNew Aを含む組成物の様々な温度における泡高を示すグラフである。
【図10】60ppmのPlurafac(登録商標)LF−101および170ppmのReNew Aを含む組成物の様々な温度における泡高を示すグラフである。
【図11】30ppmの低泡性界面活性剤(Plurafac(登録商標)LF−403、Triton(商標)DF−12、またはPlurafac(登録商標)LF−101)、30ppmのNeodol(商標)23−6.5、および170ppmのReNew Aを含む組成物の30℃における泡高を示すグラフである。
【図12】170ppmの様々な低泡性界面活性剤を含む組成物の12℃における泡高を示すグラフである。
【図13】界面活性剤0.5%および1%において測定された、様々な界面活性剤組成物の汚れ除去率(%)を示すグラフである。
【図14】図13に示されたデータの統計分析を示す図である。
【図15】界面活性剤0.7%において測定された、様々な比率のReNew AとTriton(商標)DF−12を含む組成物の20℃および40℃における汚れ除去率(%)を示すグラフである。
【図16】図15に示されたデータの統計分析を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその用途において、以下の説明に記載または以下の図面に例示される構成要素の構築および配置の詳細に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方式で実施または実行することができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、図1に概略的に示された湿式空気スクラバー、例えば化製場における空気スクラバーで使用するための組成物が提供される。湿式空気スクラバーとしては、例えば充填塔スクラバー、噴霧塔スクラバー、オリフィススクラバー、ベンチュリスクラバー、ファイバーベッド型スクラバー、衝突板式スクラバー、噴霧ノズル式スクラバー、流動層スクラバー、充填層スクラバー、多段スクラバー、バッフル噴霧式スクラバー、向流型スクラバー、直交流型スクラバー、およびそれらの組合せを挙げることができる。湿式空気スクラバーは、例えば独立設計士または化製施設における有能な職員によってカスタム設計することができる。湿式空気スクラバーは、例えばVerantis、AC Corporation、Scp Control Inc.、およびMillpoint Industries Inc.から市販されている。本発明による組成物は、自治体の下水場(wastewater plant)、ペットフード工場、フレーバーおよびフレグランス工場、醸造所、ならびにトウモロコシ加工などの穀物事業を含むがこれらに限定されない、工場またはプラントにおける充填担体湿式空気スクラバーで使用することもできる。本発明による組成物は臭気を改善し、より有効な汚染防止性の空気スクラバーを提供することができる。組成物は、酸化剤不含、非細菌性、およびpH中性のうちの少なくとも1つであり得るが、単に香料またはマスキング剤として機能するだけではない。組成物は、以下の成分:A、B、C、およびDのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0012】
成分Aは、少なくとも1つの界面活性剤および少なくとも1つの酵素を含むことができる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
非イオン性界面活性剤の例としては、アミド、アルカノールアミド、アミンオキシド、ブロックポリマー、アルコキシ化第一級および第二級アルコール、アルコキシ化アルキルフェノール、アルコキシ化脂肪酸エステル、ソルビタン誘導体、グリセロールエステル、プロポキシ化およびアルコキシ化脂肪酸、アルコール、ならびにアルキルフェノール、グリコールエステル、高分子多糖が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
非イオン性界面活性剤は通常、エチレンオキシドと、反応性水素原子を有する炭化水素、例えばヒドロキシル、カルボン酸基、第一級および第二級アミノ、または第一級もしくは第二級アミド基を酸性または塩基性触媒の存在下に縮合させることによって生成される。非イオン性界面活性剤は、一般式RA(CH2CH2O)nHを有することができ、式中、Rは疎水性部分を表し、Aは反応性水素原子を有する基を表し、nは平均エチレンオキシド部分数を表す。Rは、約8から約24個の炭素原子を有する直鎖状またはわずかに分枝状脂肪族第一級または第二級アルコールとすることができる。非イオン性界面活性剤のさらに徹底した開示は、Barratら、1978年9月5日に発行された米国特許第4,111,855号、およびKimら、1989年9月12日に発行された米国特許第4,865,773号で見ることができ、それらは参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0015】
組成物において有用である他の非イオン性界面活性剤としては、式R(OC2H4)nOHのエトキシ化アルコールまたはエトキシ化アルキルフェノールが挙げられ、式中、Rは、約8から約18個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素基、またはアルキル基が約8から約15個の炭素原子を含有するアルキルフェニル基であり、nは約2から約14である。このような界面活性剤の例は、Booth、1973年2月20日に発行された米国特許第3,717,630号、Kesslerら、1967年7月25日に発行された米国特許第3,332,880号、およびFox、1981年8月18日に発行された米国特許第4,284,435号に列挙され、それらは参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0016】
さらに、他の非イオン性界面活性剤としては、直鎖または分枝鎖立体配置で約8から約15個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルキルフェノールとエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられ、前記エチレンオキシドは、アルキルフェノール1モル当たりエチレンオキシド約2から約14モルの量で存在する。このような化合物におけるアルキル置換基は、例えば重合したプロピレン、ジイソブチレンなどから誘導されたものとすることができる。このタイプの化合物の例としては、ノニルフェノール1モル当たりエチレンオキシド約9モルで縮合されたノニルフェノール、フェノール1モル当たりエチレンオキシド約8モルで縮合されたドデシルフェノール、およびHarcros Chemicals Incorporatedによって販売されている市販のT−DET(登録商標)9.5が挙げられる。
【0017】
他の有用な非イオン性界面活性剤は、脂肪族アルコールと約2から約14モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖状または分枝状の第一級または第二級アルキル鎖とすることができ、約8から約18個の炭素原子を含有することができる。このようなエトキシ化アルコールの例としては、ENS−70、アルコール1モル当たりエチレンオキシド約9モルで縮合されたミリスチルアルコールの縮合生成物、および約7モルのエチレンオキシドとココナッツアルコール(10から14個の炭素原子の長さが異なるアルキル鎖を有する脂肪アルコールの混合物)との縮合生成物などの第二級アルコール非イオン性界面活性剤が挙げられる。このタイプの市販の非イオン性界面活性剤の例としては、Union Carbide Corporationによって販売されているTergitol(商標)15−S−7または15−S−9;Shell Chemical Companyによって販売されているNeodol(商標)45−9、Neodol(商標)23−6.5、Neodol(商標)45−7、およびNeodol(商標)45−4;The Procter & Gamble Companyによって販売されているKyro EOB;ならびにAkzo Nobelによって販売されているBerol(登録商標)260およびBerol(登録商標)266が挙げられる。他の好適な非イオン性界面活性剤としては、Shell Chemicals(Houston,TX)から市販されているNeodol(商標)エトキシラート、およびDow(Midland,MI)から市販されているTergitol(商標)界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤の混合物を使用してもよい。
【0018】
アニオン性界面活性剤の例としては、スルホスクシナートおよび誘導体、エトキシ化アルコールのスルファート、アルコールのスルファート、スルホナートおよびスルホン酸誘導体、アルコキシ化アルキルフェノールのスルファートおよびスルホナート、リン酸エステル、および高分子界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適には、アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルファート、エーテルスルファート、アルキルベンゼンスルホナート、αオレフィンスルホナート、ジフェニルオキシドジスルホナート、アルキルナフタレンスルホナート、スルホスクシナート、スルホスクシナマート、ナフタレン−ホルムアルデヒド縮合物、イセチオナート、N−メチルタウラート、リン酸エステル、およびエーテルカルボキシラートを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
両性界面活性剤としては、ベタインおよびベタイン誘導体を挙げることができる。両性界面活性剤としては、両性イミダゾリン誘導体ならびに脂肪アミンおよび脂肪アミンエトキシラート誘導体も挙げることができるが、これらに限定されるものではない。両性イマダゾリン誘導体としては、アンホジアセタート、アンホアセタート、アンホカルボキシラート、アンホプロピオナート、アンホジプロピオナート、およびヒドロキシプロピルスルホナートを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。脂肪アミンおよび脂肪アミンエトキシラート誘導体としては、ベタイン、アルキルベタイン、スルタイン、ジヒドロキシエチルグリシナート、アルキルアミドプロピルベタイン、およびアミノプロピオナートを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
カチオン性界面活性剤としては、アミン界面活性剤、非第四級窒素を含有するもの、第四級窒素塩基を含有するもの、非窒素塩基を含有するもの、およびそれらの組合せを挙げることができる。このような界面活性剤は、Peist、1969年7月22日に発行された米国特許第3,457,109号、Boyle、1965年12月7日に発行された米国特許第3,222,201号、およびClark、1965年12月7日に発行された米国特許第3,222,213号に開示されており、それらは参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0021】
カチオン性界面活性剤の1カテゴリーとしては、一般式RXYZ N+A−の第四級アンモニウム化合物を挙げることができ、式中、Rは、8から20個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式基であり、X、Y、およびZは、アルキル、ヒドロキシ化アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択されるメンバーである。A−は水溶性アニオンであり、ハロゲン、メトスルファート、エトスルファート、スルファート、およびビスルファートを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。R基は、−O−、−COO−、−CON−、−N−、および−S−などのヘテロ原子または原子基を介して第四級基に結合させてもよい。このような化合物の例としては、トリメチル−ヘキサデシル−アンモニウムスルファート、ジエチル−オクタデシル−フェニル−アンモニウムスルファート、ジメチル−ドデシル−ベンジル−アンモニウムクロリド、オクタデシルアミノ−エチル−トリメチル−アンモニウムビスルファート、ステアリルアミド−エチル−トリメチル−アンモニウムメトスルファート、ドデシルオキシ−メチル−トリメチル−アンモニウムクロリド、ココアルキルカルボキシエチル−ジ−(ヒドロキシエチル)−メチル−アンモニウムメトスルファート、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
カチオン性界面活性剤の別カテゴリーは、一般式XYRR1N+A−を有するジ長鎖第四級アンモニウムタイプとすることができ、式中、X鎖およびY鎖は、平均約12から約22個の炭素原子を含有することができ、RおよびR1は、水素、またはC1〜C4アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基とすることができる。XおよびYは、長鎖アルキル基を含有することができるが、ヒドロキシ基も含有することができ、あるいは各鎖が上記の炭素原子範囲内にある限り、ヘテロ原子または炭素−炭素二重結合もしくは三重結合、およびエステル結合、アミド結合、またはエーテル結合など他の結合を含有することができる。
【0023】
カチオン性界面活性剤のさらなるカテゴリーとしては、一般式を有するビス(エトキシ化)第四級アンモニウム化合物:
【化1】
を挙げることができ、
式中、Rは、メチル、エチル、またはプロピル基であり、R1は、8から18個の炭素原子を有するアルキル基、8から18個の炭素原子を有するアルケニル基、またはそれらの混合物であり、xは1から40の数であり、yは1から40の数であり、ここでx+yは10から60の間であり、Aは水溶性アニオンである。このような化合物の例としては、アルキルビス(エトキシ)メチルアンモニウムメチルスルファート(EO 15モル)、ステアリルメチルビス(エトキシ)アンモニウムクロリド(EO 12モル)、ステアリルエチルビス(エトキシ)アンモニウムエチルスルファート(EO 15モル)、タロウメチルビス(エトキシ)アンモニウムメチルスルファート(EO 15モル)、タロウエチルビス(エトキシ)アンモニウムエチルスルファート(EO 15モル)、水添タロウメチルビス(エトキシ)アンモニウムクロリド(EO 15モル)、ココメチルビス(エトキシ)アンモニウムメチルスルファート(EO 20モル)、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
他のカチオン性界面活性剤としては、スルホニウム、ホスホニウム、およびモノまたはトリ長鎖第四級アンモニウム材料、ならびにMurphy、1981年3月31日に発行された米国特許第4,259,217号、Cockrell、1980年9月16日に発行された米国特許第4,222,905号、Letton、1981年4月7日に発行された米国特許第4,260,529号、Letton、1980年10月14日に発行された米国特許第4,228,042号、およびCushman、1980年10月14日に発行された米国特許第4,228,044号に記載のものを挙げることができ、これらはそれぞれ、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0025】
さらなるカチオン性界面活性剤としては、ジタロウアルキルジメチル(またはジエチルもしくはジヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ジタロウアルキルジメチルアンモニウムメチルスルファート、ジヘキサデシルアルキル(C16)ジメチル(またはジエチルもしくはジヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ジオクトデシルアルキル(C18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジエイコシルアルキル(C20)ジメチルアンモニウムクロリド、メチル(1)タロウアルキルアミドエチル(2)タロウアルキルイミダゾリニウムメチルスルファート(Ashland Chemical CompanyからVarisoft 475として市販)、またはそれらの界面活性剤の混合物を挙げることができる。
【0026】
本発明によれば有用であり得るさらなる界面活性剤は、米国特許第6,054,139号、第6,547,063号、および第7,572,933号で見ることができ、これらはそれぞれ、参照により本明細書にそれらの全体として組み込まれる。
【0027】
好適には、成分Aの界面活性剤は両性とすることができる。成分Aの界面活性剤は、両性イオン(zwitterion)とすることができる。成分Aは、2つ以上の界面活性剤を含んでもよい。成分Aは、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約5重量%、または少なくとも約7重量%の界面活性剤を含むことができる。成分Aはまた、界面活性剤を約95重量%未満、約15重量%未満、約10重量%未満、約8重量%未満を含むことができる。成分Aは、約1から約95重量%、約2から約15重量%、約5から約15重量%、約5から約10重量%、または約7から約8重量%の界面活性剤を含むことができる。
【0028】
成分Aの酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、ヒドロラーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つとすることができる。成分Aは、アミラーゼとプロテアーゼを含んでもよい。成分Aは、酵素を約10重量%未満、約5重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、または約0.5重量%未満を含むことができる。豊富な酵素源であることが当業者に公知である植物、動物、および微生物源に由来する材料が多数存在する。これらの供給源材料を使用して、酵素の完全精製、部分精製、または非精製により、組成物で使用するための酵素を得ることができる。例えば、酵素を組換え型または野生型有機体から外因的に産生することができる。酵素は精製してもよい。酵素は発酵生成物とすることができる。
【0029】
成分Aの残部は、保存剤、フレグランス、およびプロピレングリコールやボラートなどの酵素安定剤を含むことがあり、または含まないことがある。
【0030】
好適には、成分AはReNew Aとして市販されている(Diversey、Sturtevant,WI)。
【0031】
成分Bは、少なくとも1つの界面活性剤を含むことができる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、低泡性界面活性剤、またはそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。成分Bの少なくとも1つの界面活性剤は、洗浄性界面活性剤とすることができる。界面活性剤の例は、成分Aに関連して上述されている。
【0032】
いくつかの実施形態において、成分Bは低泡性界面活性剤を含むことができる。低泡性界面活性剤としては、エチレンオキシド(EO)含有非イオン性界面活性剤、キャッピングされたエトキシラートなどのキャッピングされたアルコキシラート、キャッピングされたアルコールエトキシラートなどのキャッピングされたアルコールアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、脂肪アルコールアルコキシラート、エトキシ化アミンなどのアルコキシ化アミン、アミン界面活性剤、低曇り点非イオン性界面活性剤(以下に詳述)、および成分Aに関連して上述されているものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好適には、低泡性界面活性剤としては、Triton(商標)DF−12、Triton(商標)CF−32、およびTriton(商標)CF−10(Dow、Midland,MI)などのTriton(商標)界面活性剤;Pluronic(登録商標)25−R−2、Pluronic(登録商標)N−3、Pluronic(登録商標)SLF−18、Pluronic(登録商標)L−61、およびPluronic(登録商標)L−62(BASF、Florham Park,NJ)などのPluronic(登録商標)界面活性剤;およびPlurafac(登録商標)LF−403、Plurafac(登録商標)LF−101、Plurafac(登録商標)LF−400(BASF、Florham Park,NJ)などのPlurafac(登録商標)界面活性剤を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
いくつかの実施形態において、成分Bの界面活性剤は非イオン性とすることができる。好適には、成分Bの界面活性剤は、第一級アルコールエトキシラートおよび第二級アルコールエトキシラートからなる群から選択することができる。アルキルフェノール界面活性剤は環境に優しくない化合物に分解することがあり、ある種の用途において望ましくない可能性があるものの、成分Bの界面活性剤をアルキルフェノールとしてもよい。成分Bの界面活性剤は、少なくとも約8、少なくとも約9.5、少なくとも約10、または少なくとも約11.2の親水性−親油性バランス(HLB)を有することができる。成分Bの界面活性剤は、約14未満、約12.5未満、約12未満、または約11.8未満のHLBを有することができる。成分Bの界面活性剤は、約8から約14、約9.5から約12.5、約10から約12、および約11.2から約11.8のHLBを有することができる。成分Bは、少なくとも約8、少なくとも約9.5、少なくとも約10、または少なくとも約11.2のHLBを実現させる比で組み合わせた2つ以上の非イオン性界面活性剤の任意の組合せを含んでもよい。成分Bは、約14未満、約12.5未満、約12未満、または約11.8未満のHLBを実現させる比で組み合わせた2つ以上の非イオン性界面活性剤の任意の組合せを含んでもよい。成分Bは、約8から約14、約9.5から約12.5、約10から約12、および約11.2から約11.8のHLBを実現させる比で組み合わせた2つ以上の非イオン性界面活性剤の任意の組合せを含んでもよい。界面活性剤のHLBは、界面活性剤の親水性または親油性の程度の尺度であり、分子の様々な領域について値を算出することによって決定される。HLB値は、例えばMcCutcheon’s Emulsifiers & Detergents(2009年、MC Publishing Company、Glen Rock,NJ)で見ることができる。例えば、成分Bとしては、Dow(Midland,MI)から市販されているTergitol(商標)15−S−7を挙げることができる。成分Bとしては、Neodol(商標)91−6、Neodol(商標)91−2.5、Neodol(商標)23−6.5、Neodol(商標)23−3、Neodol(商標)45−7、Neodol(商標)45−4、Neodol(商標)25−3、Neodol(商標)25−12、Neodol(商標)25−9、Neodol(商標)91−8、Neodol(商標)25−5、Neodol(商標)25−7(Shell Chemicalsから市販、Houston, TX);Triton(商標)DF−12、Triton(商標)CF−32、Triton(商標)CF−10(Dow、Midland,MI)などのTriton(商標)界面活性剤;Plurafac(登録商標)LF−403(BASF、Florham Park,NJ)、Pluronic(登録商標)25−R−2、Pluronic(登録商標)N−3、Pluronic(登録商標)SLF−18、Pluronic(登録商標)L−62(BASF、Florham Park,NJ)などのPluronic(登録商標)界面活性剤;またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含むことができる。成分Bは、少なくとも2つの界面活性剤を、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15、15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、または2:1を含むがこれらに限定されない任意の比で組み合わせて含むことができる。成分Bは、ReNew Bとして市販されている(Diversey、Sturtevant,WI)。成分Bは、Triton(商標)DF−12、Plurafac(登録商標)LF−403、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0034】
成分Cは、pH制御剤を含むことができる。pH制御剤は、酸、塩基、またはそれらの組合せを含むことができる。成分Cは、空気スクラバー中でアンモニアをアンモニウムに至らせるのに有効な鉱酸、有機酸、または他の何らかの酸などの酸を含むことができる。成分Cはアルカリ金属塩を含むことができる。好適には、成分Cはクエン酸を含むことができる。好適には、成分CはReNew Balanceとして市販されている(Diversey、Sturtevant,WI)。成分Cは、空気スクラバーに、空気スクラバー中の溶液のpHがH2SやNH3などの悪臭化合物をなくすのに有効なpHに維持されるのに有効な量を添加することができる。NH3+H+→NH4+の反応ではpKaが9.3であるので、この反応は、pH約7.3で約99%NH4+に至ることができる。したがって、NH3は化製場で生成される1つの悪臭化合物であり得るが、低pHにおいてNH4+に変換することができる。したがって、悪臭または有害ガスが水溶性塩に変換され、蒸発しないまたは悪臭を放たない可能性があるが、再循環水に残留する可能性がある。H2Sは、高pHにおいてなくすことができる。H2Sは嫌気性細菌の代謝副産物であり、空気スクラバーの多くは完全に曝気されているので、H2Sが一部の空気スクラバーの因子にならない可能性がある。したがって、空気スクラバーのpHは、NH3レベルの制御には約7.5以下、かつH2Sレベルの制御には約7.5以上の間でバランスを保つことができる。NH3レベルの制御には、アミンおよびアミンオキシドのような低分子量有機窒素含有化合物を制御することを含み、H2Sレベルの制御にはまた、メルカプタンおよびチオールのような低分子量硫黄含有化合物を制御することを含む。空気スクラバーのpHは、少なくとも約5.0、少なくとも約6.0、少なくとも約6.8、少なくとも約7.0、少なくとも約7.3、または少なくとも約7.5のpHで維持することができる。空気スクラバーのpHは、約9.0未満、約8.0未満、約7.9未満、約7.8未満、または約7.6未満のpHで維持することができる。好適には、空気スクラバーのpHは、約5.0から約9.0、約6.0から約9.0、約6.8から約8.0、約7.0から約7.9、約7.3から約7.8、および約7.5から約7.6のpHで維持される。好適には、空気スクラバーのpHを約7.5〜7.6に維持するのに有効な量の成分Cが、空気スクラバーに添加される。
【0035】
本発明による組成物は、成分Dを含むことができる。成分Dは、化学的消泡剤を含むことができる。化学的消泡剤の例としては、シリコーン系消泡剤;長鎖脂肪酸などのステアリン酸または脂肪酸;脂肪アルコール;パラフィン、鉱油、および植物油などの油;それらの曇り点を超えて使用されるエトキシ化非イオン性界面活性剤、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー;およびキャッピングされたエトキシラートなどの低泡性界面活性剤(low−foaming surfactant)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適には、消泡剤は疎水性シリカとすることができる。いくつかの実施形態において、成分Dは、Antifoam SE−21(Dow Corning)、Silfoam SD860、Silfoam SD 168(Wacker Corp)、Tego 3062(Goldschmidt)、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含むことができる。成分Bに関連して上述された多くの非イオン性エチレンオキシド誘導体界面活性剤は水溶性であり、組成物の所期使用温度を下回る曇り点を有し(以下に記載する)、したがって有用な消泡剤であり得る。温度が上昇するにつれて、曇り点に到達することができ、その時点で界面活性剤は溶液から沈殿し、消泡剤として機能することができる。界面活性剤は、この曇り点以上の温度で使用されるとき消泡剤として働くことができる。非イオン性界面活性剤の曇り点は、1重量%の水溶液が水に不溶性となる温度と定義される。好適には、成分Dの化学的消泡剤は、空気スクラバー組成物の所期使用温度を下回る曇り点を有する界面活性剤を含むことができる。エチレンオキシド誘導体の例としては、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、アルコールアルコキシラート(例えば、Triton(商標)DF−12)、低分子量EO含有界面活性剤、およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーのいくつかの例としては、以下:
_(EO)_x_(PO)_y_(EO)_x
_(PO)_y_(EO)_x_(PO)_y
_(PO)y_(EO)x_(PO)y_(EO)x_(PO)y
【化2】
が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、
式中、EOはエチレンオキシド基を表し、POはプロピレンオキシド基を表し、xおよびyは、全ブロックコポリマー組成物中の各アルキレンオキシドモノマーの平均分子比率を反映するものである。ブロックコポリマー界面活性剤のいくつかの例としては、Pluronic(登録商標)25−R−2などのPluronic(登録商標)界面活性剤およびTETRONIC(登録商標)界面活性剤(BASF、Florham Park,NJ)などの市販製品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。許容できないほど高い曇り点温度または許容できないほど高い分子量を有する非イオン性界面活性剤は、許容できない起泡性レベルをもたらすことになり、または洗浄性もしくは清浄性組成物において十分な消泡能力をもたらすことができないことを、当業者であれば理解するはずであると考えられる。消泡剤の他の例としては、Plurafac(登録商標)LF−403(BASF、Florham Park,NJ)などのPlurafac(登録商標)アルコールアルコキシラートおよびTriton(商標)DF−12(Dow、Midland,MI)などのTriton(商標)界面活性剤が挙げられる。成分Dは、組み合わせてまたは別々に他の成分に添加することができる。成分Dは、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、または少なくとも約3%(重量%)の最終濃度になるように空気スクラバー組成物に添加することができる。成分Dは、約5%未満、約3%未満、または約1%未満の最終濃度になるように空気スクラバー組成物に添加することができる。成分Dの濃度は、約25から約400ppmとすることができ、約25〜200ppmとすることができる。
【0036】
機械的消泡物(mechanical defoamer)を、組成物と一緒にまたは成分Dの代替物として使用することができる。機械的消泡物は当業者に公知のものであり、循環ディスク(circulating disk)、超音波、パルスレーザー、流動床、高圧噴霧ノズルを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。機械的消泡物の例については、Takesonoら、Journal of Chemical Technology & Biotechnology(2002年)78巻:48〜55頁;Deshpandeら、Chemical Engineering and Processing(2000年)39巻:207〜217頁;および米国特許第6,599,948号;第6,962,618号;第5,299,175号に記載されており、これらはそれぞれ、参照により完全に組み込まれる。
【0037】
上述されたように、空気スクラバー組成物は、成分A、B、C、およびDのうちの少なくとも1つを含むことができる。成分は、個別にまたは任意の組合せで予混合または添加することができる。空気スクラバー組成物は、成分Aを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分Bを含むことができる。成分Bは、キャッピングされたアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、脂肪アルコールアルコキシラート、エチレンオキシド(EO)含有非イオン性界面活性剤、アルコキシ化アミン、アミン界面活性剤、低曇り点非イオン性界面活性剤、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分Bおよび成分Dを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分A、B、C、およびDを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分A、低泡性界面活性剤(low−foaming surfactant)を含む成分B、および成分Cを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分B、C、およびDを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分A、C、およびDを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分A、および低泡性界面活性剤(low−foaming surfactant)を含む成分Bを含むことができる。さらなる変形および組合せが想定される。
【0038】
空気スクラバー組成物は、追加の原料を場合によっては含むことができる。追加の原料としては、キレート剤、分散剤、腐食防止剤、フレグランスまたは臭気中和剤(odor counteractant)、酵素、細菌、抗菌剤、酸、アルカリ金属塩、追跡用化合物、ヒドロトロープ、溶媒、粘度改質剤、および当業者に公知である外観改質剤を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。キレート剤の例としては、EDTA、NTA、およびポリホスファートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。分散剤の例としては、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸およびマレイン酸のポリマー、ならびにこれらポリマーの疎水性修飾形が挙げられるが、これらに限定されるものではない。腐食防止剤の例としては、亜硝酸塩、ケイ酸塩およびポリケイ酸塩、ならびにメルカプトベンゾチアゾール(MBT)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。臭気中和剤の例としては、シクロデキストリンが挙げられるが、これに限定されるものではない。ヒドロトロープの例としては、キシレンスルホン酸ナトリウムおよびクメンスルホン酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。溶媒の例としては、高沸点グリコールエーテルが挙げられるが、これに限定されるものではない。粘性改質剤の例としては、グアーなどの天然ゴム、およびカルボキシメチルセルロースやCarbopolブランドポリマーなどの合成高分子樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
空気スクラバー組成物は、空気スクラバーにおいて少なくとも約10℃または少なくとも約15℃の運転温度で使用することができる。空気スクラバー組成物は、空気スクラバーにおいて約80℃未満または約45℃未満の運転温度で使用することができる。空気スクラバー組成物は、空気スクラバーにおいて約10℃から約80℃および約15℃から約45℃の運転温度で使用することができる。いくつかの実施形態において、運転温度は約50℃未満とすることができる。いくつかの実施形態において、運転温度は約40℃未満とすることができる。運転温度は、悪臭が最小限に抑制される温度とすることができる。温度を下げると、揮発性成分の溶解性が高まる。
【0040】
いくつかの実施形態において、空気スクラバーを運転する方法が提供される。本方法は、(a)上述されたように、湿式空気スクラバーに、水と成分Aおよび成分Bの少なくとも一方とを含む組成物を添加すること、(b)上述されたように、pH制御剤を組成物に添加して、pHを維持すること、および(c)上述されたように、空気スクラバー中の水温を維持することを含むことができる。
【0041】
成分Aおよび成分Bは、個別にまたは組み合わせて空気スクラバーに添加することができる。成分Aおよび成分Bの標的濃度は、空気スクラバー中の再循環水の化学的酸素要求量(COD、mg/L)に基づいて決定することができる。CODは、水に入っている有機材料の量の尺度であり、VOCレベルの指標である。再循環水のCODは、現場測定によって、または現場から離れた実験室に試料を送ることによって決定することができる。以下に記載するように、CODレベルは、空気スクラバー中に入ってくる空気の有機物負荷によって決まることがあり、この負荷は、加熱装置(cooker)を通って流れてくる原材料に基づいて経時的に変動し、脂肪、油、グリース、骨粉、タンパク質などのVOCおよびエアロゾル化された有機材料を含む可能性がある。代表的値が決まると、次式を使用して、各空気スクラバーの成分Aおよび成分Bの標的濃度を算出することができる。
[成分A]=(0.075)(COD、単位mg/L)+125=成分A(mg/L)
[成分B]=(0.07O)(COD、単位mg/L)+25=成分B(mg/L)
湿式空気スクラバーにおける再循環水のCODの濃度は、典型的には約1,000mg/L未満であるが、本発明による組成物は、いずれのCOD濃度でも使用することができる。例えば、成分Aおよび成分Bは、少なくとも約1ppm、少なくとも約10ppm、または少なくとも約100ppmの最終総濃度となるまで添加することができる。成分Aおよび成分Bは、約750ppm未満、約400ppm未満、または約300ppm未満の最終総濃度まで添加することができる。成分Aおよび成分Bは、約1ppmから約750ppm、約1から約400ppm、約10から約300ppm、または約100から約300ppmの最終総濃度となるまで添加することができる。成分Aは、少なくとも約50mg/L、少なくとも約100mg/L、または少なくとも約125mg/Lの最終濃度となるまで添加することができる。成分Aは、約400mg/L未満、約300mg/L未満、または約250mg/L未満の最終濃度まで添加することができる。成分A濃度は、約50から約400mg/L、約100から約300mg/L、または約125から約250mg/Lに及ぶことができる。成分Bは、少なくとも約10mg/L、少なくとも約20mg/L、または少なくとも約25mg/Lの最終濃度となるまで添加することができる。成分Bは、約200mg/L未満、約95mg/L未満、または約75mg/L未満の最終濃度まで添加することができる。成分B濃度は、約10から約200mg/L、約20から約95mg/L、または約25から約75mg/Lに及ぶことができる。成分Aと成分Bの比は、少なくとも約1:1、少なくとも約1:2、少なくとも約1:3、少なくとも約1:4、少なくとも約1:5、少なくとも約1:6、少なくとも約1:7、または少なくとも約1:8とすることができる。成分Aと成分Bの比は、約1:1未満、約1:2未満、約1:3未満、約1:4未満、約1:5未満、約1:6未満、約1:7未満、または約1:8未満とすることができる。成分Aと成分Bの比は、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、または約1:8とすることができる。いくつかの実施形態において、成分Aと成分Bの比は約1:2から約1:6とすることができる。いくつかの実施形態において、成分Aと成分Bの比は約1:4とすることができる。
【0042】
成分Aおよび成分Bを、空気スクラバー中の再循環水に断続的に添加して、以下にさらに詳述される適切な濃度を維持することができる。配送されるべき成分Aおよび成分Bの量は、以下の通り決定することができる。
成分Aの時間当たりの供与量(Hourly Component A Dosage)=(標的)(MU速度)(0.228)=成分A(mL/h)
成分Bの時間当たりの供与量(Hourly Component B Dosage)=(標的)(MU速度)(0.228)=成分B(mL/h)
式中、標的=成分の標的濃度(単位:mg/L)、およびMU速度=新しい水の供給(補給)量(単位:1時間当たりのガロン数)。成分Aおよび成分Bの濃度は、組成物の配送量および空気スクラバーに供給される補給水の量を測定し、次いで維持量を以下の通り算出することによって監視することができる。
【数1】
式中、成分Aの量=空気スクラバーに1時間当たりに配送された成分Aの量(ミリリットル)、および補給速度=空気スクラバーへの1分当たりの補給水の量(ガロン)。成分Bの濃度は、同じ方式で算出することができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、空気スクラバー組成物は低泡であり得る。例えば、ベンチュリスクラバーでは、空気スクラバーの底部における約6インチ以下の泡は低泡であり、通常作業に適している可能性があり、空気スクラバーの底部における約6から約18インチの泡は、通常作業には中泡である可能性があり、空気スクラバーの底部における約18から約72インチ以上の泡は、通常作業には高泡である可能性がある。泡が多すぎると、空気スクラバーの作業に干渉する可能性がある。例えば、高泡によって、組成物が排出管から漏れ出し、ドレーンの周りに泡が形成し、電気設備を含めて機器が損傷を受けることになる可能性がある。
【0044】
組成物は、空気スクラバー中の再循環水に添加することができる。組成物を空気スクラバーに連続的に添加して、上述された成分A、B、およびCのうちの少なくとも1つの濃度を維持することができる。組成物は、通常の空気スクラバー処理溶液よりはるかに少ない量しか使用されないが、それでも悪臭を効果的に除去することができる。組成物はまた、空気スクラバーのメディアを通常の空気スクラバー処理溶液の場合より清浄に維持することができる。すなわち、組成物は、オフラインでアルカリ性洗浄剤を用いた定期的清浄を行って、グリースを除去する必要がなく、空気スクラバーで使用することができる。本発明による組成物によって、化製場の空気から臭気を同時に除去しながら、空気スクラバー中のメディアを作業中に(オンラインで)清浄することができる。理論に拘泥するものではないが、本発明による組成物の機構は、バルク溶液中でのミセル形成であると考えられ、揮発性有機化合物の水中への拡散も、空気/水滴界面における表面張力低下によって強化されると考えられる。
【0045】
作業中の空気スクラバーへの組成物の添加量を決定するには、当技術分野において公知である種々の機構を利用することができる。例えば、pH検出器を使用して、空気スクラバー中の溶液のpHを監視することができる。空気スクラバー中の溶液のpHは、以上に詳述された適切な範囲に維持することができる。例えば、pHが約7.5〜7.6を下回る場合、空気スクラバーに添加する成分Cの量を少なくすることができ、pHが約7.5〜7.6を上回る場合、空気スクラバーに添加する成分Cの量を多くすることができる。
【0046】
本発明の他の実施形態は、pH監視システムの代わりにまたはそれと組み合わせて、イオン選択性電極を用いて、空気スクラバー中のNH3濃度を監視することである。NH4+濃度によって指示される空気スクラバー中の有機物負荷は、原材料組成物(例えば、相対的脂肪およびタンパク質含有量、水分(%)、毛または羽毛の存在)の変動および化製場における原材料の利用可能性のため経時的に変わり得る。化製場において、原材料が時間毎、日毎、季節毎に変化するので、空気スクラバーに入っている気体の濃度および組成は変化する可能性がある。空気スクラバーに入っている主な有機化合物は、アンモニア(NH3)である可能性があり、この気体は、空気スクラバー水処理要件を決定するためのマーカーとして使用することができる。具体的には、アンモニウムイオン選択性電極(ISE)を再循環水中で使用して(水溜め(sump)またはドレーンに配置される)、溶液状態の全NH4+を検出することができる。監視システムおよび制御ループは、溶液状態のNH4+を直接測定し、ミリボルトの信号をデュアルチャネルコントローラに戻すことができる。ISEをコントローラ(例えば、Rosemountモデル1056)に接続することができ、4〜20mAの信号をポンプコントローラに供給することができる。ポンプコントローラは、ポンプ周波数、および各成分が空気スクラバーにフィードされる期間を管理することができる。この2チャネルコントローラは、一方のチャネルにアンモニウム濃度、および他方のチャネルにpHが示されるように構成することができ、または独立した2つのアンモニウムイオンISEセンサーに接続することができる。したがって、成分Aおよび成分Bは、イオン選択性電極(ISE)監視および制御フィードバックシステムからのフィードバックに基づいて空気スクラバー中にフィードすることができる。NH3濃度が高い場合、空気スクラバーに、成分AおよびBを含む組成物をより多く添加することができる。NH3濃度が低い場合、空気スクラバーに、成分A、B、および/またはCを含む組成物をより少なく添加することができる。例えば、再循環水中のアンモニウムレベルが1,000mg/Lの場合、約250mg/Lの成分Aおよび約75mg/Lの成分Bを空気スクラバーに添加することができる。例えば、より低レベルのアンモニウムが検出された場合、成分Aおよび成分Bの量を、それぞれ少なくとも約125mg/Lおよび約25mg/Lに低減することができる。熱気体は水に溶解しない可能性があり、したがってスクラバーから悪臭として出る可能性があるので、化製場からの吸入ガス流の温度は100°F未満とすることができる。
【0047】
1980年6月3日に発行された米国特許第4,206,074号、1988年10月25日に発行された米国特許第4,780,237号、および2007年8月22日に登録された欧州特許第1,682,643号(これらはそれぞれ、参照により本明細書に完全に組み込まれる)はそれぞれ、空気スクラバーを清浄する方法および組成物において有用である成分を含むことができる。
【0048】
本発明の実施形態を、以下の実施例でさらに詳述する。
【0049】
[実施例]
実施例において、mg/Lは、空気スクラバー中の補給水の量(L)に対して添加される成分の量(mg)を指す。
【0050】
[実施例1]
空気スクラバーからの空気中の揮発性化合物を測定。
以下の成分を、ハイインテンシティ空気スクラバー(high intensity air scrubber)にかけた:250mg/LのReNew A(Diversey、Sturtevant,WI)、75mg/Lの第2成分(下記の表1において成分B1)、およびpH7.6になるまで添加されるクエン酸。各成分を空気スクラバーに直接導入した。成分の予混合は行わなかった。これは、空気スクラバーからVOCを除去するのに有効であることがわかった。
【0051】
空気スクラバーから出てくる空気試料中の化合物を、GC−MSで検出および定量した。空気試料中の以下の化合物を、GC−MSで検出および定量した:3−メチル−ブタナール;塩化メチレン;2−メチル−1−プロペン;2−メチル−プロパナール;アセトニトリルSS Cyan(acetonitril SS Cyan);α−ジエンSS Bi(alpha,−diene SS Bi);メタンチオールSS Merc;トリメチレンオキシド;ペノールSS Baker’s P(penol SS Baker’s P);アセトアルデヒド;3−メチル−2−ブタノン;ヘキサン;カルボニルスルフィドSS、1−プロパノール;1−クロロ−1,1−エタン;2−メチル−ブタナール;2−ブタノン;1−ブタノール;エタノール;トルエン;ヘプタン;塩酸;ヘキサナール;トリクロロエチレン;アセトン;クロロ−メタン;4−メチル−オクタン;3−メチル−ノナン;二硫化炭素;1,2−ジメチル−ベンゼン;ペンタンSS n−ペンタン;トリメチル−シラノール;4−メチル−オクタン;エタンチオール;ペンタナール;および1−(ヘキシルオキシ)−ヘキサン。これらの化合物の量を、二酸化塩素、酸性化漂白剤、塩素ガス、オゾンなどの通常の清浄剤を用いて行われた同じ空気スクラバーから出てくる空気からのものと比較した。
【0052】
図2に示されるように、実施例1による組成物(「Renew」)は、通常の二酸化塩素、酸性化漂白剤、塩素ガス、およびオゾンより、多くのアルデヒド、メルカプタン、および芳香族化合物を空気から除去した。
【0053】
[実施例2〜11]
250mg/LのReNew A(Diversey、Sturtevant,WI)を、表1による様々なB成分の各成分75mg/Lと、pHを7.0から8.0の間にする量で添加されるクエン酸と共に、ハイインテンシティ空気スクラバーにかける。表1で特定される非イオン性界面活性剤は、Shell Chemicals(Houston, TX)から市販され、商標名/番号で特定される様々なNeodol(商標)エトキシラートである。各界面活性剤および各混合物のHLB値を表に記載する。
【0054】
実施例2は、250mg/LのReNew A、75mg/Lの成分B−2、およびpH7.6まで添加されたクエン酸を含む。実施例3は、250mg/LのReNew A、75mg/Lの成分B−3、およびpH7.6まで添加されたクエン酸を含む。実施例4は、250mg/LのReNew A、75mg/Lの成分B−4、およびpH7.6まで添加されたクエン酸を含む。以下同様。実施例における成分は、空気スクラバーに直接にかつ別々に導入することができる。成分は、導入前に予混合することもできる。
【表1】
【0055】
[実施例12]
空気スクラバーからの空気中の揮発性化合物を測定。
以下の成分を、ハイインテンシティ空気スクラバーにかけた:250mg/LのReNew A(Diversey、Sturtevant,WI)、75mg/LのTergitol 15−S−7(Dow、Midland,MI)、およびpH7.6まで添加されたクエン酸。各成分を空気スクラバーに直接導入した。成分の予混合は行わなかった。
【0056】
[実施例13]
アンモニアおよび硫化水素を除去するための最適pH。
実施例1を用いて、空気スクラバーから出てくる空気中のアンモニアおよび硫化水素を測定した。組成物のpHを監視した。図3に示されるように、pHが低いほど、空気からのアンモニアが大幅に低下した。図4に示されるように、組成物のpHが高いほど、より多くの硫化水素が空気から除去された。
【0057】
[実施例14]
低泡性界面活性剤(low foaming surfactant)の清浄性能。
以下の低泡性界面活性剤(low foaming surfactant)の清浄性能を、ASTM D4488標準清浄方法のA6汚染方法で試験した:Pluronic(登録商標)25−R−2(100%)、Pluronic(登録商標)SLF−18(100%)、Triton(商標)DF−12(100%)、「High Foam」とTriton(商標)DF−12を2:3の比で混合したもの、「High Foam」とNIBを1:4の比で混合したもの、およびNIB。「High Foam」(HF)は、70%ココベタイン(35%)と30%コカミドプロピルベタイン(42%)の混合物であった。NIB(非イオンブレンド)は、Neodol(商標)91−6とNeodol(商標)91−2.5の2:1ブレンドを含む硬質表面清浄標準物質であった。図5に示されるように、Triton(商標)DF−12は、他の組成物より多くの汚れを除去した。試験は、界面活性剤0.5%および1.0%(残部は水)で行った。
【0058】
[実施例15]
泡プロファイル。
表2に詳述される様々な組成物の起泡を決定した。起泡は、5リットルの組成物をAutochlor低温皿洗い機(Autochlor low temperature dish machine)中で1分間隔および5分間隔で再循環させることによって決定した。水溜め中の水レベルを超える泡高を、機械を止めた直後、さらには1分後に測定した。表2において、「High Foam」は、70%ココベタイン(35%)と30%ココアミドプロピルベタイン(42%)であり、OTは、泡が水溜めの上端を超えていたことを示す。
【表2】
【0059】
表2の結果から、最低起泡から最高起泡の順に列挙された界面活性剤は、以下の通りである:Triton(商標)DF−12、Plurafac(登録商標)LF−403、Pluronic(登録商標)25−R−2、Pluronic(登録商標)N−3、Pluronic(登録商標)SLF−18、Triton(商標)CF−10、Pluronic(登録商標)L−62、およびNIB。
【0060】
[実施例16]
実施例14および15の界面活性剤(例えば、Pluronic(登録商標)25−R−2(100%)、Pluronic(登録商標)SLF−18(100%)、Triton(商標)DF−12(100%)、「High Foam」とTriton(商標)DF−12を2:3の比で混合したもの、「High Foam」とNIBを1:4の比で混合したもの、およびNIB)はそれぞれ、市販の空気スクラバーで別々に使用される。別々の試験において、界面活性剤はそれぞれ、市販の空気スクラバーに直接導入され、それにかけられる。例えば、Triton(商標)DF−12(100%)を市販の空気スクラバーに直接導入し、120ppmで一定時間それにかける。それは、空気スクラバーを清浄し、かつ/または悪臭を低減するものと予想される。これらの特性を、4時間にわたって、かつ2週間後に監視した。界面活性剤はそれぞれ、一般に100〜150ppm、特に120ppmで行われる。
【0061】
Plurafac(登録商標)LF−403(100%)は、市販の空気スクラバーに直接導入し、120ppmで一定時間それにかけることができる。それは、空気スクラバーを清浄し、かつ/または悪臭を低減するものと予想される。
【0062】
実施例14からの各界面活性剤、およびPlurafac(登録商標)LF−403(100%)は、ReNew A(Diversey、Sturtevant,WI)と組み合わせて使用することもでき、この場合80ppmの成分と250ppmのReNew Aで一定時間行われる。これは、空気スクラバーを清浄し、かつ/または悪臭を低減するものと予想される。
【0063】
空気スクラバーの圧力低下の減少が測定されるのは、組成物が空気スクラバーを清浄するのに有効であるということを意味する。組成物はまた、比較的低起泡性であるとも予想される。泡高は、水レベルを超える泡についてcmで報告されることになる。圧力差、悪臭、泡高および/または清浄性は、1日目は1時間毎に、その後は2〜4時間毎に測定することができる。
【0064】
[実施例17]
低泡性界面活性剤の泡プロファイル
起泡は、5リットルの界面活性剤溶液をAutochlor低温皿洗い機中で1分間隔および5分間隔で再循環させることによって決定した。水溜め中の水レベルを超える泡高を、皿洗い機を止めた直後および1分後に測定した。簡潔には、Autochlor Model A4 Dish Machine、100mLのプラスチックビーカー、およびMettler PM4800天秤を使用した。プラスチック定規を、皿洗い機の水溜めに定規が水溜めの底部に触れるように配置し、固定した。皿洗い機に新たな水道水を充填し、1分間再循環させ、排出させることによって、皿洗い機をすすいだ。このすすぎを、3回または皿洗い機の水溜めに泡が存在しなくなるまで繰り返した。バケツに、所望の温度の水5Lを計量し、皿洗い機に添加した。水溜め中の水の温度および高さを記録した。水を再循環させ、水圧を記録した。水の再循環を止めると、試験製品を天秤で計量し、次いで混合することによって、100mLのビーカー中の水道水50mLに添加した。次いで、皿洗い機の水溜めに注ぎ込み、100mLのビーカーを、確実に製品が完全に移るように水溜めの水ですすいだ。水を皿洗い機中で1分間再循環した。水溜め中の水レベルを超える泡高を、0分および1分に記録した。泡が水溜めから溢れた場合、「上端を超える(over the top)」または「OT」と記録した。次いで、水を皿洗い機中で5分間再循環し、次いで再循環を止めた。水溜め中の水レベルを超える泡高を、0分および1分に記録した。泡が水溜めから溢れた場合、「上端を超える」または「OT」と記録した。皿洗い機から排水し、すすぎを行った。
【0065】
低泡性界面活性剤を、2つの基準に基づいて選択した:推定される清浄能力、および予測される低起泡特性。標準清浄非イオン性物質(Neodol(商標)23−6.5)も、参照として使用するために、かつ低泡性界面活性剤とブレンドして、ブレンドされた材料が所望の清浄/起泡プロファイルを有するかどうかを理解するために選択された。選択された界面活性剤は主に、以下に示すアルコキシ化アルコールのカテゴリーに入るものであり、括弧内に1%溶液の曇り点を記載した:
・Plurafac(登録商標)(脂肪アルコールアルコキシラート)→LF−400(33℃)、LF−403(41℃)、LF−101(12℃)
・Pluronic(登録商標)(EO/POブロックコポリマー)→25−R−2(29℃)、N−3(30℃)、L−61(17℃)、L−62(24℃)
・Triton(商標)(キャッピングされたアルコキシラート)→CF−10(28℃)、CF−32(25℃)、DF−12(17℃)、SLF−18(19℃)
・Neodol(商標)(直鎖状アルコールエトキシラート)→23−6.5(41℃)
【0066】
選択された界面活性剤とReNew A(OO)を、60ppmの界面活性剤および170ppmのReNew Aの最終濃度となるように組み合わせた。Neodol(商標)23−6.5(ASCB)を、非低泡性界面活性剤の対照として使用した。結果を図6および7に示す。図中、指示された8cmは水溜めの上端であり、泡が水溜めから溢れ出たことを表した。
【0067】
最良の性能を示す低泡性界面活性剤は、Triton(商標)DF−12と、続いてPlurafac(登録商標)LF−403およびPlurafac(登録商標)LF−101(図8、9、および10)であった。初期の泡高はよく抑制されており、経時的に高まることはなかった。泡は、再循環を止めて1分後に見られた急速な崩壊によって実証されたように、安定なものではなかった。これらは、Neodol(商標)23−6.5に対して顕著な改良であった。
【0068】
この一群を、12℃を含めて、空気スクラバーを運転する可能性がある温度範囲にわたってさらに試験した。Triton(商標)DF−12の曇り点が17℃であることを考えれば、泡が12℃で顕著に増大したことは驚くべきことではなかった。泡が最終的に高まって、溢れ出るには、まるまる5分間の再循環が必要であり、経時的に崩壊し続け、完全に崩壊するには、再循環を停止してから約3分間かかった。Plurafac(登録商標)LF−403は、泡が大きな問題となった12℃の場合を除いてよい性能を示し、Triton(商標)DF−12と同様であった。空気スクラバーの温度を20℃以上に維持することができれば、Plurafac(登録商標)LF−403は、泡制御に対するよい選択肢となり得る。Plurafac(登録商標)LF−101は、40℃において優れた性能を示し、本質的に全く泡が形成されなかった。これら3種類はすべて、その性能が、起泡の点から低泡性界面活性剤として使用するのに許容できるものと考えられる。
【0069】
次に、Triton(商標)DF−12、Plurafac(登録商標)LF−403、およびPlurafac(登録商標)LF−101について、Neodol(商標)23−6.5と等しい部で混合したとき泡を制御することができるかどうかを調べる試験をした。結果を図11に示す(ASCB、Neodol(商標)23−6.5)。Neodol(商標)23−6.5と等しい部で混合したとき、比較的高温の30℃においてさえ、いずれも泡を制御することができなかった。
【0070】
次に、低泡性界面活性剤単独の泡特性を試験し、結果を図12に示す(ASCB、Neodol(商標)23−6.5)。泡を制御するのが最も困難な温度は12℃であったので、この温度を使用して、低泡の一群を選別した。Triton(商標)DF−12、Plurafac(登録商標)LF−403、およびPlurafac(登録商標)LF−101を、良好な清浄界面活性剤であると予測された他の3つの候補に加えて使用した。Triton(商標)DF−12は、優れた泡制御をもたらした。Pluronic(登録商標)25−R−2およびTriton(商標)SLF−18は泡を形成したが、その泡は撹拌を止めた後非常に急速に崩壊するものであった。選別された低泡性界面活性剤の泡による総合ランクを、表3に示した。
【表3】
【0071】
低泡性界面活性剤の清浄能力
ASTM D4488標準清浄方法のA6汚染方法を使用して、様々な界面活性剤系の清浄性能を決定した。簡潔には、Armstrongビニルコンポジションタイル(Armstrong vinyl composition tile)を、50部のストッダード溶剤、10部の鉱油、4部の植物油、4.5部のカーボンブラック、および10部のブラックチャームクレー(black charm clay)の混合物で汚染した。タイルを50℃で1時間焼き付け、Precision Force Applicator In−Line Testerで清浄した。汚れ除去率は、Minolta CR−410 Chroma−meterを用いて決定した。A6汚れを調製するために、50部のストッダード溶剤、10部の鉱油、4部の植物油、4.5部のカーボンブラック、および10部のブラックチャームクレーを混合した。各重量部を混合すると、合計78.5部になった。マグネチックスターラーで終夜混合し、次いで使用する前に少なくとも2分間混合した。汚れを適用するために、タイルを、裏側を上向きにし、きめを同じ方向にしてベンチに置いた。ブラシを下塗りするための余分なタイルを含めた。汚れは、すべてのタイルを汚染するまで連続的に混合した。まず、余分なタイルを汚染して、ブラシを下塗りした。次いで、このタイルを廃棄した。12インチ×12インチのタイル1枚毎に新しいチップを使用して、Fisherbrand(登録商標)Finnpipette(登録商標)10mLピペッターを用いて、3.00mLの汚れを適用した。汚れをタイルの裏側全体に(中心から始めて、大きならせんを描いて)適用して、タイルをできる限り被覆した。2インチのナイロンブラシを使用して、汚れを均等にタイル全体に延展した。汚れが滑らかにかつ容易に延展できるように、使用する前にブラシの毛をミネラルスピリットに浸し、ブラシの水気を紙タオルで拭き取った。汚れをタイル全体に縦に、次いで横に延展し、タイルが均一にかつ完全にコーティングされるまで続けた。タイルのきめはもはや見えなくなったが、きめを同じ方向にしてタイルを配置したのできめの方向はわかった。汚れを、室温で20分間乾燥した。タイルを50℃のオーブンに入れて、1時間硬化した。タイルを迅速に取り出し、室温で少なくとも20分間、平面上で放冷した。予備試験調製では、CR−410用の白色校正板(No.20733134)を使用して、Minolta Chroma−meterを校正した。タイルを、タイルの長さがタイルのきめ(ブラシづかいによって見られる)と一致するように4インチ×12インチの細片に切断した。これは、清浄がすべて、きめと一致して行われるようにするためであった。各細片に標識を付け、PMMA読取テンプレートを使用して、9回読み取った。清浄用試料を、室温の水道水で所望の濃度に希釈した。フリースを4インチ×12インチの細片に切断した(タイル細片1枚に付きフリース細片1枚)。汚染されたVCTタイルを清浄するために、PAIプログラムおよびPFA In−Line Testerを使用した。切断したフリース1枚(4インチ×12インチ)を、プラスチックブロックの縦方向に巻いて、PFAブロックホルダーに入れた。PMMAテンプレートを備えた金属トレーをPFA機械上のトレーホルダーに入れ、4インチ×12インチの汚染されたタイルをプラスチックのテンプレートに入れた。タイル細片1枚に付き、新しいフリースを1枚使用した。200gの希釈清浄剤を、汚染されたタイルが入っているトレーに注ぎ込み、したがってタイルが清浄溶液で完全に覆われた。タイルを30秒間浸漬させた。テンプレートを押し下げて、気泡を追い出し、したがってブロックが、タイルおよびテンプレートの上を滑らかに動くことになった。浸漬時間が約10秒残っているときに、PFA機械上の上部ホイールを回すことによって、圧力を5ポンドに調整した。浸漬時間が終わると、そのとき10サイクルが完了した。タイル細片を金属トレーから取り出し、冷水ですすいだ。タイルを風乾させた。次の試料に続ける前に、金属トレー、PMMAテンプレート、およびブロックをすすいだ。すべての試料について実施し、乾燥したら、Minolta CR−410およびPMMA読取テンプレートを使用して、各タイル細片を再度読み取った。汚染されたものの読取値(Ys)および清浄されたものの読取値(Yc)を記録し、下記の数式を用いて、汚れ除去率(%)を決定した:
【数2】
【0072】
上述された起泡試験からの最良の候補を、清浄性能について選別した。これらを、全界面活性剤0.5%のスケールで、Neodol(商標)23−6.5、ならびに170ppmのReNew Aおよび80ppm Neodol(商標)23−6.5の組成物と比較した。こうして行ったのは、100%のレベルであれば、A6汚れ除去試験で何ら違いが現れないことになるからである。低泡性界面活性剤は0.5%および1%で行って、好適な範囲がカバーされていることが確認された。結果を図13に示す(OO、ReNew A;ASCB、Neodol(商標)23−6.5)。
【0073】
Triton(商標)DF−12の2つの希釈液(0.5%および1%)は、170ppmのReNew Aと80ppmのNeodol(商標)23−6.5、およびNeodol(商標)23−6.5単独を含めて、他の系のどれよりも統計的によい清浄性をもたらした(図14)。Triton(商標)DF−12は、他の2つの低泡性界面活性剤(Pluronic(登録商標)25−R−2およびTriton(商標)SLF−18)より、性能が明らかに大差で優れていた。
【0074】
次のステップは、ReNew Aと組み合わせたとき、Triton(商標)DF−12がどのように性能を示すかを調査することであった。Triton(商標)DF−12の曇り点は17℃である。清浄性能は、温度が曇り点をはるかに超えた場合、損なわれることがある。したがって、この一連の試験を、活性界面活性剤(active surfactant)0.7%という固定された濃度および異なる2つの温度;20℃および40℃(空気スクラバー運転温度の公称温度および上端の温度)で行った。結果を図15に示す(OO、ReNew A;ASCB、Neodol(商標)23−6.5)。
【0075】
1:4のReNew A/Neodol(商標)23−6.5系は、ReNew A/Triton(商標)DF−12の組合せと統計的に同様の性能を示した(図16)。1:4のReNew A/Triton(商標)DF−12系はまた、Triton(商標)DF−12とReNew Aの試験された3つの比のうちで最良の性能も示した。
【0076】
実験室における試験で、Triton(商標)DF−12は、ReNew Aを用いた場合と用いない場合の両方で、12℃から40℃の温度範囲にわたって最良の泡制御を示した。試験された低泡性界面活性剤は、直鎖状アルコールエトキシラートなどの標準非イオン性物質を添加すると、いずれも泡を制御することができなかった。試験された次善の選択肢は、Plurafac(登録商標)LF−403であった。
【0077】
清浄性能試験から、Triton(商標)DF−12は、試験された他の低泡性界面活性剤のどれよりも優れた性能を示すことがわかった。Triton(商標)DF−12は、別の試験から、Renew Aと1:4の活性界面活性剤比(active surfactant ratio)で組み合わせて1組にしたとき最適性能を実現したことが示唆された。
【0078】
[実施例18]
170ppmのReNew A(Diversey、Sturtevant,WI)および80ppmのTriton(商標)DF−12を含む組成物を、少なくとも1台の市販の湿式空気スクラバー中で約2〜4か月間使用した。クエン酸を使用して、空気スクラバー中の組成物のpHを約pH7.6に維持し、温度を約40℃未満に維持した。低泡から無泡という申し分ない泡レベルが維持された。
【0079】
したがって、本発明は、とりわけ湿式空気スクラバーを清浄および運転するための組成物を提供する。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年8月31日に出願された米国仮特許出願第61/238,624号、2009年9月2日に出願された米国仮特許出願第61/239,325号、および2010年3月8日に出願された米国仮特許出願第61/311,692号の優先権を主張するものであり、それらは参照により本明細書に全体として組み込まれる。
【0002】
本発明は、湿式空気スクラバー(wet air scrubber)の清浄および運転用の組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
序論
湿式空気スクラバーを化製場(rendering plant)で使用することができる。化製場では、例えば食肉加工場および屠殺場からの不要および不使用の動物の部位および組織が加工され、動物用飼料、燃料油、およびPharma Cos原料を含めて、有用な完成品に変換される。化製場設備を取り巻く空気は悪臭がすることがあり、揮発性有機化合物(VOC)を含むことがある。
【0004】
例えば、揮発性有機化合物を空気から除去することによって化製場における悪臭を低減またはなくすために、空気スクラバーを使用することができる。湿式空気スクラバーは、空気中のVOCが水中に拡散し、したがって環境に入り込まないという原則に基づいて作動するものである。空気スクラバーには、例えば水が塔頂部から塔底部に流れ、次いで水が再び塔頂部にリサイクルされる塔が備えられていることがある。化製場の空気が空気スクラバーを流れるにつれて、空気からVOCが除去され得る。水噴霧を利用して、空気/水の界面を形成し、精製する空気スクラバーもあれば、プラスチックメディアまたはステンレス鋼メディアを使用して、空気がスクラバーを上方へ流れるとき空気/水の表面積を増大させ、水流を低減させる空気スクラバーもある。空気スクラバー中の水が、酸性化漂白剤(acidified bleach)、二酸化塩素、オゾン、および/またはペルマンガナートを含めて、酸化剤または他の通常の処理溶液で処理されている場合、このメディアはしばしば不溶性高分子量タンパク質、油、グリース、および他の有機堆積物(organic debris)で汚染される。この汚染は、いくつかの問題を引き起こすことがある。第一に、メディアが汚染されると、空気流に有効な横断面が減少し、揮発性有機化合物除去の効率が低下する。第二に、有機堆積物は、特に水が再循環していない作業中止時間の後、工程温度変化のため作業中に再循環水の温度が一時的に上昇する場合、および/または処理用化学物質が供給されていない最中に、臭気の源として機能することがある。停止時の空気スクラバーでは、堆積物の下にある硫化水素生成嫌気性細菌が繁茂する恐れがある。
【0005】
本発明の他の態様は、詳細な説明および添付図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,111,855号
【特許文献2】米国特許第4,865,773号
【特許文献3】米国特許第3,717,630号
【特許文献4】米国特許第3,332,880号
【特許文献5】米国特許第4,284,435号
【特許文献6】米国特許第3,457,109号
【特許文献7】米国特許第3,222,201号
【特許文献8】米国特許第3,222,213号
【特許文献9】米国特許第4,259,217号
【特許文献10】米国特許第4,222,905号
【特許文献11】米国特許第4,260,529号
【特許文献12】米国特許第4,228,042号
【特許文献13】米国特許第4,228,044号
【特許文献14】米国特許第6,054,139号
【特許文献15】米国特許第6,547,063号
【特許文献16】米国特許第7,572,933号
【特許文献17】米国特許第6,599,948号
【特許文献18】米国特許第6,962,618号
【特許文献19】米国特許第5,299,175号
【特許文献20】米国特許第4,206,074号
【特許文献21】米国特許第4,780,237号
【特許文献22】欧州特許第1,682,643号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】McCutcheon’s Emulsifiers & Detergents(2009年、MC Publishing Company、Glen Rock,NJ)
【非特許文献2】Takesonoら、Journal of Chemical Technology & Biotechnology(2002年)78巻:48〜55頁
【非特許文献3】Deshpandeら、Chemical Engineering and Processing(2000年)39巻:207〜217頁
【発明の概要】
【0008】
いくつかの実施形態において、湿式空気スクラバーを運転する方法であって、(a)湿式空気スクラバーに、水と成分Aおよび成分Bの少なくとも一方とを含む組成物を添加すること、(b)pH制御剤を組成物に添加して、pH約6から約9を維持すること、および(c)水温を約50℃未満に維持することを含む方法を提供する。成分Aは、(1)両性界面活性剤および(2)酵素を含んでもよい。成分Bは、(1)洗浄性界面活性剤(detersive surfactant)および消泡剤;(2)キャッピングされたアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、脂肪アルコールアルコキシラート、エチレンオキシド(EO)含有非イオン性界面活性剤、アルコキシ化アミン、アミン界面活性剤、低曇り点非イオン性界面活性剤、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの低泡性界面活性剤(low−foam surfactant);および(3)(1)と(2)の組合せ、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】湿式空気スクラバーを示す略線図である。
【図2】実施例1による組成物および通常の清浄剤を用いて運転される空気スクラバーを用いた、空気からの汚染物質の除去を示すグラフである。
【図3】実施例1による組成物を用いた湿式空気スクラバーにおけるアンモニア低減をpHの関数として示すグラフである。
【図4】実施例1による組成物を用いた湿式空気スクラバーにおける硫化水素低減をpHの関数として示すグラフである。
【図5】様々な低泡性界面活性剤(low foaming surfactant)に関するA6汚れの除去(清浄%)を示すグラフである。
【図6】様々な低泡性界面活性剤およびReNew Aを含む組成物の30℃における泡高を示すグラフである。
【図7】様々な低泡性界面活性剤およびReNew Aを含む組成物の30℃における泡高を示すグラフである。
【図8】60ppmのTriton(商標)DF−12および170ppmのReNew Aを含む組成物の様々な温度における泡高を示すグラフである。
【図9】60ppmのPlurafac(登録商標)LF−403および170ppmのReNew Aを含む組成物の様々な温度における泡高を示すグラフである。
【図10】60ppmのPlurafac(登録商標)LF−101および170ppmのReNew Aを含む組成物の様々な温度における泡高を示すグラフである。
【図11】30ppmの低泡性界面活性剤(Plurafac(登録商標)LF−403、Triton(商標)DF−12、またはPlurafac(登録商標)LF−101)、30ppmのNeodol(商標)23−6.5、および170ppmのReNew Aを含む組成物の30℃における泡高を示すグラフである。
【図12】170ppmの様々な低泡性界面活性剤を含む組成物の12℃における泡高を示すグラフである。
【図13】界面活性剤0.5%および1%において測定された、様々な界面活性剤組成物の汚れ除去率(%)を示すグラフである。
【図14】図13に示されたデータの統計分析を示す図である。
【図15】界面活性剤0.7%において測定された、様々な比率のReNew AとTriton(商標)DF−12を含む組成物の20℃および40℃における汚れ除去率(%)を示すグラフである。
【図16】図15に示されたデータの統計分析を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその用途において、以下の説明に記載または以下の図面に例示される構成要素の構築および配置の詳細に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方式で実施または実行することができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、図1に概略的に示された湿式空気スクラバー、例えば化製場における空気スクラバーで使用するための組成物が提供される。湿式空気スクラバーとしては、例えば充填塔スクラバー、噴霧塔スクラバー、オリフィススクラバー、ベンチュリスクラバー、ファイバーベッド型スクラバー、衝突板式スクラバー、噴霧ノズル式スクラバー、流動層スクラバー、充填層スクラバー、多段スクラバー、バッフル噴霧式スクラバー、向流型スクラバー、直交流型スクラバー、およびそれらの組合せを挙げることができる。湿式空気スクラバーは、例えば独立設計士または化製施設における有能な職員によってカスタム設計することができる。湿式空気スクラバーは、例えばVerantis、AC Corporation、Scp Control Inc.、およびMillpoint Industries Inc.から市販されている。本発明による組成物は、自治体の下水場(wastewater plant)、ペットフード工場、フレーバーおよびフレグランス工場、醸造所、ならびにトウモロコシ加工などの穀物事業を含むがこれらに限定されない、工場またはプラントにおける充填担体湿式空気スクラバーで使用することもできる。本発明による組成物は臭気を改善し、より有効な汚染防止性の空気スクラバーを提供することができる。組成物は、酸化剤不含、非細菌性、およびpH中性のうちの少なくとも1つであり得るが、単に香料またはマスキング剤として機能するだけではない。組成物は、以下の成分:A、B、C、およびDのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0012】
成分Aは、少なくとも1つの界面活性剤および少なくとも1つの酵素を含むことができる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
非イオン性界面活性剤の例としては、アミド、アルカノールアミド、アミンオキシド、ブロックポリマー、アルコキシ化第一級および第二級アルコール、アルコキシ化アルキルフェノール、アルコキシ化脂肪酸エステル、ソルビタン誘導体、グリセロールエステル、プロポキシ化およびアルコキシ化脂肪酸、アルコール、ならびにアルキルフェノール、グリコールエステル、高分子多糖が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
非イオン性界面活性剤は通常、エチレンオキシドと、反応性水素原子を有する炭化水素、例えばヒドロキシル、カルボン酸基、第一級および第二級アミノ、または第一級もしくは第二級アミド基を酸性または塩基性触媒の存在下に縮合させることによって生成される。非イオン性界面活性剤は、一般式RA(CH2CH2O)nHを有することができ、式中、Rは疎水性部分を表し、Aは反応性水素原子を有する基を表し、nは平均エチレンオキシド部分数を表す。Rは、約8から約24個の炭素原子を有する直鎖状またはわずかに分枝状脂肪族第一級または第二級アルコールとすることができる。非イオン性界面活性剤のさらに徹底した開示は、Barratら、1978年9月5日に発行された米国特許第4,111,855号、およびKimら、1989年9月12日に発行された米国特許第4,865,773号で見ることができ、それらは参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0015】
組成物において有用である他の非イオン性界面活性剤としては、式R(OC2H4)nOHのエトキシ化アルコールまたはエトキシ化アルキルフェノールが挙げられ、式中、Rは、約8から約18個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素基、またはアルキル基が約8から約15個の炭素原子を含有するアルキルフェニル基であり、nは約2から約14である。このような界面活性剤の例は、Booth、1973年2月20日に発行された米国特許第3,717,630号、Kesslerら、1967年7月25日に発行された米国特許第3,332,880号、およびFox、1981年8月18日に発行された米国特許第4,284,435号に列挙され、それらは参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0016】
さらに、他の非イオン性界面活性剤としては、直鎖または分枝鎖立体配置で約8から約15個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルキルフェノールとエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられ、前記エチレンオキシドは、アルキルフェノール1モル当たりエチレンオキシド約2から約14モルの量で存在する。このような化合物におけるアルキル置換基は、例えば重合したプロピレン、ジイソブチレンなどから誘導されたものとすることができる。このタイプの化合物の例としては、ノニルフェノール1モル当たりエチレンオキシド約9モルで縮合されたノニルフェノール、フェノール1モル当たりエチレンオキシド約8モルで縮合されたドデシルフェノール、およびHarcros Chemicals Incorporatedによって販売されている市販のT−DET(登録商標)9.5が挙げられる。
【0017】
他の有用な非イオン性界面活性剤は、脂肪族アルコールと約2から約14モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖状または分枝状の第一級または第二級アルキル鎖とすることができ、約8から約18個の炭素原子を含有することができる。このようなエトキシ化アルコールの例としては、ENS−70、アルコール1モル当たりエチレンオキシド約9モルで縮合されたミリスチルアルコールの縮合生成物、および約7モルのエチレンオキシドとココナッツアルコール(10から14個の炭素原子の長さが異なるアルキル鎖を有する脂肪アルコールの混合物)との縮合生成物などの第二級アルコール非イオン性界面活性剤が挙げられる。このタイプの市販の非イオン性界面活性剤の例としては、Union Carbide Corporationによって販売されているTergitol(商標)15−S−7または15−S−9;Shell Chemical Companyによって販売されているNeodol(商標)45−9、Neodol(商標)23−6.5、Neodol(商標)45−7、およびNeodol(商標)45−4;The Procter & Gamble Companyによって販売されているKyro EOB;ならびにAkzo Nobelによって販売されているBerol(登録商標)260およびBerol(登録商標)266が挙げられる。他の好適な非イオン性界面活性剤としては、Shell Chemicals(Houston,TX)から市販されているNeodol(商標)エトキシラート、およびDow(Midland,MI)から市販されているTergitol(商標)界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤の混合物を使用してもよい。
【0018】
アニオン性界面活性剤の例としては、スルホスクシナートおよび誘導体、エトキシ化アルコールのスルファート、アルコールのスルファート、スルホナートおよびスルホン酸誘導体、アルコキシ化アルキルフェノールのスルファートおよびスルホナート、リン酸エステル、および高分子界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適には、アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルファート、エーテルスルファート、アルキルベンゼンスルホナート、αオレフィンスルホナート、ジフェニルオキシドジスルホナート、アルキルナフタレンスルホナート、スルホスクシナート、スルホスクシナマート、ナフタレン−ホルムアルデヒド縮合物、イセチオナート、N−メチルタウラート、リン酸エステル、およびエーテルカルボキシラートを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
両性界面活性剤としては、ベタインおよびベタイン誘導体を挙げることができる。両性界面活性剤としては、両性イミダゾリン誘導体ならびに脂肪アミンおよび脂肪アミンエトキシラート誘導体も挙げることができるが、これらに限定されるものではない。両性イマダゾリン誘導体としては、アンホジアセタート、アンホアセタート、アンホカルボキシラート、アンホプロピオナート、アンホジプロピオナート、およびヒドロキシプロピルスルホナートを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。脂肪アミンおよび脂肪アミンエトキシラート誘導体としては、ベタイン、アルキルベタイン、スルタイン、ジヒドロキシエチルグリシナート、アルキルアミドプロピルベタイン、およびアミノプロピオナートを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
カチオン性界面活性剤としては、アミン界面活性剤、非第四級窒素を含有するもの、第四級窒素塩基を含有するもの、非窒素塩基を含有するもの、およびそれらの組合せを挙げることができる。このような界面活性剤は、Peist、1969年7月22日に発行された米国特許第3,457,109号、Boyle、1965年12月7日に発行された米国特許第3,222,201号、およびClark、1965年12月7日に発行された米国特許第3,222,213号に開示されており、それらは参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0021】
カチオン性界面活性剤の1カテゴリーとしては、一般式RXYZ N+A−の第四級アンモニウム化合物を挙げることができ、式中、Rは、8から20個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式基であり、X、Y、およびZは、アルキル、ヒドロキシ化アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択されるメンバーである。A−は水溶性アニオンであり、ハロゲン、メトスルファート、エトスルファート、スルファート、およびビスルファートを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。R基は、−O−、−COO−、−CON−、−N−、および−S−などのヘテロ原子または原子基を介して第四級基に結合させてもよい。このような化合物の例としては、トリメチル−ヘキサデシル−アンモニウムスルファート、ジエチル−オクタデシル−フェニル−アンモニウムスルファート、ジメチル−ドデシル−ベンジル−アンモニウムクロリド、オクタデシルアミノ−エチル−トリメチル−アンモニウムビスルファート、ステアリルアミド−エチル−トリメチル−アンモニウムメトスルファート、ドデシルオキシ−メチル−トリメチル−アンモニウムクロリド、ココアルキルカルボキシエチル−ジ−(ヒドロキシエチル)−メチル−アンモニウムメトスルファート、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
カチオン性界面活性剤の別カテゴリーは、一般式XYRR1N+A−を有するジ長鎖第四級アンモニウムタイプとすることができ、式中、X鎖およびY鎖は、平均約12から約22個の炭素原子を含有することができ、RおよびR1は、水素、またはC1〜C4アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基とすることができる。XおよびYは、長鎖アルキル基を含有することができるが、ヒドロキシ基も含有することができ、あるいは各鎖が上記の炭素原子範囲内にある限り、ヘテロ原子または炭素−炭素二重結合もしくは三重結合、およびエステル結合、アミド結合、またはエーテル結合など他の結合を含有することができる。
【0023】
カチオン性界面活性剤のさらなるカテゴリーとしては、一般式を有するビス(エトキシ化)第四級アンモニウム化合物:
【化1】
を挙げることができ、
式中、Rは、メチル、エチル、またはプロピル基であり、R1は、8から18個の炭素原子を有するアルキル基、8から18個の炭素原子を有するアルケニル基、またはそれらの混合物であり、xは1から40の数であり、yは1から40の数であり、ここでx+yは10から60の間であり、Aは水溶性アニオンである。このような化合物の例としては、アルキルビス(エトキシ)メチルアンモニウムメチルスルファート(EO 15モル)、ステアリルメチルビス(エトキシ)アンモニウムクロリド(EO 12モル)、ステアリルエチルビス(エトキシ)アンモニウムエチルスルファート(EO 15モル)、タロウメチルビス(エトキシ)アンモニウムメチルスルファート(EO 15モル)、タロウエチルビス(エトキシ)アンモニウムエチルスルファート(EO 15モル)、水添タロウメチルビス(エトキシ)アンモニウムクロリド(EO 15モル)、ココメチルビス(エトキシ)アンモニウムメチルスルファート(EO 20モル)、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
他のカチオン性界面活性剤としては、スルホニウム、ホスホニウム、およびモノまたはトリ長鎖第四級アンモニウム材料、ならびにMurphy、1981年3月31日に発行された米国特許第4,259,217号、Cockrell、1980年9月16日に発行された米国特許第4,222,905号、Letton、1981年4月7日に発行された米国特許第4,260,529号、Letton、1980年10月14日に発行された米国特許第4,228,042号、およびCushman、1980年10月14日に発行された米国特許第4,228,044号に記載のものを挙げることができ、これらはそれぞれ、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0025】
さらなるカチオン性界面活性剤としては、ジタロウアルキルジメチル(またはジエチルもしくはジヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ジタロウアルキルジメチルアンモニウムメチルスルファート、ジヘキサデシルアルキル(C16)ジメチル(またはジエチルもしくはジヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ジオクトデシルアルキル(C18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジエイコシルアルキル(C20)ジメチルアンモニウムクロリド、メチル(1)タロウアルキルアミドエチル(2)タロウアルキルイミダゾリニウムメチルスルファート(Ashland Chemical CompanyからVarisoft 475として市販)、またはそれらの界面活性剤の混合物を挙げることができる。
【0026】
本発明によれば有用であり得るさらなる界面活性剤は、米国特許第6,054,139号、第6,547,063号、および第7,572,933号で見ることができ、これらはそれぞれ、参照により本明細書にそれらの全体として組み込まれる。
【0027】
好適には、成分Aの界面活性剤は両性とすることができる。成分Aの界面活性剤は、両性イオン(zwitterion)とすることができる。成分Aは、2つ以上の界面活性剤を含んでもよい。成分Aは、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約5重量%、または少なくとも約7重量%の界面活性剤を含むことができる。成分Aはまた、界面活性剤を約95重量%未満、約15重量%未満、約10重量%未満、約8重量%未満を含むことができる。成分Aは、約1から約95重量%、約2から約15重量%、約5から約15重量%、約5から約10重量%、または約7から約8重量%の界面活性剤を含むことができる。
【0028】
成分Aの酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、ヒドロラーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つとすることができる。成分Aは、アミラーゼとプロテアーゼを含んでもよい。成分Aは、酵素を約10重量%未満、約5重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、または約0.5重量%未満を含むことができる。豊富な酵素源であることが当業者に公知である植物、動物、および微生物源に由来する材料が多数存在する。これらの供給源材料を使用して、酵素の完全精製、部分精製、または非精製により、組成物で使用するための酵素を得ることができる。例えば、酵素を組換え型または野生型有機体から外因的に産生することができる。酵素は精製してもよい。酵素は発酵生成物とすることができる。
【0029】
成分Aの残部は、保存剤、フレグランス、およびプロピレングリコールやボラートなどの酵素安定剤を含むことがあり、または含まないことがある。
【0030】
好適には、成分AはReNew Aとして市販されている(Diversey、Sturtevant,WI)。
【0031】
成分Bは、少なくとも1つの界面活性剤を含むことができる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、低泡性界面活性剤、またはそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。成分Bの少なくとも1つの界面活性剤は、洗浄性界面活性剤とすることができる。界面活性剤の例は、成分Aに関連して上述されている。
【0032】
いくつかの実施形態において、成分Bは低泡性界面活性剤を含むことができる。低泡性界面活性剤としては、エチレンオキシド(EO)含有非イオン性界面活性剤、キャッピングされたエトキシラートなどのキャッピングされたアルコキシラート、キャッピングされたアルコールエトキシラートなどのキャッピングされたアルコールアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、脂肪アルコールアルコキシラート、エトキシ化アミンなどのアルコキシ化アミン、アミン界面活性剤、低曇り点非イオン性界面活性剤(以下に詳述)、および成分Aに関連して上述されているものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好適には、低泡性界面活性剤としては、Triton(商標)DF−12、Triton(商標)CF−32、およびTriton(商標)CF−10(Dow、Midland,MI)などのTriton(商標)界面活性剤;Pluronic(登録商標)25−R−2、Pluronic(登録商標)N−3、Pluronic(登録商標)SLF−18、Pluronic(登録商標)L−61、およびPluronic(登録商標)L−62(BASF、Florham Park,NJ)などのPluronic(登録商標)界面活性剤;およびPlurafac(登録商標)LF−403、Plurafac(登録商標)LF−101、Plurafac(登録商標)LF−400(BASF、Florham Park,NJ)などのPlurafac(登録商標)界面活性剤を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
いくつかの実施形態において、成分Bの界面活性剤は非イオン性とすることができる。好適には、成分Bの界面活性剤は、第一級アルコールエトキシラートおよび第二級アルコールエトキシラートからなる群から選択することができる。アルキルフェノール界面活性剤は環境に優しくない化合物に分解することがあり、ある種の用途において望ましくない可能性があるものの、成分Bの界面活性剤をアルキルフェノールとしてもよい。成分Bの界面活性剤は、少なくとも約8、少なくとも約9.5、少なくとも約10、または少なくとも約11.2の親水性−親油性バランス(HLB)を有することができる。成分Bの界面活性剤は、約14未満、約12.5未満、約12未満、または約11.8未満のHLBを有することができる。成分Bの界面活性剤は、約8から約14、約9.5から約12.5、約10から約12、および約11.2から約11.8のHLBを有することができる。成分Bは、少なくとも約8、少なくとも約9.5、少なくとも約10、または少なくとも約11.2のHLBを実現させる比で組み合わせた2つ以上の非イオン性界面活性剤の任意の組合せを含んでもよい。成分Bは、約14未満、約12.5未満、約12未満、または約11.8未満のHLBを実現させる比で組み合わせた2つ以上の非イオン性界面活性剤の任意の組合せを含んでもよい。成分Bは、約8から約14、約9.5から約12.5、約10から約12、および約11.2から約11.8のHLBを実現させる比で組み合わせた2つ以上の非イオン性界面活性剤の任意の組合せを含んでもよい。界面活性剤のHLBは、界面活性剤の親水性または親油性の程度の尺度であり、分子の様々な領域について値を算出することによって決定される。HLB値は、例えばMcCutcheon’s Emulsifiers & Detergents(2009年、MC Publishing Company、Glen Rock,NJ)で見ることができる。例えば、成分Bとしては、Dow(Midland,MI)から市販されているTergitol(商標)15−S−7を挙げることができる。成分Bとしては、Neodol(商標)91−6、Neodol(商標)91−2.5、Neodol(商標)23−6.5、Neodol(商標)23−3、Neodol(商標)45−7、Neodol(商標)45−4、Neodol(商標)25−3、Neodol(商標)25−12、Neodol(商標)25−9、Neodol(商標)91−8、Neodol(商標)25−5、Neodol(商標)25−7(Shell Chemicalsから市販、Houston, TX);Triton(商標)DF−12、Triton(商標)CF−32、Triton(商標)CF−10(Dow、Midland,MI)などのTriton(商標)界面活性剤;Plurafac(登録商標)LF−403(BASF、Florham Park,NJ)、Pluronic(登録商標)25−R−2、Pluronic(登録商標)N−3、Pluronic(登録商標)SLF−18、Pluronic(登録商標)L−62(BASF、Florham Park,NJ)などのPluronic(登録商標)界面活性剤;またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含むことができる。成分Bは、少なくとも2つの界面活性剤を、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15、15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、または2:1を含むがこれらに限定されない任意の比で組み合わせて含むことができる。成分Bは、ReNew Bとして市販されている(Diversey、Sturtevant,WI)。成分Bは、Triton(商標)DF−12、Plurafac(登録商標)LF−403、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0034】
成分Cは、pH制御剤を含むことができる。pH制御剤は、酸、塩基、またはそれらの組合せを含むことができる。成分Cは、空気スクラバー中でアンモニアをアンモニウムに至らせるのに有効な鉱酸、有機酸、または他の何らかの酸などの酸を含むことができる。成分Cはアルカリ金属塩を含むことができる。好適には、成分Cはクエン酸を含むことができる。好適には、成分CはReNew Balanceとして市販されている(Diversey、Sturtevant,WI)。成分Cは、空気スクラバーに、空気スクラバー中の溶液のpHがH2SやNH3などの悪臭化合物をなくすのに有効なpHに維持されるのに有効な量を添加することができる。NH3+H+→NH4+の反応ではpKaが9.3であるので、この反応は、pH約7.3で約99%NH4+に至ることができる。したがって、NH3は化製場で生成される1つの悪臭化合物であり得るが、低pHにおいてNH4+に変換することができる。したがって、悪臭または有害ガスが水溶性塩に変換され、蒸発しないまたは悪臭を放たない可能性があるが、再循環水に残留する可能性がある。H2Sは、高pHにおいてなくすことができる。H2Sは嫌気性細菌の代謝副産物であり、空気スクラバーの多くは完全に曝気されているので、H2Sが一部の空気スクラバーの因子にならない可能性がある。したがって、空気スクラバーのpHは、NH3レベルの制御には約7.5以下、かつH2Sレベルの制御には約7.5以上の間でバランスを保つことができる。NH3レベルの制御には、アミンおよびアミンオキシドのような低分子量有機窒素含有化合物を制御することを含み、H2Sレベルの制御にはまた、メルカプタンおよびチオールのような低分子量硫黄含有化合物を制御することを含む。空気スクラバーのpHは、少なくとも約5.0、少なくとも約6.0、少なくとも約6.8、少なくとも約7.0、少なくとも約7.3、または少なくとも約7.5のpHで維持することができる。空気スクラバーのpHは、約9.0未満、約8.0未満、約7.9未満、約7.8未満、または約7.6未満のpHで維持することができる。好適には、空気スクラバーのpHは、約5.0から約9.0、約6.0から約9.0、約6.8から約8.0、約7.0から約7.9、約7.3から約7.8、および約7.5から約7.6のpHで維持される。好適には、空気スクラバーのpHを約7.5〜7.6に維持するのに有効な量の成分Cが、空気スクラバーに添加される。
【0035】
本発明による組成物は、成分Dを含むことができる。成分Dは、化学的消泡剤を含むことができる。化学的消泡剤の例としては、シリコーン系消泡剤;長鎖脂肪酸などのステアリン酸または脂肪酸;脂肪アルコール;パラフィン、鉱油、および植物油などの油;それらの曇り点を超えて使用されるエトキシ化非イオン性界面活性剤、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー;およびキャッピングされたエトキシラートなどの低泡性界面活性剤(low−foaming surfactant)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適には、消泡剤は疎水性シリカとすることができる。いくつかの実施形態において、成分Dは、Antifoam SE−21(Dow Corning)、Silfoam SD860、Silfoam SD 168(Wacker Corp)、Tego 3062(Goldschmidt)、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含むことができる。成分Bに関連して上述された多くの非イオン性エチレンオキシド誘導体界面活性剤は水溶性であり、組成物の所期使用温度を下回る曇り点を有し(以下に記載する)、したがって有用な消泡剤であり得る。温度が上昇するにつれて、曇り点に到達することができ、その時点で界面活性剤は溶液から沈殿し、消泡剤として機能することができる。界面活性剤は、この曇り点以上の温度で使用されるとき消泡剤として働くことができる。非イオン性界面活性剤の曇り点は、1重量%の水溶液が水に不溶性となる温度と定義される。好適には、成分Dの化学的消泡剤は、空気スクラバー組成物の所期使用温度を下回る曇り点を有する界面活性剤を含むことができる。エチレンオキシド誘導体の例としては、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、アルコールアルコキシラート(例えば、Triton(商標)DF−12)、低分子量EO含有界面活性剤、およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーのいくつかの例としては、以下:
_(EO)_x_(PO)_y_(EO)_x
_(PO)_y_(EO)_x_(PO)_y
_(PO)y_(EO)x_(PO)y_(EO)x_(PO)y
【化2】
が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、
式中、EOはエチレンオキシド基を表し、POはプロピレンオキシド基を表し、xおよびyは、全ブロックコポリマー組成物中の各アルキレンオキシドモノマーの平均分子比率を反映するものである。ブロックコポリマー界面活性剤のいくつかの例としては、Pluronic(登録商標)25−R−2などのPluronic(登録商標)界面活性剤およびTETRONIC(登録商標)界面活性剤(BASF、Florham Park,NJ)などの市販製品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。許容できないほど高い曇り点温度または許容できないほど高い分子量を有する非イオン性界面活性剤は、許容できない起泡性レベルをもたらすことになり、または洗浄性もしくは清浄性組成物において十分な消泡能力をもたらすことができないことを、当業者であれば理解するはずであると考えられる。消泡剤の他の例としては、Plurafac(登録商標)LF−403(BASF、Florham Park,NJ)などのPlurafac(登録商標)アルコールアルコキシラートおよびTriton(商標)DF−12(Dow、Midland,MI)などのTriton(商標)界面活性剤が挙げられる。成分Dは、組み合わせてまたは別々に他の成分に添加することができる。成分Dは、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、または少なくとも約3%(重量%)の最終濃度になるように空気スクラバー組成物に添加することができる。成分Dは、約5%未満、約3%未満、または約1%未満の最終濃度になるように空気スクラバー組成物に添加することができる。成分Dの濃度は、約25から約400ppmとすることができ、約25〜200ppmとすることができる。
【0036】
機械的消泡物(mechanical defoamer)を、組成物と一緒にまたは成分Dの代替物として使用することができる。機械的消泡物は当業者に公知のものであり、循環ディスク(circulating disk)、超音波、パルスレーザー、流動床、高圧噴霧ノズルを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。機械的消泡物の例については、Takesonoら、Journal of Chemical Technology & Biotechnology(2002年)78巻:48〜55頁;Deshpandeら、Chemical Engineering and Processing(2000年)39巻:207〜217頁;および米国特許第6,599,948号;第6,962,618号;第5,299,175号に記載されており、これらはそれぞれ、参照により完全に組み込まれる。
【0037】
上述されたように、空気スクラバー組成物は、成分A、B、C、およびDのうちの少なくとも1つを含むことができる。成分は、個別にまたは任意の組合せで予混合または添加することができる。空気スクラバー組成物は、成分Aを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分Bを含むことができる。成分Bは、キャッピングされたアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、脂肪アルコールアルコキシラート、エチレンオキシド(EO)含有非イオン性界面活性剤、アルコキシ化アミン、アミン界面活性剤、低曇り点非イオン性界面活性剤、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分Bおよび成分Dを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分A、B、C、およびDを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分A、低泡性界面活性剤(low−foaming surfactant)を含む成分B、および成分Cを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分B、C、およびDを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分A、C、およびDを含むことができる。空気スクラバー組成物は、成分A、および低泡性界面活性剤(low−foaming surfactant)を含む成分Bを含むことができる。さらなる変形および組合せが想定される。
【0038】
空気スクラバー組成物は、追加の原料を場合によっては含むことができる。追加の原料としては、キレート剤、分散剤、腐食防止剤、フレグランスまたは臭気中和剤(odor counteractant)、酵素、細菌、抗菌剤、酸、アルカリ金属塩、追跡用化合物、ヒドロトロープ、溶媒、粘度改質剤、および当業者に公知である外観改質剤を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。キレート剤の例としては、EDTA、NTA、およびポリホスファートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。分散剤の例としては、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸およびマレイン酸のポリマー、ならびにこれらポリマーの疎水性修飾形が挙げられるが、これらに限定されるものではない。腐食防止剤の例としては、亜硝酸塩、ケイ酸塩およびポリケイ酸塩、ならびにメルカプトベンゾチアゾール(MBT)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。臭気中和剤の例としては、シクロデキストリンが挙げられるが、これに限定されるものではない。ヒドロトロープの例としては、キシレンスルホン酸ナトリウムおよびクメンスルホン酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。溶媒の例としては、高沸点グリコールエーテルが挙げられるが、これに限定されるものではない。粘性改質剤の例としては、グアーなどの天然ゴム、およびカルボキシメチルセルロースやCarbopolブランドポリマーなどの合成高分子樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
空気スクラバー組成物は、空気スクラバーにおいて少なくとも約10℃または少なくとも約15℃の運転温度で使用することができる。空気スクラバー組成物は、空気スクラバーにおいて約80℃未満または約45℃未満の運転温度で使用することができる。空気スクラバー組成物は、空気スクラバーにおいて約10℃から約80℃および約15℃から約45℃の運転温度で使用することができる。いくつかの実施形態において、運転温度は約50℃未満とすることができる。いくつかの実施形態において、運転温度は約40℃未満とすることができる。運転温度は、悪臭が最小限に抑制される温度とすることができる。温度を下げると、揮発性成分の溶解性が高まる。
【0040】
いくつかの実施形態において、空気スクラバーを運転する方法が提供される。本方法は、(a)上述されたように、湿式空気スクラバーに、水と成分Aおよび成分Bの少なくとも一方とを含む組成物を添加すること、(b)上述されたように、pH制御剤を組成物に添加して、pHを維持すること、および(c)上述されたように、空気スクラバー中の水温を維持することを含むことができる。
【0041】
成分Aおよび成分Bは、個別にまたは組み合わせて空気スクラバーに添加することができる。成分Aおよび成分Bの標的濃度は、空気スクラバー中の再循環水の化学的酸素要求量(COD、mg/L)に基づいて決定することができる。CODは、水に入っている有機材料の量の尺度であり、VOCレベルの指標である。再循環水のCODは、現場測定によって、または現場から離れた実験室に試料を送ることによって決定することができる。以下に記載するように、CODレベルは、空気スクラバー中に入ってくる空気の有機物負荷によって決まることがあり、この負荷は、加熱装置(cooker)を通って流れてくる原材料に基づいて経時的に変動し、脂肪、油、グリース、骨粉、タンパク質などのVOCおよびエアロゾル化された有機材料を含む可能性がある。代表的値が決まると、次式を使用して、各空気スクラバーの成分Aおよび成分Bの標的濃度を算出することができる。
[成分A]=(0.075)(COD、単位mg/L)+125=成分A(mg/L)
[成分B]=(0.07O)(COD、単位mg/L)+25=成分B(mg/L)
湿式空気スクラバーにおける再循環水のCODの濃度は、典型的には約1,000mg/L未満であるが、本発明による組成物は、いずれのCOD濃度でも使用することができる。例えば、成分Aおよび成分Bは、少なくとも約1ppm、少なくとも約10ppm、または少なくとも約100ppmの最終総濃度となるまで添加することができる。成分Aおよび成分Bは、約750ppm未満、約400ppm未満、または約300ppm未満の最終総濃度まで添加することができる。成分Aおよび成分Bは、約1ppmから約750ppm、約1から約400ppm、約10から約300ppm、または約100から約300ppmの最終総濃度となるまで添加することができる。成分Aは、少なくとも約50mg/L、少なくとも約100mg/L、または少なくとも約125mg/Lの最終濃度となるまで添加することができる。成分Aは、約400mg/L未満、約300mg/L未満、または約250mg/L未満の最終濃度まで添加することができる。成分A濃度は、約50から約400mg/L、約100から約300mg/L、または約125から約250mg/Lに及ぶことができる。成分Bは、少なくとも約10mg/L、少なくとも約20mg/L、または少なくとも約25mg/Lの最終濃度となるまで添加することができる。成分Bは、約200mg/L未満、約95mg/L未満、または約75mg/L未満の最終濃度まで添加することができる。成分B濃度は、約10から約200mg/L、約20から約95mg/L、または約25から約75mg/Lに及ぶことができる。成分Aと成分Bの比は、少なくとも約1:1、少なくとも約1:2、少なくとも約1:3、少なくとも約1:4、少なくとも約1:5、少なくとも約1:6、少なくとも約1:7、または少なくとも約1:8とすることができる。成分Aと成分Bの比は、約1:1未満、約1:2未満、約1:3未満、約1:4未満、約1:5未満、約1:6未満、約1:7未満、または約1:8未満とすることができる。成分Aと成分Bの比は、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、または約1:8とすることができる。いくつかの実施形態において、成分Aと成分Bの比は約1:2から約1:6とすることができる。いくつかの実施形態において、成分Aと成分Bの比は約1:4とすることができる。
【0042】
成分Aおよび成分Bを、空気スクラバー中の再循環水に断続的に添加して、以下にさらに詳述される適切な濃度を維持することができる。配送されるべき成分Aおよび成分Bの量は、以下の通り決定することができる。
成分Aの時間当たりの供与量(Hourly Component A Dosage)=(標的)(MU速度)(0.228)=成分A(mL/h)
成分Bの時間当たりの供与量(Hourly Component B Dosage)=(標的)(MU速度)(0.228)=成分B(mL/h)
式中、標的=成分の標的濃度(単位:mg/L)、およびMU速度=新しい水の供給(補給)量(単位:1時間当たりのガロン数)。成分Aおよび成分Bの濃度は、組成物の配送量および空気スクラバーに供給される補給水の量を測定し、次いで維持量を以下の通り算出することによって監視することができる。
【数1】
式中、成分Aの量=空気スクラバーに1時間当たりに配送された成分Aの量(ミリリットル)、および補給速度=空気スクラバーへの1分当たりの補給水の量(ガロン)。成分Bの濃度は、同じ方式で算出することができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、空気スクラバー組成物は低泡であり得る。例えば、ベンチュリスクラバーでは、空気スクラバーの底部における約6インチ以下の泡は低泡であり、通常作業に適している可能性があり、空気スクラバーの底部における約6から約18インチの泡は、通常作業には中泡である可能性があり、空気スクラバーの底部における約18から約72インチ以上の泡は、通常作業には高泡である可能性がある。泡が多すぎると、空気スクラバーの作業に干渉する可能性がある。例えば、高泡によって、組成物が排出管から漏れ出し、ドレーンの周りに泡が形成し、電気設備を含めて機器が損傷を受けることになる可能性がある。
【0044】
組成物は、空気スクラバー中の再循環水に添加することができる。組成物を空気スクラバーに連続的に添加して、上述された成分A、B、およびCのうちの少なくとも1つの濃度を維持することができる。組成物は、通常の空気スクラバー処理溶液よりはるかに少ない量しか使用されないが、それでも悪臭を効果的に除去することができる。組成物はまた、空気スクラバーのメディアを通常の空気スクラバー処理溶液の場合より清浄に維持することができる。すなわち、組成物は、オフラインでアルカリ性洗浄剤を用いた定期的清浄を行って、グリースを除去する必要がなく、空気スクラバーで使用することができる。本発明による組成物によって、化製場の空気から臭気を同時に除去しながら、空気スクラバー中のメディアを作業中に(オンラインで)清浄することができる。理論に拘泥するものではないが、本発明による組成物の機構は、バルク溶液中でのミセル形成であると考えられ、揮発性有機化合物の水中への拡散も、空気/水滴界面における表面張力低下によって強化されると考えられる。
【0045】
作業中の空気スクラバーへの組成物の添加量を決定するには、当技術分野において公知である種々の機構を利用することができる。例えば、pH検出器を使用して、空気スクラバー中の溶液のpHを監視することができる。空気スクラバー中の溶液のpHは、以上に詳述された適切な範囲に維持することができる。例えば、pHが約7.5〜7.6を下回る場合、空気スクラバーに添加する成分Cの量を少なくすることができ、pHが約7.5〜7.6を上回る場合、空気スクラバーに添加する成分Cの量を多くすることができる。
【0046】
本発明の他の実施形態は、pH監視システムの代わりにまたはそれと組み合わせて、イオン選択性電極を用いて、空気スクラバー中のNH3濃度を監視することである。NH4+濃度によって指示される空気スクラバー中の有機物負荷は、原材料組成物(例えば、相対的脂肪およびタンパク質含有量、水分(%)、毛または羽毛の存在)の変動および化製場における原材料の利用可能性のため経時的に変わり得る。化製場において、原材料が時間毎、日毎、季節毎に変化するので、空気スクラバーに入っている気体の濃度および組成は変化する可能性がある。空気スクラバーに入っている主な有機化合物は、アンモニア(NH3)である可能性があり、この気体は、空気スクラバー水処理要件を決定するためのマーカーとして使用することができる。具体的には、アンモニウムイオン選択性電極(ISE)を再循環水中で使用して(水溜め(sump)またはドレーンに配置される)、溶液状態の全NH4+を検出することができる。監視システムおよび制御ループは、溶液状態のNH4+を直接測定し、ミリボルトの信号をデュアルチャネルコントローラに戻すことができる。ISEをコントローラ(例えば、Rosemountモデル1056)に接続することができ、4〜20mAの信号をポンプコントローラに供給することができる。ポンプコントローラは、ポンプ周波数、および各成分が空気スクラバーにフィードされる期間を管理することができる。この2チャネルコントローラは、一方のチャネルにアンモニウム濃度、および他方のチャネルにpHが示されるように構成することができ、または独立した2つのアンモニウムイオンISEセンサーに接続することができる。したがって、成分Aおよび成分Bは、イオン選択性電極(ISE)監視および制御フィードバックシステムからのフィードバックに基づいて空気スクラバー中にフィードすることができる。NH3濃度が高い場合、空気スクラバーに、成分AおよびBを含む組成物をより多く添加することができる。NH3濃度が低い場合、空気スクラバーに、成分A、B、および/またはCを含む組成物をより少なく添加することができる。例えば、再循環水中のアンモニウムレベルが1,000mg/Lの場合、約250mg/Lの成分Aおよび約75mg/Lの成分Bを空気スクラバーに添加することができる。例えば、より低レベルのアンモニウムが検出された場合、成分Aおよび成分Bの量を、それぞれ少なくとも約125mg/Lおよび約25mg/Lに低減することができる。熱気体は水に溶解しない可能性があり、したがってスクラバーから悪臭として出る可能性があるので、化製場からの吸入ガス流の温度は100°F未満とすることができる。
【0047】
1980年6月3日に発行された米国特許第4,206,074号、1988年10月25日に発行された米国特許第4,780,237号、および2007年8月22日に登録された欧州特許第1,682,643号(これらはそれぞれ、参照により本明細書に完全に組み込まれる)はそれぞれ、空気スクラバーを清浄する方法および組成物において有用である成分を含むことができる。
【0048】
本発明の実施形態を、以下の実施例でさらに詳述する。
【0049】
[実施例]
実施例において、mg/Lは、空気スクラバー中の補給水の量(L)に対して添加される成分の量(mg)を指す。
【0050】
[実施例1]
空気スクラバーからの空気中の揮発性化合物を測定。
以下の成分を、ハイインテンシティ空気スクラバー(high intensity air scrubber)にかけた:250mg/LのReNew A(Diversey、Sturtevant,WI)、75mg/Lの第2成分(下記の表1において成分B1)、およびpH7.6になるまで添加されるクエン酸。各成分を空気スクラバーに直接導入した。成分の予混合は行わなかった。これは、空気スクラバーからVOCを除去するのに有効であることがわかった。
【0051】
空気スクラバーから出てくる空気試料中の化合物を、GC−MSで検出および定量した。空気試料中の以下の化合物を、GC−MSで検出および定量した:3−メチル−ブタナール;塩化メチレン;2−メチル−1−プロペン;2−メチル−プロパナール;アセトニトリルSS Cyan(acetonitril SS Cyan);α−ジエンSS Bi(alpha,−diene SS Bi);メタンチオールSS Merc;トリメチレンオキシド;ペノールSS Baker’s P(penol SS Baker’s P);アセトアルデヒド;3−メチル−2−ブタノン;ヘキサン;カルボニルスルフィドSS、1−プロパノール;1−クロロ−1,1−エタン;2−メチル−ブタナール;2−ブタノン;1−ブタノール;エタノール;トルエン;ヘプタン;塩酸;ヘキサナール;トリクロロエチレン;アセトン;クロロ−メタン;4−メチル−オクタン;3−メチル−ノナン;二硫化炭素;1,2−ジメチル−ベンゼン;ペンタンSS n−ペンタン;トリメチル−シラノール;4−メチル−オクタン;エタンチオール;ペンタナール;および1−(ヘキシルオキシ)−ヘキサン。これらの化合物の量を、二酸化塩素、酸性化漂白剤、塩素ガス、オゾンなどの通常の清浄剤を用いて行われた同じ空気スクラバーから出てくる空気からのものと比較した。
【0052】
図2に示されるように、実施例1による組成物(「Renew」)は、通常の二酸化塩素、酸性化漂白剤、塩素ガス、およびオゾンより、多くのアルデヒド、メルカプタン、および芳香族化合物を空気から除去した。
【0053】
[実施例2〜11]
250mg/LのReNew A(Diversey、Sturtevant,WI)を、表1による様々なB成分の各成分75mg/Lと、pHを7.0から8.0の間にする量で添加されるクエン酸と共に、ハイインテンシティ空気スクラバーにかける。表1で特定される非イオン性界面活性剤は、Shell Chemicals(Houston, TX)から市販され、商標名/番号で特定される様々なNeodol(商標)エトキシラートである。各界面活性剤および各混合物のHLB値を表に記載する。
【0054】
実施例2は、250mg/LのReNew A、75mg/Lの成分B−2、およびpH7.6まで添加されたクエン酸を含む。実施例3は、250mg/LのReNew A、75mg/Lの成分B−3、およびpH7.6まで添加されたクエン酸を含む。実施例4は、250mg/LのReNew A、75mg/Lの成分B−4、およびpH7.6まで添加されたクエン酸を含む。以下同様。実施例における成分は、空気スクラバーに直接にかつ別々に導入することができる。成分は、導入前に予混合することもできる。
【表1】
【0055】
[実施例12]
空気スクラバーからの空気中の揮発性化合物を測定。
以下の成分を、ハイインテンシティ空気スクラバーにかけた:250mg/LのReNew A(Diversey、Sturtevant,WI)、75mg/LのTergitol 15−S−7(Dow、Midland,MI)、およびpH7.6まで添加されたクエン酸。各成分を空気スクラバーに直接導入した。成分の予混合は行わなかった。
【0056】
[実施例13]
アンモニアおよび硫化水素を除去するための最適pH。
実施例1を用いて、空気スクラバーから出てくる空気中のアンモニアおよび硫化水素を測定した。組成物のpHを監視した。図3に示されるように、pHが低いほど、空気からのアンモニアが大幅に低下した。図4に示されるように、組成物のpHが高いほど、より多くの硫化水素が空気から除去された。
【0057】
[実施例14]
低泡性界面活性剤(low foaming surfactant)の清浄性能。
以下の低泡性界面活性剤(low foaming surfactant)の清浄性能を、ASTM D4488標準清浄方法のA6汚染方法で試験した:Pluronic(登録商標)25−R−2(100%)、Pluronic(登録商標)SLF−18(100%)、Triton(商標)DF−12(100%)、「High Foam」とTriton(商標)DF−12を2:3の比で混合したもの、「High Foam」とNIBを1:4の比で混合したもの、およびNIB。「High Foam」(HF)は、70%ココベタイン(35%)と30%コカミドプロピルベタイン(42%)の混合物であった。NIB(非イオンブレンド)は、Neodol(商標)91−6とNeodol(商標)91−2.5の2:1ブレンドを含む硬質表面清浄標準物質であった。図5に示されるように、Triton(商標)DF−12は、他の組成物より多くの汚れを除去した。試験は、界面活性剤0.5%および1.0%(残部は水)で行った。
【0058】
[実施例15]
泡プロファイル。
表2に詳述される様々な組成物の起泡を決定した。起泡は、5リットルの組成物をAutochlor低温皿洗い機(Autochlor low temperature dish machine)中で1分間隔および5分間隔で再循環させることによって決定した。水溜め中の水レベルを超える泡高を、機械を止めた直後、さらには1分後に測定した。表2において、「High Foam」は、70%ココベタイン(35%)と30%ココアミドプロピルベタイン(42%)であり、OTは、泡が水溜めの上端を超えていたことを示す。
【表2】
【0059】
表2の結果から、最低起泡から最高起泡の順に列挙された界面活性剤は、以下の通りである:Triton(商標)DF−12、Plurafac(登録商標)LF−403、Pluronic(登録商標)25−R−2、Pluronic(登録商標)N−3、Pluronic(登録商標)SLF−18、Triton(商標)CF−10、Pluronic(登録商標)L−62、およびNIB。
【0060】
[実施例16]
実施例14および15の界面活性剤(例えば、Pluronic(登録商標)25−R−2(100%)、Pluronic(登録商標)SLF−18(100%)、Triton(商標)DF−12(100%)、「High Foam」とTriton(商標)DF−12を2:3の比で混合したもの、「High Foam」とNIBを1:4の比で混合したもの、およびNIB)はそれぞれ、市販の空気スクラバーで別々に使用される。別々の試験において、界面活性剤はそれぞれ、市販の空気スクラバーに直接導入され、それにかけられる。例えば、Triton(商標)DF−12(100%)を市販の空気スクラバーに直接導入し、120ppmで一定時間それにかける。それは、空気スクラバーを清浄し、かつ/または悪臭を低減するものと予想される。これらの特性を、4時間にわたって、かつ2週間後に監視した。界面活性剤はそれぞれ、一般に100〜150ppm、特に120ppmで行われる。
【0061】
Plurafac(登録商標)LF−403(100%)は、市販の空気スクラバーに直接導入し、120ppmで一定時間それにかけることができる。それは、空気スクラバーを清浄し、かつ/または悪臭を低減するものと予想される。
【0062】
実施例14からの各界面活性剤、およびPlurafac(登録商標)LF−403(100%)は、ReNew A(Diversey、Sturtevant,WI)と組み合わせて使用することもでき、この場合80ppmの成分と250ppmのReNew Aで一定時間行われる。これは、空気スクラバーを清浄し、かつ/または悪臭を低減するものと予想される。
【0063】
空気スクラバーの圧力低下の減少が測定されるのは、組成物が空気スクラバーを清浄するのに有効であるということを意味する。組成物はまた、比較的低起泡性であるとも予想される。泡高は、水レベルを超える泡についてcmで報告されることになる。圧力差、悪臭、泡高および/または清浄性は、1日目は1時間毎に、その後は2〜4時間毎に測定することができる。
【0064】
[実施例17]
低泡性界面活性剤の泡プロファイル
起泡は、5リットルの界面活性剤溶液をAutochlor低温皿洗い機中で1分間隔および5分間隔で再循環させることによって決定した。水溜め中の水レベルを超える泡高を、皿洗い機を止めた直後および1分後に測定した。簡潔には、Autochlor Model A4 Dish Machine、100mLのプラスチックビーカー、およびMettler PM4800天秤を使用した。プラスチック定規を、皿洗い機の水溜めに定規が水溜めの底部に触れるように配置し、固定した。皿洗い機に新たな水道水を充填し、1分間再循環させ、排出させることによって、皿洗い機をすすいだ。このすすぎを、3回または皿洗い機の水溜めに泡が存在しなくなるまで繰り返した。バケツに、所望の温度の水5Lを計量し、皿洗い機に添加した。水溜め中の水の温度および高さを記録した。水を再循環させ、水圧を記録した。水の再循環を止めると、試験製品を天秤で計量し、次いで混合することによって、100mLのビーカー中の水道水50mLに添加した。次いで、皿洗い機の水溜めに注ぎ込み、100mLのビーカーを、確実に製品が完全に移るように水溜めの水ですすいだ。水を皿洗い機中で1分間再循環した。水溜め中の水レベルを超える泡高を、0分および1分に記録した。泡が水溜めから溢れた場合、「上端を超える(over the top)」または「OT」と記録した。次いで、水を皿洗い機中で5分間再循環し、次いで再循環を止めた。水溜め中の水レベルを超える泡高を、0分および1分に記録した。泡が水溜めから溢れた場合、「上端を超える」または「OT」と記録した。皿洗い機から排水し、すすぎを行った。
【0065】
低泡性界面活性剤を、2つの基準に基づいて選択した:推定される清浄能力、および予測される低起泡特性。標準清浄非イオン性物質(Neodol(商標)23−6.5)も、参照として使用するために、かつ低泡性界面活性剤とブレンドして、ブレンドされた材料が所望の清浄/起泡プロファイルを有するかどうかを理解するために選択された。選択された界面活性剤は主に、以下に示すアルコキシ化アルコールのカテゴリーに入るものであり、括弧内に1%溶液の曇り点を記載した:
・Plurafac(登録商標)(脂肪アルコールアルコキシラート)→LF−400(33℃)、LF−403(41℃)、LF−101(12℃)
・Pluronic(登録商標)(EO/POブロックコポリマー)→25−R−2(29℃)、N−3(30℃)、L−61(17℃)、L−62(24℃)
・Triton(商標)(キャッピングされたアルコキシラート)→CF−10(28℃)、CF−32(25℃)、DF−12(17℃)、SLF−18(19℃)
・Neodol(商標)(直鎖状アルコールエトキシラート)→23−6.5(41℃)
【0066】
選択された界面活性剤とReNew A(OO)を、60ppmの界面活性剤および170ppmのReNew Aの最終濃度となるように組み合わせた。Neodol(商標)23−6.5(ASCB)を、非低泡性界面活性剤の対照として使用した。結果を図6および7に示す。図中、指示された8cmは水溜めの上端であり、泡が水溜めから溢れ出たことを表した。
【0067】
最良の性能を示す低泡性界面活性剤は、Triton(商標)DF−12と、続いてPlurafac(登録商標)LF−403およびPlurafac(登録商標)LF−101(図8、9、および10)であった。初期の泡高はよく抑制されており、経時的に高まることはなかった。泡は、再循環を止めて1分後に見られた急速な崩壊によって実証されたように、安定なものではなかった。これらは、Neodol(商標)23−6.5に対して顕著な改良であった。
【0068】
この一群を、12℃を含めて、空気スクラバーを運転する可能性がある温度範囲にわたってさらに試験した。Triton(商標)DF−12の曇り点が17℃であることを考えれば、泡が12℃で顕著に増大したことは驚くべきことではなかった。泡が最終的に高まって、溢れ出るには、まるまる5分間の再循環が必要であり、経時的に崩壊し続け、完全に崩壊するには、再循環を停止してから約3分間かかった。Plurafac(登録商標)LF−403は、泡が大きな問題となった12℃の場合を除いてよい性能を示し、Triton(商標)DF−12と同様であった。空気スクラバーの温度を20℃以上に維持することができれば、Plurafac(登録商標)LF−403は、泡制御に対するよい選択肢となり得る。Plurafac(登録商標)LF−101は、40℃において優れた性能を示し、本質的に全く泡が形成されなかった。これら3種類はすべて、その性能が、起泡の点から低泡性界面活性剤として使用するのに許容できるものと考えられる。
【0069】
次に、Triton(商標)DF−12、Plurafac(登録商標)LF−403、およびPlurafac(登録商標)LF−101について、Neodol(商標)23−6.5と等しい部で混合したとき泡を制御することができるかどうかを調べる試験をした。結果を図11に示す(ASCB、Neodol(商標)23−6.5)。Neodol(商標)23−6.5と等しい部で混合したとき、比較的高温の30℃においてさえ、いずれも泡を制御することができなかった。
【0070】
次に、低泡性界面活性剤単独の泡特性を試験し、結果を図12に示す(ASCB、Neodol(商標)23−6.5)。泡を制御するのが最も困難な温度は12℃であったので、この温度を使用して、低泡の一群を選別した。Triton(商標)DF−12、Plurafac(登録商標)LF−403、およびPlurafac(登録商標)LF−101を、良好な清浄界面活性剤であると予測された他の3つの候補に加えて使用した。Triton(商標)DF−12は、優れた泡制御をもたらした。Pluronic(登録商標)25−R−2およびTriton(商標)SLF−18は泡を形成したが、その泡は撹拌を止めた後非常に急速に崩壊するものであった。選別された低泡性界面活性剤の泡による総合ランクを、表3に示した。
【表3】
【0071】
低泡性界面活性剤の清浄能力
ASTM D4488標準清浄方法のA6汚染方法を使用して、様々な界面活性剤系の清浄性能を決定した。簡潔には、Armstrongビニルコンポジションタイル(Armstrong vinyl composition tile)を、50部のストッダード溶剤、10部の鉱油、4部の植物油、4.5部のカーボンブラック、および10部のブラックチャームクレー(black charm clay)の混合物で汚染した。タイルを50℃で1時間焼き付け、Precision Force Applicator In−Line Testerで清浄した。汚れ除去率は、Minolta CR−410 Chroma−meterを用いて決定した。A6汚れを調製するために、50部のストッダード溶剤、10部の鉱油、4部の植物油、4.5部のカーボンブラック、および10部のブラックチャームクレーを混合した。各重量部を混合すると、合計78.5部になった。マグネチックスターラーで終夜混合し、次いで使用する前に少なくとも2分間混合した。汚れを適用するために、タイルを、裏側を上向きにし、きめを同じ方向にしてベンチに置いた。ブラシを下塗りするための余分なタイルを含めた。汚れは、すべてのタイルを汚染するまで連続的に混合した。まず、余分なタイルを汚染して、ブラシを下塗りした。次いで、このタイルを廃棄した。12インチ×12インチのタイル1枚毎に新しいチップを使用して、Fisherbrand(登録商標)Finnpipette(登録商標)10mLピペッターを用いて、3.00mLの汚れを適用した。汚れをタイルの裏側全体に(中心から始めて、大きならせんを描いて)適用して、タイルをできる限り被覆した。2インチのナイロンブラシを使用して、汚れを均等にタイル全体に延展した。汚れが滑らかにかつ容易に延展できるように、使用する前にブラシの毛をミネラルスピリットに浸し、ブラシの水気を紙タオルで拭き取った。汚れをタイル全体に縦に、次いで横に延展し、タイルが均一にかつ完全にコーティングされるまで続けた。タイルのきめはもはや見えなくなったが、きめを同じ方向にしてタイルを配置したのできめの方向はわかった。汚れを、室温で20分間乾燥した。タイルを50℃のオーブンに入れて、1時間硬化した。タイルを迅速に取り出し、室温で少なくとも20分間、平面上で放冷した。予備試験調製では、CR−410用の白色校正板(No.20733134)を使用して、Minolta Chroma−meterを校正した。タイルを、タイルの長さがタイルのきめ(ブラシづかいによって見られる)と一致するように4インチ×12インチの細片に切断した。これは、清浄がすべて、きめと一致して行われるようにするためであった。各細片に標識を付け、PMMA読取テンプレートを使用して、9回読み取った。清浄用試料を、室温の水道水で所望の濃度に希釈した。フリースを4インチ×12インチの細片に切断した(タイル細片1枚に付きフリース細片1枚)。汚染されたVCTタイルを清浄するために、PAIプログラムおよびPFA In−Line Testerを使用した。切断したフリース1枚(4インチ×12インチ)を、プラスチックブロックの縦方向に巻いて、PFAブロックホルダーに入れた。PMMAテンプレートを備えた金属トレーをPFA機械上のトレーホルダーに入れ、4インチ×12インチの汚染されたタイルをプラスチックのテンプレートに入れた。タイル細片1枚に付き、新しいフリースを1枚使用した。200gの希釈清浄剤を、汚染されたタイルが入っているトレーに注ぎ込み、したがってタイルが清浄溶液で完全に覆われた。タイルを30秒間浸漬させた。テンプレートを押し下げて、気泡を追い出し、したがってブロックが、タイルおよびテンプレートの上を滑らかに動くことになった。浸漬時間が約10秒残っているときに、PFA機械上の上部ホイールを回すことによって、圧力を5ポンドに調整した。浸漬時間が終わると、そのとき10サイクルが完了した。タイル細片を金属トレーから取り出し、冷水ですすいだ。タイルを風乾させた。次の試料に続ける前に、金属トレー、PMMAテンプレート、およびブロックをすすいだ。すべての試料について実施し、乾燥したら、Minolta CR−410およびPMMA読取テンプレートを使用して、各タイル細片を再度読み取った。汚染されたものの読取値(Ys)および清浄されたものの読取値(Yc)を記録し、下記の数式を用いて、汚れ除去率(%)を決定した:
【数2】
【0072】
上述された起泡試験からの最良の候補を、清浄性能について選別した。これらを、全界面活性剤0.5%のスケールで、Neodol(商標)23−6.5、ならびに170ppmのReNew Aおよび80ppm Neodol(商標)23−6.5の組成物と比較した。こうして行ったのは、100%のレベルであれば、A6汚れ除去試験で何ら違いが現れないことになるからである。低泡性界面活性剤は0.5%および1%で行って、好適な範囲がカバーされていることが確認された。結果を図13に示す(OO、ReNew A;ASCB、Neodol(商標)23−6.5)。
【0073】
Triton(商標)DF−12の2つの希釈液(0.5%および1%)は、170ppmのReNew Aと80ppmのNeodol(商標)23−6.5、およびNeodol(商標)23−6.5単独を含めて、他の系のどれよりも統計的によい清浄性をもたらした(図14)。Triton(商標)DF−12は、他の2つの低泡性界面活性剤(Pluronic(登録商標)25−R−2およびTriton(商標)SLF−18)より、性能が明らかに大差で優れていた。
【0074】
次のステップは、ReNew Aと組み合わせたとき、Triton(商標)DF−12がどのように性能を示すかを調査することであった。Triton(商標)DF−12の曇り点は17℃である。清浄性能は、温度が曇り点をはるかに超えた場合、損なわれることがある。したがって、この一連の試験を、活性界面活性剤(active surfactant)0.7%という固定された濃度および異なる2つの温度;20℃および40℃(空気スクラバー運転温度の公称温度および上端の温度)で行った。結果を図15に示す(OO、ReNew A;ASCB、Neodol(商標)23−6.5)。
【0075】
1:4のReNew A/Neodol(商標)23−6.5系は、ReNew A/Triton(商標)DF−12の組合せと統計的に同様の性能を示した(図16)。1:4のReNew A/Triton(商標)DF−12系はまた、Triton(商標)DF−12とReNew Aの試験された3つの比のうちで最良の性能も示した。
【0076】
実験室における試験で、Triton(商標)DF−12は、ReNew Aを用いた場合と用いない場合の両方で、12℃から40℃の温度範囲にわたって最良の泡制御を示した。試験された低泡性界面活性剤は、直鎖状アルコールエトキシラートなどの標準非イオン性物質を添加すると、いずれも泡を制御することができなかった。試験された次善の選択肢は、Plurafac(登録商標)LF−403であった。
【0077】
清浄性能試験から、Triton(商標)DF−12は、試験された他の低泡性界面活性剤のどれよりも優れた性能を示すことがわかった。Triton(商標)DF−12は、別の試験から、Renew Aと1:4の活性界面活性剤比(active surfactant ratio)で組み合わせて1組にしたとき最適性能を実現したことが示唆された。
【0078】
[実施例18]
170ppmのReNew A(Diversey、Sturtevant,WI)および80ppmのTriton(商標)DF−12を含む組成物を、少なくとも1台の市販の湿式空気スクラバー中で約2〜4か月間使用した。クエン酸を使用して、空気スクラバー中の組成物のpHを約pH7.6に維持し、温度を約40℃未満に維持した。低泡から無泡という申し分ない泡レベルが維持された。
【0079】
したがって、本発明は、とりわけ湿式空気スクラバーを清浄および運転するための組成物を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿式空気スクラバーを運転する方法であって、
(a)湿式空気スクラバーに、水と成分Aおよび成分Bの少なくとも一方とを含む組成物を添加することであって、
(i)成分Aが、
(1)両性界面活性剤;および
(2)酵素
を含み、
(ii)成分Bが、
(1)洗浄性界面活性剤および消泡剤、
(2)キャッピングされたアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、脂肪アルコールアルコキシラート、エチレンオキシド(EO)含有非イオン性界面活性剤、アルコキシ化アミン、アミン界面活性剤、低曇り点非イオン性界面活性剤、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの低泡性界面活性剤;および
(3)(ii)(1)と(ii)(2)の組合せ;
のうちの少なくとも1つを含むこと;
(b)pH制御剤を組成物に添加して、約6から約9のpHを維持すること;および
(c)水温を約50℃未満に維持すること
を含む方法。
【請求項2】
組成物が、キャッピングされたアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、および脂肪アルコールアルコキシラートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
pH制御剤が酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
酸がクエン酸を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
組成物が成分Aを含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
組成物が成分Aを含み、界面活性剤が両性イオンを含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
組成物が成分Aを含み、成分Aの界面活性剤が、成分Aの約5から15重量%で2つの両性界面活性剤を含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
組成物が成分Aを含み、酵素が、アミラーゼ、プロテアーゼ、およびリパーゼのうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
組成物が、成分Aおよび成分Bを含む、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
成分Aおよび成分Bが、湿式空気スクラバーにおいて約1ppmから約400ppmの総濃度になるまで添加される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
成分Aおよび成分Bが、湿式空気スクラバー中に約1:2から約1:6の比で存在する、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
成分Aおよび成分Bが、湿式空気スクラバー中に約1:4の比で存在する、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
組成物が成分Bを含む、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
成分Bが、約8から約14のHLBを有する界面活性剤を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
組成物が成分B(1)を含む、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
成分B(1)が、HLBが約8から約14になるような比で組み合わされた第一級アルコールエトキシラートおよび第二級アルコールエトキシラートのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
組成物が成分B(2)を含む、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
成分B(2)が、キャッピングされたアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、脂肪アルコールアルコキシラート、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
組成物が消泡剤を含む、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
機械的消泡物を用いて、組成物を消泡することをさらに含む、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
組成物が洗浄性界面活性剤を含む、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
組成物が、キャッピングされたエトキシラート;EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー;エチレンオキシド誘導体;アルコールエトキシラート;および低泡性界面活性剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
組成物が成分Bを含み、成分Bがキャッピングされたアルコキシラートを含む、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
組成物が成分Bを含み、成分BがEO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマーを含む、請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
組成物が成分Bを含み、成分Bが脂肪アルコールアルコキシラートを含む、請求項1乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
組成物が成分Bを含み、成分Bがアルコールエトキシラートを含む、請求項1乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
組成物が成分Bを含み、成分Bがキャッピングされたアルコールエトキシラートを含む、請求項1乃至26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
湿式空気スクラバーを運転する方法であって、
(a)湿式空気スクラバーに、水と成分Aおよび成分Bの少なくとも一方とを含む組成物を添加することであって、
(i)成分Aが、
(1)両性界面活性剤;および
(2)酵素
を含み、
(ii)成分Bが、
(1)洗浄性界面活性剤および消泡剤、
(2)キャッピングされたアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、脂肪アルコールアルコキシラート、エチレンオキシド(EO)含有非イオン性界面活性剤、アルコキシ化アミン、アミン界面活性剤、低曇り点非イオン性界面活性剤、およびそれらの組合せから選択される少なくとも1つの低泡性界面活性剤;および
(3)(ii)(1)と(ii)(2)の組合せ;
のうちの少なくとも1つを含むこと;
(b)pH制御剤を組成物に添加して、約6から約9のpHを維持すること;および
(c)水温を約50℃未満に維持すること
を含む方法。
【請求項2】
組成物が、キャッピングされたアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、および脂肪アルコールアルコキシラートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
pH制御剤が酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
酸がクエン酸を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
組成物が成分Aを含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
組成物が成分Aを含み、界面活性剤が両性イオンを含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
組成物が成分Aを含み、成分Aの界面活性剤が、成分Aの約5から15重量%で2つの両性界面活性剤を含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
組成物が成分Aを含み、酵素が、アミラーゼ、プロテアーゼ、およびリパーゼのうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
組成物が、成分Aおよび成分Bを含む、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
成分Aおよび成分Bが、湿式空気スクラバーにおいて約1ppmから約400ppmの総濃度になるまで添加される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
成分Aおよび成分Bが、湿式空気スクラバー中に約1:2から約1:6の比で存在する、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
成分Aおよび成分Bが、湿式空気スクラバー中に約1:4の比で存在する、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
組成物が成分Bを含む、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
成分Bが、約8から約14のHLBを有する界面活性剤を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
組成物が成分B(1)を含む、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
成分B(1)が、HLBが約8から約14になるような比で組み合わされた第一級アルコールエトキシラートおよび第二級アルコールエトキシラートのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
組成物が成分B(2)を含む、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
成分B(2)が、キャッピングされたアルコキシラート、EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー、脂肪アルコールアルコキシラート、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
組成物が消泡剤を含む、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
機械的消泡物を用いて、組成物を消泡することをさらに含む、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
組成物が洗浄性界面活性剤を含む、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
組成物が、キャッピングされたエトキシラート;EO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマー;エチレンオキシド誘導体;アルコールエトキシラート;および低泡性界面活性剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
組成物が成分Bを含み、成分Bがキャッピングされたアルコキシラートを含む、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
組成物が成分Bを含み、成分BがEO/PO(エチレンオキシド基/プロピレンオキシド基)ブロックコポリマーを含む、請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
組成物が成分Bを含み、成分Bが脂肪アルコールアルコキシラートを含む、請求項1乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
組成物が成分Bを含み、成分Bがアルコールエトキシラートを含む、請求項1乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
組成物が成分Bを含み、成分Bがキャッピングされたアルコールエトキシラートを含む、請求項1乃至26のいずれか1項に記載の方法。
【図14】
【図16】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【公表番号】特表2013−503041(P2013−503041A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527976(P2012−527976)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/047344
【国際公開番号】WO2011/026114
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(398061050)ディバーシー・インコーポレーテッド (101)
【住所又は居所原語表記】8310 16th Street,Sturtevant,Wisconsin 53177−0902,United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/047344
【国際公開番号】WO2011/026114
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(398061050)ディバーシー・インコーポレーテッド (101)
【住所又は居所原語表記】8310 16th Street,Sturtevant,Wisconsin 53177−0902,United States of America
【Fターム(参考)】
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