説明

漏洩検知装置

【課題】給油所の地下タンクにおける漏洩発生の判断を容易かつ正確に行うとともに、タンクローリから受け入れる燃料油の気化の影響を受けることもない漏洩検知装置を提供する。
【解決手段】地下タンク2に付設された油面計3の測定値に基づいて算出された、地下タンク内の燃料油の在庫量を記憶する在庫量記憶手段7bと、油面計で計測された、地下タンクへの燃料油の受入量を記憶する受入量記憶手段7dと、地下タンクへの燃料油の受入時に発生した燃料油の気化分を回収する液化回収装置8からの回収量を記憶する回収量記憶手段7eと、地下タンクに接続された計量機5からの給油量を記憶する給油量記憶手段7cと、各記憶手段に記憶されたデータを自動集計するデータ自動集計手段7fと、データ自動集計手段によって集計されたデータに基づいて地下タンクの漏洩の有無を判断する漏洩判断手段7jとを備える漏洩検知装置1等。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏洩検知装置に関し、特に、給油所において地下に埋設した貯油タンク(以下、「地下タンク」という)からの燃料油の漏洩を検知する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、給油所においては、円筒状の密閉容器として形成された複数の地下タンクを埋設し、これらの地下タンク内にタンクローリからガソリン、軽油、灯油等の燃料油を受け入れて個別に貯留している。そして、給油所員によって、油面計により計測される地下タンク内の在庫量(液量)と、計量機により計測される給油量(販売量)と、タンクローリからの荷卸量(受入量)とを漏洩検査点検表に記載し、当日の在庫量−(前日の在庫量+荷卸量−販売量)により燃料油の在庫増減量を算出し、この在庫増減量に基づいて地下タンクにおいて漏洩が発生しているか否かを判断していた。
【0003】
また、上記油面計により計測される液面データから地下タンク内の在庫量を算出するにあたり、特許文献1には、計量機での各回の給油作業終了時の給油量を積算し、積算値が所定値を超えた段階で、積算値と、このときの液面検出手段からの液面とを格納する第1の記憶手段と、タンクの液面が外部からの補給により上昇した段階で第1の記憶手段のデータにより各液面毎の液量を当該時点での液量を零とした相対液量で算出して暫定テーブルを作成し、補完演算により基準データに対応する補正データを作成して基準データを更新するテーブル変換手段とを備え、信頼性の高い補正データを得てから校正を実行する給油装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3603958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の給油装置等を用いて地下タンク内の在庫量に関し信頼性の高いデータを得たとしても、給油所員が各データを漏洩検査点検表に記載して地下タンクの漏洩の発生を判断していたため、漏洩発生の判断に手間が掛かるとともに、記載漏れなどにより正確な判断ができない虞もあった。
【0006】
また、タンクローリから燃料油を受け入れる際、燃料油の気化により、予定された荷卸量と実際の受入量との間に差異が生じる欠減によって上記漏洩検査点検表に誤差が生じ、この誤差が地下タンクからの漏洩の判断に影響を与え、正確な判断を行う上で障害になっていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の技術に鑑みてなされたものであって、給油所の地下タンクにおける漏洩発生の判断を容易かつ正確に行うことができ、タンクローリから受け入れる燃料油の気化の影響を受けることもない漏洩検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、漏洩検知装置であって、地下タンクに付設された油面計の測定値に基づいて算出された、該地下タンク内の燃料油の在庫量を記憶する在庫量記憶手段と、前記油面計で計測された、前記地下タンクへの燃料油の受入量を記憶する受入量記憶手段と、前記地下タンクへの燃料油の受入時に発生した該燃料油の気化分を回収する液化回収装置からの回収量を記憶する回収量記憶手段と、前記地下タンクに接続された計量機からの給油量を記憶する給油量記憶手段と、前記各記憶手段に記憶されたデータを自動集計するデータ自動集計手段と、該データ自動集計手段によって集計されたデータに基づいて前記地下タンクの漏洩の有無を判断する漏洩判断手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
そして、本発明によれば、データ自動集計手段によって、地下タンク内の燃料油の在庫量、燃料油の受入量、燃料油の気化分の回収量、計量機からの給油量を自動集計するため、漏洩発生の判断を迅速かつ容易に行うことができるとともに、記載漏れがなくなり常に正確な判断を行うことができる。また、受入時に発生した燃料油の気化分を回収して漏洩発生の判断に利用するため、予定された荷卸量と実際の受入量との間に差異が生じる欠減による影響を受けることなく、漏洩発生を正確に判断することができる。
【0010】
上記漏洩検知装置において、前記データ自動集計手段は、予め設定された時刻に所定の要件を満たす場合にのみ前記各記憶手段に記憶されたデータを自動集計することができる。これによって、例えば、1日に1回漏洩発生の有無を判断することなどが可能となり、より正確に漏洩発生を検知することができる。
【0011】
上記漏洩検知装置において、前記漏洩判断手段は、前記データ自動集計手段によって集計された燃料油の受入量、計量機からの給油量及び液化回収装置からの回収量を用いて算出された計算在庫量と、前記在庫量記憶手段に記憶された実在庫量との差異を在庫増減量とした場合に、所定期間の在庫増減量が所定の値を超える場合には、該地下タンクに漏洩が生じていると判断することができ、所定期間を比較的短い期間とし、所定の値を比較的大きな値とすることで、大規模な漏れの発生を検知することができる。
【0012】
また、前記漏洩判断手段は、前記所定期間の在庫増減量が前記所定の値を超えないが、該所定の値よりも小さい第2の所定の値を超える場合が、連続する複数の前記所定期間の各々の期間に生じた場合には、該地下タンクに漏洩が生じていると判断することができ、中規模の漏れの発生を検知することができる。
【0013】
さらに、前記漏洩判断手段は、前記所定期間の在庫増減量が前記第1の所定の値を超えず、前記第2の所定の値を超える場合が、連続する複数の前記所定期間の各々の期間に生じないが、前記所定期間より長い第2の所定期間における前記所定期間の在庫増減量の累計が前記第2の所定の値より小さい第3の所定の値を超える場合には、該地下タンクに漏洩が生じていると判断することができ、所定期間を比較的長い期間とし、所定の値を比較的小さな値とすることで、小規模の漏れの発生を検知することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、給油所の地下タンクにおける漏洩発生の判断を容易かつ正確に行うことができるとともに、タンクローリから受け入れる燃料油の気化の影響を受けることもない漏洩検知装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかる漏洩検知装置の一実施の形態を説明するための概略図である。
【図2】本発明にかかる漏洩検知装置の一実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図3】液化回収装置の構成を説明するための概略図である。
【図4】本発明にかかる漏洩検知装置のデータの自動集計動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明にかかる漏洩検知装置の漏洩検知動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明にかかる漏洩検知装置の一実施の形態を示し、この漏洩検知装置1は、地下に埋設され油種毎に燃料油を貯留する地下タンク2(2A〜2C)からの漏洩を検知するために備えられ、地下タンク2に付設され、地下タンク2内の液量を計測する油面計3(3A〜3C)と、漏洩検知の対象となる地下タンク2の油面計3からの液位データを切り換える切換装置4と、給油ノズルを有し、地下タンク2内に貯留される燃料油の給油を行うための計量機5(5A〜5C)と、販売データ管理を行うために備えられ、計量機5の給油量(販売量)等を記憶するPOS端末6と、切換装置4とPOS端末6との間に配置される屋内液量管理装置(以下、「液量管理装置」という)7と、タンクローリから燃料油を地下タンク2内に受け入れる際の燃料油の気化分(以下、「ベーパ」という)を回収する液化回収装置8等で構成される。
【0018】
油面計3は、図2に示すように、地下タンク2内に貯留される燃料油の液位を計測する液位計測手段3aと、液位計測手段3aにより計測された液位データを液量データに変換する液量変換手段3bと、液位計測手段3aにより計測された液位データに基づいて液位の上昇を検知する液位上昇検知手段3cとを備える。
【0019】
液位上昇検知手段3cは、液位の上昇を検知した際に、燃料油の受入が開始されたと判断し、後述の液化回収装置8に対して受入開始信号を送信するとともに、液位計測手段3a及び液量変換手段3bを用いて、液位が上昇してから液位の上昇が停止するまで受入量を計測し、液位の上昇が停止すると、液化回収装置8に受入終了信号を送信する。尚、上記計測された受入量は、油面計3を用いて計測したものであり、タンクローリ側で計測した荷卸量とは一致しない。
【0020】
切換装置4は、油面計3及び液量管理装置7とデータの送受信を行うための入出力手段4aと、データの送受信を行う油面計3(3A〜3C)からの信号を切り換える信号切換手段4bとを備える。
【0021】
計量機5は、燃料油を供給するための給油所機器の一つであり、給油ノズルの掛け外しを検出するノズルスイッチ(SW)5aと、給油量を計数するための流量計に設けられるパルス発振器5bと、パルス発振器5bからの流量パルスを計数することにより給油量を算出する計測手段5cとを備える。
【0022】
POS端末6は、販売データ等を管理するために備えられ、標準情報通信網を構成するラインを介して計量機5及び液量管理装置7に接続される。このPOS端末6は、計量機5の計測手段5cによって計測された給油量(販売量)を記憶する給油量記憶手段6aと、給油所を利用する顧客の情報を記憶する顧客情報記憶手段6bとを備える。
【0023】
液量管理装置7は、計時手段7aと、油面計3からの液量(在庫量)データを記憶する在庫量記憶手段7bと、POS端末6の給油量記憶手段6aに記憶される給油量データを記憶する給油量記憶手段7cと、油面計3からの受入量データを記憶する受入量記憶手段7dと、後述の液化回収装置8によるベーパの回収量データを記憶する回収量記憶手段7eと、在庫量記憶手段7b、給油量記憶手段7c、受入量記憶手段7d及び回収量記憶手段7eに記憶されるデータを自動集計するデータ自動集計手段7fと、データ自動集計手段7fによりデータの集計が行われた時間、及びデータ集計を行うべき時間を記憶するデータ集計時間記憶手段7gと、データ自動集計手段7fにより算出された燃料油の在庫増減量、在庫増減率を各々記憶する在庫増減量記憶手段7h及び在庫増減率記憶手段7iと、在庫増減量記憶手段7h及び在庫増減率記憶手段7iに記憶された燃料油の在庫増減量、在庫増減率等に基づいて地下タンク2に漏洩が発生しているか否かを判断する漏洩判断手段7jと、漏洩判断手段7jにより漏洩が発生していると判断された場合等に警報等を発する報知手段7kと、各種データを各々表示、印字する表示手段7l及び印字手段7mとを備える。尚、在庫増減量等に基づいて地下タンク2の漏洩を判断するのは、地下タンク2に亀裂等が入って地下タンク2内の燃料油が外部に漏れる場合と、逆に、地下タンク2内に地下水等が侵入する場合とがあるからである。
【0024】
液化回収装置8は、図3に示すように、タンクローリ30から燃料油を地下タンク2内に受け入れる際の燃料油のベーパを回収するために設けられ、通気管31及び取付部32を介してタンクローリ30のタンク内部に連通する回収ライン11と、ポンプ12と、凝縮器13と、高濃度化装置14と、圧力調整弁15と、戻し弁16と、戻しライン17等を備える。この構成により、タンクローリ30からの燃料油の荷卸時に発生したべーパを、取付部32、通気管31及び回収ライン11を介してポンプ12によって吸引し、凝縮器13で凝縮させ、凝縮した燃料油を戻しライン17を介して地下タンク2に戻すとともに、凝縮器13から排出されたベーパを高濃度化装置14において高濃度にして凝縮器13に循環させ、べーパを回収した後の空気を圧力調整弁15を介して大気に放出する。この液化回収装置8は、各地下タンク2(2A〜2C)毎に設置することも可能であるが、例えば、レギュラーガソリンを貯留する地下タンクと、ハイオクガソリンを貯留する地下タンクに共通して1台設置し、回収物をレギュラーガソリン用の地下タンクに戻すようにしてもよい。
【0025】
また、液化回収装置8は、図2に示すように、油面計3の液位上昇検知手段3cからの受入開始信号を受信した際に、液化回収装置8を駆動するための機器駆動手段8aと、ベーパの回収量を計測する回収量計測手段8bとを備える。
【0026】
次に、上記構成を有する漏洩検知装置1のデータ集計動作について、図4を中心に図1〜図3を参照しながら説明する。
【0027】
まず、データ集計動作を行うにあたって、タンクローリからの燃料油の受入から1時間経過したか否かを、液量管理装置7の計時手段7a及び受入量記憶手段7dによって判断し、1時間経過している場合には(ステップS1:Yes)、計量機5が給油中であるか否かを判断する。燃料油の受入から1時間経過していない場合(ステップS1:No)、及び計量機5が給油中である場合には(ステップS2:Yes)、地下タンク2内の液位が不安定であり、安定したデータを得ることができないため、データ集計動作を中止する。
【0028】
一方、燃料油の受入から1時間経過し(ステップS1:Yes)、計量機5が給油中でない場合には(ステップS2:No)、地下タンク2内の液位が安定しているものと判断し、液量管理装置7において、計時手段7aとデータ集計時間記憶手段7gによりデータ集計時刻であるか否かを判断する。そして、データ集計時刻であると判断された場合には(ステップS3:Yes)、現在の在庫量として、油面計3からの現在の液量データを切換装置4を介して受信し、在庫量記憶手段7bに記憶する(ステップS4)。
【0029】
次に、POS端末6の給油量記憶手段6aに記憶される前回の集計終了後から現在までの給油量データを受信して給油量記憶手段7cに記憶する(ステップS5)。そして、前回集計終了後から現在までの間に燃料油の受入があった場合には、油面計3から切換装置4を介して受入量データを受信して受入量記憶手段7dに記憶するとともに(ステップS6)、液化回収装置8の回収量計測手段8bからの回収量も回収量記憶手段7eに記憶する(ステップS7)。
【0030】
上記のようにして得られた在庫量、給油量、受入量及び回収量をデータ自動集計手段7fによって集計し(ステップS8)、後述の漏洩検知動作へ移行する。
【0031】
一方、データ集計時刻でない場合には(ステップS3:No)、油面計3の液位上昇検知手段3cにおいて、液位が上昇しているか否か、すなわち燃料油の受入が行われているか否かを判断し、受入が行われていると判断された場合には(ステップS9:Yes)、液位上昇検知手段3cから液化回収装置8の機器駆動手段8aに対して受入開始信号が送信され、液化回収装置8において、液化回収とベーパの回収量の計測を行う(ステップS10)。尚、液化回収した燃料油は、地下タンク2に戻される。
【0032】
そして、液位上昇検知手段3cにおいて、液位の上昇が終了したか否か、すなわち燃料油の受入が終了したか否かを判断し、受入が終了したと判断された場合には(ステップS11:Yes)、液化回収動作及び回収量の計測を終了するとともに、計測した回収量を液量管理装置7の回収量記憶手段7eに記憶する(ステップS12)。尚、上記データ集計動作は、少なくとも1日毎に行うことが好ましい。
【0033】
次に、上記構成を有する漏洩検知装置1の漏洩検知動作について、図5を中心に図1〜図3を参照しながら説明する。尚、漏洩検知動作は、上記集計動作終了後に行い、少なくとも1日毎に行う。
【0034】
上記集計動作により得られた在庫量、給油量、受入量及び回収量の各々を、液量管理装置7の各記憶手段7b〜7eから読み込み(ステップS21〜S24)、データ自動集計手段7fにおいて、当日の在庫量−(前日の在庫量+受入量+回収量−給油量)により在庫増減量を算出し、在庫増減量記憶手段7hに記憶する。また、データ自動集計手段7fにて毎日、(在庫増減量記憶手段7hに記憶されている在庫増減量の累計)÷(給油量記憶手段に記憶されている給油量の累計)を算出し、在庫増減率記憶手段7iに記憶する。
【0035】
次に、在庫増減量記憶手段7hに記憶した1日単位の燃料油の在庫増減量が、異常であるか否かを漏洩判断手段7jによって判断し、例えば、燃料油が1000リットル以上も減少している場合には(ステップS26:Yes)、大量の漏れが発生していると判断し、報知手段7kを介して異常ガイダンスを出力したり(ステップS27)、表示手段7lを介して異常LEDを点灯させたり(ステップS28)、さらには、印字手段7mを介して異常プリントを出力することにより(ステップS29)、作業員に異常を報知する(以下、これらを「異常報知動作」という)。
【0036】
一方、1日の在庫増減量が1000リットル未満である場合には(ステップS26:No)、燃料油が100リットル以上減少しているか否かを判断し、100リットル以上減少している場合には(ステップS30:Yes)、さらに、この減少が3日間継続して生じているか否かを判断し、3日間継続して減少している場合には(ステップS31:Yes)、中量の漏れが発生していると判断して上記異常報知動作を行う。
【0037】
一方、1日の在庫増減量が100リットル未満である場合(ステップS30:No)、及び100リットル以上の減少が3日間継続して生じていない場合には(ステップS31:No)、在庫増減率記憶手段7iに記憶した、前記在庫増減量の累計÷給油量の累計の1ヶ月の累計在庫増減率が1%超えるか否かを判断する。
【0038】
累計在庫増減率が1%を超える場合には(ステップS32:Yes)、小量の漏れが発生していると判断し、上記異常報知動作を行う。また、累計在庫増減率が1%を下回る場合には(ステップS32:No)、漏洩は生じていないものと判断し漏洩検知を終了する。
【0039】
尚、上記実施の形態の漏洩検知動作における漏洩検知動作を行うインターバル、各種設定値は例示であって、各給油所の営業形態、地下タンク2の設置状況等に応じて適宜変更することができる。
【0040】
また、上記実施の形態においては、液量管理装置7の報知手段7k、表示手段7l及び印字手段7mによって異常報知動作を行うが、油面計3に表示手段及び印字手段を設けることにより、漏洩を検知した際に油面計3から上記異常報知動作を行うこともできる。
【符号の説明】
【0041】
1 漏洩検知装置
2(2A〜2C) 地下タンク
3(3A〜3C) 油面計
3a 液位計測手段
3b 液量変換手段
3c 液位上昇検知手段
4 切換装置
4a 入出力手段
4b 信号切換手段
5(5A〜5C) 計量機
5a ノズルスイッチ
5b パルス発振器
5c 計測手段
6 POS端末
6a 給油量記憶手段
6b 顧客情報記憶手段
7 液量管理装置
7a 計時手段
7b 在庫量記憶手段
7c 給油量記憶手段
7d 受入量記憶手段
7e 回収量記憶手段
7f データ自動集計手段
7g データ集計時間記憶手段
7h 在庫増減量記憶手段
7i 在庫増減率記憶手段
7j 漏洩判断手段
7k 報知手段
7l 表示手段
7m 印字手段
8 液化回収装置
8a 機器駆動手段
8b 回収量計測手段
11 回収ライン
12 ポンプ
13 凝縮器
14 高濃度化装置
15 圧力調整弁
16 戻し弁
17 戻しライン
30 タンクローリ
31 通気管
32 取付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下タンクに付設された油面計の測定値に基づいて算出された、該地下タンク内の燃料油の在庫量を記憶する在庫量記憶手段と、
前記油面計で計測された、前記地下タンクへの燃料油の受入量を記憶する受入量記憶手段と、
前記地下タンクへの燃料油の受入時に発生した該燃料油の気化分を回収する液化回収装置からの回収量を記憶する回収量記憶手段と、
前記地下タンクに接続された計量機からの給油量を記憶する給油量記憶手段と、
前記各記憶手段に記憶されたデータを自動集計するデータ自動集計手段と、
該データ自動集計手段によって集計されたデータに基づいて前記地下タンクの漏洩の有無を判断する漏洩判断手段とを備えることを特徴とする漏洩検知装置。
【請求項2】
前記データ自動集計手段は、予め設定された時刻に所定の要件を満たす場合にのみ前記各記憶手段に記憶されたデータを自動集計することを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知装置。
【請求項3】
前記漏洩判断手段は、前記データ自動集計手段によって集計された燃料油の受入量、計量機からの給油量及び液化回収装置からの回収量を用いて算出された計算在庫量と、前記在庫量記憶手段に記憶された実在庫量との差異を在庫増減量とした場合に、所定期間の在庫増減量が所定の値を超える場合には、該地下タンクに漏洩が生じていると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の漏洩検知装置。
【請求項4】
前記漏洩判断手段は、前記所定期間の在庫増減量が前記所定の値を超えないが、該所定の値よりも小さい第2の所定の値を超える場合が、連続する複数の前記所定期間の各々の期間に生じた場合には、該地下タンクに漏洩が生じていると判断することを特徴とする請求項3に記載の漏洩検知装置。
【請求項5】
前記漏洩判断手段は、前記所定期間の在庫増減量が前記第1の所定の値を超えず、前記第2の所定の値を超える場合が、連続する複数の前記所定期間の各々の期間に生じないが、前記所定期間より長い第2の所定期間における前記所定期間の在庫増減量の累計が前記第2の所定の値より小さい第3の所定の値を超える場合には、該地下タンクに漏洩が生じていると判断することを特徴とする請求項4に記載の漏洩検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−149830(P2011−149830A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11538(P2010−11538)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000151346)株式会社タツノ・メカトロニクス (167)
【Fターム(参考)】