説明

演算方法、演算プログラム、演算システム、演算装置

【課題】
路車間通信により通信ができない可能性がある車両に対しても通信を可能とするシステムを提供する。
【解決手段】
本演算方法は、二次電池の状態を演算する演算処理部を備えた演算装置に、二次電池の状態の第一の特微量を演算する第一の演算処理と、前記第一の手段と独立に、二次電池の状態の第二の特微量を演算する第二の演算処理と、前記第一の演算手段が算出した特微量と前記第二の演算手段が算出した特微量とから前記二次電池の状態を演算する二次電池状態演算処理と、を実現させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、二次電池の状態を演算する演算方法、演算プログラム、演算システム、演算装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池の状態は、環境温度、保存時間および充放電サイクル条件に大きく依存している。状態の演算(演算、算出)は、二次電池の監視、制御、保全の際に必要である。
【0003】
二次電池の状態の演算方法として、充放電サイクル数等の使用環境の計測値、満充電または完放電からの電流積算や、非充放電時の電圧、充放電開始時の電圧変化等のデータ検出を行い、状態を推定、演算する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011―75461
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらはどれも一つの情報から得られる情報をもとに演算や算出を行っている。したがって、状態を取得する機器の誤差が反映されやすくより高い精度の演算結果を出しにくい。
【0006】
本実施形態の演算方法、演算プログラム、演算システム、演算装置は、より正確に電池の状態を演算することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の演算方法は、二次電池の状態を演算する演算処理部を備えた演算装置に、
二次電池の状態の第一の特微量を演算する第一の演算処理と、前記第一の手段と独立に、二次電池の状態の第二の特微量を演算する第二の演算処理と、前記第一の演算手段が算出した特微量と前記第二の演算手段が算出した特微量とから前記二次電池の状態を演算する二次電池状態演算処理と、を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る演算システムのブロック図。
【図2】第1の実施形態に係る電池装置20の一例を示す図。
【図3】第1の実施形態に係る電圧と残容量の関係の一例を示す図。
【図4】第1の実施形態に係る演算システムの動作の一例を示す図。
【図5】第2の実施形態に係る演算システムのブロック図。
【図6】第2の実施形態に係る演算システムの動作の一例を示す図。
【図7】第3の実施形態に係る演算システムのブロック図。
【図8】第3の実施形態に係る演算システムの動作の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施態様について図面を参照しながら説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の演算システムの構成図である。
【0011】
図1に示す演算システムは、電池装置20の残容量の演算を行うコンピュータシステムである。本実施形態において、演算システムの構成要素の一つである演算装置10は、処理機能に応じて装置をLAN、イントラネット等の通信ネットワークを介して組み合わせた演算装置群で構成することができる。
【0012】
演算装置10は、CPU100と、RAM(RWM)110と、通信IF120と、入力IF130と、表示IF140と、ROM150と、記憶部160と、タイマ170を含む構成である。その他、USBメモリ等の外部記憶装置を装着するIF(インターフェース)を備えていてもよい。演算装置10は、プログラムを実行し演算するコンピュータである。
【0013】
演算装置10は、通信IF120を解して二次電池装置20から電流値、環境温度、などのデータを収集し、収集したデータを用いて各種特微量(例えば、平均値、偏差、ピーク値、微分値)の演算処理を行う。
【0014】
CPU100は、ROM150に予め書き込んだ各プログラムをRAM110に読み出し、演算処理を行う演算処理部(マイクロプロセッサ)である。CPU100は、機能に合わせて複数のCPU群で構成することができる。またCPU内にRAM機能をもった内蔵メモリを備えていてもよい。
【0015】
RAM(RWM)110は、CPU100がプログラムを実行するに際して使用する記憶エリアであって、ワーキングエリアとして用いられるメモリである。処理に必要なデータを一次記憶させるのに好適である。
【0016】
通信IF120は、二次電池装置とデータ授受を行う通信装置、通信手段である。たとえば、ルーターがある。本実施形態では通信IF20と二次電池装置20との接続は有線通信のごとく記載しているが、各種無線通信網に代替することができる。また、通信IF20と二次電池装置20との接続は一方向または双方向通信可能台数なネットワークを介して行われる形態であってもよい。
【0017】
入力IF130は、入力部130と演算装置10とを接続するインターフェースである。入力部131から送られてきた入力信号を変換しCPU100が認識可能な信号に変換する入力制御機能を有していても良い。本IFは端子等として必須の構成要素ではなく直接演算装置内の配線と接続されていてもよい。
【0018】
入力部131は、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボードやボタン等の入力制御を行う入力装置、入力手段である。その他、人の発する声を認識することにより、入力信号として認識または検出する機能を備えていてもよい。本実施形態では演算装置10の外部に設置しているが演算装置に組み込まれていている形態であってもよい。
【0019】
表示IF140は、表示部140と演算装置10とを接続するインターフェースである。CPU100から表示IF141を介して表示部130の表示制御がおこなわれてもよいし、グラフィックボードなど描画処理を行うLSI(GPU)により表示制御が行われてもよい。表示制御機能として例えば、画像データを復号化するデコード機能がある。IFを使用せず演算装置10内部に直接接続される形態であってもよい。
【0020】
表示部141は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどの出力装置、出力手段である。その他、音を発する機能を備えていてもよい。本実施形態では演算装置10の外部に設置しているが演算装置10に組み込まれていてもよい。
【0021】
ROM150は、残容量平均演算プログラム151と、残容量偏差演算プログラム152と、残容量演算プログラム153とを記憶するプログラムメモリである。データの書き込みはできない非一次記憶媒体を用いることが好適であるが、データの読み出し、書き込みが随時できる半導体メモリ等の記憶媒体であってもよい。その他、画像データを表示部141にて人が認識可能な文字や図柄を表示させる表示プログラムや、コンテンツを通信IF120を介して移動端末に配信させるプログラム、取得したデータを記憶部160に予め定められた時間毎に記憶させる登録プログラムなどが格納されていてもよい。
【0022】
残容量平均演算プログラム151は、計測値DB161に格納されている電流値[A]および測定間隔[h]を読み出し、残容量の平均[Ah]を演算する機能をCPU100に実現させる手段である。
【0023】
具体的には、次の数式11
残容量の平均[Ah]=Σ電流[A]×測定時間間隔[h] (数式11)
から求める。求めた値を、記憶部160に格納する。
【0024】
残容量偏差演算プログラム152は、計測値DB161に格納されている非充放電時の電圧値[V]を読み出し、残容量の偏差[Ah]を演算する機能をCPU100に実現させる手段である。
【0025】
具体的には、次の数式12
残容量の偏差[Ah]=電圧_残量容量の関係式から求められる残容量[Ah]
−電圧_残量容量の関係式から求められる残容量の平均値[Ah]
(数式12)
から求める。
【0026】
電圧_残量容量の関係式には、ネルンストの式を利用することができる(図3)。その他、電圧から残容量を求める式であってもよいし、予め電圧に対応する残容量を格納するテーブルから読み出す形態であってもよい。
【0027】
ここでいうネルンストの式とは、
電圧=標準電圧+係数×ln[SOC/(1−SOC)] (数式13)
であり、計測した電圧と予め定められる標準電圧と係数を代入することにより、残容量(SOC(state of charge))の値を定めることができる。求めた値を記憶部160に格納しても良い。できるだけ正確にSOCを求めることが望ましいが、ある程度の精度をもたせた近似値を用いてもよい。
【0028】
残容量演算プログラム153は、残容量平均演算プログラム151でもとめた残容量の平均値[Ah]および残容量偏差演算プログラム152で求めた残容量の偏差の値[Ah]を用いて残容量[Ah]を演算する機能をCPU100に実現させる手段である。
【0029】
具体的には、数式14
残容量[Ah]=残容量の平均値[Ah]+残容量の偏差の値[Ah] (数式14)
から求める。求めた値を記憶部160に格納する。
【0030】
記憶部160は、フラッシュメモリなどの半導体メモリなどの不揮発性の記憶装置、記憶手段である。この他、不揮発性の記憶手段に限られることなく、ハードディスクドライブ(HDD)を利用してもよいし、これらの半導体メモリと、HDDとを組み合わせた形態の記憶媒体であってもよい。本実施形態では、ROM150と記憶部160とは別の記憶媒体のごとく記載しているが、ROMと記憶部を併せて一の記憶部、記憶手段としてもよい。
【0031】
記憶部160は、計測値DB161と、演算結果DB162を格納している。その他、CPU100の演算処理に必要なデータが記憶されている。
【0032】
計測値DB161は、計測した電池装置20の電流値、電圧値を予め定められた測定間隔毎にデータを記憶している。測定間隔は、1msや1秒など任意に定める。
【0033】
演算結果DB162は、残容量演算プログラム153を実行するCPU100によって演算された値を格納する。格納した値は、CPU100により読み出され表示IF140を介して表示部141に表示される。本記憶手段に代えて、クラウドコンピューティングシステム内の演算装置10外部の記憶媒体に格納する形態であってもよい。
【0034】
タイマ170は、時間を計測するための時計である。計測した時刻を利用してCPU100は、電流値、電圧値の計測、格納を行う。演算装置10は、タイマ170に代えて、ネットワークを介して時間を取得する形態であってもよいし、タイマ170による計測とネットワークから得られる時刻とから時刻を演算する形態であってもよい。
【0035】
電池装置20は、電池と電池の電流値、電圧値等を計測する制御回路を備えた装置である。電池には、各種二次電池が利用できる。
【0036】
次に、第1の実施形態の動作について図4を参照しながら説明する。
【0037】
図4は、第1の実施形態の演算システムの動作を示すフローチャートである。
【0038】
まず、登録プログラムを実行するCPU100により計測値DB161に、一定間隔毎(=測定時間間隔)に電池装置20から収集された電流値および電圧値を測定間隔毎に格納される(S101)。
【0039】
次に、前記電流値と測定時間間隔を(数式12)に代入して残容量の平均値を求める。(S102)
また、前記電流値がぼぼ0である状態がある期間経過後の非充電時の個々の電池の前記電圧値と(数式13)に代入し、個々の電池の残容量の偏差の値を演算する(S103)。
【0040】
次に、S102、S103で演算した残容量の平均値および残容量の偏差の値を(数式14)に代入し、個々の電池の残容量値を演算する(S104)。
【0041】
演算した残容量の値を表示部141や、ネットワークを介して外部の表示部などに表示する。
【0042】
このように、本実施形態によれば、相互に依存しない二つの値を利用して残容量を算定することにより、演算された値の信頼性の向上を図ることができる。
【0043】
(第2の実施形態)
本実施形態と第1の実施形態との違いは、図5に示すようにROM150内の容量平均演算プログラム151Bと、容量偏差演算プログラム152Bと、容量演算プログラム153Bと、にある。これに対応して、計測値DB161と演算結果DB162に格納されるデータも異なる。
【0044】
容量演算プログラム151Bは、計測値DB161に格納されている初期容量および使用環境(サイクル数、環境温度、および充放電サイクル条件(充放電電流、充放電深度)、保存時間)を読み出し、容量の平均値[Ah]を演算する機能をCPU100に実現させる手段である。
【0045】
具体的には、次の数式21
容量の平均[Ah]=初期容量の平均[Ah]−反応速度vの累積積算
(数式21)
から求める。求めた値を、記憶部160に格納する。
【0046】
反応速度vの式は後述する(数式32)にて示している。
【0047】
累積積算の式は後述する(数式35)に示している。
【0048】
容量偏差演算プログラム152Bは、充電開始時の電圧変化[V]を読み出し、前記電圧変化と充放電電流との比から容量の偏差[Ah]を演算する機能をCPU100に実現させる手段である。
【0049】
具体的には、次に数式22
容量の偏差[Ah]=充放電電圧変化_容量の関係式から求められる容量[Ah]
−充放電電圧変化_容量の関係式から求められる容量の平均値[Ah]
(数式22)
から求める。
【0050】
充放電電圧変化_容量の関係式には、以下の式を利用することができる。その他、電圧変化から容量を求める式であってもよいし、予め電圧に対応する容量を格納するテーブルから読み出す形態であってもよい。
【0051】
容量≒初期容量−係数×{(充放電電圧変化/電流変化)÷(初期充放電電圧変化/電流変化)}
(数式23)
であり、計測した電圧変化および電流変化を代入することにより、容量の値を定めることができる。求めた値を記憶部160に格納しても良い。できるだけ正確に容量を求めることが望ましいが、一定の精度をもたせた近似値を用いてもよい。
【0052】
容量演算プログラム153Bは、容量平均演算プログラム151Bでもとめた容量の平均値[Ah]および容量偏差演算プログラム152Bで求めた容量の偏差の値[Ah]を用いて容量[Ah]を演算する機能をCPU100に実現させる手段である。
【0053】
具体的には、数式24
容量[Ah]=容量の平均値[Ah]+容量の偏差の値[Ah] (数式24)
から求める。求めた値を記憶部160にする。
【0054】
本実施形態の計測値DB161は、計測した電池装置20の使用環境(例えば、サイクル数、環境温度、および充放電サイクル条件(充放電電流、充放電深度)、保存時間)に関するデータを記憶している。上記使用環境に関するすべてのデータを格納する必要はなく、上記例示した条件のうちから一つ以上を選んで使用してもよい。
【0055】
本実施形態の演算結果DB162は、容量演算プログラム153Bを実行するCPU100によって演算された値を格納する。格納した値は、CPU100により読み出され表示IF140を介して表示部141に表示される。本記憶手段に代えて、クラウドコンピューティングシステム内の演算装置10の外部の記憶媒体に格納する形態であってもよい。
【0056】
次に、第2の実施形態の動作について図6を参照しながら説明する。
【0057】
図6は、第2の実施形態の演算システムの動作を示すフローチャートである。
【0058】
まず、登録プログラムを実行するCPU100により計測値DB161に、計測した電池装置20の使用環境(例えば、サイクル数、環境温度、および充放電サイクル条件(充放電電流、充放電深度)、保存時間)に関するデータが格納される(S201)。
【0059】
次に、前記使用環境に関するデータを(数式22)に代入して容量の平均値を求める。(S202)。
【0060】
また、前記電圧値と(数式23)に代入し、容量の偏差の値を演算する(S203)。
【0061】
次に、S102、S103で演算した容量の平均値および容量の偏差の値を(数式14)に代入し、容量値を演算する(S204)。
【0062】
演算した容量の値を表示部141や、ネットワークを介して外部の表示部などに表示する。
【0063】
このように、本実施形態によれば、相互に依存しない二つの値を利用して容量を算定することにより、演算された値の信頼性の向上を図ることができる。また、1年や数ヶ月など長い期間での状態の演算に好適である。
【0064】
(第3の実施形態)
本実施形態と第2の実施形態との違いは、図7に示すように第2の実施形態のプログラムに加えROM150内に使用環境演算プログラム154と、使用環境将来値演算プログラム155と、二次電池状態演算プログラム156、とを有する点である。これに対応して、計測値DB161と演算結果DB162に格納されるデータも異なる。
【0065】
使用環境演算プログラム154は、計測値DB161から温度T、充放電電流I、残容量SOCの値、現在の反応速度の時間変化を読み出し、将来の反応速度を演算する機能をCPU100に実現させる手段である。
【0066】
次に示す数式31
反応速度v(tp)=fv(T,I,SOC,tp) (数式31)
から演算する。tpは現在の値を意味する。
【0067】
具体的には、以下のアイリングの式(アレニウスの式の拡張)を利用することができる。その他の式であってもよいし予め値を定めたテーブルから読み出す形態であってもよい。
【0068】
v=Exp[k + kT/T + kI×I
+ kS1×SOC + kS2×SOC]
(数式32)
ただし、k、kT、kI、kSは係数である。できるだけ正確に反応速度を求めることが望ましいが、ある程度の精度をもたせた近似値を用いてもよい。
【0069】
使用環境将来値演算プログラム155は、反応速度の時間変化から反応速度の将来値を演算する機能をCPU100に実現させる手段である。
【0070】
次に示す数式33
v(tf)の予測=v(tp)+(dv(tp)/dt)×(tf−tp)
(数式33)
から演算する。
【0071】
本実施形態の二次電池状態演算プログラム156は、現在の状態x(tp)(例えば、残容量、容量、内部抵抗、自己放電率)と数式32、数式33で求めた使用環境、使用環境将来の各値を用いて
x(tf)=x(tp)−[v(t)の累積積算] (数式34)
でもとめる。v(t)の累積積算については、ルート則、リニア則に基づいて演算する。
【0072】
例えば、リニア則の場合は、
v(t)の累積積算=∫v(t)dt (数式35)
で求められる。
【0073】
次に、第3の実施形態の動作について図8を参照しながら説明する。
【0074】
図8は、第3の実施形態の演算システムの動作を示すフローチャートである。
【0075】
まず、登録プログラムを実行するCPU100により計測値DB161に、計測した電池装置20の使用環境(例えば、サイクル数、環境温度、および充放電サイクル条件(充放電電流、充放電深度)、保存時間)に関するデータが格納される(S301)。
【0076】
次に、前記使用環境に関するデータを用いて現在の状態に関する値(例えば、残容量、容量、内部抵抗、自己放電率)を演算する(S302、S303)
次に、演算した状態に関する値から反応速度、反応速度の将来に予測される値である反応速度将来値を演算する(S304)。
【0077】
次にS302、S303で求めた現在の状態に関する値と、S304で求めた反応速度に関する値の累積積算から将来の状態に関する値x(tf)を演算する(S305)。
【0078】
演算した残容量の値を表示部141や、ネットワークを介して外部の表示部などに表示する。
【0079】
このように、本実施形態によれば、相互に依存しない二つの値を利用して将来の状態に関する値を算定することにより、演算された将来の状態に関する値の信頼性の向上を図ることができる。
【0080】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
10 … 演算装置
20 … 電池装置
100 … CPU(Central Processing Unit)(演算処理部)
110 … RAM(RWM)(Random Access Memory)(Read Write Memory)
120 … 通信IF(inter face)
130 … 入力IF
131 … 入力部
140 … 表示IF
141 … 表示部IF
150 … ROM(Read Only Memory)
151 … 残容量平均演算プログラム
152 … 残容量偏差演算プログラム
153 … 残容量演算プログラム
151B … 容量平均演算プログラム
152B … 容量偏差演算プログラム
153B … 容量演算プログラム
154 … 使用環境演算プログラム
155 … 使用環境将来値演算プログラム
156 … 二次電池状態演算プログラム
160 … 記憶部
161 … 計測値DB(data base)
162 … 演算結果DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の状態を演算する演算処理部を備えた演算装置に、
二次電池の状態の第一の特微量を演算する第一の演算処理と、
前記第一の手段と独立に、二次電池の状態の第二の特微量を演算する第二の演算処理と、
前記第一の演算手段が算出した特微量と前記第二の演算手段が算出した特微量とから前記二次電池の状態を演算する二次電池状態演算処理と、
を実現させる演算方法。
【請求項2】
前記第一の特微量は、
平均値、偏差、ピーク値、微分値のうちいずれか一つであり、
前記題二の特微量は、
平均値、偏差、ピーク値、微分値のうちいずれか一つである
請求項1に記載の演算方法。
【請求項3】
前記二次電池の状態は、
残容量、容量、内部抵抗、自己放電率のうちいずれか一つである
請求項1に記載の演算方法。
【請求項4】
前記演算方法は、
前記二次電池装置の電流値と電圧値を取得する第一の取得処理と、
をさらに備え、
前記第一の演算処理は、
充放電時の前記電流値を参照して電流積算を行い前記二次電池装置の残容量の平均値を演算し、
前記第二の演算処理は、
非充放電時の前記電圧値を参照して前記二次電池装置の残容量の偏差を演算し、
前記二次電池状態演算処理は、
前記二次電池の状態を前記残容量の平均値と前記残容量の偏差との和として演算する
請求項1に記載の演算方法。
【請求項5】
前記演算方法は、
前記二次電池の初期容量と使用環境と、電圧値と、電流値を取得する第二の取得処理と、
をさらに備え、
前記第一の演算処理は、
前記初期容量と使用環境に基づく反応速度に基づいて前記二次電池装置の容量の平均値を演算し、
前記第二の演算処理は、
充電開始時の電圧変化および前記電圧変化と充放電電流とを参照して前記二次電池装置の容量の偏差を演算し、
前記二次電池状態演算処理は、
前記二次電池の状態を前記容量の平均値と前記容量の偏差との和として演算する
請求項1に記載の演算方法。
【請求項6】
二次電池の状態を演算する演算処理部を備えた演算装置に、
二次電池の状態の第一の特微量を演算する第一の演算処理と、
前記第一の手段と独立に、二次電池の状態の第二の特微量を演算する第二の演算処理と、
前記第一の演算手段が演算した特微量と前記第二の演算手段が演算した特微量とから前記二次電池の状態を演算する二次電池状態演算処理と、
演算した前記二次電池の状態を参照して、前記二次電池の使用環境の現在値を演算する使用環境演算処理と、
演算した前記二次電池の状態を参照して、前記二次電池の使用環境の将来値を演算する使用環境演算処理と、
前記使用環境の現在値と、前記使用環境の将来値とを参照して、前記二次電池の将来値を演算する二次電池状態演算処理と、
を実現させる演算方法。
【請求項7】
ROMからデータを読み出し演算処理を行うCPUを備えるコンピュータに二次電池の状態演算させる演算プログラムであって、
前記CPUに、
二次電池の状態の第一の特微量を演算する第一の演算機能と、
前記第一の演算手段と独立に、二次電池の状態の第二の特微量を演算する第二の演算機能と、
前記第一の演算手段が演算した特微量と前記第二の手段が演算した特微量とから前記二次電池の状態を演算する二次電池状態演算機能と、
を実現させる演算プログラム。
【請求項8】
前記CPUに
演算した前記二次電池の状態を参照して、前記二次電池の使用環境の現在値を演算する使用環境演算処理と、
演算した前記二次電池の状態を参照して、前記二次電池の使用環境の将来値を演算する使用環境演算処理と、
前記使用環境の現在値と、前記使用環境の将来値とを参照して、前記二次電池の将来値を演算する二次電池状態演算処理と、
をさらに実現させる請求項7に記載の演算プログラム。
【請求項9】
二次電池の状態の第一の特微量を演算する第一の演算手段と、
前記第一の手段と独立に、二次電池の状態の第二の特微量を演算する第二の演算手段と、
前記第一の演算手段により演算された特微量と前記第二の手段により演算された特微量とから前記二次電池の状態を演算する二次電池状態演算手段と、
を備える演算システム。
【請求項10】
二次電池の状態の第一の特微量を演算する第一の演算手段と、
前記第一の演算手段と独立に、二次電池の状態の第二の特微量を演算する第二の演算手段と、
前記第一の演算手段により演算された特微量と前記第二の手段により演算された特微量とから前記二次電池の状態を演算する二次電池状態演算手段と、
を備える演算装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−15333(P2013−15333A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146617(P2011−146617)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】