説明

濃度測定装置および方法

【課題】被測定物質および測定誤差発生物質を含む媒体のサンプリングや前処理を必要とせず、媒体中の被測定物質濃度の直接測定を可能とする。
【解決手段】被測定物質と測定誤差発生物質からなる媒体にパルス光を照射し、媒体を通過したパルス光の受光光量とパルス光照射による被測定物質が蛍光する蛍光光量を検出し、検出されたパルス光の受光光量値を媒体が被測定物質のみから成り、測定誤差発生物質を含まない状態の媒体で作成した受光光量値と濃度との相関関係式から求めた、媒体が測定誤差発生物質を含まないと仮定した被測定物質の第1の見掛け濃度と、検出された蛍光光量値を媒体が被測定物質のみから成り測定誤差発生物質を含まない状態の媒体で作成した蛍光光量値と濃度との相関関係式から求めた、媒体が測定誤差発生物質を含まないと仮定した被測定物質の第2の見掛け濃度とを相殺演算して媒体中の真の被測定物質濃度を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物質および測定誤差発生物質を含む媒体中の被測定物質の濃度を測定する濃度測定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラなどからの排ガス中のNOx、SOxや排水処理装置などからの排水中の窒素、リンなどの物質の濃度制御や性状評価を行うには、該物質の濃度を測定することが重要である。
【0003】
従来の濃度測定法としては以下の方法が知られている。
(1)化学分析法
被測定物質を含む媒体により発色試薬溶液を発色させ、その発色の程度を吸光光量法によって測定し被測定物質濃度を測定する方法。
【0004】
(2)自動分析法
化学発光方式:NOとオゾン(O3)との化学反応に代表される、化学反応により励起された被測定物質分子が励起状態から基底状態に戻るときに発光する強度を測定することによって被測定物質濃度を測定する方法。
【0005】
赤外線吸収法:NOまたはNO2に代表される、被測定物質の赤外線吸収を利用して、赤外線の吸光度を測定して、被測定物質濃度を測定する方法。吸光度による方法のほかに、被測定物質が赤外線を吸収することにより加熱膨張することで発する圧力増加を測定して、被測定物質濃度を測定する方法。
【0006】
紫外線吸光法:NOまたはNO2に代表される、被測定物質の紫外線吸収を利用して、紫外線の吸光度を測定して、被測定物質濃度を測定する方法。
定電位電解法:電解用電極に一定の直流電圧を与えておき、これを検出器とし、電解液中に通気した被測定物質を含む媒体中の被測定物質が電解酸化するときの電解電流を取り出して、被測定物質濃度を測定する方法。
【0007】
上記化学分析法では、被測定物質を含む媒体の採取から発色完了、濃度測定まで時間がかかるとともに、濃度測定の都度、被測定物質を含む媒体の採取から発色完了、濃度測定という作業を繰り返すことになり、連続測定は適さないという問題があった。
【0008】
上記自動分析法では、いずれも煤煙粒子やCO2、水蒸気などの測定誤差発生成分により干渉を受けるため、これら測定誤差発生成分の除去などの前処理を必要とするなどの問題があった。さらに、一定の精度を保証するためには、被測定物質および測定誤差発生成分を含む媒体の温度と流量を一定にする必要があった。
【0009】
また、従来の自動分析方法では、被測定物質を含む媒体中内で濃度検出が直接できないという問題があった。このため、被測定物質を含む媒体を濃度検出機器まで配管、チューブなどで導入する必要があることから、この経路を被測定物質を含む媒体が通過する時間が媒体採取から濃度検出までの測定時間遅れとなる問題がある。
【0010】
また、被測定物質に特有な光の吸収を利用した窒素酸化物濃度測定装置が提案されているが(特許文献1参照)、共存ガスや煤煙粒子などの測定誤差発生成分の干渉を無視できないものと考えられるし、真の窒素酸化物濃度について高精度に測定できるかどうか明確でない。
【特許文献1】特開平10−142147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、被測定物質および測定誤差発生成分(測定誤差発生物質)を含む媒体のサンプリングや前処理を必要とせず、ボイラ炉内や煙道内、空気中、水路などでの被測定物質および測定誤差発生物質を含む媒体中の被測定物質濃度の直接測定を可能とし、さらに、被測定物質および測定誤差発生物質を含む媒体中の被測定物質の濃度を極めて短時間で、かつ連続的に測定することが可能な媒体中の被測定物質の濃度測定装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明の第1の発明は、
被測定物質と測定誤差発生物質を含む媒体中の被測定物質の濃度を測定する濃度測定装置であって、
被測定物質に特有な吸収光波長のパルス光を上記媒体に照射するパルス光源と、
上記媒体を通過して被測定物質および測定誤差発生物質の光の吸収により減光されたパルス光の光量を検出する光量検出手段と、
上記パルス光の照射により被測定物質が蛍光する蛍光光量を検出する蛍光光量検出手段と、
上記光量検出手段で検出された受光光量値に基づいて、媒体が被測定物質のみから成り、測定誤差発生物質を含まない状態の媒体で予め作成した受光光量値と濃度との相関関係式から求めた、媒体が測定誤差発生物質を含まないと仮定した被測定物質の第1の見掛け濃度を算出する第1の見掛け濃度算出手段と、
上記蛍光光量検出手段で検出された蛍光光量値に基づいて、媒体が被測定物質のみから成り、測定誤差発生物質を含まない状態の媒体で予め作成した蛍光光量値と濃度との相関関係式から求めた、媒体が測定誤差発生物質を含まないと仮定した被測定物質の第2の見掛け濃度を算出する第2の見掛け濃度算出手段と、
上記第1及び第2の見掛け濃度算出手段で得られた被測定物質の見掛け濃度に基づき相殺演算して上記第1及び第2の見掛け濃度における測定誤差発生物質による測定誤差を相殺して媒体中の被測定物質の真の濃度を算出する濃度算出手段と
を具備する濃度測定装置である。
【0013】
前記パルス光の光源は被測定物質特有の吸収光波長を発光する。
前記光量検出手段は、パルス光を被測定物質および測定誤差発生物質を含む媒体中に照射して、媒体中を通過したあとの被測定物質及び測定誤差発生物質により吸収され減光された後の光の光量を検出し、第1の見掛け濃度算出手段は、前記検出された光量に基づき、媒体が被測定物質のみから成ると仮定し、測定誤差発生物質を含まない清浄な状態において予め作成した受光光量値と濃度との相関関係式から見掛けの濃度として濃度を算出する。
【0014】
また、前記蛍光光量検出手段は、上記パルス光の照射により被測定物質が蛍光する蛍光光量、すなわち、パルス光の照射と照射の間の、光が遮光した直後の被測定物質による蛍光の光量を検出し、第2の見掛け濃度算出手段は、前記検出された蛍光光量に基づき、媒体が被測定物質のみから成ると仮定し、測定誤差発生物質を含まない清浄な状態において予め作成した蛍光光量値と濃度との相関関係式から見掛けの濃度として濃度を算出する。
【0015】
一般に分子は、その分子に特有の波長の光を照射すると、光が分子に吸収され、分子内の電子が基底状態から励起状態に励起される。このとき吸収される光の量(吸光量)は分子数に比例するので、上記光量検出手段で測定された受光光量は、濃度測定に利用することができる(吸光光量法)。
【0016】
一方、前記励起状態において照射している光を遮断すると、分子内の電子は励起状態から基底状態に戻るときに、前記の吸収される光と同一波長の光を蛍光する。このとき蛍光される光の量(蛍光光量)は分子数に比例するので、蛍光光量検出手段で測定された蛍光光量は、濃度測定に利用することができる(蛍光光量法)。
【0017】
実際の媒体での被測定物質濃度測定の際には、例えば煙道中の窒素酸化物の濃度を測る場合には、CO、CO2、煤煙粒子、水蒸気等の共存する物質の干渉を受け誤差が発生することから、また例えば排水処理装置からの排水中の窒素成分の濃度を測る場合には、排水に含まれる懸濁物質等の共存する物質の干渉を受け測定誤差が発生することから、干渉分を補正する必要が生じる。
この出願の特許請求の範囲及び明細書において、このような被測定物質の濃度測定に干渉する共存物質を測定誤差発生物質といっている。
【0018】
上記共存する物質(測定誤差発生物質)による誤差は、吸光光量法では被測定物質濃度を見かけ上、高める作用が働き、蛍光光量法では被測定物質濃度を見かけ上低める作用が働くため、それぞれの方法で計測された被測定物質の濃度に基づき相殺演算し、誤差分を相殺することで、共存物質(測定誤差発生物質)による誤差を補正した真の被測定物質の濃度測定が可能となる。
【0019】
かかる相殺演算は、加算平均にて行う。なお、加算平均は後述する検量線作成後に、該濃度測定装置を使って、既知の被測定物質濃度の媒体(標準ガスまたは標準液)に測定誤差発生物質を含入させて作製した媒体の濃度測定を行い、その濃度測定値を既知の被測定物質濃度となるように加算平均に使う分母の値を事前に求めておくことが望ましい。
【0020】
本発明の第2の発明は、
上記パルス光源の測定時の発光光量の初期発光光量値に対するパルス光光源の光量変動率を求めるパルス光光量変動検出手段と、前記パルス光光源の光量変動率に基づき上記光量検出手段で検出されたパルス光の受光光量値と上記蛍光量検出手段で検出された蛍光光量値とを補正するパルス光光量変動補正手段と
を具備する請求項1記載の濃度測定装置である。
【0021】
一般的に光源から発せられる光の光量は時々刻々変化しており、長期的にみても経年劣化に伴い発光光量は減少していく。前記、被測定物質および測定誤差発生物質の光の吸収により減光されて検出されたパルス光の受光光量値とパルス光の照射により被測定物質が蛍光されて検出された蛍光光量値は、このパルス光の光量の大小と比例関係がある。例えば、パルス光の光量が大きければ検出される受光光量値も蛍光光量値も比例して大きくなり、パルス光の光量が小さくなれば、検出される受光光量値も蛍光光量値も比例して小さくなる。
【0022】
このため、本発明では上記パルス光光量変動検出手段とパルス光光量変動補正手段を設けることにより、検出されるパルス光の受光光量値と蛍光光量値を、時々刻々変化するパルス光の光量に比例して常に補正することで、基準となるパルス光の初期発光光量における受光光量値と蛍光光量値に変換することができる。
【0023】
本発明の第3の発明は、
上記被測定物質に特有な吸収光波長とは異なる波長の補正用光源を用い、該補正用光源の光を上記パルス光に重畳し、上記パルス光源から上記光量検出手段にいたる光路を通過した後の補正用光源の光の光量値に基づき前記光路における光路構成部材の汚損に伴う受光光量の初期値に対する測定時の減光率を求め、上記受光光量値および上記蛍光光量値をそれぞれ前記減光率に基づき補正をする光路汚損補正手段
を具備する請求項1記載の濃度測定装置である。
【0024】
媒体以外でも光の減光が生じる。媒体以外での光の減光を検出するためには、媒体内で媒体内物質による光の吸収が発生しない波長の光である被測定物質に特有な吸収光波長とは別波長の光を、被測定物質に特有な吸収光波長の光と同一光路で通過させ、この通過したあとの光量を検出する。なお、媒体以外での光の減光は光路構成部材の汚損による減光で、例えば光源から媒体の光の照射場所までの光路および媒体での光の受光箇所から光検出器までの光路構成部材である光ファイバ内での減光や鏡に蓄積した物体による鏡の反射率低下である。
【0025】
このような光路構成部材の汚損は、受光光量の測定及び蛍光光量の測定による被測定物質の濃度測定にあたり誤差をもたらす。
本発明では、光路汚損による光の減光量検出のため、上記被測定物質に特有な吸収光波長とは異なる波長の補正用光源を用い、測定時に被測定物質に特有な吸収光波長の光と同一光路を通過させ、通過させたあとの光量を検出し、補正用光源の初期、すなわち相関関係式作成時の該光路通過後の光量と比較して減光率を求め、この減光率で光路汚損による光の減光補正を行っている。
【0026】
本発明の第4の発明は、
上記パルス光源の測定時の発光光量の初期発光光量値に対するパルス光光源の光量変動率を求めるパルス光光量変動検出手段と、
前記パルス光光源の光量変動率に基づき上記光量検出手段で検出されたパルス光の受光光量値と上記蛍光量検出手段で検出された蛍光光量値とを補正するパルス光光量変動補正手段と、
上記補正用光源の測定時の発光光量の初期発光光量値に対する補正用光源の光量変動率を求める補正用光源光量変動検出手段と、前記補正用光源の光量変動率に基づき上記測定時の減光率を補正する補正用光源光量変動補正手段と
を具備する請求項3記載の濃度測定装置である。
【0027】
補正用光源においてもパルス光光源と同様、長期的にみても経年劣化に伴い発光光量は減少していく。本発明では補正用光源光量変動検出手段と補正用光源光量変動補正手段を設けることにより、検出される受光光量値と蛍光光量値に対する上記光路汚損による減光補正を、時々刻々変化する補正用光源の光量に比例して常に補正することで、正しい補正を行うものとしている。
【0028】
本発明の第5の発明は、
被測定物質と測定誤差発生物質からなる媒体に被測定物質に特有な吸収光波長のパルス光を照射し、媒体を通過したパルス光の受光光量とパルス光照射による被測定物質が蛍光する蛍光光量を検出し、検出されたパルス光の受光光量値を媒体が被測定物質のみから成り、測定誤差発生物質を含まない状態の媒体で作成した受光光量値と濃度との相関関係式から求めた、媒体が測定誤差発生物質を含まないと仮定した被測定物質の第1の見掛け濃度と、検出された蛍光光量値を媒体が被測定物質のみから成り測定誤差発生物質を含まない状態の媒体で作成した蛍光光量値と濃度との相関関係式から求めた、媒体が測定誤差発生物質を含まないと仮定した被測定物質の第2の見掛け濃度に基づき相殺演算して上記第1及び第2の見掛け濃度における測定誤差発生物質による測定誤差を相殺して媒体中の測定誤差発生物質から発する測定誤差を取り除いた被測定物質の濃度測定方法である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、測定誤差発生物質を含む媒体中の被測定物質の濃度を、媒体中に光路を設定するのみで、媒体中の測定誤差発生物質の被測定物質の濃度測定への干渉を排除して、測定時間遅れなく、簡単に、かつ精度よく測定できる。
【0030】
本発明では、被測定物質が存在すると思われる空間において、反射鏡の設置位置を光の照射箇所から距離を隔て、媒体中の光路を長距離にした場合には、その空間での平均濃度を測定することができる。一方、光の照射箇所から反射鏡の設置位置を極めて短距離とした場合はこの極短距離空間における濃度測定となりピンポイント箇所の濃度として測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1に本発明の全体構成を示す。
媒体200は、濃度の測定対象である被測定物質を含む気体や液体である。この媒体には既述のように濃度測定に干渉する成分(測定誤差発生物質)が含まれており、本発明ではかかる成分の影響を取り除いた濃度測定を可能としている。
【0032】
被測定物質は、物質特有の吸収光波長を有しており、パルス光源100は、このような被測定物質に特有な吸収光波長のパルス光を媒体200に照射する。光量検出手段300は、媒体200を通過することにより減光されたパルス光を受光し、受光光量を検出する。蛍光光量検出手段350は、パルス光照射により被測定物質が蛍光する蛍光光量を検出する。
【0033】
第1の見掛け濃度算出手段400は、前記受光光量の値にもとづき、媒体が被測定物質のみから成り測定誤差発生物質を含まない状態の媒体であるとして予め得られている受光光量値と濃度との相関関係式から、この受光光量値が、媒体が被測定物質のみから成ると仮定した場合の濃度、すなわち第1の見掛け濃度を算出する。
【0034】
第2の見掛け濃度算出手段450は、検出された蛍光光量値に基づき、媒体が被測定物質のみから成り測定誤差発生物質を含まない状態の媒体であるとして予め得られている蛍光光量値と濃度との相関関係式から、この蛍光光量値が、媒体が被測定物質のみから成ると仮定した場合の濃度、すなわち第2の見掛け濃度を算出する。
【0035】
濃度算出手段500は、既述のように第1の見掛け濃度においては測定誤差発生物質により濃度が高めに算出されること、および第2の見掛け濃度においては測定誤差発生物質により濃度が低めに算出されることから、この両者に基づき、測定誤差発生物質による影響を相殺して媒体中200の真の被測定物質の濃度を算出することができる。
【0036】
光路を構成する部材、例えば光ファイバー、鏡等は、経年変化により汚損され濃度測定に誤差をもたらす。本発明ではこの光路の汚損度合いを検出して減光率を算出し、この汚損度合い(減光率)で受光光量値および蛍光光量値を補正する光路汚損補正手段800を適宜設けている。
【0037】
光路汚損補正手段800は、上記被測定物質に特有な吸収光波長とは異なる波長の補正用光源600を用い、該補正用光源600の光を上記パルス光に重畳し、上記パルス光源100から上記光量検出手段にいたる光路を通過した補正用光源600の光の光量値に基づき前記光路における光路構成部材の汚損に伴う受光光量の初期値に対する測定時の減光率を求め、上記受光光量値および上記蛍光光量値をそれぞれ前記減光率に基づきそれぞれ補正をしている。
ここで、光路汚損補正手段800は、後述する光量検出部と減光率演算部とで構成される。
【0038】
また、被測定物質に特有な吸収光波長の光を発光するパルス光源100および、この光に重畳する別波長の補正用光源600は、発光光量が時々刻々と変動している。この変動による測定誤差をなくすためには、変動光量に合わせて受光光量または蛍光光量の測定結果の補正を要する。
【0039】
前記パルス光の光源の光量変動については、パルス光源100の発光光量変動を検出する手段900,発光光量変動補正手段950を必要に応じ設け、光量検出手段300及び蛍光光量検出手段350で検出された受光光量や蛍光光量の値を発光光量の変動による誤差がないものに補正している。
【0040】
前記補正用光源600の光量変動については、補正用光源光量変動検出手段700,補正用光源光量変動補正手段750を必要に応じ設け、光路汚損補正手段800で算出される減光率について発光光量の変動を補正して、光路汚損補正を正しくし、光量検出手段300及び蛍光光量検出手段350で検出された受光光量や蛍光光量の値を光路汚損による誤差がないものに補正している。
【0041】
一般に、光量測定結果から相関関係式を求める方法は、当該濃度測定装置において、吸光光量法および蛍光光量法とも既知の各種濃度の標準ガスまたは標準液を用いて、それぞれ受光光量値または蛍光光量値を測定し、この結果から、濃度と受光光量値または蛍光光量値との相関関係式(検量線)を求める。濃度測定時には測定された受光光量値または蛍光光量値と、上記相関関係式との対比から見掛けの濃度を求める。
【0042】
本発明の実施の形態を、主に煙道中のガスの濃度を測定する場合について以下に図面を参照して詳細に説明する。
図2は本発明に係わる被測定物質濃度測定装置の機器構成を示す模式図である。
【0043】
機器構成について説明する。
測定用光源2は、被測定物質に特有な吸収光波長の光を発光する光源である。たとえば、被測定物質が煙道中の窒素酸化物の濃度測定であれば波長1.28〜1.86μmの近赤外領域を発光することが望ましい。この光は、振動数が一定で、位相が揃い、光が広がらず、極細の光軸で照射できるレーザ光である。
【0044】
測定用光源2からの光の光路上に固定鏡6が配置されている。固定鏡6は半通過性のハーフミラーとなっており光は2分される。2分された光の一方は該光源2の発光光量を測定する光量変動補正用光検出器4に入射される。もう一方の光は固定鏡6から被測定物質濃度測定のために媒体200に照射されるが、その光路上には光パルス発生器14、光合成器7、固定鏡12が配置されている。
【0045】
媒体200に照射された光は固定鏡12で反射される。この反射した光の光路上には光分離器9、固定鏡15が配置されている。固定鏡15は半通過性のハーフミラーとなっており光は2分される。2分された光の光路上には光パルス発生器14が配置されている。2分された光の一方の光は、光パルス発生器14のスリットを通過して光量を検出する光量検出手段300である測定用光検出器16に入射される。もう一方の光は光パルス発生器14のスリット間に邪魔され光パルス発生器14を通過できないがその光路の延長上には蛍光光量検出手段350である測定用蛍光検出器10が配置されている。なお、光合成器7と光分離器9は同一プリズムとしても良い。
【0046】
本発明における補正用光源光量変動補正手段750、光路汚損補正手段800の減光率演算部、パルス光光量変動補正手段950、第1の見掛け濃度算出手段400、第2の見掛け濃度算出手段450および濃度算出手段500は、図示しないROM等に記憶された所定のプログラムによって演算動作する演算器13、すなわち、処理装置(CPU)で実現することができる。上記各手段はこのようなソフトウエアによる構成でなく個々の手段ごとに電子部品を使ったハードウエアで構成することもできる。
【0047】
パルス光光量変動検出手段900である光量変動補正用光検出器4、測定用蛍光検出器10、測定用光検出器16で検出された信号が演算器13に入力されている。光検出器とは、光量を定量的に検出できる、例えば光半導体である。
【0048】
補正用光源1(補正用光源600)は、測定用光源2の被測定物質に特有な吸収光波長の光に重畳する別波長の光の光源である。補正用光源1からの光の光路上に固定鏡5が配置されている。固定鏡5は半通過性のハーフミラーとなっており光は2分される。2分された光の一方は該光源1の発光光量を測定する光路汚損補正用第1光検出器3に入射する。もう一方の光は固定鏡5から媒体に照射されるが、その光路上には光合成器7が配置されており、被測定物質に特有な吸収光波長の光に重畳される。
【0049】
照射された光は固定鏡12で反射される。この反射した光の光路上には光分離器9が配置されており、光は受光光量を測定する光路汚損補正用第2光検出器11に入射する。なお、光合成器7と光分離器9は同一プリズムとしても良い。
光路汚損補正手段800における光量検出部である光路汚損補正用第1光検出器3と光路汚損補正用第2光検出器11で検出された信号が演算器13に入力されている。
【0050】
補正用光源1および測定用光源2から発光する光は、スペクトル幅が狭く、振動数が一定で、位相が揃い、光が広がらず、極細の光軸を照射できるレーザ光である。また、鏡固定器具8は光路を邪魔しないよう内部が空洞となった管であり、片端に発光部21と受光部22が設置されており、もう片端には固定鏡12が設置されている。
【0051】
鏡固定器具8は、媒体200の流路構築物、たとえば煙道に穴を開けて鏡固定器具8を固定する役目である検出座に固定設置され、流路内に挿入される。これにより固定鏡15が媒体の流れに負けることなく固定される。発光部21とは、前記光を媒体200に照射する箇所で、受光部22とは、媒体200からの前記光を受ける箇所である。発光部21と受光部22は、煙道に設けられた検出座に開けられた窓であり、光ファイバー20にて濃度測定装置本体との間で光の送受を行う場合には、光ファイバー20の発光端または受光端が接続されている。
【0052】
上記の場合は媒体200への光の送受を同一方向とするために固定鏡15を使って、光を反射させていたが、光の送受を向かい合って行う、すなわち媒体200の流路構築物たとえば煙道の対向する位置に発光部21と受光部22を設置しても良い。
【0053】
光パルス発生器14は図3に示す等間隔で同一空隙幅のスリットが設けられた回転する円板である。測定用光源2からの光は固定鏡6で反射して測定光の照射位置17のスリットを通して媒体中に照射される。このようにスリットを有する円板の回転により測定用光源2からの光はパルス光となって媒体に照射されることとなる。測定用光源2と光パルス発生器14とで本発明のパルス光源100を構成している。
【0054】
また固定鏡12からの反射光は固定鏡15により測定用光検出器16に向かっての受光光量測定位置19への光軸と測定用蛍光検出器10に向かっての蛍光光量測定位置18への光軸に2分される。
【0055】
図4に測定用光源2の測定光の照射位置17と受光光量測定位置19と蛍光光量測定位置18のスリットの位置関係を示す。測定光の照射位置17のスリットが開となってスリットを通して光を媒体中に照射している間中のみ受光光量測定位置19のスリットが開となる一方、蛍光光量測定位置18ではスリットが閉となって遮光する。測定光の照射位置17のスリットが閉となって遮光すると同時に受光光量測定位置19も閉となるが蛍光光量測定位置18では逆にスリットが開となる位置関係である。
【0056】
スリットの幅とスリット間間隔および円板の回転速度については測定用光検出器16の90%応答時定数よりかなり長時間な受光光量計測に十分な時間確保と測定用蛍光検出器10の90%応答時定数よりかなり長時間な蛍光光量計測に十分な時間確保ができる時間となるよう設定される。
【0057】
各機器の動作について説明する。
被測定物質に特有な吸収光波長の光の光源である測定用光源2から出射した光は、ハーフミラーの固定鏡6によって2分される。2分された光の一方の光である固定鏡6の通過光は、光量変動補正用光検出器4で光量を測定される。測定された光量は測定用光源2の発光光量変動を測定するのに使われる。2分されたもう一方の光である固定鏡6の反射光は光パルス発生器14を通過してパルス状の光に加工され、光合成器7で補正用光源1から放射される被測定物質に特有な吸収光波長の光とは別の波長の光と重畳される。
【0058】
被測定物質に特有な吸収光波長の光に重畳する別波長の光の光源である補正用光源1から出射した光はハーフミラーの固定鏡5によって2分される。2分された光の一方の光である固定鏡5の通過光は、光路汚損補正用第1光検出器3で光量を測定される。測定された光量は、補正用光源1の発光光量変動を測定するのに使われる。2分されたもう一方の光である固定鏡5の反射光は光合成器7で測定用光源2から出射される被測定物質に特有な吸収光波長の光に重畳する。
【0059】
光合成器7で被測定物質に特有な吸収光波長の光とそれとは別波長の光(補正用光)が重畳された光は鏡固定器具8管内の空洞内を通過して固定鏡12で反射される。鏡固定器具8出口と固定鏡12の間は既知の固定長さとなっており、この間に存在する被測定物質により被測定物質に特有な吸収光波長の光が吸収または蛍光される。
【0060】
固定鏡12で反射した光または固定鏡12と鏡固定器具8出口との間で蛍光した光は鏡固定器具8管内の空洞内を通過して光分離器9で被測定物質に特有な吸収光波長の測定用の光とそれとは別波長の光が重畳された光路汚損補正用の光とに分離される。
【0061】
光分離器9で分離された被測定物質に特有な吸収光波長の光はハーフミラーの固定鏡15により2分される。2分された光の一方は光パルス発生器14を通過して測定用蛍光検出器10に入射される。測定用蛍光検出器10で測定される光量は鏡固定器具8出口と固定鏡12の間に存在する被測定物質により蛍光された光量である。もう一方の光は光パルス発生器14を通過して測定用光検出器16に入射される。測定用光検出器16で測定される光量は測定用光源2から出射された光が鏡固定器具8出口と固定鏡12の間に存在する被測定物質により吸収され減光されて測定用光検出器16に到達する光量である。
【0062】
光分離器9で分離された被測定物質に特有な吸収光波長の光に重畳している別波長の補正用光は、光路汚損補正用第2光検出器11に入射される。光路汚損補正用第2光検出器11で測定される光量は、補正用光源1から出射される光が光ファイバなどの光路中や固定鏡12の反射率低下など、光路の汚損により減光されて光路汚損補正用第2光検出器11に到達する光量である。
【0063】
測定された光量から濃度への演算について図5を参照して説明する。
第1の見掛け濃度算出手段400や第2の見掛け濃度算出手段450において用いる相関関係式は次のように求める。
種々の既知濃度の標準ガスまたは標準液だけで測定を行い、このとき、測定用蛍光検出器10で測定される蛍光光量値と濃度の相関関係式(検量線)および測定用光検出器16で測定される受光光量値と濃度の相関関係式(検量線)を作成しておく。
【0064】
上記検量線を作成するときには併せて光量変動補正用光検出器4にてパルス光光量変動補正手段950で用いる、測定用光源2の発光光量変動補正の基準となる初期発光光量値を測定しておく。
【0065】
また、上記検量線作成するときには併せて光路汚損補正用第1光検出器3にて補正用光源光量変動補正手段750で用いる、補正用光源1の発光光量変動補正の基準となる初期発光光量値Aと、光路汚損補正用第2光検出器11にて光路汚損補正手段800の減光率演算部における減光率算出に用いる、煤煙粒子などの粒子が存在せず、かつ固定鏡12が清浄であるなど、光路に汚損がない状態での光路汚損による受光光量変動補正の基準となる補正用光源1の初期受光光量値Bを測定しておく。
【0066】
光量変動補正用光検出器4で被測定物質および測定誤差発生物質を含む媒体中の被測定物質濃度測定時における測定用光源2からの受光光量を測定する。その受光光量値を前記測定用光源2の初期発光光量値Cで除算して測定用光源2の発光光量変動補正係数aを求めておく(パルス光光量変動補正手段950)。
【0067】
光路汚損補正用第1光検出器3で被測定物質および測定誤差発生物質を含む媒体中の被測定物質濃度測定時における補正用光源1からの受光光量を測定する(補正用光源光量変動検出手段700)。その受光光量値を前記補正用光源1の初期発光光量値Aで除算して補正用光源1の発光光量変動補正係数bを求めておく(補正用光源光量変動補正手段750)。
【0068】
光路汚損補正用第2光検出器11で被測定物質および測定誤差発生物質を含む媒体中の被測定物質濃度測定時における補正用光源1からの受光光量を測定する。この受光状況は光ファイバ等光路内での減光や固定鏡12の反射率低下など光路が汚損している状況である。
【0069】
光路汚損補正用第2光検出器11の受光光量値に補正用光源1の発光光量変動補正係数bを除算して受光光量値の補正用光源1の発光光量変動による影響を補正した後、この補正後の受光光量値を、光路汚損補正用第2光検出器11にて前記検量線作成時の光路汚損なしのときの初期受光光量値Bで除算することで光ファイバ等の光路内での減光による受光光量変動や固定鏡12など光路の汚損による受光光量変動を補正する、光路汚損による光量変動補正係数、すなわち、減光率を求める(光路汚損補正手段800)。
【0070】
ここで、光路汚損による光量変動補正係数(減光率)は、濃度測定時における、光路汚損により光路を通過した後の光量が、光路に入射する光量の何割になっているかを表している。
【0071】
測定用光検出器16で測定された被測定物質に吸収された後の測定用光源2からの受光光量値を、光量変動補正用光検出器4の受光光量値から作成した測定用光源2の発光光量変動補正係数aで除算して測定用光源2の発光光量変動を補正する(発光光量変動補正、パルス光光量変動補正手段950)。
【0072】
その後、光路汚損補正用第2光検出器11の受光光量値から作成した光路汚損による光量変動補正係数(減光率)で除算して、測定用光検出器16の受光光量値を補正する(光路汚損補正、光路汚損補正手段800)。
これらの補正をすることで測定条件を前記検量線作成時と同条件にできるので補正後の受光光量値を、受光光量値と濃度の相関関係式に代入することで受光光量から、測定誤差発生物質による誤差を含んだ見かけ上の被測定物質濃度を求める(第1の見掛け濃度算出手段400)。
【0073】
測定用蛍光検出器10で測定された被測定物質による蛍光光量値を、光量変動補正用光検出器4の受光光量値から作成した測定用光源2の発光光量変動補正係数aで除算して測定用光源2の発光光量変動を補正する(発光光量変動補正、パルス光光量変動補正手段950)。
【0074】
その後、光路汚損補正用第2光検出器11の受光光量値から作成した光路汚損による光量変動補正係数(減光率)で除算して、測定用蛍光検出器10の蛍光光量値を補正する(光路汚損補正、光路汚損補正手段800)。
これらの補正をすることで測定条件を前記検量線作成時と同条件にできるので補正後の蛍光光量値を、蛍光光量・濃度相関関係式に代入することで蛍光光量から、測定誤差発生物質による誤差を含んだ見かけ上の被測定物質濃度を求める(第2の見掛け濃度算出手段450)。
【0075】
濃度算出手段500において、前記受光光量から求めた測定誤差発生物質による誤差を含んだ見かけ上の被測定物質濃度(第1の見掛け濃度)と上記蛍光光量から求めた測定誤差発生物質による誤差を含んだ見かけ上の被測定物質濃度(第2の見掛け濃度)とでは、測定誤差発生物質による誤差が、それぞれ高めと低めになるため、お互いに相殺演算させることで真の被測定物質濃度を求めることができる。
【0076】
以上、被測定物質が煙道中のガスである場合について主に説明したが、本発明の測定法は、被測定物質が排水中に含まれる物質(リンや窒素など)である場合にも、同様の機器構成で適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係わる被測定物質濃度測定装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係わる被測定物質濃度測定装置の機器構成を示す模式図である。
【図3】光パルス発生器に係わる形状、機器構成を示す模式図である。
【図4】図3の発生器での光パルスと受光光量測定および蛍光光量測定のタイミングを示す模式図である。
【図5】被測定物質濃度算出に係わる演算模式図である。
【符号の説明】
【0078】
1 補正用光源
2 測定用光源
3 光路汚損補正用第1光検出器
4 光量変動補正用光検出器
5、6、12、15 固定鏡
7 光合成器
8 鏡固定器具
9 光分離器
10 測定用蛍光検出器
11 光路汚損補正用第2光検出器
13 演算器
14 光パルス発生器
16 測定用光検出器
17 測定光の照射位置
18 蛍光光量測定位置
19 受光光量測定位置
100 パルス光源(濃度測定用光)
200 媒体
300 光量検出手段
350 蛍光光量検出手段
400 第1の見掛け濃度算出手段
450 第2の見掛け濃度算出手段
500 濃度算出手段
600 補正用光源
700 補正用光源光量変動検出手段
750 補正用光源光量変動補正手段
800 光路汚損補正手段
900 パルス光光量変動検出手段
950 パルス光光量変動補正手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物質と測定誤差発生物質を含む媒体中の被測定物質の濃度を測定する濃度測定装置であって、
被測定物質に特有な吸収光波長のパルス光を上記媒体に照射するパルス光源と、
上記媒体を通過して被測定物質および測定誤差発生物質の光の吸収により減光されたパルス光の光量を検出する光量検出手段と、
上記パルス光の照射により被測定物質が蛍光する蛍光光量を検出する蛍光光量検出手段と、
上記光量検出手段で検出された受光光量値に基づいて、媒体が被測定物質のみから成り、測定誤差発生物質を含まない状態の媒体で予め作成した受光光量値と濃度との相関関係式から求めた、媒体が測定誤差発生物質を含まないと仮定した被測定物質の第1の見掛け濃度を算出する第1の見掛け濃度算出手段と、
上記蛍光光量検出手段で検出された蛍光光量値に基づいて、媒体が被測定物質のみから成り、測定誤差発生物質を含まない状態の媒体で予め作成した蛍光光量値と濃度との相関関係式から求めた、媒体が測定誤差発生物質を含まないと仮定した被測定物質の第2の見掛け濃度を算出する第2の見掛け濃度算出手段と、
上記第1及び第2の見掛け濃度算出手段で得られた被測定物質の見掛け濃度に基づき相殺演算して上記第1及び第2の見掛け濃度における測定誤差発生物質による測定誤差を相殺して媒体中の被測定物質の真の濃度を算出する濃度算出手段とを具備する濃度測定装置。
【請求項2】
上記パルス光源の測定時の発光光量の初期発光光量値に対するパルス光光源の光量変動率を求めるパルス光光量変動検出手段と、前記パルス光光源の光量変動率に基づき上記光量検出手段で検出されたパルス光の受光光量値と上記蛍光量検出手段で検出された蛍光光量値とを補正するパルス光光量変動補正手段と
を具備する請求項1記載の濃度測定装置。
【請求項3】
上記被測定物質に特有な吸収光波長とは異なる波長の補正用光源を用い、該補正用光源の光を上記パルス光に重畳し、上記パルス光源から上記光量検出手段にいたる光路を通過した後の補正用光源の光の光量値に基づき前記光路における光路構成部材の汚損に伴う受光光量の初期値に対する測定時の減光率を求め、上記受光光量値および上記蛍光光量値をそれぞれ前記減光率に基づき補正をする光路汚損補正手段
を具備する請求項1記載の濃度測定装置。
【請求項4】
上記パルス光源の測定時の発光光量の初期発光光量値に対するパルス光光源の光量変動率を求めるパルス光光量変動検出手段と、
前記パルス光光源の光量変動率に基づき上記光量検出手段で検出されたパルス光の受光光量値と上記蛍光量検出手段で検出された蛍光光量値とを補正するパルス光光量変動補正手段と、
上記補正用光源の測定時の発光光量の初期発光光量値に対する補正用光源の光量変動率を求める補正用光源光量変動検出手段と、前記補正用光源の光量変動率に基づき上記測定時の減光率を補正する補正用光源光量変動補正手段と
を具備する請求項3記載の濃度測定装置。
【請求項5】
被測定物質と測定誤差発生物質からなる媒体に被測定物質に特有な吸収光波長のパルス光を照射し、媒体を通過したパルス光の受光光量とパルス光照射による被測定物質が蛍光する蛍光光量を検出し、検出されたパルス光の受光光量値を媒体が被測定物質のみから成り、測定誤差発生物質を含まない状態の媒体で作成した受光光量値と濃度との相関関係式から求めた、媒体が測定誤差発生物質を含まないと仮定した被測定物質の第1の見掛け濃度と、検出された蛍光光量値を媒体が被測定物質のみから成り測定誤差発生物質を含まない状態の媒体で作成した蛍光光量値と濃度との相関関係式から求めた、媒体が測定誤差発生物質を含まないと仮定した被測定物質の第2の見掛け濃度に基づき相殺演算して上記第1及び第2の見掛け濃度における測定誤差発生物質による測定誤差を相殺して媒体中の測定誤差発生物質から発する測定誤差を取り除いた被測定物質の濃度測定方法


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−29968(P2006−29968A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209045(P2004−209045)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】