説明

炭化乾燥連結装置および乾燥装置とその構築方法

【課題】構造が非常に単純かつコンパクトで製造コストが低く、炭化装置から発生する廃熱を乾燥に有効利用し得る、炭化乾燥連結装置を提供する。
【解決手段】本発明の炭化乾燥連結装置1は、炭化装置2において炭化原料をバーナーにより低酸素下で炭化し、この際生じた熱風を第1熱路を介して炭化用煙突34に流入させ、排気ガス燃焼室30で生じた熱とともに第3熱路54を介して乾燥室138に熱風を送り込み、乾燥室138内の乾燥原料を乾燥させる。駆動室136でバーナーを添加させる場合は、その際生じる熱とともに、乾燥室138に送り込まれた熱風は第2熱路52を介して、炭化装置2の炭化用煙突34に再び循環され、再度乾燥室138に送られ、乾燥減量の乾燥に利用される。このように、本発明の炭化乾燥連結装置1は、きわめて高い効率で熱を循環させ、炭化製品と乾燥製品とを別々に取り出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化装置と乾燥装置とを並列に連結した装置に関し、より詳しくは、炭化装置と乾燥装置を熱連結路で結合した炭化乾燥連結装置および当該炭化乾燥連結装置から構築した乾燥装置及びその構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、主に農家では、いわゆる一斗缶の上面に煙突を立て、その一斗缶および煙突の周囲に籾殻を山積みにして空気を略遮断する状態とし、一斗缶内で焚いた火により籾殻を炭化している。そして炭化物は、土地改良材や肥料等として田畑に撒かれてリサイクルに供される。
【0003】
近年では、籾殻や蕎麦殻等を炭化する炭化装置が多数開発されている。また、水分を含むものを乾燥させる乾燥装置も広く普及している。さらに、乾燥装置と炭化装置を結合した炭化乾燥装置も公開されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、水分を含んだ有機物の炭化装置およびその方法が開示されている。すなわち、刈り芝等の水分の多い芝から多孔質のアルカリ性肥料を得るため、まず、天井面に熱輻射源を有し且つ炉内を貧酸素状態においた乾燥炉の一端から、上記水分を含んだ有機物を投入し、攪拌しながら乾燥させる。次に貧酸素状態を保ったまま、天井面に位置された熱輻射源により上記乾燥炉よりも高く炉内温度を保ち、当該乾燥炉と連結された炭化炉の上端から、乾燥された上記有機物を取入れ、同炭化炉内で攪拌送りしつつ炭化することを特徴としている。
【0005】
また、特許文献2には、含水性有機廃棄物の乾燥炭化装置が開示されている。この装置は、畜産廃棄物等の含水性有機廃棄物を炭化する際、乾燥炉を上側に、2重円筒状の炭化炉を下側として外側円筒と内側円筒の隙間空間を熱路とし、これを乾燥炉の排気口と連結し、炭化路下部に設置された燃焼炉で発生させた熱風を上記熱路に送りつつ上記有機廃棄物を炭化し、炭化時にでた熱風を乾燥炉に送り、乾燥に必要な熱量を節約するというものである。
【0006】
上記のような従来の炭化装置は、原料を乾燥後炭化することを目的として、乾燥炉と炭化路とを連結したものであり、特に特許文献2の発明は、炭化路の廃熱を乾燥炉に送り、熱を有効利用しようとするものである。
【0007】
一方、乾燥炉で乾燥させた乾燥製品と、炭化路で炭化した炭化製品を、それぞれ別々に取り出せる炭化乾燥並列システムが特許文献3に開示されている。本装置1001は、図4に示すように、ホッパM×Hに投入された炭化用原料を混合しつつ横方向に移送するスクリュー1020と、このスクリュー1020で送られてくる炭化用原料をドラム1014内側に受け入れて、その内側に設置された羽根根1022で上記スクリュー1020の送り方向と同一方向に送る回転ドラム1014と、この回転ドラム1014の終端位置に配置された炭化製品搬出口1008と、上記スクリュー1020の設置位置付近に配された熱交換廃熱回収器と、からなる炭化装置1002と、これと類似の乾燥装置1003とを、上記廃熱回収器により回収された暖気を乾燥原料の乾燥熱源とする暖気供給管1006で連結したことを特徴としている。
【0008】
【特許文献1】特開平06−122879号公報
【特許文献2】特開2002−192107号公報
【特許文献3】特開2004−196898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献3に開示される装置は、乾燥製品と炭化製品とを別々に得ることができるものの、回転ドラムの全長は例えば4.8mと、かなり大型となり、また、熱交換廃熱回収器やミキサホッパの機構はかなり煩雑で、全体として大掛かりな装置となり、コスト高となることは避けられない。
【0010】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア、学校、お総菜屋、病院等では、毎日膨大な残飯等が発生し、これらを自前では処理できず、廃棄するのが通常であった。しかし、これらを乾燥及び/又は炭化し、再利用できれば、非常に効率的なリサイクルシステムを構築することができる。また、残飯等の廃棄物を自前の店等で乾燥及び/又は炭化処理できれば、当該廃棄物の収集、運搬の手間も省け、更に効率的である。
【0011】
このような事情に鑑み、本発明は、構造が非常に単純かつコンパクトで製造コストが低く、炭化装置から発生する廃熱を乾燥に有効利用し得る、炭化乾燥連結装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る炭化乾燥連結装置は、上部に開閉式の蓋を有する投入口を、下部に床部を備える函体を含む炭化装置であって、前記函体の内部を前記床部と平行に仕切る1又は複数の空気遮断板と、前記空気遮断板と前記床部とで画される空間であり、バーナーを設置可能な加熱室と、前記空気遮断板と前記函体の上部とで画される空間であり、前記投入口と前記炭化用煙突に通気可能な炭化室と、前記投入口と並列して前記函体の上部に設けられ、前記炭化室に通じる炭化用煙突と、前記炭化室の側部に設けられた排出口と、前記炭化装置に設置され、前記炭化室の温度を制御する温度制御装置と、前記炭化用煙突の略中腹に設けられ、該炭化用煙突を介して前記炭化室から発生する排気ガスを燃焼するバーナーを設置可能な排気ガス燃焼室と、前記加熱室と炭化用煙突とを前記排気ガス燃焼室の下方で連結し、通気する第1熱路と、を含む炭化装置と、
上部に開閉式の蓋を有する投入口を、下部に床部を備えるドラムを含む乾燥装置であって、前記乾燥装置の内部を前記床部と平行に仕切る耐熱煉瓦と、前記耐熱煉瓦と前記ドラムの上部とで画される空間であり、該耐熱煉瓦を貫通して中央に設置された回転軸に取付けられた複数の攪拌羽根とを有する乾燥室と、前記耐熱煉瓦と床部とで画される空間であり、バーナーを設置可能で、かつ、前記回転軸を回転させる駆動機を有する駆動室とを含み、前記乾燥室の側部に設けられた排出口と、
前記投入口と並列して前記ドラムの上部に設けられ、前記乾燥室と炭化用煙突とを前記排気ガス燃焼室の下方で連結する、あるいは該乾燥室と該排気ガス燃焼室とを直接連結する第2熱路と、
前記炭化装置の前記排気ガス燃焼室の上方と、あるいは該排気ガス燃焼室と、前記乾燥室とを連結する第3熱路とを含む乾燥装置と、を備える。
【0013】
本発明に係る炭化乾燥連結装置は、前記函体、炭化用煙突、ドラム、第1熱路、第2熱路および第3熱路は鉄又はステンレスから形成されるのが好ましい。
【0014】
本発明に係る炭化乾燥連結装置は、前記炭化装置の加熱室及び/又は炭化室の内面を、耐熱煉瓦で覆うのが好ましい。
【0015】
本発明に係る炭化乾燥連結装置は、前記炭化室から排出する排ガス調整板を前記炭化用煙突に設け得る。
【0016】
本発明に係る炭化乾燥連結装置は、前記炭化装置の炭化室を画する複数の空気遮断板の枚数を調整可能であり得る。
【0017】
本発明に係る炭化乾燥連結装置は、前記炭化室に通じる炭化用煙突と、前記乾燥室とを連結する前記第2熱路、および、該炭化用煙突と前記乾燥室とを連結する前記第3熱路は着脱自在であってよい。
【0018】
本発明に係る乾燥装置の構築方法は、上記炭化乾燥連結装置と、バーナーおよび該バーナーの上方に熱交換器を備える乾燥用煙突と、該熱交換器と前記乾燥室とを連結する第4熱路と、を準備するステップと、前記炭化室に通じる炭化用煙突と、前記乾燥室とを連結する第2熱路を取外すステップと、前記炭化用煙突の排気ガス燃焼室の上方と、前記乾燥室とを連結する第3熱路を取外すステップと、前記ドラム上部の前記第2熱路の取外し口に、前記乾燥用煙突を取り付け、固定するステップと、前記熱交換器と前記乾燥室とを前記第4熱路で連結するステップと、を含む。
【0019】
本発明に係る乾燥装置は、上部に開閉式の蓋を有する投入口を、下部に床部を備えるドラムを含む乾燥装置であって、前記乾燥装置の内部を前記床部と平行に仕切る耐熱煉瓦と、前記耐熱煉瓦と前記ドラムの上部とで画される空間であり、該耐熱煉瓦を貫通して中央に設置された回転軸に取付けられた複数の攪拌羽根とを有する乾燥室と、前記耐熱煉瓦と床部とで画される空間であり、バーナーを設置可能で、かつ、前記回転軸を回転させる駆動機を有する駆動室と、前記投入口と並列して前記ドラムの上部に設けられ、前記乾燥室に通じる炭化用煙突と、を含み、前記炭化用煙突内部にバーナー、および、該バーナーの上方に熱交換器を備え、該熱交換器と前記乾燥室とを連結する第4熱路を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る炭化乾燥連結装置は、炭化装置において炭化原料をバーナーにより低酸素下で炭化し、この際生じた熱風を第1熱路を介して炭化用煙突に流入させ、排気ガス燃焼室で生じた熱とともに第3熱路を介して乾燥室に熱風を送り込み、乾燥室内の乾燥原料を乾燥させる。駆動室でバーナーを添加させる場合は、その際生じる熱とともに、乾燥室に送り込まれた熱風は第2熱路を介して、炭化装置の炭化用煙突に再び循環され、再度乾燥室に送られ、乾燥減量の乾燥に利用される。
【0021】
このように、本発明の炭化乾燥連結装置は、きわめて高い効率で熱を循環させ、炭化製品と乾燥製品とを別々に取り出すことができる。また、本発明の炭化乾燥連結装置は、十分にコンパクト化できるので、学校や店舗、病院等にも設置可能である。
【0022】
更に、本発明の炭化乾燥連結装置から構築した乾燥装置または炭化装置は、単独で乾燥、炭化を行え、乾燥のみ又は炭化のみを行う場合に、装置の省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1(a)】本発明に係る炭化乾燥連結装置を構成する炭化装置の正面図。
【図1(b)】本発明に係る炭化乾燥連結装置を構成する炭化装置の側面図。
【図2】本発明に係る炭化乾燥連結装置の概略図(点線及び実線)および乾燥装置(実線)の断面図。
【図3】本発明に係る乾燥装置の側面図。
【図4】特許文献3に係る炭化乾燥並列システムの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明に係る炭化乾燥連結装置の実施形態について説明する。なお、以下各図面を通して同一の構成要素には同一の符号を使用するものとする。
【0025】
本発明の炭化乾燥連結装置1(図2を参照)は、図1(a)、図1(b)を参照して、
上部に開閉式の蓋14を有する投入口16を、下部に床部12を備える函体10を含む炭化装置2であって、
函体10の内部を床部12と平行に仕切る1又は複数の空気遮断板24と、
空気遮断板24と床部12とで画される空間であり、バーナー22を設置可能な加熱室36と、
空気遮断板24と函体10の上部とで画される空間であり、投入口16と炭化用煙突34に通気可能な炭化室38と、
投入口16と並列して函体10の上部に設けられ、炭化室38に通じる炭化用煙突34と、
炭化室38の側部に設けられた排出口17と、
炭化装置2に設置され、炭化室38の温度を制御する温度制御装置44と、
炭化用煙突34の略中腹に設けられ、炭化用煙突34を介して炭化室38から発生する排気ガスを燃焼するバーナー32を設置可能な排気ガス燃焼室30と、
加熱室36と炭化用煙突34とを排気ガス燃焼室30の下方で連結し、あるいは加熱室36と排気ガス燃焼室30とを直接連結し、通気する第1熱路50と、
を含む炭化装置2を備える。
【0026】
さらに、本発明の炭化乾燥連結装置1は、図2を参照して、
上部に開閉式の蓋114を有する投入口116を、下部に床部112を備えるドラム110を含む乾燥装置3であって、
乾燥装置3の内部を床部112と平行に仕切る耐熱煉瓦125と、
耐熱煉瓦125とドラム110の上部とで画される空間であり、耐熱煉瓦125を貫通して中央に設置された回転軸151に取付けられた複数の攪拌羽根152とを有する乾燥室138と、
耐熱煉瓦125と床部112とで画される空間であり、バーナー40を設置可能で、かつ、回転軸151を回転させる駆動機150を有する駆動室136とを含み、
前記乾燥室138の側部に設けられた排出口115と、
投入口116と並列してドラム110の上部に設けられ、乾燥室138と炭化用煙突34とを排気ガス燃焼室30の下方で連結する、あるいは乾燥室138と排気ガス燃焼室30とを直接連結する第2熱路52と、
炭化用煙突34の排気ガス燃焼室30の上方と、あるいは排気ガス燃焼室30と、乾燥室138とを連結する第3熱路54とを含む乾燥装置3と、を備える。
【0027】
本発明の炭化乾燥連結装置1は、上記のように炭化装置2と乾燥装置3とを第2熱路52と第2熱路54とを連結して構成される。
【0028】
炭化装置2は、下部に床部12を、上部に投入口16と炭化用煙突34とを備える函体10を含み、その内部は床部12と平行な1又は複数の空気遮断板24によって仕切られている。函体10は、例えば図1(b)に示すように、5角形の断面であり、その斜面部分に投入口16を設けてもよい。
【0029】
加熱室36は、空気遮断板24と床部12とで画される空間であり、バーナー22をバーナー取り出し口19を介して設置可能である。
【0030】
また、炭化室38は、空気遮断板24と函体10の上部とで画される空間であり、投入口16と炭化用煙突34および排出口17を介して外部と通気可能である。炭化用煙突34は、例えば図1(b)のように、斜面部に設けられた投入口16の後部の平面部に、これと並列して設置される。
【0031】
なお、空気遮断板24が複数の場合、その枚数を外部から調整することによって、炭化室38の室温を調節してもよい。炭化室38の室温は、炭化時に、300〜350℃に保たれるのが好ましい。
【0032】
炭化装置2の開閉式の蓋14は、例えば図1(a)に示すように、ローラー15付きの開閉式の蓋14であり、蓋14を開口状態にして、炭化原料を投入口16から炭化室38に投入することができる。
【0033】
炭化原料としては、籾殻、蕎麦殻、木材、竹材、スーパーマーケットやレストランで生じる残飯、野菜等の残渣物、ゴルフ場の芝、植木の枝、木の葉、おが屑、おから、うどん、そば、サザエ、ハマグリ、牡蠣、ホタテなど、多数の原料が挙げられる。ただし、炭化の過程で有害物を発する石油系物質等は炭化原料から除かれる。
【0034】
また、炭化装置2は、炭化室38の温度を制御する温度制御装置44を有する。この温度制御装置44は点火スイッチ46及び図示しない温度センサを備え、炭化室38内の温度を感知して、炭化室38の温度を所望の温度に調整する。
【0035】
また、バーナー取り出し口33を介してバーナー32を設置可能な排気ガス燃焼室30が炭化用煙突34の略中腹に設けられ、炭化用煙突34を介して炭化室38から発生する排気ガスを燃焼させる。このため、炭化過程で有毒ガスが炭化室38から発生しても、あるいは他の熱路50、52、54から有毒ガスが流入しても、排気ガス燃焼室30でバーナー32により燃焼することにより、無害なガスとして炭化用煙突34から外気に放出することができる。炭化用煙突34の排気ガス燃焼室30の下方に、炭化室38から発生する排気ガスの排出量を調整する排ガス調整板28を設け、例えば外部からこの排ガス調整板を出し入れして、排気ガス燃焼室30に流入する排気ガス量を調整してもよい。
【0036】
さらに、加熱室36と炭化用煙突34とを排気ガス燃焼室30の下方で、あるいは加熱室36と排気ガス燃焼室30とを直接に、第1熱路50で連結し、加熱室36で発生する熱を再利用するのが好ましい。例えば、加熱室36と、炭化用煙突34の略中腹に設けられた排気ガス燃焼室30とを第1熱路50で連結し、バーナー32により炭化室38から発生する排気ガスを燃焼させる。
【0037】
炭化室38において、低酸素中で炭化された炭化原料は、炭化製品として排出口17からシャベルやスコップ等で取り出すことができる。なお、排出口17は炭化室38内と外気を通気させるダンパを取付けてよく、加熱室36にダンパ兼掃除口20を取付けてもよい。
【0038】
次に、本発明に係る炭化乾燥連結装置1の乾燥装置3(図2を参照)は、下部に床部112を、上部に開閉式の蓋114を有する投入口116を備えるドラム110からなり、炭化装置2と同様に、図2に示すような斜面部分に投入口116を設けてもよい。
【0039】
ドラム110の内部は、床部112と平行に当該内部を仕切る耐熱煉瓦125で区切られ、耐熱煉瓦125の上部に設けられた乾燥室138と、耐熱煉瓦125の下部に設けられた駆動室136とに画される。
【0040】
乾燥室138は、耐熱煉瓦125とドラム110の上部で画される空間であり、耐熱煉瓦125を貫通して中央に設置された回転軸151に取付けられた複数の攪拌羽根152を有する。
【0041】
一方、駆動室136は、耐熱煉瓦125とドラム110の下部で画される空間であり、耐熱煉瓦125を貫通する回転軸151を回転させる駆動機150を備える。乾燥室138を乾燥させるため、バーナー取り出し口41を介してバーナー40を設置してもよい。
【0042】
また、ドラム110の上部には、図2に示すように、投入口116の側方にこれと並列して設けられ、乾燥室138と、炭化装置2の炭化室38に通じる炭化用煙突34とを連結する第2熱路52が形成される。第2熱路52は、炭化用煙突34と排気ガス燃焼室30の下方で連結されてもよく、あるいは排気ガス燃焼室30とを直接に連結されてもよい。
【0043】
さらに、本発明の炭化乾燥連結装置1は、炭化装置2の炭化用煙突34に連結された第1熱路50、第2熱路52、および、排気ガス燃焼室30の上方と、あるいは燃焼室30と、乾燥室138とを連結する第3熱路54を備える。
【0044】
炭化装置2の加熱室36と、乾燥装置3の乾燥室138で生じた熱は、それぞれ、第1熱路50と第2熱路52を介して炭化用煙突34に流入し、排気ガス燃焼室30で生じた熱とともに第3熱路54を介して再び乾燥室138に熱風を送り込む。
【0045】
乾燥室138には、蓋114を開口した状態で、米や魚の皮、骨、アラなど湿り気のある材料が乾燥原料として投入口116から投入される。乾燥原料としては、他にご飯粒、うどん、そば、魚腸骨、屠殺場の残、羽根、内臓類、鶏や牛や馬の糞、とうもろこしの実、軸、葉、麦、野菜、おから、豆腐等、多種の材料が挙げられる。
【0046】
投入された乾燥原料は、駆動機150によって回転軸151を介して回転される攪拌羽根152によって攪拌され、第3熱路54を介して流入された熱風、及び/又は駆動室136のバーナー40により乾燥される。乾燥時の乾燥室138の温度は、30℃〜100℃が望ましい。
【0047】
乾燥が修了すると、排出口115等から乾燥製品が取り出され、養殖所などで魚の餌などに供される。また、木のみを炭化する際得られる木酢液は野菜、食物の養分として好適に用いられ、竹のみを炭化する際得られる竹酢液は1000〜2000倍に薄めて悪臭や虫の除去に用いることができる。また、同時に得られる木炭、竹炭は、用水路から田んぼに水を取り入れる取入れ口に配置することにより、田に取り入れる水を浄化するのにも役に立つ。
【0048】
上記炭化乾燥連結装置1において、函体10、炭化用煙突34、ドラム110、第1熱路50、第2熱路52および第3熱路54は、熱伝導率の高い鉄やステンレス等から形成されるのが好ましい。
【0049】
また、図1(a)、図1(b)に示すように、炭化装置2の加熱室36、炭化室38の内面を耐熱煉瓦で覆い、炭化装置2の外部素材(例えば鉄、ステンレス等)を保護してもよい。
【0050】
さらに、炭化装置2の加熱室36と炭化室38とを画する複数の空気遮断板24は、外部から出し入れ自在とし、その枚数を調整可能としてもよい。このように構成することにより、炭化室38内の温度を調節することができる。
【0051】
以上のように、本発明に係る炭化乾燥連結装置1は、炭化装置2において炭化原料をバーナー22により低酸素下で炭化し、この際生じた熱風を第1熱路を介して炭化用煙突34に流入させ、排気ガス燃焼室30で生じた熱とともに第3熱路54を介して乾燥室138に熱風を送り込み、乾燥室138内の乾燥原料を乾燥させる。駆動室136でバーナー40を添加させる場合は、その際生じる熱とともに、乾燥室138に送り込まれた熱風は第2熱路52を介して、炭化装置2の炭化用煙突34に再び循環され、再度乾燥室138に送られ、乾燥原料の乾燥に再利用される。
【0052】
このように、本発明の炭化乾燥連結装置1は、きわめて高い効率で熱を循環させ、炭化製品と乾燥製品とを別々に取り出すことができる。
【0053】
次に、本発明に係る乾燥装置4について、図3を用いて説明する。乾燥装置4は、上記炭化乾燥連結装置1の第2熱路52および第3熱路54を取り外し、炭化用煙突134および第4熱路56を取付けることで組立て可能である。
【0054】
すなわち、上記炭化乾燥連結装置1は、乾燥室138と、炭化室38に通じる炭化用煙突34とを連結する第2熱路52を取外し可能であるように構成され得る。
【0055】
更に、炭化乾燥連結装置1は、排気ガス燃焼室30の上方と乾燥室138とを連結する第3熱路54を取外し可能に構成され得る。
【0056】
上記構成の炭化乾燥連結装置1から乾燥装置3を分離し、本発明に係る乾燥装置4を構成する方法は、下記のようである。
【0057】
すなわち、本発明に係る乾燥装置4の構築方法は、上記炭化乾燥連結装置1、バーナー42およびバーナー42の上方に熱交換器154を備える乾燥用煙突134と、熱交換器154と乾燥室138とを連結する第4熱路56と、を準備するステップと、乾燥室138と、炭化室38に通じる炭化用煙突34とを連結する第2熱路52を取外すステップと、
排気ガス燃焼室30の上方で炭化用煙突34と乾燥室138とを連結する第3熱路54を取外すステップと、上記ドラム110上部の第2熱路52の取外し口に、乾燥用煙突134を取り付け、固定するステップと、熱交換器154と乾燥室138とを第4熱路56で連結するステップと、を含む。
【0058】
上記のように炭化乾燥連結装置1から構築された本発明の乾燥装置4は、図3に示すように、以下のような構成を有する。
【0059】
すなわち、本発明に係る乾燥装置4は、上部に開閉式の蓋114を有する投入口116を、下部に床部112を備えるドラム110を含む乾燥装置4であって、乾燥装置4の内部を床部112と平行に仕切る耐熱煉瓦125と、耐熱煉瓦125とドラム110の上部とで画される空間であり、耐熱煉瓦125を貫通して中央に設置された回転軸151に取付けられた複数の攪拌羽根152とを有する乾燥室138と、耐熱煉瓦125と床部112とで画される空間であり、バーナー40を設置可能で、かつ、回転軸151を回転させる駆動機150を有する駆動室136と、投入口116と並列してドラム110の上部に設けられ、乾燥室138に通じる乾燥用煙突134と、を含み、乾燥用煙突134内部にバーナー42、および、バーナー42の上方に熱交換器154を備え、熱交換器154と乾燥室138とを連結する第4熱路56を含む。
【0060】
ドラム110内の構成は、上記炭化乾燥連結装置1を構成する乾燥装置3のドラム110と同様であるが、第3熱路54の代わりに第4熱路56が乾燥室138に取付けられる。
【0061】
乾燥室138に通じる乾燥用煙突134は、図3に示すように、ドラム110の上部に第2熱路52の代わりに取付けられる。
【0062】
乾燥用煙突134の内部には、バーナー42が備えられ、その上方に設置された熱交換器154に熱を送る。また、乾燥室138およびバーナー42から熱交換器154に流入された熱は、第4熱路56を介して再度乾燥室138に送り込まれる。送熱効率を高めるために、送風機155を使用してもよい。
【0063】
このように、本発明の乾燥装置4は、高効率で熱を循環させ、乾燥製品を製造することができる。
【0064】
以上、本発明に係る炭化乾燥連結装置および乾燥装置とその構築方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。第2熱路52と、第3熱路54とを取外した取り外し口を、開閉式の弁で塞いで、単独の炭化装置を構成してもよい。また、熱路中の熱風の循環を高効率にするため、必要に応じて送風機を装置内外に設置してもよい。
【0065】
また、炭化原料、乾燥原料を上記したが、これら材料は特に限定されるものではなく、炭化、乾燥に適し、環境汚染を引き起こす有毒ガスを発生しない材料であれば好適に用いられる。
【0066】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係る炭化乾燥連結装置は、日常生活で生じる生ごみや草や木の葉などを、炭化及び/又は乾燥し、それぞれ炭化製品、乾燥製品としてリサイクルして利用することが出来る。
【符号の説明】
【0068】
1:炭化乾燥連結装置
2:炭化装置
3、4:乾燥装置
10:函体
12、112:床部
14、114:蓋
15:ローラー
16、116:投入口
17:排出口
19、33、41:バーナー取り出し口
20:ダンパ(掃除口)
22、32、40、42:バーナー
24:空気遮断板
25、125:耐熱煉瓦
28:排ガス調整板
30:排気ガス燃焼室
34:炭化用煙突
36:加熱室
38:炭化室
44:温度制御装置
46:点火スイッチ
50:第1熱路
52:第2熱路
54:第3熱路
56:第4熱路
110:ドラム
115:排出口
134:乾燥用煙突
136:駆動室
138:乾燥室
150:駆動機
151:回転軸
152:攪拌羽根
154:熱交換器
155:送風機
156:排出口
1001:炭化乾燥並列システム
1002:炭化装置
1003:乾燥装置
1006:暖気供給管
1008:炭化製品搬出口
1014:回転ドラム
1020:スクリュー
1022:羽根根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開閉式の蓋を有する投入口を、下部に床部を備える函体を含む炭化装置であって、
前記函体の内部を前記床部と平行に仕切る1又は複数の空気遮断板と、
前記空気遮断板と前記床部とで画される空間であり、バーナーを設置可能な加熱室と、
前記空気遮断板と前記函体の上部とで画される空間であり、前記投入口と前記炭化用煙突に通気可能な炭化室と、
前記投入口と並列して前記函体の上部に設けられ、前記炭化室に通じる炭化用煙突と、
前記炭化室の側部に設けられた排出口と、
前記炭化装置に設置され、前記炭化室の温度を制御する温度制御装置と、
前記炭化用煙突の略中腹に設けられ、該炭化用煙突を介して前記炭化室から発生する排気ガスを燃焼するバーナーを設置可能な排気ガス燃焼室と、
前記加熱室と炭化用煙突とを前記排気ガス燃焼室の下方で連結し、あるいは該加熱室と該排気ガス燃焼室とを直接連結し、通気する第1熱路と、
を含む炭化装置と、
上部に開閉式の蓋を有する投入口を、下部に床部を備えるドラムを含む乾燥装置であって、
前記乾燥装置の内部を前記床部と平行に仕切る耐熱煉瓦と、
前記耐熱煉瓦と前記ドラムの上部とで画される空間であり、該耐熱煉瓦を貫通して中央に設置された回転軸に取付けられた複数の攪拌羽根とを有する乾燥室と、
前記耐熱煉瓦と床部とで画される空間であり、バーナーを設置可能で、かつ、前記回転軸を回転させる駆動機を有する駆動室とを含み、
前記乾燥室の側部に設けられた排出口と、
前記投入口と並列して前記ドラムの上部に設けられ、前記乾燥室と炭化用煙突とを前記排気ガス燃焼室の下方で連結する、あるいは該乾燥室と該排気ガス燃焼室とを直接連結する第2熱路と、
前記炭化装置の前記排気ガス燃焼室の上方と、あるいは該排気ガス燃焼室と、前記乾燥室とを連結する第3熱路とを含む乾燥装置と、を備える炭化乾燥連結装置。
【請求項2】
前記函体、炭化用煙突、ドラム、第1熱路、第2熱路および第3熱路は鉄又はステンレスからなる請求項1に記載の炭化乾燥連結装置。
【請求項3】
前記炭化装置の加熱室及び/又は炭化室の内面を、耐熱煉瓦で覆った請求項1または請求項2に記載の炭化乾燥連結装置。
【請求項4】
前記炭化室から排出する排ガス調整板を前記炭化用煙突に設けた、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の炭化乾燥連結装置。
【請求項5】
前記炭化装置の炭化室を画する複数の空気遮断板の枚数を調整可能な、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の炭化乾燥連結装置。
【請求項6】
前記炭化室に通じる炭化用煙突と、前記乾燥室とを連結する前記第2熱路、および、該炭化用煙突と前記乾燥室とを連結する前記第3熱路は着脱自在な、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の炭化乾燥連結装置。
【請求項7】
請求項1に記載の炭化乾燥連結装置と、バーナーおよび該バーナーの上方に熱交換器を備える乾燥用煙突と、該熱交換器と前記乾燥室とを連結する第4熱路と、を準備するステップと、
前記炭化室に通じる炭化用煙突と、前記乾燥室とを連結する第2熱路を取外すステップと、
前記炭化用煙突の排気ガス燃焼室の上方と前記乾燥室とを連結する第3熱路を取外すステップと、
前記ドラム上部の前記第2熱路の取外し口に、前記乾燥用煙突を取り付け、固定するステップと、
前記熱交換器と前記乾燥室とを前記第4熱路で連結するステップと、を含む、乾燥装置の構築方法。
【請求項8】
上部に開閉式の蓋を有する投入口を、下部に床部を備えるドラムを含む乾燥装置であって、
前記乾燥装置の内部を前記床部と平行に仕切る耐熱煉瓦と、
前記耐熱煉瓦と前記ドラムの上部とで画される空間であり、該耐熱煉瓦を貫通して中央に設置された回転軸に取付けられた複数の攪拌羽根とを有する乾燥室と、
前記耐熱煉瓦と床部とで画される空間であり、バーナーを設置可能で、かつ、前記回転軸を回転させる駆動機を有する駆動室と、
前記投入口と並列して前記ドラムの上部に設けられ、前記乾燥室に通じる炭化用煙突と、
を含み、
前記炭化用煙突内部にバーナー、および、該バーナーの上方に熱交換器を備え、
該熱交換器と前記乾燥室とを連結する第4熱路を含む、乾燥装置。


【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−265418(P2010−265418A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119292(P2009−119292)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(305043412)
【Fターム(参考)】