説明

点灯装置及びそれを用いる照明器具

【課題】電力効率を向上させるとともに、回路部品に過大なストレスが加わるのを抑制できる点灯装置及びそれを用いる照明器具を提供する。
【解決手段】インバータ回路2は、直流電源E1の直流電圧をスイッチング素子Q1,Q2でスイッチングすることによって高周波電圧に変換し、共振回路3及び負荷回路4に出力する。共振回路3の出力端には、負荷回路4を構成する放電ランプLa1が接続されている。駆動回路6は、発振制御回路5から入力される制御信号S1に基づいてスイッチング素子Q1,Q2を交互にオン/オフさせる。スイッチング素子Q1,Q2は、GaN系半導体により形成されて2つのゲートを備えた双方向スイッチング素子で構成される。駆動回路6は、一方のスイッチング素子Q1,Q2が備える低圧側ゲートg1への給電が停止する前に、他方のスイッチング素子Q2,Q1が備える高圧側ゲートg2への給電を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源を点灯させる点灯装置及びそれを用いる照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光源として放電ランプを用いる点灯装置が提供されている。この種の点灯装置は、商用交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換する直流電源回路と、直流電源回路の出力電圧をスイッチング素子でスイッチングすることによって高周波電圧に変換する高周波変換回路を備えている。高周波変換回路の出力端には共振回路が接続されており、共振回路の共振現象によって発生した高周波電圧が放電ランプに印加される。このような点灯装置では、放電ランプへの出力を制御するために、直流電源回路から出力される直流電圧、又は、高周波変換回路から出力される高周波電力を制御しているが、電力効率を向上させるために、スイッチング素子として低損失のものが求められている。
【0003】
近年、低損失で高耐圧のスイッチング素子として、GaNやAlGaNのようなワイドバンドギャップ半導体により形成されたスイッチング素子の開発が進められている。ここで、ワイドバンドギャップとは、Siのバンドギャップ(1.1eV)の約2倍以上のバンドギャップ(2.0V以上)をいう。またワイドバンドギャップ半導体とは、例えば周期律表第2周期の軽元素(B,C,N,O)を構成要素とする半導体である。
【0004】
このようなワイドバンドギャップ半導体の中でも、低容量で比較的低コストな素子として有望視されているものに、GaN系半導体からなるスイッチング素子がある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
上記特許文献1に開示されたGaN系半導体からなるスイッチング素子Q3は、図11(a)に示すように、2つのゲートg1,g2を備えた双方向スイッチング素子である。この双方向スイッチング素子は、低圧側のゲートg1に印加されるゲート電圧Vg1、高圧側のゲートg2に印加されるゲート電圧Vg2の組み合わせによって、図11(b)に示すように、ソースS1−S2間の状態が4つの動作モードに切り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2008/062800号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に開示された双方向スイッチング素子でブリッジ回路を構成し、ブリッジ回路の出力に共振回路を接続した点灯装置では、両ゲート電圧Vg1,Vg2が入力されるタイミングによって、ブリッジ回路を構成する双方向スイッチング素子が全てオフになると、共振回路の回生電流が行き場を失って過大な電圧が発生し、回路部品に過大なストレスが加わる可能性があった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、電力効率を向上させるとともに、回路部品に過大なストレスが加わるのを抑制できる点灯装置及びそれを用いる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の点灯装置は、インバータ回路と共振回路と発振制御回路と駆動回路を備える。インバータ回路は、少なくとも一対のスイッチング素子で構成されるブリッジ回路を有し、直流電源の直流電圧をスイッチング素子でスイッチングすることによって高周波電圧に変換する。共振回路は、少なくとも1つのインダクタ及びコンデンサを有し、インバータ回路の出力端に接続されて、共振出力を光源に供給する。発振制御回路は、スイッチング素子のオン/オフを制御する制御信号を出力し、スイッチング素子の発振周波数を変化させることによって光源の点灯状態を制御する。駆動回路は、発振制御回路から入力される制御信号に基づいてスイッチング素子を駆動する。スイッチング素子は、GaN系半導体により形成されて2つのゲートを備えた双方向スイッチング素子で構成される。駆動回路は、一方の双方向スイッチング素子が備える低圧側ゲートへの給電が停止する前に、他方の双方向スイッチング素子が備える高圧側ゲートへの給電を開始する。
【0010】
この点灯装置において、駆動回路は、遅延回路とデッドタイム生成回路とOR回路を備える。遅延回路は、発振制御回路から入力される制御信号を一定時間遅延させた遅延信号を出力する。デッドタイム生成回路は、遅延信号の先頭に所定のデッドタイムを設けた信号を出力する。OR回路は、デッドタイム生成回路から出力される信号と制御信号との論理和の信号を出力する。スイッチング素子の低圧側ゲートにはデッドタイム生成回路の出力信号が入力され、高圧側ゲートにはOR回路の出力信号が入力される。
【0011】
この点灯装置において、駆動回路はデッドタイム生成回路と遅延回路を備える。デッドタイム生成回路は、発振制御回路から入力される制御信号の先頭に所定のデッドタイムを設けた信号を出力する。遅延回路は、デッドタイム生成回路から出力される信号を一定時間遅延させた遅延信号を出力する。スイッチング素子の高圧側ゲートにはデッドタイム生成回路の出力信号が入力され、低圧側ゲートには遅延信号が入力される。
【0012】
この点灯装置において、光源が放電ランプであることも好ましい。
【0013】
本発明の照明器具は、上述の点灯装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電力効率を向上させるとともに、回路部品に過大なストレスが加わるのを抑制できる点灯装置を提供できる。
【0015】
また、上記の点灯装置を備えることで、電力効率を向上させるとともに、回路部品に過大なストレスが加わるのを抑制した照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1の点灯装置の回路図である。
【図2】(a)〜(f)は同上の動作を説明する波形図である。
【図3】(a)〜(d)は同上のインバータ回路の等価回路図である。
【図4】同上を構成する駆動回路の具体回路図である。
【図5】(a)〜(h)は同上の動作を説明する波形図である。
【図6】(a)は同上を構成する遅延回路の具体回路図、(b)は同上を構成するデッドタイム生成回路の具体回路図である。
【図7】(a)〜(f)は実施形態2の点灯装置の動作を説明する波形図である。
【図8】(a)〜(f)は同上のインバータ回路の等価回路図である。
【図9】同上を構成する駆動回路の具体回路図である。
【図10】(a)〜(g)は同上の動作を説明する波形図である。
【図11】(a)(b)は同上に用いられるスイッチング素子の動作モードを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(実施形態1)
本発明に係る点灯装置の実施形態1を図1〜図6に基づいて説明する。本実施形態の点灯装置の回路図を図1に示す。この点灯装置1は、インバータ回路2と、共振回路3と、負荷回路4と、発振制御回路5と、駆動回路6を備える。
【0019】
インバータ回路2は、直流電源E1の両端間にハーフブリッジ接続された一対のスイッチング素子Q1,Q2と、発振制御回路5から入力される制御信号に応じてスイッチング素子Q1,Q2を駆動する駆動回路6を備えている。
【0020】
共振回路3は、低圧側のスイッチング素子Q2の両端間に接続されたインダクタL1及びコンデンサC1のLC共振回路で構成される。コンデンサC1の両端間には直流カットコンデンサC2を介して負荷回路4が接続されている。尚、共振回路3は、高圧側のスイッチング素子Q1の両端間に接続されていてもよい。
【0021】
負荷回路4は、共振回路3の出力端に直流カットコンデンサC2を介して接続された、蛍光灯のような放電ランプLa1からなる。
【0022】
発振制御回路5は、所定の周波数で発振する発振回路(図示せず)を具備し、所定周波数の矩形波信号からなる制御信号S1を駆動回路6に出力する。また発振制御回路5は、外部の調光器20から入力される調光信号DM1に応じて、発振回路の発振周波数を変化させており、制御信号S1の周波数を変化させることによってインバータ回路2の動作周波数を変化させて、放電ランプLa1を調光する。
【0023】
駆動回路6は、スイッチング素子Q1,Q2のゲートをそれぞれドライブするドライブ回路7a,7bを備えている。この駆動回路6は、発振制御回路5から入力される制御信号S1に応じて、ドライブ回路7a,7bによりスイッチング素子Q1,Q2を所定の周波数で交互にオン/オフさせることで、直流電源E1の直流電圧を高周波の交流電圧に変換する。
【0024】
ここにおいて、本実施形態ではインバータ回路2を構成する一対のスイッチング素子Q1,Q2に、ワイドバンドギャップ半導体であるGaN系半導体により形成された、2つのゲートを備える双方向スイッチング素子を用いている。なお、ワイドバンドギャップとは、Siのバンドギャップ(1.1eV)の約2倍以上のバンドギャップ(2.0V以上)をいう。またワイドバンドギャップ半導体とは、例えば周期律表第2周期の軽元素(B,C,N,O)を構成要素とする半導体である。このスイッチング素子Q1,Q2は、背景技術で説明したように2つのゲートg1,g2に印加されるゲート電圧の組み合わせによって、図11(b)に示すようにソースs1,s2間の状態が4つの動作モードに切り替えられるようになっている。ここで、両ゲートg1,g2に印加されるゲート電圧が共にLレベルになると、スイッチング素子Q1,Q2はオフになり、両ゲートg1,g2に印加されるゲート電圧が共にHレベルになると、スイッチング素子Q1,Q2はオンになる。ゲートg1,g2の一方のみゲート電圧がHレベルになると、スイッチング素子Q1,Q2は整流モードで動作し、低圧側ゲート電圧のみがHレベルであれば、高圧側から低圧側へ電流が流れる向きのダイオードとして動作する。また、高圧側ゲート電圧のみがHレベルであれば、スイッチング素子Q1、Q2は低圧側から高圧側へ電流が流れる向きのダイオードとして動作する。
【0025】
発振制御回路5では、一方のスイッチング素子Q1(又はQ2)が備える低圧側ゲートg1への給電が停止する前に、他方のスイッチング素子Q2(又はQ1)が備える高圧側ゲートg2への給電を開始している。これにより、一方のスイッチング素子Q1(又はQ2)がオフする前に、他方のスイッチング素子Q2(又はQ1)が整流モードに切り替えられ、低圧側から高圧側へ電流を流すダイオードとして動作する。したがって、一方のスイッチング素子がオフする前に共振回路に流れていた電流は、一方のスイッチング素子がオフした後、整流モードで動作する他方のスイッチング素子を介して流れ続けることができる。よって、共振回路の回生電流が流れる経路を確保でき、回路部品にストレスが加わるのを抑制できる。しかも、インバータ回路2を構成するスイッチング素子Q1,Q2が、GaN系半導体により形成されて2つのゲートを備えた双方向スイッチング素子で構成されており、低損失で高耐圧でありながら、比較的低コストな素子を使用することで、回路損失を低減した高効率で低コストの点灯装置を実現できる。
【0026】
次に、図2及び図3を参照して本実施形態の動作を詳細に説明する。尚、図2(a)(b)は高圧側のスイッチング素子Q1の高圧側ゲートg2及び低圧側ゲートg1にそれぞれ印加される電圧Vg12,Vg11の波形図である。また図2(c)(d)は低圧側のスイッチング素子Q2の高圧側ゲートg2及び低圧側ゲートg1にそれぞれ印加される電圧Vg22,Vg21の波形図である。また図2(e)(f)は、それぞれ、スイッチング素子Q1,Q2のドレイン−ソース間に流れる電流I1,I2の波形図である。図3(a)〜(d)は各期間におけるインバータ回路2の等価回路図であり、インバータ回路2以外の回路部品は省略してある。図3(a)〜(d)において図中の矢印は電流の流れを示している。
【0027】
本実施形態のインバータ回路2は共振回路3及び負荷回路4に電力を供給しているので、ブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q1,Q2が同時にオフすると、共振電流が行き場を失って過大な電圧が発生し、回路部品に大きなストレスが加わることになる。このようなストレスの大きいスイッチング動作(所謂ハードスイッチング)を回避するため、図2に示すように共振電流がゲート電圧に対して遅相動作となるように、発振制御回路5は動作している。
【0028】
ここで、図2の期間t1では、スイッチング素子Q1のゲート電圧Vg12,Vg11が両方共にHレベルであるので、スイッチング素子Q1はオンになる。またスイッチング素子Q2のゲート電圧Vg21,Vg22は両方共にLレベルであるので、スイッチング素子Q2はオフになる。この場合の等価回路は図3(a)に示す通りであり、直流電源E1→インダクタL1→コンデンサC1→直流電源E1の経路で電流が流れる。
【0029】
この状態からスイッチング素子Q1の両ゲートg1,g2に印加される電圧Vg11,Vg12が共にLレベルになると、スイッチング素子Q1が完全にオフになるため、共振電流の流れる経路がなくなってしまう。このように、スイッチング素子Q1,Q2が同時にオフになると、インダクタL1に過大な電圧が発生し、回路部品に過大なストレスがかかってしまう。
【0030】
このような状況を回避するために、駆動回路6は、スイッチング素子Q1がオフする前の期間t2に、スイッチング素子Q2の高圧側ゲートg2にHレベルのゲート電圧Vg22を印加して、スイッチング素子Q2を整流モードで動作させる。この場合の等価回路は図3(b)に示す通りであり、スイッチング素子Q2は低圧側から高圧側に電流を流す向きのダイオードとして動作し、スイッチング素子Q2→インダクタL1→コンデンサC1→スイッチング素子Q2という電流ループが確保される。尚、期間t2ではスイッチング素子Q1がまだオン状態であるので、直流電源E1→インダクタL1→コンデンサC1→直流電源E1の経路で電流が流れている。
【0031】
その後の期間t3に、駆動回路6は、スイッチング素子Q1の両ゲートg1,g2に印加するゲート電圧Vg11,Vg12をLレベルとし、スイッチング素子Q1をオフさせる。この場合の等価回路は図3(c)に示す通りであり、スイッチング素子Q1がオフする前に共振回路3に流れていた電流は、整流モードで動作するスイッチング素子Q2を介して流れ続けることができるので、インダクタL1に過大な電圧が発生することなく動作させることができる。
【0032】
なお、その後の期間t4では、駆動回路6がスイッチング素子Q2のゲート電圧Vg21,Vg22を両方共にHレベルとし、スイッチング素子Q2を完全なオン状態に切り替えており、この場合の等価回路は図3(d)に示す通りである。期間t4ではインダクタL1に蓄積されたエネルギーが無くなるまで、インダクタL1→コンデンサC1→スイッチング素子Q2→インダクタL2の経路で電流が流れ、この電流がゼロになると、共振電流が反転してインダクタL1→スイッチング素子Q2→コンデンサC1→インダクタL1の経路で電流が流れる。
【0033】
駆動回路6では、スイッチング素子Q2が完全にオフする前にも、上述と同様に、スイッチング素子Q1の高圧側ゲート電圧Vg12のみをHレベルとして、スイッチング素子Q1を整流モードで(低圧側から高圧側に電流を流すダイオードとして)動作させる。これによって、スイッチング素子Q1→(直流電源E1を構成する回路要素)→コンデンサC1→インダクタL1→スイッチング素子Q1の電流ループが確保されるから、スイッチング素子Q2が完全にオフしたとしても、共振電流の流れる経路が確保され、インダクタL1に過大な電圧が発生することはない。
【0034】
駆動回路6は上記のような動作を行うのであるが、このような駆動方法は図4に示す具体回路によって実現できる。駆動回路6は、ドライブ回路7a,7bと、遅延回路8と、デッドタイム生成回路9a,9bと、NOTゲート10a,10bと、OR回路11a,11bとを備えている。尚、スイッチング素子Q1,Q2を駆動するため、駆動回路6には適宜レベルシフト回路(図示せず)を追加または挿入してもよい。
【0035】
遅延回路8は、発振制御回路5から入力される制御信号S1を一定時間遅延させた遅延信号S2を出力する。デッドタイム生成回路9aは、遅延信号S2の先頭に所定のデッドタイム(休止時間)を設けた信号を発生する。OR回路11aは、制御信号S1とデッドタイム生成回路9aの出力との論理和となる信号を出力する。ドライブ回路7aでは、OR回路11aの出力をゲート電圧Vg12としてスイッチング素子Q1の高圧側ゲートg2に出力し、デッドタイム生成回路9aの出力をゲート電圧Vg11としてスイッチング素子Q1の低圧側ゲートg1に出力する。
【0036】
また、NOTゲート10aは制御信号S1を反転させた信号S3を出力する。NOTゲート10bは遅延信号S2を反転させた信号S4を出力する。デッドタイム生成回路9bは、信号S4の先頭に所定のデッドタイムを設けた信号を発生する。OR回路11bは、NOTゲート10aから出力される信号S3と、デッドタイム生成回路9bから出力される信号との論理和の信号を出力する。ドライブ回路7bでは、OR回路11bの出力をゲート電圧Vg22としてスイッチング素子Q2の高圧側ゲートg2に出力し、デッドタイム生成回路9bの出力をゲート電圧Vg21としてスイッチング素子Q2の低圧側ゲートg1に出力する。
【0037】
ここで、遅延回路8及びデッドタイム生成回路9a,9bの具体回路を図6に基づいて説明する。図6(a)は遅延回路8の具体回路図であり、抵抗R1とコンデンサC3との直列回路からなる時定数回路と、抵抗R1及びコンデンサC3の接続点に入力端が接続されたバッファIC12とで構成される。この遅延回路8では、抵抗R1を介してコンデンサC3が充電され、コンデンサC3の両端電圧がしきい値電圧を超えるとバッファIC12の出力が反転する。ここで、抵抗R1の抵抗値とコンデンサC3の静電容量とで決定される時定数に応じた遅延時間d1だけ入力信号を遅延することができる。また、図6(b)はデッドタイム生成回路9a,9bの具体回路である。デッドタイム生成回路9a,9bは、抵抗R2及びコンデンサC4の直列回路からなる時定数回路と、抵抗R2及びコンデンサC4の接続点に入力端が接続されたバッファIC13と、カソードを入力端側にして抵抗R2に並列接続されたダイオードD1とを備える。このデッドタイム生成回路9a,9bでは、入力信号の立ち上がりのみ、抵抗R2の抵抗値とコンデンサC3の静電容量とで決定される時定数に応じた一定時間遅延させており、入力信号の先頭に所定のデッドタイムdt1を設けている。
【0038】
次に、上記した駆動回路6の動作を図5の波形図に基づいて説明する。尚、図5(a)は制御信号S1、図5(b)は遅延信号S2の波形図である。図5(c)(d)はNOTゲート10a,10bの出力信号S3,S4の波形図である。また、図5(e)(f)はスイッチング素子Q1の高圧側ゲートg2及び低圧側ゲートg1にそれぞれ印加されるゲート電圧Vg12,Vg11の波形図である。また、図5(g)(h)はスイッチング素子Q2の高圧側ゲートg2及び低圧側ゲートg1にそれぞれ印加されるゲート電圧Vg22,Vg21の波形図である。
【0039】
駆動回路6は、発振制御回路5からの制御信号S1を遅延回路8によって一定時間d1だけ遅延させ、デッドタイム生成回路9aによって遅延信号S2の先頭にデッドタイムdt1を設けた信号を、スイッチング素子Q1の低圧側のゲート電圧Vg11とする。また駆動回路6は、デッドタイム生成回路9bの出力と制御信号S1との論理和をとった信号を、スイッチング素子Q1の高圧側のゲート電圧Vg12とする。ここで、遅延回路8による遅延時間d1は、制御信号S1のHレベルの期間をTとすると、d1≦Tである。尚、制御信号S1は、通常オンデューティが略50%の信号とするので、上記の期間Tは制御信号S1の半周期に略等しい時間となる。
【0040】
また駆動回路6は、制御信号S1を遅延回路8によって遅延させ、NOTゲート10bで反転させた信号S4の先頭に、デッドタイム生成回路9aによってデッドタイムdt1を設けた信号を、スイッチング素子Q2の低圧側のゲート電圧Vg21とする。また駆動回路6は、制御信号S1を反転させた信号S3と、デッドタイム生成回路9bの出力との論理和をとった信号を、スイッチング素子Q2の高圧側のゲート電圧Vg22とする。
【0041】
このように、各スイッチング素子Q1,Q2の高圧側ゲートg2に印加されるゲート電圧Vg12,Vg22は、制御信号S1又は制御信号S1を反転させた信号S3と、低圧側ゲートg1に印加されるゲート電圧Vg11,Vg21の論理和の信号となっている。また各スイッチング素子Q1,Q2の低圧側ゲートg1に印加されるゲート電圧Vg11,Vg21は、制御信号S1の立ち下がり又は立ち上がりを一定時間d1だけ遅延させたタイミングで信号レベルがLレベルになる。したがって、一方のスイッチング素子Q1(又はQ2)の両ゲートg1,g2に印加させる電圧がLレベルとなる前に、他方のスイッチング素子Q2(又はQ1)の高圧側ゲートg2にHレベルのゲート電圧が印加されることになる。よって、一方のスイッチング素子Q1(又はQ2)がオフする前に、他方のスイッチング素子Q2(又はQ1)が整流モードで動作し、共振電流が流れる電流ループを確保できるから、共振電流が行き場を失ってインダクタL1に過電圧が発生することはない。
【0042】
また、上述の駆動回路6において遅延回路8による遅延時間d1を大きくすると、高圧側ゲートg2に印加されるゲート電圧Vg12,Vg22がLレベルとなる期間が短くなる。すなわちスイッチング素子Q1,Q2が完全にオフする期間が短くなる。その極端な場合は、遅延時間d1=T1(制御信号S1の半周期)のときであり、各スイッチング素子Q1,Q2の高圧側ゲートg2に印加されるゲート電圧Vg12,Vg22が常にHレベルとなる状態に相当する。この場合、低圧側ゲートg1がHレベルになるとスイッチング素子はオン状態、低圧側ゲートg1がLレベルになるとスイッチング素子は整流モードで動作することになる。この場合でも、一方のスイッチング素子がオフになる前に、他方のスイッチング素子が整流モードで動作することによって、共振電流が流れる電流ループを確保できるから、インダクタL1に過大な電圧が発生するのを抑制できる。
【0043】
但し、この場合には電流を流さない期間にもスイッチング素子のゲートに駆動電力を供給しなければならないため、スイッチング素子の駆動電力を抑制するためには、遅延時間d1をできるだけ小さくすることが望ましい。
【0044】
以上のように、本実施形態では、一方のスイッチング素子がオフする前に、他方のスイッチング素子が備える高圧側ゲートに給電を開始することで、このスイッチング素子を整流モードで動作させて、電流ループを確保することができる。したがって、一方のスイッチング素子がオフ状態になった場合でも、共振電流が流れる電流ループを確保できるから、インダクタL1に過大な電圧が発生することはなく、スイッチング素子やその他の回路部品に過大なストレスが加わるのを抑制できる。
【0045】
(実施形態2)
本発明に係る点灯装置の実施形態2を図7〜図10に基づいて説明する。尚、点灯装置1の回路構成は、実施形態1で説明した図1の回路図に示す通りであり、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0046】
本実施形態の点灯装置1も、実施形態1と同様、一方のスイッチング素子がオフする前にもう一方のスイッチング素子の高圧側ゲートに印加するゲート電圧をHレベルとして、電流ループを確保している。本実施形態の点灯装置1が実施形態1と異なる点は、スイッチング素子Q1,Q2の高圧側ゲートに印加される電圧Vg12,Vg22にもデッドタイムが設けられた点である。これにより、各スイッチング素子Q1,Q2がオフする直前に、整流モードで動作する期間が設けられることになる。
【0047】
ここで、図7及び図8を参照して本実施形態の動作を詳細に説明する。尚、図7(a)(b)は高圧側のスイッチング素子Q1の高圧側ゲートg2及び低圧側ゲートg1にそれぞれ印加されるゲート電圧Vg12,Vg11の波形図である。また図7(c)(d)は低圧側のスイッチング素子Q2の高圧側ゲートg2及び低圧側ゲートg1にそれぞれ印加される電圧Vg22,Vg21の波形図である。また図7(e)(f)は、それぞれ、スイッチング素子Q1,Q2のドレイン−ソース間に流れる電流I1,I2の波形図である。図8(a)〜(f)は各期間におけるインバータ回路2の等価回路図であり、インバータ回路2以外の回路部品は省略してある。図8(a)〜(f)において図中の矢印は電流の流れる方向を示している。
【0048】
本実施形態のインバータ回路2は共振回路3及び負荷回路4に電力を供給しているので、ブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q1,Q2が同時にオフすると、共振電流が行き場を失って過大な電圧が発生し、回路部品に大きなストレスが加わることになる。このようなストレスの大きいスイッチング動作(所謂ハードスイッチング)を回避するため、図7に示すように共振電流がゲート電圧に対して遅相動作となるように、発振制御回路5は動作している。
【0049】
ここで、図7の期間t1では、スイッチング素子Q1のゲート電圧Vg12,Vg11が両方共にHレベルであるので、スイッチング素子Q1はオンになる。またスイッチング素子Q2のゲート電圧Vg21,Vg22は両方共にLレベルであるので、スイッチング素子Q2はオフになる。この場合の等価回路は図8(a)に示す通りであり、直流電源E1→インダクタL1→コンデンサC1→直流電源E1の経路で電流が流れる。
【0050】
この状態からスイッチング素子Q1の両ゲートg1,g2に印加される電圧Vg11,Vg12が共にLレベルになると、スイッチング素子Q1がオフになるため、共振電流の流れる経路がなくなってしまう。このように、スイッチング素子Q1,Q2が同時にオフになると、インダクタL1に過大な電圧が発生し、回路部品に過大なストレスがかかってしまう。
【0051】
このような状況を回避するために、駆動回路6は、スイッチング素子Q1がオフする前の期間t2〜t3に、スイッチング素子Q1の高圧側ゲート電圧Vg12をLレベルとし、低圧側ゲート電圧Vg11のみHレベルとして、スイッチング素子Q1を整流モードで動作させる。スイッチング素子Q2がオフしている期間t2の等価回路は図8(b)に示す通りであり、スイッチング素子Q1は、高圧側から低圧側に電流を流す向きのダイオードとして動作する。尚、この場合にも、直流電源E1→インダクタL1→コンデンサC1→直流電源E1の経路で電流が流れ続けることになる。
【0052】
その後、スイッチング素子Q1が整流モードで動作中の期間t3に、駆動回路6は、スイッチング素子Q2の高圧側ゲートg2にHレベルのゲート電圧Vg22を印加して、スイッチング素子Q2を整流モードで動作させる。この場合の等価回路は図8(c)に示す通りであり、スイッチング素子Q2は低圧側から高圧側に電流を流す向きのダイオードとして動作し、スイッチング素子Q2→インダクタL1→コンデンサC1→スイッチング素子Q2という電流ループが確保される。尚、期間t3ではスイッチング素子Q1がまだ整流モードで動作しているので、直流電源E1→インダクタL1→コンデンサC1→直流電源E1の経路で電流が流れている。
【0053】
その後の期間t4では、スイッチング素子Q1のゲート電圧Vg11,Vg12が両方共にLレベルになって、スイッチング素子Q1がオフ状態となる。この場合の等価回路は図8(d)に示す通りであり、スイッチング素子Q1がオフする前に共振回路3に流れていた電流は、整流モードで動作するスイッチング素子Q2を介して流れ続けることができるので、インダクタL1に過大な電圧が発生することなく動作させることができる。
【0054】
また期間t5では、スイッチング素子Q2のゲート電圧Vg21,Vg22が両方共にHレベルになって、スイッチング素子Q2が完全なオン状態となっており、この場合の等価回路は図8(e)に示す通りである。この期間ではインダクタL1に蓄積されたエネルギーが無くなるまで、インダクタL1→コンデンサC1→スイッチング素子Q2→インダクタL2の経路で電流が流れ、この電流がゼロになると、共振電流が反転してインダクタL1→スイッチング素子Q2→コンデンサC1→インダクタL1の経路で電流が流れる。
【0055】
また駆動回路6では、スイッチング素子Q2がオフする直前の期間t6〜t7でも、上述と同様に、スイッチング素子Q2の高圧側ゲートg2のみにHレベルのゲート電圧Vg22を印加して、スイッチング素子Q2を整流モードで動作させている。この場合の等価回路は図8(f)に示す通りである。そして、スイッチング素子Q2が整流モードで動作中に、他方のスイッチング素子Q1を整流モードに切り替えた後、スイッチング素子Q2をオフに切り替え、その後でスイッチング素子Q1を完全なオン状態に切り替えている。
【0056】
以上のように、本実施形態でも、一方のスイッチング素子がオフする前に、他方のスイッチング素子が備える高圧側ゲートに給電を開始することで、このスイッチング素子を整流モードで動作させて、電流ループを確保することができる。したがって、一方のスイッチング素子がオフ状態になった場合でも、共振電流が流れる電流ループを確保できるから、インダクタL1に過大な電圧が発生することはなく、スイッチング素子やその他の回路部品に過大なストレスが加わるのを抑制できる。
【0057】
駆動回路6は上記のような動作を行うのであるが、このような駆動方法は図9に示す具体回路によって実現できる。駆動回路6は、NOTゲート10cと、デッドタイム生成回路14a,14bと、遅延回路15a,15bと、ドライブ回路7a,7bとを備える。本実施形態では、一方のスイッチング素子がオフする前にもう一方のスイッチング素子の高圧側ゲートに印加するゲート電圧をHレベルとして、電流ループを確保するとともに、スイッチング素子Q1,Q2の高圧側ゲートに印加される電圧Vg12,Vg22にもデッドタイムを設け、各スイッチング素子Q1,Q2がオフする直前に、整流モードで動作する期間を設けてある。このような駆動方法を採用することによって、駆動回路6の回路構成を簡略化できる。尚、スイッチング素子Q1,Q2を駆動するために、駆動回路6には適宜レベルシフト回路(図示せず)を追加または挿入してもよい。
【0058】
NOTゲート10cは、制御信号S1を反転させた信号S2を出力する。
【0059】
デッドタイム生成回路14a,14bは、それぞれ、制御信号S1、信号S2の先頭に所定のデッドタイム(休止時間)dt1を設けた信号を発生する。デッドタイム生成回路9a,9bは例えば図6(b)に示すような具体回路で実現される。
【0060】
遅延回路15a,15bは、それぞれ、デッドタイム生成回路14a,14bから出力された信号を一定時間d1だけ遅延させた信号を出力する。遅延回路15a,15bは例えば図6(a)に示すような具体回路で実現される。
【0061】
ドライブ回路7aでは、デッドタイム生成回路14aの出力をゲート電圧Vg12としてスイッチング素子Q1の高圧側ゲートg2に出力し、遅延回路15aの出力をゲート電圧Vg11としてスイッチング素子Q1の低圧側ゲートg1に出力する。
【0062】
またドライブ回路7bでは、デッドタイム生成回路14bの出力をゲート電圧Vg22としてスイッチング素子Q2の高圧側ゲートg2に出力し、遅延回路15bの出力をゲート電圧Vg21としてスイッチング素子Q2の低圧側ゲートg1に出力する。
【0063】
この駆動回路6の動作を図10の波形図に基づいて説明する。尚、図10(a)は制御信号S1、図10(b)はNOTゲート10cの出力信号S2の波形図である。図10(c)(d)はスイッチング素子Q1の高圧側ゲートg2及び低圧側ゲートg1にそれぞれ印加されるゲート電圧Vg12,Vg11の波形図である。また、図10(e)(f)はスイッチング素子Q2の高圧側ゲートg2及び低圧側ゲートg1にそれぞれ印加されるゲート電圧Vg22,Vg21の波形図であり、図10(g)はスイッチング素子Q2に流れる電流I2の波形図である。
【0064】
駆動回路6では、デッドタイム生成回路14aが、発振制御回路5からの制御信号S1の先頭にデッドタイムdt1を設けた信号を発生し、この信号をスイッチング素子Q1の高圧側のゲート電圧Vg12とする(図10(c)参照)。また、デッドタイム生成回路14aの出力を遅延回路15aによって一定時間d1だけ遅延させており、この信号が、スイッチング素子Q1の低圧側のゲート電圧Vg11となる(図10(d)参照)。また駆動回路6では、NOTゲート10cが制御信号S1を反転させた信号S2を発生する(図10(b)参照)。そして、デッドタイム生成回路14bによって信号S2の先頭にデッドタイムdt1が設けられた信号を、スイッチング素子Q2の高圧側のゲート電圧Vg22とする(図10(e)参照)。また、デッドタイム生成回路14bの出力を遅延回路15bによって一定時間d1だけ遅延させており、この信号が、スイッチング素子Q2の低圧側のゲート電圧Vg21となる(図10(f)参照)。尚、遅延回路8による遅延時間d1は、制御信号S1のHレベルの期間をTとすると、d1≦Tである。制御信号S1は、通常オンデューティが略50%の信号とするので、上記の期間Tは制御信号S1の半周期に略等しい時間となる。また、一方のスイッチング素子が完全なオフ状態となる前に、他方のスイッチング素子に対して高圧側ゲート電圧の供給を開始するため、遅延時間d1はデッドタイムdt1よりも長めに設定されている(d1>dt1)。
【0065】
このように、各スイッチング素子Q1,Q2の高圧側ゲートg2に印加されるゲート電圧Vg12,Vg22は、制御信号S1又は制御信号S1を反転させた信号S2の先頭にデッドタイムが設けられた信号となる。また各スイッチング素子Q1,Q2の低圧側ゲートg1に印加されるゲート電圧Vg11,Vg21は、高圧側ゲートg2に印加されるゲート電圧Vg12,Vg22を一定時間d1だけ遅延させた信号となっている。ここで、一方のスイッチング素子の両ゲートg1,g2に印加させる電圧がLレベルとなる前に、他方のスイッチング素子の高圧側ゲートg2にHレベルのゲート電圧が印加されるよう、遅延時間d1をデッドタイムdt1よりも長くしてある(d1>dt1)。よって、一方のスイッチング素子Q1(又はQ2)がオフする前に、他方のスイッチング素子Q2(又はQ1)が整流モードで動作する。この時、整流モードのスイッチング素子Q2を介して低圧側から高圧側へ電流を流すことができるので、共振電流が流れる電流ループを確保でき、共振電流が行き場を失ってインダクタL1に過電圧が発生することはない。
【0066】
なお遅延時間d1を大きくすると、両ゲートg1,g2ともHレベルとなる期間が短くなる。すなわちスイッチング素子Q1,Q2が完全なオン状態となる期間が短くなる。ここで、低圧側ゲートg1のゲート電圧のみがHレベルになると、そのスイッチング素子は整流モードで動作するため、損失が大きくなる。また回生電流の流れる期間は、そのスイッチング素子の動作モードが整流モードとなるため、損失が大きくなる。また、回生電流の流れる期間は、そのスイッチング素子を整流モードで動作させるために、高圧側ゲートg2のゲート電圧をHレベルにする必要がある。ここで、制御信号S1の周期をT0、回生電流の流れる期間をT2とすると、T0/2−d1>T2である。このような条件に鑑み、両ゲートg1,g2に印加されるゲート電圧がHレベルとなる期間を長くして、損失を抑制するためには、d1>dt1で、遅延時間d1はできる限り短い時間にするのが好ましい。すなわち、遅延時間d1をできるだけデッドタイムdt1に近づけることが好ましい。
【0067】
尚、上述の実施形態1,2では、図4及び図9に示す駆動回路6に発振制御回路5から1つの制御信号S1のみが入力されているが、発振制御回路5から、制御信号S1とこの制御信号S1を反転させた信号を駆動回路6に出力させれば、駆動回路6側に制御信号S1を反転させるNOTゲートを設ける必要が無くなる。ここで、反転信号を出力させるか否かは発振制御回路5の構成によって適宜選択が可能である。
【0068】
また、上述した実施形態1、2の点灯装置1では、インバータ回路2がハーフブリッジ型のインバータ回路で構成されているが、フルブリッジ型のインバータ回路でもよい。また共振回路3も図1に示したLC直列共振回路に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また上述の各実施形態では負荷回路4が光源として放電ランプLa1を備えているが、発光ダイオードのような固体発光光源を備えたものでもよい。
【0069】
ところで、実施形態1又は2で説明した点灯装置1と、光源である放電ランプLa1とを器具本体(図示せず)に装着して照明器具が構成される。この照明器具は、実施形態1又は2で説明した点灯装置1を備えているので、電力効率を向上させるとともに、回路部品に過大なストレスが加わる可能性を抑制することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 点灯装置
2 インバータ回路
3 共振回路
4 負荷回路
5 発振制御回路
6 駆動回路
g1 低圧側ゲート
g2 高圧側ゲート
La1 放電ランプ
Q1,Q2 スイッチング素子
S1 制御信号
E1 直流電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一対のスイッチング素子で構成されるブリッジ回路を有し、直流電源の直流電圧を前記スイッチング素子でスイッチングすることによって高周波電圧に変換するインバータ回路と、
少なくとも1つのインダクタ及びコンデンサを有し、前記インバータ回路の出力端に接続されて、共振出力を光源に供給する共振回路と、
前記スイッチング素子のオン/オフを制御する制御信号を出力し、前記スイッチング素子の発振周波数を変化させることによって前記光源の点灯状態を制御する発振制御回路と、
前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子を駆動する駆動回路とを備え、
前記スイッチング素子は、GaN系半導体により形成されて2つのゲートを備えた双方向スイッチング素子で構成され、
前記駆動回路は、一方の前記双方向スイッチング素子が備える低圧側ゲートへの給電が停止する前に、他方の前記双方向スイッチング素子が備える高圧側ゲートへの給電を開始することを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記駆動回路は、前記発振制御回路から入力される制御信号を一定時間遅延させた遅延信号を出力する遅延回路と、前記遅延信号の先頭に所定のデッドタイムを設けた信号を出力するデッドタイム生成回路と、前記デッドタイム生成回路から出力される信号と前記制御信号との論理和の信号を出力するOR回路を備え、
前記駆動回路は、前記双方向スイッチング素子が備える低圧側ゲートに前記デッドタイム生成回路の出力信号を出力するとともに、高圧側ゲートに前記OR回路の出力信号を出力することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記駆動回路は、前記発振制御回路から入力される制御信号の先頭に所定のデッドタイムを設けた信号を出力するデッドタイム生成回路と、前記デッドタイム生成回路から出力される信号を一定時間遅延させた遅延信号を出力する遅延回路を備え、
前記スイッチング素子の高圧側ゲートには前記デッドタイム生成回路の出力信号が入力され、低圧側ゲートには前記遅延信号が入力されることを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項4】
前記光源が放電ランプであることを特徴とする点灯装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の点灯装置を備えることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−48985(P2012−48985A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190033(P2010−190033)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】