説明

無線デジタル通信システムにおけるフレーム開始デリミタの検出

順方向誤り訂正は、柔軟性を提供し且つSFDを見逃すことを減少するためにフレーム開始デリミタ(SFD)の検出と関連して使用される。入力信号内の候補SFDは、通常より低い検出閾値を使用して識別され、対応するマーカはバッファに格納される。格納されたマーカ毎に、候補SFDに続く物理層ヘッダが誤り訂正技術を用いて復号化され、訂正不能誤りが存在するかを判定する。訂正不能誤りが存在する場合、候補は拒否され、次の候補が評価される。訂正不能誤りが存在しない場合、候補は有効なSFDであると宣言され、残りの信号が復号化される。2つの検出閾値が誤り符号化パケット及び非符号化パケットの双方を許可するネットワークにおいて採用されてもよい。より高い性能を助長するSFDパターンを選択する技術が更に開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に無線デジタル通信システムに関し、特に、通信システムを介して伝送されるデータパケットのプリアンブル内のフレーム開始デリミタ(SFD)の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの無線デジタル通信システムは、受信機がデータを復調するために必要とする全ての情報を含むバーストで伝送されるようにデータを構成する。この情報のバーストは一般にパケットとして知られ、3つの主な構成要素、すなわち、同期ヘッダ、物理層(PHY)ヘッダ及びペイロードを含む。同期ヘッダは、プリアンブル及びその後ろのフレーム開始デリミタ(SFD)を含む。プリアンブルは通常、受信機がビットタイミング及び周波数同期を取得できるようにするための例えば2値の1及び0の交互シーケンスである所定のパターンである。フレーム開始デリミタは、同期ヘッダの終了を信号伝送し且つPHYヘッダの開始を示すタイミング時刻を確立する一意のビットシーケンスである。PHYヘッダは、受信機がメッセージデータを復調できるようにする情報を含む。ペイロードは、受信機に搬送されるデータを含む。
【0003】
本発明は、特に、入力パケットの同期ヘッダ内のSFDの確実な検出に関する。SFDを確実に検出する機能は、通信システムの全体的な性能に好ましい影響を及ぼすことができる。例えば検出基準が非常に厳しく、例えば検出するために僅かな誤りのみが許容されるか又は誤りが全く許容されない場合、無線通信システムに固有の雑音又はチャネル障害が存在する場合に完全に一致するものを取得できないため、パケットが失われる場合がある。その反対に、ある程度の誤りを許容するために検出閾値を低下すると、誤検出により実際のフレームの一部ではないビットを復号化しようとするため、処理リソースを浪費する結果となる。
【0004】
一般に、受信信号内の検出されたビットは、例えば入力ビットとSFDのコピーとを相関させることにより、既知のSFDパターンに対して突き合わされる。所定の閾値を上回る相関ピークは、入力信号内のSFDの検出を示す。相関の結果は、一致する点で明らかなピークを示すが全ての他の点に対して可能な限り小さいことが好ましい。従って、ビットシーケンスは誤検出につながるニアミスを回避するように選択される必要がある。
【0005】
いくつかのネットワークにおいて、複数のSFDパターンがネットワーク内で交換される異なる種類のパケットを区別するために採用されてもよい。例えばパケットのいくつかは、受信パケット内の誤りが識別され且つ訂正されるように順方向誤り訂正(FEC)を用いて符号化されてもよい。他のパケットは、誤り訂正機能を用いずに非符号化形式で伝送されてもよい。受信機が受信中のパケットの種類を判定できるようにするために、異なるSFDパターンが2つの異なる種類のパケットにそれぞれ割り当てられてもよい。そのような構成により付加される柔軟性によりネットワーク内でサポートされるアプリケーションの範囲は広がるが、この高度な柔軟性は全体的なシステム性能の低下と引き換えに得られるべきではない。例えば2つのSFDは、検出処理中に一方のSFDが他方のSFDと混同されないように、それらの相互相関が非常に適切であるという特性を有する必要がある。
【0006】
フェージング及び雑音等のチャネル障害が存在する場合の受信データの信頼性を向上するために順方向誤り訂正を採用するネットワークにおいて、システム要件を満たすために、異なるFEC機構がPHYヘッダ及びペイロードに対してそれぞれ採用されてもよい。そのような構成において、PHYヘッダ及びペイロードのいずれも全体的なシステム性能を明らかに制限するものにならないことを保証するために、双方の機構の誤り耐性がほぼ均衡される必要がある。
【0007】
PHYヘッダとペイロードの誤り耐性とのバランスをとる必要があるのと同様に、SFD検出機能のバランスをとる必要がある。しかし、強力なFEC符号がPHYヘッダ及びペイロードに使用される場合、そのような性能と一致する頑強なSFD検出方法を構成することは困難である。1つの方法は、信頼性を向上するためにSFDの長さを増加することであるが、理論上の理由から、それにより戻り値が減少し、実用的でなくなる。更に、システム制約がSFDの長さを制限する場合がある。
【0008】
検出確率を向上する別の方法は、ピークが所望のSFDと一致するものであると宣言される閾値を低下することである。しかし、この方法は誤ピークが一致するものであると宣言される結果となり、閾値の低下により得られると予想される利得を低減する。
【発明の概要】
【0009】
本発明の一態様によると、順方向誤り訂正は、柔軟性を提供し且つフレーム開始デリミタ(SFD)を見逃すことを減少するためにSFDの検出と関連して使用される。入力信号内の候補SFDは通常より低い検出閾値を使用して識別され、対応するマーカはバッファに格納される。格納されたマーカ毎に、候補SFDに続く物理層ヘッダが誤り訂正技術を用いて復号化され、訂正不能誤りが存在するかを判定する。訂正不能誤りが存在する場合、候補は拒否され、次の候補が評価される。訂正不能誤りが存在しない場合、候補は有効なSFDであると宣言され、残りの信号が復号化される。
【0010】
本発明の別の態様によると、2つの検出閾値が誤り符号化パケット及び非符号化パケットの双方を許可するネットワークにおいて採用されてもよい。誤り訂正を用いて符号化されないパケットに対して、第1のSFDパターンがSFDの誤識別を最小限にするために高い(通常の)検出閾値と関連して採用されてもよい。符号化パケットに対して、雑音及び他の劣悪なネットワーク状態が存在する場合にSFDを見逃すことを回避するために、第2のSFDパターンは低い閾値を用いて検出されてもよい。
【0011】
より高い性能を助長するSFDパターンを選択する技術が更に開示される。種々の基準は、SFDパターン又は複数のSFDパターンの集合におけるビットシーケンスを保証するため、一致する場合に識別可能なピークを提供するため、並びにパターンが入力信号内に存在しない場合に誤検出の可能性を相対的に低減するために採用される。
【0012】
添付の図面に示す例示的な実施形態を参照して、本発明の上記の特徴及び利点、並びに他の特徴及び利点を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、データパケットの構成要素を示すブロック図である。
【図2】図2は、無線ネットワークにおける受信機の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、SFDパターンの一例に対する自己相関の結果を示す図である。
【図4】図4は、検出閾値に対する信号とSFDパターンとの相互相関の例示的な結果を示す図である。
【図5A】、
【図5B】図5A及び図5Bは、順方向誤り訂正技術を使用してタイミング時刻を識別する手順を示すフローチャートである。
【図5C】図5Cは、本発明の一実施形態に係る受信機のSFD検出器及びPHR復号器の部分を詳細に示す図である。
【図6】図6は、不十分な結果を示す一対のシーケンスに対する自己相関及び相互相関を示す図である。
【図7】図7は、十分な結果を示す一対のシーケンスに対する自己相関及び相互相関の尺度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の理解を容易にするために、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)における媒体アクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)の仕様に対するIEEE802.11の一連の規格に準拠する実施形態を参照して、例を以下に説明する。しかし、本発明が基づく原理はこの特定のアプリケーションに限定されないことが理解されるだろう。それらの原理は、伝送中のデータの開始を示すタイミング時刻を確立するためにフレーム開始デリミタ等の既定のビットパターンが採用されるどんな無線通信環境において実現されてもよい。
【0015】
無線デジタル通信システムを介して伝送される例えばパケットであるメッセージの一般的な構成を図1に示す。パケット10の最初のビットは、受信機がビットタイミング及び周波数同期を取得できるようにする同期ヘッダプリアンブル(SHR)を含む。プリアンブルは、例えば2値の1及び0であるビットの交互シーケンスを含んでもよく、56又は128ビットの長さを有してもよい。同期ヘッダのプリアンブルの後ろに、RHYヘッダの開始を示し且つバイトタイミングを確立するためのフレーム開始デリミタ(SFD)が存在する。PHYヘッダ(PHR)は、受信機がメッセージデータを復調できるようにする例えばデータの転送速度及び長さである情報を提供する。パケットの残りの部分は、受信機に搬送されるデータを含むペイロードを構成する。
【0016】
図2は、無線通信ネットワークにおける受信機の構成要素を示す論理ブロック図である。データパケットを含む入力信号は、データ信号が変調された搬送波信号からデータ信号を抽出する復調器20に最初に提示される。抽出されたデータ信号は、多くの処理モジュールに提示される。第1のそのようなモジュールは同期検出器22であり、これはSHRプリアンブルの所定のビットシーケンスを探す。検出器が当該パターンを識別し且つそれとの同期をとると、SFD検出器24に信号を送出してパターンの周波数及びシンボルタイミング(又は位相)を通知する。実際は、この信号はSFD検出器に対するクロック信号として機能する。
【0017】
同期検出器22からクロック信号を受信すると、SFD検出器24はデータ信号の入力ビットとSFDパターンの格納済みコピー23とを比較する。検出器がデータ信号内のビットシーケンスとSFDパターンとの間の一致を識別した場合、検出器はPHYヘッダ復号器26にデータ信号の処理を開始させるトリガ信号を送出する。このトリガ信号のタイミングは、PHR復号器26にデータ信号内のPHYヘッダの開始を通知する。
【0018】
PHR復号器26は、PHYヘッダからデータ転送速度及びペイロードの長さ等の情報を取得してデータ復号器28に提供する。順方向誤り訂正が伝送プロトコルにおいて採用される場合、PHYヘッダから復号化された情報は、データ復号器28に渡される前に例えば巡回冗長検査(CRC)である誤り検査手順を最初に行われてもよい。
【0019】
PHR復号器により提供される情報は、データ復号器28にデータパケット内のペイロードの開始を更に通知する。この情報に応答して、復号器28はペイロードのビットを処理し、採用されてもよい何らかの順方向誤り訂正を適用する。その後、結果として得られたデータは、受信データの消費者を構成するエンドユーザ装置に提供される。
【0020】
各検出器及び各復号器の機能は、ハードワイヤードロジック、あるいは磁気ディスク、光ディクス、フラッシュメモリ又は他の同様の持続性記憶装置等の適切なコンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラム命令を用いてプログラムされた1つ以上のプロセッサを用いて実現可能である。同様に、それらはハードウェア回路網及びソフトウェアプログラミングの組み合わせを用いて実現可能である。
【0021】
一般に、PHR復号器26及びデータ復号器28は、SFDが入力信号において検出されるまでアイドル状態を維持する。例えば誤検出であるSFDの不適切な検出の結果、復号器が無駄に起動されることにより、不明瞭なビットシーケンスを復号化しようとして受信機のシステムリソースが浪費され且つ全体的なシステム性能の能率を低下することが理解される。
【0022】
SFDは、長さnの既定のビットシーケンスを含む。受信機のSFD検出器24において、入力信号内のnビットシーケンスはSFDの格納済コピー23とビット毎に比較される。一致度が所定の閾値を上回る場合、SFDの検出が示される。SFDのマッチングはスライディング相関器を使用して相互相関により実行される場合が多く、SFDの格納済コピーが入力信号内の新しいnビットシーケンスの各々に対して突き合わされる。新しい受信ビット毎に、相関器は、例えばパターンの対応するビットと一致するシーケンス内のビットの比率である最新のnビットシーケンスと格納済みパターンとの間の一致度を示す尺度を生成する。この尺度が閾値を上回る場合、SFDを見つけたと判定される。従って、適切な結果を達成するために、SFDを含むビットシーケンスは、高いピーク値が正しいタイミング時刻に存在し且つ全ての他の点に対して可能な限り小さくなるような自己相関特性を有する必要がある。この特性を示す24ビットSFDの一例は0x85FCB3(16進形式)である。このシーケンスの自己相関を図3に示す。要するに、自己相関は、同期がとられた後に入力シーケンスを時間シフトしてシフト毎にパターンのコピーと比較することにより得られる一致度を表す。図3からわかるように、自己相関は、タイムスロット49において20個の一致ビット(24個中)という閾値を上回る強いピークを示し、全ての他のタイムスロットに対しては当該閾値を十分に下回る。従って、タイミング時刻がタイムスロット49において開始することを確実に判定できる。
【0023】
SFDの検出確率を向上する1つの方法は、ピークがタイミング時刻の開始であると宣言される閾値を低下することである。しかし、そのような方法により、タイミング時刻であると宣言される誤ピークの数が増加する場合もある。例示するために、図4は約10個の一致ビットという閾値がSFDを検出するために採用される相互相関の結果を示す。図からわかるように、相互相関はスライディング相関の終了付近で強いピークを示す。しかし、このピークの前に、閾値を上回る2つの他の誤ピークが現れる。これらの誤ピークのいずれかがタイミング時刻の開始であると宣言される場合、復号化信号は不明瞭なデータとなり、システム性能を低下する結果となる。
【0024】
フェージング及び雑音等のチャネル障害が存在する場合のPHR及びペイロード内のデータの信頼性を向上するために、多くのシステムは順方向誤り訂正(FEC)の種々の方法を採用する。そのようなシステムにおいて、SFD検出機能はFEC機構の誤り耐性とのバランスをとる必要がある。
【0025】
本発明の一態様によると、検出されたピークが本当のタイミング時刻に対応するかを検査するために、訂正不能誤りを検出するためのFEC符号化技術の機能が採用される。その結果、誤検出数の増加という悪影響を及ぼさずにより感度の高い検出を達成するために、検出閾値を大幅に低下できる。図5A及び図5Bのフローチャート、並びに図5Cの回路を参照して、この手順を説明する。
【0026】
図5Aを参照すると、ステップ40において、受信信号は同期パターンを検出するために同期検出器22により継続的に監視される。入力信号の同期プリアンブルがステップ42において識別され且つビット同期が確立されると、ステップ44において、SFD検出器24が信号内のSFDを探すために起動される。ステップ46において、入力ビットが受信される度に、検出器内の相互相関器により生成された相関尺度XCorrが所定の閾値Thと比較される。尺度が閾値を上回る場合、ステップ48において、PHRが開始すると仮定される位置に対するオフセットが計算される。例えばSFDが24ビットの長さを有する場合、PHRは、格納済みSFDと比較され且つ閾値を上回る相関ピークを生成した受信ビットシーケンスの直後の次のビットにおいて開始すると仮定される。オフセットは、例えば同期がとられた点である検出された入力ビットのシーケンス内の指定点から計算される。
【0027】
ステップ49において、計算されたオフセットはPHRの候補としてバッファ25に格納され、ステップ50において、バッファがデータを含むことを示すためにバッファ空フラグBEが0に再設定される。更に、入力信号は信号メモリ27に格納される。その後、ステップ44に戻り、新しいビットを受信する度に更なるシーケンスの検査を続行し、オフセットがバッファ25に同様に格納される更なる候補PHRを識別する。オフセットの代わりに、メモリ27内の絶対アドレスロケーション等の候補PHRの開始を識別する他の何らかの形式のマーカが採用されてもよい。
【0028】
図5Bを参照すると、ステップ51において、フラグBEの状態はPHR復号器26により監視される。バッファが少なくとも1つの候補オフセットを含むことを示す0にフラグが再設定されている場合、ステップ52において、オフセットがバッファ25から検索される。ステップ53においてバッファがチェックされ、バッファが空である場合、ステップ54においてフラグBEは1に設定される。バッファが少なくとも1つの更なる候補オフセットを含む場合、フラグは再設定された状態を維持する。ステップ55において、検索されたオフセットから開始する候補PHRが信号メモリ27から読み出され、誤りである可能性のあるPHRのビットを訂正するためにFEC復号化手順が適用される。ステップ56において、訂正不能誤りが候補PHR内に存在したかが判定される。訂正不能誤りが候補PHR内に存在した場合、検出されたピークは誤ピークであると宣言され、別の候補に対するマーカがバッファ内に存在するかを判定するためにステップ51に戻る。マーカが存在する場合、新しい候補を評価するためにステップ52〜58を繰り返す。この時点で、メモリ27に格納されている新しい候補に先行する例えば誤ピークに関連するビットである全ての信号ビットはメモリから消去されてもよい。
【0029】
一実施形態において、ステップ56で訂正不能誤りがFEC復号化手順により発見されない場合、ピークは有効なピークであると宣言され、ステップ60において、PHRの仮定された開始を使用してペイロードの処理が続行される。別の実施形態において、更なる誤り検出機構として、パリティビットがPHR内に更に含まれてもよい。本実施形態において、ステップ56でFEC復号化手順が訂正不能誤りを検出しない場合、ステップ57において、パリティビットが処理される。ステップ58において、FEC復号化手順により検出されない場合のある他の何らかの種類の誤りが存在するかが判定される。そのような誤りが存在する場合、ピークは誤ピークであると宣言され、次の候補を処理するためにステップ51に戻る。そのような誤りが存在しない場合、ステップ60においてペイロードが処理される。
【0030】
前述の実施形態において、PHR復号器はBEフラグの状態を継続的に監視し、少なくとも1つのオフセットがバッファ25に格納されていることをフラグが示す場合にFEC復号化手順を開始する。別の一実施形態において、バッファ25にオフセットを格納する際、SFD検出器はバッファが以前は空であったかを判定でき、例えばBEフラグが1から0に変更されるかを判定できる。その場合、SFD検出器は、復号化手順を開始するためにPHR復号器にトリガ信号を送出してもよい。従って、PHRはBEフラグの状態を継続的に監視するのではなく、候補PHRが識別されるまで完全にアイドル状態を維持できる。
例1
16進数で0xF3A0と表される16ビットのSFDが選択された。PHRはペイロードの復調方法を示す16ビットの情報を含む。BCH(40、16)短縮誤り訂正符号がPHRを符号化するために採用された。
【0031】
付加的白色ガウス雑音、疑スタティックレイリーフェージングが存在する状態で前述のSFD及びPHRを含むパケットが伝送されるネットワークの性能を測定するためにシミュレーションが考案された。結果は、SFD検出及びその後の正確なPHR検出の組み合わせに対する感度が図5A及び図5Bに示す手順を採用しなかった検出機構より約4〜6dB向上したことを示した。同時に、2つのパリティビットがヘッダ内で採用される場合、誤検出率は約1e−3であった。第3のパリティビットを追加することにより、誤検出率は統計上有意ではない点まで減少した。
【0032】
前述の技術の変形において、入力信号内の全ビットがPHRの新しい候補の開始として処理されてもよい。そのような方法により、相関器及び格納済みSFDパターンが不要になる。更に、図5Bの処理は、例えば16ビットであるPHRの既定の長さと数が等しい連続するビットシーケンスの各々に対して実行される。そのようなシーケンスの全てに対して、検索及び復号化ステップ55が実行される。受信したシーケンスの殆どが訂正不能誤りになる可能性は高く、その場合、処理により、既定の長さの次のシーケンスを復号化するために入力信号内で1ビットシフトする。検査されたシーケンス内の全ての誤りが訂正可能である場合、当該シーケンスに対してステップ57〜60に進む。
【0033】
いくつかのネットワークにおいて、複数のSFDパターンがネットワークを介して伝送される異なる種類のデータパケットに割り当てられ且つそれらを区別するために使用されてもよい。例えば、1つのSFDパターンは順方向誤り訂正を採用しないパケットに対して使用されてもよく、別のSFDパターンは順方向誤り訂正を用いて符号化されるデータパケットに割り当てられてもよい。複数のSFDパターンを使用することにより付加される柔軟性により、ネットワークにおいてサポートされるアプリケーションの範囲を広げることができる。しかし、この付加される柔軟性は、全体的なシステム性能の低下と引き換えに得られるべきではない。
【0034】
本発明の別の特徴によると、異なる閾値が異なる種類のデータパケットを検出するために使用される多層SFD検出方式が採用されてもよい。順方向誤り訂正を採用しない非符号化パケットの場合、受信パケット内のビットエラーが識別されないため、誤検出を阻止するために入力ビットと格納済みSFDパターンとの間の高い相関度が採用されるのが好ましい。例えば、非符号化データパケットに割り当てられるSFDパターンとの一致を識別するために、例えば16ビットパターンの少なくとも15ビットの一致という相対的に高い閾値が採用されてもよい。
【0035】
それに対して、順方向誤り訂正を用いて符号化されるデータパケットの場合、低い相関度を許容できる。入力信号内のビットシーケンスが低い閾値を上回る相関尺度を生じる場合、PHR復号器及びデータ復号器を起動する前に、当該シーケンスが符号化パケットに対するSFDに実際に対応するかを誤り訂正機能により判定できる。換言すると、低い閾値を使用することにより適切なSFDが入力信号において見逃される可能性は低下するが、これにより誤った一致の確率も増加する。しかし、符号化データパケットに割り当てられるSFDパターンのみに対して低い閾値を採用することにより、重要なリソースを使用せずに誤った一致を排除できる。反対に、非符号化データパケットに割り当てられるSFDパターンに対して、誤った一致の可能性を最小限にするために高い閾値が採用される。非符号化フレームの検出に採用される高い閾値は、例えば目標フレーム検出率、所望の誤検出率及びSFDの長さに従って設定可能である。符号化フレームと関連して採用される低い閾値は、同様の要素及び使用される符号化方式の強度に基づいてもよい。
【0036】
異なるSFDの各々の検出は順次実行されてもよく、あるいは並行して実行されてもよい。例えば一実施形態において、入力信号は最初に、非符号化データパケットに割り当てられるSFDを含むかを判定するために高い閾値を使用して処理されてもよい。一致するものが見つけられない場合、信号は、符号化データパケットに関連付けられるSFDを含むかを判定するために低い閾値を使用して処理されてもよい。別の一実施形態において、2つのSFD検出器が並行動作してもよく、その場合、一方の検出器は高い閾値を使用して非符号化データパケットに関連付けられるSFDパターンに一致するものを探し、他方の検出器は低い閾値を使用して符号化データパケットに割り当てられたSFDパターンに一致するものが存在するかを判定する。
【0037】
複数の一意のSFDがネットワークにおいて採用される場合、一方のSFDが他方のSFDと容易に混同されないように、それらは適切な相互相関を示す必要がある。バーカー符号及びゴレイ符号は、特定のアプリケーションにおいて使用される場合に適切な自己相関特性を示すビットシーケンスの2つの例である。しかし、SFDに適用される場合、それらは一定の限界を有する。例えば最長のバーカーシーケンスは13ビットである。これらの符号の自己相関特性は適切であるが、頑強な誤り訂正が存在するか又は特定のプリアンブルパターンが使用される場合、同期におけるそれらの性能は最適ではない。更に、SFDとしての使用に適用可能な符号の選択肢は多くない。
【0038】
本発明の別の特徴によると、候補SFDは、最適なSFDシーケンスを識別するための基準の集合に対して評価される。基準の例を以下に示す:
1.1及び0の数がほぼ等しいという点でバランスがとれている
2.適切な自己相関特性
3.適切な自己相関特性及び相互相関特性を有する少なくとも1つの直交シーケンス
4.同期シーケンスとの相関による悪影響を受けない性能
5.受信機がビットを反転した像を追跡する可能性に起因するそれ自体及びその直交シーケンスの逆像を拒否する機能を提供する。
【0039】
本発明の本態様において、候補SFDパターンが生成され、基準に対して順次テストされる。個々のパターンは最初に、基準のうちの特定のいくつかに対してテストされてもよく、例えば1及び0の割合を判定して十分にバランスがとれているかを確認する。割合が45〜55%の範囲に含まれる等の所定の閾値を満たす場合、個々のパターンは別の基準に対する適切な性能尺度に対して評価される。パターンが基準うちの1つに対する閾値を満たさない場合、それは即座に拒否され、次の候補が評価される。SFDの対及び複数のSFDの他のグループが同一の方法を用いて基準に対して同様に評価されてもよい。
【0040】
第2の基準に対して、理想的な自己相関は、図3に関連して説明するように、正確に一致する点において高いピークを示し且つ全ての他の位置において相対的に低い結果を示す必要がある。候補SFDとしてのパターンの適性を評価するために、自己相関の結果は識別可能なメインピークを示す必要があり、全ての他のピークはメインピークの値の特定の比率以下である必要がある。例えば、メインピークと潜在的な誤検出とを区別できる閾値を確立するための充分なバッファゾーンを提供するために、比率は約80%であってもよい。
【0041】
第3の基準に対して、直交シーケンスはそれ自体で最初の2つの基準を満たす必要があり、2つのシーケンス(元の候補及び直交シーケンス)の相互相関は最大ピークが2つのシーケンスの各々の自己相関における最大ピークの所定の比率以下であるいう結果を示す必要がある。換言すると、2つのシーケンスA及びBに対して、A及びBの相互相関における最大ピークは、Aの自己相関における最大ピーク及びBの自己相関における最大ピークの80%(又は他の適切な比率)以下である必要がある。
【0042】
同様に、第4の基準に対して、候補パターンと例えば1及び0の交互パターンである同期シーケンスとの相互相関は、シーケンスの自己相関における最大ピークの特定の比率より大きいピークを有してはいけない。
【0043】
最後に、最後の基準に対して、シーケンス及びその逆像の相互関数のピークは自己相関における最大ピークの特定の比率より大きくてはならない。同様のことがシーケンス及び直交シーケンスの逆像の相互相関に対しても当てはまる必要がある。
【0044】
SFDとしての使用に対するシーケンスの適性を評価する尺度の例に関する前述の説明において、自己相関及び相互相関における個々のピークはシーケンスの自己相関における最大ピークに対してテストされる。それに加えて又はその代わりに、自己相関又は相互相関全体の二乗平均平方根(rms)が同一の自己相関又は相互相関の最大ピークと比較されてもよい。rmsは最大ピークの値の約50%以下であるのが好ましく、30%未満であるのが更に好ましい。
【0045】
基準を満たす適切なシーケンスが識別されると、それらは通信サーバのハードディスクドライブ、光ディスク又はフラッシュドライブ等のコンピュータ可読媒体に格納されてもよい。シーケンスのうちの1つはそれから読み出され、伝送されるデータパケットに挿入されてもよい。コンピュータ可読媒体に格納されたシーケンスは、例えば誤り訂正符号化データパケット及び誤り訂正非符号化データパケット等である異なる種類のデータパケットにそれぞれ関連付けられてもよい。コンピュータ可読媒体から読み出される特定のシーケンスは、伝送されるデータパケットの符号化又は非符号化属性に従って選択される。
【0046】
図6及び図7は、従来のシーケンスと前述の方法を使用して生成されたシーケンスとを比較するシミュレーション結果を示す。図6は、「sfd a」及び「sfd b」でそれぞれ示す24ビットの16進シーケンス418D41及びBE8DBEを含む一対の候補SFDの評価を示す。
【0047】
各SFDに対する第1のグラフを検討すると、自己相関性能は、SFDが入力プリアンブルに対して突き合わされる場合に相関器の出力の高い戻り値を示す。これらの高い戻り値は最大ピークの約50%であるため、誤検出の確率が非常に高いことを示す。これらの高い戻り値は、各SFDの第2のグラフに示される逆像においても見られ、誤検出の更なる可能性を示す。最後の2つのグラフに示すsfd aとsfd bとの間及びそれらの各像との間の相互相関特性の検査は低い性能を示す。
【0048】
上述の基準の集合を満たすSFDの対を以下に示す:
sfd a=0x85FC83
sfd b=0xC188D6
このSFDの対の評価を図7に示す。これら2つのSFDの各々に対する自己相関性能(第1のグラフ)の検査により、最悪の場合の戻り値が図6の例よりはるかに低いことがわかる。更に、これらの戻り値のrmsはピーク値の9%にすぎない。第2のグラフに示す逆像に対する性能は同様に適切である。sfd aとsfd bとの間の相互相関特性の検査も非常に適切な性能を示す。
【0049】
上述の例に加えて、上述の基準に対して適切な特性を示すと判定されたSFDシーケンスの他の集合を以下に示す:
1.0274E6 1A4C3F
2.034BB1 6E10D8 91E72F
3.036C72 67A112
4.016BB1 91E72F C4F9A7
5.846F8D 43EDBC
6.8469F9 43EB37 6E65F2
7.811BCB 1E4EF1
8.8469F9 727BE1
9.849DE2 DCBE19
10.85FCB3 C188D6
【0050】
上述の例は2つ以上のシーケンスを含む集合を含むが、選択基準は単体のSFDとして使用可能な単一のシーケンスを識別するために更に使用可能であることが明らかとなるだろう。その場合、第1の基準、第2の基準及び第4の基準が使用される。
【0051】
以下の疑似コードの例は、多くの基準を満たす長さNUMBITSの2つの相補SFDを見つけるための探索方法を説明する。

−以下の基準は、SFD_candidate_aの初期選択に使用される
MAX_SIDELOBE_INITIAL
MAX_SIDELOBE_RMS_INITIAL

−以下の基準は、SFD_candidate_bとの相互相関を含むSFD_candidate_bの最終選択に使用される
MAX_SIDELOBE_FINAL
MAX_SIDELOBE_RMS_FINAL
MAX_SIDELOBE_RMS_AVG

−以下の基準は、同様の数の1及び0が存在することを保証しようとする
TOO_MANY_1S_OR_0S

for SFD_candidate_a = 0 to 2^NUMBITS‐1

if SFD_candidate_a has TOO_MANY_1S_OR_0S
then break, and try a new SFD_candidate_a

−その後、SFD_candidate_aの自己相関特性が「オンチャネル」及び「像」に対してチェックされる

Compute cross correlation of SFD_candidate_a with incoming signal containing preamble and SFD_candidate_a
if any sidelobe peak is larger than MAX_SIDELOBE_INITIAL
then break, and try a new SFD_candidate_a
if the rms of the sidelobes is larger than MAX_SIDELOBE_RMS_INITIAL
then break, and try a new SFD_candidate_a

Compute cross correlation of negated SFD_candidate_a with incoming signal containing preamble and SFD_candidate_a to assess the risk of triggering on the image
if any sidelobe peak is larger than MAX_SIDELOBE_INITIAL
then break, and try a new SFD_candidate_a
if the rms of the sidelobes is larger than MAX_SIDELOBE_RMS_INITIAL
then break, and try a new SFD_candidate_a

−この時点で、SFD_candidate_aは適切であると考えられ、相補シーケンスを探す:
for SFD_candidate_b = 0 to 2^NUMBITS‐1

if SFD_candidate_b has TOO_MANY_1S_OR_0S
then break, and try a new SFD_candidate_b

−その後、SFD_candidate_bの自己相関特性が「オンチャネル」及び「像」に対してチェックされる

Compute cross correlation of SFD_candidate_b with incoming signal containing preamble and SFD_candidate_b
if any sidelobe peak is larger than MAX_SIDELOBE_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b
if the rms of the sidelobes is larger than MAX_SIDELOBE_RMS_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b
Compute cross correlation of negated SFD_candidate_b with incoming signal containing preamble and SFD_candidate_b to assess the risk of triggering on the image
if any sidelobe peak is larger than MAX_SIDELOBE_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b
if the rms of the sidelobes is larger than MAX_SIDELOBE_RMS_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b

−SFD_candidate_bとSFD_candidate_aとの相互相関特性が「オンチャネル」及び「像」に対してチェックされる

Compute cross correlation of SFD_candidate_a with incoming signal containing preamble and SFD_candidate_b
if any sidelobe peak is larger than MAX_SIDELOBE_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b
if the rms of the sidelobes is larger than MAX_SIDELOBE_RMS_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b

Compute cross correlation of negated SFD_candidate_a with incoming signal containing preamble and SFD_candidate_b to assess the risk of triggering on the image
if any sidelobe peak is larger than MAX_SIDELOBE_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b
if the rms of the sidelobes is larger than MAX_SIDELOBE_RMS_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b

−SFD_candidate_aとSFD_candidate_bとの相互相関特性が「オンチャネル」及び「像」に対してチェックされる

Compute cross correlation of SFD_candidate_a with incoming signal containing preamble and SFD_candidate_b
if any sidelobe peak is larger than MAX_SIDELOBE_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b
if the rms of the sidelobes is larger than MAX_SIDELOBE_RMS_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b

Compute cross correlation of negated SFD_candidate_a with incoming signal containing preamble and SFD_candidate_b to assess the risk of triggering on the image
if any sidelobe peak is larger than MAX_SIDELOBE_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b
if the rms of the sidelobes is larger than MAX_SIDELOBE_RMS_FINAL
then break, and try a new SFD_candidate_b

Compute the average of the sidelobe rms’s for each section above
if the average rms is larger than MAX_SIDELOBE_RMS_AVG
then break, and try a new SFD_candidate_b

−この時点で、全ての基準が満たされている

Save the value of SFD_candidate_a and SFD_candidate_b

end
−次のSFD_candidate_bを試す

end
−次のSFD_candidate_aを試す

【0052】
従って、以上の説明から、本発明が受信信号内のデータフレームの開始を検出する柔軟性のある方法を提供しつつ信頼性を維持することがわかる。順方向誤り訂正を使用することにより、システム性能に悪影響を及ぼす誤検出を増加させずにSFDを見逃す可能性を低減するために、低い検出閾値を採用できる。更に、誤り訂正の有利な使用は、符号化パケット及び非符号化パケットの双方に対応するネットワークにおいて採用可能である。最適なSFDシーケンスを選択するための基準の集合は、誤検出を減少することによる性能の向上を更に提供する。
【0053】
本発明の基礎となる概念は本発明の意図又は不可欠な特徴から逸脱せずに他の特定の形態で実現可能であることが当業者には理解されるだろう。従って、上述の実施形態は、全ての点において例示的であり限定するものではないと見なされる。本発明の範囲は、上述の説明ではなく添付の特許請求の範囲により示され、その等価物の範囲内で行われる全ての変更は本発明に含まれることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したデータパケット内のフレーム開始デリミタを検出する方法であって、
受信信号内の所定の数の連続するビットとデータ受信機が前記受信したパケットデータを復調できるようにするヘッダ情報の開始を識別する所定のパターンであり前記所定の数のビットと等しい長さを有する格納済みフレーム開始デリミタとを比較するステップと、
前記受信信号内の前記所定の数の連続するビットの複数のシーケンスの各々に対して、前記受信信号の前記連続するビットと前記格納済みフレーム開始デリミタとの間の相関度を示す尺度を判定するステップと、
尺度が既定の閾値を上回るシーケンス毎に、前記受信信号内のヘッダ情報データの仮定的開始を示すマーカをメモリに格納するステップと、
順方向誤り訂正を使用して前記メモリに格納されたマーカに対応する前記ヘッダ情報の仮定的開始において前記ビットを復号化し且つ訂正不能誤りが前記復号化されたビット内に存在するかを判定するステップと、
a)訂正不能誤りが存在しない場合、前記ヘッダ情報の仮定的開始がデータフレームの有効な開始であると宣言し且つ前記フレームのデータを処理するステップと、
b)訂正不能誤りが存在する場合、訂正不能誤りが存在しないと判定されるまで、前記メモリに格納されたマーカに対応する後続のヘッダ情報の仮定的開始に対して前記復号化ステップを繰り返すステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
訂正不能誤りが順方向誤り訂正を用いて復号化されるビットのグループ内に存在しない場合、パリティエラーに対して前記ビットのグループを処理する更なるステップを実行し、パリティエラーが検出されない場合は前記フレームの前記データを処理することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記マーカは、前記受信パケットの前記ビットシーケンス内の特定の点からのオフセットを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
メモリに前記受信信号の前記ビットを格納し且つ復号化するために前記メモリから前記マーカにより示される前記ビットを検索するステップを更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記マーカにより示される前記ビットに先行する前記受信信号の前記格納されたビットを前記メモリから削除するステップを更に含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
ネットワークを介して伝送される異なる種類のデータパケットを区別するために複数のフレーム開始デリミタ(SFD)パターンを利用する前記ネットワークにおいて、データパケットに対する第2のSFDとは異なる第1のSFD及び前記第2のSFDを検出する方法であって、
前記受信パケット内の連続するビットと前記第1のフレーム開始デリミタとの第1の相関を実行し且つ前記受信パケットの入力ビット毎に相関度を示す尺度値を生成するステップと、
生成された尺度値が第1の所定の閾値を上回る場合、タイミング時刻の開始を示すステップと、
前記受信パケット内の連続するビットと前記第2のフレーム開始デリミタとの第2の相関を実行し且つ前記受信パケットの入力ビット毎に相関度を示す尺度値を生成するステップと、
前記第2の相関において生成された各尺度値が前記第1の閾値より低い第2の閾値を上回るかを判定するステップと、
前記第2の相関において生成された尺度値が前記第2の所定の閾値を上回る場合、タイミング時刻の仮定的開始を示すステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
順方向誤り訂正を使用してタイミング時刻の前記仮定的開始において前記ビットを復号化し且つ訂正不能誤りが前記復号化されたビット内に存在するかを判定するステップと、
a)訂正不能誤りが存在しない場合、タイミング時刻の前記仮定的開始がヘッダ情報データの有効な開始であると宣言し且つ前記フレームの前記データを処理するステップと、
b)訂正不能誤りが存在する場合、訂正不能誤りが存在しないと判定されるまで、後続のタイミング時刻の前記仮定的開始において前記復号化ステップを繰り返すステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記第1のフレーム開始デリミタは誤り訂正技術を用いて符号化されないデータを有するフレームと関連付けられ、前記第2のフレームデリミタは誤り訂正技術を用いて符号化されるデータを有するフレームと関連付けられることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記第1の相関及び前記第2の相関は順次実行され、前記第2の相関は前記第1の相関において生成された前記尺度が前記第1の所定の閾値を上回らない場合のみ実行されることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記第1の相関及び前記第1の相関は互いに並行に実行されることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項11】
ネットワークにおいてデータパケットを伝送する方法であって、
(i)フレーム開始デリミタ(SFD)パターンの候補として論理的な1及び0を含むビットシーケンスを選択することと、
(ii)1及び0の割合が所定の範囲に含まれるかを判定するために前記候補SFDパターンを評価することと、
(iii)前記候補SFDパターンにおける前記1及び0の割合が前記範囲に含まれない場合、候補SFDパターンではないとして前記選択されたシーケンスを拒否し、候補SFDパターンとして新しいビットシーケンスを選択し且つステップ(ii)及び(iii)を繰り返すことと、
(iv)前記候補SFDパターンにおける前記1及び0の割合が前記範囲に含まれる場合、
−前記シーケンスの自己相関特性
−前記シーケンス及びビットを反転した前記シーケンスの像の相互相関特性
−前記シーケンス及び前記ネットワークを介して伝送されるパケットにおいて採用される同期パターンの相互相関特性
という基準のうちの少なくとも1つに対して前記候補SFDパターンを評価することと、
(v)前記シーケンスが評価される各基準に対する所定の閾値を満たす場合、前記選択されたシーケンスを有効なSFDパターンとして識別することと、
によりSFDパターンを選択するステップと、
前記ネットワークを介して各パケット内のヘッダ情報の開始を識別するための前記有効なSFDパターンを含むパケットを伝送させるステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記所定の範囲は35%〜65%であることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
少なくとも2つのシーケンスがステップ(i)において選択され、ステップ(ii)〜(iv)は有効なSFDの対を形成するシーケンスを識別するために各シーケンスに対して実行されることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項14】
ステップ(iv)は、
−前記2つのシーケンスの相互相関特性
−一方のシーケンス及びビットを反転した他方のシーケンスの像の相互相関特性
−ビットを反転した双方のシーケンスの像の相互相関特性
という基準を更に含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
ネットワークにおいてデータパケットを伝送する方法であって、
所定の範囲内の1及び0の割合と、
シーケンスの自己相関特性と、
前記シーケンス及びビットを反転した前記シーケンスの像の相互相関特性と、
前記シーケンス及び前記ネットワークを介して伝送されるパケットにおいて採用される同期パターンの相互相関特性と、
を含むグループから選択される複数の基準に対してビットシーケンスを評価することにより取得されたフレーム開始デリミタをコンピュータ可読媒体から読み出すステップと、
データパケットのデータから前記パケットの同期ヘッダを示すために、前記パケットに前記フレーム開始デリミタを挿入するステップと、
前記ネットワークを介して前記フレーム開始デリミタを有する前記データパケットを伝送させるステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項16】
伝送される前記データパケットの属性に従って、前記コンピュータ可読媒体に格納された複数のフレーム開始デリミタから前記フレーム開始デリミタを選択するステップを更に含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記複数のフレーム開始デリミタは、
前記複数のフレーム開始デリミタをそれぞれ形成する2つのシーケンスの相互相関特性
一方のシーケンス及びビットを反転した他方のシーケンスの像の相互相関特性
ビットを反転した双方のシーケンスの像の相互相関特性
という基準のうちの少なくとも1つに対して更に評価されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
受信信号内の所定の数の連続するビットとデータ受信機が前記受信信号を復調できるようにするヘッダ情報の開始を識別する所定のパターンであり前記所定の数のビットと等しい長さを有する格納済みフレーム開始デリミタとを比較する動作と、
前記受信信号内の前記所定の数の連続するビットの複数のシーケンスの各々に対して、前記受信信号の前記連続するビットと前記格納済みフレーム開始デリミタとの間の相関度を示す尺度を判定する動作と、
尺度が既定の閾値を上回るシーケンス毎に、前記受信信号内のヘッダ情報データの仮定的開始を示すマーカをメモリに格納する動作と、
を実行するように構成されるフレーム開始デリミタ検出器と、
順方向誤り訂正を使用して前記メモリに格納されたマーカに対応する前記ヘッダ情報の仮定的開始において前記ビットを復号化し且つ訂正不能誤りが前記復号化されたビット内に存在するかを判定する動作と、
a)訂正不能誤りが存在しない場合、前記ヘッダ情報の仮定的開始がフレームデータの有効な開始であると宣言し且つ前記フレームのデータを処理する動作と、
b)訂正不能誤りが存在する場合、訂正不能誤りが存在しないと判定されるまで、前記メモリに格納されたマーカに対応する後続のヘッダ情報の仮定的開始に対して前記復号化ステップを繰り返す動作と、
を実行するように構成される誤り訂正復号器と、
を備えることを特徴とするデータ受信機。
【請求項19】
前記復号器は、訂正不能誤りが順方向誤り訂正を用いて復号化されるビットのグループ内に存在しない場合にパリティエラーに対して前記ビットのグループを処理する更なるステップを実行するように構成され、パリティエラーが検出されない場合は前記フレームの前記データを処理することを特徴とする請求項18記載のデータ受信機。
【請求項20】
前記受信信号の前記ビットを格納するように構成される信号メモリを更に備え、前記復号器は、復号化するために前記信号メモリから前記マーカにより示される前記ビットを検索するように構成されることを特徴とする請求項18記載のデータ受信機。
【請求項21】
前記復号器は、前記マーカにより示される前記ビットに先行する前記受信信号の前記格納されたビットを前記信号メモリから削除するように更に構成されることを特徴とする請求項20記載のデータ受信機。
【請求項22】
前記検出器は、
前記受信パケット内の連続するビットと第1のフレーム開始デリミタとの第1の相関を実行し且つ前記受信パケットの入力ビット毎に相関度を示す尺度値を生成する動作と、
生成された尺度値が第1の所定の閾値を上回る場合、ヘッダ情報の開始を示す動作と、
前記受信パケット内の連続するビットと第2のフレーム開始デリミタとの第2の相関を実行し且つ前記受信パケットの入力ビット毎に相関度を示す尺度値を生成する動作と、
前記第2の相関において生成された各尺度値が前記第1の閾値より低い第2の閾値を上回るかを判定する動作と、
前記第2の相関において生成された尺度値が前記第2の所定の閾値を上回る場合、ヘッダ情報の仮定的開始を示す動作とを実行するように更に構成され、
前記復号器は、前記第2の相関の結果として示されるヘッダ情報の仮定的開始と関連付けられるビットを復号化することを特徴とする請求項18記載のデータ受信機。
【請求項23】
前記検出器は、
前記第1のフレーム開始デリミタが誤り訂正技術を用いて符号化されないデータを有するフレームと関連付けられるかを判定する動作と、
前記第2のフレーム開始デリミタが誤り訂正技術を用いて符号化されるデータを有するフレームと関連付けられるかを判定する動作と、
を実行するように更に構成されることを特徴とする請求項22記載のデータ受信機。
【請求項24】
前記検出器は第1の相関及び第2の相関を順次実行するように更に構成され、前記第2の相関は前記第1の相関において生成された前記尺度が前記第1の所定の閾値を上回らない場合のみ実行されることを特徴とする請求項22記載のデータ受信機。
【請求項25】
前記検出器は、前記第1の相関及び前記第1の相関を互いに並行に実行するように更に構成されることを特徴とする請求項22記載のデータ受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−511205(P2013−511205A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538810(P2012−538810)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/002982
【国際公開番号】WO2011/059509
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(509213484)シルバー スプリング ネットワークス インコーポレイテッド (17)
【氏名又は名称原語表記】SILVER SPRING NETWORKS, INC.
【Fターム(参考)】