無線中継装置および無線中継方法
【課題】無線LAN端末が定期的に無線中継装置にアクセスを行う利用形態に対して、無線中継装置で確実な省電力効果を得るための通常モードと省電力モードとの間のモード移行処理を可能にする。
【解決手段】無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置において、制御手段は、無通信時間が一定期間より短く、通常モードで動作中に無線LAN端末から定期的なアクセスにより省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして省電力モードに移行する構成である。
【解決手段】無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置において、制御手段は、無通信時間が一定期間より短く、通常モードで動作中に無線LAN端末から定期的なアクセスにより省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして省電力モードに移行する構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローカル側の無線LAN端末と、ネットワーク側の無線LANまたは移動通信網との間で中継処理を行う無線中継装置および無線中継方法に関する。ここで、ネットワーク側の移動通信網は、例えば第3世代、第3.5 世代、第3.9 世代の携帯電話網であり、その規格としては、例えばHSPA(High speed packet access) 、WCDMA(Wide band code division multiple access)、EDGE(Enhanced data rates for GSM evolution)、LTE(Long Term Evolution )などである。
【背景技術】
【0002】
HSPA等の移動通信網と無線LANを比較した場合、一般的に移動通信網はカバーエリアが広いが通信速度は遅く、無線LANはカバーエリアが狭いが通信速度は速いという特徴がある。そこで、移動通信網と無線LANのそれぞれの特徴を活かすために、移動通信網と無線LANにそれぞれ接続できる無線IFを備え、通常は無線LAN端末を移動通信網に接続しながら、無線LANとの接続が可能な状況になれば無線LANに切り替える無線中継装置がある(特許文献1)。
【0003】
図7は、従来の無線中継装置の構成例を示す。
図7において、無線中継装置は、無線LANのアクセスポイントに接続するネットワーク側無線LAN−IF部11および移動通信網の基地局に接続する移動通信網−IF部12と、無線LAN端末に接続するローカル側無線LAN−IF部13と、ネットワーク側の無線LANまたは移動通信網とローカル側無線LAN−IF部13に接続される無線LAN端末との間の中継処理を行う制御部14と、ローカル側無線LAN−IF部13に接続される無線LAN端末からのアクセス(接続要求またはデータ送信)を検出するアクセス検出部15とを備える。
【0004】
制御部14は、ローカル側無線LAN−IF部13、アクセス検出部15を介して無線LAN端末からのアクセスを検出すると、ネットワーク側の接続先として、無線LANに接続するネットワーク側無線LAN−IF部11または移動通信網に接続する移動通信網−IF部12の一方を選択して中継処理を行う。さらに、制御部14は、無線LAN端末から帰属解除(例えばDisassociationメッセージ) が通知された場合に無線LAN端末の離脱を認識し、通常モードから省電力モードに移行する処理を行う。あるいは、制御部14は、無線LAN端末との無通信時間が一定期間続けば、通常モードから省電力モードに移行する処理を行う。
【0005】
ここで、省電力モードとは、無線LAN端末からのアクセスを検出するためのローカル側無線LAN−IF部13およびアクセス検出部15を除く各機能部をスリープ状態にして省電力化するものである。また、ローカル側無線LAN−IF部13およびアクセス検出部15についても、省電力モード中にアクティブ状態とスリープ状態を周期的に繰り返す間欠動作させてもよい。省電力モードで動作中に、無線LAN端末からのアクセスを検出すると、ただちに通常モード(アクティブ状態)に戻り、無線LAN端末とネットワーク側の無線LANまたは移動通信網との間の中継処理を行う。
【0006】
図8は、従来のモード移行処理手順および動作例を示す。
図8(1) において、制御部14は、通常モードAで動作中に(S0)、無線LAN端末とネットワークとの間で中継するトラフィックがないこと(無通信状態)を検出すると(S1)、無通信タイマを起動し(S2)、無通信タイマがタイムアウトするまでに無線LAN端末からアクセスがあるか否かを監視する(S3,S4)。ここで、無通信タイマがタイムアウトする前にアクセスがあれば通常モードAに戻り(S0)、アクセス検出前に無通信タイマがタイムアウトすれば省電力モードSに移行する(S5)。なお、無線LAN端末から帰属解除が通知された場合には、直ちに通常モードAから省電力モードSに移行する(S0→S5)。
【0007】
次に、省電力モードSで動作中に(S5)、無線LAN端末からアクセスがあるか否かを監視し(S6)、無線LAN端末からアクセスがなければ省電力モードSを継続し(S5)、無線LAN端末からアクセスがあれば通常モードAに移行する(S0)。
【0008】
これにより、図8(2) に示すように、通常モードAの無線中継装置は、無線LAN端末と無通信状態になってから無通信タイマのタイムアウト後に省電力モードSに入り、無線LAN端末からアクセス(図は接続要求の例)があれば通常モードAに戻ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−021878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、無線LAN端末が定期的にネットワークに対してアクセスを試みるような利用形態、例えばメールの着信確認のために無線中継装置に定期的に接続要求を行う場合に、無線LAN端末の無通信時間と無通信タイマ値(無通信タイマのタイムアウト時間)との大小関係に応じて次のような課題がある。
【0011】
図9は、「無通信時間<無通信タイマ値」で、無線中継装置の無通信タイマがタイムアウトする前に定期的なアクセスがある場合である。この場合には、無線中継装置は通常モードAから省電力モードSに入ることができず、省電力効果が得られなかった。
【0012】
図10は、「無通信時間>無通信タイマ値」で、無線中継装置の無通信タイマがタイムアウトして省電力モードSに入るものの、その直後に定期的なアクセスがある場合である。この場合には、無線中継装置が省電力モードSに入っても、すぐに無線LAN端末からアクセスがあれば通常モードAに復帰し、十分な省電力効果が得られなかった。
【0013】
本発明は、無線LAN端末が定期的に無線中継装置にアクセスを行う利用形態に対して、無線中継装置で確実な省電力効果を得るための通常モードと省電力モードとの間のモード移行処理を可能にする無線中継装置および無線中継方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の発明は、無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置において、制御手段は、無通信時間が一定期間より短く、通常モードで動作中に無線LAN端末から定期的なアクセスにより省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして省電力モードに移行する構成である。
【0015】
第2の発明は、無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置において、制御手段は、無通信時間が一定期間より長く、省電力モードで動作中に無線LAN端末から定期的なアクセスにより通常モードに移行するときに、所定数または所定期間のアクセスを無効にして省電力モードを維持する構成である。
【0016】
第1または第2の発明の無線中継装置において、制御手段は、無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して定期的なアクセスであるか否かを判断する構成である。
【0017】
第2の発明の無線中継装置において、制御手段は、無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して定期的なアクセスと判断したときに、アクセスを無効とする所定期間として、省電力モードになってから少なくともインターバル時間を設定する構成である。
【0018】
第3の発明は、無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置の無線中継方法において、制御手段は、無通信時間が一定期間より短く、通常モードで動作中に無線LAN端末から定期的なアクセスにより省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして省電力モードに移行する。
【0019】
第4の発明は、無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置の無線中継方法において、制御手段は、無通信時間が一定期間より長く、省電力モードで動作中に無線LAN端末から定期的なアクセスにより通常モードに移行するときに、所定数または所定期間のアクセスを無効にして省電力モードを維持する。
【0020】
第3または第4の発明の無線中継方法において、制御手段は、無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して定期的なアクセスであるか否かを判断する。
【0021】
第4の発明の無線中継方法において、制御手段は、無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して定期的なアクセスと判断したときに、アクセスを無効とする所定期間として、省電力モードになってから少なくともインターバル時間を設定する。
【発明の効果】
【0022】
第1の発明および第3の発明は、無線LAN端末から定期的なアクセスがあって通常モードから省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして省電力モードに移行させることにより、省電力効果を得ることができる。
【0023】
第2の発明および第4の発明は、無線LAN端末から定期的なアクセスがあって省電力モードに移行してもすぐに通常モードに復帰するときに、所定数または所定期間のアクセスを無効にして省電力モードを維持することにより、省電力効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の無線中継装置の実施例を示す図である。
【図2】本発明による通常モードAから省電力モードSへの移行処理手順例を示すフローチャートである。
【図3】本発明による通常モードAから省電力モードSへの移行動作例を示すタイムチャートである。
【図4】本発明による省電力モードSから通常モードAへの移行処理手順例を示すフローチャートである。
【図5】本発明による省電力モードSから通常モードAへの移行動作例1を示すタイムチャートである。
【図6】本発明による省電力モードSから通常モードAへの移行動作例2を示すタイムチャートである。
【図7】従来の無線中継装置の構成例を示す図である。
【図8】従来のモード移行処理手順および動作例を示す図である。
【図9】従来のモード移行処理における課題1を説明する図である。
【図10】従来のモード移行処理における課題2を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の無線中継装置の実施例を示す。
図1において、無線中継装置を構成するネットワーク側無線LAN−IF部11、移動通信網−IF部12、ローカル側無線LAN−IF部13、アクセス検出部15は、従来の無線中継装置と同様の機能を有する。
【0026】
本実施例の無線中継装置の特徴は、制御部14およびアクセス検出部15との間に接続されるモード移行判定部16において、制御部14で無通信タイマを用いたトラフィック監視中に、無線LAN端末からのアクセスを検出したときのタイミングや受信回数を記録し、通常モードから省電力モード、省電力モードから通常モードへの移行タイミングを制御する構成にある。
【0027】
なお、本実施例は、ネットワーク側無線LAN−IF部11および移動通信網−IF部12を備え、制御部14でいずれか一方を選択する構成となっているが、ネットワーク側のインタフェース部は、ネットワーク側無線LAN−IF部11および移動通信網−IF部12のいずれか一方であってもよい。例えば、ローカル側無線LAN−IF部13に接続される無線LAN端末と、ネットワーク側無線LAN−IF部11に接続される公衆無線LANとの間の中継処理を行う無線中継装置にも本発明の適用は可能である。
【0028】
図2は、本発明による通常モードAから省電力モードSへの移行処理手順例を示す。ここでは、無線LAN端末から定期的なアクセスがあり、図9で説明した「無通信時間<無通信タイマ値」のため、無線中継装置が省電力モードSに移行できない場合に対応する例を示す。
【0029】
図2において、制御部14は通常モードAで動作中に(S0)、無線LAN端末とネットワークとの間で中継するトラフィックがないこと(無通信状態)を検出すると(S1)、無通信タイマを起動し(S2)、無通信タイマがタイムアウトするまでに無線LAN端末からアクセスがあるか否かを監視する(S3,S4)。アクセスを検出する前に無通信タイマがタイムアウトすれば、省電力モードSに移行する(S5)。省電力モードSで動作中に(S5)、無線LAN端末からアクセスがあるか否かを監視し(S6)、無線LAN端末からアクセスがなければ省電力モードS(S5)を継続し、無線LAN端末からアクセスがあれば通常モードAに移行する(S0)。
【0030】
ここで、無通信タイマがタイムアウトする前に無線LAN端末からアクセスがあれば(S3:Yes )、前回のアクセスからのインターバル時間を記録し(S11)、記録されたインターバル時間と前回または過去数回のインターバル時間とを比較してそのアクセスが定期的なアクセスであるか否かを判断し(S12)、定期的なアクセスと判断できない場合は(S12:No)、無通信タイマをリセットして通常モードAを継続する(S0)。
【0031】
一方、無線LAN端末からのアクセスが定期的なものと判断すると(S12:Yes )、そのアクセスを無効として無通信タイマがタイムアウトするのを待ち(S13)、省電力モードSに移行する(S5)。これにより、無通信タイマがタイムアウトする前のアクセスが定期的なものであれば、そのアクセスを無効として無通信タイマをタイムアウトさせ、通常モードAから省電力モードSへ移行させることができる。
【0032】
なお、無通信タイマがタイムアウトする前の定期的なアクセスの回数をカウントし、それが規定回数に達する前はそのアクセスを有効として通常モードAを維持し、規定回数に達したときにそのアクセスを無効として省電力モードSへ移行させるようにしてもよい。
【0033】
以上の説明は、「無通信時間<無通信タイマ値」としたものであるが、「無通信時間>無通信タイマ値」であれば、図8と同様に、アクセスを検出する前に無通信タイマがタイムアウトするので、省電力モードSに移行する(S4,S5)。
【0034】
図3は、本発明による通常モードAから省電力モードSへの移行動作例を示す。
図3において、「無通信時間<無通信タイマ値」の場合、無線中継装置の無通信タイマがタイムアウトする前に無線LAN端末からのアクセスを検出するが、それが定期的なアクセスであると判断すると、そのアクセスを無効とし、無通信タイマをタイムアウトさせて省電力モードSへ移行させる。省電力モードS中は、無線LAN端端末からのアクセスによって通常モードAに移行する。次の通常モードAでも同様に、定期的なアクセスであれば、そのアクセスを無効とし、無通信タイマをタイムアウトさせて省電力モードSへ移行する。
【0035】
図4は、本発明による省電力モードSから通常モードAへの移行処理手順例を示す。ここでは、図10で説明した「無通信時間>無通信タイマ値」のため無線中継装置が省電力モードSに移行するが、無線LAN端末から定期的なアクセスがあり、すぐに通常モードAに復帰する場合に対応する例を示す。
【0036】
図4において、スキップカウンタC=0とし(S21)、通常モードA(S0)から移行して省電力モードSで動作中とする(S5)。ここでは、図8に示すステップS1〜S4の処理を省略している。省電力モードSで動作中に無線LAN端末からアクセスがあるか否かを監視し(S6)、無線LAN端末からアクセスがなければ省電力モードSを継続する(S5)。一方、無線LAN端末からアクセスがあれば、前回のアクセスからのインターバル時間を記録し(S22)、記録されたインターバル時間からそのアクセスが定期的なアクセスであるか否かを判断し(S23)、定期的なアクセスと判断できない場合は(S23:No)、スキップカウンタCをリセットし(S21)、通常モードAに移行する(S0)。
【0037】
通常モードAでは(S0)、無通信状態を監視し、無通信時間が無通信タイマ値を超えた時に、省電力モードSに移行する(S5)。省電力モードSでは無線LAN端末からのアクセスを検出し(S6)、前回または過去数回のインターバル時間と比較してそれが定期的なものと判断すると(S23:Yes )、それがM回に達するまでスキップカウンタCをインクリメントし(S24、S25)、省電力モードSを繰り返す(S5)。また、定期的なアクセスがM回に達すれば、スキップカウンタCをリセットし(S21)、通常モードAに移行する(S0)。
【0038】
図5は、本発明による省電力モードSから通常モードAへの移行動作例1を示す。
図5において、「無通信時間>無通信タイマ値」の場合、無線中継装置が省電力モードSに移行するが、すぐにアクセスがあって通常モードAに復帰する状況において、定期的なアクセスがスキップカウンタCの上限値M(ここではC=2)に達するまで、アクセスを無効として省電力モードSを継続することができる。この省電力モードSを優先する制御は、定期的なアクセスが例えばメールの着信確認のために行われる接続要求の場合に、毎回必ずネットワークとの接続を行わなくも実質的に支障がないようなときに有効である。
【0039】
なお、Mはあらかじめ設定した値でもよいが、スキップカウンタCが上限値Mに達する度に増加するように制御してもよい。このようにすれば、定期的なアクセスが継続している間の省電力効果が向上する。たとえば、図4のステップS25で「Yes 」と判定されたときに、M=M+D(Dは正の整数)との処理、またはM=M*K(Kは正の整数)との処理を追加すればよい。
【0040】
また、図4のステップS23において、アクセスのインターバル時間を用いて定期的なアクセスであるか否かを判断しているが、無線中継装置が省電力モードSに入った後に、そのインターバル時間またはその整数倍の時間が経過するまでは、無線LAN端末からのアクセスを無効として省電力モードSを継続する制御であってもよい。この場合の省電力モードSから通常モードAへの移行動作例2を図6に示す。図6に示す例は、1インターバル時間相当をアクセス無効期間としているが、これは、図4および図5におけるスキップカウンタCの上限値Mが2の場合で、最初のアクセスを無効とする処理と等価な処理となる。
【符号の説明】
【0041】
11 無線LAN−IF部
12 移動通信網−IF部
13 ローカル側無線LAN−IF部
14 制御部
15 アクセス検出部
16 モード移行判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローカル側の無線LAN端末と、ネットワーク側の無線LANまたは移動通信網との間で中継処理を行う無線中継装置および無線中継方法に関する。ここで、ネットワーク側の移動通信網は、例えば第3世代、第3.5 世代、第3.9 世代の携帯電話網であり、その規格としては、例えばHSPA(High speed packet access) 、WCDMA(Wide band code division multiple access)、EDGE(Enhanced data rates for GSM evolution)、LTE(Long Term Evolution )などである。
【背景技術】
【0002】
HSPA等の移動通信網と無線LANを比較した場合、一般的に移動通信網はカバーエリアが広いが通信速度は遅く、無線LANはカバーエリアが狭いが通信速度は速いという特徴がある。そこで、移動通信網と無線LANのそれぞれの特徴を活かすために、移動通信網と無線LANにそれぞれ接続できる無線IFを備え、通常は無線LAN端末を移動通信網に接続しながら、無線LANとの接続が可能な状況になれば無線LANに切り替える無線中継装置がある(特許文献1)。
【0003】
図7は、従来の無線中継装置の構成例を示す。
図7において、無線中継装置は、無線LANのアクセスポイントに接続するネットワーク側無線LAN−IF部11および移動通信網の基地局に接続する移動通信網−IF部12と、無線LAN端末に接続するローカル側無線LAN−IF部13と、ネットワーク側の無線LANまたは移動通信網とローカル側無線LAN−IF部13に接続される無線LAN端末との間の中継処理を行う制御部14と、ローカル側無線LAN−IF部13に接続される無線LAN端末からのアクセス(接続要求またはデータ送信)を検出するアクセス検出部15とを備える。
【0004】
制御部14は、ローカル側無線LAN−IF部13、アクセス検出部15を介して無線LAN端末からのアクセスを検出すると、ネットワーク側の接続先として、無線LANに接続するネットワーク側無線LAN−IF部11または移動通信網に接続する移動通信網−IF部12の一方を選択して中継処理を行う。さらに、制御部14は、無線LAN端末から帰属解除(例えばDisassociationメッセージ) が通知された場合に無線LAN端末の離脱を認識し、通常モードから省電力モードに移行する処理を行う。あるいは、制御部14は、無線LAN端末との無通信時間が一定期間続けば、通常モードから省電力モードに移行する処理を行う。
【0005】
ここで、省電力モードとは、無線LAN端末からのアクセスを検出するためのローカル側無線LAN−IF部13およびアクセス検出部15を除く各機能部をスリープ状態にして省電力化するものである。また、ローカル側無線LAN−IF部13およびアクセス検出部15についても、省電力モード中にアクティブ状態とスリープ状態を周期的に繰り返す間欠動作させてもよい。省電力モードで動作中に、無線LAN端末からのアクセスを検出すると、ただちに通常モード(アクティブ状態)に戻り、無線LAN端末とネットワーク側の無線LANまたは移動通信網との間の中継処理を行う。
【0006】
図8は、従来のモード移行処理手順および動作例を示す。
図8(1) において、制御部14は、通常モードAで動作中に(S0)、無線LAN端末とネットワークとの間で中継するトラフィックがないこと(無通信状態)を検出すると(S1)、無通信タイマを起動し(S2)、無通信タイマがタイムアウトするまでに無線LAN端末からアクセスがあるか否かを監視する(S3,S4)。ここで、無通信タイマがタイムアウトする前にアクセスがあれば通常モードAに戻り(S0)、アクセス検出前に無通信タイマがタイムアウトすれば省電力モードSに移行する(S5)。なお、無線LAN端末から帰属解除が通知された場合には、直ちに通常モードAから省電力モードSに移行する(S0→S5)。
【0007】
次に、省電力モードSで動作中に(S5)、無線LAN端末からアクセスがあるか否かを監視し(S6)、無線LAN端末からアクセスがなければ省電力モードSを継続し(S5)、無線LAN端末からアクセスがあれば通常モードAに移行する(S0)。
【0008】
これにより、図8(2) に示すように、通常モードAの無線中継装置は、無線LAN端末と無通信状態になってから無通信タイマのタイムアウト後に省電力モードSに入り、無線LAN端末からアクセス(図は接続要求の例)があれば通常モードAに戻ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−021878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、無線LAN端末が定期的にネットワークに対してアクセスを試みるような利用形態、例えばメールの着信確認のために無線中継装置に定期的に接続要求を行う場合に、無線LAN端末の無通信時間と無通信タイマ値(無通信タイマのタイムアウト時間)との大小関係に応じて次のような課題がある。
【0011】
図9は、「無通信時間<無通信タイマ値」で、無線中継装置の無通信タイマがタイムアウトする前に定期的なアクセスがある場合である。この場合には、無線中継装置は通常モードAから省電力モードSに入ることができず、省電力効果が得られなかった。
【0012】
図10は、「無通信時間>無通信タイマ値」で、無線中継装置の無通信タイマがタイムアウトして省電力モードSに入るものの、その直後に定期的なアクセスがある場合である。この場合には、無線中継装置が省電力モードSに入っても、すぐに無線LAN端末からアクセスがあれば通常モードAに復帰し、十分な省電力効果が得られなかった。
【0013】
本発明は、無線LAN端末が定期的に無線中継装置にアクセスを行う利用形態に対して、無線中継装置で確実な省電力効果を得るための通常モードと省電力モードとの間のモード移行処理を可能にする無線中継装置および無線中継方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の発明は、無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置において、制御手段は、無通信時間が一定期間より短く、通常モードで動作中に無線LAN端末から定期的なアクセスにより省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして省電力モードに移行する構成である。
【0015】
第2の発明は、無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置において、制御手段は、無通信時間が一定期間より長く、省電力モードで動作中に無線LAN端末から定期的なアクセスにより通常モードに移行するときに、所定数または所定期間のアクセスを無効にして省電力モードを維持する構成である。
【0016】
第1または第2の発明の無線中継装置において、制御手段は、無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して定期的なアクセスであるか否かを判断する構成である。
【0017】
第2の発明の無線中継装置において、制御手段は、無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して定期的なアクセスと判断したときに、アクセスを無効とする所定期間として、省電力モードになってから少なくともインターバル時間を設定する構成である。
【0018】
第3の発明は、無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置の無線中継方法において、制御手段は、無通信時間が一定期間より短く、通常モードで動作中に無線LAN端末から定期的なアクセスにより省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして省電力モードに移行する。
【0019】
第4の発明は、無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置の無線中継方法において、制御手段は、無通信時間が一定期間より長く、省電力モードで動作中に無線LAN端末から定期的なアクセスにより通常モードに移行するときに、所定数または所定期間のアクセスを無効にして省電力モードを維持する。
【0020】
第3または第4の発明の無線中継方法において、制御手段は、無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して定期的なアクセスであるか否かを判断する。
【0021】
第4の発明の無線中継方法において、制御手段は、無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して定期的なアクセスと判断したときに、アクセスを無効とする所定期間として、省電力モードになってから少なくともインターバル時間を設定する。
【発明の効果】
【0022】
第1の発明および第3の発明は、無線LAN端末から定期的なアクセスがあって通常モードから省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして省電力モードに移行させることにより、省電力効果を得ることができる。
【0023】
第2の発明および第4の発明は、無線LAN端末から定期的なアクセスがあって省電力モードに移行してもすぐに通常モードに復帰するときに、所定数または所定期間のアクセスを無効にして省電力モードを維持することにより、省電力効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の無線中継装置の実施例を示す図である。
【図2】本発明による通常モードAから省電力モードSへの移行処理手順例を示すフローチャートである。
【図3】本発明による通常モードAから省電力モードSへの移行動作例を示すタイムチャートである。
【図4】本発明による省電力モードSから通常モードAへの移行処理手順例を示すフローチャートである。
【図5】本発明による省電力モードSから通常モードAへの移行動作例1を示すタイムチャートである。
【図6】本発明による省電力モードSから通常モードAへの移行動作例2を示すタイムチャートである。
【図7】従来の無線中継装置の構成例を示す図である。
【図8】従来のモード移行処理手順および動作例を示す図である。
【図9】従来のモード移行処理における課題1を説明する図である。
【図10】従来のモード移行処理における課題2を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の無線中継装置の実施例を示す。
図1において、無線中継装置を構成するネットワーク側無線LAN−IF部11、移動通信網−IF部12、ローカル側無線LAN−IF部13、アクセス検出部15は、従来の無線中継装置と同様の機能を有する。
【0026】
本実施例の無線中継装置の特徴は、制御部14およびアクセス検出部15との間に接続されるモード移行判定部16において、制御部14で無通信タイマを用いたトラフィック監視中に、無線LAN端末からのアクセスを検出したときのタイミングや受信回数を記録し、通常モードから省電力モード、省電力モードから通常モードへの移行タイミングを制御する構成にある。
【0027】
なお、本実施例は、ネットワーク側無線LAN−IF部11および移動通信網−IF部12を備え、制御部14でいずれか一方を選択する構成となっているが、ネットワーク側のインタフェース部は、ネットワーク側無線LAN−IF部11および移動通信網−IF部12のいずれか一方であってもよい。例えば、ローカル側無線LAN−IF部13に接続される無線LAN端末と、ネットワーク側無線LAN−IF部11に接続される公衆無線LANとの間の中継処理を行う無線中継装置にも本発明の適用は可能である。
【0028】
図2は、本発明による通常モードAから省電力モードSへの移行処理手順例を示す。ここでは、無線LAN端末から定期的なアクセスがあり、図9で説明した「無通信時間<無通信タイマ値」のため、無線中継装置が省電力モードSに移行できない場合に対応する例を示す。
【0029】
図2において、制御部14は通常モードAで動作中に(S0)、無線LAN端末とネットワークとの間で中継するトラフィックがないこと(無通信状態)を検出すると(S1)、無通信タイマを起動し(S2)、無通信タイマがタイムアウトするまでに無線LAN端末からアクセスがあるか否かを監視する(S3,S4)。アクセスを検出する前に無通信タイマがタイムアウトすれば、省電力モードSに移行する(S5)。省電力モードSで動作中に(S5)、無線LAN端末からアクセスがあるか否かを監視し(S6)、無線LAN端末からアクセスがなければ省電力モードS(S5)を継続し、無線LAN端末からアクセスがあれば通常モードAに移行する(S0)。
【0030】
ここで、無通信タイマがタイムアウトする前に無線LAN端末からアクセスがあれば(S3:Yes )、前回のアクセスからのインターバル時間を記録し(S11)、記録されたインターバル時間と前回または過去数回のインターバル時間とを比較してそのアクセスが定期的なアクセスであるか否かを判断し(S12)、定期的なアクセスと判断できない場合は(S12:No)、無通信タイマをリセットして通常モードAを継続する(S0)。
【0031】
一方、無線LAN端末からのアクセスが定期的なものと判断すると(S12:Yes )、そのアクセスを無効として無通信タイマがタイムアウトするのを待ち(S13)、省電力モードSに移行する(S5)。これにより、無通信タイマがタイムアウトする前のアクセスが定期的なものであれば、そのアクセスを無効として無通信タイマをタイムアウトさせ、通常モードAから省電力モードSへ移行させることができる。
【0032】
なお、無通信タイマがタイムアウトする前の定期的なアクセスの回数をカウントし、それが規定回数に達する前はそのアクセスを有効として通常モードAを維持し、規定回数に達したときにそのアクセスを無効として省電力モードSへ移行させるようにしてもよい。
【0033】
以上の説明は、「無通信時間<無通信タイマ値」としたものであるが、「無通信時間>無通信タイマ値」であれば、図8と同様に、アクセスを検出する前に無通信タイマがタイムアウトするので、省電力モードSに移行する(S4,S5)。
【0034】
図3は、本発明による通常モードAから省電力モードSへの移行動作例を示す。
図3において、「無通信時間<無通信タイマ値」の場合、無線中継装置の無通信タイマがタイムアウトする前に無線LAN端末からのアクセスを検出するが、それが定期的なアクセスであると判断すると、そのアクセスを無効とし、無通信タイマをタイムアウトさせて省電力モードSへ移行させる。省電力モードS中は、無線LAN端端末からのアクセスによって通常モードAに移行する。次の通常モードAでも同様に、定期的なアクセスであれば、そのアクセスを無効とし、無通信タイマをタイムアウトさせて省電力モードSへ移行する。
【0035】
図4は、本発明による省電力モードSから通常モードAへの移行処理手順例を示す。ここでは、図10で説明した「無通信時間>無通信タイマ値」のため無線中継装置が省電力モードSに移行するが、無線LAN端末から定期的なアクセスがあり、すぐに通常モードAに復帰する場合に対応する例を示す。
【0036】
図4において、スキップカウンタC=0とし(S21)、通常モードA(S0)から移行して省電力モードSで動作中とする(S5)。ここでは、図8に示すステップS1〜S4の処理を省略している。省電力モードSで動作中に無線LAN端末からアクセスがあるか否かを監視し(S6)、無線LAN端末からアクセスがなければ省電力モードSを継続する(S5)。一方、無線LAN端末からアクセスがあれば、前回のアクセスからのインターバル時間を記録し(S22)、記録されたインターバル時間からそのアクセスが定期的なアクセスであるか否かを判断し(S23)、定期的なアクセスと判断できない場合は(S23:No)、スキップカウンタCをリセットし(S21)、通常モードAに移行する(S0)。
【0037】
通常モードAでは(S0)、無通信状態を監視し、無通信時間が無通信タイマ値を超えた時に、省電力モードSに移行する(S5)。省電力モードSでは無線LAN端末からのアクセスを検出し(S6)、前回または過去数回のインターバル時間と比較してそれが定期的なものと判断すると(S23:Yes )、それがM回に達するまでスキップカウンタCをインクリメントし(S24、S25)、省電力モードSを繰り返す(S5)。また、定期的なアクセスがM回に達すれば、スキップカウンタCをリセットし(S21)、通常モードAに移行する(S0)。
【0038】
図5は、本発明による省電力モードSから通常モードAへの移行動作例1を示す。
図5において、「無通信時間>無通信タイマ値」の場合、無線中継装置が省電力モードSに移行するが、すぐにアクセスがあって通常モードAに復帰する状況において、定期的なアクセスがスキップカウンタCの上限値M(ここではC=2)に達するまで、アクセスを無効として省電力モードSを継続することができる。この省電力モードSを優先する制御は、定期的なアクセスが例えばメールの着信確認のために行われる接続要求の場合に、毎回必ずネットワークとの接続を行わなくも実質的に支障がないようなときに有効である。
【0039】
なお、Mはあらかじめ設定した値でもよいが、スキップカウンタCが上限値Mに達する度に増加するように制御してもよい。このようにすれば、定期的なアクセスが継続している間の省電力効果が向上する。たとえば、図4のステップS25で「Yes 」と判定されたときに、M=M+D(Dは正の整数)との処理、またはM=M*K(Kは正の整数)との処理を追加すればよい。
【0040】
また、図4のステップS23において、アクセスのインターバル時間を用いて定期的なアクセスであるか否かを判断しているが、無線中継装置が省電力モードSに入った後に、そのインターバル時間またはその整数倍の時間が経過するまでは、無線LAN端末からのアクセスを無効として省電力モードSを継続する制御であってもよい。この場合の省電力モードSから通常モードAへの移行動作例2を図6に示す。図6に示す例は、1インターバル時間相当をアクセス無効期間としているが、これは、図4および図5におけるスキップカウンタCの上限値Mが2の場合で、最初のアクセスを無効とする処理と等価な処理となる。
【符号の説明】
【0041】
11 無線LAN−IF部
12 移動通信網−IF部
13 ローカル側無線LAN−IF部
14 制御部
15 アクセス検出部
16 モード移行判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置において、
前記制御手段は、前記無通信時間が前記一定期間より短く、前記通常モードで動作中に前記無線LAN端末から定期的なアクセスにより前記省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして前記省電力モードに移行する構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項2】
無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置において、
前記制御手段は、前記無通信時間が前記一定期間より長く、前記省電力モードで動作中に前記無線LAN端末から定期的なアクセスにより前記通常モードに移行するときに、所定数または所定期間のアクセスを無効にして前記省電力モードを維持する構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の無線中継装置において、
前記制御手段は、前記無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して前記定期的なアクセスであるか否かを判断する構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項4】
請求項2に記載の無線中継装置において、
前記制御手段は、前記無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して前記定期的なアクセスと判断したときに、前記アクセスを無効とする前記所定期間として、前記省電力モードになってから少なくとも前記インターバル時間を設定する構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項5】
無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置の無線中継方法において、
前記制御手段は、前記無通信時間が前記一定期間より短く、前記通常モードで動作中に前記無線LAN端末から定期的なアクセスにより前記省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして前記省電力モードに移行する
ことを特徴とする無線中継方法。
【請求項6】
無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置の無線中継方法において、
前記制御手段は、前記無通信時間が前記一定期間より長く、前記省電力モードで動作中に前記無線LAN端末から定期的なアクセスにより前記通常モードに移行するときに、所定数または所定期間のアクセスを無効にして前記省電力モードを維持する
ことを特徴とする無線中継方法。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の無線中継方法において、
前記制御手段は、前記無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して前記定期的なアクセスであるか否かを判断する
ことを特徴とする無線中継方法。
【請求項8】
請求項6に記載の無線中継方法において、
前記制御手段は、前記無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して前記定期的なアクセスと判断したときに、前記アクセスを無効とする前記所定期間として、前記省電力モードになってから少なくとも前記インターバル時間を設定する
ことを特徴とする無線中継方法。
【請求項1】
無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置において、
前記制御手段は、前記無通信時間が前記一定期間より短く、前記通常モードで動作中に前記無線LAN端末から定期的なアクセスにより前記省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして前記省電力モードに移行する構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項2】
無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置において、
前記制御手段は、前記無通信時間が前記一定期間より長く、前記省電力モードで動作中に前記無線LAN端末から定期的なアクセスにより前記通常モードに移行するときに、所定数または所定期間のアクセスを無効にして前記省電力モードを維持する構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の無線中継装置において、
前記制御手段は、前記無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して前記定期的なアクセスであるか否かを判断する構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項4】
請求項2に記載の無線中継装置において、
前記制御手段は、前記無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して前記定期的なアクセスと判断したときに、前記アクセスを無効とする前記所定期間として、前記省電力モードになってから少なくとも前記インターバル時間を設定する構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項5】
無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置の無線中継方法において、
前記制御手段は、前記無通信時間が前記一定期間より短く、前記通常モードで動作中に前記無線LAN端末から定期的なアクセスにより前記省電力モードに移行できないときに、当該アクセスを無効にして前記省電力モードに移行する
ことを特徴とする無線中継方法。
【請求項6】
無線LAN端末に接続するローカル側無線IF部と、ネットワーク側に接続するIF部との間で中継処理を行う通常モードで動作中に、無線LAN端末との間の無通信時間が一定期間続くときに省電力モードに移行し、省電力モードで動作中に無線LAN端末からアクセスがあったときに通常モードに移行する制御を行う制御手段を備えた無線中継装置の無線中継方法において、
前記制御手段は、前記無通信時間が前記一定期間より長く、前記省電力モードで動作中に前記無線LAN端末から定期的なアクセスにより前記通常モードに移行するときに、所定数または所定期間のアクセスを無効にして前記省電力モードを維持する
ことを特徴とする無線中継方法。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の無線中継方法において、
前記制御手段は、前記無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して前記定期的なアクセスであるか否かを判断する
ことを特徴とする無線中継方法。
【請求項8】
請求項6に記載の無線中継方法において、
前記制御手段は、前記無線LAN端末からのアクセスのインターバル時間を記録し、各アクセスが前回以前のインターバル時間と比較して前記定期的なアクセスと判断したときに、前記アクセスを無効とする前記所定期間として、前記省電力モードになってから少なくとも前記インターバル時間を設定する
ことを特徴とする無線中継方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−21649(P2013−21649A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155876(P2011−155876)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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