無線端末および基地局通知方法
【課題】ユーザは、第1の基地局の通信不感地帯をカバーする第2の基地局の設置を維持するか否か判断することが可能となる。
【解決手段】探索部1aは、基地局3の通信不感地帯をカバーする基地局2での待ち受け中、通信が可能な基地局3を定期的に探索する。通知部1bは、探索部1aによって基地局3が探索された場合、探索部1aの探索結果をユーザに通知する。
【解決手段】探索部1aは、基地局3の通信不感地帯をカバーする基地局2での待ち受け中、通信が可能な基地局3を定期的に探索する。通知部1bは、探索部1aによって基地局3が探索された場合、探索部1aの探索結果をユーザに通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、無線通信を行う無線端末およびその基地局通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動通信システムには、例えば、半径数百mから十数kmのマクロセルを形成する携帯電話基地局がある。マクロセル同士の境界領域やマンション、ビルなどの建物の周囲では、電波強度が微弱となり、通信ができない不感地帯が生まれる。
【0003】
そこで、キャリアは、不感地帯対策として、例えば、各家庭などに小セルの基地局を配置するフェムトセルサービスを展開している。例えば、ユーザは、マクロセルの不感地帯に、半径数十mのフェムトセルを形成するフェムトセル基地局を設置することにより、不感地帯での通信が可能になる。フェムトセル基地局は、アクセスポイント基地局と呼ばれることもある。
【0004】
なお、従来、利便性が向上するフェムトセル基地局が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−16602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、フェムトセル基地局を設置したユーザは、フェムトセル基地局を設置した後、その設置場所がマクロセル基地局の圏内に属するようになったか否か知らない。そのため、ユーザは、マクロセル基地局へのアクセスが可能になった場合でも、フェムトセル基地局を設置し続けるという問題点があった。
【0007】
例えば、あるユーザは、自宅においてマクロセル基地局の電波が届かないため、自宅にフェムトセル基地局を設置したとする。その後、その設置場所は、マクロセル基地局の電波状況が改善され、マクロセル基地局の圏内に属するようになったとする。
【0008】
しかし、ユーザは、自宅がマクロセル基地局の圏内に属することになっても、それを知らないため、フェムトセル基地局を設置し続けてしまう。
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、ユーザが第1の基地局の通信不感地帯をカバーする第2の基地局の設置を維持するか否か判断することが可能になる無線端末および基地局通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、第1の基地局と、前記第1の基地局の通信不感地帯をカバーする第2の基地局との通信が可能な無線端末が提供される。この無線端末は、前記第2の基地局での待ち受け中、通信が可能な前記第1の基地局を探索する探索部と、前記探索部によって前記第1の基地局が探索された場合、前記探索部の探索結果をユーザに通知する通知部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
開示の装置および方法によれば、ユーザは、第1の基地局の通信不感地帯をカバーする第2の基地局の設置を維持するか否か判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態に係る無線端末を示した図である。
【図2】第2の実施の形態に係る無線端末を適用した移動通信システムの例を示した図である。
【図3】無線端末のハードウェア構成例を示した図である。
【図4】無線端末の機能ブロックを示した図である。
【図5】無線端末の動作を説明するフローチャートである。
【図6】マクロセルの自動切替えが設定されていない場合の移動通信システムのシーケンス図である。
【図7】マクロセルの自動切替えが設定されている場合の移動通信システムのシーケンス図である。
【図8】マクロセルの自動切替えが設定されていない場合のディスプレイの画面例を示した図である。
【図9】マクロセルの自動切替えが設定されている場合のディスプレイの画面例を示した図である。
【図10】第3の実施の形態に係る無線端末の機能ブロックを示した図である。
【図11】無線端末がフェムトセルにおいて発信要求を行った場合の移動通信システムのシーケンス図である。
【図12】無線端末がマクロセルにおいて発信要求を行った場合の移動通信システムのシーケンス図である。
【図13】第4の実施の形態に係る無線端末の機能ブロックを示した図である。
【図14】サービスTBのデータ構成例を示した図である。
【図15】サービス登録を行うディスプレイの画面例を示した図である。
【図16】サービス登録をした場合の移動通信システムのシーケンス図のその1である。
【図17】サービス登録をした場合の移動通信システムのシーケンス図のその2である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る無線端末を示した図である。図1に示すように、無線端末1は、探索部1aおよび通知部1bを有している。図1には、基地局3と、基地局3の通信不感地帯をカバーする基地局2も示している。基地局2は、例えば、フェムトセル基地局であり、基地局3は、例えば、携帯電話基地局である。携帯電話基地局は、マクロセル基地局と呼ぶこともある。無線端末1は、基地局2,3の両方と無線通信することができる。無線端末1は、例えば、携帯電話機である。
【0013】
無線端末1の探索部1aは、基地局2での待ち受け中、通信が可能な基地局3を定期的に探索する。例えば、探索部1aは、基地局2での待ち受け中、1時間ごとまたは1日ごとに、通信が可能な基地局3を探索する。
【0014】
なお、待ち受け中とは、例えば、無線端末1の電源が投入され、基地局2または基地局3に発信することができる状態および基地局2または基地局3から着信することができる状態をいう。
【0015】
通知部1bは、探索部1aによって基地局3が探索された場合、探索部1aの探索結果を無線端末1のユーザに通知する。例えば、通知部1bは、探索部1aによって基地局3が探索された場合、基地局3が探索できた旨を、表示画面に表示し、ユーザに通知する。
【0016】
以下、無線端末1の動作を説明する。まず、無線端末1のユーザの自宅は、基地局3の不感地帯にあるとする。そのため、無線端末1のユーザは、自宅に基地局2を設置したとする。
【0017】
無線端末1の探索部1aは、基地局2での待ち受け中、通信が可能な基地局3を定期的に探索する。通知部1bは、探索部1aによって基地局3が探索された場合、探索部1aの探索結果を無線端末1のユーザに通知する。
【0018】
ここで、無線端末1のユーザの自宅は、基地局3の不感地帯にあるので、探索部1aは、基地局3を探索できない。よって、通知部1bは、探索結果をユーザに通知しない。
その後、基地局3の電波状況が改善し、基地局3のセルは、無線端末1のユーザの自宅もカバーできるようになったとする。この場合、基地局3は、探索部1aによって探索されることになる。そして、通知部1bは、例えば、無線端末1の表示画面に、基地局3が探索できたことを表示し、ユーザに通知する。
【0019】
なお、探索部1aが、基地局2での待ち受け中に、基地局3を探索したということは、無線端末1のユーザの自宅が基地局3の圏内に属することになったといえる。すなわち、ユーザは、基地局2を撤去して、基地局3を介して通信しもよいし、自宅に基地局2を設置し続け、基地局2を介して通信をしてもよい状況になっている。つまり、ユーザは、例えば、無線端末1の表示画面から、基地局3が探索できたことの通知を受けることにより、自分の基地局2の設置を維持するかどうか判断することができる。
【0020】
このように、無線端末1は、基地局2での待ち受け中、通信が可能な基地局3を定期的に探索し、基地局3を探索できた場合、探索結果をユーザに通知するようにした。これにより、ユーザは、自宅が基地局3のセルに属することになったことを知ることができ、基地局2の設置を維持するかどうか判断することができる。
【0021】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第2の実施の形態に係る無線端末を適用した移動通信システムの例を示した図である。図2に示すように、移動通信システムは、無線端末11、フェムトセル基地局12、マクロセル基地局21,22、およびネットワーク30を有している。自宅10は、無線端末11のユーザの自宅を示している。
【0022】
無線端末11は、例えば、携帯電話機である。無線端末11は、フェムトセル基地局12およびマクロセル基地局21,22と無線通信を行うことができる。無線端末11は、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)またはLTE(Long Term Evolution)によって、フェムトセル基地局12およびマクロセル基地局21,22と無線通信を行うことができる。
【0023】
無線端末11は、フェムトセルとマクロセルとの両方に属する場合、フェムトセルでの待ち受けを優先する。ただし、無線端末11は、ユーザの設定等によっては、マクロセルでの待ち受けを行う。
【0024】
フェムトセル基地局12は、例えば、半径数十mのフェムトセルを形成する。フェムトセル基地局12は、例えば、光ファイバやADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)などの有線によって、制御局31と接続されている。
【0025】
フェムトセル基地局12は、例えば、マクロセル基地局21,22の不感地帯の通信をカバーするために設置される。図2の例では、無線端末11のユーザの自宅10は、マクロセル基地局21,22の不感地帯にあり、フェムトセル基地局12は、無線端末11のユーザの自宅10に設置されている。
【0026】
マクロセル基地局21,22は、例えば、半径数百mから十数kmのマクロセルを形成する。マクロセル基地局21,22は、有線によって制御局32と接続されている。
ネットワーク30は、制御局31,32およびサーバ33〜35から形成されている。制御局31,32は、例えば、RNC(Radio Network Control)やS−GW(Serving GateWay)などである。
【0027】
サーバ33〜35は、無線端末11に、例えば、映像や音楽などのコンテンツのサービスを提供するサーバである。サーバ33は、制御局31,32に接続されている。サーバ34は、制御局32に接続されている。サーバ35は、制御局31に接続されている。
【0028】
従って、無線端末11は、フェムトセル基地局12および制御局31を介して、サーバ33,35のサービスを受けることができる。また、無線端末11は、マクロセル基地局21,22および制御局32を介して、サーバ33,34のサービスを受けることができる。なお、無線端末11は、フェムトセル基地局12および制御局31を介して、サーバ34のサービスを受けることができない。また、無線端末11は、マクロセル基地局21,22および制御局32を介して、サーバ35のサービスを受けることができない。
【0029】
図3は、無線端末のハードウェア構成例を示した図である。図3に示すように、無線端末11は、CPU(Central Processing Unit)11a、フラッシュメモリ11b、RAM(Random Access Memory)11c、無線部11d、ディスプレイ(DISP)11e、キー11f、マイク11g、スピーカ11h、GPS(Global Positioning System)11i、およびバス11jを有している。
【0030】
CPU11aには、バス11jを介してフラッシュメモリ11b、RAM11c、無線部11d、DISP11e、キー11f、マイク11g、スピーカ11h、およびGPS11iが接続されている。
【0031】
フラッシュメモリ11bには、CPU11aに実行させるアプリケーションプログラムが格納されている。
RAM11cには、CPU11aで処理されるデータや計算途中、計算結果などのデータが一時的に記憶される。
【0032】
無線部11dは、アンテナで受信された無線信号をベースバンド信号に変換する。また、無線部11dは、ベースバンド信号を無線信号に変換し、アンテナに出力する。また、無線部11dは、フェムトセル基地局12およびマクロセル基地局21,22との間の信号の送受信を制御する。
【0033】
DISP11eは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。DISP11eは、バス11jを介してCPU11aからデータを受信し、データを画面に表示する。キー11fは、入力されたデータを、バス11jを介してCPU11aに出力する。マイク11gは、例えば、音声を電気信号に変換する。スピーカ11hは、例えば、電気信号を音声に変換する。GPS11iは、衛星からの信号に基づいて、無線端末11の位置情報(緯度および経度)を算出する。
【0034】
図4は、無線端末の機能ブロックを示した図である。図4に示すように、無線端末11は、無線制御部41、プロトコル制御部42、GPS制御部43、ネットワーク制御部44、およびマクロ/フェムト切替え部45を有している。図4に示す無線制御部41、プロトコル制御部42は、例えば、図3の無線部11dによってその機能が実現される。GPS制御部43は、例えば、図3のGPS11iによって、その機能が実現される。ネットワーク制御部44およびマクロ/フェムト切替え部45は、例えば、図3のCPU11aによってその機能が実現される。
【0035】
無線制御部41は、アンテナで受信された無線信号をベースバンド信号に変換する。また、無線制御部41は、ベースバンド信号を無線信号に変換し、アンテナに出力する。
プロトコル制御部42は、フェムトセル基地局12およびマクロセル基地局21,22との間の信号の送受信を制御する。
【0036】
GPS制御部43は、衛星からの信号に基づいて、無線端末11の位置情報(緯度および経度)を算出する。
ネットワーク制御部44は、探索部44aを有している。探索部44aは、フェムトセル基地局12での待ち受け中、通信が可能なマクロセル基地局21,22を定期的に探索する。例えば、探索部44aは、フェムトセル基地局12での待ち受け中、1時間ごとまたは1日ごとに、通信が可能なマクロセル基地局21,22を探索する。
【0037】
探索部44aは、GPS制御部43から出力される無線端末11の位置情報に基づいて、フェムトセル基地局12での待ち受け中を判断する。例えば、図3に示すフラッシュメモリ11bには、自宅10またはフェムトセル基地局12の設置された位置情報が記憶されている。探索部44aは、フラッシュメモリ11bに記憶されている位置情報と、GPS制御部43から出力される位置情報とから、フェムトセル基地局12での待ち受け中であるか否か判断する。例えば、探索部44aは、GPS制御部43から出力される位置情報が、フラッシュメモリ11bに記憶されている位置情報を中心とした所定の半径内にあるとき、フェムトセル基地局12での待ち受け中であると判断する。
【0038】
探索部44aが、ユーザの設置したフェムトセル基地局12での待ち受け中を判断するのは、無線端末11が他のユーザのフェムトセル基地局にアクセスできる場合があるからである。例えば、無線端末11は、他のユーザのフェムトセル基地局の待ち受け中にマクロセルの探索ができ、その旨が図3で説明したDISP11eに表示されたとする。この場合、無線端末11のユーザは、他のユーザの設置したフェムトセル基地局の設置維持を判断することになるからである。
【0039】
探索部44aは、探索指示部45aからの指示に応じて、マクロセル基地局21,22の定期的な探索を行う。例えば、探索部44aは、探索指示部45aから探索実施の指示を受けた場合に、マクロセル基地局21,22の定期的な探索を行う。また、探索部44aは、探索指示部45aから探索実施の指示を受けていない場合は、マクロセル基地局21,22の定期的な探索を行わない。
【0040】
探索部44aは、例えば、マクロセル基地局21,22から送信されるパイロット信号により、マクロセル基地局21,22の電波強度を算出し、マクロセル基地局21,22の探索を行う。探索部44aは、例えば、マクロセル基地局21,22の電波強度が所定の閾値以上の場合、マクロセル基地局21,22を探索できた(マクロセル圏内に存在している)と判断する。
【0041】
探索部44aは、切替え指示部45cからマクロセルでの待ち受け指示があった場合、フェムトセルの優先待ち受けを中止し、マクロセルでの待ち受けを行う。例えば、図2で示す自宅10は、フェムトセル基地局12のフェムトセルに属している状態から、フェムトセル基地局12のフェムトセルと、マクロセル基地局21のマクロセルとの両方に属することになったとする。この場合、探索部44aは、フェムトセル基地局12での待ち受けを優先するが、切替え指示部45cから切替え指示があった場合、マクロセル基地局21での待ち受けを行う。
【0042】
マクロ/フェムト切替え部45は、探索指示部45a、通知部45b、および切替え指示部45cを有している。探索指示部45aは、探索部44aに、マクロセル基地局21,22の定期的な探索を行うか否かの指示を出力する。
【0043】
探索指示部45aは、例えば、図3で示したキー11fから、ユーザの入力を受け付けて、定期的な探索を行うか否かの指示を探索部44aに出力する。例えば、無線端末11のユーザが、キー11fでマクロセル基地局21,22の探索を行うよう設定した場合、探索指示部45aは、探索部44aに対し、通信が可能なマクロセル基地局21,22の探索指示を行う。
【0044】
通知部45bは、探索部44aによってマクロセル基地局21,22が探索された場合、探索部44aの探索結果を無線端末11のユーザに通知する。例えば、通知部45bは、探索部44aによってマクロセル基地局21が探索された場合、マクロセル基地局21が探索できた旨を、DISP11e表示し、ユーザに通知する。または、通知部45bは、スピーカ11hにより、音によってユーザに通知するようにしてもよい。
【0045】
切替え指示部45cは、無線端末11が自宅10においてマクロセル基地局21,22のマクロセルにも属することになった場合、ユーザの設定または指示に基づいて、マクロセルでの待ち受けを行うよう探索部44aに指示する。例えば、切替え指示部45cは、キー11fを介して、ユーザから自動でマクロセル切替えを行うように設定されている場合、探索部44aによってマクロセルが探索されると、自動でマクロセルでの待ち受けを行うよう探索部44aに指示する。また、切替え指示部45cは、ユーザから自動でマクロセル切替えを行うように設定されていない場合、キー11fを介した、ユーザからの指示に基づいて、マクロセルでの待ち受けを行うよう探索部44aに指示する。
【0046】
図5は、無線端末の動作を説明するフローチャートである。
[ステップS1]探索指示部45aは、フェムトセル探索の有効が設定されているとする。すなわち、探索指示部45aは、ユーザからマクロセル基地局21,22の定期的探索を行うよう指示されているとする。
【0047】
[ステップS2]探索部44aは、GPS制御部43の位置情報に基づき、自フェムトセル基地局での待ち受け中であるか判断する。すなわち、探索部44aは、自宅10のフェムトセル基地局12での待ち受け中であるか判断する。探索部44aは、フェムトセル基地局12での待ち受け中であると判断した場合、ステップS6へ進む。探索部44aは、フェムトセル基地局12での待ち受け中でないと判断した場合、ステップS3へ進む。
【0048】
[ステップS3]探索部44aは、マクロセルの待ち受け中であるか判断する。探索部44aは、マクロセルの待ち受け中であると判断した場合、ステップS4へ進む。探索部44aは、マクロセルの待ち受け中でないと判断した場合、ステップS5へ進む。
【0049】
[ステップS4]探索部44aは、無線端末11がマクロセル圏内に存在していると判断する。
[ステップS5]探索部44aは、無線端末11がフェムトセルおよびマクロセルの圏外に存在していると判断する。
【0050】
[ステップS6]探索部44aは、通信可能なマクロセル基地局21,22の定期的な探索を行う。例えば、探索部44aは、1時間ごとまたは1日ごとに、通信が可能なマクロセル基地局21,22を探索する。
【0051】
[ステップS7]探索部44aは、マクロセル基地局21,22のマクロセル圏内に存在しているか判断する。探索部44aは、マクロセル基地局21,22のマクロセル圏内に存在していると判断した場合、ステップS8へ進む。探索部44aは、マクロセル基地局21,22のマクロセル圏内に存在していないと判断した場合、ステップS6へ進む。
【0052】
[ステップS8]通知部45bは、探索部44aの探索結果を無線端末11のユーザに通知する。例えば、通知部45bは、探索部44aによってマクロセル基地局21が探索された場合、マクロセル基地局21が探索できた旨を、DISP11eに表示し、ユーザに通知する。
【0053】
[ステップS9]切替え指示部45cは、キー11fを介して、ユーザから自動でマクロセル切替えを行うように設定されているか判断する。切替え指示部45cは、ユーザから自動でマクロセル切替えを行うように設定されている場合、ステップS10へ進む。切替え指示部45cは、ユーザから自動でマクロセル切替えを行うように設定されていない場合、ステップS11へ進む。
【0054】
[ステップS10]切替え指示部45cは、自動で探索部44aの待ち受けをマクロセルに切替える。
[ステップS11]切替え指示部45cは、手動で探索部44aの待ち受けをマクロセルに切替える。例えば、切替え指示部45cは、ユーザからマクロセルでの待ち受けに切替えるように指示があった場合、フェムトセル基地局12での待ち受けから、マクロセル基地局21での待ち受けに切替えるよう探索部44aに指示する。
【0055】
図6は、マクロセルの自動切替えが設定されていない場合の移動通信システムのシーケンス図である。図6では、切替え指示部45cは、ユーザから、自動でマクロセル切替えを行うように設定されていないとする。
【0056】
[ステップS21]探索部44aは、フェムトセルの待ち受け中にあるとする。
[ステップS22]探索指示部45aは、フェムトセル探索の有効が設定されているとする。すなわち、探索指示部45aは、ユーザからマクロセル基地局21,22の定期的探索を行うよう指示されているとする。
【0057】
[ステップS23]探索部44aは、GPS制御部43の位置情報に基づき、自フェムトセル基地局での待ち受け中であるか判断する。ここでは、探索部44aは、自フェムトセル基地局(フェムトセル基地局12)での待ち受け中であると判断したとする。
【0058】
[ステップS24]探索部44aは、通信可能なマクロセル基地局21,22を定期的に探索する。
[ステップS25]探索部44aは、通信可能なマクロセル基地局として、マクロセル基地局21を探索したとする。
【0059】
[ステップS26]通知部45bは、マクロセル基地局21のマクロセルを探索できたことを無線端末11のユーザに通知する。
[ステップS27]切替え指示部45cは、ユーザからマクロセルの切替え指示を受け付ける。ここでは、切替え指示部45cは、ユーザからマクロセルの切替えを行うように指示を受け付けたとする。
【0060】
[ステップS28]探索部44aは、フェムトセル基地局12の待ち受けから、マクロセル基地局21の待ち受けに切替える。
図7は、マクロセルの自動切替えが設定されている場合の移動通信システムのシーケンス図である。図7では、切替え指示部45cは、ユーザから、自動でマクロセル切替えを行うように設定されているとする。
【0061】
図7に示すステップS31〜S36の処理は、図6で説明したステップS21〜S26の処理と同様であり、その説明を省略する。
[ステップS37]切替え指示部45cは、自動でマクロセルでの待ち受けを行うよう探索部44aに指示する。
【0062】
[ステップS38]探索部44aは、フェムトセル基地局12の待ち受けから、マクロセル基地局21の待ち受けに切替える。
図8は、マクロセルの自動切替えが設定されていない場合のディスプレイの画面例を示した図である。
【0063】
図8の(A)は、マクロセルの定期探索設定の画面例を示している。無線端末11のユーザは、キー11fの操作によって、‘ON’または‘OFF’を選択する。
探索指示部45aは、‘ON’が選択された場合、探索部44aに対し、通信が可能なマクロセル基地局21,22の探索指示を行う。探索指示部45aは、‘OFF’が選択された場合、探索部44aに対し、通信が可能なマクロセル基地局21,22の探索指示を行わない。図8の(A)の例では、‘ON’が選択されているので、探索指示部45aは、探索部44aに対し、通信が可能なマクロセル基地局21,22の探索指示を行う。
【0064】
図8の(B)は、マクロセルの自動切替え設定の画面例を示している。無線端末11のユーザは、キー11fの操作によって、‘ON’または‘OFF’を設定する。図8の(B)の例では、‘OFF’が設定されている。
【0065】
図8の(C)は、マクロセルが探索された場合の画面例を示している。通知部45bは、探索部44aによってマクロセルが探索されると、図8の(C)に示すような画面を表示して、マクロセルが見つかったことをユーザに通知する。また、図8の(C)に示すように、無線端末11のDISP11eには、ユーザにフェムトセルからマクロセルに切替えるかを問う画面が表示される。
【0066】
図8の(D)は、フェムトセルからマクロセルへの切替えが行われたときの画面例を示している。図8の(C)において、ユーザがキー11fの操作により‘はい’を選択した場合、切替え指示部45cは、フェムトセルからマクロセルへ待ち受けを切替えるよう探索部44aに指示する。これにより、無線端末11のDISP11eには、図8の(D)に示すように、フェムトセルからマクロセルへ待ち受けが切り替わったことが表示される。なお、図8の(D)では、DISP11eの上部の表示が‘femto’から‘Macro’に変わっている。
【0067】
図9は、マクロセルの自動切替えが設定されている場合のディスプレイの画面例を示した図である。
図9の(A)は、マクロセルの定期探索設定の画面例を示している。図9の(A)は、図8の(A)と同様であり、その説明を省略する。
【0068】
図9の(B)は、マクロセルの自動切替え設定の画面例を示している。図9の(A)では、図8の(B)の例に対し、‘ON’が設定されている。
図9の(C)は、マクロセルが探索された場合の画面例を示している。通知部45bは、探索部44aによってマクロセルが探索されると、図8の(C)に示すような画面を表示して、マクロセルが見つかったことをユーザに通知する。また、マクロセルの自動切替えが設定されているので、探索部44aは、自動でフェムトセルからマクロセルに待ち受けを切替え、DISP11eには、図9の(C)に示すように‘マクロセルが見つかりました。’‘マクロセルに切り替えました。’が表示される。
【0069】
このように、無線端末11は、フェムトセル基地局12での待ち受け中、通信が可能なマクロセル基地局21,22を定期的に探索し、マクロセル基地局21,22を探索できた場合、探索結果をユーザに通知するようにした。これにより、ユーザは、自宅10がマクロセル基地局21,22のマクロセルに属することになったことを知ることができ、フェムトセル基地局12の設置を維持するかどうか判断することができる。
【0070】
また、ユーザは、マクロセルに属することとなった旨の通知を受けたことにより、フェムトセル基地局12の設置維持が不要であると判断した場合、例えば、キャリアとのフェムトセル通信契約を解除することが可能となり、コストの低減を図ることができる。また、ユーザは、フェムトセル基地局12をネットワーク30へ接続するための費用(例えば、光回線費用)を支払わなくて済み、コストの低減を図ることができる。
【0071】
また、無線端末11は、マクロセルの探索の実施の可否をユーザから受け付けるようにした。これにより、フェムトセル基地局12の設置維持を望むユーザは、マクロセルの探索を実施しないように設定することにより、フェムトセル基地局12の設置を維持することができる。
【0072】
なお、上記では、探索部44aは、GPS制御部43の位置情報に基づいて、自宅10のフェムトセル基地局12での待ち受け中であるか判断するようにした。これに対し、探索部44aは、フェムトセル基地局12から自フェムトセル基地局を示す識別情報を受信して、自宅10のフェムトセル基地局12での待ち受け中であるか判断するようにしてもよい。
【0073】
例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、基地局からのSystem Informationにより、Cell IDが報知される。探索部44aは、基地局から報知されるCell IDがフェムトセル基地局12のCell IDである場合、自宅10のフェムトセル基地局12での待ち受け中であると判断する。
【0074】
また、3GPP2では、基地局からのSystem Parameters Messageにより、BASE IDが報知される。探索部44aは、基地局から報知されるBase IDがフェムトセル基地局12のBase IDである場合、自宅10のフェムトセル基地局12での待ち受け中であると判断する。なお、フェムトセル基地局12のCell IDやBASE IDの識別情報は、フェムトセル基地局12の設置の際、ユーザが予め無線端末11に記憶する。Cell IDやBASE IDの識別情報は、例えば、図3で説明したフラッシュメモリ11bに記憶される。
【0075】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第3の実施の形態では、無線端末がフェムトセルとマクロセルの両方に属している場合で、一方のセルを介したサーバへのアクセスが不可の場合、他方のセルを介してサーバへのアクセスを行う。第3の実施の形態における移動通信システムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、第3の実施の形態における無線端末のハードウェア構成例は、図3と同様であり、その説明を省略する。
【0076】
図10は、第3の実施の形態に係る無線端末の機能ブロックを示した図である。図10において、図4と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
発信要求部51は、ユーザのキー11fの操作に応じて、探索部44aが待ち受けしているセルの基地局に対し、発信要求を行う。例えば、探索部44aは、フェムトセル基地局12において待ち受け中であるとする。ユーザは、サーバ33にアクセスしようとしたとする。この場合、発信要求部51は、フェムトセル基地局12に対し、発信要求を行う。または、探索部44aは、マクロセル基地局21において待ち受け中であるとする。ユーザは、サーバ34にアクセスしようとしたとする。この場合、発信要求部51は、フェムトセル基地局12に対し、発信要求を行う。
【0077】
データ受信部52は、発信要求を行った基地局を介して、サーバ33〜35からデータを受信する。例えば、発信要求部51は、フェムトセル基地局12に対して発信要求を行い、サーバ33にアクセスした場合、データ受信部52は、フェムトセル基地局12を介して、サーバ33からのデータを受信する。
【0078】
切替え指示部53は、図4で説明した切替え指示部45cと同様の機能を有する。また、切替え指示部53は、データ受信部52がサーバ33〜35への接続失敗の情報を受信した場合、別のセルの基地局に対して発信要求を行うよう発信要求部51に切替え指示をする。
【0079】
例えば、ユーザは、サーバ34にアクセスしようとしたとする。また、発信要求部51は、探索部44aがフェムトセル基地局12での待ち受け中であったために、フェムトセル基地局12に対し発信要求を行ったとする。サーバ34は、制御局31と接続されていないため、データ受信部52は、制御局31からサーバ34への接続失敗の情報を受信する。この場合、切替え指示部53は、マクロセル基地局21に対し、発信要求を行うように、発信要求部51に切替え指示する。すなわち、切替え指示部53は、発信要求部51がフェムトセル基地局12またはマクロセル基地局21,22の一方に発信要求をしてサーバ33〜35にアクセスできなかった場合、他方の基地局に発信要求するよう発信要求部51に切替え指示をする。
【0080】
図11は、無線端末がフェムトセルにおいて発信要求を行った場合の移動通信システムのシーケンス図である。無線端末11は、例えば、第2の実施の形態で説明した動作により、マクロセル基地局21のマクロセルを探索したとする。ユーザは、マクロセルが探索されてもフェムトセル基地局12を設置し続け、無線端末11は、フェムトセル基地局12とマクロセル基地局21の両方のセルに属しているとする。
【0081】
[ステップS41]探索部44aは、フェムトセル基地局12のフェムトセルにおいて待ち受け中であるとする。
[ステップS42]発信要求部51は、ユーザからのサーバ34へのアクセス要求により、フェムトセル基地局12へ発信要求を行う。発信要求部51は、探索部44aがフェムトセル基地局12のフェムトセルにおいて待ち受け中であるので、フェムトセル基地局12へ発信要求を行う。
【0082】
[ステップS43]フェムトセル基地局12は、ネットワーク30に接続する。
[ステップS44]ネットワーク30の制御局31は、図2に示すようにサーバ34に接続されていない。従って、フェムトセル基地局12は、制御局31からサーバ34への接続が失敗した旨の情報を受信し、その情報を無線端末11に送信する。
【0083】
[ステップS45]データ受信部52は、フェムトセル基地局12からサーバ34への接続が失敗した旨の情報を受信する。切替え指示部53は、データ受信部52の情報の受信を受け、発信要求部51にマクロセル基地局21への発信要求を行うように、切替え指示をする。発信要求部51は、切替え指示部53からの切替え指示により、マクロセル基地局21へ発信要求を行う。
【0084】
なお、マクロセル基地局21は、制御局32に接続され、制御局32は、サーバ34に接続されている。従って、データ受信部52は、サーバ34のデータを受信することができる。
【0085】
図12は、無線端末がマクロセルにおいて発信要求を行った場合の移動通信システムのシーケンス図である。無線端末11は、例えば、第2の実施の形態で説明した動作により、マクロセル基地局21のマクロセルを探索したとする。ユーザは、マクロセルが探索されてもフェムトセル基地局12を設置し続け、無線端末11は、フェムトセル基地局12とマクロセル基地局21の両方のセルに属しているとする。
【0086】
[ステップS51]探索部44aは、マクロセル基地局21のマクロセルにおいて待ち受け中であるとする。
[ステップS52]発信要求部51は、ユーザからのサーバ35へのアクセス要求により、マクロセル基地局21へ発信要求を行う。発信要求部51は、探索部44aがマクロセル基地局21のフェムトセルにおいて待ち受け中であるので、マクロセル基地局21へ発信要求を行う。
【0087】
[ステップS53]マクロセル基地局21は、ネットワーク30に接続する。
[ステップS54]ネットワーク30の制御局32は、図2に示すようにサーバ35に接続されていない。従って、マクロセル基地局21は、制御局32からサーバ35への接続が失敗した旨の情報を受信し、その情報を無線端末11に送信する。
【0088】
[ステップS55]データ受信部52は、マクロセル基地局21からサーバ35への接続が失敗した旨の情報を受信する。切替え指示部53は、データ受信部52の情報の受信を受け、発信要求部51にフェムトセル基地局12への発信要求を行うように、切替え指示をする。発信要求部51は、切替え指示部53からの切替え指示により、フェムトセル基地局12へ発信要求を行う。
【0089】
なお、フェムトセル基地局12は、制御局31に接続され、制御局32は、サーバ35に接続されている。従って、データ受信部52は、サーバ35のデータを受信することができる。
【0090】
このように、無線端末11は、フェムトセルとマクロセルの両方に属している場合で、一方のセルを介したサーバへのアクセスが不可の場合、他方のセルを介してサーバへのアクセスを行うようにした。これにより、ユーザは、自分の望むサービスを受けることができる。
【0091】
例えば、無線端末11は、フェムトセル基地局12でMC−Rev.AやIPVT(Internet Protocol Video Telephony)のサービスを受けることができない場合、マクロセル基地局21にアクセスする。これにより、ユーザは、フェムトセル基地局12で受けることができないサービスを、マクロセル基地局21を介して受けることができる。また、同様に、ユーザは、マクロセル基地局21で受けることができないサービスを、フェムトセル基地局12を介して受けることができる。
【0092】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第4の実施の形態では、無線端末がフェムトセルとマクロセルの両方に属している場合で、ユーザからあるサーバへのアクセス要求があると、登録された基地局に対して発信要求を行う。第4の実施の形態における移動通信システムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、第4の実施の形態における無線端末のハードウェア構成例は、図3と同様であり、その説明を省略する。
【0093】
図13は、第4の実施の形態に係る無線端末の機能ブロックを示した図である。図13において、図4と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
サービスTB(TB:Table)61は、ユーザが受けようとするサービスと、そのサービスを受けるためのセルの種別とを関連付けて記憶する。サービスTB61は、例えば、図3に示すフラッシュメモリ11bに形成される。サービスTB61の情報は、無線端末11のユーザによって登録される。
【0094】
図14は、サービスTBのデータ構成例を示した図である。図14に示すように、サービスTB61は、サービスの欄およびセル種別の欄を有している。
サービスの欄には、ユーザが受けようとするサービスの情報が格納される。セル種別の欄には、サービスの欄のサービスを受けるためのセルの種別の情報が格納される。
【0095】
例えば、ユーザは、無線端末11でTV電話のサービスを受けるとする。この場合、図14に示すサービスTB61の最下欄より、フェムトセル(ユーザの設置したフェムトセル基地局12)を介して、TV電話サービスを提供するサーバにアクセスすることが分かる。
【0096】
図13の説明に戻る。サービス判断部62は、ユーザが受けようとするサービスに基づいてサービスTB61を参照し、どのセルの基地局に対し発信要求するかを判断する。
例えば、ユーザがTV電話のサービスを受けようとしたとする。この場合、サービス判断部62は、図14の例では、フェムトセル基地局12に発信要求すると判断する。また、ユーザがブラウザのサービス(Webサーバのサービス)を受けようとしたとする。この場合、サービス判断部62は、図14の例では、マクロセル基地局21,22に発信要求すると判断する。
【0097】
切替え指示部63は、図4で説明した切替え指示部45cと同様の機能を有する。また、切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致するか否か判断する。切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致しない場合、発信要求部64に対し、発信要求する基地局を切替えるように指示する。
【0098】
例えば、探索部44aは、フェムトセル基地局12で待ち受け中であったとする。サービス判断部62は、マクロセル基地局21,22へのアクセスを判断したとする。この場合、待ち受け中の基地局とサービス判断部62の判断した基地局とが異なるので、切替え指示部63は、発信要求部64に対し、マクロセル基地局21,22を探索して、発信要求するように切替え指示をする。
【0099】
また、探索部44aは、マクロセル基地局21で待ち受け中であったとする。サービス判断部62は、フェムトセル基地局12へのアクセスを判断したとする。この場合、待ち受け中の基地局とサービス判断部62の判断した基地局とが異なるので、切替え指示部63は、発信要求部64に対し、フェムトセル基地局12を探索して、発信要求するように切替え指示をする。
【0100】
すなわち、切替え指示部63は、ユーザが受けようとするサービスの情報に対応する基地局と、探索部44aの待ち受けている基地局とが異なる場合、発信要求する基地局を切替えるように、発信要求部64に切替え指示をする。
【0101】
発信要求部64は、探索部44aが待ち受けしているセルの基地局に対し、発信要求を行う。ただし、発信要求部64は、切替え指示部63から発信要求する基地局の切替え指示があった場合、発信要求する基地局を切替える。
【0102】
例えば、探索部44aは、フェムトセル基地局12で待ち受け中であったとする。サービス判断部62は、発信要求の切替え指示を判断したとする。この場合、発信要求部64は、マクロセルを探索し、探索したマクロセルのマクロセル基地局21,22に対し、発信要求する。
【0103】
また、探索部44aは、マクロセル基地局21で待ち受け中であったとする。サービス判断部62は、発信要求の切替え指示を判断したとする。この場合、発信要求部64は、フェムトセル基地局12を探索して、発信要求する。
【0104】
図15は、サービス登録を行うディスプレイの画面例を示した図である。
図15の(A)の画面例は、ユーザが受けようとするサービスと、そのサービスを受けるためのセルの種別とを示している。例えば、図15の(A)より、‘ブラウザ’のサービスを受けるには、マクロセルで受けることが分かる。また、TV電話のサービスを受けるには、フェムトセルで受けることが分かる。
【0105】
図15の(B)の画面例は、ユーザが受けようとするサービスに対し、そのサービスを受けるためのセルの種別を設定する画面を示している。例えば、ユーザは、図15の(A)に示す画面例において、TV電話のサービスを受けるセルを‘フェムトセル’から‘マクロセル’に切り替えたいとする。この場合、ユーザは、‘3’をキー11fの操作によって選択する。これにより、無線端末11のDISP11eの画面は、図15の(A)の画面例から図15の(B)に示す画面例に切り替わる。そして、ユーザは、キー11fの操作によって、例えば、図15の(B)の黒丸に示すように‘マクロ’を選択する。
【0106】
図15の(C)の画面例は、サービス設定切替え後の画面例を示している。例えば、上述したように、ユーザは、TV電話のサービスを受けるセルを、フェムトセルからマクロセルに切り替えたとする。この場合、図15の(C)に示すように、TV電話のサービスを受けるセルは、‘マクロ’に切り替わっている。
【0107】
図16は、サービス登録をした場合の移動通信システムのシーケンス図のその1である。サービスTB61には、例えば、図14に示す情報が登録されているとする。
[ステップS61]探索部44aは、フェムトセル基地局12のフェムトセルで待ち受け中であるとする。
【0108】
[ステップS62]無線端末11のユーザは、無線端末11を用いて、あるサービスを受けようとしたとする。サービス判断部62は、ユーザが受けようとするサービスに基づいてサービスTB61を参照し、どのセルの基地局に対し発信要求するかを判断する。
【0109】
ここでは、ユーザは、TV電話のサービスを受けようとしているとする。従って、サービス判断部62は、サービスTB61を参照し、フェムトセル基地局12に対し発信要求すると判断する。
【0110】
[ステップS63]切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致するか否か判断する。
図16の例では、ステップS61より、探索部44aは、フェムトセル基地局12で待ち受け中である。また、ステップS62より、サービス判断部62は、フェムトセル基地局12に対し発信要求すると判断している。従って、切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致すると判断する。このため、切替え指示部63は、発信要求部64に対し、発信の切替えの指示を行わない。
【0111】
[ステップS64]発信要求部64は、切替え指示部63から発信の切替え指示を受けない。従って、発信要求部64は、待ち受け中のフェムトセル基地局12へ発信要求を行う。
【0112】
図17は、サービス登録をした場合の移動通信システムのシーケンス図のその2である。サービスTB61には、例えば、図14に示す情報が登録されているとする。
[ステップS71]探索部44aは、フェムトセル基地局12のフェムトセルで待ち受け中であるとする。
【0113】
[ステップS72]無線端末11のユーザは、無線端末11を用いてあるサービスを受けようとしたとする。サービス判断部62は、ユーザが受けようとするサービスに基づいてサービスTB61を参照し、どのセルの基地局に対し発信要求するかを判断する。
【0114】
ここでは、ユーザは、ブラウザのサービスを受けようとしているとする。従って、サービス判断部62は、サービスTB61を参照し、マクロセルを形成するマクロセル基地局21,22に対し発信要求すると判断する。
【0115】
[ステップS73]切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致するか否か判断する。
図17の例では、ステップS71より、探索部44aは、フェムトセル基地局12で待ち受け中である。また、ステップS72より、サービス判断部62は、マクロセル基地局21,22に対し発信要求すると判断している。従って、切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致しないと判断する。このため、切替え指示部63は、発信要求部64に対し、発信の切替えの指示を行う。
【0116】
[ステップS74]発信要求部64は、切替え指示部63から発信の切替え指示を受ける。従って、発信要求部64は、通信可能なマクロセル基地局21,22を探索し、探索したマクロセル基地局21,22に対し、発信要求を行う。
【0117】
このように、無線端末11は、フェムトセルとマクロセルの両方に属している場合で、一方のセルを介したサーバへのアクセスが不可の場合、他方のセルを介してサーバへのアクセスを行うようにした。これにより、ユーザは、自分の望むサービスを受けることができる。
【符号の説明】
【0118】
1 無線端末
1a 探索部
1b 通知部
2,3 基地局
【技術分野】
【0001】
本件は、無線通信を行う無線端末およびその基地局通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動通信システムには、例えば、半径数百mから十数kmのマクロセルを形成する携帯電話基地局がある。マクロセル同士の境界領域やマンション、ビルなどの建物の周囲では、電波強度が微弱となり、通信ができない不感地帯が生まれる。
【0003】
そこで、キャリアは、不感地帯対策として、例えば、各家庭などに小セルの基地局を配置するフェムトセルサービスを展開している。例えば、ユーザは、マクロセルの不感地帯に、半径数十mのフェムトセルを形成するフェムトセル基地局を設置することにより、不感地帯での通信が可能になる。フェムトセル基地局は、アクセスポイント基地局と呼ばれることもある。
【0004】
なお、従来、利便性が向上するフェムトセル基地局が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−16602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、フェムトセル基地局を設置したユーザは、フェムトセル基地局を設置した後、その設置場所がマクロセル基地局の圏内に属するようになったか否か知らない。そのため、ユーザは、マクロセル基地局へのアクセスが可能になった場合でも、フェムトセル基地局を設置し続けるという問題点があった。
【0007】
例えば、あるユーザは、自宅においてマクロセル基地局の電波が届かないため、自宅にフェムトセル基地局を設置したとする。その後、その設置場所は、マクロセル基地局の電波状況が改善され、マクロセル基地局の圏内に属するようになったとする。
【0008】
しかし、ユーザは、自宅がマクロセル基地局の圏内に属することになっても、それを知らないため、フェムトセル基地局を設置し続けてしまう。
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、ユーザが第1の基地局の通信不感地帯をカバーする第2の基地局の設置を維持するか否か判断することが可能になる無線端末および基地局通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、第1の基地局と、前記第1の基地局の通信不感地帯をカバーする第2の基地局との通信が可能な無線端末が提供される。この無線端末は、前記第2の基地局での待ち受け中、通信が可能な前記第1の基地局を探索する探索部と、前記探索部によって前記第1の基地局が探索された場合、前記探索部の探索結果をユーザに通知する通知部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
開示の装置および方法によれば、ユーザは、第1の基地局の通信不感地帯をカバーする第2の基地局の設置を維持するか否か判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態に係る無線端末を示した図である。
【図2】第2の実施の形態に係る無線端末を適用した移動通信システムの例を示した図である。
【図3】無線端末のハードウェア構成例を示した図である。
【図4】無線端末の機能ブロックを示した図である。
【図5】無線端末の動作を説明するフローチャートである。
【図6】マクロセルの自動切替えが設定されていない場合の移動通信システムのシーケンス図である。
【図7】マクロセルの自動切替えが設定されている場合の移動通信システムのシーケンス図である。
【図8】マクロセルの自動切替えが設定されていない場合のディスプレイの画面例を示した図である。
【図9】マクロセルの自動切替えが設定されている場合のディスプレイの画面例を示した図である。
【図10】第3の実施の形態に係る無線端末の機能ブロックを示した図である。
【図11】無線端末がフェムトセルにおいて発信要求を行った場合の移動通信システムのシーケンス図である。
【図12】無線端末がマクロセルにおいて発信要求を行った場合の移動通信システムのシーケンス図である。
【図13】第4の実施の形態に係る無線端末の機能ブロックを示した図である。
【図14】サービスTBのデータ構成例を示した図である。
【図15】サービス登録を行うディスプレイの画面例を示した図である。
【図16】サービス登録をした場合の移動通信システムのシーケンス図のその1である。
【図17】サービス登録をした場合の移動通信システムのシーケンス図のその2である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る無線端末を示した図である。図1に示すように、無線端末1は、探索部1aおよび通知部1bを有している。図1には、基地局3と、基地局3の通信不感地帯をカバーする基地局2も示している。基地局2は、例えば、フェムトセル基地局であり、基地局3は、例えば、携帯電話基地局である。携帯電話基地局は、マクロセル基地局と呼ぶこともある。無線端末1は、基地局2,3の両方と無線通信することができる。無線端末1は、例えば、携帯電話機である。
【0013】
無線端末1の探索部1aは、基地局2での待ち受け中、通信が可能な基地局3を定期的に探索する。例えば、探索部1aは、基地局2での待ち受け中、1時間ごとまたは1日ごとに、通信が可能な基地局3を探索する。
【0014】
なお、待ち受け中とは、例えば、無線端末1の電源が投入され、基地局2または基地局3に発信することができる状態および基地局2または基地局3から着信することができる状態をいう。
【0015】
通知部1bは、探索部1aによって基地局3が探索された場合、探索部1aの探索結果を無線端末1のユーザに通知する。例えば、通知部1bは、探索部1aによって基地局3が探索された場合、基地局3が探索できた旨を、表示画面に表示し、ユーザに通知する。
【0016】
以下、無線端末1の動作を説明する。まず、無線端末1のユーザの自宅は、基地局3の不感地帯にあるとする。そのため、無線端末1のユーザは、自宅に基地局2を設置したとする。
【0017】
無線端末1の探索部1aは、基地局2での待ち受け中、通信が可能な基地局3を定期的に探索する。通知部1bは、探索部1aによって基地局3が探索された場合、探索部1aの探索結果を無線端末1のユーザに通知する。
【0018】
ここで、無線端末1のユーザの自宅は、基地局3の不感地帯にあるので、探索部1aは、基地局3を探索できない。よって、通知部1bは、探索結果をユーザに通知しない。
その後、基地局3の電波状況が改善し、基地局3のセルは、無線端末1のユーザの自宅もカバーできるようになったとする。この場合、基地局3は、探索部1aによって探索されることになる。そして、通知部1bは、例えば、無線端末1の表示画面に、基地局3が探索できたことを表示し、ユーザに通知する。
【0019】
なお、探索部1aが、基地局2での待ち受け中に、基地局3を探索したということは、無線端末1のユーザの自宅が基地局3の圏内に属することになったといえる。すなわち、ユーザは、基地局2を撤去して、基地局3を介して通信しもよいし、自宅に基地局2を設置し続け、基地局2を介して通信をしてもよい状況になっている。つまり、ユーザは、例えば、無線端末1の表示画面から、基地局3が探索できたことの通知を受けることにより、自分の基地局2の設置を維持するかどうか判断することができる。
【0020】
このように、無線端末1は、基地局2での待ち受け中、通信が可能な基地局3を定期的に探索し、基地局3を探索できた場合、探索結果をユーザに通知するようにした。これにより、ユーザは、自宅が基地局3のセルに属することになったことを知ることができ、基地局2の設置を維持するかどうか判断することができる。
【0021】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第2の実施の形態に係る無線端末を適用した移動通信システムの例を示した図である。図2に示すように、移動通信システムは、無線端末11、フェムトセル基地局12、マクロセル基地局21,22、およびネットワーク30を有している。自宅10は、無線端末11のユーザの自宅を示している。
【0022】
無線端末11は、例えば、携帯電話機である。無線端末11は、フェムトセル基地局12およびマクロセル基地局21,22と無線通信を行うことができる。無線端末11は、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)またはLTE(Long Term Evolution)によって、フェムトセル基地局12およびマクロセル基地局21,22と無線通信を行うことができる。
【0023】
無線端末11は、フェムトセルとマクロセルとの両方に属する場合、フェムトセルでの待ち受けを優先する。ただし、無線端末11は、ユーザの設定等によっては、マクロセルでの待ち受けを行う。
【0024】
フェムトセル基地局12は、例えば、半径数十mのフェムトセルを形成する。フェムトセル基地局12は、例えば、光ファイバやADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)などの有線によって、制御局31と接続されている。
【0025】
フェムトセル基地局12は、例えば、マクロセル基地局21,22の不感地帯の通信をカバーするために設置される。図2の例では、無線端末11のユーザの自宅10は、マクロセル基地局21,22の不感地帯にあり、フェムトセル基地局12は、無線端末11のユーザの自宅10に設置されている。
【0026】
マクロセル基地局21,22は、例えば、半径数百mから十数kmのマクロセルを形成する。マクロセル基地局21,22は、有線によって制御局32と接続されている。
ネットワーク30は、制御局31,32およびサーバ33〜35から形成されている。制御局31,32は、例えば、RNC(Radio Network Control)やS−GW(Serving GateWay)などである。
【0027】
サーバ33〜35は、無線端末11に、例えば、映像や音楽などのコンテンツのサービスを提供するサーバである。サーバ33は、制御局31,32に接続されている。サーバ34は、制御局32に接続されている。サーバ35は、制御局31に接続されている。
【0028】
従って、無線端末11は、フェムトセル基地局12および制御局31を介して、サーバ33,35のサービスを受けることができる。また、無線端末11は、マクロセル基地局21,22および制御局32を介して、サーバ33,34のサービスを受けることができる。なお、無線端末11は、フェムトセル基地局12および制御局31を介して、サーバ34のサービスを受けることができない。また、無線端末11は、マクロセル基地局21,22および制御局32を介して、サーバ35のサービスを受けることができない。
【0029】
図3は、無線端末のハードウェア構成例を示した図である。図3に示すように、無線端末11は、CPU(Central Processing Unit)11a、フラッシュメモリ11b、RAM(Random Access Memory)11c、無線部11d、ディスプレイ(DISP)11e、キー11f、マイク11g、スピーカ11h、GPS(Global Positioning System)11i、およびバス11jを有している。
【0030】
CPU11aには、バス11jを介してフラッシュメモリ11b、RAM11c、無線部11d、DISP11e、キー11f、マイク11g、スピーカ11h、およびGPS11iが接続されている。
【0031】
フラッシュメモリ11bには、CPU11aに実行させるアプリケーションプログラムが格納されている。
RAM11cには、CPU11aで処理されるデータや計算途中、計算結果などのデータが一時的に記憶される。
【0032】
無線部11dは、アンテナで受信された無線信号をベースバンド信号に変換する。また、無線部11dは、ベースバンド信号を無線信号に変換し、アンテナに出力する。また、無線部11dは、フェムトセル基地局12およびマクロセル基地局21,22との間の信号の送受信を制御する。
【0033】
DISP11eは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。DISP11eは、バス11jを介してCPU11aからデータを受信し、データを画面に表示する。キー11fは、入力されたデータを、バス11jを介してCPU11aに出力する。マイク11gは、例えば、音声を電気信号に変換する。スピーカ11hは、例えば、電気信号を音声に変換する。GPS11iは、衛星からの信号に基づいて、無線端末11の位置情報(緯度および経度)を算出する。
【0034】
図4は、無線端末の機能ブロックを示した図である。図4に示すように、無線端末11は、無線制御部41、プロトコル制御部42、GPS制御部43、ネットワーク制御部44、およびマクロ/フェムト切替え部45を有している。図4に示す無線制御部41、プロトコル制御部42は、例えば、図3の無線部11dによってその機能が実現される。GPS制御部43は、例えば、図3のGPS11iによって、その機能が実現される。ネットワーク制御部44およびマクロ/フェムト切替え部45は、例えば、図3のCPU11aによってその機能が実現される。
【0035】
無線制御部41は、アンテナで受信された無線信号をベースバンド信号に変換する。また、無線制御部41は、ベースバンド信号を無線信号に変換し、アンテナに出力する。
プロトコル制御部42は、フェムトセル基地局12およびマクロセル基地局21,22との間の信号の送受信を制御する。
【0036】
GPS制御部43は、衛星からの信号に基づいて、無線端末11の位置情報(緯度および経度)を算出する。
ネットワーク制御部44は、探索部44aを有している。探索部44aは、フェムトセル基地局12での待ち受け中、通信が可能なマクロセル基地局21,22を定期的に探索する。例えば、探索部44aは、フェムトセル基地局12での待ち受け中、1時間ごとまたは1日ごとに、通信が可能なマクロセル基地局21,22を探索する。
【0037】
探索部44aは、GPS制御部43から出力される無線端末11の位置情報に基づいて、フェムトセル基地局12での待ち受け中を判断する。例えば、図3に示すフラッシュメモリ11bには、自宅10またはフェムトセル基地局12の設置された位置情報が記憶されている。探索部44aは、フラッシュメモリ11bに記憶されている位置情報と、GPS制御部43から出力される位置情報とから、フェムトセル基地局12での待ち受け中であるか否か判断する。例えば、探索部44aは、GPS制御部43から出力される位置情報が、フラッシュメモリ11bに記憶されている位置情報を中心とした所定の半径内にあるとき、フェムトセル基地局12での待ち受け中であると判断する。
【0038】
探索部44aが、ユーザの設置したフェムトセル基地局12での待ち受け中を判断するのは、無線端末11が他のユーザのフェムトセル基地局にアクセスできる場合があるからである。例えば、無線端末11は、他のユーザのフェムトセル基地局の待ち受け中にマクロセルの探索ができ、その旨が図3で説明したDISP11eに表示されたとする。この場合、無線端末11のユーザは、他のユーザの設置したフェムトセル基地局の設置維持を判断することになるからである。
【0039】
探索部44aは、探索指示部45aからの指示に応じて、マクロセル基地局21,22の定期的な探索を行う。例えば、探索部44aは、探索指示部45aから探索実施の指示を受けた場合に、マクロセル基地局21,22の定期的な探索を行う。また、探索部44aは、探索指示部45aから探索実施の指示を受けていない場合は、マクロセル基地局21,22の定期的な探索を行わない。
【0040】
探索部44aは、例えば、マクロセル基地局21,22から送信されるパイロット信号により、マクロセル基地局21,22の電波強度を算出し、マクロセル基地局21,22の探索を行う。探索部44aは、例えば、マクロセル基地局21,22の電波強度が所定の閾値以上の場合、マクロセル基地局21,22を探索できた(マクロセル圏内に存在している)と判断する。
【0041】
探索部44aは、切替え指示部45cからマクロセルでの待ち受け指示があった場合、フェムトセルの優先待ち受けを中止し、マクロセルでの待ち受けを行う。例えば、図2で示す自宅10は、フェムトセル基地局12のフェムトセルに属している状態から、フェムトセル基地局12のフェムトセルと、マクロセル基地局21のマクロセルとの両方に属することになったとする。この場合、探索部44aは、フェムトセル基地局12での待ち受けを優先するが、切替え指示部45cから切替え指示があった場合、マクロセル基地局21での待ち受けを行う。
【0042】
マクロ/フェムト切替え部45は、探索指示部45a、通知部45b、および切替え指示部45cを有している。探索指示部45aは、探索部44aに、マクロセル基地局21,22の定期的な探索を行うか否かの指示を出力する。
【0043】
探索指示部45aは、例えば、図3で示したキー11fから、ユーザの入力を受け付けて、定期的な探索を行うか否かの指示を探索部44aに出力する。例えば、無線端末11のユーザが、キー11fでマクロセル基地局21,22の探索を行うよう設定した場合、探索指示部45aは、探索部44aに対し、通信が可能なマクロセル基地局21,22の探索指示を行う。
【0044】
通知部45bは、探索部44aによってマクロセル基地局21,22が探索された場合、探索部44aの探索結果を無線端末11のユーザに通知する。例えば、通知部45bは、探索部44aによってマクロセル基地局21が探索された場合、マクロセル基地局21が探索できた旨を、DISP11e表示し、ユーザに通知する。または、通知部45bは、スピーカ11hにより、音によってユーザに通知するようにしてもよい。
【0045】
切替え指示部45cは、無線端末11が自宅10においてマクロセル基地局21,22のマクロセルにも属することになった場合、ユーザの設定または指示に基づいて、マクロセルでの待ち受けを行うよう探索部44aに指示する。例えば、切替え指示部45cは、キー11fを介して、ユーザから自動でマクロセル切替えを行うように設定されている場合、探索部44aによってマクロセルが探索されると、自動でマクロセルでの待ち受けを行うよう探索部44aに指示する。また、切替え指示部45cは、ユーザから自動でマクロセル切替えを行うように設定されていない場合、キー11fを介した、ユーザからの指示に基づいて、マクロセルでの待ち受けを行うよう探索部44aに指示する。
【0046】
図5は、無線端末の動作を説明するフローチャートである。
[ステップS1]探索指示部45aは、フェムトセル探索の有効が設定されているとする。すなわち、探索指示部45aは、ユーザからマクロセル基地局21,22の定期的探索を行うよう指示されているとする。
【0047】
[ステップS2]探索部44aは、GPS制御部43の位置情報に基づき、自フェムトセル基地局での待ち受け中であるか判断する。すなわち、探索部44aは、自宅10のフェムトセル基地局12での待ち受け中であるか判断する。探索部44aは、フェムトセル基地局12での待ち受け中であると判断した場合、ステップS6へ進む。探索部44aは、フェムトセル基地局12での待ち受け中でないと判断した場合、ステップS3へ進む。
【0048】
[ステップS3]探索部44aは、マクロセルの待ち受け中であるか判断する。探索部44aは、マクロセルの待ち受け中であると判断した場合、ステップS4へ進む。探索部44aは、マクロセルの待ち受け中でないと判断した場合、ステップS5へ進む。
【0049】
[ステップS4]探索部44aは、無線端末11がマクロセル圏内に存在していると判断する。
[ステップS5]探索部44aは、無線端末11がフェムトセルおよびマクロセルの圏外に存在していると判断する。
【0050】
[ステップS6]探索部44aは、通信可能なマクロセル基地局21,22の定期的な探索を行う。例えば、探索部44aは、1時間ごとまたは1日ごとに、通信が可能なマクロセル基地局21,22を探索する。
【0051】
[ステップS7]探索部44aは、マクロセル基地局21,22のマクロセル圏内に存在しているか判断する。探索部44aは、マクロセル基地局21,22のマクロセル圏内に存在していると判断した場合、ステップS8へ進む。探索部44aは、マクロセル基地局21,22のマクロセル圏内に存在していないと判断した場合、ステップS6へ進む。
【0052】
[ステップS8]通知部45bは、探索部44aの探索結果を無線端末11のユーザに通知する。例えば、通知部45bは、探索部44aによってマクロセル基地局21が探索された場合、マクロセル基地局21が探索できた旨を、DISP11eに表示し、ユーザに通知する。
【0053】
[ステップS9]切替え指示部45cは、キー11fを介して、ユーザから自動でマクロセル切替えを行うように設定されているか判断する。切替え指示部45cは、ユーザから自動でマクロセル切替えを行うように設定されている場合、ステップS10へ進む。切替え指示部45cは、ユーザから自動でマクロセル切替えを行うように設定されていない場合、ステップS11へ進む。
【0054】
[ステップS10]切替え指示部45cは、自動で探索部44aの待ち受けをマクロセルに切替える。
[ステップS11]切替え指示部45cは、手動で探索部44aの待ち受けをマクロセルに切替える。例えば、切替え指示部45cは、ユーザからマクロセルでの待ち受けに切替えるように指示があった場合、フェムトセル基地局12での待ち受けから、マクロセル基地局21での待ち受けに切替えるよう探索部44aに指示する。
【0055】
図6は、マクロセルの自動切替えが設定されていない場合の移動通信システムのシーケンス図である。図6では、切替え指示部45cは、ユーザから、自動でマクロセル切替えを行うように設定されていないとする。
【0056】
[ステップS21]探索部44aは、フェムトセルの待ち受け中にあるとする。
[ステップS22]探索指示部45aは、フェムトセル探索の有効が設定されているとする。すなわち、探索指示部45aは、ユーザからマクロセル基地局21,22の定期的探索を行うよう指示されているとする。
【0057】
[ステップS23]探索部44aは、GPS制御部43の位置情報に基づき、自フェムトセル基地局での待ち受け中であるか判断する。ここでは、探索部44aは、自フェムトセル基地局(フェムトセル基地局12)での待ち受け中であると判断したとする。
【0058】
[ステップS24]探索部44aは、通信可能なマクロセル基地局21,22を定期的に探索する。
[ステップS25]探索部44aは、通信可能なマクロセル基地局として、マクロセル基地局21を探索したとする。
【0059】
[ステップS26]通知部45bは、マクロセル基地局21のマクロセルを探索できたことを無線端末11のユーザに通知する。
[ステップS27]切替え指示部45cは、ユーザからマクロセルの切替え指示を受け付ける。ここでは、切替え指示部45cは、ユーザからマクロセルの切替えを行うように指示を受け付けたとする。
【0060】
[ステップS28]探索部44aは、フェムトセル基地局12の待ち受けから、マクロセル基地局21の待ち受けに切替える。
図7は、マクロセルの自動切替えが設定されている場合の移動通信システムのシーケンス図である。図7では、切替え指示部45cは、ユーザから、自動でマクロセル切替えを行うように設定されているとする。
【0061】
図7に示すステップS31〜S36の処理は、図6で説明したステップS21〜S26の処理と同様であり、その説明を省略する。
[ステップS37]切替え指示部45cは、自動でマクロセルでの待ち受けを行うよう探索部44aに指示する。
【0062】
[ステップS38]探索部44aは、フェムトセル基地局12の待ち受けから、マクロセル基地局21の待ち受けに切替える。
図8は、マクロセルの自動切替えが設定されていない場合のディスプレイの画面例を示した図である。
【0063】
図8の(A)は、マクロセルの定期探索設定の画面例を示している。無線端末11のユーザは、キー11fの操作によって、‘ON’または‘OFF’を選択する。
探索指示部45aは、‘ON’が選択された場合、探索部44aに対し、通信が可能なマクロセル基地局21,22の探索指示を行う。探索指示部45aは、‘OFF’が選択された場合、探索部44aに対し、通信が可能なマクロセル基地局21,22の探索指示を行わない。図8の(A)の例では、‘ON’が選択されているので、探索指示部45aは、探索部44aに対し、通信が可能なマクロセル基地局21,22の探索指示を行う。
【0064】
図8の(B)は、マクロセルの自動切替え設定の画面例を示している。無線端末11のユーザは、キー11fの操作によって、‘ON’または‘OFF’を設定する。図8の(B)の例では、‘OFF’が設定されている。
【0065】
図8の(C)は、マクロセルが探索された場合の画面例を示している。通知部45bは、探索部44aによってマクロセルが探索されると、図8の(C)に示すような画面を表示して、マクロセルが見つかったことをユーザに通知する。また、図8の(C)に示すように、無線端末11のDISP11eには、ユーザにフェムトセルからマクロセルに切替えるかを問う画面が表示される。
【0066】
図8の(D)は、フェムトセルからマクロセルへの切替えが行われたときの画面例を示している。図8の(C)において、ユーザがキー11fの操作により‘はい’を選択した場合、切替え指示部45cは、フェムトセルからマクロセルへ待ち受けを切替えるよう探索部44aに指示する。これにより、無線端末11のDISP11eには、図8の(D)に示すように、フェムトセルからマクロセルへ待ち受けが切り替わったことが表示される。なお、図8の(D)では、DISP11eの上部の表示が‘femto’から‘Macro’に変わっている。
【0067】
図9は、マクロセルの自動切替えが設定されている場合のディスプレイの画面例を示した図である。
図9の(A)は、マクロセルの定期探索設定の画面例を示している。図9の(A)は、図8の(A)と同様であり、その説明を省略する。
【0068】
図9の(B)は、マクロセルの自動切替え設定の画面例を示している。図9の(A)では、図8の(B)の例に対し、‘ON’が設定されている。
図9の(C)は、マクロセルが探索された場合の画面例を示している。通知部45bは、探索部44aによってマクロセルが探索されると、図8の(C)に示すような画面を表示して、マクロセルが見つかったことをユーザに通知する。また、マクロセルの自動切替えが設定されているので、探索部44aは、自動でフェムトセルからマクロセルに待ち受けを切替え、DISP11eには、図9の(C)に示すように‘マクロセルが見つかりました。’‘マクロセルに切り替えました。’が表示される。
【0069】
このように、無線端末11は、フェムトセル基地局12での待ち受け中、通信が可能なマクロセル基地局21,22を定期的に探索し、マクロセル基地局21,22を探索できた場合、探索結果をユーザに通知するようにした。これにより、ユーザは、自宅10がマクロセル基地局21,22のマクロセルに属することになったことを知ることができ、フェムトセル基地局12の設置を維持するかどうか判断することができる。
【0070】
また、ユーザは、マクロセルに属することとなった旨の通知を受けたことにより、フェムトセル基地局12の設置維持が不要であると判断した場合、例えば、キャリアとのフェムトセル通信契約を解除することが可能となり、コストの低減を図ることができる。また、ユーザは、フェムトセル基地局12をネットワーク30へ接続するための費用(例えば、光回線費用)を支払わなくて済み、コストの低減を図ることができる。
【0071】
また、無線端末11は、マクロセルの探索の実施の可否をユーザから受け付けるようにした。これにより、フェムトセル基地局12の設置維持を望むユーザは、マクロセルの探索を実施しないように設定することにより、フェムトセル基地局12の設置を維持することができる。
【0072】
なお、上記では、探索部44aは、GPS制御部43の位置情報に基づいて、自宅10のフェムトセル基地局12での待ち受け中であるか判断するようにした。これに対し、探索部44aは、フェムトセル基地局12から自フェムトセル基地局を示す識別情報を受信して、自宅10のフェムトセル基地局12での待ち受け中であるか判断するようにしてもよい。
【0073】
例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、基地局からのSystem Informationにより、Cell IDが報知される。探索部44aは、基地局から報知されるCell IDがフェムトセル基地局12のCell IDである場合、自宅10のフェムトセル基地局12での待ち受け中であると判断する。
【0074】
また、3GPP2では、基地局からのSystem Parameters Messageにより、BASE IDが報知される。探索部44aは、基地局から報知されるBase IDがフェムトセル基地局12のBase IDである場合、自宅10のフェムトセル基地局12での待ち受け中であると判断する。なお、フェムトセル基地局12のCell IDやBASE IDの識別情報は、フェムトセル基地局12の設置の際、ユーザが予め無線端末11に記憶する。Cell IDやBASE IDの識別情報は、例えば、図3で説明したフラッシュメモリ11bに記憶される。
【0075】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第3の実施の形態では、無線端末がフェムトセルとマクロセルの両方に属している場合で、一方のセルを介したサーバへのアクセスが不可の場合、他方のセルを介してサーバへのアクセスを行う。第3の実施の形態における移動通信システムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、第3の実施の形態における無線端末のハードウェア構成例は、図3と同様であり、その説明を省略する。
【0076】
図10は、第3の実施の形態に係る無線端末の機能ブロックを示した図である。図10において、図4と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
発信要求部51は、ユーザのキー11fの操作に応じて、探索部44aが待ち受けしているセルの基地局に対し、発信要求を行う。例えば、探索部44aは、フェムトセル基地局12において待ち受け中であるとする。ユーザは、サーバ33にアクセスしようとしたとする。この場合、発信要求部51は、フェムトセル基地局12に対し、発信要求を行う。または、探索部44aは、マクロセル基地局21において待ち受け中であるとする。ユーザは、サーバ34にアクセスしようとしたとする。この場合、発信要求部51は、フェムトセル基地局12に対し、発信要求を行う。
【0077】
データ受信部52は、発信要求を行った基地局を介して、サーバ33〜35からデータを受信する。例えば、発信要求部51は、フェムトセル基地局12に対して発信要求を行い、サーバ33にアクセスした場合、データ受信部52は、フェムトセル基地局12を介して、サーバ33からのデータを受信する。
【0078】
切替え指示部53は、図4で説明した切替え指示部45cと同様の機能を有する。また、切替え指示部53は、データ受信部52がサーバ33〜35への接続失敗の情報を受信した場合、別のセルの基地局に対して発信要求を行うよう発信要求部51に切替え指示をする。
【0079】
例えば、ユーザは、サーバ34にアクセスしようとしたとする。また、発信要求部51は、探索部44aがフェムトセル基地局12での待ち受け中であったために、フェムトセル基地局12に対し発信要求を行ったとする。サーバ34は、制御局31と接続されていないため、データ受信部52は、制御局31からサーバ34への接続失敗の情報を受信する。この場合、切替え指示部53は、マクロセル基地局21に対し、発信要求を行うように、発信要求部51に切替え指示する。すなわち、切替え指示部53は、発信要求部51がフェムトセル基地局12またはマクロセル基地局21,22の一方に発信要求をしてサーバ33〜35にアクセスできなかった場合、他方の基地局に発信要求するよう発信要求部51に切替え指示をする。
【0080】
図11は、無線端末がフェムトセルにおいて発信要求を行った場合の移動通信システムのシーケンス図である。無線端末11は、例えば、第2の実施の形態で説明した動作により、マクロセル基地局21のマクロセルを探索したとする。ユーザは、マクロセルが探索されてもフェムトセル基地局12を設置し続け、無線端末11は、フェムトセル基地局12とマクロセル基地局21の両方のセルに属しているとする。
【0081】
[ステップS41]探索部44aは、フェムトセル基地局12のフェムトセルにおいて待ち受け中であるとする。
[ステップS42]発信要求部51は、ユーザからのサーバ34へのアクセス要求により、フェムトセル基地局12へ発信要求を行う。発信要求部51は、探索部44aがフェムトセル基地局12のフェムトセルにおいて待ち受け中であるので、フェムトセル基地局12へ発信要求を行う。
【0082】
[ステップS43]フェムトセル基地局12は、ネットワーク30に接続する。
[ステップS44]ネットワーク30の制御局31は、図2に示すようにサーバ34に接続されていない。従って、フェムトセル基地局12は、制御局31からサーバ34への接続が失敗した旨の情報を受信し、その情報を無線端末11に送信する。
【0083】
[ステップS45]データ受信部52は、フェムトセル基地局12からサーバ34への接続が失敗した旨の情報を受信する。切替え指示部53は、データ受信部52の情報の受信を受け、発信要求部51にマクロセル基地局21への発信要求を行うように、切替え指示をする。発信要求部51は、切替え指示部53からの切替え指示により、マクロセル基地局21へ発信要求を行う。
【0084】
なお、マクロセル基地局21は、制御局32に接続され、制御局32は、サーバ34に接続されている。従って、データ受信部52は、サーバ34のデータを受信することができる。
【0085】
図12は、無線端末がマクロセルにおいて発信要求を行った場合の移動通信システムのシーケンス図である。無線端末11は、例えば、第2の実施の形態で説明した動作により、マクロセル基地局21のマクロセルを探索したとする。ユーザは、マクロセルが探索されてもフェムトセル基地局12を設置し続け、無線端末11は、フェムトセル基地局12とマクロセル基地局21の両方のセルに属しているとする。
【0086】
[ステップS51]探索部44aは、マクロセル基地局21のマクロセルにおいて待ち受け中であるとする。
[ステップS52]発信要求部51は、ユーザからのサーバ35へのアクセス要求により、マクロセル基地局21へ発信要求を行う。発信要求部51は、探索部44aがマクロセル基地局21のフェムトセルにおいて待ち受け中であるので、マクロセル基地局21へ発信要求を行う。
【0087】
[ステップS53]マクロセル基地局21は、ネットワーク30に接続する。
[ステップS54]ネットワーク30の制御局32は、図2に示すようにサーバ35に接続されていない。従って、マクロセル基地局21は、制御局32からサーバ35への接続が失敗した旨の情報を受信し、その情報を無線端末11に送信する。
【0088】
[ステップS55]データ受信部52は、マクロセル基地局21からサーバ35への接続が失敗した旨の情報を受信する。切替え指示部53は、データ受信部52の情報の受信を受け、発信要求部51にフェムトセル基地局12への発信要求を行うように、切替え指示をする。発信要求部51は、切替え指示部53からの切替え指示により、フェムトセル基地局12へ発信要求を行う。
【0089】
なお、フェムトセル基地局12は、制御局31に接続され、制御局32は、サーバ35に接続されている。従って、データ受信部52は、サーバ35のデータを受信することができる。
【0090】
このように、無線端末11は、フェムトセルとマクロセルの両方に属している場合で、一方のセルを介したサーバへのアクセスが不可の場合、他方のセルを介してサーバへのアクセスを行うようにした。これにより、ユーザは、自分の望むサービスを受けることができる。
【0091】
例えば、無線端末11は、フェムトセル基地局12でMC−Rev.AやIPVT(Internet Protocol Video Telephony)のサービスを受けることができない場合、マクロセル基地局21にアクセスする。これにより、ユーザは、フェムトセル基地局12で受けることができないサービスを、マクロセル基地局21を介して受けることができる。また、同様に、ユーザは、マクロセル基地局21で受けることができないサービスを、フェムトセル基地局12を介して受けることができる。
【0092】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第4の実施の形態では、無線端末がフェムトセルとマクロセルの両方に属している場合で、ユーザからあるサーバへのアクセス要求があると、登録された基地局に対して発信要求を行う。第4の実施の形態における移動通信システムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、第4の実施の形態における無線端末のハードウェア構成例は、図3と同様であり、その説明を省略する。
【0093】
図13は、第4の実施の形態に係る無線端末の機能ブロックを示した図である。図13において、図4と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
サービスTB(TB:Table)61は、ユーザが受けようとするサービスと、そのサービスを受けるためのセルの種別とを関連付けて記憶する。サービスTB61は、例えば、図3に示すフラッシュメモリ11bに形成される。サービスTB61の情報は、無線端末11のユーザによって登録される。
【0094】
図14は、サービスTBのデータ構成例を示した図である。図14に示すように、サービスTB61は、サービスの欄およびセル種別の欄を有している。
サービスの欄には、ユーザが受けようとするサービスの情報が格納される。セル種別の欄には、サービスの欄のサービスを受けるためのセルの種別の情報が格納される。
【0095】
例えば、ユーザは、無線端末11でTV電話のサービスを受けるとする。この場合、図14に示すサービスTB61の最下欄より、フェムトセル(ユーザの設置したフェムトセル基地局12)を介して、TV電話サービスを提供するサーバにアクセスすることが分かる。
【0096】
図13の説明に戻る。サービス判断部62は、ユーザが受けようとするサービスに基づいてサービスTB61を参照し、どのセルの基地局に対し発信要求するかを判断する。
例えば、ユーザがTV電話のサービスを受けようとしたとする。この場合、サービス判断部62は、図14の例では、フェムトセル基地局12に発信要求すると判断する。また、ユーザがブラウザのサービス(Webサーバのサービス)を受けようとしたとする。この場合、サービス判断部62は、図14の例では、マクロセル基地局21,22に発信要求すると判断する。
【0097】
切替え指示部63は、図4で説明した切替え指示部45cと同様の機能を有する。また、切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致するか否か判断する。切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致しない場合、発信要求部64に対し、発信要求する基地局を切替えるように指示する。
【0098】
例えば、探索部44aは、フェムトセル基地局12で待ち受け中であったとする。サービス判断部62は、マクロセル基地局21,22へのアクセスを判断したとする。この場合、待ち受け中の基地局とサービス判断部62の判断した基地局とが異なるので、切替え指示部63は、発信要求部64に対し、マクロセル基地局21,22を探索して、発信要求するように切替え指示をする。
【0099】
また、探索部44aは、マクロセル基地局21で待ち受け中であったとする。サービス判断部62は、フェムトセル基地局12へのアクセスを判断したとする。この場合、待ち受け中の基地局とサービス判断部62の判断した基地局とが異なるので、切替え指示部63は、発信要求部64に対し、フェムトセル基地局12を探索して、発信要求するように切替え指示をする。
【0100】
すなわち、切替え指示部63は、ユーザが受けようとするサービスの情報に対応する基地局と、探索部44aの待ち受けている基地局とが異なる場合、発信要求する基地局を切替えるように、発信要求部64に切替え指示をする。
【0101】
発信要求部64は、探索部44aが待ち受けしているセルの基地局に対し、発信要求を行う。ただし、発信要求部64は、切替え指示部63から発信要求する基地局の切替え指示があった場合、発信要求する基地局を切替える。
【0102】
例えば、探索部44aは、フェムトセル基地局12で待ち受け中であったとする。サービス判断部62は、発信要求の切替え指示を判断したとする。この場合、発信要求部64は、マクロセルを探索し、探索したマクロセルのマクロセル基地局21,22に対し、発信要求する。
【0103】
また、探索部44aは、マクロセル基地局21で待ち受け中であったとする。サービス判断部62は、発信要求の切替え指示を判断したとする。この場合、発信要求部64は、フェムトセル基地局12を探索して、発信要求する。
【0104】
図15は、サービス登録を行うディスプレイの画面例を示した図である。
図15の(A)の画面例は、ユーザが受けようとするサービスと、そのサービスを受けるためのセルの種別とを示している。例えば、図15の(A)より、‘ブラウザ’のサービスを受けるには、マクロセルで受けることが分かる。また、TV電話のサービスを受けるには、フェムトセルで受けることが分かる。
【0105】
図15の(B)の画面例は、ユーザが受けようとするサービスに対し、そのサービスを受けるためのセルの種別を設定する画面を示している。例えば、ユーザは、図15の(A)に示す画面例において、TV電話のサービスを受けるセルを‘フェムトセル’から‘マクロセル’に切り替えたいとする。この場合、ユーザは、‘3’をキー11fの操作によって選択する。これにより、無線端末11のDISP11eの画面は、図15の(A)の画面例から図15の(B)に示す画面例に切り替わる。そして、ユーザは、キー11fの操作によって、例えば、図15の(B)の黒丸に示すように‘マクロ’を選択する。
【0106】
図15の(C)の画面例は、サービス設定切替え後の画面例を示している。例えば、上述したように、ユーザは、TV電話のサービスを受けるセルを、フェムトセルからマクロセルに切り替えたとする。この場合、図15の(C)に示すように、TV電話のサービスを受けるセルは、‘マクロ’に切り替わっている。
【0107】
図16は、サービス登録をした場合の移動通信システムのシーケンス図のその1である。サービスTB61には、例えば、図14に示す情報が登録されているとする。
[ステップS61]探索部44aは、フェムトセル基地局12のフェムトセルで待ち受け中であるとする。
【0108】
[ステップS62]無線端末11のユーザは、無線端末11を用いて、あるサービスを受けようとしたとする。サービス判断部62は、ユーザが受けようとするサービスに基づいてサービスTB61を参照し、どのセルの基地局に対し発信要求するかを判断する。
【0109】
ここでは、ユーザは、TV電話のサービスを受けようとしているとする。従って、サービス判断部62は、サービスTB61を参照し、フェムトセル基地局12に対し発信要求すると判断する。
【0110】
[ステップS63]切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致するか否か判断する。
図16の例では、ステップS61より、探索部44aは、フェムトセル基地局12で待ち受け中である。また、ステップS62より、サービス判断部62は、フェムトセル基地局12に対し発信要求すると判断している。従って、切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致すると判断する。このため、切替え指示部63は、発信要求部64に対し、発信の切替えの指示を行わない。
【0111】
[ステップS64]発信要求部64は、切替え指示部63から発信の切替え指示を受けない。従って、発信要求部64は、待ち受け中のフェムトセル基地局12へ発信要求を行う。
【0112】
図17は、サービス登録をした場合の移動通信システムのシーケンス図のその2である。サービスTB61には、例えば、図14に示す情報が登録されているとする。
[ステップS71]探索部44aは、フェムトセル基地局12のフェムトセルで待ち受け中であるとする。
【0113】
[ステップS72]無線端末11のユーザは、無線端末11を用いてあるサービスを受けようとしたとする。サービス判断部62は、ユーザが受けようとするサービスに基づいてサービスTB61を参照し、どのセルの基地局に対し発信要求するかを判断する。
【0114】
ここでは、ユーザは、ブラウザのサービスを受けようとしているとする。従って、サービス判断部62は、サービスTB61を参照し、マクロセルを形成するマクロセル基地局21,22に対し発信要求すると判断する。
【0115】
[ステップS73]切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致するか否か判断する。
図17の例では、ステップS71より、探索部44aは、フェムトセル基地局12で待ち受け中である。また、ステップS72より、サービス判断部62は、マクロセル基地局21,22に対し発信要求すると判断している。従って、切替え指示部63は、探索部44aの待ち受け中の基地局と、サービス判断部62の判断した基地局とが一致しないと判断する。このため、切替え指示部63は、発信要求部64に対し、発信の切替えの指示を行う。
【0116】
[ステップS74]発信要求部64は、切替え指示部63から発信の切替え指示を受ける。従って、発信要求部64は、通信可能なマクロセル基地局21,22を探索し、探索したマクロセル基地局21,22に対し、発信要求を行う。
【0117】
このように、無線端末11は、フェムトセルとマクロセルの両方に属している場合で、一方のセルを介したサーバへのアクセスが不可の場合、他方のセルを介してサーバへのアクセスを行うようにした。これにより、ユーザは、自分の望むサービスを受けることができる。
【符号の説明】
【0118】
1 無線端末
1a 探索部
1b 通知部
2,3 基地局
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基地局と、前記第1の基地局の通信不感地帯をカバーする第2の基地局との通信が可能な無線端末において、
前記第2の基地局での待ち受け中、通信が可能な前記第1の基地局を探索する探索部と、
前記探索部によって前記第1の基地局が探索された場合、前記探索部の探索結果をユーザに通知する通知部と、
を有することを特徴とする無線端末。
【請求項2】
前記第2の基地局の通信エリアは、前記第1の基地局の通信エリアよりも小さいことを特徴とする請求項1記載の無線端末。
【請求項3】
前記探索部は、前記ユーザの設置した前記第2の基地局での待ち受け中、前記第1の基地局を定期的に探索することを特徴とする請求項1または2に記載の無線端末。
【請求項4】
前記ユーザの設定に基づいて、通信が可能な前記第1の基地局を定期的に探索するように前記探索部に指示する探索指示部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線端末。
【請求項5】
前記ユーザの設定または指示に基づいて、前記第1の基地局での待ち受けを行うように前記探索部に指示する切替え指示部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線端末。
【請求項6】
前記第2の基地局または前記第1の基地局に発信要求する発信要求部と、
前記発信要求部が待ち受け中の前記第2の基地局または前記第1の基地局に発信要求してサービス提供するサーバにアクセスできなかった場合、他方の基地局に発信要求をするように切替え指示する切替え指示部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線端末。
【請求項7】
前記第2の基地局または前記第1の基地局に発信要求する発信要求部と、
前記ユーザが受けようとするサービス情報と発信要求する基地局の情報とを対応付けて記憶したテーブルと、
前記ユーザが受けようとする前記サービス情報に対応する前記基地局と前記探索部の待ち受け中の前記基地局とが異なる場合、発信要求する前記基地局を切替えるように切替え指示する切替え指示部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線端末。
【請求項8】
第1の基地局と、前記第1の基地局の通信不感地帯をカバーする第2の基地局との通信が可能な無線端末の基地局通知方法において、
前記第2の基地局での待ち受け中、通信が可能な前記第1の基地局を定期的に探索し、
通信が可能な前記第1の基地局を探索した場合、探索結果をユーザに通知する、
ことを特徴とする基地局通知方法。
【請求項1】
第1の基地局と、前記第1の基地局の通信不感地帯をカバーする第2の基地局との通信が可能な無線端末において、
前記第2の基地局での待ち受け中、通信が可能な前記第1の基地局を探索する探索部と、
前記探索部によって前記第1の基地局が探索された場合、前記探索部の探索結果をユーザに通知する通知部と、
を有することを特徴とする無線端末。
【請求項2】
前記第2の基地局の通信エリアは、前記第1の基地局の通信エリアよりも小さいことを特徴とする請求項1記載の無線端末。
【請求項3】
前記探索部は、前記ユーザの設置した前記第2の基地局での待ち受け中、前記第1の基地局を定期的に探索することを特徴とする請求項1または2に記載の無線端末。
【請求項4】
前記ユーザの設定に基づいて、通信が可能な前記第1の基地局を定期的に探索するように前記探索部に指示する探索指示部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線端末。
【請求項5】
前記ユーザの設定または指示に基づいて、前記第1の基地局での待ち受けを行うように前記探索部に指示する切替え指示部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線端末。
【請求項6】
前記第2の基地局または前記第1の基地局に発信要求する発信要求部と、
前記発信要求部が待ち受け中の前記第2の基地局または前記第1の基地局に発信要求してサービス提供するサーバにアクセスできなかった場合、他方の基地局に発信要求をするように切替え指示する切替え指示部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線端末。
【請求項7】
前記第2の基地局または前記第1の基地局に発信要求する発信要求部と、
前記ユーザが受けようとするサービス情報と発信要求する基地局の情報とを対応付けて記憶したテーブルと、
前記ユーザが受けようとする前記サービス情報に対応する前記基地局と前記探索部の待ち受け中の前記基地局とが異なる場合、発信要求する前記基地局を切替えるように切替え指示する切替え指示部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線端末。
【請求項8】
第1の基地局と、前記第1の基地局の通信不感地帯をカバーする第2の基地局との通信が可能な無線端末の基地局通知方法において、
前記第2の基地局での待ち受け中、通信が可能な前記第1の基地局を定期的に探索し、
通信が可能な前記第1の基地局を探索した場合、探索結果をユーザに通知する、
ことを特徴とする基地局通知方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−46201(P2013−46201A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182442(P2011−182442)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(310022372)富士通モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(310022372)富士通モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】
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