説明

無線通信システムにおいて、デバイスの位置決めに用いられるナビゲーション解を選択すること

【課題】無線通信システムにおける遠隔ユニットの地理的位置を決定するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】無線通信システムでは、移動局の位置決めのために異なる種類の位置決め解が使用されうる。この位置決め解は、地上ベースすなわちネットワークベースの技術と、例えば衛星のような非ネットワークベースの技術を含む。移動局ユニットの位置決めを行う際に、異なる位置決め解による装置及び方法が、異なる解の良度示数に基づいて選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、変調された搬送波通信デバイスに関し、特に、インテリジェンス方位信号を、電気信号又は電磁信号の幾つかのパラメータにおける離散的な変化の形態で、一つの場所から送信する電気信号又は電磁信号を用い、衛星の座標から位置決めされるタイプの位置決め方法、装置、及びシステムと組み合わせて使用される通信方法、装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電話通信、ブロードバンドパーソナル通信サービス(PCS)、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、衛星通信システム、及び二方式無線システムのための携帯ネットワークのように、通信のための多くの種類の無線システムが存在する。一般に、これら無線システムは、一つ又は複数の通信デバイスを有する固定されたインフラストラクチャと、固定式であるか、あるいは移動式である遠隔ユニットとを含む。移動局(MS)とも呼ばれている移動遠隔ユニットの例は、携帯電話、衛星電話、無線通信可能なパーソナルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、及びその他の無線デバイスを含む。固定式の遠隔ユニットは、例えば無線ローカルループ(WLL)局を含みうる。
【0003】
一般に、無線システムのインフラストラクチャは、固定された位置において、MSと通信する一つ又は複数の基地局(BTS)を含む。この基地局は、固定式の遠隔ユニットとも互いに通信するか、又は外部ネットワークと通信する。
【0004】
多くの状況において、移動式のMSの位置決めを行うことが望ましい。例えば、多くの位置ベースのサービス(LBS:location-based services)は、MSの位置に基づいて、MSユーザへ特定の情報を通信する。例えば、LBSは、ユーザの位置に基づいて、ユーザによって識別される目的地への運転方向をMSユーザに提供する。あるいは、LBSは、もしもユーザが、販売がなされている店舗の近くにいる場合には、現在の販売促進に関する情報を提供する。その他のLBSは、ゲーム、セキュリティ、および車輌管理を含む。
【0005】
MSの位置決めを行うための別の動機は、U.S.Government Federal Communications Commission(FCC)規則に準拠する無線通信事業者を支援することである。この規則は、合衆国内の通信事業者が、緊急呼出「911」をしている携帯電話の位置決めを、50m以内を67%の、150m以内を95%の確率で実施できることを要求している。
【0006】
位置決め解を得るための別のアプローチは、通信システムにおけるMSの地理的位置決めのために実施されうる。任意の特定のMS及び無線通信システムの種類に適用されるように、別のアプローチの相対的な性能は、MSが位置している地理的領域の特性に少なくとも部分的に基づくであろう。従って、MSが位置している環境における位置決め性能に基づいて、位置決め解を選択することが望ましいであろう。位置決めアプローチを選択することができる方法及び装置に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0007】
本特許出願は、2003年7月23日に出願され、仮出願番号60/489,653の優先権を主張する。これは、本願の譲受人に譲渡され、本願に明確に引用して援用されている。
【0008】
無線通信システムにおける遠隔ユニットの地理的位置を決定するための方法及び装置は、第一の位置決めデータセットを用いて、遠隔ユニットの第一の位置決め解を決定することと、第二の位置決めデータセットを用いて、遠隔ユニットの第二の位置決め解を決定することとを含む。選択は、予め定めた選択基準に基づいて、第一の位置決め解と、第二の位置決め解との間でなされる。
【0009】
第一の位置決めデータセットは、パイロットフェーズ測定値及び往復遅延測定値のようなネットワークベースの測定値を含みうる。第二の位置決めデータセットは、例えばグローバル・ポジショニング・システム(GPS)測定値を含む衛星ベースの測定値のような非ネットワークベースの測定値を含みうる。
【0010】
第一の位置決め解と第二の位置決め解との間で選択することは、例えば、それぞれの位置決め解の、相対的な水平推定位置誤差を比較することのような、二つの位置決め解のそれぞれの良度示数を比較することを含む。また、この選択は、もしも他の位置決め解の誤差判定基準が、この位置決め解が選択されうる閾値よりも小さくないでないのであれば、例えばGPS解のようなこれら位置決め解の一つに有利に偏ってなされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、無線通信システムの一部を示す図である。
【図2】図2は、図1に示す無線通信ンシステムの一部の追加詳細を示すブロック図である。
【図3】図3は、移動局の位置決めのためのステップを示すフローチャートである。
【図4】図4は、移動局の位置決めを行う方法の更なる詳細を示すフロー図である。
【図5】図5は、移動局の位置決めを行う方法の更なる局面を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
無線通信システムにおいて、移動局(MS)の位置決めを行うための位置決め解の選択を改善する技術が開示される。MSの地理的位置を決定するために様々に異なった解がある。用語「地理的位置」は、地球の平坦な、球面ではない形状を考慮した位置を説明するために使用される。これはまた、「測地位置」とも称される。
【0013】
一般に、異なる地理的位置決め解は、二つのカテゴリーに入る。すなわち、地上ベースの解と称されるネットワークベースの解と、衛星ベースのデータを含む非ネットワークベースの解である。
【0014】
地上ベースの解は、一般に、MSと無線通信システムネットワーク、又はMSが動作するインフラストラクチャとの間で送信される信号に関する情報を含む。そのようなネットワークベースの解の例は、このネットワーク内の二つの異なる固定式受信機において受信されるMS信号の到着時間(TOA:time of arrival)を測定することである。それぞれ異なる受信機における信号の到着時間の差は、MSが配置されている双曲線を定義する。
【0015】
ネットワークベースの解の別の例は、互いに同期され、このネットワーク内の異なる送信機からMSへ送信されるパイロット信号の到着時間差(TDOA:time difference of arrival)を測定することである。ほとんどの携帯システムインフラストラクチャアンテナは、セクタ化され、各セクタにユニークな送信信号を使用するので、このユニークな送信信号を識別することによって、BTSからの信号の到着角度(AOA:angle of arrival)の情報が決定される。
【0016】
ネットワークベースの解の別の例は、ネットワークからMSに送信され、またネットワークに戻る信号の往復遅延(RTD:round trip delay)を測定することである。信号のRTDは、ネットワーク送信機/受信機からMSの範囲の情報を提供する。
【0017】
非ネットワークベースの解は、無線ネットワーク以外のソースからの情報を用いる。例えば、MSは、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)の衛星、長距離ナビゲーション(LORAN:long range navigation)システムの陸上ベースの送信機、あるいは別のナビゲーションシステムから情報を収集することができる。非ネットワークベースの解がGPSを用いるのであれば、MSは、少なくとも4つのGPS衛星から送信された信号を取得し、3次元位置決め解を決定する。あるいは、もしも高度が知られているか推定されているのであれば、少なくとも3つの衛星を用いて、位置決め解を決定する。受信したGPS信号の位相を測定し、このGPS信号に基づいてナビゲーションメッセージを復調し、衛星の位置を定義する「位置推算暦」データを復元することによって、MSの位置を決定することができる。
【0018】
ネットワークベースの解、及び非ネットワークベースの解は、MSの位置決めを改善するために、所謂「混成解」に結合することが可能である。例えば、田舎及び郊外の領域では、MSの範囲内に多くのネットワーク送信機及び受信機が存在していないかもしれない。従って、ネットワークベースの解は、十分に正確な位置決め解を提供できないかもしれない。しかしながら、同じ田舎及び郊外の領域であっても、非ネットワークベースの解は、通常、4つかそれ以上の衛星からの信号を取得することができるGSP受信機によって位置決めすることができる。
【0019】
逆に、人口が密集した都市領域及びビルの内部では、GPS受信機は、位置決めをできるほど十分に多くの衛星信号を検出することができないかもしれない。しかしながら、これらの領域では、2つ又はそれ以上の基地局の範囲内にMSが存在するように、適切に組み込まれたネットワークインフラストラクチャがあるかもしれない。言い換えると、この混成解は、MSと無線ネットワークとの両方に既に利用可能な情報、すなわちネットワークベースの解を利用し、ネットワークの外部からのナビゲーション情報、すなわち非ネットワークベースの解をそれに組み合わせて、MSの位置決め決定を改善する。
【0020】
図1は、複数の基地局102,103と複数のMS104とを備えた無線ネットワークインフラストラクチャを含む無線通信システム101の一部を示している。(簡略のために、図1には、一つのMSのみが示されている。)MS104の例は、携帯電話、衛星電話、無線通信可能なパーソナルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、及びその他の無線デバイスを含む。
【0021】
無線通信システム101は、一つ又は複数の無線規格をサポートするように設計されている。例えば、この規格は、TIA/EIA−95−B(IS−95)、ITA/EIA−98−C(IS−98)、第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)、第3世代パートナシッププロジェクト2(3GPP2)、TIA/ELA/IS−2000(cdma2000)、Wideband CDMA(WCDMA)等を含む。一般に、ここで説明した技術は、アナログ又はデジタルリンクによって実施される任意の通信システム、及び時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、又はその他の複数接続技術を含む任意の通信システム接続技術において使用可能である。
【0022】
一般に、基地局102又は103からMS104へ送信された信号132は、順方向リンクの方向で送信されたと称され、MS104から基地局102又は103へ送信された信号134は、逆方向リンクの方向で送信されたと称される。順方向リンク及び逆方向リンクで進む信号は、基地局102とMS104との間の異なる、複数の経路を進むことができる。図示するように、順方向リンク信号及び逆方向リンク信号は、例えばビル、木、車、及び人のような障害物150で反射し、その結果、基地局102及びMS104において受信される信号の複数のインスタンスをもたらすかもしれない。これら複数の信号インスタンスは、一般に「マルチパス」信号と称される。信号を反射することのみならず、障害物は、基地局102とMS104との間で送信された信号を完全に遮断することもできる。
【0023】
マルチパス環境は、可能な位置決め解の多くに対して難題をもたらす。例えば、基地局102とMS104との間を進む信号が「マルチパス」経路を進むのであれば、例えばRTDのような信号移動時間を用いる位置決め解は、誤りとなる。なぜなら、この信号は、基地局102とMS104との間の実際の距離よりも長い経路を進んだからである。同様に、異なる基地局からのパイロット信号のTDOAを使う位置決め解も誤りとなる。なぜなら、信号の移動時間は、基地局102とMS104との間の実際の距離とは異なるマルチパス距離に依存するからである。もしもマルチパスが、MS104によって受信された信号が、MSが実際に位置しているセクタ以外のセクタから発しているのであれば、マルチパスは、位置決め解における誤りをもたらしうる。これらの問題だけでなく、マルチパス環境は、信号レベルの低下をもたらすので、MS104は、複数の基地局102から信号を受信することができない。
【0024】
障害物150はまた、MS104の、例えば160A〜Dに示す4つのGPS衛星のような衛星信号の受信を妨げることができる。障害物150が全く無いのであれば、MS104は、4つ全ての衛星160A〜Dから、信号を受信することができるであろう。しかしながら、2つの衛星160C,160DのMS104への信号経路は、障害物150によって妨害される。この例では、MS104は、2つの衛星160A,160Bからの信号のみを受信することができる。従って、位置決め解は、GPSのみに基づいて決定することはできない。なぜなら、3次元GPS解を得るためには、少なくとも4つの衛星が必要だからである。
【0025】
図2は、無線通信システム101の一部の追加詳細を、基地局102とMS104との詳細構成とともに示すブロック図である。基地局102には、送信機212、受信機214、アンテナ215、セルサイトモデム(CSM)216、メモリブロック218、及びコントローラ220が含まれている。MS104には、受信機222、送信機224、アンテナ225、移動局モデム(MSM)226、メモリブロック227、及びコントローラ228が含まれている。メモリブロック218,227は、とりわけ、プログラム命令を格納する。基地局のメモリブロック218、及びMSのメモリブロック227に格納されたプログラム命令を、基地局コントローラ220又はMSコントローラ228によってそれぞれ実行することによって、基地局102又はMS104は、記述されたように動作するようになる。
【0026】
基地局102はナビゲーション受信機240を含み、MS104はナビゲーション受信機242を含んでいる。あるいは、基地局102とMS104との両方が、ナビゲーション受信機240,242をそれぞれ含むこともできる。基地局102及びMS104に含まれるナビゲーション受信機の例は、GPS受信機、LORAN受信機、「Galileo」受信機、グローバル・ナビゲーション・衛星システム(GLONASS:Global Navigation Satellite System)受信機等を含む。
【0027】
図3は、MS104の地理的な位置決め解を決定するための動作を示すフローチャートである。図3において、動作310−312は、予め決定された位置を決定するために実行され(302)、動作330−332は、最終決定された位置を決定するために実行される(304)。予め決定された位置を決定する(302)ために、ブロック310で動作が始まる。ここでは、MSにおいて、パイロットフェーズ測定がなされる。動作はブロック312に進む。ここでは、MSでなされたパイロットフェーズ測定と、その他のネットワークベースの測定とを用いて、MS104の位置決め解が、位置決めエンジンを含む位置決めデバイス内で決定される。この位置決めエンジンは、ネットワークと通信する任意のデバイス内に存在しうる。例えば、この位置決めエンジンは、MS内、ネットワークに接続されたサーバ内、又はその他の遠隔ユニット内に存在しうる。
【0028】
フローはブロック314に進む。ここでは、計算された位置決め解が、改良順方向リンク三辺測量(AFLT:advanced forward link trilateration)解、すなわちパイロットフェーズ測定に基づく解であるか、またはこの解が、その他のネットワーク測定に基づいているのかが決定される。通常、AFLTに基づく位置決め解は、例えばセル情報を与えるようなその他のネットワークベースの測定に基づく位置決め解よりもより正確である。予め決定されたMSの位置は、将来の測定を行う場合にMSによって使用される取得支援データを生成するために使用することができる。MS位置決め解を決定する場合に使用される情報の種類に依存して、取得支援データの別のセットが生成される。例えば、MSがGPS受信機を持っているのであれば、この取得支援データは、MSが受信するGPS衛星信号のためのドップラシフトと、ほぼ正確なフェーズ測定を含みうる。
【0029】
ブロック314では、MS位置決め解がAFLTに基づいているのであれば、フローはブロック315に進む。ブロック315では、取得支援データを生成する場合に利用することが可能な追加のネットワークベースの測定値があるかが決定される。ブロック315において、追加のネットワークベースの測定値、ナビゲート結果がないのであれば、フローはブロック316に進む。ブロック316では、着目された取得支援データのセットが、AFLT解を用いて生成される。この取得支援データは、例えば4次元共分散行列を用いて生成することができる。
【0030】
ブロック315に戻り、利用可能なネットワーク測定値がさらに存在するのであれば、フローはブロック317に進む。ブロック317では、取得支援データが、例えばAFLT共分散行列のようなAFLT解を用いることと、追加のネットワークベース測定値を用いることとの両方によって生成することができる。そして、取得支援データの2つの異なるセットが結合され、移動局のための取得支援データの最終的なセットが生成される。例えば、この結合は、それぞれの衛星についてのドップラウィンドウ及び/又は取得支援データフェーズウィンドウの交わりとして選択される。あるいは、この結合は、それぞれの衛星についてのドップラウィンドウ及び/又は取得支援データフェーズウィンドウの平均として選択される。
【0031】
ブロック314に戻り、MS位置決め解が、AFLTに基づいていないのであれば、フローはブロック318に進む。ブロック318では、位置決め解はAFLTに基づいていないので、位置決め解の決定は、十分に正確ではないものと考えられる。よって、この不正確さの原因となっているさほど着目されていない取得支援データのセットが生成される。例えば、このさほど着目されていない取得支援データは、例えば動作しているセルセクタ、RTD、AOA、又はTOAデータのようなAFLT以外のネットワークベースの測定値に基づくことができる。ブロック316及び318からのフローは、ブロック320に進む。ここでは、取得支援データが、MS104に送信される。
【0032】
ブロック330において、最終決定された位置を決定する場合304、MSは、取得支援データを用い、最終決定された測定を行う。例えば、MS104がGPS受信機を持っているのであれば、MSは、取得支援データを用いて、GPS信号を測定する。最終決定された測定値は、位置決めデバイスに送信される。フローはブロック332に進む。ここでは、最終決定された測定値、及びその他利用可能な測定値を用いて、MS104の位置決め解が決定される。フローはブロック334に進む。ここでは、MSの最終的な位置決め解が生成される。
【0033】
図4は、MS104の地理的な位置決め解を決定する方法の追加詳細を示している。動作は、ブロック402で始まる。ここでは、予め決定された測定のセットがMS104でなされ、ネットワークへと送信されるフローは、ブロック404及びブロック406に進む。ここでは、「予め決定された」位置決めが、ネットワークと通信する何れかのデバイスの一部でありうる位置決めエンジンによって生成される。この位置決めエンジンは、例えば、ネットワークインフラストラクチャに接続されたサーバ内のソフトウェアを動作させることによって提供されるか、あるいは、MS104内のソフトウェアを動作させることによって提供される。
【0034】
ブロック404では、粗く予め決定された初期位置が、混合されたセルネットワーク測定値を用いて決定される。例えば、この粗く予め決定された初期位置は、MSが通信している基地局又はセルの識別に基づいて決定される。この位置は、MSから受信された信号の信号電力レベルの測定値、又はRTDに基づいて決定されうる。ブロック406では、推定された、より正確な予め決定された位置決定が、追加ネットワーク及び非ネットワークベースの測定値に基づいて生成される。例えば、予め決定された推定位置は、ネットワーク内の基地局102,103及びMS104間で送信された信号のパイロットフェーズ測定値に基づいて決定される。更に、推定された予め決定された位置決定は、例えばGPSのような、MSによって測定された衛星信号に基づいている。
【0035】
粗い初期位置、及び推定された予め決定された位置が決定された後、フローはブロック408に進む。ブロック408では、粗い初期位置解、又は推定された予め決定された位置解のうちのいずれかが選択され、取得支援データを生成する動作への入力として用いられる。粗い初期位置解と、推定された予め決定された位置解との間での選択は、予め決定された位置解の精度に関する相対的な良度示数に基づきうる。例えば、この選択は、水平推定位置誤差(HEPE:horizontal estimated position error)、受信機自立統合監視(RAIM:receiver autonomous integrity monitoring)品質判定基準、精度の幾何学的希釈(GDOP:geometric dilution of precision)、精度の位置希釈(PDOP:position dilution of precision)、精度の水平希釈(HDOP:horizontal dilution of precision)、重み付けられたDOP、解ユニットフォールト、測定剰余大きさ、又は2つの予め決定された位置決め解のその他のランキングに基づきうる。予め決定された選択処理の出力はまた、一つ又はその他の選択ではない粗い初期解と、推定された予め決定された解との重み付けられた平均でありうる。この予め決定された位置決め解を用いて、GPSサーチウィンドウやドップラ推定値のような取得支援データが生成される。取得支援データがMS104に送信される場合、ブロック408の動作が継続する。
【0036】
フローは、ブロック412に進み、最終決定がなされる。ブロック412において、MS104は、取得支援データを用いて、位置決めデータを収集する。例えば、MS104は、GPS信号からデータを収集する。この最終決定データは、位置決めエンジンに送信される。フローは、位置決めエンジンが、この最終決定データと、利用可能なその他のデータとを用いてMS104の地理的な位置決め解を決定するブロック414,416に進む。ブロック414では、粗い最終解が決定される。
【0037】
一般に、粗い最終決定解は、ブロック408からの予め決定された位置の出力であるが、粗い最終決定位置決め解は、追加のネットワークベースの測定を用いて補うことができる。例えば、MSによる基地局の追加識別は、粗い最終決定解をより確からしくするために使用される。ブロック416では、推定された、より正確な、最終決定位置決め解が、追加ネットワーク及び非ネットワークベースの測定に基づいて決定される。例えば、推定された最終決定位置決め解は、GPS信号、あるいは追加のパイロットフェーズ測定に基づいて決定される。更に、推定された最終決定解は、推定された最終決定位置を決定するために、ネットワーク及び非ネットワーク測定値が結合された混成解であるかもしれない。
【0038】
推定された最終決定位置決め解が、例えばGPSのような非ネットワーク測定値に基づいているのか、あるいは、例えばGSPとネットワーク測定値との混成解に基づいているのかの判定は、それぞれの測定値の良度示数の評価に基づくことができる。例えば、非ネットワークのみで推定された最終決定位置決め解が、予め定めた値を超える推定誤差を持っているのであれば、混成解が好ましい。
【0039】
予め定めた選択値は、例えば、非ネットワークベースの解と、混成解との間の好適な解の種類に対して推定された最終決定解の決定を偏らせるために用いられるかもしれない。言い換えれば、予め定めた選択値の大きさは、大多数の状況における位置決め解を生成するために、好適な種類の解が使用されることを保証することができる。例えば、非ネットワーク解と混成解との間での選択は、予め定めた解の値よりも小さな非ネットワークベースの解の推定誤差の大きさに基づいているのであれば、この予め定めた選択値に対するより大きな値の使用は、非ネットワークベースの解に有利な選択に偏る。逆に言えば、予め定めた選択値のためのより小さな値は、混成ベースの解に有利な選択に偏る。
【0040】
例えば、位置決め解の水平推定位置誤差(HEPE)は、推定された最終決定位置決め解のための非ネットワークベースの解と、混成解との選択のために評価することができる。非ネットワークベースの解がGPS解であるならば、500m又はそれより小さいHEPEを持つGPS解を用いることが、よい結果を与えることが知られている。一般に、妥当な品質のGPS解が可能であれば、500mより小さいHEPEを持つであろう。従って、予め定めた選択値のために、500mのHEPEを用いることは、GPS解を選択することに有利に偏る。
【0041】
GPSのみの解と、混成解との間での選択のための別の技術は、GPS解のHEPEと、粗い最終決定解のHEPEとに基づきうる。例えば、予め定めた選択値よりも小さく、かつ粗い最終決定HEPEよりも小さいHEPEをGPS解が持つのであれば、この選択は、GPSのみの解を用いることになり、そうでなければ、混成解を用いることになるであろう。この例では、予め定めた選択値が、500mのHEPEであり、GPS解のHEPEが、500mよりも小さく、かつ粗い最終決定のHEPEよりも小さいのであれば、GPSのみの解が使用され、そうでなければ、混成解が使用される。
【0042】
フローは、ブロック414,416からブロック418に進む。ここでは、粗い最終決定位置決め解と、推定された最終決定位置決め解との間での選択がなされる。粗い最終決定位置決め解と、推定された最終決定位置決め解との間での選択は、各々の解の良度示数に基づきうる。例えば、粗い最終決定位置決め解と、推定された最終決定位置決め解との間での選択は、どちらの解が小さいHEPEを持っているのかに基づき行うことができる。更に、粗い最終決定位置決め解と、推定された最終決定位置決め解とは、例えば重み付け平均を用いて結合され、最終決定位置決め解が決定されるかもしれない。最終決定位置解を選択した後、フローはブロック420に進む。ここでは、最終位置が出力される。
【0043】
図5は、MS104の地理的な位置を決定する追加局面を示しており、上述された予め決定された位置決め解と、最終決定された位置決め解との両方に適用可能である。フローは、ブロック502で始まる。ここでは、MS104が測定を行う。MS104が行う測定の種類の例は、パイロットフェーズ測定、基地局識別、及びGPS測定を含む。MS104によってなされる測定は、MSによって使用されるか、あるいは基地局、別のMS、又はネットワークインフラストラクチャ内の任意のデバイスへ送信されうる。
【0044】
フローはブロック504に進む。ここでは、測定値が、位置決めエンジンによって使用され、MS104の初期位置が計算される。MSの初期位置の計算は、MS104からの測定、その他のネットワークベースの測定、又は種々の測定の組み合わせに基づきうる。MS104の初期位置を決定する場合、MS104の位置の初期仮定がなされる。例えば、MS104の初期位置は、MS104の前の位置であると仮定することができる。あるいは、この初期位置は、MS104と通信しているネットワーク要素の既知の地理的受信エリアによって決定されうる。測定剰余は、位置推定を更新するために使用することができる。
【0045】
この剰余は、代数ソルバのみならず、例えば最小平均平方のようにパイロット再重み付け、直交、デルタベクトル制限、を含む別の「繰り返し」ソルバから導出される。MS位置の初期推定に基づいて導出されるMSからの粗い初期位置推定に基づいてMS位置を決定するための幾つかの技術の例は、"METHOD AND APPARATUS PROVIDING IMPROVED POSITION ESTIMATE BASED ON AN INITIAL COARSE POSITION ESTIMATE"と題され、2003年5月27日に発行され、本願の譲受人に譲渡されている米国特許6,570,530号に記載されている。
【0046】
ブロック504で計算された初期位置は、位置決め選択ブロック506動作と、判定ブロック508動作とに同時に提供される。選択ブロック506は、以下に記載するように、別の位置決め解に対する後の比較のために、初期位置決め解を受け取る。ブロック508では、いくつのGPS測定値が利用可能であるかが判定される。もしも利用可能なGPS測定値が無いのであれば、フローはブロック510に進む。ブロック510では、いくつのAFLT測定値が利用可能であるかが判定される。もしも利用可能なAFLT測定値が無いのであれば、フローはブロック512に進む。ブロック512では、RTD測定値が利用可能であるかが判定される。利用可能なRTD測定値が全く無いのであれば、フローはブロック506に進む。
【0047】
利用可能なGPS測定値又はAFLT測定値が全くない場合に入るブロック512に戻り、利用可能なRTD測定値があると、フローはブロック516に進む。ブロック516では、RTD測定値に基づいて「安全ネット」位置が計算される。RTD計算されたMS位置は、ブロック516から出力され、位置決め選択ブロック506に入力される。
【0048】
利用可能なGPS測定値がない場合に入るブロック510に戻り、利用可能なAFLT測定値が存在するかが判定される。少なくとも一つの利用可能なAFLT測定値が存在するのであれば、フローはブロック518に進む。ブロック518では、この少なくとも一つのAFLT測定値を用いて、MSの位置が計算される。このAFLT計算されたMS位置は、ブロック518から出力され、位置決め選択ブロック506に入力される。
【0049】
いくつかのGPS測定値が利用可能であるかが判定されるブロック508に戻り、一つ又は二つのGPS測定値が利用可能であれば、フローはブロック520に進む。ブロック520では、利用可能なAFLT測定値が存在するかが判定される。もしも利用可能なAFLT測定値が存在せず、“0”という結果が得られれば、動作は、位置決め選択ブロック506に進む。ブロック520において、少なくとも一つの利用可能なAFLT測定値が存在すると判定されると、フローはブロック522に進む。ブロック522では、AFLT測定値とGPS測定値とが、MS104の混成位置を計算するために結合される。この混成位置決め解は、位置決め選択ブロック506に入力される。
【0050】
ブロック508に戻り、少なくとも三つの利用可能なGPS測定値が存在すると判定されると、フローはブロック524に進む。ブロック524では、MS位置を計算するためにGPS測定値が用いられる。その後フローはブロック526に進む。ブロック526では、GPSのみを用いた位置決め計算が十分に精度が高いか、あるいはMSの位置を決定するための追加処理を行うことが望ましいかが判定される。例えば、ブロック526では、GPS計算のHEPEが、予め定めた値と比較され、GPS測定値が十分に精度が高いかが判定される。GPS解が十分に精度が高いかを評価するために、例えば、受信されたGPS信号の信号強度、GPS衛星の相対位置、精度の幾何学的希釈(GDOP:geometric dilution of precision)、精度の位置希釈(PDOP:position dilution of precision)、精度の水平希釈(HDOP:horizontal dilution of precision)、重み付けられたDOP、解ユニットフォールト、及び測定剰余大きさのような他のパラメータも使用されうる。ブロック526において、GPS測定値が十分に精度が高いと判定され、“Yes”の結果となると、その結果は位置決め選択ブロック506に与えられる。GPS測定値が十分に精度が高くなく、“No”の結果となると、フローはブロック520に進む。
【0051】
上述したように、ブロック520では、利用可能なAFLT測定値が存在するかが判定される。利用可能なAFLT測定値が存在しないのであれば、ブロック522で計算されたGPS位置が、位置決め選択ブロック506に入力される。ブロック520において、少なくとも一つの利用可能なAFLT測定値が存在すると判定されたのであれば、フローはブロック522に進む。ここでは、GPS測定値とAFLT測定値とが結合され、MSの混成解が計算される。この混成解は、位置決め選択ブロック506に入力される。
【0052】
位置決め選択ブロック506では、MS104のために計算された位置決め解の全てが評価され、望ましい位置決め解が選択される。種々の位置決め解の評価は、例えば各測定値のHEPEのような解の相対的な良度示数に基づくことができる。望ましい可能の選択はまた、好適な解タイプに偏らせることもできる。例えば、GPS解のみが好適であれば、予め定めた位置決めタイプ選択値が、GPS解のHEPEと比較され、GPS解のHEPEが、予め定めた位置決めタイプ選択値よりも小さい限り、GPS解が選択される。GPS解が時間の大部分使用されることができるように、予め定めた位置決めタイプ選択値が選択される。
【0053】
別の例は、そのHEPEが、別の解タイプのHEPEよりも予め定めた量、例えば30%又は50%、を超えていない限り、GPS解を選択する。例えば、そのHEPEが、予め定めた値よりも小さく、初期位置解のHEPEよりも小さいのであればGPS解を選択するなど、その他の選択技術もまた使用することができる。望ましい位置決め解が選択された後、フローはブロック530に進み、選択された位置が出力される。
【0054】
上述したように、一つの実施例では、遠隔ユニットの予め決定された位置決め解が、少なくとも二つの種類の位置決め測定解を用いて決定される。そして、予め決定された位置決め解の各々の推定誤差が判定される。望ましい予め決定された位置決め解の選択は、それぞれの位置決め解の良度示数に基づく。遠隔ユニットの最終決定された位置決め解は、少なくとも一つの種類の位置決め測定解と、選択された予め決定された位置決め解とを用いて決定される。望ましい最終的な位置決め解は、望ましい予め決定された位置決め解と、最終決定された位置決め解とのそれぞれの推定誤差に基づいて、遠隔ユニットの地理的位置として選択される。
【0055】
予め決定された位置決め解は、セルセクタ位置データと、改良順方向リンク三辺測量データとの混合を用いることを含むことができる。望ましい予め決定された位置決め解を選択することは、解の水平推定位置誤差を評価すること、初期解の重み付け平均を決定すること、又は例えばRAIMのような技術を用いて解信頼性を判定することを含むことができる。
【0056】
最終決定された位置決め解は、例えば、GPSシステム、GLONASSシステム、Galileoシステム等の衛星測定システムのような非ネットワークベース測定システムを用いることを含む。望ましい最終決定位置決め解を選択することは、解の水平推定位置誤差を評価すること、初期解の重み付け平均を決定すること、又は例えばRAIMのような技術を用いて解信頼性を判定することを含むことができる。
【0057】
遠隔ユニットは、無線ネットワークインフラストラクチャから信号を受信するように構成された受信機と、無線ネットワークインフラストラクチャへ信号を送信するように構成された送信機とを含む。遠隔ユニットはまた、無線ネットワークから受信した信号を処理し、位置決め解を決定する場合に使用されるデータを収集するように構成されたコントローラをも含む。この収集されたデータは、無線ネットワーク、別の遠隔ユニット、又は位置決め解が決定されたその他のデバイスへ送信される。遠隔ユニットは、例えばGPS受信機のように、非ネットワークベースの信号を処理し、位置決め解を決定する場合に使用されるデータを収集するように構成されたナビゲーション受信機を含む。この収集されたデータは、無線ネットワーク、別の遠隔ユニット、又は位置決め解が決定されたその他のデバイスへ送信される。
【0058】
無線通信システムにおける位置決めデバイスは、位置決め解を決定する場合に使用されるネットワーク信号及び非ネットワーク信号から生成されるデータを含む遠隔ユニットからの信号を受信するように構成されている。このデバイスは、少なくとも2つの位置決め解を決定するためにこのデータを処理し、その後、位置決め解のそれぞれの良度示数に基づいて、望ましい位置決め解を選択する。一つの実施例では、位置決めエンジンがこのデータを処理し、位置決め解を決定する。
【0059】
この位置決めデバイスはまた、ネットワークベースのデータを用いて処理される位置決め解に基づいて取得支援データを生成し、この取得支援データを遠隔ユニットに送信する。このデータは、非ネットワークベースの信号を処理する場合に遠隔ユニットによって使用される。例えば、取得支援データは、GPS信号を処理時の遠隔ユニットを支援することができる。
【0060】
位置決めデバイスはまた、予め決定された位置決め解と、最終決定された位置決め解とを決定し、これら位置決め解のそれぞれの推定誤差に基づいて、遠隔ユニットの地理的位置として望ましい最終解を選択する。
【0061】
ここでは、情報及び信号が、種々の異なる技術及び技法のうちの何れかを用いて表されうる。例えば、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光学場または光学微粒子、あるいはこれら何れかの組み合わせは、上述したデータ、命令情報、および信号を表すことができる。
【0062】
更に、ここで開示された実施例に関連して記載された様々な説明的論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子工学ハードウェア、コンピュータソフトウェア、あるいはこれらの組み合わせとして実現される。ハードウェアとソフトウェアとの相互互換性を明確に説明するために、様々に例示された部品、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能に関して一般的に記述された。それら機能がハードウェアとして又はソフトウェアとして実現されているかは、特定のアプリケーション及びシステム全体に課せられている設計制約に依存する。
【0063】
ここで開示された実施例に関連して記述された種々の説明的論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、アプリケーションに固有の集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートあるいはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又は上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現又は実行されうる。汎用プロセッサとしてマイクロプロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、あるいは状態機器を用いることも可能である。プロセッサは、たとえばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに接続された1つ以上のマイクロプロセッサ、またはこのような任意の構成である計算デバイスの組み合わせとして実現することも可能である。
【0064】
ここで開示された実施例に関連して記述された方法や技術は、ハードウェアや、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールや、これらの組み合わせによって直接的に具現化される。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、あるいはその他の型式の記憶媒体に収納されうる。 好適な記憶媒体は、プロセッサがそこから情報を読み取り、またそこに情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。または、記憶媒体はプロセッサに統合されうる。このプロセッサと記憶媒体は、ASIC内に存在することができる。ASICは、ユーザ端末内に存在することもできる。あるいはこのプロセッサと記憶媒体は、ユーザ端末内のディスクリート部品として存在しうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける遠隔ユニットの地理的位置を決定する方法であって、
第一の位置データセットを用いて、前記遠隔ユニットの第一の位置決め解を決定することと、
第ニの位置データセットを用いて、前記遠隔ユニットの第ニの位置決め解を決定することと、
予め定めた選択基準に基づいて、前記第一の位置決め解と、前記第二の位置決め解との間で選択することと
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記第一の位置データセットは、ネットワークベースの測定値を含む方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記ネットワークベースの測定値は、パイロットフェーズ測定値を含む方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、
前記ネットワークベースの測定値は、往復遅延測定値を含む方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法において、
前記ネットワークベースの測定値は、到着角度測定値を含む方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法において、
前記ネットワークベースの測定値は、到着時間測定値を含む方法。
【請求項7】
請求項2に記載の方法は、到着時間差測定を含む方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記第二の位置データセットは、非ネットワークベースの測定値を含む方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記非ネットワークベースの測定値は、衛星ベースの測定値を含む方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法において、
前記非ネットワークベースの測定値は、グローバル・ポジショニング・システム測定値を含む方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法において、
前記非ネットワークベースの測定値は、精度の幾何学的希釈測定値を含む方法。
【請求項12】
請求項8に記載の方法において、
前記非ネットワークベースの測定値は、精度の位置希釈測定値を含む方法。
【請求項13】
請求項8に記載の方法において、
前記非ネットワークベースの測定値は、精度の水平希釈測定値を含む方法。
【請求項14】
請求項8に記載の方法において、
前記非ネットワークベースの測定値は、精度の重み希釈測定値を含む方法。
【請求項15】
請求項8に記載の方法において、
前記非ネットワークベースの測定値は、解ユニットフォールト測定値を含む方法。
【請求項16】
請求項8に記載の方法において、
前記非ネットワークベースの測定値は、剰余大きさ測定値を含む方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法において、
前記第一の位置決め解と前記第二の位置決め解との間で選択することは、二つの位置決め解のためのそれぞれの良度示数を比較することを含む方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法において、
前記比較することは、相対的な水平推定位置誤差を評価することを含む方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記比較することは、精度の相対的な幾何学希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法において、
前記比較することは、精度の相対的な位置希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法において、
前記比較することは、精度の相対的な水平希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項22】
請求項18に記載の方法において、
前記比較することは、精度の相対的な重み希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項23】
請求項18に記載の方法において、
前記比較することは、相対的な解のユニットフォールト誤差を評価することを含む方法。
【請求項24】
請求項18に記載の方法において、
前記比較することは、相対的な測定値剰余大きさを評価することを含む方法。
【請求項25】
請求項9に記載の方法において、
前記比較することは、位置決め解のうちの一つに有利に偏ってなされる方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、
選択された他の位置決め解の誤差判定基準が、閾値よりも小さくないのであれば、前記比較することは、位置決め解のうちの一つに有利に偏ってなされる方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、
好適な位置決め解は、グローバル・ポジショニング・システム解である方法。
【請求項28】
請求項1に記載の方法において、
前記遠隔ユニットは移動局である方法。
【請求項29】
無線通信システムにおける遠隔ユニットの地理的位置を決定する方法であって、
少なくとも二つの種類の位置決め測定解のうちの各々について、前記遠隔ユニットの予め決定された位置決め解を決定すること、
前記各位置決め解の良度示数に基づいて、前記予め決定された位置決め解のうちの望ましい一つを選択することと、
少なくとも一つの種類の位置決め測定解と、前記選択された予め決定された位置決め解とを用いて、前記遠隔ユニットの最終決定された位置決め解を決定することと、
前記遠隔ユニットの地理的位置として望ましい最終位置決め解を、前記望ましい予め決定された位置決め解と、前記最終決定された位置決め解とのそれぞれの良度示数に基づいて選択することと
を含む方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、
前記予め決定された位置決め解を決定することは、混合されたセルセクタ位置決めデータを用いることを含む方法。
【請求項31】
請求項29に記載の方法において、
前記予め決定された位置決め解を決定することは、改良順方向リンク三辺測量を用いる方法。
【請求項32】
請求項29に記載の方法において、
望ましい予め決定された位置決め解を選択することは、解の水平推定位置誤差を評価することを含む方法。
【請求項33】
請求項29に記載の方法において、
望ましい予め決定された位置決め解を選択することは、初期解の重み平均を決定することを含む方法。
【請求項34】
請求項29に記載の方法において、
望ましい予め決定された位置決め解を選択することは、受信機自立統合監視品質判定基準を決定することを含む方法。
【請求項35】
請求項29に記載の方法において、
望ましい予め決定された位置決め解を選択することは、解の精度の相対的な幾何学的希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項36】
請求項29に記載の方法において、
望ましい予め決定された位置決め解を選択することは、解の精度の相対的な位置希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項37】
請求項29に記載の方法において、
望ましい予め決定された位置決め解を選択することは、解の精度の相対的な水平希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項38】
請求項29に記載の方法において、
望ましい予め決定された位置決め解を選択することは、解の精度の相対的な重み希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項39】
請求項29に記載の方法において、
望ましい予め決定された位置決め解を選択することは、解の相対的なユニットフォールトを評価することを含む。
【請求項40】
請求項29に記載の方法において、
望ましい予め決定された位置決め解を選択することは、解の相対的な剰余大きさを評価することを含む方法。
【請求項41】
請求項29に記載の方法において、
最終決定された位置決め解を決定することは、通信システム自身の信号の測定値を用いることを含む方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、
前記最終決定された位置決め解を決定することは、改良順方向リンク三辺測量位置決めデータを用いることを含む方法。
【請求項43】
請求項41に記載の方法において、
前記最終決定された位置決め解を決定することは、混合されたセルセクタ位置決めデータを用いることを含む方法。
【請求項44】
請求項41に記載の方法において、
前記最終決定された位置決め解を決定することは、往復遅延位置決めデータを用いることを含む方法。
【請求項45】
請求項29に記載の方法において、
前記最終決定された位置決め解を決定することは、非ネットワークベースの測定システムを用いることを含む方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法において、
前記非ネットワークベースの測定システムは、衛星測定システムを含む方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法において、
前記衛星測定システムは、グローバル・ポジショニング・システムを含む方法。
【請求項48】
請求項46に記載の方法において、
前記衛星測定システムは、GLONASSシステムを含む方法。
【請求項49】
請求項46に記載の方法において、
前記衛星測定システムはGalileoシステムを含む方法。
【請求項50】
請求項29に記載の方法において、
望ましい最終決定された位置決め解を選択することは、解の水平推定位置誤差を評価することを含む方法。
【請求項51】
請求項29に記載の方法において、
望ましい最終決定された位置決め解を選択することは、解の精度の幾何学希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項52】
請求項29に記載の方法において、
望ましい最終決定された位置決め解を選択することは、解の精度の相対的な位置希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項53】
請求項29に記載の方法において、
望ましい最終決定された位置決め解を選択することは、解の精度の相対的な水平希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項54】
請求項29に記載の方法において、
望ましい最終決定された位置決め解を選択することは、解の相対的なユニットフォールトを評価することを含む方法。
【請求項55】
請求項29に記載の方法において、
望ましい最終決定された位置決め解を選択することは、解の相対的な剰余大きさを評価することを含む方法。
【請求項56】
請求項29に記載の方法において、
望ましい最終決定された位置決め解を選択することは、最終決定された位置決め解の重み平均を決定することを含む方法。
【請求項57】
請求項29に記載の方法において、
望ましい最終決定された位置決め解を選択することは、受信機自立統合監視品質判定基準を決定することを含む方法。
【請求項58】
請求項29に記載の方法において、
前記遠隔ユニットは移動局である方法。
【請求項59】
無線通信システムにおいて遠隔ユニットの地理的位置を決定する方法であって、
混合されたセルネットワーク測定値に基づいて、第一の位置決め解を決定することと、
パイロットフェーズ測定値に基づいて、第二の位置決め解を決定することと、
前記第一の位置決め解と前記第二の位置決め解との間で、予め決定された位置決め解を選択することと、
前記選択された予め決定された位置決め解に基づいて、取得支援データを生成することと
を含む方法。
【請求項60】
請求項59に記載の方法において、
前記取得支援データを用いて、グローバル・ポジショニング・システム信号を受信することと、
ネットワークベースの測定値を用いて、第三の位置決め解を決定することと、
前記取得支援データを用いて処理されたグローバル・ポジショニング・システム測定値を用いて、第四の位置決め解を決定することと、
予め定められた選択基準に従って、前記遠隔ユニットの地理的位置として、前記第三の位置決め解と前記第四の位置決め解との間で選択することと
を更に含む方法。
【請求項61】
請求項60に記載の方法において、
前記第三の位置決め解と前記第四の位置決め解との間で選択することは、前記二つの解のためのそれぞれの良度示数を比較することを含む方法。
【請求項62】
請求項61に記載の方法において、
比較することは、前記二つの解のそれぞれの水平推定位置誤差を評価することを含む方法。
【請求項63】
請求項61に記載の方法において、
比較することは、前記位置決め解のうちの一つに有利に偏ってなされる方法。
【請求項64】
請求項61に記載の方法において、
比較することは、グローバル・ポジショニング・システム測定値を用いた位置決め解
に有利に偏ってなされる方法。
【請求項65】
請求項59に記載の方法において、
前記第一の位置決め解と前記第二の位置決め解との間で選択することは、前記二つの解のそれぞれの良度示数を比較することを含む方法。
【請求項66】
請求項65に記載の方法において、
比較することは、前記二つの解のそれぞれの水平推定位置誤差を評価することを含む方法。
【請求項67】
請求項65に記載の方法において、
比較することは、前記二つの解の精度のそれぞれの幾何学希釈を評価することを含む方法。
【請求項68】
請求項65に記載の方法において、
比較することは、前記二つの解の精度のそれぞれの位置希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項69】
請求項65に記載の方法において、
比較することは、前記二つの解の精度のそれぞれの水平希釈誤差を評価することを含む方法。
【請求項70】
請求項65に記載の方法において、
比較することは、前記二つの解のそれぞれのユニットフォールトを評価することを含む方法。
【請求項71】
請求項65に記載の方法において、
比較することは、前記二つの解のそれぞれの大きさを評価することを含む方法。
【請求項72】
請求項65に記載の方法において、
前記遠隔ユニットは、移動局である方法。
【請求項73】
無線通信システムにおける位置決めデバイスであって、
ネットワーク信号及び非ネットワーク信号から生成されるデータを受信し、前記データを処理して、少なくとも二つの位置決め解を決定する位置決めエンジンと、
前記位置決め解のそれぞれの良度示数に基づいて、望ましい位置決め解を選択するコントローラと
を備えたデバイス。
【請求項74】
請求項73に記載のデバイスにおいて、
前記コントローラが、前記位置決めエンジンを更に含むデバイス。
【請求項75】
請求項73に記載のデバイスにおいて、
前記コントローラは更に、ネットワークベースのデータを用いて処理された位置決め解に基づいて、取得支援データを生成することを含んでおり、前記取得支援データは、非ネットワークベースの信号の生成時に、遠隔ユニットによって使用されるデバイス。
【請求項76】
請求項73に記載のデバイスにおいて、
前記取得支援データは、改良順方向リンク三辺測量共分散行列を用いて生成されるデバイス。
【請求項77】
請求項75に記載のデバイスにおいて、
前記取得支援データは、セルセクタデータを用いて生成されるデバイス。
【請求項78】
請求項75に記載のデバイスにおいて、
前記取得支援データは、往復遅延データを用いて生成されるデバイス。
【請求項79】
請求項75に記載のデバイスにおいて、
前記取得支援データは、到着角度データを用いて生成されるデバイス。
【請求項80】
請求項75に記載のデバイスにおいて、
前記取得支援データは、到着時間データを用いて生成されるデバイス。
【請求項81】
請求項75に記載のデバイスにおいて、2セットの取得支援データを生成することを更に含むデバイス。
【請求項82】
請求項81に記載のデバイスにおいて、
前記2セットのうちの第一の取得支援データは、改良順方向リンク三辺測量共分散行列を用いて生成され、前記2セットのうちの第ニの取得支援データは、追加のネットワークベースデータを用いて生成されるデバイス。
【請求項83】
請求項82に記載のデバイスにおいて、
前記2セットの取得支援データが結合され、最終セットの取得支援データが生成されるデバイス。
【請求項84】
請求項83に記載のデバイスにおいて、
前記結合は、グローバル・ポジショニング・システム衛星信号に関する取得支援データフェーズウィンドウの交わりとして選択されるデバイス。
【請求項85】
請求項83に記載のデバイスにおいて、
前記結合は、グローバル・ポジショニング・システム衛星信号に関する取得支援データドップラウィンドウの交わりとして選択されるデバイス。
【請求項86】
請求項83に記載のデバイスにおいて、
前記結合は、グローバル・ポジショニング・システム衛星信号に関する取得支援データフェーズウィンドウ及びドップラウィンドウの交わりとして選択されるデバイス。
【請求項87】
請求項83に記載のデバイスにおいて、
前記結合は、グローバル・ポジショニング・システム衛星信号に関する取得支援データフェーズウィンドウの平均として選択されるデバイス。
【請求項88】
請求項83に記載のデバイスにおいて、
前記結合は、グローバル・ポジショニング・システム衛星信号に関する取得支援データドップラウィンドウの平均として選択されるデバイス。
【請求項89】
請求項83に記載のデバイスにおいて、
前記結合は、グローバル・ポジショニング・システム衛星信号に関する取得支援データフェーズウィンドウ及びドップラウィンドウの平均として選択されるデバイス。
【請求項90】
請求項75に記載のデバイスにおいて、
前記取得支援データは、グローバル・ポジショニング・システム信号を処理する場合、前記遠隔ユニットを支援するデバイス。
【請求項91】
請求項73に記載のデバイスにおいて、
前記非ネットワークベースの信号からのデータは、グローバル・ポジショニング・システムからの信号を含むデバイス。
【請求項92】
請求項73に記載のデバイスにおいて、
前記ネットワーク信号からのデータは、パイロットフェーズ測定値を含むデバイス。
【請求項93】
基地局に含まれている請求項73に記載のデバイス。
【請求項94】
無線ネットワークインフラストラクチャに含まれている請求項67に記載のデバイス。
【請求項95】
遠隔ユニットに含まれている請求項73に記載のデバイス。
【請求項96】
無線通信システムにおける位置決めデバイスであって、
遠隔ユニットからのデータを処理し、予め決定された位置決め解と、最終決定された位置決め解とを決定する位置決めエンジンと、
前記位置決め解のそれぞれの推定誤差に基づいて、前記遠隔ユニットの地理的位置として望ましい最終解を選択するコントローラと
を備えたデバイス。
【請求項97】
請求項96に記載のデバイスにおいて、
前記予め決定された位置決め解を決定することは、ネットワークベースの測定値のデータを処理することを含むデバイス。
【請求項98】
請求項96に記載のデバイスにおいて、
最終決定された位置決め解を決定することは、非ネットワークベースの測定値のデータを処理することを含むデバイス。
【請求項99】
請求項96に記載のデバイスにおいて、
望ましい最終解を選択することは、解のそれぞれの推定誤差を評価することを含むデバイス。
【請求項100】
無線通信システムにおいて使用するための遠隔ユニットであって、
前記遠隔ユニットによって受信された信号に関する第一の測定データセットを収集するコントローラと、
前記第一のデータセットを受け取り、前記遠隔ユニットの第一の位置決め解を決定する位置決めエンジンとを備え、
前記コントローラは、前記第一の位置決め解の知識を用いて、前記遠隔ユニットによって受信された信号に関する第二の測定データセットを収集し、前記位置決めエンジンは、前記第二のデータセットを受け取り、前記遠隔ユニットの第二の位置決め解を決定し、前記コントローラは、予め定めた選択基準に基づいて、前記第一の位置決め解と、前記第二の位置決め解との間で選択する遠隔ユニット。
【請求項101】
無線通信システムにおいて使用するための遠隔ユニットであって、
前記遠隔ユニットによって受信された信号に関する第一の測定データセットを収集するコントローラと、
前記第一のデータセットを受け取り、前記遠隔ユニットの第一の位置決め解を決定する位置決めエンジンとを備え、
前記コントローラは、前記遠隔ユニットによって受信された信号に関する第二の測定データセットを収集し、前記位置決めエンジンは、前記第二のデータセットを受け取り、前記遠隔ユニットの第二の位置決め解を決定し、前記コントローラは、予め定めた選択基準に基づいて、前記第一の位置決め解と、前記第二の位置決め解との間で選択する遠隔ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−43509(P2011−43509A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−204462(P2010−204462)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【分割の表示】特願2006−521260(P2006−521260)の分割
【原出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】