無線通信システム
【課題】航空機内での緊急放送時、緊急時の注意、説明事項であるＰＡ（Ｐａｓｓｅｎｇｅｒ Ａｎｎｏｕｎｃｅ）時には、高画質、高音質で遅延のないデータ配信サービスが必要である。
【解決手段】映像、音声データや情報データを蓄積、配信するサーバと、前記サーバに接続され、ユニキャスト方式による無線通信方式と、マルチキャスト通信方式による無線通信方式と、を切り替え可能な機能を有し、前記データを配信する少なくとも１以上の無線基地局と、前記無線基地局より配信された前記データを受信し、データサービスを提供する複数の無線端末装置とから構成された無線通信システムにより、通常のデータ配信サービスの品質を損なうことなく、緊急放送時のような場合に必要な、高画質、高音質で遅延のない高速の情報データ配信サービスを提供することが可能となる。
【解決手段】映像、音声データや情報データを蓄積、配信するサーバと、前記サーバに接続され、ユニキャスト方式による無線通信方式と、マルチキャスト通信方式による無線通信方式と、を切り替え可能な機能を有し、前記データを配信する少なくとも１以上の無線基地局と、前記無線基地局より配信された前記データを受信し、データサービスを提供する複数の無線端末装置とから構成された無線通信システムにより、通常のデータ配信サービスの品質を損なうことなく、緊急放送時のような場合に必要な、高画質、高音質で遅延のない高速の情報データ配信サービスを提供することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、航空機などの乗客キャビンエリア内におけるモバイルプラットホーム用のブロードバンドワイヤレス配信システムであって、乗客用座席に配置された複数の無線通信端末装置と、映像、音声、情報サービスを配信するサーバに接続された無線基地局（無線アクセスポイント、Ｗｉｒｅｌｅｓｓ Ａｃｃｅｓｓ Ｐｏｉｎｔ、）間で無線通信するための無線通信システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、ＩＥＥＥ８０２．１１ａ／ｂ／ｇをはじめとする無線通信システムが普及しつつある。これらは無線ローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）システムと呼ばれ、有線ＬＡＮシステムに用いられているイーサネット（Ｅｔｈｅｒｎｅｔ）（登録商標）と同等のことを無線に置き換えたものであるといえる。
【０００３】
無線ＬＡＮシステムは、当初、携帯形や可搬形パーソナルコンピュータ、可搬形無線端末装置等での使用を想定されていたが、昨今では、配線の煩雑さをなくす目的から、使用位置が固定された端末装置に対するネットワークサービス提供にも無線ＬＡＮシステムを用いることが考えられている。
【０００４】
使用位置が固定された端末装置に対する無線ＬＡＮサービスの提供形態の一例（以下、従来例という。）を図２に示す。
【０００５】
この従来例では、航空機内において、各乗客用座席６に設置された無線端末装置７に対して映像、音声データや情報データを配信するために、無線ＬＡＮシステムを利用している。映像、音声データや情報データは、当該システムのサーバ（図示せず）に蓄積されており、各座席に設置された各無線端末装置７へは、上記サーバに接続された無線基地局である複数のワイヤレスアクセスポイント（以下、アクセスポイント）１を介して各無線端末装置７へ配信される。
【０００６】
図３は航空機胴体部の透視平面図であり、符号は図２に対応している。
【０００７】
複数のアクセスポイン１（代表して２箇所のみ指示）に対して、機内スペースを複数のエリアに区切り、１つのエリアに対して１つのアクセスポイント、例えば図３の符号１（代表して２箇所のみ指示）の様に割り当てる。 楕円１１（代表して２箇所のみ指示）で示された部分はアクセスポイントから発射された電波の略到達範囲を示している。上記アクセスポイント指向性アンテナにより他のエリアにできる限り干渉、妨害を与えないように電波を発射し、自エリア内の各無線端末装置７とは決まったチャンネル用いて無線通信する。
【０００８】
この従来例では１つのアクセスポイントに対して決められた周波数帯域（チャンネル）を時分割して特定の複数の無線端末装置７にデータを送信する方式を採用している。このようにすることにより、一つのチャンネルで複数の無線端末装置に対してＶＯＤ（Ｖｉｄｅｏ Ｏｎ Ｄｅｍａｎｄ、見たいときに見たいビデオが見られるサービス）のような個別のデータ配信サービスを可能にしている。
【０００９】
本願では、映像、音声データや情報データを特定の相手にデータを送信する方式はユニキャストと呼び、複数、不特定多数のユーザに配信する通信方式をマルチキャストと呼ぶが、上記のような一つのチャンネルを時分割で特定の複数の相手に映像、音声データや情報データを配信する通信方式は上記の意味ではユニキャストであるものとして記載する。（一般には、ユニキャストとは特定の相手にデータを送信すること、不特定多数の相手にデータを送信するブロードキャストと対比する際に用いる。複数の相手を指定してデータを送信することはマルチキャストと呼ばれる。ＩＴ用語辞典，ｅ−Ｗｏｒｄｓより。）
このように通信エリアをセル化することにより、アクセスポイントの１つ１つが担当すべき無線端末装置の数が明確になる。また各アクセスポイントが指向性アンテナを備えることにより決められた狭いエリアをカバーすることが可能となり、電波障害による通信エラーを少なくすることができ、各無線端末装置に提供するデータ配信の通信品質が向上し、管理も容易になる
【特許文献１】米国特許出願公開第２００４／００９８７４５号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
しかしながら上記の従来例のような時分割によるユニキャスト通信方式では、一つのアクセスポイントが一つチャンネルを時分割して複数の無線端末装置にデータ配信するため、一つの無線端末装置あたりの帯域は狭くなる。例えば１チャンネル当たり２０Ｍｂｐｓの通信速度であっても、一つのアクセスポイントがカバーするエリアの無線端末装置が２０席ぶんであれば無線端末装置一つあたり１Ｍｂｐｓとなり、映像、音声データを配信すれば画質、音質は低下し、あるいは映像、音声に遅延が生じる。また情報データであればデータ取得時間が極端に低下することになる。
【００１１】
特に航空機内での緊急放送時、緊急時の注意、説明事項であるＰＡ（Ｐａｓｓｅｎｇｅｒ Ａｎｎｏｕｎｃｅ）時には、高画質、高音質で遅延のないデータ配信サービスが必要である。
【００１２】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、通常使用されているユニキャスト通信方式をマルチキャスト通信方式に切り替えることで、個別に対応したデータ配信サービスは出来ないが、特に航空機内での緊急放送時や緊急時の注意、説明事項であるＰＡのような場合に必要な高画質、高音質で遅延のない高速の情報データ配信サービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明の請求項１に記載の無線通信システムは、
映像、音声データや情報データを蓄積、配信するサーバと、
前記サーバに接続され、ユニキャスト方式による無線通信方式と、マルチキャストによる無線通信方式と、を切り替え可能な機能を有し、前記データを配信する少なくとも１以上の無線基地局と、
前記無線基地局より配信された前記データを受信し、データサービスを提供する複数の無線端末装置と、から構成されたものである。
【００１４】
本発明の請求項４に記載の無線通信システムは、
旅客用航空機内の乗客用に無線通信により映像、音声データや情報データを配信する無線通信システムであって、
映像、音声データや情報データを蓄積、配信するサーバと、
前記サーバに接続され、ユニキャスト方式による無線通信方式と、マルチキャストによる無線通信方式と、を切り替え可能な機能を有し、前記データを配信する少なくとも１以上の無線基地局と、
前記無線基地局より配信された前記データを受信し、データサービスを提供する複数の無線端末装置と、
から構成され、航空機内での緊急放送時、緊急時の注意、説明事項であるＰＡ（Ｐａｓｓｅｎｇｅｒ Ａｎｎｏｕｎｃｅ）時にはマルチキャストによる無線通信方式に切り替え、それ以外はユニキャスト方式による無線通信方式とするものである。
【発明の効果】
【００１５】
以上のように本発明は、航空機内において、通常のデータ配信サービスの品質を損なうことなく、緊急放送時や緊急時の注意、説明事項であるＰＡのような場合に必要な、高画質、高音質で遅延のない高速の情報データ配信サービスを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
（実施の形態）
以下、本発明の実施の形態について、図１を用いて説明する。
【００１７】
図１はサーバからアクセスポイントの信号の流れを示したブロック図であり、１は機内に複数配置されたアクセスポイント、２はユニキャストサーバであり、一つのチャンネルを時分割して特定の複数の無線端末装置にデータを送信するような信号を生成し、アクセスポイント１より電波として各無線端末装置にユニキャスト通信方式で配信する。それぞれ無線端末装置は信号内のＩＤにより受信すべき信号を識別し映像、音声あるいは情報データに復調し再生する。
【００１８】
３はマルチキャストサーバであり、緊急放送時や緊急時の注意、説明事項であるＰＡのような映像、音声データを配信する信号を生成し、アクセスポイント１より電波として各無線端末装置にマルチキャスト通信方式で配信する。それぞれ無線端末装置は信号内のフラグ等によりユニキャスト信号、マルチキャスト信号を識別し、マルチキャスト信号であると判断した場合にはＩＤに関係なく配信された信号を映像、音声データに復調し再生する。
【００１９】
４はスイッチであり、通常使用されているユニキャスト信号と、緊急放送時等に使用されるマルチキャスト信号とを切り替える。
【００２０】
なお、本実施の形態ではユニキャストサーバ２，マルチキャストサーバ３、スイッチ４を分けて記載したが、これに限らず、ユニキャストサーバ２，マルチキャストサーバ３、スイッチ４をコンピュータとソフトウェアでひとつのサーバ５として構成し、必要に応じてサーバ５に指令し、ユニキャスト信号、マルチキャスト信号を各アクセスポイント１に配信してもよい。
【００２１】
なお、緊急放送時やＰＡを配信する場合は通常のデータ配信より優先するため、緊急放送時やＰＡ配信を検出した場合、スイッチ４はマルチキャストサーバに優先して切り替え、また無線端末装置はフラグ等によりマルチキャスト信号を受信、検出した場合、ユニキャスト信号に優先して配信された信号を映像、音声データに復調し再生する。
【００２２】
以上のように本発明は、航空機内において、通常のデータ配信サービスの品質を損なうことなく、緊急放送時や緊急時の注意、説明事項であるＰＡのような場合に必要な、高画質、高音質で遅延のない高速の情報データ配信サービスを提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【００２３】
本発明にかかる無線通信システムは、航空機内において、通常のデータ配信サービスの品質を損なうことなく、緊急放送時や緊急時の注意、説明事項であるＰＡのような場合に必要な、高画質、高音質で遅延のない高速の情報データ配信サービスを提供することが可能となる効果を有し、航空機などの乗客キャビンエリア内におけるモバイルプラットホーム用のワイヤレス配信システムのような、乗客用座席に配置された複数の無線通信端末装置と、映像、音声、情報サービスを配信するサーバに接続された無線基地局間で無線通信するための無線通信システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明の実施形態におけるサーバからアクセスポイントの信号の流れを示したブロック図
【図２】従来の乗客用座席に固定された端末装置に対する無線ＬＡＮサービスの提供形態の一例を示す図
【図３】従来例による無線通信システムの航空機胴体部の透視平面図
【符号の説明】
【００２５】
１ アクセスポイント
２ ユニキャストサーバ
３ マルチキャストサーバ
４ スイッチ
５ サーバ
６ 乗客用座席
７ 無線端末装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、航空機などの乗客キャビンエリア内におけるモバイルプラットホーム用のブロードバンドワイヤレス配信システムであって、乗客用座席に配置された複数の無線通信端末装置と、映像、音声、情報サービスを配信するサーバに接続された無線基地局（無線アクセスポイント、Ｗｉｒｅｌｅｓｓ Ａｃｃｅｓｓ Ｐｏｉｎｔ、）間で無線通信するための無線通信システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、ＩＥＥＥ８０２．１１ａ／ｂ／ｇをはじめとする無線通信システムが普及しつつある。これらは無線ローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）システムと呼ばれ、有線ＬＡＮシステムに用いられているイーサネット（Ｅｔｈｅｒｎｅｔ）（登録商標）と同等のことを無線に置き換えたものであるといえる。
【０００３】
無線ＬＡＮシステムは、当初、携帯形や可搬形パーソナルコンピュータ、可搬形無線端末装置等での使用を想定されていたが、昨今では、配線の煩雑さをなくす目的から、使用位置が固定された端末装置に対するネットワークサービス提供にも無線ＬＡＮシステムを用いることが考えられている。
【０００４】
使用位置が固定された端末装置に対する無線ＬＡＮサービスの提供形態の一例（以下、従来例という。）を図２に示す。
【０００５】
この従来例では、航空機内において、各乗客用座席６に設置された無線端末装置７に対して映像、音声データや情報データを配信するために、無線ＬＡＮシステムを利用している。映像、音声データや情報データは、当該システムのサーバ（図示せず）に蓄積されており、各座席に設置された各無線端末装置７へは、上記サーバに接続された無線基地局である複数のワイヤレスアクセスポイント（以下、アクセスポイント）１を介して各無線端末装置７へ配信される。
【０００６】
図３は航空機胴体部の透視平面図であり、符号は図２に対応している。
【０００７】
複数のアクセスポイン１（代表して２箇所のみ指示）に対して、機内スペースを複数のエリアに区切り、１つのエリアに対して１つのアクセスポイント、例えば図３の符号１（代表して２箇所のみ指示）の様に割り当てる。 楕円１１（代表して２箇所のみ指示）で示された部分はアクセスポイントから発射された電波の略到達範囲を示している。上記アクセスポイント指向性アンテナにより他のエリアにできる限り干渉、妨害を与えないように電波を発射し、自エリア内の各無線端末装置７とは決まったチャンネル用いて無線通信する。
【０００８】
この従来例では１つのアクセスポイントに対して決められた周波数帯域（チャンネル）を時分割して特定の複数の無線端末装置７にデータを送信する方式を採用している。このようにすることにより、一つのチャンネルで複数の無線端末装置に対してＶＯＤ（Ｖｉｄｅｏ Ｏｎ Ｄｅｍａｎｄ、見たいときに見たいビデオが見られるサービス）のような個別のデータ配信サービスを可能にしている。
【０００９】
本願では、映像、音声データや情報データを特定の相手にデータを送信する方式はユニキャストと呼び、複数、不特定多数のユーザに配信する通信方式をマルチキャストと呼ぶが、上記のような一つのチャンネルを時分割で特定の複数の相手に映像、音声データや情報データを配信する通信方式は上記の意味ではユニキャストであるものとして記載する。（一般には、ユニキャストとは特定の相手にデータを送信すること、不特定多数の相手にデータを送信するブロードキャストと対比する際に用いる。複数の相手を指定してデータを送信することはマルチキャストと呼ばれる。ＩＴ用語辞典，ｅ−Ｗｏｒｄｓより。）
このように通信エリアをセル化することにより、アクセスポイントの１つ１つが担当すべき無線端末装置の数が明確になる。また各アクセスポイントが指向性アンテナを備えることにより決められた狭いエリアをカバーすることが可能となり、電波障害による通信エラーを少なくすることができ、各無線端末装置に提供するデータ配信の通信品質が向上し、管理も容易になる
【特許文献１】米国特許出願公開第２００４／００９８７４５号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
しかしながら上記の従来例のような時分割によるユニキャスト通信方式では、一つのアクセスポイントが一つチャンネルを時分割して複数の無線端末装置にデータ配信するため、一つの無線端末装置あたりの帯域は狭くなる。例えば１チャンネル当たり２０Ｍｂｐｓの通信速度であっても、一つのアクセスポイントがカバーするエリアの無線端末装置が２０席ぶんであれば無線端末装置一つあたり１Ｍｂｐｓとなり、映像、音声データを配信すれば画質、音質は低下し、あるいは映像、音声に遅延が生じる。また情報データであればデータ取得時間が極端に低下することになる。
【００１１】
特に航空機内での緊急放送時、緊急時の注意、説明事項であるＰＡ（Ｐａｓｓｅｎｇｅｒ Ａｎｎｏｕｎｃｅ）時には、高画質、高音質で遅延のないデータ配信サービスが必要である。
【００１２】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、通常使用されているユニキャスト通信方式をマルチキャスト通信方式に切り替えることで、個別に対応したデータ配信サービスは出来ないが、特に航空機内での緊急放送時や緊急時の注意、説明事項であるＰＡのような場合に必要な高画質、高音質で遅延のない高速の情報データ配信サービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明の請求項１に記載の無線通信システムは、
映像、音声データや情報データを蓄積、配信するサーバと、
前記サーバに接続され、ユニキャスト方式による無線通信方式と、マルチキャストによる無線通信方式と、を切り替え可能な機能を有し、前記データを配信する少なくとも１以上の無線基地局と、
前記無線基地局より配信された前記データを受信し、データサービスを提供する複数の無線端末装置と、から構成されたものである。
【００１４】
本発明の請求項４に記載の無線通信システムは、
旅客用航空機内の乗客用に無線通信により映像、音声データや情報データを配信する無線通信システムであって、
映像、音声データや情報データを蓄積、配信するサーバと、
前記サーバに接続され、ユニキャスト方式による無線通信方式と、マルチキャストによる無線通信方式と、を切り替え可能な機能を有し、前記データを配信する少なくとも１以上の無線基地局と、
前記無線基地局より配信された前記データを受信し、データサービスを提供する複数の無線端末装置と、
から構成され、航空機内での緊急放送時、緊急時の注意、説明事項であるＰＡ（Ｐａｓｓｅｎｇｅｒ Ａｎｎｏｕｎｃｅ）時にはマルチキャストによる無線通信方式に切り替え、それ以外はユニキャスト方式による無線通信方式とするものである。
【発明の効果】
【００１５】
以上のように本発明は、航空機内において、通常のデータ配信サービスの品質を損なうことなく、緊急放送時や緊急時の注意、説明事項であるＰＡのような場合に必要な、高画質、高音質で遅延のない高速の情報データ配信サービスを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
（実施の形態）
以下、本発明の実施の形態について、図１を用いて説明する。
【００１７】
図１はサーバからアクセスポイントの信号の流れを示したブロック図であり、１は機内に複数配置されたアクセスポイント、２はユニキャストサーバであり、一つのチャンネルを時分割して特定の複数の無線端末装置にデータを送信するような信号を生成し、アクセスポイント１より電波として各無線端末装置にユニキャスト通信方式で配信する。それぞれ無線端末装置は信号内のＩＤにより受信すべき信号を識別し映像、音声あるいは情報データに復調し再生する。
【００１８】
３はマルチキャストサーバであり、緊急放送時や緊急時の注意、説明事項であるＰＡのような映像、音声データを配信する信号を生成し、アクセスポイント１より電波として各無線端末装置にマルチキャスト通信方式で配信する。それぞれ無線端末装置は信号内のフラグ等によりユニキャスト信号、マルチキャスト信号を識別し、マルチキャスト信号であると判断した場合にはＩＤに関係なく配信された信号を映像、音声データに復調し再生する。
【００１９】
４はスイッチであり、通常使用されているユニキャスト信号と、緊急放送時等に使用されるマルチキャスト信号とを切り替える。
【００２０】
なお、本実施の形態ではユニキャストサーバ２，マルチキャストサーバ３、スイッチ４を分けて記載したが、これに限らず、ユニキャストサーバ２，マルチキャストサーバ３、スイッチ４をコンピュータとソフトウェアでひとつのサーバ５として構成し、必要に応じてサーバ５に指令し、ユニキャスト信号、マルチキャスト信号を各アクセスポイント１に配信してもよい。
【００２１】
なお、緊急放送時やＰＡを配信する場合は通常のデータ配信より優先するため、緊急放送時やＰＡ配信を検出した場合、スイッチ４はマルチキャストサーバに優先して切り替え、また無線端末装置はフラグ等によりマルチキャスト信号を受信、検出した場合、ユニキャスト信号に優先して配信された信号を映像、音声データに復調し再生する。
【００２２】
以上のように本発明は、航空機内において、通常のデータ配信サービスの品質を損なうことなく、緊急放送時や緊急時の注意、説明事項であるＰＡのような場合に必要な、高画質、高音質で遅延のない高速の情報データ配信サービスを提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【００２３】
本発明にかかる無線通信システムは、航空機内において、通常のデータ配信サービスの品質を損なうことなく、緊急放送時や緊急時の注意、説明事項であるＰＡのような場合に必要な、高画質、高音質で遅延のない高速の情報データ配信サービスを提供することが可能となる効果を有し、航空機などの乗客キャビンエリア内におけるモバイルプラットホーム用のワイヤレス配信システムのような、乗客用座席に配置された複数の無線通信端末装置と、映像、音声、情報サービスを配信するサーバに接続された無線基地局間で無線通信するための無線通信システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明の実施形態におけるサーバからアクセスポイントの信号の流れを示したブロック図
【図２】従来の乗客用座席に固定された端末装置に対する無線ＬＡＮサービスの提供形態の一例を示す図
【図３】従来例による無線通信システムの航空機胴体部の透視平面図
【符号の説明】
【００２５】
１ アクセスポイント
２ ユニキャストサーバ
３ マルチキャストサーバ
４ スイッチ
５ サーバ
６ 乗客用座席
７ 無線端末装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
映像、音声データや情報データを蓄積、配信するサーバと、
前記サーバに接続され、ユニキャスト方式による無線通信方式と、マルチキャストによる無線通信方式と、を切り替え可能な機能を有し、前記データを配信する少なくとも１以上の無線基地局と、
前記無線基地局より配信された前記データを受信し、データサービスを提供する複数の無線端末装置と、
から構成された無線通信システム。
【請求項２】
高画質、高音質あるいは高速での情報データ配信が必要な場合には、前記マルチキャストによる無線通信方式に切り替え、それ以外はユニキャスト方式による無線通信方式とする請求項１に記載の無線通信システム。
【請求項３】
前記サーバと前記無線基地局は、前記無線端末装置に対してマルチキャスト通信方式により配信するデータをユニキャスト通信方式で配信するデータより優先してデータ配信する請求項１に記載の無線通信システム。
【請求項４】
旅客用航空機内の乗客用に無線通信により映像、音声データや情報データを配信する無線通信システムであって、
映像、音声データや情報データを蓄積、配信するサーバと、
前記サーバに接続され、ユニキャスト方式による無線通信方式と、マルチキャストによる無線通信方式と、を切り替え可能な機能を有し、前記データを配信する少なくとも１以上の無線基地局と、
前記無線基地局より配信された前記データを受信し、データサービスを提供する複数の無線端末装置と、
から構成され、
航空機内での緊急放送時、緊急時の注意、説明事項であるＰＡ（Ｐａｓｓｅｎｇｅｒ Ａｎｎｏｕｎｃｅ）時にはマルチキャストによる無線通信方式に切り替え、それ以外はユニキャスト方式による無線通信方式とする無線通信システム。
【請求項１】
映像、音声データや情報データを蓄積、配信するサーバと、
前記サーバに接続され、ユニキャスト方式による無線通信方式と、マルチキャストによる無線通信方式と、を切り替え可能な機能を有し、前記データを配信する少なくとも１以上の無線基地局と、
前記無線基地局より配信された前記データを受信し、データサービスを提供する複数の無線端末装置と、
から構成された無線通信システム。
【請求項２】
高画質、高音質あるいは高速での情報データ配信が必要な場合には、前記マルチキャストによる無線通信方式に切り替え、それ以外はユニキャスト方式による無線通信方式とする請求項１に記載の無線通信システム。
【請求項３】
前記サーバと前記無線基地局は、前記無線端末装置に対してマルチキャスト通信方式により配信するデータをユニキャスト通信方式で配信するデータより優先してデータ配信する請求項１に記載の無線通信システム。
【請求項４】
旅客用航空機内の乗客用に無線通信により映像、音声データや情報データを配信する無線通信システムであって、
映像、音声データや情報データを蓄積、配信するサーバと、
前記サーバに接続され、ユニキャスト方式による無線通信方式と、マルチキャストによる無線通信方式と、を切り替え可能な機能を有し、前記データを配信する少なくとも１以上の無線基地局と、
前記無線基地局より配信された前記データを受信し、データサービスを提供する複数の無線端末装置と、
から構成され、
航空機内での緊急放送時、緊急時の注意、説明事項であるＰＡ（Ｐａｓｓｅｎｇｅｒ Ａｎｎｏｕｎｃｅ）時にはマルチキャストによる無線通信方式に切り替え、それ以外はユニキャスト方式による無線通信方式とする無線通信システム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００６−３３６７６（Ｐ２００６−３３６７６Ａ）
【公開日】平成１８年２月２日（２００６．２．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２１２７１６（Ｐ２００４−２１２７１６）
【出願日】平成１６年７月２１日（２００４．７．２１）
【出願人】（０００００５８２１）松下電器産業株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年２月２日（２００６．２．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年７月２１日（２００４．７．２１）
【出願人】（０００００５８２１）松下電器産業株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
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