説明

無線通信ネットワークにおける音声サービスのデータサービスに対する動的な優先度付け

無線通信ネットワークは、異なったタイプのユーザにより共用される1つ以上のネットワークの有限の資源に関係して、1つのタイプのユーザの別のタイプのユーザに対する優先度を提供する。例えば、もし無線基地局において利用可能なフォワードリンク送信電力が音声とデータユーザとにより共用されているなら、無線基地局は、もし、音声とデータユーザとによる電力使用状況の組み合わされたレベルが定義された解放閾値に達するなら、現在のデータユーザに割当てられた総電力量を削減することにより音声ユーザに対して優先権を与える。その解放閾値は呼ブロッキング閾値において、もし、その呼ブロッキングレベルに達したなら、動的な解放が実行されるように、セットされると良い。拡散コードの利用状況などに関して解放閾値を設定するなどして、他の有限な資源も同様に管理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には無線通信ネットワークに関するものであり、特に、そのようなネットワークにおける音声通信のデータ通信に対する優先度付けに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CDMA2000のような多くの無線通信ネットワークは、高品質の音声、データ、ビデオ、インタラクティブなアプリケーションなどの広く多岐に富むサービスを提供している。無線通信ネットワークの進展により、広範囲のパケットベースのデータサービスが提供される一方、同時に、音声やファクシミリデータのようなもっと伝統的な回路交換サービスに対するサポートも提供されている。そのようなネットワークにおいて、無線基地局は、回路交換(音声)とパケット交換(データ)の両方のユーザのためのユーザトラフィックを搬送する。従って、音声とデータのユーザは、利用可能なフォワードリンク送信電力や割当て可能なCDMA拡散コード(例えば、利用可能なウォルシュ(Walsh)コード)のプールのような基地局にある有限な資源を共用する。
【0003】
音声ユーザとデータユーザとの間で基地局の資源を共用する環境ではいくつかの問題が生じる。例えば、たいていのデータサービスは相対的に遅延に関してはあまり気にせず、データトラフィックは一般に、連続的に流れのように送信されるというよりはむしろ、必要なときに間歇的に送信される。これとは対照的に、音声サービスは即時的な送信を必要とするリアルタイムサービスを代表しており、それは相対的に遅延に対しては要注意である。音声サービスはまた、低い呼ブロッキング率や相対的に低フレームエラー率(FER)のような高品質なサービスを要求する。さらに、サービスプロバイダは通常、データサービスより音声サービスからより多くの収入を得ている。その結果、サービスプロバイダにはパケットデータサービスが高品質の音声サービスを提供するためのネットワーク能力を低下させることのないことを保証することに経済的な動機付けがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
データに対して音声を静的に優先付けすることは上述した共用の問題を扱うために意味する1つの解決策であり、少なくともいくつかの従来の無線通信ネットワークでは採用されている。データに対する音声の静的な優先付けは、共用資源に関してデータユーザより音声ユーザに対してより高い呼ブロッキング(許可)閾値を設定することに基づくかもしれない。例えば、データユーザに対するブロッキング閾値は第1の使用レベル(例えば、90%)にセットされるかもしれない一方で、音声ユーザに対するブロッキング閾値はもっと高い第2の使用レベル(例えば、95%)にセットされる。類似の方式は音声ユーザに対する固定的な電力を保存することに関係するか、或いは、音声に対して1つ、データに対して1つ、つまり別々の搬送波を用いることに関係する。
【0005】
そのような全ての方式は、優先付け方式の静的な特質のために、不十分である傾向にある。即ち、そのような方式は音声サービスに重きを置いて構築されており、それは音声ユーザ或いは音声とデータユーザの組み合わせによる実際の資源利用が低いものであったとしても、データユーザに不利益を与えている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の要約
本発明は、もし共用資源の音声利用とデータ利用の組み合わされたものが定義された解放閾値に達したなら、1つ以上のデータユーザから資源を解放することにより、データに対する音声の動的な優先度付けを提供する方法及び装置とを備える。例えば、音声ユーザとデータユーザとが基地局の送信電力を共用する場合、電力解放閾値が呼ブロッキング閾値でセットされる。そして、その電力使用がその閾値に達したなら、基地局はデータユーザの内の選択されたものにサービスを行うのに用いられている電力量を削減して、現在割当てられている電力の内の所望の量が解放される。そのような動作は動的に働いて、総ての資源利用が所望の上限値未満を維持し、それにより音声ユーザに対する資源の利用性を高める。
【0007】
従って、1つの実施例では、本発明は音声及びデータサービスを1つ以上のユーザに提供する無線通信ネットワークにおいてデータサービスに対する音声サービスの優先度付けを動的に行う方法を備える。その方法は、現在の音声及びデータユーザにより共用する基地局資源の組み合わされた利用の状況を資源解放閾値に対して監視する工程と、もし、その組み合わされた利用の状況がその資源解放閾値に合致するか或いはそれを越えたなら、1つ以上の現在のデータユーザに対して進行中のサービスを変更することにより、その組み合わされた利用を削減する工程とを有する。注目する資源は、ネットワーク無線基地局におけるフォワードリンク送信電力、拡散コード、或いは音声及びデータユーザにより共用される他の有限な資源であるかもしれない。
【0008】
この発明の代表的な実施例では、資源は所望の量だけ削減される。例えば、その注目する資源が送信電力であるなら、無線基地局は、現在のデータユーザの全体的な電力使用を特定の量、即ち、定義されたワット値だけ削減するように構成されると良い。基地局はそのような解放を、1つ以上のデータユーザに対して進行中のサービスを変更することにより実現する。そのようなサービスの変更は、これに限定されるものはないが、1つ以上のデータユーザの通信チャネルにおける送信電力を削減すること、1つ以上のデータユーザの無線構成を変更すること、或いは、1つ以上のデータユーザにサービスを行うために用いられているデータ速度を変更することを含む。基地局は、公正さ、スループット、或いは他の基準に基づいて、複数のデータユーザの内のどれ(或いはどれほど)を目標とするかを選択するかもしれない。
【0009】
本発明に従えば、代表的な無線基地局は、複数の送信回路と、1つ以上の監視回路と、動的な資源解放動作を開始、さもなければ制御する解放コントローラとを有する。それらの送信回路は、送信電力、データ速度、チャネル符号化率、無線構成などのような1つ以上の送信パラメータに従って、現在音声及びデータユーザに音声及びパケットデータの送信を行う。代表的な監視回路は、音声及びデータユーザより共用される1つ以上の無線基地局資源の組み合わされた利用状況、例えば、組み合わされた送信電力を監視する。もし、その監視回路が、その組み合わされた利用状況が資源解放閾値に合致するか、或いはそれを超えたことを検出するなら、解放コントローラは1つ以上の現在のデータユーザを資源解放のために選択し、その選択された現在のデータユーザに対応して、例えば、送信電力のような1つ以上の送信パラメータを変更することによりその組み合わされた利用を削減する。そのような動作は、補完的な機能を含んだり、或いはそのような機能を開始する契機となっても良く、そのような機能には、例えば、目標とされたデータユーザに対するデータ速度の適切な低下がある。
【0010】
広くいえば、本発明は、無線通信ネットワークにおいて、現在の音声及びデータユーザによる共用ネットワーク資源の組み合わされた利用の状況を監視し、もし、その組み合わされた利用の状況が資源解放閾値を越えたなら、1つ以上の現在のデータユーザに対して進行中のサービスを変更することにより所望の量だけ組み合わされた利用を削減することに基づいてデータサービスに対する音声サービスの優先度付けを行う方法を備えることである。従って、当業者であれば、本発明は、ある資源の利用に関して、1つのタイプのユーザによる利用が別のタイプのユーザによる利用により優先付けされる場合に、本質的には何らかの有限な資源に対して適用されるものであることを認識するであろう。本発明の他の特徴や利点は、次の説明と添付図面とを参照すれば明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、CDMA2000を基本としたネットワークの環境で本発明を種々の点から説明する。しかしながら、本発明は、例えば、音声ユーザとデータユーザのような異なるタイプのユーザが1つ以上の有限な資源を共用し、それらの資源を1つのタイプのユーザが別のタイプのユーザに対して相対的に優先的に利用することが望まれているどんなのタイプの無線通信ネットワークにも適用されることを理解されたい。
【0012】
図面に戻って説明をする。図1は本発明の1つ以上の実施例に従って構成される代表的な無線通信ネットワーク10を図示している。ネットワーク10はIS−2000/2001ファミリの標準に従うCDMA2000無線ネットワークを有している。しかしながら、当業者であれば、他の標準、例えば、広帯域CDMA(WCDMA)標準などに従って無線通信ネットワークが構成されても良いことを認識するであろう。ネットワーク10は、パケット交換コアネットワーク(PSCN)12と、回路交換制御ネットワーク(CSCN)14と、移動局(MS)18のユーザと、例えば、1つ以上の公衆データネットワーク(PDN、例えば、インターネット)20や公衆交換電話ネットワーク(PSTN)22のような種々の外部ネットワークとの間の通信をサポートする無線アクセスネットワーク(RAN)16とを有している。PSTN22とPDN20の詳細は本発明には重要ではないので、それ故、ここでは更に説明しない。
【0013】
さらに、コアネットワークそれ自身の詳細は特に本発明には密接な関係があるわけではないが、その説明は音声とデータサービスの両方を提供するネットワークの検討に対しては背景として有用であろう。従って、代表的なPSCN12はパケットデータサービスをサポートし、それは、パケットデータサービングノード(PDSN)30と、IPネットワーク32と、オプションのゲートウェイルータ34と、1つ以上のサポートエンティティ36(認証や外部エージェントなど)とを有している。代表的なCSCN14は音声と他の回路交換サービスをサポートし、移動体交換センタ(MSC)38をここでは説明を明瞭にするために図示してはない他の種々のエンティティ(例えば、ホームロケーションレジスタ、ビジタロケーションレジスタなど)とともに備えている。
【0014】
RAN16は移動局18と種々のコアネットワークとの間の無線インタフェースを提供し、代表的なRAN16はパケット制御機能(PCF)40と、基地局制御局(BSC)42と、関連する無線基地局(RBS)44とを有している。BSC42はMSC38にA1/A2/A5インタフェースを介して、また、PCF40にA8/A9インタフェースを介して、また、RBS44にAbisインタフェースを介して接続されている。MS18は、例えば、IS−2000ファミリの標準のような、適切なネットワーク標準により定義されたようなUmインタフェース、即ち、“エアインタフェース”を介してRBS44に接続されている。
【0015】
IS−2000標準は、個々の音声及びデータユーザにサービスを行うのに用いられる専用フォワードリンク通信チャネルとして用いられるフォワードリンクの基本的なチャネル(F−FCHs)を定義している。例えば、データユーザにはF−FCHが割当てられてそのユーザにパケットデータサービスをサポートする。もし、F−FCHのデータ速度制限がユーザの必要性に対して不十分であるなら、1つ以上のフォワードリンク予備チャネル(F−SCH)がそのユーザに割当てられる。F−SCHは、F−FCHデータ速度の倍数のデータ速度をサポートするのに構成され、従って、そのようなチャネルは1倍、2倍、4倍などのデータ速度で構成される。
【0016】
PSTN22と移動局18との間のトラフィックは、音声やファクシミリデータのような回路交換のトラフィックを含む一方、PDN20と移動局18との間のトラフィックはパケット交換のデータトラフィックを含む。(なお、内部動作機能IWFはPSCNとCSCNコアネットワークとの間の通信リンクを提供するかもしれないが、そのような動作について本発明の環境では説明する必要はない。)従って、RBS44は音声通信に従事する移動局18(ここでは、音声ユーザという)に対するサポートを提供し、そして、パケットデータ通信に従事する移動局18(ここではデータユーザという)へのサポートを行う。音声ユーザとデータユーザとはRBS44において有限の資源を共用する。これら有限の資源には、これに限定されるものではないが、フォワードリンク送信電力や、個々のユーザに対するデータを符号化するために用いられるCDMA拡散コード、例えば、ウォルシュ(Walsh)コードを含むかもしれない。
【0017】
各RBS44は、図2に示されているように、1つ以上のサービスエリア或いはセクタにわたる無線カバレッジを提供する。本発明の環境からすると、注目する共用資源は、セクタレベルで音声ユーザとデータユーザとにより共用されても良いし、或いはRBSレベルで共用されても良い。図2に示されているRBS44は3つのセクタS1,S2,S3にわたるカバレッジを提供するが、当業者は、RBS44の無線カバレッジ領域が1つ以上の任意の数のセクタに分割されても良いことを理解するであろう。
【0018】
図3は本発明の1実施例に従う代表的なRBS44の機能ブロックを図示している。本発明は図3に図示されたRBSアーキテクチュアに限定されるものではなく、他のRBSアーキテクチュアが本発明には適用可能であることを認識されたい。さらに、図3の機能要素はソフトウェアでも、ハードウェアでも、或いはそれらの組み合わせによっても実現される。例えば、RBS44における1つ以上の機能要素が、RBS44に含まれている1つ以上のマイクロプロセッサ或いは他の論理回路により実行される格納プログラムの命令として実現されても良い。
【0019】
図3に示されているように、RBS44は、フォワードリンク信号処理回路50と関係する送信回路60(例えば、増幅器、変調器、符号化器など)を含む。回路50はBSCから到来する通信トラフィックを処理して、送信回路60を介して音声ユーザとデータユーザの両方に送信する。本発明に従えば、RBS44は解放コントローラ52と1つ以上の関連する監視回路54とを含む。これらの要素は処理回路50とは別々に実装されても良いし、或いは、その回路50の一部として実装されても良い。いずれの場合でも、解放コントローラ52と監視回路54とは、ソフトウェアで、ハードウェアで、或いはそれらの組み合わせとして実現されても良く、そして、監視回路54は解放コントローラ52に内蔵されても良いし、或いは、その一部として形成されても良い。代表的な実施例では、本発明は少なくとも一部分は、RBS44内の1つ以上のマイクロプロセッサ或いは他の処理回路により実行される格納プログラム命令を有するコンピュータプログラムを有する。
【0020】
図示されているように、RBS44は1つ以上の有限の資源、例えば、有限のフォワードリンク送信電力や有限のフォワードリンク拡散コードを用いて通信サービスをサポートする。例えば、RBS44は与えられたセクタで移動局18にサービスを行うのに利用可能なフォワードリンク送信電力を最大20W(ワット)もつなら、そのフォワードリンクで同時にサービスを行うことができる数多くの移動局18は電力制限を受ける。同様に、代表的なRBS44が高々、64個の64ビット長のWalshコードしかもたないかもしれず、その場合には各コードは、もしショートコード(64ビット長)として用いられるなら、1つの個別的な移動局に対するサービスをサポートし、或いは、もしロングコードとして用いられるなら、2つの個別的なユーザにサービスをサポートすることができる(2つの128ビット長のコードは夫々が64ビット長のコードから生じる)。従って、拡散コードを取り戻す(解放する)ために、RBS44は拡散コードの基本セットにおける拡散コード(64ビット長のコード)の使用から、拡散コードの拡張セットにおける拡散コード(128ビット長のコード)の使用へと、1つ以上のデータユーザを変更するかもしれない。
【0021】
監視回路54は、注目する共用資源のための資源利用状況情報を取得するか、さもなければそれらが提供される。そのような利用状況情報は、例えば、音声とデータのユーザによる資源の現在の組み合わせ利用状況レベルのような、現在の資源割当てレベルの形式をとることができるし、或いは、例えば、割当て自由な資源のパーセンテージ或いは資源量のような、残存資源の利用可能性の形式をとることもできる。従って、代表的な実施例では、監視回路54は、RBS44により現在サポートされている音声ユーザとデータユーザにより用いられる送信電力と拡散コードとの内の少なくともいずれかの百分率或いはその量を追跡すると良い。
【0022】
図4A及び図4BはRBS44に関する通常の組み合わされた電力利用状況のレベルを図示し、フォワードリンクで音声ユーザとデータユーザとの両方にサービスを行うのに必要な全(組み合わされた)電力が時間とともにデータ要求が変化したり、個々のユーザに対する無線状態が変化すると変動することを図示している。さらに、そのデータユーザにより用いられる総電力の部分と音声ユーザにより用いられる部分とは同様に、時間とともに変動している。同様に、図5Aと図5Bとは拡散コードの割当てレベルが時間とともに変動する様子を図示している。
【0023】
特に、図4Aは解放閾値に関して組み合わされた電力利用状況を監視する様子を図示しており、その解放閾値はユーザデータ呼ブロッキング閾値と一致するように設定されても良い。もし、その組み合わされた電力使用状況が定義された解放閾値に達したならば、RBS44は動的に、そのサービスを1つ以上の現在のデータユーザに変更することにより、所望量のフォワードリンク送信電力を解放する(自由に用いられるようにする)。このようにして、組み合わされた電力使用状況が現在の或いは新しい音声ユーザに対する音声サービスの品質を落とすようなレベルに達し始めたとき、RBS44は現存するデータユーザに対して現在割当てられている送信電力のいくらかを解放する。
【0024】
図4Bは同じようなやり方を図示しているが、ここでは、ネットワーク10も静的な優先付けの方法を用いる例を示しており、ここでは、データユーザに対して第1の呼ブロッキング閾値と、音声ユーザに対するより高い第2の呼ブロッキング閾値を定義している。代表的な実施例では、本発明の解放閾値は、より低いデータユーザのブロッキング閾値と一致するように、組み合わされた利用状況がデータユーザのブロッキング閾値に達するのに応じて、所望の量の電力が1つ以上のデータユーザから解放されるように設定される。
【0025】
組み合わされた送信電力の利用状況のレベルを監視するとき、監視回路54は、全ての音声とデータのフォワードリンクチャネルの組み合わされた送信電力に対応する送信電力データを受信して、その解放閾値に対して比較すると良い。資源コントローラ52が平均利用状況レベルを用いて、より平滑化された値が比較のために用いられるようにして、解放閾値と比較すると良い。
【0026】
図5Aと図5Bとは同様の方法を、拡散コード資源の環境下で図示している。なお、本発明は拡散コードと送信電力のいずれか、或いは両方の動的な解放を含んでいても良く、解放閾値は注目している何らかの共用資源に対して定義され、その閾値に達したときに適切な解放手順が実施される。当業者であれば、1つ以上の資源が一度に監視され、ここで説明した代表的な資源解放の方法が多数の資源に対して同時に適用されても良いことを認識するであろう。例えば、RBS44は電力解放に対して電力利用状況レベルを監視する一方、同時に拡散コード解放閾値に対して拡散コード利用状況レベルを監視すると良い。
【0027】
にもかかわらず、注目する共用資源の組み合わされた使用状況が対応する定義された解放閾値に合致したり、或いはそれを越えるなら、解放コントローラ52は動的に、1つ以上の現在のデータユーザに対して進行中のサービスを変更することによりその資源の一部を解放する。その意味において、データユーザは音声ユーザに比べて相対的に不利な立場に置かれている。なぜなら、解放コントローラ52は資源解放のためにデータユーザを対象とするからである。より広く言えば、解放コントローラ52は、資源が解放される必要があるなら、そのような解放に対して優先権をもたないユーザが対象とされるように、何らかのタイプのユーザを別のタイプのユーザに対して優先付けを与えるように構成されている。
【0028】
資源解放時、解放コントローラ52は解放のための資源量、例えば、どのくらいの電力が解放されるべきなのか、或いは、どのくらいの拡散コードが解放されるべきなのかを決定する。1つの実施例では、解放コントローラ52は、組み合わされた使用状況が定義された解放閾値からどのくらい離れているのかを評価することにより目標とする削減量を決定する。別の実施例では、解放コントローラ52は、組み合わされた使用状況レベルが解放閾値に合致するか、或いはそれを超える度ごとに、所定の目標削減量を用いて設定量だけ組み合わされた使用レベルを低下させても良い。そのような値はRBS44のメモリに格納され、ネットワーク運用者やサービスプロバイダにより設定される構成値でも良い。いずれの場合にも、その目標削減量は、解放閾値レベル周辺での“ふらつき”を避けるために十分な量だけ組み合わされた現在の使用レベルを削減するのが好ましい。即ち、目標削減量は、この解放方法をすぐに再開する契機となることを回避するために十分に大きな量であるべきである。
【0029】
いずれの場合でも、資源解放は、例えば、データユーザによる最低限必要な資源利用状況を考慮して実行されると良い。言い換えると、解放コントローラ52は、データユーザによる資源の最低利用状況レベルを維持するためにその運用を調節するか、さもなければ制限すると良い。そのような最低量はネットワーク運用者により設定されても良いし、或いは、データユーザにより用いられている通信チャネルに対する定義された最低速度のような最小データ速度要求により定められても良い。
【0030】
いずれの場合でも、目標削減量により組み合わされた利用を削減するために、例えば、1つ以上のユーザに対応する1つ以上の送信パラメータを変更することにより、資源コントローラ52はそれらのデータユーザに対する進行中のサービスを変更するかもしれない。例えば、RBS44は、1つ以上の現在のデータユーザにサービスを行うために用いられている1つ以上のフォワードリンク通信チャネルに割当てられた電力量を削減できる。そのような電力削減は、そのチャネルのために用いられる送信電力の上限を低くすることにより、例えば、チャネルへの許容電力割当てを5ワットから3ワットに低減することにより直接的に行うことができる、また、電力削減は、1つ以上のデータユーザのフォワードリンク通信チャネルについてのデータ速度低下を開始することにより、間接的に行うこともできる。データユーザのフォワードリンク電力割当てを削減する他のメカニズムは、これに限定されるものではないが、ユーザの無線構成を変更すること、即ち、IS−2000システムにおけるRC3とRC4との間の変更と、チャネル符号化率を変更することの内、少なくともいずれかを含む。
【0031】
代表的な実施例では、監視回路54は、1つ以上のデータユーザに対して個々のフォワードリンクチャネルで送信するために用いられる平均電力を追跡する、特定のデータユーザに対する電力を削減するために、RBS44はそのユーザに対する許容最大チャネル電力を現在の設定から追跡された平均電力未満の値に変更する。例えば、CDMA2000ネットワークでは、RBS44は、1つ以上のデータユーザのフォワードリンク予備チャネル(F−SCH)の送信電力を小さくすることにより電力の解放を実行するかもしれない。その予備チャネルは速度調整が可能なのである。従って、RBS44は全ての或いはいくつかのデータユーザに対する予備チャネルの平均電力を追跡して、もし、電力解放が必要であるなら、1つ以上のF−SCHに対する許容最大送信電力をそのチャネルに対して追跡された平均送信電力未満のレベルに低減することによりその解放を実行すると良い。
【0032】
例えば、監視回路54は、RBS44が平均電力3Wで特定のデータユーザのF−SCHで送信していることを判断し、しかし、そのチャネルは5Wの上限(許容)送信電力をもっていることを仮定しよう。このデータユーザから電力を取り戻すために、解放コントローラ52はそのF−SCHに許容される最大送信電力を、例えば、5Wから2Wに削減し、その結果、約1Wの電力解放を得るようにしても良い。この例は例示を意図したものに過ぎず、当業者には知られる送信電力を削減する方法は本質的には本発明に従って用いられることを理解されたい。
【0033】
別の代表的な実施例では、解放コントローラ52が無線サービス構成を変更することと選択された現在のデータユーザのデータ速度とを削減することの少なくともいずれかにより、組み合わされた送信電力を削減しても良い。なお、無線サービス構成も選択された現在のデータユーザのデータ速度も送信電力に関係するものである。例えば、解放コントローラ52は現在128ビット長のウォルシュ(Walsh)コードを用いている1つ以上の選択されたデータユーザの送信電力を64ビット長のウォルシュ(Walsh)コードへと再割当てすることにより削減するかもしれない。或いは、F−SCHはそのF−SCHより速いデータ速度で徐々にデータを送信し、それ故に、送信電力はより大きくなるので、解放コントローラ52は1つ以上のF−SCHにデータ速度低下を課して、必要とされるフォワードリンク電力におけるそれに釣り合った削減を獲得すると良い。
【0034】
なお、もし拡散コードが注目の資源であるなら、上記の解放の方法論の1つ以上のものがコード解放動作にも適用される。例えば、無線条件を変更すること、例えば、RC3からRC4へ、或いはその逆への変更、対象データユーザを64ビット長のウォルシュ(Walsh)コードから128ビット長のウォルシュ(Walsh)コードへ、或いはその逆へシフトすることによる拡張コード利用状況の変更である。128ビット長のウォルシュ(Walsh)コードの使用により利用可能なコード空間が拡張され、従って、これは利用可能なウォルシュ(Walsh)コードにおける全利得を表現する。従って、解放コントローラ52は少なくともある程度、無線構成、チャネル符号化率などを変更或いは変形することにより、電力と拡散コードの利用レベルを操作することができる。
【0035】
資源解放のために1つ以上の現在のデータユーザを対象とすることについて、解放コントローラ52は、1つ以上の全体的なサービス目的に従って構成されると良い。例えば、解放コントローラ52は現在のデータユーザのいずれかを不利に扱うことを避ける“公正”なサービスを目的としていることに従って構成されるかもしれない。従って、資源解放のために、1つ或いは少数のデータユーザを対象とするよりはむしろ、それは、総体として解放される全資源量の相対的に小さな部分がそれらデータユーザ各々から取り去られるように、大きな数のデータユーザを対象とする。
【0036】
それとは逆に、解放コントローラ52はスループットという目的を達成するために(即ち、そのセクタに関するパケットデータスループットを最適化するために)構成されても良い。そのような構成をとると、現在のデータユーザの各々に対する平均スループットという点からすれば、たとえ、その対象の選択の仕方が公正ではないとしても、解放コントローラ52は資源解放のために現在のデータユーザの内の“最悪”或いは最も不十分なものを対象とするかもしれない。そのようなやり方は本質的には、現在最悪の無線状態にあるデータユーザを不利に扱うものとなる。
【0037】
より一般的に言えば、解放コントローラ52は何らかの所望の基準、例えば、“効率基準”のようなものに従って、現在のデータユーザをランク付けし、そのランク付けの順番に基づいて資源解放に関する対象として現在のデータユーザの内の1つ以上を選択することができる。その基準は、送信電力、データ速度、送信電力のデータ速度に対する比、或いは、ユーザをランク付けするための性能や効率基準を提供する何らかの基準を有しているかもしれない。一旦、ランク付けがなされたなら、解放コントローラ52は目的解放量を達成するために必要なできるだけ多くのデータユーザを選択する。
【0038】
いくつかの実施例では、解放コントローラ52は上述の選択処理にさらに拘束を加えても良い。例えば、1つ以上の現在のデータユーザは、最低速度保証や他のサービス保証を含むサービスプランをもっているかもしれない。保証されたデータ速度をもつユーザは通常、そのパケットデータ通信のために所定の最小データ速度を保証するために割増料金を払っている。他のデータユーザは、最低のデータ速度が必要であるか、或いは、最低パケット潜在期間のような他のサービス品質(QoS)の制約をもつ特定のアプリケーションやサービスに従事しているかもしれない。
【0039】
解放コントローラ52が、その資源解放動作からデータユーザに関係したこれらのサービス制約をもつデータユーザを排除するかもしれない。或いは、それは、そのようなユーザを資源解放動作に関する候補として考慮してしても良いが、もしそうであるなら、何らかの特定のデータユーザについて課された資源解放がそのユーザに適用可能などんなサービス制限も破ることはないことを保証する。従って、資源コントローラ52は資源解放動作を実行できる一方、必要とあらば必要最低限の速度や待ち時間などを維持することにより、そのデータユーザに関するユーザサービスプランやQoS要求命令に従う。
【0040】
図6は本発明に従う代表的な実施例を実現する方法の概要を図示している。図6に示されているように、監視回路54は注目する共用資源についての音声とデータの組み合わされた利用状況レベルを追跡し(ステップ100)、その組み合わされた利用状況レベルを解放閾値(ステップ102)と比較する。もし、その組み合わされた利用状況レベルがその解放閾値より小さいならば、監視回路54はその組み合わされた利用状況レベルを追跡し続ける。しかしながら、その組み合わされた利用状況レベルがその解放閾値と合致するか、その閾値を超えるなら、解放コントローラ52は1つ以上の現在のデータユーザへのサービスを変更することにより組み合わされた利用を低減させる(ステップ104)。前に述べたように、サービスを変更することは、これに限定されるものではないが、送信電力を削減すること、チャネル符号化率を低減或いは変更すること、無線構成を変更すること、チャネルデータ速度を変更することなどを含んでいても良い。監視回路54は組み合わされた利用状況レベルの追跡を続行して、後続する必要な資源解放を実行する。
【0041】
図7は本発明の別の代表的な方法を図示している。図6に示すように、監視回路54は音声とデータの組み合わされた利用状況レベルを追跡し(ステップ100)、その組み合わされた利用状況レベルを解放閾値(ステップ102)と比較する。もし、その組み合わされた利用状況レベルがその解放閾値より小さいならば、監視回路54はその組み合わされた利用状況レベルを追跡し続ける(ステップ100)。しかしながら、その組み合わされた利用状況レベルがその解放閾値と合致するか、その閾値を超えるなら、解放コントローラ52は所望の基準に従って現在のデータユーザをランク付けする(ステップ110)。解放コントローラ52は目標利用状況削減量を決定し(ステップ112)、それからランク付け順序で1つ以上の現在のデータユーザを選択し、そこから目標(所望)の削減量に等しい総量の資源を解放する。
【0042】
従って、本発明は1つのタイプのユーザの他のタイプのユーザに対する動的な優先度付けを提供する。代表的な実施例では、本発明は、音声ユーザとデータユーザとの間での共用資源の利用状況が定義されたレベル未満を維持するように、1つ以上の選択されたデータユーザから割当てられた資源を動的に解放する。そのレベルは、呼のブロッキング、即ち、ユーザ許可/輻輳制御閾値に関連したものであるかもしれない。そのようにすることで、本発明は、もし資源利用状況のレベルが、さもなければ音声ユーザのネットワークへの進入を阻害される結果になるなら、電力とコード資源の内、少なくともいずれかを解放する。そのような環境下では、本発明はデータユーザに対する音声ユーザの動的な優先度付けの方式を提供する。動的な優先度付けはそれ自体単独で使用されても良い。例えば、ネットワークが音声とデータのユーザの両方に対して共通のブロッキング閾値を用いる場合にはそのようにできる。また、動的優先度付けは静的な優先度付け方式と組み合わされて用いられてもよい。その場合には、ネットワークは音声とデータユーザに対して異なるブロッキング閾値を用いる。
【0043】
より一般的に言えば、本発明は動的な資源解放のための方法と装置を含んでいる。そのようなものとして、本発明は代表的な詳細についての前述の検討により限定されるものではない。むしろ、本発明は添付した請求の範囲やその合理的な同等物によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の1つ以上の実施例に従って構成される代表的な無線通信ネットワークを示す図である。
【図2】代表的なセクタ型無線基地局のカバレッジを示す図である。
【図3】本発明に従う無線基地局に関する代表的な機能詳細を示す図である。
【図4A】、
【図4B】送信電力の典型的な時間的な変動を示し、同時的な音声及びデータユーザによる基地局送信電力の組み合わされた利用状況を変更する様子を示す図である。
【図5A】、
【図5B】拡散コード使用状況の典型的な時間的な変動を示し、同時的な音声及びデータユーザによる拡散コード資源の組み合わされた利用状況を変更する様子を示す図である。
【図6】本発明の実施例に従う代表的な処理ロジックを示す図である。
【図7】本発明の別の実施例に従う代表的な処理ロジックを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークにおいてデータサービスに対する音声サービスの優先度付けを行う方法であって、前記方法は、
現在の音声及びデータユーザによる共用ネットワーク資源の組み合わされた利用の状況を監視する工程と、
もし、前記組み合わされた利用の状況が資源解放閾値を越えたなら、1つ以上の前記現在のデータユーザに対して進行中のサービスを変更することにより所望の量だけ前記組み合わされた利用を削減する工程とを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記現在の音声及びデータユーザによる共用ネットワーク資源の組み合わされた利用の状況を監視する工程は、ネットワーク無線基地局におけるフォワードリンク送信電力の利用状況を監視する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の前記現在のデータユーザに対して進行中のサービスを変更することにより所望の量だけ前記組み合わされた利用を削減する工程は、1つ以上の前記現在のデータユーザに対する送信電力割当てを削減する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の前記現在のデータユーザに対する送信電力割当てを削減する工程は、前記1つ以上の現在のデータユーザ各々に関係するフォワードリンクチャネルの送信電力を削減する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の前記現在のデータユーザに対する送信電力割当てを削減する工程は、前記1つ以上の現在のデータユーザ各々に関係するフォワードリンクチャネルのデータ速度を低減する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の前記現在のデータユーザに対する送信電力割当てを削減する工程は、前記1つ以上の現在のデータユーザ各々に関係するフォワードリンクチャネルの符号化率を低減する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の前記現在のデータユーザに対する送信電力割当てを削減する工程は、前記1つ以上の現在のデータユーザ各々の無線サービス構成を変更する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
フォワードリンクの電力対データ速度の測定指標に従って前記現在のデータユーザをランク付けすることに基づいて割当てられた送信電力を削減するために前記1つ以上の現在のデータユーザを選択し、前記所望の量の削減を達成するためにランク付けの順序で数多くの現在のデータユーザを選定する工程をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記現在のデータユーザのいずれかを過度に不利な状況に置くことを防止してデータサービスの公正さを維持するという公正さを達成する目的、或いは前記現在のデータユーザの1つ或いは少数を不利な状況に置きデータサービスのスループットを維持するというスループットを達成する目的を含む全体的なサービスの目的に従って、進行中のサービスを変更するために特定の1つ以上の前記現在のデータユーザを選択する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記現在の音声及びデータユーザによる共用ネットワーク資源の組み合わされた利用の状況を監視する工程は、ネットワーク無線基地局におけるフォワードリンク拡散コードの利用状況を監視する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の前記現在のデータユーザに対して進行中のサービスを変更することにより所望の量だけ前記組み合わされた利用を削減する工程は、1つ以上の前記現在のデータユーザに対するフォワードリンク拡散コードの利用を削減する工程を有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の前記現在のデータユーザに対するフォワードリンク拡散コードの利用を削減する工程は、前記1つ以上のデータユーザの各々に対する拡散コード割当てを、拡散コードの基本セットの拡散コードから拡散コードの拡張セットの拡散コードに変更する工程を有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の前記現在のデータユーザに対して進行中のサービスを変更することにより所望の量だけ前記組み合わされた利用を削減する工程は、資源が何らかの最小利用制限を破ることで前記現在のデータユーザから解放されないように、1つ以上の最小利用制限に従う前記データユーザにより前記共用ネットワーク資源の集合的な利用を削減する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
無線通信ネットワークにおけるデータサービスに対する音声サービスの優先度付けを行う方法であって、前記方法は、
現在の音声及びデータユーザによる共用される無線基地局資源の組み合わされた利用の状況を資源解放閾値に関連して監視する工程と、
もし、前記組み合わされた利用の状況が前記資源解放閾値と合致するか、或いはその閾値を越えたなら、1つ以上の前記現在のデータユーザに対するサービスを変更することにより前記組み合わされた利用を削減する工程とを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記現在の音声及びデータユーザによる共用される無線基地局資源の組み合わされた利用の状況を前記資源解放閾値に関連して監視する工程は、電力解放閾値に対して送信電力の前記組み合わされた利用の状況を監視する工程を有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上の前記現在のデータユーザに対するサービスを変更することにより前記組み合わされた利用を削減する工程は、前記現在のデータユーザの内の選択されたものに対応した送信電力を削減する工程を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記現在のデータユーザの内の選択されたものに対応した送信電力を削減する工程は、前記現在のデータユーザの内の選択されたものに関係する1つ以上のフォワードリンクチャネルの符号化率を変更する工程を有することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記現在のデータユーザの内の選択されたものに対応した送信電力を削減する工程は、選択されたデータユーザ各々に関し、前記選択されたデータユーザをサポートするために用いられている現在の平均送信電力未満のレベルに前記選択されたデータユーザに対する最大許容送信電力を削減する工程を有することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記最大許容送信電力を削減する工程はさらに、前記送信電力を削減することに関連して前記現在のデータユーザの内の選択されたもの各々のデータ速度を削減する工程を有することを特徴とする請求項18に記載の記載の方法。
【請求項20】
前記現在のデータユーザの内の選択されたものに対応した送信電力を削減する工程は、前記現在のデータユーザの内の選択されたもの各々に対する送信データ速度を削減する工程を有することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
データユーザに関する何かのサービス制限に従って前記データユーザの内の選択されたものに対する1つ以上の送信パラメータの変更を基準に合わせる工程をさらに有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項22】
データユーザに関する1つ以上のサービス制限をもつ現在のデータユーザを、前記現在のデータユーザの内の選択されたものとして選択の考慮から除外する工程をさらに有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記現在の音声及びデータユーザによる共用される無線基地局資源の組み合わされた利用状況を前記資源解放閾値に関連して監視する工程は、拡散コード利用閾値に関連して、現在の音声及びデータユーザにより共用される拡散コードのセットの組み合わされた利用状況を監視する工程を有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記現在のデータユーザの内の選択されたものに対応する1つ以上の送信パラメータを変更することにより前記組み合わされた利用を削減する工程は、前記現在のデータユーザの内の選択されたもの各々に対する拡散コード割当てを、拡散コードの基本セットの拡散コードから拡散コードの拡張セットの拡散コードに変更する工程を有することを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
所定の基準に従って前記現在のデータユーザをランク付けすることに基づいて、前記現在のデータユーザの内の選択されたものを選択する工程をさらに有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記現在のデータユーザの内の選択されたものを選択する工程は、前記現在のデータユーザのランキングの順序と目標総削減量とに基づいて資源解放のための対象として前記データユーザの内の1つ以上を選択する工程を有することを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記所定の基準に従って前記現在のデータユーザをランク付けすることは、前記現在のデータユーザ各々に現在割当てられた送信電力量に従って前記現在のデータユーザをランク付けすることを含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記所定の基準に従って前記現在のデータユーザをランク付けすることは、前記現在のデータユーザ各々にサービスを行うために用いられているデータ速度に従って、前記現在のデータユーザをランク付けすることを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記所定の基準に従って前記現在のデータユーザをランク付けすることは、前記現在のデータユーザ各々に対する送信電力とデータ速度の比を決定し、前記比に従って前記現在のデータユーザをランク付けすることを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記現在のデータユーザの内の選択されたものに対応する1つ以上の送信パラメータを変更することは、前記選択されたものの無線構成を変更することを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項31】
無線基地局であって、
音声及びデータユーザに送信を行う送信回路と、
現在の音声及びデータユーザより共用される無線基地局資源の組み合わされた利用の状況を資源解放閾値に関連して監視する監視回路と、
もし、前記組み合わされた利用の状況が前記資源解放閾値を越えたなら、前記現在のデータユーザの内、選択されたものに対応する1つ以上の送信パラメータを変更することにより、前記組み合わされた利用を削減する解放コントローラとを有することを特徴とする無線基地局。
【請求項32】
前記監視回路は、電力使用レベルに関連した前記共用資源としてフォワードリンク送信電力の利用の状況を監視するよう構成されていて、
前記解放コントローラは、前記1つ以上の送信パラメータの1つしての送信電力を変更するように構成されていることを特徴とする請求項31に記載の無線基地局。
【請求項33】
前記解放コントローラは、前記現在のデータユーザに割当てられたフォワードリンク送信電力の総量を削減することにより、前記フォワードリンク送信電力の前記組み合わされた利用を削減するよう構成されていることを特徴とする請求項32に記載の無線基地局。
【請求項34】
前記解放コントローラは、前記現在のデータユーザの1つ以上にサービスを行うために用いられている1つ以上のフォワードリンク通信チャネルの送信電力の総量を削減することにより、前記現在のデータユーザに割当てられたフォワードリンク送信電力の総量を削減するよう構成されていることを特徴とする請求項33に記載の無線基地局。
【請求項35】
前記無線基地局はCDMA2000の無線基地局を含み、
前記解放コントローラは、1つの以上のフォワードリンク予備チャネルの送信電力を削減することにより、前記現在のデータユーザの1つ以上にサービスを行うために用いられている1つ以上のフォワードリンク通信チャネルの送信電力を削減するように構成されていることを特徴とする請求項34に記載の無線基地局。
【請求項36】
前記解放コントローラは、削減目標とされたフォワードリンク予備チャネル夫々で送信のために用いられる平均電力を追跡し、前記フォワードリンク予備チャネルについての最大許容電力を前記平均電力未満のレベルに設定することにより、1つ以上のフォワードリンク予備チャネルの送信電力を削減するように構成されていることを特徴とする請求項35に記載の無線基地局。
【請求項37】
前記解放コントローラは、1つ以上のフォワードリンク予備チャネルのデータ速度を低減することにより、前記1つ以上のフォワードリンク予備チャネルの送信電力を削減するように構成されていることを特徴とする請求項35に記載の無線基地局。
【請求項38】
前記解放コントローラは、前記現在のデータユーザの内の選択されたものにサービスを行うために用いられている1つ以上のフォワードリンク通信チャネルについてのデータ速度を低減することにより、前記現在のデータユーザに割当てられた前記フォワードリンク送信電力の総量を低減するよう構成されていることを特徴とする請求項33に記載の無線基地局。
【請求項39】
前記解放コントローラは、前記現在のデータユーザの内の1つ以上のユーザの無線構成を変更することにより、前記現在のデータユーザに割当てられたフォワードリンク送信電力の総量を削減するように構成されていることを特徴とする請求項33に記載の無線基地局。
【請求項40】
前記監視回路はコード割当てレベルに関連して、前記共用資源としてのフォワードリンク拡散コードの利用状況を監視するよう構成されていることを特徴とする請求項31に記載の無線基地局。
【請求項41】
前記解放コントローラは、前記現在のデータユーザの1つ以上のものに対する拡散コード割当てを拡散コードの基本セットから拡散コードの拡張セットに変更することにより、フォワードリンク拡散コードの前記割当てを削減するよう構成されていることを特徴とする請求項40に記載の無線基地局。
【請求項42】
前記現在のデータユーザの内の1つ以上に対するサービスを変更することにより前記組み合わされた利用を削減することは、
定義された基準に従って前記現在のデータユーザの少なくとも一部をランク付けし、
前記ランクの順序に基づいて前記現在のデータユーザの内の1つ以上を対象としてサービスを変更して所望の削減量を達成すること含むことを特徴とする請求項31に記載の無線基地局。
【請求項43】
前記解放コントローラは、前記フォワードリンクで現在のデータユーザ各々にサービスを行うことに関連した効率指標を決定することに基づき、ランク付けを実行するよう構成されていることを特徴とする請求項42に記載の無線基地局。
【請求項44】
前記解放コントローラは、フォワードリンク送信電力のフォワードリンクデータ速度に対する電力対速度比に基づいて、前記解放コントローラがサービスの変更のために、より高い電力対速度比をもつ現在のデータユーザを優先的に対象として選択するように、現在のデータユーザ各々に対する前記効率指標を決定するよう構成されていることを特徴とする請求項42に記載の無線基地局。
【請求項45】
前記解放コントローラは、前記資源解放が前記データユーザに関係するどんな最低の利用要求を破ることのないように、1つ以上の最低の利用制限に従う前記現在のユーザデータの内の選択されたものに対応した1つ以上の送信パラメータを変更することにより、前記組み合わされた利用を削減して解放するように構成されていることを特徴とする請求項31記載の無線基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−511979(P2007−511979A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541223(P2006−541223)
【出願日】平成16年11月3日(2004.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/036767
【国際公開番号】WO2005/053252
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】