説明

無線通信方法とシステム、無線送信機及び無線受信機

【課題】タイミング同期のための信号の送信周波数が既知でなくとも高精度にタイミング同期を行うことを可能とする。
【解決手段】無線送信機は、同期用の第1の信号を生成する第1信号生成部101と、第1の信号と異なる同期用の第2の信号を生成する第2信号生成部102と、第1の信号及び前記第2の信号を周波数変換して所定の周波数差を持つ第1RF信号及び第2RF信号を生成する送信周波数変換部103,104と、前記第1RF信号及び前記第2RF信号を合成して送信信号を生成する合成部106と、前記送信信号を送信する送信ユニット107とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおけるタイミング同期に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、無線通信システムにおいては、受信機が信号を正しく受信するために、何らかの方法を用いて受信機が送信機との間でタイミング同期を確立する必要がある。受信機が無線通信システム内の送信機の存在を検出し、さらには当該送信機とタイミング同期をとる方法として、非特許文献1ではマッチドフィルタを利用する方法を開示している。
【0003】
非特許文献1の方法では、予め送信機と受信機の間で相互相関性能の優れた信号系列、すなわち自己相関値は高い一方で、他系列との相関値は低い系列を予め取り決めておく。送信機は、当該信号系列を予め定められた周波数で送信する。受信機では、当該信号系列をタップ係数とするマッチドフィルタを予め動作させておき、当該信号系列を受信した場合にマッチドフィルタからの出力信号が大きな値を示すようにすることで、送信機の存在を検出する。
【0004】
一方、送受信機間で事前に信号のキャリア周波数を取り決めなくとも、データ伝送が可能な方法が特許文献1に示されている。特許文献1によると、送信機は拡散符号により拡散された信号と拡散符号とを周波数Δfだけ離して送信する。受信機は、受信信号と受信信号をΔfだけ周波数シフトした信号の複素共役系列とを乗算することで、DC周辺に逆拡散された所望信号を得る。これにより送信信号のキャリア周波数が未知であっても、Δfさえ知っていれば、受信機は所望信号を得ることができる。
【特許文献1】特開2008−177914号公報
【非特許文献1】平 明徳, 石津 文雄, 三宅 真, “周波数選択性フェージング環境におけるOFDM通信システムのタイミング同期方式,” 電子情報通信学会論文誌, Vol. J84-B, No. 7, pp. 1255-1264 (2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方法では、送信信号を拡散符号で拡散して送信することから、周波数が既知であれば、非特許文献1のようにマッチドフィルタを用いることで、拡散符号の帯域幅の逆数の精度のタイミング同期を確立することができる。しかしマッチドフィルタを用いる方法は、タイミング同期に用いる信号系列の送信周波数が既知でなければならない。信号系列の送信周波数がわからない状況下では、マッチドフィルタを用いてタイミング同期を確立する方法を利用することは難しい。また、非特許文献1により送信周波数がわからない信号系列を受信することは可能である。しかし拡散符号により拡散された帯域幅の広い信号系列が送信されているにも関わらず、DC付近に現れるのは逆拡散後の細い帯域幅の信号である。従って低い精度の同期しか得られず、拡散符号を構成する各シンボルのタイミングに同期することは難しい。
【0006】
本発明は、タイミング同期のための信号の送信周波数が既知でなくとも高精度にタイミング同期を行うことが可能な無線通信方法、システム、無線送信機及び無線受信機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によると、同期用の第1の信号を生成するステップと;前記第1の信号と異なる同期用の第2の信号を生成するステップと;前記第1の信号及び前記第2の信号の少なくとも一方を周波数変換して所定の周波数差を持つ第1RF信号及び第2RF信号を生成するステップと;前記第1RF信号及び前記第2RF信号を合成して送信信号を生成するステップと;前記送信信号を送信するステップと;前記送信信号を受信して受信信号を得るステップと;前記受信信号の周波数を周波数変換して前記周波数差に相当する周波数だけシフトさせた変換信号を生成するステップと;前記変換信号に対して複素共役演算を行い、複素共役信号を得るステップと;前記受信信号と前記複素共役信号とを乗算して乗算信号を得るステップと;前記第1の信号と前記第2の信号との積と、前記乗算信号との相互相関を算出するステップと;タイミング同期のための基準時間位置を判定するために前記相互相関のピークを検出するステップと;を具備する無線通信方法が提供される。
【0008】
本発明の第2の観点によると、同期用の第1の信号を生成するステップと;前記第1の信号と異なる同期用の第2の信号を生成するステップと;データ信号を生成するステップと;前記第2の信号と前記データ信号とを乗算してデータ乗算信号を得るステップと;前記送信信号の同期用ヘッダ区間では第2の信号を選択し、前記送信信号のペイロード区間では前記データ乗算信号を選択するステップと;前記第1の信号を周波数変換して第1RF信号を生成するステップと;前記選択するステップにより選択された信号を周波数変換して前記第1RF信号と前記所定の周波数差を持つ第2RF信号を生成するステップと;前記第1RF信号及び前記第2RF信号を合成して送信信号を生成するステップと;前記送信信号を送信するステップと;前記送信信号を受信して受信信号を得るステップと;前記受信信号の周波数を周波数変換して前記周波数差に相当する周波数だけシフトさせた変換信号を生成するステップと;前記変換信号に対して複素共役演算を行い、複素共役信号を得るステップと;前記受信信号と前記複素共役信号とを乗算して乗算信号を得るステップと;前記第1の信号と前記第2の信号との積と、前記乗算信号との相互相関を算出するステップと;タイミング同期のための基準時間位置を判定するために前記相互相関のピークを検出するステップと;前記基準時間位置及びその近傍の複数のピークの時刻に対応する相互相関を合成して合成信号を得るステップと;前記合成信号を復調して前記データ信号を得るステップと;を具備する無線通信方法が提供される。
【0009】
本発明の第3の観点によると、同期用の第1の信号を生成する第1信号生成部と;前記第1の信号と異なる同期用の第2の信号を生成する第2信号生成部と;前記第1の信号及び前記第2の信号の少なくとも一方を周波数変換して所定の周波数差を持つ第1RF信号及び第2RF信号を生成する送信周波数変換部と;前記第1RF信号及び前記第2RF信号を合成して送信信号を生成する合成部と;前記送信信号を送信する送信ユニットと;前記送信信号を受信して受信信号を得る受信ユニットと;前記受信信号を周波数変換して前記周波数差に相当する周波数だけシフトさせた変換信号を生成する受信周波数変換部と;前記変換信号に対して複素共役演算を行い、複素共役信号を得る演算部と;前記受信信号と前記複素共役信号とを乗算して乗算信号を得る乗算部と;前記第1の信号と前記第2の信号との積と、前記乗算信号との相互相関を算出する相関算出部と;タイミング同期のための基準時間位置を判定するために前記相互相関のピークを検出する検出部と;を具備する無線通信システムが提供される。
【0010】
本発明の第4の観点によると、同期用の第1の信号を生成する第1信号生成部と;前記第1の信号と異なる同期用の第2の信号を生成する第2信号生成部と;前記第1の信号及び前記第2の信号の少なくとも一方を周波数変換して所定の周波数差を持つ第1RF信号及び第2RF信号を生成する送信周波数変換部と;前記第1RF信号及び前記第2RF信号を合成して送信信号を生成する合成部と;前記送信信号を送信する送信ユニットと;を具備する無線送信機が提供される。
【0011】
本発明の第5の観点によると、所定の周波数差を持つ第1RF信号及び第2RF信号が合成された送信信号を受信して受信信号を得る受信ユニットと;前記受信信号を周波数変換して前記周波数差に相当する周波数だけシフトさせた変換信号を生成する受信周波数変換部と;前記変換信号に対して複素共役演算を行い、複素共役信号を得る演算部と;前記受信信号と前記複素共役信号とを乗算して乗算信号を得る乗算部と;前記第1の信号と前記第2の信号との積と、前記乗算信号との相互相関を算出する相関算出部と;タイミング同期のための基準時間位置を判定するために前記相互相関のピークを検出する検出部と;を具備する無線受信機が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、受信機では送信機との間で第1RF信号及び第2RF信号の周波数差を予め取り決めておくことで、同期のための第1の信号及び第2の信号の周波数が受信機において既知でなくとも、マッチドフィルタを用いたタイミング同期を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に示されるように、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムは無線送信機(以下、送信機という)100及び無線受信機(以下、受信機という)200からなる。送信機100と受信機200とのタイミング同期をとるために、送信機100はタイミング同期のための無線信号(タイミング同期信号という)を送信アンテナ107によって空間へ向けて送信する。但し、タイミング同期信号を送信する周波数は、予め取り決められていないものとする。受信機200は、送信されてきたタイミング同期信号を受信アンテナ201により受信し、受信されたタイミング同期信号を頼りに受信信号の先頭や終端などのタイミング同期のための基準時間位置を判定することで、送信機100との間のタイミング同期を行う。
【0014】
<送信機100について>
送信機100は、図2に示されるように第1拡散系列生成部101、第2拡散系列生成部102、第1周波数変換部103、第2周波数変換部104、ローカル発振器105及び合成部106を有する。
【0015】
第1拡散系列生成部101は、タイミング同期用の第1の信号である第1拡散系列111を生成する。第2拡散系列生成部102は、同様にタイミング同期用の第2の信号である第2拡散系列112を生成する。ただし、第1拡散系列111と第2の拡散系列112は異なる系列が用いられる。第1拡散系列111及び第2拡散系列112は、特定の決められた系列である必要はなく、変調された擬似ランダム系列や正弦波など、任意の系列を用いることができる。本実施形態では、第1拡散系列111及び第2拡散系列112として例えばBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調された擬似ランダム系列を用いる。また、第1拡散系列111及び第2拡散系列112の系列長はτ、変調速度はFsであるものとする。第1拡散系列111をa(n)、第2拡散系列112をb(n)としたとき、第1拡散系列111と第2拡散系列112の積、すなわち第1拡散系列111の要素と第2拡散系列112の要素を乗算したc(n)=a(n)×b(n)により構成される系列は、自己相関特性が良い系列であるほど望ましい。
【0016】
第1拡散系列111及び第2拡散系列112は、送信周波数変換部である第1周波数変換部103及び第2周波数変換部104に入力される。第1周波数変換部103及び第2周波数変換部104には、さらにローカル発振器105から周波数変換を行うための第1ローカル信号113及び第2ローカル信号114がそれぞれ供給される。第1周波数変換部103及び第2周波数変換部104は、それぞれ第1ローカル信号113及び第2ローカル信号114を用いて第1拡散系列111及び第2拡散系列112を周波数変換し、所定の送信周波数f1及びf2の第1RF信号115及び第2RF信号116を生成する。第1周波数変換部103及び第2周波数変換部104は互いに同期しており、周波数f1及びf2には所定の周波数差Δf(=f2−f1)が設定されている。
【0017】
第1周波数変換部103及び第2周波数変換部104は、典型的にはミキサにより実現される。この場合、ローカル発振器105は第1周波数変換部103及び第2周波数変換部104に対し、周波数差Δfの第1ローカル信号113及び第2ローカル信号114をそれぞれ供給する。なお、第2周波数変換部104の内部に周波数Δfの信号発生器とミキサを予め備えることで、ローカル発振器105が第1周波数変換部103及び第2周波数変換部104に共通のローカル信号を供給するようにしてもよい。すなわち、例えば第1周波数変換部103では共通のローカル信号を第1ローカル信号として用い、第2周波数変換器104では共通のローカル信号と周波数Δfの信号をミキシングして第2ローカル信号を生成するようにする。
【0018】
図3の破線は、第1周波数変換部103及び第2周波数変換部103からそれぞれ出力される第1RF信号115及び第2RF信号116の例を示している。図3の実線は、第1拡散系列111及び第2拡散系列112に相当する信号を表している。図3の破線は、第1RF信号115及び第2RF信号116の周波数スペクトルを表している。
【0019】
第1RF信号115及び第2RF信号116は、合成部106によって合成される。すなわち、合成部106は周波数f1の第1RF信号115及び周波数f2の第2RF信号116を合成し、二つの周波数スペクトルを有する送信信号117を生成する。生成された送信信号117は送信アンテナ107に供給され、電波として空間に放射される。
【0020】
送信信号117を時間−周波数平面上で表現すると、図4に示したようなスペクトラムとなる。すなわち、周波数がΔfだけ離れたBPSK信号(第1RF信号115及び第2RF信号116)が周波数方向に並んでおり、また時間方向においてはこれら二つのRF信号115及び116は同時に送信される。
【0021】
なお、ここでは第1拡散系列111及び第2拡散系列112をそれぞれ第1周波数変換部103及び第2周波数変換部104により周波数変換したが、周波数変換部103及び104のいずれか一方を省略してもよい。例えば、第2周波数変換部104を省略すれば、第2拡散系列112がそのまま第2RF信号とされる。
【0022】
<受信機200について>
次に、受信機200について説明する。受信機200は、図5に示されるように受信アンテナ201を含む受信ユニット、周波数変換部202、複素共役演算部203、乗算器204、相関算出部であるマッチドフィルタ205、タップ係数設定部206及びピーク検出部207を有する。
【0023】
受信アンテナ201では、図2に示した送信機100からの送信信号117が受信される。周波数変換部202では、受信アンテナ201から出力される受信信号210が周波数変換される。周波数変換部202は、ミキサ2021とローカル発振器2022を有する。ローカル発振器2022は、ミキサ2021が周波数変換を行うためのローカル信号211を発生する。
【0024】
ローカル発振器2022からのローカル信号211は、送信機200から送信される送信信号117に含まれる第1RF信号115及び第2RF信号116の周波数f1及びf2の周波数差Δfに相当する周波数の信号、例えばej2πΔfで表される周波数Δfの正弦波信号が用いられる。すなわち、ミキサ2021は受信信号210に含まれる周波数f1及びf2の第1RF信号及び第2RF信号を周波数Δfのローカル信号211と乗算することで周波数変換を行い、周波数f2及びf2+Δfの変換信号212を生成する。変換信号212は、周波数変換部202から出力される。
【0025】
周波数変換部202から出力される変換信号212は、複素共役演算部203に入力される。複素共役演算部203は、入力された変換信号212に複素共役演算を行い、虚数部の符号を反転した信号、すなわち複素共役信号213を生成する。例えば、複素共役演算部203はej2πf2で表される変換信号212をe-j2πf2で表される複素共役信号213に変換する。
【0026】
乗算器204では、受信アンテナ201からの受信信号210と複素共役演算部203からの複素共役信号213との乗算が行われる。ここで、受信信号210と周波数変換部202からの変換信号212は図6に示すように周波数がΔfだけ異なっており、受信信号210に含まれる第2RF信号と変換信号212に含まれる第1RF信号は、同一周波数f2に位置している。従って、複素共役演算部203により変換信号212を複素共役信号213に変換し、乗算器204において受信信号210と複素共役信号213とを掛け合わせると、第2RF信号と第1RF信号との積がDCに現れる。
【0027】
図7には、乗算器204から出力される乗算信号214の周波数スペクトラムを示す。ここで、図7のDCに現れる信号はキャリア周波数成分が無くなるため、乗算器204からは図7及び図8に示すように図2の送信機200内で生成された第1拡散系列111と第2拡散系列112との積が乗算信号214として得られる。すなわち、図7に示すように第1拡散系列111と第2拡散系列112との積がDCに現れる。
【0028】
乗算器204からの乗算信号214は、マッチドフィルタ205に入力される。タップ係数設定部206は、予め図2の送信機200内で生成された第1拡散系列111と第2拡散系列112との積をタップ係数216として生成する。タップ係数設定部206によって生成されたタップ係数216は、マッチドフィルタ205に設定される。マッチドフィルタ205では、乗算信号214とタップ係数216との相互相関が算出されるので、マッチドフィルタ205からの出力信号(相互相関)215は乗算信号214がタップ係数216と一致した際にピークを示す。マッチドフィルタ205からの出力信号215は、乗算信号214とタップ係数216とが時間的にずれている場合は小さい。また、受信アンテナ201で信号が受信されない場合、及び送信機200以外の送信機の他からの信号を受信した場合も、マッチドフィルタ205からの出力信号215は小さい。
【0029】
マッチドフィルタ205からの出力信号215は、ピーク検出部207に入力される。ピーク検出部207はマッチドフィルタ205からの出力信号215(相互相関)を観測し続け、ピーク位置(出力信号215がピークを示す時刻)を検出する。受信機200が送信機100からの第1拡散系列111と第2拡散系列112を含む送信信号117を受信し終わった際、すなわち第1拡散系列111と第2拡散系列112が全て受信された際、マッチドフィルタ205からの出力信号215がピークを示す。ピーク検出部207は、マッチドフィルタ205からの出力信号215のピーク位置を検出し、ピーク位置検出信号217を出力する。受信機200は、ピーク位置検出信号217によって示されるピーク位置をタイミング同期のための基準時間位置(同期位置)として用い、送信機100との間のタイミング同期を行うことができる。
【0030】
このように第1の実施形態によれば、受信機200は送信機100が送信したタイミング同期信号(ここでは第1拡散系列111及び第2拡散系列112)の周波数を知らなくとも、送信機100との間のタイミング同期を行うことができ、結果として送信信号117を正しく受信することができる。また、乗算信号214においてDCに現れる信号は第1拡散系列111と第2拡散系列112との積である。この現れた信号の帯域幅は、送信された第1拡散系列111や第2拡散系列112の帯域幅とほぼ等しい。従って、この帯域幅の逆数の精度で同期することが可能になる。
【0031】
ここで、マッチドフィルタ205の効果を示すために行った計算機シミュレーションの結果について説明する。単純化のため、BPSK変調された擬似ランダム系列に雑音を印加し、同じ擬似ランダム系列をタップ係数とするマッチドフィルタ205に入力した。変調後のシンボル数は256シンボルであり、この256シンボルに対してさらに2倍オーバサンプリングを行った。シミュレーション上では、2倍オーバサンプリング後の256シンボルを繰り返し送信した。雑音電力は、信号電力に対して18dB高くした。すなわち、マッチドフィルタ205への入力の信号対雑音電力比(SNR)は、−18dBである。
【0032】
マッチドフィルタ205に信号を10回入力し、10回分の出力波形について電力加算を行った。この操作を3回試行した結果が図9〜図11であり、横軸は受信サンプル信号を表し、縦軸は10回分のマッチドフィルタの出力の平均電力を表している。図9〜図11に示されるように、ピーク値は雑音の影響を受けばらつくものの、擬似ランダム系列の自己相関性能が良いため、はっきりとしたピークが得られていることが分かる。
【0033】
比較のため、シンボルレートが1/256の信号に対して同様に2倍オーバサンプリングを行い、同様に雑音を印加した後に特許文献1のようにローパスフィルタを通した波形を図12に示す。図12では、3回分の試行結果をまとめて示している。図12ではマッチドフィルタの場合と同様に、10回分の出力波形について電力加算を行っている。図12に示されるようにピークがなだらかであり、ピーク位置はシンボル周期の512より僅かにずれている。
【0034】
マッチドフィルタ205の出力信号215のピーク値がばらついたように、ローパスフィルタの出力信号のピーク値やピーク位置は僅かにばらつく。しかし、マッチドフィルタは自己相関特性の良さから、出力に急峻なピークが現れ、ピークが検出されやすいのに対し、ローパスフィルタで受信すると出力のピークがなだらかであるため、ピークの僅かなずれがタイミング同期の狂いにつながってしまう。
【0035】
なお、第1拡散系列111と第2拡散系列112は、例えば双方ともM系列、又は双方ともCAZAC系列を用いると都合が良い。なぜなら、M系列やCAZAC系列はそれ自身が自己相関特性に優れ、かつ乗算に対して系が閉じているので、乗算器204による乗算後も優れた自己相関特性が保たれる。従って受信機のマッチドフィルタ205の出力信号215に急峻なピークが立つことを期待できる。
【0036】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態のタイミング同期方法に加えて、さらにキャリア周波数が未知であっても復調が可能な受信信号処理部も併せて示す。第2の実施形態によると、第1の実施形態と同様にタイミング同期を行い、かつキャリア周波数を送受信機間で共有しなくともデータ伝送が可能となる無線通信システムを実現できる。
【0037】
<フレームフォーマットについて>
図13は、第2の実施形態における送信信号117のフレームフォーマットを示す図である。送信アンテナ107からは、送信信号117として周波数f1とf2において同時に信号が送信される。図13に示される送信信号117は、先頭の同期用ヘッダと、データを伝送するペイロードを含む。周波数f1では、同期用ヘッダ区間及びペイロード区間において第1拡散系列が送信される。周波数f2では、同期用ヘッダ区間において第2拡散系列が送信され、そしてペイロード区間において第2拡散系列で時間拡散されたデータが送信される。周波数f2のペイロード区間を拡散データ系列と呼ぶこととする。
【0038】
<送信機について>
図14に示されるように、第2の実施形態に係る送信機100は図2に示した第1拡散系列生成部101、第2拡散系列生成部102、第1周波数変換部103、第2周波数変換部104、ローカル発振器105及び合成部106に加えて、データ系列生成部108、乗算器109及び選択部110を有している。第1拡散系列生成部101、第2拡散系列生成部102、第1周波数変換部103、第2周波数変換部104、ローカル発振器105及び合成部106の基本動作は、第1の実施形態と同様である。
【0039】
第1拡散系列生成部101は、第1の実施形態と同様に動作するが、本実施形態ではさらにペイロード区間においても第1拡散系列111を繰り返し生成し続ける点が第1の実施形態と異なる。第2拡散系列生成部101も、第1拡散系列生成部101と同様に第1の実施形態と同様に動作するが、本実施形態ではさらにペイロード区間においても第2拡散系列112を繰り返し生成し続ける点が異なる。
【0040】
データ系列生成部108は、受信機200に送信すべきデータを変調して変調データ系列118を出力する。受信機200に送信すべきデータとは、例えばディジタル化された音声データ、画像データ、文字メッセージのようなユーザデータ、通信システムパラメータのような報知データ、あるいは受信機200を制御するための制御データが含まれる。変調データ系列118の信号の帯域幅は、第2拡散系列112の信号の帯域幅以下であるとする。また、データ系列生成部108は同期用ヘッダ区間では信号を出力しないものとする。
【0041】
乗算器109は、第2拡散系列112と変調データ系列118とを乗算し、拡散データ系列119を出力する。同期用ヘッダ区間では、データ系列生成部108は変調データ系列118を出力しないことから、乗算器109からの出力は無い。
【0042】
選択部110は、同期用ヘッダ区間では第2拡散系列112を選択して出力し、ペイロード区間では拡散データ系列119を選択して出力する。
【0043】
第1拡散系列111は、第1の実施形態と同様に第1周波数変換部103により中心周波数f1に変換され、第1RF信号115が生成される。一方、選択部110からの選択出力信号120は、第2周波数変換部104により中心周波数f2=f1+Δfに変換され、第2RF信号116が生成される。第1RF信号115及び第2RF信号116は、合成部106によって合成され、送信信号117が生成される。生成された送信信号117は送信アンテナ107に供給され、電波として空間に放射される。
【0044】
<受信機について>
次に、受信機200について詳細に説明する。図16に示されように、第2の実施形態に係る受信機200は、図5に示した周波数変換部202、複素共役演算部203、乗算器204、マッチドフィルタ205、タップ係数設定部206及びピーク検出部207に加えて、RAKE合成部208及び復調部209を有している。周波数変換部202、複素共役演算部203、乗算器204、マッチドフィルタ205、タップ係数設定部206及びピーク検出部207は、基本的に第1の実施形態と同様の動作を行い、受信信号210中の同期用ヘッダ区間を用いて送信機100と受信機200との間のタイミング同期を行う。但し、後続のペイロード区間の受信時も、これらのタイミング同期動作は続けられる。
【0045】
第1拡散系列111や第2拡散系列112は繰り返し送信されているので、引き続きマッチドフィルタ205の出力信号215にはピークが現れる。但し、ペイロード区間では第2拡散系列112にデータ系列118を乗じて送信しているので、データ系列118で変調が掛けられたピークが現れる。そこでこれを復調することで、データ系列を得ることができ、ディジタル化された音声データ、画像データ、文字メッセージのようなユーザデータ、通信システムパラメータのような報知データ、受信機200を制御するための制御データ等を得ることができる。
【0046】
受信信号210には、マルチパスによる複数の反射波を含む複数の到来波が重畳されている可能性がある。マルチパスは、符号分割多元接続(CDMA)信号の送受信時と同様に、マッチドフィルタ205からの出力信号を観測することで推定できる。すなわち、マッチドフィルタ205からの出力信号215にはマルチパスによる遅延プロファイルが現れる。
【0047】
そこで、ピーク検出部207では第1の実施形態と同様にマッチドフィルタ205の出力信号215(相互相関)についてタイミング同期のための基準時間位置(同期位置)のピークを検出することに加えて、同期位置周辺のピークをも検出して、ピーク位置検出信号217を出力する。ピーク位置検出信号217は、マッチドフィルタ205の出力に接続されたRAKE合成部208へ通知される。
【0048】
RAKE合成部208では、マッチドフィルタ205からの出力信号215のうち、ピーク検出部207により通知されたピーク位置検出信号217により示される複数のピーク位置に現れる信号を加算合成する処理、いわゆるRAKE合成処理を行う。このようなRAKE合成処理により、受信信号210に含まれる、マルチパスにより時間方向に分散している到来波の電力をかき集め、受信性能を上げることができる。RAKE合成部208から出力されるRAKE合成信号218は復調部209に入力され、送信機100内のデータ系列生成部108により生成される変調データ系列118の元データ(送信すべきデータ)219が復調再生される。
【0049】
このように第2の実施形態によれば、送信信号117のキャリア周波数を受信機200が知らない状況であっても、受信機200が送信機100との間のタイミング同期を確立し、受信信号210を復調する一連の受信動作を行うことが可能となる。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】無線通信システムの概略を示すブロック図
【図2】第1の実施形態に係る無線送信機を示すブロック図
【図3】図2の無線送信機から放射される送信信号に含まれる第1及び第2RF信号と第1及び第2拡散系列について示す図
【図4】図2の無線送信機から放射される送信信号の周波数スペクトルを示す図
【図5】第1の実施形態に係る無線受信機を示すブロック図
【図6】図5の無線受信機内で生成される受信信号及び変換信号の周波数スペクトルを示す図
【図7】図5の無線受信機内で生成される乗算信号の周波数スペクトルを示す図
【図8】図5の無線受信機内で生成される乗算信号の時間波形を示す図
【図9】マッチドフィルタの効果を示すために行った計算機シミュレーションの結果を示す図
【図10】マッチドフィルタの効果を示すために行った計算機シミュレーションの結果を示す図
【図11】マッチドフィルタの効果を示すために行った計算機シミュレーションの結果を示す図
【図12】比較例の効果を説明するための図
【図13】第2の実施形態における送信信号のフォーマットを示す図
【図14】第2の実施形態に係る無線送信機を示すブロック図
【図15】第2の実施形態に係る無線受信機を示すブロック図
【符号の説明】
【0052】
100・・・無線送信機
107・・・送信アンテナ
101,102・・・拡散系列生成部
103,104・・・周波数変換部
105・・・ローカル発振器
106・・・合成部
107・・・送信アンテナ
108・・・データ系列生成部
109・・・乗算器
110・・・選択部
111,112・・・第1、第2の拡散系列(第1、第2の信号)
113,114・・・ローカル信号
115,116・・・RF信号
117・・・合成信号
118・・・変調データ系列
119・・・拡散データ系列
120・・・選択出力信号
200・・・無線受信機
201・・・受信アンテナ
202・・・周波数変換部
2021・・・ミキサ
2022・・・ローカル発振器
203・・・複素共役演算部
204・・・乗算器
205・・・マッチドフィルタ
206・・・タップ係数設定部
207・・・ピーク検出部
208・・・RAKE合成部
209・・・復調部
210・・・受信信号
211・・・ローカル信号
212・・・変換信号
213・・・複素共役信号
214・・・乗算信号
215・・・マッチドフィルタ出力(相互相関)
216・・・タップ係数
217・・・ピーク位置検出信号
218・・・RAKE合成信号
219・・・復調データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期用の第1の信号を生成するステップと;
前記第1の信号と異なる同期用の第2の信号を生成するステップと;
前記第1の信号及び前記第2の信号の少なくとも一方を周波数変換して所定の周波数差を持つ第1RF信号及び第2RF信号を生成するステップと;
前記第1RF信号及び前記第2RF信号を合成して送信信号を生成するステップと;
前記送信信号を送信するステップと;
前記送信信号を受信して受信信号を得るステップと;
前記受信信号を周波数変換して前記周波数差に相当する周波数だけシフトさせた変換信号を生成するステップと;
前記変換信号に対して複素共役演算を行い、複素共役信号を得るステップと;
前記受信信号と前記複素共役信号とを乗算して乗算信号を得るステップと;
前記第1の信号と前記第2の信号との積と、前記乗算信号との相互相関を算出するステップと;
タイミング同期のための基準時間位置を判定するために前記相互相関のピークを検出するステップと;を具備する無線通信方法。
【請求項2】
同期用の第1の信号を生成するステップと;
前記第1の信号と異なる同期用の第2の信号を生成するステップと;
データ信号を生成するステップと;
前記第2の信号と前記データ信号とを乗算してデータ乗算信号を得るステップと;
前記送信信号の同期用ヘッダ区間では第2の信号を選択し、前記送信信号のペイロード区間では前記データ乗算信号を選択するステップと;
前記第1の信号を周波数変換して第1RF信号を生成するステップと;
前記選択するステップにより選択された信号を周波数変換して前記第1RF信号に対して所定の周波数差を持つ第2RF信号を生成するステップと;
前記第1RF信号及び前記第2RF信号を合成して送信信号を生成するステップと;
前記送信信号を送信するステップと;
前記送信信号を受信して受信信号を得るステップと;
前記受信信号を周波数変換して前記周波数差に相当する周波数だけシフトさせた変換信号を生成するステップと;
前記変換信号に対して複素共役演算を行い、複素共役信号を得るステップと;
前記受信信号と前記複素共役信号とを乗算して乗算信号を得るステップと;
前記第1の信号と前記第2の信号との積と、前記乗算信号との相互相関を算出するステップと;
タイミング同期のための基準時間位置を判定するために前記相互相関のピークを検出するステップと;
前記基準時間位置及びその近傍の複数のピークの時刻に対応する相互相関を合成して合成信号を得るステップと;
前記合成信号を復調して前記データ信号を得るステップと;を具備する無線通信方法。
【請求項3】
独立3:請求項1に対応する無線通信システム
同期用の第1の信号を生成する第1信号生成部と;
前記第1の信号と異なる同期用の第2の信号を生成する第2信号生成部と;
前記第1の信号及び前記第2の信号の少なくとも一方を周波数変換して所定の周波数差を持つ第1RF信号及び第2RF信号を生成する送信周波数変換部と;
前記第1RF信号及び前記第2RF信号を合成して送信信号を生成する合成部と;
前記送信信号を送信する送信ユニットと;
前記送信信号を受信して受信信号を得る受信ユニットと;
前記受信信号を周波数変換して前記周波数差に相当する周波数だけシフトさせた変換信号を生成する受信周波数変換部と;
前記変換信号に対して複素共役演算を行い、複素共役信号を得る演算部と;
前記受信信号と前記複素共役信号とを乗算して乗算信号を得る乗算部と;
前記第1の信号と前記第2の信号との積と、前記乗算信号との相互相関を算出する相関算出部と;
タイミング同期のための基準時間位置を判定するために前記相互相関のピークを検出する検出部と;を具備する無線通信システム。
【請求項4】
同期用の第1の信号を生成する第1信号生成部と;
前記第1の信号と異なる同期用の第2の信号を生成する第2信号生成部と;
前記第1の信号及び前記第2の信号の少なくとも一方を周波数変換して所定の周波数差を持つ第1RF信号及び第2RF信号を生成する送信周波数変換部と;
前記第1RF信号及び前記第2RF信号を合成して送信信号を生成する合成部と;
前記送信信号を送信する送信ユニットと;を具備する無線送信機。
【請求項5】
前記送信周波数変換部は、第1ローカル信号を用いて前記第1の信号を周波数変換して前記第1RF信号を生成する第1の周波数変換部と;前記第1のローカル信号に対して前記周波数差を持つ第2のローカル信号を用いて前記第2の信号を周波数変換して前記第2RF信号を生成する第2の周波数変換部と;を含む請求項4記載の無線送信機。
【請求項6】
データ信号を生成するデータ信号生成部と;
前記第2の信号と前記データ信号とを乗算してデータ乗算信号を得る乗算器と;
前記送信信号の同期用ヘッダ区間では第2の信号を選択し、前記送信信号のペイロード区間では前記データ乗算信号を選択する選択部と;をさらに具備し、
前記送信周波数変換部は、前記第1の信号を周波数変換して前記第1RF信号を生成する第1の周波数変換部と、前記選択部により選択された信号を周波数変換して前記第2RF信号を生成する第2の周波数変換部とを含むことを特徴とする請求項4記載の無線送信機。
【請求項7】
前記第1の信号は第1の拡散系列であり、前記第2の信号は前記第1の拡散系列と異なる第2の拡散系列である請求項4または6のいずれか1項記載の無線送信機。
【請求項8】
前記第1の拡散系列及び前記第2の拡散系列は、いずれもM系列である請求項7記載の無線送信機。
【請求項9】
前記第1の拡散系列及び前記第2の拡散系列は、いずれもCAZAC系列である請求項7記載の無線送信機。
【請求項10】
所定の周波数差を持つ第1RF信号及び第2RF信号が合成された送信信号を受信して受信信号を得る受信ユニットと;
前記受信信号を周波数変換して前記周波数差に相当する周波数だけシフトさせた変換信号を生成する受信周波数変換部と;
前記変換信号に対して複素共役演算を行い、複素共役信号を得る演算部と;
前記受信信号と前記複素共役信号とを乗算して乗算信号を得る乗算部と;
前記第1の信号と前記第2の信号との積と、前記乗算信号との相互相関を算出する相関算出部と;
タイミング同期のための基準時間位置を判定するために前記相互相関のピークを検出する検出部と;を具備する無線受信機。
【請求項11】
前記受信周波数変換部は、前記周波数差に相当する周波数のローカル信号を生成するローカル信号源と;前記ローカル信号を用いて前記受信信号を周波数変換するミキサと;を含む請求項10記載の無線受信機。
【請求項12】
前記相関算出部は、前記第1の信号と前記第2の信号との積がタップ係数として設定され、前記乗算信号が入力されるマッチドフィルタを含み、該マッチドフィルタにより前記相互相関を求める請求項10記載の無線受信機。
【請求項13】
請求項5記載の無線送信機から送信される送信信号を受信して受信信号を得る受信ユニットと;
前記受信信号を周波数変換して前記周波数差に相当する周波数だけシフトさせた変換信号を生成する受信周波数変換部と;
前記変換信号に対して複素共役演算を行い、複素共役信号を得る演算部と;
前記受信信号と前記複素共役信号とを乗算して乗算信号を得る乗算部と;
前記第1の信号と前記第2の信号との積と、前記乗算信号との相互相関を算出する相関算出部と;
タイミング同期のための基準時間位置を判定するために前記相互相関のピークを検出する検出部と;
前記基準時間位置及びその近傍の複数の前記相互相関のピークの位置に対応する相互相関を合成して合成信号を得るRAKE合成部と;
前記合成信号を復調して前記データ信号を得る復調部と;を具備する無線受信機。
【請求項14】
前記受信周波数変換部は、前記周波数差に相当する周波数のローカル信号を生成するローカル信号源と;前記ローカル信号を用いて前記受信信号を周波数変換するミキサと;を含む請求項13記載の無線受信機。
【請求項15】
前記相関算出部は、前記第1の信号と前記第2の信号との積がタップ係数として設定され、前記乗算信号が入力されるマッチドフィルタを含み、該マッチドフィルタにより前記相互相関を求める請求項13記載の無線受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−81361(P2010−81361A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248327(P2008−248327)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】