説明

無線通信方法

【課題】回路規模の大きさを抑え、消費電力を減少させる端末を提供する。
【解決手段】周波数帯域で分割した複数のキャリアについて時間帯域で分割したスロットをチャネルとして利用して基地局と複数の端末とが通信する無線通信方法であって、基地局は、端末に、キャリア及びスロットの少なくとも一方を含むチャネルを監視範囲として指定する監視情報を通知し、端末は、監視情報を受信し、端末は、受信した監視情報に含まれる監視範囲に該当するか否かに基づいて、監視範囲に対応する信号の受信処理をするか、受信処理を停止するかを制御し、端末は、監視範囲の信号に基づく伝搬路状況の推定結果を基地局に送信し、基地局は、推定結果に基づいて、パケット送信を行うべきキャリア及びスロットの少なくとも一方を含むチャネルを割り当て、基地局は、割り当てられたチャネルにより、端末へパケット送信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信基地局及び無線通信端末からなる移動体無線通信システム関し、特にパケットスケジューリングを行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
cdma2000 1x-EV DO方式の下り方向(基地局から移動局への方向)の通信では、基地局は、時間を1/600秒単位(スロット)に分割し、ある周波数の1つのスロット(チャネル)では1つの端末だけと通信を行い、通信する端末をチャネルごとに切り替えて複数の端末と通信する。
【0003】
端末は、基地局のパイロット信号を受信して、そのパイロット信号からチャネルの伝搬路状況を推定し、伝搬路状況の推定結果(伝搬路情報)を基地局に送信する。基地局は、受信した伝搬路情報に応じて、どの端末に次のチャネルを割り当て、パケットを送信するかを決定する。このようなチャネルの割り当てをパケットスケジューリングという。図30を用いてパケットスケジューリングについて説明する。
【0004】
図30は、従来技術のチャネルのスケジュール表であり、縦軸は時間、横軸は周波数を表す。周波数帯域はF1からF4までのキャリア(搬送波)に分割し、時間帯域は所定の時間をS1からS8までのスロットに分割して、時間と周波数に分割されるチャネルを構成する。
【0005】
端末Aは、通信するキャリアF1〜F4を決定する。具体的には、端末Aは、端末AのSRAMに記憶された基準となる第1のキャリアを監視し、ブロードキャスト情報からその第1のキャリアが他の端末で満杯か否かを判定する。第1のキャリアが満杯でないときは、端末Aは、基地局に自らの制御情報を送って位置登録をする。
【0006】
一方、第1のキャリアが満杯のときは、端末Aは、異なる第2のキャリアを監視する。同様に第2のキャリアが満杯のときは第3のキャリアを監視することによって、端末Aは通信するキャリアを決定する。
【0007】
ここでは、端末Aは、キャリアF1で通信することを決定する。そして端末Aは、キャリアF1のスロットS1〜スロットS8ごとの伝搬路状況を推定し、基地局に伝搬路情報を送信する。基地局は、前述したように各端末からの伝搬路情報に応じてチャネルを割り当てる。基地局は、端末AのスロットS3の伝搬路状況が良好と判定し、端末AにキャリアF1のスロットS3のチャネルを割り当てる(スケジューリングする)。
【0008】
ここで、端末Aが通信するキャリアは複数であってもよい。例えば特許文献1には、端末Aが複数のキャリアを用いて通信する技術の記載がある。図31を用いて説明する。
【0009】
図31は、従来技術におけるチャネルのスケジュール表であり、縦軸は時間、横軸が周波数を表す。
【0010】
基地局は、F1からF8までのキャリアを使用して複数の端末と通信する。ここでは、基地局と端末Aとは、低レートの通信を行う。
【0011】
まず、基地局は、端末Aと3つのキャリアを割り当てて通信することを決める。基地局は、割り当てるキャリアの互いの周波数の差が所定値以上となるように、端末Aには複数のキャリアF1、F4及びF8が割り当てられることがある。以後、基地局は、端末AにキャリアF1、キャリアF4及びキャリアF8を使ってパケットを送信する。
【0012】
このとき端末Aは、基地局にキャリアF1、F4、F8のスロットS1〜S8ごとにチャネルの伝搬路情報を送信する。基地局は、各端末からのチャネルの伝搬路情報に応じてスケジューリングする。基地局は、キャリアF1のスロットS3のチャネル、キャリアF4のスロットS4のチャネル及びキャリアF8のスロットS7のチャネルの伝搬路状況が良好と判定し、端末Aにスケジューリングする。そして基地局は、端末Aにスケジューリングしたチャネルでパケットを送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2003−9240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前述した従来技術によると、割り当てるキャリアの周波数の差が所定値以上となる複数のキャリアを割り当てるので、端末は広い周波数帯域を観測する必要がある。よって端末は、複数のRF部を持つか、又は広帯域のRF部を持ち、ベースバンド部でキャリアごとに分割する必要ある。このため、端末は、回路規模が大きくなり、更に消費電力も増加する。
【0015】
本発明は、端末の回路規模の大きさを抑え、消費電力を減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、周波数帯域で分割した複数のキャリアについて時間帯域で分割したスロットをチャネルとして利用して基地局と複数の端末とが通信する無線通信方法であって、前記基地局は、前記端末に、前記キャリア及び前記スロットの少なくとも一方を含むチャネルを監視範囲として指定する監視情報を通知し、前記端末は、前記監視情報を受信し、前記端末は、前記受信した監視情報に含まれる監視範囲に該当するか否かに基づいて、前記監視範囲に対応する信号の受信処理をするか、前記受信処理を停止するかを制御し、前記端末は、前記監視範囲の信号に基づく伝搬路状況の推定結果を前記基地局に送信し、前記基地局は、前記推定結果に基づいて、パケット送信を行うべきキャリア及びスロットの少なくとも一方を含むチャネルを割り当て、前記基地局は、前記割り当てられたチャネルにより、前記端末へパケット送信を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、端末の消費電力を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態の無線通信システムのシステム構成図である。
【図2】第1の実施の形態の基地局のブロック図である。
【図3】第1の実施の形態の端末のブロック図である。
【図4】第1の実施の形態の特定のキャリアの信号を取り出す過程におけるスペクトルを表す。
【図5】第1の実施の形態の端末Aが受信能力を通知する場合のチャネルセットの割り当て処理のシーケンス図である。
【図6】第1の実施の形態のチャネルセット割り当て処理で実行されるパケットスケジューリング処理のシーケンス図である。
【図7】第1の実施の形態において、周波数についてチャネルセットを割り当てる場合のチャネルのスケジュール表である。
【図8】第1の実施の形態のチャネルのタイミングチャートである。
【図9】第1の実施の形態のスケジューリング処理のフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態のスケジューリング処理後の基地局の処理のフローチャートである。
【図11】第1の実施の形態において、伝搬路状況推定処理のフローチャートである。
【図12】第1の実施の形態において、スケジューリング結果の受信処理のフローチャートである。
【図13】第1の実施の形態において、パケット受信処理のフローチャートである。
【図14】第1の実施の形態の端末Aが受信能力の変更を通知する場合のチャネルセットの割り当てのシーケンス図である。
【図15】第1の実施の形態の基地局が主導する場合のチャネルセットのシーケンス図である。
【図16】第1の実施の形態において、時間についてチャネルセットを割り当てる場合のチャネルのスケジュール表である。
【図17】第1の実施の形態において、時間についてチャネルセットを割り当てるときでスケジューリング結果を通知する場合のチャネルのタイミングチャートである。
【図18】第1の実施の形態において、時間についてチャネルセットを割り当てる場合の伝搬路状況推定処理のフローチャートである。
【図19】第1の実施の形態において、時間についてチャネルセットを割り当てる場合のスケジューリング結果の受信処理のフローチャートである。
【図20】第1の実施の形態において、時間についてチャネルセットを割り当てる場合のパケット受信処理のフローチャートである。
【図21】第1の実施の形態において、周波数及び時間についてチャネルセットを割り当てる場合のチャネルのスケジュール表である。
【図22】第1の実施の形態のキャリアの伝搬路状況を表すグラフである。
【図23】第2の実施の形態のパケットスケジューリング処理を示すシーケンス図である。
【図24】第2の実施の形態のチャネルのタイミングチャートである。
【図25】第2の実施の形態において、時間についてチャンネルセットを割り当てるときでスケジューリング結果を通知しない場合のチャネルのタイミングチャートである。
【図26】第3の実施の形態の基地局200のブロック図である。
【図27】第3の実施の形態のチャネルセットのシーケンス図である。
【図28】第4の実施の形態の端末のブロック図である。
【図29】第4の実施の形態の特定のキャリアの信号を取り出す過程におけるスペクトルを表す。
【図30】従来技術のチャネルのスケジュール表である。
【図31】特許文献1のチャネルのスケジュール表である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態の無線通信システムの構成図である。
【0021】
本実施の形態の無線通信システムは、基地局200、端末A201(A)、端末B201(B)、端末C201(C)、端末D201(D)及び端末E201(E)によって構成される。端末A201(A)、端末B201(B)、端末C201(C)、端末D201(D)及び端末E201(E)は、基地局200と通信可能な領域内にある。
【0022】
すべての端末201は、基地局200のパイロット信号を受けて、下り(基地局→端末)の伝搬路状況を推定し、基地局200に推定した伝搬路状況の結果(伝搬路情報203)を送信する。基地局200は、端末201からの伝搬路情報203に応じて、スケジューリングを行う。基地局200は、スケジューリングに従って、端末201にパケットを送信する(204)。
【0023】
図2は、第1の実施の形態の基地局200のブロック図である。
【0024】
アンテナ207は、端末201と信号を送信又は受信する。サーキュレータ208は、アンテナ207の受信した信号を受信部209に送り、送信部215が生成した送信信号をアンテナ207に送る。
【0025】
受信部209は、高周波及び中間周波数における増幅、検波等の処理を行い、無線信号をベースバンド信号に変換する。その後、ベースバンド信号の復調、復号化及び誤り訂正処理を行う。そして、アンテナからの信号が、端末の受信能力情報(MSAI)であった場合には、その情報をチャネル条件制御部210に送り、伝搬路状況情報(CSI)であった場合には、その情報をスケジューラ213に送り、ユーザデータであった場合には、そのデータをネットワークインターフェース部211を通じて送る。
【0026】
チャネル条件制御部210は、端末の受信能力情報に基づいて、後述するようにチャネルセットを割り当て、割り当てたチャネルセットの情報(CCI)を蓄積する。更に、必要に応じてスケジューラ213にチャネルセットの情報を送る。
【0027】
情報蓄積部212は、端末のユーザデータ及び端末に送信する信号をネットワークからネットワークインターフェース部211を通じて取得し、蓄積する。また、情報蓄積部212は、端末の過去の平均伝送レート等を用いて端末の管理情報(TD)を作成し、蓄積する。更に、情報蓄積部212は、蓄積した端末のユーザデータ及び端末に送信する信号を変調器214に送る。
【0028】
スケジューラ213は、伝搬路情報及び端末の管理情報を参照して、チャネルセットの情報に基づいてスケジューリングを行う。そしてスケジューラ213は、スケジューリングしたパケットの送信のタイミングに対応して端末の符号化の情報(MI)や信号を送信するキャリアの情報(F/S)等を情報蓄積部212及び変調器214に送る。
【0029】
制御信号生成器216は、送信部215を制御する情報を生成し、変調器214に送る。
【0030】
変調器214は、端末に送信する信号をスケジューラからの端末の符号化の情報や送信するキャリアの情報等を基に符号化する。更に、制御信号生成器216からの制御情報との多重化を行う。そして、変調器214は、送信部215にこの多重化した信号を送る。送信部215は、この信号をRF信号に変換し、サーキュレータ208を通じてアンテナ207から端末201に送信する。
【0031】
図3は、第1の実施の形態の端末のブロック図であり、通信方式がFDMA方式の場合の構成を示す。
【0032】
アンテナ233は、基地局200と信号を送信又は受信する。サーキュレータ217は、アンテナ233の受信した信号を無線受信部218に入力し、無線送信部228が生成した送信信号をアンテナ233に入力する。
【0033】
受信RF部230は、無線受信部218、フィルタ219、A/D変換器220及び発信器231によって構成される。
【0034】
発信器231は、特定の周波数の高周波信号(局部発振信号)を生成し、無線受信部218に入力する。無線受信部218は、局部発振信号を用いて、基地局200からの信号の周波数を変換する。
【0035】
フィルタ219は、周波数を変換した基地局200からの信号以外の不要周波数成分を除去する。また、フィルタ219は、データ伝送レートが異なる信号ごとに(信号の帯域幅に応じて)フィルタを使い分けるため(例えば、通話サービスとブロードバンド通信サービスとで異なるフィルタを使う場合)に、取り出す周波数の幅が異なるフィルタ219を切り替えることができてもよい。A/D変換器220は、フィルタからの信号をデジタル信号に変換する。
【0036】
ベースバンド処理部229は、フィルタバンク221、復調器222、選択部223及びチャネル状態測定部224によって構成される。
【0037】
フィルタバンク221は、それぞれのキャリアにあったフィルタを用いて、デジタル変換した信号からそれぞれのキャリアの信号を抽出する。更にフィルタバンク221は、抽出したキャリアごとの信号を復調器222及びチャネル状態測定部224に送る。
【0038】
復調器222は、送られてきたキャリアごとの信号をそれぞれ復調する。選択部223は、復調した信号から宛先情報を取り出し、宛先が自己の端末であれば、CPU225に信号を送る。一方、宛先が自己の端末でなければ、信号を廃棄する。
【0039】
他方、チャネル状態測定部224は、それぞれのキャリアの信号に挿入されているパイロット信号から伝搬路の状況(S/I)を推定する。ただし、伝搬路の状況を推定するキャリアは、後述するようにチャネルセットで割り当てられたキャリアだけでよい。それ以外のキャリアのチャネルでは、パケットが送信されないからである。
【0040】
なお、端末201がデータ伝送レートまで求める場合は、チャネル状態測定部224は、伝搬路情報とデータ伝送レートとが関連づけられたテーブルを参照して、データ伝送レートを求める。
【0041】
CPU225は、受信機201全体を制御しており、基地局211と情報の受信又は送信を制御する。更にCPU225には、タイマーが設置されていてもよい。タイマーは、受信機の動作/休止時間を管理する。CPU225は、休止時間では、RF部230、ベースバンド処理部229及び信号送信部234への電力を遮断するように制御する。一方、CPU225は、動作時間に切り替わる直前に、RF部230、ベースバンド処理部229及び信号送信部234に電力を供給するように制御する。
【0042】
信号送信部234は、変調部226、D/A変換器227及び無線送信部228によって構成される。
【0043】
変 調部226は、CPU225から入力された基地局に送信する情報、送信するキャリアの情報(CI)及びユーザID(UI)並びにチャネル状態測定部224から入力された伝搬路状況(CSI)から変調信号を作成する。D/A変換器227は、変調器226で作成した変調信号をアナログ信号に変換する。更に無線送信部228は、アナログ変換した信号を基地局に送信するキャリアの周波数に変換し、必要な電力まで増幅する。増幅された信号は、サーキュレータ217を通じてアンテナ233から基地局200に送信される。
【0044】
図4は、第1の実施の形態の特定のキャリアの信号を取り出す過程におけるスペクトルを表す。
【0045】
アンテナ233は、図4(a)のようなスペクトルの信号を受信する。アンテナ233が受信した信号は、すべてのキャリアに信号が存在する。
【0046】
この信号は、図4(b)の太線で表されるフィルタ219によって端末が必要なキャリアを取り出す。具体的には、フィルタ219は、後述するように、割り当てられたチャネルセットのすべてのキャリアを含むように信号を取り出す。よって、フィルタ219の出力は複数のキャリアが含まれる広帯域信号(例えば、本実施の形態では3つのキャリアが含まれる帯域信号)である。
【0047】
フィルタが取り出した信号は、図4(c)である。フィルタバンク221は、図4(c)の太線で示すようなそれぞれのキャリアに適合したフィルタを有しており、それぞれのキャリアごとに信号を取り出す。その取り出したキャリアごとの信号のうちの一つのスペクトルが図4(d)である。
【0048】
図5は第1の実施の形態の端末Aが受信能力を通知する場合のチャネルセットの割り当て処理のシーケンス図である。
【0049】
受信能力とは、端末A201(A)が基地局200と通信する能力であり、例えば端末A201(A)の最高通信レートである。
【0050】
以下では、端末A201(A)が利用可能な帯域が狭く、低レートの端末である場合を例に挙げ説明する。
【0051】
まず、端末A201(A)は、基地局200に制御チャネルを使って受信能力を通知する(309)。例えば、端末A201(A)に電源を入れた場合や端末A201(A)が基地局200と通信を開始する場合等が考えられ、端末A201(A)が主導してチャネルセットを割り当てる場合に実行される。
【0052】
基地局200は、端末A201(A)の受信能力を受信し(310)、その受信能力を満たすようにチャネルセットを割り当てる。チャネルセットとは、詳しくは後述するが、周波数軸上で連続するキャリアからなるサブバンド及び/又は時間軸上で連続するスロットからなるサブフレームからなる複数のチャネルである。
【0053】
基地局200は、端末A201(A)に、制御チャネルを使って、割り当てたチャネルセットを通知する(312)。そして、基地局200は、以後の端末A201(A)との通信において、割り当てたチャネルセットだけを対象としてパケットスケジューリングを行う(300)。パケットスケジューリングの方法は、後述するが、スケジューリング結果を端末A201(A)に通知する方法と通知しない方法がある。
【0054】
端末A201(A)は、チャネルセットの通知を受信すると(313)、以後の通信において、割り当てられたチャネルセットだけを監視し、基地局200からのパケットを受信する。
【0055】
図6は、チャネルセット割り当て処理(図5)のステップ300で実行されるパケットスケジューリング処理のシーケンス図であり、スケジューリングの結果を通知する場合である。
【0056】
基地局200は、通信可能な領域内に対してパイロット信号を一定のタイミングで送信する。
【0057】
端末A201(A)は、基地局200からのパイロット信号を受信して、そのパイロット信号からチャネルの伝搬路状況を推定する(301)。伝搬路状況は、例えばRSSI(受信電界強度)やCIR(希望波妨害波比)から推定する。
【0058】
端末A201(A)は、基地局200に推定した伝搬路状況の結果(伝搬路情報)を送信する(302)。基地局200は、チャネルの伝搬路情報を受信し(303)、この伝搬路情報に基づいてパケットを送信するチャネルの割り当て(スケジューリング)をする(304)。このスケジューリングは、基地局200が後述する評価関数を演算し、評価関数の最も高い端末にチャネルを割り当てる。そして基地局200は、端末A201(A)にスケジューリングの結果を通知する(305)。
【0059】
端末A201(A)は、スケジューリングの結果を受信する(306)。そして端末A201(A)は、スケジューリングの結果から、基地局200がパケットを送信するチャネルで受信待ちをする。
【0060】
基地局200は、スケジューリングしたチャネルでパケットを送信し(307)、端末A201(A)はそのパケットを受信する(308)。
【0061】
図7は、第1の実施の形態において、周波数についてチャネルセットを割り当てる場合のチャネルのスケジュール表であり、縦軸は時間、横軸は周波数を表す。
【0062】
基地局200はF1からF8までのキャリアを利用して複数の端末201と通信する。端末A201(A)と基地局200とは、低レートの通信を行うので、すべてのキャリアを利用して通信する必要はない。
【0063】
そこで、基地局200は、端末A201(A)に周波数が連続する三つのキャリアF6からF8を含むチャネルセットを割り当てる。ここで、キャリアF6からキャリアF8のように周波数が連続する複数のキャリアを合わせてサブバンドという。チャネルセットの割り当ては、端末201と基地局200とのデータ伝送レートによって通信するキャリアの数を決めて割り当てる。
【0064】
基地局200は、端末A201(A)にその他のキャリアF1〜F5をスケジューリングせず、割り当てたチャネルセットでパケットを送信する。よって、端末A201(A)は、割り当てられたチャネルセットのサブバンド101(キャリアF6〜F8)だけを監視する。
【0065】
具体的には、基地局200は、端末A201(A)に、キャリアF7のスロットS3のチャネル、キャリアF6のスロットS4のチャネル及びにキャリアF8のスロットS7のチャネルをスケジューリングして、パケットを送信する。
【0066】
図8は、第1の実施の形態のチャネルのタイミングチャートである。図のハッチング部分は、基地局200と端末A201(A)との通信が行われるタイミングを示す。
【0067】
基地局200は、パイロット信号(Pilot)を送信する(500)。端末A201(A)は、パイロット信号を受信し、受信したパイロット信号から伝搬路状況を推定する。そして端末A201(A)は、基地局200にパイロット信号を受信した次のスロットで伝搬路情報(CSI)を送信する(501)。
【0068】
基地局200は、伝搬路情報を受信し、スケジューリングを行う。そして基地局200は、端末A201(A)に伝搬路情報を受信した次のスロットでスケジューリングの結果(RI)を送信する(502)。ここで基地局200は、スケジューリングの結果を送信することによって発生するオーバヘッドの削減のため、拡散率を上げて送信電力を小さくして送信するか、又は間欠送信で送信時間を短くして送信する。
【0069】
そして基地局200は、端末A201(A)にスケジューリングしたタイミングでデータ(Data)を送信する(503)。
【0070】
図9は、第1の実施の形態のスケジューリング処理のフローチャートであり、基地局200において実行される。
【0071】
基地局200は、複数あるキャリアから1つのキャリアを選択する(401)。次に基地局200は、チャネル条件制御部210を参照して、選択したキャリアに割り当てられている端末201を特定する(402)。チャネル条件制御部210は、基地局200と通信するすべての端末201のチャネルセットの割り当てを行い、割り当てたチャネルセットを記憶している。
【0072】
基地局200は、特定したすべての端末について、選択したキャリアの伝搬路情報を受信し、評価関数を演算する(403)。
【0073】
評価関数の演算には、例えばプロポーショナルフェアネスを使い、数式1によって演算する。
【0074】
【数1】

【0075】
ここで、DRCとは、端末201からの伝搬路情報に基づくデータ伝送レートである。基地局200は、端末201からの伝搬路情報を受信すると、伝搬路情報とDRCとが関連づけられたテーブルを参照して、当該端末201のDRCを得る。ただし、基地局200は、端末201が所定のテーブルを参照して求めたDRCを受信してもよい。
【0076】
基地局200は、DRCを該当端末201の今までの平均データ伝送レート(R)で除算する。この値が評価関数であり、DRCがこれまでの平均伝送レートに比べて高いか低いかが判定できる。基地局200は、この評価関数を割り当ての基準とすることによって、すべての端末201に公平性を保ちながらスケジューリングすることが可能となる。
【0077】
基地局200は、ステップ402で特定したすべての端末201の評価関数を比較し、評価関数が最も高い端末201を選択して、当該端末201にスケジューリングする(404)。このような動作によって基地局200は、選択したキャリアのスケジューリングを完了する。基地局200は、すべてのキャリアについて選択したかを判断し、選択していない場合には、選択していないキャリアのスケジューリングを行う(405)。すべてのキャリアを選択すれば、このスロットに関するスケジューリングは完了となる。
【0078】
図10は、第1の実施の形態のスケジューリング処理後の基地局200の処理のフローチャートである。
【0079】
基地局200は、複数あるキャリアから1つのキャリアを選択する(406)。次に基地局200は、選択したキャリアのスケジューリングを使って、パケットを送信する端末201のID及びデータ伝送レート等の情報を取得する(407)。
【0080】
更に基地局200は、情報蓄積部212を使って、端末201に送信するデータ及び選択したキャリアの情報を取得する(408)。ここで、送信するデータ量がデータ伝送レートに依存するため、スケジューラ213は、変調器214にデータ伝送レートを指示する(409)。指示された変調器214は、情報蓄積部212に単位時間あたりの変調器214に送る情報量を指示する。
【0081】
基地局200は、すべてのキャリアについて選択したかを判断し、選択していない場合には、選択していないキャリアでのパケットの送信の準備を行う(405)。すべてのキャリアを選択すれば、このスロットに関するパケットの送信の準備は完了となる。
【0082】
基地局200は、これらの情報から、スケジューリングした端末201に選択したキャリアのチャネルでデータを送信する。このとき、基地局200は、適当な変調方式で変調して端末201にデータを送信する。
【0083】
図11は、第1の実施の形態において、伝搬路状況推定処理のフローチャートであり、端末A201(A)において実行される。
【0084】
この伝搬路状況推定処理は、スロットごとのタイミングで発生する割り込みによって起動し、実行される。まず、端末A201(A)は、基地局200から受信する情報があるか否かを判定する(411)。すなわち、基地局と接続状態であるか否かを判定する。端末A201(A)は、受信する情報がない場合には、このスロットでの処理を終了する。一方、端末A201(A)は、受信する情報がある場合には(接続状態にある場合には)、割り当てられたチャネルセットのキャリアを観測できるように設定されたハードウェアを使って、割り当てられたキャリアのパイロット信号を受信する(412)。
そして端末A201(A)は、受信したパイロット信号から割り当てられたキャリアの伝搬路状況を推定する(413)。ここで端末A201(A)は、推定した伝搬路状況から、伝搬路状況とDRCとが関連づけられたテーブルを参照してデータ伝送レートを求めてもよい。端末A201(A)は、割り当てられたキャリアの伝搬路状況の推定結果(伝搬路情報)又はデータ伝送レートを基地局200に送信する。
【0085】
図12は、第1の実施の形態において、スケジューリング結果の受信処理のフローチャートであり、端末A201(A)で実行される。
【0086】
端末A201(A)は、伝搬路情報を送信した後、基地局200からスケジューリングの結果が送信されているか否かを判定する(414)。スケジューリング結果が基地局200から送信されていない場合には、このスケジューリング結果受信処理を終了する。一方、端末A201(A)は、スケジューリングの結果が基地局から送信されている場合には、受信したスケジューリングの結果から割り当てられたチャネルセットのキャリアのスケジューリングを調べる(415)。
【0087】
端末A201(A)は、基地局200が端末A201(A)に割り当てられたキャリアでパケットを送信するか否かを判定する(416)。基地局200からパケットが送信されない場合には、端末A201(A)は、このスケジューリング結果受信処理を終了する。一方、基地局200からパケットが送信される場合には、端末A201(A)は、スケジューリング結果に基づいて該当するスロット及び該当するキャリアのチャネルでパケットの受信の予約をする(417)。
【0088】
図13は、第1の実施の形態において、パケット受信処理のフローチャートであり、端末A201(A)で実行される。
【0089】
この受信処理は、スロット毎のタイミングで発生する割り込みによって起動し、実行される。まず、端末Aは、ステップ417によって予約されたスケジューリングを確認し、受信する情報があるか否かを判定する(418)。端末A201(A)は、受信する情報がない場合には、このスロットでのパケット受信処理を終了する。一方、端末A201(A)は、受信する情報がある場合には、スケジューリングされたチャネルでパケットを受信する(419)。
【0090】
以上、端末の電源が投入され、端末が動作を開始した場合に実行されるパケットスケジューリングについて説明したが、同様のパケットスケジューリングは、端末201が受信能力の変更を通知した場合(図14)にも行われる。
【0091】
図14は、第1の実施の形態の端末A201(A)が受信能力の変更を通知する場合のチャネルセットの割り当てのシーケンス図である。
【0092】
端末A201(A)の受信能力の変更とは、例えば音声通話からブロードバンド通信に変更したときのような、端末A201(A)のデータ伝送レートの変更である。
【0093】
端末A201(A)は、基地局200に制御チャンネルを使って受信能力の変更を通知する(314)。
【0094】
基地局200は、端末Aの受信能力の変更を受信し(315)、その変更された受信能力を満たすチャネルセットを割り当てる(311)。基地局200は、端末A201(A)に割り当てたチャネルセットを制御チャネルを使って通知する(312)。そして、基地局200は、割り当てたチャネルセットだけを対象としてパケットスケジューリングを行う(300)。
【0095】
端末A201(A)は、チャネルセットの通知を受信する(313)。すると端末A201(A)は、以後の通信において、割り当てられたチャネルセットだけを監視し、基地局200からのパケットを受信する。
【0096】
チャネルセットの通知を受けた端末A201(A)は、発信器231から出力される局部発振周波数を変更する。また、受信する信号によって帯域も変える端末A201(A)の場合では、帯域制限フィルタ219の切替えやA/D変換器220に供給するサンプリングクロックも変更する。更に端末A201(A)のフィルタバンク221では、観測に用いるフィルタの数を変更する。
【0097】
ここまで、第1の実施の形態として、チャネルセットの割り当てを端末201が主導する場合について説明したが、チャネルセットの割り当てを基地局200が主導することもできる。
【0098】
図15は、第1の実施の形態の基地局200が主導する場合のチャネルセットのシーケンス図である。
【0099】
基地局200は、チャネルごとの利用率を測定し、チャネル偏差を検出する(316)。チャネル偏差とは、チャネルの利用率の偏りであり、チャネル偏差が大きいとチャネルの利用効率が低下する。
【0100】
基地局200は、チャネル偏差が少なくなるように任意の端末201のチャネルセットを割り当てる(311)。例えば、基地局200は、端末A201(A)にチャネルセットの変更を通知する(312)。端末A201(A)は、チャネルセットの通知を受信する(313)。そして、基地局200は、割り当てたチャネルセットだけを対象としてパケットスケジューリングを行う(300)。
【0101】
端末A201(A)は、チャネルセットの通知を受信する(313)。すると端末A201(A)は、以後の通信において、割り当てられたチャネルセットだけを監視し、基地局200からのパケットを受信する。
【0102】
ここまでは、周波数についてチャネルセットを割り当てる実施の形態を説明したが、第1の実施の形態においては、時間についてチャネルセットを割り当てることもできる。
【0103】
図16は、第1の実施の形態において、時間についてチャネルセットを割り当てる場合のチャネルのスケジュール表であり、縦軸は時間、横軸は周波数を表す。
【0104】
基地局200は、すべての端末201にスロットS1〜S8からなるフレーム全体を使ってパケットを送信する。基地局200と端末A201(A)とが低レートの通信を行う場合、基地局200が、端末A201(A)に図11では通信するキャリアを割り当てたが、通信する時間(スロット)を割り当てて消費電力を低減することもできる。
【0105】
基地局200は、端末A201(A)に時間的に連続する2つのスロットS2及びS3を含むチャネルセットを割り当てる。ここで、S2及びS3のように時間的に連続する複数のスロットの集まりをサブフレーム102という。
【0106】
基地局200は、端末A201(A)に、割り当てたチャネルセットのスロットでパケットを送信する。具体的には、はじめのフレームで基地局200は、端末A201(A)に、キャリアF3のスロットS2のチャネル及びキャリアF1のスロットS3のチャネルでパケットを送信する。次のフレームで基地局200は、端末A201(A)に、キャリアF6のスロットS2のチャネル及びキャリアF8のスロットS3のチャネルでパケットを送信する。
【0107】
このとき、端末A201(A)は、割り当てられていないスロット(S1及びS4〜S8)では必要のない回路を動作させないことによって、消費電力を削減できる。
【0108】
なお、端末A201(A)は、動作を開始するときに初期設定等のオーバヘッド処理を行う必要があり、連続していないスロットが割り当てられると、割り当てられたスロットごとに初期設定等に必要な電力を消費する。このような電力の消費を減らすために、基地局200は、端末A201(A)に連続したスロットを割り当てている。つまり、端末A201(A)は、スロットS2では初期設定が必要となるが、スロットS3では初期設定が不要となり連続するスロットを割り当てることによって消費電力が減少する。
【0109】
図17は、第1の実施の形態において、時間についてチャネルセットを割り当てるときでスケジューリング結果を通知する場合のチャネルのタイミングチャートである。太線で囲った部分は、基地局200と端末A201(A)とが互いに関連するスロットである。また、ハッチング部分は、基地局200が端末A201(A)にパケットを送信したスロット514である。
【0110】
端末A201(A)は、時間についてチャネルセットの割り当てがされたため、チャネルセットのサブフレーム513でしかパケットを受信しない。そこで端末A201(A)は、サブフレーム513から所定のスロットの数(6スロット)だけ前のパイロット信号510を用いて伝搬路状況を推定する。
【0111】
端末A201(A)は、基地局200にパイロット信号510を受信した次のスロットで伝搬路状況の推定結果(伝搬路情報)を送信する(511)。基地局200は、伝搬路情報によってスケジューリングを行い、端末A201(A)にスケジューリングの結果を送信する(512)。基地局200は、端末A201(A)にスケジューリングに従ってデータを送信する(514)。
【0112】
図18は、第1の実施の形態において、時間についてチャネルセットを割り当てる場合の伝搬路状況推定処理のフローチャートであり、前述した図11の処理に代わって端末A201(A)で実行される。
【0113】
この伝搬路状況推定処理は、スロットごとのタイミングで発生する割り込みによって起動し、実行される。まず、端末A201(A)は、パイロット信号の受信タイミングであるか否かを判定する(420)。パイロット信号を受信するタイミング(例えば、図17の510)は、割り当てられたチャネルセットのサブフレーム(例えば、図17の513)に対して所定の時間(6スロット)だけ前のタイミングである。
【0114】
端末A201(A)は、パイロット信号を受信するタイミングでない場合には、この伝搬路状況推定処理を終了する。一方、パイロット信号を受信するタイミングであれば、更にこのスロットで受信する情報があるかを否かを判定する(421)。
【0115】
その判定の結果、端末A201(A)は、受信する情報がない場合には、この伝搬路状況推定処理を終了する。一方、端末A201(A)は受信する情報がある場合には、割り当てられたキャリアのパイロット信号を受信する(422)。受信したパイロット信号から割り当てられたキャリアの伝搬路状況を推定する(423)。
【0116】
図19は、第1の実施の形態において、時間についてチャネルセットを割り当てる場合のスケジューリング結果の受信処理のフローチャートであり、前述した図12の処理に代わって端末A201(A)で実行される。
【0117】
端末A201(A)は、伝搬路情報を送信した後、基地局200からスケジューリングの結果の受信するタイミングであるか否かを判定する(424)。スケジューリングの結果の受信タイミング(例えば、図17の512)とは、送信した伝搬路情報のスロット(図17の511)から所定の時間(1スロット)だけ後のタイミングである。
【0118】
端末A201(A)は、スケジューリングの結果の受信タイミングでない場合には、このスケジューリング結果受信処理を終了する。一方、スケジューリングの結果の受信タイミングである場合には、スケジューリングの結果を受信し、割り当てられたキャリア(周波数についてチャネルセットを割り当てていない場合にはすべてのキャリア)のスケジューリングを調べる(426)。
【0119】
端末A201(A)は、割り当てられたキャリアで基地局200がパケットを送信するか否かを判定する(427)。基地局200からパケットが送信されない場合には、端末A201(A)は、このスケジューリング結果受信処理を終了する。一方、基地局200からパケットが送信される場合には、端末A201(A)は、スケジューリング結果に基づいて該当するスロット及び該当するキャリアのチャネルでパケットの受信の予約をする(428)。
【0120】
図20は、第1の実施の形態において、時間についてチャネルセットを割り当てる場合のパケット受信処理のフローチャートであり、前述した図13の処理に代わって端末A201(A)で実行される。
【0121】
この受信処理は、スロット毎のタイミングで発生する割り込みによって起動し、実行される。まず、端末A201(A)は、スロットが割り当てられたチャネルセットのサブフレーム(例えば、図17の513)であるか否かを判定する(429)。
【0122】
端末A201(A)は、サブフレームでない場合には、このスロットでのパケット受信処理を終了する。一方、サブフレームである場合には、パケットを受信するためのハードウェアに電源を入れ、割り当てられたチャネルでパケットを受信する(430)。
【0123】
また、第1の実施の形態においては、周波数及び時間の双方についてチャネルセットを割り当てることもできる。
【0124】
図21は、第1の実施の形態において、周波数及び時間についてチャネルセットを割り当てる場合のチャネルのスケジュール表であり、縦軸は時間、横軸は周波数を表す。
【0125】
基地局200と端末A201(A)とが低レートの通信を行う場合、基地局200が、端末A201(A)にキャリアF6〜F8及び時間S2、S3のチャネルセット103を割り当てる。
【0126】
以後は、基地局200は、前記と同様に端末A201(A)に、割り当てられたチャネルセットでパケットを送信する。具体的には、はじめのフレームで基地局200は、端末A201(A)に、キャリアF6のスロットS2のチャネル及びキャリアF8のスロットS3のチャネルでパケットを送信する。次のフレームで基地局200は、端末A201(A)に、キャリアF7のスロットS2のチャネル及びキャリアF6のスロットS3のチャネルでパケットを送信する。
【0127】
以上説明したように、第1の実施の形態では、周波数及び/又は時間についてチャネルセットを割り当てるので、端末A201(A)は、パケットを受信する可能性があるスロットに限定して受信することから、端末A201(A)は、消費電力を低減することができる。
【0128】
従来、端末A201(A)が、低レートの通信を行う場合でも、すべてのキャリアF1〜F8でパケットを通信する可能性があった。よって、端末A201(A)は、すべてのキャリアについて、伝搬路状況の推定を行い(301)、伝搬路情報の送信(302)を行う必要があった。
【0129】
これに対して、第1の実施の形態によれば、割り当てられたサブバンド101に含まれるキャリアF6〜F8についてのみ、伝搬路状況の推定301及び伝搬路情報の送信302を行う。伝搬路状況の推定(301)等を行うキャリアの数が少なければ、パイロット信号の受信や伝搬路状況の推定(301)の処理等に必要となる消費電力を低減させることができる。
【0130】
更に、伝搬路情報の送信(302)をするキャリアの数が少なければ、基地局に送信する伝搬路情報のデータ量が減り、これらのデータを送信するための処理量及び消費電力も低減できる。
【0131】
また、端末Aにスケジューリングされるキャリアの周波数が不連続である場合(図31)と比べても端末A201(A)の消費電力は少なくなる。
【0132】
すなわち、端末A201(A)は、複数のキャリアの伝搬路状況の推定(301)を行うとき、パケットを受信する可能性のあるすべてのキャリアの周波数をカバーするサンプルクロックに対応可能なAD変換器220が必要となる。ここでAD変換器220は、サンプルクロックの幅が大きくなると消費電力も大きくなる。
【0133】
すると、割り当てられたキャリアの数が同じであっても、従来技術(図31)のように端末Aにスケジューリングされるキャリアの周波数が不連続である場合には、端末A201(A)が使用するキャリアの周波数の幅が広いので、サンプルクロックの幅が大きくなり、消費電力の低減効果が少ない。一方、本実施の形態では、端末A201(A)は、周波数の連続するキャリアが割り当てられるため、AD変換器220のサンプルクロックの幅を最小限に抑えることができる。よって本実施の形態の端末A201(A)は、消費電力が少ない。
【0134】
また、第1の実施の形態では、時間についてチャネルセットを割り当てるので、端末A201(A)は、パケットを受信する可能性があるチャネルをある特定のスロットに限定することから、特定のスロットだけでキャリアの伝搬路状況の推定(301)及び伝搬路情報の送信(302)を行えばよい。よって、端末A201(A)は、消費電力を低減することができる。
【0135】
図22は、第1の実施の形態のキャリアの伝搬路状況を表すグラフであり、横軸は時間、縦軸は伝搬路状況である。
【0136】
無線通信では、伝搬路状況S/(I+N)の値が大きいほど、高レートの符号化率又は大きな多値変調によって信号を送信することができるので、キャリアの利用効率が高い。伝搬路状況S/(I+N)は、端末201の移動や環境の変化に応じて時間的に変化し、その変化はそれぞれの端末201で独立である。
【0137】
図22(a)は、3つの端末A201(A)、端末B201(B)及び端末C201(C)が基地局200と通信する場合の、キャリアの伝搬路状況を表すグラフである。基地局200は、3つの端末201から報告される伝搬路状況S/(I+N)が最も高い端末201を選択し、その端末201にキャリアを使用させる。
【0138】
図22(b)は、2つの端末A201(A)及び端末B201(B)が基地局200と通信する場合のキャリアの伝搬路状況を表すグラフであり、図22(c)は、1つの端末A201(A)が基地局200と通信する場合のキャリアの伝搬路状況を表すグラフである。
【0139】
これらの図を比較すると、キャリアの伝搬路状況S/(I+N)は、端末201の数が多いほど大きくなり、ユーザダイバーシティ効果が生じ、キャリアの利用効率が高くなる。
【0140】
第1の実施の形態では、基地局200は、複数の端末201に同一のキャリアを割り当てることによって、キャリアの利用効率を高めている。
【0141】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0142】
図23は、第2の実施の形態のパケットスケジューリング処理を示すシーケンス図であり、チャネルセット割り当て処理(図5)のステップ300で実行される。
【0143】
第2の実施の形態のパケットスケジューリング処理は、第1の実施の形態のパケットスケジューリング処理(図6)と異なり、基地局200が端末A201(A)にスケジューリングの結果を通知するステップ(305)及び端末A201(A)がスケジューリングの結果を受信するステップ(306)が実行されない。それ以外のステップは、スケジューリングの結果を通知する場合のパケットスケジューリングと同一である。なお、同じステップは同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0144】
ただし、端末A201(A)は、スケジューリングの結果を通知している場合と異なり、常にパケットを受信する可能性のあるチャネルで受信待ちをして、端末A201(A)宛てのパケットが送信されるか否かを監視する。
【0145】
すなわち、第2の実施の形態のスケジューリングの結果を通知しない方法では、端末A201(A)は、常に受信待ちをしているため、スケジューリングの結果を通知する方法に比べて電力を消費する。
【0146】
しかし、例えばキャリヤの周波数が2GHz及び移動速度が60Km/hの場合では、伝搬路状態は約1110Hzで変動する。このため、スケジューリングは、数msごとに行う必要があり、スケジューリングの結果を事前に端末201に通知することは技術的に難しい。よって、第3世代携帯のcdma2000 1xEV-DOやW-CDMAのHSDPAでは、スケジューリングの結果を通知しないパケットスケジューリングを採用している。
【0147】
図24は、第2の実施の形態のチャネルのタイミングチャートである。図のハッチング部分は、基地局200と端末A201(A)との通信が行われているタイミングを示す。
【0148】
基地局200は、通信領域に対してパイロット信号を送信する(500)。端末A201(A)は、パイロット信号を受信し、受信したパイロット信号から伝搬路状況を推定する。そして端末A201(A)は、基地局200にパイロット信号を受信した次のスロットで伝搬路状況の推定結果(伝搬路情報)を送信する(501)。
【0149】
基地局200は、伝搬路情報を受信し、スケジューリングを行う。そして基地局200は、端末A201(A)にスケジューリングした場合、端末A201(A)に伝搬路情報を受信した次のスロットでデータを送信する(503)。
【0150】
図25は、第2の実施の形態において、時間についてチャンネルセットを割り当てるときでスケジューリング結果を通知しない場合のチャネルのタイミングチャートである。太線で囲った部分は、基地局200と端末A201(A)とが互いに関連するスロットである。また、ハッチング部分は、基地局200が端末A201(A)にパケットを送信したスロット514である。
【0151】
端末A201(A)は、時間についてチャネルセットの割り当てがされたため、サブフレーム513でしかパケットを受信しない。そこで端末A201(A)は、サブフレーム513から所定のスロットの数(2スロット)だけ前のパイロット信号510を用いて伝搬路状況を推定する。
【0152】
端末A201(A)は、基地局200にパイロット信号を受信した次のスロットで伝搬路状況の推定結果(伝搬路情報)を送信する(511)。基地局200は、端末A201(A)にスケジューリング結果の通知が不要なため、受信した伝搬路情報の次のスロット513のスケジューリングを行っている。そして基地局200は、端末A201(A)にスケジューリングに従ってパケットを送信する(514)。
【0153】
このスケジューリングの結果を通知しない場合、従来では、端末A201(A)は、いつパケットが受信されるかを知ることができないため、すべてのスロットにおいて受信待ちをする必要がある。
【0154】
以上説明したように、第2の実施の形態によると、基地局200が、端末201(A)にサブフレーム(時間的に連続するスロットからなるフレーム)のチャネルセットを割り当てることによって、端末A201(A)は割り当てられたチャネルセットのスロットのみを受信すればよい。このことから端末A201(A)は、受信するための処理及び消費電力を節約できる。
【0155】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0156】
図26は、第3の実施の形態の基地局200のブロック図である。
【0157】
第3の実施の形態では、基地局200は、端末の受信能力情報が、ネットワークからチャネル条件制御部210に送信される点で図2に示す第1の実施の形態の基地局200と異なる。
【0158】
ネットワークインターフェース部211は、ネットワークからの信号が端末201の受信能力情報であった場合には、その情報をチャネル条件制御部210に送信する。この変形例における基地局200のそれ以外の構成は、第1の実施の形態の基地局200と同一である。よって、同じ構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0159】
図27は、第3の実施の形態のチャネルセットのシーケンス図であり、基地局200は基地局制御装置から端末A201(A)の受信能力の通知を受ける。
【0160】
まず、端末A201(A)が、IDや位置登録等を含んだ制御信号を送信する(317)。基地局200は、端末A201(A)からの制御信号を受信する。そして、該受信した制御信号を基地局制御装置に転送する(318)。
【0161】
基地局制御装置は、端末A201(A)の制御信号を受信する(319)。基地局制御装置は、受信した制御信号に付加された端末のIDを用いて、蓄積手段に記憶された受信能力情報を検索して、端末A201(A)の受信能力を調べる。そして基地局制御装置は、基地局200に取得した受信能力を通知する(320)。
【0162】
基地局200は、端末A201(A)の受信能力を受信し(321)、その受信能力を満たすようにチャネルセットを割り当てる(322)。基地局200は、端末A201(A)に、割り当てたチャネルセットを制御チャネルを使って通知する(323)。そして基地局200は、割り当てたチャネルセットだけを対象としてスケジューリングを行う(300)。
【0163】
端末201は、チャネルセットの通知を受信すると(324)、以後の通信において、割り当てられたチャネルセットだけを監視し、基地局200からのパケットを受信する。
【0164】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0165】
図28は、第4の実施の形態の端末201のブロック図であり、通信方式がOFDMA方式の場合を示す。
【0166】
OFDMA方式の場合の端末201は、前述した第1の実施の形態のFDMA方式の端末201(図3)のフィルタバンク221に代わってFFT部232を有する点が異なる。FFT部232は、フーリエ変換演算によって、サブキャリアごとの信号に分離する。
【0167】
それ以外の構成は、第1の実施の形態のFDMA方式の端末201と同一である。なお、FDMA方式の端末201(図3)と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0168】
図29は、第4の実施の形態の特定のキャリアの信号を取り出す過程におけるスペクトルを表し、通信方式がOFDMA方式の場合である。
【0169】
アンテナ233は、図29(a)のようなスペクトルの信号を受信する。OFDMA方式の信号は、サブキャリアごとの信号が一部分互いに重なりあっている。
【0170】
この信号は、図29(b)の太線で表されるフィルタ219によって端末201が必要な部分を取り出す。フィルタ219は、割り当てられたチャネルセットを含むように信号を取り出す。よって、フィルタ219の出力は複数のサブキャリアが入る広帯域信号(例えば、本実施の形態では7つのサブキャリアが含まれる帯域信号)である。
【0171】
フィルタが取り出した信号は、図29(c)である。FFT232は、それぞれのサブキャリアごとの信号に分離する。その分離したサブキャリアの信号のうちの一つのスペクトルが図29(d)である。OFDMA方式では、1つのサブキャリアから1つのチャネルを構成してもよいし、複数のサブキャリアから1つのチャネルを構成してもよい。
【0172】
特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
【0173】
(1)周波数帯域で分割したキャリアについて時間帯域で分割したスロットをチャネルとして利用して基地局と複数の端末とが通信する無線通信方法において、前記基地局は、前記端末に、連続する複数の前記キャリアからなるチャネルセット及び/又は連続する複数の前記スロットからなるチャネルセットを割り当て、前記チャネルセットに含まれるチャネルを該端末へのパケットの送信に割り当てること特徴とする無線通信方法。
【0174】
(2)前記基地局は、前記端末から受信したチャネルの伝搬路状況の推定結果を使って、前記チャネルを前記端末へのパケットの送信に割り当てることを特徴とする(1)に記載の無線通信方法。
【0175】
(3)前記基地局は、前記端末に、前記チャネルセットを通知することを特徴とする(1)に記載の無線通信方法。
【0176】
(4)前記端末は、前記チャネルセットの通知を受信し、前記チャネルセットによって監視するチャネルを定めることを特徴とする(3)に記載の無線通信方法。
【0177】
(5)前記基地局は、前記端末の受信能力を受信し、前記受信能力を満たすように、前記チャネルセットを割り当てることを特徴とする(1)に記載の無線通信方法。
【0178】
(6)前記基地局は、前記チャネルの偏差を算出し、偏差が所定値より大きいときに前記チャネルセットを再度割り当てることを特徴とする(1)に記載の無線通信方法。
【0179】
(7)前記基地局は、前記端末の受信能力を記憶する基地局制御装置から前記端末の受信能力を受信することを特徴とする(1)に記載の無線通信方法。
【0180】
(8)前記端末に送信する情報を蓄積する情報蓄積部と、情報を送信する前記端末を決定するスケジューラと、送信する情報により変調をする変調部と、変調した信号を送信する送信部とを備え、周波数帯域で分割したキャリアについて時間帯域で分割したスロットをチャネルとして利用して複数の前記端末と通信する無線通信基地局において、前記端末の受信能力を取得し、該端末の受信能力を満たすように連続する複数のキャリアからなるチャネルセット及び/又は連続する複数のスロットからなるチャネルセットを割り当て、割り当てた前記チャネルセットを記憶するチャネル条件部を備えることを特徴とする無線通信基地局。
【0181】
(9)端末から信号を受信する受信部を備え、前記受信部が前記端末から受信する信号から前記受信能力を取得することを特徴とする(8)に記載の無線通信基地局。
【0182】
(10)端末から信号を受信する受信部を備え、前記端末の前記受信能力を記憶する基地局制御装置から前記受信能力を取得することを特徴とする(8)に記載の無線通信基地局。
【0183】
(11)前記スケジューラは、前記チャネルセットに含まれる前記チャネルを前記端末へのパケットの送信に割り当てることを特徴とする(8)に記載の無線通信基地局。
【0184】
(12)前記端末に前記チャネルセットを通知する信号を生成する制御信号生成部を備えることを特徴とする(8)に記載の無線通信基地局。
【0185】
(13)アンテナが受信した信号から特定の周波数の信号を抽出するフィルタと、該信号をデジタル変換するA/D変換器とを備える無線受信部と、信号を周波数ごとに分離して復調するベースバンド部と、無線通信端末の全体の動作を制御する制御部を備え、周波数帯域で分割したキャリアについて時間帯域で分割したスロットをチャネルとして利用して基地局と通信する無線通信端末において、前記無線受信部は、前記基地局から、割り当てられた連続する複数のキャリアからなるチャネルセット及び/又は連続する複数のスロットからなるチャネルセットを受信し、前記受信したチャネルセットを前記制御部に通知し、前記制御部は、前記チャネルセットによって、前記フィルタが取り出す周波数の幅又は中心周波数を変更することを特徴とする無線通信端末。
【0186】
(14)基地局に送信する情報によって変調をして、信号を送信する無線送信部を備え、前記制御部は、受信能力を通知する能力制御信号を作成し、前記無線送信部は、前記基地局に前記能力制御信号を送信することを特徴とする(13)に記載の無線通信端末。
【0187】
(15)前記制御部は、前記チャネルセットに含まれるチャネルでは前記受信部を動作させ、前記チャネルセットに含まれないチャネルでは受信部を休止するように制御することを特徴とする(13)に記載の無線通信端末。
【0188】
(16)アンテナが受信した信号から特定の周波数の信号を抽出するフィルタと、該信号をデジタル変換するA/D変換器とを備える無線受信部と、
信号を周波数ごとに分離して復調するベースバンド部と、
無線通信端末の全体の動作を制御する制御部を備え、
周波数帯域で分割した複数のキャリアのそれぞれについて時間帯域の各フレームを複数のスロットに分割した各々をチャネルとして利用して基地局と通信する無線通信端末において、
前記無線受信部は、前記基地局から、前記複数スロットのうちの時間軸上で連続する一部のスロットに制限したサブフレーム内のチャネルセットに割り当てが決定したことの通知を受け、
前記制御部は、無線受信部が前記通知を受けたことに応動して、前記時間帯域の各フレーム中の前記チャンネルセットに対応する前記一部のスロットでは前記受信部を動作させ、前記フレーム中の他のスロットでは前記受信部を休止するように制御することを特徴とする無線端末装置。
【産業上の利用可能性】
【0189】
本発明は、移動体通信システムにおいてキャリアスケジューリングに適用することができ、高速と低速の端末が混在しているシステムに適用すると好適である。また、以上説明した実施の形態ではFDMA及びOFDMA方式について説明したが、他の多重化方式にも適用することができる。
【符号の説明】
【0190】
200 基地局
201(A) 端末A
201(B) 端末B
201(C) 端末C
201(D) 端末D
201(E) 端末E
207 アンテナ
208 サーキュレータ
209 受信部
210 チャネル条件部
211 ネットワークインターフェース部
212 情報蓄積部
213 スケジューラ
214 変調器
215 送信部
216 制御信号生成部
217 サーキュレータ
218 無線受信部
219 フィルタ
220 A/D変換器
221 フィルタバンク
222 復調器
223 選択部
224 伝搬路推定部
225 CPU
226 変調部
227 D/A変換器
228 無線送信部
233 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数帯域で分割した複数のキャリアについて時間帯域で分割したスロットをチャネルとして利用して基地局と複数の端末とが通信する無線通信方法であって、
前記基地局は、前記端末に、前記キャリア及び前記スロットの少なくとも一方を含むチャネルを監視範囲として指定する監視情報を通知し、
前記端末は、前記監視情報を受信し、
前記端末は、前記受信した監視情報に含まれる監視範囲に該当するか否かに基づいて、前記監視範囲に対応する信号の受信処理をするか、前記受信処理を停止するかを制御し、
前記端末は、前記監視範囲の信号に基づく伝搬路状況の推定結果を前記基地局に送信し、
前記基地局は、前記推定結果に基づいて、パケット送信を行うべきキャリア及びスロットの少なくとも一方を含むチャネルを割り当て、
前記基地局は、前記割り当てられたチャネルにより、前記端末へパケット送信を行うことを特徴とする無線通信方法。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信方法であって、
前記端末は、一の前記監視情報に従って、前記監視範囲のチャネルに対しては信号の受信処理を開始し、かつ、監視範囲外のチャネルに対する受信処理を停止する、ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項3】
周波数帯域で分割した複数のキャリアを用いて基地局と複数の端末とが通信する無線通信方法であって、
前記基地局は、前記端末に、前記キャリアのうち、少なくとも一のキャリアを監視範囲として指定する監視情報を通知し、
前記端末は、前記監視情報を受信し、
前記端末は、前記受信した監視情報に含まれる監視範囲に該当するか否かに基づいて、前記監視範囲に対応する信号の受信処理をするか、前記受信処理を停止するかを制御し、
前記端末は、前記監視範囲の信号に基づく伝搬路状況の推定結果を前記基地局に送信し、
前記基地局は、前記推定結果に基づいて、パケット送信を行うべきキャリアを割り当て、
前記基地局は、前記割り当てられたキャリアにより、前記端末へパケット送信を行うことを特徴とする無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−170096(P2012−170096A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−61488(P2012−61488)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【分割の表示】特願2010−27203(P2010−27203)の分割
【原出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度独立行政法人情報通信研究機構「移動通信システムにおける高度無線信号処理技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】