無線通信端末、アプリケーション表示方法及びプログラム
【課題】数字列を入力値として扱うアプリケーションを、数字列の入力に基づいて簡単に起動させ、入力された数字列をそのまま入力値として処理させるようにする。
【解決手段】数字列を入力値として扱うアプリケーションと、数字列のフォーマット及び単位との対応情報を記憶させ、数字列の入力を受け付けた場合に、入力された数値が予め記憶してあるフォーマットのいずれかに該当するかを判断し、該当すると判断した場合に、予め記憶してある数字を入力値として扱うアプリケーションと数字列のフォーマット及び単位との対応情報に基づいて該当するアプリケーションを抽出する抽出し、抽出したアプリケーションを表示させるようにした。
【解決手段】数字列を入力値として扱うアプリケーションと、数字列のフォーマット及び単位との対応情報を記憶させ、数字列の入力を受け付けた場合に、入力された数値が予め記憶してあるフォーマットのいずれかに該当するかを判断し、該当すると判断した場合に、予め記憶してある数字を入力値として扱うアプリケーションと数字列のフォーマット及び単位との対応情報に基づいて該当するアプリケーションを抽出する抽出し、抽出したアプリケーションを表示させるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話端末に適用して好適な無線通信端末及びその無線通信端末でのアプリケーション表示方法、並びにその処理を実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末には様々なアプリケーションが搭載されるようになってきており、それぞれの機能は、その種類や目的別に分類され、メインメニューの配下に階層的に配置されているのが通常である。ところが、アプリケーションの多様化・多種化に伴いメニューも複雑化しているため、ユーザが使いたいアプリケーションを感覚的に探し出すことが難しくなってきている。
【0003】
このため、よく利用するアプリケーションや機能設定メニューについては、インターネットブラウザにおける「お気に入り」のように、特定の場所にまとめて登録できる手法や、ショートカットとして表示画面上に配置させる手法が採られることにより、ユーザの利便性の向上が図られている。
【0004】
特許文献1には、ユーザがよく利用するメニューとその設定内容などを表示画面上にショートカットとして表示させることについての開示がある。
【特許文献1】特開2003−298715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アラームや電卓、家計簿などの各アプリケーションは、数値を入力値として扱うものとして共通しているが、実際に使用する場合は、メインのメニュー画面を基点に、階層化されたメニューを次々と選択し、各アプリケーションを起動する必要があった。この場合、所望のアプリケーションがどのメニューの配下にあるのかを予め把握しておくことは困難であり、操作に慣れるまでは取り扱い説明書を参照する必要があるなど、手間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、無線通信端末でアプリケーションの選択及び起動を行う際の操作性を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、数字列を入力値として扱うアプリケーションを、数字列の入力に基づいて簡単に起動させ、入力された数字列をそのままアプリケーションの入力値として処理させるようにしたものである。
【0008】
このようにしたことで、数字列を入力値として扱うアプリケーションであれば、その種類や機能の異なるものであっても、数字列の入力を行うことによって起動させることができるようになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、実際にアプリケーションの入力値として設定したい数字列を入力することにより、所望のアプリケーションを起動させることができるようになるため、メニューの構造や階層を予め記憶しておく必要がなくなる。
【0010】
この場合、入力された数字列は、そのまま各アプリケーションの入力値として認識・処理されるので、アプリケーションの選択から実行までの手順を短縮することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
本例においては、携帯電話端末として構成された無線通信端末に適用したものである。
図1は、本例で使用される携帯電話端末の構成例を示した図である。本例の携帯電話端末100は、無線電話用の基地局と無線通信を行うための無線電話通信用アンテナ101を備え、そのアンテナ101が無線電話通信用の通信部102に接続してあり、制御部120の制御で、基地局との間で無線通信を行うようにしてある。通信部102で通話用の通信を行う際には、受信した音声データを音声処理部103で音声処理してスピーカ104に供給して出力させ、また、マイクロフォン105が拾った音声を音声処理部103で音声データ化して通信部102に供給して送信させる。
【0012】
これらの端末100内の各ブロックは、制御ライン150を介して制御部120などと接続してあり、またデータライン160を介してデータ転送を行える構成としてある。制御ライン150は、制御部120からの制御信号などの制御情報を伝送するラインであり、データライン160は、音声や文字などのデータを伝送するラインである。記憶部106はROM、RAM等の半導体メモリからなり、アドレス帳データやメールデータ、各種アプリケーションで取り扱われるデータなどを記憶させるようにしてある。また、後述する、数字列を入力値として扱うアプリケーションと数字列のフォーマット及び単位との対応情報も、記憶部106に記憶させてある。さらに記憶部106として、半導体メモリとは別に、大容量のデータ記憶手段であるハードディスクドライブ装置を備え、この携帯電話端末100に入力されたデータやダウンロードされたデータなどを蓄積するようにしてもよい。
【0013】
図2は、本例の携帯電話端末100の形状の例である。図2の例では、携帯電話端末100として、一般的な携帯電話端末の形状の例を示してあり、1,2,3,・・・,0の数字に対応した数字キー107aや記号キー107b、オプションキー107cなどで構成された操作部107と、液晶表示パネルなどで構成された表示部108とが配置してある。操作部107は、電話番号やメール文などの入力操作や、各種モード設定などを行うことができる。また、数字キー107aまたは記号キー107bを使って特定の数字列を入力後にオプションキー107cを押下することで、入力された数字列を入力値として扱うアプリケーションを起動させることができるようにしてある。図2の例では、表示部108に、後述する、数値を入力値として扱うアプリケーションの一覧をサブメニュー108aとして表示させてある。表示部108には、メール文、ウェブにアクセスさせた画面や、各種アプリケーションの画面などを表示させることができる。
【0014】
図2でのアプリケーションの表示例について説明すると、図2では、操作部107より任意の数字(図2では“5”)が押下され、続いてオプションキー107cが押下された後の画面の例を示してあり、入力された“5”を入力値として扱うアプリケーションとして、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」を、サブメニュー108aとして表示してある。この状態で、表示されたアプリケーション一覧より、操作部107より任意のアプリケーション(図2では「タイマ」)が選択された場合は、制御部120の制御に基づき、そのアプリケーション(「タイマ」)が起動される。これらの処理の詳細については後述する。
【0015】
次に、図3及び図4を参照して、数字列を入力値として扱うアプリケーションと、数字列のフォーマット及び単位との対応情報の設定例について説明する。図3において、列方向の項目として示してある「入力パターン」とは、操作部107の数字キー107aから入力される数字列もしくは数字と記号の組合せのうち、アプリケーションの入力値として扱えるフォーマットを規定したものであり、数字の値や桁数、各数字列の間を区切るセパレータの有無によって「入力パターン1〜13」の13種類に種別してある。「入力パターン」において、数字及び記号は英字で模式的に表現してあり、アスタリスクなどの記号が使用される箇所は、“(C)”等のように、小括弧で括って示してある。「入力パターン」の右隣の項目である「入力例」には、「入力パターン」の具体例を示してあり、例えば、“AB(C)DE(F)GH”の入力パターンに該当する数字列としては、“12*34*56”等があることが示されてある。
【0016】
図3の表において、行方向の項目として示してある「判断パターン」とは、入力された数字列をアプリケーションが入力値として扱う場合の、数値の単位を種別化したものである。本例では、アプリケーションが取り扱う数値の単位として「時間」、「時刻」、「日付」、「整数」、「小数」の5種類を設定してあり、「時間」、「時刻」、「日付」の各区分には小区分を設けてある。「時間」の区分であれば、小区分として「時」、「分」、「秒」、「時・分(・秒)」の区分を設けてあり、「時刻」であれば「時」、「時・分(・秒)」、「日付」であれば「月」、「月・日」の項目を小区分として設けてある。各項目の最小区分の単位を「判断パターン1〜10」として示してある。
【0017】
各入力パターンは、いずれかの判断パターンに必ず区分されるものであり、例えば、操作部107から入力された数字列が、「入力パターン4」の“AB(C)DE”の形式に一致する“12*12”であった場合は、“12*12”は、判断パターン4(“12時間12分”)、判断パターン6(“12時12分”)、判断パターン8(“12月12日”)、判断パターン9(“1212”)に区分される。つまり、図3の表では、「入力パターン」のフォーマットに則って操作部107から入力された数字列が、アプリケーションの入力値として処理される場合に、どの単位で取り扱われ得るかを、入力値と単位との対応表として示してある。
【0018】
図4では、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」、「インターネット簡単アクセス」、「電卓」の各アプリケーションが扱う単位の種類を、判断パターン1〜10との対応によって示してあり、対応する箇所は「○」で記してある。例えば「アラーム」であれば、判断パターン1(「時間」の「時」)、判断パターン2(「時間」の「分」)、判断パターン3(「時間」の「秒」)、判断パターン4(「時間」の「時・分(・秒)」)、判断パターン5(「時刻」の「時」)、判断パターン6(「時刻」の「時・分(・秒)」)が該当し、これら判断パターンで示される単位を、「アラーム」で使用する単位として示してある。同様に、「カレンダ」は、判断パターン7(「日付」の「月」)、判断パターン8(「日付」の「月・日」)の各単位を取り扱うアプリケーションとして示してある。
【0019】
なお、入力パターンや判断パターン等、図3及び図4に示される表を構成する項目は、本例で説明したパターンに限定されるものではなく、必要に応じて変更可能であるものとする。
【0020】
次に、本例の数字キー入力による所定のアプリケーション起動の処理例を、図5のフローチャートと、図3及び図4の表を参照して説明する。まず、図5のフローチャートを参照して説明すると、操作部107の数字キー107aを使って数字列の入力がなされた後に(ステップS11)、オプションキー107cの押下が制御部120により検知されると(ステップS12)、ステップS11で入力された数字列が、予め記憶部106などに記憶させてある入力パターンのいずれかに該当するかの判断が、制御部120の制御に基づいて行われる(ステップS13)。なお、ここでいう数字列には、数字1文字も含まれるものとする。ステップS13にて、ステップS11で操作部107から入力された数字列が、予め用意してある入力パターンのいずれかにも一致しないと判断された場合は、“No”が選択され、表示部108にエラーメッセージが表示される(ステップS14)。
【0021】
ステップS13で、ステップS11で操作部107から入力された数字列が、予め用意してある入力パターンのいずれかに一致すると判断された場合は、入力パターンに対応する判断パターンが抽出される(ステップS15)。例えば、操作部107から入力された数字列が“1212”であった場合は、“1212”は図3によると入力パターン7の“ABCD”に一致するため、入力パターン7に対応する判断パターンとして、判断パターン3、判断パターン4、判断パターン6、判断パターン8、判断パターン9が抽出される。
【0022】
ステップS15で入力パターンに対応する判断パターンが抽出されると、続いて、判断パターンに対応するアプリケーションが抽出される(ステップS16)。ここでいう判断パターンとは、ステップS15で抽出された判断パターン3、判断パターン4、判断パターン6、判断パターン8、判断パターン9のことであり、これらの判断パターンを単位として扱うアプリケーションは、図4の表によると「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」であるため、これらのアプリケーションが制御部120の制御に基づき抽出される。
【0023】
抽出されたアプリケーションは、一覧として表示部108に表示され(ステップS17)、ユーザから操作部107を介して任意のアプリケーションが選択されると(ステップS18)、制御部120の制御に基づき、アプリケーションが起動される。アプリケーションの起動を確認できない場合は、表示部108にエラーメッセージが表示され(ステップS14)、起動が確認された場合は、選択されたアプリケーションがインターネット網へのアクセスを要するものか否かの判断が行われる(ステップS20)。
【0024】
選択されたアプリケーションが、網へのアクセスを要するものであると判断された場合は、通信部102を介して網への接続が行われ(ステップS21)、必要な情報を取得後(ステップS22)、処理結果が表示部108に表示される(ステップS23)。選択されたアプリケーションが、網へのアクセスを要しないものであると判断された場合は、選択されたアプリケーションが実行され、処理結果が表示部108に表示される(ステップS24)。
【0025】
図6〜8は、上述した処理が行われる際の具体的な表示例を、選択されたアプリケーションの種類毎に示した図である。図6は、操作部107への数値の入力から、「タイマ」が起動されるまでの表示例を示したものである。例えば図6(a)に示されるように、操作部107を介して入力された“5”という数字が、表示部108に表示された状態で、携帯電話端末100のオプションキー107cが押下されると、図6(b)に示されるようなサブメニュー108aが表示される。サブメニュー108aに表示されるアプリケーションは、図6のフローチャートのステップS13、15、16、17の手順を経て決定される。
【0026】
この場合、入力された数値は“5”であり、図3に示される表において「入力パターン10」に該当すると判断されるため(ステップS13)、入力パターン10に対応する判断パターンとして、「判断パターン1」、「判断パターン2」、「判断パターン3」、「判断パターン5」、「判断パターン7」、「判断パターン9」が抽出される(ステップS15)。そして、図4に例示される対応表から、各判断パターンと対応するアプリケーションとして、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」が抽出される(ステップS16)。つまり、図5(b)にサブメニューとして示されるアプリケーションは、入力値が“5”であった場合には、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」となる。
【0027】
図6(c)に示されるように、表示されたアプリケーションの中から「タイマ」が選択されると、「タイマ」のアプリケーションが起動される。入力値の“5”が取り得る単位としては、図4に示される表によれば「5時間(判断パターン1)」、「5分(判断パターン2)」、「5秒(判断パターン3)」があり、「タイマ」で“5”を処理するには、いずれかの単位が選択される必要がある。実際に採用する単位を決定する方法としては、図6(d)のように「時間」「分」「秒」を選択肢として表示部108に表示させてユーザに選択させてもよく、予め特定の数値と単位とを対応付ける設定を行っておき、常に設定された単位を適用させるようにしてもよい。予め数値と単位とを対応付ける場合の設定例については後述する。数値“5”の単位として、例えば「分」が選択された場合は、5分のタイマが起動し、5分後に携帯電話端末100のスピーカ105から、アラーム音が出力される。
【0028】
操作部107に入力された数字列が例えば“1*30”であり、アプリケーションとして「タイマ」が選択された場合で、“1*30”の単位として「時間」が選択された場合は、1時間30分のタイマが起動し、「分」が選択されると、1分30秒のタイマが起動する。
【0029】
図7は、操作部107への数値の入力から、「時刻表」が起動されるまでの表示例を示したものである。例えば図7(a)に示されるように、操作部107を介して入力された“1700”という数字が、表示部108に表示された状態で、携帯電話端末100のオプションキー107cが押下されると、図7(b)に示されるようなサブメニュー108aが表示される。サブメニュー108aに表示されるアプリケーションは、図6の場合と同様に、図5のフローチャートのステップS13、15、16、17を経て決定される。
【0030】
入力された数値は“1700”であり、図3に示される表において「入力パターン6」に該当すると判断されるため(ステップS13)、入力パターン6に対応する判断パターンとして、「判断パターン3」、「判断パターン4」、「判断パターン6」、「判断パターン9」が抽出される(ステップS15)。そして、図4に例示される対応表から、各判断パターンと対応するアプリケーションとして、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「家計簿」が抽出される(ステップS16)。つまり、入力値が“1700”である場合には、表示部108上にサブメニューとして示されるアプリケーションは、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「家計簿」となる。
【0031】
図7(c)に示されるように、表示されたアプリケーションの中から「時刻表」が選択されると、「時刻表」のアプリケーションが起動される。入力値の“1700”が取り得る単位は以下の手順で決定される。まず“1700”が図3の表の「入力パターン6」であることが判断されると、「入力パターン6」に対応する判断パターンとして、「判断パターン3」、「判断パターン4」、「判断パターン6」、「判断パターン9」が抽出される。続いて、これらの判断パターンを図4の表に当てはめると、図4の「時刻表」に対応する判断パターンと一致するのは「判断パターン6」のみとなる。つまり、「時刻表」において“1700”が採り得る単位は、「判断パターン6(時・分(・秒))」の形態である「17時00分」となる。「時刻表」にて「17時00分」は入力値として扱われ、その結果17時00分付近の時刻表が表示されるようになる。
【0032】
アプリケーションの設定値として必要な、駅や路線、日付などの情報は、図7(d)に示されるように、表示部108に入力フォームを表示させ、操作部107を介してユーザからの入力を受け付けるようにしてもよいが、使用する駅や路線等を予め登録しておくようにしてもよい。図7(e)には、使用する駅として「新宿」、路線は「埼京線」が選択された場合の、時刻表の表示例を示してある。操作部107で入力された“1700”の数字が、「時刻表」のアプリケーションで「17時00分」として認識され、入力値(この場合は抽出条件)として処理されたため、17時00分付近の時刻表が表示されるようになる。
【0033】
図8は、操作部107への数値の入力から、「アラーム」が起動されるまでの表示例を示したものである。例えば図8(a)に示されるように、操作部107を介して入力された“0800”という数字が、表示部108に表示された状態で、携帯電話端末100のオプションキー107cが押下されると、図8(b)に示されるようなサブメニュー108aが表示される。サブメニュー108aに表示されるアプリケーションは、図6及び図7の場合と同様に、図5のフローチャートのステップS13、15、16、17を経て決定される。
【0034】
入力された数値は“0800”であり、図3に示される表において「入力パターン6」に該当すると判断されるため(ステップS13)、入力パターン6に対応する判断パターンとして、「判断パターン3」、「判断パターン4」、「判断パターン6」、「判断パターン9」が抽出される(ステップS15)。そして、図4に例示される対応表から、各判断パターンと対応するアプリケーションとして、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「家計簿」が抽出される(ステップS16)。つまり、入力値が“0800”である場合には、表示部108上にサブメニューとして示されるアプリケーションは、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「家計簿」となる。
【0035】
図8(c)に示されるように、表示されたアプリケーションの中から「アラーム」が選択されると、「アラーム」のアプリケーションが起動される。入力値の“0800”が取り得る単位としては、図3及び図4に示される表によれば「8時00分(判断パターン4)」であるため、“0800”は“8時00分”という設定値として認識され、図8(d)に示されるようにアラームの開始時間として設定される。
【0036】
このように構成することで、数字キーを入力するだけで所望のアプリケーションを起動させることが出来るようになるため、メニューの構成や階層を記憶しておく必要が無くなる。
【0037】
また、本例によれば入力した数字列がそのままアプリケーションの入力値として処理されるようになるため、メニューの中から使いたいアプリケーションを探し出し、アプリケーションを選択後、数値の入力する、といった従来の手順に比べて手順が簡略化され、ユーザの利便性が向上する。
【0038】
なお、ここまで説明した実施の形態では、数字列を入力値として扱うアプリケーションとして、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」、「インターネットアクセス」、「電卓」を例に挙げて説明を行ったが、変数として数値をとるアプリケーションであれば、他のアプリケーションに適用してもよい。
【0039】
また、上述した実施の形態では、操作部107より入力された数値が、アプリケーションの入力値として処理される場合に採り得る単位を、選択肢として表示部108に表示させ、ユーザに選択させる構成としたが、予め特定の数字と単位とを関連付ける設定を行っておくようにしてもよい。この場合の設定画面の構成例を、図9〜図12を参照して説明する。
【0040】
図9は、例えば“5”という数字と、単位としての「分」とを関連付ける設定を行う場合の表示例を示した図である。図9(a)に示されるように、操作部107から任意の数字の入力を受け付け、表示部108に“5”が表示された状態で、続いてオプションキー107cの入力を受け付けると、図9(b)に示されるように、他のアプリケーションと同列で「設定」の項目が表示されるようにし、操作部107から「設定」の選択を受け付けた場合に、図10(a)のような設定画面を表示させるようにする。
【0041】
設定画面は、例えば「時」、「分」、「秒」、「数字」、「省略設定」などの項目で構成されるものとし、「時」、「分」、「秒」の項目では、3桁以下の数字の設定を行うようにしてある。図10(b)に示されるように、「分」の選択を受け付けた場合は、入力された“5”の単位として、“分”が関連付けて設定される。この場合、図10(c)のような確認メッセージを表示させるようにしてもよい。
【0042】
「省略設定」とは、例えば「4桁」と「6桁」の2種類の設定メニューで構成してあり、操作部107から入力される数字が4桁もしくは6桁であった場合に、特定の単位に関連付けを行えるようにしたものである。図11では、「省略設定4桁」の設定例を示してある。図11(a)に示されるように、操作部107を介して「省略設定」が選択されると、図11(b)のように「4桁」と「6桁」のサブメニュー108aを表示させるようにしてある。「4桁」が選択された場合は、図11(c)に示されるようにさらに「時・分」、「秒」、「数字」のサブメニュー108aを表示させる。「時・分」は、4桁の数字を“HH:MM(時間:分)”として設定するものであり、「秒」では“SSSS”、数字は“NNNN”として設定される。図11(c)のように、例えば「時・分」が選択され、設定された場合は、操作部107より入力された数字の桁数が4桁であった場合に、アプリケーションにおいて常に“HH:MM”として認識されるようになる。この場合も、図11(d)に示されるような確認メッセージを表示させるようにしてもよい。
【0043】
また、ここまで説明した実施の形態では、無線通信端末として携帯電話端末に適用した例として説明したが、通信機能を備えて数字キーが配置された携帯可能な端末であれば、他の形態の端末にも適用可能であり、電話機能を持たない情報通信端末などにも適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の構成例を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態による入力パターンと判断パターンとの対応情報の例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態による判断パターンとアプリケーションとの対応情報の例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態によるアプリケーション表示の処理例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
100…携帯電話端末、101…アンテナ、102…通信部、103…音声処理部、104…スピーカ、105…マイクロフォン、106…記憶部、107…操作部、107a…数字キー、107b…記号キー、107c…オプションキー、108…表示部、108a…サブメニュー、120…制御部、150…制御ライン、160…データライン
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話端末に適用して好適な無線通信端末及びその無線通信端末でのアプリケーション表示方法、並びにその処理を実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末には様々なアプリケーションが搭載されるようになってきており、それぞれの機能は、その種類や目的別に分類され、メインメニューの配下に階層的に配置されているのが通常である。ところが、アプリケーションの多様化・多種化に伴いメニューも複雑化しているため、ユーザが使いたいアプリケーションを感覚的に探し出すことが難しくなってきている。
【0003】
このため、よく利用するアプリケーションや機能設定メニューについては、インターネットブラウザにおける「お気に入り」のように、特定の場所にまとめて登録できる手法や、ショートカットとして表示画面上に配置させる手法が採られることにより、ユーザの利便性の向上が図られている。
【0004】
特許文献1には、ユーザがよく利用するメニューとその設定内容などを表示画面上にショートカットとして表示させることについての開示がある。
【特許文献1】特開2003−298715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アラームや電卓、家計簿などの各アプリケーションは、数値を入力値として扱うものとして共通しているが、実際に使用する場合は、メインのメニュー画面を基点に、階層化されたメニューを次々と選択し、各アプリケーションを起動する必要があった。この場合、所望のアプリケーションがどのメニューの配下にあるのかを予め把握しておくことは困難であり、操作に慣れるまでは取り扱い説明書を参照する必要があるなど、手間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、無線通信端末でアプリケーションの選択及び起動を行う際の操作性を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、数字列を入力値として扱うアプリケーションを、数字列の入力に基づいて簡単に起動させ、入力された数字列をそのままアプリケーションの入力値として処理させるようにしたものである。
【0008】
このようにしたことで、数字列を入力値として扱うアプリケーションであれば、その種類や機能の異なるものであっても、数字列の入力を行うことによって起動させることができるようになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、実際にアプリケーションの入力値として設定したい数字列を入力することにより、所望のアプリケーションを起動させることができるようになるため、メニューの構造や階層を予め記憶しておく必要がなくなる。
【0010】
この場合、入力された数字列は、そのまま各アプリケーションの入力値として認識・処理されるので、アプリケーションの選択から実行までの手順を短縮することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
本例においては、携帯電話端末として構成された無線通信端末に適用したものである。
図1は、本例で使用される携帯電話端末の構成例を示した図である。本例の携帯電話端末100は、無線電話用の基地局と無線通信を行うための無線電話通信用アンテナ101を備え、そのアンテナ101が無線電話通信用の通信部102に接続してあり、制御部120の制御で、基地局との間で無線通信を行うようにしてある。通信部102で通話用の通信を行う際には、受信した音声データを音声処理部103で音声処理してスピーカ104に供給して出力させ、また、マイクロフォン105が拾った音声を音声処理部103で音声データ化して通信部102に供給して送信させる。
【0012】
これらの端末100内の各ブロックは、制御ライン150を介して制御部120などと接続してあり、またデータライン160を介してデータ転送を行える構成としてある。制御ライン150は、制御部120からの制御信号などの制御情報を伝送するラインであり、データライン160は、音声や文字などのデータを伝送するラインである。記憶部106はROM、RAM等の半導体メモリからなり、アドレス帳データやメールデータ、各種アプリケーションで取り扱われるデータなどを記憶させるようにしてある。また、後述する、数字列を入力値として扱うアプリケーションと数字列のフォーマット及び単位との対応情報も、記憶部106に記憶させてある。さらに記憶部106として、半導体メモリとは別に、大容量のデータ記憶手段であるハードディスクドライブ装置を備え、この携帯電話端末100に入力されたデータやダウンロードされたデータなどを蓄積するようにしてもよい。
【0013】
図2は、本例の携帯電話端末100の形状の例である。図2の例では、携帯電話端末100として、一般的な携帯電話端末の形状の例を示してあり、1,2,3,・・・,0の数字に対応した数字キー107aや記号キー107b、オプションキー107cなどで構成された操作部107と、液晶表示パネルなどで構成された表示部108とが配置してある。操作部107は、電話番号やメール文などの入力操作や、各種モード設定などを行うことができる。また、数字キー107aまたは記号キー107bを使って特定の数字列を入力後にオプションキー107cを押下することで、入力された数字列を入力値として扱うアプリケーションを起動させることができるようにしてある。図2の例では、表示部108に、後述する、数値を入力値として扱うアプリケーションの一覧をサブメニュー108aとして表示させてある。表示部108には、メール文、ウェブにアクセスさせた画面や、各種アプリケーションの画面などを表示させることができる。
【0014】
図2でのアプリケーションの表示例について説明すると、図2では、操作部107より任意の数字(図2では“5”)が押下され、続いてオプションキー107cが押下された後の画面の例を示してあり、入力された“5”を入力値として扱うアプリケーションとして、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」を、サブメニュー108aとして表示してある。この状態で、表示されたアプリケーション一覧より、操作部107より任意のアプリケーション(図2では「タイマ」)が選択された場合は、制御部120の制御に基づき、そのアプリケーション(「タイマ」)が起動される。これらの処理の詳細については後述する。
【0015】
次に、図3及び図4を参照して、数字列を入力値として扱うアプリケーションと、数字列のフォーマット及び単位との対応情報の設定例について説明する。図3において、列方向の項目として示してある「入力パターン」とは、操作部107の数字キー107aから入力される数字列もしくは数字と記号の組合せのうち、アプリケーションの入力値として扱えるフォーマットを規定したものであり、数字の値や桁数、各数字列の間を区切るセパレータの有無によって「入力パターン1〜13」の13種類に種別してある。「入力パターン」において、数字及び記号は英字で模式的に表現してあり、アスタリスクなどの記号が使用される箇所は、“(C)”等のように、小括弧で括って示してある。「入力パターン」の右隣の項目である「入力例」には、「入力パターン」の具体例を示してあり、例えば、“AB(C)DE(F)GH”の入力パターンに該当する数字列としては、“12*34*56”等があることが示されてある。
【0016】
図3の表において、行方向の項目として示してある「判断パターン」とは、入力された数字列をアプリケーションが入力値として扱う場合の、数値の単位を種別化したものである。本例では、アプリケーションが取り扱う数値の単位として「時間」、「時刻」、「日付」、「整数」、「小数」の5種類を設定してあり、「時間」、「時刻」、「日付」の各区分には小区分を設けてある。「時間」の区分であれば、小区分として「時」、「分」、「秒」、「時・分(・秒)」の区分を設けてあり、「時刻」であれば「時」、「時・分(・秒)」、「日付」であれば「月」、「月・日」の項目を小区分として設けてある。各項目の最小区分の単位を「判断パターン1〜10」として示してある。
【0017】
各入力パターンは、いずれかの判断パターンに必ず区分されるものであり、例えば、操作部107から入力された数字列が、「入力パターン4」の“AB(C)DE”の形式に一致する“12*12”であった場合は、“12*12”は、判断パターン4(“12時間12分”)、判断パターン6(“12時12分”)、判断パターン8(“12月12日”)、判断パターン9(“1212”)に区分される。つまり、図3の表では、「入力パターン」のフォーマットに則って操作部107から入力された数字列が、アプリケーションの入力値として処理される場合に、どの単位で取り扱われ得るかを、入力値と単位との対応表として示してある。
【0018】
図4では、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」、「インターネット簡単アクセス」、「電卓」の各アプリケーションが扱う単位の種類を、判断パターン1〜10との対応によって示してあり、対応する箇所は「○」で記してある。例えば「アラーム」であれば、判断パターン1(「時間」の「時」)、判断パターン2(「時間」の「分」)、判断パターン3(「時間」の「秒」)、判断パターン4(「時間」の「時・分(・秒)」)、判断パターン5(「時刻」の「時」)、判断パターン6(「時刻」の「時・分(・秒)」)が該当し、これら判断パターンで示される単位を、「アラーム」で使用する単位として示してある。同様に、「カレンダ」は、判断パターン7(「日付」の「月」)、判断パターン8(「日付」の「月・日」)の各単位を取り扱うアプリケーションとして示してある。
【0019】
なお、入力パターンや判断パターン等、図3及び図4に示される表を構成する項目は、本例で説明したパターンに限定されるものではなく、必要に応じて変更可能であるものとする。
【0020】
次に、本例の数字キー入力による所定のアプリケーション起動の処理例を、図5のフローチャートと、図3及び図4の表を参照して説明する。まず、図5のフローチャートを参照して説明すると、操作部107の数字キー107aを使って数字列の入力がなされた後に(ステップS11)、オプションキー107cの押下が制御部120により検知されると(ステップS12)、ステップS11で入力された数字列が、予め記憶部106などに記憶させてある入力パターンのいずれかに該当するかの判断が、制御部120の制御に基づいて行われる(ステップS13)。なお、ここでいう数字列には、数字1文字も含まれるものとする。ステップS13にて、ステップS11で操作部107から入力された数字列が、予め用意してある入力パターンのいずれかにも一致しないと判断された場合は、“No”が選択され、表示部108にエラーメッセージが表示される(ステップS14)。
【0021】
ステップS13で、ステップS11で操作部107から入力された数字列が、予め用意してある入力パターンのいずれかに一致すると判断された場合は、入力パターンに対応する判断パターンが抽出される(ステップS15)。例えば、操作部107から入力された数字列が“1212”であった場合は、“1212”は図3によると入力パターン7の“ABCD”に一致するため、入力パターン7に対応する判断パターンとして、判断パターン3、判断パターン4、判断パターン6、判断パターン8、判断パターン9が抽出される。
【0022】
ステップS15で入力パターンに対応する判断パターンが抽出されると、続いて、判断パターンに対応するアプリケーションが抽出される(ステップS16)。ここでいう判断パターンとは、ステップS15で抽出された判断パターン3、判断パターン4、判断パターン6、判断パターン8、判断パターン9のことであり、これらの判断パターンを単位として扱うアプリケーションは、図4の表によると「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」であるため、これらのアプリケーションが制御部120の制御に基づき抽出される。
【0023】
抽出されたアプリケーションは、一覧として表示部108に表示され(ステップS17)、ユーザから操作部107を介して任意のアプリケーションが選択されると(ステップS18)、制御部120の制御に基づき、アプリケーションが起動される。アプリケーションの起動を確認できない場合は、表示部108にエラーメッセージが表示され(ステップS14)、起動が確認された場合は、選択されたアプリケーションがインターネット網へのアクセスを要するものか否かの判断が行われる(ステップS20)。
【0024】
選択されたアプリケーションが、網へのアクセスを要するものであると判断された場合は、通信部102を介して網への接続が行われ(ステップS21)、必要な情報を取得後(ステップS22)、処理結果が表示部108に表示される(ステップS23)。選択されたアプリケーションが、網へのアクセスを要しないものであると判断された場合は、選択されたアプリケーションが実行され、処理結果が表示部108に表示される(ステップS24)。
【0025】
図6〜8は、上述した処理が行われる際の具体的な表示例を、選択されたアプリケーションの種類毎に示した図である。図6は、操作部107への数値の入力から、「タイマ」が起動されるまでの表示例を示したものである。例えば図6(a)に示されるように、操作部107を介して入力された“5”という数字が、表示部108に表示された状態で、携帯電話端末100のオプションキー107cが押下されると、図6(b)に示されるようなサブメニュー108aが表示される。サブメニュー108aに表示されるアプリケーションは、図6のフローチャートのステップS13、15、16、17の手順を経て決定される。
【0026】
この場合、入力された数値は“5”であり、図3に示される表において「入力パターン10」に該当すると判断されるため(ステップS13)、入力パターン10に対応する判断パターンとして、「判断パターン1」、「判断パターン2」、「判断パターン3」、「判断パターン5」、「判断パターン7」、「判断パターン9」が抽出される(ステップS15)。そして、図4に例示される対応表から、各判断パターンと対応するアプリケーションとして、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」が抽出される(ステップS16)。つまり、図5(b)にサブメニューとして示されるアプリケーションは、入力値が“5”であった場合には、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」となる。
【0027】
図6(c)に示されるように、表示されたアプリケーションの中から「タイマ」が選択されると、「タイマ」のアプリケーションが起動される。入力値の“5”が取り得る単位としては、図4に示される表によれば「5時間(判断パターン1)」、「5分(判断パターン2)」、「5秒(判断パターン3)」があり、「タイマ」で“5”を処理するには、いずれかの単位が選択される必要がある。実際に採用する単位を決定する方法としては、図6(d)のように「時間」「分」「秒」を選択肢として表示部108に表示させてユーザに選択させてもよく、予め特定の数値と単位とを対応付ける設定を行っておき、常に設定された単位を適用させるようにしてもよい。予め数値と単位とを対応付ける場合の設定例については後述する。数値“5”の単位として、例えば「分」が選択された場合は、5分のタイマが起動し、5分後に携帯電話端末100のスピーカ105から、アラーム音が出力される。
【0028】
操作部107に入力された数字列が例えば“1*30”であり、アプリケーションとして「タイマ」が選択された場合で、“1*30”の単位として「時間」が選択された場合は、1時間30分のタイマが起動し、「分」が選択されると、1分30秒のタイマが起動する。
【0029】
図7は、操作部107への数値の入力から、「時刻表」が起動されるまでの表示例を示したものである。例えば図7(a)に示されるように、操作部107を介して入力された“1700”という数字が、表示部108に表示された状態で、携帯電話端末100のオプションキー107cが押下されると、図7(b)に示されるようなサブメニュー108aが表示される。サブメニュー108aに表示されるアプリケーションは、図6の場合と同様に、図5のフローチャートのステップS13、15、16、17を経て決定される。
【0030】
入力された数値は“1700”であり、図3に示される表において「入力パターン6」に該当すると判断されるため(ステップS13)、入力パターン6に対応する判断パターンとして、「判断パターン3」、「判断パターン4」、「判断パターン6」、「判断パターン9」が抽出される(ステップS15)。そして、図4に例示される対応表から、各判断パターンと対応するアプリケーションとして、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「家計簿」が抽出される(ステップS16)。つまり、入力値が“1700”である場合には、表示部108上にサブメニューとして示されるアプリケーションは、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「家計簿」となる。
【0031】
図7(c)に示されるように、表示されたアプリケーションの中から「時刻表」が選択されると、「時刻表」のアプリケーションが起動される。入力値の“1700”が取り得る単位は以下の手順で決定される。まず“1700”が図3の表の「入力パターン6」であることが判断されると、「入力パターン6」に対応する判断パターンとして、「判断パターン3」、「判断パターン4」、「判断パターン6」、「判断パターン9」が抽出される。続いて、これらの判断パターンを図4の表に当てはめると、図4の「時刻表」に対応する判断パターンと一致するのは「判断パターン6」のみとなる。つまり、「時刻表」において“1700”が採り得る単位は、「判断パターン6(時・分(・秒))」の形態である「17時00分」となる。「時刻表」にて「17時00分」は入力値として扱われ、その結果17時00分付近の時刻表が表示されるようになる。
【0032】
アプリケーションの設定値として必要な、駅や路線、日付などの情報は、図7(d)に示されるように、表示部108に入力フォームを表示させ、操作部107を介してユーザからの入力を受け付けるようにしてもよいが、使用する駅や路線等を予め登録しておくようにしてもよい。図7(e)には、使用する駅として「新宿」、路線は「埼京線」が選択された場合の、時刻表の表示例を示してある。操作部107で入力された“1700”の数字が、「時刻表」のアプリケーションで「17時00分」として認識され、入力値(この場合は抽出条件)として処理されたため、17時00分付近の時刻表が表示されるようになる。
【0033】
図8は、操作部107への数値の入力から、「アラーム」が起動されるまでの表示例を示したものである。例えば図8(a)に示されるように、操作部107を介して入力された“0800”という数字が、表示部108に表示された状態で、携帯電話端末100のオプションキー107cが押下されると、図8(b)に示されるようなサブメニュー108aが表示される。サブメニュー108aに表示されるアプリケーションは、図6及び図7の場合と同様に、図5のフローチャートのステップS13、15、16、17を経て決定される。
【0034】
入力された数値は“0800”であり、図3に示される表において「入力パターン6」に該当すると判断されるため(ステップS13)、入力パターン6に対応する判断パターンとして、「判断パターン3」、「判断パターン4」、「判断パターン6」、「判断パターン9」が抽出される(ステップS15)。そして、図4に例示される対応表から、各判断パターンと対応するアプリケーションとして、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「家計簿」が抽出される(ステップS16)。つまり、入力値が“0800”である場合には、表示部108上にサブメニューとして示されるアプリケーションは、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「家計簿」となる。
【0035】
図8(c)に示されるように、表示されたアプリケーションの中から「アラーム」が選択されると、「アラーム」のアプリケーションが起動される。入力値の“0800”が取り得る単位としては、図3及び図4に示される表によれば「8時00分(判断パターン4)」であるため、“0800”は“8時00分”という設定値として認識され、図8(d)に示されるようにアラームの開始時間として設定される。
【0036】
このように構成することで、数字キーを入力するだけで所望のアプリケーションを起動させることが出来るようになるため、メニューの構成や階層を記憶しておく必要が無くなる。
【0037】
また、本例によれば入力した数字列がそのままアプリケーションの入力値として処理されるようになるため、メニューの中から使いたいアプリケーションを探し出し、アプリケーションを選択後、数値の入力する、といった従来の手順に比べて手順が簡略化され、ユーザの利便性が向上する。
【0038】
なお、ここまで説明した実施の形態では、数字列を入力値として扱うアプリケーションとして、「時刻合わせ」、「アラーム」、「タイマ」、「時刻表」、「カレンダ」、「家計簿」、「インターネットアクセス」、「電卓」を例に挙げて説明を行ったが、変数として数値をとるアプリケーションであれば、他のアプリケーションに適用してもよい。
【0039】
また、上述した実施の形態では、操作部107より入力された数値が、アプリケーションの入力値として処理される場合に採り得る単位を、選択肢として表示部108に表示させ、ユーザに選択させる構成としたが、予め特定の数字と単位とを関連付ける設定を行っておくようにしてもよい。この場合の設定画面の構成例を、図9〜図12を参照して説明する。
【0040】
図9は、例えば“5”という数字と、単位としての「分」とを関連付ける設定を行う場合の表示例を示した図である。図9(a)に示されるように、操作部107から任意の数字の入力を受け付け、表示部108に“5”が表示された状態で、続いてオプションキー107cの入力を受け付けると、図9(b)に示されるように、他のアプリケーションと同列で「設定」の項目が表示されるようにし、操作部107から「設定」の選択を受け付けた場合に、図10(a)のような設定画面を表示させるようにする。
【0041】
設定画面は、例えば「時」、「分」、「秒」、「数字」、「省略設定」などの項目で構成されるものとし、「時」、「分」、「秒」の項目では、3桁以下の数字の設定を行うようにしてある。図10(b)に示されるように、「分」の選択を受け付けた場合は、入力された“5”の単位として、“分”が関連付けて設定される。この場合、図10(c)のような確認メッセージを表示させるようにしてもよい。
【0042】
「省略設定」とは、例えば「4桁」と「6桁」の2種類の設定メニューで構成してあり、操作部107から入力される数字が4桁もしくは6桁であった場合に、特定の単位に関連付けを行えるようにしたものである。図11では、「省略設定4桁」の設定例を示してある。図11(a)に示されるように、操作部107を介して「省略設定」が選択されると、図11(b)のように「4桁」と「6桁」のサブメニュー108aを表示させるようにしてある。「4桁」が選択された場合は、図11(c)に示されるようにさらに「時・分」、「秒」、「数字」のサブメニュー108aを表示させる。「時・分」は、4桁の数字を“HH:MM(時間:分)”として設定するものであり、「秒」では“SSSS”、数字は“NNNN”として設定される。図11(c)のように、例えば「時・分」が選択され、設定された場合は、操作部107より入力された数字の桁数が4桁であった場合に、アプリケーションにおいて常に“HH:MM”として認識されるようになる。この場合も、図11(d)に示されるような確認メッセージを表示させるようにしてもよい。
【0043】
また、ここまで説明した実施の形態では、無線通信端末として携帯電話端末に適用した例として説明したが、通信機能を備えて数字キーが配置された携帯可能な端末であれば、他の形態の端末にも適用可能であり、電話機能を持たない情報通信端末などにも適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の構成例を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態による入力パターンと判断パターンとの対応情報の例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態による判断パターンとアプリケーションとの対応情報の例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態によるアプリケーション表示の処理例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態による携帯電話端末の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
100…携帯電話端末、101…アンテナ、102…通信部、103…音声処理部、104…スピーカ、105…マイクロフォン、106…記憶部、107…操作部、107a…数字キー、107b…記号キー、107c…オプションキー、108…表示部、108a…サブメニュー、120…制御部、150…制御ライン、160…データライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の基地局との間で無線通信を行う無線通信端末において、
1つ又は複数の数字で構成される数字列を入力値として扱うアプリケーションと、数字列のフォーマット及び単位との対応情報を記憶する記憶部と、
数字の入力を行う操作部と、
前記操作部より入力された数字が、前記記憶部に記憶された数字列のフォーマットのいずれかに該当するかを判断し、該当すると判断した場合に、前記記憶部に記憶された前記アプリケーションと前記数字列のフォーマット及び単位との対応情報に基づき、該当するアプリケーションを抽出する制御部と、
前記制御部により抽出されたアプリケーションを表示させる表示部とを備えたことを特徴とする
無線通信端末。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信端末において、
前記数字列は、数字もしくは数字と記号との組合せにより構成されることを特徴とする
無線通信端末。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信端末において、
前記操作部より入力された数字列は、前記アプリケーションにおいて入力値として処理されることを特徴とする
無線通信端末。
【請求項4】
1つ又は複数の数字で構成される数字列を入力値として扱うアプリケーションと、数字列のフォーマット及び単位との対応情報を記憶する記憶処理と、
前記数字列の入力を受付ける入力処理と、
前記入力処理で入力を受付けた数字列が、予め記憶してあるフォーマットのいずれかに該当するかを判断し、該当すると判断した場合に、前記記憶部に予め記憶された前記アプリケーションと前記数字列のフォーマット及び単位との対応情報に基づいて、該当するアプリケーションを抽出する制御処理と、
前記制御処理で抽出されたアプリケーションを表示させる表示処理とを行うことを特徴とする
アプリケーション表示方法。
【請求項5】
数字の入力が可能な端末装置に実装して、表示処理を行うプログラムにおいて、
1つ又は複数の数字で構成される数字列を入力値として扱うアプリケーションと、数字列のフォーマット及び単位との対応情報を記憶する記憶処理と、
前記数字列の入力を受付ける入力処理と、
前記入力処理で入力を受付けた数字列が、予め記憶してあるフォーマットのいずれかに該当するかを判断し、該当すると判断した場合に、前記記憶部に予め記憶された前記アプリケーションと前記数字列のフォーマット及び単位との対応情報に基づいて、該当するアプリケーションを抽出する制御処理と、
前記制御処理で抽出されたアプリケーションを表示させる表示処理とを行うことを特徴とする
プログラム。
【請求項1】
所定の基地局との間で無線通信を行う無線通信端末において、
1つ又は複数の数字で構成される数字列を入力値として扱うアプリケーションと、数字列のフォーマット及び単位との対応情報を記憶する記憶部と、
数字の入力を行う操作部と、
前記操作部より入力された数字が、前記記憶部に記憶された数字列のフォーマットのいずれかに該当するかを判断し、該当すると判断した場合に、前記記憶部に記憶された前記アプリケーションと前記数字列のフォーマット及び単位との対応情報に基づき、該当するアプリケーションを抽出する制御部と、
前記制御部により抽出されたアプリケーションを表示させる表示部とを備えたことを特徴とする
無線通信端末。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信端末において、
前記数字列は、数字もしくは数字と記号との組合せにより構成されることを特徴とする
無線通信端末。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信端末において、
前記操作部より入力された数字列は、前記アプリケーションにおいて入力値として処理されることを特徴とする
無線通信端末。
【請求項4】
1つ又は複数の数字で構成される数字列を入力値として扱うアプリケーションと、数字列のフォーマット及び単位との対応情報を記憶する記憶処理と、
前記数字列の入力を受付ける入力処理と、
前記入力処理で入力を受付けた数字列が、予め記憶してあるフォーマットのいずれかに該当するかを判断し、該当すると判断した場合に、前記記憶部に予め記憶された前記アプリケーションと前記数字列のフォーマット及び単位との対応情報に基づいて、該当するアプリケーションを抽出する制御処理と、
前記制御処理で抽出されたアプリケーションを表示させる表示処理とを行うことを特徴とする
アプリケーション表示方法。
【請求項5】
数字の入力が可能な端末装置に実装して、表示処理を行うプログラムにおいて、
1つ又は複数の数字で構成される数字列を入力値として扱うアプリケーションと、数字列のフォーマット及び単位との対応情報を記憶する記憶処理と、
前記数字列の入力を受付ける入力処理と、
前記入力処理で入力を受付けた数字列が、予め記憶してあるフォーマットのいずれかに該当するかを判断し、該当すると判断した場合に、前記記憶部に予め記憶された前記アプリケーションと前記数字列のフォーマット及び単位との対応情報に基づいて、該当するアプリケーションを抽出する制御処理と、
前記制御処理で抽出されたアプリケーションを表示させる表示処理とを行うことを特徴とする
プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−304645(P2007−304645A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129359(P2006−129359)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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