説明

無線通信装置および無線通信システム

【課題】コグニティブ無線において、無線通信装置間で送受信するメッセージのオーバヘッドを削減しつつ、無線環境情報を考慮した経路構築を実現することを可能とする。
【解決手段】送信部1は、無線通信装置を識別する識別情報と、識別情報で識別される無線通信装置の無線通信環境を示す環境情報と、環境情報を広告する範囲を示す広告範囲情報とを含むメッセージを他の無線通信装置へ送信する。受信部2は、他の無線装置が送信したメッセージを受信する。制御部3は、受信部2が受信したメッセージで送信された他の無線通信装置の環境情報と、受信部2が受信したメッセージで送信されなかった他の無線通信装置の擬似的な環境情報とに基づいて、他の無線通信装置を経由する通信経路を決定する。また、制御部3は、受信部2が受信したメッセージに含まれる広告範囲情報に基づいて、送信部1による当該メッセージの転送を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置および無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アドホックネットワークにおけるルーティングプロトコルとしてOLSR、QOLSR、FSRが提案されている。OLSRでは定期的にHELLOやTCと呼ばれる制御メッセージに、隣接するノードの情報などのトポロジ情報を搭載し、ノード間で定期的に交換することで、各ノードはトポロジ情報を把握し、トポロジ情報に基づいた経路制御を行う(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
また、QOLSRでは、ホップ数ベースのコストを用いるOLSRに対し、各リンクに複数のQoS(Quality of Service、クオリティ オブ サービス)情報(帯域幅、遅延など)を関連付けた制御メッセージをノード間で交換することにより、各ノードは、トポロジ情報とリンク品質を考慮したトポロジの把握、ならびに経路構築が可能となる(例えば非特許文献2参照)。
【0004】
また、FSRでは、ネットワークを自ノードからのホップ数により、いくつかのスコープに分割する。例えば、2ホップまでをINスコープとし、2ホップより遠いノードをOUTスコープとする。そこで、FSRは定期的なメッセージ広告における広告周期をスコープごとに使い分けることでメッセージオーバヘッドを削減させる。FSRでは近いノードスコープに対しては短い広告周期を用いて頻繁に広告させ、OUTスコープについては長い広告周期を用いて広告メッセージ作成を削減しつつ、トポロジ情報を交換して経路構築を行う。この場合、送信元で決定した転送先ノードへの経路のうち、遠くのノードの経路に関しては情報が古いため正確ではないおそれがある。しかしながら、近くのノードのメッセージ広告は頻繁に行われているため、フォワードするノードは、次にフォワードされるノードへの経路情報を正確に認識している。よって、送信元のノードでは古い情報あった送信先周辺の経路情報が、次のノードにフォワードされるにしたがって正確な経路情報となるため、最終的には正確な経路情報を元にパケットはフォワーディングできる(例えば非特許文献3参照)。
【非特許文献1】T. Clausen and P. Jacquet, “Optimized Link State Routing Protocol (OLSR),” IETF RFC 3626, 2003.
【非特許文献2】H. Badis and K. Al Agha, "Quality of Service for Ad hoc Optimized Link State Routing Protocol (QOLSR)," Internet-draft, 2006.
【非特許文献3】M. Gerla, G. Pei, X. Hong and T. Chen, “Fisheye State Routing Protocol (FSR) for Ad Hoc Networks,” Internet-draft, 2000.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、OLSRでは、トポロジ情報とリンク品質を関連付けて広告することはできず、かつ、経路のコストとしてホップ数を利用して、最短ホップ経路を構築するため、コグニティブ無線技術を適用したネットワークにおいては、そのリンク品質の変動に対応することが困難である。
【0006】
また、コグニティブ無線技術では、ノード間に複数の無線方式による無線リンクが存在する。そのため、QOLSRをコグニティブ無線環境に適用すると、各無線方式にひもづく無線環境情報の量は多くなってしまう。また、これらの複数の無線リンクを束ねて一つのIPリンクとしてみた場合、下位レイヤにおける無線方式の選択により、そのIPリンク品質は頻繁に変動することになる。このような変動頻度が高く、情報量の多い無線環境情報をQOLSRのQoS情報として広告した場合、メッセージ増大によるオーバヘッドが発生してしまうという問題があった。また、FSRを使用したとしても、リンクに複数のQoS情報を関連付けた場合には、メッセージの増大によるオーバヘッドが発生してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、コグニティブ無線において、無線通信装置間で送受信するメッセージのオーバヘッドを削減しつつ、無線環境情報を考慮した経路構築を実現することが可能な無線フレーム制御装置および無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、無線通信装置を識別する識別情報と、前記識別情報で識別される無線通信装置の無線通信環境を示す環境情報と、前記環境情報を広告する範囲を示す広告範囲情報とを含むメッセージを他の無線通信装置へ送信する送信部と、他の無線装置が送信した前記メッセージを受信する受信部と、前記受信部が受信した前記メッセージで送信された他の無線通信装置の前記環境情報と、前記受信部が受信した前記メッセージで送信されなかった他の無線通信装置の擬似的な前記環境情報とに基づいて、他の無線通信装置を経由する通信経路を決定する経路決定部と、前記受信部が受信した前記メッセージに含まれる前記広告範囲情報に基づいて、前記送信部による当該メッセージの転送を制御する転送制御部と、を備えたことを特徴とする無線通信装置。
【0009】
また、本発明の無線通信装置において、前記メッセージはさらに、複数種類の前記環境情報と、前記環境情報の種類ごとに前記環境情報を広告する範囲を示す前記広告範囲情報とを含み、前記転送制御部はさらに、前記環境情報の種類ごとに、前記広告範囲情報に基づいて前記環境情報を転送するか否か判断し、転送しないと判断した前記環境情報を前記メッセージから削除することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、無線通信装置を複数含むことを特徴とする無線通信システムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コグニティブ無線において、無線通信装置間で送受信するメッセージのオーバヘッドを削減しつつ、無線環境情報を考慮した経路構築を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態による無線通信装置の構成を示した構成図である。無線通信装置(ノード)は、送信部1と受信部2と制御部3と記憶部4とを備える。送信部1は他の無線通信装置に情報を送信する。受信部2は他の無線通信装置から送信された情報を受信する。制御部3は無線通信装置の各部を制御する。記憶部4は無線通信装置が使用する情報を記憶する。
【0013】
図2は本実施形態における無線通信システムに含まれるノード同士の接続状態を示した図である。図示する例では、無線通信システムにはノードSと、ノードAと、ノードBと、ノードCと、ノードDと、ノードEと、ノードFと、ノードGとが含まれる。また、直線で結ばれているノード同士が無線で接続している。図示する例では、ノードSは、ノードAとEとに接続している。ノードAは、ノードSとBとFとに接続している。以下同様に図示する通りノード同士が接続している。
【0014】
本実施形態では、QoS(Quality of Service、クオリティ オブ サービス)情報などの無線通信の帯域幅や遅延といった無線環境の情報を無線環境情報とする。また、本実施形態では無線環境情報1と無線環境情報2との2つの無線環境情報を使用して、各ノードは他のノードとの通信に使用する通信経路を選択するとする。
【0015】
また、本実施形態では、無線環境情報1の広告範囲を3ホップ、無線環境情報2の広告範囲を2ホップとする。図2では、ノードSの無線環境情報1と無線環境情報2の広告範囲を示している。ノードSの無線環境情報1は、ノードSと3ホップ以内に接続されているノードA、ノードB、ノードC、ノードE、ノードF、ノードGに広告される。ノードSの無線環境情報2は、ノードSと2ホップ以内に接続されているノードA、ノードB、ノードE、ノードFに広告される。
【0016】
また、図2には、ノードSの記憶部4に記憶されている、ノードSが他のノードから広告された無線環境情報が記載されている。ノードSの記憶部4が記憶する無線環境情報はノードを結ぶ直線上に記載されており、例えば、ノードSとノードA間の無線環境情報はSA(100,50)と記載される。SAはノードSとノードA間の無線環境情報であることを示し、()内の1つ目の値である100は無線環境情報1の情報を示し、2つ目の値である50は無線環境情報2の情報を示す。なお、本実施形態では、無線環境情報1および無線環境情報2の値が大きいほど無線環境が良いとする。また、広告範囲内に接続されていないノードの無線環境情報はnullとする。図示する例では、ノードSの記憶部4に記憶されている、ノードSとノードE間の無線環境情報はSE(50,10)である。ノードSの記憶部4に記憶されている、ノードGとノードD間の無線環境情報はGD(null,null)である。同様にノードSの記憶部4に記憶されている、他のノード間の無線環境情報についても図2に示す通りである。ノードSが他のノードから広告された無線環境情報を記憶する手順については後述する。
【0017】
(隣接リンクの発見)
次に、ノードSがノードAに対して、自身の無線環境情報を通知する手順について図3を参照して説明する。図3には、ノードSとノードA間で送信する情報の送信順序および、ノードSとノードAが送信された情報を記憶する順序が記されている。
【0018】
(ステップS101)ノードSの制御部3は、送信部1を介して他のノードに対してTTL(Time to Live)=1のHelloメッセージを定期的に送信する。
ノードSの記憶部4は、隣接するノードのリンク情報を隣接リンクテーブルとして記憶しているが、この時点では、隣接するノードの情報は何も知らないため、ノードSの記憶部4が記憶する隣接リンクテーブルは空である。ノードSは、隣接するノードの情報は知らないため、周囲のノードに対して未認識リンク情報を含んだHelloメッセージをブロードキャスト送信する。
【0019】
図4は、各ノードが隣接リンクの状態が未認識の他のノードに対して送信する、未認識リンク情報を含んだHelloメッセージのフォーマットを示した図である。図示する例では、未認識リンク情報を含んだHelloメッセージには自ノードインタフェースIDが含まれている。自ノードインタフェースIDは、自ノードを一意に決定することができる情報である。ノードSの自ノードインタフェースIDは「S」とする。ノードSの制御部3が送信部1を介してノードAに送信する未認識リンク情報を含んだHelloメッセージは、自ノードインタフェースID=Sである。
【0020】
(ステップS102)受信部2を介して未認識リンク情報を含んだHelloメッセージを受信したノードAの制御部3は、ノードAの自ノードインタフェースID「A」と、未認識リンク情報を含んだHelloメッセージに含まれる自ノードインタフェースID「S」との組をID「AS」とし、ID「AS」とリンク状態「非対称」とをノードAの記憶部4が記憶する隣接リンクテーブルに非対称リンク情報として記憶する。
【0021】
(ステップS103)ノードAの制御部3も、送信部1を介して他のノードに対してTTL=1のHelloメッセージを定期的に送信する。送信するHelloメッセージは、記憶部4が記憶する隣接テーブルの情報によって異なる。ノードAの記憶部4が記憶する隣接リンクテーブルには、ID「AS」,リンク状態「非対称」の非対称リンク情報が記憶されている。よって、ノードAの制御部3は、ノードSに対しては、送信部1を介して非対応リンク情報を含んだHelloメッセージを送信し、その他のノードに対しては、送信部1を介して未認識リンク情報を含んだHelloメッセージをブロードキャスト送信する。
【0022】
図5は、各ノードが隣接リンクの状態が非対称のノードに対して送信する、非対称リンク情報を含んだHelloメッセージのフォーマットを示した図である。図示する例では、非対称リンク情報を含んだHelloメッセージには自ノードインタフェースIDと、隣接リンクインタフェースID1と、リンク状態=非対称と、自ノード無線環境情報1と、自ノード無線環境情報2とが含まれている。自ノードインタフェースIDは、自ノードを一意に決定することができる情報である。隣接リンクインタフェースID1は、自ノードが認識しているノードのインタフェースIDである。
【0023】
ノードAの制御部3が送信部1を介してノードSに送信する非対称リンク情報を含んだHelloメッセージには、自ノードインタフェースID=A、隣接リンクインタフェースID1=S、リンク状態=非対称、自ノード無線環境情報1=100、自ノード無線環境情報2=50が含まれる。ノードAの制御部3が送信部1を介して、未認識の周囲のノードに対して送信する未認識リンク情報を含んだHelloメッセージには、自ノードインタフェースID=Aが含まれる。
【0024】
(ステップS104)受信部2を介してノードAが送信した非対称リンク情報を含んだHelloメッセージを受信したノードSの制御部3は、ノードSの自ノードインタフェースID「S」と、非対称リンク情報を含んだHelloメッセージに含まれる自ノードインタフェースID「A」との組をID「SA」、自ノード無線環境情報1を対向ノード無線環境情報1、自ノード無線環境情報2を対向ノード無線環境情報2とし、ID「SA」と、対向ノード無線環境情報1=100と、対向ノード無線環境情報2=50と、リンク状態「対称」とを関連付けてノードSの記憶部4が記憶する隣接リンクテーブルに対称リンク情報として記憶する。
【0025】
(ステップS105)次のHelloメッセージの送信時に、ノードSの制御部3は、送信部1を介して他のノードに対してTTL=1のHelloメッセージを送信する。送信するHelloメッセージは、記憶部4が記憶する隣接テーブルの情報によって異なる。ノードAの記憶部4が記憶する隣接リンクテーブルには、ID「SA」、対向ノード無線環境情報1=100、対向ノード無線環境情報2=50、リンク状態「対称」の対称リンク情報が記憶されている。よって、ノードSの制御部3は、ノードAに対しては、送信部1を介して対称リンク情報を含んだHelloメッセージを送信し、その他のノードに対しては、送信部1を介して未認識リンク情報を含んだHelloメッセージをブロードキャスト送信する。
【0026】
図6は、各ノードが隣接リンクの状態が対称のノードに対して送信する、対称リンク情報を含んだHelloメッセージのフォーマットを示した図である。図示する例では、対称リンク情報を含んだHelloメッセージには、自ノードインタフェースIDと、隣接リンクインタフェースID1と、リンク状態=対称と、自ノード無線環境情報1と、対向ノード無線環境情報1と、自ノード無線環境情報2と、対向ノード無線環境情報2とが含まれている。
【0027】
ノードSの制御部3が送信部1を介してノードAに送信する対称リンク情報を含んだHelloメッセージには、自ノードインタフェースID=S、隣接リンクインタフェースID1=A、リンク状態=対称、自ノード無線環境情報1=100、対向ノード無線環境情報1=100、自ノード無線環境情報2=50、対向ノード無線環境情報2=50が含まれる。ノードSの制御部3が送信部1を介して、未認識の周囲のノードに対して送信する未認識リンク情報を含んだHelloメッセージには、自ノードインタフェースID=Aが含まれる。
【0028】
(ステップS106)受信部2を介してノードSが送信した対称リンク情報を含んだHelloメッセージを受信したノードAの制御部3は、ノードAの自ノードインタフェースID「A」と、対称リンク情報を含んだHelloメッセージに含まれる自ノードインタフェースID「S」との組をID「AS」、自ノード無線環境情報1を対向ノード無線環境情報1、自ノード無線環境情報2を対向ノード無線環境情報2とし、ID「AS」と、自ノード無線環境情報1=100と、対向ノード無線環境情報1=100と、自ノード無線環境情報2=50と、対向ノード無線環境情報2=50と、リンク状態「対称」とを関連付けてノードAの記憶部4が記憶する隣接リンクテーブルに対称リンク情報として登録する。
【0029】
上述したとおり、ノードSは、隣接するノードAの情報を取得し、隣接リンクテーブルにノードAの情報を対称リンク情報として記憶することができ、また、ノードAも、隣接するノードSの情報を取得し、隣接リンクテーブルにノードSの情報を対称リンク情報として記憶することができる。他のノードについても同様の手順を行い、隣接するノードの情報を隣接リンクテーブルに対称リンク情報として登録することができる。
【0030】
(ネットワーク全体構成の把握)
次に、各ノードがネットワーク全体の構成を把握する手順について説明する。上述したとおり、各ノードは隣接する他のノードの情報を記憶部4が記憶する隣接リンクテーブルに対称リンク情報として登録している。隣接リンクテーブルに登録された対称リンク情報をトポロジ情報として他のノードに対して各ノードがフラッディングすることで、各ノードは隣接ノード以外の対称リンク情報についても把握することができる。また、各ノードは、記憶部4が記憶するトポロジ管理テーブルに、受信したトポロジ情報を保管する。
【0031】
図7は、対称リンク情報をフラッディングする際に各ノードが送信する、トポロジ情報のフォーマットを示した図である。図示する例では、トポロジ情報には、シーケンス番号と、自ノードインタフェースIDと、隣接リンクインタフェースID1と、自ノード無線環境情報1と、対向ノード無線環境情報1と、無線環境情報1の広告範囲と、自ノード無線環境情報2と、対向ノード無線環境情報2と、無線環境情報2の広告範囲とが含まれている。シーケンス番号はフラッディングを行う度に一つずつ加算される数値である。
【0032】
図7に記載したとおり、各ノードは対称リンク情報をフラッディングする際に、無線環境情報ごとに定められた広告の範囲の情報もあわせてトポロジ情報に搭載する。広告の範囲の情報は、無線環境情報を何ステップ先のノードまで送信するか予め決定した値である。例えば、本実施形態では無線環境情報1の広告の範囲は3であり、無線環境情報2の広告の範囲は2である。よって、無線環境情報1は3ホップ先のノードまで広告され、無線環境情報2は2ホップ先のノードまで広告される。広告範囲の制御については後述する。
【0033】
トポロジ情報を受信したノードの制御部3は、受信部2を介して受信したトポロジ情報を初めて受信したか否か判断し、初めて受信した場合、制御部3は、記憶部4が記憶するトポロジ管理テーブルに受信したトポロジ情報を保管する。具体的には、受信したトポロジ情報に含まれるシーケンス番号が、記憶部4が記憶するトポロジ管理テーブルに含まれているか否か判断し、トポロジ管理テーブルに含まれていないと判断した場合、受信したトポロジ情報をトポロジ管理テーブルに登録する。
【0034】
制御部3がトポロジ管理テーブルに登録する情報は、トポロジ情報に含まれている、シーケンス番号と、自ノードインタフェースIDと、隣接リンクインタフェースID1と、自ノード無線環境情報1と、対向ノード無線環境情報1と、無線環境情報1の広告範囲と、自ノード無線環境情報2と、対向ノード無線環境情報2と、無線環境情報2の広告範囲とである。なお、受信したトポロジ情報が以前に受信したトポロジ情報である場合、制御部3は、受信したトポロジ情報を破棄する。
【0035】
また、受信部2を介して受信したトポロジ情報が初めて受信したトポロジ情報の場合、トポロジ情報を受信したノードの制御部3は、受信したトポロジ情報を隣接するノードにブロードキャストする。ブロードキャストを行う際、制御部3は、トポロジ情報に含まれる広告範囲の数値を1つ減算し、広告範囲を減算した値としてブロードキャストを行う。また、制御部3は、トポロジ情報に含まれる広告範囲の数値を1つ減算した結果、広告範囲の数値が0となった場合は、広告範囲と結びついている自ノード無線環境情報と、対向ノード無線環境情報と、0となった広告範囲とをトポロジ情報から削除し、削除した後のトポロジ情報を隣接ノードにブロードキャストする。
【0036】
上記のブロードキャストを各ノードが行うことで、図1に示したように、各ノードは他のノードの無線環境情報を予め定められた広告範囲に基づいて広告させることができる。なお、広告範囲外に接続されているノードから受信したトポロジ情報には無線環境情報が含まれていないため、受信したトポロジ情報に無線環境情報が含まれていない場合、各ノードは、無線環境情報の値をnullとしてトポロジ情報を記憶部4が記憶するトポロジ管理テーブルに登録する。
【0037】
上述したとおり、各ノードはトポロジ管理テーブルにネットワーク全体構成を登録することができる。
【0038】
(ネットワーク経路の構築)
次に各ノードの制御部3は、記憶部4が記憶するトポロジ管理テーブルの情報に基づいて、情報を送信する経路を決定する。本実施形態では、無線環境情報1と無線環境情報2との2つの無線環境情報を使用している。各ノードの制御部3は、無線環境情報1と無線環境情報2とから各リンクのコストを計算し、各リンクのコストに基づいて情報を送信する経路を決定する。なお、無線環境情報1の値をn、無線環境情報2の値をnとする。
【0039】
コストは以下のように計算する。無線環境情報1と無線環境情報2との両方の無線環境情報の値が得られているリンクのコストは、1/n+1/nとする。無線環境情報1の無線環境情報の値が得られており、無線環境情報2の値がnullの場合のコストは、1/n+1/minNとする。ここで、minNは、コストを算出しているノードが得た、他の無線環境情報2のうち最小の値を指す。無線環境情報2の無線環境情報の値が得られており、無線環境情報1の値がnullの場合のコストは、1/minN+1/nとする。ここで、minNは、コストを算出しているノードが得た、他の無線環境情報1のうち最小の値を指す。無線環境情報1と無線環境情報2との両方の無線環境情報の値がnullの場合のコストは、1/minN+1/minNとする。ここで、minNは、コストを算出しているノードが得た、他の無線環境情報1のうち最小の値を指す。minNは、コストを算出しているノードが得た、他の無線環境情報2のうち最小の値を指す。
【0040】
上述のとおり計算したコストに基づいて、各ノードの制御部3は、ダイクストラ法により最短経路を求め、経路テーブルを作成し、記憶部4に記憶させる。
【0041】
以下、ノードSが算出する各ノード間のコストおよび経路について説明する。ノードSの制御部3がコストの算出に使用する無線環境情報1および無線環境情報2は、図2に示したとおりである。また、ノードSには届いていない無線環境情報1のnullについては、ノードSに届いている無線環境情報1のうち最小値である50を使用し、ノードSには届いていない無線環境情報2のnullについては、ノードSに届いている無線環境情報2のうち最小値である10を使用する。
【0042】
図8は本実施形態におけるノードSが算出した各ノード間のコストを示した図である。図8には、ノードSの記憶部4に記憶されている、ノードSの制御部3が算出した各リンクのコストが記載されている。ノードSの記憶部4が記憶するコストは各リンク上に記載されており、例えば、ノードSとノードA間のリンクのコストは3/100である。なお、本実施形態では、コストの値が小さいほど無線環境が良いとする。図示する例では、ノードSの記憶部4に記憶されている、ノードSとノードE間のコストは12/100である。ノードSの記憶部4に記憶されている、ノードAとノードB間のコストは11/100である。同様にノードSの記憶部4に記憶されている、他のノード間のコストについても図8に示す通りである。また、図8において、各ノードを接続している直線のうち、太い直線で示した経路が、ノードSの制御部3が決定した、ノードSからノードDまでの最短経路である。図示する例では、ノードSからノードDまでパケットが転送される際の経路は、ノードS−ノードA−ノードB−ノードG−ノードDである。
【0043】
図9は本実施形態におけるノードSが把握している、ノードSから各ノードへの経路を示す経路テーブルである。経路テーブルには、Destination、Hext hop、ホップ数、Costの4つの属性がある。DestinationはノードSがパケットを送信する際のあて先のノード名を示す。Next hopは、Destinationに示したノードにパケットを送信する際、ノードSが最初に送信するノード名を示す。ホップ数は、Destinationに示したノードにパケットを送信する際、何ホップ必要か示す。CostはDestinationに示したノードにパケットを送信する際に必要なコストを示す。
【0044】
図示する例では、Destination:A、Next hop:A、ホップ数A、Cost:3/100の行がある。この行は、ノードSからノードAにパケットを送信するには、ノードSは次にノードAに送信すること、ノードSからノードAまでのホップ数は1であること、ノードSからノードAまでのコストは3/100であることを示す。以下同様に、図9の各行は、ノードSが各ノードまで送信する際に、ノードSが次に送信するノード、ノードSから送信先ノードまでのホップ数、ノードSから送信先ノードまでのコストを示す。
【0045】
また、以下、ノードAが算出する各ノード間のコストおよび経路について説明する。図10には、ノードAの記憶部4に記憶されている、ノードAが他のノードから広告された無線環境情報を記載されている。ノードAの記憶部4が記憶する無線環境情報はノードを結ぶ直線上に記載されており、例えば、ノードAとノードB間の無線環境情報はAB(100,10)と記載される。ABはノードAとノードB間の無線環境情報であることを示し、()内の1つ目の値である100は無線環境情報1の情報を示し、2つ目の値である10は無線環境情報2の情報を示す。図示する例では、ノードAの記憶部4に記憶されている、ノードAとノードF間の無線環境情報はAF(100,50)である。ノードAの記憶部4に記憶されている、ノードGとノードD間の無線環境情報はGD(100,null)である。同様にノードAの記憶部4に記憶されている、他のノード間の無線環境情報についても図10に示す通りである。
【0046】
図11には、ノードAの記憶部4に記憶されている、ノードAの制御部3が算出した各リンクのコストが記載されている。なお、ノードAの制御部3がコストの算出に使用する無線環境情報1および無線環境情報2は、図10に示したとおりである。また、ノードAには届いていない無線環境情報2のnullについては、ノードAに届いている無線環境情報2のうち最小値である5を使用する。
【0047】
ノードAの記憶部4が記憶するコストは各リンク上に記載されており、図示する例では、ノードAとノードB間のリンクのコストは11/100である。同様にノードAの記憶部4に記憶されている、他のノード間のコストについても図11に示す通りである。また、図11において、各ノードを接続している直線のうち、太い直線で示した経路が、ノードAの制御部3が決定した、ノードAからノードDまでの最短経路である。図示する例では、ノードAからノードDまでパケットが転送される際の経路は、ノードA−ノードB−ノードC−ノードDである。
【0048】
図12は本実施形態におけるノードAが把握している、ノードAから各ノードへの経路を示す経路テーブルである。経路テーブルには、Destination、Hext hop、ホップ数、Costの4つの属性がある。各属性は図9と同様である。
【0049】
図示する例では、Destination:S、Next hop:S、ホップ数1、Cost:3/100の行がある。この行は、ノードAからノードSにパケットを送信するには、ノードAは次にノードSに送信すること、ノードAからノードSまでのホップ数は1であること、ノードAからノードSまでのコストは3/100であることを示す。以下同様に、図11の各行は、ノードAが各ノードまで送信する際に、ノードAが次に送信するノード、ノードAから送信先ノードまでのホップ数、ノードAから送信先ノードまでのコストを示す。
【0050】
また、以下、ノードBが算出する各ノード間のコストおよび経路について説明する。図13には、ノードBの記憶部4に記憶されている、ノードBが他のノードから広告された無線環境情報を記載されている。ノードBの記憶部4が記憶する無線環境情報はノードを結ぶ直線上に記載されており、例えば、ノードBとノードC間の無線環境情報はBC(50,50)と記載される。BCはノードBとノードC間の無線環境情報であることを示し、()内の1つ目の値である50は無線環境情報1の情報を示し、2つ目の値である50は無線環境情報2の情報を示す。図示する例では、ノードBの記憶部4に記憶されている、ノードBとノードG間の無線環境情報はBG(50,20)である。ノードBの記憶部4に記憶されている、ノードGとノードD間の無線環境情報はGD(100,50)である。同様にノードBの記憶部4に記憶されている、他のノード間の無線環境情報についても図13に示す通りである。
【0051】
図14には、ノードBの記憶部4に記憶されている、ノードBの制御部3が算出した各リンクのコストが記載されている。なお、ノードBの制御部3がコストの算出に使用する無線環境情報1および無線環境情報2は、図13に示したとおりである。
【0052】
ノードBの記憶部4が記憶するコストは各リンク上に記載されており、図示する例では、ノードBとノードC間のリンクのコストは4/100である。同様にノードBの記憶部4に記憶されている、他のノード間のコストについても図14に示す通りである。また、図14において、各ノードを接続している直線のうち、太い直線で示した経路が、ノードBの制御部3が決定した、ノードBからノードDまでの最短経路である。図示する例では、ノードBからノードDまでパケットが転送される際の経路は、ノードB−ノードG−ノードDである。
【0053】
図15は本実施形態におけるノードBが把握している、ノードBから各ノードへの経路を示す経路テーブルである。経路テーブルには、Destination、Hext hop、ホップ数、Costの4つの属性がある。各属性は図9と同様である。
【0054】
図示する例では、Destination:A、Next hop:A、ホップ数1、Cost:11/100の行がある。この行は、ノードBからノードAにパケットを送信するには、ノードBは次にノードAに送信すること、ノードBからノードAまでのホップ数は1であること、ノードBからノードAまでのコストは11/100であることを示す。以下同様に、図15の各行は、ノードBが各ノードまで送信する際に、ノードBが次に送信するノード、ノードBから送信先ノードまでのホップ数、ノードBから送信先ノードまでのコストを示す。
【0055】
上述したとおり、本実施形態では、各ノードの制御部3は、自ノードからパケット送信先のノードまでのコストを算出することができる。
【0056】
次に、算出したコストに基づいて、本実施形態におけるノードSがノードDに対してパケットを送信する際の、各ノードの動作について説明する。
【0057】
ノードSの記憶部4が記憶する経路テーブルには、Destination:Dの行のNext hopはAと記憶されているため(図9参照)、ノードSの制御部3は、送信部1を介してノードAにパケットを送信する。なお、ノードSが認識しているパケットの転送経路は図8よりノードS−ノードA−ノードB−ノードG−ノードDである。
【0058】
ノードAの受信部2は、ノードSから送信されたパケットを受信する。受信部2が受信したパケットから、ノードAの制御部3は受信したパケットのあて先はノードDであることを判断する。ノードAの記憶部4が記憶する経路テーブルには、Destination:Dの行のNext hopはBと記憶されているため(図12参照)、ノードAの制御部3は、送信部1を介してノードBにパケットを送信する。なお、ノードAが認識しているパケットの転送経路は、図11よりノードA−ノードB−ノードC−ノードDである。
【0059】
ノードBの受信部2は、ノードAから送信されたパケットを受信する。受信部2が受信したパケットから、ノードBの制御部3は受信したパケットのあて先はノードDであることを判断する。ノードBの記憶部4が記憶する経路テーブルには、Destination:Dの行のNext hopはGと記憶されているため(図15参照)、ノードBの制御部3は、送信部1を介してノードGにパケットを送信する。なお、ノードBが認識しているパケットの転送経路は、図14よりノードB−ノードG−ノードDである。
【0060】
ノードGの受信部2は、ノードBから送信されたパケットを受信する。受信部2が受信したパケットから、ノードGの制御部3は受信したパケットのあて先はノードDであることを判断する。なお、ノードGの経路テーブルの算出についてはノードS、ノードA、ノードBと同様に算出する。ノードGの記憶部4が記憶する経路テーブルには、Destination:Dの行のNext hopはDと記憶されているため(図示せず)、ノードGの制御部3は、送信部1を介してノードDにパケットを送信する。
【0061】
上述したとおり、本実施形態では、ノードSがノードDに対してパケットを送信する際での各ノードの動作より、パケットがノードを転送されるにつれて、多くの無線環境情報に基づいてあて先への最短木が変化し、より正確にコストの低い経路を選択することができる。具体的には、本実施形態では、ノードAが認識している経路はノードA−ノードB−ノードC−ノードDであるが、ノードBが認識している経路はノードB−ノードG−ノードDである。ノードBとノードC間と比較して、ノードBとノードG間のコストは低い。よって、パケットがあて先ノードであるノードDに近づくにつれて、より正確にコストの低い経路を選択することができることがわかる。
【0062】
(無線環境情報の例)
なお、上述した実施形態では、無線環境情報を無線環境情報1および無線環境情報2として説明してきたが、無線環境情報として想定される例を説明する。想定される無線環境情報としては、各無線方式の伝送容量や遅延がある。伝送容量と遅延を本実施形態に当てはめ、無線環境情報1は伝送容量として定義し、無線環境情報2は遅延として定義する。伝送容量と遅延との2つの値からコストを計算する方法としては、伝送容量を遅延より重視する方法が考えられる。伝送容量をC(Mbps)、遅延をd(msec)とすると、コストの計算式の例として(α/C)+(β・d)となる。ここで、α、βは無線環境情報の重み係数である。
【0063】
また、無線方式Aと無線方式Bとの2種類の無線方式を搭載したノードを想定した場合、無線方式Aを無線環境情報1とし、無線方式Bを無線環境情報2とすることもできる。無線方式Aの方が無線方式Bより伝送容量が高いとすると、伝送容量が高い無線環境情報1の広告範囲を広い範囲に、伝送容量が低い無線環境情報2の広告範囲を狭い範囲とし、無線環境情報の重要さに合わせて、効率的な広告を行うことも考えられる。また、無線環境情報1をC(Mbps)、無線環境情報2をC(Mbps)とすると、コストの計算式の例として(γ/C)+(θ/C)となる。ここで、γ、θは無線環境情報の重み係数である。
【0064】
上述したとおり、従来、遠くのノードでは無線環境情報が必要のない場合においても、各ノードは、近くのノードに対して送信した情報と同一の情報を遠くのノードに対して送信していたが、本実施形態によれば、無線環境情報の種類に応じて無線環境情報の広告の範囲を指定することで、各ノードは、近隣のノードには無線環境情報を送信し、遠くのノードには無線環境情報を送信することが無くなる。これにより、コグニティブ無線において、無線通信装置間で送受信するメッセージのオーバヘッドを削減することができる。また、無線環境情報が分からないノードの無線環境情報を最も悪い値として経路情報を構築するため、メッセージのオーバヘッドを削減したにもかかわらず、無線環境情報を考慮した経路構築を実現することが可能となる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成や方法はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0066】
例えば、本実施形態では、各ノードは1種類の無線リンクを搭載しており、1つの無線リンクに無線環境情報1と無線環境情報2との2つの無線環境情報が関連付けられている例を説明したが、複数の無線リンクをノードが搭載していても良い。
【0067】
ノード間に存在する複数の無線方式のうち、いずれか一つの無線方式のみの無線環境情報を広告する方法が考えられる。具体的には、ノードSとノードA間に無線方式アと無線方式イによる無線リンクがある場合、無線方式アまたは無線環境イのいずれか1つの無線環境情報のみを広告する。ここで、広告する無線方式を決定する方法としては、無線方式アと無線環境イとの無線環境情報を比較し、無線環境が良い無線方式を選択する方法や、ランダムに無線方式を選択する方法がある。
【0068】
また、ノード間に存在する複数の無線方式のうち、すべての無線方式の無線環境情報を広告する方法が考えられる。具体的には、ノードSとノードA間に無線方式アと無線方式イによる無線リンクがある場合、無線方式アまたは無線環境イの両方の無線環境情報を広告する。無線方式アと無線方式イとがそれぞれ2つの無線環境情報を持っている場合は、合計4つの無線環境情報を広告する。ネットワーク全体に広告されるトポロジ情報は、隣接リンク単位ではなく隣接ノード単位であるため、この場合においても無線環境情報を広告することが可能である。また、本実施形態では、無線環境情報毎に広告範囲を設定することができるため、効率的に広告を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態による無線通信装置の構成を示した構成図である。
【図2】本実施形態における無線通信システムに含まれるノード同士の接続状態を示した図である。
【図3】本実施形態におけるノードSがノードAに対して自身の無線環境情報を通信する手順を示した図である。
【図4】本実施形態における未認識リンク情報を含んだHelloメッセージのフォーマットを示した図である。
【図5】本実施形態における非対応リンク情報を含んだHelloメッセージのフォーマットを示した図である。
【図6】本実施形態における対称リンク情報を含んだHelloメッセージのフォーマットを示した図である。
【図7】本実施形態におけるトポロジ情報のフォーマットを示した図である。
【図8】本実施形態におけるノードSが算出した各ノード間のコストを示した図である。
【図9】本実施形態におけるノードSが把握している、ノードSから各ノードへの経路を示す経路テーブルである。
【図10】本実施形態におけるノードAが他のノードから広告された無線環境情報を示した図である。
【図11】本実施形態におけるノードAが算出した各ノード間のコストを示した図である。
【図12】本実施形態におけるノードAから各ノードへの経路を示す経路テーブルである。
【図13】本実施形態におけるノードBが他のノードから広告された無線環境情報を示した図である。
【図14】本実施形態におけるノードBが算出した各ノード間のコストを示した図である。
【図15】本実施形態におけるノードBから各ノードへの経路を示す経路テーブルである。
【符号の説明】
【0070】
1・・・送信部、2・・・受信部、3・・・制御部、4・・・記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置を識別する識別情報と、前記識別情報で識別される無線通信装置の無線通信環境を示す環境情報と、前記環境情報を広告する範囲を示す広告範囲情報とを含むメッセージを他の無線通信装置へ送信する送信部と、
他の無線装置が送信した前記メッセージを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記メッセージで送信された他の無線通信装置の前記環境情報と、前記受信部が受信した前記メッセージで送信されなかった他の無線通信装置の擬似的な前記環境情報とに基づいて、他の無線通信装置を経由する通信経路を決定する経路決定部と、
前記受信部が受信した前記メッセージに含まれる前記広告範囲情報に基づいて、前記送信部による当該メッセージの転送を制御する転送制御部と、
を備えたことを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記メッセージはさらに、複数種類の前記環境情報と、前記環境情報の種類ごとに前記環境情報を広告する範囲を示す前記広告範囲情報とを含み、
前記転送制御部はさらに、前記環境情報の種類ごとに、前記広告範囲情報に基づいて前記環境情報を転送するか否か判断し、転送しないと判断した前記環境情報を前記メッセージから削除する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の無線通信装置を複数含むことを特徴とする無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−77133(P2009−77133A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243882(P2007−243882)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、総務省、電波資源拡大のための研究開発委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(599108264)株式会社KDDI研究所 (233)
【Fターム(参考)】