説明

焼き物用汚れ防止マット

【課題】焼き物の風味が落ちないように、焼き物の汁が速やかに穴、スリットなどで設けた汁抜き部から流れ出るように工夫した焼き物用汚れ防止マットを提供する。
【解決手段】例えば上部に汁抜き部112を設けた金属箔11、その下にクッション性と耐熱性を持つ金属ウールまたは金属カールのクッション部12を設ける事により、焼き物用具材の重量がかかった部分が凹むことを利用して、凹みのもよりの汁抜き部112から速やかに汁を流し出して目的を達することを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばグリルなどで焼き物をする時に、焼き網やプレートなどの調理部の汚れを防止できる焼き物用汚れ防止マットに関する。
【背景技術】
【0002】
以下、従来の例えばグリルなどでの焼き物について説明する。従来、グリルの焼き網やプレートなどの調理部上で肉又は魚等を直接載せて焼くと、焼き物の汁や調理物片が調理部に付着、又は調理部付近に飛散して、調理部又は調理部付近が汚れてしまう。また、調理部が焦げ付いてしまうことが往々にしてあった。
【0003】
このため、グリル使用後は、グリル内部や調理部を洗浄する必要がある。しかし、調理部の汚れや焦げ付きの洗浄は汚れがきついので煩わしかった。
【0004】
焼き物用汚れ防止マット類として、表面に小さな穴が複数あけてある上部アルミ箔と、吸着紙または耐熱性のある吸着剤、下部アルミ箔からなるガスレンジのグリル内網上部で用いる吸油防煙アルミシート(特許文献1)。紙又は不織布の両面にアルミニウム箔を積層し、少なくとも片面のアルミニウム箔は穿孔を施した積層材(特許文献2)などが知られている。しかしながら、焼き物用汚れ防止マット類として汁の流れを導く事を考慮したものは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−295550号公報
【0006】
【特許文献2】特開2007−196406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の焼き物用汚れ防止マット類が汁の流れを導く事を考慮していないので、上部アルミニウム箔に穴が開けてあっても速やかに焼き物の汁が流れない。また、穴が無い部分に焼き物の汁が滞り、焼き物の風味が落ちるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであって、その目的は即ち、焼き物の風味が落ちないように、焼き物の汁が速やかに穴、スリットなどで設けた汁抜き部から流れ出るように工夫した焼き物用汚れ防止マットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る焼き物用汚れ防止マットは、上部に汁抜き部を設けた金属箔、その下にクッション性と耐熱性を持つ金属、特に鉄、ステンレス、銅、真鍮などで出来た金属ウールまたは金属カールのクッション部、その下に紙又は不織布による吸着部、一番下に金属箔を積層し上下金属箔で周りを封止する。なお、焼き物用汚れ防止マット内にたまった汁が気にならなければ吸着部は省略してもよい。
【0010】
第一の実施例として、一番上にはアルミニウム箔に汁抜き部として多数の穴、スリットなどを設けた上部アルミニウム箔部、その下にクッション性と耐熱性を持つスチールウールのクッション部、その下に紙又は不織布による吸着部、一番下に下部アルミニウム箔部を積層し上下アルミニウム箔で周りを封止する。なお、片側に汁抜き部を設けた袋状のアルミニウム箔の中に、クッション部と吸着部を入れて開口部を封止しても良い。
【0011】
第二の実施例として、焼き物用汚れ防止マット内にたまる汁が気にならないなど、吸着部が不要の場合には第一の実施例から吸着部を除く。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明に係る焼き物用汚れ防止マットは、上部に汁抜き部を設けた金属箔、その下にクッション性と耐熱性を持つ金属、特に鉄、ステンレス、銅、真鍮などで出来た金属ウールまたは金属カールのクッション部、その下に紙又は不織布による吸着部、一番下に金属箔を積層し上下金属箔で周りを封止してあるので、焼き物を調理する時に、焼き物用具材を焼き物用汚れ防止マットに載せると、焼き物用具材の重量がかかった部分が凹む。なお、焼き物用汚れ防止マット内にたまった汁が気にならなければ吸着部は省略してもよい。
【0013】
汁抜き部として多数の穴、スリットなどを設けた上部金属箔の、焼き物用具材の重量がかかった部分が凹むので、もよりの汁抜き部への傾斜が出来る。焼き物の汁は汁抜き部への傾斜を通って速やかに汁抜き部を抜けクッション部へ流れるので、従来の焼き物用汚れ防止マット類のように、穴が無い部分に焼き物の汁が滞り、焼き物の風味が落ちるという問題点を解消できる焼き物用汚れ防止マットを提供する事で目的を達する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第一の実施例で、上部アルミニウム箔に穴を設けた例の焼き物用汚れ防止マット内の斜視図である。
【図2】第一の実施例で、上部アルミニウム箔にスリットを設けた例の焼き物用汚れ防止マット内の斜視図である。
【図3】第二の実施例で、上部アルミニウム箔にスリットを設けた例の焼き物用汚れ防止マット内の斜視図である。
【図4】上部アルミニウム箔に穴を設けた一例の平面図である。
【図5】第一の実施例で、上部アルミニウム箔に穴を設けた例の焼き物用汚れ防止マットの横断面図である。
【図6】第二の実施例で、上部アルミニウム箔にスリットを設けた例の焼き物用汚れ防止マットの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら具体的に説明するがこの実施形態に限定されるものではない。図1は第一の実施例で、本発明に係る焼き物用汚れ防止マットA1内の斜視図である。
【0016】
焼き物用汚れ防止マットA1は、一番上にはアルミニウム箔に穴111多数からなる汁抜き部A112を設けた上部アルミニウム箔部11、その下にクッション性と耐熱性を持つスチールウールのクッション部12、その下に紙又は不織布による吸着部13、一番下に下部アルミニウム箔部14を積層し上下アルミニウム箔で周りを封止する。なお、片側に汁抜き部A112を設けた袋状のアルミニウム箔の中に、クッション部12と吸着部13を入れて開口部を封止しても良い。
【0017】
図2は図1の穴111をスリット113に、汁抜き部A112を汁抜き部B114に置き換えたものである。
【0018】
図3は図2の例から紙又は不織布による吸着部13を取り除いた例である。
【0019】
図4は上部アルミニウム箔部11に穴111を設けてある例である。また、これまで説明した例で、汁抜き部となる穴111とスリット113は、置き換えても良いし、共に設けてあっても良い。また、穴111やスリット113は整然と配置されている必要も無い。
【0020】
焼き物用具材3を焼き物用汚れ防止マットの上に載せると、焼き物用具材3の重量がかかった部分が凹み、もよりの汁抜き部への傾斜が出来るので、焼き物用具材3の汁は汁抜き部への傾斜を通って速やかに汁抜き部を抜けクッション部12へ流れるので、従来の焼き物用汚れ防止マット類のように、穴が無い部分に焼き物の汁が滞り、焼き物の風味が落ちるという問題点を解消できる。
【符号の説明】
【0021】
1 焼き物用汚れ防止マットA
11 上部アルミニウム箔部
111 穴
112 汁抜き部A
113 スリット
114 汁抜き部B
12 クッション部
13 吸着部
14 下部アルミニウム箔部
2 焼き物用汚れ防止マットB
3 焼き物用具材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に汁抜き部を設けた金属箔、その下にクッション性と耐熱性を持つ金属ウールまたは金属カールのクッション部、その下に紙又は不織布による吸着部、一番下に金属箔を積層し上下金属箔で周りを封止することを特徴とする焼き物用汚れ防止マット。
【請求項2】
上部に汁抜き部を設けた金属箔、その下にクッション性と耐熱性を持つ金属ウールまたは金属カールのクッション部、一番下に金属箔を積層し上下金属箔で周りを封止することを特徴とする焼き物用汚れ防止マット。
【請求項3】
金属箔がアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1、2記載の焼き物用汚れ防止マット。
【請求項4】
クッション部の金属がスチールであることを特徴とする請求項1、2記載の焼き物用汚れ防止マット。
【請求項5】
汁抜き部が多数の穴、スリットなどで設けられていることを特徴とする請求項1、2記載の焼き物用汚れ防止マット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−110319(P2011−110319A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271320(P2009−271320)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【特許番号】特許第4598142号(P4598142)
【特許公報発行日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(599157745)アオキ流通株式会社 (9)
【Fターム(参考)】