説明

照明装置、表示装置、及びテレビ受信装置

【課題】異常が発生したときに、二次的な異常が生じるのを確実に防ぐことができる安全性に優れた照明装置、及びこれを用いた表示装置、並びにテレビ受信装置を提供する。
【解決手段】熱陰極蛍光管(光源)9、熱陰極蛍光管9を点灯駆動する複数のインバータ回路(点灯駆動回路)16、及びインバータ回路16の駆動制御を行う照明制御部(制御部)15を備えた照明装置において、照明制御部15は、熱陰極蛍光管9及びインバータ回路16の少なくとも一方の異常を検出したときに、エラー信号を生成するとともに、異常を検出したインバータ回路16及び異常を検出した熱陰極蛍光管9を点灯駆動するインバータ回路16への各電力供給を停止させ、かつ、エラー信号を生成した時点から第1の閾値時間を経過したときに、残り全てのインバータ回路16への各電力供給を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライト等に使用される照明装置、及びこれを用いた表示装置、並びにテレビ受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば家庭用のテレビ受信装置では、液晶表示装置に代表されるように、在来のブラウン管に比べ薄型、軽量等の多くの特長を有するフラットな表示部としての液晶パネルを備えた表示装置が主流になりつつある。このような液晶表示装置には、光を発光する照明装置(バックライト)と、照明装置に設けられた光源からの光に対してシャッターの役割を果たすことで、所望画像を表示する液晶パネルとが設けられている。そして、テレビ受信装置では、テレビ放送の映像信号に含まれた文字、画像等の情報を液晶パネルの表示面上に表示するようになっている。
【0003】
また、上記照明装置では、液晶パネルに対する光源の配置の仕方によって直下型とエッジライト型とに大別されるが、20インチ以上の液晶パネルを備えた液晶表示装置では、エッジライト型よりも高輝度・大型化を図り易い直下型の照明装置が一般的に使用されている。すなわち、直下型の照明装置は、液晶パネルの背後(非表示面)側に、複数の光源を配置して構成されており、液晶パネルのすぐ裏側に光源を配置できるため、多数の光源を使用することが可能となり、高輝度が得やすく高輝度・大型化に適している。また、直下型の照明装置は、装置内部が中空構造であるため、大型化しても軽量であることからも、高輝度・大型化に適している。
【0004】
また、上記のような従来の照明装置では、例えば下記特許文献1に記載されているように、複数の蛍光灯(光源)を設けるとともに、第1駆動系により奇数番目の蛍光灯を駆動し、かつ、第2駆動系により偶数番目の蛍光灯を駆動することが提案されている。そして、この従来の照明装置では、奇数番目の蛍光灯または偶数番目の蛍光灯に異常が発生したときに、対応する第1または第2駆動系の駆動だけを停止させることにより、輝度低下の発生を抑えつつ、輝度ムラが生じるのを防止可能とされていた。
【特許文献1】特開2007−18847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来の照明装置では、異常を生じた蛍光灯の交換が適切に行われずに、他の蛍光灯(光源)や駆動系(点灯駆動回路)に二次的な異常が生じるのを確実に防ぐことができないおそれがあった。
【0006】
具体的にいえば、従来の照明装置では、奇数番目及び偶数番目の蛍光灯のいずれか一方に異常が生じたときに、他方の蛍光灯を駆動する駆動系の駆動を停止させているだけであったので、蛍光灯の設置数や駆動系の構成、または蛍光灯の交換までの経過時間などによっては、駆動を継続させた蛍光灯や駆動系での負荷が増大して、二次的な異常が発生するおそれがあった。
【0007】
また、この従来の照明装置では、蛍光灯の異常を検出したときに、その蛍光灯異常を液晶表示装置側に通知し、当該蛍光灯異常を液晶表示装置の画面でOSD(On-Screen Display)表示させることも示されている。しかしながら、このようなOSD表示を行うだけでは、ユーザが異常を生じた蛍光灯を交換せずに、当該蛍光灯の適切な交換が行われなくて、二次的な異常発生を確実に防ぐことができないおそれがある。
【0008】
上記の課題を鑑み、本発明は、異常が発生したときに、二次的な異常が生じるのを確実に防ぐことができる安全性に優れた照明装置、及びこれを用いた表示装置、並びにテレビ受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる照明装置は、光源を備えた照明装置であって、
前記光源を点灯駆動する複数の点灯駆動回路と、
前記点灯駆動回路の駆動制御を行う制御部を備え、
前記制御部は、前記光源及び前記点灯駆動回路の少なくとも一方の異常を検出したときに、エラー信号を生成するとともに、異常を検出した点灯駆動回路及び異常を検出した光源を点灯駆動する点灯駆動回路への各電力供給を停止させ、かつ、前記エラー信号を生成した時点から第1の閾値時間を経過したときに、残り全ての点灯駆動回路への各電力供給を停止させることを特徴とするものである。
【0010】
上記のように構成された照明装置では、制御部は光源及び点灯駆動回路の少なくとも一方の異常を検出したときに、エラー信号を生成するとともに、異常を検出した点灯駆動回路及び異常を検出した光源を点灯駆動する点灯駆動回路への各電力供給を停止させる。また、制御部は、エラー信号を生成した時点から第1の閾値時間を経過したときに、残り全ての点灯駆動回路への各電力供給を停止させる。これにより、上記従来例と異なり、異常が発生したときに、二次的な異常が生じるのを確実に防ぐことができる安全性に優れた照明装置を構成することができる。
【0011】
また、上記照明装置において、前記制御部は、前記エラー信号を外部に出力して、異常が発生したことを外部に通報することが好ましい。
【0012】
この場合、光源及び点灯駆動回路の少なくとも一方に異常が発生したことを外部に通報して、当該異常の発生をユーザに即座に認識させることができる。
【0013】
また、上記照明装置において、前記制御部は、前記光源または前記複数のいずれかの点灯駆動回路の異常を検出したときに、その異常を検出した時点から第2の閾値時間を経過するまでに、異常を検出した光源または点灯駆動回路についての異常の検出回数が所定回数を超えたときに、前記エラー信号を生成してもよい。
【0014】
この場合、異常検出の誤動作が生じるのを防ぐことができる。
【0015】
また、本発明の表示装置は、上記いずれかの照明装置を用いたことを特徴とするものである。
【0016】
上記のように構成された表示装置では、異常が発生したときに、二次的な異常が生じるのを確実に防ぐことができる安全性に優れた照明装置が用いられているので、優れた安全性を有する信頼性の高い表示装置を容易に構成することができる。
【0017】
また、上記表示装置において、情報を表示する表示部を備えるとともに、
前記制御部からの前記エラー信号が入力された場合、前記表示部は、所定の警告画面を表示するように構成されていることが好ましい。
【0018】
この場合、表示部が上記警告画面を表示するので、光源及び点灯駆動回路の少なくとも一方に異常が発生したことをユーザに確実に認識させることができる。
【0019】
また、本発明のテレビ受信装置は、上記いずれかの表示装置を用いたことを特徴とするものである。
【0020】
上記のように構成されたテレビ受信装置では、異常が発生したときに、二次的な異常が生じるのを確実に防ぐことができる安全性に優れた照明装置が用いられているので、優れた安全性を有する信頼性の高いテレビ受信装置を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、異常が発生したときに、二次的な異常が生じるのを確実に防ぐことができる安全性に優れた照明装置、及びこれを用いた表示装置、並びにテレビ受信装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の照明装置、及びこれを用いた表示装置、並びにテレビ受信装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、本発明を透過型の液晶表示装置に適用した場合を例示して説明する。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態にかかるテレビ受信装置及び液晶表示装置を説明する分解斜視図である。図において、本実施形態のテレビ受信装置1は、表示装置としての液晶表示装置2を備えており、アンテナやケーブル(図示せず)などによりテレビ放送を受信可能に構成されている。液晶表示装置2は、表キャビネット3及び裏キャビネット4に収納された状態で、スタンド5によって立設されるようになっている。また、テレビ受信装置1では、液晶表示装置2の表示面2aが表キャビネット3を介在させて視認可能に構成されている。この表示面2aは、スタンド5により、重力の作用方向(鉛直方向)に平行となるように設置されている。
【0024】
また、テレビ受信装置1では、液晶表示装置2と裏キャビネット4との間に、支持板6に取り付けられるTVチューナー回路基板6a、後述の照明装置等のテレビ受信装置1の各部を制御する制御回路基板6b、及び電源回路基板6cが配置されている。そして、テレビ受信装置1では、TVチューナー回路基板6a上のTVチューナーで受信されたテレビ放送の映像信号に応じた画像が表示面2a上に表示されるとともに、表キャビネット3に設けられたスピーカ3aから音声が再生出力される。なお、裏キャビネット4には、多数の通気孔が形成されており、照明装置や電源等で発生した熱を適切に放熱できるようになっている。
【0025】
次に、図2を参照して、液晶表示装置2について具体的に説明する。
【0026】
図2は、上記液晶表示装置の要部構成を説明する図である。図において、液晶表示装置2には、文字及び画像などの情報を表示する表示部としての液晶パネル7と、液晶パネル7の非表示面側(図の下側)に配置されて、当該液晶パネル7を照明する照明光を発生する本発明の照明装置8とが設けられており、これらの液晶パネル7と照明装置8とが透過型の液晶表示装置2として一体化されている。また、液晶表示装置2では、液晶パネル7の非表示面側及び表示面側に、透過軸が互いにクロスニコルに配置された一対の偏光板12及び13がそれぞれ設置されている。
【0027】
照明装置8には、有底状のケーシング8aと、ケーシング8aに収納された複数本(例えば、8本)の熱陰極蛍光管9が互いに等ピッチで設けられている。ケーシング8aの内面には、例えば反射シート8bが設置されており、光源としての熱陰極蛍光管9からの光を液晶パネル7側に反射させることにて当該熱陰極蛍光管9の光利用効率を向上させるようになっている。
【0028】
また、各熱陰極蛍光管9には、直管状のものが用いられており、その両端部に設けられた電極部(図示せず)がケーシング8aの外側にて支持されている。また、各熱陰極蛍光管9には、直径10〜40mm程度のものが使用されている。また、各熱陰極蛍光管9は、図示しない光源保持具によって拡散板10及び反射シート8bとの各間の距離を所定の距離に保たれた状態で、ケーシング8aの内部に保持されている。
【0029】
さらに、複数の熱陰極蛍光管9は、その長手方向が重力の作用方向と直交する方向に平行となるように配置されている。これにより、熱陰極蛍光管9では、その内部に封入された水銀(蒸気)が重力の作用により長手方向の一方の端部側に集まるのが防がれて、ランプ寿命が大幅に向上されている。
【0030】
また、上記ケーシング8aの外側には、液晶パネル7を駆動する液晶駆動部14、照明装置8の制御部としての照明制御部15、及びこの照明制御部15からの制御信号(指示信号)を用いて、複数の各熱陰極蛍光管9をインバータ駆動にて高周波点灯させるインバータ回路16が設置されている。これらの液晶駆動部14、照明制御部15、及びインバータ回路16は、制御回路基板6b(図1)上に設けられており、ケーシング8aの外側と対向するように配置されている。
【0031】
また、照明装置8では、ケーシング8aの開口部を覆うように設置された拡散板10と、拡散板10の上方に設置された光学シート11とが設けられている。拡散板10は、例えば厚さ2mm程度の長方形状の合成樹脂またはガラス材を用いて構成されている。また、拡散板10は、ケーシング8a上で移動可能に保持されており、熱陰極蛍光管9の発熱やケーシング8aの内部の温度上昇等の熱の影響により、当該拡散板10に伸縮(塑性)変形が生じたときでも、ケーシング8a上で移動することで変形を吸収可能になっている。
【0032】
光学シート11には、例えば厚さ0.2mm程度の合成樹脂フィルムにて構成された拡散シートが含まれており、液晶パネル7への上記照明光を適度に拡散して当該液晶パネル7の表示面での表示品位を向上させるように構成されている。また、光学シート11には、液晶パネル7の表示面での表示品位の向上を行うためなどのプリズムシート、偏光反射シートなどの公知の光学シート材が必要に応じて適宜積層されるようになっている。そして、光学シート11は、拡散板10から出射された面状光を、所定の輝度(例えば、10000cd/m2)以上で、かつ、ほぼ均一な輝度を有する面状光に変換して照明光として液晶パネル7側に入射させるように構成されている。
【0033】
尚、上記の説明以外に、例えば液晶パネル7の上方(表示面側)に当該液晶パネル7の視野角を調整するための拡散シートなどの光学部材を適宜積層してもよい。
【0034】
ここで、図3〜図4も参照して、本実施形態の照明装置8について具体的に説明する。
【0035】
図3は図2に示した照明装置の要部構成を説明する図であり、図4は図3に示した照明制御部の具体的な構成を示すブロック図である。
【0036】
図3に示すように、照明装置8には、複数の各熱陰極蛍光管9の駆動制御を行うための上記照明制御部15と、熱陰極蛍光管9毎に設けられ、照明制御部15からの指示信号を基に対応する熱陰極蛍光管9を点灯駆動する点灯駆動回路としての上記インバータ回路16とが設置されている。このインバータ回路16は、各熱陰極蛍光管9の長手方向での一端部側に設置されている。また、インバータ回路16には、例えばハーフブリッジタイプのものが用いられており、インバータ回路16は、上記指示信号に基づいて、例えばPWM調光を用いて、対応する熱陰極蛍光管9を駆動可能に構成されている。
【0037】
また、照明装置8は、熱陰極蛍光管9毎に設けられて、対応する熱陰極蛍光管9を流れたランプ電流値を検出するランプ電流検出回路RCを備えており、照明装置8では、各ランプ電流検出回路RCにて検出されたランプ電流値が各熱陰極蛍光管9に応じて設置されたフィードバック回路FBを経て照明制御部15に出力されるようになっている。また、照明制御部15では、後に詳述するように、フィードバック回路FBからのランプ電流値を用いて、対応する熱陰極蛍光管9の異常の発生の有無を検出するようになっている。
【0038】
また、照明制御部15には、外部からの指示信号として、例えば照明装置8の発光面の輝度を変更する調光指示信号が入力されるようになっており、液晶表示装置1では、ユーザが液晶パネル7の表示面での輝度(明るさ)を適宜変更可能に構成されている。すなわち、照明制御部15には、例えば液晶表示装置1側に設けられたリモートコントローラ等の操作入力器(図示せず)から調光指示信号が入力されるように構成されている。そして、照明制御部15は、入力された調光指示信号を用いて、PWM調光でのデューティ比を決定するとともに、各熱陰極蛍光管9への供給電流の目標値を決定するようになっている。
【0039】
その後、照明制御部15は、決定した目標値を基に各インバータ回路16への指示信号を生成して出力することにより、対応する熱陰極蛍光管9に流れるランプ電流値が変化する。この結果、各熱陰極蛍光管9から出射される出射光の光量が、調光指示信号に応じて変化して、照明装置8の発光面での輝度及び液晶パネル7の表示面での輝度がユーザの操作指示に応じて適切に変更される。
【0040】
また、各熱陰極蛍光管9に実際に供給されたランプ電流値は、対応するランプ電流検出回路RC及びフィードバック回路FBを介して、照明制御部15に検出電流値としてフィードバックされる。そして、照明制御部15では、検出電流値と、上記調光指示信号を基に決定された供給電流の目標値とを用いたフィードバック制御が実行されることにより、ユーザが所望する輝度での表示が維持される。
【0041】
また、図4に示すように、照明制御部15には、調光信号生成部15aが設けられており、上記調光指示信号に基づいて、各熱陰極蛍光管9に接続されたインバータ回路16への指示信号を生成して出力するようになっている。
【0042】
また、照明制御部15は、異常検出部15b、カウンター15c、エラー信号出力部15d、タイマー15e、停止信号出力部15fを備えており、熱陰極蛍光管9及びインバータ回路16の少なくとも一方の異常を検出したときに、エラー信号を生成するとともに、異常を検出したインバータ回路16及び異常を検出した熱陰極蛍光管9を点灯駆動するインバータ回路16への各電力供給を停止させるように構成されている。さらに、照明制御部15は、後に詳述するように、エラー信号を生成した時点から所定時間(第1の閾値時間)を経過したときに、残り全てのインバータ回路16への各電力供給を停止させるようになっている。
【0043】
また、照明制御部15では、上述の各部がICやASIC等を用いて構成されており、さらには、照明制御部15には、メモリ15gが設けられており、異常検出部15bでの検出結果やエラー信号出力部15dあるいは停止信号出力部15fからの各出力信号の出力結果などの所定の情報を記憶するようになっている。
【0044】
また、調光信号生成部15aには、デューティ比決定部15a1が設けられており、このデューティ比決定部15a1が外部からの調光指示信号を使用して、熱陰極蛍光管9毎に、PWM調光におけるPWM周期でのオン期間とオフ期間とのデューティ比を決定する。そして、調光信号生成部15aは、決定したデューティ比に基づいて、PWM調光での所定の調光周波数を有する調光信号を生成し、上記指示信号に含めて、対応するインバータ回路16に出力するようになっている。
【0045】
異常検出部15bは、熱陰極蛍光管9及びインバータ回路16の少なくとも一方の異常を検出するように構成されている。具体的にいえば、異常検出部15bは、フィードバック回路FBからのランプ電流値を用いて、対応する熱陰極蛍光管9にランプ不点灯などの異常が発生しているか否かについて判別するようになっている。また、異常検出部15bでは、複数の各インバータ回路16との間に異常検出線(図示せず)が設けられており、インバータ回路16において、動作不良などの異常が生じたときに、その異常が上記異常検出線を介して異常検出部15bに通知されて検出されるようになっている。
【0046】
カウンター15cは、予め設定された設定時間(第2の閾値時間)内で、異常検出部15bが異常検出を行った回数を、複数の熱陰極蛍光管9毎及び複数のインバータ回路16毎にカウントするように構成されている。これにより、本実施形態の照明装置8では、異常検出の誤動作が生じるのを防ぐことができるようになっている(詳細は後述。)。
【0047】
エラー信号出力部15dは、カウンター15cのカウント結果を用いて、エラー信号を生成して、停止信号出力部15fに出力するように構成されており、後に詳述するように、異常が検出されたインバータ回路16及び異常が検出された熱陰極蛍光管9を点灯駆動するインバータ回路16への各電力供給が停止される。
【0048】
また、このエラー信号出力部15dは、生成したエラー信号を照明装置8の外部に出力するようになっている。すなわち、照明制御部15は、熱陰極蛍光管9及びインバータ回路16の少なくとも一方の異常を検出したときに、エラー信号出力部15dにより、その検出した異常を外部に通報するように構成されている。これにより、本実施形態の照明装置8では、上記異常の発生をユーザに即座に認識させることができるようになっている。
【0049】
具体的には、エラー信号出力部15dは、生成したエラー信号を上記液晶駆動部14に出力する。この液晶駆動部14は、エラー信号出力部15dからのエラー信号に応じて、異常を発生した熱陰極蛍光管9やインバータ回路16などの位置や異常内容などを含んだ所定の警告画面を作成して、液晶パネル(表示部)7に表示させるようになっている。
【0050】
尚、エラー信号出力部15dからのエラー信号の出力先は上記の液晶駆動部14に限定されるものではなく、例えばLEDなどの複数の発光素子を具備し、エラー信号出力部15dからのエラー信号に応じて、いずれかの発光素子が点灯(発光)することによって異常を発生した熱陰極蛍光管9やインバータ回路16を外部に通報する通報手段にエラー信号を出力させてもよい。
【0051】
タイマー15eは、エラー信号出力部15dがエラー信号を生成したときに、その生成した時点からの経過時間を計測するようになっている。そして、タイマー15eは、その計測時間が上記所定時間を超過すると、所定時間を超過したことを停止信号出力部15fに通知するように構成されている。
【0052】
停止信号出力部15fは、エラー信号出力部15dからエラー信号が入力されると、そのエラー信号で示される異常が検出された熱陰極蛍光管9及びインバータ回路16の少なくとも一方に対応したインバータ回路16への電力供給を停止させるための停止信号を生成する。
【0053】
つまり、複数のいずれかの熱陰極蛍光管9に対応して、エラー信号が生成され、停止信号出力部15fに入力されると、停止信号出力部15fは、その入力されたエラー信号を基に異常が検出された熱陰極蛍光管9を判別し、さらにその判別した熱陰極蛍光管9を点灯駆動するインバータ回路16に対して、上記停止信号を出力して、当該インバータ回路16に対して図示を省略した電源からの電力供給を停止させる。また、複数のいずれかのインバータ回路16に対応して、エラー信号が生成され、停止信号出力部15fに入力されると、停止信号出力部15fは、その入力されたエラー信号を基に異常が検出されたインバータ回路16を判別し、さらにその判別したインバータ回路16に対して、上記停止信号を出力して、当該インバータ回路16に対して上記電源からの電力供給を停止させる。
【0054】
また、停止信号出力部15fは、エラー信号を生成したときの時点からの経過時間が所定時間を超過したことをタイマー15eから通知されると、残り全てのインバータ回路16に対して、上記停止信号を出力して、これら全てのインバータ回路16への各電力供給を停止させる。
【0055】
尚、上記の説明では、異常を検出したインバータ回路16や異常を検出した熱陰極蛍光管9を点灯駆動するインバータ回路16への各電力供給を停止させる構成について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えばインバータ回路毎に保護回路を設けるとともに、上記エラー信号が生成されたときに、保護回路が対応するインバータ回路の動作を停止させる構成でもよい。
【0056】
ここで、上記のように構成された本実施形態の液晶表示装置2の動作について、説明する。なお、以下の説明では、照明装置8での異常検出動作及び停止動作について主に説明する。
【0057】
図5は、上記液晶表示装置の動作を示すフローチャートである。
【0058】
図5のステップS1に示すように、照明制御部15では、異常検出部15bは熱陰極蛍光管9及びインバータ回路16の少なくとも一方に異常が発生しているか否かについて検出する。そして、異常検出部15bは、異常発生を検出しなければ、待機状態となる。
【0059】
一方、異常検出部15bが異常を検出すると、カウンター15cは複数の熱陰極蛍光管9毎及び複数のインバータ回路16毎に回数計測を行う(ステップS2)。さらに、カウンター15cは、複数の熱陰極蛍光管9毎及び複数のインバータ回路16毎に、予め設定された設定時間(第2の閾値時間、例えば、60秒)を経過するまでに、異常検出部15bが異常検出を行った回数が所定回数(例えば、5回)を超過したか否かについて判別する。そして、カウンター15cは、異常検出の計測回数が設定時間内で所定回数を超過したことを判別すると、カウンター15cは、そのカウント結果をエラー信号出力部15dに出力する。
【0060】
続いて、エラー信号出力部15dは、カウンター15cのカウント結果を用いて、エラー信号を生成して、停止信号出力部15fに出力する。そして、停止信号出力部15fは、該当するインバータ回路16に対して、停止信号を出力して、当該インバータ回路16への電力供給が停止される(ステップS4)。これにより、異常検出が行われたインバータ回路16及び異常検出が行われた熱陰極蛍光管9用のインバータ回路16への各電力供給だけが停止される。また、このように異常検出されたインバータ回路16に接続された熱陰極蛍光管9だけが消灯されるので、熱陰極蛍光管9の消灯に伴う、発光品位の低下を極力抑制することができる。
【0061】
また、上記ステップS4では、タイマー15eにおいて、エラー信号出力部15dでのエラー信号の生成された時点からのタイマー計測(時間計測)が開始される。さらに、エラー信号出力部15dは、生成したエラー信号を液晶駆動部14に出力する。そして、液晶駆動部14では、エラー信号出力部15dからのエラー信号に応じて、異常を発生した熱陰極蛍光管9やインバータ回路16などの位置や異常内容などを含んだ所定の警告画面が作成され、液晶パネル(表示部)7に表示される。つまり、本実施形態では、異常検出のアラート表示が液晶パネル7にて行われ、異常検出した熱陰極蛍光管9やインバータ回路16の交換作業を実施することが、ユーザに対して要求される。
【0062】
また、上記警告画面では、異常検出部15bが異常検出した熱陰極蛍光管9及びインバータ回路16の位置に応じて、異常検出した熱陰極蛍光管9やインバータ回路16の交換作業を要求することを含んだ上記アラート表示の位置が適宜変更されるようになっている。つまり、本実施形態の照明装置8では、異常検出が行われたインバータ回路16に接続された熱陰極蛍光管9だけが消灯されているので、その消灯されている熱陰極蛍光管9とは異なる液晶パネル7上の位置で上記アラート表示が行われるようになっている。これにより、本実施形態では、異常検出及び交換作業の要求をユーザに確実に通報することができる。
【0063】
次に、タイマー15eでは、エラー信号が生成された時点からの経過時間が所定時間(第1の閾値時間、例えば、10時間)を超過するか否かについて判別される(ステップS5)。そして、タイマー15eでの計測時間が所定時間を超過すると、タイマー15eは所定時間を超過したことを停止信号出力部15fに通知する。
【0064】
続いて、停止信号出力部15fは、残り全てのインバータ回路16に対して、停止信号を出力して、これら全てのインバータ回路16への各電力供給を停止させる(ステップS6)。これにより、本実施形態の照明装置8では、液晶パネル7への照明光の照射が停止される。この結果、本実施形態のテレビ受信装置1では、映像が表示できない状態となり、その電源がシャットダウンされた状態と実質的に同一の状態となる。
【0065】
また、以上のように、停止信号出力部15fが全てのインバータ回路16を停止させた場合、本実施形態の照明装置8では、異常検出が行われた熱陰極蛍光管9やインバータ回路16の交換作業が適切に終了されたことが照明制御部15により検知されるまで、全てのインバータ回路16の停止を解除できないようになっている。
【0066】
尚、上記の説明以外に、停止信号出力部15fは、残り全てのインバータ回路16に対して、停止信号を出力するときに、液晶表示装置2の電源やテレビ受信装置1の電源を停止するよう指示する指示信号を液晶駆動部14やテレビ受信装置1側の制御回路(図示せず)に出力する構成でもよい。
【0067】
以上のように構成された本実施形態の照明装置8では、照明制御部(制御部)15は熱陰極蛍光管(光源)9及びインバータ回路(点灯駆動回路)16の少なくとも一方の異常を検出したときに、エラー信号を生成する。また、照明制御部15は、異常を検出したインバータ回路16及び異常を検出した熱陰極蛍光管9を点灯駆動するインバータ回路16への各電力供給を停止させる。さらに、照明制御部15は、エラー信号を生成した時点から所定時間(第1の閾値時間)を経過したときに、残り全てのインバータ回路16への各電力供給を停止させる。これにより、本実施形態では、上記従来例と異なり、異常が発生したときに、二次的な異常が生じるのを確実に防ぐことができる安全性に優れた照明装置8を構成することができる。
【0068】
また、本実施形態の液晶表示装置2では、照明制御部15からのエラー信号が入力された場合、液晶パネル(表示部)7は所定の警告画面を表示するように構成されているので、熱陰極蛍光管9及びインバータ回路15の少なくとも一方に異常が発生したことをユーザに確実に認識させることができる。
【0069】
また、本実施形態のテレビ受信装置1及び液晶表示装置2では、異常が発生したときに、二次的な異常が生じるのを確実に防ぐことができる安全性に優れた照明装置8が用いられているので、優れた安全性を有する信頼性の高いテレビ受信装置1及び液晶表示装置2を容易に構成することができる。
【0070】
尚、上記の実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0071】
例えば、上記の説明では、本発明を透過型の液晶表示装置に適用した場合について説明したが、本発明の照明装置はこれに限定されるものではなく、光源の光を利用して、画像、文字などの情報を表示する非発光型の表示部を備えた各種表示装置に適用することができる。具体的には、半透過型の液晶表示装置、あるいは液晶パネルをライトバルブに用いた投写型表示装置に本発明の照明装置を好適に用いることができる。
【0072】
また、上記の説明では、熱陰極蛍光管を用いた場合について説明したが、本発明の光源はこれに限定されるものではなく、冷陰極蛍光管やキセノン蛍光管などの他の放電蛍光管、あるいはU字管や擬似U字管などの非直管状の放電蛍光管を使用することもできる。さらには、発光ダイオード(LED)や有機EL(Electro-Luminescence)などの発光素子を光源に用いることができる。
【0073】
すなわち、本発明は、光源に接続されて当該光源を点灯駆動する点灯駆動回路と、点灯駆動回路の駆動制御を行う制御部を備え、制御部は光源及び点灯駆動回路の少なくとも一方の異常を検出したときに、エラー信号を生成するとともに、異常を検出した点灯駆動回路及び異常を検出した光源を点灯駆動する点灯駆動回路への各電力供給を停止させ、かつ、エラー信号を生成した時点から第1の閾値時間を経過したときに、残り全ての点灯駆動回路への各電力供給を停止させるものであればよく、光源の種類、設置数、駆動方式、あるいは点灯駆動回路の構成等は何等上記のものに限定されない。
【0074】
具体的には、上記の説明では、1本の熱陰極蛍光管毎にインバータ回路を接続して点灯駆動する場合について説明したが、1個の点灯駆動回路により複数本の熱陰極蛍光管を点灯駆動する構成でもよい。また、上記キセノン蛍光管等の水銀レスの放電蛍光管を用いた場合には、重力の作用方向に平行に配列された放電管を有する長寿命な照明装置を構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、異常が発生したときに、二次的な異常が生じるのを確実に防ぐことができる安全性に優れた照明装置、及びこれを用いた表示装置、並びにテレビ受信装置に対して有用である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態にかかるテレビ受信装置及び液晶表示装置を説明する分解斜視図である。
【図2】上記液晶表示装置の要部構成を説明する図である。
【図3】図2に示した照明装置の要部構成を説明する図である。
【図4】図3に示した照明制御部の具体的な構成を示すブロック図である。
【図5】上記液晶表示装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
1 テレビ受信装置
2 液晶表示装置(表示装置)
7 液晶パネル(表示部)
8 照明装置
9 熱陰極蛍光管(光源)
15 照明制御部(制御部)
16 インバータ回路(点灯駆動回路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を備えた照明装置であって、
前記光源を点灯駆動する複数の点灯駆動回路と、
前記点灯駆動回路の駆動制御を行う制御部を備え、
前記制御部は、前記光源及び前記点灯駆動回路の少なくとも一方の異常を検出したときに、エラー信号を生成するとともに、異常を検出した点灯駆動回路及び異常を検出した光源を点灯駆動する点灯駆動回路への各電力供給を停止させ、かつ、前記エラー信号を生成した時点から第1の閾値時間を経過したときに、残り全ての点灯駆動回路への各電力供給を停止させる、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記エラー信号を外部に出力して、異常が発生したことを外部に通報する請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記光源または前記複数のいずれかの点灯駆動回路の異常を検出したときに、その異常を検出した時点から第2の閾値時間を経過するまでに、異常を検出した光源または点灯駆動回路についての異常の検出回数が所定回数を超えたときに、前記エラー信号を生成する請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明装置を用いたことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
情報を表示する表示部を備えるとともに、
前記制御部からの前記エラー信号が入力された場合、前記表示部は、所定の警告画面を表示するように構成されている請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の表示装置を用いたことを特徴とするテレビ受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−206036(P2009−206036A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49570(P2008−49570)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】