説明

熱交換器

【課題】熱交換効率を向上させることができる熱交換器を提供する。
【解決手段】流路管3内に、熱媒体流路30を複数の細流路333に分割するとともに、熱媒体と電子部品2との熱交換を促進するインナーフィン33を設け、インナーフィン33を、熱媒体の流れ方向に垂直な断面形状が、凸部を一方側と他方側に交互に位置させて曲折する波形状となるように形成し、前記断面形状にて、一方側と他方側のうちの同一側で隣り合う凸部の中心同士の距離をフィンピッチFPとしたとき、インナーフィン33を、フィンピッチFPが異なる複数のフィン部33A、33Bにより構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路管内部を流通する熱媒体と、流路管外部に配置された熱交換対象物との間で熱交換を行う熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の熱交換器において、熱交換性能を向上させるために、熱媒体が流通する流路管内に、熱媒体と流路管との伝熱面積を増大させて熱媒体と熱交換対象物との熱交換を促進するインナーフィンを設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−191527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の熱交換器において、流路管内部の幅寸法が、インナーフィンのフィンピッチを整数倍した値と一致しない場合、インナーフィンを流路管の幅方向全域に亘って配置することができない。すなわち、流路管の一部にインナーフィンが存在しない領域が発生することになる。この場合、当該インナーフィンが存在しない領域に熱媒体が優先的に流れてしまうため、流路管におけるインナーフィンが存在する領域を流れる熱媒体の流量が減少し、熱交換効率が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、熱交換効率を向上させることができる熱交換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、流路形成部材(3)内には、熱媒体流路(30)を複数の細流路(333)に分割するとともに、熱媒体と熱交換対象物2との熱交換を促進するインナーフィン(33)が設けられており、インナーフィン(33)は、熱媒体の流れ方向に垂直な断面形状が、凸部を一方側と他方側に交互に位置させて曲折する波形状に形成されており、前記断面形状にて、一方側と他方側のうちの同一側で隣り合う凸部の中心同士の距離をフィンピッチ(FP)としたとき、インナーフィン(33)は、フィンピッチ(FP)が異なる複数のフィン部(33A、33B)を有して構成されていることを特徴としている。
【0007】
このように、インナーフィン(33)をフィンピッチ(FP)が異なる複数のフィン部(33A、33B)により構成することで、インナーフィン(33)の一部にフィンピッチ(FP)が他の部分より細かい部分ができる。このため、流路形成部材(3)の幅方向の長さに応じて、当該フィンピッチ(FP)が細かいフィン部の流路幅方向の長さやフィンピッチ(FP)を変更することで、インナーフィン(33)を流路形成部材(3)の幅方向の全域に亘って配置することができる。これにより、流路形成部材(3)内の熱媒体流路(30)の一部に熱媒体が優先的に流れてしまうことを抑制できるので、熱交換効率を向上させることが可能となる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の熱交換器において、複数のフィン部(33A、33B)のうち、フィンピッチ(FP)が最も細かいフィン部を第1フィン部(33A)とし、第1フィン部(33A)よりフィンピッチ(FP)が粗いフィン部を第2フィン部(33B)とするとともに、熱媒体の流れ方向、および流路形成部材(3)と熱交換対象物(2)との配置方向に対してともに直交する方向を流路幅方向としたとき、第1フィン部(33A)の流路幅方向の長さが、第2フィン部(33B)のフィンピッチ(FP)より短いことを特徴としている。
【0009】
第1フィン部(33A)はフィンピッチ(FP)が細かいので、第1フィン部(33A)により分割された細流路(333)を流通する熱媒体に生じる圧力損失が大きくなる。このため、第1フィン部(33A)の流路幅方向の長さを、第2フィン部(33B)のフィンピッチ(FP)より短くすることで、フィンピッチ(FP)の粗い第2フィン部(33B)を可能な限り多く配置することができる。これにより、熱媒体に生じる圧力損失の増大を抑制することができるので、熱交換効率をより向上させることが可能となる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の熱交換器において、熱交換対象物(2)は、流路形成部材(3)の外部の一部に配置されており、第1フィン部(33A)は、流路形成部材(3)内における熱交換対象物(2)と対応する部位以外の部位に設けられていることを特徴とする。
【0011】
このように、流路形成部材(3)内における熱交換対象物(2)と対応する部位以外の部位に、フィンピッチ(FP)の細かい第1フィン部(33A)を配置することで、流路形成部材(3)内における熱交換対象物(2)と対応する部位以外の部位を流通する熱媒体に生じる圧力損失が大きくなる。これにより、流路形成部材(3)内における熱交換対象物(2)と対応する部位へ流入する熱媒体の流量が増加するので、つまりは流速が増加し熱交換効率をより向上させることが可能となる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の熱交換器において、インナーフィン(33)は、熱媒体の流れ方向に延びるとともに細流路(333)を分割する板部(331)と、隣り合う板部(331)間を繋ぐ連結部(332)とを有し、熱媒体の流れ方向に直交する断面形状が波状となるとともに、流路形成部材(3)と熱交換対象物(2)との配置方向から見た際に板部(331)が熱媒体の流れ方向に波形状に屈折するウェーブフィンであり、インナーフィン(33)の、配置方向に直交し、かつ、細流路(333)における配置方向の中心部を通る断面における、板部(331)の波形状の振幅方向における寸法をウェーブ深さ(WD)としたとき、第1フィン部(33A)のウェーブ深さ(WD)が、第2フィン部(33B)のウェーブ深さ(WD)より深いことを特徴としている。
【0013】
このように、流路形成部材(3)内における熱交換対象物(2)と対応する部位以外の部位に、ウェーブ深さ(WD)の深い第1フィン部(33A)を配置することで、流路形成部材(3)内における熱交換対象物(2)と対応する部位以外の部位を流通する熱媒体に生じる圧力損失が大きくなる。これにより、流路形成部材(3)内における熱交換対象物(2)と対応する部位へ流入する熱媒体の流量が増加するので、つまりは流速が増加し熱交換効率をより向上させることが可能となる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の熱交換器において、インナーフィン(33)は、熱媒体の流れ方向に延びるとともに細流路(333)を分割する板部(331)と、隣り合う板部(331)間を繋ぐ連結部(332)とを有し、熱媒体の流れ方向に直交する断面形状が波状となるとともに、流路形成部材(3)と熱交換対象物(2)との配置方向から見た際に板部(331)が熱媒体の流れ方向に波形状に屈折するウェーブフィンであり、インナーフィン(33)の、配置方向に直交し、かつ、細流路(333)における配置方向の中心部を通る断面における、板部(331)の波形状のピッチをウェーブピッチ(WP)としたとき、第1フィン部(33A)のウェーブピッチ(WP)が、第2フィン部(33B)のウェーブピッチ(WP)より細かいことを特徴としている。
【0015】
このように、流路形成部材(3)内における熱交換対象物(2)と対応する部位以外の部位に、ウェーブピッチ(WP)の細かい第1フィン部(33A)を配置することで、流路形成部材(3)内における熱交換対象物(2)と対応する部位以外の部位を流通する熱媒体に生じる圧力損失が大きくなる。これにより、流路形成部材(3)内における熱交換対象物(2)と対応する部位へ流入する熱媒体の流量が増加するので、つまりは流速が増加し熱交換効率をより向上させることが可能となる。
【0016】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係る積層型熱交換器1を示す正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】第2実施形態における流路管3近傍を示す拡大断面図である。
【図4】第3実施形態における流路管3近傍を示す拡大断面図である。
【図5】第4実施形態における流路管3近傍を示す拡大断面図である。
【図6】第5実施形態における流路管3近傍を示す拡大断面図である。
【図7】図6のB−B断面図である。
【図8】第6実施形態におけるインナーフィン33近傍を示す拡大断面図である。
【図9】第7実施形態に係る熱交換器を示す一部透過斜視図である。
【図10】図9のC−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0019】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1および図2に基づいて説明する。図1は、本第1実施形態に係る積層型熱交換器1を示す正面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の積層型熱交換器1は、熱交換対象物としての複数の電子部品2を両面から冷却するもので、熱媒体を流通させる熱媒体流路30(図2参照)を形成する流路形成部材としての複数の流路管3と、複数の流路管3を連通する連通部材4とを備えている。複数の流路管3は、扁平形状に形成されており、電子部品2を両面から挟持できるように複数個積層配置されている。
【0021】
本実施形態では、電子部品2として、IGBT等の半導体素子とダイオードとを内蔵した半導体モジュールを用いている。当該半導体モジュールは、自動車用インバータ、産業機器のモータ駆動インバータ、ビル空調用のエアコンインバータ等に用いるものとすることができる。なお、電子部品2としては、上記半導体モジュール以外にも、例えば、パワートランジスタ、パワーFET、IGBT等を用いることもできる。
【0022】
また、熱媒体としては、空気、水、油などの流体を用いている。より具体的には、例えば、この積層型熱交換器1を自動車に搭載した場合、熱媒体としては自動車の冷却水やオイル等を用いることができる。なお、本実施形態では、熱媒体として、エチレングリコール系の不凍液を混入させた水を用いている。
【0023】
図2は、図1のA−A断面図である。図2に示すように、本実施形態の流路管3は、いわゆるドロンカップ構造となっている。すなわち、流路管3は、一対の外殻プレート31を有して構成されており、一対の外殻プレート31の間に熱媒体流路30が形成されている。流路管3内には、熱媒体流路30を複数の細流路333に分割し、熱媒体と電子部品2との熱交換を促進するインナーフィン33が設けられている。
【0024】
図1に戻り、電子部品2は、流路管3の外部の一部に配置されている。具体的には、電子部品2は、流路管3の一対の外殻プレート31それぞれに対して2個ずつ設けられている。各外殻プレート31に設けられた2つの電子部品2は、それぞれ熱媒体の流れ方向に直列に配置されている。なお、本実施形態では、電子部品2は各外殻プレート31に2個設けられているが、電子部品2は1個であってもよいし、3個以上設けられていてもよい
また、流路管3の外殻プレート31における長手方向両端部には、外側、すなわち隣り合う他の流路管3側に突出する略円筒状のフランジ部300が形成されている。そして、隣り合う流路管3のフランジ部300同士をろう付けにより接合することにより、複数の流路管3を連通する連通部材4が形成されている。
【0025】
複数の流路管3のうち積層方向最外側に配置される流路管3を外側流路管3aとしたとき、2つの外側流路管3aのうち一方の外側流路管3aの長手方向両端部には、熱媒体を積層型熱交換器1に導入するための熱媒体導入口401と、熱媒体を積層型熱交換器1から排出するための熱媒体排出口402とがそれぞれ接続されている。熱媒体導入口401および熱媒体排出口402は、ろう付けにより一方の外側流路管3aに接合されている。なお、本実施形態の流路管3、連通部材4、熱媒体導入口401および熱媒体排出口402は、アルミニウム製である。
【0026】
熱媒体導入口401から導入された熱媒体は、連通部材4を通って長手方向における一方の端部から各流路管3に流入し、それぞれの熱媒体流路30内を他方の端部に向かって流れる。そして、熱媒体は、連通部材4を通って熱媒体排出口402から排出される。このように、熱媒体が熱媒体流路30を流通する間に、電子部品2との間で熱交換を行って、電子部品2を冷却するようになっている。
【0027】
図2に示すように、インナーフィン33は、熱媒体の流れ方向、すなわち流路管3の長手方向に垂直な断面形状が、凸部を一方側と他方側に交互に位置させて曲折する波形状に形成されている。具体的には、インナーフィン33は、流路管長手方向に延びるとともに細流路333を分割する板部331と、隣り合う板部331間を繋ぐ連結部332とを有し、流路管長手方向に直交する断面形状が台形波状に形成されたストレートフィンである。
【0028】
インナーフィン33は、フィンピッチFPの異なる2つのフィン部33A、33Bを有して構成されている。本実施形態では、2つのフィン部33A、33Bは、一体に形成されている。
【0029】
ここで、フィンピッチFPとは、インナーフィン33の流路管長手方向に直交する断面形状にて、一方側と他方側のうちの同一側で隣り合う凸部、すなわち連結部332の中心同士の距離をいう。また、2つのフィン部33A、33Bのうち、フィンピッチFPが最も細かいものを第1フィン部33Aといい、第1フィン部33AよりフィンピッチFPが粗いものを第2フィン部33Bという。また、流路管3の長手方向(すなわち熱媒体の流れ方向)、および流路管3の積層方向(すなわち流路管3と電子部品2との配置方向)に対してともに直交する方向を流路幅方向とする。
【0030】
第1フィン部33Aの流路幅方向の長さL1は、第2フィン部33BのフィンピッチFP2より短くなっている。換言すると、第1フィン部33Aは、第2フィン部33Bの1ピッチ分の領域に配置されている。本実施形態では、第1フィン部33Aは、流路幅方向の一端部に配置されている。
【0031】
以上説明したように、インナーフィン33をフィンピッチFPが互いに異なる第1フィン部33Aおよび第2フィン部33Bにより構成することで、インナーフィン33の一部にフィンピッチFPが他の部分より細かい部分ができる。このため、流路管3の幅方向の長さに応じて、当該フィンピッチFPが細かい部分、すなわち第1フィン部33Aの流路幅方向の長さL1やフィンピッチFP1を変更することで、インナーフィン33を流路管3の幅方向の全域に亘って配置することができる。これにより、流路管3内の熱媒体流路30の一部に熱媒体が優先的に流れてしまうことを抑制できるので、熱交換効率を向上させることが可能となる。
【0032】
ところで、第1フィン部33Aは第2フィン部33Bと比較してフィンピッチFPが細かいので、第1フィン部33Aにより分割された細流路333(以下、第1細流路333Aという)を流通する熱媒体に生じる圧力損失が、第2フィン部33Bにより分割された細流路333(以下、第2細流路333Bという)を流通する熱媒体に生じる圧力損失より大きくなる。
【0033】
このため、本実施形態では、第1フィン部33Aの流路幅方向の長さL1を、第2フィン部33BのフィンピッチFP2より短くしている。これによれば、フィンピッチFPの粗い第2フィン部33Bを可能な限り多く配置することができるので、熱媒体に生じる圧力損失の増大を抑制することが可能となる。したがって、熱交換効率をより向上させることが可能となる。
【0034】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態と比較して、第1フィン部33Aを2箇所設けた点等が異なるものである。また、図3は本第2実施形態における流路管3近傍を示す拡大断面図であり、第1実施形態の図2に対応する図面である。
【0035】
図3に示すように、電子部品2の流路幅方向の長さは、流路管3の流路幅方向の長さより短く形成されている。また、電子部品2は、流路管3の外部における流路幅方向中央部に配置されている。
【0036】
インナーフィン33は、2つの第1フィン部33Aと1つの第2フィン部33Bを有して構成されている。より詳細には、1つの第2フィン部33Bの両側に第1フィン部33Aが1つずつ配置されている。第2フィン部33Bは、流路管3内における電子部品2と対応する部位、すなわち流路管3内における電子部品2と流路管3を介して対向する部位に設けられている。第1フィン部33Aは、それぞれ、流路管3内における電子部品2と対応する部位以外の部位に設けられている。
【0037】
以上説明したように、流路管3内における電子部品2と対応する部位以外の部位に、フィンピッチFPの細かい第1フィン部33Aを配置することで、流路管3内における電子部品2と対応する部位以外の部位を流通する熱媒体に生じる圧力損失が大きくなる。これにより、流路管3内における電子部品2と対応する部位へ流入する熱媒体の流量が増加するので、つまりは流速が増加し熱交換効率をより向上させることが可能となる。
【0038】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図4に基づいて説明する。本第3実施形態は、上記第2実施形態と比較して、インナーフィン33を2段積層して配置した点が異なるものである。また、図4は本第3実施形態における流路管3近傍を示す拡大断面図であり、第2実施形態の図3に対応する図面である。
【0039】
図4に示すように、インナーフィン33は、一対の外殻プレート31間、すなわち熱媒体流路30内に、流路管3の積層方向、すなわち電子部品2と流路管3との配置方向に2段積層して配置されている。各段のインナーフィン33は、上記第2実施形態と同様に構成されている。すなわち、各段のインナーフィン33は、それぞれ、1つの第2フィン部33Bの両側に第1フィン部33Aが1つずつ配置されている。そして、第2フィン部33Bは、流路管3内における電子部品2と対応する部位に設けられており、第1フィン部33Aは、流路管3内における電子部品2と対応する部位以外の部位に設けられている。本実施形態では、2段積層されたインナーフィン33は、流路管3の積層方向に直交する仮想面に対して対称に配置されている。
【0040】
以上説明したように、本実施形態では、インナーフィン33を2段積層して配置するとともに、流路管3内における電子部品2と対応する部位以外の部位に、各インナーフィン33のうちフィンピッチFPの細かい第1フィン部33Aを配置している。これにより、流路管3内における電子部品2と対応する部位以外の部位を流通する熱媒体に生じる圧力損失が大きくなり、流路管3内における電子部品2と対応する部位へ流入する熱媒体の流量が増加するので、つまりは流速が増加し、上記第2実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0041】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図5に基づいて説明する。本第4実施形態は、上記第2実施形態と比較して、インナーフィン33を3段積層して配置した点が異なるものである。また、図5は本第4実施形態における流路管3近傍を示す拡大断面図であり、第2実施形態の図3に対応する図面である。
【0042】
図5に示すように、インナーフィン33は、一対の外殻プレート31間、すなわち熱媒体流路30内に、流路管3の積層方向、すなわち電子部品2と流路管3との配置方向に3段積層して配置されている。ここで、3段のインナーフィン33のうち、外殻プレート31に隣接する2つのインナーフィン33を外側インナーフィン334といい、2つのインナーフィン33の間に配置された1つのインナーフィン33を内側インナーフィン335という。
【0043】
外側インナーフィン334は、上記第2実施形態と同様に構成されている。すなわち、外側インナーフィン334は、それぞれ、1つの第2フィン部33Bの両側に第1フィン部33Aが1つずつ配置されている。そして、第2フィン部33Bは、流路管3内における電子部品2と対応する部位に設けられており、第1フィン部33Aは、流路管3内における電子部品2と対応する部位以外の部位に設けられている。
【0044】
内側インナーフィン335は、そのフィンピッチFPinが、外側インナーフィン334のうち最もフィンピッチFPが細かい第1フィン部33AのフィンピッチFP1と略同等となるように形成されている。
【0045】
以上説明したように、本実施形態では、インナーフィン33を3段積層して配置するとともに、流路管3内における電子部品2と対応する部位以外の部位に、外側インナーフィン334のうちフィンピッチFPの細かい第1フィン部33Aを配置している。これにより、流路管3内における電子部品2と対応する部位以外の部位を流通する熱媒体に生じる圧力損失が大きくなり、流路管3内における電子部品2と対応する部位へ流入する熱媒体の流量が増加するので、つまりは流速が増加し、上記第2実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0046】
さらに、本実施形態では、内側インナーフィン335のフィンピッチFPinを、外側インナーフィン334のうち最もフィンピッチFPが細かい第1フィン部33AのフィンピッチFP1と略同等としている。これにより、内側インナーフィン335が設けられた部位、すなわち流路管3内における電子部品2と対応しない流路管積層方向中央部を流通する熱媒体に生じる圧力損失が大きくなる。このため、流路管3内における電子部品2と対応する流路管積層方向外側部へ流入する熱媒体の流速が増加するので、熱交換効率をより確実に向上させることが可能となる。
【0047】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図6および図7に基づいて説明する。本第5実施形態は、上記第2実施形態と比較して、インナーフィン33としてウェーブフィンを用いた点が異なるものである。また、図6は本第5実施形態における流路管3近傍を示す拡大断面図であり、第2実施形態の図3に対応する図面である。
【0048】
図6に示すように、本実施形態のインナーフィン33は、流路管長手方向(熱媒体の流れ方向)に延びるとともに細流路333を分割する板部331と、隣り合う板部331間を繋ぐ連結部332とを有し、流路管長手方向に直交する断面形状が波状となるとともに、流路管積層方向(流路管3と電子部品2との配置方向)から見た際に板部331が熱媒体の流れ方向に波形状に屈折するウェーブフィンである。これにより、流路管3内に流路幅方向の熱媒体流れを形成することで熱媒体の混合を促進することができる。
【0049】
図7は図6のB−B断面図である。ここで、インナーフィン33の、流路管積層方向に直交し、かつ、細流路333における流路管積層方向の中心部を通る断面における、板部331の波形状の振幅方向における寸法をウェーブ深さWDとする。
【0050】
図7に示すように、第1フィン部33Aのウェーブ深さWD1は、第2フィン部33Bのウェーブ深さWD2より深く形成されている。このため、第1フィン部33Aにより分割された第1細流路333Aを流通する熱媒体に生じる圧力損失が、第2フィン部33Bにより分割された第2細流路333Bを通過する熱媒体に生じる圧力損失より大きくなる。
【0051】
したがって、第2細流路333Bの熱媒体の流量が、第1細流路333Aの熱媒体の流量よりも多くなる。すなわち、電子部品2に対応する第2細流路333Bに流入する熱媒体の流速が増加するため、熱交換効率をより向上させることが可能となる。
【0052】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図8に基づいて説明する。本第6実施形態は、上記第5実施形態と比較して、インナーフィン33のウェーブピッチWPが異なるものである。また、図8は本第6実施形態におけるインナーフィン33近傍を示す拡大断面図であり、第5実施形態の図7に対応する図面である。
【0053】
ここで、インナーフィン33の、流路管積層方向に直交し、かつ、細流路333における流路管積層方向の中心部を通る断面における、板部331の波形状のピッチをウェーブピッチWPとする。図8に示すように、第1フィン部33AのウェーブピッチWP1は、第2フィン部33BのウェーブピッチWP2より細かく形成されている。このため、第1細流路333Aを流通する熱媒体に生じる圧力損失が、第2細流路333Bを通過する熱媒体に生じる圧力損失より大きくなる。
【0054】
したがって、第2細流路333Bの熱媒体の流量が、第1細流路333Aの熱媒体の流量よりも多くなる。すなわち、電子部品2に対応する第2細流路333Bに流入する熱媒体の流速が増加するため、熱交換効率をより向上させることが可能となる。
【0055】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図9および図10に基づいて説明する。本第7実施形態は、本発明の熱交換器を、熱交換対象物としての半導体素子に放熱用の金属体を接続したものを封止材により封止してなる半導体実装体を備え、当該金属体の放熱面を熱媒体で冷却するようにした熱交換器に適用したものである。
【0056】
図9は本第7実施形態に係る熱交換器を示す一部透過斜視図、図10は図9のC−C断面図である。図10に示すように、半導体実装体51は、半導体素子としての第1半導体チップ511および第2半導体チップ512と、金属体としての下側ヒートシンク520および上側ヒートシンク530と、これらの間に介在する導電性接合部材としての各はんだ541、542と、さらに、封止材としてのモールド樹脂550とを備えて構成されている。
【0057】
本実施形態の半導体実装体51では、図10に示されるように、第1半導体チップ511と第2半導体チップ12とが互いに並列に平面方向に配置されている。なお、図10では、半導体チップは2個設けられているが、半導体チップは1個であってもよいし、3個以上設けられていてもよい。
【0058】
それぞれの半導体チップ511、512の裏面(図10中の下面)と下側ヒートシンク520の上面との間は、第1はんだ541によって接合されている。また、それぞれの半導体チップ511、512の表面(図10中の上面)と上側ヒートシンク530の下面との間は、第2はんだ542によって接合されている。本実施形態において、これら各はんだ541、542としては、一般的に用いられている各種のはんだ、例えば、Sn−Pb系はんだや、Sn−Ag系はんだなどの鉛フリーはんだを採用することができる。
【0059】
これにより、上記した構成においては、第1半導体チップ511および第2半導体チップ512の表面では、第2はんだ542および上側ヒートシンク530を介して放熱が行われ、第1半導体チップ511および第2半導体チップ512の裏面では、第1はんだ541から下側ヒートシンク520を介して放熱が行われる。
【0060】
このように、下側ヒートシンク520および上側ヒートシンク530は、第1半導体チップ511および第2半導体チップ512と熱的に接続されこれら各半導体チップ511、512からの熱を伝達する金属体として構成されている。そして、下側ヒートシンク520においては、図10中の下面が放熱面521として構成され、上側ヒートシンク530においては、図10中の上面が放熱面531として構成されている。そして、各放熱面521、531は、モールド樹脂550から露出している。
【0061】
ここで、第1半導体チップ11としては、特に限定されるものではないが、例えばIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やサイリスタ等のパワー半導体素子から構成することができる。また、同じく第2半導体チップ512は、たとえば、FWD(フリーホイールダイオード)等からなるものにできる。また、具体的には、上記第1半導体チップ511および第2半導体チップ512の形状は、たとえば矩形状の薄板状とすることができる。
【0062】
また、本実施形態の各半導体チップ511、512の表面および裏面には、図示しない電極が形成されている。そして、この電極は、各はんだ541、542と電気的に接続されている。
【0063】
このように、本実施形態においては、第1半導体チップ511および第2半導体チップ512の裏面側の電極は、下側ヒートシンク520に対して、第1はんだ541を介して電気的に接続され、第1半導体チップ511および第2半導体チップ512の表面側の電極は、第2はんだ542を介して上側ヒートシンク530に対して、電気的に接続されている。
【0064】
ここで、下側ヒートシンク520および上側ヒートシンク530は、例えば、銅合金もしくはアルミ合金等の熱伝導性および電気伝導性の良い金属で構成されている。また、下側ヒートシンク520および上側ヒートシンク530は、例えば、全体としてほぼ長方形状の板材とすることができる。
【0065】
本実施形態の熱交換器は、上記構成の半導体実装体51におけるヒートシンク520、530の放熱面521、531が熱媒体により冷却されるようになっている。したがって、ヒートシンク520、530の放熱面521、531が、本発明の熱交換対象物に相当している。
【0066】
図10に示されるように、本実施形態の熱交換器は、半導体実装体51におけるモールド樹脂550の一部が、熱媒体冷媒が流れる熱媒体流路30として構成されたものとなっている。モールド樹脂550は、半導体チップ511、512およびヒートシンク520、530を封止する封止部551と、この封止部551の周囲に設けられ先端部がヒートシンク520、530の放熱面521、531よりも突出する壁部552とから構成されている。本実施形態は、壁部552は、放熱面521、531を取り囲むように環状に設けられたものである。
【0067】
また、封止部551のうちヒートシンク520、530の放熱面521、531と壁部552との間の部位に、貫通穴553が設けられており、この貫通穴553が熱媒体流路30として構成されている。
【0068】
図9に示すように、本実施形態の熱交換器は、半導体実装体51が複数個連結されたものとして構成されている。具体的には、半導体実装体51が複数個(図示例では4個)積層されて連結されているとともに、それぞれの貫通穴553は、互いに連通している。
【0069】
積層体における一端側の半導体実装体51には、熱媒体の入口61および出口62を有する第1蓋材60が連結されており、これら入口61および出口62と貫通穴553とが連通している。また、積層体における他端側の半導体実装体51には、第2蓋材70が連結されており、貫通穴553が、この第2蓋材70により閉塞されている。こうして、入口61、出口62および貫通穴553が接続され、入口61から流入した熱媒体が貫通穴553を通って出口62から流出するようになっている。
【0070】
なお、壁部552の端面にて、個々の半導体実装体51の連結および半導体実装体51と蓋材60、70との連結が行われており、この壁部552における各々の連結は、図示しない接着剤を介した接着により行われている。また、蓋材60、70は、ともに、例えば、樹脂、金属、セラミックなどの材料から成形、プレス加工などにより作成することができる。
【0071】
ここで、積層された複数個の半導体実装体51において、互いの放熱面521、531が対向するように配置されており、この対向する放熱面521、531の間も熱媒体流路30として熱媒体が流れるようになっている。したがって、対向する放熱面521、531およびモールド樹脂550が、本発明の流路形成部材に相当している。
【0072】
ヒートシンク520、530の放熱面521、531の表面には、放熱面521、531の間に形成された熱媒体流路30を複数の細流路に分割するとともに、熱媒体とヒートシンク520、530の放熱面521、531との熱交換を促進するインナーフィン33が設けられている。
【0073】
このインナーフィン33は、上記第2実施形態と同様に構成されている。すなわち、インナーフィン33は、1つの第2フィン部33Bの両側に第1フィン部33Aが1つずつ配置されている。そして、第2フィン部33Bは、放熱面521、531と対向する部位に設けられており、第1フィン部33Aは、放熱面521、531と対向する部位以外の部位に設けられている。
【0074】
以上説明したように、インナーフィン33をフィンピッチが互いに異なる第1フィン部33Aおよび第2フィン部33Bにより構成することで、流路幅方向の長さに応じて、当該フィンピッチが細かい部分、すなわち第1フィン部33Aの流路幅方向の長さやフィンピッチを変更することで、インナーフィン33を流路幅方向の全域に亘って配置することができる。これにより、熱媒体流路30の一部に熱媒体が優先的に流れてしまうことを防止できるので、熱交換効率を向上させることが可能となる。
【0075】
さらに、本実施形態では、熱媒体流路30におけるヒートシンク520、530の放熱面521、531と対応する部位以外の部位に、フィンピッチの細かい第1フィン部33Aを配置している。これにより、熱媒体流路30における放熱面521、531と対応する部位以外の部位を流通する熱媒体に生じる圧力損失が大きくなり、熱媒体流路30における放熱面521、531と対応する部位へ流入する熱媒体の流量が増加するので、つまりは流速が増加し、熱交換効率をより向上させることが可能となる。
【0076】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。例えば、以下のように種々変形可能である。
【0077】
(1)上記第1〜第6実施形態では、熱交換対象物として電子部品2を採用した例について説明したが、熱交換対象物はこれに限定されない。例えば、流路管3の外表面に接合されるとともに、流路管3と流路管3外部を流れる外部流体(空気)との伝熱面積を増大させるアウターフィンを熱交換対象物として採用してもよい。
【0078】
(2)上記第1〜第6実施形態では、熱交換器として、流路管3をいわゆるドロンカップ構造とし、隣り合う流路管3のフランジ部300同士をろう付けにより接合することにより複数の流路管3を連通する連通部材4を形成した積層型熱交換器1を採用した例について説明したが、熱交換器はこれに限定されない。例えば、流路形成部材としての複数本のチューブ、この複数本のチューブの両端側に配置されてそれぞれのチューブを流通する熱媒体の集合あるいは分配を行う一対の集合分配用タンク等を有する、いわゆるタンクアンドチューブ型の熱交換器を、熱交換器として採用してもよい。
【0079】
(3)上記第1〜第6実施形態では、流路管3を複数設けた例について説明したが、これに限らず、流路管3は1つであってもよい。
【0080】
(4)上記第1実施形態では、第1フィン部33Aを流路幅方向の一端部に配置した例について説明したが、第1フィン部33Aの位置はこれに限定されない。例えば、第1フィン部33Aを流路幅方向の中央部に配置してもよい。
【0081】
(5)上記各実施形態では、インナーフィン33を、フィンピッチFPが互いに異なる2つのフィン部33A、33Bにより構成した例について説明したが、これに限らず、フィンピッチFPが互いに異なる3つ以上のフィン部によりインナーフィン33を構成してもよい。
【0082】
(6)上記第4実施形態では、内側インナーフィン335を、そのフィンピッチFPinが、外側インナーフィン334のうち最もフィンピッチFPが細かい第1フィン部33AのフィンピッチFP1と略同等となるように形成した例について説明したが、内側インナーフィン335の形状はこれに限定されない。例えば、内側インナーフィン335を外側インナーフィン334と同様の形状としてもよい。
【0083】
(7)上記第4実施形態では、インナーフィン33を3段積層して配置した例について説明したが、これに限らず、インナーフィン33を4段以上積層してしてもよい。
【0084】
(8)上述の各実施形態は、可能な範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0085】
2 電子部品(熱交換対象物)
3 流路管(流路形成部材)
30 熱媒体流路
33 インナーフィン
33A 第1フィン部
33B 第2フィン部
331 板部
332 連結部
333 細流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱媒体が流通する熱媒体流路(30)を内部に有する流路形成部材(3)を備え、
前記熱媒体と、前記流路形成部材(3)の外部または内部に配置された熱交換対象物(2)との間で熱交換を行う熱交換器であって、
前記流路形成部材(3)内には、前記熱媒体流路(30)を複数の細流路(333)に分割するとともに、前記熱媒体と前記熱交換対象物(2)との熱交換を促進するインナーフィン(33)が設けられており、
前記インナーフィン(33)は、前記熱媒体の流れ方向に垂直な断面形状が、凸部を一方側と他方側に交互に位置させて曲折する波形状に形成されており、
前記断面形状にて、前記一方側と前記他方側のうちの同一側で隣り合う前記凸部の中心同士の距離をフィンピッチ(FP)としたとき、
前記インナーフィン(33)は、前記フィンピッチ(FP)が異なる複数のフィン部(33A、33B)を有して構成されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記複数のフィン部(33A、33B)のうち、前記フィンピッチ(FP)が最も細かいフィン部を第1フィン部(33A)とし、前記第1フィン部(33A)より前記フィンピッチ(FP)が粗い前記フィン部を第2フィン部(33B)とするとともに、前記熱媒体の流れ方向、および前記流路形成部材(3)と前記熱交換対象物(2)との配置方向に対してともに直交する方向を流路幅方向としたとき、
前記第1フィン部(33A)の前記流路幅方向の長さが、前記第2フィン部(33B)の前記フィンピッチ(FP)より短いことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記複数のフィン部(33A、33B)のうち、前記フィンピッチ(FP)が最も細かいフィン部を第1フィン部(33A)とし、前記第1フィン部(33A)より前記フィンピッチ(FP)が粗い前記フィン部を第2フィン部(33B)としたとき、
前記熱交換対象物(2)は、前記流路形成部材(3)の外部の一部に配置されており、
前記第1フィン部(33A)は、前記流路形成部材(3)内における前記熱交換対象物(2)と対応する部位以外の部位に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記インナーフィン(33)は、前記熱媒体の流れ方向に延びるとともに前記細流路(333)を分割する板部(331)と、隣り合う前記板部(331)間を繋ぐ連結部(332)とを有し、前記熱媒体の流れ方向に直交する断面形状が波状となるとともに、前記流路形成部材(3)と前記熱交換対象物(2)との配置方向から見た際に前記板部(331)が前記熱媒体の流れ方向に波形状に屈折するウェーブフィンであり、
前記インナーフィン(33)の、前記配置方向に直交し、かつ、前記細流路(333)における前記配置方向の中心部を通る断面における、前記板部(331)の前記波形状の振幅方向における寸法をウェーブ深さ(WD)としたとき、
前記第1フィン部(33A)の前記ウェーブ深さ(WD)が、前記第2フィン部(33B)の前記ウェーブ深さ(WD)より深いことを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記インナーフィン(33)は、前記熱媒体の流れ方向に延びるとともに前記細流路(333)を分割する板部(331)と、隣り合う前記板部(331)間を繋ぐ連結部(332)とを有し、前記熱媒体の流れ方向に直交する断面形状が波状となるとともに、前記流路形成部材(3)と前記熱交換対象物(2)との配置方向から見た際に前記板部(331)が前記熱媒体の流れ方向に波形状に屈折するウェーブフィンであり、
前記インナーフィン(33)の、前記配置方向に直交し、かつ、前記細流路(333)における前記配置方向の中心部を通る断面における、前記板部(331)の前記波形状のピッチをウェーブピッチ(WP)としたとき、
前記第1フィン部(33A)の前記ウェーブピッチ(WP)が、前記第2フィン部(33B)の前記ウェーブピッチ(WP)より細かいことを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−169429(P2012−169429A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28682(P2011−28682)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】