説明

熱可塑性ポリエステルの成形

熱可塑性ポリエステルの回転成形のため、及びそこから製造される中空成形品のための方法が開示される。熱可塑性ポリエステルは、少なくとも10分の結晶化半時間及び0.55〜0.70dL/gのインヘレント粘度を有する。追加の熱可塑性ポリマーを、多層化物品を製造するために、用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性ポリエステルの回転成形方法及びそれから製造される中空成形品に関する。本発明は、更に詳しくは、少なくとも10分の結晶化半時間(crystallization half time)及び0.55〜0.70dL/gのインヘレント粘度を有する熱可塑性ポリエステルの回転成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回転成形(rotational molding)は、中空プラスチック成形品を製造するために用いられる製造法である。一般的な回転成形法は、高温、低圧及び2軸回転を用いて中空の一体形成形品を製造する。遠心力は実質上必要としない。回転成形は中空成形品を製造するために特に適するが、本技術は、他の成形及び押出成形法、特に押出中空成形と事実上競合する造形品を提供することができる。回転成形は、加熱、融解、成形及び冷却段階の全てがポリマーが金型中に置かれた後に起こる全ての他の加工法とは異なる。加えて、溶融ポリマーを金型中に押し込めるために外力は全く用いられない。回転成形製品は、本質的に、応力なしであり、溶接線は全くなく、複雑な形状を生み出すことができる。加えて、金型コストは比較的低く、このことは大きな物品が経済的に製造されることを可能とする。
【0003】
回転成形物品の典型的な用途には、玩具、種々のタイプのタンク、容器、箱、管、道路備品、バンバー、ディスプレイ部品、電球(light globe)などが挙げられる。回転成形法及びその用途の一般的な説明は、例えば非特許文献1に与えられる。
【0004】
しかし、回転成形法において用いることができる高分子材料の数は限定される。最も広く用いられるポリマーはポリエチレンである。特に中密度ポリエチレンである。回転成形することができる他のポリマーには、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル及びそれほどではないにせよポリアミド(即ちナイロン)、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)及びポリカーボネートが挙げられる。少量のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、アセタール、アクリル、セルロース誘導体、エポキシ・フルオロカーボン、アイオノマー、フェノール系及びポリブチレン、ポリスチレンそしてシリコンも、特定の限定された用途において用いられてきた。ポリエステルポリマーの回転成形は、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、非特許文献2及び非特許文献3などに開示されてきたが、熱可塑性ポリエステルから回転成形される物品は、しばしば、不満足な化学的及び物理的特性を示すか、そして/又は高価な特製ポリマーを用いる。例えばポリエチレンテレフタレートなどの、より低いコストの熱可塑性ポリエステルポリマーは、多くの場合、一般的な回転成形条件下で結晶化し、従って、均一な方法で金型の内部に被覆することができない。この問題に対する一つのアプローチは、最終ポリマーを形成するための全ての又は少なくとも一部の重合反応が金型内で行われる熱硬化性ポリエステル又はポリエステル・プレポリマーを用いることにより対応する。別のアプローチにおいては、ポリエステルは、例えばポリオレフィン又はポリカーボネートなどの別の熱可塑性ポリマーと混合するか、又はそれと組合せて用いて、多層化物品を形成する。しかし、このような方法は操作するのに高価であり、例えば透明性、高衝撃力及び可撓性などの望ましい特性の組合せを欠く物品を製造する。別のアプローチにおいては、エラストマー系ポリエステルブロックコポリマーが回転成形法において用いられてきた。このようなポリエステルブロックコポリマーは、部分的に結晶性であり、低モジュラスを有し、電球又はディスプレイ部品などの透明で澄んだ堅い物品を製造するには適していない。従って、上述の問題点を避ける満足の行く物理的特性を有する中空成形品を提供するための、熱可塑性ポリエステルポリマーの低コストの回転成形に対する経済的な方法のための技術上のニーズがある。
【0005】
【非特許文献1】J.Titus,“Rotational Moulding of Plastic Powders”,AMC Engineering Design Handbook No.706−312,April 1975,Chapters1〜10、及びGlenn L.Beall,Rotati onal Molding−Design,Materials,Tooling,and Processing,Carl Hanser Verlag,1998
【非特許文献2】P.Taylor,“Rotomolding”,British Plastics and Rubber,Feb.1986,pp.22〜27
【非特許文献3】Rangarajan et al.,“Studies on the Rotomolding of Liquid Crystalline Polymers”,ANTEC 2001,pp.1286〜1290
【0006】
【特許文献1】日本特許出願第49−59172号明細書
【特許文献2】日本特許出願第49−45955号明細書
【特許文献3】日本特許出願第50−145475号明細書
【特許文献4】日本特許出願第2000−167855号明細書
【特許文献5】英国特許第1416388号明細書
【特許文献6】米国特許第3,966,870号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
我々は、特定範囲のインヘレント粘度を有し、加工されている間結晶化しない熱可塑性ポリエステルが、回転成形して種々の次元及び形状の中空成形品を製造することが可能であることを見出してきた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、我々の発明は、
(a)熱可塑性ポリエステルを金型中に導入し(ここでポリエステルは少なくとも10分の結晶化半時間及び0.55〜0.70デシリットル/グラム(dL/g)のインヘレント粘度を有するランダムコポリマーであり、前記50%結晶化時間は、アルミニウムパンにおいて、前記ポリエステルの15.0mg試料を320℃/分の速度で2分間290℃に加熱し、前記試料をヘリウムの存在下に320℃/分の速度で等温結晶化温度まで冷却し、そして等温結晶化温度に達してから示差走査熱量計(DSC)曲線上の結晶化ピーク点までのタイム・スパンを測定することにより、DSCを用いて溶融状態から測定する)、そして
(b)前記金型をピーク内部空気温度150〜255℃で回転すること、
を含む回転成形方法を提供する。
【0009】
我々の発明において有用であるポリエステルは、少なくとも10分の結晶化半時間を有し、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び/又はジエチレングリコールなどの多様な2酸及びジオール残基を含むことが可能である。種々の離型添加剤、鎖延長剤及び他の添加剤は、我々の回転成形法を補強するために、又は特定用途のために必要とされるように成形品の特性を変性するために用いることができる。追加の熱可塑性ポリマーは、我々の方法において用いて多層化物品を製造することが可能である。従って、本発明は、また、良好な透明度、高衝撃強度及び可撓性を有する中空のポリエステル物品の経済的生産を提供する。
【0010】
従って、我々の発明の別の態様は、
(a)少なくとも15分の溶融状態からの結晶化半時間及び0.55〜0.70dL/gのインヘレント粘度を有する熱可塑性ポリエステル(ここで結晶化半時間は、アルミニウムパンにおいて、前記ポリエステルの15.0mg試料を320℃/分の速度で2分間290℃に加熱し、この試料をヘリウムの存在下に、320℃/分の速度で等温結晶化温度まで冷却し、等温結晶化温度に達してから示差走査熱量計(DSC)曲線上の結晶化ピーク点までのタイム・スパンを測定することにより、DSCを用いて溶融状態から測定し、そして前記ポリエステルは、
(i)テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はイソフタル酸の1又はそれ以上の残基を、2酸残基の全体モルに対して、少なくとも90モル%含む2酸残基及び
(ii)1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール又はジエチレングリコールの1種又はそれ以上の残基を、ジオール残基の全体モルに対して、10〜100モル%;及びエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA及びポリアルキレングリコールから選択されるジオールの1以上の残基を0〜90モル%含むジオール残基、
を含むランダムコポリマーであり、前記中空成形品は回転成形法により製造される)
を含む中空成形品である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
一部の非晶質ポリエステルは、回転成形されて一般的に1〜15mmの壁厚を有する成形透明中空成形品を製造することが可能である。本発明の方法のポリエステルは、回転成形装置中の加工がポリエステルの結晶化なしで起こることを可能とする結晶化速度を有する。本発明の回転成形用の新規な方法は、従って、(a)熱可塑性ポリエステルを金型中に導入し(ここでポリエステルは少なくとも10分の結晶化半時間及び0.55〜0.70デシリットル/グラム(dL/g)のインヘレント粘度を有するランダムコポリマーであり、前記結晶化半時間は、アルミニウムパンにおいて、前記ポリエステルの15.0mg試料を320℃/分の速度で2分間290℃に加熱し、前記試料をヘリウムの存在下に、320℃/分の速度で等温結晶化温度まで冷却し、等温結晶化温度に達してから示差走査熱量計(DSC)曲線上の結晶化ピーク点までのタイム・スパンを測定することにより、DSCを用いて溶融状態から測定する)、そして(b)金型をピーク内部空気温度150〜255℃で回転することを含む。本発明の方法により製造される中空成形品は、優れた光沢及び透明性を有すると共に、例えば、玩具、ディスプレイ部品、電球、医療部品、自動車、食品及び化学品容器などの多くの用途において用いることができる。これらの物品は、多様なインクにより印刷でき、又は溶接もしくは他の接合技術の使用により他の後処理を行うことができる。
【0012】
本発明の幅広い範囲を示す数値の範囲及びパラメータが近似であるにもかかわらず、特定の実施例において示される数値は、できるだけ正確に報告する。しかし、あらゆる数値は、本質的に、それらそれぞれの試験測定値中に見出される標準偏差から必然的に結果として生じる一部の誤差を含有する。
【0013】
我々の発明は、ポリエステルの回転成形方法である。本明細書において用いる用語「回転(rotational)成形」は、「ロト成形」、「ロータリー成形」、「回転キャスティング」又は「スピン成形」と同意語であることを意図し、樹脂を中空金型中に注入し、次に、高温で1軸又は2軸方式で連続的に回転して中空複雑部品を形成する、液体又は粉末化熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂から物体を形成する方法を指す。金型が加熱されるので、金型は、一般的に、低速度で2軸又は3軸に沿って回転する。熱は金型内部のプラスチック樹脂を融解し、溶融樹脂は金型の内部表面を被覆する。次に、金型は段階的に冷却し、金型の内壁の形状を想定した再固化プラスチック樹脂を金型から除去する。
【0014】
本明細書において用いる用語「ポリエステル」は、「コポリエステル」を含むことを意図すると共に、1種又はそれ以上の2官能性カルボン酸の1種又はそれ以上の2官能性ヒドロキシル化合物との重縮合により製造される合成ポリマーを意味すると理解される。本発明のポリエステルは「熱可塑性」であり、ポリエステルが熱にさらされる場合に軟化するか、そして/又は融解し、室温に冷却される場合に、その元の状態に戻ることを意味する。本発明のポリエステルは、従って、ポリエステルを加熱する場合に不可逆的に固化するか、又は「硬化」することを意味する「熱硬化性」ポリエステルではない。熱可塑性ポリエステルとは対照的に、熱硬化性ポリエステルは、一般的に、高度に架橋される。架橋性反応又は「硬化」は、例えば熱、化学架橋剤又は照射などの種々の手段により誘発することが可能である。2官能性カルボン酸は、典型的には、ジカルボン酸であり、2官能性ヒドロキシル化合物は、例えばグリコール及びジオールなどの2価アルコールである。或いは、2官能性カルボン酸は、例えばp−ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸であることができ、2官能性ヒドロキシル化合物は、例えばヒドロキノンなどの2ヒドロキシル置換基を有する芳香核であることが可能である。本明細書において用いる用語「残基(residue)」は、対応するモノマーを含む重縮合反応を通してポリマー又は可塑剤中に組み込まれる任意の有機構造を意味する。本明細書において用いる用語「反復単位」は、カルボニルオキシ基を通して結合されるジカルボン酸残基とジオール残基を有する有機構造を意味する。従って、ジカルボン酸残基は、ジカルボン酸モノマー又はその対応酸ハロゲン化物、エステル、塩、無水物又はそれらの混合物から誘導することが可能である。従って、本明細書において用いる用語カルボン酸は、高分子量ポリエステルを製造するためにジオールとの重縮合法において有用な、ジカルボン酸及びその対応酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物、又はそれらの混合物を含むジカルボン酸の任意の誘導体を含むことを意図する。
【0015】
本発明のポリエステル組成物は、ジカルボン酸残基、ジオール残基及び任意的に分岐モノマー残基を含むポリエステルから製造する。本発明のポリエステルは、反復単位の全モル数が100モル%に等しくなるように、実質的に等しい割合で反応する酸残基(100モル%)とジオール残基(100モル%)の実質的に等しいモル割合を含有する。従って、本開示において提供されるモル%は、酸残基の全体モル数、ジオール残基の全体モル数、又は反復単位の全モル数に対することができる。例えば、全体酸残基に対して30モル%のイソフタル酸を含有するポリエステルは、ポリエステルが100モル%酸残基の全体からの30モル%イソフタル酸残基を含有することを意味する。従って、酸残基100モル毎の間に30モルのイソフタル酸残基がある。別の実施例において、全体ジオール残基に対して30モル%のエチレングリコールを含有するポリエステルは、ポリエステルが100モル%ジオール残基の全体からの30モル%エチレングリコール残基を含有することを意味する。従って、ジオール残基100モル毎の間に30モルのエチレングリコール残基がある。
【0016】
本発明のポリエステルは、少なくとも10分の溶融状態からの結晶化半時間を有する。結晶化半時間は、例えば少なくとも12分、少なくとも15分、少なくとも20分、少なくとも30分及び少なくとも60分であることが可能である。典型的には、少なくとも10分の結晶化半時間を示すポリエステルは、コポリエステル又はランダムコポリマーである。本明細書において用いる用語「ランダムコポリマー」は、ポリエステルが、各種ジオール又は2酸残基がポリマー鎖に沿って不規則に分布する1を超えるジオール及び/又は2酸残基を含むことを意味する。従って、本発明のポリエステルは、当業者により理解されるであろう「ブロックコポリマー」ではない。典型的には、ポリエステルは、ポリエステルがポリマーの実質的に無秩序の領域を含むことを意味する実質的に非晶質な形態を有する。非晶質又は半結晶性ポリマーは、典型的には、ガラス転移温度(本明細書において「Tg」として簡略化される)単独のみか、又は例えば示差走査熱量計(「DSC」)などの周知の技術により測定される融点(本明細書において「Tm」として簡略化する)に加えてのガラス転移温度かのいずれかを示す。融解生成物からの望ましい結晶化動力学は、また、例えば可塑剤などの高分子添加剤の添加によるか、又はポリマーの分子量特性を変更することにより達成することができる。本発明のポリエステルは、また、少なくとも10分の結晶化半時間を達成するために必要な割合で混合される、実質的に非晶質のポリエステルの、一層結晶性のポリエステルとの混和性混合物であることが可能である。しかし、別の実施形態において、我々の発明のポリエステルは混合物ではない。
【0017】
本明細書において用いるポリエステルの結晶化半時間は、当業者に周知の方法を用いて測定することが可能である。例えば結晶化半時間は、パーキンエルマー・モデルDSC−2示差走査熱量計を用いて測定することができる。結晶化半時間は、以下の手順を用いて溶融状態から測定する:ポリエステルの15.0mg試料をアルミニウムパン中に密封し、320℃/分の速度で290℃まで2分間で加熱する。試料を、次に、ヘリウムの存在下に、320℃/分の速度で所定の等温結晶化温度まで直ぐに冷却する。等温結晶化温度は、ガラス転移温度と最高の結晶化速度を与える融点間の温度である。等温結晶化温度は、例えば、Elias,H.Macromolecules,Plenum Press:NY,1977,p391に記載されている。結晶化半時間は、等温結晶化温度に達してからDSC曲線上の結晶化ピーク点までのタイム・スパンとして測定される。
【0018】
ポリエステルの2酸残基は、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はイソフタル酸の1種又はそれ以上の残基の2酸残基を、全モル数に対して少なくとも80モルパーセント(モル%)含む。ナフタレンジカルボン酸の種々の異性体又は異性体混合物の任意のものを用いることができるが、1,4−、1,5−、2,6−及び2,7−異性体が好ましい。例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸は、純粋なシス又はトランス異性体で、又はシス及びトランス異性体の混合物として存在することができる。例えばポリエステルはテレフタル酸からの2酸残基80〜100モル%及びイソフタル酸からの2酸残基0〜20モル%を含むことができる。
【0019】
ポリエステルは、また、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、又はジエチレングリコールの残基の、ジオール残基の全モル数に対して10〜100モル%;及び例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA及びポリアルキレングリコールなどの2〜20個の炭素原子を含有する1種又はそれ以上のジオールの残基の0〜90モル%を含むことが可能であるジオール残基を含有する。本明細書において用いる用語「ジオール」は、用語「グリコール」と同意語であり任意の2価のアルコールを意味する。例えばジオール残基は、また、1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基の、ジオール残基の全モル数に対して、10〜100モル%、及び1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び1,3−プロパンジオールなどから選択される1種又はそれ以上のジオールの残基の0〜90モル%を含むことができる。我々の発明のポリエステルに用いることができるジオールの更なる例には、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、チオジエタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、p−キシレンジオール、ビスフェノールS又は1種又はそれ以上のこれらグリコールの組合せが挙げられる。脂環式ジオール、例えば1,3−及び1,4−シクロヘキサンジメタノールは、それらの純粋なシス又はトランス異性体として、又はシス及びトランス異性体の混合物として存在することができる。別の実施例において、ジオール残基は、1,4−シクロヘキサンジメタノール残基の10〜100モル%、及びエチレングリコール残基の0〜90モル%を含むことができる。更なる実例において、ジオール残基は、1,4−シクロヘキサンジメタノール残基の20〜80モル%及びエチレングリコール残基の20〜80モル%を含むことができる。別の実例においてジオール残基は1,4−シクロヘキサンジメタノール残基の20〜70モル%及びエチレングリコール残基の80〜30モル%を含むことができる。なお別の実例において、ジオール残基は1,4−シクロヘキサンジメタノール残基の20〜65モル%及び2酸残基はテレフタル酸残基の95〜100モル%を含むことができる。
【0020】
ポリエステルは、また、更に、4〜40個の炭素原子を含有する1種又はそれ以上の変性用2酸残基の0〜20モル%を含むことができる。用いることができる変性用ジカルボン酸の例には、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸又は2種又はそれ以上のこれらの酸の混合物が挙げられる。変性用ジカルボン酸の具体例には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸又はスルホイソフタル酸の1種又はそれ以上が挙げられるが、それらに限定するものではない。変性用ジカルボン酸の追加例には、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、フタル酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸及び4、4’−スルホニルジ安息香酸が挙げられる。
【0021】
金型内の望ましい流動特性を得るために、本発明のポリエステルは、0.4〜1.5dL/g、典型的には0.55〜0.70dL/gのインヘレント粘度を有する。本明細書において「I.V.」と略されるインヘレント粘度は、フェノール60重量%及び1,1,2,2−テトラクロロエタン40重量%からなる溶媒50mL当りポリマー0.25gを用いて25℃でなされるインヘレント粘度測定値を指す。ポリエステル組成物により示すことが可能であるI.V.値の他の例には、0.55〜0.67dL/g、0.55〜0.65dL/g及び0.60〜0.65dL/gが挙げられる。
【0022】
本発明のポリエステルは、一般的な重縮合反応条件を用いて、適切なジカルボン酸、エステル、無水物又は塩、適切なジオール又はジオール混合物及び任意の分岐モノマーから容易に製造される。それらは、運転の連続、半連続及びバッチ方式により製造することが可能であり、多様な反応器タイプを用いることが可能である。適する反応器タイプの例には、攪拌タンク、連続攪拌タンク、スラリー、管型、薄膜式、流下膜式、又は押出反応器が挙げられるが、これらに限定するものではない。本明細書において用いる用語「連続」は、途切れないやり方で、反応物質が導入され生成物が同時に引き出される工程を意味する。「連続」とは、工程が「バッチ」工程とは対照的に運転中実質的に又は完全に連続であることを意味する。「連続」は、例えばスタートアップ、反応器保全、又は定期的シャットダウン期間のために工程の連続性の正常な中断を禁じることを決して意味しない。本明細書において用いる用語「バッチ」工程は、すべての反応物質を反応器に添加し、次に、その間材料が全く反応器中に供給されないか又は除去されない反応の所定の過程により処理される工程を意味する。用語「半連続」は、一部の反応物質を工程の初めに投入し、反応が進行するにつれて残りの反応物質を連続的に供給する工程を意味する。或いは、半連続工程には、また、反応が進行するにつれて1種又はそれ以上の生成物を連続的に除去することを除いて、全ての反応物質が工程の初めで添加されるバッチ工程に類似の工程を挙げることができる。本方法は、経済的な理由のため、及び余りに長い期間にわたり高温で反応器中に存在することを可能とする場合、ポリエステルが外見上劣化することが可能であるので、ポリマーの優れた着色を生み出すために連続工程として有利に運転される。
【0023】
本発明のポリエステルは当業者に公知の手順により製造される。ジオール、ジカルボン酸及び任意的な分岐モノマー成分の反応は、従来型のポリエステル重合条件を用いて行うことができる。例えば、エステル交換反応によって、即ち、ジカルボン酸成分のエステル形態からポリエステルを製造する場合に、反応工程は二つの段階を含むことができる。第1段階において、ジオール成分及び例えばジメチルテレフタレートなどのジカルボン酸成分は、0.0kPaゲージ〜414kPaゲージ(60ポンド/平方インチ、「psig」)範囲にある圧力で、0.5〜8時間にわたり、高温で、典型的には150℃〜250℃で反応する。好ましくは、エステル交換反応用の温度は1〜4時間にわたり180℃〜230℃の範囲にあり、一方で、好ましい圧力は103kPaゲージ(15psig)〜276kPaゲージ(40psig)の範囲にある。その後、反応生成物は、より高い温度及び減圧下で加熱して、これらの条件下で容易に揮発化され系から除去されるジオールの排除を伴ってポリエステルを形成する。この第2段階、即ち重縮合段階は、インヘレント粘度により測定される望ましい重合度を有するポリマーが得られるまで、0.1〜6時間、又は好ましくは0.2〜2時間にわたり、一層の高真空下で、及び一般に230℃〜350℃、好ましくは250℃〜310℃、最も好ましくは260℃〜290℃の範囲にある温度下で継続される。重縮合段階は、53kPa(400トール)〜0.013kPa(0.1トール)の範囲にある減圧下で行うことができる。攪拌又は適切な条件は、両方の段階において反応混合物の適当な熱伝達及び表面更新を確保するために、用いられる。両方の段階の反応速度は、例えばアルコキシチタン化合物、アルカリ金属水酸化物及びアルコラート、有機カルボン酸塩、アルキル錫化合物及び金属酸化物などの適切な触媒により促進される。米国特許第5,290,631号明細書に記載されているものに類似の3段階製造手順も、また、特に酸及びエステルの混合モノマー原料が用いられる場合に用いることができる。
【0024】
エステル交換反応によるジオール成分とジカルボン酸成分の反応が完結するまで推進されることを確実にするために、カルボン酸成分1モルに対してジオール成分1.05〜2.5モルを用いることは時により望ましい。しかし、当業者は、ジオール成分対ジカルボン酸成分の比率が、一般に、反応工程が起こる反応器の設計により決定されることを理解されたい。
【0025】
直接エステル化による、即ち、ジカルボン酸成分の酸形態からのポリエステルの製造において、ポリエステルは、ジカルボン酸又はジカルボン酸混合物をジオール成分又はジオール成分の混合物及び分岐モノマー成分と反応させることにより製造する。反応は7kPaゲージ(1psig)〜1379kPaゲージ(200psig)、好ましくは689kPa(100psig)未満の圧力で行われ、1.4〜10の平均重合度を有する低分子量ポリエステル製品を製造する。直接エステル化反応の間に用いられる温度は、一般的に180℃〜280℃の範囲にあり、更に好ましくは220℃〜270℃の範囲にある。この低分子量ポリマーは、次に、重縮合反応により重合させることができる。
【0026】
ポリエステルは、更に、所望により、加工性、外見、強度及び他の物理的特性を改善するための1種又はそれ以上の添加剤を含むことが可能である。添加剤の例には、所望により、抗酸化剤、融解強度増進剤(melt strength enhancer)、鎖延長剤、難燃剤、充填剤、染料、着色剤、顔料、チョップト・ファイバ、ガラス、衝撃調整剤、カーボンブラック、タルク、TiO2、ナノクレー、流動促進剤、加工補助剤、離型添加剤及び可塑剤などが挙げられる。時にトナーと呼ばれる着色剤は、望ましい中性の色相及び/又は輝度を、ポリエステル及びそれから製造された結果として生じる中空成形品に付与するために添加することが可能である。
【0027】
分岐モノマーは、大きな成形品の加工性を改善するために、ポリエステルに添加することができる。例えばポリエステルは、3種又はそれ以上のカルボキシル置換基、ヒドロキシル置換基、又はそれらの組合せを有する分岐モノマーの1種又はそれ以上の残基の、ポリエステルの全体重量に対して、0.05〜1重量パーセント(重量%)を含むことができる。分岐モノマーの例には、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸ジ無水物、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、クエン酸、酒石酸及び3−ヒドロキシグルタル酸などが挙げられるが、これらに限定するものではない。好ましくは、分岐モノマー残基は、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸ジ無水物、グリセロール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、又はトリメシン酸の1種又はそれ以上の残基の0.1〜0.7モル%を含む。分岐モノマーは、ポリエステル反応混合物に添加するか、又は例えば、米国特許第5,654,347号明細書に記載されているように、濃縮物の形態においてポリエステルと混合することができる。
【0028】
本発明のポリエステルは、また、1種又はそれ以上の鎖延長剤の(ポリエステルの全体重量に対して)0.05重量%〜2重量%を含み、成形品の衝撃特性を改善することができる。典型的には、鎖延長剤は、例えばカルボニルビス(カプロラクタム)、ビス(オキサゾリン)(例えば1,4−フェニレン−ビス−オキサゾリン)、ジエポキシド(例えばARALDITE(登録商標)MY721)及びカルボン2酸無水物などの多官能性化合物を含む。鎖延長剤は、重合段階の間にポリエステルに添加するか、又は重合後の最終ポリエステルに溶融混合することができる。更なる典型的な鎖延長剤には、例えば米国特許第5,817,721号明細書に記載されているものなどのジビニルエーテル、又は例えば米国特許第6,303,677号明細書に記載されているものなどのジイソシアネートが挙げられる。代表的なジビニルエーテルには、1,4−ブタンジオール・ジビニルエーテル、1,5−ヘキサンジオール・ジビニルエーテル及び1,4−シクロヘキサンジメタノール・ジビニルエーテルが挙げられる。ポリエステルの融解強度を望ましいレベルに引き上げるために、スルホイソフタル酸などの作用物質を用いることもできる。
【0029】
我々の発明のポリエステルは、また、ポリエステルの金型への固着(付着)を防止するために、1種又はそれ以上の離型添加剤を含むことができる。離型添加剤は、典型的には、エルカ酸アミド及びステアロマイドなどの1種又はそれ以上の脂肪酸アミド;ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸亜鉛などの有機酸の金属塩;ステアリン酸、オレイン酸及びパルミチン酸などの脂肪酸;脂肪酸塩;脂肪酸エステル;パラフィンワックスなどの炭化水素ワックス;カルナウバ・ワックスなどのエステルワックス;リン酸エステル、化学的に変性されたポリオレフィンワックス;ポリエチレンワックス;ポリプロピレンワックス;フルオロポリマー;グリセロール・モノ−及びジステアレートなどのグリセリンエステル;タルク;微結晶性シリカ;及びアクリルコポリマー(例えばローム&ハース(Rohm & Haas)から市販されているPARALOID(登録商標)K175)の、前記ポリエステルの全体重量に対して、0.05重量%〜5重量%を含む。用いられる添加剤の最適量は、技術上周知の因子により決定されると共に、装置、材料、加工条件及び中空成形品の壁厚の変化に応じて決まる。添加剤レベルの追加例には、0.1〜5重量%及び0.1〜2重量%が挙げられる。典型的には、添加剤は、エルカ酸アミド、ステアロマイド、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、モンタン酸、モンタン酸エステル、モンタン酸塩、オレイン酸、パルミチン酸、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバ・ワックス、グリセロール・モノステアレート、又はグリセロール・ジステアレートの1種又はそれ以上を含む。
【0030】
抗酸化剤も、ロール上の溶融又は半溶融材料加工間の酸化的分解反応を防止するために、本発明のポリエステルと一緒に用いることができる。こうした抗酸化剤は、典型的には、1種又はそれ以上のフェノール、亜リン酸塩、ホスホナイト又は硫化物を含む。抗酸化剤の追加例には、チオジプロピオン酸ジステアリル又はチオジプロピオン酸ジラウリルなどのエステル;チバガイギー・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba−Geigy Specialty Chemicals)から市販されているIRGANOX(登録商標)1010、エチル(Ethyl Corporation)から市販されているETHANOX(登録商標)330及びブチル化ヒドロキシトルエンなどのフェノール系安定剤;及びチバガイギー・スペシャルティ・ケミカルズから市販されているIRGAFOS(登録商標)、及びGEスペシャルティ・ケミカルズから市販されているWESTON(登録商標)安定剤などのリン含有安定剤が挙げられる。これらの抗酸化剤は、単独か又は組合せて用いることができる。
【0031】
例えば、離型剤、抗酸化剤又は鎖延長剤などの種々の添加剤は、バッチ、半連続、又は連続工程中に混合することができる。小規模バッチは、金型中への導入前に、バンバリーミキサーなどの当業者に周知の任意の高強度混合装置中で容易に製造することができる。成分は、また、適切な溶媒中で溶液中に混合することができる。溶融混合法は、ポリエステルを融解するために十分な温度で、ポリエステルとあらゆる追加の非重合化成分を混合することを含む。混合物は直接金型中に導入することができるか、又は、好ましくは、金型中への導入前に冷却し、ペレット化し、そして/又は粉砕する。本明細書において用いる用語「融解する」は、単にポリエステルを柔らかくすることを含むが、それに限定するものではない。着色物品が望まれる場合に、顔料又は着色剤はジオールとジカルボン酸の反応の間にポリエステル混合物中に含ませることができるか、又は、それらは前もって形成されるポリエステルと溶融混合することができる。着色剤を含む好ましい方法は、着色剤が共重合しポリエステル中に組み込まれてその色相を改善するような反応基を有する熱的に安定な有機着色化合物を有する着色剤を用いることである。例えば、青及び赤置換アントラキノンに限定するものではないが、それらを含む反応性ヒドロキシル及び/又はカルボキシル基を有する染料などの着色剤は、ポリマー鎖中に共重合することができる。染料が着色剤として用いられる場合には、エステル交換又は直接エステル化反応後に、ポリエステル反応工程に添加することができる。
【0032】
本発明のポリエステルは、金型内で最適の流動特性を得るために0.4〜1.5dL/g、好ましくは0.55〜0.70dL/gのインヘレント粘度を有する。上述のように、ポリエステルは液体又は固体形態にあることができるが、しかし、好ましくは、ポリエステルは、例えば、少なくとも99重量%の粒子がASTM規格D1921により測定される1000ミクロン(μ)径又はそれ以下である粒径分布を有する粉末、顆粒、ミクロスフェア又はペレットの形態にある粒子としてのように、ポリエステルが金型の壁に均一に接触することを可能とする形態において、金型中に導入される。一つの実施例において、少なくとも70重量%のポリエステル粒子が500μ又はそれ以下の粒径を有する。別の実施例において、少なくとも80重量%のポリエステル粒子が500μ又はそれ以下の粒径を有する。例えばポリエステル粒子は、少なくとも80重量%の粒子が500μ又はそれ以下の粒径を有してミクロペレットの形態にあることができ、用いることができる。こうしたマイクロペレットは、ガラ・インダストリーズ(Gala Industries)により開発された顆粒化法を用いて製造することができる。
【0033】
我々の新規な方法のポリエステルは、最も商業的な回転成形機において処理することができる。我々の回転成形法は、熱可塑性ポリエステルを金型中に導入し、150℃〜320℃のピーク内部空気温度で金型を回転させることを含む。上述のように、ポリエステルは、典型的には、金型全体を通して動き、内表面に接触する液体、粉末、顆粒、マイクロスフェア、又はペレットとして金型中に導入する。ポリエステルは、ポリマー劣化及び/又は泡形成を防止するため、回転成形工程の間に必要に応じ前乾燥するか、又は過剰の水分を排出することができる。本明細書において用いる用語「ピーク内部空気温度」は、成形工程の間に測定される金型の内部空域内の最高の温度である。ピーク内部空気温度は、必ずしも溶融ポリエステルの温度又は金型の表面温度に等しくはなく、その温度よりも低くすることができる。金型温度は、ポリエステルを融解するために十分なものでなければならないし、金型サイズ、金型構造、回転成形しようとする部品の厚さ及びポリエステル組成を含む種々の因子に応じて決まる。加熱段階及び回転段階の間、金型内のピーク内部空気温度の更なる例には、150℃〜300℃、150℃〜255℃及び150℃〜240℃が挙げられる。温度が回転成形の間余りにも高すぎる場合、ポリエステル物品の色、透明度、強度及び他の物理的特性は悪化させることができる。温度は、ポリエステル粒子が融合して成形品の円滑な内表面を形成するために十分高くなければならない。
【0034】
金型は、例えば強制空気、ガス炎、油、赤外線放射器、電気又は誘導加熱などの技術上公知の適する手段により加熱される。しかし、典型的には、加熱は金型を強制空気循環オーブン中に置くことにより達成される。加熱しながら、金型は、ポリエステルが重力作用により金型の内壁に接触することを可能とし、それによって金型内に溶融ポリエステル層を形成する速度で1軸又は2軸に回転される。金型は、次に、冷却されてポリエステルを固化し、成形物の除去を可能とする。回転成形法が、溶融ポリマーが金型の回転により流動して、金型表面上に溶融ポリマー層を形成するという理論に基づいているので、ポリエステルが良好な流動性及びメルト・フロー特性を有して良好な外見を有する成形物を得ることは有利であるが、又は成形物は空気泡を含有するか、又は不均一な内部表面を有することができる。
【0035】
物品を回転成形するために必要とされる時間の長さは、ポリエステルの流動性及びメルト・フロー特性及び温度に応じて決まる。結果として、時間及び温度は幅広い限界内で変動する。任意的に、金型の内表面は、ポリエステルの金型中への導入前に適する離型添加剤により処理することができる。離型添加剤は、ポリエステル中に存在することができ、任意の離型添加剤に加えることができる。金型からの物品の剥離を更に増進させるために、研磨表面又はフルオロポリマー(例えばポリテトラフルオロエチレン、即ち「TEFLON(登録商標)」などの多フッ素化オレフィン)により被覆された表面を有する金型は、用いることができる。
【0036】
特定の設計及び外見を達成するため、Spray−In Color Systems(登録商標)を用いるMold−In Graphics Systems(登録商標)などの技術、又はインモールド・ラベリングフィルムは用いることができる。金型設計はポリオレフィン金型用に開発された原理に従うことができるが、ポリエステルのより低い収縮は考慮にいれる必要がある。我々の発明のポリエステルのため、良好な離型システム(即ち、金型表面構造と組合せた添加剤及び処理)及び広い脱型角度を用いることが一般に有利である。
【0037】
成形法のため、金型は、従来型の回転成形装置を用いて、1軸又は2軸に、即ち、1又は2方向に回転することができる。2方向における金型の回転速度も、幅広い限界間で変動することができる。一般に、回転速度は1〜25rpm間にある。金型の各軸の回転速度は、機械能力及び成形しようとする物品の形状により限定される。本発明により用いることができる回転比(主:副軸)(major:minor axis)の範囲は、1:2〜1:10及び2:1〜10:1である。典型的には、回転比は4:1である。
【0038】
ポリマー中の溶解空気、ポリマー揮発分、又は水分の存在から生じることができる空隙及び泡を除去することを助ける必要があるので、金型は加工の間減圧下又は真空に保持することができる。例えば、我々の回転成形法は、成形品中の泡の形成を防止することを助けるために減圧下で行うことができる。典型的には、金型は、回転成形法のすべて、又は一部の間50〜700キロパスカル(kPa)のゲージ圧に保持する。用いることができる圧力の他の例には、50〜500kPa及び50〜300kPaが挙げられる。ポリエステルが酸素に対して敏感である場合、我々の発明の方法は、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素又はこれらのガスの1種又はそれ以上と互いとの、又は空気との混合物などの不活性ガスの存在下で行うことができる。本明細書において用いる用語「不活性ガス」は、ポリエステルの酸化をもたらさないか、又は、さもなければ時間、温度及び圧力の回転成形条件下でポリエステルと非反応性であるガス又はガスの混合物を意味するように意図されている。例えば、金型キャビティは窒素によりパージすることができる。或いは、ドライアイスは金型キャビティに添加することができ、その時に樹脂は金型に投入される。ドライアイスは加熱サイクルの間に昇華し、不活性雰囲気を提供する。
【0039】
加熱及び回転段階後、金型は冷却して、成形品が容易に金型から除去され、その形状を保持することができる。金型は、チルド(chilled)ガス(即ち、周辺温度未満の温度での)、例えば空気、窒素又は二酸化炭素によるなどの任意の従来型の手段により冷却することができる。或いは、金型は散水を用いることにより冷却することができる。水は、典型的には、冷たい水道水(water tap)温度、即ち、4℃〜16℃にある。水冷却段階後、別の空気冷却段階を任意的に用いることができる。これは、通常、その間装置が水の蒸発の間に除去される熱により乾燥される短い工程である。
【0040】
我々の発明方法の別の実施形態において、ポリエステルは、粉末、顆粒、ミクロスフェア又はペレットの形態にある粒子を含み、少なくとも70重量%の粒子がASTM規格D1921により測定される500ミクロン(μ)又はそれ以下の粒径である粒径分布を有する;ポリエステルは少なくとも15分の溶融状態からの結晶化半時間、0.55〜0.70dL/gのインヘレント粘度を有し、そして
(a)テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はイソフタル酸の1種又はそれ以上の残基の、2酸残基の全モル数に対して少なくとも90モル%を含む2酸残基及び
(b)1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール又はジエチレングリコールの1種又はそれ以上の残基の、ジオール残基の全モル数に対して、20〜70モル%;及びエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA及びポリアルキレングリコールから選択される1種又はそれ以上のジオールの30〜80モル%を含むジオール残基、
を含む。
【0041】
上述のように、金型は150〜255℃のピーク内部空気温度で回転することができる。ポリエステルは、少なくとも15分の溶融状態からの結晶化半時間を有する。ポリエステルにより示すことができる結晶化半時間の他の例には、少なくとも20分、少なくとも25分、少なくとも30分及び少なくとも60分が挙げられる。ポリエステルは、粉末、顆粒、マイクロスフェア又はペレットの形態で、金型中に導入され、少なくとも70重量%の粒子が500ミクロン(μ)以下である粒径分布を有する。ポリエステルの2酸残基はテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はイソフタル酸の1種又はそれ以上の残基の、2酸残基の全モル数に対して、少なくとも90モルパーセント(モル%)を含む。ナフタレンジカルボン酸の種々の異性体又は異性体の混合物の任意のものを用いることができるが、1,4−、1,5−、2,6−及び2,7−異性体が好ましい。例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸は、純粋なシス又はトランス異性体で、又はシス及びトランス異性体の混合物として存在することができる。
【0042】
ポリエステルは、また、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール又はジエチレングリコールの残基の、ジオール残基の全モル数に対して、20〜70モル%;及びエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA及びポリアルキレングリコールから選択される1種又はそれ以上のジオールの残基の30〜80モル%を含むことができる。我々の発明のポリエステルにおいて用いることができる、更なるジオールの例には、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、チオジエタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレンジオール、ビスフェノールS又は1種又はそれ以上のこれらのグリコールの組合せが挙げられる。前述のように、脂環式ジオール、例えば1,3−及び1,4−シクロヘキサンジメタノールは、それらの純粋なシス又はトランス異性体として、又はシス及びトランス異性体の混合物として存在することができる。
【0043】
ポリエステルは、また、更に、前述のように4〜40個の炭素原子を含有する1種又はそれ以上の変性用2酸残基の0〜10モル%を含むことができる。用いることができる変性用ジカルボン酸の例には、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、又は2種又はそれ以上のこれらの酸の混合物が挙げられる。変性用ジカルボン酸の具体例には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸又はスルホイソフタル酸の1種又はそれ以上が挙げられるが、これらに限定するものではない。変性用ジカルボン酸の追加例には、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、フタル酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸及び4、4’−スルホニルジ安息香酸が挙げられる。
【0044】
ポリエステルは、また、例えば、前述のような鎖延長剤、分岐モノマー、抗酸化剤、及び離型添加剤などの種々の添加剤を含むことができる。加えて、本方法は、更に、温度、圧力、金型特性及び離型剤の使用を含む上述の回転成形法の種々の実施形態を含むことができる。例えば、我々の発明方法の一つの実施形態において、ポリエステルの結晶化半時間は少なくとも20分であり、金型は、上述のように我々の方法の回転段階(段階(b))の全て又は一部の間、50〜700キロパスカル(kPa)の絶対圧に保持する。
【0045】
多層化又は多壁化回転成形品は、我々の方法により製造して、増強バリア又は最適化機械性能のような一部の望ましい特性を達成することができる。一般的に、確定された時間で各種材料を金型中に添加することにより、製造工程中に2〜3層が形成される。従って、我々の発明方法は、更に、熱可塑性ポリエステルの導入(段階(a))前、又は加熱金型中でのポリエステルの回転(段階(b))後に、追加の熱可塑性ポリマーを金型中に導入し、熱可塑性ポリマーの融点を超えるピーク内部空気温度で金型を回転させることを含むことができる。ピーク内部空気温度又はそれ以下で融解する任意の熱可塑性ポリマーを用いることができる。追加の熱可塑性ポリマーの例には、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル及びポリアミドから選択される1種又はそれ以上のポリマーが挙げられる。
【0046】
或いは、多層化物品(layered article)は、また、いくつかの成形サイクルにおいて製造することができるが、この方法は一般に経済的でない。これらの層は適合性であり、ルーズ層(loose layer)として成形される接着ボンドを形成することができるか、又は適正な接着性を保証するためにタイ層(tie layer)を用いることができる。ある種の他のポリマーと乾燥混合するか、又は混ぜ合わせることによりポリエステルを混合して、望ましい機械的又は物理的特性を達成するために、適合性又は非適合性の混合物を形成するか、又は特定の設計又は視覚的効果を作り出すこともできる。これらの混合は、乾燥混合システム又は混ぜ合わせ装置の使用により成形前に行うことができるが、また、金型中で直接行うこともできる。適合性ポリマーは、ポリエーテル・ブロックエステル、上述のような他のコポリエステル、例えばエチレン・アクリル酸メチル、エチレン・アクリル酸、エチレン・酢酸ブチル及びエチレン・酢酸ビニルなどのポリオレフィン・コポリマーなどの他のポリエステルである。
【0047】
本発明の方法は、中空成形品の製造に特に有用である。我々の発明は、従って、
(a)少なくとも15分の溶融状態からの結晶化半時間、及び0.55〜0.70dL/gのインヘレント粘度を有する熱可塑性ポリエステル(ここで結晶化半時間は、アルミニウムパンにおいて、ポリエステルの15.0mg試料を320℃/分の速度で2分間290℃に加熱し、前記試料をヘリウムの存在下に、320℃/分の速度で等温結晶化温度まで冷却し、等温結晶化温度に達してから示差走査熱量計(DSC)曲線上の結晶化ピーク点までのタイム・スパンを測定することにより、DSCを用いて溶融状態から測定し、そして前記ポリエステルは、
(i)テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、又はイソフタル酸の1種又はそれ以上の残基の、2酸残基の全モル数に対して、少なくとも90モル%を含む2酸残基、及び
(ii)1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール又はジエチレングリコールの1種又はそれ以上の残基の、ジオール残基の全モル数に対して10〜100モル%;及びエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA及びポリアルキレングリコールから選択されるジオールの1種又はそれ以上の残基の0〜90モル%を含むジオール残基、
を含むランダムコポリマーであり、中空成形品は回転成形法により
製造される)
を含む中空成形品を提供する。
【0048】
中空成形品は、種々の実施形態、濃度範囲、組合せ及びポリエステルの物理的形態、粒径、2酸及びジオール成分、変性用2酸、分岐モノマー及び添加剤に限定するものではないが、それらを含むポリエステル用の上述のようなプロセスパラメータ及び回転成形法のための上述の種々の実施形態を包含することができる。本発明を、更に、以下の実施例により説明する。
【実施例】
【0049】
実施例1〜6
テレフタル酸100モル%、エチレングリコール69モル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)(イーストマン・ケミカル(Eastman Chemical Co.)から市販されているEastar(登録商標)5011)31モル%を含有し、フェノール60重量%及び1,1,2,2−テトラクロロエタン40重量%を含む溶媒50mL当りポリマー0.25グラムを用いて25℃で測定したインヘレント粘度0.60dL/gを有するコポリエステルを用いて、回転成形実験を行った。ポリエステルの結晶化半時間は>15分であり、アルミニウムパンにおいて、ポリエステルの15.0mg試料を約320℃/分の速度で290℃に2分間加熱し、前記試料をヘリウムの存在下で約320℃/分の速度で等温結晶化温度まで冷却し、等温結晶化温度に達してから示差走査熱量計(DSC)曲線上の結晶化ピーク点までのタイム・スパンを測定することにより、DSCを用いて測定した。ポリエステルを極低温で粉末に粉砕した。粉末の流動特性及びかさ密度をASTM・D1895−89により測定した。これらの測定値の結果を以下の表Iに示す。
【0050】
【表1】

【0051】
コポリエステル粉末の粒径分布を測定するために、ASTM規格D1921を用いる篩分析を用いた。結果は表IIに示す。コポリエステル粉末の約84%は500ミクロン(μm)未満であり、粉末の約24%は150μm径未満であった。
【0052】
【表2】

【0053】
各実施例1〜6において、中心ベントポートを持つアルミニウム立方体金型を有するROTOSPEED(登録商標)回転成形機を用いて、中空プラスチック立方体を製造した。ショット重量を1.8kgに設定した。金型を種々の内部空気及びオーブン温度でオーブンから除去し、冷却し、回転成形された立方体を金型から除去した。圧力を用いて実施例4〜6を行った。内部空気、材料及び金型の温度プロフィール並びにオーブンのそれを記録するために、ROTOLOG(登録商標)温度測定システムを用いた。システムは、金型に取り付けられ、オーブン及び冷却器ベイ中でそれと共に付いて行く絶縁無線送信機からなる。送信機は信号を受信機に送り、これは、次に、ROTOLOG(登録商標)ソフトウエアを用いるコンピュータに接続されてリアルタイムの温度/時間データをグラフ化する。
【0054】
以下の条件を実施例1〜6において用いた。
オーブン温度:280℃、300℃及び320℃
回転比:4:1
冷却媒体:強制空気
予熱されたアーム及び金型
ROTOLOG(登録商標)装置No.5/ROTOLOG(登録商標)ソフトウエア・バージョン2.7
【0055】
実施例に対する全体サイクル時間を以下の表IIIに示す。全てのサイクル時間を同じ出発点55℃からとって、内部空気温度のトレースの種々の段階のより簡単な比較を可能とする。非加圧試行に対するサイクル時間を以下の表に示す。実施例1は、材料が249℃のピーク内部空気温度(表では「PIAT」と略す)で除去される場合に、材料中に存在する多くの数の泡を示した。泡を除去するために、より高いPIATを用いた;このより高い温度は、材料がわずかに「黄変する」ことを引き起こし、従って劣化が起こったことができることを示す影響を与えた。泡は、なお、実施例2において存在した。前の試行よりも低いオーブン温度及びより低いPIATを用いて、実施例3を行った;しかし、泡はなお存在した。
【0056】
【表3】

【0057】
加圧試行用のサイクル時間を表IIIに示す。サイクル中の各種時間で加えられる圧力69kPa(ゲージ)を用いて、実施例4〜6を行った。オーブン温度300℃で実施例4を行った。サイクル中約5分で圧力をかけ、この圧力を実験の間保持した。部品を除去した場合に、圧力なしで行った試行で見られたものよりも少ない泡の存在が現れた。実施例5において、成形をより低いオーブン温度によって行い、ちょうどPIATが達成されるようにサイクル中15分で圧力をかけた。しかし、試行の終わりに残留する泡の数には影響がなかった。サイクル中7分で圧力をかけながら、オーブン温度280℃で実施例6を行った。再度、泡の数への影響は無視できるものであった。
【0058】
すべての成形立方体の表面は「不均一(uneven)」に現れたが、これはアルミニウム立方体金型の多孔質性質によって反映されたものと考えられる。しかし、各金型の蓋の上の研磨挿入物が、対応する成形表面上に透明な殆ど「透けて見える(see through)」仕上げを作り出すことも、また、観察された。この表面は、周囲の非研磨アルミニウム表面よりも少ない泡を有した。
【0059】
実施例7〜8
テレフタル酸100モル%、エチレングリコール69モル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)(イーストマン・ケミカルから市販されているEastar(登録商標)5011)31モル%を含有し、フェノール60重量%及び1,1,2,2−テトラクロロエタン40重量%を含む溶媒50mL当りポリマー0.25グラムを用いて25℃で測定したインヘレント粘度0.60dL/gを有するコポリエステルを用いて、1軸回転成形機上で中空の円筒型物品を製造した。ポリエステルは、実施例1〜6に記載したDSC手順により測定して>15分の結晶化半時間を示した。ポリエステルを極低温で粉末に粉砕した。粉末の流動特性及びかさ密度をASTM・D1895−89により測定した。これらの測定値の結果を以下の表IVに示す。
【0060】
【表4】

【0061】
コポリエステル粉末の粒径分布を測定するために、篩分析(ASTM規格D1921)を用いた。結果を表Vに示す。コポリエステル粉末の約97%は300μm以下であり、粉末の約27%は212μm径未満であった。
【0062】
【表5】

【0063】
実施例7−ショット重量200gを12rpmの回転速度で用いた。金型を70℃に予熱し、次に、粉末を添加した。内部空気温度47℃で、サイクル中へのたった1分後に、ポリエステルが金型表面に付着し始めることが注目された。金型中に二つのパッチが現れた;これらのパッチは、直接ヒーター・バンドの線に沿って金型の最も熱い面に対応した。3分後、金型温度を80℃に上げ、6分後金型温度を90℃に上げた。
【0064】
9.7分後、すべての粉末が金型に付着し、金型温度を300℃に上げた。16分後、空気にさらされた粉末は融解し透明になり始めた。この時期に、金型温度を再度340℃に上げて泡を除去することを試みた。内部空気温度278℃で36分後、冷却を開始した。透明な円筒型物品を金型から得た。しかし、物品は不十分なショット重量のせいで不完全であった。
【0065】
実施例8−この実施例においては、用いられる粉末のショット重量を442gに上げた。回転速度を15rpmに上げた。粉末を26℃で金型中に置き、次に、金型温度を50℃に設定した。粉末粒子の温度を以下の表VIに示すようにゆっくりと上げた。
【0066】
【表6】

【0067】
14.35分で、金型のすべてが覆われ、17.82分までにすべての粉末プールは使い果たされてしまった。成形を238℃のPIATで行った。ほとんど泡を含まない透明で円筒型の物体を、強制空気による冷却後金型から得た。
【0068】
実施例9〜15
実施例7〜8に記載されるコポリエステルを用いて2軸回転成形により中空立方体造形品を製造した。CACCIA1400R回転成形機を用いて成形を行った。この機械を用いて金型中の粉末を段階的に加熱するために必要とされるより低いオーブン温度を達成した。
【0069】
実施例9−この実施例においては以下のパラメータを用いた。
ショット重量1.8kg
予熱されない金型
初期オーブン設定点80℃
回転比4:1
加圧なし
オーブンを手動でスイッチオン及びオフすることによって、より低いオーブン温度を保持した。オーブン設定点を以下の表VIIに示す。中空ポリエステル立方体を得た。
【0070】
【表7】

【0071】
実施例10−この実施例においては以下のパラメータを用いた。
ショット重量2.5kg
予熱された金型
初期オーブン設定点110℃
回転比1:4
加圧なし
より大きなショット重量を用い、材料が成形品の側面に付着することを試みそれを得るために回転比を4:1から1:4に逆転させた。オーブン設定点を以下の表VIIIに示す。
【0072】
【表8】

【0073】
243℃のPIATで金型をオーブンから除去した。完全なサイクルは104分を要した。最終部分を上の図4.2に示す。ショット重量増加のせいで、成形品上のコポリエステルのより大きな皮膜があった。また、実施例1に類似のサイズ及び密度の泡が見られた。
【0074】
実施例11−この実施例においては以下のパラメータを用いた。
ショット重量3.0kg
予熱された金型
初期オーブン設定点80℃
回転比1:4
サイクル中40分で、104℃で70kPa(ゲージ)の圧力をかけた
オーブン設定点を以下の表IXに示す。
【0075】
【表9】

【0076】
成形サイクルは完了するのに80分の全体時間を要し、243℃のPIATに達した。中空立方体は、実施例9及び10と比較して存在する泡の量の減少を示した。この泡密度及びサイズの減少は、圧力使用の結果である。
【0077】
実施例12−この実施例においては以下のパラメータを用いた。
ショット重量3.0kg
予熱された金型
初期オーブン設定点80℃
回転比1:4
105℃で138kPa(ゲージ)の圧力をかけた
金型における圧力を69kPaから138kPa(ゲージ)に倍増し、金型内部を金属たわしでこすって、ポリマーと金型壁間の付着を改善した。オーブン設定点を以下の表Xに示す。
【0078】
【表10】

【0079】
成形サイクルは完了するのに70分の全体時間を要し、253℃のPIATに達した。中空立方体を得た。成形品内部への金属たわしのこすりの影響は全く見られなかった。
【0080】
実施例13−この試行においては以下のパラメータを用いた。
ショット重量3.0kg
常温金型(cold mold)
初期オーブン設定点135℃
回転比1:4
105℃で138kPa(ゲージ)の圧力をかけた
この実施例において、遅延冷却を用いた。一旦金型をオーブンから除去すると、内部空気温度が208℃に落ちてしまうまで冷却ファンのスイッチをオンにしなかった。この手順は、泡サイズを減少させるため、コポリエステルに溶融状態のより長い時間を与えるために行った。オーブン設定点を以下の表XIに示す。
【0081】
【表11】

【0082】
成形サイクルは完了するのに94分の全体時間を要し、263℃のPIATに達した。最終部分の明確な黄変があった。これは、コポリエステルが経験したより高いPIATにより、及びコポリエステルが遅延冷却のせいで、より長期間にわたって溶融状態に留まっていたことにより説明することができる。前の実施例に比較して、存在する泡の量の減少が見られた。
【0083】
実施例14−この実施例においては以下のパラメータを用いた。
ショット重量3.0kg
予熱された金型
初期オーブン設定点150℃
回転比1:4
105℃で138kPa(ゲージ)の圧力をかけた
この実施例において、泡除去に与える大きすぎる粒子の影響が見られた。用いられたコポリエステル粉末3kgの内、486.4g(16%)の粉末は500ミクロンを超える径を有する粒子からなり、2513.6g(84%)の粉末は425〜500ミクロン間の粒子からなった。また遅延冷却を用いた。オーブン設定点を以下の表XIIに示す。
【0084】
【表12】

【0085】
251℃のPIATに対して成形を行った。成形サイクルを58分続けた。加えて、泡密度の増大があった。
【0086】
比較例1〜3
0.73〜0.80dL/g間のインヘレント粘度を有する市販のポリエステル(イーストマン・ケミカルから市販されているPETG、PCTG、及びPET)を、標準回転成形機(アラン・ヨーク(Alan Yorke)3アームカルーセル機及びカッチャ・ロトボックス(Caccia Rotobox)(登録商標))を用いて回転成形した。ポリエステルを、極低温で、1000ミクロン未満の粒径を有する粉末に粉砕した。実施例1〜6に記載したDSC手順による測定で、PETG及びPCTG試料の結晶化半時間は>15分であり、PET試料に対しては2.2分であった。オーブン設定点は300℃〜320℃間であり、サイクル時間は25〜35分間であった。すべてのポリエステルは造形品を形成することができず、その代わりに塊を形成した。できるだけオーブン温度を上げることは、ポリエステルの流動特性を改善するであろうが、より高い温度はポリマーの劣化を増進させる。PETの場合には、ポリエステルの結晶性が一緒にくっつく粉末塊の形成をもたらし、壁形成の兆しは全く見られなかった。
【0087】
比較例4
0.44のインヘレント粘度を有する、極低温で粉砕された、市販のポリエステル(イーストマン・ケミカルから市販されているPETG5826)を、シングルアームFSPロトフロー(Rotoflow)M−120成形機を用いて回転成形した。ショット重量2kgを用いた。粉末の粒径分布は10〜500ミクロンの範囲にあった。実施例1〜6に記載したDSC手順による測定で、PETG試料に対する結晶化半時間は>15分であった。オーブン設定点は280℃であり、サイクル時間は15分であった。成形品は十分に融合しているが、しかし、ポリエステルの低インヘレント粘度の結果として脆かった。
【0088】
実施例16〜30
ポリエステル試料(20グラム)を極低温で粉砕して、1000ミクロン又はそれ以下の粒径を有する粉末を与えた。試料を実験用熱風オーブン中に置き、融合特性(fusion characteristics)を表XIIIに示すように10及び/又は15分で測定した。
【0089】
【表13】

【0090】
実施例31
0.56dL/gのインヘレント粘度及び221.3μg/g(0.002%)の水分含量を有するPETG(イーストマン・ケミカルから市販されているPETGコポリエステル7870)の20g試料を、500ミクロン又はそれ以下の粒径を有する粉末に粉砕した。ポリエステルを220℃で熱風オーブン中の開放パンにおいて加熱した。定性的に色により示される経時的なポリエステルの劣化、及びインヘレント粘度の低下を表XIVに示す。
【0091】
【表14】

【0092】
比較例5及び6
テレフタル酸100モル%、CHDM62モル%及びエチレングリコール38モル%を含有する二つのコポリエステル試料を用いて、回転成形実験を行った。試料1は、フェノール60重量%及び1,1,2,2−テトラクロロエタン40重量%を含む溶媒50mL当りポリマー0.25グラムを用いて25℃で測定して0.75dL/gのインヘレント粘度を有し、試料2は0.62dL/gのインヘレント粘度を有した。ポリエステル試料の結晶化半時間は>15分であり、前述のように示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。各試料に対して、ポリエステルを極低温で粉末に粉砕した。
【0093】
ASTM規格D1921を利用する篩分析を用いて、コポリエステル粉末の粒径分布を測定した。結果を表XVに示す。
【0094】
【表15】

【0095】
各成形運転において、実施例1〜6に記載されるように中心ベントポートを持つアルミニウム立方体金型を有するROTOSPEED(登録商標)回転成形機を用いて、中空プラスチック立方体を製造した。ショット重量を3.0kgに設定した。指示された内部空気及びオーブン温度で、金型をオーブンから除去し、冷却し、回転成形された立方体を金型から除去した。以下の条件を比較例5において用いた。
コポリエステル試料1(I.V.=0.75dL/g)
ショット重量3.0kg
予熱された金型
初期オーブン設定点100℃(オーブンドアを開けたままで)
回転比4:1
123℃で138kPaの圧力をかけた
遅延冷却なし
【0096】
オーブン設定点を以下の表XVIに示す。金型を、ピーク内部空気温度216℃での200℃でオーブンから除去した。サイクルを62分間にわたり続けた。成形された立方体は、黄色を有し、脆く、且つ金型からバラバラ状態でしか取り外すことができなかった。
【0097】
【表16】

【0098】
以下の条件を比較例6において用いた。
コポリエステル試料2(I.V.=0.62dL/g)
ショット重量3.0kg
予熱された金型
初期オーブン設定点150℃
回転比4:1
105℃で138kPaの圧力をかけた
ガス循環体積6000立方フィート/分
オーブン設定点を以下の表XVIIに示す。
【0099】
【表17】

【0100】
金型を245℃でオーブンから除去し、遅延冷却を14分間にわたり用い、ピーク内部空気温度271℃を得た。サイクルを95分間にわたり続けた。成形品は、黄色を有し、脆く、且つ金型からバラバラ状態でしか取り外すことができなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)熱可塑性ポリエステルを金型中に導入し(ここで前記ポリエステルは少なくとも10分の結晶化半時間及び0.55〜0.70デシリットル/グラム(dL/g)のインヘレント粘度を有するランダムコポリマーであり、前記結晶化半時間は、アルミニウムパンにおいて、前記ポリエステルの15.0mg試料を320℃/分の速度で2分間290℃に加熱し、前記試料をヘリウムの存在下に320℃/分の速度で等温結晶化温度まで冷却し、そして等温結晶化温度に達してから示差走査熱量計(DSC)曲線上の結晶化ピーク点までのタイム・スパンを測定することにより、DSCを用いて溶融状態から測定する)、そして
(b)前記金型をピーク内部空気温度150〜255℃で回転すること、
を含んでなる回転成形方法。
【請求項2】
前記ポリエステルが、(i)2酸残基の全モル数に対して、少なくとも80モル%のテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はイソフタル酸の1種又はそれ以上の残基を含む2酸残基並びに(ii)ジオール残基の全モル数に対して、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール又はジエチレングリコールの1種又はそれ以上の残基10〜100モル%;及びエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA又はポリアルキレングリコールの1種又はそれ以上の残基0〜90モル%を含むジオール残基を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ジオール残基が1,4−シクロヘキサンジメタノール残基10〜100モル%及びエチレングリコール残基0〜90モル%を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記2酸残基が4〜20個の炭素原子を含む変性用2酸の1種又はそれ以上の残基0〜20モル%を更に含む請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記変性用2酸がコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸又はスルホイソフタル酸の1種又はそれ以上を含む前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリエステルが1種又はそれ以上の抗酸化剤、融解強度増進剤、鎖延長剤、難燃剤、充填剤、染料、着色剤、顔料、ナノクレー、ブロッキング防止剤、流動促進剤、衝撃調整剤、帯電防止剤、加工補助剤、離型添加剤又は可塑剤を更に含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記鎖延長剤がカルボニルビス(カプロラクタム)、ビス(オキサゾリン)、ジエポキシド、ジイソシアネート及びカルボン2酸無水物から選択される1種又はそれ以上の化合物を、前記ポリエステルの全体重量に対して、0.05〜2重量%含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記離型添加剤が脂肪酸アミド、有機酸の金属塩、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、炭化水素ワックス、エステルワックス、リン酸エステル、化学的に変性されたポリオレフィンワックス、フルオロポリマー、グリセリンエステル、タルク及びアクリルコポリマーから選択される1種又はそれ以上の化合物を、前記ポリエステルの全体重量に対して、0.05重量%〜5重量%含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記離型添加剤がエルカ酸アミド、ステアロマイド、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、モンタン酸、モンタン酸エステル、モンタン酸塩、オレイン酸、パルミチン酸、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバ・ワックス、グリセロール・モノステアレート又はグリセロール・ジステアレートの1種又はそれ以上を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記抗酸化剤がフェノール、亜リン酸塩、ホスホナイト及び硫化物から選択される1種又はそれ以上の化合物を含む請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリエステルの前記結晶化半時間が少なくとも12分である前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリエステルが粒子を含み、そして粉末、顆粒、マイクロスフェア又はペレットの形態にある前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリエステルが、前記粒子の少なくとも99重量%(ここで重量%は前記粒子の全重量に対するものである)がASTM規格D1921により測定して、1000ミクロン(μ)又はそれ以下の粒径分布を有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ポリエステルが、前記粒子の少なくとも70重量%(ここで重量%は前記粒子の全重量に対するものである)がASTM規格D1921により測定して、500ミクロン(μ)又はそれ以下である粒径分布を有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記金型が段階(b)のすべて又は一部の間50〜700キロパスカル(kPa)の絶対圧に保持される前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
不活性ガスの存在下に前記方法を実施する前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
(c)前記金型をチルドガスにより冷却することを更に含む前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記金型が研磨表面又はフルオロポリマーにより被覆された表面を有する前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
段階(a)の前に前記金型を離型添加剤により被覆することを更に含む前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ポリエステルが粉末、顆粒、マイクロスフェア又はペレットの形態にある粒子を含み、そして前記粒子の少なくとも70重量%が、ASTM規格D1921により測定して、500ミクロン(μm)又はそれ以下の粒径分布を有する請求項1に記載の方法であって、前記ポリエステルが少なくとも15分の溶融状態からの結晶化半時間、0.55〜0.70dL/gのインヘレント粘度を有し、そして
(i)テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はイソフタル酸の1種又はそれ以上の残基を、2酸残基の全モル数に対して、少なくとも90モル%を含む2酸残基、並びに
(ii)1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール又はジエチレングリコールの1種又はそれ以上の残基を、ジオール残基の全モル数に対して、20〜70モル%;及びエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA及びポリアルキレングリコールから選択される1種又はそれ以上のジオール残基の30〜80モル%を含むジオール残基、
を含む方法。
【請求項21】
前記ポリエステルの結晶化半時間が少なくとも20分であり、前記金型を、段階(b)のすべて又は一部の間、50〜700キロパスカル(kPa)の絶対圧に保持する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記金型中に追加の熱可塑性ポリマーを導入し、段階(a)の前又は段階(b)の後で、前記熱可塑性ポリマーの融点を超えるピーク内部空気温度で前記金型を回転させることを更に含む前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記追加の熱可塑性ポリマーがポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド及びそれらの組合せから選択される1種又はそれ以上のポリマーを含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記請求項のいずれか1項による回転成形方法により製造される中空成形品。
【請求項25】
請求項5、7、15、18及び23のいずれか1項に記載の方法により製造される中空成形品。

【公表番号】特表2008−511473(P2008−511473A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528992(P2007−528992)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【国際出願番号】PCT/GB2005/003368
【国際公開番号】WO2006/024846
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】