説明

熱変色性成分を含む色変化組成物

所定の温度又は温度範囲で色変化を生じる、熱変色性成分を含む清浄用組成物が示されている。このような組成物は、清浄用組成物の使用者又は清浄用組成物を使用する介護人に、信号を与える、すなわち情報を伝えるために使用することができる。更に、清浄用組成物は、不織成物などの基材内で使用することができる。清浄用組成物は、清浄効率及び/又は安全性及び/又は楽しみの値を改善するような信号を付与するために使用することができる。更に、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む組成物は、所定の精神状態、心理状態、又は安寧度の状態を示すか又は導き出すために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
人々は、衛生的及び健康的利益のために自分の毎日の生活の一部として、固体、液体、ゲル状、ペースト状、発泡体、又は同様のものといった形態にかかわらず、個人ケアー又は清浄用配合物、シャンプー、ローション、身体用洗剤、手用衛生品、棒状石鹸などに頼る。
【0002】
しばしばこのような製品は、特定の又は最小の時間で使用される場合には、有効性が高い。例えば、多くの機関(例えば、合衆国疾病対策センター、すなわち「CDC」)は、細菌を取り除くか、又は死滅させるために、手を特定の長さの時間をかけて洗うことを人々に推奨している。(「単相色変化剤」という名称のMacDonald他の米国特許2005/0049157A1の[技術分野]を、更なる情報として参照されたい。この特許は、一貫性がある範囲でその全体が引用により組み入れられる。)
【0003】
又、子供がこのような製品を使用することを推進又は推奨し、該製品を使用するように「遊び」又は「楽しみ」の要素と組み合わせることにより、訓練させることができる。(Id.)
【0004】
更に、このような製品は、水又は他の液体と組み合わせて使用されることが多い。このような製品の大人の使用者は、水が適温ではない(例えば、熱すぎる)かどうかを感じることができるが、このような認知は、個人的な清浄のために推奨される温度を反映するものではない。すなわち、大人は、このような製品を、一般的に推奨される温度より高い温度で使用することを好むものである。又、大人の介護人は、水又は他の液体の温度を適当な正確さで認識することは不可能である。したがって、このような介護人は、幼児に対して一般的に推奨される温度より高い液体温度(例えば、幼児用の浴用水温)を、意図せずに選択することになる。
【0005】
幾つかの例においては、上記したもののような個人ケアー用品は、用品又はその使用と、所定の精神状態、心理状態、又は安寧度の状態(例えば平和、精神、エネルギー、官能性、解放など)との間の関連性を、使用者の心理に形成する助けとなることができる。このような関連性は、色、芳香、及び/又はこのような関連性を個人ケアー用品の使用者又は潜在的な使用者に指摘する販売促進用コピー又は説明書により助長される。
【0006】
又、今日の個人ケアー用、家庭清浄用、及び他のこのような製品の使用者は、便利さを望み、かつ期待している。したがって、便利さを提供するものとして認知されている製造物品は、一般的に使用者に好まれる。個人ケアー用、家庭清浄用、及び他のこのような製品を便利にする1つの方法は、使い棄て基材に組成物を付与することである。使用者は、清浄または洗浄などの意図する目的のために使い棄て基材を使用して、その基材を廃棄することができる。
【0007】
必要とされるものは、様々な個人ケアー用または清浄用組成物を、効率的に、安全に、楽しく、及び/又は満足して使用することを可能とさせるような製造物品及び方法である。
【0008】
【特許文献1】米国特許2005/0049157A1
【特許文献2】米国特許第3,849,241号公報
【特許文献3】米国特許第5,213,881号公報
【特許文献4】米国特許第5,741,592号公報
【特許文献5】米国特許第4,028,118号公報
【特許文献6】米国特許第3,658,985号公報
【特許文献7】米国特許第3,769,398号公報
【特許文献8】米国特許第4,329,335号公報
【特許文献9】米国特許第4,259,204号公報
【特許文献10】米国特許第4,329,334号公報
【特許文献11】米国特許第3,935,129号公報
【特許文献12】米国特許第4,129,515号公報
【特許文献13】米国特許第4,224,195号公報
【特許文献14】米国特許第4,154,706号公報
【特許文献15】米国特許第4,329,336号公報
【特許文献16】米国特許第4,013,787号公報
【特許文献17】米国特許第4,450,091号公報
【特許文献18】米国特許第4,595,526号公報
【特許文献19】米国特許第6,552,245号公報
【特許文献20】米国特許出願一連番号09/698,517
【特許文献21】米国特許第6,149,934号公報
【特許文献22】米国特許第6,806,213B2公報
【特許文献23】米国特許公開番号2003/0119395A1
【特許文献24】米国特許出願番号2005/0049157A1
【特許文献25】米国特許公開番号2004/0048759A1
【特許文献26】米国特許第6,612,846号公報
【特許文献27】米国特許第6,896,521号公報
【特許文献28】米国特許出願番号10/831476
【特許文献29】米国特許出願番号10/956763
【非特許文献1】Mary Anne White及びMonique LeBlanc著「Thermochromism in Commercial Products」76 Journal of Chemical Education No.9、1201−1204ページ
【非特許文献2】Gary D.White、Debora A.Zartman及びJudith M.Bonicamp著「A Serious Look at Changeable Silly Putty」5 Chem.Educator No.1、2−7ページ
【非特許文献3】Gary D.White、Debora A.Zartman及びJudith M.Bonicamp著「A Serious Look at Changeable Silly Putty」5 Chem.Educator No.1、5−6ページ
【非特許文献4】「Cosmetics & Toiletries」102巻3号
【非特許文献5】Balsam,M.S他編「Cosmetics Science and Technology」第2版1巻27−104ページ及び179−222ページ
【非特許文献6】Balsam,M.S他編「Cosmetics Science and Technology」第2版104巻67−111ページ
【非特許文献7】「Cosmetics & Toiletries」103巻12号100−129ページ
【非特許文献8】Nikitakis,J.M.編「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook」第1版
【非特許文献9】Mukhtar,H.編「Pharmacology of the Skin」
【非特許文献10】Green,FJ著「The Sigma−Aldrich Handbook of Stains.Dyes and Indicators」
【非特許文献11】Ernest W.Flick著「Cosmetic and Toiletry Formulations」第2版XII章、707−744ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
熱変色性材料、すなわち材料にエネルギーが移動するのに応じて色が変化する材料を、清浄用又は他の個人ケアー用組成物において、使用者、介護人、又はセンサーに情報を伝えるために使用することができると、我々は判断した。エネルギーが熱変色性材料又は成分に移動する1つの方法は、熱伝導によるものである。すなわち、所定の温度で熱変色性材料又は成分が異なる温度の液体又は他の材料と接触すると、熱エネルギー形態のエネルギーが、熱変色性材料又は成分に移動するか又は熱変色性材料又は成分から移動される。例えば、室温では、内部に熱変色性成分がある液体石鹸を高温の水と接触させると、熱エネルギーが、加熱された水から熱変色性成分に組織的に伝わる。熱変色性成分が、室温と加熱した水温との間の温度で色変化するように選択されている場合には、液体石鹸は、熱変色性成分の温度が選択された温度に達した時、色変化として認識又は検知される。もちろん、この温度が到達する時間は、熱エネルギーが加熱された水から熱変色性成分を含む液体石鹸に伝わる速度による。したがって、色変化は、使用者、介護人、又はセンサーに幾つかの種類の情報を伝えることができ、これは、例えば、(1)熱変色性成分が色を変化する温度に達したこと、(2)熱変色性成分、又は熱変色性成分を使用した組成物を接触させた物質の温度が、所定の温度又は温度範囲であること、(3)熱変色性成分、又は熱変色性成分を使用した組成物と、別の物質との間の接触時間が所定の期間であること、及び同様のことを含む。
【0010】
このように、1又はそれ以上の熱変色性成分を含み、したがって1又はそれ以上の色変化を生じるようになる個人ケアー用又は清浄用組成物の使用は、上記した[技術分野]の内容の各々に対して使用することができる。特に、このような組成物又は配合物は、有効性(例えば、色変化を通して、清浄用配合物が所定の期間使用されたという合図を提供する。)、安全性(例えば、色変化を通して、配合物が使用される水温が、使用者に対して安全であるという合図を提供する。)、楽しみ(例えば、色が喜ばれる又は楽しい方法で変化する。)、及び/又は使用者の心と所定の精神状態、心理状態、又は安寧度の状態との間の関連性(例えば、色変化を通して、平和の状態、精神、エネルギーなどの安寧度の状態と関連することができる合図を提供する。)を促進するために使用することができる。本発明の、これらの形態及び他の形態が、以下に詳細に示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(定義)
本申請書の内容における、以下の各々の用語又は言い回しは、次のような意味を含む。
【0012】
「取り付ける」及びその派生語は、2つの要素を接合すること、接着剤接着すること、結合すること、接着すること、互いを縫い合わせること、堆積すること、組み合わせること、又は同様のことを意味する。2つの要素が、互いに一体であるか、互いが直接取り付けられているか、又は各々が中間要素に直接取り付けられている時などのように、互いが間接的に取り付けられている場合には、互いに取り付けられているとみなされる。「取り付ける」及びその派生語は、永久的な取り付け、取り外し可能な取り付け、又は再締結可能な取り付けを含む。更に、取り付けは、製造工程の間に、或いは最終使用者のいずれかによって完成させることができる。
【0013】
「接着する」及びその派生語は、2つの要素を接合すること、接着剤接着すること、結合すること、取り付けること、縫い合わせること、又は同様のものを意味する。2つの要素が、互いが直接接着されているか、又は各々が中間要素に直接接着されている時などのように、互いが間接的に接着されている時に、互いに取り付けられているとみなされる。「接着する」及びその派生語は、永久的接着、取り外し可能な接着、又は再締結可能な接着を含む。
【0014】
「コフォーム」は、メルトブローン繊維とセルロース系繊維などの吸収性繊維との混合物を意味するもので、これは、メルトブローンポリマー材料を空気形成し、同時にメルトブローン繊維流に空気浮遊繊維を吹き込むことにより形成することができる。コフォーム材料は、超吸収性材料などの他の材料を含むことができる。メルトブローン繊維と吸収性繊維は、孔あきベルトにより形成されるもののような形成表面上に堆積される。形成表面は、該形成表面上におかれた気体透過性材料を含むことができる。
【0015】
「清浄用組成物」、「清浄用配合物」、又はその派生語は、固体、液体、ゲル状、ペースト状、発泡体、又は同様のものといった形態に関わらず、個人ケアー用又は清浄用配合物又は組成物、シャンプー、ローション、身体洗浄剤、手用殺菌剤、棒状石鹸などを意味する。
【0016】
「結合する」及びその派生語は、2つの要素を接合すること、接着剤接着すること、接着すること、取り付けること、縫い合わせること、又は同様のものを意味する。2つの要素が、互いが直接結合されているか、又は各々が中間要素に直接結合されている時などのように、互いが間接的に結合されている場合には、互いに結合されているとみなされる。「結合する」及びその派生語は、永久的結合、取り外し可能な結合、又は再締結可能な結合を含む。更に、結合は、製造工程の間に、或いは最終使用者のいずれかによって完成することができる。
【0017】
「使い棄て」は、限られた使用の後に、洗濯その他により再使用のために回復されることがなく、廃棄されることを意図された物品を意味する。
【0018】
「に位置する」、「に沿って位置する」、「と位置する」、又は「向かって位置する」及びこれらの変形の用語は、1つの要素を別の要素と一体にすることができるか、又は1つの要素が他の要素と別構造であって、該他の要素に接着され、或いは、該他の要素とともに配置されるか又は該他の要素の近くに置かれるものを意味する。
【0019】
「繊維」は、直径又は幅に対して高い比率の長さを有する、連続又は非連続の部材を意味する。したがって繊維は、フィラメント、糸、ストランド、ヤーン、又はあらゆる他の部材、又はこれらの部材の組み合わせとすることができる。
【0020】
「親水性」は、繊維と接触した時に水性液体により湿潤される繊維又は繊維の表面を示したものである。一方で、材料の湿潤の程度は、含まれる液体及び材料の接触角度及び表面張力によって示すことができる。特定の繊維材料又は繊維材料の混合物の湿潤性を測定するのに適当な装置及び技術は、Cahn SFA−222表面張力分析装置システム、又は実質的に同等のシステムにより得ることができる。このシステムで計測した場合に、90度より小さい接触角を有する繊維は、「湿潤性」すなわち親水性と認識され、90度より大きい接触角を有する繊維は、「非湿潤性」すなわち疎水性と認識される。
【0021】
単数で使用される場合の「層」は、単一要素又は複数の要素の2つの意味を有することができる。
【0022】
層又は多層積層体を説明する場合に使用される「液体不透過性」は、通常の使用条件の下で、尿などの液体が液体接触点で、層又は積層体の平面のほぼ垂直な方向に、層又は積層体を通して通過しないことを意味する。
【0023】
「液体透過性」は、液体不透過性ではないあらゆる材料を意味する。
【0024】
「メルトブローン」は、複数の微細な、通常は円形のダイ毛管を通して、溶融状態の熱可塑性材料を、高速ガス(例えば空気)中に溶融状態の糸又はフィラメントとして押し出し、この高速ガスが溶融熱可塑性材料のフィラメントを細くして、その直径を減少させることにより形成された繊維を意味する。その後、メルトブローン繊維は高速ガス流により運ばれて、集積表面に堆積され、ランダムに散布されたメルトブローン繊維のウエブを形成する。この方法は、例えば、Butin他の米国特許第3,849,241号に記載されている。メルトブロー法は、マクロ繊維(平均直径が約40から約100ミクロン)、テキスタイル状繊維(平均直径が約10ないし40ミクロン)、及びミクロ繊維(平均直径が約10ミクロンより小さい)を含む、様々な直径の繊維を形成するために使用することができる。メルトブロー法は、超微細ミクロ繊維(平均直径が約3ミクロン又はこれより小さい)を含む、ミクロ繊維を形成するのに、特に適している。超微細ミクロ繊維の例示的形成法の説明は、例えば、Timmons他の米国特許第5,213,881号に見ることができる。メルトブローン繊維は連続又は非連続とすることができ、一般的には、集積表面上に堆積される時、自己接着する。
【0025】
単数で使用される場合の「部材」は、単一の要素又は複数の要素の2つの意味を有することができる。
【0026】
「不織」及び「不織繊維」は、布織り又は編み工程の介助なしに形成される材料及び材料のウエブを意味する。例えば、不織材料、布又はウエブは、例えば、メルトブロー法、スパンボンド法、空気堆積法、及びボンデッドカーデッドウエブ法などの多くの方法から形成されてきた。
【0027】
「センサー」は、色の変化を光学的手段(例えば、吸収性、透過、及び同様のもの)又は同様な他の手段によって、検知することが可能な装置を意味する。
【0028】
「熱変色性」は、温度起因の色変化を生じる材料又は成分を意味する。
【0029】
これらの用語は、本明細書の残りの部分において、付加的言語で定義することがある。
【0030】
代表的熱変色性成分及び化学物質
熱変色性材料及び成分は、文献に述べられている。(例えば、一貫性がある範囲でその全体が引用によりここに組み入れられる「感熱紙のためのマイクロカプセル封入システム」という名称のMaurice W.Lewis他の米国特許第5,741,592号、一貫性がある範囲でその全体が引用によりここに組み入れられる「熱変色性材料」という名称のNorikazu Nakasujiの米国特許第4,028,118号、76 Journal of Chemical Education9号のMary Anne WhiteとMonique LeBlancの「Thermochromism in Commercial Products」(1999年9月)の1201−1204ページ、Gary D.White、Debora A.Zartman、及びJudith M.Bonicampの「A Serious Look at Changeable Silly Putty」5 Chem.Educator No.1(2000)の2−7ページを参照されたい)。一般的には、このような材料及び成分は、温度変化に対応して色が変化する。このような材料及び成分の種類は、例えば、イリノイ州ストリームウッドに所在するColor Change Corporationから入手可能なロイコ染料、コロラド州コロラドスプリングに所在するChromatic Technologies Incorporatedより入手可能なロイコ染料、及びイリノイ州グレンビューに所在するHallcrest,Inc.より入手可能な液晶を含む。これらの材料は、特定の温度又は温度範囲で色が変化する。該材料は、温度が変化するにしたがって、多数の色変化を得ることができるように組み合わせることができる。例えば、23℃から26℃で色変化を生じる熱変色性成分は、29℃から31℃で色変化を生じる第二の熱変色性成分と組み合わせることができる。組み合わせた物質が約20℃から35℃に加熱されると、2つの色変化を生じる。別の形態は、異なる色及び異なる遷移温度を有する2つの熱変色性染料の混合物を含む。例えば、最初はレッドで、例えば29℃で無色液体に変化する1つの熱変色性成分を選択することができる。第二の熱変色性成分には、最初はグリーンで、例えば33℃で無色液体に変化する熱変色性成分を選択することができる。これらの2つの成分を組み合わせた物質は、最初はブラウンである。この組み合わせた物質が暖められて温度が29℃近くになると、レッド熱変色性成分は無色になり、組み合わせた物質はグリーンになる(すなわち、熱変色性成分の色は、変色していない。)。組み合わせた物質を更に暖めると、グリーン熱変色性成分が無色状態になり、これにより組み合わせた物質は無色となる。(或いは、組み合わせた物質が、単独で又は個人ケアー用組成物又は清浄用組成物内で使用されて発泡体を形成する場合には、白く見える。)
【0031】
代替的には、ほぼ同じ温度範囲で色変化を生じる2つ又はそれ以上の熱変色性成分を組み合わせることができる。例えば、各々が23℃から26℃で色変化を生じる2つの熱変色性成分を選択することができる。更に、各々の熱変色性成分は、選択された温度範囲で異なる色変化を生じるものとすることができる。熱変色性成分がどのように組み合わされているかに応じて、組み合わせた物質は、各々の熱変色性材料だけで生じる色変化とは異なる色変化を生じることができる。例えば、熱変色性成分Aが、23℃から26℃の温度範囲で無色からイエローに色変化を生じ、熱変色性成分Bは、23℃から26℃の温度範囲で無色からブルーに色変化を生じる場合には、2つの成分がどのように組み合わされているかに応じて(すなわち、本質的には、均一又は均質な材料を形成するように混合されているか、或いは、例えば、層状の組み合わせ物質におけるようにパターン化されているか)、生成され人の目で認識される色変化は、無色からグリーンとすることができる(すなわち、ブルーとイエローの組み合わせ)。
【0032】
上述したように、1又はこれ以上の熱変色性成分は、温度が変化するにしたがって、特定の色から無色状態(或いは、例えば発泡体が存在する場合は白く見える)に色変化を生じるようにすることができる。或いは、1又はそれ以上の熱変色性成分は、無色状態から色付きへと色変化を生じるようにすることができる。複数の熱変色性成分を使用することにより、組み合わせた物質は多数の色変化を生じるように使用することができる。どの代表的形態も、任意なものとしては、温度が変化するにしたがって色が変化しない、1又はそれ以上の顔料又は着色材料を含むことができる。このような任意の顔料を添加することにより、1又はそれ以上の熱変色性成分を使用する溶液又は組成物の色を、更に操作することができる。例えば、通常は、温度が上昇するにしたがってブルーから無色状態に変化する熱変色性成分、及び実質的に色変化しないイエロー顔料を、前記熱変色性成分(或いは、該成分を使用している組成物又は溶液)に添加すると、温度が上昇するにしたがって、組み合わせた物質はグリーン(ブルーとイエローの組み合わせ)からイエローになる。
【0033】
もちろん、前のパラグラフには、熱変色性成分が、単独で或いは1又はそれ以上の他の熱変色性成分と組み合わせて使用することができる方法の例を示している。特定された温度範囲は、範囲(例えば23℃から26℃)の末端値及び範囲の幅(例えば3℃)におけるもの両方の例示である。他の範囲も選択することができる。他の末端値及び範囲は、本発明に可能かつ適合するものである。
【0034】
上記したように、成分が、ある色から別の色へ、無色状態から色付きへ、又は色付きから無色状態へ変化するように、熱変色性成分を選択することができる。又、複数の熱変色性成分(実質的に色変化しない顔料などのあらゆる任意の材料又は成分を含めて)は、温度が変化するにしたがって、複数の色変化を達成するように使用することができる。
【0035】
熱変色性成分は、様々な方法で個人ケアー用又は清浄用組成物に使用することができる。例えば、Color Change Corporationから入手可能な熱変色性材料の種類は、有機染料(例えば、ロイコ染料)があり、以下のようにミクロカプセル封入されて、個人ケアー用又は清浄用組成物内で使用することができ、該組成物は、任意に基材と関連させることができる。一般的には、このような熱変色システムは、少なくとも2つの化学成分、すなわち通常はロイコ染料と色現像剤を含む。ロイコ染料は、加熱されると、色付きから透明(色なし)に変化する。これらは弱い有機基材で、プロトン付加形態(一般的には、色現像剤により付加された陽子、例えば弱酸で)の時に溶液内で着色される。一般的には、これらの材料は、5°Fから15°Fの間隔を越えると色付きから無色に変化する。(ロイコ染料のプロトン付加形態とプロトン付加されていない形態との間を、平衡に移る温度変化で。)
【0036】
ロイコ染料の例としては、フルオラン又はクリスタル紫ラクトンなどのスピロラクトン、スピロピラン、フルギド、及び同様のものを含む。上記したように、色現像剤は弱酸である(すなわち陽子供給体又は電子受容体)。このような成分の例としては、ビスフェノールA、オクチルパラオキシ安息香酸塩、メチルパラオキシ安息香酸塩、1、2、3−トリアゾール、4−ヒドロキシクマリン派生物、及び同様のものを含む。有機染料システム(ロイコ染料などの)のための第三成分は、一般的には、アルコール、エステル、ケトン、又はエーテルなどの有極溶媒である。例としては、ラウリルアルコール(すなわち、1−ドデカノール)、セチルアルコール(すなわち、1−ヘキサデカノール)、及びブチルステアリン酸塩を含む。
【0037】
別の材料の種類は、Hallcrest,Inc.から入手可能なものなどの、液晶である。これらの熱変色性材料は、ロイコ染料と比較して、鋭敏で、より正確な温度範囲で色を変化させる傾向にある。このような材料の例としては、コレステリルエステル、シアンビフェニール、及び同様のものを含む。
【0038】
ロイコ染料及び液晶は、本発明の異なる形態及び実施形態において使用することができる熱変色性成分の2つの例である。材料が、所定の温度で、又は所定の温度範囲で色を変化する限り、あらゆる熱変色性材料を使用することができる。熱変色性材料は、製品内に、異なる形態で使用することができる。例えば、このような材料は、単独で、或いは他の熱変色性材料、永久顔料、又は他の添加剤と組み合わせるかのいずれかで、ミクロカプセル封入することができる。ミクロカプセル封入は、例えば、互いが極めて近接した状態で、染料、色現像剤、及び温度反応性エステル及びアルコールを含み、ミクロカプセル封入された材料を、空気及び/又は紫外線及び/又は他の環境要素から保護することを含む、種々異なる目的を果たす。
【0039】
熱変色性材料は、ミクロカプセル内で他の成分と組み合わせることができる。したがって例えば、ロイコ染料は、適当な溶媒において、色現像剤(すなわち、ロイコ染料のプロトン付加を促進する材料)と組み合わせることができる。この材料の組み合わせは、メラミンホルムアルデヒドミクロカプセル内でメチルステアリン酸塩と組み合わせることができる。メチルステアリン酸塩、脂質は、固体の時は不透明であるが、液体の時は透明である。したがって、高温では、メチルステアリン酸塩は透明液体で、ロイコ染料と色現像剤が溶解して、ロイコ染料のプロトン付加を妨げる(すなわち、無色材料から着色材料に色変化を生じる機構を妨げる)。低温では、メチルステアリン酸塩は凝固し、ロイコ染料と色現像剤は凍結して、染料のプロトン付加を促進することにより、色は可視的になる。したがって、このシステムでは、熱変色性成分は、色付きから無色になる。(Gray D.White、Debora A.Zartman、及びJudith M.Bonicamp著の「A Serious Look at Changeable Silly Putty」5 Chem.Educator No.1(2000)5−6ページ参照)
【0040】
後述する[実施例]に示したように、以下のミクロカプセル封入された熱変色性染料が、本発明の代表的形態を準備するために使用された。
【0041】
表1は、Color Change Corporationより得られるミクロカプセル封入されたロイコ染料の例を表わしている。これらの熱変色性成分は、可逆的色変化(すなわち、温度が上昇する時に生じる色変化が、温度が低下する時には逆になる。)を生じる。表は、熱変色性成分の最初の色(「寒冷色」の見出しの部分)、十分な温度の上昇により生じた熱変色性成分の色(「高温色」の見出しの部分)、及び色変化がおきる時の温度℃(「遷移温度」の見出しの部分)を特定している。

表1 Color Change Corp.からのミクロカプセル封入されたロイコ染料粉末剤(LD−P)
寒冷色 高温色 遷移温度(℃)
レッド 無色 29
レッド 無色 31
レッド 無色 33
イエロー 無色 31
ブラック 無色 31
ブラック 無色 33
ブラック 無色 43
ブルー 無色 29
ブルー 無色 31
ブルー 無色 33
【0042】
表2及び3は、Chromatic Technologies Incorporatedから得られるミクロカプセル封入されたロイコ染料の例が示されている。上記したような、特定した熱変色性材料は、可逆的色変化を生じる。表は、熱変色性成分の最初の色(「寒冷色」の見出しの部分)、十分な温度の上昇により生じた熱変色性成分の色(「高温色」の見出しの部分)、及び色変化がおきる時の温度℃(「遷移温度」の見出しの部分)を示している。

表2 Chromatic Technol.Inc.からのダイナカラー(可逆的色変化)
寒冷色 高温色 遷移温度(℃)
パープル ピンク 40
マゼンタ 無色 31

表3 ChromaticTechnol.Inc.からの、水スラリーでカプセル封入された染料としてのロイコ染料(50%固形物、可逆的色変化)
寒冷色 高温色 遷移温度(℃)
ブルー 無色 29
ブルー 無色 32
ブルー 無色 35
【0043】
1又はそれ以上の熱変色性成分を使用する代表的組成物
清浄用組成物などの多くの異なる組成物は、色変化、又は変化が組成物の使用中におきるように、1又はそれ以上の熱変色性成分を使用することができる。上記したように、このような変化は、使用者、介護人、又はセンサーに信号を提供する。(例えば、液体の吸光度を検知することが可能な光学センサーで、液体内の色が変化すると、センサーは、吸光度で変化を検知する。)したがって、色変化は、使用者、介護人、又はセンサーに幾つかの種類の情報を伝える又は示すことができ、例えば、(1)熱変色性成分が色を変化する温度に達したこと、(2)熱変色性成分、又は熱変色性成分を使用した組成物を接触させた材料の温度が、所定の温度又は温度範囲であること、(3)熱変色性成分、又は熱変色性成分を使用した組成物と、別の材料との間の接触時間が所定の期間であること、及び同様のことを含む。
【0044】
本発明の清浄用組成物は、これらに制限されるものではないが、石鹸(液体及び棒状)、皮膚用ローション、コロン、日焼け止め、シャンプー、ジェル、歯磨き粉、口内洗浄剤、身体用洗剤、及び同様のものなどの化粧室用物品を含む。このような組成物は、固体、液体、ゲル状、発泡体、又は他の形態とすることができる。
【0045】
清浄用組成物は、更に、これらに制限されるものではないが、硬質表面清浄剤及び医療用消毒剤などの製品を含む。熱変色性成分を組み込んだ硬質表面清浄剤は、家庭で、又は例えば食品準備領域のような仕事環境において使用することができる。例えば、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む清浄用組成物は、成分が無色であるように、暖かい状態で提供することができる。清浄する間に、及び時間か経過すると、清浄用組成物の温度は周囲温度に戻り、清浄及び/又は消毒及び/又は他の行動は完了しており、すすぎをしてもかまわないことを使用者に示す色変化を生じる。
【0046】
本発明の別の形態においては、アルコール懸濁液が周囲温度で付与され、アルコールの蒸発が表面を冷却して、色を発現させることができる。このような使用においては、付与から色変化までの時間は、効率的な微生物排除又は減少が成されるように調整される。同様に、熱変色性成分を使用する医療用消毒剤は、効率的な微生物制御のために十分な時間が経過したことを使用者に知らせる。
【0047】
多くの化粧室用物品及び清浄剤は、水及び表面活性剤などの類似した芯成分を含む。又、オイル、洗浄剤、乳化剤、フィルム形成剤、ワックス、香水、防腐剤、濃化剤、溶媒、濃化剤、湿潤剤、キレート剤、安定剤、pH調整剤などを含むことができる。例えば、米国特許第3,658,985号においては、陰イオン性ベースの組成物は、少量の脂肪酸アルカノールアミドを含む。米国特許第3,769,398号は、少量の非イオン性表面活性剤を含む、ベタインベースの組成物を示している。米国特許第4,329,335号は、主成分としてベタイン表面活性剤及び少量の非イオン性表面活性剤と少量の脂肪酸モノエタノールアミド又はジエタノールアミドを含む組成物を示している。米国特許第4,259,204号は、0.8から20重量パーセントの陰イオン性燐酸エステル、及び陰イオン性、双性、又は非イオン性のいずれかとする1つの付加表面活性剤を含む組成物を示している。米国特許第4,329,334号は、多量の陰イオン性表面活性剤及びこれより少ない量のベタイン及び非イオン性表面活性剤を含む陰イオン性で両性的ベースの組成物を示している。
【0048】
米国特許第3,935,129号は、アルカリ金属珪酸塩、尿素、グリセリン、トリエタノールアミン、陰イオン性洗浄剤及び非イオン性洗浄剤を含む液体清浄用組成物を示している。珪酸塩含有量は、液体清浄用組成物内の陰イオン性及び/又は非イオン性洗浄剤の量を定義する。米国特許第4,129,515号は、石鹸水変成剤として、実質的には同量の陰イオン性及び非イオン性表面活性剤、アルカノールアミン及びマグネシウム塩、及び任意なものとして、双性イオン表面活性剤の混合物を含む液体洗浄剤を示している。米国特許第4,224,195号は、非イオン性洗浄剤の特定のグループ、すなわち第二級アルコールの酸化エチレン、陰イオン性洗浄剤の特定のグループ、すなわち第二級アルコールの酸化エチレン付加組成物の硫酸エステル塩、及びベタインとすることができる両性的な表面活性剤を含む水性洗浄剤組成物を示しており、ここでは陰イオン性又は非イオン性表面活性剤のいずれがが、主成分とすることができる。すべての非イオン性表面活性剤を含む洗浄剤組成物が、米国特許第4,154,706号及び第4,329,336号に示されている。米国特許第4,013,787号は、軟化剤及びシャンプー組成物内のピペラジンベースのポリマーを示している。米国特許第4,450,091号は、両性的なベタイン表面活性剤、ポリオキシブチレンポリオキシエチレン非イオン性洗浄剤、陰イオン性表面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシアルキレングリコール脂肪エステルの混合物を含む、高粘性組成物を示している。米国特許第4,595,526号は、非イオン性表面活性剤、ベタイン表面活性剤、陰イオン性表面活性剤及びC12−C14脂肪酸モノエタノールアミド発泡体安定剤を含む組成物を示している。ここで述べられた特許の内容は、その全体が一貫性のある範囲で引用によりここに組み入れられる。
【0049】
これらの成分に対する更なる情報は、例えば、1987年3月の「Cosmetics&Toiletries」102巻3号、1972年のニューヨークのWiley−InterscienceからのBalsam,M.S.他による編集で「Cosmetics Science and Technology」第二版1巻27−104ページ及び179−222ページ、1989年2月の104巻67−111ページ、1988年12月の「Cosmetics&Toiletries」103巻12号100−129ページ、1988年ワシントンD.C.のThe Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association、Inc.出版の、Nikitakis,J.M.の編集による「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook」第一版、1992年CRC PressのMukhtar,Hの編集による「Pharmacology of the Skin」、及び1991年ウイスコンシン州ミルウオ−キーのAldrich Chemical CompanyからのGreen,FJによる「The Sigma−Aldrich Handbook of Stains.Dyes and Indicators」を参照して得られ、この全体が一貫性のある範囲で引用によりここに組み入れられる。
【0050】
本発明の実施において使用することができる例示的材料は、更にこれらに制限されるものではないが、Ernest W.Flickによる「Cosmetic and Toiletry Formulations」ISBN 0−8155−1218−X第二版XIIセクション(707−744ページ)に述べられている。これらは、これらに制限されるものではないが、例えば次のような配合物を含む。

表4 1又はそれ以上の熱変色性成分を含むのに適する代表的配合物
液体手洗い用石鹸 重量パーセント
EMERY5310ココナッツ硫酸琥珀酸塩 20
EMERSAL6400ラウリル硫酸ナトリウム 10
EMID6513ラウルアミドDEA 3
EMID6540リノールアミドDEA 2
ETHOXYOL1707乳化アセテートエステル 1
EMERSOL233オレイン酸 1
EMERESSENCE1160ローズエーテルフェノキシエタノール 1
トリエタノールアミン 0.5
消イオン化された水 残部

液体石鹸
ラウリン硫酸アンモニウム、60% 24
ココアミドプロピルベタイン 6
ステアラアミドプロピルジメチルアミン 1.5
塩化ナトリウム 1.3
グリコールジステアリン酸塩 1
クエン酸 0.25
メチルパラベン 0.15
プロピルパラベン 0.05
Bronopol 0.05
水 残部

棒状石鹸
石鹸ベース80/20 95.68
水 1
抗酸化剤 0.07
香油 0.75
二酸化チタン 0.5
GLUCAM E−20 2
【0051】
1又はそれ以上の熱変色性成分を含む組成物を使用する代表的基材
多数の異なる基材が、本発明の組成物と使用することができる。上記したように、今日の消費者は、製品が便利であることを求めている。この必要性に見合う1つの方法は、使い棄て基材と同様に、基材内に様々な組成物を組み込むことである。したがって、本発明は、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む清浄用組成物が基材に堆積されるか、又は取り付けられる多くの形態及び実施形態を含む。
【0052】
本発明と両立する基材の例としては、多孔性発泡体、網状発泡体、孔あき可塑性フィルム、天然繊維(例えば、木質又は綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル又はポリプロピレン繊維)、又は天然繊維と合成繊維の組み合わせを含むウエブを含む。該基材は、2003年4月22日付けのRoessler他の米国特許第6,552,245号に示されたような、伸長可能な材料から形成することができる。代替的には、該基材は、2000年10月27日付けのVukos他の米国特許出願一連番号09/698,517に記載されているような、ニ軸方向に延伸可能な材料から形成することができる。
【0053】
様々な織成布及び不織布を、基材として使用することができる。例えば、基材は、ポリオレフィン繊維のメルトブローン又はスパンボンドウエブで形成することができる。基材は又、天然繊維及び/又は合成繊維で形成されたボンデッドカーデッドウエブとすることができる。基材は、実質的には疎水性材料で形成することができ、該疎水性材料は、任意なものとしては、望ましい程度の湿潤性及び親水性を与えるために、界面活性剤で処理されるか、又はそうでなければ加工することができる。一実施形態においては、基材は、約20グラム/平方メートルの基本重量と約0.13グラム/立方センチメートルの密度を有するウエブに形成された約21から23ミクロンの繊維直径を有する繊維から成る、不織布、スパンボンド布、ポリプロピレン布で形成される。布は、Hodgson Textile Chemicals、Inc.からAHCOVEL Base N−62という商標名で商業的に入手可能な界面活性剤のような、約0.3重量パーセントの界面活性剤で表面処理することができる。界面活性剤は、スプレー塗布、印刷、ブラシ被膜、又は類似した技術などのあらゆる従来の手段によって塗布することができる。界面活性剤は、基材全体に塗布されるか、或いは、オムツの縦方向中央線に沿った中間部分などの、基材の特定の部分に選択的に塗布されて、このような部分に十分な湿潤性を付与することができる。基材は更に、着用者の皮膚に移動するように形成されるローション又は処理剤を含むことができる。基材に付与するための適当な組成物は、2000年11月21日付けのKrzysik他の米国特許第6,149,934号に記載されている。
【0054】
使い棄て基材を準備するための例示的接近法は、どちらも「Disposable Wash Cloth and Method of Using」という名称のJoAnn Adele Brooksの米国特許第6,806,213号B2及び米国特許公開番号2003/0119395A1に記載されており、両方の特許は、一貫性のある範囲でその全体が引用によりここに組み入れられる。(該特許は、芳香剤及び界面活性剤を含む、清浄用組成物の部分として使用することができる多くの成分を示している。)
【0055】
基材に堆積又は関連することができる、更なる色変化システムは、酸化還元及びpHシステムを含む。このようなシステムは、「Single Phase Color Change Agents」という名称の、MacDonald他の係属中の米国出願番号2005/0049157A1に記載されている。上記したように、この出願は、一貫性のある範囲でその全体が引用により組み入れられる。
【0056】
1又はそれ以上の熱発色性成分を含む清浄用組成物は、溶解する基材内で使用することができることも、留意するべきである。このような基材の一例は、「Extruded Cleansing Product」という名称の米国特許公開番号2004/0048759A1に記されており、この特許は一貫性がある範囲でその全体が引用によりここに組み入れられる。
【0057】
1又はそれ以上の熱変色性成分を含む組成物における色変化により表わされる代表的信号
本発明の幾つかの形態においては、清浄用組成物内の1又はそれ以上の熱変色性成分により生じる色変化は、使用者に、正しい手洗いの時間が経過して、すすぎを開始することができることを指示するように機能する。ほとんどの人(大人及び特に子供の両方)は、確実に清浄が行われたと厳密に言えるほどには十分な時間自分達の手を洗っていないことが、文献に述べられている。疾病予防管理センター(「CDC」)は、正しい経過時間を示した手洗いの指針を示している(表5参照)。

表5 手ケアーの型
目的 方法
手洗い 汚れ及び暫時付着の微生物を 10−15秒間石鹸を使用
取り除く
手の消毒 暫時付着の微生物を取り除き 10−15秒間抗菌石鹸を使用
かつ死滅させる (健康ケアー)
手術時の手 暫時付着の微生物を死滅させ 120秒間ブラシで抗菌石鹸を
かつ残留細菌を減少させる 使用
【0058】
皮膚又は表面を清浄するのに必要とされる時間が、詳細に調査された。The Association for Professionals in Infection Control and Epidemiology(APIC)による「Guideline for Hand Washing and Hand Antisepsis in Health−Care Settings」(1995)(表1)では、一般的な目的のための日常的な手洗いには、石鹸又は洗浄剤で10−15秒間の洗浄時間を薦めている。APICは、例えば、介護用用途及び食品準備用途においては、暫時付着の微生物を取り除くか又は死滅させるために、10−15秒間、抗菌石鹸又は抗菌清浄剤、或いはアルコールベースの擦り洗いを薦めている。APICは更に、手術用途に対しては、少なくとも120秒間の抗菌石鹸又は抗菌洗浄剤でのブラシ洗いを薦めている。米国疾病予防管理センター(CDC)は、手術用途に対しては、5分間の手の清浄を薦めている。明らかに、手洗いに費やす時間の長さが、微生物の根絶に大きな影響を与えることができる。このように、指針を満たすために、使用者がどのぐらいの長さ自分の手を洗えばいいかを判断することを可能にする、清浄用配合物の必要性がある。
【0059】
正しい手洗いの習慣は、子供達にとっても重要である。子供達は、手洗いが実施されるべき十分な時間を定めるのに、特に指導が必要である。この指導は、一般的には親その他の介護人から与えられるもので、重要ではあるが、普遍的に存在するものではない。親からの指導に加えて、様々な他の機構が、子供達に長い時間手洗いさせるように促進するために使用されてきた。石鹸は、例えば、子供達が手洗いを楽しいものと更に思えるように、発泡体として配合され、子供達が手洗いに費やす時間を増加させた。手洗いをより楽しみな経験とさせるために、芳香剤が使用された。したがって、本発明の異なる形態は、1又はそれ以上の熱変色性成分を使用する清浄用組成物の使用時間に関して、情報を伝える、又は信号を与えるために使用することができる。本発明の幾つかの形態は、例えば、熱変色性成分を含む色変化清浄用組成物を、使用者、この場合は子供の手に配分又は設置し、前記使用者により(この場合は子供により)十分な時間組成物を使用して、検知可能な色変化を生じさせることにより、子供達に衛生習慣を発達させることに対応する方法に向けられる。
【0060】
本発明の他の形態においては、清浄用組成物により生じる色変化は、清浄用組成物が接触しようとする時の温度又は温度範囲についての情報を示すものである。前に述べたように、感触を通しての人の温度認識は、かなり未熟なものである。介護人はしばしば、自分の手又は指を水の中に浸漬して、浴水が幼児又は子供に適当な温度であるかどうかを定めようとする。本発明の幾つかの形態においては、浴の水温に関して、介護人に情報を与えるために、清浄用組成物(例えば、浴水にもたらされる1又はそれ以上の熱変色性成分を含む組成物の形態で、或いは1又はそれ以上の熱変色性成分を含む清浄用組成物を含む基材の形態で)を使用することができる。熱変色性成分は、子供及び/又は幼児に対して推奨される浴の水温の温度又はその水温に近い温度範囲で、色変化を生じる組成物のために選択することができる。本発明の別の形態においては、1つの熱変色性成分は、推奨される浴の水温の温度又はその水温に近い温度範囲で色変化を生じるように選択され、第二の熱変色性成分は、幼児又は子供に危険である浴の最高水温に近い温度で、異なる色変化を生じるように選択することができる。このようにして、本発明の清浄用組成物又は清浄用組成物を含む基材(すなわち、本発明の基材)を使用する介護人は、自分の幼児又は子供の安全性及び/又は心地よさを確実なものとすることができる。本発明の前の形態は、介助又はケアーが必要とする人(例えば、介護ホームにいる大人、入院している人など)には、他の設定で使用することができることに留意する。すなわち、介護人が幾つかの方法で洗浄の介助を行うどのような場合でも、本発明は、介助される人の安全性及び/又は心地よさを確実なものとするように使用することができる。更に、このような内容においては、本発明は、介護人により介助される、このような人たちの効率的な洗浄を確実なものとするために使用することができる。
【0061】
本発明の他の形態においては、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む組成物は、使用者の心の、心理状態又は精神状態を示す又は伝えるために使用することができる。例えば、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む洗浄用組成物は、浴で使用するのに適した製品内に設置することができる。組成物は、浴水の温度又は温度範囲に応じて、1又はそれ以上の色に変化する。色は、所定の精神状態、心理状態、又は、例えば平和、調和、エネルギー、新鮮さ、精神、官能性、解放などの安寧度の状態に応じて選択することができる。更に、芳香剤又はアロマが選択されて組成物と組み合わせて、このような精神状態、心理状態、又は安寧度の状態を導き出すようにさせる。
【0062】
芳香剤組成物の例としては、これらに制限されるものではないが、香水、エッセンス、芳香油などを含む。当技術において知られているように、多くの精油及び他の天然植物派生物は、大きい割合で高い揮発性の匂いを含む。これに関して、多くの精油、エッセンス、及び香料入り濃縮物が、芳香剤及び食品業界の会社から一般的に入手可能である。油及び抽出物の例としては、これらに制限されるものではないが、次のような植物から派生するものを含む、すなわち、アーモンド、アミリス、アニス、よもぎ類、ベルガモット、カブリューバ、キンセンカ、カナンガ、シーダー、カモミール、ココナッツ、ユーカリ、フェンネル、ジャスミン、ジュニパー、ラベンダー、レモン、オレンジ、ヤシ、ペパーミント、カッシア、ローズマリー、タイムなどである。
【0063】
芳香剤は、芳香と関連する色を有することができる。例えば、ラベンダー色すなわちパープルは、ラベンダーの匂いと関連している。イエローは、カモミールの匂い、スイセン及び同様のものと関連している。レッドは、バラの匂い及び同様のものと関連している。グリーンは、アロエ、冬緑樹及び同様のものの匂いと関連している。したがって、本発明の組成物により生じる色は、芳香剤と生じた色変化との間に、使用者の心の中で関連性を形成するように選択することができる。他の色及び匂いの組み合わせを、本発明において利用することができる。
【0064】
上記したように、本発明の組成物により生じる色変化は、あらゆる任意の匂い又は芳香剤を伴って、例えば、解放の状態、平和、官能性、エネルギー、特定の時間及び/又は場所の視覚化、精神、様々な自然設定の視覚化などを含む、望ましい心理又は精神状態を導き出すように使用することができる。
【0065】
前記組成物の製造者は、購買者、消費者、又は前記組成物の使用者に知らせるために、メッセージ、表現又はコピーを適合させることができる。このようなメッセージ、表現、又はコピーは、組成物又はその使用と1つ又はそれ以上の精神状態、心理状態又は安寧度状態との間に、組成物の使用者の心理との関連性を増進又は確立するように適合させることができる。通信、表現、又はコピーは、例えば、解放、平和、エネルギー、エネルギー付与、性、官能性、官能的、精神、精神的、清浄、新鮮、山、田舎、熱中、海、空、又はこれらの組み合わせを含む、様々な文字数字列を含むことができる。これらの文字数字列は単独で、他の文字数字列に近接して、又は他の文字数字列との組み合わせのいずれかで使用することができる。通信、表現、メッセージ、又はコピーは、新聞、宣伝、テレビ宣伝、ラジオ又は他のオーディオ宣伝、住所への直接郵送用品、住所への郵送用品、インターネットウエブのページ又は他のこのような郵送、自立的差込み、クーポン、様々な促進(例えば販売促進)、他の会社との共同促進、コピー及び同様のものの形態(すなわち、このような媒体に実現される)、製品を含む箱又は梱包(この場合は、個人ケアー用または清浄用組成物)、及び消費者又は消費可能な人たちに情報を普及するような他の形態をとることができる。このような通信、表現、メッセージ、及び/又はコピーの他の例示的形態は、例えば、「Method for Displaying Toilet Training Materials and Display Kiosk Using Same」という名称の米国特許第6,612,846号及び第6,896,521号、「Method of Enunciating a Pre−Recorded Message Related to Toilet Training in Response to a Contact」という名称の、係属中の米国特許出願番号10/831476、「Method of Manufacturing and Method of Marketing Gender−Specific Absorbent Articles Having Liquid−Handling Properties Tailored to Each Grender」という名称の、係属中の米国特許出願番号10/956763に見ることができ、これら各々は、一貫性のある範囲でその全体が引用によりここに組み入れられる。表現、コピー、メッセージ、又は他の通信を本発明の清浄用組成物を含む梱包と関連すること(例えば、梱包上に文章、画像、シンボル、図形、色、又は同様のものを印刷することにより、又は梱包内に印刷された指示を設置することにより、又はこのような指示、クーポン、又は他の材料を梱包に関連させるか又は取り付けることにより、又は同様のもの)は、前記梱包の構成材料は、少なくとも梱包の一部を通る日光、光線、又は紫外線の通過を減少させ、妨げ、又は排除するように選択することができることに留意するべきである。上記したように、熱変色性成分をミクロカプセル封入する1つの目的は、成分を紫外線から防護することである。したがって、光線、日光、及び/又は紫外線により損害を受けやすい熱変色性成分を含む清浄用組成物を含む梱包は、電磁放射のような形態の通過も妨げ又は排除する梱包を形成するために、材料を選択して防護することができる。
【0066】
更に、前の段落で述べたあらゆる方法は、子供達が良い衛生習慣を身に付ける訓練に使用するために、清浄又は洗浄が特定の及び/又は効率的な期間実施されたことの確立に使用するために、清浄用組成物が接触しようとする時の材料の温度が、心地よく更に安全で、及び/又は危険がないことの確立に使用するために、及び同様のもののために、熱変色性成分を含む清浄用組成物の使用に関して、消費者に、メッセージ、コピー、表現、及び同様のものを伝える又は知らせるために使用することができる。
【0067】
本発明の他の形態においては、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む個人ケアー用又は清浄用組成物により生じる色変化は、該組成物を使用するのに、「遊び」又は「楽しみ」の要素を形成させて使用することができる。幾つかの例示的実施形態においては、「遊び」又は「楽しみ」の値は、1又はそれ以上の熱変色性成分を有する組成物の使用により生じる色変化だけによってのみ得られる。以下の[実施例]に述べているように、使用中に1又はそれ以上の色変化を生じる石鹸で、形状を有する(例えば、動物など)棒状石鹸を形成することができる。更に、石鹸が組織的に使用された後にだけ現れて、更に最終的には入手可能である1又はそれ以上の別物品(例えば、プラスチック製おもちゃなど)を含む石鹸を製造することができる。例えば図1においては、棒状石鹸1が、1又はそれ以上の熱変色性成分及び別物品を含む代表的実施形態を示している。棒を温水3内に置くと、熱変色性成分、又は複数の熱変色性成分の幾つかの部分は、着色状態から無色状態に色変化を生じ、棒は、埋め込まれた別物品5に近位の領域で透明になる。別の代表的実施形態においては、形状付けした棒状石鹸10は、複数の領域12、14、16、18、20及び22を含む。1又はそれ以上のこれらの領域は、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む。形状付けした棒を温水24内に置くと、熱変色性成分は、1又はそれ以上の前記領域で、1又はそれ以上の色変化を生じる。(任意なものではあるが、例えば選択された熱変色性成分が、異なる温度で色変化を生じる場合は、この変化は順に及び/又は時間とともに起きる。)又、図2の中央領域22に示しているように、1又はそれ以上の領域は、着色状態から無色状態に変化する熱変色性成分を含み、これにより別物品26が現れる。
【0068】
前の段落は、本発明の組成物、又は本発明の基材に生じる色変化により伝えられる又は示される情報の例を示している。しかし、色変化により生じる他の信号も可能であり、本発明に含まれる。
【実施例1】
【0069】
1又はそれ以上の熱変色性成分を含む液体石鹸
手洗浄剤のKimberly−Clark Professional Antibacterial Clear Skin Cleanser(示された成分は、水、ラウリス硫酸ナトリウム、クエン酸、酸化ココアミドプロピルアミン、ラウリルグロコサイド、塩化ナトリウム、PEG−7、グリセリルココエート、へキシルグリコール、DMDMヒダントン、トリコロサンの重量当たり0.25重量パーセントの活性成分を含む。)が、テキサス州サンアントニオに所在するKimberly−Clark Corporationより得られた。様々な熱変色性成分は、イリノイ州ストリームウッドに所在するColor Change Corporation、及びコロラド州コロラドスプリングに所在するChromatic Technologies Incorporatedから得られた。Color Change Corporationから得られる成分は、上記した表1に特定されている。Chromatic Technologies Incorporatedから得られる成分は、上記した表2及び3に特定されている。最初に、成分を、材料が混合されやすいと評価されるK−C Professional Antibacterial Clear Skin Cleanserと組み合わせた。様々な熱変色性成分は、手用清浄剤と容易に混合され、濃い着色液体が得られた。最初の評価として、一連の皮膚洗浄剤配合物が、熱変色性染料の固形物割合(%)を増加させて準備されて、室温で皮膚洗浄剤に対して、濃くて容易に認識可能な色を与えるだけでなく(使用者又は介護人に)、手に置き、皮膚を擦った時に、鮮やかな(すなわち使用者又は介護人に容易に認識可能な)色変化を与える染料濃度を定めた。
【0070】
重量割合が0.1から1.0重量パーセントの範囲の熱変色性成分濃度(すなわち、熱変色性成分を付加する前に、付加する熱変色性成分の重量を、上記したKC Professional皮膚洗浄剤の重量で割ったもの)を有する清浄用組成物を、10グラム準備した。研究されるロイコ染料粉末剤は、上記した表1に特定されているColor Change Corporationからのレッド29C(遷移温度29℃で、レッドの「寒冷色」から無色の「高温色」に変化する成分に対応する)、レッド31C(遷移温度31℃で、レッドの「寒冷色」から無色の「高温色」に変化する成分に対応する)、及びブルー31C(遷移温度31℃で、ブルーの「寒冷色」から無色の「高温色」に変化する成分に対応する)と呼ばれているものであった。粉末剤(すなわち熱変色性成分)は、周囲温度で、ホットプレート攪拌機(ミシガン州ミッドランドの、Corning攪拌機/ホットプレートPC−620型)上で、磁石攪拌棒を使用して、ガラス瓶(2オンスサイズ)の中の皮膚清浄剤と混合された。混合物は7の設定値で、10分間攪拌されて、液体皮膚清浄剤全体で粉末剤(すなわち、ミクロカプセル封入した熱変色性成分)が完全に分散するのを確実なものとした。
【0071】
KC Professional皮膚洗浄剤と熱変色性成分の混合物の重量割合が1重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.35重量%、0.2重量%及び0.1重量%の熱変色性成分濃度の混合物が、上記した3つの熱変色性成分各々に対して形成された(すなわち、上記した表1に特定しているように、Color Change Corp.から入手可能なレッド29C、レッド31C及びブルー31Cの熱変色性成分各々に対して)。各々の混合物の1グラム分量が、使用者の乾燥した手のひら上に置かれ、およそ5センチメートルを有する円形領域の皮膚を擦った。色変化が観察されて、目により定められる色遷移の鮮やかさ及び完全さに対して、視覚的定義が成された(すなわち、使用者及び/又は観察者が、最初の状態と、熱変色性成分により生じた色変化後における、熱変色性成分を含む液体の色を容易に認識することができる範囲で)。この最初の観察に対しては、3つの評価される熱変色性成分に対して、最初の色に重量割合が約0.4重量パーセントから約1重量パーセントの範囲の濃度のものを付与して、テストの参加者に容易に認識される色変化が生じるように予め定められた(これらの濃度の熱変色性成分を使用した個人ケアー用又は清浄用組成物は、使用者により容易に認識可能であると考えられる。)。
【0072】
次に、重量割合が0.4重量パーセント又はこれより大きい濃度の熱変色性成分を有する、およそ1グラムの混合物の各々が、使用者の手の、予め湿潤させた手のひら上に置かれ、手洗い行為が開始された。使用された水温は、30℃から34℃の間であった。この一連の熱変色性成分/洗浄剤混合物が、色が脱色して、白い泡になるまでにかかった時間とともに、色変化の鮮明さを観察した。この点では、すべての泡がすすがれるまで、手がすすがれた。手には、何の色も残らず、更に手には何の汚れもなかった。この組の評価の場合は、高濃度(重量割合が1.0重量パーセント)の熱変色性成分を有するサンプルが、最も鮮明な色変化を生じると定められた。典型的には、手洗い開始後、およそ10から20秒内に、色変化が起きた。再度ではあるが、上記したように、色変化に関する「鮮明」又は「鮮明さ」という用語は、熱変色性成分を組み込まれた清浄用組成物の使用者によって、容易に検知可能な色変化を意味する。
【0073】
手洗い中の、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む清浄用組成物によって生じる色変化の鮮明さを評価するために、更に色変化が、泡の形成による色の希釈によるものではないことを示すために、実質的には色変化しない染料/顔料(この実験のために、ニュージャージー州ノースブランズウイックに所在するLife of the Partyから入手可能なブルー及びレッド石鹸染料)を含むK−C Professional液体皮膚洗浄剤の200グラムのサンプルが準備された。実質的には色変化しない顔料(39滴のブルーと13滴のレッド)が、皮膚洗浄剤に付加され、混合物を手でスパチュラにより攪拌して、ブルー31C熱変色性配合物と同じ色及び濃度の液体皮膚洗浄剤を形成した。この実質的には色変化しない配合物1グラムを、手の予め湿潤させた手のひら上に置き、手洗いを実行すると、ブルーの色は小さい断片に希釈されただけであることが、明らかにわかる。しかしながら、泡は、容易に検知可能なブルーの色で、手洗いを数分間した後でさえも脱色せず、白くもならない。熱変色性成分が清浄用又は個人ケアー用組成物に使用された時、色変化を生じる熱変色性成分の効能を、この実験は確信させるものであった。
【0074】
重量割合が0.5重量パーセントのレッド29C粉末剤と重量割合が0.5重量パーセントの29Cブルー粉末剤(熱変色性成分はどちらも、Color Change Corporationから入手可能で、上記した表1に特定している。)を共に、K−C Professional皮膚洗浄剤に置いて、前述したように、磁石攪拌棒及び攪拌機を使用して、10分間混合することにより、パープル色の皮膚洗浄組成物10グラムが準備された。このパープル配合物は、該混合物1グラムを、予め湿潤させた手のひら上に置き、手洗い行為を開始するという、手洗い実験で評価された。パープル液体は、パープルの泡に変換し、およそ15秒の手洗い行為の後に白く変化した。これらの混合物は、上記した[発明を実施するための最良の形態]で全体的に述べているように、異なる温度遷移を有する2つ又はそれ以上の染料を選択することにより、急激な温度遷移で無色に変化するか、又はある色から別の色に変化し、その後無色の状態に移行することができる。
【0075】
前の段落で述べた実験においては、使用者が未使用の液体石鹸において色を容易に認識することができることから、更に上記した全体的条件の下で、手洗いにより清浄用組成物が無色に変化する(色変化は、使用者により容易に検知可能である)ことから、評価された特定の成分及び手用洗浄剤の最低濃度は、重量割合が約0.4重量パーセントであることを、定性的に、予め定めた。又、同じ理由及び上記した全体的条件の下で、評価された特定の成分及び手用洗浄剤の最適濃度は、重量割合が約1重量パーセントであることを、定性的に、予め定めた。もちろん、使用者に伝えようとする情報、選択した熱変色性成分の特定、前記成分を使用する組成物、及び1又はそれ以上の熱変色性成分を使用した組成物が使用されるであろう背景に応じて、他の濃度を使用することができる。
【実施例2】
【0076】
複数の熱変色性成分を含む液体石鹸
手用洗浄剤である、Kimberly−Clark Professional Antibacterial Clear Skin Cleanserは、テキサス州サンアントニオに所在するKimberly−Clark Corporationから得た。K−C Professional手用洗浄剤と2つの熱変色性成分の組み合わせとの様々な組み合わせを準備し、この場合は、成分はColor Change Corporationから得た。これらの清浄用組成物は、手洗いで使用する間に、1つの色から第二の色へ、更に第二の色から無色状態(又は発泡体が存在する場合はホワイトの色)への変化を生じた。これらの実験に対して、29℃で色変化を生じる熱変色性成分は、33℃で色変化を生じる熱変色性成分と混合されて、多数の色遷移を生じる。色は、原色の混合物が最初の色を生成するように原色を混合し、低温型熱変色性染料(すなわち、色変化を生じる他の熱変色性成分が色変化を生じる温度より低い温度で、色変化を生じる熱変色性成分)が無色に変化した時、第二の色に変化するように、原色に基づいて選定された。これらの実験に対しては、重量割合が0.5重量パーセントの各々の染料粉末剤が、液体(K−C Professional皮膚洗浄剤)に添加され、攪拌されて原型配合物を形成した。表6は、多数の色遷移を示す清浄用組成物の準備された実施例を示している。2つの熱変色性成分を含む、1グラムの清浄用組成物が、予め湿潤させた手のひら上に置かれ、手洗い行為が開始された。1つの色から第二の色に変化する時間が計測され、手洗い行為は、第二の色遷移/変化が起きるまで続けられ、第二遷移の時間が記録された。次に手は全体をすすがれて、あらゆる残留色が検査された。各々の実験は、2回実行された。

表6 清浄用組成物の多数の色変化

*この配合物は、150mlの手洗い用石鹸配合物と、10mgのFD&CブルーNo.1(オハイオ州クリーブランドのNoveon Inc.)となるレッド及びイエロー熱変色性染料の両方について、重量割合が0.5重量パーセントである。CCCは、Color Change Corporationからのロイコ粉末剤が、表1に示されているように使用されたことを意味する。
【0077】
表6に見られるように、本発明の種々異なる多数の色変化清浄用組成物は、複数の熱変色性成分と組み合わせることにより形成することができる。更に、実質的には色変化しない成分が、熱変色性成分を含む清浄用組成物によって示された色を変成処理するために付加することができる。
【実施例3】
【0078】
1又はそれ以上の熱変色性成分を含む、棒状石鹸清浄用組成物
a)手洗い使用の間に、b)水が熱すぎることを使用者に警告するために、c)楽しみ及び遊びのために、一連の多数の色変化が生じるように、d)例えば、脚部、頭部、腕、顔などの多数の色領域を含む、楽しい形状付けした石鹸を示すために、棒状石鹸が色変化すること示すために、色変化する棒状石鹸が準備された。色変化する棒状石鹸の原型は、熱変色性成分を溶融したグリセリン石鹸(カリフォルニア州ロサンゼルスのNeutrogena CorporationからのNeutrogena(成分は、TEA−ステアリン酸塩、トリエタノールアミン、ソジウムタロエート、グリセリン、浄化水、ソジウムココエート、リシンオレイン酸塩ナトリウム、TEA−オレイン酸塩、ココアミドDEA、トコフェノールを含む)、又はClearly Natural透明顔用棒(成分は、ソジウムココイル、イセチオン酸塩、ステアリン酸、ココナッツ酸、ソジウムタロエート、イセチオン酸塩ナトリウム、水、ステアリン酸塩ナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ソジウムココエート、芳香剤、塩化ナトリウム、テトラソジウムEDTA、BHT、二酸化チタンを含む)又はカリフォルニア州PetalumaのClearly natural)に添加することにより準備された。グリセリン石鹸(各々の準備に100グラムの量が使用された)は、小片に切断又はすり潰されて、二重ボイラー型ポットに置かれた。水は大きい方のポットで使用され、石鹸を間接的加熱するように沸騰するまで加熱された。小さい方の内側コンテナ内の石鹸片に、エタノール(石鹸100グラム当たり9ml)が添加された。石鹸はゆっくり溶解して、透明な液体を形成し、29C、31C又は33C熱変色性粉末剤(Color Change Corporationから得られる重量割合が1重量パーセントの熱変色性成分、すなわち上記した表1に特定されたブルー、レッド、イエロー及びブラック成分)が添加される前に、50℃に冷却された。混合物は、手で、スパチュラを使用して4分間攪拌されて、熱変色性成分が石鹸内に均一に分散され、次に型に注がれて、周囲温度にまで冷却させた。石鹸が40℃の温度の水に置かれると、棒はゆっくりと無色になり、透明に変化した。手洗いの時に使用されると、石鹸は着色した泡を発生し、約10−15秒間手洗いをした後白くなった。棒状石鹸の評価のために使用された方法は、次の段落に述べられている。
【0079】
水温を34℃に調整した蛇口の下に手を置いて、予め湿潤させた。次に棒状石鹸を手の間に置き、泡を発生させるために5秒間擦った。棒状石鹸をホルダーに戻し、手を互いに擦って手洗いが続けられた。石鹸及び泡の最初の色が、12−15秒で脱色するのが観察され、純粋な白い泡が形成された。この点で、色変化の時間が記録された。結果は、およそ8−12秒の範囲で、29C熱変色性棒状石鹸の泡は、全体的に速く白く変化した。31C及び33C熱変色性棒状石鹸の泡は、長い間着色したままで、12−20秒の範囲で泡の色が変化した。
【0080】
更に、Color Change Corporationから入手可能な複数の熱変色性成分(各々の色は重量割合が0.5重量パーセント)は、成分を含む棒が水で温められた時に、多数の色変化を生じる棒状石鹸を形成するために使用され、或いは棒/石鹸からの泡は、手を洗うために使用された。更なる別の棒/石鹸が、形状付けした型(例えば、動物、人、汽車など)を使用して準備された。形状付けした棒が1つの熱変色性成分で準備されたものもあるが、形状又は物体の異なる部分には異なる熱変色性成分/色を有するように準備されたものもあった。これは、ある部分がある温度で色変化し、他の部分はより高い温度で色変化するように形成され、視覚的に魅力がある物体とした。一例においては、グリーン色の熱変色性棒状石鹸が準備された。100グラムの透明なグリセリン石鹸が、5mmx5mm片のさいの目に切断され、外側のビーカーに水を含む、二重ボイラー内に置かれた。これに9mlのエタノールが添加されて、システムは、水が沸騰するまで加熱された。石鹸はゆっくり溶融し、かつ溶解して、透明な無色の液体を形成した。内側のビーカーは、水を含む外側の容器から取り除かれ、熱い石鹸は、温度計で計測して、50℃にまで冷却させ、どちらもColor Change Corporationから入手可能な、0.5グラムの33Cブルー熱変色性成分と0.5グラムの31Cイエロー熱変色性成分(上記した表1参照)が液体に添加された。熱変色性成分は、スパチュラを使用して、配合物を混合することにより液体に分散させた。混合した配合物は、非スティック状マフィン皿(Kroger grocery storeから得られた)の中に注がれて、冷却させ、固体化させた(およそ5時間後に起きる)。各々を15グラム計量した石鹸棒が、準備された。色変化特性を示すために、棒状石鹸は次のようにしてテストされた。手は、蛇口の下で予め湿潤され、ここでの水温は34℃に調整された。着色した石鹸の棒が、手の間に置かれて、5秒間擦り十分な泡を発生させた。棒はコンテナに戻されて、手洗いが続けられた。泡の最初の色はグリーンであったが、イエロー熱変色性成分が脱色する(すなわち、イエロー色から無色状態に変化する)ことにより、4−5秒間の内にブルーに変化するのが観察された。手洗いを続けると、更に8−10秒後にブルー熱変色性成分が無色に変化するので、泡は白に変化した。この点で、手は完全にすすがれて、泡が取り除かれた。
【実施例4】
【0081】
1又はそれ以上の熱変色性成分を含む身体洗浄用組成物
身体洗浄用配合物が、商業的に入手可能な配合物を使用して、色変化する清浄用組成物に形成された。この例においては、無色で透明であることから、Dial 2−in−1 Body wash(アリゾナ州スコッツデールのThe Dial Corporationからで、成分は、水、ラウリス硫酸ナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ココアンフォアセテートナトリウム、クエン酸、イソステアルアミドプロピルモルフォリン乳酸塩、グリコールステアリン酸塩、ラウリス−7、塩化ナトリウム、ジナトリウムEDTA、プロピレングリコール、メントールを含む)が選択された。Color Change Corporationから入手可能な、重量割合が1重量パーセントのブルー29C熱変色性成分、又はChromatic Technologies Inc.から入手可能な、重量割合が2重量パーセントのブルー29C熱変色性成分(50%固形物)(CTI、50%固形物、ブルー29C)が、100グラムの身体洗浄剤に添加され、10分間攪拌機ホットプレート上で、磁石攪拌棒を使用して、熱変色性成分を完全に混合して分散させた。着色した配合物が、前に述べた皮膚洗浄剤の場合と同じ方法で評価された。評価は、手洗いにより実行された。1グラムの配合物が、予め湿潤させた手に置かれて(34℃の水で湿潤させた)、手洗い行為を開始し、泡を発生させた。泡の色が純粋なホワイトに変化する時間が記録された。色変化は、手洗いの開始後、およそ10秒から15秒で起きることがわかった。
【実施例5】
【0082】
1又はそれ以上の成分を含む無水手用殺菌剤
テキサス州サンアントニオに所在するKimberly−Clark Corporationから入手可能な製品である、Kimberly−Clark Professional加湿型手消毒剤(アルコール変性62%で、成分は、エタノール(重量当たり62重量パーセント)、水、グリセリン、ジメチコーン、ラウリルメタクリル酸塩/グリコールジメタクリル酸塩コポリマー、カルボマー、トコフェニ−ルアセテート、パンテノール、ヒドロキシプロピルセルロースを含む)に、熱変色性成分(Color Change Corporationから入手可能な、約29℃でブルーから無色に色変化を生じるブルー粉末剤)を添加することにより、色変化する無水手用殺菌剤が準備された。10mlの消毒剤を取り出し、該液体に熱変色性成分を添加して、スパチュラを使用して手で10分間攪拌し、熱変色性成分を分散させて、着色配合物が準備された。この方法においては、Color Change Corporationからの、ブルーから無色29Cロイコ染料粉末剤を使用して、一連の着色配合物が準備された。一連のサンプルは、重量割合が0.2重量パーセント、0.5重量パーセント、及び1.0重量パーセント濃度の染料であった。1グラムの着色配合物を乾燥した手のひら上に置き、手洗い行為によって、手全体に液体を広げて配合物が評価された。時間が経過するにしたがって、色は脱色した。色が消失する時間が求められた。0.2%配合物は、脱色するのに、それぞれ3秒及び5秒かかった。0.5%配合物は、脱色するのに10秒及び15秒かかった。1%配合物は、脱色するのに20秒及び25秒かかった。上記した材料及び条件に対して、手の殺菌を確実なものとするのに完璧であるとみなされる脱色時間を付与する、熱変色性成分の好ましい濃度として、重量割合当たり0.5重量パーセント配合物が選択された。もちろん、使用者に伝えようとする情報、選択された熱変色性成分の表示、前記成分を使用する組成物、及び1又はそれ以上の熱変色性成分を使用する組成物が使用されようとする内容に応じて、他の濃度を使用することができる。
【実施例6】
【0083】
1又はそれ以上の熱変色性成分を含む発泡清浄用組成物
Dial Completeという名前で販売される発泡石鹸配合物(アリゾナ州スコッツデ−ルのThe Dial Corporationより入手可能で、配合物の成分は、水、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリス硫酸アンモニウム、ココアミドMEA、塩化アンモニウム、PEG−5ココアミド、ココアミドプロピルベタイン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、テトラソジウムEDTA、クエン酸、及びジメチコーンコポリオールを含む)が得られた。重量当たり0.5重量パーセント濃度で、配合物に熱変色性成分(Color Change Corporationより入手可能で、上記した表1に特定されたブルー29C)を添加して、色変化する発泡配合物が準備された。ビーカーに100グラムのDial Complete液体を置き、50%固形物のブルー29C熱変色性染料(上記した表3参照)を含むChromatic Technologies Incorporated水スラリーを添加することにより、第二色変化する発泡配合物が準備された。この形成された配合物の熱変色性染料の濃度も、重量当たり0.5重量パーセントであった。各々の混合物は、磁石攪拌棒を使用して、ホットプレート/攪拌機上で、10分間攪拌された。液体配合物混合物は、各々がDial Completeが得られた発泡コンテナ内に注いで戻された。予め湿潤させた手のひらに、ノズルの一押し(これは0.5グラムの発泡体である。)により、配合物がテストされた。手洗い行為が開始されて、泡がホワイトに変化するのにかかる時間を計測した。泡は、約10−14秒の範囲で、ホワイト色に変化するのが見られた。
【0084】
高温遷移型熱変色性染料の、泡がホワイトになるのにかかる時間の効率を定めるために、更なる研究が実施された。2つの付加的発泡石鹸配合物が、Color Change Corporationから入手可能で、上記した表1で特定される、31C及び33Cブルー熱変色性染料が使用されること以外は、上記したのと類似する方法で準備された。研究は、前に述べたようにして実施され、高温型熱変色性染料は、泡がホワイトになるのに、長い時間がかかるという結果が示された。結果は、次のようである。
【0085】
混合物を含むColor Change Corp.のブルー31C熱変色性成分は、ホワイトになるのに、16秒及び18秒かかった。
【0086】
混合物を含むColor Change Corp.のブルー33C熱変色性成分は、ホワイトになるのに24秒及び26秒かかった。
【0087】
混合物を含むColor Change Corp.ブルー29C熱変色性成分の濃度が、配合物内で重量割合が2重量パーセント固形物に増加すると、泡が白くなるのにかかる時間が、90秒及び110秒に増加した。1又はそれ以上の熱変色性成分の濃度を調整すると、手洗いを始めた後、色変化が起きるまでの時間に影響を与える。色変化が生じる時の温度を選択すると、手洗いを始めた後、色変化が起きるまでの期間に影響を与える。したがって、例えば、熱変色性成分濃度又は色変化遷移温度は、色変化が起きるまでに異なる時間経過を生じるように選択することができる。家庭での使用者又は食品を準備する作業者(例えば、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む清浄用組成物を最初に使用した後、およそ10−15秒で色変化が起きる。)、健康ケアー作業者(例えば、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む清浄用組成物を最初に使用した後、およそ20秒で色変化が起きる。)、及び外科医(例えば、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む清浄用組成物を最初に使用した後、およそ2分で色変化が起きる。)により使用されるために、組成物に対して、適当な時間を選択することができる。
【0088】
手洗いの間に、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む清浄用組成物により生じる色変化の鮮明さを更に評価するために、又色変化は、配合物の泡によるもので、色の希釈によるものではなかったことを示すために、実質的には色変化しない染料/顔料(この実験に対しては、ニュージャージー州ノースブランズウイックに所在するLife of the Partyから入手可能な、ブルー及びレッド石鹸染料)を有する212mlのDial Completeのサンプルが準備された。実質的には色変化しない顔料(ブルーを36滴、レッドを12滴)が、発泡石鹸配合物に添加され、混合物がスパチュラを使用して手で攪拌されて、ブルー31C熱変色性配合物(Color Change Corporationからの)と同じ色及び濃度である発泡石鹸配合物を生成した。0.5グラムの実質的には色変化しない配合物が、予め湿潤させた手のひら上に置かれ、手洗いを実行した時、ブルーの色が、小さい断片に希釈されるだけであることが明らかにわかった。しかしながら、泡は容易に検知可能なブルーの色で、数分間の手洗いの後でも脱色又は白くなることはなかった。
【実施例7】
【0089】
1又はそれ以上の熱変性成分を含む清浄用組成物を含む基材
手用洗浄剤であるKimberly−Clark Professional Antibacterial Clear Skin Cleanserが、テキサス州サンアントニオに所在するKimberly−Clark Corporationから得られた。Color Change Corporationから入手可能な、重量割合が1重量パーセントのブルー29C熱変色性成分、又は、Chromatic Tecnologies Inc.から入手可能な、重量割合が2重量パーセントのブルー29C熱変色性成分(50%固形物)(CTI、50%固形物、ブルー29C)が、100グラムの手用洗浄剤に添加され、全体を混合させて、攪拌機ホットプレート上で、10分間磁石攪拌棒を使用して、着色剤を分散させた。不織基材が、浸漬・絞り法を使用して、各々の手洗浄配合物によりで被覆され、被覆後に100%湿潤時重量増加状態にされて、着色基材が形成された。これらの基材は、泡を形成するために、手洗い行為での湿潤時拭き布として使用された。泡の色が純粋なホワイトに変化するのにかかる時間が記録された。手洗い行為が開始された後、およそ10秒から15秒で、色変化が起きるという評価が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】棒を温水内に置いた時に、着色状態から無色状態に色変化を生じ、これにより別物品が現われる、1又はそれ以上の熱変色生成分及び別物品を含む、この場合には棒状石鹸である清浄用組成物を代表して示している。
【図2】温水内に置いた時に、複数の色変化を生じ、任意なものとしては別物品が現れる棒で、前記棒上及び/又は前記棒内にパターン化された形態で置かれた、1又はそれ以上の熱変色性成分を含む、この場合には形状付けられた棒状石鹸である清浄用組成物を代表して示している。
【符号の説明】
【0091】
1 棒状石鹸
3 温水
5 別物品
10 形状付けられた棒状石鹸
12 領域
14 領域
16 領域
18 領域
20 領域
22 領域
24 温水
26 別物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱変色性成分を含むことを特徴とする色変化清浄用組成物。
【請求項2】
界面活性剤を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
油、洗浄剤、乳化剤、フィルム形成機、ろう、香水、防腐剤、軟化剤、溶媒、濃化剤、湿潤剤、キレート剤、安定剤、pH調整剤、又はこれらの幾つかの組み合わせを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物は、前記熱変色性成分により生じる色変化により、使用者、介護人、又はセンサーに情報を伝えるものであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記熱変色性成分の前記濃度は、重量割合が約0.4重量パーセントないし約2重量パーセントであることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記熱変色性成分の前記濃度は、重量割合が約1重量パーセントより小さいことを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、液体、ゲル状、又は固体の形態であることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物は、前記組成物が所定の温度又は温度範囲にあることを、使用者、介護人又はセンサーに示す情報を伝えるものであることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項9】
前記情報は、前記組成物が約20℃ないし約40℃の温度又は温度範囲にあることを示すことを特徴とする請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記情報は、前記組成物が約25℃ないし約35℃の温度又は温度範囲にあることを示すことを特徴とする請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物は、前記組成物が接触しようとする時の材料の前記温度が、所定の温度又は温度範囲であることを、使用者、介護人、又はセンサーに示す情報を伝えるようになることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項12】
前記材料は、皮膚、液体、又は無生物であることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物は、前記組成物と材料との接触時間が所定の期間又は期間の範囲であることを、使用者、介護人、又はセンサーに示す情報を伝えるようになることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項14】
前記期間は、約10秒又はこれより小さいことを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記期間は、約10秒ないし約25秒であることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記期間は、約120秒より小さいことを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
実質的には、色変化しない顔料を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項18】
複数の熱変色性成分を含むことを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物は、複数の色変化を生じるようになることを特徴とする請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物は、任意に別物品を含むことができる形状付けした棒状石鹸であることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項21】
請求項4に記載の組成物の使用者に、メッセージを伝える梱包であって、
前記梱包に収められる請求項4に記載の組成物と、
前記組成物の使用により使用者にもたらされる前記情報を表す1又はそれ以上の説明と、
を含み、前記説明は、前記梱包上又は前記梱包内にあるか、前記梱包に取り付けられることを特徴とする梱包。
【請求項22】
前記説明は、子供たちの良い衛生習慣を促進するものであることを特徴とする請求項21に記載の梱包。
【請求項23】
前記組成物は、前記梱包内に含まれる基材に取り付けられることを特徴とする請求項21に記載の梱包。
【請求項24】
梱包に含まれる組成物と精神的状態との間の、使用者の心理的関連性を促進する梱包であって、
前記梱包に含まれる請求項4に記載の組成物と、
前記組成物の使用によって使用者の心の中に生じる精神的状態を表す1又はそれ以上の説明と、
を含み、前記説明は、前記梱包上又は前記梱包内にあるか、前記梱包に取り付けられていることを特徴とする梱包。
【請求項25】
前記1又はそれ以上の説明は、次のような文字数字列、すなわち解放、平和、エネルギー、エネルギー付与、性、官能性、官能的、精神、精神的、清浄、新鮮、山、田舎、熱情、海、空、又はこれらの組み合わせを、単独で又は他の文字数字列と組み合わせるかのいずれかで含むことを特徴とする請求項24に記載の梱包。
【請求項26】
芳香剤又はアロマ成分を更に含むことを特徴とする請求項24に記載の梱包。
【請求項27】
前記1又はそれ以上の説明は、前記芳香剤又はアロマ成分と、前記熱変色性成分により生じる1又はそれ以上の色との間に、色変化の前又は後に関わらず、関連性を確立することを特徴とする請求項26に記載の梱包。
【請求項28】
前記組成物は、前記梱包に含まれる基材に取り付けられることを特徴とする請求項24に記載の梱包。
【請求項29】
前記梱包は、少なくとも前記梱包の一部を通して、紫外線、日光、又は光が透過することを減少又は排除することを特徴とする請求項24又は請求項21に記載の梱包。
【請求項30】
消費者に通信するためのメッセージであって、前記メッセージは、全体又は一部分が、熱変色性成分を含む色変化する清浄用組成物に関連する情報に基づいており、文章、シンボル、図形、画像及び/又は色を含み、消費者に伝えることが可能な媒体に実現されることを特徴とするメッセージ。
【請求項31】
基材と、
熱変色性成分を含む色変化する清浄用組成物と、
を含み、
前記組成物は、前記基材に取り付けられていることを特徴とする機材。
【請求項32】
前記組成物は、前記熱変色性成分により生じる色変化によって、使用者、介護人、又はセンサーに情報を伝えるものであることを特徴とする請求項31に記載の基材。
【請求項33】
前記組成物内の前記熱変色性成分の前記濃度は、重量割合が約0.4重量パーセントないし約2重量パーセントであることを特徴とする請求項32に記載の基材。
【請求項34】
前記組成物内の前記熱変色性成分の前記濃度は、重量割合が約1重量パーセントより小さいことを特徴とする請求項32に記載の基材。
【請求項35】
前記組成物は、前記組成物が所定の温度又は温度範囲にあることを、使用者、介護人、又はセンサーに示す情報を伝えるものであることを特徴とする請求項32に記載の基材。
【請求項36】
前記組成物は、前記組成物が接触する物質の前記温度が、所定の温度又は温度範囲であることを、使用者、介護人、又はセンサーに示す情報を伝えるようになることを特徴とする請求項32に記載の基材。
【請求項37】
前記物質は、皮膚、液体又は非生物体であることを特徴とする請求項36に記載の基材。
【請求項38】
前記組成物は、前記組成物と材料との間の前記接触時間が、所定の期間又は期間の範囲であることを、使用者、介護人、又はセンサーに示す情報を伝えることを特徴とする請求項32に記載の基材。
【請求項39】
前記期間は、約10秒又はこれより小さいことを特徴とする請求項38に記載の基材。
【請求項40】
前記期間は、約10秒ないし約25秒であることを特徴とする請求項38に記載の基材。
【請求項41】
前記期間は、約120秒より小さいことを特徴とする請求項38に記載の基材。
【請求項42】
前記組成物は、複数の熱変色性成分を含むことを特徴とする請求項31に記載の基材。
【請求項43】
使用者の衛生習慣を促進させる方法であって、
熱変色性成分を含む色変化する清浄用組成物を、使用者の手に配置し又は位置させ、
前記使用者が検知可能な色変化を生じるのに十分な時間だけ、前記組成物を使用する、
段階を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−546869(P2008−546869A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516859(P2008−516859)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/012349
【国際公開番号】WO2006/137955
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】