説明

熱硬化性樹脂組成物及び有機無機複合樹脂

【課題】高屈折率でしかも耐熱性及び機械的強度に優れた透明硬化樹脂を与える熱硬化性樹脂組成物並びにポリシロキサンエポキシ複合樹脂、なかでも光学用樹脂を提供する。
【解決手段】(A)芳香環含有ジアルコキシシラン由来のD単位5〜90モル%と反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位95〜10モル%とをランダムに含有し、重量平均分子量が1000〜30000である反応性環状エーテル基含有ポリシロキサンと、
(B)エポキシ当量が100〜1000(g/eq)の芳香環含有エポキシ樹脂と、
(C)硬化剤とを含有する熱硬化性樹脂組成物及び該樹脂組成物を硬化してなる有機無機複合樹脂。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は反応性環状エーテル基含有ポリシロキサンとエポキシ樹脂とを含有する熱硬化性樹脂組成物とそれを硬化してなる有機無機複合樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
光学材料分野、例えば、コンタクトレンズ、メガネレンズ等のプラスチック材料、プリズム、フィルター、表示デバイス材料及び光導波路用コーティング材料等の幅広い分野において、高屈折率樹脂が求められている。このような用途には、従来、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、チオウレタン樹脂等が用いられているが、耐光性や耐熱性が求められる分野においては、このような樹脂は充分な性能を発揮することができなかった。
【0003】
一方、ポリシロキサンは、シロキサン結合(Si−O結合)を骨格とするオリゴマーであり、Siには4つの結合手があるため、酸素原子と結合する結合手をSi原子1個につき何個有するかで、ポリシロキサンの基本構成単位は、M単位(酸素原子と結合する結合手をSi原子1個につき1つ有する単位)、D単位(酸素原子と結合する結合手をSi原子1個につき2つ有する単位)、T単位(酸素原子と結合する結合手をSi原子1個につき3つ有する単位)及びQ単位(酸素原子と結合する結合手をSi原子1個につき4つ有する単位)の4つに分類される。例えば、シルセスキオキサンはT単位からなるネットワーク構造のポリシロキサンである。シルセスキオキサンにはラダー構造、ランダム構造、籠型構造等のものが知られている。一方、D単位からなるポリシロキサンは、線状構造を有する。
【0004】
ケイ素を含んだオリゴマーであるポリシロキサンは、透明性、耐光性が優れていることから、光学材料への応用が検討されている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3にはT単位からなるポリシロキサンであるシルセスキオキサンの使用が提案されている。しかしながら、シルセスキオキサンは屈折率が1.45〜1.50程度と低いものであり、光の取り出し効率向上が要求される表示デバイス、太陽電池デバイス、光学素子等の封止材等への適用やレンズにおいては、さらなる高屈折率化を実現させる必要性がある。
【0005】
メチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランとを加水分解、縮重合してなる透明なポリメチルシロキサン樹脂が特許文献4に開示されている。しかしながら、該樹脂は100μm程度の薄膜コーティングに用いられ、光学材料として使用可能な機械的強度を有するものではない。特許文献5には、シルセスキオキサンと鎖状シロキサンとを反応させてなる架橋性シロキサンポリマーが開示されている。しかしながら、該ポリマーはシルセスキオキサン構造を含有しており、このため、本質的に屈折率が高くないという特性を持っている。また、該ポリマーは薄膜用途に適合的であって、光学材料分野に適用するには機械的強度等の点で限界がある。
【0006】
ポリシロキサンと有機樹脂との有機無機複合樹脂としては、重合性オルガノシロキサン化合物と芳香環含有エポキシ樹脂とを含有する硬化性樹脂が光学用途に適用されることが特許文献6に開示されている。しかしながら、該文献に実際に記載されているのは、本質的に屈折率がさほど高くない籠型シルセスキオキサンを使用した実施例のみであり、T単位からなるネットワーク構造のポリシロキサンが開示されているのみである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−331647号公報
【特許文献2】特開2006−299149号公報
【特許文献3】特開2007−246880号公報
【特許文献4】特開2007−146031号公報
【特許文献5】特開2008−280420号公報
【特許文献6】特開2009−62459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、高屈折率でありしかも耐熱性及び機械的強度に優れた透明硬化樹脂を与えるポリシロキサン含有熱硬化性樹脂組成物並びにポリシロキサンとエポキシ樹脂が共有結合した有機無機複合樹脂、なかでも光学用樹脂、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、(A)芳香環含有ジアルコキシシラン由来のD単位5〜90モル%と反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位95〜10モル%とをランダムに含有し、重量平均分子量が1000〜30000である反応性環状エーテル基含有ポリシロキサンと、
(B)エポキシ当量が100〜1000(g/eq)の芳香環含有エポキシ樹脂と、
(C)硬化剤とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物(以下、本発明の樹脂組成物ともいう。)である。
本発明の他の態様は、上記熱硬化性樹脂組成物を硬化してなるポリシロキサンエポキシ複合樹脂である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の樹脂組成物の硬化物は、上述の構成により、エポキシ樹脂の屈折率をしのぐ高屈折率を達成できる。また、ポリシロキサンの特性である耐熱性に優れた性質を発揮できる。さらに、ポリシロキサンの弱点であった機械的強度を大幅に改善できる。
すなわち、本発明は、特定構造の芳香環含有ポリシロキサンと芳香環含有エポキシ樹脂という二つの透明樹脂を複合させることにより、従来のポリシロキサン、とくにシルセスキオキサンの欠点であった低屈折率、低機械的強度を克服するとともに、エポキシ樹脂の弱点であった耐光性をも克服可能な耐熱性透明硬化樹脂を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明においては、反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)は、芳香環含有ジアルコキシシラン由来のD単位5〜90モル%と反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位95〜10モル%とをランダムに含有する。D単位の含有量は、高屈折率をもたらす観点から、5〜90モル%である。5モル%未満であると屈折率が充分高くならない。一方、90モル%を超えると、反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位が少なくなり、硬化性が低下する。D単位の含有量の下限は20モル%が好ましく、40モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましく、70モル%が一層好ましい。D単位の含有量の上限は80モル%が好ましく、75モル%がより好ましい。T単位の含有量は95〜10モル%であり、D単位との合計が100モル%である。T単位の含有量の下限及び上限の好ましい値、より好ましい値等は、それぞれ上記D単位の含有量の値に対応して定められる。
【0012】
また、反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)の重量平均分子量は、硬化物の耐熱性、機械強度が良好となる観点から、1000〜30000である。好ましくは1000〜20000、より好ましくは1500〜15000である。重量平均分子量はポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定された値である。
【0013】
反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)において、D単位とT単位はランダムに含有されている。D単位とT単位がランダムに含有されているとは、D単位とT単位の両方が含有され、しかもこれらの単位の配列に一定の規則性を持たないことをいう。従って、例えば、T単位のみで構成される籠型構造のシルセスキオキサン樹脂やラダー構造あるいはランダム構造のシルセスキオキサン樹脂や、D単位のみで構成される直鎖構造のシロキサン樹脂とは異なる。但し、T単位もしくはD単位のみからなるシロキサン樹脂は、本発明の目的達成に必要な性能を損なわない程度の少量を含んでも良い。
【0014】
上記芳香環含有ジアルコキシシランとしては、例えば、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジ(p―トルイル)ジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランが挙げられる。これらは1種のみ使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、好ましくは、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランである。
【0015】
上記反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシランとしては、例えば、グリシジル基、脂環式エポキシ基又はオキセタニル基を含有するトリアルコキシシランを挙げることができ、具体的には、例えば、グリシジル基含有トリアルコキシシランとしては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができ、脂環式エポキシ基含有トリアルコキシシランとしては、2−(3,4エポキシ)シクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、2−(3,4エポキシ)シクロヘキシルエチルトリエトキシシラン等を挙げることができ、オキセタニル基含有トリアルコキシシランとしては、3−エチル(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン等を挙げることができる。反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシランは1種のみ使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、好ましくは、エポキシ樹脂と組み合わせた場合の反応性のバランス及び耐熱性の観点から、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4エポキシ)シクロヘキシルエチルトリメトキシシランである。
【0016】
反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)の製造方法としては、例えば、5〜90モル%の芳香環含有ジアルコキシシランと95〜10モル%の反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシランとを、アルコキシシランの加水分解、共縮合によりポリシロキサンを製造する公知の手法により、加水分解、ランダム共縮合する方法が挙げられる。このような製造方法としては、具体的には、例えば、特公昭49−45320号、特公昭56−39808号、特公昭58−27808号公報、特公昭61−36331号、特開平7−126391号公報に記載の方法を挙げることができる。すなわち、原料となる芳香環含有ジアルコキシシランと反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシランとを、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ブタノール、ヘキサノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等の溶媒中で充分に撹拌、混合した溶液に、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、ホウ酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルフォン酸、P−トルエンスルホン酸等の酸又は、テトラエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルサンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等のアルカリを0.01〜3%程度加え、0.1〜3モル%の水の存在下に、40〜90℃、1〜24時間、加水分解、共縮合させて製造することができる。その際、ジアルコキシシランとトリアルコキシシランとの反応性がバランスしていることがランダムな共縮合に有利であるが、本発明においては、上述の芳香環含有ジアルコキシシランと反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシランとを用いることにより、両成分がランダムに共縮合することが期待できる。重量平均分子量を精密に制御することは困難であるが、重量平均分子量が1000〜30000であるポリシロキサンを得るための条件としては、上述の条件を用いることができる。
【0017】
芳香環含有エポキシ樹脂(B)としては、エポキシ当量100〜1000(g/eq)のものであれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、下記構造式(1)で示される3官能エポキシ樹脂(例;プリンテック株式会社製、VG3101)、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂及びビフェニル骨格含有エポキシ樹脂(例;ジャパンエポキシレジン株式会社製、YX−4000)、芳香族チオエーテル骨格含有エポキシ樹脂(例;東都化成株式会社製、YSLV−120TE)を挙げることができる。これらは1種のみ使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、透明性や耐熱性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、下記式(1)で示される3官能エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂が好ましい。
【0018】
【化1】

【0019】
反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)と芳香環含有エポキシ樹脂(B)との組み合わせとしては、グリシジル基含有ポリシロキサンとエポキシ樹脂との組み合わせ、脂環式エポキシ基含有ポリシロキサンとエポキシ樹脂との組み合わせ、オキセタニル基含有ポリシロキサンとエポキシ樹脂との組み合わせ、のいずれであってもよい。このうち、両成分の反応性のバランスの観点から、グリシジル基含有ポリシロキサンとエポキシ樹脂との組み合わせ、脂環式エポキシ基含有ポリシロキサンとエポキシ樹脂との組み合わせが好ましく、グリシジル基含有ポリシロキサンとエポキシ樹脂との組み合わせがより好ましい。
【0020】
反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)と芳香環含有エポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対する反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)の含有量は、20〜80重量部が好ましく、30〜70重量部がより好ましい。反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)の含有量が上記範囲であると、透明性、機械強度が良好となる利点がある。
【0021】
硬化剤(C)としては、エポキシ樹脂と反応可能なものであれば特に制限は無いが、無色または着色の少ないものが好ましく、カチオン重合触媒、酸無水物、フェノール化合物が挙げられ、それらの中でも、耐熱性や透明性、硬化性の観点から、カチオン重合触媒が好ましい。
【0022】
カチオン重合触媒としては、例えば、アデカオプトンCP−66及びアデカオプトンCP−77{いずれも商品名、ADEKA(株)社製}、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L及びサンエイドSI−100L{いずれも商品名、三新化学工業(株)製}、及びCIシリーズ{日本曹達(株)製}等の市販の化合物を用いることができる。これらのうち、サンエイドSI−100L、アデカオプトンCP−66が好ましい。
【0023】
カチオン重合触媒の配合量としては、触媒化合物の種類により異なるが、一般的には、反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)と芳香環含有エポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して0.05〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量部である。
【0024】
上記酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸、無水コハク酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
【0025】
上記フェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールM、ビスフェノールP、ビスキシレノールP、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂等が挙げられる。
【0026】
硬化剤(C)として酸無水物、フェノール化合物を用いる時の配合比は、エポキシ基1当量に対して、当該エポキシ基と反応可能な硬化剤(C)中の活性基(酸無水物基または水酸基)が0.7〜0.9当量となるように配合することが好ましい。
【0027】
硬化剤(C)として酸無水物、フェノール化合物を用いる時は、硬化性の向上の観点から硬化促進剤を配合してもよい。硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノール等の3級アミン類、2−エチル−4メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフェニルボレート等のリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類及びこれらの誘導体などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく又は、併用してもよい。これらの硬化促進剤の中では、硬化性、耐熱性バランスの観点から、リン化合物、3級アミン類、イミダゾール類を用いることが好ましい。
【0028】
硬化促進剤の配合量は、反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)と芳香環含有エポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して、0.01〜5.0重量%であることが好ましく、0.1〜3.0重量部であることがより好ましい。
【0029】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、反応性希釈剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等のその他の添加物を、本発明の目的を阻害しない範囲で、使用することができる。
【0030】
上記反応性希釈剤は本発明の樹脂組成物の粘度、硬化性を調整する目的で用いることができる。上記反応性希釈剤としては、具体的には、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペート、ビス−(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。また、その配合量としては、組成物100重量部に対して1〜30重量部が好ましい。
【0031】
上記酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール類、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のビスフェノール類、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス−(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等の高分子型フェノール等を挙げることができる。また、その配合量としては、組成物100重量部に対して0.01〜1重量部が好ましい。
【0032】
上記光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン等のヒンダードアミン化合物等を挙げることができる。また、その配合量としては、組成物100重量部に対して0.01〜1重量部が好ましい。
【0033】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(t−ブチル)フェノール、2−4−t−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ペンチルフェノール2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)等が挙げられる。
【0034】
本発明の樹脂組成物は、上述の全成分を混合、撹拌することにより、製造することができる。
【0035】
本発明の樹脂組成物の硬化条件としては、好ましくは60〜180℃、10〜300分、より好ましくは80〜150℃、30〜120分、である。また、必要なら、120〜180℃、30〜300分のアフターキュアをおこなうことができる。
【0036】
本発明の樹脂組成物の硬化物は、反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)と芳香環含有エポキシ樹脂(B)とが共有結合した複合樹脂であり、ポリシロキサンの特性とエポキシ樹脂の特性を合わせ持つ。このような、ポリシロキサンとエポキシ樹脂とからなり、しかも、これらの両方の樹脂の混合物が反応することにより複合樹脂化した硬化反応物を、本明細書では有機無機複合樹脂と称する。本発明の有機無機複合樹脂において、反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)はD単位とT単位を含有し、D単位の含有量を増加させることにより屈折率を一層高くすることができる。このような高屈折率のポリシロキサンと屈折率の高いエポキシ樹脂とからなる複合樹脂化した硬化物は、エポキシ樹脂の値を凌ぐ高屈折率を達成できる。
【0037】
本発明の有機無機複合樹脂の用途しては、コンタクトレンズ、メガネレンズ等のプラスチック材料、プリズム、フィルター、表示デバイス材料、光導波路用コーティング材料等の光学用途を含む幅広い分野に適用することができる。
【0038】
以下に合成例、実施例等によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0039】
合成例1
反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A−1)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK100g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液g(水酸化テトラメチルアンモニウム1.3mmol)、蒸留水17.2gを仕込んだ後、ジフェニルジメトキシシラン59.8g(245mmol)、2−(3,4エポキシ)シクロヘキシルエチルトリメトキシシラン40.2g(163mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK100gを加え、さらに50gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に減圧下でMIBKを留去して、目的の化合物(A−1)を得た。Mwは2472、分散度Mw/Mn=1.5であった。
【0040】
合成例2
反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A−2)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK100g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液6.2g(水酸化テトラメチルアンモニウム1.4mmol)、蒸留水17.5gを仕込んだ後、ジフェニルジメトキシシラン75.1g(306mmol)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン24.9g(102mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK100gを加え、さらに50gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に減圧下でMIBKを留去して、目的の化合物(A−2)を得た。Mwは3617、分散度Mw/Mn=1.6であった。
【0041】
合成例3
反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A−3)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK100g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液6.1g(水酸化テトラメチルアンモニウム1.3mmol)、蒸留水17.2gを仕込んだ後、ジフェニルジメトキシシラン62.6g(306mmol)、2−(3,4エポキシ)シクロヘキシルエチルトリメトキシシラン25.2g(102mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK100gを加え、さらに50gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に減圧下でMIBKを留去して、目的の化合物(A−3)を得た。Mwは2352、分散度Mw/Mn=1.4であった。
【0042】
合成例4
反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A−4)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK100g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液6.1g(水酸化テトラメチルアンモニウム1.3mmol)、蒸留水17.2gを仕込んだ後、ジフェニルジメトキシシラン89.9(368mmol)、2−(3,4エポキシ)シクロヘキシルエチルトリメトキシシラン10.1g(41mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK100gを加え、さらに50gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に減圧下でMIBKを留去して、目的の化合物(A−4)を得た。Mwは2147、分散度Mw/Mn=1.3であった。
【0043】
合成例5
反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A−5)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK100g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液6.3g(水酸化テトラメチルアンモニウム1.4mmol)、蒸留水17.7gを仕込んだ後、ジフェニルジメトキシシラン15.4g(63mmol)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン84.6g(358mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK100gを加え、さらに50gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に減圧下でMIBKを留去して、目的の化合物(A−5)を得た。Mwは3263、分散度Mw/Mn=1.5であった。
【0044】
実施例1
合成例1で得られたポリシロキサン誘導体A−1を50重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製;商品名「EPICLON830」、エポキシ当量170(g/eq))を35重量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学株式会社製;商品名「サンエイドSI−100L」)0.5重量部を混ぜ合わせ、熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0045】
実施例2
合成例2で得られたポリシロキサン誘導体A−2を50重量部、前述の式(1)で表される3官能エポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂(プリンテック株式会社製;商品名「テクモアVG3101」、エポキシ当量210(g/eq))を25重量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学株式会社製;商品名「サンエイドSI−100L」)0.5重量部を混ぜ合わせ、熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0046】
実施例3
合成例3で得られたポリシロキサン誘導体A−3を50重量部、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製;商品名「オンコートEX−1040」、エポキシ当量196(g/eq))を10重量部、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製;商品名「デナコールEX−142」、エポキシ当量226(g/eq))を25重量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学株式会社製;商品名「サンエイドSI−100L」)0.5重量部を混ぜ合わせ、熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0047】
実施例4
合成例1で得られたポリシロキサン誘導体A−1を30重量部、前述の式(1)で表される3官能エポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂(プリンテック株式会社製;商品名「テクモアVG3101」、エポキシ当量210(g/eq))を50重量部、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製;商品名「デナコールEX−142」、エポキシ当量226(g/eq))を20重量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学株式会社製;商品名「サンエイドSI−100L」)0.5重量部を混ぜ合わせ、熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0048】
実施例5
合成例2で得られたポリシロキサン誘導体A−2を70重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製;商品名「EPICLON830」エポキシ当量170(g/eq))を20重量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学株式会社製;商品名「サンエイドSI−100L」)0.5重量部を混ぜ合わせ、熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0049】
実施例6
合成例4で得られたポリシロキサン誘導体A−4を70重量部、前述の式(1)で表される3官能エポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂(プリンテック株式会社製;商品名「テクモアVG3101」、エポキシ当量210(g/eq))を30重量部、脂環式酸無水物(新日本理化株式会社製;商品名「MH−700」)を25重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド(北興化学株式会社製;商品名「TPP−PB」)0.5重量部を混ぜ合わせ、熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0050】
実施例7
合成例5で得られたポリシロキサン誘導体A−5を50重量部、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製;商品名「オンコートEX−1040」、エポキシ当量196(g/eq))を50重量部、フビスフェノールF(本州化学工業株式会社製;商品名「Bis−F」)を40重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド(北興化学株式会社製;商品名「TPP−PB」)0.5重量部を混ぜ合わせ、熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0051】
比較例1
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成株式会社製;商品名「AER260」)を100重量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学株式会社製;商品名「サンエイドSI−100L」)0.5重量部を混ぜ合わせ、熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0052】
比較例2
エポキシ基含シロキサン樹脂(Gelest株式会社製;商品名「SIB1092」)を100重量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学株式会社製;商品名「サンエイドSI−100L」)0.5重量部を混ぜ合わせ、熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0053】
比較例3
オキセタニル基含有シルセスキオキサン樹脂(東亜合成株式会社製;商品名「OX−SQ」を100重量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学株式会社製;商品名「サンエイドSI−100L」)0.5重量部を混ぜ合わせ、熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
評価方法
各実施例及び比較例の熱硬化性樹脂組成物を用いて試験片を作成し(120℃、3時間の硬化条件)、それぞれについて、以下の方法で、性能を評価した。結果を表1、表2に示した。
1.初期透過率T:
日立製分光光度計U−2000を用いて、450nmにおける透過率T(%)を測定した。
2.耐熱性:
日立製分光光度計U−2000を用いて、150℃、100時間曝露後の450nm波長光の透過率T(%)を求めた。
3.屈折率:
アタゴ社製、多波長アッベ屈折計DR−M2を用いて、589nmにおける屈折率を測定した。
4.アッベ数:
アタゴ社製、多波長アッベ屈折計DR−M2を用いて、アッベ数を算出した。
5.曲げ強度:
オリエンテック社製、RTC−1350Aを用いて、曲げ強度の測定を行った。
【0057】
表1、表2の結果から、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、透過率、耐熱性、曲げ強度に優れており、かつ、屈折率において、従来技術による比較例1〜3の組成物より明らかに優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)芳香環含有ジアルコキシシラン由来のD単位5〜90モル%と反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位95〜10モル%とをランダムに含有し、重量平均分子量が1000〜30000である反応性環状エーテル基含有ポリシロキサンと、
(B)エポキシ当量が100〜1000(g/eq)の芳香環含有エポキシ樹脂と、
(C)硬化剤とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
硬化剤(C)が、カチオン重合触媒である請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
芳香環含有ジアルコキシシランは、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
【請求項4】
反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシランは、グリシジル基、脂環式エポキシ基又はオキセタニル基を含有するトリアルコキシシランである請求項1〜3のいずれか記載の樹脂組成物。
【請求項5】
反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシランは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4エポキシ)シクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシ)シクロヘキシルエチルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種である請求項4記載の樹脂組成物。
【請求項6】
芳香環含有エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、下記式(1)で示される3官能エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、芳香族チオエーテル骨格含有エポキシ樹脂及びビフェニル骨格含有エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか記載の樹脂組成物。
【化1】

【請求項7】
反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)は、芳香環含有ジアルコキシシラン由来のD単位60〜80モル%と反応性環状エーテル基含有トリアルコキシシラン由来のT単位40〜20モル%とを含有するものである請求項1〜6のいずれか記載の樹脂組成物。
【請求項8】
反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)と芳香環含有エポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して反応性環状エーテル基含有ポリシロキサン(A)を30〜80重量部含有する請求項1〜7のいずれか記載の樹脂組成物。
【請求項9】
請求項8記載の樹脂組成物を硬化してなる有機無機複合樹脂。
【請求項10】
光学用樹脂である請求項9記載の複合樹脂。

【公開番号】特開2011−132416(P2011−132416A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294717(P2009−294717)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000214250)ナガセケムテックス株式会社 (173)
【Fターム(参考)】