説明

燃料電池カートリッジおよび燃料供給システム

【課題】本発明は、燃料を燃料電池に供給するための燃料電池カートリッジに関する。また、燃料供給システム、燃料電池、およびそれに関連する方法が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部分的に、燃料電池用の燃料供給システムに関する。また、本発明は、改良された燃料供給システムの燃料電池に関する。さらに、本発明は、燃料供給システムおよび/または燃料電池に接続し得る燃料カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、その内容が参考として本出願に完全に組み込まれている2004年7月8日に出願された米国特許第60/585,831号明細書の表題「燃料電池用の燃料供給システム」の優先権を主張する。
【0003】
燃料電池は、反応物(すなわち燃料および酸化剤)の化学エネルギーを電力に直接変換する電気化学装置である。種々の用途において、燃料電池は、化石燃料の燃焼のような従来の発電よりも効率的であり、またリチウムイオン電池のような携帯型蓄電池よりも便利である。異なる複数の原料を燃料電池に使用することが可能であるが、メタノールおよび水素は、それらの固有のエネルギーが高いので頻繁に用いられている。
【0004】
燃料および酸化剤を電気化学的に変換することによって、燃料電池が作動して電力および反応生成物を発生させる。このような装置は、一般に、2つの電極の間に配置された電解質を備える。電極触媒を用いることによって、電気化学反応が電極で引き起こされる。固体ポリマー燃料電池には、電極層の間に設けられた固体ポリマー電解質またはプロトン交換膜(PEM)を備える膜電極アセンブリが使用される。
【0005】
PEM燃料電池に使用するための、液体流れまたはガス流れの両方によって供給される複数の反応物が知られている。酸化剤流れは、例えば、純粋な酸素ガスまたは空気であり得る。燃料流れは、一般に、純粋な水素ガス、水素化物、酸、または液体有機燃料混合物であり得る。ダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)は、燃料として用いられる液体メタノールがアノードで直接酸化される形式の直接液体供給燃料電池である。アノードで発生された水素イオンは、膜を通過して、カソード側で酸素および電子と結合し、水を生成する。電子は、膜を通過することができず、したがって、アノードから、電池によって発生された電力を消費する電気負荷装置を駆動する外部回路を通してカソードに流れることができない。
【0006】
DMFCでは、燃料はメタノール、または水とメタノールの混合物である。メタノール、またはメタノール混合物は液体としてDMFCのアノード室に供給され、このアノード室において、燃料を電力に電気化学的に変換する一環として、メタノールが酸化される。ダイレクトメタノール燃料電池の半電池反応は以下のようになる。
【0007】
アノード:CH3OH + H2O → CO2 + 6e- + 6H+
カソード:6e- + 6H+ + 3/2 O2 → 3 H2O
全体:CH3OH + 3/2 O2 → CO2 + 2 H2O
携帯装置用の電源内に組み込まれる燃料電池は、従来のバッテリシステムよりも動作時間が長くなると思われるが、この理由は、前記燃料電池に高エネルギー成分の燃料が利用されるからである。携帯電源用途における商品化について、メタノール、蟻酸、水素化ホウ素ナトリウム、燃料電池および水素ポリマー電解質膜燃料電池のような複数の燃料電池装置を現在開発中である。また、携帯電源用途における燃料電池の広範囲の使用を容易にするために、燃料電池カートリッジならびに燃料電池供給システムの改良が必要である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一形態では、燃料電池に使用するための燃料カートリッジは、接続装置を通して燃料を燃料電池に分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備える。リザーバは、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、上壁に設けられかつ接続装置によって燃料電池に接続可能である燃料出口とを備え得る。いくつかの形態では、燃料リザーバは、燃料電池の燃料供給ループを通して燃料を分配する。
【0009】
燃料カートリッジは、単一壁でも、または燃料カートリッジが複数の分離室に燃料を収容するように多重壁であってもよい。リザーバは、所望の用途に応じて、1ミリリットル〜10リットルの範囲の燃料、いくつかの形態においては、20〜500ミリリットルの範囲の燃料を含むが、それらに限定されない多様な燃料容積を維持することが可能である。
【0010】
燃料は、液体燃料、気体燃料、エアロゾル化された燃料、固体燃料、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、燃料は、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、トリメトキシメタン(TMM)、トリオキサン、蟻酸、ホルムアルデヒド、ブタン、プロパン、メタン、プロピレン、エチレン、プロパノール、グリコール、それらと水との混合物、それらと酸との混合物、およびそれらと塩基との混合物からなる群から選択される炭化水素燃料であってもよい。
【0011】
リザーバは、例えば、長方形状、角筒状、箱状、円筒状、および/または管状を含む多様な形状をとり得る。いくつかの形態では、リザーバは、押出アルミニウム、押出プラスチック、押出複合材、および収容された燃料との反応に実質的に不活性の任意の押出材料からなる群から選択される材料から製造することが可能である。リザーバは、可撓性または変形可能な部分および/または剛性部を含み得る。リザーバは、いくつかの形態では、燃料をリザーバから排出するように、圧縮可能な/膨張可能なベローズを設けるべく、リザーバの少なくとも一部において波形材料からなることが可能である。
【0012】
リザーバは、その上壁に設けられた燃料出口によって燃料を収容するために連続表面を備え得る。それに加えてまたはその代わりに、リザーバは、剛性ハウジング内に設けられる室を画成する可撓性容積を備え、および/または燃料供給システムに接続されていない場合にリザーバをシールするための弁を燃料出口に備えることが可能である。このような弁は、例えば、電気機械的に作動される弁、ボール逆止弁、ニードル弁(例えば、細長い要素が貫通する収納部材を有する弁)、航空機に燃料を補給する弁、および機械的に作動される弁からなる群から選択される一方向弁であり得る。
【0013】
燃料カートリッジは、不使用時に燃料出口を覆うための着脱可能なバリアを含むことが可能である。このような着脱可能なバリアは、標準レーザプリンタカートリッジを保護するシールと同様に、燃料出口の面にわたってタブ部および片側スライドを有し得るか、または完全に着脱可能であり得る(例えば、金属製の食品容器蓋)。いくつかの形態では、リザーバは、それに収容されている燃料を不正に変更することを防止するための安全要素を備える。
【0014】
リザーバは、カートリッジを接続装置に固定するためのロック部を燃料出口に含むことが可能である。このようなロック部は、機械的ロック装置、摩擦ロック装置および機械的拘束装置からなる群から選択し得る。機械的ロック装置は、バヨネット取付具、緊急解除ロック、ねじ山、戻り止めロック、およびばね負荷ロックからなる群から選択することが可能である。摩擦ロック装置はOリングであり得る。機械的拘束装置は、接続装置の対応する雌型構成要素に結合する雄型ロック装置であるか、または接続装置の対応する雄型構成要素に結合する雌型ロック装置であることが可能である。
【0015】
また、いくつかの形態において、燃料カートリッジには、燃料カートリッジと接続装置との間の接続部を検出するための接続センサを設け得る。例えば、接続センサは、カートリッジのハウジングに位置しかつカートリッジと接続装置とを結合する際に作動されるマイクロスイッチ、カートリッジと接続装置とを結合する際に作動される磁気スイッチ、燃料カートリッジの金属部に接触する1対の電気接触部、および光学センサから選択される光検出センサからなる群から選択してもよい。
【0016】
また、燃料カートリッジは、燃料を燃料カートリッジから分配するために、カートリッジ内部の内圧供給要素、機械的力誘導要素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの正圧誘導要素を備え得る。内圧供給要素は、燃料に加えられる蒸気圧の高い炭化水素を含むことが可能である。利用する燃料がメタノールである場合、蒸気圧の高い炭化水素は、ブタン、ジメチルエーテルおよびプロパンからなる群から選択し得る。機械的力供給要素は、ばねとねじとモータと空気圧と液圧とからなる群から選択される少なくとも1つの作動要素を使用して作動可能なピストン、リザーバハウジングの部分、およびエラストマーフォームからなる群から選択することが可能である。
【0017】
重力、拡散、または毛細管作用によって、燃料カートリッジ内の燃料をカートリッジから排出することができる。このような毛細管力は、一定の気孔率を有するカートリッジ内のフォーム(Foam)、または燃料出口の近くで毛細管力を大きくすることにより燃料の移送を可能にする段階的な気孔率を有するフォーム(Foam)によって付与することが可能である。その代わりにまたはそれに加えて、一定の気孔率を有するか、または開口部の近くで毛細管力を大きくするために段階的な気孔率を有するウィッキング要素(例えば、フェルト、繊維、織物およびフォーム)によって、毛細管力を付与してもよい。さらに他の形態では、燃料カートリッジ内に供給されかつ接続装置への1つ以上の粘弾性流体の導入を防止するためにカートリッジの燃料出口で選択的に篩い分けできる(例えば、除去可能、濾過可能または分離可能な)1つ以上の粘弾性流体によって、毛細管力を付与することが可能である。さらに他の形態では、容器内に配置された1つ以上の毛細管チューブ、および/または内圧によって、毛細管力を付与し得る。
【0018】
燃料は、カートリッジ内に供給されたガスによって除去または排出することが可能であり、ガス通気要素は、カートリッジに組み込まれる。カートリッジは、燃料から分離された推進剤を貯蔵するための1つ以上のガス貯蔵要素を備え得る。このようなガス貯蔵要素は、ブラダー、袋、膨張可能な容器、破裂可能なカプセル、ガスと燃料とを分離するピストン、および圧力応答弁に接続された室を備えることが可能である。それに加えてまたはその代わりに、カートリッジは、所定のレベルに達した際にカートリッジ内の圧力を軽減するための放出機構を備えてもよい。放出機構は、所定の圧力レベルに達したときに開き得る弁であることが可能であり、この弁は、カートリッジのオリフィス内に装着された感圧ゴム栓、カートリッジから燃料を緩やかに放出するために燃料内に配置されたフォームまたはゲル化剤、および/あるいは感圧通気孔または選択的に透過性の膜を備える。
【0019】
燃料カートリッジは、燃料カートリッジからの燃料吐出量を制御するための計量要素を備えることが可能である。計量要素は、計量オリフィス、多孔質材料、燃料出口に配置された多孔質要素、容器の出口に配置されたウィッキング材料、および流量制限部弁からなる群から選択し得る。
【0020】
燃料出口は、燃料電池に接続された1つ以上のチューブ、カートリッジの外部に配置されかつカートリッジに作動的に関連するウィッキング材料、カートリッジを通した燃料流れの一部またはすべての循環を可能にするための同心または同軸の2つ以上のチューブ、ならびに燃料の流出とガスおよび/または液体の流入とを可能にするための2つ以上のチューブからなる群から選択することが可能である。
【0021】
いくつかの形態では、ドッキングステーションに接続するように、燃料カートリッジを構成することができる。このような形態では、燃料カートリッジは、カートリッジをドッキングステーションシール面に固定するための固定要素を備えることが可能である。固定要素は、円筒状カートリッジ用のバヨネット式ロック、およびエアロゾル缶型のカートリッジに接着により取り付け可能な成形プラスチックエンドキャップからなる群から選択し得る。サンプルの成形プラスチックエンドキャップは、選択的にドッキングステーションのシール面に係合させるかまたはドッキングステーションのシール面から係合解除するように把持および回転を可能にするための要素を備えることが可能である。サンプルのバヨネットロックは、安全要素を備え、また係合解除に必要な高いトルクを有することが可能である。さらに、バヨネットロックはピン・ノッチ型構造であることが可能であり、ピンまたはノッチは、カートリッジの外面に配置され、また燃料用ドッキングステーションのシール面において、対応するノッチまたはピンに係合する。
【0022】
他の形態では、燃料電池に使用するための燃料カートリッジは、接続装置を通して燃料を燃料電池の燃料供給ループに分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備えることが可能であり、このリザーバは、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、上壁に設けられかつ接続装置によって燃料電池に接続可能である燃料出口とを備え、また燃料排出は、毛細管作用要素、機械的力要素、内部ガス圧またはそれらの組み合わせからなる群から選択される要素の少なくとも1つによって可能になり得る。
【0023】
毛細管作用要素は、フォーム、エアロゲル、多孔質セラミック、燃料出口に向かって気孔の大きさが小さくなる多孔質シリコン、および/または毛細管チューブの少なくとも1つを備えることが可能である。フォームは、50〜99%の気孔率を有するオープンセル構造を有することが可能であり、また親水性を有すると共に燃料と相溶性を有する材料を含むことが可能である。フォームは、例えば、1インチ当たり60〜80個の気孔の気孔率を有するポリウレタンフォームであり得る。フォームは、楔状であり、また燃料出口の近くでより小さい気孔を有するように段階的な気孔率を実現するためにカートリッジに強制的に収納することが可能である。フォームの気孔よりも小さな気孔を有するペレットは、燃料出口を通してフォームの気孔に挿入することが可能である。
【0024】
フォームは、異なる多孔質の複数のフォームブロックを備え得る。燃料出口のより近くにある各フォームブロックは、以前のフォームブロックよりも小さい大きさの気孔を有することが可能である。例えば、2〜100個のフォームブロックの構成で、広範囲のフォームブロックを配置し得る。いくつかの形態では、フォームブロックは、環状にまたは同心に設けられた異なる多孔質のフォームを備え、最小の気孔フォームは中央に位置しまた燃料出口に接続される。他の形態では、フォームブロックは、より大きな大きさの気孔を有する可撓性フォームに挿入された1片の円錐形フォームを備えることが可能であり、これによって、出口の最も近くにある可撓性フォームのフォーム気孔が圧縮される。燃料出口に向かって毛細管力を徐々に大きくすることを可能にするために、毛細管チューブを異なる多孔質の1つ以上のフォームブロックに挿入し得る。
【0025】
いくつかの形態では、毛細管作用要素は、燃料出口に向かう燃料に、より大きな毛細管引力を付与するために、カートリッジ内に配置されかつカートリッジの燃料出口のより近くでより小さい気孔が設けられたオープンセルフォーム充填材またはウィッキング材料を使用して、燃料カートリッジの燃料出口に向かって毛細管力を徐々に大きくする。
【0026】
また、燃料カートリッジは、正圧を供給して燃料を燃料出口から排出するために、蒸気圧の高い炭化水素(例えば、ブタン)を含み得る。燃料出口に向かって徐々に大きくなる毛細管力を実現するために、フォーム材料を蒸気圧の高い炭化水素と組み合わせて使用することが可能である。
【0027】
他の形態では、燃料電池に使用するための燃料カートリッジは、接続装置を通して燃料を燃料電池に分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備え得る。リザーバは、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、上壁に設けられかつ接続装置によって燃料供給ループに接続可能である燃料出口とを備えることが可能である。ハウジングは、一方の端部に向かう開口部と、この開口部の反対側の端部に向かう末端とを有することが可能であり、開口部には、カートリッジを接続装置に固定するためのインターロック要素が設けられ、末端は、燃料と相溶性の接着材料でハウジングに固定可能であるかまたはハウジングと一体化する。
【0028】
さらに他の形態では、燃料カートリッジは、接続装置を通して燃料を燃料電池の燃料供給ループに分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備え得る。リザーバは、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、上壁に設けられかつ接続装置によって燃料供給ループに接続可能である燃料出口と、燃料および推進剤を収容するための別個の容器とを備えることが可能である。
【0029】
このようなリザーバは、加圧ガスと燃料とを分離するためのブラダーを組み込んでいるアルミニウム容器を備え得る。他の形態では、リザーバは、加圧ガスと燃料とを分離するように配置されたピストンを備えることが可能である。例えば、動作検出要素を使用して、ピストンの運動を計算し、リザーバ内に残留する燃料の量を決定することが可能である。動作検出要素は、磁気、キャパシタンス、誘導、または音響等々により運動を検出し得る。燃料はメタノールであることが可能であり、また加圧ガスは二酸化炭素または不活性ガスであることが可能である。
【0030】
別の形態では、燃料カートリッジは、接続装置を通して燃料を燃料電池の燃料供給ループに分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備えることが可能であり、リザーバは、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、上壁に設けられかつ接続装置によって燃料供給ループに接続可能である燃料出口とを備え、またカートリッジは、リザーバの膨張に抗するための1つ以上の補強要素を備える。補強要素は、カートリッジドッキングスロットに設けられた対応する1つ以上の補強要素と協働することが可能であり、および/またはカートリッジの内面に設けられた1つ以上のリブを備えることが可能である。
【0031】
さらに他の形態では、燃料電池に使用するための燃料カートリッジは、接続装置を通して燃料を燃料電池の燃料供給ループに分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備えることが可能であり、リザーバは、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、上壁に設けられかつ接続装置によって燃料供給ループに接続可能である燃料出口とを備え、またカートリッジには、カートリッジドッキングステーションに配置された対応する1つ以上のロックとの結合に必要な1つ以上の機械部材が設けられる。
【0032】
機械部材は、カートリッジの外面に設けられ、かつカートリッジドッキングスロットの内面に設けられた1つ以上のノッチと協働可能である1つ以上の溝を備え、および/またはカートリッジの外面に設けられ、かつカートリッジドッキングスロットの内面に設けられた1つ以上の溝と協働可能である1つ以上の隆起部を備え、および/またはカートリッジの外面に設けられ、かつカートリッジドッキングスロットの内面に設けられた1つ以上の隆起部と協働可能である1つ以上の溝を備え、またカートリッジの外面に設けられ、かつカートリッジドッキングスロットの内面に設けられた1つ以上の溝と協働可能である1つ以上の隆起部を備えることが可能である。機械部材は、それが、カートリッジドッキングステーションの対応する開口部に嵌合および係合することを可能にするように、ノッチ、ピン、隆起部、穴、または他の突出部を備え得る。
【0033】
他の形態では、燃料カートリッジは、接続装置を通して燃料を燃料電池の燃料供給ループに分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備えることが可能であり、リザーバは、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、上壁に設けられかつ接続装置によって燃料供給ループに接続可能である燃料出口とを備え、またカートリッジは、燃料をカートリッジから排出するために、1つ以上の圧力誘導要素によって壁部を開口することにより作動可能である。
【0034】
燃料はベローズまたはブラダーに収容することが可能であり、またカートリッジハウジングには、ベローズまたはブラダーを押し下げ、これによって、カートリッジの燃料出口を通して燃料を排出するために、ブラダーまたはベローズに接触しかつ作動要素によって作動可能である1つ以上のプレートまたはピストンが設けられる。作動要素は、カートリッジハウジングに設けられた1つ以上のスロットを通して1つ以上のプレートまたはピストンに作動的に関連付けられた1つ以上の外部ばねを備え得る。リーフスプリング、コイルばね、ワイヤスプリング、および/または他の任意のエネルギー蓄積構造が使用可能である。
【0035】
作動要素は、ばねとプランジャ要素との組み合わせを備えることが可能であり、プランジャ要素は、ベローズまたはブラダーを押し下げ、これによって、燃料出口を通して燃料を排出するためにプレートまたはピストンに作動接触し、および/または作動要素は、回転モータとねじとによって駆動可能なねじ付き作動ロッドを備えることが可能であり、この作動ロッドによって、カートリッジ内の1つ以上のプレートまたはピストンが押圧され、またこれによってベローズが押し下げられ、このようにして機械的外部加圧が行われる。
【0036】
圧力誘導要素は、カートリッジの燃料充填ブラダーと、カートリッジに設けられた小さい外側オリフィスと、燃料電池のシール面に圧接し、したがって加圧空気を供給するためのシールとを備え得る。シールはOリングであってもよい。
【0037】
外部電源要素によって、ポンプを駆動することが可能である。ポンプはピストン式ポンプまたはダイヤフラム式ポンプであり得る。圧力誘導要素は、カートリッジを加圧するために燃料内に配置された1つ以上の炭化水素を含むことが可能である。このような炭化水素は燃料内の混合物として用いることが可能であり、さらに、カートリッジは、カートリッジ内で燃料と炭化水素とを分離するように設けられている分離要素を備えることが可能である。追加の炭化水素は、燃料を収容するブラダーの外部に貯蔵され、および/または燃料を収容するブラダー内に配置されたバルーン内に貯蔵することが可能であり、またブラダーを加圧するために用いられる。
【0038】
他の形態では、燃料電池に使用するための燃料カートリッジは、接続装置を通して燃料を燃料電池に分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバと、を備えることが可能であり、リザーバは、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、上壁に設けられかつ接続装置によって燃料電池に接続可能である燃料出口と、流体加圧要素に接続可能な流体入口とを備える。
【0039】
いくつかの形態では、カートリッジは、燃料を囲むブラダーをさらに備えることが可能であり、また加圧流体は流体入口を通してブラダーと燃料リザーバの内面との間に導入される。リザーバの上壁および下壁の一方の中の栓によって、流体入口をシールすることが可能である。他の形態では、カートリッジは、リザーバの下壁内の栓、および栓と燃料出口との間に配置されたピストンを備え得る。ピストンが利用された場合、カートリッジは、ピストンの運動を監視するための位置センサをさらに備えるかまたはそれに接続することが可能である。ピストンの位置に基づいてプロセッサ内の燃料の量を推定するための位置センサに、プロセッサを接続し得る。さらに、いくつかの形態においては、水は、流体入口と燃料出口とを介してリザーバを通して循環される。
【0040】
他の形態では、燃料カートリッジは、燃料電池に接続するように構成されたハウジングと、ハウジングのオリフィスと、燃料源から燃料を収容するためのハウジングの入口と、燃料を燃料電池に供給するためのオリフィスの入口から分離された出口とを備え得る。
【0041】
別の形態では、装置は、燃料リザーバを形成するハウジングと、第1の位置で燃料リザーバ内の燃料を放出しかつ第2の位置で燃料リザーバ内の燃料を維持するばね作動弁とを備えることが可能であり、ばね作動弁は、第2の位置で弁を維持するための付勢要素と、燃料容器が燃料電池に接続された場合に付勢要素とは反対方向を向くようにまた弁を第1の位置に移動させるように外側部材を係合させるための収納部とを含む。
【0042】
さらに別の形態では、燃料電池用の燃料供給システムは、燃料容器、接続装置、供給サブシステム、燃料処理サブシステム、および制御サブシステムを備え得る。供給サブシステムは、接続装置に接続され、また接続装置から燃料処理サブシステムに燃料流を供給しまた制御することが可能である。制御システムによって接続されたソレノイド弁とポンプとを通して制御サブシステムによって、供給サブシステムを制御し得る。このようなポンプは、蠕動ポンプ、ピストンベースのポンプ、圧電ポンプおよび回転ポンプからなる群から選択することが可能である。
【0043】
供給サブシステムは、燃料処理サブシステムに供給されている燃料の濃度を決定するための燃料濃度センサを備え得る。濃度センサは、内部で、外部で、または内部および外部の両方で供給サブシステムに接続することが可能である。接続装置に接続された容器の存在を決定するために、容器と供給サブシステムとの間の供給ラインに、接続要素を接続し得る。接続検出要素は、マイクロスイッチを備える電気スイッチ、磁気スイッチ、近接センサ、光学装置または圧力センサからなる群から選択することが可能である。
【0044】
供給サブシステムは、それに流体接続された空気システムから水を回収するために逆止弁、サイホンまたはポンプを備え得る。燃料をアノードに接触させる前にアノード燃料流れ内で燃料を前処理するための燃料処理システムに、供給サブシステムを接続することが可能である。燃料前処理サブシステムは、燃料電池から二酸化炭素を除去するために、サンプと選択的に透過性の膜とから選択された要素を備え得る。処理サブシステムは、所定の温度に燃料を維持するための加熱要素を備えることが可能である。このような加熱要素は、熱交換器、蒸発器、蒸発冷却要素、電気抵抗ヒータ、セラミックヒータ、触媒加熱要素、燃料電池の熱伝達部、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択し得る。
【0045】
燃料処理システムは、燃料の不純物を除去するためのフィルタを備えることが可能である。フィルタは透過膜またはバリアであり得る。いくつかの形態では、燃料を気化させるための蒸発要素が設けられ、および/または水素と燃料とを分離するための改質要素が設けられる。制御システムは、接続装置、容器、供給サブシステム、および燃料処理サブシステムの作動を示す接続装置、容器、供給サブシステム、および燃料処理サブシステムから受信される信号を監視し、その後、補正信号または変更信号を送信して接続装置、容器、供給サブシステム、および燃料処理サブシステムの性能を調整するために、接続装置、容器、供給サブシステム、および燃料処理サブシステムに電気的に接続するか、RF接続するかまたはIR接続することが可能である。さらに、燃料供給システムの性能に関する情報をユーザに伝達するための外部ユーザインタフェースに、制御システムを接続し得る。
【0046】
制御システムを作動させるための電力要素が設けられ、また燃料電池、太陽電池、外部バッテリおよびそれらの組み合わせから選択されることが可能である。いくつかの形態では、制御システムは、燃料供給システムの作動のフィードバックを燃料供給システムに供給するためのフィードバック要素を備え得る。接続装置は、ハウジング内に設けられたピストンおよびばねからなるアキュムレータを備えることが可能である。流出した燃料流れに対して一定の安定した圧力を維持するための付勢力に、ばねを調整し得る。
【0047】
接続装置には、アキュムレータに接続された三方ソレノイド弁と、燃料が接続装置からアキュムレータに一方向に流れることを可能にするように構成された制御システムとを設けることが可能である。三方ソレノイド弁を制御するための制御システムに、三方ソレノイド弁を作動的に接続し得る。
【0048】
他の形態では、燃料電池用の燃料供給システムは、燃料を燃料ループにまた第1のピストン、第2のピストン、および第3のピストンに供給するための燃料容器を備える。第1のピストンは、液体が第1のピストンに導入された場合に、少なくとも1つの他のピストンを駆動するように作動可能である。第2のピストンは、第1のピストンが充填状態でも空の状態でも、燃料ループの周囲に燃料と水の溶液を汲み上げるように作動可能である。第3のピストンは、水回収システムから燃料ループに水を汲み上げるように作動可能である。
【0049】
また、燃料供給システムは、排気ガス凝縮物から回収された水を収集して貯蔵するように構成されたサンプを備え得る。他の形態では、燃料容器を挿入し得るカートリッジドッキングステーションを設けることが可能である。燃料容器を収納して固定するように撓ませることが可能または再配置可能なリーフ式スプリングまたはワイヤ式スプリングのようなばねまたは他の付勢要素を設け得る。ばねは、硬化金属、炭素繊維、プラスチックまたはセラミックから製造することが可能である。代わりに、カートリッジドッキングステーションは、燃料容器を固定するためにカートリッジドッキングステーションの外面に設けられた付勢プランジャ要素を備えてもよい。さらに他の代替形態では、カートリッジドッキングステーションは、燃料容器を固定するために、回転モータとねじとによって駆動可能なねじ付き作動ロッドを備えることが可能である。
【0050】
カートリッジドッキングステーションは、それに挿入された燃料容器の膨張を防止するための少なくとも1つの補強要素を備え得る。補強要素は、カートリッジドッキングステーションの外面にわたって平行リブを備えることが可能である。さらに、燃料容器の内部にまたドッキングステーションのリブに対して直角に、他のリブを設け得る。いくつかの形態では、カートリッジドッキングステーションは、燃料容器を取り外すために、滑らかな壁部とテーパ部とを備えることが可能である。
【0051】
燃料容器は、その中で機械的外部加圧を行うために、ケースの小さい外穴を有する燃料充填ブラダーとシールとを含む多様な構成をとり得る。このようなシールは、燃料容器に設けられかつ燃料電池のシール面に接触するOリングであることが可能であり、またインターロックは、加圧ポンプを作動させるための信号を送るように設けられる。
【0052】
燃料容器は、カートリッジドッキングステーションに接続するための1つ以上の接続要素を備え得る。接続要素は、燃料カートリッジに設けられた1つ以上の隆起部、溝、ノッチ、ピン、凹部、パターンと、カートリッジドッキングステーションに設けられた対応する収納部とを備えることが可能である。カートリッジドッキングステーションにおいて、好ましい特徴を認識し得る。
【0053】
また、燃料供給システムは、燃料を燃料電池スタックに移送するために、1つ以上の弁またはポンプを有する燃料処理サブシステムを備えることが可能である。それに加えてまたはその代わりに、燃料供給システムは、燃料の電気的特性、濃度レベルおよび性能を監視するために、燃料供給システム内に設けられた濃度センサを備えてもよい。いくつかの形態では、燃料供給システムは、燃料を燃料電池のアノード側に供給するアノード供給流れに燃料を混合する供給サブシステムを備えることが可能であり、および/または燃料は、乱流を促進して拡散混合するために、高速で燃料ループに導入することが可能である。重力、拡散、毛細管作用または外圧によって、燃料を燃料ループに供給し得る。
【0054】
燃料容器内の燃料のレベルおよび燃料の流量を検出するための検知要素を設けることが可能である。選択的に、排出要素を燃料容器に接続することが可能である。排出要素は、例えば、機械的な力を加えるピストンを備えることが可能であり、このピストンは、燃料電池ハウジングの部分と付勢ばねまたは弾性フォームとを含む。
【0055】
燃料供給システムは、燃料を燃料容器から燃料電池に移送し、かつ隣接する環境への燃料または燃料蒸気の漏れを防止するように燃料容器に確実に接続される接続装置を備え得る。それに関連して、推進ガスが燃料に混合または拡散せず、また燃料電池内を通過せず、一方、燃料が接続装置に供給されるように、容器内に推進ガスを収容すべく、燃料容器を構成することが可能である。
【0056】
他の形態では、燃料電池カートリッジ内部の正圧を維持する方法は、燃料電池カートリッジ内に、蒸気圧の高い炭化水素を加えるステップを含み得る。いくつかの形態では、この方法は、蒸気圧の高い炭化水素と燃料とを混合するステップと、燃料が燃料電池スタックに達する前に燃料容器内でガスと液体とを分離するステップとをさらに含むことが可能である。この方法は、蒸気圧の高い炭化水素によって、燃料容器内部に格納された燃料収容ブラダーを加圧するステップを含み得る。さらに他の形態では、この方法は、燃料を収容する燃料容器に収納されたブラダーの外部に、蒸気圧の高い炭化水素を貯蔵するステップを含むことが可能である。
【0057】
本発明は多くの利点を提供する。例えば、本発明は、燃料電池への燃料供給量の増加および制御を可能にするように改良された燃料電池に使用するための燃料供給システムを提供する。さらに、本発明は、外部圧力源を使用することなく燃料カートリッジ内部の正圧を維持するための方法を提供する。その上、本発明により、炭化水素燃料の内部蒸気圧による温度の上昇に関連する燃料電池の課題を克服することが可能になる。
【0058】
また、本発明は、偽造が横行する従来の燃料カートリッジにおける課題に対する解決方法を提供する。さらにもう1つの利点において、この燃料カートリッジは、燃料カートリッジの大きさおよびコストを最小限に抑えつつ、燃料リザーバの容積の増加を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
次に、例示的な添付図面を参照して、本発明について詳細に説明する。以下の説明は、主に、ダイレクトメタノール供給燃料電池に関連しているが、本発明を、他の液体、固体、蒸気またはエアロゾル供給燃料電池装置に使用し、またエタノール、ホルムアルデヒド、蟻酸、ホウ化水素を含む他の燃料、および他の炭化水素燃料で使用することも可能であることが当業者によって認識されるであろう。
【0060】
図1を参照すると、燃料容器1を接続装置2に接続することが可能であり、次に、この接続装置を燃料供給サブシステム3に接続することが可能である。燃料処理サブシステム4によって、燃料供給サブシステムを燃料電池スタック6に接続し得る。燃料流路は燃料供給部の上記のルートに従い得る。上記のすべての要素は、燃料供給システムの作動を監視して制御する制御サブシステム5に接続することが可能である。また、制御サブシステムは、燃料電池スタック6に、空気供給システム7に、バッテリまたはコンデンサ9のような電源要素に、またもしあれば、燃料電池によって作動される1つ以上の装置10に接続することが可能である。
【0061】
図1では、燃料電池の作動に必要な燃料を収容するように、燃料容器1を構成し得る。例示的な特徴では、容器1は、1ミリリットル〜10リットルの燃料、いくつかの形態においては、20〜500ミリリットルの燃料を貯蔵することが可能である。燃料は液体、ガス、固体、またはそれらの組み合わせであってもよい。燃料は、燃料電池を作動させるのに適切な炭化水素燃料、例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、トリメトキシメタン(TMM)、トリオキサン、蟻酸、ホルムアルデヒド、ブタン、プロパン、メタン、ブタン、プロピレン、エチレン、プロパノール、アルコール、グリコール、それらと水との混合物、および/またはそれらと酸との混合物、およびそれらと塩基との混合物を含み得る。また、燃料はアンモニアまたは他の任意の水素キャリアであることが可能である。代わりに、燃料は、水素化ホウ素ナトリウムのような化学的水素化物を実質的に含んでもよく、化学的水素化物と炭化水素燃料との組み合わせであってもよい。
【0062】
燃料容器1は、異なる燃料室で分離された2つ以上の燃料を収容し得る単一壁の燃料容器または多重壁の燃料容器であり得る。例えば、燃料容器1がメタノール燃料電池に使用された場合、一方の室はメタノールを収容することが可能であり、また他方の室は水を収容することが可能である。
【0063】
燃料電池容器1は、それを接続装置2に接続できるように意図された長方形状、角筒状、箱状、管状または他の任意の形状であり得る。好ましくは、容器1は、燃料を収容する程度に十分な構造的完全性を有する軽量で低コストの材料から製造される。模範的な材料は、収容された燃料との反応に対して実質的に不活性である押出アルミニウム、押出プラスチック、押出複合材および他の押出材料のような金属を含む。当業者は、容器1が、種々の形態で、例えば、連続表面(シールされた容器)、シールされていない容器内のブラダー、または固定されたおよび移動する連続表面(チューブ内のピストン)で燃料を閉じ込め得ることを認識するであろう。容器1は剛性であっても可撓性/変形可能であってもよい。容器1の一部またはすべては、容器に対する圧力を用いて容器1から燃料を排出し得るように圧縮可能な/膨張可能なベローズの部分を設けるべく波形にすることが可能であるか、または燃料を排出するように圧縮し得る薄壁(例えばブラダーまたは袋)を有する部分を有することが可能である。燃料を汚染しないように、さもなければ、容器1内の触媒装置または構成要素に影響を与えないように意図された多様な材料から、容器1の構造部材を製造することが可能である。
【0064】
本発明の燃料供給システムは、容器1を燃料電池に接続して燃料の移送を可能にするための接続装置2を含み得る。燃料電池に隣接する環境への燃料または燃料蒸気の漏れを防止するために、接続装置2が燃料カートリッジ8に確実に接続される。このシール部は、容器1が燃料電池に取り付けられた場合にシールされるシール部に弁を組み込むことによって、または接続装置2からの原料の流れを防止するための一方向弁を用いることによって得ることが可能である。使用可能な弁は、航空機に燃料を補給するために使用される弁のような「高速遮断」弁、機械的に作動される弁、電気機械的に作動される弁、ボール弁、またはスポーツ用品のボールをシールするために使用される弁のようなニードル弁を含む。また、容器1には、それが出荷または保管される場合に前記容器に設けられた燃料出口を覆うために、除去可能な接着剤またはバリアを付与することが可能であり、またこの接着剤またはバリアは、燃料が外部に流れることを可能にするように、接続装置2の部材によって除去または穿孔することが可能である。接続装置2からの燃料の望ましくない漏れを防止するために、接続装置には、Oリングまたは弾性膜のようなシールを利用することも可能である。接続時に、カートリッジ8の不注意による分離または望ましくない分離を防止するように、接続装置2を構成する必要があるが、この理由は、このような事象により、燃料電池の作動が中断し、また接続装置2の周囲の環境への燃料の放出が生じる可能性があるからである。前記接続装置の構成は、バヨネット取付具、緊急解除ロック、ねじ山、および戻り止めロック(ばね負荷ロックを含む)のような機械的ロック装置を含む複数の装置を使用することによって得ることが可能である。
【0065】
Oリングまたは機械的拘束手段のような摩擦装置(カートリッジの背後にある、例えばラップトップコンピュータのハウジングにあるロック)を使用して、カートリッジ8を固定することも可能である。接続装置2には、カートリッジ8と接続装置2との接続を検出するための要素を設け得る。この要素は、容器1または接続装置2に、すなわち電気回路の終端に位置するマイクロスイッチ、または磁気スイッチを含むことが可能であり、カートリッジ8が接続装置2内を前進した場合に前記スイッチのすべてが作動される。さらに、接続装置2内の光源の輝度を検出することによって、接続検出機構を作動させることも可能である。
【0066】
供給サブシステム3は、接続装置2に接続することが可能であり、主に、燃料を接続装置2およびカートリッジ8から燃料処理サブシステム4に供給しかつその供給を制御するように機能する。供給サブシステム3に燃料濃度センサを設けて、燃料処理サブシステム4に供給されている燃料の濃度を決定することが可能である。その代わりに、供給サブシステム3を外部燃料濃度センサに連通させてもよい。燃料電池によって利用される燃料に応じて、センサは、これらのすべてが参考として本出願に組み込まれている米国特許第6,254,748号明細書、米国特許第6,303,244号明細書および米国特許第6,306,285号明細書に記載されているようなメタノールセンサであり得る。また、濃度センサは、燃料の電気的特性または燃料電池の性能を測定し、認識された濃度レベルと測定値とを比較することによって(例えば電圧、電流および温度を測定することによって)濃度を決定することが可能である。濃度センサは、光学センサを使用して(回折測定、吸収測定、屈折率測定および輝度測定を利用して)または密度を測定することによって、濃度レベルを決定することも可能である。供給サブシステム3は、燃料をアノード供給流れに混合することが可能であり、このアノード供給流れにより、水とメタノールの混合物のような燃料が燃料電池のアノード側に供給される。供給サブシステム3は、図1に示したような循環システムであってもよく、燃料がアノードに向かってのみ流れる非循環システムであってもよい。
【0067】
燃料電池内の気泡を除去するように、供給サブシステム3を構成し得る。この除去は、二酸化炭素および/または他のガスがシステムから吐出されることを選択的に可能にするガス透過膜あるいは他の弁または膜を有するサンプを使用して達成することが可能である。燃料容器1内の燃料のレベルを検出するように、および/または燃料が供給サブシステム3を通過した量を決定するように、より具体的には、燃料容器1が空である場合を決定するように、供給サブシステム3を構成し得る。容器1から出るガスの有無を検出するような、および容器1内のガスの蒸気圧を検出するような種々の機構によって、または供給システム3を通過する燃料の量を測定することによって(燃料電池性能を監視するような、容器1の重量を監視するような、および容器1とその内容物の透過特性および/または反射特性を光学的に監視するような流量計または他の装置によって、あるいは視覚的に透明のまたは半透明の窓を容器1に設けることによって)、燃料レベルを決定し得る。これらの形態は、燃料(例えば、着色燃料)、および燃料よりも密度が低い液体(例えば着色液)を利用することによって、あるいは浮動フォームまたは固体によって補助することが可能である。同様に、供給サブシステム3は、種々の装置を使用して、ポンプ振動またはポンプ回転(ポンプがほぼ標準の燃料量を汲み出した場合の)を計数することによって、流量計の回転を計数することによって、燃料流れの容量を測定することによって、光学検出(特に燃料が着色されている場合の)によって、あるいは容器1内の磁化装置(例えばピストン)の位置を磁気的に検出することによって、燃料が供給サブシステム3を通過した量を検出することが可能である。
【0068】
供給サブシステム3によって燃料を供給するアノード供給流れに、燃料を混合し得る。燃料電池のアノード側には、水とメタノールの混合物のような燃料を供給することが可能である。供給サブシステム3は、循環システムであってもよく、燃料がアノードに向かってのみ流れるような非循環システムであってもよい。最初に、燃料をアノード供給流れに十分に導入した後に、最適な混合を可能にするように、メタノールの混合を行い得る。乱流を発生させ、さもなければ、供給流れを回転させ、パルス化し、振動させ、または曝気するように機能する混合装置によって、混合を行うことが可能である。希釈燃料の流れに対して直角に付加されている燃料が存在するTジャンクションを介して、燃料を加えることも可能である。他の形態では、流れを攪拌して、燃料が水と十分に混合されることを保証するように、ガスがアノード流れに導入される。燃料を高速で供給流れに導入し、さもなければ噴射して、乱流を、したがって、拡散のみによるさらに効率的な混合を促進することが可能であり、これによって、燃料電池の電力出力が向上する。
【0069】
一形態では、接続装置2ではなく、供給サブシステム3が、接続装置2に接続された容器1の存在を決定する。接続装置2に関する以上の説明と同様に、容器1の存在は、電気スイッチ(すなわち、接続装置2内の容器1に配置された電気回路に含まれるマイクロスイッチ)、容器1のインダクタンスまたはキャパシタンスのような特性を検知するための電気的特性検知装置、反射性と透過率と反射率のような光学的特性を測定する光学装置、光学式安全装置が所定の光学パターン(例えば、バーコードスキャナ)を検出した場合にのみ燃料電池を作動させる前記光学式安全装置、あるいは圧力変換器または機械的圧力作動スイッチのような容器1からの供給ラインの圧力を検出する圧力センサを含む異なる複数の手段によって決定することが可能である。
【0070】
液体供給燃料電池に使用するためのカートリッジの場合、供給サブシステム3は、容器1内に貯蔵する必要がある液体の量を最小限に抑えるために、供給サブシステム3に流体接続された空気システム7から水を回収することが可能であり、これによって、容器1の大きさが最小化される。他の形態では、空気システム7と供給サブシステム3との間の逆止弁を介して、サイホンを介して、またはポンプによって、水を循環させることが可能である。ポンプは、回転ポンプ、蠕動ポンプ、圧電ポンプ、またはピストンベースの(ソレノイドを用いてピストン運動を発生させ得る)ポンプ、圧力源によって作動されるポンプ(例えば、加圧燃料または推進ガスを使用してピストンポンプまたは回転ポンプを駆動するか、あるいはジェットポンプによって燃料、随伴する気泡、または流体を汲み上げ、これによって、別個の電動ポンプ、磁性ポンプ、または圧縮ポンプの必要性が排除されて、より簡単なシステムが可能になる容器1)、あるいは外部源であり得る。回転ポンプ、蠕動ポンプ、圧電ポンプ、またはピストンベースの(ソレノイドを用いてピストン運動を発生させ得る)ポンプのようなポンプを使用して、アノード供給流れを燃料電池内に循環させることが可能である。容器1のような圧力源によってまたは外部源によって、ポンプを作動させることも可能である。
【0071】
燃料をアノードに接触させる前にアノード燃料流れ内で燃料に事前処理ステップを受けさせるように、燃料処理サブシステム4を供給サブシステム3に接続し得る。他の形態では、燃料をアノードに接触させる前にアノード燃料流れ内で燃料を前処理するように、燃料処理サブシステム4を供給サブシステム3に接続することが可能である。燃料処理サブシステム4は、以下の機能、すなわち、(i)二酸化炭素をアノード燃料流れから除去する機能、(ii)アノード燃料流れを加熱する機能、(iii)燃料の不純物を除去する機能、(iv)燃料をエアロゾル化する機能(いくつかの形態において)、(v)供給流れを気化させる機能、および/または(vi)水素イオンを燃料流れから分離する機能の1つ以上を実行する。サンプまたは選択的に透過性の膜を使用して、二酸化炭素を除去し得る。熱交換器、蒸発器、蒸発冷却器のような種々の熱伝達装置を使用してまたはそれらの組み合わせを用いて、燃料を所定の温度に維持することが可能である。
【0072】
電気抵抗ヒータ、セラミックヒータ(触媒との化学反応による)のような従来の手段を用いて、または典型的に60℃以上で作動する燃料電池の高温部との熱交換によって、必要な燃料の加熱を行い得る。フィルタ(例えば、フォーム材料、多孔質セラミック材料、繊維材料および他のメッシュ材料)を使用してあるいは透過膜またはバリアによって、不純物を除去することが可能である。エアロゾル化された燃料を燃料電池スタックに供給する前記燃料電池において、燃料処理システムはエアロゾライザを含む(例えば、この内容が参考として本出願に組み込まれている米国特許第6,440,594号明細書を参照)。燃料処理サブシステム4は、加熱蒸発またはフラッシュ蒸発によって燃料を気化させることも可能である(システム内の圧力が燃料の蒸気圧よりも低い場合)。また、改質器を使用することによって、水素を燃料から分離するように、燃料処理システム4を構成し得る。
【0073】
燃料供給システムは、システム内の構成要素の種々のパラメータを制御および/または監視するための制御サブシステム5を含むことも可能である。制御サブシステム5は、構成要素の動作パラメータを示す信号を制御サブシステム5によって受信し得るように燃料供給システム内のすべての主構成要素に電気的に接続することが可能であり、また制御サブシステム5は、作動信号を送信して、各構成要素の性能を変更し、さもなければ調整することが可能である。また、燃料供給システム内の構成要素の性能に関する情報をユーザに伝達するためのユーザインタフェースに、制御サブシステム5を接続することが可能である。燃料電池によって、あるいはその代わりに、バッテリ9、太陽電池、コンデンサ、またはそれらの組み合わせのような外部電源によって、制御サブシステム5を作動させ得る。一形態では、燃料供給システムは、燃料レベルを示す信号を少なくとも1つのセンサから受信してこのような情報をインタフェースに伝達することによって、燃料電池内の燃料のレベルを示す信号を燃料電池のユーザに供給することが可能である。制御サブシステム5が、フィードバックを燃料供給システム内の構成要素に供給して、所定のパラメータ内における当該作動を保証するように、制御サブシステム5を準備し得る。
【0074】
図2Aは、本発明の燃料供給システムに使用可能な様々な種類の燃料カートリッジを示している。図2Bは、容器1から接続装置2への燃料移送の例示的方法を示している。作動中に、燃料電池を作動させるための燃料を中断させることなく供給し得る。図2Aに示したように、燃料を燃料電池の接続装置2に供給することが可能である。いくつかの形態では、容器1が開放された場合に、内部燃料が容器開口部に向かって流れるように、容器1内の燃料が圧力を受ける。容器の内圧は、(i)燃料内の圧縮ガス(例えばCO2または不活性ガス)により、(ii)室温における大気圧よりも大きい蒸気圧(例えばブタン)を有する燃料を使用することにより、(iii)室温における大気圧よりも大きい蒸気圧(例えばブタン)を液体(混和性燃料または非混和性燃料)に供給することにより、(iv)容器内の圧力が、弁の開口部がガスを放出する現在値(例えば20psig)よりも低くなった場合に開く圧力応答弁、または原料を分裂および反応させてガス(例えばCO2)を噴出する圧力応答弁により、あるいは(v)燃料の局部加熱または完全加熱(この場合、いくつかの形態においては、電気抵抗ヒータ(容器の外部または内部にある)、熱電気クーラ/ヒータ、または誘導ヒータコイル(金属容器の場合)を用いて熱が発生される)によって燃料の温度を上昇させることにより発生させることが可能である。
【0075】
カートリッジ8内部の正圧は、フォームを有するカートリッジに有用であり、また燃料をカートリッジ開口部に、さらに、そこから燃料電池スタックに移動させるために利用可能な他の力が存在しない構成に有用であり得る。燃料カートリッジ内部の正圧を維持する1つの方法は、蒸気圧の高い追加の炭化水素を燃料に加えることであり得る。追加の炭化水素の蒸気圧は、一般に、標準環境温度においてガス状になるように十分に高くてもよい。追加の炭化水素原料は、燃料電池成分(例えば、触媒)に有害とならないようにする必要があり、選択的に、炭化水素原料は燃料として用いることが可能であり得る。ダイレクトメタノール供給燃料電池では、ブタンを用いることが可能である。ブタンは、1気圧で−0.5℃の沸点と、室温で約45psiaの、または過剰でない有用な圧力である30psigの蒸気圧とを有する。加圧および燃料の両方に適切であり得る他の炭化水素は、ジメチルエーテル、またはプロパンを含む。
【0076】
一形態では、容器1内の内圧の代わりにまたはそれに加えて用いられる機械的な力を利用して、燃料が容器1から排出される。この機械的な力は、例えば、容器1内に設けられたピストンによって付与し、また燃料の貯蔵容量を低減するように構成することが可能である。ばねと、ねじと、モータと、ピストン作動装置が容器1の内部または外部に存在し得る空気圧手段または液圧手段とを使用することを含む従来の方法を用いて、ピストンが移動可能であり得る。容器1が、ブラダー、ベローズ、袋等のように可撓性であるかまたは変形可能であった場合に、機械的な力を用いて、容器を圧縮することが可能である。機械的な力の例は、ピストン、ハウジングの一部のような外側部材を含むことが可能であり、この外側部材において、燃料電池は、作動中に蓄電され、また付勢ばね、またはフォームのようなエラストマーによって加圧し得る。さらに、手で、あるいはボールペンまたはペーパークリップのような一般に入手可能な装置で、燃料が貯蔵されている容器を不正に変更するかまたは開放することができないように、容器1を構成することが可能である。
【0077】
一形態では、重力によって、拡散によってあるいは毛細管作用によって(または毛細管作用の補助によって)、燃料が接続装置2に供給される。液体を容器1の開口部に移動させる毛細管力は、付与することが可能であり、また(i)一定の気孔率を有するか、または開口部の近くで毛細管力を大きくするために燃料と比較して段階的な気孔率を有する、容器1内のフォームにより、(ii)燃料容器1内の粘弾性流体(接続装置2への導入を防止するために開口部で選択的に篩い分けることが可能である)により、(iii)ウィッキング材料(例えば、フェルト、繊維、織物またはフォーム)により、あるいは(iv)容器1内の1つ以上の毛細管チューブにより発生させることが可能である。毛細管力および内圧の組み合わせによって、ならびに外圧によって、容器1からの燃料の排出を実現し得る。組み合わせた圧力は、液体を毛細管材料から排出する程度に十分な圧力であることが可能であり、またガスが利用された場合には、ガスは最初に容器1から漏れることなく液体を排出することが可能である。一形態では、ガス通気孔を容器1にまたは燃料供給システムの任意の位置に組み込んで、燃料が容器1から排出された後にまたは圧力安全弁として通気を行うことが可能である。
【0078】
燃料供給システム内のポンプまたは他の圧力源の必要性を低減または排除するように、燃料を接続装置2に導入し得る。液体メタノール供給燃料電池の場合、水と最も効率的に混合して、燃料電池膜電極アセンブリと最適に相互作用し得る溶液を形成するように、燃料を導入することが可能である。1つ以上のオリフィスまたは流路を通して燃料を噴射して、燃料供給流れに乱流作用または対流作用を発生させることが可能である。その代わりにまたはそれに組み合わせて、容器1から接続装置2を通してシステムに導入された燃料を加圧してもよく、あるいは容器1から燃料を吐出させることにより、燃料供給流れを循環させるポンプが回転し、さもなければ作動するように、容器1が推進ガスを含んでもよい。このような構造により、表面積当たりの出力を、純粋な拡散システムよりも増大させることが可能になり、また燃料供給システムのコスト、大きさおよび複雑さを増大させる電動ポンプ、磁気ポンプ、蠕動ポンプ、または圧縮ポンプの必要性を排除または低減することが可能になる。
【0079】
他の形態では、推進剤(例えば、ガス)が、燃料と混合または拡散せず、そして燃料電池内を通過せず、一方、燃料が接続装置2に供給されるように、容器1内に推進剤を収容すべく、容器1を構成し得る。推進剤は、(i)従来のエアロゾル供給装置に使用される袋またはブラダーと同様の容器1内の袋またはブラダー、(ii)圧縮原料を貯蔵する膨張可能な容器(例えば、圧縮ガスを有するバルーン)、(iii)袋またはブラダーの外部にある破裂可能なカプセル、(iv)ガスと液体とを分離するピストン、(v)圧力応答弁に接続された室、あるいは(vi)燃料(推進剤が燃料に対して不活性でないように意図されている)を囲む室を含む異なる複数の機構によって貯蔵することが可能である。
【0080】
いくつかの燃料電池において、また燃料供給方法に応じて、容器1から出る燃料の流量を制限することが望ましいかもしれない。模範的な制限装置は、計量オリフィス、容器内の多孔質材料、容器の開口部の多孔質要素、開口部のウィッキング材料、流量制限弁等を含む。燃料移送ポンプの動作パラメータを制限することによって、流れを制御することも可能である。このような制限装置により、一貫した作動のために燃料電池が必要とする流量(すなわち、ダイレクトメタノール燃料電池では、0.4ミリリットル/時間/ワット〜20ミリリットル/時間/ワットの流量で十分である)の燃料を供給しつつ、燃料が接続装置2の外部の容器1から誤って漏れないことが保証される。
【0081】
他の形態では、容器1は、万一、容器1内の圧力が所定のレベルを超えた場合に、このような圧力を軽減するために、放出機構を備え得る。このような1つの放出機構は、所定の圧力レベルに達した場合に開く吹出し弁、例えば、容器のオリフィス内に装着された感圧ゴム栓であり得る。他の機構は、容器開口部からの燃料の放出を遅延させ、および/または液体燃料の場合には燃料の気化を遅延させるフォームまたはゲル化剤のような材料を燃料内に含むことが可能である。感圧通気孔、および選択的に透過性の膜も使用可能である。
【0082】
本発明の燃料供給システムの作動では、燃料は、容器1から、(i)燃料電池に接続された1つ以上のチューブを通して、(ii)接続装置内に収容されたウィッキング材料(燃料電池内の燃料回路に連通し得る)を通して、(iii)容器(この容器は、同心または同軸であり得る2つの別々のチューブであってもよい)を通した燃料流れ(例えば水中の希釈メタノール)の一部またはすべての循環を可能にする2つのチューブを通して、あるいは(iv)燃料の流出ならびにガスおよび/または液体の流入を可能にする2つのチューブを通して排出することが可能である。
【0083】
燃料供給システムは、燃料カートリッジをドッキングステーションのシール面に確実に固定することも可能である。円筒状カートリッジの場合、例えば90°回転式ロックを必要とするバヨネット式ロックが使用可能である。図6に示したようなエアロゾルシリンダ71の場合、成形プラスチックエンドキャップ72は、接着剤でまたは機械的に取り付けることが可能であり、キャップ72は、それが把持されて回転されることを可能にするための要素を有する。バヨネットロック69は、係合解除に必要なトルクが、子供に安全な特徴を付与する程度に十分に高くなるようなものであり得る。バヨネットロックは種々の形式であることが可能であり、ここでは、ピン・ノッチ構造が図示されており、雄部または雌部がカートリッジに存在することが可能である。
【0084】
本発明の方法では、制御サブシステム5からの信号を受信して電気で作動することによって開かれるソレノイド弁11(図3)のような弁または他の作動機構によって、あるいは蠕動ポンプ、ピストンベースのポンプ、圧電ポンプまたは回転ポンプのようなポンプによって、流体の流れを活性化し得る。燃料をカートリッジ8から燃料電池スタック6または燃料処理サブシステム4に移送することに加えて、カートリッジ8を取り外す場合には、前記弁およびポンプを使用して、接続装置2からの燃料の流出を防止することが可能である。多数のフォーム、フェルトまたは織物の異なる毛細管現象および表面特性を用いて、燃料移送を実現することも可能である。
【0085】
制御システム5により、本発明の燃料供給システム内の異なる構成要素の種々のパラメータの制御が可能になる。構成要素の動作パラメータを示す信号を受信するように、制御システム5を燃料供給システム内の主構成要素に電気的に接続し得る。次に、制御サブシステム5は、作動信号を送信して、各構成要素の性能を変更/調整することが可能である。また、燃料供給システム内の構成要素の性能に関する情報をユーザに伝達するためのユーザインタフェースに、制御サブシステム5を接続し得る。燃料電池自体によって、あるいはバッテリ9、太陽電池、コンデンサまたはそれらの組み合わせのような外部電源によって、制御サブシステム5を作動させることが可能である。
【0086】
図4は、燃料供給システム内の種々の構成要素を示している。図4には、容器1、接続装置2、燃料電池スタック6、空気システム7、水戻りライン12、制御サブシステム5が示されている。容器1は、押出成形されたアルミニウム貯蔵器内に、20〜500ミリリットルの純粋なメタノールを含み得る。容器1は主円筒部とドーム形端部とを有し得る。容器1は、変形することなく、著しく加圧された(例えば、100psig)内容物に耐える程度に十分な構造的完全性を有することが可能である。
【0087】
図5は、エアロゾル容器61に接続されている場合の接続装置2の他の形態の図面である。寸法「B」の機械的ラッチ62は、容器1を接続装置2の表面Cに確実に保持するように容器1の部分に係合する。最小限の、例えば2cc/分のメタノールが流出することを可能にするのに必要な最短距離である距離Dだけ、表面Cを押し下げることによって、雌型エアロゾル容器弁65の移動可能なシール面64を作動させるように、長さAのチューブ63を設けることが可能である。ガスケット66により、チューブ63が弁本体65にシールされることが可能になり、これによって、チューブ孔63へのメタノールの漏れが制限され、またチューブ63が引き抜かれた場合には容器1が再シールされる。
【0088】
図6は、燃料を貯蔵するために使用可能なエアロゾル缶容器61の図面である。容器61は、一方の端部に向かう開口部67と、それと反対側の端部に向かうプラスチック末端68とを有するハウジング66を備え得る。開口部67は、容器61を接続装置2に固定するためにバヨネット式ロック69を備えることが可能である。燃料および水と相溶性を有するかまたは燃料および水に溶け込むことが可能である接着材料によって、末端68をハウジング66に固定し得る。
【0089】
液体メタノール供給燃料電池に使用するための燃料供給システムの他の形態が図7に示されている。加圧ガス82とメタノール83とを分離するためにブラダー81を組み込んでいる衝撃押出成形されたアルミニウムの容器1を設けることが可能である。加圧ガス82は、廃棄の問題を最小にするような環境に優しいガス、例えば二酸化炭素であり得る。図5に示したようなおよび上記のような接続装置2を使用して、容器1に接続することが可能である。次に、ハウジング87内にピストン85とばね86とを含むアキュムレータ84に、接続装置2を接続し得る。流出したメタノール流れに対する比較的一定の安定した圧力を維持するように、ばね86の付勢を選択することが可能である。三方ソレノイド弁81aは、アキュムレータ84と制御サブシステム5とに接続することが可能であり、またメタノール83が接続装置2からアキュムレータ84に流入しまたアキュムレータ84から流出することを可能にするように構成することが可能である。さらに、制御サブシステム5によって、三方ソレノイド弁を制御し得る。フローレストリクタ88は、電池スタック9用の燃料供給ループ内に吐出されるメタノール83の流量を制御することが可能である。メタノール濃度に応答して、電圧信号を制御システム5に供給するように、メタノールセンサ83aを燃料供給ループに連通させることが可能である。制御システム5は、メタノールセンサ信号を濃度レベルに関連付け、またメタノール濃度が所定値よりも低下した場合に常に作動信号をソレノイド81aに送信することが可能である。この形態は、メタノール供給量および圧力に関する改善された制御を提供し、フェイルセーフ漏れ防止システムは、いずれかの位置におけるソレノイドの故障により燃料電池からの漏れまたは推進ガスの過剰圧力が燃料ループの内部に発生することを防止し、また各ピストンの作動は、容器内に残留する燃料のレベルのより正確な推定を行うように計数することが可能である。
【0090】
図8は、図7に示した形態に関連して使用されている種類の容器1と接続装置2と制御システム5とメタノールセンサ91とを含む燃料供給システムの他の形態を示している。図8に示した形態では、ばね負荷されるか、さもなければ、ばね付勢される3つ以上の一連の連結ピストンP1、P2、P3が設けられる。第1のピストンP1は、液体が、加圧された容器1から第1のピストンP1に導入された場合に他の2つのピストンP2、P3を駆動し得る。第2のピストンP2は、燃料供給ループの周囲にメタノール+H2O溶液を汲み上げることが可能であり、また二重に作用し、この結果、第1のピストンP1が充填状態でも空の状態でも、ピストンP2が汲み上げを行う。第3のピストンP3は、サンプ93に貯蔵された貯蔵H2Oを空気システム94の水回収部から燃料ループに汲み上げることが可能である。空気供給システム94の排気ガス凝縮物から回収される水を収集して貯蔵するように、サンプ93を構成し得る。「H2O補給」ラインの圧力が、予め設定された値を超えた場合に(例えば、燃料ループからの水損失が、試みられた水補給よりも少なかった場合に)、圧力逃がし弁95は、水をサンプ93に導いて戻すことが可能である。さらに、ピストンと一体であることが可能でありまた逆流を制御しかつ液体を意図通りに循環させる複数の逆止弁(例えば、フラッパ弁)V1、V2、V3、V4、V5、V6を設け得る。図8の形態は、カートリッジが存在しない場合に燃料電池からのメタノールの逆流を防止するか、またはソレノイド弁が、万一、誤作動しまた一方の位置に留まっている場合に過剰圧力が燃料電池内に発生することを防止するフェイルセーフシステムを設ける。また、ピストンストロークの数と、容器内に残留するメタノールとを関連付けることによって、燃料レベルを決定し得る。さらに、このシステムは、推進ガス圧力を用いて、燃料ループ循環ポンプを駆動することが可能であり、これによって、別個の電気駆動ポンプが省略される。この形態に、第3のピストンP3を使用して、空気システム構造に依存する水補給ポンプの必要性を排除することも可能である。
【0091】
容器1は、フォーム16の毛細管作用とガス圧との組み合わせを利用して、メタノールを排出することが可能である。容器1に使用可能なフォームは、容器1が垂直に向けられた場合に燃料を開口部に上昇させる程度に十分な毛細管力を有しなければならない。しかし、毛細管力は、「残留物」、すなわち、捕捉されたままの除去できない燃料を形成することが知られている。本発明では、この「残留物」は、開口部に向かって徐々に大きくなる毛細管力を用いることによって克服されるかまたは最小限に抑えられる。いくつかの形態では、フォームは、耐爆発性を有し、また容器1内の燃料の点火に関連する二次損傷を低減するように機能することが可能である。このことは、図9と図15A〜図15Fに示されている異なる複数の手段によって実現し得る。
【0092】
例えば、気孔の大きさを低減したフォームを用いることによってまたはフォームと毛細管チューブとを用いることによって、カートリッジの開口部に向かって徐々に大きくなる毛細管力を実現することが可能である。フォームは、50%〜99%の気孔率を有するオープンセル構造を有しかつ親水性を有すると共に燃料と相溶性を有する材料を含み得る。メタノールのための例示的な材料は、ポリエーテルフォームまたはポリエステルウレタンフォームのようなポリウレタンフォームを含む。ポリウレタンフォームは、フェルト状フォーム、網目状フォーム、またはフェルト状網目状フォームであり得る。フォームがフェルト状であった場合、フォームは、ほぼ3:1の圧縮比を有することが可能であり、また十分な量の熱および圧力を加えてフォームをその元の厚さのある割合(例えば元の厚さの1/3)に圧縮することによって製造することが可能である。フェルト状フォームは、毛細管作用を増大させるより小さい気孔(例えば、気孔の数が1インチ当たり60〜80個の範囲にある)を提供する。エアロゲルと、多孔質セラミックと、多孔質シリコンと、毛細管作用を有する他のマイクロ材料およびナノ材料とを含む同様の特性を有する他の材料を利用して、より大きい毛細管力を提供することが可能である。このような材料は、LIGAのようなリソグラフィ法、ナノインプリント法、X線法を用いて、また生体適合材料から製造することが可能である。
【0093】
図14Aでは、圧縮可能でありかつ楔状に形成されるフォーム21を使用可能である。楔形状は、開口部23の最も近くにある気孔が最小である(すなわち最大の毛細管力を有する)ように固定寸法のケース22に挿入された場合に、徐々に大きくなる気孔圧縮を生じさせる。図14Aに示した形態は、フォーム21の拡大図、フォーム21をカートリッジケース22に挿入する前のケース22の拡大図、ならびに開口部23に向かうより小さい大きさの気孔24と、開口部23の反対側の燃料カートリッジケース22の端部に向かうより大きい大きさの気孔とが示されている、フォーム21をケース22に挿入した後のケース22の概略図を含む。
図14Bは、少なくとも2個のフォームブロック21a、21b、21c、21dを組み込むことによって、徐々に大きくなる気孔圧縮をカートリッジケース22の開口部23に向かって実現し得る他の形態の概略図である。開口部23のより近くにある各ブロック(例えば、部分)は、以前のフォームブロックよりも小さい大きさの気孔を有する。したがって、図14Bでは、フォームブロック21aは、フォームブロック21bよりも小さい大きさの気孔を有する。同様に、フォームブロック21bは、フォームブロック21cよりも小さい大きさの気孔を有し、以下同様である。任意の数の、典型的に2〜100個のフォームブロック21a、21b、21c、21dを使用し得る。いくつかの形態では、漸次の気孔圧縮を実現するために、3、4個のフォームブロック21a、21b、21c、21dが利用される。
【0094】
図14Cでは、開口部23に向かう漸次の気孔圧縮は、異なる多孔質のフォーム21a、21b、21c、21dを環状にまたは同心に配置することによって実現することが可能であり、最小の気孔フォームは、中央にあり、開口部23に接続される。
【0095】
代替形態が図14Dに示されており、この代替形態は、より大きい大きさの気孔を有する可撓性フォーム21bに挿入される1片の円錐形フォーム21aを備え、これによって、楔の最も近くにある可撓性フォーム21bのフォームの気孔が加圧され、このようにして、カートリッジケース22内の気孔の大きさが低減される(例えば図14Eを参照)。
【0096】
図14Fは、フォーム21に挿入される小さい孔の毛細管チューブ25を使用することによって、カートリッジケース22の開口部23に向かう毛細管力の漸次増大を実現する代替方法を示している。毛細管チューブ25の孔は、カートリッジ22が垂直に向けられた場合に、毛細管力により燃料を開口部23に上昇させることができる程度に十分に小さい直径を有することが可能であるが、それよりも小さい直径を有することも可能である。毛細管チューブ25は、親水性であると共に燃料と相溶性を有する任意の材料からなり得る。例えば、ガラス毛細管チューブは、容易に入手可能であり、安価であり、また不活性であるという点で有利であり得る。一例としては、0.1mmの孔を有するガラス毛細管チューブがある。
【0097】
ピストンポンプ、圧電ダイヤフラムポンプ等のようなポンプによって、または連続する毛細管通路によって、開口部23に達した燃料を燃料電池スタック9に移送し得る。供給サブシステム3は、制御システム5によって電気的に作動されるソレノイド弁を備えることが可能であり、このソレノイド弁は、メタノール濃度が非常に低い場合には、メタノールが燃料電池供給流れ3に常に流入することを可能にするように構成される。供給サブシステム3に接続された制御システム5は、燃料電池スタック(あるいは選択された1つまたは複数の電池)の電圧、電流、および温度の状態を検知し、この状態を、積分アルゴリズムまたは「ルックアップ」テーブルを用いることによって、条件を満たすのに必要なメタノール濃度に相関させ、それに続いて、メタノール濃度が低すぎた場合には、作動信号をソレノイドに常に送信する。
【0098】
図9に示した例示形態では、オープンセルフォーム充填材または他のウィッキング材料21は、カートリッジ22内で使用することが可能であり、またカートリッジ22の内部の蒸気圧の高い炭化水素と共に、より大きい毛細管引力を、開口部23に向かう燃料に付与し、これによって、燃料を開口部23から、燃料供給システムに設けられた燃料電池に強制的に移動させる正圧を供給するために、より小さい気孔を開口部23のより近くに備えることが可能である。図9の形態において、ほぼ均一な気孔密度24を有する1片の楔状フォーム21をケース22に押し込むことによって、段階的な気孔率を実現することが可能であり、このようにして、より小さい気孔が開口部23の近くに効果的に形成される(図示せず)。
【0099】
代替形態では、フォーム21の気孔よりも小さい気孔27を有するペレット26をフォーム21内にまた開口部23を通して挿入することが可能である。追加の炭化水素は、2.7psiaの蒸気圧を有するメタノール燃料と比較して、室温で約45psiaの蒸気圧を有するブタンであってもよい。さらに、ブタンはメタノール燃料電池の作動に無害である。最小の気孔フォーム/ウィッキング材料の毛細管保持力を克服するように、十分なブタンを加えることが可能である。加圧源および燃料源の両方に適切な他の炭化水素は、例えば、ジメチルエーテルまたはプロパンを含む。
【0100】
図10に示したような一形態では、任意の膨張または他の外圧に耐えるように補強し得るカートリッジドッキングスロット111を介して、カートリッジ112を燃料電池に接続し得る。平坦で滑らかな内壁113と極めて僅かな大きさのテーパ部とを設けることによって、開口部110を通したカートリッジ112の取り外しを補助することが可能である。図10の形態では、カートリッジドッキングスロット111の外面115に設けられる1つ以上のリブ114を使用することによって、カートリッジドッキングスロット111の補強を実現し得る。他の形態では、ドッキングスロット111内の膨張に対する耐性を向上させるために、カートリッジ内部117において、ドッキングスロットリブ114に対して直角にリブ116を設けることが可能である。補強されたカートリッジドッキングステーションは、角筒状でないハウジングを有するカートリッジを収納するために他の形態をとってもよい。
【0101】
図11Aに示した形態では、カートリッジ121は、カートリッジドッキングステーション122の好ましい対応するロックを有する1つ以上の機械部材を備え得る。図11Aの例示形態では、カートリッジドッキングステーション122の内面124に設けられた対応する1つ以上のリッジR1に係合および嵌合させるために、カートリッジ121には、その外面123に設けられる1つ以上の溝G1を備えることが可能である。同様に、カートリッジ121の外面123に設けられた隆起部R2に係合および嵌合できるカートリッジドッキングステーション122の内面124に、溝G2を設けることが可能である。両方の形態を組み合わせることによって、偽造カートリッジの使用を防止することも可能になり得る。図11Bの形態では、カートリッジ121に設けられた機械部材は、カートリッジ121が、カートリッジドッキングステーション122の対応するオリフィス125、125aに嵌合および係合することを可能にするように、切欠きN、ピンP、隆起部R、穴H、または他の突出部を含むことが可能である。
【0102】
燃料を収容するためのカートリッジケース内で、また外部ばねまたは外部アクチベーターによってスロットまたは穴のようなケース開口部を通して押圧されるブラダーに対するプレートまたはピストン内で、ベローズまたはブラダーを使用し得る。図13A〜図13Fに示したように、外部ばねまたは外部アクチベーターは、カートリッジが挿入されるドッキングステーション内のある部分に留まることが可能である。
【0103】
図12Aは、少なくともカートリッジ131の上面133に1つ以上のスロット132を備え得るカートリッジ131の形態の概略図である。カートリッジドッキングステーション(図示せず)の内部に設けられた外部ばね/外部アクチベーター(同様に図示せず)を収納するように、またカートリッジドッキングステーション内に設けられたプレート/ピストンを押し下げ、次に、このプレート/ピストンが、燃料を収容しかつカートリッジケース内に収納されたベローズまたはブラダーを押し下げるように、スロットを構成し得る。
【0104】
図12Bと図13Cに示した形態は、角筒状カートリッジの機械的カートリッジ外部加圧を実現し得る方法を示している。カートリッジ131はその内面に金属プレート134を備えることが可能であり、カートリッジ131をカートリッジドッキングステーション135に挿入すると、前記金属プレートが、1つ以上のばね136の作用によって押し下げられて、カートリッジケース131の内部に設けられたベローズ/ブラダー137を加圧する。ばねは、カートリッジ131を収納し、次に金属プレート134を締め付けるように撓ませることができるリーフ式スプリングまたはワイヤ式スプリングであり得る。1つまたは複数のプレート134は硬化金属から製造することが可能であるが、炭素繊維またはプラスチックまたはセラミックのような他の材料を使用することも可能である。1つまたは複数のばね136が1つまたは複数のプレート134を押し下げることを可能にするために、カートリッジ131の1つまたは複数の側面には、1つ以上のスロット132を設けることが可能である。
【0105】
図12Dでは、ばね136は外側プランジャ138を押し下げ得る。ばね136はリーフ式またはコイル式であることが可能であり、またプランジャ138はカートリッジケース131の任意の表面に設けることが可能である。次に、プランジャ138は1つまたは複数のプレート134を押し下げることが可能であり、これにより、ベローズ137において機械的外部加圧が行われる。
【0106】
図12Eに示した形態では、回転モータMとボールねじSとによって、ねじ付き作動ロッド139を駆動することが可能であり、これにより、カートリッジ131内のプレートまたはピストン134が押圧される。プレートまたはピストン134はカートリッジ131の任意の表面に位置し得る。作動ロッドのこの動作によって、プレートを押し下げ、したがってベローズ137を押し下げることが可能になり、これにより機械的外部加圧が行われる。
【0107】
図13を参照すると、中央オリフィス149を有するケース141に、燃料充填ブラダー142を設け得る。小さい外側オリフィス143およびシール144をケース141に設けることが可能である。カートリッジ141を燃料電池に挿入し、それに続いて、ブラダー142とケース壁部141との間で加圧空気をカートリッジ141に強制移動させることにより、燃料の加圧が行われる。シール144は、カートリッジ141に取り付けられたOリングであることが可能であり、このOリングは、燃料電池に取り付けられたシール面145に圧接する。インターロック147はポンプ148に信号を送って、加圧空気を供給することが可能である。ポンプ148は、小型ポンプであることが可能であり、燃料電池バッテリ(図示せず)により電気駆動され、また任意の形式であることが可能である。他のポンプはピストンベースまたはダイヤフラムベースであり得る。燃料電池内の空気循環ポンプまたは空気循環ファンのような他の機構によって、加圧空気を供給することも可能である。
【0108】
他の形態では、図15A〜図15Cに示したように、燃料の追加の炭化水素を用いてカートリッジを加圧することが可能である。図16Aでは、メタノール燃料内の混合物として、追加の炭化水素を用い得る。気体成分と液体成分とを分離するための要素/機構をカートリッジに、または燃料電池スタックに達する前の位置に設けることが可能である。図16Aに示した形態では、加えられた炭化水素に関連して、気孔の大きさが異なる2つのフォームを利用し得る。
【0109】
図16Bでは、追加の炭化水素は、燃料(メタノール)を収容するブラダー161の外部に貯蔵することが可能であり、またブラダー161を加圧するために用いることが可能である。図16Cでは、追加の炭化水素を用いて、バルーン161を加圧するか、または燃料が供給されたブラダー161を収縮させることが可能である。この形態では、追加の炭化水素をバルーンまたはブラダー161に設け得る。模範的な一形態において、容積100ccのカートリッジが、85ccの液体メタノールを有し、また燃料供給の端部において初期圧力が100psigであり、最小圧力が0.2psig(すべてのメタノールが排出された場合)であったならば、体積が約117ccのガス状ブタン(20℃において)をカートリッジに加えることが可能である。標準環境温度においてガス状である蒸気圧の高い他の炭化水素、例えばジメチルエーテルまたはプロパンを用いることも可能である。
【0110】
いくつかの形態では、図16Aに示したように、加圧燃料を使用して、定量ポンプの作動のような補助的な作業を行うことが可能である。燃料圧力とリターンスプリング156とによって、ポンプ154を駆動し得る。ピストン155の各ストロークにより、推定された残留燃料を供給することが可能である。燃料カートリッジ150に接続され、その後に、制御ライン152に電気的に接続し得るソレノイド弁151に接続されたラインに、ポンプ154を接続し得る。
【0111】
投与ポンプ154に、ばね作用を付与して、加圧されたカートリッジ150からの燃料圧力を調整することが可能である。カートリッジ150内の燃料供給圧力は、燃料が引き出されるときに変化することが可能であり、また燃料電池スタックは、より低い圧力を必要とし得る。フローレストリクタ153と、投与ポンプキャビティが充填されたときに閉じるソレノイド弁151とを使用することによって、ばね、膨張ブラダー、またはブラダーのガス圧の力で制御される範囲に燃料供給圧力を維持し得る。例えば、50Wの燃料電池では、0.78ccのピストン容積により、毎分、ほぼ一回のストロークが行われる。ばねは、ソレノイド弁が閉じた後に燃料供給圧力を維持し得る。直径1cmx長さ1cmのピストンキャビティでは、ストロークにわたって約0.122〜0.025ポンドの力を有するばねにより、約1.0〜0.2psigの圧力を維持することが可能である。ポンプは、より簡単な構造を提供する図16Bに示したダイヤフラム式であり得る。図16Bのダイヤフラムポンプは、例えば、可撓性ネオプレンダイヤフラム157を利用して、燃料を閉じ込めると共にばね圧力を供給する。最初にマンドレル158を介してネオプレンダイヤフラム157を膨張させて、予負荷力を供給することが可能である。図16Cに示したように、ダイヤフラムは可撓性である必要はない。この場合、燃料に対する戻り圧力は、ベローズ、ブラダー、またはダイヤフラム160の反対側の加圧ガス159によって供給される。上記のすべての形態において、ピストンの最大戻り圧力が、カートリッジからの燃料の最小出口圧力を超えることはない。ソレノイド弁が開かれたときに圧力の急上昇を防止するために、ピストン/ダイヤフラムと燃料電池スタックとの間のラインに、フローレストリクタを設け得る。
【0112】
図17は、ハウジング33、容器1からの燃料を収容するための入口31、摺動シール34(例えば、Oリング等)、プランジャ機構37、プランジャ機構37を付勢する一連のばね38、および加圧流体/推進流体出口32を有する二重チューブ接続装置30を示している。さらに、プランジャ機構37内には、第1の燃料出口35および加圧入口32がある。このような装置はスプール弁と同様である。この接続の特徴は、カートリッジの側面を閉鎖位置にばね負荷し得ることである(すなわち、流体流開口部は、互いにシールおよび分離され、またドッキング時に好ましい部材を挿入することによってのみ開かれる)。プランジャ機構37が、燃料出口35および流体入口32の反対方向に(またばね38の付勢方向の反対方向に)移動された場合、燃料出口35は入口31と連通し、また流体入口36は流体出口32と連通することになる。このような形態は、加圧源(例えば、燃料を移動させるための推進剤)を有しない容器1に用いることが可能である。燃料出口35が入口31と連通せず、また流体入口36が流体出口32と連通しないように、ばね38がプランジャ機構37を付勢する。さらに、このような形態は、ブラダーおよび/またはフォームを利用する燃料容器に関連して用いることも可能である。
【0113】
手動でまたは自動駆動機構(例えば、ソレノイドアクチュエータ)によって、プランジャ機構37の移動を行い得る。その代わりに、プランジャ機構37をドッキング機構または接続装置内に固定してもよく、また容器1を挿入することにより、プランジャ機構37がばね38の付勢方向とは反対方向に移動させられる。この後者の形態では、流体が流体出口35または流体入口36に流入することを選択的に防止するように、弁または他の機構を組み込むことが可能である。
【0114】
図18Aを参照すると、凹端を有しまたその反対側の端部にオリフィス169を有する燃料容器163は略円筒状であり得る。容器内において、ブラダー165あるいは他の圧縮材料、可撓性材料、折り畳み可能な材料、および/または弾性材料(例えば、ネオプレン)によって、燃料167を囲むことが可能である。ブラダーと容器163の外壁との間に、揮発性炭化水素(例えば、液体ブタン)のような推進剤171を配置し得る。ブラダー165は、利用される推進剤および燃料167の両方と相溶性を有するべきである。この形態では、最初に、推進剤171は、オリフィス169を介して容器163内に配置され、それに続いて、ブラダー165および燃料167に配置されることが可能である。その後、オリフィス169をシールし得る。
【0115】
図18Bは、略円筒状でありかつ燃料179を囲む推進剤175を含むことが可能である燃料容器173を示している。オリフィス181の反対側において、燃料容器173は入口ポート177を備え得る。ポート177は、例えば、燃料容器173の壁部内の開口部をシールするためのゴム栓または他の機構であり得る。この形態では、開口部181を介して、燃料179を燃料容器173内に配置することが可能であり、それに続いて、前記開口部がシールされる。その後、それに続いて、入口ポート177を介して、推進剤175を燃料容器173に導入し得る。選択的に、ブラダーは燃料と推進剤とを分離することが可能である。
【0116】
図18Cを参照すると、燃料197を収容する容器183の一部を圧縮するように作動可能なピストン185を備え得る燃料容器183が示されている。オリフィス199には、燃料197を燃料電池に供給するための出口が設けられる。ピストン185を挟んで燃料197の反対側に、推進剤189が存在し得る。Oリングのようなシール187により、燃料197からの推進剤189をシールし得る。ピストン185は、ピストンの移動を検出する位置センサ193を含むかそれに接続することも可能である。一形態では、ピストン185は、位置を決定するために、位置センサ193によって検出される磁石191を含む。ピストン185の位置の磁気検出に加えて、キャパシタンス、インダクタンス、または音響測定を用いる他の形態を実行し得る。
【0117】
位置センサ193に接続されたプロセッサ195を使用して、燃料容器183内に残留する燃料197の量をピストン185の位置に基づき決定することが可能である。プロセッサ195は、燃料容器183の一部をなしてもよく、または燃料電池に使用する場合に前記プロセッサを燃料容器183に接続し得るように外部にあってもよい。
【0118】
図19A〜図19Cは、容器が、出口から分離される入口を備えるかまたはそれに接続される形態を示している。図19Aでは、燃料205を囲むブラダー198を有する容器196の形態が示されている。さらに、容器は、加圧流体を容器196に導く加圧流体導管201に接続され、また燃料を容器196から燃料電池および/または燃料電池のドッキングステーションに導く燃料出口導管203に接続されることが可能である。ブラダー198の内容物を加圧するために(および/または燃料をブラダー198から強制的に移動させるために)、加圧流体がブラダー198と容器196のハウジングとの間に導入される。加圧流体導管201および燃料出口導管203は、それらの導管における流体流を選択的に制限するために、弁または他の機構を含み得る。いくつかの形態では、燃料205のいくらかまたはすべてが容器205から排出された後に、加圧流体導管201の流体流を逆転させることが可能である。このことにより、その後に使用する容器に加圧流体を再利用することが可能になり、これによって、環境汚染の心配が少なくなる。
【0119】
さらに、容器は、加圧流体をブラダー198に導く加圧流体導管201に接続され、また容器196とブラダー壁部との間の燃料を燃料電池および/または燃料電池のドッキングステーションに導く燃料出口導管203に接続されることが可能である。加圧流体が、収縮されたブラダー198を膨張させるように導入され、容器196とブラダー壁部との間の燃料には圧力が加えられ、燃料が接続部を通して外部に強制移動させられる。
【0120】
図19Bを参照すると、容器207は、大きい気孔のフォーム209と小さい気孔のフォーム217とを有し(または段階的なフォームを有し)、それらのフォームの両方には、燃料219が配置される。加圧ガス入口213はガス211を容器に導入して、燃料出口215を介した燃料電池または燃料電池のドッキングステーションへの燃料219の供給を促進する。
【0121】
図19Cは容器221を示しており、この容器において、水223が水入口227を介して容器に導入され、また燃料/水の混合物225が燃料出口243を介して容器221から出る。水223は、事前の燃料電池作動から収集される水であり得る。この形態において、容器221は、燃料と生成水とを分離するためにブラダーまたは他の装置を使用しない流体循環サブシステムの一体部である。
【0122】
容器221が最初に利用された場合、容器221はメタノールをほぼ100%収容し、したがって、揚水量は比較的少ないかもしれない。燃料が空になり、メタノール濃度が薄くなったときに、追加の水223が水入口227を介して容器221内に循環される。燃料/水の混合物225におけるメタノール/燃料濃度が、燃料電池で必要とされる最小濃度に近似したときに、容器221を通した水の循環がほぼ連続する。
【0123】
燃料電池スタック231への燃料/水の混合物225の移送を促進するポンプ233に、燃料出口243を接続し得る。燃料電池スタック231は、燃料電池スタック231への空気の導入を促進するために空気供給システム229に接続され、また濃度のレベルを検出するためにメタノール濃度センサ237に接続されることが可能である。濃度のレベルが、メタノール濃度センサ237によって決定されたことに応じて、余剰水はサンプ235によって除去することが可能であるか、燃料/水の混合物225は弁239を介して導き、ポンプ233を介して燃料電池スタック231に戻すことが可能であるか、または燃料/水の混合物225は、水入口227に接続されたポンプ241を介して容器221内に導いて戻すことが可能である。このような形態は、高い体積貯蔵効率を提供し(すなわち、容器221が燃料で充填され)、加圧を必要とせず、容器221の方向および形状に関係なく作動することが可能であり、また燃料電池スタック231によって生成された廃水の少なくともいくらかを再利用するという点で有利である。
【0124】
加圧されたカートリッジを使用した場合、燃料が燃料電池スタックに達する前に、事前の燃料の流量および圧力を調整し得る。加圧された燃料カートリッジは、燃料電池/ドッキングステーション内の分離弁の代わりに、「オンデマンド弁」として使用可能な弁を有することが可能である。図20は、加圧燃料255を収容し得る容器245を示している。容器245は、一体化した弁(例えば、付勢ばね259と容器の弁シール261とを有するエアロゾルシリンダ)であり得る弁257、および容器245と接続装置249との間のシールを保証するためのシール(例えば、Oリング)を含む。また、接続装置は、容器245の外側の部分と協働し得る1つ以上のシール247を含み得る。接続装置249は、ソレノイド251(または他の作動機構)によって駆動されるプランジャ253を備えることが可能である。ソレノイド251が作動された場合、プランジャ253は、ばね259の付勢方向とは反対方向に移動することが可能であり、これによって、加圧燃料が容器245から流出して接続装置249内の燃料出口263に導かれる開口部が形成される。固定機構265(例えば、クランプ)によって燃料出口263に接続し得る圧力調整器267に、燃料出口263を接続することが可能である。燃料電池スタック271への燃料流を制限するように、フローレストリクタ269を圧力調整器267に接続し得る。圧力調整器は、例えば、圧力を調整するゴム製の(または他の弾性材料製の)管状部を備えることが可能である。燃料255を燃料出口263に供給し得るように、弁257を開くべく、制御装置がソレノイド251と連通し得る。例えば、燃料電池の燃料の濃度を決定する濃度センサに、制御装置を接続してもよい。流体圧によって作動されるダイヤフラムまたはピストン(例えば、空気ポンプ)のような他の作動機構を使用することが可能である。さらに、この形態に関連して、逆流を防止するための逆止弁または他のレストリクタ、燃料が周囲に漏れないことをさらに保証するための追加のシール装置等のような他の構成要素を使用してもよい。
【0125】
添付図面に基づく上記の形態は、本発明の燃料供給システムのすべての実装のすべての構成要素を示しておらず、また説明してきた種々の構成要素のすべての設計概要も示していない。大きさ、材料、形状、形態、機能の変更、ならびに作動方法、組立方法および使用方法の変更は当業者に明らかであろう。本発明の範囲および精神から逸脱することなく、種々の修正が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】燃料供給システムの第1の形態の概略図である。
【図2A】様々な種類の燃料カートリッジ構成の図面である。
【図2B】様々な種類の燃料カートリッジ構成の図面である。
【図3】燃料供給部または燃料回路/燃料電池ループに燃料を導入する燃料カートリッジの複数の形態を示した概略図である。
【図4】燃料供給システムの第2の形態の概略図である。
【図5】円筒状燃料容器と共に使用される接続装置の概略図である。
【図6】成形プラスチックエンドキャップを有する円筒状燃料容器の概略図である。
【図7】燃料供給システムの第3の形態の概略図である。
【図8】燃料供給システムの第4の形態の概略図である。
【図9】段階的な気孔率を有するフォームを備える燃料容器の概略図である。
【図10】構造リブで補強されたカートリッジの概略図である。
【図11A】燃料容器および燃料容器ドッキングステーションの第1の形態の概略図である。
【図11B】燃料容器および燃料容器ドッキングステーションの第2の形態の概略図である。
【図12A】燃料容器の第1の形態の概略図である。
【図12B】燃料容器および燃料容器ドッキングステーションの別の形態の図面である。
【図12C】燃料容器および燃料容器ドッキングステーションの別の形態の図面である。
【図12D】燃料容器および燃料容器ドッキングステーションの別の形態の図面である。
【図12E】燃料容器および燃料容器ドッキングステーションの別の形態の図面である。
【図13】シール面を有する燃料容器の形態の概略図である。
【図14A】徐々に大きくなる毛細管力が燃料容器の開口オリフィスに向けて付与される形態の図面である。
【図14B】徐々に大きくなる毛細管力が燃料容器の開口オリフィスに向けて付与される形態の図面である。
【図14C】徐々に大きくなる毛細管力が燃料容器の開口オリフィスに向けて付与される形態の図面である。
【図14D】徐々に大きくなる毛細管力が燃料容器の開口オリフィスに向けて付与される形態の図面である。
【図14E】徐々に大きくなる毛細管力が燃料容器の開口オリフィスに向けて付与される形態の図面である。
【図14F】徐々に大きくなる毛細管力が燃料容器の開口オリフィスに向けて付与される形態の図面である。
【図15A】燃料の追加の炭化水素が燃料カートリッジ内の圧力を上昇させる形態の図面である。
【図15B】燃料の追加の炭化水素が燃料カートリッジ内の圧力を上昇させる形態の図面である。
【図15C】燃料の追加の炭化水素が燃料カートリッジ内の圧力を上昇させる形態の図面である。
【図16A】定量ポンプを利用する燃料供給システムの概略図である。
【図16B】ダイヤフラムポンプの概略図である。
【図16C】ブラダーを利用するポンプの概略図である。
【図17】燃料カートリッジを収納するための接続装置の概略図である。
【図18A】容器内の燃料を加圧するように作動可能なブラダーを有する容器の第1の形態の概略図である。
【図18B】容器内の燃料を加圧するように作動可能な推進流体を有する容器の第1の形態の概略図である。
【図18C】容器内の燃料を加圧するように作動可能なピストンを有する容器の第1の形態の概略図である。
【図19A】容器内の燃料を加圧するように作動可能なブラダーを有する容器の第2の形態の概略図である。
【図19B】容器内の燃料を加圧するように作動可能な推進流体を有する容器の第2の形態の概略図である。
【図19C】容器内の燃料を加圧するように作動可能なピストンを有する容器の第2の形態の概略図である。
【図20】燃料を選択的に供給するための弁を有する容器の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池の燃料供給システムに使用するための燃料カートリッジであって、
接続装置を通して燃料を前記燃料電池に分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備える燃料カートリッジにおいて、
前記リザーバが、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、前記上壁に設けられかつ前記接続装置によって前記燃料電池に接続可能である燃料出口とを備える燃料カートリッジ。
【請求項2】
前記燃料リザーバが、前記燃料電池の燃料供給ループを通して燃料を分配する請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項3】
前記燃料カートリッジが単一壁からなる請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項4】
前記燃料カートリッジが、燃料を分離室に収容するために多重壁からなる請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項5】
前記リザーバが、燃料が1ミリリットル〜10リットルの範囲の燃料貯蔵容積を有する請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項6】
前記リザーバが、20〜500ミリリットルの範囲の燃料貯蔵容積を有する請求項5に記載の燃料カートリッジ。
【請求項7】
前記燃料が、液体燃料、気体燃料、固体燃料、エアロゾル化された燃料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項8】
前記燃料が、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、トリメトキシメタン(TMM)、トリオキサン、蟻酸、ホルムアルデヒド、ブタン、プロパン、メタン、プロピレン、エチレン、プロパノール、グリコール、それらと水との混合物、それらと酸との混合物、およびそれらと塩基との混合物からなる群から選択される炭化水素燃料である請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項9】
前記リザーバが長方形状、角筒状、箱状または管状である請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項10】
前記リザーバが、押出アルミニウム、押出プラスチック、押出複合材、および収容された燃料との反応に実質的に不活性の任意の押出材料からなる群から選択される材料から製造される請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項11】
前記リザーバが可撓性または変形可能である請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項12】
前記リザーバが剛性である請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項13】
前記リザーバが、燃料を前記リザーバから排出するように、圧縮/膨張可能なベローズを設けるべく、前記リザーバの少なくとも一部において波形材料から製造される請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項14】
前記リザーバが、前記リザーバの上壁に設けられた燃料出口によって燃料を収容するために連続表面を備える請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項15】
前記リザーバが、剛性ハウジング内に設けられる室を画成する可撓性容積を備える請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項16】
前記リザーバが、燃料供給システムに接続されていない場合に前記リザーバをシールするための弁を前記燃料出口に備える請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項17】
前記弁が、電気機械的に作動される弁、ボール逆止弁、ニードル弁、航空機に燃料を補給する弁、および機械的に作動される弁からなる群から選択される一方向弁である請求項15に記載の燃料カートリッジ。
【請求項18】
前記リザーバが、前記燃料出口を覆うための着脱可能なバリアを備える請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項19】
前記リザーバが、前記カートリッジを接続装置に固定するためのロック部を前記燃料出口に備える請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項20】
前記ロック部が、機械的ロック装置、摩擦ロック装置および機械的拘束装置からなる群から選択される請求項19に記載の燃料カートリッジ。
【請求項21】
前記機械的ロック装置が、バヨネット取付具、緊急解除ロック、ねじ山、戻り止めロック、およびばね負荷ロックからなる群から選択される請求項20に記載の燃料カートリッジ。
【請求項22】
前記摩擦ロック装置がOリングである請求項20に記載の燃料カートリッジ。
【請求項23】
前記機械的拘束装置が、接続装置の対応する雌型構成要素に結合する雄型ロック装置であるか、または前記接続装置の対応する雄型構成要素に結合する雌型ロック装置である請求項20に記載の燃料カートリッジ。
【請求項24】
前記カートリッジには、前記カートリッジと接続装置との間の接続を検出するための接続センサも設けられる請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項25】
前記接続センサが、前記カートリッジの前記ハウジングに位置しかつ前記カートリッジと前記接続装置とを結合する際に作動されるマイクロスイッチ、前記カートリッジと前記接続装置とを結合する際に作動される磁気スイッチ、前記燃料カートリッジの金属部に接触する1対の電気接触部、および光学センサから選択される光検出センサからなる群から選択される請求項24に記載の燃料カートリッジ。
【請求項26】
前記カートリッジが、燃料を前記カートリッジから分配するために、前記カートリッジの内部の内圧供給要素、機械的力誘導要素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの正圧誘導要素を備える請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項27】
前記内圧供給要素が、前記燃料に加えられる蒸気圧の高い炭化水素を含む請求項26に記載の燃料カートリッジ。
【請求項28】
前記燃料がメタノールであり、また前記蒸気圧の高い炭化水素が、ブタン、ジメチルエーテルおよびプロパンからなる群から選択される請求項27に記載の燃料カートリッジ。
【請求項29】
機械的力供給要素が、ばねとねじとモータと空気圧と液圧とからなる群から選択される少なくとも1つの作動要素を用いる作動可能なピストン、リザーバハウジングの部分、およびエラストマーフォームからなる群から選択される請求項26に記載の燃料カートリッジ。
【請求項30】
30.前記リザーバが、前記リザーバに収容されている燃料を不正に変更することを防止するための安全要素を備える請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項31】
前記燃料が、重力によって、拡散によって、または毛細管作用によってカートリッジから排出可能である請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項32】
毛細管力が、一定の気孔率を有する前記カートリッジ内のフォームによって付与される請求項31に記載の燃料カートリッジ。
【請求項33】
前記毛細管力が、段階的な気孔率を有するフォームによって付与される請求項31に記載の燃料カートリッジ。
【請求項34】
前記毛細管力が、一定の気孔率を有するか、または前記開口部の近くで前記毛細管力を大きくするために段階的な気孔率を有するウィッキング要素によって付与される請求項31に記載の燃料カートリッジ。
【請求項35】
前記毛細管力が、前記燃料カートリッジ内に供給され、かつ前記接続装置への1つ以上の粘弾性流体の導入を防止するように前記カートリッジの前記燃料出口で選択的に篩い分けできる前記1つ以上の粘弾性流体によって付与される請求項31に記載の燃料カートリッジ。
【請求項36】
前記ウィッキング要素が、フェルト、繊維、織物およびフォームからなる群から選択される請求項34に記載の燃料カートリッジ。
【請求項37】
前記毛細管力が、前記容器内に配置された1つ以上の毛細管チューブによって付与される請求項31に記載の燃料カートリッジ。
【請求項38】
前記毛細管力が、内圧によって補助される請求項31に記載の燃料カートリッジ。
【請求項39】
前記燃料が、前記カートリッジ内に供給されるガスによって排出可能であり、ガス通気要素が前記カートリッジに組み込まれる請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項40】
前記カートリッジが、前記燃料から分離された推進剤を貯蔵するための1つ以上のガス貯蔵要素を備える請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項41】
前記ガス貯蔵要素が、ブラダー、袋、膨張可能な容器、破裂可能なカプセル、ガスと燃料とを分離するピストン、および圧力応答弁に接続された室からなる群から選択される請求項40に記載の燃料カートリッジ。
【請求項42】
前記カートリッジが、前記カートリッジからの燃料吐出量を制御するための計量要素を備える請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項43】
前記計量要素が、計量オリフィス、多孔質材料、前記燃料出口に配置される多孔質要素、前記容器の出口に配置されるウィッキング材料、および流量制限弁からなる群から選択される請求項42に記載の燃料カートリッジ。
【請求項44】
前記カートリッジが、所定のレベルに達した際に前記カートリッジ内の圧力を軽減するための放出機構を備える請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項45】
前記放出機構が、所定の圧力レベルに達したときに開かれる弁であり、該弁が、前記カートリッジのオリフィス内に装着された感圧ゴム栓を備える請求項44に記載の燃料カートリッジ。
【請求項46】
前記放出機構が、前記カートリッジから燃料を緩やかに放出するために、前記燃料内に配置されたフォームまたはゲル化剤によって補助される請求項44に記載の燃料カートリッジ。
【請求項47】
前記放出機構が、感圧通気孔または選択的に透過性の膜である請求項44に記載の燃料カートリッジ。
【請求項48】
前記燃料出口が、前記燃料電池に接続された1つ以上のチューブ、前記カートリッジの外部に配置されかつ前記カートリッジに作動的に関連するウィッキング材料、前記カートリッジを通した燃料流れの一部またはすべての循環を可能にするための同心または同軸の2つ以上のチューブ、ならびに燃料の流出とガスおよび/または液体の流入とを可能にするための2つ以上のチューブからなる群から選択される請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項49】
前記カートリッジが、前記カートリッジをドッキングステーションのシール面に固定するための固定要素を備える請求項1に記載の燃料カートリッジ。
【請求項50】
前記固定要素が、円筒状カートリッジ用のバヨネット式ロック、およびエアロゾル缶型のカートリッジに接着により取り付け可能な成形プラスチックエンドキャップからなる群から選択される請求項49に記載の燃料カートリッジ。
【請求項51】
前記成形プラスチックエンドキャップが、選択的に前記ドッキングステーションのシール面に係合させるかまたは前記ドッキングステーションのシール面から係合解除するように把持および回転を可能にするための要素を備える請求項50に記載の燃料カートリッジ。
【請求項52】
前記バヨネットロックが、安全要素を備え、また係合解除に必要な高いトルクを有する請求項50に記載の燃料カートリッジ。
【請求項53】
前記バヨネットロックがピン・ノッチ型構造であり、前記ピンまたは前記ノッチが、前記カートリッジの外面に配置され、また前記燃料用ドッキングステーションのシール面において、対応するノッチまたはピンに係合する請求項50に記載の燃料カートリッジ。
【請求項54】
燃料電池の燃料供給システムに使用するための燃料カートリッジであって、
接続装置を通して燃料を燃料電池の燃料供給ループに分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備える燃料カートリッジにおいて、
前記リザーバが、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、前記上壁に設けられかつ前記接続装置によって前記燃料電池に接続可能である燃料出口とを備え、
燃料排出が、毛細管作用要素、機械的力要素、内部ガス圧またはそれらの組み合わせからなる群から選択される要素の少なくとも1つによって可能になる燃料カートリッジ。
【請求項55】
前記毛細管作用要素が、前記燃料出口に向かって気孔の大きさが小さくなる少なくとも1つのフォーム、エアロゲル、多孔質セラミック、多孔質シリコンを備える請求項54に記載の燃料カートリッジ。
【請求項56】
前記毛細管作用要素が毛細管チューブをさらに備える請求項55に記載の燃料カートリッジ。
【請求項57】
前記フォームが、50%〜99%の気孔率を有するオープンセル構造を有し、また親水性を有すると共に前記燃料と相溶性を有する材料からなる請求項55に記載の燃料カートリッジ。
【請求項58】
前記フォームが、1インチ当たり60〜80個の気孔の気孔率を有するポリウレタンフォームである請求項55に記載の燃料カートリッジ。
【請求項59】
前記毛細管作用要素が、前記燃料出口に向かう燃料に、より大きな毛細管引力を付与するために、前記カートリッジ内に配置されかつ前記カートリッジの前記燃料出口のより近くでより小さい気孔が設けられたオープンセルフォーム充填材またはウィッキング材料を使用して、前記燃料カートリッジの前記燃料出口に向かって毛細管力を徐々に大きくする請求項54に記載の燃料カートリッジ。
【請求項60】
正圧を供給して前記燃料を前記燃料出口から排出するために、蒸気圧の高い炭化水素をさらに含む請求項54に記載の燃料カートリッジ。
【請求項61】
前記フォームが、楔状であり、また前記燃料出口の近くでより小さい気孔を有するように段階的な気孔率を実現するために前記カートリッジに強制的に収納される請求項54に記載の燃料カートリッジ。
【請求項62】
前記フォームの前記気孔よりも小さい気孔を有するペレットが、前記燃料出口を通して前記フォームの前記気孔に挿入される請求項61に記載の燃料カートリッジ。
【請求項63】
前記蒸気圧の高い炭化水素がブタンである請求項60に記載の燃料カートリッジ。
【請求項64】
フォーム材料が、前記燃料出口に向かって徐々に大きくなる毛細管力を実現するために、前記蒸気圧の高い炭化水素と組み合わせて使用される請求項59に記載の燃料カートリッジ。
【請求項65】
前記フォーム材料が、異なる多孔質の複数のフォームブロックを備える請求項59に記載の燃料カートリッジ。
【請求項66】
前記燃料出口のより近くにある各フォームブロックが、先行のフォームブロックよりも小さい大きさの気孔を有する請求項65に記載の燃料カートリッジ。
【請求項67】
前記フォームブロックが、2〜100個のフォームブロックを備える請求項65に記載の燃料カートリッジ。
【請求項68】
前記フォームブロックが、3、4個のフォームブロックを備える請求項65に記載の燃料カートリッジ。
【請求項69】
前記フォームブロックが、環状にまたは同心に設けられた異なる多孔質のフォームを備え、最小の気孔のフォームが中央に位置しまた前記燃料出口に接続される請求項65に記載の燃料カートリッジ。
【請求項70】
前記フォームブロックが、より大きな大きさの気孔を有する可撓性フォームに挿入された1片の円錐形フォームを備え、これによって、前記出口の最も近くにある前記可撓性フォームの前記フォーム気孔が圧縮される請求項65に記載の燃料カートリッジ。
【請求項71】
前記毛細管チューブが、前記燃料出口に向かって毛細管力を徐々に大きくすることを可能にするために、異なる多孔質の1つ以上のフォームブロックに挿入される請求項65に記載の燃料カートリッジ。
【請求項72】
燃料電池の燃料供給システムに使用するための燃料カートリッジであって、
接続装置を通して燃料を燃料電池に分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備える燃料カートリッジにおいて、
前記リザーバが、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、前記上壁に設けられかつ前記接続装置によって燃料供給ループに接続可能である燃料出口とを備え、
前記ハウジングが、一方の端部に向かう開口部と、該開口部の反対側の端部に向かう末端とを備え、前記開口部には、前記カートリッジを接続装置に固定するためのインターロック要素が設けられ、前記末端が、燃料と相溶性の接着材料で前記ハウジングに固定可能であるかまたは前記ハウジングと一体化する燃料カートリッジ。
【請求項73】
燃料電池の燃料供給システムに使用するための燃料カートリッジであって、
接続装置を通して燃料を燃料電池の燃料供給ループに分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備える燃料カートリッジにおいて、
前記リザーバが、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、前記上壁に設けられかつ前記接続装置によって前記燃料供給ループに接続可能である燃料出口とを備え、
前記リザーバには、燃料および推進剤を前記リザーバに収容するために、別個の容器が設けられる燃料カートリッジ。
【請求項74】
前記リザーバが、加圧ガスと前記燃料とを分離するためのブラダーを組み込んでいるアルミニウム容器を備える請求項73に記載の燃料カートリッジ。
【請求項75】
前記リザーバが、加圧ガスと前記燃料とを分離するように配置されたピストンを備える請求項73に記載の燃料カートリッジ。
【請求項76】
前記ピストンの運動を計算するための動作検出要素をさらに備える請求項73に記載の燃料カートリッジ。
【請求項77】
前記燃料がメタノールであり、また前記加圧ガスが二酸化炭素である請求項73に記載の燃料カートリッジ。
【請求項78】
燃料電池の燃料供給システムに使用するための燃料カートリッジであって、
接続装置を通して燃料を燃料電池の燃料供給ループに分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備える燃料カートリッジにおいて、
前記リザーバが、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、前記上壁に設けられかつ前記接続装置によって前記燃料供給ループに接続可能である燃料出口とを備え、
前記カートリッジが、前記リザーバの膨張に抗するために1つ以上の補強要素を備える燃料カートリッジ。
【請求項79】
前記補強要素が、カートリッジドッキングスロットに設けられた対応する1つ以上の補強要素と協働する請求項78に記載の燃料カートリッジ。
【請求項80】
前記補強要素が、前記カートリッジの前記内面に設けられた1つ以上のリブを備える請求項78に記載の燃料カートリッジ。
【請求項81】
燃料電池の燃料供給システムに使用するための燃料カートリッジであって、
接続装置を通して燃料を燃料電池の燃料供給ループに分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備える燃料カートリッジにおいて、
前記リザーバが、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、前記上壁に設けられかつ前記接続装置によって前記燃料供給ループに接続可能である燃料出口とを備え、
前記カートリッジには、カートリッジドッキングステーションに配置された対応する1つ以上のロックとの結合に必要な1つ以上の機械部材が設けられる燃料カートリッジ。
【請求項82】
前記機械部材が、前記カートリッジドッキングスロットの内面に設けられた1つ以上のノッチと協働する前記カートリッジの外面に設けられた1つ以上の溝を備える請求項81に記載の燃料カートリッジ。
【請求項83】
前記機械部材が、前記カートリッジの外面に設けられ、かつ前記カートリッジドッキングスロットの前記内面に設けられた1つ以上の溝と協働可能である1つ以上の隆起部を備える請求項82に記載の燃料カートリッジ。
【請求項84】
前記機械部材が、前記カートリッジの外面に設けられ、かつ前記カートリッジドッキングスロットの前記内面に設けられた1つ以上の隆起部と協働可能である1つ以上の溝を備え、また前記カートリッジの前記外面に設けられ、かつ前記カートリッジドッキングスロットの前記内面に設けられた1つ以上の溝と協働可能である1つ以上の隆起部を備える請求項81に記載の燃料カートリッジ。
【請求項85】
前記機械部材が、前記カートリッジドッキングステーションの対応する開口部に嵌合および係合することを可能にするように、前記機械部材が、ノッチ、ピン、隆起部、または他の突出部を含む請求項81に記載の燃料カートリッジ。
【請求項86】
燃料電池の燃料供給システムに使用するための燃料カートリッジであって、
接続装置を通して燃料を燃料電池の燃料供給ループに分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備える燃料カートリッジにおいて、
前記リザーバが、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、前記上壁に設けられかつ前記接続装置によって前記燃料供給ループに接続可能である燃料出口とを備え、
前記カートリッジが、燃料を前記カートリッジから排出するために、1つ以上の圧力誘導要素によって壁部を開口することにより作動される燃料カートリッジ。
【請求項87】
前記燃料がベローズまたはブラダーに収容され、また前記カートリッジハウジングには、ベローズまたはブラダーを押し下げ、これによって、前記カートリッジの前記燃料出口を通して燃料を排出するために、前記ブラダーまたは前記ベローズに接触しかつ作動要素によって作動可能である1つ以上のプレートまたはピストンが設けられる請求項86に記載の燃料カートリッジ。
【請求項88】
前記作動要素が、前記カートリッジハウジングに設けられた前記1つ以上のスロットを通して前記1つ以上のプレートまたはピストンに作動的に関連付けられた1つ以上の外部ばねを備える請求項86に記載の燃料カートリッジ。
【請求項89】
前記ばねがリーフスプリングまたはワイヤスプリングである請求項88に記載の燃料カートリッジ。
【請求項90】
前記作動要素がばねとプランジャ要素との組み合わせを含み、前記プランジャ要素が、前記ベローズまたは前記ブラダーを押し下げ、これによって、前記燃料出口を通して燃料を排出するために前記プレートまたは前記ピストンに作動接触する請求項86に記載の燃料カートリッジ。
【請求項91】
前記ばねがリーフスプリングまたはコイルスプリングである請求項90に記載の燃料カートリッジ。
【請求項92】
前記作動要素が、回転モータとねじとによって駆動可能なねじ付き作動ロッドを備え、該作動ロッドによって、前記カートリッジ内の1つ以上のプレートまたはピストンが押圧され、またこれによってベローズが押し下げられ、このようにして機械的外部加圧が行われる請求項86に記載の燃料カートリッジ。
【請求項93】
前記圧力誘導要素が、前記カートリッジの燃料充填ブラダーと、前記カートリッジに設けられた小さい外側オリフィスと、燃料電池のシール面に圧接し、これにより加圧空気を供給するためのシールとを備える請求項86に記載の燃料カートリッジ。
【請求項94】
前記シールがOリングシールである請求項93に記載の燃料カートリッジ。
【請求項95】
前記ポンプが、外部電源要素によって駆動される請求項93に記載の燃料カートリッジ。
【請求項96】
前記ポンプがピストン式ポンプまたはダイヤフラム式ポンプである請求項93に記載の燃料カートリッジ。
【請求項97】
前記圧力誘導要素が、前記カートリッジを加圧するために前記燃料内に配置された1つ以上の炭化水素を含む請求項86に記載の燃料カートリッジ。
【請求項98】
前記カートリッジ内で前記燃料と前記炭化水素とを分離するように設けられている分離要素をさらに備え、また前記炭化水素が前記燃料内の混合物として用いられる請求項97に記載の燃料カートリッジ。
【請求項99】
前記追加の炭化水素が、前記燃料を収容するブラダーの外部に貯蔵される請求項97に記載の燃料カートリッジ。
【請求項100】
前記追加の炭化水素が、前記燃料を収容する前記ブラダー内に配置されたバルーン内に貯蔵され、また前記ブラダーを加圧するために用いられる請求項97に記載の燃料カートリッジ。
【請求項101】
燃料電池の燃料供給システムに使用するための燃料カートリッジであって、
接続装置を通して燃料を前記燃料電池に分配するために燃料容器内に配置可能な燃料リザーバを備える燃料カートリッジにおいて、
前記リザーバが、上壁および下壁を有するハウジングと、外面および内面と、前記上壁に設けられかつ前記接続装置によって前記燃料電池に接続可能である燃料出口と、流体加圧要素に接続可能な流体入口とを備える燃料カートリッジ。
【請求項102】
燃料を囲むブラダーをさらに備え、また加圧流体が前記流体入口を通して前記ブラダーと前記燃料リザーバの前記内面との間に導入される請求項101に記載の燃料カートリッジ。
【請求項103】
前記流体入口が、前記リザーバの前記上壁および前記下壁の一方の中に栓を備える請求項101に記載の燃料カートリッジ。
【請求項104】
前記リザーバの前記下壁内の栓、および該栓と前記燃料出口との間に配置されたピストンをさらに備える請求項101に記載の燃料カートリッジ。
【請求項105】
前記ピストンの運動を監視するための位置センサをさらに備える請求項104に記載の燃料カートリッジ。
【請求項106】
前記ピストンの位置に基づいて前記プロセッサ内の燃料量を推定するための前記位置センサに接続されたプロセッサをさらに備える請求項105に記載の燃料カートリッジ。
【請求項107】
水が前記流体入口と前記燃料出口とを介して前記リザーバを通して循環される請求項101に記載の燃料カートリッジ。
【請求項108】
装置であって、
燃料リザーバを形成するハウジングと、
第1の位置で前記燃料リザーバ内の燃料を放出しかつ第2の位置で前記燃料リザーバ内の燃料を維持するばね作動弁であって、前記第2の位置で前記弁を維持するための付勢要素と、前記燃料容器が燃料電池に接続された場合に前記付勢要素とは反対方向を向くようにまた前記弁を前記第1の位置に移動させるように外側部材を係合させるための収納部とを含むばね作動弁と、
を備える装置。
【請求項109】
燃料電池用の燃料供給システムであって、
燃料容器と、
接続装置と、
供給サブシステムと、
燃料処理サブシステムと、
制御サブシステムと、
を備える燃料供給システム。
【請求項110】
前記供給サブシステムが、前記接続装置に接続され、また前記接続装置から前記燃料処理サブシステムに燃料流を供給しまた制御する請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項111】
前記供給サブシステムが、前記制御システムによって接続されたソレノイド弁とポンプとを通して前記制御サブシステムによって制御される請求項110に記載の燃料供給システム。
【請求項112】
前記ポンプが、蠕動ポンプ、ピストンベースのポンプ、圧電ポンプおよび回転ポンプからなる群から選択される請求項111に記載の燃料供給システム。
【請求項113】
前記供給サブシステムが、前記燃料処理サブシステムに供給されている前記燃料の濃度を決定するための燃料濃度センサを備える請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項114】
前記濃度センサが、内部で、外部で、または内部および外部の両方で前記供給サブシステムに接続される請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項115】
接続検出要素が、前記接続装置に接続された前記容器の存在を決定するために、前記容器と前記供給サブシステムとの間の供給ラインに接続される請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項116】
前記接続検出要素が、マイクロスイッチを備える電気スイッチ、磁気スイッチ、近接センサ、光学装置、電気接触部、または圧力センサからなる群から選択される請求項115に記載の燃料供給システム。
【請求項117】
前記供給サブシステムが、前記供給サブシステムに流体接続された空気システムから水を回収するために逆止弁、サイホンまたはポンプを備える請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項118】
前記供給サブシステムが、燃料をアノードに接触させる前にアノード燃料流れ内で前記燃料を前処理するための燃料処理システムに接続される請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項119】
前記燃料前処理サブシステムが、前記燃料電池から二酸化炭素を除去するために、サンプと選択的に透過性の膜とから選択された要素を備える請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項120】
前記処理サブシステムが、所定の温度に燃料を維持するための加熱要素を備える請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項121】
前記加熱要素が、熱交換器、蒸発器、蒸発冷却要素、電気抵抗ヒータ、セラミックヒータ、触媒加熱要素、前記燃料電池の熱伝達部、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される請求項120に記載の燃料供給システム。
【請求項122】
前記システムが、燃料の不純物を除去するためのフィルタを備える請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項123】
前記フィルタが透過膜またはバリアである請求項122に記載の燃料供給システム。
【請求項124】
前記燃料を気化させるための蒸発要素が設けられる請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項125】
水素と前記燃料とを分離するための改質要素が設けられる請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項126】
前記制御システムが、前記接続装置、前記容器、前記供給サブシステム、および前記燃料処理サブシステムの作動を示す前記接続装置、前記容器、前記供給サブシステム、および前記燃料処理サブシステムから受信される信号を監視し、その後、補正信号または変更信号を送信して前記接続装置、前記容器、前記供給サブシステム、および前記燃料処理サブシステムの性能を調整するために、前記接続装置、前記容器、前記供給サブシステム、および前記燃料処理サブシステムに電気的に接続されるか、RF接続されるかまたはIR接続される請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項127】
前記制御システムが、前記燃料供給システムの前記性能に関する情報をユーザに伝達するための外部ユーザインタフェースに接続される請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項128】
前記制御システムを作動させるための電力要素が設けられ、また燃料電池、太陽電池、外部バッテリおよびそれらの組み合わせから選択される請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項129】
前記制御システムが、燃料供給システムの作動のフィードバックを前記燃料供給システムに供給するためのフィードバック要素を備える請求項127に記載の燃料供給システム。
【請求項130】
前記接続装置には、ハウジング内に設けられたピストンおよびばねからなるアキュムレータがさらに設けられる請求項109に記載の燃料供給システム。
【請求項131】
前記ばねが、流出した燃料流れに対して一定の安定した圧力を維持するための付勢力に調整される請求項130に記載の燃料供給システム。
【請求項132】
前記接続装置には、前記アキュムレータに接続された三方ソレノイド弁と、燃料が前記接続装置から前記アキュムレータに一方向に流れることを可能にするように構成された制御システムとがさらに設けられる請求項130に記載の燃料供給システム。
【請求項133】
前記三方ソレノイド弁が、前記三方ソレノイド弁を制御するための前記制御システムに作動的に接続される請求項132に記載の燃料供給システム。
【請求項134】
燃料供給システムであって、
燃料を燃料ループに供給するための燃料容器と、
第1のピストン、第2のピストン、および第3のピストンであって、液体が前記第1のピストンに導入された場合に、前記第1のピストンが少なくとも1つの他のピストンを駆動し、前記第1のピストンが充填状態でも空の状態でも、前記第2のピストンが前記燃料ループの周囲に燃料と水の溶液を汲み上げ、また前記第3のピストンが水回収システムから前記燃料ループに水を汲み上げる第1のピストン、第2のピストン、および第3のピストンと、
を備える燃料供給システム。
【請求項135】
排気ガス凝縮物から回収された水を収集して貯蔵するように構成されたサンプをさらに備える請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項136】
前記燃料容器が挿入されるカートリッジドッキングステーションをさらに備える請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項137】
前記燃料容器を収納して固定するように撓ませることが可能または再配置可能なリーフ式スプリングまたはワイヤ式スプリングであるばねをさらに備える請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項138】
前記ばねが、硬化金属、炭素繊維、プラスチックまたはセラミックから製造される請求項137に記載の燃料供給システム。
【請求項139】
前記カートリッジドッキングステーションが、前記燃料容器を固定するために前記カートリッジドッキングステーションの前記外面に設けられた付勢プランジャ要素を備える請求項136に記載の燃料供給システム。
【請求項140】
前記カートリッジドッキングステーションが、前記燃料容器を固定するために、回転モータとねじとによって駆動可能なねじ付き作動ロッドを備える請求項136に記載の燃料供給システム。
【請求項141】
前記燃料容器が、前記燃料容器内で機械的外部加圧を行うために、ケースの小さい外穴を有する燃料充填ブラダーとシールとを備える請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項142】
前記シールが、前記容器に設けられかつ燃料電池のシール面に接触するOリングであり、またインターロックが、加圧ポンプを作動させるための信号を送るように設けられる請求項141に記載の燃料供給システム。
【請求項143】
燃料を燃料電池スタックに移送するために、1つ以上の弁またはポンプを備える燃料処理サブシステムをさらに備える請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項144】
燃料の電気的特性、濃度レベルおよび性能を監視するために、前記燃料供給システム内に設けられた濃度センサをさらに備える請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項145】
前記燃料容器が、前記カートリッジドッキングステーションに接続するための1つ以上の接続要素を備える請求項136に記載の燃料供給システム。
【請求項146】
前記接続要素が、燃料容器に設けられた1つ以上の隆起部、溝、ノッチ、ピン、凹部、パターンと、前記カートリッジドッキングステーションに設けられた対応する収納部とを備える請求項145に記載の燃料供給システム。
【請求項147】
燃料を燃料電池のアノード側に供給するアノード供給流れに前記燃料を混合する供給サブシステムをさらに備える請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項148】
燃料が、乱流を促進して拡散混合するために、高速で前記燃料ループに導入される請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項149】
前記燃料容器内の燃料のレベルおよび燃料の流量を検出するための検知要素をさらに備える請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項150】
前記燃料容器に接続された排出要素をさらに備える請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項151】
前記排出要素が、機械的な力を加えるピストンを備え、該ピストンが、燃料電池ハウジングの部分と付勢ばねまたは弾性フォームとを含む請求項150に記載の燃料供給システム。
【請求項152】
燃料が、重力、拡散、毛細管作用または外圧によって前記燃料ループに供給される請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項153】
推進ガスが前記燃料に混合または拡散せず、また前記燃料電池内を通過せず、一方、前記燃料が前記接続装置に供給されるように、前記容器内に前記推進ガスを収容すべく、前記燃料容器が構成される請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項154】
燃料を燃料容器から燃料電池に移送し、かつ隣接する環境への燃料または燃料蒸気の漏れを防止するように前記燃料容器に確実に接続される接続装置をさらに備える請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項155】
前記燃料容器には、前記燃料容器が前記カートリッジドッキングステーションのオリフィスに嵌合および係合することを可能にするような溝、ノッチ、隆起部または他の突出部が備えられる請求項136に記載の燃料供給システム。
【請求項156】
前記燃料容器が、カートリッジドッキングステーションに挿入された際に膨張を防止する/最小限に抑えるために、層が補強された壁部を備える請求項134に記載の燃料供給システム。
【請求項157】
前記カートリッジドッキングステーションが、前記カートリッジドッキングステーションに挿入された前記燃料容器の膨張を防止するための補強要素を備える請求項156に記載の燃料供給システム。
【請求項158】
前記カートリッジドッキングステーションが、前記燃料容器を取り外すために、滑らかな壁部とテーパ部とを備える請求項157に記載の燃料供給システム。
【請求項159】
前記補強要素が、前記カートリッジドッキングステーションの外面にわたって平行リブを備える請求項157に記載のA燃料供給システム。
【請求項160】
他のリブが、前記燃料容器の内部にまた前記ドッキングステーションの前記リブに対して直角に設けられる請求項156に記載の燃料供給システム。
【請求項161】
燃料電池カートリッジ内部の正圧を維持する方法であって、前記燃料カートリッジ内に、蒸気圧の高い炭化水素を加えるステップを含む方法。
【請求項162】
前記蒸気圧の高い炭化水素と前記燃料とを混合するステップと、燃料が燃料電池スタックに達する前に燃料容器内でガスと液体とを分離するステップとを含む請求項161に記載の方法。
【請求項163】
前記蒸気圧の高い炭化水素が、前記燃料容器の内部のブラダーの外部に加えられ、前記ブラダーが燃料を貯蔵している請求項161に記載の方法。
【請求項164】
燃料を収容する前記燃料容器に収納されたブラダーの外部に、前記蒸気圧の高い炭化水素を貯蔵するステップをさらに含む請求項161に記載の方法。
【請求項165】
燃料カートリッジであって、
燃料電池に接続するように構成されたハウジングと、
前記ハウジングのオリフィスと、
燃料源から燃料を収容するための前記オリフィスの入口と、
燃料を燃料電池に供給するための前記オリフィスの前記入口から分離された出口と、
を備える燃料カートリッジ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図14F】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20】
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【公表番号】特表2008−506240(P2008−506240A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520548(P2007−520548)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/024299
【国際公開番号】WO2006/010012
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(507002778)ダイレクト メタノール ヒューエル セル コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】