説明

物品供給装置

【課題】高速で処理する際にも物品を所定数毎に供給コンベヤに綺麗に揃えて渡すことができる物品供給装置を提供する。
【解決手段】ロボットハンド11は、搬送コンベヤ1から搬送ベッド3に取出されて一列に整列された各物品Pを所定数単位の集合品PG毎に幅寄せする一対の幅寄せ部材を有する幅寄せ手段12と、供給コンベヤ2の各区画部10に対応して、各集合品PGの並び方向の両側を両幅寄せ部材で支持した集合品PG毎の並び間隔を拡げるように各両幅寄せ部材を調節する間隔調節手段とを備え、幅寄せ手段12と間隔調節手段により、各両幅寄せ部材の間隔を調節して、各集合品PGを所定間隔毎に配置するように拡げ、各両幅寄せ部材を供給コンベヤ2の搬送速度に同調して供給コンベヤ2に近接しつつ供給コンベヤ2の搬送方向に向けて移動することで、集合品PGを搬送ベッド3上で案内して供給コンベヤ2の各区画部10内に一括して収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前工程から搬送されてきた物品を、複数個単位からなる集合品に分けて、その集合品を複数ずつ箱詰め機や袋詰め機等の包装機に向けて供給するための物品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前工程から搬送されてきた物品をコンベヤの仕切部材間に送り込み、そのコンベヤの下流側において複数個ずつの物品を取り出して箱詰め機等の包装機に向けて物品を供給する物品供給装置が従来から知られている。
【0003】
このような物品供給装置として特許文献1には、間欠バケットコンベヤにより1個ずつ搬送されてきた物品を、間欠バケットコンベヤの間欠停止時に、間欠バケットコンベヤの側方でこれと平行に往復移動する中継バケットの各区画部に向けて押し出し爪で押して移載し、その中継バケットをその側方に位置する供給コンベヤと同速で走行させながら、中継バケットの各区画部と等間隔で仕切られた供給コンベヤの各区画部に中継バケットの各物品を押し出し爪で押して供給コンベヤに物品を移載した後、供給コンベヤの下流側の箱支持部に対して物品を押し込むように構成した技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4226738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係る実施形態では、間欠バケットコンベヤと中継バケットとの間、中継バケットと供給コンベヤとの間における夫々の物品の中継に関し、いずれも等間隔に設定された各区画部に収容した物品の受け渡しであると共に、受け渡し時において横並びの区画部に対して物品をプッシャで押して移載するようにしている。このような形態を採用することで、外形や周囲のサイズが定まった物品の搬送に際して物品を複数個単位で箱詰め機に向けて良好に送り込むことができる。しかしながら、例えば、袋詰め品等のように夫々の物品の外形や周囲のサイズが定まらず搬送時に形状が変化するような物品を、複数個ずつ集合してコンベヤの各区画部に送り込み、下流側に接続された箱詰め機等の包装機でそれら複数個ずつを纏めて包装するには、各物品同士を幅寄せして整列させた集合品として送り込む必要がある。
【0006】
前記従来技術においては、各物品の幅寄せ動作や集合品として整列させる等の具体的対案がなされておらず、プッシャで押して移載するだけの操作によって、幅寄せした集合品単位で整列させてコンベヤの各区画部に送り込むことが困難であり、コンベヤ間の受け渡し時に受け渡し通路を狭めて幅寄せする等の対応では、物品の姿勢が変化し易く、整列状態でのコンベヤへの供給を期待し得ないといった問題が指摘される。
【0007】
本発明は、例えば袋詰め品等のように搬送時において外形や周囲のサイズが変化し易い物品であっても、それらの物品を複数個ずつ集合して、コンベヤの各区画部に連続して送り込むことが可能な物品供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明に係る物品供給装置は、搬送コンベヤ1と、該搬送コンベヤ1に並設され、夫々の区画部10に所定数の物品Pを収容して連続搬送する供給コンベヤ2と、該両コンベヤ1,2間に配設された搬送ベッド3と、該搬送ベッド3へ前記搬送コンベヤ1から複数の物品Pを取り出す取出手段4を備えている。さらに、物品供給装置は、前記取出手段4で搬送ベッド3に取り出された物品Pにおける所定数置きの物品P間に臨み、物品Pを複数の集合品PGに分けて幅寄せする幅寄せ手段12と、該幅寄せ手段12を前記供給コンベヤ2の区画部10に対応した間隔に拡げる間隔調節手段13とを設けたロボットハンド11と、搬送ベッド3に取り出された複数の集合品PGを、前記幅寄せ手段12で支持すると共に供給コンベヤ2に向けて押送し、前記供給コンベヤ2の区画部10に一括して送りむようロボットハンド11を移動する搬送ロボット5とを備えている。前記幅寄せ手段12で支持した物品Pを供給コンベヤ2へ押送するまでに、前記幅寄せ手段12と前記間隔調節手段13とにより、幅寄せした集合品PGの相互間隔を拡げて各集合品PGを供給コンベヤ2に向けて近接するよう移動すると共に、前記区画部10の連続移動に同調して移動しつつ区画部10内に複数の集合品PGを押し込むよう前記ロボットハンド11を動作する構成としている。
【0009】
これにより、搬送時において外形や周囲のサイズが変化し易い所定数の物品Pであっても、それらの物品Pを複数個ずつ整列した集合状態で、連続走行する供給コンベヤ2の各区画部10に複数単位で纏めた集合品PGとして送り込むことができる。
【0010】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記ロボットハンド11は、供給コンベヤ2の区画部10と共に、集合品PGを支持して移動しつつ、区画部10の搬送方向と直交方向に移動して、区画部10内に各集合品PGを押送する押送片25を備えている。
【0011】
この構成によって、ロボットハンド11の幅寄せ手段12で支持した各集合品PGは供給コンベヤ2の各区画部10に集合品PGの終端が送り込まれるまで押送片25により押して送り込まれるので、幅寄せ後の集合品PGの両側の支持が途中で解除されることなく、区画部10内に集合品PGの幅寄せ状態を維持した状態で確実に収容することができる。
【0012】
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記搬送ベッド3に向けた物品Pの搬出通路には所定数置きの物品Pの側方を案内するガイド部材8を備え、前記ロボットハンド11は、ガイド部材8を経て搬送ベッド3に載置された物品Pの上方から下降し、前記幅寄せ手段12に配設された幅寄せ部材23,24を、前記ガイド部材8で区分された物品P間に臨むように作動する。
【0013】
この構成によって、取り出し手段4によって搬送ベッド3に取り出された物品Pは、ガイド部材8によって所定数置きの物品Pの側方が仕切られて整列するので、その仕切られた物品間に幅寄せ部材23,24を確実に位置させることができ、ロボットハンド11での物品Pの支持を確実に行なうことができる。
【0014】
請求項1〜3のうちいずれか一つの発明を前提とする請求項4の発明において、前記ロボットハンド11は、幅寄せ手段12を着脱交換可能に取着する支持体18を備え、前記幅寄せ手段12の配設数と該幅寄せ手段12で幅寄せする物品数及び前記間隔調節手段13の調節量を変更可能に前記支持体18と前記間隔調節手段13とを組み替え可能に構成した。
【0015】
この構成によって、物品Pの集合数や異なる幅寄せ量に適合した幅寄せ手段12を支持体18に取着し、その支持体18と間隔調節手段13との連係部の組み替え、並びに搬送ロボット5の動作設定変更等によって、品種の異なる物品Pの集合数や物品サイズ等に対して柔軟に対応することができる。
【0016】
請求項1〜4のうちいずれか一つの発明を前提とする請求項5の発明において、前記間隔調節手段13は、いずれか一つの幅寄せ手段12を基準としてその基準位置から離間した複数の幅寄せ手段13を基準位置からの離間数倍の移動量とする複数の調節部15を設け、該調節部15により各幅寄せ手段12の相互間隔が等間隔で拡がるよう動作する構成とした。
【0017】
この構成によって、幅寄せ手段12から他の複数の幅寄せ手段12を移動させるための間隔調節手段13をシンプルな構造とすることができ、異なる幅寄せ量にする際の間隔調節手段13の組み換えを比較的簡単に実施できる。
【0018】
請求項2の発明を前提とする請求項6の発明において、前記ロボットハンド11は、前記押送片25で供給コンベヤ2の区画部10に集合品PGを押送する際に、前記幅寄せ手段12が供給コンベヤ2の区画部10の上方を通過するよう動作される。
【0019】
この構成によって、ロボットハンド11で集合品PGを押して区画部10内に送り込む際に、幅寄せ手段12が供給コンベヤ2の区画部10における仕切部材10aに対して接触干渉する恐れがなく集合品PGを区画部10内に確実に送り込むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、例えば、袋詰め品等の物品のように、搬送時において外形や周囲のサイズが変化し易い物品であっても、それらの物品を複数個ずつ整列した集合状態で、連続走行する供給コンベヤの各区画部に複数の集合品単位で纏めて送り込むことができる。
【0021】
特に、集合品を搬送ベッドからロボットハンドで持ち上げることなく、搬送ベッド上に載置された状態で支持して押送し、また、搬送ベッド上に載置された状態で集合品を幅寄せし、各集合品の間隔を各区画部と等間隔に拡げるようにしているので、搬送時における物品の搬送姿勢の変化や整列状態のバラケ等が生ずることなく安定した搬送を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は搬送コンベヤに対する物品供給状態を示す概略平面図であり、(b)は同じく概略部分正面図である。
【図2】本実施形態に係る物品供給装置を示す概略側面図である。
【図3】(a)(b)はロボットハンドによる搬送動作を示す概略平面図である。
【図4】(a)はロボットハンドにおける物品の支持状態を示す概略正面図であり、(b)は同じく一部破断概略平面図であり、(c)は同じく一部破断概略側面図である。
【図5】(a)はロボットハンドにおける集合品の支持間隔を拡げた状態を示す概略正面図であり、(b)は同じく一部破断概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態における物品供給装置は、搬送時においてその外形が変形して形が定まらない物品Pの一例として、袋詰品を採用した場合を例示したものであって、図1、図2及び図3に示すように、物品Pを所定間隔毎に支持して搬送する搬送コンベヤ1と、所定数毎に集合した物品Pを所定間隔毎に支持して箱詰め機に向けて連続的に供給する供給コンベヤ2と、両コンベヤ1,2間において、搬送コンベヤ1から押し出された物品Pを供給コンベヤ2へ搬送する際に、物品Pを載置して移動させるための搬送ベッド3が配設されている。この搬送ベッド3の上面3aは、搬送コンベヤ1の物品搬送面1aと略同一高さに設定されている。搬送コンベヤ1の下流側における排出位置には取出手段としてのプッシャ4が設けられ、また、その排出位置に対応した供給コンベヤ2の外側方には搬送ロボット5が配設されている。該搬送ロボット5は、搬送ベッド3上に載置された状態の複数の物品Pを支持して供給コンベヤ2に向けて搬送するように動作制御される。
【0024】
搬送コンベヤ1は、搬送方向の左右に平行に巻き掛け案内された2本の無端チェーン1b,1cの夫々が図示しないサーボモータによって独立して走行駆動されるものであって、各無端チェーン1b,1cには複数の仕切部材6aによって画成された複数の収容区画6bの夫々に物品Pを受け入れて搬送する搬送体6が所定間隔毎に配設され、一方の無端チェーン1bに配設した搬送体6と他方の無端チェーン1cに配設した搬送体6とを搬送コンベヤ1の搬送方向に交互に位置させて一方及び他方の搬送体6を独立して前進移動するよう構成されている。即ち、一方の搬送体6が、前工程から搬送されてきた物品Pを搬送コンベヤ1における上流側の受け入れ位置において各収容区画6bに順次受け入れて前進移動し、すべての収容区画6bに物品Pを受け入れた後に、搬送コンベヤ1の下流に設けた排出位置まで高速移動し、次いで、受け入れ位置において、後続する他方の搬送体6が、前工程から搬送されてくる物品Pを各収容区画6bに順次受け入れるように前進移動する。このようにして、一方の搬送体6が物品Pの排出位置で一時停止されて物品Pを搬送ベッド3に送り出す際には、他方の搬送体6は搬送コンベヤ1の上流側に位置して物品Pの連続的な受け入れを許容する。
【0025】
搬送コンベヤ1の上流側には、物品Pを所定間隔毎に吸着して搬送する搬送ベルト7aを備えた搬入コンベヤ7が接続され、該搬入コンベヤ7から搬送コンベヤ1に一定間隔毎に送り込まれる物品Pは、横向き姿勢から90度姿勢変換されて立った姿勢で搬送体6の各収容区画6bに収容される。
【0026】
前記プッシャ4には搬送コンベヤ1の収容区画6bに収容された各物品Pを排出位置で一括して押し出し可能な櫛歯状の押出部材4aが設けられ、該押出部材4aは物品Pを搬送コンベヤ1から搬送ベッド3に向けて押し出した後に、搬送コンベヤ1の搬送体6に設けた仕切部材6aより上方まで上昇した状態で後退するよう作動する。搬送コンベヤ1の排出位置に対応した搬送ベッド3上において、プッシャ4で収容区画6bから一括して取り出される物品Pの搬出通路には、搬送ベッド3に押し出される複数の物品Pにおける所定数置きの位置で物品Pの側方を案内する仕切り8aを備えたガイド部材8が着脱交換可能に配設されている。ガイド部材8は、供給コンベヤ2に送り込む物品Pの集合数の変更に応じて適合する仕切り間隔に設定されたものが搬送ベッド3に対して装着される。
【0027】
また、搬送コンベヤ1の排出位置に対応した搬送ベッド3の上方には、プッシャ4で押送された際に各物品Pが搬送ベッド3上を滑り、供給コンベヤ2に向けて前進するのを規制するストッパ9が設けられている。ストッパ9は、搬送ベッド3より下方の退避位置から搬送ベッド3上に突出した規制位置との間を昇降動可能に配設され、搬送コンベヤ1から物品Pが排出される時期に合わせて上昇移動する。なお、ストッパ9は、搬送ベッド3に対して滑りが生じ易く摩擦抵抗が少ない物品等、物品の性状との関係で必要に応じて採用されるものである。
【0028】
供給コンベヤ2は物品Pを一対の仕切部材10aで画成した区画部10に収容して連続搬送するものであって、所定間隔毎に配設された各区画部10に物品Pを複数個ずつ整列した集合品PGが収容され、その区画部10が連続走行して箱詰め機に向けて物品Pを供給する。なお、区画部10は集合品PGの集合数の変更に際して適宜調節機構により各仕切部材10aの間隔が調節可能に構成されている。また、図2に示すように、供給コンベヤ2における各区画部10における仕切部材10aの上縁は搬送ベッド3の上面3aより低い位置に設定されている。
【0029】
搬送ロボット5には物品Pの集合数の変更に対応可能に構成したロボットハンド11が装着される。ロボットハンド11は、前記プッシャ4で取り出されて搬送ベッド3に整列した複数の物品Pにおける所定数毎の物品P間に位置し所定数の集合品PG単位で幅寄せする幅寄せ手段12と、その幅寄せ手段12を供給コンベヤ2における各区画部10の間隔に対応する間隔に拡げる間隔調節手段13とを備えている。間隔調節手段13は、調節部15としての第1ねじ軸15aと第2ねじ軸15bと、案内レール16と、該案内レール16に支持された複数のベース部材17と、該ベース部材17に連結されて第1ねじ軸15aまたは第2ねじ軸15bのいずれかに螺合された雌ねじ部材20a,20bとから構成され、第1ねじ軸15aと第2ねじ軸15bとは、所定間隔離間して支持枠11aの長手方向の両端部に回転可能に支持されている。また、支持枠11aの幅方向中央における第1ねじ軸15aと第2ねじ軸15bとの間に案内レール16が設けられている。
【0030】
前記ロボットハンド11において案内レール16に支持された各ベース部材17の下方には支持体18が配設される。支持体18は、支持枠11aの長手方向中央部で案内レール16に移動不能に支持したベース部材17に配設される固定支持体18aと、その固定支持体18aを挟む両側において、案内レール16に移動可能に支持されたベース部材17の下部に配設される第1可動支持体18bと、第1可動支持体18bの外側において案内レール16に支持されて移動可能なベース部材17の下部に配設される第2可動支持体18cとの夫々から構成されている。各可動支持体18b,18cは、ベース部材17が案内レール16を移動することで、固定支持体18aを基準として相互に近接離間移動し、近接時及び離間時のいずれにおいてもその相互間隔が等間隔となるよう設定されている。第1可動支持体18bはベース部材17の一側に連結された雌ねじ部材20aが第1ねじ軸15aの回転によって移動し、また、第2可動支持体18cはベース部材17の他側に連結された雌ねじ部材20bが第2ねじ軸15bの回転によって第1可動支持体18bの倍の距離を移動可能に、第2ねじ軸15bが第1ねじ軸15aのねじピッチより大きく設定されている。このように、基準位置となる固定支持体18aから第1番目に離れた第1可動支持体18bに対して第2番目に離れた第2可動支持体18cの移動量が2倍となるように、第1及び第2ねじ軸15a,15bの夫々がモータ等の駆動手段で回転され、固定支持体18aと各可動支持体18b,18cとの相互間隔は常に一定の間隔で離間するよう調節される。
【0031】
このように、基準位置の支持体から離間した各可動支持体18b,18cの移動量を、基準位置からの離間数倍となるように各支持体18の数に応じて異なるねじピッチとなるねじ軸を複数設けた調節部を採用するようにすればよい。
【0032】
各支持体18には、固定幅寄せ部材23と、該固定幅寄せ部材23に対して近接離間するようエアシリンダ22に連結されて移動する可動幅寄せ部材24を備えた幅寄せ手段12が、物品Pの集合数に対応して着脱交換可能に取着されている。
【0033】
また、支持体18が取着されるベース部材17は、異なる集合品PGの数との関係で必要な最大数分について案内レール16に支持されており、集合品PGを供給コンベヤ2の区画部10に一括して送り込むための集合品PGの数に対応して、固定支持体18aと可動支持体18b,18cとを選択設定するようにすればよい。具体的には、図5に示すように、支持体18の配設数が奇数の時には、その支持体18を取着するベース部材17を案内レール16の長手方向中央に移動不能に支持し、また、支持体18の配設数が偶数の時には、すべての支持体18が配設されるベース部材17を案内レール16に対して移動し得る構成となるようにすればよい。即ち、ベース部材17の案内レール16への支持状態を固定と可動とのいずれかに選択すると共に、その支持状態との関係でベース部材17の一側に連結された雌ねじ部材20a,20bと第1及び第2ねじ軸15a,15bとの連携状態を組み替えることで、異なる集合数の物品Pへ対応し得る。
【0034】
固定幅寄せ部材23には可動幅寄せ部材24に向けて延びる棒状の押送片25が取着されている。該押送片25は、搬送ベッド3に載置された物品Pを供給コンベヤ2に向けて送る際に、各幅寄せ部材23,24で左右が支持された集合品PGを押送可能な位置に臨む。
【0035】
このように構成されたロボットハンド11は、プッシャ4で取り出されて搬送ベッド3上に整列した複数の物品Pを、搬送ベッド3上に載置した状態で供給コンベヤ2の各区画部10内に各集合品PG単位で送り込むまでの間に、幅寄せ部材23,24の間に位置する各物品Pを幅寄せした集合品PGとし、また、幅寄せ部材23,24で支持した各集合品PGの相互間隔を間隔調節手段13によって拡げ、それらの各集合品PGを一括して供給コンベヤ2の各区画部10内に送り込むよう動作する。
【0036】
以下、前工程から搬送されてきた物品Pの搬送処理動作について実施形態との関係で説明する。
図1に示すように、搬入コンベヤ7から所定間隔毎に搬送される物品Pは搬送コンベヤ1の上流側の受け入れ位置において搬送体6の各収容区画6bに搬送姿勢が90度変換されて順次送り込まれ、搬送体6のすべての収容区画6bに物品Pが送り込まれることで、搬送体6は、搬送コンベヤ1の排出位置まで高速移動する。また、後続の搬送体6が引き続き受け入れ位置に至って前工程から搬送されてくる物品Pを各収容区画6bに順次受け入れつつ前進移動して、搬入コンベヤ7から連続して搬送されてくる物品Pの受け入れが許容される。排出位置に至った搬送体6が一時停止すると共に該排出位置に設けられたプッシャ4の押出部材4aによって搬送体6の各収容区画に収容された複数の物品Pは一括して搬送ベッド3まで押し出される。
【0037】
図3(a)に示すように、プッシャ4の各押出部材4aで物品Pが押し出される際には、数個置きの物品Pに対応して搬送ベッド3の上方に配置された各ガイド部材8で物品Pの側方が案内され、複数の物品Pが搬送ベッド3上に至って整列状態で載置される。なお、搬送ベッド3に物品Pが押し出される際には、ストッパ9が搬送ベッド3上に突出した規制位置まで上昇移動しており、搬送ベッド3に対して滑りが生じ易い物品Pが搬送ベッド3上を滑って過度に前進するのが規制される。
【0038】
物品Pを搬送ベッド3に押し出したプッシャ4は、押出部材4aが搬送コンベヤ1の搬送体6に設けた仕切部材6aの上方まで上昇して後退するので、押出部材4aにより物品Pを押し出した後に直ちに搬送体6の前進移動を行なうことができ、サイクルタイムを短縮した高速搬送処理が可能となる。
【0039】
搬送ロボット5は、図2に示すように搬送ベッド3へ物品Pが押し出された位置の上方で待機していたロボットハンド11を下降させることで、図4に示すように、各幅寄せ部材23,24が搬送ベッド3に載置された所定数置きの物品P間に臨み、また、押送片25が各物品Pを押送し得る位置に臨んで可動幅寄せ部材24を固定幅寄せ部材23に対して近接するよう移動する。各可動幅寄せ部材24の近接移動によって、搬送ベッド3に載置状態にある複数個ずつの物品Pが供給コンベヤ2の区画部10における仕切部材10aの間隔より狭い間隔となるように幅寄せされ、複数の集合品PGが搬送ベッド3上で分割される。次に、ロボットハンド11の各幅寄せ部材23,24で集合品PGの左右を支持して押送片25によって、集合品PGを搬送ベッド3上に載置した状態で押送して供給コンベヤ2に近接する方向に移動する。ロボットハンド11を供給コンベヤ2に向けて移動するのに先立ち、搬送ベッド3上に突出しているストッパ9を搬送ベッド3より下方の退避位置まで下降する。
【0040】
図3(b)に示すように、ロボットハンド11は、搬送ベッド3の上方で所定の隙間をもって水平移動し、集合品PGの左右を支持体18における幅寄せ部材23,24で支持すると共に該集合品PGを押送片25で押送して供給コンベヤ2に向けて移動する。また、ロボットハンド11により集合品PGを供給コンベヤ2へ向けて移動する際に、図5に示すように、間隔調節手段13を作動して各可動支持体18b,18cの間隔を拡げ、供給コンベヤ2の区画部10の配設間隔に応じて、各支持体18による集合品PGの支持間隔が各区画部10の配設間隔と等間隔になるよう移動調節する。
【0041】
ロボットハンド11は、供給コンベヤ2における区画部10の受け入れ口に近接した位置まで移動した後に、各供給コンベヤ2の区画部10の搬送位置と各支持体18による集合品PGの支持位置とが一致するタイミングで、供給コンベヤ2の移動速度に同調して供給コンベヤ2の搬送方向へ向けて移動すると共に、供給コンベヤ2の搬送方向と直交する方向に向けて移動するよう搬送ロボット5の動作が制御される。
【0042】
このロボットハンド11の移動によって、搬送ベッド3に載置された複数の集合品PGは、各支持体18に設けられた各幅寄せ部材23,24で左右が支持されると共に押送片25で押送されて各集合品PGが一括して区画部10内へ送り込まれる。ここで、供給コンベヤ2における各区画部10の仕切部材10aの上縁は搬送ベッド3の上面3aより低い位置に設定されており、ロボットハンド11が搬送ベッド3に載置された集合品PGを押送して供給コンベヤ2の区画部10の上方を通過させることで、ロボットハンド11の移動高さを変えずに移行させても、ロボットハンド11の各幅寄せ部材23,24が供給コンベヤ2の区画部10における仕切部材10aに対して接触干渉する恐れがなく集合品PGを区画部10内に確実に送り込むことができる。
【0043】
即ち、搬送ベッド3上に取り出されて整列した複数の物品Pを、ロボットハンド11で支持して供給コンベヤ2へ送り込むに際して、ロボットハンド11は、集合品PGを搬送ベッド3に載置した状態で幅寄せ手段12で幅寄せし、その幅寄せ手段12の相互間隔を間隔調節手段13によって一定間隔に拡げつつ供給コンベヤ2に近接すると共に供給コンベヤ2の区画部10の搬送方向への移動に同調して移動することで、幅寄せ手段12で支持した各集合品PGは、搬送ベッド3に載置された状態で供給コンベヤ2に向けて案内される間に供給コンベヤ2における複数の区画部10の配設間隔に一致する間隔に拡げられる。そして、各集合品PGが区画部10内へ向けて送り込まれる際には、各区画部10の移動位置と各集合品PGの幅寄せ手段12による支持位置とが一致した状態で、幅寄せ手段12で支持した各集合品PGを搬送ベッド3上で区画部10の移動速度と同じ同調した速度で移動しつつ区画部10の搬送方向と直交する方向に向けて移動するようにして複数の集合品PGが一括して区画部10内に収容される。
【0044】
集合品PGが区画部10内に収容された後に、ロボットハンド11は物品Pがプッシャ4で押し出される位置に対応した搬送ベッド3の上方の待機位置に向けて移動する。
このように構成することで、高速搬送時においても、例えば、袋詰め品等の物品Pのように、搬送処理時において外形や周囲のサイズが変化し易い物品Pであっても、それらの物品Pを複数個ずつ整列した集合状態で、供給コンベヤ2の各区画部10に複数の集合品PG単位で纏めて連続的に送り込むことができる。
【0045】
特に、集合品PGを、搬送ベッド3からロボットハンド11で持ち上げることなく、搬送ベッド3上に載置された状態で支持して押送し、また、搬送ベッド3上に載置された状態で集合品PGの幅寄せと各集合品PGの相互間隔を拡げるようにしているので、搬送時における物品Pの搬送姿勢の変化や整列状態のバラケ等が生ずることなく安定した搬送を行なうことができる。
【0046】
また、搬送ベッド3に載置された物品Pを供給コンベヤ2へ搬送するまでの間における、集合品PGの幅寄せと供給コンベヤ2の区画部10の配設間隔に応じた間隔調節とを搬送ロボット5のロボットハンド11の動作制御によって行なうことができるので、他の整列装置等を別途設けることなく、比較的簡単な装置構成とすることができると共に、ロボットハンド11における幅寄せ手段12の交換や組み換え、あるいは、間隔調節手段13の組み換えならびに搬送ロボット5の動作設定変更等によって、異なる品種の集合数や物品サイズ等に対して柔軟に対応することができる。
【0047】
本発明の趣旨に反しない範囲で前記実施形態以外にも適宜変更可能であり、例えば下記のような構成を採用することができる。
・ 供給コンベヤ2の仕切部材10aが搬送ベッド3の上面3aより低い位置となるよう構成したが、仕切部材10aの間隔を幅寄せ手段12による集合品PGの幅寄せ量より広く設定することで、ロボットハンド11の幅寄せ手段12が物品Pを支持して供給コンベヤ2の区画部10内を移動することが可能であって、必要に応じて仕切部材10aと搬送ベッド3の上面3aの高さ関係を設定することができる。
【0048】
・ 幅寄せ部材23,24間に設けた押送片25により物品Pを供給コンベヤ2の区画部10内に押して収容する構成としたが、ロボットハンド11が区画部10の入り口に対応する位置に物品Pを搬送する時期に合わせて、押送片25をエアシリンダ等の駆動手段で作動して物品Pを区画部10へ押し込むようにする等の構成を採用してもよい。そのようにすることで、ロボットハンド11を区画部10に向けて移動させる動作を省略することができるので、搬送ロボット5の制御を簡単にできるばかりでなく、更なる高速処理が可能となる。
【0049】
・ 幅寄せ手段12は固定幅寄せ部材23と可動幅寄せ部材24とにより構成するようにしたが、集合品PGの形状や集合数等必要に応じて、各幅寄せ部材を可動幅寄せ部材24とすることや、集合品PGの数が多数である場合には両可動幅寄せ部材24間に1または2個の固定幅寄せ部材23を設けて、それら可動幅寄せ部材24と固定幅寄せ部材23との間で物品Pを幅寄せする構成を採用することができる。そのようにすることで物品Pの幅寄せ時において、物品同士でブリッジが発生することなく、良好な物品Pの支持状態を得ることができる。また、集合品PGが多数で且つ奇数個である場合等において、両可動幅寄せ部材24の移動量が互いに異なるように設定してもよい。
【0050】
・ ロボットハンド11は、搬送ベッド3へ物品Pが押し出された位置の上方から下降して、各幅寄せ部材23,24を搬送ベッド3に載置された所定数置きの物品P間に臨むよう動作するようにしたが、例えば押送片25を昇降動させる形態とすることで、物品Pが搬送ベッド3に押し出される前に、各幅寄せ部材23,24が搬送ベッド3に当接し得るか、或いは搬送ベッド3から僅かに離れた状態で物品Pの両側を支持し得る位置まで移動して待機させるようにしてもよい。そのようにすることで、各幅寄せ部材23,24をプッシャ4で取り出される物品Pの搬出通路に配設されるガイド部材8の仕切り8aとして機能させ、ガイド部材8を省略することができる。また、取出手段で物品Pを搬送ベッド3に取り出した際に、不安定な物品Pが横倒し状態となることなく、幅寄せ部材23,24で物品Pの両側を確実に支持することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…搬送コンベヤ、2…供給コンベヤ、3…搬送ベッド、4…プッシャ(取出手段)、5…搬送ロボット、8…ガイド部材、10…区画部、11…ロボットハンド、12…幅寄せ手段、13…間隔調節手段、15…調節部、18…支持体、23…固定幅寄せ部材、24…可動幅寄せ部材、25…押送片、P…物品、PG…集合品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送コンベヤと、該搬送コンベヤに並設され、夫々の区画部に所定数の物品を収容して連続搬送する供給コンベヤと、該両コンベヤ間に配設された搬送ベッドと、該搬送ベッドへ前記搬送コンベヤから複数の物品を取り出す取出手段を備えた物品供給装置であって、
前記取出手段で搬送ベッドに取り出された物品における所定数置きの物品間に臨み、物品を複数の集合品に分けて幅寄せする幅寄せ手段と、該幅寄せ手段を前記供給コンベヤの区画部に対応した間隔に拡げる間隔調節手段とを設けたロボットハンドと、
搬送ベッドに取り出された複数の集合品を、前記幅寄せ手段で支持すると共に供給コンベヤに向けて押送し、前記供給コンベヤの区画部に一括して送りむようロボットハンドを移動する搬送ロボットとを備え、
前記幅寄せ手段で支持した物品を供給コンベヤへ押送するまでに、前記幅寄せ手段と前記間隔調節手段とにより、幅寄せした集合品の相互間隔を拡げて各集合品を供給コンベヤに向けて近接するよう移動すると共に、前記区画部の連続移動に同調して移動しつつ区画部内に複数の集合品を押し込むよう前記ロボットハンドを動作する構成としたことを特徴とする物品供給装置。
【請求項2】
前記ロボットハンドは、供給コンベヤの区画部と共に、集合品を支持して移動しつつ、区画部の搬送方向と直交方向に移動して、区画部内に各集合品を押送する押送片を備えたことを特徴とする請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記搬送ベッドに向けた物品の搬出通路には所定数置きの物品の側方を案内するガイド部材を備え、前記ロボットハンドは、ガイド部材を経て搬送ベッドに載置された物品の上方から下降し、前記幅寄せ手段に配設された幅寄せ部材を、前記ガイド部材で区分された物品間に臨むように作動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品供給装置。
【請求項4】
前記ロボットハンドは、幅寄せ手段を着脱交換可能に取着する支持体を備え、前記幅寄せ手段の配設数と該幅寄せ手段で幅寄せする物品数及び前記間隔調節手段の調節量を変更可能に前記支持体と前記間隔調節手段とを組み替え可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記間隔調節手段は、いずれか一つの幅寄せ手段を基準としてその基準位置から離間した複数の幅寄せ手段を基準位置からの離間数倍の移動量とする複数の調節部を設け、該調節部により各幅寄せ手段の相互間隔が等間隔で拡がるよう動作する構成としたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の物品供給装置。
【請求項6】
前記ロボットハンドは、前記押送片で供給コンベヤの区画部に集合品を押送する際に、前記幅寄せ手段が供給コンベヤの区画部上方を通過するよう動作されることを特徴とする請求項2に記載の物品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−213431(P2011−213431A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81266(P2010−81266)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】